ブログ「風の谷」  再エネは原発体制を補完する新利権構造

原発事故は放射能による公害。追加被曝阻止⇒放射性廃棄物は拡散してはいけない⇒再エネは放射能拡散につながる⇒検証を!

市川定夫埼玉大学名誉教授の講演録「低線量被曝の影響と JCO事故健康被害」を読む③

2015-10-31 | 市川定夫

講演録(6) 質問

司会者 
 どうもありがとうございました。1時間半にわたるお話でした。市川先生の研究史を中心としながら、そのことが、まさに我々が問題にしている低線量、あるいは微量放射線の生物体への影響ということに直接関わってくる話の内容になったと思うんですけども、非常にお話が多岐にわたりながら、かつ早口でお話されたということもありますので、ちょっと消化しきれない部分もあったんではないかと思いますので、非常に単純なことで結構ですので、質問を少し受けていきたいと思うんです。問題を出していただきたいんですが。 

しきい値説と放射線有用説 

質問者 
 先生は、しきい値はないという、先生の研究に対して推進派というか、国側の御用学者達は、いやそうじゃないんだと、しきい値はあるんだと。ないしは低いレベルの放射線というのは、むしろ体にいいんだと、放射線ホメオスタシスという、そういう変な名前も付けて、多少は放射線を浴びてたほうが健康にいいくらいだというようなことまで言い始めてるんですけども、先生はそういう考え方に反論というか、ご意見があったらお聞きしたいんですけど。 

市川 
 しきい値はないんだということは、例えば国際放射線防護委員会も、あくまでも放射線防護はしきい値はないという立場で行わなければならないということを明確に言ってますから、しきい値説がないということは普通に認められていることなんですけども、日本の原子力関係の人に限って、あるいはそっちに弁護してる科学者に限っては、実際はしきい値なんかないんだが、ホメオスタシスはある、その証拠にということで持ち出してるのが、いわゆる放射線がある量よりも、もっと小さくなったら、かえって生物にはプラスの面が出てくるんだと、マイナスじゃなくて。それは昔からそういう説を唱える人がいたんです。なぜかというと、生物はある放射線を浴びると、例えば最初に植物で見つかった例は、非常に微量の放射線だったら成長が良くなるんです。 

 例えば麦の種に照射して芽生えさせるでしょ、それで放射線の量が多いほど、障害が起きて草丈が低くなる。ところが、ある量より低くなると、かえって高くなると。比較したコントロールといって、照射しなかったものより少し高くなる。それが一番最初にいわれた低線量の方がいいんだという。 

 ところが、その後いろんな修復機構とか分かってくることによって、修復機構とは全く関係のない、生物学的修復機構なんだけど、分子レベルでの修復機構とは関係なしに、いくつかの細胞が機能を失いますと、植物の場合そうなんですが、他の細胞がそれをカバーしようとする。だから、例えば植物の幹に傷がついたら、その傷ついたところを治そうと、その周りの細胞が盛んに分裂するようになる。それと同じことが起こるから結果として背が高くなるんだということがわかって、遺伝レベルの修復とは関係のない、周りの細胞が、本能と言えるかどうかわかりませんが、動物じゃないから、周りで起こったことに対して即座に対応する手段のひとつとしてそういうのがある。 

 今おっしゃったようなのは、ある量の放射線を浴びないと修復機構が働かないことから起こってることなんですね。だから、ある量の放射線を浴びるまでは修復というのは起こらないから、皆さんの側から見ると、このグラフの縦軸と横軸を考えると、すうっと増えはじめるんです、微量でも。そしてしきい値はないんです。ところが、ある量になるとすうっと落ちるんです。それで、途中からそれより低い勾配というか傾き方で、ずっと直線上に増えていくんです。 

 それが今の新しい説を唱えられる人で、いっぺんコブになる部分は、かえっていいんだと。だから、極微量よりもちょっといったところ、もうちょっと高い放射線を浴びる方が、かえっていいんだということをおっしゃってるんです。 

植物と動物で異なる修復機構 

 それは突然変異でもどんなことでもそうなんですが、植物の場合はそういうふうに神経系でやってるわけじゃないですから、細胞の中で修復もして、放射線の被曝を受けたその細胞単位では自分で修復しようとしてます。だけど、それでもなおかつやられた時に周りの細胞が、そのやられた分を補うために細胞が増殖するというのが植物流のやり方。 

 動物の場合は、神経というのは下等なものから高等なものまでありますけど、それとホルモンというものがあって、それからいろんな事態を認識しようという細胞、例えば異種タンパクが入ってきたらそれを見つけ出すT細胞。それに対する抗体を作り出すB細胞というリンパ球があるように、いろんな状態を動きまわって偵察してるというか、そういうことをしてる細胞があって、そういうのを何か感知されると修復機構が働きだすんです。 

 DNAの修復というのは何種類もあります。それで1番最初に知られたのは、光回復といいまして、紫外線によってDNAに異常が起こり、となりの塩基というもの同士がくっついたりしてしまったりして、特にチミンというものはくっつきやすいのですが、チミンが2つくっつくと、それとくっつくべきアデニンという向かいの鎖の塩基がくっつけなくなって、DNAのそこの部分が欠落してしまう。 

 そういうのに対して、紫外線でそういうことが起こっても可視光線のエネルギーでもってそれを直してしまうという光回復が一番先にわかった。 

 それから都合の悪いところができると、そこを切り取ってしまって、悪くなってない側に合わせて、DNAというのは塩基の配列が、AとT、GとCといって、Aというのがアデニン、Tというのがチミン、Gというのがグアニン、Cはシトシンという塩基、4種類しかないんだけど、必ず2本のDNAの鎖の、片方がAだったら片方はT、片方がGだったら片方はCというふうに決まってますから、その傷ついた部分だけ切り出して、そして残ってるもう一方に合わせて新しい部分を入れるという、そういう切り出し修復も見つかったんです。 

 それから、さらに新しい、専門的になりますからやめますけど、それ以外のいろんな修復法が見つかってきたんです。そういういろんな修復機構というのも、実際に修復しようという指令がこないと働きださない、動物の場合は。 

 だから、その指令を出すシステムというのを持ってる動物では、さっき言ったように、ある程度傷害が起こってるということが認識されないと修復機構は働かないことは当然考えられる。そういう時に起こってることが、その新しい説を言い出す、新しい古い説を言い出すと言ったほうが正解かもしれないけれど、ひとつの根拠になってるわけですね。 

マレーシアでのモナザイト被害 

 関連してお話しますが、僕がさっき言ったように使ったガラス線量計ではなく、熱蛍光線量計(TLD)という、ごく小さい精度の高い放射線測定器を使ったケースに触れておきます。 

 今日は話さなかったですけど、マレーシアで起こった、日系のその当時の三菱化成という会社が放射性トリウム、トリウム232という核分裂するものを含むモナザイトという鉱石から、イットリウムという希土類金属を取り出す工場を作ってたんです。ところが、もとのモナザイトにはトリウム232は7%含まれているんですが、イットリウムを取り出したあとの廃棄物には14%もトリウム232があって、しかもトリウム232というのは放射能の半減期が141億年で、天然の放射能で一番長寿命なんです。141億年ですよ。地球ができてからまだ46億年しかない。それが入ってるのに柵も何にもなしに、野積みで捨ててたんです。 

 僕がマレーシアから依頼を受けて調査に行った。合計7回行ったんですけども、1回目にそれを見た時で推定350トンもの廃棄物の山。それで僕がその周辺でのTLDによる測定調査結果を出したら、英文で書いたのを周辺の住民達が、それをよりどころにして、イポー高等裁判所に訴えた。マレーシアはイギリス法ですから、政府の認可がかかってる件は高等裁判所からしか始まらない。日本でいう一審はないんです。高裁は僕の報告書を鑑定書と認めて、その裁判は仮執行命令の裁判だったんですけど、住民の訴えを認めて、AREという会社だったんですけど、そのAREの即時業務停止、それからすでに捨ててあった強い放射性のトリウム廃棄物を撤去し、安全管理するという命令を出しました。確かにARE工場はすぐに作業をやめたんです。 

 ところが、何て言ったかというと、「裁判所の仮執行命令を従うんではない」と。マレーシア政府が新しく作ろうとしていた原子力法に合うように改善すると。その当時マレーシアには原子力に関する法律が全くなかったんです。普通の放射性物質を扱う法律しかなかったんです。 

 トリウム232というのは国際的に核原料物質・核分裂物質として認められてて、それを扱うには原子力法がいるんですけど、マレーシアはそれを作ってなかった。しかもマハティールという今の首相が首相に選ばれた直後です。 

三菱との癒着 

 マハティール氏が選挙後はじめてやったのが、三菱系からものすごいたくさんの選挙資金をもらってたから、三菱化成にそういうことを認めてしまった。現地にAREという会社を作って。同時に三菱系に非常にプラスになることをやったのは、その当時、もう日本の車はたくさんの会社の車種が入ってたんですが、三菱とだけ提携して、その頃に走ってたランサーという車種をマレーシアで国産して、税法上などの特典を与えて優遇しました。 

 とにかく、そういう総理大臣のもとでその工場が許されてしまった。三菱は、総理大臣が認めてるんだから、放射性物質を捨てようが何しようが平気だろうし、柵をしたり、放射能のマークをつけたりしたらかえって疑われる。だけどその当時のマレーシアの法律でも、少なくとも柵はして、放射能のマークはつけなきゃいけなかった。それを守らなかったため、牛を追う子どもたちが、牛を追いながらその放射性トリウムの上を越えていったり、そんなふうだったんです。 

 それで7回行って、証言をして、イポー高裁は最終的に正式な裁判でも違法判決をして、操業禁止と廃棄物の撤去を命令したんです。それからAREと三菱は最高裁に訴えたんですけど、最高裁では逆転勝訴したんです。形の上では。最高裁は、僕の調査は個人的な調査であって、その会社がやった組織的な調査に比べて、個人の勝手な判断なり、恣意的にデータを作る機会があったと断じたんです。そんなことはできないような調査方法をしてたのにです。つまり、僕は現地で瞬時瞬時の放射線量率のメーターが、ここは放射線量率高いよ、ここはレベル高いよと、誰もが見れる、全面公開調査で。 

 ただ、TLDによる、ものすごく小さい集積線量を測るのは、それを読み取ることができるのは僕の大学でしかできませんから、そのところは完全に誰も見てない世界になります。だから、そのためにガイガーカウンターで測ったものを現地に残したわけです。それと一致してるかどうか、瞬時の線量率、つまり単位時間あたりの線量率と集積線量が合ってるかどうか、一般に分るように。裁判所にもそれを出してるわけです、証拠としてね。なのに最高裁はそういうことをぜんぜんわからないで、たった1人の調査は複数でやった会社のデータよりも信用できないと断定したんです。 

 ただし、やっぱり最高裁判所も気が引けたのか、どういうことを書いたかというと、そのARE社が、これだけの措置をとり、これだけの気を使って、今度できた原子力法を忠実に守れば、安全性を確保できると。ところが、その最高裁の判決で言われたものを全部やろうとしたら、ものすごい金がかかるんです。そこでイットリウムを取り出して得られる収入よりもずっと大きくなるから撤退したんです。撤退して何て言ったかというと、中国から買い付けた方が安いと言ったんです。 

 そういう三菱のことにまでいきましたけど、とにかく、マレーシアでも言われたのは、トリウム廃棄物を捨てたのが発覚してからも、みんなに言ったことは、放射線は少し浴びた方がずっと健康にいいんだと、会社は皆さんに貢献してきたと平気で言ったんです。 

 ところが、裁判中に白血病の子どもが、はじめ2人で、4人になり6人になり、しかも最高裁の判決が出るまでに最初の6人は全部死んでしまった。それで僕は撤退したあと行ったときに、7人目の子が発生してました。まだ、トリウムが地面の中にいっぱい残ってるんです、撤去したと言いながら。撤去したあと測定しても放射線量は高いままなんです。141億年で放射能がようやく半減するものが、まだたくさん残ってるんです。 

微量放射線の直接的影響 

質問者 
 先生、いいですか。時間もあんまりないので、いろいろ質問を受けたいと思うんですが、僕の方からちょっと質問をしたいのは、非常に直接的な話なんですが、事故のあとにとてもだるいという感じ方をする人がたくさんでてきたり、風邪を引きやすくなったとかという方が出てきたり、それから喉が痛いとか、斑点ができたとか、あるいは口に粘膜がおかされて、口内炎とかそういう症状が出たとか、そういうようなことを訴える方がたくさん出ているわけなんです。それについて、先生の今の中性子線の、しかも低レベルでの、微量での影響というもののお話があったんですけど、その先生の考え方とそういった症状が出てきたということについて、どういうふうにつなげて考えたら我々はいいんでしょうか。そこのところを分りやすく説明いただきたいんですが。 

市川 
 放射線の影響というのは、皮膚系に現れたり、神経系に現れたり、粘膜に現れたり、それから循環機能、血管機能、血管の場合は内壁というんですが、内側の壁に現れるんですが、それから消化管に現れたり、そういういろんなものがあるんです。粘膜ももちろんですが。今おっしゃったのは全部起こりうるんです。というのは、神経系をやられますと、神経とホルモンの協調による恒常性という、常に体を一定の状態に保とうとするシステムが狂いますし、それから口の中にできるというのは粘膜の損傷を受けたということになりますし、皮膚に傷害を受けてる人もあるかもしれないし、それから内臓も消化液の分泌がものすごく減っていますから、特に分解する消化酵素、その分泌を調整するホルモンとか、そういうものも量が落ちますから、当然消化状態というのは普通じゃなくなります。 

 実際、昔から報告されてるのでは、放射線被曝をしたあとでは非常に下痢をしやすくなるというのもあります。それから粘膜がやられますと起こることは、昔から、歯医者でレントゲンを撮った時に、さかんに口内炎ができたんです。それで今はフィルムの感度も、使うレントゲンの状態も改善され、歯を撮影するけどフィルムの向こう側まで届く量をうんと減らしてるんです。 

局所被曝の影響 

 とにかく、そういうふうに昔から出てる例はたくさんあります。おっしゃったようなのは他の放射線でも出ますし、さっき言った中性子の場合は、影響が局所的に、それが何点あろうと、1点1点は局所的ですから、だから総線量は比較的少ないといっても、それぞれの部分、組織や器官の、器官とは、胃とか、心臓とか、肺とか、そういうもの全体の線量は多くなくても、その各局部にあたった線量は大きくなりますから、他の放射線以上に様々な影響が出やすいと考えた方がいいです。 

 それで、今度の線量、少ない少ないと強調しようという動きがありますけども、もちろん中性子と言えども、現場から離れた人ほど相対的に少なくなることは事実です。それでも、中性子は貫通力が強いですから遠いところまで届きます。電磁波の放射線、ガンマ線とエックス線は距離の2乗に反比例するというんです。距離が4倍になれば16分の1に減るとか。ところが、速中性子はそこまでいかないんです。しかし、その途中でどれだけ弾性衝突を繰り返すか、そのチャンスによって変わってくるんです。 

 ですから、距離の2乗に反比例するほど急速には減りませんけれども、一般的に距離が遠かった方が少なくて、距離が近かった人の方が多いということなんです。それから、もちろんコンクリートにもある程度の衝突がたくさん起こりうる可能性がありますから、しかも水分子以外のものをたくさん含んでますから、大きな原子核と衝突すると中性子がかえって跳ね返されて逆の方向に飛び出すこともありますから、近くでもどういう建物の中にいたかによって被曝線量は変わってくるんです。 

 だから、ガラスとかは、ほとんど障害がないのと同じように貫いていきますから、ガラス戸とか、そういうものからは、ほとんど何もなかったのと同じように入っていきます。それと木造の建物ですと中性子はほとんど障害なく通りますから、そういうものによっても違いはありますけども、一般的には距離が遠いほど少ないと言えるでしょうけど、今言ったように、距離が長くて線量が減ってるとはいえ、中性子の影響というのは、それぞれの部分で、器官なら器官、臓器なら臓器、それから組織なら組織、そんなかの小さな点に集中エネルギー与えてますから、普通のガンマ線やエックス線よりも症状が出やすい。そこの部分が損なわれたために、ちゃんとできないと。例えばすい臓のランゲルハンス島というのに集中的にそこで起こったとしますと、インスリンが出なくなるとか、そういうことが起こってくるわけです。だから、今言われてるように線量が比較的少なかった論だけではすまないと思いますね。 

小さなエネルギーで大きな効果

質問者 
 今のに関わることで、エネルギーが小さいほど生物効果は高いというお話で、これはとても衝撃的な話なんですけど、エネルギーが小さい中性子というのは、散乱したものですか、それとも直接来たものでも距離が長くなると遅くなるということですか。 

市川 
 速中性子のスピードが落ちるのは、衝突を繰り返すことによって相手の粒子に、陽子なら陽子に運動エネルギーを与えるから運動エネルギーがだんだん小さくなる。だけど、はじめに持ってるエネルギーは、メガエレクトロンボルトといって、ものすごい大きなものですからね。何個も何個も衝突でエネルギーをだんだん失っていくんですよ。1つの陽子とぶつかっただけで一挙にメガエレクトロンボルトが、ただのエレクトロンボルトに変わるなんて、そんなにまで急速には落ちません。 

質問者 
 これから主張を組み立てるうえで、14.1メガエレクトロンボルトが0.43ですか、100数十倍以上になってると思うんですが、 

市川 
 ちょっと待って。14.1メガエレクトロンボルトに比べて0.43メガエレクトロンボルトの中性子は、「100数十倍の生物効果」を持ってる。 

質問者 
 そうですね。それは分ったんですが、その14.1が0.43になるには、どれくらいぶつかってくるとこれくらいになるんですか。 

市川 
 それは、そういうフィルターを通して得られるんですけど、何回ぶつかってるかは分りません。何回もぶつからして、結果的にそういうふうにするわけですから。 

質問者 
 結局、ほんと端的に言うと、住民の人たちが被曝した中性子というのが、どのくらいのメガエレクトロンボルトだったんだろうなと、今のお話からすると知りたくなってきますよね。仮に今まで中性子で、この程度というふうに言ってる数字があるんですけど、それは科学技術庁が言ってるのと、市民団体というか大阪の関係者の方がおっしゃったものと、かなり差はあるんですけども、それがかなり中性子としてエネルギーが下がってきていて、生物効果が10倍とか100倍とかになってたりすると、ほんとに急性放射線障害が起きるような値を浴びてる人もいるわけなんですね。仮にその生物効果が10倍とか膨大になるとすれば、あり得るなという。 

市川 
 ちょっと待ってください。急性被曝というのは、ガンマ線とかエックス線のように、ある方向から放射線が飛んでくると線としてほんとに高い密度で飛んでくるんです。だから急性傷害というのが現れるんです。今言ったように実際には、主として水素原子にあたって、陽子を飛ばして、陽子は高いエネルギーを得ても電気ブレーキで止まってしまって、狭い範囲しか与えない。だけど、エネルギーを失えば失うほど、何度も衝突して、陽子を飛ばす距離も短くなるし、陽子は同じプラス1の電荷を持ってますから、ずっと早く止まってしまって、そこの止まったとこで、陽子線として放射線作用をする。そういうことですから、問題の作業していた3人は、あれだけむちゃくちゃな中性子線量を浴びてますから、急性障害が当然起こりましたけども、周りの人には、顕著な急性障害が起こるよりも、器官とか組織の一部がダメージを、小さい部分に集中的に受けてて、そのためにいろんな症状が出てくる確率の方が高い。それも含めて中性子被曝の特徴です。 

局所被曝の影響

 
質問者 
 今のですね、小さい部分に集中してという、小さい部分というのはどれくらいの規模を言うんですか。たぶん相手方が言ってくるのは、要するにミクロのレベルでごく一部の細胞が傷つけられてることがあったとしても、線量が低いということは、1単位の線の影響を受けたとしても集中してないわけだから、極めてぽそぽそと遠くにあるだけで、例え胃の粘膜がどうなるとか、集合的に現れてこないはずだと、そういう議論をしてくるんじゃないかと思われるんですが、その点はどうなんでしょう。 

市川 
 今まで中性子の作用の仕方というのを知らない人は昔よく言ってたんです。中性子は玉突き的な影響を与えて、中性子自身は非常に遠いところまで届くけれども、陽子はすぐに止まっちゃうから局所的な影響なんだと。ただし、さっきも僕が説明したように、中性子は1回水素とあたって、エネルギーを大きく失うことないんです。ちょっとずつ失っていく。しかも、だんだん中性子のエネルギーが弱まるほど、次にあたって飛ばす距離もあまりないですし、より近い距離で衝突しながらエネルギーを失っていきますから、結果的にははじめのころ起こってる事象は、ほんとに陽子だけの影響で、陽子も最初は強い運動エネルギーをもらいますから、ある程度は飛ぶんです。 

 それで、そのころでも40ミクロンとか、35ミクロンとか、40マイクロメーターね。そのぐらいの距離しか陽子ですから飛ばないんです。しかし、40ミクロンといっても結構大きいですよ。40ミクロンだったら、標準的な細胞で4細胞貫きますから。連続した4細胞ね。それで、その後どんどん中性子のエネルギーが失われていくにつれ、陽子を飛ばす距離は短くなって、その1個1個のエネルギーの範囲も小さくなって。ところが、いちばん問題なのは、中性子がどんどんエネルギーを失っていって、そして1個がぶつかってから次にぶつかるまでに、遠くには飛ばないし、水は豊富ですから、次々とあたってしまう。そういうことになった方が生物効果が大きいから、さっきも言ったように中性子の生物効果は、ガンマ線なんかのように距離の2乗に反比例しないで、距離の遠いところにもけっこう残るというのは、その最後の方の中性子にあたってる可能性もあるわけです。遠い人ほどその確率は高い。 

 だから、そういういろんなことが複雑に関係してますから、ある意味では、あのような3人の作業者のように、発生源のすぐ直近で体中に中性子を集中放射のように受けたら、もちろん急性障害が出ます。あとは、どっちかというと、さっき説明したように、障害が早く出たとしても、急性障害のように酷くなくて、例えば消化不良になるとか、ちょっと神経失調症になるとか、どっかで痛みを感じるとか、そういう形であらわれてるのが中性子被曝の特徴になるだろうと思ってるんですよ。 


講演録(7) 質問 

被曝した場所による違い 

質問者 
 集中的に、局所的にダメージを与えているというか、局所の範囲が消化不良とか、神経障害を起こしうるような規模になりうると考えてよろしんですか。 

市川 
 それは、あたった場所によるわけですね。例えばホルモンというのは受容体というタンパク質が存在して、はじめてホルモンとして働くんです。ところが、受容体というのは、それを必要としている部分に局在しているわけなんです。その受容体が存在してる部分に中性子があたると、受容体がなくなりますから、そのホルモンは働かなくなっちゃうんです。 

