ブログ「風の谷」  再エネは原発体制を補完する新利権構造

原発事故は放射能による公害。追加被曝阻止⇒放射性廃棄物は拡散してはいけない⇒再エネは放射能拡散につながる⇒検証を!

宇部興産の工場火災事故を報じたのは宇部日報のみ。プラント事故の危険と企業城下町の「意図的な無視」

2015-09-05 | CBRNE災害

 

2015年9月4日付けの宇部日報のこの記事は宇部日報HPにはありません。紙面のみです。 つまり、宇部日報を購読している市民にしか伝わらないということです。

この記事には広報車が出たことも書かれていません。広報車のアナウンスが行われた町内に回覧板もきませんでした。

見出しにも「火災事故」という言葉はなく「焼損」になっています。 記事の中に 1,6ヘキサンジオールの有害性は書かれていません。

「漏れ出し出火はしたが有毒ガスの発生、有害物質の漏洩はない」という言い方はわかりにくく、このパターンが通用するなら、

どんな化学物質でも 「漏れて出火したが毒ガスは出なかった」と言い逃れることは可能になります。

建屋の外部には出なかった、あるいは周辺地域には出なかったという意味を込めていると思われますが欺瞞的な書き方です。

「ひと安心したい」市民は結果だけを求めていますから、見出しに「有毒ガス発生なし」を掲げて済ませようという意図も感じられます。

参考⇒マーガレット・ヘファーナン: 「意図的な無視」の危険性  Heffernan: The dangers of "willful blindness"

 

建屋の中には有害物質も出ていたのではないでしょうか?市民に知ることはできません。

火災事故翌日の各メディア↓

宇部日報 http://ubenippo.co.jp/category/police/

読売新聞(山口) http://www.yomiuri.co.jp/local/yamaguchi/

朝日新聞(山口) http://www.asahi.com/area/yamaguchi/list.html

毎日新聞(山口) http://mainichi.jp/area/yamaguchi/archive/

山口新聞 http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/wsyuyou.html

中国新聞 http://www.chugoku-np.co.jp/news/article/?category_id=24&page=2

どこにも 9/3の宇部興産の火災事故のことが掲載されていませんでした。

全国ニュースにならなくともせめて地域のニュースにはと思ったのですが、ありません。

結果的に、10台近い消防車が出動して、広報車が回って、宇部興産HPのトップページに、「火災事故」としてお知らせが出たにも関わらず報道はわずかこれだけ!

夜で煙が見えなかったことや、2時間で鎮火できたことにより、ニュースの扱いが小さくなってしまったのでしょうが、

サイレンがずっと鳴り響き、広報車まで出た周辺地域の住民としては、ほんとうに生きた心地がしなかったわけです。

宇部興産のプラントの配管が住宅密集地のすぐ近くにあるという企業城下町宇部市。 

爆発事故の心配を口にすると、即、「レシポンシブルケア」にご案内される企業城下町宇部市。

 

事故があった工場で生産している合成樹脂の材料のジオールも、車になるのでしょうか↓  この図を見ると再エネ製品がてんこもり!

 

 http://www.ube-ind.co.jp/japanese/products/chemical/chemical_15.htm#hexanediol   より

 

何も考えず、こういう製品が作られることに何の疑問も持たないで生きている人がほとんどでしょう。

どんなに身近な工場で火災事故が起きたと聞いても、その危険性が分からなければ何も怖くない。平気でいられます。

しかし、これだけ爆発事故や火災事故が日本中、世界中で多発してる今、もう一人ひとりが、命と環境を守る視点で暮らしのあり方、電気の使い方、社会の有り方を根本から考え直す時が来ているのだと私は思います。

「日本は資源がないから、工業製品のものづくりをする国」なのだという刷り込みが、さも当たり前のようにどこでも行われています。

こういう間違った教育、洗脳を改めない限り、日本の自然は破壊されつくし、環境は汚染され続ける事になるのです。

 

 

 

本当は環境中に汚染を蓄積していくという「工業生産」。 そういう大事なことは教えずに「科学技術はすごい」という刷り込みがずっと授業で行われています。

たとえばこのニュース。NHK島根のローカル記事であっという間に削除されましたので記事を画像をはっておきます。

自治体と企業が癒着した全く愚かな催しです。↓ 親子で「LEDのあんどん作り」だなんて 

 

講師役を務めた大手電機メーカーの社員が家庭では照明や冷蔵庫の消費電力が特に多いことを紹介。」と書いてあります。ε=(・д・`*)ハァ…

大手電機メーカー(=原子力ムラ)の担当者が無知な親子に省エネや節電の嘘を刷り込んでるだけです。再エネのプロパガンダ、LEDのCMと言ってもいい。

おそらく松下電器でしょう。工場が松江にありますから。CSRにも書いてありますね。 

環境問題の本質は、地球温暖化ではなくて、環境汚染なのに、夏休みの宿題をやっつけたい親子に「エコ詐欺」をふきこむという企画。

国策にのっかった作品や研究を学校に提出すると、実は評価が高くなるというおかしな実態があります・・・

そもそも、鉱物資源と化石燃料を浪費して作った工業製品のLEDを行灯にする意味がないということに気づく勉強をしなければならないのに・・・・

 

参考 ⇒地球温暖化CO2原因説の嘘 。科学+仮説+憶測を「事実」とみて、虚構に走る。それが今の日本。

「LED あんどん」 で検索すると似たような催しが全国で山のように出てきます。 

それはLEDが国策再エネの一部であり、税金が流れ込んでいるからです。

 

 

 

電気の浪費を あかりだけに注目させるのはおかしい。電気の浪費というのは自宅の電気代だけの問題ではありません。

国策で、電気を膨大に使う工業製品の製造が行われていることが問題なのであり、自宅の電気使用料の節約にフォーカスし矛先を向けるのは実に巧妙でずるい誘導です。

その工業製品を作るのにどれだけの電気、つまりどれだけの化石燃料を使ったかということを考えさせなければならないのに本末転倒です。

原子力ムラを呼んでエコ詐欺授業がまかり通る日本に絶望します。

 

製造~廃棄の過程において環境を毒物で汚染していないか(=土に還るか)を考える学習が必要です。

生物の進化と適応の過程を忘れた科学技術ではないのか(=生き物にとってどうか)を考える学習が必要です。

 

現代に生きる私たちが、すべての「大人の事情」と「ご都合」を排除して、この問題に向き合わなかったら何も解決の方向にはならない。

放射能汚染国レベル7の日本で、便利な暮らしを追い求める、未来の技術に夢を見るのは、もう終わりにしなければ子供の未来はありません。


【問い合わせ】9/3宇部興産ケミカル工場火災事故。可燃性液体1,6ヘキサンジオールと水素が漏洩し着火。 

2015-09-04 | CBRNE災害

きのう宇部興産の工場で今年3回目の火災事故が起きました。


2015/1/9宇部興産宇部マテリアルズで火災

2015/6/12宇部興産宇部セメント西工場で火災

2015/9/3宇部興産 宇部ケミカル工場内 ジオール工場の火災事故


現場付近をN95マスクをしてリアルタイムで見ながら、ツイッターで報告を流しました。消防局への問い合わせもしましたのでブログにまとめておきます。

https://twitter.com/oldblue2012/status/639377592089378816 から時系列に整理しておきます。

 

18時頃 サイレン 湾岸道路入口付近の配管が見える位置に 消防車が複数(10台近く)集結

 広報車が 「有害物質はないが、煙が入ってくる可能性があるので窓を閉めてください」アナウンスして西本町周辺を巡回していた。 パトカーも巡回していたのが見えた。

消防局の自動の電話案内(0836-32-9999) では 「宇部市小串からコンビ火災が発生し消防隊が出動しています」 と流れていた。 

消防局に電話で一回目の問い合わせ 「宇部興産の工場内で事故。今詳細を調べ中。広報車アナウンスは念のために流した」

20:04 消防局に私が現場周辺住民として2回目の問い合わせ 

 「今現在 火災は収束に向かっている。配管内に火が残っている。有毒ガスはない。湾岸道路の入口付近の配管」

※その他の人が問い合せても 消防局の電話口は言う事が少しずつ違っていた(2人に確認)という事実。電話に出た人間が違うのか、同じなのかは不明。

 

21時30分 宇部興産HPのトップページにお知らせがアップされた。 

       宇部ケミカル工場内 ジオール工場の火災事故について   より

 

