北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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創成川の上流を辿る~3~

2022-10-31 20:04:33 | 札幌

 

地下鉄南北線「中島公園」駅の前を走る幹線道路「南9条通」。

写真の左に橋の欄干が見えますが、創成川の上流に当たる「鴨々川」を上流に向けて辿るぶらり歩きは、ここから中島公園の中に入っていきます。

 

 

 

以前、同じ行程を真冬に散策していたことがありましたので、そのときの記事をリンクさせつつ、雪のない今時期との違いを感じ取っていただければと思います。

 

 

鴨々川 - 北の風に吹かれて~独り漫遊記~

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鴨々川は、幾つかの橋が横断しています。

この先は、「水天宮」があります。

 

 

雪の中島公園散策 - 北の風に吹かれて~独り漫遊記~

 雪の中島公園散策。札幌は記録的な雪不足と言われていますが、1月2日の時点ではそれなりに積もっていました。   神社ばっかりもなんだとは思います...

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歴史がありそうな木橋。

豊平川に架かる「豊平橋」や、釧路の「幣舞橋」も、最初はこうした木橋でした。

勿論、同じ木橋でも、当時と現在とでは、強度をはじめとする様々な技術が格段に違いますが、当時は当時で、それが最先端の技術だったことを思うと、建設に携わった人たちの功績がいかに凄いものだったかと思います。

 

 

 

大きな公園の中を流れているということで、鴨々川は、訪れる人たちの癒しの場ともなっていることが分かります。

 

 

 

 

こちらの橋は、欄干に雪の結晶がデザインされています。

 

 

そういうことでしたか。

デザインとしてはシンプルだけど、札幌の町を象徴すると言ってよいデザインだけに、町への思い入れの強さが感じられます。

 

 

 

 

ほたるが見られるのでしょうかね?

 

 

 

公園から少し離れた所にある大きな松の木。

 

 

「不老松」という名がつけられています。

明治4年(1871年)に植樹されたとされるもので、かつてこの辺りに、「鴨川」という料亭と池泉回遊式庭園があり、その歴史を伝えるものとなっています。

 

 

 

 

 

 

 

再び川へ。

幾つかの水門のような柵と、枝分かれしている支流の中で、冬に比べると数は少ないですが、鴨に出会いました。

 

 

 

 

中島公園の知られざる歴史として、かつて競馬場があったということがあります。

明治20年(1887年)に設置されたものだそうですが、そのコースが鴨々川を横断していたため、現在のこの橋の辺りに仮橋が設置されていたのだそうです。

馬の重さに耐えられるような橋というのも、その当時を思えば凄い技術だったことが想像できますね。

 

 

 

 

「札幌護国神社」に通じる立派な橋。

鮮やかな赤いデザインが、訪れる人の目を引き付けます。

 

 

 

 

 

やがて南へ進むにつれて中島公園のエリアも終わりとなります。

 

 

ここまで来ました。

地図で分かるとおり、最後は豊平川に行き着きます。

 

 

 

 

中島公園を出て住宅街を過ぎると、水門に辿り着きました。

 

 

最後は豊平川との合流地点を目指します。

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創成川の上流を辿る~2~

2022-10-30 19:04:00 | 札幌

 

昨日触れた「創成橋」の側にある「北海道里程元標」。

 

 

 

 

 

 

解説すると、明治6年(1873年)の太政官布告により、北海道の道路の起点である事を示すため、創成橋の東袂であるこの地に、「道路元標」が設置されたものですが、二年後、現在の北海道庁赤レンガ庁舎の側に移設されました。

 

 

舗装道路発祥の地 - 北の風に吹かれて~独り漫遊記~

1月に紹介した、東京の日本橋にある「道路元標」。日本の道路起点を示す場所です。札幌にも同じような碑があります。場所は、「赤れんが庁舎」の前。ここが、北海道内の道...