質問者 
 そこにあたればということですか。 

市川 
 うん。例えば今、環境ホルモンが問題になってるのも、環境ホルモンが立体的な、いろんなホルモンの受容体だと、くっついちゃうんですよ。受容体を占拠してしまって、だからホルモンがそれと結合できないから、そのホルモンが働けなくなっちゃう。受容体というのは局在してますから、そこがやられるとホルモンの異常が出てくるだろうし、例えば消化液の中に含まれる酵素も特定の場所で作られてますから、そういうところにやると消化不良を起こすかもしれない。粘膜のようにお互いの細胞がお互いに依存しあってますから、そのうちの少数がやられても、そこの粘膜の機能を保てなくて口内炎を起こすとか、そういうこともありうるんですね。 

人による影響の違い 

質問者 
 例えば同じところに、施設からの距離も同じぐらいの所にいて、同じような条件にいても、例えば粘膜、この口内炎のようなものが発生する人もいれば、しないという人もいるのは、どこで違ってくるでしょうか。 

市川 
 たまたま中性子があるエネルギーを持ってて、中性子はかなりの数が飛んでるはずですから、実際に作業をしていた3人に比べたら密度は低いけども、1つの個体の中で何カ所も中性子は20時間の間に貫いてるはずです。ただし、それが貫く途中で、最初の水素原子核とあたった場所、それからエネルギーを中性子が少しずつ失いながら陽子を追い出していった場所。その何回か起こるなかで、さっき言った肝心な場所の細胞がやられたとこで傷害が起こるわけで、それが外れてると、そういうことが起こってても障害が起こらないこともありうる。 

地域による違い

質問者 
 同じような話で、向こうがよく言ってくることなんですけど、微量の放射線で発病に影響するとすれば、もともと地域によって線量率が違うとか、特に高山の方だと宇宙からのエックス線なり、中性子線なりも大きくなるわけだから、そういう地域で年間線量を比べると、かなりもともと違う。にも関わらず、発病率はそんなに違わないじゃないかという話をよくしてくるわけです。それについては、先生はどうお考えですか。 

市川 
 我々の環境の中での放射線の影響については、例えば両方のデータがあるんです。日本の国内でも、地域によっては放射線レベルが高いところほどガンの発生率は高いというデータもあるし、それを否定してるデータもあります。否定してる人は、粟冠さんといって、もともと東北大の医学部の先生で、この人は東北一帯の放射線レベルと、いくつかのガンの発生率を調べて否定してるんですけども、コホートというんですが、調査の範囲を。そのコホートの取り方が、先生は郡単位なんです、県の中の。 

 京大の医学部で上野さんという人が神奈川県と大阪府だけに集中して、都市単位までおとして、都市の平均と市町村までもおろして、平均とそこでの発生率ということで、10いくつかのガンについて調べたんです。そこでは、神奈川県も大阪府もきれいな影響が出た、放射線レベルと。郡単位とか大きくしてしまうと、ほとんどないし、その前に科学技術庁の時代に昔出して否定結論では、県単位でやってるんですよ。 

 そういうことをおっしゃってる人は、昔の古いデータに基づいて言っておられると思いますよ。その上野さんが示したのは、粟冠さんと同じように、昔の郡単位でやると関係ないことになると。 

 それはチェルノブイリの事故が起こったあとで、イギリスでそういう放射線遺伝学的な、放射線による発ガンとか、それに対する討論会があって、上野さんが招かれて行って、原子力を良しとする人と、チェルノブイリの事故を直面して原子力を止めるべきだという、両方の学者が集まって1つのシンポジウムを開いてるんです。僕は、その本を日本語に訳してるんです。それは絶版になってるんで、英語のタイトルは違うんですが、日本人に分りやすいように、『放射線の人体への影響-低レベル放射線の危険性をめぐる論争』というタイトルで出しました。中央洋書出版部というところから発行されたんです。そこが景気が悪くなってから破産して絶版になっちゃったんです。出したのは、86年に出た本を1989年にその訳本で出してます。僕と女性1人と男性1人と手分けして、3人で訳本にしたんですけどね。イギリスでの論争です。 

 イギリスの学者だけでの論争じゃなくて、日本からは彼1人だったんですけど、その時に僕も誘われたんですけど、僕はその時、既にチェルノブイリの事故の影響をヨーロッパのいくつかの国から頼まれて線量測定を一生懸命やってましたから、その討論会にはいけなかったんです。あの時、僕も胸にTLDを付けてヨーロッパのいろんなところを調査にあたるだけで、結構被曝したんです。 

中性子と化学物質との相乗効果 

質問者 
 あと、先生が最後に言われた相乗効果について質問したいんですけども、先程から抽象的に、ある化学物質と、ある放射線、とりわけ、エックス線と違うとおっしゃったんですけども、その先生がなされた研究の、実際されたものと、これからやれそうなものの中に、まさに今回問題になっている、放射線の方でいけば、中性子線の今回浴びたような線量で、それと比較的ありそうな化学物質との組み合わせで相乗効果はありそうな感じですか。 

市川 
 僕が目をつけたのは、どういうことかというと、DNAの2重らせんね。2重らせんのうちの鎖の1本を切るのか、2本を切るのかに関わらず、DNAの鎖の切断をするものの間では相乗効果は起こるはずだということが、まず第1。 

 それで、DNAの鎖を切る化学物質と、放射線はどの種類の放射線も全部DNAの鎖を切りますから、紫外線という放射線、これは電離放射線じゃないですけど、光の一部です。電離効果のない放射線である紫外線だけは鎖をほとんど切らないですから、1番目のご質問にお答えしたような紫外線による障害を光回復するとか、別の機構ですから、DNAの鎖を切るものは紫外線とは相乗効果ないだろうと。だけど、DNAの鎖を切るものは、エックス線と相乗効果が出るはずだということで調べていったんです。 

 それから、化学物質の間でも、同じようにDNAの鎖を切る効果を持ってるもの同士だったら、そういう意味じゃやっぱり相乗効果があると。そういうことからいって、その他に関わる問題としては、違う作用機構であっても、例えば修復機構に関連のあるもの同士だったらあるんじゃないかと。つまり、どっちもの作用によって修復機構が落ちてしまえば、修復機構は同じだから、どっちも直せなくなって相乗効果がでるはずだと。だけど、こっちの方が証明が難しいから2年ぐらいしかやってないです。 

質問者 
 中性子線も扱ったわけですか。 

市川 
 中性子線については、2例だけです。というのは、中性子を当てるためには特別の装置がいりまして、その特別装置を持ってるとこで化学物質も同時に処理できるという設備がないとできませんから、だいたい中性子なんかを扱ってるところで、そういうものを持ち込むこと自身が法律上禁止されてますから、特別なケースしかできないですね。 

質問者 
 普通はガンマ線で… 

市川 
 普通はエックス線でやってます。ただし、中性子の場合でできる機会があったのは、京大の原子炉ですけど、もともと照射のために付けてある穴があるんですよ。そこに空気の圧力をかけて高速で送るカプセルのなかに、化学物質で処理した状態で材料を入れて送って、中性子はカプセルを平気で貫きますから、それで中性子の調査をできるようにしたんですよ。京大原子炉で、熊取のね。やった結果、やっぱりEMSは中性子ともエックス線とも相乗効果を示した。EMSはアルキル化剤のひとつなんですけど。それと相乗効果を見せたということはわかってます。 

質問者 
 実際に扱われたのは2例だけれど、理論的には同じようにありえると。 

市川 
 起こるはずだと考えています。 

放射線は体にいい? 

質問者 
 生物の自己防衛機能で、多少の、ある程度の一定の線量で、防備できる範囲の線量で、成長がよくなったり、そういう効果があるということ自身が、ある意味、生物体が放射線に反応しているということですよね。危険があるから反応しているわけですよね。だから体にいいんだとか、そういうふうにそこで言えてしまう論理がわからないですね。 

市川 
 体にいいなんてことは言えないということははっきり言える。というのは、危険があるから体を直そうとしている証拠なんです。 

質問者 
 そのとおりですよね。その方がずっとわかりやすいですよね。 

質問者 
 突然変異が、いい方に働くというとはあんまりないということですか。 

市川 
 それは、まれにあります。だけど、放射線の場合はDNAがほとんど鎖が切られてしまうんで、元通りには戻らないことがほとんどですから。しかも、遺伝子というのは、放射線によって起こった突然変異というのは、今は被曝2世のことをやってるんだけど、原爆によって起こった突然変異も、放影研というとこは血液中のタンパクを調べてる。それで、非被曝者の子と被曝2世の子の間で、異常な、普通には見られない、タンパクの量が違うかどうかというのをタンパク質の分析でやったんだけど、そのやり方の間違いは、放射線によって起こった突然変異のほとんどは、タンパクを作れないという突然変異なんですよ。まったく働かなくなってるのが多い。違うタンパクを作るというのは、まだ働く能力がその突然変異遺伝子に残ってて、アミノ酸の配列の違うタンパクを作るんです。ところが、放射線によって起こってる突然変異というのは、それがほとんどないんで、だから僕が使ったガンマフィールドで、たくさん突然変異を何万も見つけたんだけど、役に立つのがないというのがそれなんです。それで、だんだんやる人がなくなったから、今の農林水産大臣は、もっとあそこを活用しろといって怒ってるんですよ。 

質問者 
 よく世間話で言うと、トンビがタカ産んだというか、突然変異だとかいう、自然の突然変異と人工の突然変異というか、放射線のとはまったく違うのですか。 

市川 
 ぜんぜん違う。自然に起こってる突然変異と、はじめは同じだと思ってたから、ああいうことをやり始めたんだけど、自然に起こってる突然変異は、塩基の対が1つ、またはごく少数変わっただけで、だからタンパクのアミノ酸の配列が1つ変わるだけとか、2つ変わるだけとか、そんなんだけど、放射線によって起こるのは、切れてしまう。それを直そうと、つなぎかえようとするんだけど、例えば遺伝暗号というのは、DNAの3塩基ごとにアミノ酸を指定してるんだけど、1つ2つ抜けたりしたら、遺伝暗号のフレームシフトというんだけど、3つずつの枠が狂ってくるでしょ。そしたら、その途中で停止暗号というんだけど、もう止めという暗号が出ちゃう。そうするとちゃんとしたタンパクができないままで終わってしまうことが多い。 

 だから、ぜんぜん自然に起こってるものとは違います。自然でもフレームシフトというやつは、起こるには起こるんだけど、全部の自然突然変異の中の過半数は、塩基1対だけが変わっただけ。だから、我々の人類にも残ってる、いろんな遺伝性の疾患があるでしょ。それを調べてみると塩基1対の1カ所が変わっただけ、ほとんどがそうです。だから、ちゃんとタンパクは作るんです。ただ、もとの正常なタンパクに比べて機能が落ちる。例えば鎌形赤血球貧血症というのがあるんですが、1つ変わってるだけなんですよ。ところが、酸素との結合力は、鎌形赤血球貧血症というのでは、そのなかに入ってるヘモグロビンというのが、普通のヘモグロビンに比べて半分なんです。だから貧血症なんです。ところが、これはアフリカの黒人に多くて、マラリアを起こすハマダラ蚊が繁殖するところに多いんです。なぜかといったら、ハマダラ蚊は鎌形赤血球が大嫌いなんです。それで刺されない、マラリアになりにくいということで、そこにはわりとまだ残ってる。 

司会者 
 ありがとうございました。 

コメント

市川定夫埼玉大学名誉教授の講演録「低線量被曝の影響と JCO事故健康被害」を読む②

2015-10-31 | 市川定夫

講演録(4) 

エネルギーが小さいほど大きい生物効果 

 次にかかったのは、アメリカから帰って来て京大にいる頃から埼玉大に移ってからにかけて、ずっと続けたんですが、それは速中性子、いわゆるここで起こったのと同じ中性子です。原子炉内で核分裂を起こす中性子は減速してスピードを緩めてありますが、核分裂してから出てくる中性子は、速中性として、何も障害物がなければそのまま速いスピードで飛んでいきます。その速中性子のエネルギーと生物効果の関係でした。 

 速中性子として我々が一番得やすいのは、14.1メガエレクトロンボルトのものです。ややこしいですが、エレクトロンボルトというのはどんな単位かというと、小文字のeと大文字のVを書きます。エレクトロンは電子です。ボルトは電圧のボルトです。エレクトロンボルトというのは、どういうことかといいますと、1ボルトの電位差がある、それは普通使っている100ボルトの100分の1ですが、その1ボルトの電位差がある2点の間で、マイナスのエネルギーを持っている電子がプラスの方へ向かって飛んでいく時に、どれだけの運動エネルギーを得て飛んでいくか、その余分に与えられる運動エネルギー量を1エレクトロンボルトというんです。 

 1ボルトの電位差があるときに電子が電気エネルギーとは別に獲得する運動エネルギー、それがエレクトロンボルトです。それで、メガエレクトロンボルトというのは100万倍の単位です。だから、14.1メガエレクトロンボルトの中性子というのは、1410万エレクトロンボルトを持ってる。そんな大きな運動エネルギーを持ってる中性子です。 

 その中性子の生物効果は、普通のガンマ線とかエックス線と比べて、せいぜい3倍とか4倍ぐらいしかないんです。場合によっては、2倍しか生物効果を示さないことがあります。ところが、その中性子の出し方を変えることによって、もっと小さなエネルギーにして、14.1メガエレクトロンボルトからどんどん下げていって、僕らが実験したなかで一番低いのでは0.43メガエレクトロンボルトまで実験しました。そしたら、14.1メガエレクトロンボルトの中性子の生物効果、それもムラサキツユクサの突然変異で調べていったわけですが、それに比べて0.43メガエレクトロンボルトの中性子の生物効果、突然変異を起こす能力は、100倍以上の突然変異を起こすということがわかりました。 

 中性子もまた、ガンマ線からコンプトン効果で出る散乱放射線と同じように、エネルギーが小さいほど大きな生物効果を与えるということがわかりました。ということは、ここで起こったことを想定しますと、まず少しでも中性子が外へ行くのを防ぐためにバリアをいろんな形で置きました。例えば土のうの中に鉛とか重い鉄を入れたのもありましたし、コンクリートのブロックを積み上げたのもありました。そして中性子がぶつかってエネルギーを失い、運動エネルギーを失っていくほど生物効果は大きくなっいたんです。もちろん、事故初期に出ていた中性子よりは、バリアによりずっと減っていましたが。 

中性子による体内の集中被曝 

 そして、エネルギーが落ちた中性子が我々の体の中に入ってきますと、すぐさま近くにあります水素の原子核とぶつかって陽子を追い出す。しかし、運動エネルギーが弱くなってきてますから、陽子を飛ばす力も弱いし、自分もまたぶつかって飛ぶ距離も短くなる。陽子も弱いエネルギーしかもらってませんから、ほとんど動かずにその周りで陽子線としてエネルギーを放出する。それから、中性子の方もほとんど動かなくなって、そこで何度も何度も、そばに水素はいくらでもあるわけですから、生物の体の中には、ごく短い距離範囲内でどんどん吸収されて、そこに大きなエネルギーを与える。 

 だから、我々の体の中では、細胞単位でも組織の一部でもどこであれ、その組織が神経組織であれ、皮膚組織であれ、内蔵であれ、呼吸器官であれ、循環器官であれ、そういうどこであっても、その一部で集中的な被曝を受けることになります。しかも中性子を高い密度で受けますと、つまり大きな線量の中性子を受ければ、体のいたるところで集中被曝が局所的に起こるという現象が起こってしまうことになります。それが、さっきも話したように、中性子被曝の生物学的に一番危険な点なんです。 

 ですから、ガンマ線に比べてエネルギーが大きい速中性子、速い速度を持ってる中性子は、速ければ速いほど強いエネルギーを持ってるから、高速中性子とも言うんですが、それはガンマ線の3倍前後の生物効果しか持ってなくても、さっき言った0.43メガエレクトロンボルトになると、ガンマ線の100何十倍かの生物効果を持ってることになります。そういうことも証明されています。 

ムラサキツユクサの長所 

 それから最後に、私が一昨年の3月の末でもって65歳で埼玉大学を定年になって名誉教授という形になってしまったんですけど、最後の8年間、僕がめざした放射線と化学物質とか、化学物質どうしの間の相乗効果というのをムラサキツユクサを使って証明しようとしました。というのは、いろんな化学物質であれ、放射線であれ、みんな単品の効果だけで、しかも十分な動植物実験もやらないで規制基準が決められているからです。 

 不幸にして事故が起こった時に、それで起こったことと実際にガンマ線や他の放射線で起こったことを比較して丹念に調査すれば、ある程度推定できます。しかし、少数のサンプルからではきっちりしたものが出るとは限りません。 

 実験は動植物を使ってやるしかないですが、それに一番いいのはムラサキツユクサで、ムラサキツユクサは何でそんな微量なことまでやれるかといったら、1つの花に6本のおしべがありまして、そのおしべ1本1本にたくさんの毛が生えてる。植田先生が以前、毎日毎日観察されてたわけですが、1本のおしべあたり、平均60本の毛があるんです。だから、6本のおしべにそれぞれ60本ぐらいの毛がありますから、6×60で360本の毛がある。そして1本1本の毛には平均で25細胞が一列に並んでる。360に25をかけますと9,000です。1つの花で9,000のおしべの毛の細胞を見れるわけです。100個の花を調べたら90万細胞は調べることができます。 

 だから、ものすごい数を扱えて、しかも僕らが使ったのは青い色素を作る優性遺伝子と、ピンク色の色素しか作らない劣性遺伝子を1つずつ持たしてあります。それで、優性遺伝子と劣性遺伝子ですから、おしべの毛の細胞は花びらも同じなんですが、青です。ところが、優性遺伝子が放射線でやられると、たちまちその細胞はピンクになるという、そういう仕組みなんです。だから、90万のうち、いくつピンク色になってるか、もっと多人数でもっともっとたくさんやれば、何百万、何千万のうち、どれだけ突然変異が起こってるか調べることができる。だから微量放射線の影響がわかったんです。他の生物でそんなことができる生物はないんです。 

 単細胞の大腸菌とかバクテリアを扱ってると数はものすごくいます。けれども、バクテリアの数を数える時にコロニーといって、細胞の集まりを作るコロニー数でしか数えられませんから、1つ1つのペトリ皿(シャーレ)だったら、せいぜい何十個とか、そのぐらいしか数えられませんから、正確に何細胞あたり、どれだけというのは決められないですね。コロニーにも大きなコロニーもある、小さなコロニーもある。みんな同じ大きさじゃないですからね。 

改良したムラサキツユクサ

 そういうバクテリアでも不可能だったことがムラサキツユクサでやれたわけです。その長所を使ってさらに僕は材料を改良しました。青とピンクのヘテロに加えて、植物の一番下の節の長所を生かしたのです。節というのはフシです。竹のフシと一緒です。同じ単子葉植物の縦にしか葉っぱに筋が入らないツユクサ科の植物。皆さんがご覧になる春から夏にかけてコバルトブルーのきれいな花を咲かせるツユクサの仲間なんですけど。ツユクサにはおしべの毛はないんですけど、ムラサキツユクサにはある。ムラサキツユクサは北米産の植物なんですけど。 

 とにかく、改良型を使って次々と証明をしたんですが、稲なんかでは分けつといいますが、新しい茎が一番下の節から出てくる。それがどんどん出る改良をしたわけです。次から次へと採ると、それを外したらまた出てくる。また外したら、また出てくる。出てきてある程度延びて、はじめは真っ白なのが出てくるんですが、光にあたるとすぐに緑色になります。光にあたって緑になったら、はがして分けた別の個体にするんです。また、次へ次へと、ほんとにどんどん出てくる。今言われているクローンなんです。遺伝子型が全く同じ。ムラサキツユクサを私はテスターとして、株を分けてしか増やしませんから、世界中で使ってるのは、みんな同じ株、クローンなんです。 

 それで、どんどん増やして低レベル放射線よりもっと難しいといわれてた、違う化学物質同士、それから放射線と化学物質で同時に処理すると突然変異率が足した率、つまり加算効果だけで済むのか、あるいは相乗効果になるのか、あるいは相殺効果になるのか、それを調べていこうとした。ただし、僕が狙いをつけた点は1つありました。ある化学物質やある放射線が、遺伝子を作ってるDNAに対して、少なくとも部分的に共通の作用機構を持ってるもの同士では相乗効果になるはずだと。 

放射線と化学物質の相乗効果

 例えば一方の突然変異を起こす要因を、ある量しか処理してないと、それがDNAに損傷を起こしたすぐ近くで、次の損傷を与えるチャンスがなかった場合は突然変異まで行かない。ところが、2つの要因で一緒に処理すると、その時の突然変異はどうなるかと調べたら、僕の狙いどおり、予測したとおり、少なくとも部分的に共通の作用機構を持つものを同時に処理しますと、両方足しただけの効果よりも、ずっとたくさんの統計学的にはっきり差がある相乗効果をどんどん見つけるのに成功しました。 

 それで、いろんな化学物質と放射線の間、放射線の種類をかえてもこうだと、化学物質と化学物質の間、そういうたくさんの証明を最後の8年間に集中してやりました。僕はもともと原子力に反対ですが、その原子力を一生懸進めようとしてる、今文部省と一緒になって文部科学省となりましたが、その元科学技術庁には僕を恨んでる人がたくさんいたんですけども、僕は最後の8年間は、ずっと科学研究費補助金(科研費)というのをもらいまして、しかもかなり多額をとってました。というのは、そういう独創的な研究をしてる人というのは他にいないもんだから、付けざるを得なかったわけです。 

 私は、埼玉大学に結局23年いたんですけども、23年のうち16年は科研費をとっておりましたし、最後の8年は連続でとりましたから、新しい研究材料を開発して、しかも液体培養で土も何にも使わないで育て、今までは鉢植えで置いてたら限られた個体数しか置けないところでも何百個体も置けるように、分けたクローン植物を挿して、ほんとに狭い面積でたくさん栽培し、自動的に培養液が循環するシステムを作り、環境条件もコントロールして、いつもどんな時でも同じ条件、処理条件以外は全部同じという条件を具えたのです。その機械も僕の設計で作らせたんですけど、科研費があったからできたのです。 

相乗効果で教え子が博士号 

 とにかく、それで相乗効果というのをたくさん知ることができます。それから、もう1つ、今朝も推薦状を英文で書いて、こっちに来る前に送り出してきたんですけど、僕のところで博士号を取った、埼玉大学に博士課程ができて僕の指導で第1号の博士号を取った沖縄出身のS.N.という女性なんですが、彼女がその実験をずっとやってくれた一人なんです。実験材料の改良も一緒にやってくれたんです。 

 彼女はそれが認められて、博士号を取ったあと1年間僕のところでポストドクトラルフェローといって、日本ではオーバードクターとも言いますが、研究を続ける制度があるんですが、それで研究してましたが、次の年からはカナダのトロント大学に留学しました。新型肺炎が流行って問題になったとこです。ただしトロントで新型肺炎にかかったのは、あそこの中華街だけだったんですね。だから全部あれは中国系だったんです。ちょっとこれは余談ですけど、ある説によれば中国人をねらったのじゃないかとかね、そういう説も出たくらい。そんなことはないと思いますけど。 