 

9/4 9時30分 発表時刻の訂正がアップされた。

宇部ケミカル工場内 ジオール工場の火災事故について(訂正)  より

2015年9月4日

※昨日23時に発表した「宇部ケミカル工場内 ジオール工場の火災事故について」について、時刻に一部訂正がありました。

9月3日 18時20分頃、弊社宇部ケミカル工場(山口県宇部市)構内ジオール工場熱交換器で火災が発生しました。近隣住民の皆様をはじめとする関係先の方々に多大なご心配とご迷惑をお掛けしたことを深くお詫び申し上げます。

9月4日 9時30分現在で判明しております内容につきましては、下記のとおりです。

     
1. 発生場所   宇部興産株式会社 宇部ケミカル工場
ジオール工場 2階 熱交換器
     
2. 発生日時    9月3日(木)18時20分頃
     
3. 発生経緯   18時20分頃 可燃性液体と水素が漏洩し着火
18時30分 消防に連絡
19時48分 消火を確認
20時36分 鎮火宣言
     
4. 発生の原因   現在、確認中です。
     
5. 有毒ガス・
    有害物質の漏洩
  有毒ガス、有毒物質の漏洩等はございません。
     
6. 被害状況   負傷者、環境異常、その他工場および近隣への影響等はございませんでした。
     
7. 製品供給への影響   現在、確認中です。
お問い合わせ先
〒105‐8449  東京都港区芝浦一丁目2番1号 シーバンスN館
宇部興産株式会社 経営管理室 IR広報部
TEL:03-5419-6110

〒755-8633  山口県宇部市大字小串1978-96 
宇部興産株式会社 宇部渉外部
TEL:0836-31-2111
 

 

 

参考 現場付近(ストリートビューより)  これは火災当日ではありません↓

 

 

工場の配管と民家が非常に近いということがわかります。

 

 

 

 

 

宇部興産の目の前に住む人にとって、事故状況の判断は命に関わります。   

福島第一原発事故で、当局の発表や判断を鵜呑みにしないことを学んだはずではなかったのでしょうか?

コンビナートのプラントには、漏れて吸い込めば危険な化学物質はあると思います。

今回のケミカル工場では「可燃性液体と水素が漏洩し着火」って、何が漏洩したのでしょうか? 気になるので宇部興産に問合わせました。


《宇部興産に問い合わせ

可燃性液体はエステル(1,6ヘキサンジオール)。これは合成樹脂を作るための原料。

今回事故があったのは、建屋の中の配管(直径4センチ位)のバルブのところから液体が漏れた。水素は揮発。

配管の中を流動性をよくするためにエステルに水素を混ぜている。

発火した際に、配管に窒素を充填して消火をした。

広報車がまわったことに関しては、情報の食い違いもあった。

その後、鎮火したかどうかの広報車は出ていなかったこともよくなかった。

事故が起きたのは、道路から見えている配管ではない。

今回の件でクレームが多く寄せられている。会社としては重く受け止め、今後の対応はご意見を参考にしていきたい。


 

丁寧な説明を受けました。なんと今回のクレームの中に「何でもないのに広報車を出すな」といったようなものもあるようです。 

私はそれは違うと思います。 何か事故があった場合は予防原則に基づいて周辺に広報車を走らせるべきです。

安全データシートを見てきたいと思います。

宇部興産  安全データシート 1,6ヘキサンジオール

 

火災時の措置では、「風下に立ち入り禁止区域を設置する」とあります。つまり、広報車は大げさではなかったということではないでしょうか。

「有毒ガス、有毒物質の漏洩等はない」という宇部興産や消防の発表ですが、安全データシートにはこう書いてありました。↓

 

「はきけ、めまい、中枢神経に影響がある」という物質は、十分「有害」ではないでしょうか。 

福島原発事故後に、東電や政府の驚くような対応を見てきたはずなのに、プラント火災の際の「有害物質の発生はない」という消防などの発表を信じてしまう市民の現実を、今回ツイッターで見せつけられた気がしました。

地元メーリングリストで、 「ツイッター⇒地元ラジオ⇒消防発表⇒ひと安心」  という誘導する市民が出る始末。

人間は忘却の生き物なのかと絶望しました。ε=(・д・`*)ハァ…

 

今回結果的に広報車でアナウンスがある、できるということがわかったのは、今後の防災の観点ではプラスだったと思います。

ちなみに福島原発事故の際、爆発した原発の近くに住んでた人達の周辺には広報車が出たそうです。 

天津市の大爆発火災事故、日本でも川崎工場火災事故、近くでは小野田アセチレン工場爆発火災、北九州市メッキ工場の爆発火災事故など起きています。

8月にはセントラル硝子宇部工場の配管の事故で作業員が死亡しています。

ちなみに、夜中にまた事故が起きるのではないかと私は心配で眠れませんでした。

消防車がたくさん集まって、広報車まで出たのにメディア(NHK、TYS、KRY、YAB)は報じていません。

結局どういう状況だったのかを、市民は知る権利はあると思います。

消防車というのは火災現場の工場の人か近所の人が通報しない限りは出動しません。

事故発生後、山陽小野田の方から湾岸道路を通って途中で消防車が2台追加されたのを私は見ました。

つまりもっと大規模な火災になった可能性があったということではないのでしょうか?

結果的に火災は収束に向かったから良かったものの、延焼や大爆発が起きていたら今頃どうなっていたかと思うと、身震いします。

18時に発生した宇部興産工場の火災の件が22:38の時点で 地元のメディア(YAB KRY TYS NHK山口)のニュースサイトには一切出ていませんでした。

   

 

テレビやラジオで報道があったかどうかは不明。 宇部日報のHPにもありませんでした。

その後、宇部興産HP上に 鎮火宣言が出たようですが、広報車が夜もう一度回ったわけではありませんので

ネット環境にない近所の人は、その後火災がどうなったか分からずじまい、うやむやになってしまうのではないでしょうか。

宇部市防災危機管理課のツイッター 公式アカウント名:@ube_bousai(宇部市防災危機管理課) がありますが、

昨日の宇部興産の火災発生に関して何もつぶやいてませんでした。

最後のツイートは 台風15号関連で止まっています。

 市役所のHP の防災のページ  には @ube_bousai(宇部市防災危機管理課) が緊急度の高い情報を発信するとかいてあるのに・・・・

 

近所を広報車が回るレベルの事故を、宇部市の防災危機管理課は「緊急度が高い」とみなさないのでしょうか?

企業城下町の自治体は、企業で起きた火事は「防災」の中に含めていないのでしょうか? タイムラインを見ると火災の情報はありません。自然災害しかないようです。

宇部市防災危機管理課公式ツイッターに関する運用規程 平成 26 年 5 月 14 日 宇部市総務管理部防災危機管理課  より

3)発信内容 ・避難勧告等に関する情報 ・避難所等に関する情報 ・防災及び国民保護に関する情報 ・危機管理に関する情報 ・防災等の普及啓発に関する情報 ・その他防災危機管理課長が適当と認める情報

(4)アカウント管理責任者 総務管理部防災危機管理課長

 

とありました。 宇部市の皆さん、どうでしょうか?

2015年になって宇部興産のプラントでは3回も火災が起きています。 このような宇部市の防災体制に疑問を感じざるを得ません。

工場の火災も、自治体の公式ツイッターで発信すべきだと私は思います。

 

●2015/6/12宇部興産宇部セメント西工場で火災

宇部日報2015/6/13 









●2015/1/9宇部興産宇部マテリアルズで火災

2015 年1月9日 宇部マテリアルズ株式会社 宇部第一工場における火災事故について


●2015/9/3宇部興産 宇部ケミカル工場内 ジオール工場の火災事故

宇部ケミカル工場内 ジオール工場の火災事故について


宇部市のプラントでは今までもたくさんの事故が起きています。

[資料] 過去の主な特別防災区域における事故災害

 

 

 

平成23年以降は記録がありません。2015年は火災が宇部興産だけで3回起きています。 

「ご安全に」って・・・・?

 

 


北九州のアルミめっき工場で爆発炎上。溶けたアルミが漏れ出し、水と反応して水蒸気爆発か?

