映画をみて、思ったのは、「アメリカ文化」のわかりやすさと、理解できない単純な残酷さである。1%の人間が、国全体の富の40%を占めるという格差。これを、そのままにしておく神経。
しかし、日本も今や、格差社会で、1%の人間で、国全体の20%の富を占めているらしい。小泉竹中路線のなせる結果であるが、それを、是正しようとする勢力は、みえてこない。
映画に話をもどすと、主人公の黒人の若い父親が、生活に困窮しながら、トレーダーとなる努力の末、結果的に成功した、という話である。
救済組織としての教会。順番があって、ここも競争である。地下鉄のトイレに閉じこもる場面は、涙をさそう。成功している連中の金銭感覚。それでも、能力を認める公正さ、率直さ、のすがすがしさ。
このなかには、個人としての努力や、コミュニケーション能力が公正に認められる社会のしくみの肯定感が、ストレートにせまってくる。この感覚には、どうしてもなじめない。
もうちょっと、ちゃんと助けあうというしくみをいれないと、人類の未来は、暗いと言わざるをえない。アメリカの変革は、どうしても必要である。それを知らしめる映画である。