 とにかく、そのトロント大学の生物学科で3年間、ポストドクトラルの研究を、最初の1年はカナダ政府から、最後の2年間は日本の政府から、もちろん僕が推薦者になって、奨学金もらって続けました。現在はアメリカのザ・ジャクソンラボラトリーという、一番北東のすみのメーン州にある、ネズミ専門の遺伝の研究所なんですけど、そこに行ってもう3年になるんです。そこでも、ガンに関係した、あるいは染色体を不安定にする要因とか、そういうことについて、まだ遺伝関係の研究を続けています。その人が今度は研究だけじゃなくて教育もしたくなって、ボストン大学の医学部の教官募集に応募したいと言ってきたんで、緊急に今朝、推薦状を書いてボストン大学医学部の選考委員会の委員長に送ったんです。 

人工化合物によるDNA損傷 

 その次の人は中国から僕のところに留学してくれたS.R.という女性で、その彼女がやってくれたのが、バクテリアでは全く無害だけど、真核生物でほんとの細胞核をもっていて、DNAがヒストンというタンパク質と結びついて染色体という構造を作っている高等な生物では、バクテリアでは全く無害のものが危険なものに変えられるという、プロミュータジェンと呼んでいる化学物質に関する研究でした。ミュータジェンというのは変異原、突然変異を起こす物質。それの前という意味の「プロ」がついてるんですが、そういうものがあるというのがわかっていきます。 

 バクテリアは、ぜんぜんDNAに損傷を全く与えない、安全とされてて、だからプロミュータジェンは、除草剤とか、そういう農薬に入ってたりしていたものもあります。そういうものの中で、高等生物では、体内で遺伝的に有害なものに変わってDNAを傷つけるものがあるということが最近わかってきました。それが1つ2つとわかってくると、その化学構造等から、これもその疑いがあるということが読めてきます。 

 そのS.R.さんは、研究生を1年、修士課程を2年で終えると、Sさんよりは2年遅れてドクターコースに入ったのですが、とにかく彼女もがんばってくれた。僕が、この物質もプロミュータジェンの可能性があると、しかもこの化学物質がミュータジェンに変わったら、エックス線と相乗的に働く共通の作用機構をもってると、そういうことを予測しまして、まずプロミュータジェンかどうか調べる。哺乳類である人の場合は、その物質が体内に入ってきますと、肝臓の細胞中にミクロソームというのがあるんですが、その中でその物質が変えられて、そして突然変異を起こす物質に変わってしまうんです。 

 ミクロソームは普通どんな働きをしてるかというと、天然に存在する毒物を無毒化するか、あるいは物によっては分解して害のない物に変えてしまう。そういう作用をしている。だから、体の防御のためにあるものなんです。ところが、プロミュータジェンと称する一群の全部が人工化合物です。天然のものは1つもありません。人間が石油から作り出した化合物です。 

 それが、ミクロソームにいきますと、そこで普通の天然のものを無毒化する作用が、誤って地球上になかったものに対しては同じように作用すると、かえって有害な物に変わってしまうんです。だから人間が作り出した物は体の中に入ってくることによって、我々の体を守ってた、進化の途中で獲得した見事なシステムが、悲しい宿命に一変してしまう典型的な例なんです。Sさんは、いくつかのプロミュータジェンとエックス線との間の相乗効果を見つけました。また、植物では、どの細胞も過酸化酵素によってプロミュータジェンを変異原に変えることも発見しました。 

あふれる人工化合物と放射線の危険 

 ほんとに今は8万を超える人工化合物がこの世の中に出されてしまって、毎年1000以上の新しい人工化合物が加えられている。しかも、そのかなりの部分が放射線と相乗効果を持っているとなると、放射線にさらされる可能性が高くなればなるほど、さらに危険が高まるということになりますから、その相乗効果の研究を僕の埼玉大での最後の研究にしたというのは、そういうとこだったんです。 

 そういうことで私は最初、さっきから言ったように、ムラサキツユクサという非常に優秀なものを見つける前には、一番最初にここの東海村のJRR1とかを使ってやってた頃は、まだまだわからなかったですから、非常に強い放射線をあてることによって、ものすごく放射線の効果というのは怖いものだと知った。しかも、やっぱり日本の場合は、広島・長崎の例がありますから、私も原水禁の副議長として、広島・長崎は30何年間も行きつづけてるんですけども。そういうことが頭にありましたから、どうしても放射線被曝のことを考えて、植物を使って、できるだけたくさんの放射線をあてて、どういうことが起こるかということを見てたんです。それが、東海村でやってた仕事なんです。最初、学生の頃に。 

 ところが、アメリカの国立研究所へ行って、さっき言った新しく見つかった微量放射線の危険性、無重力の危険性は発表を禁じられたけど、そこで見つけたムラサキツユクサという非常に優秀な材料と出会うことができたんです。それは誰も気がついてなかったから、誰も使ってなかった。だけど、たまたま温室担当の技官が、間違って農薬を薄めないでかけちゃった。そしたら、ある植木鉢の同じ株だけが花びらにピンク色の斑点が現れたんです。 

 僕は遺伝学者としてすぐわかったことは、いつも青いのにピンク色が出たということは、青い色素を作る優性遺伝子と、ピンクの色素を作る劣性遺伝子を1つずつ持ってるんだなと思いました。だから、優性遺伝子がやられたからその細胞はピンクになったと。それで、それを丹念に調べました。確かに青とピンクの遺伝子を1つずつ持ってるということを確かめて、それを研究に使いはじめて微量放射線の影響を証明できたし、NASAに頼まれての無重力の危険性も証明された。とにかく、ムラサキツユクサに出会うことによって、まずそれができた。そして、2つとも発表禁止になりましたけども、1つ目の微量放射線の影響については、この茨城県の常陸大宮で実験的に証明するのに成功しました。 

放射能濃縮のこわさ 

 それから、人工放射性核種というのは、ものすごく体内に濃縮するということを発見したのは、さっき触れたムラサキツユクサの原発周辺での実験だったんです。日本でもアメリカでもドイツでも、なぜ同じことになったのかというと、主たる原因が放射性ヨウ素だということがわかりました。はじめは、そういうことは日本の原子力の安全審査で全く考慮されてませんでしたが、放射性ヨウ素がものすごく濃縮されるというのは、実際には1959年にアメリカの核兵器関係の工場なんですが、そこで大量の放射性ヨウ素漏れの事故が起こっていました。 

 そして、2つの研究グループに調査が依頼されて、そこの報告は1960年にはアメリカの原子力委員会に届いていました。しかし、その2つも私の場合と同じように公開されることはありませんでした。ところが、私が1978年にたまたまいろんなところに講演旅行をしていた時のことなんですが、ワシントンまで行ったもんだから、その日の午後から講演があるその前に、昔のAEC、74年に解体されて今のエネルギー省と原子力規制委員会に変わっているんですが、そこに行ったら今まで秘密になってた資料を順次公開している。今日、公開するものもあると。それで僕は、そこに入る時には身分証明書を見せなければいけないんです。僕は、ブルックヘブン国立研究所のIDナンバーというんですけど、それを持ってますから、それを言いますと、ブルックヘブンにいたサダオ・イチカワだなということで、君は見る資格があると。一般に公開する前でも。それで10時からしか見せないということだったんだけれど、資格があるということで見せてくれた。 

 すごく分厚いファイルを持ってこられて、そんなの全部丁寧に見れるわけないんですけど、すごいなと思いながら、何かちょっとでも有益なものがないかなと思って見てたら、マーターという人の報告書で、放射性ヨウ素の濃縮についての報告がありました。それでデータを見ていくと、何とマーターさんの場合では、サバンナリーバーというところで1959年に起こった事故なんですが、そこで1週間前後で植物の種類によって違いますが、作物、自然の草、木も含むんですが、植物種によって200万倍から650万倍にも濃縮してたという報告です。 

 それにビックリして、その前後に何かないかなと思って、次を見たらソルダットという人の署名が入ってる報告書で、その人の場合は350万から1000万倍、植物の種類によって。それで幅を見ると200万から650万というのと、350から1000万倍ですから、両方の幅をとれば、200万から1000万倍に1週間程度で濃縮してしまうということがわかったんです。 

 それで、それまで1974年から静岡の浜岡で実験して、東海でも後に行われて、なぜそんなに突然変異が実際に原発の周りで増えるのかと、僕はたぶん天然にはない人工の放射性核種の中には、放射性核種のない元素だったら生物は安心して、どんどん体内に入れて使ってるはずだと、そのことは考えてたんです。だから、いつも原発の周りで実験をやってくれた人たちには、そのことを言ってたんです。 

講演録(5) 

高濃縮される放射性ヨウ素  

 原子炉の中で核分裂の結果出てくるものは、もちろん自然にあるものと同じ放射能を持つものもあります。だけど、それはごくわずかで、ほとんどが人工放射性核種といって、核分裂させなければできない放射性の核種なんです。核種というのは原子核の種類なんです。それには目をつけてましたけども、現実にワシントンのNRCの図書室みたいなつくりの部屋で公開しようというのを見て、バーンときました。原発の周りでムラサキツユクサの突然変異率を上げてるのは、圧倒的に放射性ヨウ素だとわかったんです。なぜなら、その当時、皆さんには、周りの人には放射能を出さないと言ってきました。だけど法律を見ていただいてもいいように、法律上は、固体廃棄物は「可能な限り」というより、ほとんど全量を廃棄物としてドラム缶等に収めることができます。それで、液体はどうしても漏れてしまう。 

 例えば外へ戻すのに本来なら冷却水には漏れないはずなのに、ピンホールかなんかあいて、そこから少しずつ漏れて出てしまう。だから、液体も一部は出てます。ただ、原子炉の中で水漏れがあったりして、それをプラスティックの手袋をして雑巾を絞ったとか、そういうのはドラム缶に納められるわけですから、そのまま外には出ませんが、例えば関西電力のような加圧水型でピンホールがあると、一次冷却水と二次冷却水が混ざってしまう。一次冷却水の水が一部二次冷却水に出てってしまえば、当然それはそのまま外に出ていきます。液体の一部は出ます。だけど、気体廃棄物は環境中に廃棄すると、はじめからそうだったんです。 

 だから、ヨウ素を吸着するフィルターは当時は使われていませんでした。私たちが実験をはじめた頃は。そして、そのムラサキツユクサの実験結果が出て、ようやく活性炭フィルターがつけられるようになりました。活性炭フィルターがつけられる前は、希ガス、不活性気体といって、クリプトンとかキセノンという元素の放射能を持った核種で、それは不活性気体ですから何も捕まらない。化学反応をまったくしませんから。なぜ原発が石炭も石油も燃やせないのに煙突があるのか、その希ガスというのを、できるだけ高いところに出して、人が住んでるところにあんまり降りてこないようにする。そのクリプトンとかキセノンという希ガスが圧倒的大部分で、当時ムラサキツユクサの実験を原発周辺でやってたころの希ガスと放射性ヨウ素の放出比は、1万対1の比率でした。不活性気体1万に対して、放射性ヨウ素は1しか出てない。 

 だけど先程のワシントンで見た、やっと公開された当日に見つけた資料からいけば、仮に気体の中に出されるのが、不活性気体が1万で、放射性ヨウ素が1だとしても、不活性気体は体の中に入ってきても何も反応しませんから、化学反応しませんから、体の中の濃度と空気中の濃度は同じはずです。だから1万のまま留まります。ところが、放射性ヨウ素は1万に対して1しか出てなくても、これは200万から1000万倍まで濃縮されたら、放出量が1万分の1だからそこまでしかいかないんですけど、200から1000倍になってるわけです。そうでしょ。濃縮で200万から1000万倍になりますから、1万に比べたら1万の200倍から1000倍にもなるわけです。 

生物体内での大逆転 

 だから、植物体の中で全く逆転して、原発の周りの空気中では、空間線量というんですけど、放射線量を測ってますけど、それに寄与してるのは、ヨウ素は1万分の1しかないんです。今は活性炭フィルターがついてますから10万分の1です。それしかないけど生物の体の中では、植物でそれを濃縮する。動物は直接・間接的に植物を食べますから、体内で、我々の場合は甲状腺に溜めるわけです。 

 ただし例外がありまして、妊娠中の女性の場合は、優先的に胎盤を通じて胎児に送ります。それから授乳中のお母さんの場合は、優先的に乳腺に送ってお乳に入って子どもに行くようになってます。妊娠も授乳もしてない時は自分の甲状腺に集めます。とにかく、そういうことで動物の体の中でも大逆転する。なぜかといったら、エネルギーの素は、全部もとを正せば植物から摂ってるわけだから、植物が濃縮してたら、あとは、例えば家畜を食べても、家畜が食べてる物は草ですから同じことになってしまうんですね。 

 だから、「しきい値説」の否定に続いて、そういうことが20年近く公開されていなかった報告を見て判明した。そして人工放射性核種のうち、特にその元素にはもともと放射性核種が全くなかったものに作られた人工放射性核種が生物をあざむくと。セシウムもそうだし、ストロンチウムもそうです。そういうことが判明した。そして3番目に、エネルギーが小さいほど生物効果が高くなるというのを、まず散乱放射線で、コンプトン効果の結果としてガンマ線からできる散乱放射線で見つけて、次は、わざわざ違うエネルギーの中性子の実験を繰り返し行って、中性子もエネルギーが小さいほど、散乱放射線以上にエネルギーが小さくなるに連れて飛躍的に生物効果が大きくなるということを見つけた。 

 その飛躍的に大きくなることは、JCOで被曝された人についても非常に大きな問題なんです。それを政府筋は、何とかはじめに言ってたよりも、もっと放射線の推定線量は少なかったみたいに言い方を変えたりする。そんなことは「しきい値説」にもとづくような、これ以下ではガンは発生しないなんて、どこの世界でも、もはや通用しないようなことを言い出して、何とかだまそうとしてる。そういうことは訴状の中で徹底的に暴いていかなければならないと思ってます。 

 そして最後に、ほんとに巨大なお金がかかりましたけれど、放射線と化学物質、化学物質と化学物質の間に、いろんなたくさんのケースで相乗効果があるということを見つけた。 

多種多様な相乗効果

  今までは化学物質なら化学物質単品でしか試験されてません。昔は何でも実用化されて世の中に出されて、いろんな害を起こしてはじめて禁止された。DDTもそうでした。BHCもそうでした。合成保存料に使われた、豆腐など、いろんなものに入ってたAF2もそうでした。みんなそうして害が起こってから禁止されたのが多かったんですが、PCBもそうです。みんな回収されましたね。今は一応、検査が義務づけられてますが、全部単品検査です。 

 その単品だけでどれだけ害があるからといって、これだけの濃度以下に抑えろと、ある濃度以下に抑えろというのは実用性を認めてるから、あえて「しきい値説」に立ってるんですよ。原子力も彼らの言い分は、原子力によって大きなエネルギーを得てる。したがって、「しきい値説」をとってもいいじゃないかと、こういうふうになってるんですよね。 

 ところが、放射線は放射線で、化学物質はそれぞれ単品で検査した結果にもとづいてやってるんですが、実際には我々の環境中には、例えば食品添加物1つ考えた時にも、もう様々な物に一緒にさらされているし、それから農薬にも汚染されている。それから大気汚染にもさらされてる。水の中にもいろんな物が混じってきている。食べ物の中にもいろんな汚染が起こっている。ものすごい多種多様な物にそれぞれが微量とはいえ、さらされているときに多種多様な相乗効果が起こっている可能性があるんですよ。 

 だから単品検査ではとうていダメだということを、私の最後の埼玉大学での証明ができまして、さっき言ったS.N.さんが、そのままポストドクトラルフェローとして、それでカナダに3年間も、それぞれ日本政府、カナダ政府から研究費をもらい、今はアメリカのジャクソンラボラトリーで、3年間続けた研究には、何とアメリカの国防省からの研究費を受けてるんです。それが、何で国防省が研究に金を出してるかと言ったら、将来、核が使われてガンが起こった時に、どうしたらガンの発生をくい止めることができるかということを知りたいから、そうした基礎研究にも金を出すのです。僕は、もらうのを反対したんですけども、彼女は真理を見つけて、国防省の金をいくらかでも一般市民の物にした方がいいということでもらったんですけど。僕も最後は賛成しましたけど。 

 とにかく、そうして一生懸命いろんな人がやってくれて、しかも僕は常に仮説を立てて自分で想定できる限りのことを考えて、これとこれだったら相乗効果が起こるはずだと、それから放射線の挙動を考えて、低エネルギーになるほど貫通力が弱まりますから、ガンマ線と散乱放射線を比べても、中性子ももちろんです。だから、今まで低エネルギーだから生物効果は弱いと考えられていたが、そうじゃなくて低エネルギーになればなるほど貫通力が弱いだけに、より短い距離に集中して生物効果を及ぼしてしまうんだという、そうなるはずだと狙いをつけたら、そのとおりに。それで、さっき言ったように、少なくとも部分的に共通の作用を持つ要因間では相乗効果は出るはずなんです。少なくとも出るものは必ずあるはずだと、そういう狙いをつけたら、やったうちの十中八九相乗効果が見つかりました。 

 そういうことで私の研究の進め方は、一番最初のムラサキツユクサという、いい材料をつかんだのはラッキーでしたが。そのあとは、その材料を得てからは、こうなるはずだと、こうすればこうなるはずだと、こういう物とこういう物の間には、こういう事が起こるはずだと。そういう狙いをつけることによって、次々といろんなことを発見してきたんです。 

JCO事故での相乗効果

 今日、そういうことで微量放射線の影響からはじまって相乗効果までのお話をしましたけども、このJCOで起こった事故も、中性子という放射線の特異性と我々自身がいろんな環境、例えば周りの田畑で農薬をまいてるとか、買ってきた物には添加物が入ってるとか、いろんなものにさらされるわけですから、被曝した当時もさらされていたわけですから、そういう点で今でも日本政府は、放射線なら放射線だけでの量で見ようとするし、しかもそれを過小評価しようとする傾向が非常に強いですけども、実際このJCOの問題についても相乗効果というのは非常に大きかったということです。 

 僕は、チェルノブイリの国際医学コミッションというのがあるんですけど、それの委員も頼まれてまして、1986年に起こったチェルノブイリの事故も僕にそういう方向へ動かす大きな結果になりました。 

 チェルノブイリ事故で北半球全部汚染された時代になって、すでに始めていた放射線のエネルギーと生物効果の関係を、もう少しやり終わって、そして最後は相乗効果に全ての力を注ごうと思ってやってきたんです。今日は、そういうことをお話しました。これで終わります。

 


 

コメント

市川定夫埼玉大学名誉教授の講演録「低線量被曝の影響と JCO事故健康被害」を読む①

2015-10-31 | 放射能汚染

http://pfx225.blog46.fc2.com/blog-entry-2145.html より 引用 かんそいも通信

学習集会  2003.8.25 臨界事故被害者の裁判を支援する会


低線量被曝の影響と JCO事故健康被害      講師:市川定夫・埼玉大学名誉教授 


講演録(1)

はじめに

司会者
 大泉さんのJCO事故の健康被害裁判は、去年の9月に提訴され、11月から公判が始まり4回を終えたところです。JCO事故における低線量被曝の問題は、この裁判のひとつのテーマであり、その辺のところを勉強する必要から、この勉強会が企画されました。平日の5時半からなので、人がたくさん来てもらうには少し具合が悪いなと考えたんですが、とりあえず、内部的な勉強会ということで、こういう時間帯で設定しました。

 これから1時間半ほど先生のお話をいただいて、そのあと質疑をしまして、8時過ぎぐらいには終わりたいというふうに考えています。最初に、この会を企画した「裁判を支援する会」の代表である藤井学昭さんに簡単な挨拶をお願いいたします。

藤井
 藤井です。代表といわれましたけれども、なかなか難しい内部事情もあります。とにかく大泉さんが声をあげたということ、声をあげていただいたということが、ほんとにどれほど厳しく、そして苦しい現実があるかと。そして声をただ単に出すということではなく、それを裁判という形できっちり、「9月30日」をあらわにしていくということの困難さを、ともに感じながら支えていきたいなと思っております。

 ともかく、あの事故以後、行政、国の方は「なんでもない」と言うだけです。その根拠というものを示そうともしませんし、また我々もそれがどういうことなのかというのが全くわからない。そして、もう日本という国の無責任さと無関心という言葉を、ほんとにつくづく感じております。

 最近では、神栖の日本軍による毒ガスですね。ああいうことが、まったくこの時代や、この年月が過ぎてきていることを考えたときに、ほんとに今、声をあげるということが、まさに歴史を、時代の責任を追っていく、そういう裁判かなということを感じております。

 そういう意味では、私たちがいちばん知らなければならない、学ばなければならないということのひとつとしての本日の講演会ですので、よろしくお願いいたします。

司会者
 それじゃ、早速先生のお話を伺いたいと思うんですが、先生のプロフィールについてはすでにお配りしているビラ等に書いてあるとおりで、放射線遺伝学を専攻とされていて、様々な業績をお持ちです。特にムラサキツユクサを通して低線量の被曝調査というものについて世界的な権威をお持ちの先生であります。
 JCOにおける低線量被曝の問題というのは、非常に重要な問題なので、そこのところに重点を絞って今日は話をいただきたいと思っております。それでは、時間もないので早速始まらせていただきます。よろしくお願いします。


講演録(2) 

東海村との関わり

 ご紹介いただいた市川です。私が初めて東海村に来たのは、昭和33年、1958年です。それは京大の学部を卒業して大学院に進んだ年で、東海村にできたJRR1という実験用の原子炉を使った共同利用というのに関わったことなんですけれども。生物実験には昭和33年から予算がつきまして、それで来てやりだして、そのあと1965年、7年後に京大で博士号をとって、アメリカのブルックヘブン国立原子力研究所というとこに行くまでは、毎年東海村に来てたんです。

 そのころは上野から汽車で来ますね。悠長だったのに、今日はスーパー日立に乗って、スピードがぜんぜん違うんでビックリしたんですけども。とにかく、そうしてここで一番長いときは、村松にある寮に1ヶ月以上滞在したこともあります。ただそのとき驚いたのが、結核の療養所がすぐ隣りにあるということでした。何でこんなところに作ったんだろうと。しかし、そのころ僕は原子力にさほど興味をもってなくて、ただ、生物学者ですけど習っている物理学とか、そういう知識から考えて、相当制御しないとダメだろうと思いました。

 それから知識として持っていたのは、ここで99年の9月30日に起こった臨界事故と同じことが、核技術の開発の初期に何回かアメリカやソ連で起こっていたことは書物で知っていました。だから、そういうことが日本の原子力開発の初期にも起こるんじゃないかという心配は持っていました。

 それから茨城県を越して、アメリカの国立研究所の研究員となり、ムラサキツユクサという優れた実験材料に出会いました。東海村でも実験を行われた植田さんがそこにいらっしゃいますが、その時も度々実験の指導だとか、その結果の説明だとか、得られた実験データの分析の説明だとかにも来ました。

NASAでムラサキツユクサの生物衛星実験

 アメリカにいる時にムラサキツユクサを見つけたんですが、やがて、現在でもまだ使われていますが、働く人の許容線量の20分の1まで下げても、これだけ突然変異が起こるということをムラサキツユクサで実験的に証明したところ、アメリカの原子力委員会から公表禁止という措置を受けました。僕は、その直前からNASA、アメリカの航空宇宙局からムラサキツユクサの実験をしないかと誘われていたので、それに参加したんです。

