雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

高座の上の密室

2016-08-03 21:00:00 | 

愛川晶著"高座の上の密室"を読みました。
"神楽坂謎ばなし"の続編です。
編集者の希美子は寄席の神楽坂倶楽部の席亭代理と
して出向を命じられました。
席亭は会ったことがなかった実父で、心臓病で
入院しています。
希美子は落語や色物芸の世界を知っていきます。
舞台上でちょっとした不思議な出来事も起きます。

"高座の上の密室"
藤島天翔斎という女性の手妻師が神楽坂倶楽部に
出演することになりました。
彼女は何年も干されていました。
彼女自身の問題というより落語家だった夫の方の
問題でしたが、彼女も演ずることができなくなって
いました。
天翔斎には小さな小桃という女の子がいます。
小桃を使って葛籠抜けの手妻を行い人気になりました。
舞台の上の葛籠抜けの最中に小桃が消えてしまいました。
天翔斎は誘拐されたと、探しに駆け出していきました。

"鈴虫と朝顔"
亀川鏡太夫と鏡之進は親子で太神楽をしています。
傘の上で鞠をまわしたり、撥を操ったりする芸です。
息子の鏡之進を独り立ちさせたいから希美子に
見きわめてもらいたいと鏡太夫が言ってきました。
あまりやることのない五本撥の芸が舞台でうまくできるか
どうかで決めることになりました。
芸をする人と口上を述べる人と二人ですることが多いのですが
試験では一人で行うことになりました。
順調に演じて、お客さんは楽しんでいます。
しかし鏡之進は五本撥の芸を行いませんでした。
父親は激怒します。
希美子にはその理由がわかりました。

希美子は両親のことをいままで知りませんでした。
知りたいと思うようになり、まわりの人に聞いて少しずつ
わかってきます。