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現在のこの標柱は、ここが北海道開拓の起点であることを、「創成橋」と共に後世に伝えるべく、平成23年(2011年)に再建されたものです。

東側の側面に刻まれているのは「對雁(ついしかり)驛 四里拾六丁五拾三間」「島松驛 五里弐拾七丁四拾五間」、西側の側面には「篠路驛 三里拾丁弐拾間」「銭函驛 五里拾丁三拾間」と、当時の交通の要衝だった場所までの里程(距離)が刻まれています。

 

 

 

その隣には、このような碑が。

この辺りが、札幌開拓の第一歩が記された場所であるということが、これでもかというくらい表現されています。

 

 

 

 

「創成橋」を西側から。

 

 

少し南へ向かうと、またまた彫刻が。

 

 

やはりこれも、安田侃氏の作品でした。

 

 

 

この辺りは、川沿いを散策できる遊歩道が整備されていますが、所々、こうして水辺の側まで降りることができるようになっています。

 

 

更に南へ進み、東側に狸小路アーケードの入口がある所まで行くと、広場に行き当たりました。

このときは何も開催されていなかったけれど、イベント会場として使われることが多く、9月に開催されていた「札幌オータムフェスト」でも、会場の一つとなっていました。

 

 

 

ここにも安田侃氏の彫刻が。

全て制作が2010年となっていますが、「創成川公園」は平成23年(2011年)の完成なので、それに合わせて制作されたということなのでしょうかね。

 

 

数は少ないですが、鮮やかな紅葉を見ることができます。

 

 

札幌と室蘭を結ぶ幹線道路、国道36号との交点までやってきました。

 

 

 

この辺りから、道路は地上部とアンダーパスに分かれています。

 

 

 

地図の場所まで来ました。

ずっと真っ直ぐだった川が、ここで西側に曲がっています。

 

 

ここが、西側へ曲がる箇所。

流れが続いているので、引き続き辿ってみましょう。

 

 

 

マンションやオフィスビルの間を、緩やかに流れています。

 

 

 

 

この辺りに来ると、川の名前が「鴨々川」と変わっています。

 

 

鯉の放流区域と書かれていましたが、実際に鯉を見ることができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

川の流れの先には、「中島公園」があります。

創成川の上流に当たる「鴨々川」の流れ、引き続き辿ってみましょう。

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創成川の上流を辿る~1~

2022-10-29 16:20:53 | 札幌

 

 

札幌市内中心部から北方面にかけて南北に流れる「創成川」。

テレビ塔付近から撮っていますが、晴れた日は澄んだ川面がとても綺麗に見えます。

 

 

 

この辺りは、「創成川公園」として整備されていて、散歩する人や、中心部へ買い物に来て休憩する人などの憩いの場となっています。

今回は、ここから、川が流れる北方面ではなく、川の源流である南方面を目指して歩いてみることにしました。

 

 

 

 

円形の構造物を発見しました。

 

 

上空から見るとこんな感じですが、一体これは何でしょう?

 

 

彫刻として作られたものなんですね。

制作者の西野康造氏は、兵庫県の出身で、野外彫刻を数多く手がけており、公共空間における作品設置も多く手がけている方だそうです。

 

 

 

南側へ歩いていくと、そこにまた彫刻が。

初めて見ますが、制作者は何となくピンとくるものが・・。

 

 

ああ、やはり安田侃氏でしたか。

札幌駅コンコースにある「妙夢」で知られる、美唄市出身の彫刻家さんです。

 

 

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何度か紹介してきました、札幌開拓の礎を築いた人物、「大友亀太郎」の銅像。

このご時世を反映してか、マスク着用なんですね。

 

 

函館と同じ視点で - 北の風に吹かれて~独り漫遊記~

札幌市中心部をぶらり歩きしていると、中心部を南北に流れる「創成川」沿いに、何やら興味深い物を見つけた。おや、何やら像が設置されてますね。この「大友亀太郎」とは、...

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これも何度か書いていますが、大友亀太郎によって掘削された「大友堀」が、現在の創成川の基となっていることから、この像がこの場所に設置されているということになります。

札幌の歴史に興味を持ち、勉強してみようと考える全ての人にとっての、原点、出発点と言ってよい場所だと思います。

 

 

 

像の近くにある「創世橋」という橋。

 

 

 

 

明治2年(1869年)、大友堀の側に開拓使の官舎が設けられた際に、開拓使判官であった島義勇が、丸太を並べて板を敷き、川を横断できるようにしたのが最初とされる歴史ある橋で、二年後に木橋となったときに橋名を決めるに当たり、開墾者から出た「始成橋」という案を参考に、開拓使判官であった岩村通俊が「創世橋」と名付けました。