2015-09-01 | CBRNE災害

 

 

 

1日朝、北九州市のアルミを加工する工場で爆発と火事があり、現在も消火活動が行われています。

 警察と消防によりますと、午前6時20分ごろ、北九州市若松区のアルミを加工する工場で爆発があり、その後、火事が発生しました。工場は24時間稼働していて、数人の作業員がいましたが、けがをした人はいません。火事はアルミが何らかの化学反応を起こして爆発し、火が出たとみられています。

 

北九州市 化学工場で爆発火災 けが人なし

9月1日 7時23分 NHK

1日朝、北九州市若松区にある化学工場の敷地内で爆発が起き、消防が消火活動を行っています。警察によりますとこれまでのところけが人はいないということです。
1日午前6時20分ごろ、北九州市若松区にある化学工場、「新興アルマー工業」の(しんこう)第一工場で爆発音がしたという通報がありました。消防車16台が出動して消火活動を続け、現在も白い煙が上がっている状態です。
警察によりますと、出火当時、工場内には、複数の従業員がいましたが、全員避難してこれまでのところけが人はいないということです。
「新興アルマー工業」は、アルミニウムのめっき加工などを手がけ、会社によりますとアルミを溶かす工程で水蒸気爆発が起きたということです。
工場の近くに住む80代の女性は、「大きな爆発音が複数回聞こえ、工場で煙が上がっているのが見えた」と話していました。
 
更新されました☟
 
 
 

 

アルミ加工工場で爆発・炎上 けが人なし 北九州

2015年9月1日10時37分 朝日新聞デジタル

1日午前6時20分ごろ、北九州若松区藤ノ木2丁目のアルミ加工会社「新興アルマー工業」の第1工場から出火し、工場の建屋が爆発、炎上した。福岡県警若松署によると、当時、工場内には数人の従業員がいたが、けが人は確認されていないという。火の勢いは間もなく収まった。

 同署によると、花火のような爆発音が複数回して白煙が上がったという。

 市消防局や同社によると、屋根と壁面が約200平方メートルにわたって破損。近くの別の会社2カ所では、ガラス計4枚が割れているのが見つかった。

 爆発当時、工場内の鉄製の窯1基(長さ3メートル、幅1・5メートル、深さ1・5メートル)でアルミを溶かす作業をしていたが、窯から溶けたアルミが漏れ出し、工場内の水路を流れる水と反応して水蒸気爆発が起きた可能性があるという。

 


新興アルマー工業  より爆発事故前

溶融アルミめっき加工の様子☟


(管理人より)

CBRNE災害が起き続けています。化学工場の爆発火災事故。今度は北九州のアルミメッキ工場です。

「メッキ」は「モノづくり」に欠かせない金属の表面処理技術。錆を防ぐ­防錆・防食性、耐磨耗性を高めることで製品の機能を高め、寿命を延ばす加工技­術として受け継がれてきました。

その一方で、他の企業のですが、メッキ現場の動画を見ると、前処理の段階でかなりの汚染廃水が出るようです。作業自体も大変危険な作業。 

このブログでも以前に尼崎のメッキ工場の排水が川を汚染したニュースを伝えました。

必見☟

尼崎の下水処理水から基準値の7倍のシアン化合物が検出。水質事故なのに自治体HPに記載なし。  より

シアン化合物  

非常に強い毒物で、金属の精錬や焼き入れ、めっき製造時などに使われる

一定量を摂取すると急性中毒症状による頭痛やめまい、嘔吐などの症状を引き起こし、高濃度であれば死に至ることもある。

経産省の資料より

有 害 性 評 価 書 Ver. 0.4 No.129 無機シアン化合物(錯塩及びシアン酸塩を除く)

 

この新興アルマー工業の工場で、シアン化合物、または毒物が使われてないのでしょうか?

メッキの基礎知識 をみても、技術面に疎いのでよくわかりませんでした。 メッキ工場の毒物が問題になっていることは書かれています。

新興アルマーは溶融メッキの工場で   アルマー加工 製造工程 より 廃水が出るということはわかりました。

今回の爆発で大量に煙が出て周辺に流れていますが、その煙に有毒物質含まれていないのでしょうか?  

アルミニウム

酸化アルミニウム 2~3micron 安全データシート(SDS)


どのニュースでも煙が有毒ガスかどうかについては、なぜか報道していません。

市民が知る必要があることを報道しないメディア・・・・

http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/gpv/wind/  より 風向き 2015-09-01 07:00 JST

風下だったのでしょうか、煙が住宅地に流れ込んでいますね。 市民のツイッター  https://twitter.com/scr_lv_2_cap/status/638462666223194112  より

煙を吸い込んでしまったことでしょう。

 

新興アルマー工業のHPを見てみると、

「今、注目の家庭用太陽光発電。海に近い家だと塩害で架台が錆びてしまいます。架台の 加工にアルマー加工が利用されています」と書いてありました。

ソーラーパネルの架台もアルミでメッキされてるんですね。


「ものづくり」という大義名分で、日本はこれだけ、鉱物、電気を使ってメッキをしていたんですね。そしてこれも工業生産ですから、廃熱、廃物が出ます。

廃水を出して、金属加工し、それらが工業製品のパーツやインフラになっていくというのが日本の社会。 ε=(・д・`*)ハァ…

送電鉄塔も・・・

 

 

北九州市の若松には、そんなメッキ工場のすぐ近くに、小学校や保育園があるということです。

今日の爆発の煙は周辺に流れていっていましたが、環境省大気汚染物質広域監視システムそらまめくんの北九州の若松の2つの測定局のグラフには、大きな変化は見られませんでした。

こういった工場密集地帯の周辺に、もっと測定局を増やすべきではないかと思います。

命と環境を守るためには、測定局の数が少な過ぎるのではないでしょうか? 民家の近さにも驚かされます☟

 

 

日本アルミニウム協会役員名簿会員名簿をみたら、アルミも原子力ムラだということがわかります。

アルミニウム産業って・・・・⇒ そもそもフッ素の有効利用の始まりはアメリカにおけるアルミニウム産業でした。

仮に毒物が環境中に漏れたとしても、市民に伝えられることはないと絶望しました。

 周辺住民にできることはマスクぐらいでしょうか・・・・

 

私はできるだけ、日常品、消耗品としてのアルミの使用(アルミのカップ、アルミ箔、アルミ缶の飲み物、鍋)を避けた暮らしをしようとしていますが、ケーキ、パン、弁当などの加工品に使われていることは多いです。

こういう加工品は食べ終わったらゴミだらけ。

アルミは電気の缶詰☟ なのでできるだけ買わないようにすることが大事だと思います。 アルミ缶をリサイクルできてもリサイクル自体が化石燃料を使い環境を汚染するからです。

私はお酒はいっさい飲みませんのでアルミ缶のビールなどはもともと不買です。個人でできる不買をする。

 

 アルミニウムは、鉱物のボーキサイトを原料としてホール・エルー法で生産されるのが一般的である。ボーキサイトを水酸化ナトリウムで処理し、アルミナ(酸化アルミニウム)を取り出した後、氷晶石(ヘキサフルオロアルミン酸ナトリウム、Na3AlF6)と共に溶融し電気分解を行う。したがって、アルミニウムを作るには大量の電力が消費されることから「電気の缶詰」と呼ばれることもある。ちなみに、ホール・エルー法での純度は約98%なので、より高純度なアルミニウムを得るには三層電解法を使う。アルミニウム1トンを生産するために消費される材料およびエネルギーは以下の通りである[6][8]。なお、1トン当たりの電力使用量はで1200kWh、亜鉛で4000kWhであり[9]、アルミニウムの精錬には銅の約11倍、亜鉛の約3.5倍の電力が必要となる計算になる。

 

  • アルミナ 1.96トン(ボーキサイト 4トン)
  • 氷晶石 0.07トン
  • 炭素陽極 0.5トン
  • 電力 13000〜14000 kWh

 

 

人間が便利な暮らしを追い求めて、電気を際限なく欲すれば、間接的にこのような爆発事故の起きる遠因を作ることになるということです。

爆発事故で、死傷者が出たかどうかも、労働災害の問題として考えなければならないことだと思いますが、そういう労働災害を生み出す産業構造、ひいてはそういう産業を成り立たせる物質中心の資本主義社会のあり方を、一人ひとりが今見つめ直さなければどうしようもない。労働環境だけの問題ではありません。今後も日本でもおそらく爆発事故は続くでしょう。

放射能汚染、コスト削減、プラント施設の老朽化、少子化で安全も含めた技術の伝承ができなくなる・・・・にもかかわらず、工業生産を縮小する国の施策になっていない。上流が止まっていない。