 それはなぜかと言いますと、ムラサキツユクサというのは、花に6本のおしべがあって、そのおしべにはたくさんの毛が生えてるんですけども、一本一本の毛は25細胞から30細胞ぐらいの細胞が一列に並んでるんです。一列にまっすぐ並んでいる。ということは、おしべの毛が細胞分裂するたびに、いつも同じ方向に分裂してるということを示しているわけです。NASAはそこに注目したわけです。

 そういう、細胞が一列に並んでる生物系というのは非常に少なくて、例えば藻の仲間とか、そんなのでいくつかはありますけど、それを培養して宇宙で実験するのは難しいのです。培養液を植物用に入れ替えたところに、開花直前のムラサキツユクサの枝をさして、それで宇宙で実験できるだろうということで誘われたわけです。

 それで、生物衛星という、最初の生物実験をやった衛星なんですが、その生物衛生実験でやった結果、地上に帰ってきたムラサキツユクサのおしべの毛は直線になっていませんでした。あっちへ曲がったり、こっちへ曲がったり、枝分かれしたり、つまり前回の分裂と同じ方向を維持することができない。つまり、地上に1Gという大きさの重力がコンスタントに、いつも一定の重力がある地上と違って、無重力になると細胞分裂の方向が乱れる。我々の体の中にも細胞分裂の方向が決まっているものがあります。心臓なんかを作っている筋肉がそうです。いつも同じ方向に細胞分裂しています。そういうことで無重力は危険だという報告書を書いたら、今度はNASAにより、それも発表禁止になりました。

大宮のガンマフィールド施設での実験

 2つのことを続けざまに、ひと月の間に2回経験して、私はアメリカの国立研究所で研究するのを断念しまして、ちょうど京都大学で助手として帰って来いという話があったものですから、帰る決心をしました。ただし、その頃1月36万円、1千ドルだったんですが、その頃360円のレートですから、36万円の月給をもらってたのが、京大に帰って初任給をもらったのが36,800円だったんですよ。

 その他、例えば湯水のごとくガソリンを使う5,400CCの8気筒の車に平気で乗ってたんですが、日本に帰って来て買えたのが360CCの軽自動車だったり、いろんな変化があったんです。

 それでも日本に帰ってきて、今度はがんばって、やっぱりそれと同じ証明をもう1回やり直そうとしました。それで来たのが、ここの常陸大宮の農林水産省のガンマフィールド。そこで、来る年も来る年も、何回も何回も実験を繰り返しました。僕は67年に京大に帰って来たんですが、ブルックヘブンに行ったのが 65年で、2年で帰ってきたんです。

 そういう経緯を経て、帰ってからずっとガンマフィールドで何年間か続けて、そして1970年に初めて許容線量の7分の1でも、これだけ突然変異が起こって、しかも線量と突然変異の発生率はきれいな比例関係になっているということを英語での論文で発表しました。口頭で発表したのは70年ですが、71年に英語の論文で発表しました。

 そういうのが出てしまうと、アメリカ側で1966年から67年にかけて出したデータの公表禁止というのは無意味になってしまって、アメリカでのデータもその後許可が出まして、72年に発表されました。その72年の論文を出したことによって、許容線量の20分の1でもこれだけ突然変異が起こって、それ以上ではずっと線量と比例関係になるということが証明されました。

放射線の「しきい値説」を否定

 その実験はそれまで言われてた放射線の「しきい値説」、今でもJCOの事故が起こったあとでも、ある量の被曝がないと影響は出ないんだ、なんていうことを言ってますが、そういうのを「しきい値説」といいます。敷居が高くて家に帰れないという「敷居」と同じです。ある量を超えないと放射線の影響は出てこないんだというのが、僕が習ったときもそうでした。大学で習ったのもそうでしたし、その当時の英語やドイツ語で書かれた教科書は全部それでした。日本語で書かれたものも当然そうです。

 とにかく、そういう経験をしながら、やっぱり茨城県と縁がありまして、常陸大宮で微量放射線の影響を実験的に証明するのを成功しました。しかも、植田さんたちが東海村の原発の近くや再処理工場の近くでやった実験では、ムラサキツユクサは明らかに突然変異率が周辺で上がるということを証明しています。東海村だけではありません。いちばん最初に1974年から行われた実験は、静岡県にある浜岡原発。次いで、その次の年から、島根県にある島根原発。それから福井県の高浜にある高浜原発。その次の年から同じ福井県の大飯にある大飯原発で始まって、その次の年から東海村でも始まったんですが、どこでやっても同じでした。

世界中でムラサキツユクサ実験

 僕は、70年の中頃にアメリカやヨーロッパでムラサキツユクサの実験結果についての説明、いろんな説明をやりました。大変な時は、飛行機で飛ぶのに要する時間も入れて2週間で17カ所とか16カ所。

 そういう講演をするうちに、やっぱりアメリカやヨーロッパでも実験する人が出てきまして、まずアメリカのオレゴン州にある原発、トロージャンという原発ですが、そこで日本と同じ明確な結果が出ました。それから、その次の年に当時の西ドイツのウンターベッセルというところでも同じ結果が得られました。

 そういうことで今度はアメリカの、その当時はEPAといって環境保護局だったんですが、今は省に上がってますが、そこの招待で1980年にアメリカで招待講演をして、それ以来外国では少なくとも放射線の「しきい値説」を取る人はいなくなりました。学問上もいなくなったし、法律上もなくなっています。ところが、日本だけはまだ「しきい値説」なんです、法律上も。これだけの危険度を見積らなければいけないというのが国際的な委員会で出てても、日本の法律は変わっていません。

埼玉大学へ赴任して 

 そういう状況のなかで、こういう事故が起こってしまって、また茨城県とご縁ができてしまうことになりました。

 僕は1978年に埼玉大学に新しい学科を作るために移って来ました。また、埼玉大学には、まだ大学院が修士課程までしかなかったんで、博士課程を作るために埼玉に移って来たんです。博士課程もできたし、いろんな学生もたくさん入って来て、優秀な学生が来て、いろんな研究ができましたが、それからも茨城県の、東海村はもう使わなくなりましたが、大宮のガンマフィールドを使って学生達がいろんな実験をやりました。それで次々といろんな証明をしました。

 例えば核爆発が起こり、放射能が飛び出して、その放射能が落ちてくる。ところが、その放射能には半減期という寿命がある。それぞれの放射性核種の種類によって寿命が違います。例えば、チェルノブイリ事故のあと日本にも降ってきたヨウ素131というのは、8.06日経つと放射能が半分に減ります。また、 8.06日経つとその半分、つまり4分の1、それから8分の1、16分の1と減っていくんですが、同じヨウ素、放射性ヨウ素でも、ヨウ素129という、数字が2つ小さいのは、1700万年経たないと放射能は半分になりません。1700万年って、人類が現れてから何倍もの年月が経つまでかかる。

 そういうふうに、核分裂の結果としてできるもののなかには、非常に長寿命のも短寿命のもあるんですが、そういう寿命に合わせて被曝が減っていったら、どういう結果がでるだろうか。あるいは逆に、降下する放射能の量が増えていった時にどうなるだろうか。それをシミュレーションする実験をガンマフィールドで何度もくり返しまして、汚染量が増えたり減っていったりした時に、ムラサキツユクサの反応はどうなるかというのを調べ、シミュレーションの理論と、実際に一致するということも証明しました。

JCOの事故を知らされて

 とにかく、こういうことで縁があったんですが、このJCOの事故が起こった時に、まず驚いたのは、それが起こってしまったということに驚いたんですが、それを知ったのはどういうことかといいますと、ある新聞社の記者が私の研究室に電話をかけてきました。当日の午後です。比較的早い時間にかけてきました。そして、水戸局に勤めていた記者ですが、今、東海村に飛んでいったら、工場の近くの人が、建物の中の2階の窓から青い光が見えたと、つまり青い光が出ていたと言ったという。それは女性の記者なんですが、その人に僕は「それは臨界事故だ、それしかない」と言いました。
つまり、ウランの核分裂が連続して起こるようになると青い光が出るんです。だから、その新聞社だけは、その日の夕刊に「臨界事故」と書きました。他の新聞社は、放射能漏れだとか、爆発事故だとか、間違った見出ししかつけていませんでした。翌朝の朝刊からは、どの新聞も臨界事故になりましたが。

 とにかく、その記者も僕のところになぜ電話をかけてきたかというのは、その人が浦和支局に勤めてた時に、僕の放射線生物学という講義に興味を持って、聴講生で来てたんです。それで最初に僕の名前を思い出して、大学にかけて僕の研究室の番号を内線電話につないでもらって僕が初めに聞いたんです。

チェルノブイリ事故でも

 同じことはチェルノブイリ事故の時も起こってます。報道機関等が、あるいは政府自身が、そういうチェルノブイリ事故が起こったという情報を外交筋を通じて知る前に、私は、チェルノブイリとはまだ特定できませんでしたが、とんでもない大事故が起こったと知りました。それは、ストックホルムにあるスウェーデンの国営放送。僕はスウェーデンの国営放送で、放射線の影響とか危険とか、そういうことを何度かお話してます。スウェーデンで国際会議に行ってお話したこともあり、国営テレビにも出演したことがあるんですが、それで思い出して。

 それともうひとつ、隣のフィンランドのヘルシンキで原子力をめぐる公開聴聞会があった時に、そこで私はお話をしてます。その時は隣の国のフィンランドから、スウェーデンの国営放送はスウェーデン全土に放送してましたから。そういうこともあって私のところにかけてきたんです。

 放射性ヨウ素がどんどん検出されていると言うのです。放射線レベルがどんどん高くなっていると。僕は、すぐに風向きはどっちだと聞いたんです。南東から風が吹いているという答えだったんです。そうすると、スウェーデンのストックホルムから見て南東の方向というのは、ポーランドだとか、あるいは今のベラルーシぐらいが、そういう方向が南東にあたりますから、そっちで起こった原子炉事故としか考えられないということを言いました。だから、スウェーデンの国営放送は、そのとおり僕の英語で話したのをスウェーデン語に訳して放送して、テープも送ってくれました。

壁をつらぬく中性子

 新聞社とか、それらが知る前に僕が知ってしまったというのは、その時に次いで今回2度目だったんです。とにかく、そういうことが起こりますと、何がまず飛び出してくるかといったら、高エネルギーの速中性子がどんどん出てきます、核分裂によって。それはコンクリートの壁だとか、そんなものは簡単に貫きます。なぜかというと、名前のとおり「中性」子といって、プラスの電気も、マイナスの電気も帯びてないから中性。中性子とは、そういう粒子なんですけども、それは、いろいろなものを貫いて小さな粒子が飛び出していくわけです。

 だから、あの建物の壁ぐらいではほとんど何の障害にもならなくて、そのままどんどん飛び出します。しかも事故が起こったときに、あそこの施設では普通の測定器、ガンマ線を測定するガイガーカウンターで測定しようとしましたが、ほとんどかかりません。中性子は通常の計数器では測定できませんから。だから、ある意味では安心したというか、すぐには非常事態体制をとろうという手はずをしなかった。ただし、作業をしていた3人は酷い状態になっているんで救急車を呼んで搬送した。ところが、放射能で汚染されているということを一切言ってませんから、消防士も被曝しましたし、それにあたった人も被曝した。臨界になって中性子が出てるということをすぐには気がつかなかったわけです。中性子の測定は原研とか、そういう原子炉を持ってるところしかなかったんです。JCOは本来はそれを備えるべきだったのに、それがなかったために、中性子を測定しなかった。

 

講演録(3)

測定が遅れた中性子

 そして、臨界状態が20時間続いて、たくさんの作業員の決死で、相当の被曝を受けながらも作業をして、臨界状態が止まったのは20時間後でした。そのために作業所にいた人、近所の家にも中性子が届いてますから、最初350メートル以内ということにしましたけども、350メートル以内の避難とか、そういうことをさせたのは、だいぶ時間が経ってからです。その間、ずっと現場でみんな被曝を受け続けさせられたわけです。

 そして、原研から中性子の測定器を持ってきて測定し始めたのは、もう臨界事故が終わりに近いころです。だから今、被曝した線量の推定をしてるのも、初期の時の状態がわかってないもんだから、初めのうちはこれくらいと言っていたのが、いやいやもっと少ないと言ってみたり、そういう言いかえをする根拠になっているわけです。確たるデータがないからです。
さっき言ったように、青い光を知らせてくれた記者も被曝者になりました。何も防御なしでそばまで行ったわけですから。ただし、そこに住んでる人から比べたら滞在した時間はずっと短かかった。とにかく、そういうことであれだけ多数の660人を超す人たちが、今、当局の方がそういう対象とする数としてるのが、それだけになってるんですが、それも今度また基準を上げて減らそうとしている動きが強いんです。

 とにかく、あれだけの事故が起こったし、極めて顕著な、きつい急性障害を出した人が3人、実際作業をしてた人で、そのうち2人が亡くなってしまった。そういう事故に至ったわけです。

中性子被曝とは

 それで、いちばんの問題は、主たる被曝が中性子だということです。被曝量の圧倒的大部分が中性子被曝でした。先ほど言ったように、中性子は貫通性が強くて、プラスもマイナスも電荷を持ってませんから、直進性が強くてまっすぐ飛びます。ところが、我々の体に入りますと、どういうことが起こるかといいますと、中性子というのは、陽子とともに原子核を構成していますが、陽子と中性子は同じ大きさなんです。重さも同じです。厳密にはわずかに違うんですけども。しかし、陽子というのはプラスの電気を持っています。中性子は電気を持っていない。

 我々の体の中の元素のなかで圧倒的に多いのは水素です。だいたい体の8割ぐらいが水分でしょ。水というのはH20でしょ。水素原子2つと酸素原子が1つ。それから炭水化物、例えばブドウ糖はC6H12O6と、Hが一番多く入ってるでしょ。それは炭水化物全部そうです。単糖類のブドウ糖でも、多糖類といって糖がたくさんついてるでん粉、それがみんな基本でできてますから。たくさん水素を持ってます。脂肪もそうです。ただ、タンパク質ももちろんたくさん水素を持ってるんですが、タンパク質には他に窒素が入ってるわけです。

 とにかく、体の中で分子を作っている原子核として圧倒的に多いのは水素なんです。その水素の原子核は陽子1個です。さっきも言ったように、陽子と中性子は同じ重さ、同じ大きさですから、中性子が飛んできて、体の中に入ってくると、圧倒的に多い水素の原子核とぶつかるわけです。そしたら、同じ大きさですから、そのスピードで水素の陽子を追い出すんです。そういうのを弾性衝突といいまして、物理的にボンとぶつかって跳ね飛ぶということです。それで水素から陽子を追い出してしまうんです。

 追い出された陽子は中性子の速度が速いほど高い運動エネルギーを得るんです。そして、エネルギーは得るけども、陽子はプラスの電気を持ってますから、体の中のいろんな分子が持ってるマイナスの電子と、プラスとマイナスでくっつこうとするわけです。そのくっつこうとする力でどんどんスピードがゆるめられるので、追い出された陽子は早いスピードで出たものでも、せいぜい数十ミクロンぐらいしか飛ばないんです。そこで止まっちゃうんです。もっともっと何度も衝突を繰り返して、エネルギーが弱ってスピードが遅くなってる中性子が飛び込んで陽子を追い出しますと、その陽子はより小さいエネルギーしかもらえませんから、はじめから遠くへ飛べない。だから簡単に、さっきも言ったようにプラスとマイナスの電気作用で電気ブレーキがかかって止まっちゃう。そういう時には、ほんとに何ミクロンしか飛ばない。

低エネルギーの中性子の影響

 結局は中性子が陽子にかわって、その陽子が走った距離のその周囲だけに大きな放射線のエネルギーを集中的に与えます。中性子の方は、だんだん速度を失って、だんだん運動のエネルギーが小さくなりますが、そのため、あとから追い出された陽子ほど高い密度で放射線のエネルギーを与えてしまうことがあります。陽子線のエネルギーを。

 ここで大事なことは、粒子線といって、粒状のものが放射線である場合には、運動のエネルギーが小さくなればなるほど、放射線として体の細胞や組織に吸収されるエネルギーは大きくなる。なぜかというと、エネルギーが小さいほど短い距離しか飛びませんから、放射線のエネルギーがその短い間に集中的に与えることになり、その放射線の密度は大きくなります。だから、あとでまた触れますが、中性子の実験をやりますと、低エネルギーの、運動エネルギーを失った中性子ほど生物効果は大きくなります。

 とにかく、そういうことで中性子被曝というのは非常に深刻な問題を持っているということを理解してください。普通にレントゲンを受けた時に、エックス線も貫通力が強いからレントゲン撮影に使うわけですが、それは電磁波という放射線で、所々でイオン化を起こして、そこにエネルギーを与えるんです。ところが中性子は、今言ったように、いろんな原子や分子と衝突しながら、速度をどんどん落としながら、落とせば落とすほど短いところでまたぶつかって速度が衰えて。そういうことを繰り返しますから、中性子が体の中に入ってきますと、比較的短い距離の間にエネルギーが集中的に吸収されて放射線効果が大きくなるという、そういう中性子被曝の特質を持ってます。

 エックス線の場合ですと、ある量を外から受けますと体のいろんなところが受けるエネルギー量がほぼ均一に、しかもぽつんぽつんと所々に確率論的に吸収されるだけで、集中的な被曝が起こることはありません。ところが、アルファー線(陽子2つと中性子2つの粒子で、ヘリウムの原子核と同じ)もそうなんですが、これも生物効果が大きくなるのは同じことなんです。

建物から漏れ出た放射能

 そういうことで中性子被曝というのが、今現実に起こっているんだということを僕は知ったわけですが、臨界状態になったことが、どういう過程で起こったかということは電話を受けた時点では知るよしもなかったのです。あそこでやってるのは、いろんなところから注文されている核燃料棒に入れる核物資を製造してるわけです。ところが、後で分ったことは、もっと濃度の高い、特別な原子炉に入れるのを製造してて、それを許可を得た方法ではなく、しかも時間が迫られてたからバケツでもって入れるという粗暴なこともやっていたことだったのです。

 電話で聞いた時は何が起こったかのか具体的には何もわかりません。ただ、わかったことは臨界状態になって核分裂がどんどん続いているということ。したがって中性子がどんどん飛び出しているということです。それから、核分裂も起こってるわけですから、原子炉の中でウランの核分裂によって、いろんな、自然界には存在しない人工の放射性核種、核分裂生成物ともいうんですが、いろんなものが出ています。それはガンマ線とベータ線を出すとか、ベータ線とアルファ線を出すとか、そういう性質を持ってますが、中性子ほど遠いとこまで届きませんから、壁が十分厚ければ透過力のあるガンマ線でもそれで遮られて、あまり外には出ない。

 ところが、そこのなかの空気が、例えばケガをした作業者を運び出すためとか、中性子には役に立たないガイガー計数器でまわりの放射線を調べようとした時、慌てて出入りした際に、中でできてた放射性核種も外に出たはずです。ただし、その場合、あの日は一定の風の方向がありまして、僕は忘れてしまいましたけども、一定の風の方向があって、建物内から漏れ出た放射能は間違いなく風下にしか行きません。中性子のように、風に関係なしに、あらゆる方向に、地面の方向にも真上にも、東西南北どこへでも飛ぶ中性子とは違います。

時期外れの落ち葉

 それから数日たった時、民放テレビの記者から電話がかかってきたんです。事件当日の風下の方の桜の葉や、他の落葉樹の葉がどんどん落ちてると。何でそんなに葉っぱが落ちるのか、まだ紅葉して落葉する時期でもないのにと。僕はすぐに言ったんです。中性子というのは、さっき言ったような働き方をしますから、葉の茎(葉柄)のような細いところに中性子が飛び込みますと、そこに集中被曝を与えますから、葉柄の組織が壊されて青いまま落ちちゃうんです。葉っぱには穴があくだけなんですが、葉柄のところにあたりますと落ちる。だから、それも速中性子が飛びかってた証拠だが、速中性子は風下だけに行くんじゃないと言いました。それで次の日、僕もつき合って現場を見に行ったんですが、案の定、風下とは関係なしに近いところほど葉っぱがいっぱい落ちててました。これは風の方向とは無関係に起こる事象ですから。素人考えすると、これは「放射能」だと思ってるから、風下だけで起こったと思ってるんだけど、さっき言ったように核分裂の結果、建物の中でできた放射能が飛び散っていることと、中性子が貫通して出ていくこととは全く違う現象だし、したがって生物に与える影響も全く違ったわけです。

大宮ガンマフィールドで白血病患者 

 中性子の事故というのは、そういう特殊な性質を持ってることをお話しましたが、僕たちは、低線量被曝だけじゃなくて、放射線の種類によってどれだけ生物効果が違うのか、同じ放射線、中性子なら中性子でもエネルギーの大きさによって、どれだけ生物効果が違うかという研究をずっと続けてきました。 

 また、一番最初にお話したように、アメリカのブルックヘブン国立研究所で、エックス線と速中性子の低レベル被曝が突然変異に関してはしきい値は全くなくて、どんなに小さくてもそれに比例して起こるんだということを実験的に証明して、それが公表禁止になったから、常陸大宮のガンマフィールドで実験的証明を繰り返したということを言いました。それは限られた放射線だけの現象なのか、他の放射線でもそうなのかということを調べなきゃいけません。 

 そのうち、ガンマ線というのは、どんな現象を起こすかという問題が起きました。ガンマフィールドは、直径200メートルの中心、円の中心半径100メートルのところにコバルト60の線源をおいて、そこから圃場の中にガンマ線を飛ばして作物に当て、それで突然変異が起こって、その中で農業で有用な突然変異が起こらないかを狙ったものでした。そういうことで巨費をかけて作った圃場だったんです。 

 ところが、あそこの圃場の近くの人で、大宮の人たちが、トラクターの運転手だとか、草取りだとか、いろんなことで圃場で働いてた人が、2人続けて白血病にかかって、結局2人とも亡くなるという、そういうことが起こったわけですよ。 

 その人たちはガンマフィールドの中にいつも入ってるんじゃなくて、入る朝の8時から12時だけは、コバルト60線源を、上にある鉛の容器に入れてしまって、それでガンマ線が出ない仕組みにしてあるんです。しかもガンマフィールドの周りには200メートル直径、高さ8メートルの土手が築かれていまして、その土手の土の厚さは、ガンマ線はとうてい貫かないという設計になっているわけです。 

散乱放射線の影響 

 ところが、ガンマ線というのはコンプトン効果という、コンプトンという学者が発見したことが起こります。空気中には酸素分子もありますし、二酸化炭素の分子もある。もちろん窒素分子もありますね。そういういろんな分子にガンマ線があたりますと、その分子から電子を追い出します。それは電離化といいますが、その電離のために、電子が飛び出していくエネルギーとして与えてしまった分だけガンマ線のエネルギーが弱くなります。 

 しかもガンマ線とかエックス線という電磁波は、波と書くように波長を持ってるわけです。波長が短いほどエネルギーが高いんです。逆に、エネルギーを失うと波長が長くなってくるんです。いろんな分子から電子を追い出します。原子でもいいですよ。だけど原子で自然界に存在するのはごくわずかで、普通は何らかの分子の状態です。そこから電子を追い出しますと、それで運動エネルギーを奪われて、より長い波長になる。 

