立場が、世話をされる側になったとき、世話をする側の態度、物腰が当然気になる。弱者と強者ともいえる。とくに老人ホームなどの密室空間であれば、なおさらのことである。
経営者が、職員の待遇をどうしているかも問題である。実質的な仕事をしている人の待遇を、きちんとしないで、経営サイドが、経費を脱税の道具にしたり、利用者の負担について、頓着しないとんでもない施設も出てきている。
職員の待遇が悪ければ、やる気も削ぐし、その鬱憤がどこに向かうかは、明らかである。弱者たる入所者へ向かう。家族としては、細心の注意をはらって、状況を観察しなければならない。
施設側のケアマネージャーは、名前を名乗り、できごとを電話で報告したりしてくるが、実際の看護にあたる職員は、家族に対して名乗ったりしないし、その存在をできるだけ、希薄にしようとしている気配がある。
職員と家族、入所者同士の交流をさせない空気もある。そこには、経営者側の意図があるかもしれない。生活する人間同士、よりよくしようとするなかで、本質的なことがみえてくる。入所者を子供扱いする介護人は、傷んでいるに違いない。