雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

金色の野辺に唄う

2011-07-10 21:39:38 | 
あさの あつこ
小学館
発売日:2008-05-31


あさのあつこ著"金色の野辺に唄う"を読みました。
松恵は臨終の床にありました。
九十歳を過ぎています。
過去のことが頭に浮かびます。
次女の奈緒子は両親には似ないとても美しい人です。
夫との結婚生活は二十年あまり。
夫は奈緒子が自分の子ではないと疑いました。
臨終の時にさえ「だれの子だ」と言い残します。

東真は奈緒子の息子の充の息子です。
絵を書くことが好きです。松恵は柿を書いて棺に入れて
くれるよう頼みます。
東真は天才的な描く能力を持った友達を見て絵を描く
ことに疑問をもっています。

美代子は子供がいる充と結婚します。
松恵に「美代子さんは珠を持って生まれた人」と言われます。
そこにいるだけで他人を幸せにする人だという意味です。

小波渡史明は花屋の店員です。
奈緒子から百本の竜胆(りんどう)の注文が入ります。
急に無理な注文です。でも奈緒子に言われると聞か
なければいけない気にさせられます。
史明は仕事が長続きせずお金がなくなってふらふらと
松恵の家の台所に入り込んだことがあります。
非難されることなく、肉の甘露煮をご馳走になります。
その後近所の花屋に勤め続いています。

奈緒子は伸人と離婚しています。
伸人はとてもやさしく家庭を守ろうと努力をしました。
でも奈緒子は伸人との生活に収まり切らない人でした。

松恵のお葬式の日を描いた話です。
いろんな出来事があったけど多くの人に囲まれて
幸せであったことがうかがえます。
夫に疑われたことは心を傷つけたことでしょう。
まわりの人たちを支えとしてしっかりと生きてきた
人です。