 それまでの考え方では、その長い波長になった低エネルギーの放射線は散乱放射線と呼ばれて、散乱放射線ではエネルギーが弱いから生物効果は弱いと考えられていました。コバルト60線源からは、ある高さより上には、直接のガンマ線はいかないように設計されてますから、8メートルの土手は越さないことになってます。だけど下向きになったガンマ線も、もちろん空気があるわけですから、それにあたる。土にあたる。あるいは作物にあたる。そこで、いろんな分子と反応してコンプトン効果で、より波長の長いエネルギーの散乱放射線としていろんな方向に飛んでいきます。それが、また他の分子とあたって弱いエネルギーになって、土手のより高い位置から、今度は土手の外側にももっと弱いエネルギーで飛んでいきます。 

ムラサキツユクサで散乱放射線を調査

  その当時は、そういうことが起こることや、低エネルギーの散乱放射線はほとんど問題にならないと考えられていました。だから、どこのエックス線照射室の壁の構造も、分厚くしたり、何回か直角に曲げて直接のエックス線が漏れないようにしていた。 

 それで、いろんな方向に散乱放射線が出て、こっちの壁に、あっちの壁に、何度もあたってくる。入口の鉄のドアにきた時には、ものすごくエネルギーは弱ってるから、もう問題ないだろうということで、鉄の扉の厚さもそんなに分厚くなかったんです。昔はそう考えられていたんです。 
ところが、そのお2人が白血病にかかられた当時、僕が京大で物理を習った先生で、物理学者だけど静岡県の三島の国立遺伝学研究所のアイソトープ室長をやっておられた近藤宗平という先生がおられた。後に、そこから阪大の大阪大学医学部の基礎医学研究室の教授になられました。定年になられたあとは、大阪の南の方にある近畿大学の原子力研究所所長になられました。その方と私に調査依頼がきました。その時まだ農林省だったんですが、農林省のほうから調査依頼がきました。 

 僕に頼まれたのが、ムラサキツユクサを使って、散乱放射線しか届かない高いところ、つまり直接ガンマ線が届いてないところ、それから周囲の土手の上、そのお2人を含む一般の人が作業をしているところ、つまり安全とされたところ、そこには対照区として放射線をあててない作物も植えてあったわけですが、そういうところで行う調査でした。微量な放射線の影響でも検出することわかってましたから、ムラサキツユクサを置いて、調べてくれと言う。 

 近藤先生には、ガラス線量計というのを開発してもらいました。普通のガイガーカウンターとかでは、その瞬時瞬時の放射線量は測ることができますけど、何時間、何日間、何ヶ月間、何年間置いといて、総被曝がどうなるかという、総被曝線量、集積線量を測る機械は何もなかったんです。それで、ガラスの中に特別のいろんな化合物を入れて、いろいろ試しながら、近藤先生もエックス線を当てながら、これだけ当てたら、こんな色がでる。これだけ当てれば、こんだけでるという測定をしてくれました。それと、実際の生物効果と合うかどうかということで、近藤先生が開発されたガラス線量計というのを僕のムラサキツユクサに付けておいて、ムラサキツユクサに当てると同時に、そのガラス線量計にも線量を当てておくと、そういうことをやりました。 

 ガラス線量計はそれでもまだ大きくて、8ミリ立方ぐらいあったんです。細い植物なんかにつけたら重くて折れちゃうぐらいなんですが、そういうのを使ってやったんですが、その当時はそれしかなかったもんですから、針にさした竹柱につけたガラス線量計で測りました。そしたら、ムラサキツユクサのそばの竹柱にガラス線量計をつけておいて測った線量と、ムラサキツユクサの突然変異率は、きれいに一致しました。 

無力だった原子力施設の安全構造

 ガンマフィールド内でたくさんのガンマ線が出ていて、しかもその線量と突然変異の頻度の関係から、はじめは圃場内でできてる散乱放射線は、結構エネルギーが大きいんでわからなかったのですが、外まで遠くまで飛んでくようなのは、何度も衝突をしてコンプトン効果というのをやってエネルギーを落としてますから、ものすごくエネルギーが小さくなってる。そうしたエネルギーが小さくなってる散乱放射線ほど生物効果が高いということをその調査で証明したわけです。 

 ですから、それまでの原子力施設の安全構造といわれてるものが無力であるということを証明したんです。その後、政府の方もアイソトープ施設とか、そういう施設には迷路状にしただけの構造ではダメだと。散乱放射線が絶対外に漏れないような構造にしないと駄目だということに変わっていきました。それが2番目の発見です。 

 

コメント

メガソーラースラップ訴訟 住民の勝訴「住民が反対意見や質問を述べることは当然で違法性はない」の判決

2015-10-30 | 太陽光発電は危険
 

毎日新聞 2015年10月29日 09時40分(最終更新 10月29日 13時46分)

◇長野地裁伊那支部判決 反対住民が勝訴

長野県伊那市の大規模太陽光発電所の建設計画が反対運動で縮小を余儀なくされたとして、設置会社が住民男性(66)に6000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、長野地裁伊那支部であり、望月千広裁判官は請求を棄却した。さらに望月裁判官は、男性が「反対意見を抑え込むための提訴だ」として同社に慰謝料200万円を求めた反訴について、「会社側の提訴は裁判制度に照らして著しく正当性を欠く」と判断し、同社に慰謝料50万円の支払いを命じた。

 企業などが批判を封じるため乱用する訴訟は「スラップ訴訟」と呼ばれ、問題化している。男性側弁護士によると、提訴自体の違法性が認められるのは異例という。

 設置会社は伊那市の片桐建設。同社代理人は「判決文を見て、今後の対応を検討する」としている。

 判決は、同社が「誹謗(ひぼう)中傷に当たる」と主張した住民説明会での男性の発言について、「住民が反対意見や質問を述べることは当然で、違法性はない」と指摘。同社が提訴した経緯について「男性は工事への妨害もしておらず、言動に不当性があるとは考えにくい。個人に多額の損害賠償を求めており、被害回復が目的の提訴とは考えがたい」と批判した。

 判決などによると、発電所(約1メガワット)は2013年3月から3回の住民説明会を経て、14年4月に稼働した。同社は同年2月、男性が客観的・科学的根拠がない情報で地元住民をあおり、計画の一部を断念させたとして提訴。男性は同年8月に反訴した。【稲垣衆史】

 

(管理人より) 長野県伊那市で起こされていた、メガソーラースラップ訴訟。 反対住民の勝訴は当然です。上記事には、詳細がないのでざっと調べてみました。

伊那市議会議員のブログ アルプスをつなぐ街で~八木択真の伊那日記 より転載させていただきます。 

 

6月議会報告・一般質問①メガソーラーについて

質問の中で取り上げた伊那市西春近のメガソーラー。建設計画が持ち上がった際、地元住民が不安の声を上げて反対したところ、その住民の1人が業者から、6000万円(!!)の損害賠償を求めて訴えられてしまいました。「お前が反対したから損害をこうむった。損害分の金を払え」となったわけです。

僕は、最近の脱原発・自然エネルギー推進の流れを考えると、太陽光発電が増えることは仕方ないと思っていました。しかし、現地を見て、「これはちょっとひどいな」と思ったわけです。  

住民の家の2メートル先から、この写真のような高さ2メートルほどのパネルがびっしりと並ぶ計画でした。

 

  

この市議さんは、自然エネルギー推進の立場のようですが、そういった議員でさえも「これはちょっとひどい」と思うような現場(上の写真)だったわけです。

たしかに酷い!

長野県のメガソーラー問題はここだけではありません。メガソーラーやりたい放題で住民トラブルが頻発していますね。

景観が素晴らしい自然豊かなところを狙って、事業者が荒らしまくっています。森林を伐採し、自然破壊そのもの。

 

2つ記事を引用しておきます。日経新聞は、ソーラー事業者の肩をもった文章で記事を終えていますね。まあ最低です。

今まで以上に「地元への根回し」が来るということなので、地元の反対住民の皆さん、”毒饅頭”などに負けないように!

だいたい「地元の反発」という言い回しは、実に失礼。 周辺住民の迷惑を考えたらこんな表現はできないはずなんです。

住民が反対意見を述べることは当然で違法性はありません。

企業側も「国が推進する再生可能エネルギーの普及に貢献したい」などと大義名分を掲げていますが、要は国策の威を借りて、売電で利潤を上げたいだけ。

 

太陽光発電を否定はしないが、建設計画には賛成できない」

相変わらず、こういう反対?運動が多いようですが、こういう論調では、「課題に対して対策をとる」という妥協の方向に誘導させられてしまいます。

参考☟

東京新聞の誤誘導記事!企業がやろうが地元住民がやろうがメガソーラーはそれ自体が自然破壊 


条例を作る」、「計画の修正」では、根本解決になっているとは言えないのではないでしょうか?

メガソーラー建設を白紙撤回させる、撤退させることが大事なのではないでしょうか?

 

再生可能エネルギー、メガソーラー自体の問題点を知り、学習し、行政交渉して、公害事業を阻止しなければ、住民の命と健康は守ることはできません。

以下の記事からも、自治会で反対することが事業の阻止につながることがわかります。

市役所に実地検分を求めましょう。

 

伊那市西春近のメガソーラーに関しては、反対市民がいてもソーラー全部撤去というところまではもっていけていないようです。

もし条例を作らせても、それを守るか守らないかは、反対市民の知識、戦略次第です。

全国のメガソーラー建設によって困っている反対市民は学習しましょう。ガス抜き裁判させられないように。


メガソーラー、長野県内で反発相次ぐ 上田市や伊那市  

2013/11/12 2:00 日経新聞

大規模太陽光発電所(メガソーラー)の設置が全国で広がる中、県内では森林伐採による景観の変化や水害への懸念から設置に反対する動きが出ている。上田市では自治会が市や県に設置見送りを求める署名を提出。伊那市でも反対運動で計画が修正された。太陽光発電は風力や水力より規制が緩く、県も普及を後押しするが、今後は住環境への配慮を求められそうだ。

 今月7日、上田市ではメガソーラーの建設が予定されている地域の周辺自治会の役員らが市役所を訪れ、母袋創一市長に1640人の署名を手渡した。設置反対を県に申し入れるよう求める内容だったが、母袋氏は「不安は理解したが、一方の意見だけで判断できない」と述べるにとどめた。

 上田市の生田地域で計画されているメガソーラーは最大出力1万500キロワットと県内最大規模を誇る。20ヘクタールに及ぶ広大な予定地は森林になっており、設置が許可されれば伐採される予定だ。県と事前協議を進めている事業者の東日本土地開発(東京・千代田)は「固定資産税など地元自治体にも恩恵がある」(星野良幸専務)などと地元説得へ説明会を開く考え。県側も「土砂止めなど安全上必要な要件が整えば、法律にのっとり申請があれば許可する」(県森林づくり推進課)としている。

 だが、自治会側は計画が正式に県に申請された場合「過去に崩落したこともある危険な場所」(飯沼自治会)である点を指摘し、洪水や土石流の発生懸念も訴えて断固反対を唱える構えだ。

 伊那市でも細ケ谷地区で計画されたメガソーラーを巡り地域住民の反対運動が起きた。パネルの設置予定地に住宅が隣接する市民や、景観の良さを理由に同地に移住してきた人らが不安や懸念を募らせたためだ。設置を計画する片桐建設(伊那市)は一部敷地でパネルの設置をやめるなどの修正案を説明会で提示。計画の修正を余儀なくされた。

 地元の反発事例が伝えられるにつれ、企業側も計画が難航するのを防ぐため今まで以上に地元への根回しが必要となりそうだ。

 

 

 

伊那市細ケ谷にメガソーラ計画 集落近く住民困惑

2013-3-16 6:01 長野日報

中央アルプス山ろくにある伊那市小出三区の細ケ谷地区に、大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設計画が浮上し、住民が困惑している。国が推進する再生可能エネルギーの普及に貢献したいという企業側と、山林伐採による災害や景観、健康への影響を心配する住民側。東日本大震災で発生した原発事故を契機にクリーンエネルギーとして脚光を浴びる太陽光発電だが、全国的に広がりをみせる一方で、課題も浮き彫りになってきた。

 「ここは2006年の豪雨で山から多くの水や土砂が流れ出た土地。木を伐採すると保水力が落ちるのでは」「木々に囲まれた豊かな自然を気に入って移り住んだのに、太陽光パネルに囲まれて暮らすのは耐えられない」―。

 13日夜、小出三区集落センターで開かれた住民説明会。メガソーラーの建設を予定する市内の建設会社は再生可能エネルギー普及や土地の有効活用などの面から事業への理解を求めたが、集まった約30人の住民からは、建設計画に対する不安や反対の声が相次いだ。

 同社の説明だと、メガソーラーは地区内の農地や原野など約1.3ヘクタールに、4200枚の太陽光パネルを設置する。出力は1000キロワットで、全量を中部電力に売電する。総事業費は約4億円。年内の着工、稼動を目指す。

 細ケ谷地区は伊那スキーリゾートを背に、眼下に天竜川や市街地、東に南アルプスを望む傾斜地に広がる約20戸の集落。自然環境や眺望に魅かれ都市部から移り住んだ住民も多い。今回の計画では、敷地の2方向に2メートルまで建設地が迫る住宅もある。同地区では「太陽光発電を否定はしないが、生活環境が一変する建設計画には賛成できない」などとして、今回の計画には全戸が反対している状況だ。

 同社では「一定の範囲内であれば計画の変更はあり得る。話し合いの中で地元の意見を聞き、対策を考えていきたい」としている。

 細ケ谷地区の住民らは、再生可能エネルギー推進の陰で、住民生活や環境、景観を守る視点が置き去りにされていると感じている。メーカーの担当者から「生活への影響は非常に少ない」と説明を受けても、パネルの反射光や周辺の温度上昇、電磁波など、心配も尽きない。

 市は「現状では市にメガソーラーに関する許認可権限はない」とした上で、「開発行為では影響を受ける地域や住民との十分な合意形成が図られるべき。市は双方の協議による解決を求める立場」とする。

 全国の太陽光発電システム設置者らでつくるNPO法人「太陽光発電所ネットワーク」(東京都)の都筑建事務局長は「今は再生可能エネルギーの普及にばかり目が向いているが、地域に及ぼす影響を放置すると必ず社会問題化する。法や条例の整備が必要だ」と指摘している。

■参入増加でトラブルも

 国は太陽光や水力、風力などの再生可能エネルギーの普及を目指し、売電の事業参入を後押しする狙いで昨年7月に「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」を導入。このほかにも工事計画の届け出・審査の不要範囲を500キロワットから2000キロワットまで拡大したり、農地法や森林法に関する許可手続きを一本化するなど、さまざまな規制緩和を進めている。

 これに伴い全国的に自治体や事業者の参入が増加。経済産業省によると、今年度だけで昨年12月末までに、全国で742カ所・計217万5923キロワット、県内でも9カ所・計1万8858キロワットのメガソーラーが新たに整備認定を受けた。

 参入が増えるとともに、住民トラブルも増加傾向に。静岡県藤枝市や兵庫県猪名川町でも、住宅地へのメガソーラー建設計画をめぐり、周辺住民らが反対運動を起こした。

 

 

ご参考に(当ブログでは、可能な限り、画像や根拠をつけています。)

 

 

高知市の太陽光発電施設の斜面の土砂崩れ、与那国島の風力発電の羽が破壊された事実。

金沢大学の藤生助教「丘陵地を掘削したことで、そこにあふれた水が流れ込み水害が広範囲に及んだ可能性」

常総市メガソーラーに最後まで反対した逆井さん「女房を守る為にも堤防を削るなとずっと戦ってきたんだ」

宮城県仙台市太白区ソーラーパネルごと崖崩れ!土砂とパネルで道を塞ぎ、通行止め、立ち入り禁止に!

太陽光パネル専門家「被災した太陽光発電所は電線が切れて垂れ下がっているのと同じ。近づかないで」産総研

高知県宮城県仙台市太白区ソーラーパネルごと崖崩れ!土砂とパネルで道を塞ぎ、通行止め、立ち入り禁止に!

【文字起こし】NHK北九州ニュース「太陽光発電普及の影で」田川市小学校の太陽光パネル20m下に落下!

【驚愕】事故情報データバンクシステムには、太陽光発電システムの火災事故等の情報が220件も?!

台風15号の太陽光パネルへの影響を見る。飛ばされて民家直撃というソーラーパネルも。

太陽光パネルのゴミの山を直視する。工業的リサイクルは環境汚染。日本も20年後こうなる。

太陽光パネルの不良率に驚く!10のうち1つが不良品?不良品も有毒ゴミになるということ

業者の施工のせいにしてはいけない。再エネそのものが事故の元、国策自体が自然破壊になっている

東京新聞の誤誘導記事!企業がやろうが地元住民がやろうがメガソーラーはそれ自体が自然破壊 

土佐清水市緑が丘のメガソーラーの為に削られた山から泥が海に流出。大岐の浜にも建設計画。

太陽光発電が緑地扱いってどういうこと? 日本列島は自然エネルギーで改造される。規制緩和は亡国の道

日本列島は台風の通り道。自然災害は想定しなければならない国なのに、国中にメガソーラーがある異常事態。

【文字起こし】NHK北九州ニュース「太陽光発電普及の影で」田川市小学校の太陽光パネル20m下に落下!

台風15号の太陽光パネルへの影響を見る。飛ばされて民家直撃というソーラーパネルも。

太陽光パネルのゴミの山を直視する。工業的リサイクルは環境汚染。日本も20年後こうなる。

 太陽光パネルの不良率に驚く!10のうち1つが不良品?不良品も有毒ゴミになるということ

 業者の施工のせいにしてはいけない。再エネそのものが事故の元、国策自体が自然破壊になっている

 群馬で突風。一瞬にしてソーラー発電設備倒壊。太陽光パネル約2000枚がはがれてぐちゃぐちゃ、骨組み散乱。

高知県土佐清水市緑が丘のメガソーラーの為に削られた山から泥が海に流出。大岐の浜にも建設計画。

 太陽光パネルは安全だと思ってる方へ見て欲しい情報(2)台風・竜巻でパネルはぶっ飛んでいます! 

 自然災害で太陽光パネルはあっという間にゴミになる。それなのに何故「災害時のため」のメガソーラー?  ⇒宮崎豪雨、津波被災地で壊れゴミになったソーラーパネルの写真など

  日本列島は台風の通り道。自然災害は想定しなければならない国なのに、国中にメガソーラーがある異常事態。

 ↑太陽光パネルの強度に言及した業者掲示板の記述を転載。「相当事故があるらしく私の知り合いの太陽電池屋はやめてしましました」

 台風の前に周辺のソーラーをチェック!あのちゃんの漫画チラシ ソーラー編 太陽光発電のヒミツ

 ↑ハリケーンで飛ばされたソーラーパネルの写真もあります。 漫画チラシを印刷してみんなで読みましょう。

 【危険を承知で推進中!】資源エネ庁が原発メーカー三菱に調べさせた太陽電池モジュール廃棄物の危険性

 【驚愕】30年後、日本はソーラーパネルと巨大風車のゴミ屋敷!再エネ廃棄物問題【設備には寿命】

 一斉に電子廃棄物のニュース。電子ゴミはパソコンだけではない。太陽光パネルも電子廃棄物。

 

 

 

 

コメント (3)

「ヤマトシジミにおける放射性物質摂取の生物学的影響」野原千代さん スイスでの講演会動画

2015-10-29 | 放射能汚染

1「ヤマトシジミにおける放射性物質摂取の生物学的影響」

 

2「ヤマトシジミにおける放射性物質摂取の生物学的影響」


 

原発事故のチョウへの影響、スイスでの講演発表が大反響  より転載

日本で最も繁栄しているチョウ、ヤマトシジミ。福島第一原発事故のこのチョウへの影響を共同研究した琉球大学院生の野原千代さんが11月29日、ジュネーブで開催されたシンポジウム「放射線の遺伝子への影響」で講演し、大反響を呼んだ。この研究は2012年の発表当時にスイスのメディアでも大きく取り上げられている。野原さんに研究との関わりや今後など、自分史的な視点も交えながら語ってもらった。 

 「原発事故が起こったとき、それまで縁もゆかりもない福島なのに気になって仕方がなかった。まるで自分の娘たちがそこに住んでいるように思われ、飛んでいって何が起きているのか自分の目で確かめたかった」と野原さんは振り返る。結局、このいがヤマトシジミにのめり込んだ理由なのだという。

 事故後すぐに、ヤマトシジミで色模様の発生生理学的メカニズムなどを研究していた琉球大学の大瀧丈二准教授に「原発事故のチョウへの影響の研究」を提案し、他の院生とともに研究グループを結成して取り組んだ。

 野原さんは、もともと理学畑の人ではない。それどころか、官庁の監査を行う「公監査」を愛知大学准教授として教えていた。その後、環境問題に方向転換して沖縄に移住。その矢先に3・11が起こった。

 最初の研究結果の概要は以下の点だ。まず原発事故後2カ月目の2011年5月、サンプリングで得た福島市と本宮市の被曝1世のオスの翅(はね)の大きさが、つくば市などのものより「矮小化」していると確認。次に被曝したチョウを沖縄で育てその子世代で、原発からの距離が近くなるにつれ卵からの蛹化(ようか)と羽化において多くの日数がかかる「成長遅延」と「形態異常率の増加」を見ている。さらに子世代の異常個体を親として孫世代を作り、そこでは、類似の異常が次世代遺伝しただけでなく、これまでにない(触覚が二股に分かれるなど)「異常形態の出現」も観察している。研究グループはまた、沖縄の個体に外部被曝と福島地方のカタバミ(食草)を与えて内部被曝を行い、この両方の被曝において「生存率の低下」、「矮小化」、「形態異常」を観察している。

swissinfo.ch : 最初にサンプリングのために福島県に行ったときは、事故後わずか2カ月目です。

野原 : 確かに余震などの危険性もありました。でもとにかく、幼虫で冬を越し被曝した1世をきちんと採集したかった。チェルノブイリでは5年後にしか生物のそうした研究ができていない。そうはしたくなかった。特にヤマトシジミは世代交代が約1カ月と早いので迅速な観察が望まれたのです。

東京や柏市などとの比較もあり、大瀧先生と私と2人の研究者の計4人で連休明けに各地を回りました。

NGOのインディペンデントWHOが開催したシンポジウムで講演した野原千代さん (swissinfo.ch)

NGOのインディペンデントWHOが開催したシンポジウムで講演した野原千代さん

(swissinfo.ch)

swissinfo.ch : チョウの死亡数を数えたり異常形態を見つけたりと、以前の「公監査」とは全く異なる研究。ギャップを感じましたか?

野原 : 毎日が必死で、がけっぷちに立たされているような日々。そんなことを感じる余裕は正直なところなかった。内部被曝させるため、汚染したカタバミを採集に郡山や(原発から西へ約60キロメートルの)本宮に10日に一度通っていたからです。

沖縄から羽田に飛び、そこから車を走らせて福島県に着き、カタバミのあるところを探し、同時にそれを宅配便で一日3、4回沖縄に送ってくれる業者を探しました。

一度行くと3泊し、沖縄に戻ると私の不在中に草をやってくれていた研究者に負担をかけたくないので、到着の夜はそのまま研究室で徹夜し草をやる。そんな生活を1年半やりました。

swissinfo.ch : これまでの実験の中で、最も印象に残ったことは?

