toboketaG の春夏秋冬 

雑文、雑感、懐古話そして少しだけ自己主張。
土曜日をベースに週1~2回の更新が続けられればと思っています。

035-231225クラシックカー

2011年12月25日 | 車・自転車・機械

数年前のこと、関越道側道を通りかかったら、なんとも懐かしき車に出会う。 所有者に了解をもらいパチリ。 所有者はいとおしいのでしょうね。 外部の塗装は50年経過したとは思えない。

日野自動車がフランスのルノー社から技術供与を受けて作製した昭和30年代の日野ルノー。実は当時月給が2万円ほどの時代に5万円で手に入れた初めてのマイカーがこの車の中古車。

懐かしい、本当に懐かしい。 周りや車内、エンジンルームを撮らせていただいた。 なかなかいかしたスタイルと思いませんか。

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私、高校を卒業してすぐに車屋さんに就職し5年間整備士として働いていた。 したがって二級整備士の資格を持っています。 車のメカニズムについては一応プロです。

この車について少し説明します。 

エンジンは4気筒OHV、排気量は800cc程度で70馬力くらいか。 4段マニュアルシフト。 リヤエンジン・リヤドライブ。とにかく走るために必要な最低限の機能しかない。したがってエアコンなど無縁。冬はオーバーを着て、夏は窓を全開、三角窓を開けて外気を入れる。(写真の車には後付のヒーターだけは装備されていた)80km/hほどが出せるスピードの上限。 大きさはほぼヴィッツ程度か。運転席と助手席のドアは今と反対に前が開く。

中古だったのでよくエンスト(この言葉も死語になってしまった)した。 そこは一応プロなので、プラグをはすして掃除したり、電気系統を再点検してなんとか走り続ける代物。 車を操っているという感覚が懐かしい。 スカスカのエンジンルーム。 排気ガス規制など関係なし。 余分なものは何もない。

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同級生のうちでもいち早くマイカーを手に入れた一人、 こんな車を乗りまわして悦に入っていた。 ただし県外へのドライブにはそれなりの心構えが要求された。 補給オイルやプラグ、デストリビューターのポイント等の予備部品は必携。 冷却水はただの水で良かった。冬になる前に不凍液を入れる。 なだめながら走らせるのだからメカに強くならざるを得ない。(私の車の場合であって、当時でも新車は素晴らしかった。高くて手が出ないだけ)

さて元気でいられれば、あと1回だけ車を交換する可能性は残っている。そのときハイブリッド車または電気自動車が候補にあがるが、車を自らの意思で操りたいと日頃思っている元プロとしては、メカの塊である車に愛着がある。 鉄道ファンがSLに興味を示すのと同じ。

メカが一生懸命動いて、快音を発しながら車を操る感覚。 ハイブリッドのあの静けさは何か自分のハートに迫ってくるものがない。 車は完成されすぎてしまった。

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