IT化、スマートグリッド社会を国と企業は目指していますので、その問題を共有するしかありません。

 

「金属 技術 産業 役立つ  ものづくり 工業先進国 」 というキーワードで、企業がいいように報じられることはあっても、

「製造過程の環境汚染 労働災害  爆発事故 公害」というキーワードで、工業生産の負の側面が報じられることはほぼありません。

 

追記 

 

北九州市のアルミメッキ工場で爆発

2015年09月01日 15時27分  読売新聞

1日午前6時25分頃、北九州市若松区藤ノ木2の「新興アルマー工業」から、工場で爆発が起きたと119番があった。

 市消防局によると、爆発は2回発生し、工場の屋根と壁それぞれ約200平方メートルを破損。周辺の建物2棟の窓ガラス計4枚が割れた。けが人はなかった。

 同社ではアルミニウムのメッキなどを行っている。市消防局によると、爆発が起きたのは第一工場。600~700度で液状になったアルミを入れた溶解炉に穴が開き、漏れたアルミが炉近くの湧き水と反応し、水蒸気爆発を起こしたとみられるという。当時、工場内には夜勤の作業員と交代要員の計6人がいた。

 同社によると、炉はすり鉢状で上部の直径が約3・4メートル、下部の直径が3・2メートル、高さ約1・7メートル。耐火レンガで固定されている。作業員によると、アルミの漏出を止めようと準備していた時に小さな爆発音が聞こえたため、全員が工場の外へ避難。その後、大きな爆発が起きたという。

 


蒸気爆発のメカニズム

   
蒸気爆発という現象を明らかにするためには、まず、その発生手順を明らかにする必要があります。さまざまな研究者がこの現象を観察し、大まかには右図のような手順で起こっているということが明らかとなりました。
 
  (1)まず初めに、高温のドロドロ熔けた金属Aと冷たい水Bが何らかの要因で接触します。
 
  (2)すると、熔けた金属は水の中で細かく分裂し、その分裂した塊(熔融液滴といいます)1つ1つが蒸気の膜で覆われます(この現象は「Premixing(粗混合)」と呼ばれています。)。この蒸気の膜は断熱材と同じ効果をもっており、熔融液滴は熱をもったままの状態となります。
 
  (3)熔融液滴周りの蒸気の膜が何らかの要因で壊れ、液状の熔融液滴と水が直接接触した場合(溶けた液体状の金属と水が接触するので「Liquid-liquid contact(液-液接触)」と言います)、熔融液滴は更に細かく分裂し(この現象は「Atomization(微粒化)」と呼ばれています。)、水と直接接触する面積が更に増えます。そして、断熱材の役割を果たしていた蒸気の膜がなくなったので、急速に熱が移動し、水が蒸発することによって蒸気が発生します。蒸気の体積は水の体積よりもかなり大きいので、発生した蒸気が水を急激に押しのけようとします。この現象によって、圧力波が発生します。
 
  (4)この圧力波が水中を伝播し、周りにある熔融液滴の蒸気膜を壊し始めます。そして、(3)の現象がおきます。この(3)、(4)が水の中で連鎖していき、最後は大きな圧力波を発生させ、爆発的な現象となります。
 
この4つの段階で、(3)の段階蒸気爆発を起こすか起こさないかを決める段階であり、「Triggering(トリガリング)」と呼ばれています。つまり、このトリガリングを明らかにすることによって、蒸気爆発の発生条件を調べることができるのです。

 

 蒸気爆発とは?

 

   どんな現象?
     「蒸気爆発」という言葉はあまり聞きなれない言葉ではあると思いますが、工業のプラントの安全性を考えるうえで は重要な現象の1つであります。
 ドロドロに熔けた金属のような高温の物質水などのような低温の物質を扱う 金属の精錬所、鋳造工場または化学工場などでは、これら2つの物質が何らかしらの要因で接触したとき、威力の大きい爆発を 起こすことがありました。この爆発によって、そのプラントの設備が破壊されたり、時には人が被害をこうむることがありました。 そこで、プラントの安全性を考えるうえでは無視できない現象となり、この現象を明らかにする研究が1950年頃から はじまりました。
 研究が始まった当初は、どのような要因で起こった爆発かはわからず、「Thermal Explosion(熱的な爆発)」と呼ばれて いました。そして、さまざまな研究者の手によって研究が行われ、冷たい水より発生した蒸気が関与して この爆発が生じていることが明らかとなり、この現象は「Vapor Explosion(蒸気爆発)」または 「Steam Explosion(水蒸気爆発)」と呼ばれるようになりました。
 
   実際に蒸気爆発が起こった事例
   
場所 状況 高温の物質 低温の物質
1961 アメリカの原子炉 原子炉が暴走して燃料が熔け、冷却水と接触 酸化ウラン
1984 富山県のアルミニウム鋳造工場 溶解炉に雨水を含んだアルミニウムを入れる 熔融アルミニウム
1985 茨城県の鹿島コンビナートの
脱硫・脱酸素剤製造工場
約1300度の熔融マンガンが流出し、水と接触 熔融マンガン
1988 兵庫県の製鉄所 約1500度の鋳鉄が漏れ、水と接触 鋳鉄
1989 大阪府の製鉄所 高温熔融物に水がかかった。
1990 山形県の廃品処理回収工場 火災消火中に熔けたアルミニウムと
放水した水が接触
熔融アルミニウム

  

 

 

溶融アルミニウムで水蒸気爆発が過去にも起こっていますね。フクイチの核燃料も溶けてしまっていますし、気になるところです・・・・

溶けた金属と水が接触したら爆発して危険だという認識が、普通の市民にはないかもしれません。

蒸気爆発のことなんて今までは知らないで生きてこれたから。

 

追記

 

北九州市 アルミ工場の火災鎮火 けが人なし

9月1日 18時06分 NHK 北九州

1日朝、北九州市にあるアルミニウムの製造と加工を行う工場の敷地内で爆発が起き、火災が発生しました。けがをした人はなく、火災は溶けたアルミの温度が下がるのを待っておよそ9時間後の午後3時すぎに消し止められました。
1日午前6時20分ごろ、北九州市若松区にあるアルミニウムの製造・加工会社、「新興アルマー工業」の第一工場で爆発が起き、火災が発生しました。
爆発が起きた当時、工場では6人の従業員が作業にあたっていましたが、全員が避難して、けがをした人はいませんでした。
火災は、溶けたアルミの温度が下がるのを待ち、発生からおよそ9時間たった午後3時20分すぎにようやく消し止められました。この火事で、工場の屋根や壁などおよそ400平方メートルが焼けました。
警察によりますと、作業員は、「突然、爆発した。アルミを溶かす窯の周りに水がたまっていた」と話しているということで、警察は、何らかの原因でアルミと水が触れて水蒸気爆発が起きたのではないかとみて詳しい状況を調べています。




NHKは「火は8時45分の時点でほぼ消えた」とニュースを更新し報じたあとに、
夕方18時に「火災は溶けたアルミの温度が下がるのを待っておよそ9時間後の午後3時すぎに消し止められました」と報じています。

 
 


 

日鉄住金川崎工場の火災。解体作業ガスバーナーの火花が潤滑油の染みこんだフィルターに引火か

2015-08-27 | CBRNE災害

川崎倉庫火災 出火原因を調査

NHK神奈川

24日、川崎市の日鉄住金鋼管の川崎製造所で解体作業中の倉庫が全焼した火災で、25日午前、警察と消防は合同で出火原因を調べています。

24日午前、川崎市川崎区浮島町の日鉄住金鋼管の川崎製造所で、解体作業中の平屋建ての倉庫およそ1万平方メートルが全焼したほか、隣接する別の会社の工場の一部が焼けました。
この火災によるけが人はいませんでした。

警察と消防は出火原因を調べるため、25日午前9時すぎから、合わせて18人態勢で、火元とみられる倉庫の外にある冷却装置周辺を中心に燃え方などについて確認していました。

これまでの調べで、倉庫では24日午前中から作業員が冷却装置をガスバーナーで切断する作業を行っていて、その際、火花が飛び散り装置の内部にある可燃性のフィルターに引火した疑いがあるということです。
警察と消防は25日午後も作業員から話しを聞くなどして出火原因を調べることにしています。

08月25日 11時30分

 

 

