雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

からくり亭の推し理

2018-07-20 21:00:00 | 

倉阪鬼一郎著"からくり亭の推し理(おしことわり)
を読みました。
からくり亭は料理屋ですがそこに店があるという
ことに気がつきません。
常連が集う店です。
おかみはおまりで、集まるのはからくり人形師の
儀作、絵師の三ツ木探怪、戯作者の蔵臼錦之助などです。
隠密廻り同心の古知屋大五郎が持ち込む事件を
あれこれと推理します。
当時には食べられていなかっただろう実験的な
料理が出てきます。
登場人物たちが珍しい料理をおいしそうに食べる
場面がいいです。

"龍を探せ"
材木問屋の上総屋の主の平吉が弁天堂前で死体で
見つかりました。
手に龍の字が書かれた紙を握りしめていました。
まわりには龍がつく人物がたくさんいます。
平吉はひらがな以外、読み書きできません。
人には嫌われていました。

"謎の二人組"
質屋と骨董屋をやっていた器屋が押し込みに会い、
主人家族、雇い人も殺されました。
器やの蔵の裏は空き地で賊は裏から穴を掘って
侵入しました。
目撃者がいて二人組だとわかっています。
裏には長屋があって二人で暮らしている者が何組か
います。
元相撲取りも何もせず長屋で暮らしています。

"大むささびの影"
浅草の奥山で見世物になっていた大むささびが
見世物師の栄太郎を噛んで逃げました。
大むささびはほんとうにいたのかどうかを
疑います。
質屋の恵屋の主人が大むささびに襲われ、多くの
人がその姿を見ました。

"馬はいずこ"
深川の木場にある酒屋の武州屋の主の伊之助と
女房と番頭が殺されました。
門が閉まっていました。
雪が積もっていて門を飛び越えたというように
その前まで馬の足跡が残っていました。
前の主が人に慕われるいい人だったのに対し、
殺された伊之助は人の恨みを多く買っている
人でした。

登場人物がそれぞれ面白い人たちです。