明治43年(1910年)に、現在のような石造のアーチ橋となり「札幌の日本橋」とも呼ばれていたそうです。

平成14年(2002年)に、アンダーパスの建設事業により一時的に撤去されましたが、同22年(2010年)に復元され、同年、土木学会選奨の土木遺産に選定されました。

因みに、「創成川」という川の名前も、この橋の名前から付けられています。

これまでずっと、「創成川」ってどういう由来があるのかなと思っていましたが、そういうことだったんですね。

 

 

 

 

橋の側に、こんな展示パネルが設置されています。

一つ一つ見ていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は流すようにざっと見ただけですが、札幌の歴史の礎を築いた場所ということで、いずれ、一つ一つじっくり検証してみようと思います。

 

 

そして、ここの床部分なのですが、

 

 

ん?「事務室」?

開拓使の庁舎でしょうかね・・・。

 

 

「囲炉裏」?

庁舎じゃなく官舎?

 

 

えっ、「取調室」?

そう、実はここは、先程の写真にもあった「南一条交番」のあった場所なのです。

こういう感じて残されているのも、なかなか趣があっていいなと思います。

 

ところで最後に余談ですが、皆さん、警察署の取調室なんて入ったことありますか?

普通はなかなかないですよね。

実は私、あるんですよ。カミングアウトしちゃいますが、十数年前に、ある事件の参考人として・・・って、んなわけないでしょ。仕事でですよ仕事で。

十数年前、ある案件で警察と打ち合わせをする必要が生じたので、職場近くの警察署に行ってきたのだけど、事前にアポを取っていたにも関わらず、会議室が塞がっているということで、案内されたのが取調室でした。

中は、それこそ「太陽にほえろ!」とかで何度も見たような造りそのものという感じだったけど、思ったよりも狭かったのが今でも印象に残ってます。

今はそんな取り調べはしていないと思いますが、あんな狭い場所で「お前がやったんだろ~!吐けおらぁ~!」なんて言われたら、容疑者はひとたまりもないだろうなと思いました。

因みに、昼時ではなかったこともあり、カツ丼は出ませんでした(笑)。

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最古のコーヒー店

2022-10-28 19:45:18 | 札幌

 

だいぶ前になっちゃったけれど、HTB「イチオシ!」の「特命係」で、こんなネタが取り上げられていました。

 

 

伝統ある味と機械 - 北の風に吹かれて~独り漫遊記~

昨日の「日本最古」の物に続き、今日は、「北海道最古」の物をご紹介します。ここは、函館の駅前にある、「大門」という繁華街(アーケード街)の一角にある、「珈琲焙煎工...

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函館の大門にある「美鈴コーヒー店」には、↑のとおり行ったことがあるのだけど、西部地区にある「十字屋食料品店」さんは、行ったことがないばかりか、名前すら聞いたことがありませんでした。

焙煎豆を仕入れて販売していた十字屋さんと、自社で焙煎を行っていた美鈴さん、一番古いということの解釈の違いはあれど、別にこのことで、どっちが本当の「一番古い」なのかという論争も起こっていないようなので、今のままでいいのかなと私は思います。

 

昨年暮れに職場の「コーヒー会」を脱会し、それ以降もコーヒーはそんなに飲んでいないけれど、体に合わなくなったと感じているだけで、嫌いになったわけではないので、気持ち的にはちょっと複雑だけど、体調やタイミングを見計らいながら、飲めるときには飲んでいきたいと思っています。

そんな状況の中、この映像を見てふと思ったこと。

北海道最古のコーヒー店は函館だそうだけど、札幌で一番古いコーヒー店ってどこなんだろう?

 

 

図書館で「さっぽろ文庫」の「札幌事始」を読んでみたところ、次のように書いてありました。

 

「札幌に初めてコーヒーがお目見えしたのは、明治39年(1906年)に開店した、『レストラン有合亭』からである。主の『岩井安栗(あぐり)』は、『有り合わせのものを召し上がっていただく』というつもりで『ありあい亭』と言ったが、当時、名作『レ・ミゼラブル』で、その文名を世界に知られた『ビクトル・ユーゴー』をもじったものと思われ、誰もが『ユーゴー亭』と呼んでいた」

 