 冷却施設の油染みフィルターに火花か…倉庫火事

読売新聞 

川崎市川崎区の鋼管メーカー「日鉄住金鋼管」川崎製造所の平屋倉庫を全焼した火災で、川崎臨港署と消防は25日、現場で実況見分を行った。

 その結果、ガスバーナーを使った解体作業中、油分が染み込んだ冷却施設のフィルターに火花が飛び、出火した可能性が高いことがわかった。

 同署などによると、火災が発生した24日は、工場閉鎖に伴い、倉庫近くにある冷却施設を、バーナーで溶断する作業が行われていた。実況見分で、燃え残った同型のフィルターを調べたところ、油分の付着が確認され、倉庫の壁や床にも潤滑油が染み込んでいた。火は風にあおられ、冷却施設から約2メートル離れた倉庫の壁に燃え移り、倉庫全体に広がったとみられる。

2015年08月25日 20時58分 

 

http://www.kanaloco.jp/article/117581  より

 

 

 

(管理人より) 燃えたフィルターの素材や潤滑油の成分など書かれていません。 産廃処理場の火災のニュースでもそうなんですが、一体どういうものが燃えて、どういう物質が環境中に出たという詳細な報道はほぼありません。

エンジニアの人なら、ある程度あたりをつけられるかもしれませんが、一般市民にはわかりません。

市民は有毒ガスが出たかどうか調べる前に、大本営発表の「有毒ガスは出ていません」だけを聞いて盲信、安心を得ようとします。

空気を汚したことを知られたくない企業と、空気が汚れたと思いたくない、知りたくない市民との共同正犯によって、大気汚染の実態は過小評価され、忘れられるように仕向けられていくのです。

火災を起こした企業の社長が市長に謝罪しても、空にばらまかれたPMは元には戻りません。

 

コンビナートで設備の老朽化や技能伝承が正しく行われていないという指摘を聞きますが、コスト削減で安全が犠牲になっているのではないかと思います。

参考☟

新日鉄住金、報告書に浮かぶ連続事故の真因  なぜ1年間で5度もトラブルが起きたのか


火災事故ではありませんが、企業城下町の宇部市では、先週こういう大変な事故が起きていました。

2015/8/19 宇部日報より


こうやって、死亡原因で聞くとよくわかりませんが、「脳みそが飛び散った」悲惨な事故だったそうです。

このような重大な労働災害のニュースも、地元の新聞は小さく扱っただけです。

宇部市内の企業の表彰の話はかなり大きく扱っており、紙面でいくと死亡事故記事の7倍はあります。

労働災害で亡くなった現場労働者の建設業者の記事が、こんなに小さい扱い・・・


 

今も、昔も、命と環境が守られているとは言えない状況がずっと続いています。

そのことに気づく人が自然破壊や環境汚染や労働災害などの情報を、しっかりと共有しない限り、これからもさらに全国で続いていくことになるでしょう。

福島原発事故はそういった延長線上にあると私は思います。


「ま、大丈夫でしょ」(楽観)

「言ったって何も変わらない、無駄」(諦観)

「大袈裟に騒ぐな」(脅し)


環境汚染を指摘すると出てくる反応。 いつでもどこでも。




日鉄住金鋼管川崎製造所の火災の黒煙を吸った人「せき込んで涙が出た」「臭いでむせた」

2015-08-27 | CBRNE災害

 

 

川崎区の工場火災 黒煙激しく一時騒然

東京新聞 2015年8月25日

川崎市川崎区浮島町で二十四日に起きた日鉄住金鋼管川崎製造所の火災。黒煙が激しく上り、一帯は一時、騒然となった。工場は閉鎖に向けて解体中だった。同日夕、市内で会見した日鉄住金鋼管の関係者は謝罪し、原因究明に乗り出す考えを示した。 (山本哲正、上條憲也、横井武昭)

 出火当時、工場から百メートルほど離れた多摩川沿いのサイクリングコースで自転車に乗っていた川崎区の男性(48)は「地震かと思うほど揺れたので、見たら工場から一瞬大きな火が見えた。黒い煙で辺りが真っ暗になり、しばらく身動きできなかった。せき込んで涙が出た」と振り返った。

 また、近所の公園から自宅に戻る途中に火災を見た同区の会社員長橋晃さん(43)は「ゴムが焼けるような臭いでむせた。すごい火事が発生したと思った」と話した。

 火災を受けて同社の中西廉平社長らは川崎市役所で会見し「住民や関係者らにご迷惑をかけたことをおわび申し上げる」と謝罪し「原因究明に協力し、二度と事故が起こらないよう対策を講じたい」と話した。

 同社によると、火災は工場の横にある鉄製の冷却施設をバーナーで溶断する際に発生。「水が入っていた容器を長年使っている間にゴミが残っていた可能性はあったかと思う」とし、何らかの引火原因があったとみて今後の調査で突き止めたいとした。

 同社によると、冷却施設と工場がパイプ類でつながり、稼働中は水が循環していた。解体のため空にしていたが、施設に付いた可燃性のフィルターに火花が燃え移った可能性などを含め「ないとは言えないので今後の調査に任せたい」とした。

 同社によると、冷却施設の解体は委託業者がこの日の朝から始めた。この業者が初期消火をしたが間に合わなかったという。隣接する工場内は十一月末の完全閉鎖に向けて設備の大半が撤去され、出火時はクレーンやケーブル類が残っていただけという。

 市消防局によると、日鉄住金鋼管は川崎製造所について、消防法に沿って防火管理者を選任し、消防計画を作っていたという、同計画には、放火防止のため資機材を整理整頓しておくといった安全対策が盛り込まれており、市消防局は、今回の火災発生時にも対策が計画通り行われていたか確認するという。

◆原因「特定できていない」 中西社長ら 一問一答

 日鉄住金鋼管の中西廉平社長らによる会見での主な一問一答は次の通り。

 -出火当時の現場の様子は。

 工場建屋と一メートル隔てた場所にある、生産時に使用する水を冷却・循環する装置を解体するため、工事業者の五人がガスで鉄製の足場と水槽を溶断していた。その作業で出火したかは特定できていない。

 -作業はいつから。

 川崎製造所では自動車用と建材用の鋼管(鉄パイプ)を生産してきたが、鹿島製造所(茨城県鹿嶋市)に集約するため六月に生産ラインを止めた。解体工事は先週はじめに始まり、溶断作業は今日から。八月末に(工場建屋からの)出荷をすべて終え、十一月末に完全閉鎖する計画だった。

 -必要な防災設備まで撤去していないか。

 それはない。

 -黒煙が上がった。何が燃えたか。

 建屋も主に鉄とスレートでできている。稼働に必要な機械や有害物質など危険物の撤去は終わっていた。現場にはまだ近づけず、状況を確認できていないが、ケーブル類は残っていた可能性がある。工場で使っていた潤滑油で床が滑りやすい状況はあったと思うが、床に油がたまっているほどではない。黒煙の原因は分かっていない。

 -社員らはどう避難したか。

 工事業者は監督者が誘導したと思う。社員は十二人。建屋内で出荷作業をしていた約半数は各自で敷地内の事務所に避難した。残りは事務所にいた。

 -初期消火はしたか。

 工事業者が消火器を使ったが消せなかった。

 -消火器は作業現場にあったか。

 そのはずだ。

 -川崎製造所は何年築か。

 昭和三十六年だ。

 -同製造所で過去に火災はあったか。

 ない。

 -延焼した花王への対応は。

 謝罪した。損害を確認して誠意をもって対応する。周辺の方々にも二十五日以降おわびしていく。

 

 


(管理人より)

工場建屋の鉄とスレートが燃えたとして、スレートにはアスベストが使われています。

http://www.asbestos-net.biz/e43.html  より 

波形スレートやスレートボードはセメントに補強繊維としてのアスベストを混ぜて板状に成形された製品で、耐火性や断熱性、耐水性、防音性に優れ、しかも安価だったため、屋根材や外壁材として日本中で大量にされてきました。

アスベストの含有率は5~15%程度のものが多く、住宅用の化粧スレート瓦と同じで、その使用重量に対するアスベストの使用量を考えると、莫大に使われたと言えます。

ちなみに大波、小波というのは波形の大きさの区別。

アスベスト含有スレート波板

 

 

 

 


アスベスト入りのスレートが燃えたらどうなるのでしょうか? 環境中にPMとして煙と一緒に飛散するかどうかわかりません。

少なくともこの煙を吸い込んでしまった人や近所の人が

 

