去年見た映画でロバート・レッドフォード主演のロング・トレールとい
うのが印象に残っている。アメリカのアパラチア山脈を北から南へある
いは逆を縦走する。1ケ月近くをかけて数百キロを60代と思しき男2
人が歩く。山好きにはたまらない映画だった。
こんな冒険的な山登りはもはやできないが、ただ街の中を歩くのではな
く目標に向かって歩くことができないか? もちろん我が体力の範囲内
で。
前橋の某氏が記録した本「群馬県境を歩く」は内容が濃かった。若けれ
ば挑戦できそうだがもう無理。そこで雰囲気的にはできそうかなと考え
ているのが「我が市の境を歩くと」いうのものなのだが・・・
3年前に「市庁舎から見える榛名山を構成する名の付いたすべての頂に
立つ」というのは去年達成した。次は赤城山かと考えていた矢先にスイ
ミングに嵌ってしまい山から遠のいていた。
どんなものか新年になって2回市境のほんの一部を歩いてみた。1回目
は板鼻の北から雉ケ尾峠まで、2回目はそこから長野新幹線安中榛名駅
の北に位置する石尊山まで。以下その報告です。
秋間川から広田の交差点を越えて今日登る石尊山を眺める。
万一の時に備えて、今日の予定の地図に住所氏名連絡先等を記して車の
フロントガラスに貼っておく。
この地域は里山と言われる標高500m以下の尾根の凹凸が続く。
11月下旬から4月まででないと藪がひどく容易には歩けない。地図上
に破線道があってもあまり当てにならない。殆ど人が通らないのだ。そ
れでも現地を注意して歩くと標識杭が見つかる。1/25000の地形図
とGPSとコンパスが頼り。小さなアドベンチャーと題した由来。しかし
原則としてドコモの電波が受診可能な地域としている。一人旅が多いの
で何かの時の連絡方法を維持しておくことは大切なこと。総合して考え
てみて私の体力の範囲でいけそうな気がする。
石尊山への登り口は立派な登山道が整備されていた。100mの登り。
頂上に到着する。この案内板の他に江戸時代末期文化文政頃の石仏や石塔
が多数。
頂上から東に続く尾根に入るともはや登山道と言えるものはない。こんな
藪の薄いところを狙って分け入るしかない。時には見当違いの方角に向か
っている自分に気づき修正する。
そして私の眼には明らかに道と思われる一筋のかすかな踏み跡を見つけ
GPSで現在位置を確認し、更に地図と周囲の地形とを比べて納得する。
藪の中にこんな境界杭を発見すれば、一声叫びたくなる心境。
地元の方々が用意したベンチ。通らないようでも誰かが歩いているのだ。
尾根の東端から南を眺めれば集落の森を越えて妙義山塊がすぐそこ。
写真を撮る角度によっては富良野、美瑛のような畑が拡がっていた。
冬の明るい日差しを一杯に浴びた南向きの集落。ここから新幹線の駅
まで車で5分。列車に乗ってしまえば1時間で東京駅着。なんとも不思
議な感じ。この程度の里山巡りなのだが、甘く見ないで慎重に歩けば市
境を人気の鼻曲山や浅間隠山まで到達できるのではないか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます