戦いは長く続いていた。
doironも少し関与はしているが、
向かいの家とその隣の家の戦いである。
原因は犬だ。
仮に名前をジョンとしておこう。
このブログでも何回か書かせていただいた。
ジョンは一度鳴き始めると
夜中であろうが、早朝であろうが鳴きやまない。
眠りを妨げられて困る
ミセスdoironは
鳴き始めると耳栓をしていた。
近所に迷惑をかけているとあまり思わないのか、
向かいの家も真剣に鳴き声対策をしていなかったが、
隣の家に苦情を言われてから
いろいろと策を弄し始めた。
散歩の頻度をあげる。
叱る。
鳴くとびりっと電気が流れる首輪をつける。
挙句に
ご飯に睡眠薬を入れるまでして、
対応していったが鳴き声は収まらず、
ついにお隣に保健所にまで
通報されてしまった。
弱小国同士の争いに
アメリカが割って入ったようなものである。
そんな保健所からいろいろ指導もあって、
最終的に離れのところに
立派な防音の犬小屋を建て、
そこにジョンを立て篭もらせて、
ようやく隣との冷戦状態は解消されつつあった。
結局、ジョンは番犬としての誇りを奪われ、
家族から注がれる愛情も薄まっていき、
先日ついに15年数ヶ月の生涯を閉じた。
僕の知る限りでは、
鳴き続けに鳴いた人生、
いや犬生だった。
雨の日も雪の日も、
家族のお葬式の日にも泣き続け、
ざっと計算しても200万回は鳴いているだろう。
そんなジョンの死に対して
どんな弔いをしたのか知らないが、
もしも遺骨を受け取るようなことがあったら、
ずいぶん立派な喉仏だっただろうなあ。
かくして、わが村に平和は戻った。
向かいと隣との冷戦も時が解決するだろう。
向かいも今は、愛犬の死を悲しむ気持ちと、
ほっとした気持ちがないまぜになって、
しばらく別の犬を飼うつもりはないようだが、
今度飼うときにはぜひこちらにも声をかけてほしいものだ。
頭がよくて、忠実で、
それほど鳴かない犬種を
一緒に探してあげることにしよう。
まずはジョンのご冥福をお祈りいたします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とまあ、こんなブログを書いたのだが、
最近夜中にジョンそっくりの鳴き声が、
向かいの家の方から聞こえてくることがある。
きっと、よその家の犬なんだろうが、
少し気味悪い今日この頃なのだあ。
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