いろんな事件があって、人間という生き物は、何なんだと思わされる。だが、自分自身のことがわかっているかといえば、そうはいかない。
心理学を多少齧り始めて、人間は意識的な部分と無意識の部分があるが、その殆どは無意識のなかで、動いているということを知った。
確かに、喋ることも、いちいち言葉を発する前に意識したりしないし、歩くことだって、歩こうと最初は意識したとしても、細かな筋肉の動きや、もろもろの器官を意識的に操作しているわけではない。
教科書は、国にしても大統領がすべてを意識的に国を動かすといっても、下級役人が全員動かないとすれば、どうにもならないし、ジャンボ機も機長が操作しているといっても、実は、自動的な部分がたくさんあるという。
人間も同じで、このように、本人の意識している部分はごくわずかだというのである。
その人間が、他者と関わり、自らも悩んだり、悲しんだり、いろいろ感じるのだが、その感じかた、考え方は、これまた人さまざまであり、こうした問題を扱う心理学は結構刺激的である。