探偵ナイトスクープの放送作家でもある。この作品がデビュー作品という。別の作品で、本屋大賞を受賞しているが、この本が文庫本になっているのをみて、購入した。
解説をみると、児玉清さんが、激賞している。なるほど、読みかけて、力のある作家であるとわかる。この作家がなにを言いたいのか、はっきりしていることがわかる。
複雑な心理的な話ではない。まっすぐに、問題の本質にせまっている姿勢を感じる。まだ、五分の一ぐらいだが、明確に伝わってくる。
テクニックとか、才能、才気とか、そういうものではなく、中味である。そういえば、探偵ナイトスクープは、常に具体的である。材料をどう活かして、話をすすめるか、そこに構成作家の腕が試される。
それは、言葉のテクニックや、きらびやかな装飾ではない。まっすぐ、人間に向かわなければならない。神秘ぶったり、難解さを売り物にしたりなどしない。
井沢元彦さんの本といい、百田さんの本といい、このところいい本に、めぐりあっている。