その「有合亭」があったとされるのが、市内中心部の北2条西2丁目、現在は「アパホテル」が入っているビル。アパホテルの前は「チサンホテル」、「札幌事始」には、刊行当時のビル名である「三博ビル」というビル名が書かれていたので、古い住宅地図で場所を確認しました。

その「有合亭」がいつまであったのかは確認できていませんが、「札幌事始」によると、主の岩井安栗氏は、大正末期に、「ルビー」という喫茶店に転身したそうなので、もしかすると、それに合わせてなくなったということなのかなという気もしますが、これはちょっと調べてみたいと思います。

それから、「有合亭」が最古のコーヒー店なのはよいとして、現在営業しているコーヒーを出すお店で最古のお店はどこなのだろうと思いました。検索してみると、それっぽいことが書いてあるサイトを見つけたけれど、これはきちんと確認し、行ける場所であれば行ってみたいと思います。

 

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円山商店街~3 市場の歴史~

2022-10-27 19:40:31 | 札幌

 

「円山商店街」の一角にある建物。

 

 

「ミニまるいちば」という、規模は小さいですが、昔ながらの対面販売で、肉、野菜、魚などを扱う市場で、地元の人はもとより、離れた所からも、その雰囲気に惹かれて買い物客が訪れています。

 

 

 

その「ミニまるいちば」の道路を挟んで隣にある高層マンション。

 

 

再開発によって10年ほど前に建設されたマンションですが、かつてここには何があったかというと、

 

 

画像はお借りしたものですが、平成22年(2010年)3月まで、「まるやまいちば」という市場がありました。

私も20年前に札幌に勤務していた頃、仕事帰りに何度か寄った記憶があります。

そう、「ミニまるいちば」の「まる」とは、「まるやま」の「まる」だったんですね。

現在の「ミニマルいちば」の場所は、この「まるやまいちば」の駐車場だったところで、平成24年(2012年)2月から営業しています。

 

 

 

少し離れて、「裏参道」へ。

 

 

 

幹線道路の一つである「西25丁目通」こと道道西野白石線が走っていますが、

 

 

そのすぐ横に、斜めの通りがもう1本あります。

 

 

 

場所は↑のとおりなんだけど、町歩きを趣味にする中で、「碁盤の目に整備されている区画の中で、不自然に曲線状になっていたり、斜めに取りついている道路があったりしたら、それは何かの痕跡だったり、歴史上大きな意味を持っている」という話を聞いてきました。

そう、実はこの斜めの通りは、明治時代「琴似街道」と呼ばれた、当時の「円山村」のメインストリートだったのです。

 

 

上の赤線が、かつての「琴似街道」です。

 

 

 

 

 

その「琴似街道」と「裏参道」の交差する地点から近い所にあるこの場所。

この場所の歴史は以前一度紹介していましたが、この場所では、大正時代初期に、「まるやまいちば」の前身と言ってもよい、「円山朝市」が開かれていました。

 

 

裏参道 - 北の風に吹かれて~独り漫遊記~

 中央区南2条西20丁目・・・って、それは見ればわかるか。ここに、こんな名前の公園があります。   遊具が普通に整備されている、どこにでもありそ...

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「円山朝市」は、明治26年(1893年)に、現在の中央区南1条西11丁目辺りに、仲買人達がたむろして市を開くようになったのが始まりとされていて、市街化の発展につれて市場は西側へ移転していきました。

当時この場所で開かれていた朝市は、それは大変な賑わいだったそうです。

 

 

 

 

再び、現在の「円山商店街」の写真。

現在の裏参道で大変な賑わいを誇った「円山朝市」でしたが、市街地の整備の過程で幾度か移転を繰り返し、大正11年(1922年)には、現在の「円山商店街」のある場所に機能を移すこととなり、その頃から戦後にかけて、地域の台所を預かる市場として、人々の生活に根付いた場所となっていました。

最初に紹介した「まるやまいちば」の建物は、昭和45年(1970年)の建築で、この頃、「円山朝市」は、もう少し北の方に移転していましたが、朝市移転後も、「まるやまいちば」が、地域の台所を預かる存在として人々の生活を支えることとなりました。

その「まるやまいちば」が閉鎖されてから12年。様々な業種のお店が軒を連ねている「円山商店街」は、これからも地域に欠かせない存在として、人々の生活を支えていくことでしょう。

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