野原 : 福島県の福島市、飯舘村、広野町の汚染食草と山口県宇部市の食草を与えた内部被曝の実験です。

その実験で、羽化したチョウのうち、福島市と飯舘村2カ所のチョウの動きが山口県の葉を食べて育ったチョウに比べて、明らかにモタモタしている。毎朝、羽化するチョウがすべてそうなのです。大変な衝撃を受けました。これがいわゆる「原爆ぶらぶら病」なのかと感じました。

しかし残念ながら、こうした事態を想定していなかったので、そのような動きの違いを定量化することはできなかった。ですから、形態異常が見られなかったそれらのチョウは、「正常」なチョウとしてカウントしています。

このことから、私は、確実に福島で何かが起こっていると感じました。

swissinfo.ch : 今進行中の研究や最近の研究の成果を教えてください。

野原 : つい最近まで、研究者の1人の平良渉さんと一緒にゲノム解析のためのDNA抽出をやっていました。鹿児島のヤマトシジミのDNA配列は読めたので、今後は彼が中心となって福島地方のチョウのゲノムとの比較をやっていきます。ゲノム変異解析研究は、異常形態がゲノムレベルで起こったのかを知る上で、とても大切なのです。

また、つい最近発表した内部被曝の観察結果は興味深い上、私にとっては光が一筋さしたような研究になりました。まず、沖縄の第1世代(F1)の幼虫に、一方には沖縄の草を、他方には本宮や郡山の草を与えた。するとやはり後者のグループの死亡率・異常率は沖縄グループより高かったのです。ところが、第2世代(F2)で、たとえ親のF1に本宮・郡山の草を与えても、F2に沖縄の草を与えたグループ(F1本宮―F2沖縄、F1郡山―F2沖縄)は生存率が高く、2世代とも沖縄の草を与えたグループ(F1沖縄―F2沖縄)とほほ同じ生存率を示しました。

つまり、これを人間に適応して考えた場合、第2世代に汚染されていない食品を与えれば、生存率において問題がなくなる可能性が示唆され、そういう意味で私には希望が感じられたのです。

swissinfo.ch : 物理学者や生物学者、そして医者などが多く集まった今回のシンポジウムでも、このF2に沖縄の草を与えた場合の生存率の高さは、大きな反響を引き起こしました。

野原 : 確かにF2で生存率・正常率が回復したので反響は大きかった。しかし次の二つはきちんと確認したい点です。一つは、F1で本宮や郡山の草を与えた場合の死亡率・異常率は相変わらず高いということです。そしてもう一つは、沖縄の草のお陰で生存率や正常率は回復したF2でも、ゲノムのレベルで損傷が起こっていないとは言えない点です。

ところで、聴衆の1人が独自にこうした結果を人間に当てはめ、チェルノブイリの第2世代の子供たちが同じ場所にとどまり、今でも汚染された食品を食べ続けていることは問題だと発言しました。

実際、チェルノブイリ事故後に身体的・精神的問題を抱えた第2世代が苦しみ、時に自殺したり、またはこうした状態に耐えられない父親たちが家出したりといった話はよく耳にします。福島から沖縄に避難した、いわば第1世代の人々もさまざまな症状を抱え苦しんでおられる。

私は、そうした被曝者が社会に受け入れられることと、彼らがそれぞれの症状に応じた治療相談にのってもらえる拠点が、日本には必要だと思っています。そこで得られる治療法や情報は、まだ確立していないものや極端な場合はプラセボ(偽薬)でもいい。とにかく、ベラルーシなどでの経験を学びつつ、孤立しないでお互いに情報を交換できる場所が必要なのです。

実は今、ヤマトシジミチョウの研究を続けながら、福島から沖縄への避難者の方々とその実現に向けて模索している最中です。

野原千代さん略歴

琉球大学大学院理工学研究科・海洋自然科学専攻・博士課程前期終了。

元愛知大学准教授、元早稲田大学パブリックサービス研究所客員研究員。国土交通省独立行政法人評価委員、名古屋市、東海市、三重県行政評価委員等歴任。所属学会:日本地方自治研究学会、日本監査学会等。



(管理人より)

野原千代さんがお亡くなりになりました。管理人はメールで何度かお話させていただいていました。

体調が良くないということは知っていましたが、スイス・フランスで講演もされていましたので少しよくなられたのではと思っていましたが、急なことで驚きました。

本当に残念でなりません。

「私は原発推進派にこそ、このヤマトシジミの研究を知らせたい」とおっしゃっていました。「いつでも誰にでも同じ対応をする」と。

研究者としての信念を貫かれた野原さん。命を削って被曝の危険性を研究されたということです。

私はブロガーとして、野原さんの研究を少しでも多くの人に知らせていこうと思いました。

追記

メールの内容に関しては、私信なのでいろいろ考えた結果、掲載しないことにしました。

その代わりに、この動画、画像をここに置いておきたいと思います。



 

 

コメント

「八島はみな原発推進、不安を煽るな」と言う上関町民。皆同じ県民。他所者ではありません。

2015-10-28 | 上関原発

(管理人より)

上関町住民を名乗る匿名の人からツイッターでものを言われましたので紹介しておきます。これが地元の実態かもしれません。

 

このツイートは「八島住民はみな原発推進派だから、祝島と違ってみんなまとまっているので心配するな、よその人間は不安を煽るな迷惑だ。集落の場所は30km圏外、地元でない人間はわかっていない」

と言いたいのでしょう。知らないアカウントですが「上関」で検索して送りつけてきた模様。上関町長も原発推進派ですから、町民もほとんどはそうなのでしょう。

上関 看板 で画像検索すると これだけの画像が出てきます。☟賛成反対に揺れる町が一目瞭然。

「原電を妨害する人は上関町に来ないで!」の看板を見ると、心が荒みます。

 

 

 

昨日の夕方にアップされた記事

伊方原発、事故起きれば孤立の恐れ 不安募らせる住民

2015年10月27日16時06分 朝日新聞

地元同意の手続きが終わった四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)は、東西約50キロの佐田岬半島の付け根近くにある。再稼働が近づくなか、重大事故が起きれば陸路の避難が難しくなる半島の住民は不安を募らせる。海路で避難する大分県では、受け入れの不備を指摘する声が上がる。

原発事故を考えると、あきらめというか、自分たちではどうすることもできないのが現実だと思っている」。佐田岬半島を貫く国道197号。「横風注意」の標識を見ながら車で走ると原発の西側にある海沿いの集落に着く。そこに住む40代の女性はそう嘆く。

 港に通じる道路は急な山の斜面に沿う県道のみ。避難が必要となる過酷事故が原発で発生し、地震や津波があれば、道路が寸断されるかも知れない。国道が使えない場合、海路で避難することになる。避難の課題が残る中での再稼働同意に「町や県、国が、私たちの置かれた状況を理解しているとは思えない」

 伊方町から海路で最大5千人の避難者を受け入れることで愛媛県と合意している大分県では、困惑の声も上がる。

■整わぬ受け入れ態勢

 伊方町と大分市佐賀関を運航する「国道九四フェリー」(大分市)は、避難者の輸送を愛媛・大分両県から求められている。芦田幸人総務部長は「津波で船や港が被災し、船が使えない場合もあるのでは」と心配する。両県とは協力内容の詳細を協議中で、まだ協定を結んでいないという。「公共交通機関の使命は果たしたいが、具体的には何も決まっていない」

 佐賀関に上陸した避難者を、大分県は民間バスで内陸の避難所に運ぶことを想定している。だが、県バス協会も両県と協定を結んでいない。担当者は「ルールがなければ運転手も不安だ。協力を得られないこともある。責任の所在もあいまい」と不安を隠さない。

 大分県の受け入れ姿勢に対し、佐賀関半島の住民も疑問を抱く。幼い子どもを2人抱える主婦(28)は「被害があれば自分や家族のことを考えるのが優先。助けようとは思うけど、人のことを考える余裕はありません」と話す。

 漁師の紀野太亮さん(61)は、佐田岬と佐賀関の間の豊予海峡について「荒天の日は漁船では渡れない。原発事故と台風や津波が重なれば、フェリーで渡るのも難しいのでは。どうやって人を運ぶのか」と首をかしげる。

 そのうえで、「事故のときだけ避難者を受け入れて、と言われても困る。再稼働は愛媛県だけの話ではない。大分県には反対してもらいたい」と話す。

 半島近くの海域は国内有数の漁場だ。一本釣りのマアジとマサバはブランド魚「関あじ・関さば」として知られる。その海で30年以上、アジやサバ、ブリを釣ってきた。「何かあれば風評被害で買ってもらえず、生活が成り立たなくなる」(枝松佑樹、稲垣千駿、飯島健太)

■30キロ圏内の島、進む高齢化

 島の一部が九州・山口で唯一、伊方原発から30キロ圏に入る山口県上関町の八島。ここでは21世帯28人が暮らす。夫と2人で島に暮らす亀田スミ子さん(85)は「エネルギーがなければ人間は生きていけないので、再稼働が望ましい」と理解を示す。

 ただ、八島は高齢化と過疎化が進み、高齢化率は96・42%に上る。亀田さんは「自分たちも年をとっており、(港のある)浜まで行くのも楽ではない。避難に不安はある」とも話す。

 同県の村岡嗣政知事は26日、「避難計画作りや訓練をしっかりやって万全を期したい」と記者団に語った。(徳山徹)


朝日新聞は八島住民が 「再稼働に理解を示す」という表現です。「理解を示す」という表現は、まるで反対する人が悪いような印象操作。

3日前に出されていた朝日新聞 山口版の記事 ☟ 

山口)再稼働めざす伊方原発 30キロ圏の島を歩く

2015年10月24日03時00分 朝日新聞 山口版

 四国電力が再稼働をめざす伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)について、伊方町長が再稼働に同意する意向を知事に伝えた。同原発から30キロ圏内の「緊急時防護措置準備区域(UPZ)」には上関町の離島、八島がある。

 20日、上関港から定期船で島へ向かった。約35分で着いた八島港の海は驚くほどの透明度で、メバルの群れがはっきりと見えた。

 港には3隻の漁船。うち1隻を所有する岡田雄一さん(63)と出会った。島の最年少者という。漁師でありながら、簡易水道の管理なども受け持つ。「集落の祭りなどでは雑用が真っ先に回ってくる。ほかに若い人がいないので仕方ない」

 港近くの傾斜地には住宅が立ち並ぶ。だが、路地を歩くと、空き家が目立った。「住宅は70棟ぐらいあると思いますが、半分は空き家で、さらにその半分は廃屋状態です」と町役場八島分室の担当者。無断で解体することもできず、手を焼いているという。

 八島は、過疎と高齢化が著しい。1960年に151世帯669人いた島民が、今年9月末現在で、21世帯28人。半世紀で4%に減った。高齢化率は96・42%に上る。

 伊方原発で事故が発生し、避難指示が出た場合、島民はいったん八島ふれあいセンターに集合することになっている。その後、定期船で町本土に避難する。心配されるのが、スムーズな移動だ。お年寄りの中には体が不自由な人もいる。

 「ここではみんなが助け合って暮らしている。元気な人が助けるようにしたい」。そう話すのは、区長の大田勝さん(77)だ。「今後のエネルギー需要や経済効果を考えると原発に反対はしない。島に直接的な雇用効果などはなくても、好影響が期待できる」と話す。

 八島ふれあいセンターは約30畳の部屋を備えた集会所。調理室があり、炊き出しもできる。清潔な環境が保たれていて、一時的な避難場所としては十分だ。たまたまセンターに来ていた田崎寿春(かずはる)さん(87)は「伊方原発までは距離があって正直言って実感がない。ただ、(事故が起きたら)どうなるのか、不安感はある」と話した。

 30キロ圏内に当たっている島の南側に人家はなく、大半は山林で、最も高い部分は標高約280メートルという。道を島民に尋ねると、「以前は農道から行けたが、今は荒れて通れない」。

 生い茂る植物をかき分けて登っていくと、地面を掘り返した跡があちこちにあった。島民によると、イノシシの仕業らしい。1時間ほどで尾根を越えたが、見えるのは生い茂る草木。木々の間からかろうじて、あの美しい海が見えた。(柳井支局長・徳山徹)

 

立派なふれあいセンターですが、核シェルターではありません。「一時的な避難場所としては十分」という表現で記事を書けば誤解を生むと思います。

朝日新聞の柳井支局長の認識に呆れました。


避難訓練の時に書かれた中國新聞の記事☟  

 

「超高齢」八島 迅速な避難課題 原発事故想定し初訓練 山口県・上関町

中國新聞 (2013年10月23日朝刊掲載) 

 山口県上関町の離島八島で行われた原子力災害の防災訓練。八島は同県で唯一、四国電力伊方原発の半径30キロ圏に一部が入るが、島に住んでいる28人中27人は65歳以上だ。自力ではスムーズな避難も難しい「超高齢化の島」の現実も浮き彫りとなった。 

 午前11時30分、伊方原発に異常が起きた想定で、避難指示する町の防災無線が響いた。だが、住民の大半はつえや手押し車を使うお年寄り。車の迎えや歩行の介助が必要な人もいて、訓練はてきぱきとは進まなかった。 

 「つえで坂を下るのに疲れた」と今西幸子さん(83)。福島第1原発事故後、光市に住む長男から同居を誘われている。「一人が楽。でも福島の事故をきっかけに原発を不安に思うようになった」。戸惑いを胸に、島での暮らしを続ける。 

 山口県最南端に位置する島から本土へは約12キロ。1日3便の定期船が結ぶだけだ。重大な災害の場合、住民は定期船もしくは漁船で本土に避難する計画だが、この日、島の住民全員がそろうまでに約30分かかった。 

 防災無線が聞こえにくい高齢者もいる。区長の大田勝さん(75)は「避難の際にけがをするかもしれない。いざというとき、全員が安全に集まれるだろうか」と不安を口にしていた。(井上龍太郎) 


八島住民の28人が仮に全員原発推進派だったとしても、伊方原発が福島レベルの大事故をおこせば、真っ先に被害にあうのです。

そして山口県、大分県、広島県、風向きによっては西日本全部が放射能汚染地域になります。

これは原発推進派も反対派も周知の事実。 30kmの地点に壁があるわけではありませんから、集落が「30kmの外」であっても同じこと。

放射性物質を含む放射能雲(プルーム)は簡単に到達します。

だから地元だけの問題じゃないのです。

原発推進派も反対派も原発過酷事故が起きたら、みんな大なり小なり被曝させられてしまうということがなぜわからないのでしょうか?

福島原発事故による除染重点地域が関東5県、51市町村も含まれてる事実を知ってて「心配するな」と言っているのでしょうか?

「国が責任取るって言ってるから心配しなくていい」という考え方は愚かです。 福島では何も責任とっていません。☟

私はアニメ「風が吹くとき」の主人公の老夫婦のことを思い出しました。

 

元原子力従事者の声 「黙っていたらみんな殺されてしまう」 

 

 

 

 

30km圏内いわき市からの原発事故避難者の声 「報道と事実は違います」




コメント

伊方原発30km圏内の上関町八島は全員が65歳以上の高齢者。伊方原発で事故があっても逃げられません

2015-10-27 | 上関原発

 

 

再稼働同意 県内の反応

NHK山口 10月26日 18時59分

上関町の離島・八島の一部が30キロ圏内に入る愛媛県の伊方原子力発電所3号機について愛媛県の中村知事は再稼働に同意することを四国電力に伝えました。県内の反応です。
村岡知事は「上関町の八島が半径30キロに入っており、災害の時の対応のために連携していきたい。
不安の声はあると思うが、万全な体制を確立していきたい」と述べ、愛媛県などと連携していく考えを示しました。

また、上関町の柏原町長は「地元の知事が判断されたことなので尊重せざるをえない。心配になるようなことが起きてはいけないので、電力会社にはきちんと対応してほしい。いろいろな訓練を通じて万が一に備えていきたい」と述べました。

さらに八島で区長を務める大田勝さん(77)は、原発の再稼働に賛成する考えを示した上で、「福島第1原発の事故でだれもが原発に不安を感じているし、八島はお年寄りばかりなので、もしものときに避難がスムーズにできるか心配だ。国や電力会社には、原発は安全安心に運転してほしいし、しっかりと情報を提供してもらいたい」と話していました。

10月26日 18時59分


ニュース動画と記事内容が異なるため下に文字起こししておきます☟ 太文字強調は管理人 

 


ニュース動画文字起こし 

 

伊方原発から30km圏内に島の一部が入る八島。

島の人口は今月1日現在で28人。

最年少の63歳を除いて全員が65歳以上です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

福島第一原発の事故の後、国は原発事故に備えた防災対策を重点的に整備する地域を概ね30kmまで広げました。これを受け、上関町はおととし八島の住民の避難計画を策定。

状況に応じて、まずは自宅などの屋内への避難、次に一時的な避難所となる公共施設に移動、そして定期船や漁船などを使った本土への避難を定めました。

しかし、住民のほとんどが高齢者の上、天候や海の状況によっては島から出ることができない場合も考えられ、スムーズな避難ができるかが課題となっています。

 

そうした中、今日の再稼働容認について島の人は、

「ああいう事故があるけーね、不安に思うこともあるいね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「電気もなきゃいけんし、複雑な気持ちですけどね、お年寄りやらが多いし、いざなったときはまた困るんですよね、若い人がいないから心配は心配ですね」

八島で8年間区長をつとめる大田勝さんです。福島の事故で原発に不安を覚えたものの、日本のエネルギー事情などを踏まえると再稼働は必要だと考えています。一方迅速な避難のために国や四国電力にはあらゆる情報を隠さずに素早く伝えて欲しいと話しています。

「これからシケが多いからね、いまから冬になったらこういう島は季節風が強いんですよ。そういう時はやっぱり小さい船を出せるんじゃなし、それはちょいと課題にあるかなっていうような感じいね。再稼働いうことになれば、やっぱり安全第一に、それで、もしいう時には、必ずこういう動けん田舎とか、こういう島とかいうところを、頭にも入れてもらいたいいね」

また今回の再稼働容認について、上関町の柏原町長と村岡知事はそれぞれ次のように話しています。

「地元の県知事が判断されたことでありますので、私としてはそのことについては尊重せざるを得ないと。心配になるようなことが起こると絶対いけないんで、まあそのあたりは電力会社もちゃんとしてほしいと。いろんな訓練を通じて、万が一ということに備えていきたいと、そのように思ってますね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私としては中村知事の立地県の知事としての判断を尊重したいということを申し上げました。上関町の八島が30km圏内に入っておりますので、災害の時の対策というのが万全を期す必要があるわけでありますけれども、それについては、ぜひこれからもよく連携をして対応をお願いしたいということを申し上げました」










上関町の柏原重海町長と村岡知事はこのように述べ、いずれも地元の判断を尊重したいという考えを示しました。

 


 

 (管理人より)伊方原発の再稼働を愛媛県知事が容認したニュースを受けて、NHKが10/26報じた記事です。 NHK山口のローカル扱いなので地元以外の人は見ない可能性が高いわけです。

ニュース動画と記事がセットで配信されていますが、これが実にいやらしい。

動画はテレビニュースで流れた内容ですが、記事内容と違う! 大事なところを省いています。

タイトルに「県内の反応」とつけて、実際は首長、区長の声しか拾ってないのです。

なので、上に文字起こししておきました。

八島がどういう島なのか、そしてその住民はどう思っているか、日本中の人が知る必要があるのに、まったくNHKのやり方はいやらしい。

画像をご覧下さい。島民が公会堂らしきところに集まっていますが、高齢者ばかりなので杖をつく方、車椅子の方もおられます。

さらに公会堂でも足が痛くなるからでしょう、皆椅子に座っておられます。

デジタルテレビは設置されていることが確認できました。八島でネットが使える人がいるかどうか不明です。

インターネットを使って調べることができるスキルがある人は皆無の可能性が高いです。

福島原発事故によって30km圏内の人がどうなったのか、チェルノブイリ事故のその後のことを調べられる人がいないということです。

電気は足りているのに「電気もなきゃいけん」と脅され、騙されているのです。

原発推進派の区長、首長によって、住民の声は潰されていっていることがわかります。

腰の曲がったおばあちゃん、老人車を押して歩くおばあちゃんに、素早い避難など不可能です。走ることが出来る状態にはないということは画像からもわかります。

しかも島民がシケのときは「船が出せない」と言ってるのですから。

いくら区長が島の人を「頭にも入れてもらいたい」といっても、事実上、すべての首長は、八島の人を棄民したということです。残念ですが、そういうことです。

 

棄民した首長

愛媛県知事 中村時広は「三菱商事株式会社燃料部門」に6年間勤務していることは、愛媛県のHPに明記されています。 元三菱商事、原子力ムラ出身者ということです。 


 そして

上関町の柏原町長は、上関原子力発電所建設計画推進を公約した人物。 ⇒ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E9%96%A2%E7%94%BA


八島にはモニタリングポストが、原発事故後に設置されています。

八島(やしま) : 環境放射線モニタリングポスト

http://radioactivity.nsr.go.jp/map/ja/area2.html 文科省

 

この件で当ブログでは2つ記事を書いています。こちらをご覧ください☟

【いつのまにか!】山口県上関町八島に伊方原発事故対策用のモニタリングポスト設置 5/13よりデータ開示

 

八島MPは、県内のMPと違う。八島MPは原発事故対策用、防災用なので、気象計、高線量計、低線量計、自家発電装置などがついている。

八島MPは、山口県が2012年2月に放射線監視等交付金を申請し、放射線監視等交付事業として設置を行った。

 

上関八島モニタリングポストは放射線監視等交付金←電源開発促進税 2億円で作られた

山口県の資料☟

山口県緊急時モニタリング実施要領(資料編) (PDF : 2MB)

山口県緊急時モニタリング実施要領 (PDF : 527KB)

事故用のモニタリングポストとして八島に設置したことを 八島住民に知らせたのでしょうか?

福島原発事故後に、30km圏内で何が起きているか、八島のみなさんに知らせたのでしょうか?

