北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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無責任の連鎖

2009-02-09 22:14:36 | 気になるコト
ネット暴力 「表現の自由」には責任が伴う(読売新聞) - goo ニュース


昨日、佐藤浩市さん主演の映画、「誰も守ってくれない」を観てきた。
18歳の少年が犯した殺人事件に際し、警察が、容疑者である少年の家族を保護するということを主たる軸とし、佐藤さん演ずる刑事が、志田未来さん演ずる少年の妹を周囲の目から守るため、逃避行を余儀なくされるというストーリーだったが、劇中、逃避行を続ける2人の素性、現在の居場所などが、無責任の連鎖とも言えるネット上の書き込みで白日の下にさらされ、挙句、妹の方は、彼氏であったはずの同級生に、保護するとの名目で、監視カメラ付きのホテルの部屋に連れて行かれ、室内の様子が、ネット上でリアルタイムで公開されるという、思わず言葉を失うような展開が続き、観ていて、とても怖い気持ちにさせられた。
昨今、同種の事件が頻発していることを考えると、決してフィクションではないとも感じたが、実際にそんな事件が身近なところで起こったりしたら・・・やっぱり考えるだけで恐ろしい。

自分は、幸いにして、そのようなトラブルに巻き込まれたことは一度もないが、問題の根底にあるのは、やはり、他人に対する、気遣いや思いやりといったことの欠如なのかなと思ってしまう。
リンク記事にあるように「『表現の自由』をはき違えている」というのも確かにそのとおりだと思うが、最近の犯罪を見ていると、はき違えておかしな方向に行っている人というのもさることながら、それに便乗して、ただ面白おかしくという気持ちしかない人も多いような気がしている。
劇中でも、刑事と少女が逃げ込んだペンションの名前と所在地が明らかにされるや否や、興味本位でペンションの周りを囲うように大勢の群集が集まり、写真を撮っては逃げるというシーンがあった。
こんなのは、ただ面白おかしくというだけで行動している連中なのだろうけど、こんなのが集まって大きな力になるということがいかに恐ろしいかということを、観ていて感じさせられた。
同じことは、リンク記事で取り上げているニュースでも言えると思う。
そう考えると、この映画は、主たる軸は、警察が容疑者家族を保護することの是非を問うことなのだが、それを通して、ネットによる誹謗中傷、ひいては暴力というものの恐ろしさ、そして愚かさを訴える映画であるということも言えるのかもしれない。

「誰でも情報を発信できる時代だが、それには責任も伴う」
自分も、この機会に、改めて肝に銘じていきたいと思う。
コメント
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