北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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飛行場跡

2017-09-30 16:44:53 | 函館






幹線道路である「産業道路」に架かる「亀田中学校前横断歩道橋」。
「歩道橋マニア」の活動ではなく、函館の歴史に関するエピソードの紹介です。

この場所はこちらなんだけど、地図や航空写真でおわかりのとおり、この地区は、郊外型の大型店舗の進出や、それに伴う宅地開発の進行などにより、函館の人口重心の中心ともいえる地区になっているのだけど、実はこの場所には、かつて飛行場の建設が進められたという歴史がありました。

かつてというのは、太平洋戦争末期の1945年4月のことで、軍司令部より軍用機専用飛行場建設の命令が下されたことで、地図にある亀田中学校のグラウンド一帯で建設が進められました。
飛行場造成工事には、軍関係者はもとより、女性、勤労学徒、老人も含めた数多くの市民が駆り出され、造成に必要な土砂の運搬には、資材不足により建設が中断された、戸井線のレールを使ってトロッコを走らせたとされています。
(一昨日の記事の最後で触れた、戸井線が活用された目的とはこのことでした。)

多くの市民の人海戦術により、着工から四ヶ月が経った8月に滑走路が整備されましたが、「8月」と書いたことからお察しのとおり、時既に遅し、日本は敗戦を迎え、飛行機が離発着することはありませんでした。
敗戦後、米軍機が函館に飛来した際にはこの滑走路が使用されたとされていますが、それだけ多くの労力を用いて整備されながら、一度も本来の目的で用いられることなく終わった飛行場。ここにもまた、戦争の悲しく理不尽なエピソードが存在していました。
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上半期が終わる

2017-09-29 20:44:43 | 日々のもろもろ
9月も今日で終わり。
年単位でいえば4分の3が終わったけれど、職場のように年度単位で考えれば、今日で上半期が終わり、来週から折り返しということになる。

上半期・・・成功したり前進したこともあれば、失敗したり頓挫したりしたこともあった。
普通といえば普通だし、上半期の査定が「可もなく不可もなく」だったことにも特段どうこうはないが、一番のトピックスは、やっぱり東京での研修だったかな。
三週間ということで、最初は「長いなあ・・・(憂鬱だなあ・・・)」だったけど、行ってみればあっという間だったし、人間関係にも恵まれたこともあって、最終日の前日には、一転して「名残惜しいなあ」と思うまでになり、その気持ちは今でも変わらないので、よい経験ができたのかなと思う。
函館に来て十年目(二年間江差にいたので正確には通算八年目だけど、あえて通算十年目と考えている)だけど、来年度は果たして・・・。
一ヶ月後ぐらいに人事の意向調査と、それに基づく面談があるので、しっかりと考えを整理しておかねば。


各地で冷え込み 今季最低気温に(NHK北海道ニュース)


函館も今朝は寒かったけど、氷点下になった地域があったとは・・・。
通勤は基本自転車なんだけど、今日はちょっと厳しかったなあ・・・。
今日でクールビズが終わったので、来週からはネクタイ着用(義務じゃないけどね)だけど、そろそろ通勤も徒歩に戻そうかな。
冷え込んだことと関係あるのか、この時期恒例の、目と鼻のアレルギー症状が、今日は全くと言っていいほど出てこなかった。
今年はそれでも、まだ眼科にも耳鼻科にも行っていない(つまり例年よりずっといいということ)ので、このまま行かずに収まってくれるといいのだけど。

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鉄路予定地を歩く~その5~

2017-09-28 19:33:21 | 函館
先週末は、いつもの西部地区を離れて、湯の川地区でぶらり歩きをしてきた。

そこで見つけた、旧戸井線の痕跡を幾つかご紹介します。





跨道橋。
今回はここからスタートします。
この位置から後方は、こちらこちらをご覧下さい。








ここにも大きな橋があります。





橋の下を流れるのは、温泉街の名前にもなっている「湯の川」。
「湯の川」とは、アイヌ語由来の地名で、「ユ・ペツ」(湯の・川)が語源とされています。





しばらく進むと、函館市内から南茅部地区へ向かう幹線道路と交差します。

横断歩道からすぐ左側に、一方通行を示す標識がありますね。もしかすると、その先も鉄路の予定地だったのかな・・・。

(ここまでのルートはこちら





ということで、更に進んでみました。





その先に、一つの公園が。





ん?何やら傾いているコンクリート製の標柱がありますね。
文字が書いてあります。何かの痕跡でしょうか・・・?





もったいぶっちゃったけど、実はこれこそが、この場所が戸井線の予定地だったことを示す痕跡なのです。
「工」というのは、明治政府下に設置されていた「工部省」という、社会基盤整備を担っていた官庁のことだと言われています。
もっとも、工部省自体は戸井線が事業化されるずっと以前の1885年に廃止され、鉄道事業は、内閣直属の鉄道省が担うことになりましたが、この「湯川幼児公園」という公園が、戸井線の湯川駅の予定地だったとされています。
(この公園の位置はこちら


今回はここまでですが、また時間を作って、戸井線の痕跡巡りをしてみたいと思います。

さて、これまでも触れてきたとおり、1937年に着工された戸井線は、一度も列車が走ることがないまま1943年に事業が中断されてしまいましたが、列車は走らなかったものの、ある別な目的で線路が使われたことがあったとされています。
それについては、また次の記事で。
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誰の目線?