黒い煙で辺りが真っ暗になり、しばらく身動きできなかった。せき込んで涙が出た。

ゴムが焼けるような臭いでむせた


と言っています。ほかにも吸い込んだ人もいるでしょう。 

その日の行動記録、体調記録が必要だと私は思います。




中国アセチレン現場検証は防護マスクにゴーグル姿。やはり現場は危険だということ。

2015-08-25 | CBRNE災害

  

 

工場火災で現場検証 (キャッシュ) NHK山口 

今月5日、山陽小野田市の「中国アセチレン」の工場で火が出て爆発した事故で、警察などはきょう火元と見られる敷地の西側を中心に現場検証を始め、事故の原因を調べています。
今月5日、山陽小野田市の「中国アセチレン」の工場で、火が出て爆発し、34歳の男性社員が顔や左手に軽いやけどを負いました。
警察と消防などは焼けたガスボンベの撤去など工場の安全が確保されたことからきょう午前9時半すぎから37人の態勢で現場検証を始めるとともに、ヘリコプターを出して上空からも敷地内の状況を詳しく調べています。
警察の調べによりますとこの工場では▼化合物と水を反応させてアセチレンガスを発生させる作業や▼ガスから不純物を取り除いたり冷却したりした上で圧縮する作業、それに▼ガスをボンベに充填する作業などあわせて6つの工程があり、作業のスペースは敷地の西側に集中しているということです。
警察などはいずれかの工程でトラブルが発生したとみて、火元と見られる敷地の西側を中心に現場検証しています。
警察などは25日も現場検証を続けるとともに工場の担当者から話を聞いて事故の原因を詳しく調べることにしています。

08月24日 12時23分

 

 

 

 

2015年8月24日 19:10 TYS

今月5日、山陽小野田市のガス製造工場で起きた爆発事故で、警察は詳しい原因を調べるため現場の実況見分を始めました。午前9時半すぎから警察と消防、それに国と県の担当者など37人で実況見分を行いました。事故は今月5日、山陽小野田市小野田の「中国アセチレン」の工場で火災が起き、およそ100本のボンベが爆発したものです。

34歳の男性作業員1人が顔などにやけどをしました。事故後、最大で120キロのアスベストが周囲に飛散した可能性があると分かりましたが、その後の調査で大気に影響がないことが確認されています。

警察の調べによりますと、工場では可燃性の「アセチレンガス」を精製していて、不純物の除去や充填作業中に爆発が起きたとみられています。

実況見分は現場の安全が確保されたことから実施されたもので、工場の管理者らの立ち会いのもと一連の作業状況を確認したということです。警察では業務上過失激発物破裂などの疑いも視野に事故の原因を調べています。

 

 

 

(管理人より) 中国アセチレン爆発現場検証のニュースは、NHK山口のローカル扱いで、台風15号のニュースであっという間に削除されていきました。

TYSのニュースでは、危険なアセチレンボンベが100本も爆発し、有毒なアスベストが120キロも飛散した可能性があるというのに、なぜか「大気に影響がない」という報道。 「人体に影響がない」とは報じていません。

現場の焼け焦げた大量のボンベを見ると本当に恐ろしいと感じます。現場周辺の木の葉も茶色く枯れているのがわかります。 

「実況見分は現場の安全が確保されたことから実施された」と、報じているのに、現場検証の人たちは、がっちり防毒マスク、ゴーグルで防護しています。

つまり現場が危険だからです。現場に落ちているアスベスト粉塵を吸い込まないように防護していると思われます。

だとすると、現場には覆いもないし周辺に粉塵が舞うのではないかと懸念します。台風の雨風で周囲に飛散したかもしれません。

結局散らばった120キロのアスベストをどのくらい回収することができたのでしょうか?☟回収出来ない分はどうなるんでしょうか?

 

それにしても地元メディアの報道はどうしてこうなんでしょうか?

テレビ山口

主要株主 山口トヨタ自動車株式会社 (16.15%)
宇部興産株式会社 (12.63%)
株式会社東京放送ホールディングス(12.63%)
株式会社毎日新聞社 (10.91%)[1]
主要子会社 株式会社tysVISION
関係する人物 中安閑一(初代社長)

 

8/25 宇部日報より

「同社によると、工場周辺に飛散したアスベストを含むボンベの内容物の回収はほぼ終了。

今後、工場再建や操業再開の予定はないという。」


アスベストは120キロもあったわけですが、結局ボンベの内容物は、どのくらいの量をを回収できたのか書かれていません。




プラントと核施設が隣り合わせの川崎市。プラント大火災の黒煙が空を汚していく。

2015-08-24 | CBRNE災害

http://www.news24.jp/articles/2015/08/24/07307732.html より

 http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20150824-00000034-jnn-soci より 

日鉄住金鋼管製造所で火災=羽田空港近く、けが人なし-川崎

 24日午前11時35分ごろ、川崎市川崎区浮島町の溶接鋼管大手「日鉄住金鋼管」(東京都千代田区)の川崎製造所で建屋から出火していると119番があった。解体作業中の倉庫が激しく燃え、川崎市消防局が消防車など14台を出して消火に当たった。神奈川県警によると、けが人は出ていない。

同社によると、川崎製造所では鉄製のパイプを製造していたが、6月以降、休止しているという。
 消防局などによると、解体中だった平屋建て倉庫1棟計約1万平方メートルが全焼。隣接する花王川崎工場の建屋外側に張られたパイプダクトの一部に延焼した。花王広報部によると、同工場では洗剤やシャンプーなどを製造しており、引火すると危険な化学物質などは扱っていない。工場は生産ラインを一時停止し、従業員約600人が安全な場所に避難した。

 現場は羽田空港の南西側にある工場地帯。同じ地区には石油会社の製油所や、工業アルコールを扱う工場などがある。
 国土交通省東京空港事務所によると、羽田空港の離着陸に支障はなく、通常運航している。首都高速道路は、近くを走る川崎線の上下線で、大師-川崎浮島ジャンクション間が通行止めとなった。
 現場から首都高を挟んだ反対側にある東芝浜川崎工場の男性従業員は「午前11時40分ごろ、物が燃えるような臭いがして、向かいの工場から黒煙が上がっているのに気付いた。爆発音などはしなかった」と話した。(2015/08/24-13:32)

 

 

日鉄住金鋼管の川崎製造所で火災 けが人なし

8月24日 12時49分 NHK
 
24日午前、川崎市の日鉄住金鋼管の川崎製造所の解体作業中の倉庫で火災があり、隣接する花王の川崎工場の一部にも延焼しているということです。現在、消防が消火活動を進めていますが、今のところ、逃げ遅れやけが人などの情報は入っていないということです。
24日午前11時35分すぎ、川崎市川崎区浮島町の日鉄住金鋼管の川崎製造所の解体作業中の倉庫から火が出ました。激しい炎と黒い煙が上がり、現場で消火活動を進めていますが、消防によりますと、隣にある大手日用品メーカー「花王」の川崎工場の一部にも延焼していて、従業員およそ600人が敷地内の安全な場所に避難しているということです。警察や消防によりますと、今のところ、逃げ遅れやけが人などの情報は入っていないということです。警察によりますと、火が出たのは倉庫の中にある海水をろ過するための設備とみられますが、稼働していたかどうかは分かっていないということです。日鉄住金鋼管の川崎製造所の倉庫の中にはLPガスのボンベが入っているということです。
日鉄住金鋼管のホームページによりますと、川崎製造所は敷地面積が2万800平方メートル、建屋面積が1万2000平方メートルあるということです。
炎上している工場は、羽田空港に隣接する川崎市の工場街にあり、空港の国際線ターミナルからは多摩川を挟んでおよそ1キロの距離にあります。国土交通省や航空会社によりますと、現在のところ旅客機の離着陸のルートには煙が流れていないため、視界が悪くなるなど、運航への影響はないということです。
航空各社では、今後の風向きに注意しながら、運航を続けるとしています。

日本道路交通情報センターによりますと、この火災の影響で、首都高速道路の川崎線は、正午前から川崎浮島ジャンクションと大師の間で上下線とも通行止めとなっています。

 

川崎製造所の火災、日鉄住金鋼管が謝罪

TBS系JNN 8月24日(月)18時31分配信

神奈川県川崎市で起きた大規模な工場火災で、会社側が謝罪しました。
24日午前、川崎市川崎区にある日鉄住金鋼管川崎製造所でおきた火災について、会社側が会見をし謝罪した上で、原因については「屋外にある冷却槽の解体工事中に火災が発生したとみられる」としました。
火災が起こった原因を警察と消防が調べています。(24日17:40)