避難できなかったらこうなるんです☟


福島第一原発が立地する福島県大熊町は二次被曝するほどの高い放射線量の遺体が見つかった場所。

ついに福島県の帰還困難区域で多数の死者が!「直ちに影響はない」はもう終わり。

 

住民にこういった全貌が、到底理解できないことを見越して、原発を推進する自治体の首長の罪深さ。 呆れます。 

八島の人たちも、私たち山口県民も、みな犠牲となります。

 

 

コメント

岐阜県 ごみ焼却施設で大爆発!小学生が社会見学で行く場所ではないということ。 

2015-10-23 | ゴミ焼却炉

追記しましたのでスクロールで下までご覧下さい。

ごみ処理場で爆発 消火中に突然 岐阜市

2015年10月23日15時05分 朝日新聞

23日午後0時半ごろ、岐阜市芥見(あくたみ)6丁目のごみ処理場「東部クリーンセンター」の粗大ごみ処理施設で爆発があった。岐阜中署によると、けが人は確認されていない。

現場は粗大ごみを粉砕したり、分別したりする施設。午前10時40分ごろに119番通報があり、消防が煙が出ているのを確認して消火中に突然、爆発したという。午後2時半現在、炎上を続けているという。

 

ごみ焼却施設から出火、爆発の瞬間

TBS NEWSi

JNNのカメラが岐阜市で起きた爆発の瞬間を捉えていました。
23日午前10時半すぎ、岐阜市の4階建てのごみ焼却施設から出火。およそ2時間後、消火作業中に貯蔵してあった油に引火し爆発が起きました。

出火当時、市内の小学生49人が施設を見学していましたが、出火直後に避難して無事でした。周囲に住宅もなく、この火事や爆発によるけが人はいませんでした。(23日18:07)

 

(管理人より)

ごみ焼却施設は危険だと、当ブログでは毎回しつこく言っていたのですがついに爆発が起きました。ベルトコンベアーのベルトが燃えていると消防に通報があったそうです。ベルトコンベア火災がまたおきました。ベルトコンベアの火災は工場や発電所など各地で起きています。

https://twitter.com/search?q=oldblue2012%E3%80%80%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88&src=typd

しかも、ちょうど小学生が社会見学で連れてこられていました。

 



ジャーナリスト山本節子さんのこの動画をご覧下さい。

 

 

 

追記

 

岐阜市のごみ施設で火災、爆発も 溶接原因、9時間後鎮火
2015年10月24日09:10 岐阜新聞

23日午前10時40分ごろ、岐阜市芥見、ごみ処理施設「市東部クリーンセンター」の粗大棟から出火、4階建て建物の屋根と壁の一部を焼き、約9時間後に消えた。けが人はなかった。

 市や岐阜中署によると、粗大棟は家庭などから出た粗大ごみを破砕処理する施設。鉄骨造り一部鉄筋コンクリート造りで延べ4253平方メートル。この日は点検整備のため稼働していなかった。2階で保守点検業者の作業員2人がベルトコンベヤーの下で腐食した鉄板の溶接作業を行っていたところ、出火したという。出火から約2時間後に爆発が発生した。市は4階のタンクに貯蔵してあった絶縁油に引火したのが原因とみている。

 同センターは市内で唯一、粗大ごみの処理棟を備える施設。市は「粗大ごみの搬入を中断する可能性もあるが、当面は施設内の一角で保管する形で受け入れを継続させたい」としている。

 同署は24日現場検証を行い、出火原因を調べる。

 

(管理人より)

岐阜新聞の記事に「 4階のタンクに貯蔵してあった絶縁油に引火したのが原因」と書いてあります。

絶縁油とは☟
 
かつて上記要件をよく満たすPCB(ポリ塩化ビフェニル)が用いられたが、発がん性等の有毒性が指摘され近年は使用されることはない。
 
 
貯蔵してあった絶縁油がPCBを含んでいたかどうか確認が必要です。

追記☟ 



 
 
追記
 
 
 
 
 
 
コメント

スピリチュアル、ニューエイジ、パーマカルチャー、トランジション・タウンについて

2015-10-18 | 大事なこと

(管理人より)今日は、脱原発市民運動の周辺に見られるマインドコントロールと自然エネルギーの関係について、自分の経験も含めて考察してみたいと思います。

スピリチュアル系、スピ系という言葉は世間でよくきかれます。なんのこっちゃという人もいるかもしれないので、一応Wikipediaを貼っておきます。

スピリチュアル

現代の日本では「スピリチュアリティ」(霊性)と「スピリチュアリズム」(心霊主義)を柱とする物事を広く指す。この意味でのスピリチュアルは「精神世界」を概ね受けついだ言葉で、精神世界は、1970年代以降ブームとなったアメリカの対抗文化「ニューエイジ」における思想の多くの部分を含む日本のジャンルである。「ニューエイジ」は主に「精神世界」の名で日本に広まり、その後「スピリチュアル」と呼ばれるものにほぼ受けつがれた。そのため、日本におけるスピリチュアルという名詞の意味は、キリスト教におけるスピリチュアルとはかなり異なる。スピリチュアルを商材とするビジネスは、「スピリチュアル・ビジネス」と呼ばれ、市場規模は正確に不明であるが、1兆円ほどといわれる(2011年時点)

脱原発のリアル市民運動をしていると、脱原発市民の周辺にもこういったスピリチュアルに傾倒した人達が多くいることに気づかされます。私自身、原発事故後、初めは彼らのとっかかりの言説に大変新鮮さを感じたので一定、話を聞いていたのですが、そういった市民の言動には何やら矛盾が多くあることに気づき、それからは客観的な分析の対象としてウオッチングしています。

ニューエイジ

現在「ニューエイジ」(ニューエイジ・ムーブメント、ニューエイジ運動)と言うときには、アメリカとりわけ西海岸を発信源として、1970年代後半から80年代にかけて盛り上がり、その後商業化・ファッション化されることによって一般社会に浸透、現在に至るまで継続している、霊性復興運動およびその生産物全般、商業活動全般を指す場合が多い。

ニューエイジは・・・その信奉者の理性的・論理的・科学的な思考力を鈍化させ批判力を鈍らせまた極端な場合破壊的カルトやオカルト商法といった反社会的な形で立ち現れる。スピリチュアルという言葉とともに宣伝頒布されている商品は概ねニューエイジ由来のもの・・


わかりやすい動画を上げておきます。でも私は陰謀論者ではありません(笑) し、誰かの信者でもありません。アセンションなるものを信じている人は多いですね。私は信じませんが。

スピリチュアル、ニューエイジなどのものの見方考え方が蔓延ることで、目の前の大事な現実を見ないように誘導させられています。

「マイナスなものに関わってはいけません。さもないとあなたの波動が下がってしまいます」と脅し、「ワクワクしなさい」と推奨する。実はこの考え方が自然エネルギー(再エネ)とセットで普及されています。

試しに再エネを推進し続けている田中優氏のブログを、「ワクワク感」というキーワードで検索してみると膨大な数がヒットします。こういったキーワードが意図的に再エネ普及のために使われているということです。

 

彼のブログの中身が矛盾に満ち溢れていることに支持者の市民は気づかない。彼のメルマガ等で、再エネと同時にものの見方、考え方をマインドコントロールされているからです。実に巧妙だと思います。

もう少しニューエイジについてみていきます。

 

「ポジティブ・シンキング」、「偶然というものはない」、 「努力はしなくてもよい」、「ヴェジタリアニズムもニューエイジ的な分派」、

一見もっともらしいと思われる内容と、ひと目で分かる形式的・論理的破綻が、ニューエイジと呼ばれる運動の顕著な特徴


私は、SNSで被曝回避を訴え、再エネを検証しまくっているために、スピ系脱原発市民からは、「バイブスが悪い」「ネガティブだ」と言われ続けています(笑)。 私の言説がよほど都合が悪いと思われます。

私の経験上、ニューエイジ・スピ系の考え方をする人に、内部被曝に関する情報や「再エネの欺瞞」について説明しても、「ほぼ」逃げて行きます。努力して自分で調べる気がないのです。
似たような考え方の人と友だち関係であることが多いため、その輪を壊したくない気持ちの方が勝ってしまうわけです。よって論理的な破綻も何も気にしない。

さらにニューエイジ・スピ系は看板を変え、裾野を広げて普及させようとしていきます。それはパーマカルチャーです。農的な暮らしに関心を持つ市民を、一気にまとめあげる思想とライフスタイルです。
暮らし方と考え方が同時に提供されているので、実践する側にとっては、ある意味「楽」です。 結果、自分で考えることをしなくなり、思考停止していきます。



その土地の特性を生かした適正技術の融合
持続可能性の追及
ソーラーパネル 
風力発電
コンポストトイレ
再利用とリサイクル
天ぷら油で走るグリーンディーゼル
フェアトレード
スモールハウス運動
カーシェアリング

Wikipediaから抜粋しましたが、脱原発を標榜する市民の周りには、実際に上のようなキーワードを使って自説を述べる人や、利害関係業者が必ず存在し、がっちりつながっています。
脱原発や環境系のメーリングリストなどでも、こういったキーワードを使って、情報が流されています。

ロケットストーブ、ソーラークッカー、菜の花プロジェクト、エコトイレ、ヤギの除草、炭焼きなど・・・市民がとっつきやすい入口です。

つまりここにあげられた事柄を刷り込んでいきたいということです。 中身はもろに自然エネルギーとリサイクルですね。



他者とのつながりを大切に
ポジティブなエネルギーを循環させ、ネガティブなエネルギーを垂れ流さない
問題は解決だ。問題は自分自身の中にある。

Wikipediaから抜粋しましたが、こういったものの見方や考え方を普及させています。これでは同調圧力による批判の封じ込めになります。問題の原因を調べず「自分」が悪いということになってしまう。これでは結果的に「不正義を免罪する」ことになります。
前述の田中優氏もパーマカルチャーを普及する人が主催したお話会に、何度も講師として呼ばれています。 ⇒ http://tanakayu.blogspot.jp/#uds-search-results


資源を共有する( 他者から奪うことなく、分かち合う。 与え合う)
環境ビジネスなどの促進

パーマカルチャーはこのような倫理を打ち出しているにも関わらず、紛争鉱物のレアアースを使って作る再エネ工業製品のソーラーパネルや風力発電を推進するという大きな矛盾。
以下の当ブログ記事などをご覧下さい。
鉱物資源を、他国から奪って自国の工業製品を作るのが先進工業国なのだということがよくわかります。
環境ビジネスは、先進工業国による資源収奪ビジネスそのもの。


この大きな矛盾に対して見て見ぬふりする脱原発市民が非常に多い。 あまりに多過ぎます。 ごく一部の勇気ある人が声を上げているだけです。ほとんどの人が友達を失いたくないので矛盾を感じても黙っている。

さらにパーマカルチャーは裾野を広げて市民の間に拡散していきます。街に住んでいる人の中にも、ものの見方、考え方を再エネと同時に普及。
 


トランジション・タウンは、2005年秋、イギリス南部の小さな町トットネスで、パーマカルチャーの講師、ロブ・ホプキンスを中心に始まりました。
地域自給をめざして楽しくつながる

もともと「石油ピーク」と「気候変動」そして「世界的な財政危機」に対して地域のコミュニティが持続可能で、地域住民の創造力や適応力、団結力を引き出してしなやかに対応できるつながりを作ってゆくことを目的としている。

地球の現状に関する情報は、恐れや嘆きといった反応を引き起こすかもしれない。これは、多くの人々が否定という心理状態にとらわれやすいことを示している。
除外からオープン、包括へ
愚痴や恐れから実行へ

 
人々の心理を読んで、映画を使って自然エネルギーに誘導しています。露骨で驚きました☟自然エネ普及の映画監督もトランジションタウンに関わっています。
 
鎌仲監督 「映画で一番やりたいのは ”意識の部分の解放”」

 
 
 

トランジション・タウンは「地域の力で持続可能なまちに移行する」って言っておきながら 、それ自体が持続可能でない自然エネルギー推進。


これのどこが持続可能なのかということです。 

これこそ大量生産・大量消費・大量廃棄で、今後膨大な電子廃棄物をうむのに・・・・

 

太陽光パネルのゴミの山を直視する。工業的リサイクルは環境汚染。日本も20年後こうなる。

太陽光パネルの不良率に驚く!10のうち1つが不良品?不良品も有毒ゴミになるということ

一斉に電子廃棄物のニュース。電子ゴミはパソコンだけではない。太陽光パネルも電子廃棄物。

【驚愕】30年後、日本はソーラーパネルと巨大風車のゴミ屋敷!再エネ廃棄物問題【設備には寿命】

【危険を承知で推進中!】資源エネ庁が原発メーカー三菱に調べさせた太陽電池モジュール廃棄物の危険性

 

 

私は脱原発市民グループのリアル活動の中で、内部被曝回避のためのあれやこれや、自然エネルギーについての考察について情報を共有しようとすると、必ず嫌な顔をされました。

「愚痴を言うな」「敵を増やすな」と怒られて、納得がいきませんでした。

それは、自然エネルギーを推進する人たち(再エネ利害関係者や緑の党)が、市民グループを動かしていたためでした。

私は農的な暮らしをしたいという個々の市民について否定するものではまったくありません。私自身も農的な暮らしをしたいと強く思っています。

しかしトランジションタウンやパーマカルチャーなどの組織の枠組みの中で動いている人間を講師にして勉強会などすると、結局、矛盾が有ることを刷り込まれ、自然エネルギー推進に誘導されてしまうと危惧しているのです。

そして市民はその誘導にも気づけないといった状況になってしまう。

そこには何重にも利害関係が入り組んできますので、再エネの是非について、率直に語れなくなって、がんじがらめになってしまう。

 

トランジション・タウンもパーマカルチャーもスピリチュアルもニューエイジも全部つながっています。

CO2地球温暖化説という「嘘」を前提に、「石油がなくなるぞ」「異常気象になるぞ」「種が絶滅するぞ」と脅しながら、自給自足や農的な暮らしに関心を持つ人をまとめあげて、自然エネルギーに疑問を持たないように、ものの見方考え方まで洗脳、誘導。

その周辺には、緑の党やシュタイナーの支持者がいることが多いということもリアル市民運動をしてみてわかりました。

その様子は、まさにカルト的。もちろん全員がそうだとは言いませんが。

農的な暮らしをしたいという個々の普通の市民は、ほとんどが善意の人。スピリチュアルもニューエイジに惹かれる人も、もともと純粋な人。

 

だけど、まず「命と環境」を守らなければ「愛」も何もありません。

思いつきで暮らし方を変えても、社会変革につなげなければ戦争も公害事業も止まりません。

目の前の環境的不正義を丁寧に検証し、何が間違っているか、原因は何かを考察、批判し、あらためていかなければ環境的不正義を温存させることになります。

「自分自身に問題がある」等、自己の内側に目を向けさせ、考え方を模索させるのは、一見正論に見えて、実は「国と企業の不正義を免罪する」ことになるのです。

戦争や公害事業にはそんなことは通用しません。

命と環境を守るために、やってはいけないことを批判するのは当たり前のこと。それは「けじめ」です。

あたかも自己啓発やカルトのような体裁で同調圧力をかけ、本気で原発をなくそうとする個人が潰されています。

 

「悪いこと聞かせないでね」「悪口言わないで」「ネガティブなこと言ったら嫌われる」

「そんなこと言ってたら傷つく人が出てくるよ」「バイブスが悪い」

 

新エネの周りにあるこれらの言葉は、本気で原発をなくそうとする人を萎縮させ、不正義を「批判」することを自主規制させる効果があります。

ほとんどパワハラです。

そもそも事実を伝えるのは「悪口」ではありません。

「ソーラーパネルや風車さえ推進しなければ、パーマカルチャーやトランジションタウンが言っている、その他の部分は正しい!」と言う人もいますが

もう一度、組織のそういうカルト的なマインドコントロール部分というものを、客観的に見るべきではないかと私は思います。 

 

もしも私が原発を推進する支配者側だったとしたら、

原発に逆らう可能性のある市民に対して、早め早めに骨抜きにしておこうと考えると思います。

現実を見ないような、自分の頭で考えないような思想を植え付けながら、原発を補完する別のもの=「自然エネ」に関心をそらせておく。国と企業に矛先を向けないような思想に据え置くことを考えます。

 

コメント

生活保護は生存権。無差別平等に使えます。申請で取り戻せる税金一覧表。

2015-10-16 | 大事なこと

(管理人より)

ひどい国策がまかり通り、テレビで騙される市民と、ネットで情報収集する市民の差は大きくなっていると実感します。

絶望が深まる毎日ではありますが、大事なのは

広告代理店に消費行動を左右されず、自分の頭で考えて暮らし、市民として”しぶとく生きる”

ことではないかと私は思いますので そのための情報を共有します☟


「実は少ししんどい」あなたへ あなたも使える生活保護(PDF) 日弁連

生活保護は、誰でもどこに住んでいても申請でき、 生活に困っていると判断されれば、無差別平等に使えます。

申請窓口では正しい対応がされないことがあります。



役所はあえて教えないけど申請すれば「もらえるお金」「戻ってくるお金」税金を取り戻すチャンスはこんなに眠っている(一覧表付き) 

「週刊現代」2015年9月26日・10月6日合併号より

※ 一覧表の中に太陽光パネルの補助金の項目がありますが、再生可能エネルギーは間違った国策ですので、当ブログ管理人は、太陽光パネル自体の取り付けをおすすめしません。

ご注意ください。

 

保険証もお金もなく、病気になっても病院に行けない人のための社会福祉法で定められた「無料低額診療施設」

コメント

別府市小倉地区の地熱バイナリー発電所。閑静な住宅地なのに配管だらけ。まるで「工業団地」。騒音問題も。

2015-10-15 | 地熱発電問題

 

 

(管理人より)

地熱発電所が住宅地の中に作られ、周辺住民の間で問題になっているということを知り、別府市の小倉地区に実際に行って発電所建設の現場を見てきました。 ⇒ 地図

別府市の小倉地区は、別府市の観光の中心の「地獄めぐり」周辺から離れた山の中腹にあります。

地獄などがある中心部の観光案内所で、小倉地区の地熱発電について聞いてみましたが、何も知らないということでした。

一番高いところの住宅地のすぐ裏側がちょうど大分自動車道です。別府湾を見渡せる位置で素晴らしい景観が広がっています。

それなのに驚きました。なんとその一番上に発電所があるのです。閑静な住宅地の中に発電所が点在し、蒸気が出続けているのです。

私はその傍の道を歩いていて頭からブワーっと蒸気に襲われ思い切り吸い込んでしまいました。硫黄とはまた違う匂いでした。

もう湯けむりレベルではありません。

 

しかも、配管が道路の上を横切っていました。山の斜面にある住宅地の道路ですから、急斜面で車が離合できないほど狭いのです。

 

 

地熱発電所の中に住宅があり、まるで配管に囲まれて住んでいるような状態でした。この小倉地区の地熱発電の問題をフェイスブックやHPにとりあげている泉 武弘元市議の動画の中で、

「これは、一体工業団地なのか?」というほどだと言われていましたが、まさにその状態でした。想像よりもはるかに住宅と近いのです。

歩いてみると、建設途中の発電所には事業者の名前が入っている立札や看板、地熱発電事業者の事務所(別荘を買い取ってそこを事務所?とした感じ)がありました。

   

 

別府市地域 新エネルギー導入の事前手続き等に関する要綱による申請及び届出案件 平成27年6月末時点

ひとつの住宅地域にこんなに作ろうとしています!   瀬戸内自然エナジーは、なんと10箇所作る予定だそうです。

噴気による騒音、熱水処理の問題が起きて当然だと思いました 。瀬戸内自然エナジーのHPに動画がありました。噴気音を聞いてみましょう。 

 

これが24時間毎日続いたら、そりゃ不眠にもなりますね。

※「温泉発電」は「温泉熱を利用したバイナリー発電」  ※「湯けむり発電」は「トータルフロー発電」と別府市のHPに書いてあります。

ということは小倉地区にある発電所はほとんど地熱バイナリーですね。

地熱バイナリー発電を、市のHPで、わざわざ温泉発電と言い換える目的はなんでしょうか? 

八丁原地熱発電所にいったときも、しつこく温泉と同じ成分だの、温泉と同じ匂いだの、とにかく「温泉と同じ」を強調していました。


ここでバイナリー発電について調べておきます。

バイナリー発電設備に係る電気事業法関係規制の見直しについて 平成23年2月24日 原子力安全・保安院 電力安全課

これを見ると、原発事故前から、バイナリー発電の危険性を分かった上で業界の要望により規制緩和の準備をしていたことがわかります。

 

 二次系の媒体には、不活性ガス(フロン)、可燃性ガス(アンモニア、ペンタン)、毒性ガス(アンモニア)のどれかが使われるということです。

いかにも「温泉と同じ」かのように「クリーン」であるかのように市民を安心させる宣伝がなされていますが、バイナリー発電はこういった危険なガスを使った発電装置なのです。

国策再生可能エネルギーのプロパガンダは実に欺瞞的です。

 

 

地熱発電の設備のメーカーにもよるのでしょうが、株式会社 瀬戸内自然エナジーは代替フロン(不活性ガス)を使っているとHPに書いてありました。

メーカーは神戸製鋼とアクセスエナジー社を使っているそうです。 

神戸製鋼所の小型バイナリー発電システム「MB-70H」  媒体は HFC245fa(フルオロカーボン245fa) 安全データシート

アクセスエナジー社製 Tharmapower XLT125  (アクセスエナジー社) 媒体はR245Fa  安全データシート  


フルオロカーボン245faの安全データシートを見ると、「眠気・めまい」 有害性と書いてあります 

それなのに国は 媒体が「不活性ガス」の場合は、B T主任技術者選任、工事計画届出等の規制は不要、と規制緩和しています。

しかも住宅地や道路との距離は規制の適用除外としています。

「不活性ガス」のフルオロカーボン245faを、安全と偽り、規制緩和をしているわけです。瀬戸内自然エナジーの使う媒体はフルオロカーボン245fa。だから宅地の中や高速道路のすぐそばに、バイナリー発電所が建設されたというわけですね 

 

 

 

 

 

 このすぐ裏側が大分自動車道です。

 

 

 

バイナリー発電設備に係る電気事業法関係規制の見直しについて 平成23年2月24日 原子力安全・保安院 電力安全課 を見ると

 

 今回の規制の見直しに当たっては、仮にバイナリー発電設備のリスク(表-4参照) に対する安全対策が十分に講じられなかったとしても公共の安全の観点から問題 が生じることがないと考えられる場合について、工事計画届出、BT主任技術者選任 等の規制を求めなくてもよいこととした。

この検討結果は、当然のことではあるが、現時点における結論であり、今後のバイナリー発電設備の運転実績、事故・トラブルの発生状況、安全性に関する技術情報 の蓄積、技術開発の進展等を踏まえて、必要に応じてさらなる見直しが行われるべき ものである。

「安全対策が十分に講じられなかったとしても」 って??? 意味不明です。

このように、なぜか、当時の原子力保安院の資料で規制緩和の道筋がつけられていたわけです。

そして

世界3位の地熱資源大国 「温泉発電」で脱・宝の持ち腐れ 2013/6/19  この再エネ推進サイトの記事に

この5月には安倍首相が別府市を来訪・視察し、ボイラー・タービン主任技術者の常駐が必要という現在の規制を、小規模な温泉発電施設などでは緩和する意向を表明した。


とあります。 元神戸製鋼の安倍首相が、バイナリー建設のための規制緩和をしてたんですね。まあ、わかりやすい。

脱原発市民は「脱原発のために地熱発電を!」と大騒ぎしていますが、原発推進派の安倍首相が地熱バイナリー発電も推進しているということです。

これは「原発をやめるために、地熱発電の規制緩和をしてくれた」んじゃなくて、「原発でも地熱でも儲けるために」「地熱で原発を補完させるために」規制緩和してるのです。

地熱発電を推進したいという、一般市民や有名人のあまりの多さにめまいがします。

ネット上では、同じようにこの現場を見学しても、利害関係者はブログなどに呆れるほどいいことしか書いていません。

 

「温泉のお湯を捨てるのはもったいない」といった「廃棄物利用」に逆らえない心理を利用した論調、さらに「温泉と同じ」という刷り込み、地熱発電の業者が農園をやるなどの「自然」と共存するアピール。

地熱発電の周りにも、欺瞞的なプロパガンダが確かに存在しています。

「地熱は日本の資源!」「日本もアイスランドみたいにやろう」といった論調も根強い。その論調を補強する要員(ジャーナリストや、政党関係者など)もいます。

 

実際には、

有害性のあるガスを使った設備であること。

発電時に発生する騒音、噴気音による周辺住民の不眠などのトラブル。

熱水処理で、農業用水に入り込み、今年の稲作を中止したところも出ている。

温泉が枯渇した場合には、どう保障するのか。

景観は取り戻せるのか。

 

など様々な問題が起きています。

地熱バイナリー発電は簡単に、「原発よりまし」などといってすすめていいものではないということを、ブログに書いておきます。

 

私が実際に現場で見たところ、景観対策として事業者が敷地に植えたとされる巨大なヤシの木も、枝がないので柱と同じで目隠しにすらならず、発電施設は丸見え。まるで意味がありません。

しかもボイラー・タービン主任技術者の常駐していませんので、何かトラブルがあったらどうするのでしょうか?

