雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

問題物件

2014-01-20 22:00:00 | 

大倉崇裕著"問題物件"を読みました。
現実離れした話ですが楽しい本でした。
若宮恵美子は大島不動産販売に就職しました。
仕事は創始者の後継者である大島雅弘の介護です。
雅弘は二十歳で難病で寝たっきりです。
ずっと大事にしてきた犬のぬいぐるみの犬太が戸棚に
飾られています。
雅弘を会社から追い出そうとする一派がいます。
恵美子は販売特別室へ移動になりクレーム処理を
行うことになります。
名目上は雅弘が上司で恵美子が失敗したら雅弘を追い
出す理由となります。
連作短編集です。
恵美子が困っていると犬頭という探偵が現れてたちまち
難題を解決してくれます。

"居座られた部屋"
取り壊しが予定されているマンションの一室に男が
居座っています。
信じていない宗派の新聞を取っています。
新聞屋さんとマンションの間には暴力団の事務所が
あります。
彼は何を狙って居座っているのでしょう。

"借りると必ず死ぬ部屋"
借りた人が続けて死んでいる部屋があります。
服毒自殺が二件、首吊り自殺、飛び降り自殺、飛び込み
自殺と続きました。
どうして続くのか、反対から見てみればその理由は
わかります。
死にたいと思っている人が部屋を借りるからです。

"ゴミだらけの部屋"
臭いがすごいからなんとかしてとクレームがありました。
その家は大島不動産の関係している家ではありません。
近所の関係者からの依頼です。
前から書籍などを溜め込んでいることは知られていましたが
生ゴミは最近です。
家の見張りで生ゴミは外部の人のしわざであることが
わかります。
書籍類を集めているのには大きなわけがありました。
大きな力がこの家に住む人に襲い掛かります。

"騒がしい部屋"
部屋に幽霊が出ると騒ぐ人がいます。
とうとう警察に連れて行かれてしまいました
部屋の住人を特定の日に追い出しておきたい者達が取った
方法とは。

"誰もいない部屋"
次々と借主が消えてしまう部屋の謎を追います。
別の部屋に住む木川絵里はマンションは住人は親切で
仕事が次々と入ってくるラッキースポットだと言います。
何も知らない絵里を餌にしてある団体は人を待っています。

犬頭は不思議な力を持っています。
犬頭がぬいぐるみの犬太の化身であろうことは口に出される
ことはありませんが恵美子も確信を持っています。
乱暴で人間離れした力を発揮し事件をあっさりと見抜く
犬頭は魅力があります。
犬頭に恵美子とも雅弘を助けたいと願っています。
この本で完結するのかと思ったら雅弘はアメリカで治療
に飛び立ちました。
続編があるみたいな感じです。

"ゴミだらけの部屋"が一番よかったです。
どういう風に話は進むのだろうと思っていましたが
こんなこともあるかもしれないとこの結果には驚きました。