 

日鉄住金鋼管社長 会見で謝罪

NHK 

日鉄住金鋼管の川崎製造所で起きた火事を受けて、日鉄住金鋼管は午後5時半すぎから川崎市役所で記者会見を開き、中西廉平社長は「この度は製造所で火災を発生させ、近隣の住民のみなさんや企業、消防、警察のみなさんに多大な迷惑おかけしたことに心よりお詫び申し上げます」述べ、謝罪しました。
会見によりますと、火事が発生した川崎製造所はことし6月に稼働を停止していて、現在は、すでに製造された鋼管の出荷を続けながら製造設備を撤去する作業などが行われていたということです。
また火事は、屋外にある冷却装置を解体するため、ガスバーナーで切断する作業をしていた際に発生したということで、鋼管を製造・保管する建物に燃え移り、その後、火が広がったということです。
製造所は、有害物質を保管していないため、今回の火事で有害物質の流出はないと説明しています。
日鉄住金鋼管によりますと、冷却装置の中に火事が起きるような物質があったのかや火が大きく燃え広がった原因は分かっていないということで、日鉄住金鋼管は今後、作業員から火事が起きた状況を聞き取るなどして、火事の原因を検証する警察や消防に協力していくことにしています。

08月24日 19時41分

 

火災は鎮火 出火原因究明へ

24日午前、川崎市の日鉄住金鋼管川崎製造所の解体作業中の倉庫が全焼する火災がありましたが、これまでに火は消し止められ、けがをした人はいないということです。
警察と消防は25日にも、現場で出火の原因を詳しく調べることにしています。
24日午前11時半すぎ、川崎市川崎区浮島町の日鉄住金鋼管の川崎製造所の解体作業中の倉庫から火が出て一時、激しい炎と黒い煙が上がりました。
消防車14台が出て消火活動を進めた結果、およそ5時間半後の午後5時に火は消し止められましたが、この火災で平屋建ての倉庫およそ1万平方メートルが全焼したほか、隣にある大手日用品メーカー「花王」の川崎工場の一部が焼けました。
この火災によるけが人はいませんでした。
警察によりますと、日鉄住金鋼管の川崎製造所の倉庫では数週間前から解体作業が行われ、24日は午前中から倉庫内の冷却装置をガスバーナーで切断しようとしたところ、装置の中に入っていた油や床にしみ出ていた油に引火したということです。
警察と消防は、消火作業が終わり次第、25日にも現場に立ち入り、出火の原因を詳しく調べることにしています。
日鉄住金鋼管の川崎製造所で起きた火事を受けて日鉄住金鋼管は午後5時半すぎ、川崎市役所で記者会見を開き、中西廉平社長は「この度は製造所で火災を発生させ、近隣の住民のみなさんや企業、消防、警察のみなさんに多大な迷惑おかけしたことに心よりおわび申し上げます」述べ、謝罪しました。
会見によりますと、火事が発生した川崎製造所はことし6月に、稼動を停止していて、現在は、すでに製造された鋼管の出荷を続けながら製造設備を撤去する作業などが行われていたということです。
また火事は、屋外にある冷却装置を解体するため、ガスバーナーで切断する作業をしていた際に発生したということで、鋼管を製造・保管する建物に燃え移り、その後、火が広がったということです。
製造所は、有害物質を保管していないため、今回の火事で有害物質の流出はないと説明しています。

08月24日 19時12分

 

 

(管理人より) 神奈川県でまた日鉄住金プラントの大規模な火災事故です。隣接する花王のプラントに類焼までしています。 消防車は14台。相模原と川崎、1日に2件も爆発や火災があるなんて・・・・

報道では、有害物質の漏洩はないと伝えていますが、本当にないのでしょうか? あの真っ黒な煙を吸い込んでいいはずがありません。

しかも、類焼した花王のプラントのとなりが、東芝の核施設。 地図

 

 

 

https://www3.toshiba.co.jp/power/pic/nuclear_laboratory.html  より

東芝  原子力技術研究所の住所:川崎市川崎区浮島町4–1

東芝臨界実験装置(NCA)

 

もしこの東芝の実験炉に類焼したら、原発事故につながり大惨事になってしまうのは当然のことです。

そうならなかったからと言って、今回のプラント火災によるガス・煙のリスクを過小評価していいことにはなりません。

煙による周辺地域の大気の汚染は明らかで、PM(微粒子)を吸い込んだことによる人体への影響ははかりしれません。

特に、神奈川県は福島第一原発事故による放射能汚染もある地域です。相模原の米軍施設の爆発の煙も、日鉄住金プラント火災からの煙も、化学物質との複合汚染になってしまうということです。

空気は追加的に汚染されます。

 

川崎市 HP より 川崎市内原子炉施設  をみてみると

 

危険なプラントと核施設が隣り合わせの町、川崎市。  施設内には放射性廃棄物が保管されていますね。核燃料もあります。

商業用原子炉だけでなく日本中にこういった核施設があります。隣接プラントの火災でも、命と環境を脅かされるという現実にもう言葉もありません。

核燃料物質を使用している事業所

 

 核物質がある事業所はもっとあります。194箇所!

核燃料物質の使用の許可を得ている事業所(平成27年7月10日現在194事業所) (上記の原子炉等規制法施行令第41条に掲げる核燃料物質を使用する事業所を除く。)【PDF:139KB】

 

 

 

 

 

 

 

 

こういった事業所の隣にプラントがあったとして、そこが大火災を起こしても、今日と同じような綱渡りみたいな状況になると思います。

 


相模原・米陸軍総合補給廠で爆発火災。爆発したボンベの中にフロンがあった。フロンは燃焼すると猛毒。

2015-08-24 | CBRNE災害

相模原・米陸軍総合補給廠で爆発火災/神奈川新聞(カナロコ)

 

米軍補給基地で爆発 倉庫1棟火災 相模原

8月24日 7時01分 NHK 

24日未明、相模原市にあるアメリカ軍の補給基地内で爆発があり、倉庫1棟で火災が発生しました。火はほとんど収まっていて、けが人はいないということで、警察や消防で詳しい状況を調べています。
24日午前0時45分、相模原市にあるアメリカ陸軍の補給基地「相模総合補給廠」の職員から「爆発があって火災が発生したもようだ」という通報が消防にありました。
また付近の住民からも「基地内から爆発音が数回聞こえた」という通報が消防などに寄せらました。
火災が起きたのは「相模総合補給廠」の敷地内にある倉庫1棟で、消防によりますと、消防車10数台が出動し、倉庫内で燃えているものが特定できなかったため放水はしなかったということですが、これまでに、火はほとんど収まっていて、平屋建ての倉庫およそ900平方メートルが全焼し、床には、金属製のボンベが散乱しているということです。
ほかの施設への延焼はなく、警察や消防によりますとけが人はいないということです。
また基地の周辺には住宅や商業施設などが建ち並んでいますが、火災のあった倉庫は基地の中心付近にあり、敷地の外まで最も近いところで500メートルほど離れていて、今のところ、住民から被害の連絡は入っていないということです。
基地を管理する在日アメリカ陸軍の関係者は消防に対して、「火災が起きた倉庫ではボンベと酸化物を保管していて、それに引火したようだ」と説明しているということで、警察や消防で詳しい状況を調べています。
相模総合補給廠とは
相模原市のホームページによりますと「相模総合補給廠」は、相模原市中央区の矢部新田と上矢部、それに小山にまたがるアメリカ軍基地で、196ヘクタール余りの敷地に、物資の保管倉庫や修理工場などの施設があるということです。基地の周辺には住宅地が立ち並んでいるほか、南側にはJR横浜線の相模原駅や矢部駅があり、西側には保育園、東側には大学や高校が隣接しています。
防衛省によりますと、基地の中には食料や日用品のような生活物資が保管されているということです。また、爆発があったのは、基地の西門から数百メートル北側の倉庫で起きたという情報があり、現在、確認を急いでいるということです。
また、神奈川県のホームページによりますと、用途は工場で、在日アメリカ陸軍基地管理本部が管理し、軍用の物資の保管や修理などの兵たん業務を行い、従業員数はことしの5月現在で562人となっています。
この基地を巡っては、これまでに、太平洋戦争当時の焼い弾が基地の中で見つかり、不発弾処理されたほか、9年前の平成18年に日米両政府が合意した在日アメリカ軍の再編計画に基づき、これまでにおよそ17ヘクタールが返還されたほか、敷地の西側の一部およそ35ヘクタールについて日本との共同使用が合意されました。