 

経済産業省のお墨付きをもらって、住宅地の中にまでやりたい放題に発電施設を建設しているという印象を受けました。


発電施設を、温泉の観光施設のようにして集客しようというのかわかりませんが、地獄周辺の観光エリアと違って、閑静な住宅地にこのような施設を造るというのは理解に苦しみます。

メガソーラーの時もそうですが、規制緩和しといて問題が起こり「条例作れ」というパターン。

その間に、誰が儲けているのでしょうか?

九州電力に売電という嘘が書かれていますが、実際は私たち市民の電気代に上乗せされた再エネ賦課金で、事業者から買い取っているのです。

結局最後は、自然破壊、健康被害、環境汚染。

私は別府の温泉が大好きなので温泉が枯渇して欲しくありませんし、電気は足りているので発電施設は不要だと思います。

とりあえず「対策してもらえばいい」ということでなく、地熱発電、再生可能エネルギー、原発の本質的な問題を調べ、

国のエネルギー供給技術について普通の市民全員が自分の頭で考えることが大切だと私は思います。


 


コメント (3)

大阪府八尾市大正中学校の運動会の10段ピラミッドで生徒が骨折!主犯が教員、共犯は保護者

2015-10-05 | 大事なこと
大阪府八尾市立の中学校における組体操事故
 
 
 
 
 
 
 
運動会の組み体操で子どもがけがをする事故が相次ぐなか、先月、大阪・八尾市の中学校で、10段のピラミッドが崩れて1人が骨折するなど生徒6人がけがをしました。この中学校では去年も4人が骨折していて、専門家は「学校は事故の実態に目を向けて対応を取るべきだ」と指摘しています。
先月27日、大阪・八尾市の大正中学校の運動会で、1年から3年の男子生徒157人が参加した10段のピラミッドが崩れ、下から6段目にいた1年生が右腕を骨折し、5人が軽いけがをしました。
この中学校では、去年の運動会でも10段のピラミッドが完成後に崩れて1人が足首を骨折するなど、前日の練習中や別の組み体操も含めて、合わせて4人の生徒が骨折していたということです。
このため、ことしの運動会に向けては配置する教員を増やすなどの対策を取って10段のピラミッドを継続していました。
横川一敏校長は「けがへの認識が甘かった。リスクの高い技に挑戦させてしまったことは判断が誤っていたと反省している」と話しています。
組み体操の事故に詳しい名古屋大学の内田良准教授は「学校現場は相次ぐ事故の実態に目を向けて組み体操の在り方を見直すなどの対応を取るべきだ」と話しています。
組み体操を巡っては、子どもたちの協調性を育むなどとして多くの学校が取り入れる一方で、平成25年度に全国の小・中学校や高校で合わせて8500件余りの事故が起きています。このため地域の教育委員会がピラミッドの段数に制限を設けるなどの動きも出ています。
 


(管理人より) 以前から危険だと思っていた組体操の事故がまた起きました。今日は自分の体験も踏まえて記事にしておきます。
 
中学校の組体操では10段ピラミッドが行われていますが、小学校でも運動会で組体操をしています。私の子どもの小学校時にも小さいピラミッドはありました。
うちの子は体が大きかったので当然一番下の台ですが、一番上に上るのは、体が小さくて痩せている子どもがチョイスされ、担当の先生からその子の家に承諾を求める電話がかかってきたそうです。
「高いところに登らせますが、いいでしょうか」と。
下の台になる子の家には電話も何もありません。いつの間にか練習も終わって本番です。
学校の行事に協力するという、緩やかな同調圧力があるために、「うちの子どもにはさせません」とはなかなか言えない雰囲気が醸成されているのを、その時から感じていました。
 
今回のピラミッドも動画を見ていただいたらわかりますが、てっぺんに子どもが乗った瞬間、見ている親たちから拍手が沸き起こります。結局、親が喜んでいるわけです。
「こんな危険なことをさせてはいけない」という認識では全く見ていないということです。このことにも驚かされます。
 
内田良准教授の今回の事故に関する記事をご覧下さい。☟

10段の組体操 崩壊の瞬間と衝撃 ――2人の生徒 教師に抱えられて退場 ▽組体操リスク(13)  より

立体型の10段ピラミッド

百数十名の生徒が必要

高さはおよそ7メートル。

土台の最大負荷量は、一人あたり200kg前後に達する。


内田良准教授のツイートより

そして200kgの重さに耐え切れず中から崩れていきました。その時の子供の痛みや恐怖はどれほどだったかと思います。別のインタビューでは「死ぬかと思った」と語った子どももいました。


 内田良准教授は 巨大組体操の主犯が教員なら,共犯は保護者。 いずれにせよ,痛い目に遭うのは,子ども。」と言われています。
 
 
 

 これはもう大変な骨折です。異常な曲がり方。

私は自転車で転んで手首を骨折したことがあるのですが、2回手術をしました。骨が離れている状態の程度としては軽かったのかもしれませんが、実際にはまったく動かせないばかりか手がねじれていることが感覚としてわかりました。本当に痛くて不便で、金具を中に入れて、骨がつくのを待ってから、金具を取り出すという2回の手術。必死にリハビリしましたのである程度は戻りましたが、今でも怪我をした手はかばって生活しています。

病院には、同じような骨折で、骨はついてもリハビリの痛さに耐え切れず、手首が曲がらなくなって萎えたような状態の手になっている人もいました。なのでこれだけひどい骨折だと、相当な痛みもあると思いますし、右手が利き手だとしたら勉強も困るのではないでしょうか。手術も2回では済まないかもしれません。結局、痛い目に合わされる被害者は子ども。

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20151001-00000004-nnn-soci より

主犯が教員だと内田教授は述べています。

大正中学校校長の管理責任は問われなければならないと思います。担当教員も「危険なのでピラミッドは運動会でできません」と勇気を出して言ってほしい。そもそも教材研究の中に「危険でないかどうか」という安全の確認が入っているはずなのに、どうしてこんな事が起こるのか不思議でなりません。

学校HP 校長室より

ごあいさつ 

 こんにちは、八尾市立大正中学校長の横川一敏です。本校のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。 

 本校は昭和22年4月1日に中河内郡大正村立小学校内に大正村立中学校として開校しました。そして、翌年には八尾市立大正中学校と校名を改称し、昭和27年7月21日には新校舎の完成に伴い現在の地に移転しました。さらには、平成9年に創立50周年記念事業を華やかに執り行いました。また、現在でも地域には多くの卒業生の皆様が生活され、校友会を中心に地域の方々に愛される学校として今日に至っている歴史と伝統ある学校です。

今年度、新たに199名の1年生を迎え19学級、生徒総数603名で平成27年度が始まりました。「学校の主役は生徒である」という考えのもと、学びや活動を通して生徒達がわかる喜びやできる楽しさを体感できる、充実した学校生活が送れるようにしたいと考えております。

 

 

HPとやってる事が違うという事実。「教員が主役」で生徒がやらされている運動会もおかしな話ですし、巨大ピラミッドの「できる楽しさを体感」する必要はありません。

前年に事故が起きていながら、ピラミッドを中止しなかった校長の責任は追求されるべきです。公務員の信用失墜行為。 

関西大学法学部の永田憲史教授は

「危ないとあれだけ言われているのに10段のピラミッドをやらせて骨折させてしまったわけですから、管理職と組体操の担当教員は業務上過失傷害罪できっちり処罰すべきです。ちなみに「組体操にけがはつきもの、けがをさせてもかまわない」と考えていたのなら、傷害罪です」

「業務上過失傷害罪の時効は5年ですので、告訴されるリスクは約5年続きます

ツイッターで述べています。

http://news.livedoor.com/article/detail/9258883/  より

事故が訴訟に至ったケースもある。1990年、福岡県の県立高校で練習中のピラミッドが崩れ、最下段の中央にいた男子生徒がほかの生徒の下敷きになった。男子生徒は首の骨を折り、全身マヒの後遺症を負った。県は両親から損害賠償を訴えられ、福岡高裁から総額約1億1150万円の支払いを命じられた。


子どもの命が失われる前に、学校で運動会のためのピラミッドなど組み体操を中止するよう、保護者が申し入れをするべきだと私は思います。

ひとりひとりのお母さんが勇気を出して行動するしかありません。

家庭訪問で早めに先生に言うのもいいと思いますし、連絡帳に事例を貼り付けて、担任の先生にまずは読んでもらうのも、ひとりでも親ができることだと思います。

参観日の懇談会で話す、PTAの役員やPTA会長に情報を共有するという手もあります。

親が知識・情報を持ち、行動しなければ、子どもを殺される、そんな恐ろしい時代になりました。

調べて学校へ情報を提供しましょう。

学校事故事例検索データベース

組体操 より

主な事故

    • 1988年、愛媛県の小学校で卒業アルバム撮影中に人間ピラミッドが崩れ男子児童(当時6年生)が圧死[20]
    • 1990年、福岡県の県立高校で3年の男子生徒が8段ピラミッド(平面型8段を目標にして、5段目までが完成して6段目にとりかかるとき)の崩落により首の骨を折り脊髄損傷の後遺症を負う。一審で福岡地裁は5段ピラミッドは危険であり学校側に過失があると認めたが、福岡県側は「重要部分に疑問があり、今後の学校でのスポーツ・体育の推進に少なからず影響を及ぼすため」として控訴した。二審で福岡高裁は一審判決をほぼ支持し、5段以上のピラミッドは危険であり学校側に過失があると再び認め結審した[21][22][23]
    • 1995年、神奈川県相模原市立鵜野森中学校にて体育祭の予行練習中に組み体操の「人間タワー」が崩れ、男子生徒(当時3年生)が死亡。死亡生徒の両親が、市に対し約七千万円の損害賠償請求[24]
    • 2006年、福岡県の県立高校で、体育祭に向けて柔道場で組み体操の自主練習中、男子生徒(高2)が同級生に肩車をしてもらった際にバランスを崩して後方に転落し、首を骨折。胸から下がまひし、身障者手帳1級の交付を受けた。2011年4月に福岡地裁小倉支部は学校側に事故の責任があることを認め、福岡県に約622万円の賠償を命じた[25][26]
    • 2012年、兵庫県の伊丹市立天王寺川中学校にて新記録の11段人間ピラミッド練習途中に支え役の生徒一人が足を骨折[27][28]。2012年度に小学校で起きた組体操による事故確認事例は約6500件[29]
    • 2014年5月、熊本県の菊陽町立菊陽中学で体育館にけが防止のためのマットを敷き、2、3年の男子生徒約140人で10段ピラミッドを作る練習中に一部がバランスを失い崩落。教諭8人が現場指導にあたっていたが、内生徒の一人が腰の骨を折る重症[29]。同年、伊丹市立天王寺川中学校で11段ピラミッドの練習中に土台に加わっていた教師がケガをしたため、11段の挑戦を中止した[30]
    • 2015年9月27日、八尾市立大正中学校で行われた体育大会で、10段ピラミッドが崩れ、下から6段目の男子生徒が右腕を骨折した[31]


 

私はブログを書く事しかできませんが、現役のお母さんはどうか勇気を出してピラミッド中止を求めてください。

 

参考 変わる運動会 組み体操の規模縮小へ 9月15日 20時24分 NHK

 

 

教育という病 子どもと先生を苦しめる「教育リスク」 (光文社新書)
 
光文社

 

  

コメント

高知市の太陽光発電施設の斜面の土砂崩れ、与那国島の風力発電の羽が破壊された事実。

2015-10-03 | 災害

 

高知市朝倉で斜面崩れる 土佐市と須崎市で、1時間に120mmの大雨

09/24 19:05

高知市朝倉の市営住宅のすぐ脇の斜面が、幅28メートル、高さ8メートルにわたって崩れた。崩れた土砂と、コンクリートが、民家へと続く道をふさいでいる。
24日正午すぎ、住民から「ドーンという音がして斜面が崩れている」と、110番通報があった。山の斜面が、コンクリート製の壁とともに崩れ、土砂は住宅につながる道を完全にふさいでいた。
高知県の土佐市と須崎市では、1時間に120mmの記録的な大雨を観測した。 (高知さんさんテレビ)


この報道には、いっさい太陽光発電やソーラーパネルといった言葉が入っていません。ほんとにおかしな記事だと思います。太陽光発電施設が見えているにも関わらずそれに触れないメディア。

造成工事にも関係しているはずです。こういったキーワードが入っていなければ、検索に引っかかりませんので市民が知ることができません。業者名も不明。

ここではないでしょうか 地図   造成中のグーグル衛星画像。 山の斜面を相当削っています☟

 

台風などの影響で再エネ設備はどうなったのか市民は知る権利があります。

再エネ賦課金は私たちの電気代に上乗せされているのですから。

 

さらに台風21号の影響で与那国島の風力発電の風車の羽が破壊されました。

https://youtu.be/fDrXrFqjFto

 9/29 NHKテレビニュース



NEDOの資料から 日本における風力発電設備・導入実績  ⇒これは便利。風車事故があったらここをチェックする。メーカーもわかる。

日立=原発メーカーの風車です。ここでも再エネが原発メーカーの利益につながっています。

「電力会社から電気を買わん!」とか「原発の電気を買わん!」とか言っても、風車も原発メーカーです。

与那国島の台風影響の3つのニュース動画を見ましたが 結局2基とも壊れたのか、1基なのかわかりませんでした。どっちにしても風車が稼働されてからわずか13年で壊れたことになります。


日本における風力発電設備設置実績一覧表(沖縄県)[PDF形式]  こちらを見ると 驚きます。

今までに「実証研究」という大義名分で、小さい島ばかりの沖縄にこんなに風力発電を建てまくっており、それがほとんど壊れて撤去、停止されている事実をご覧下さい。

壊れたのは与那国島の風車だけではないということです。


研究だったら何をしてもいいということではないと私は思います。

実証研究でこれだけ風車が壊れているというのに、予算が付く、国策化することの異常を感じずにはいられません。

沖縄は、米軍基地を押し付けられているだけでなく、再エネの実験台にもされているということがわかります。

実証事業、実証研究は、実験台ということです。

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1303/26/news011.html

台風が来るので「可倒式」という風力発電を、他の場所で作ってるようですが、不要だと思います。

どっちみち、再エネは火力がなければ使えないのですから。

与那国島はこの台風の影響で停電しています。住民の中には緊急用の自分のディーゼル発電機使ってる人もいました。

既存の火力がちゃんとしてて送電網もできてるのに、景観も壊してまで実証実験なんてしなくていいと思います。

 

観光で行くなら島にソーラーパネルがあったらげんなりします。 風車も迷惑。 行くなら再エネのない島に行きたいです。

 

コメント

隠岐の蓄電池 実証事業は、危険なNAS電池と三菱が儲かるリチウムイオン電池。

2015-10-02 | 蓄電池

 

隠岐の蓄電池 実証事業始まる

NHK島根 2015年 09月30日 19時27分

中国電力は島根県の隠岐諸島で再生可能エネルギーの拡大を図ろうと発電量の不安定さを補うための大容量の蓄電池の有効性を確かめる全国でも初めの実証事業を30日から始めました。
実証事業のために本格的に稼働を始めたのは中国電力が西ノ島町に設置した西ノ島変電所で、あわせて6200キロワットの出力を持つ大容量の蓄電池が備えられています。
隠岐諸島では、現在、電力供給のほとんどを火力発電に頼っていますが、今後、太陽光や風力によるおよそ8000キロワットの再生可能エネルギーが導入されることになっています。
しかし、太陽光や風力による発電は天候や時間帯によって出力が大きく変動し、こうした不安定さが導入拡大の妨げになっています。
こうした課題の克服のために蓄電池を設置したもので性質の異なる2種類の電池を使って天候などによる急な出力の変化や昼と夜などの長時間の変化に対応することにしています。
中国電力では火力発電所と組み合わせることによって電力を効率的、安定的に供給できるかを今後3年間かけて検証します。
こうした取り組みは全国でも初めてです。
中国電力流通事業本部の庄野弘高マネージャーは、「再生可能エネルギーには発電量が大きく変動する欠点があるので実証事業を通じて課題を克服し導入の拡大につなげたい」と話しています。

 

 

 

隠岐諸島におけるハイブリッド蓄電池システム実証事業に伴う再生可能エネルギー導入計画の決定について

 1. 新規再エネ導入計画の内容

種別設置場所再エネ事業者出力
メガソーラー 隠岐の島町
(旧隠岐空港跡地[島根県有地])
旭メガソーラー隠岐発電 1,500kW
[共同]隠岐一畑交通(代表)・一畑電気鉄道 1,500kW
隠岐の島町 非公表(既連系申込分) 約2,000kW
住宅用太陽光 隠岐諸島全域(増加分) 約500kW
(見込み)
風力 海士町 エネルギア・ソリューション・アンド・サービス 2,000kW
新規再エネ合計 約8,000kW
【参考】既存再エネ(風力・住宅用太陽光・水力) 約3,000kW

 

 

 

NEDOの資料をみると隠岐大峯山発電所は島根県企業局の売電事業として2004年2月に建設されています。  ドイツDeWindの風車  600×3基=1800kw

小さな島に風車・・低周波音被害が出てないのでしょうか?メガソーラーも自然を壊すだけです。

しかも環境省の実証事業なのに、新規メガソーラー(約2,000kW)の事業者が「非公表」って!!  

 

今回設置する予定のハイブリッド蓄電池システムは、日本ガイシのNAS(ナトリウム・硫黄)電池(出力4,200kW)と、三菱とGSユアサのリチウムイオン電池(出力2,000kW)。

 

 

ここでも原子炉メーカーが再生可能エネルギーの事業で儲かる仕組みとなっています。

この画像のNAS電池の側面に、青い「禁水」という看板があります。NAS電池は金属ナトリウムですから、水をかけてはいけないということです。しかし、それを知らない人がたくさんいます。ナスデンチってなあに?? 何で出来てるか考えたこともない・・・そういう人ばかり。 私は高校時代に文系のクラスにいたのですが、なんと、理系のクラスでは理科の授業で金属ナトリウムを水の中に入れて反応を確認する実験をしてたそうです

今でこそ、YOUTUBEで検索すればいくらでも金属ナトリウムの実験の様子が動画で転がっていますが、当時はそんな実験があることすら知らされていませんでした。

つまり、文系とくに女子はそのまま文系学部に行き、金属ナトリウムのことなど考えもせず、就職、結婚、出産となり、アルカリ金属が反応性が高くて危険な物質だということを知らないまま年をとっている可能性があります。

以前に蓄電池のことは記事にしていますが、世間の主婦というのはいっさい蓄電池や金属ナトリウムに感心などはありません。

今でこそこんなブログを書いている私自身も電池のことなんかなんも気にしてませんでした(泣)  

NAS電池には金属ナトリウムが使われ300度に熱し続けなければならないということすら知りませんでした。まあ、そういう人がほとんどでしょう。

結局、蓄電のために火力の電気を使ってしまうことになるなんて本末転倒。電気を熱に変えるなんてエネルギーロスです。

 

蓄電池が私たちの暮らしの中に入り込めば、電力会社に暮らしの根幹を握られてしまうことになります。

激甚な公害の上に成り立つ蓄電池。あのちゃんの漫画でエコ詐欺師たちに騙されないように勉強しよう!

しょうもないダジャレで何も知らない人を騙す日本ガイシのCM。広告代理店は馬鹿にしてるんですね市民を。B層を騙す気満々のCMですね。

 

 

NAS電池って実際は火災事故が何度も起こり、このような報告書が出ているような超危険な蓄電池なのに・・・・火災が起きたら有毒ガスが出ると書いてある

水がかけられないから 乾燥した砂を準備すると書いてある。

NAS電池の課題と対策 東京都消防庁

 

 

 

 

有毒ガスを吸いながら、乾燥砂を掛けて消火なんてできるのでしょうか?ガスマスクしても危なすぎて近づくことなどできないと思います。2週間も燃え続けたNAS電池の火災事故もありました。

周辺には有毒ガスが流れていくでしょう。

この電力系統制御用のハイブリッド蓄電池システムの活用は、国内初の画期的な取り組みとなるそうですが、実証事業=実証実験なのです。

今後、平成27年度~平成29年度の3年かけて行うそうです。

国が行おうとしている「実証事業」とは、”人体実験” なのだという認識を持たなければならないと私は思います。

安全が確保されているとは言えないからです。

もう「科学のためなら多少の犠牲は仕方ない」などという傲慢な考えは今すぐにでも捨て去りましょう。

危険なNAS電池の近くに学校と病院☟


私は大型蓄電池がある場所には絶対に行きたくないと思います。 蓄電池の危険を隠して進められる事業は、ある意味原発と同じです。従って実証事業というのは必ず小さい集落や島など、反発する人間がいないような場所で行われています。

「簡単な」チラシを作り、県の職員が、ごく周辺の住民を一軒ずつ訪問して、「住民がわかるレベルの話」にして説明、説得。ネット環境にない人は何もわかりません。こうして実験台にされるのです。

 

隠岐ハイブリッドプロジェクト   より

 

 

発電量の調整は火力発電所がやります。 結局火力は必要なのです。だったら、再エネも蓄電池もなしに、火力だけにした方が、化石燃料を使わずに済みます。

蓄電池も再エネの工業製品(風車、メガソーラー)も、膨大な化石燃料を使って製造されます。

次世代に化石燃料を残すというのなら、既存火力だけにしたほうがいい。再エネ自体が化石燃料の無駄遣いになっています。

再エネだけで、日本のエネルギー供給技術にはなりえません。

 

リチウムイオン電池も爆発しているようです。

宇宙でリチウムイオン電池爆発か?

スマホ予備電池、預けないで 航空機貨物室で発火の恐れ


「電池を一括りにダメと言うな」という声が聞こえてきそうですが、不要なものは不要。

「~を一括りにダメと言うな」はもう聞き飽きています。廃棄物を環境を汚染せずに自分で始末できないのに・・・


コメント