2017-09-27 19:48:46 | その他テレビ全般
どっちが主人公だっけ?と思う作品ランキング(gooランキング)


半分以上が観たことのない作品ばかりだけど、私はずっと、「ドラえもん」の主人公はのび太であると思いながら観続けてきた。

理由は、「主人公は誰か?」という問題は、その物語が誰の目線で描かれているかに注目すべきだと考えているからであるが、もう一つ言うと、「主人公」=「主役」では必ずしもないとも思っていた。

この考えを当てはめると、「ドラえもん」の場合、「主役」は、作品名にもなっているドラえもん自身でよいと思うが、ドラえもんは、のび太の暗い未来を危惧して、それを良い方向に持って行くためにやってきたロボットであり、それが作品のコンセプトである以上、一つ一つのストーリーがのび太の目線で描かれるのは自然なことで、ドラえもんの役どころというのは、主題歌のフレーズにもなっている「こんなこといいな できたらいいな」というのび太の願望を実現するための存在と言えると私は考えている。
この点に関しては意見は様々かと思うので、そんなことないだろうと考える人がいても別に反論するつもりはないが、私が、長年先のような考えで観続けてきたのは事実なので、その考えは今後とも変わることはないと思う。というか、変えてしまったら、作品自体を楽しめなくなってしまうと思うし。

ランキングには入っていないけど、同じような考え方で、そのとおりだなあと思った作品に、「ウルトラセブン」がある。
二十年くらい前の話だが、あるウルトラ関連の書籍の中で、収録されているコラムの執筆者が、「『ウルトラセブン』の主人公はモロボシ・ダンではない。ウルトラ警備隊である。」と書かれていたのを読んで、確かにそのとおりだと思った。

こちらも、ドラえもんと同じで、「主役」は、ダン=セブンでよいかと思うが、一つ一つのストーリーは、その時々で中心となっている隊員だったり、あるいは警備隊全員の目線で描かれているように私には思える。
例えば、フルハシ隊員の乗るウルトラホーク3号が、カナン星人の策略によりコントロールを狂わされ、旅客機と正面衝突する危機に見舞われる、第24話「北へ還れ」は、完全にフルハシの目線で描かれていて、ダン=セブンは、そんなフルハシを救うための役どころでしかないのがわかるし、フルハシだけでなく、キリヤマ隊長、ソガ、アマギ、アンヌが中心のエピソードでも同じことが言えると思う。

また、第47話「あなたはだあれ」に登場する中年サラリーマンのように、ゲストが物語の中心と言っても過言ではない回もあるが、ゲストの目線も大事にしつつ、その危機を救うために活躍するウルトラ警備隊(この回の場合、正確にはフルハシとダンの二人)の目線で物語が描かれていることが、やはり観ていてよくわかる気がする。
そのように、隊員(登場人物)一人一人のキャラクターをしっかりと確立し、その時々において中心となる者の目線で描くという基本がぶれていなかったことも、「ウルトラセブン」が、シリーズ最高傑作と言われ、間もなく放送開始五十年を迎えるという今になっても根強い人気を保ち続けている理由だと、私は思う。

セブン関連の方が長くなっちゃったけど、私はこれからも、「主人公=物語が誰の目線で描かれているか」という視点から様々な作品を観続けていきたいと思います。
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青空とステンドグラス

2017-09-26 19:58:09 | 函館



湯の川温泉街の一角。
ここに、道を彩る綺麗なステンドグラスが、街路灯にはまる形で設置されていると聞き、行ってみました。

(場所はこちら





街路灯が一つあります。
この逆三角形に何が描かれているのかな・・・。





ということで、一つ一つ紹介していきます。
まずこれ、カニは何となくわかると思いますが、後ろに描かれている人物は・・・?

函館にゆかりの深い人物で、「カニ」というキーワードで思い浮かぶ人と言えば・・・、
そう、石川啄木です。
立待岬へ向かう途中に、「東海の 小島の磯の白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる」の歌碑が設置されています)





これはですね、「函館山とふもとの坂道」ということだそうだけど、鳥居のようなに見える物は?函館八幡宮?
もしかして、まだ八幡宮が元町にあった頃の八幡坂?
ステンドグラスに描かれている方角と地図を見比べてみると、1時の位置が西ということからして、あの鳥居は函館護国神社で、この坂は護国神社坂





これはわかりますね。今更説明不要の金森赤レンガ倉庫群です。





これもわかります。函館ハリストス正教会ですね。





カラスも一緒に。
何故こんな所に乗っかっているのかって?それはまあ、「カラスの勝手でしょ」ということで。(笑)

これもわかります。旧函館区公会堂ですね。





一瞬「?」かもしれないけど、左上に描かれているのがお墓だとわかれば、外国人墓地だということに辿り着きますね。
因みに、正しくは、「外国人墓地とアジサイ」だそうです。





これはもう一目瞭然。
函館市電ですね。恐らくこれでしょう。





これはもう、ねえ。五稜郭と五稜郭タワーですよ。
ですが、正解は「藤の花と五稜郭」だそうです。
五稜郭といえば桜の名所だけど、藤の名所でもあるということを前面に出しているんですね。





これが一番難しいかな?
何となく湯気のようなものが見えるけど、「温泉につかる女性」だそうです。





そして最後、「トラピスチヌ修道院と修道女」だそうです。

駆け足で紹介しちゃいましたが、街路灯ということなので、夜に歩くのも幻想的なんでしょうね。
湯の川温泉にお泊りの際は、ぜひお散歩に出かけてみて下さい。
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