(管理人より)8月に入ってたて続けに爆発が起きています。8/5中国アセチレンガス爆発、8/13中国天津市爆発、8/24相模原米軍施設爆発。これだけ起これば異常な事態であると言わざるを得ません。

CBRNE災害によって市民の命と環境が脅かされている状況になっています。

原因がどうあれ、被害を被るのは市民です。環境が汚染されれば、空気や水を通じて晩発性の健康被害が起こる可能性もあります。

Explosion rocks US Army facility in Japan; no injuries reported  より 爆発した施設の中の様子


 

米軍関係者は以下のように言っています。

「爆発建物は、危険物の貯蔵施設に指定されていない。」

「相模倉庫は通常、弾薬や放射性物質が格納されていない」

「建物は、圧縮空気、窒素、酸素及びフロンのキャニスターを収容している」


フロンのボンベがあったようです。NHKはこのWEB記事では報じていません。(7時のテレビのNHKニュースではアナウンサーが「フロン」と言ったようです)

その他のほとんどの日本のメディアも「酸素ボンベ」と「酸化物」と報道しています。ヘリや外からの映像が主でしたが時事通信 は違いました。東京新聞も夕刊ではフロンと伝えたようです。


米軍施設で爆発火災=倉庫全焼、放水見合わせ-けが人なし、鎮火-神奈川・相模原 

24日午前0時45分ごろ、相模原市中央区にある米陸軍施設「相模総合補給廠」で「爆発音がした」と119番があった。相模原市消防局などによると、施設内の鉄筋平屋建て倉庫1棟約900平方メートルが全焼し、同7時10分ごろ鎮火した。倉庫の保管物が特定できなかったため、鎮火直前まで放水活動を見合わせた。けが人はいなかった。

神奈川県警相模原署や同消防局によると、爆発音は10回以上聞こえた。爆発はその後止まり、火勢も自然に衰えた。隣接する建物はなく、延焼はなかった。近隣の住宅などにも被害はなかった。
 現場はJR横浜線相模原駅と矢部駅の間で、線路から北に400~500メートル離れた位置にある倉庫。米軍側の説明では、倉庫内にはボンベと酸化物があったとされる。爆発時、ボンベのような物が施設外にも飛び散ったとみられている。

相模原市の消防車と救急車など計14台のほか、米軍側も消防車3台が出動した。保管物が危険な可能性があるため、放水せずに消火方法を協議。同日午前5時すぎから米軍の消防と共に調査したところ、焼け跡の床には無数の酸素ボンベが散乱していたという。
 鎮火の直前、安全を確認した上で、同市と米軍の消防車各1台で現場の燃え残りに放水し消し止めた。現場検証などは米軍が行う。
 在日米陸軍司令部によると、爆発があった建物はコンクリート構造の1階建てで、窒素や酸素、フロンなどを圧縮したボンベがあった。窓や戸が損傷したほか、天井の半分が崩れ落ちた。弾薬や放射性物質は保管していない。爆発の原因は調査中。
 相模原市などによると、相模総合補給廠は、相模原、矢部両駅間の北側全域に広がる約200ヘクタールの米陸軍施設。敷地内には物資の保管倉庫や修理工場などがある。周辺には住宅や工場などが密集し、小学校や高校、大学なども隣接している。(2015/08/24-11:52)


日本の消防車は14台出動し、鎮火までに6時間かかっています。その間にボンベが破裂し、爆発し周囲に飛び散り、中身が漏れ燃焼しているわけです。

フロンも燃焼しているかもしれません。どの程度のフロンのボンベがあったかわかりません。

 


http://www.asada.co.jp/support/manuals/item/08/04/02/fc60gs.pdf  を見ると


「フロンが燃焼するとホスゲンという猛毒が発生し、そのガスを吸い込むと大変危険」と書いてあります。


ホスゲン について 

フロン類(クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン)が加熱される事でも発生するので、特に冬季など暖房器具を使用する時期には中毒事故が発生しやすかった。室内の空気に塩素を含む有機性のガス、あるいは塩素と有機性のガスが存在する場合に、放電式の空気清浄機を使用すると、中毒事故が起こる可能性がある。

毒性が強く、化学兵器毒ガス窒息剤)とされている[3][4]第一次世界大戦では大量に使用された[5]。旧日本軍では「あお剤」と呼称している[6]。現在の日本では化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律の第二種指定物質・毒性物質であり、同法の規制をうける。詳細は化学兵器禁止条約を参照。

 

化学テロ・化学災害対応体制  の6pに「ホスゲン」と書いてあります。

これからこの資料に目を通しておいたほうがいいと思います 。

いつどこでこういった化学災害に巻き込まれるかわからない、そんな国になっている日本。 ε=(・д・`*)ハァ…

ホスゲンが発生していたとしたら、もう吸い込んでしまった人がいるかもしれません。わかりません。

 

危険有害性物質の安全性データシート(MSDS)

MSDS は、Material Safety Data Sheetの略であり、化学物質または製品の名称,化学式,危険性,有害性,取扱い上の注意,緊急時の措置等の情報を物質ごとに記したものです。

インターネット環境が整備された現在においては、様々な機関の MSDSを閲覧することができます。

 

 

追記


過去にもトラブル 米側に要請

 

爆発があった「相模総合補給廠」ではこれまでも、何度かトラブルがあり、地元の相模原市は管理するアメリカ軍側に改善を申し入れてきました。

平成11年には、敷地内に有害物質のPCB=ポリ塩化ビフェニールを含んだ廃棄物が保管されていたことが明らかになりました。
市は、敷地内にある有害物質の保管や処理の方法を速やかに情報提供することなどを求めました。
また、平成21年には施設内の工事現場で見つかった焼い弾を、市側に事前に説明をせずに爆破処分を行い、爆発音を聞いた周辺の住民からの問合せが市に相次ぐ事態となり、市は、事前の情報提供を行うよう要請しました。
相模原市によりますと、今回のような施設内での大きな爆発はこれまでになかったということです。

 

08月24日 17時03分

 

米軍に原因究明・安全対策要請

24日未明、相模原市にあるアメリカ軍の補給基地内で爆発があり、倉庫1棟が全焼しました。
警察や消防などによりますとけが人はいないということですが、地元の相模原市は、アメリカ軍に対して、原因究明に加え安全対策を徹底するよう申し入れを行いました。
24日午前0時45分ころ、相模原市にあるアメリカ陸軍の補給基地「相模総合補給廠」の敷地内にある倉庫が爆発して火災が発生し、およそ6時間半後に鎮火しましたが、平屋建ての倉庫およそ900平方メートルが全焼しました。
警察や消防によりますとけが人はなく、周辺の住宅などからも被害の報告は入っていないということです。
アメリカ陸軍の報道官は、「爆発した建物の中には圧縮した窒素、酸素、フロンなどのボンベが入っていた」と説明していて、今後は日米地位協定に基づきアメリカ軍が原因の調査などを行うことになります。
また24日午前9時すぎ、施設を管理している在日アメリカ陸軍基地管理本部のウィリアム・ジョンソン司令官から相模原市の加山市長に電話があり、今回の火災について謝罪するとともに経緯について説明があったということです。
これに対し加山市長は口頭で、早急な原因究明と安全対策を徹底するよう求める申し入れを行ったということです。
さらに相模原市は、24日午後3時半にダレル・サイズ緊急業務局長を市役所に呼び、小池副市長が、原因究明と再発防止策を求める要請文を手渡しました。

08月24日 16時34分

 
 
 
 
夕方のニュースでようやく、フロンのことを伝えましたが、燃焼したら有毒ということは言いませんでした。

市民でも調べたらすぐに気づくのに、すぐニュースで言わないなんて・・・・・なぜでしょうか?

ほかの報道もフロンが燃焼したら毒性があることを指摘しているところはありませんでした。

山陽小野田市のアセチレンガス爆発火災事故の際も、アセチレン自体が燃えた場合の危険性はついに伝えられないままでした。

 

山口県山陽小野田市 中国アセチレン工場で爆発炎上 溶接などに使われるアセチレンガスを製造