ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国芸能界 2012年の10大ニュースをみる

2012-12-31 22:04:49 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 昨年に続いて、今年も「スポーツ韓国」の記事をもとに芸能界の10大ニュースを見ていきます。
※韓国では芸能界のことを演芸界(연예계.ヨネゲ)といいます。

 今回はデータ集計の詳しい説明がありませんが、昨年と同じであればエンタテインメント専門家に今年の話題3つを選んでもらった結果を集計したものです。

①韓国人歌手PSY(サイ)の「江南スタイル」世界的ヒット(71票)
 PSY(サイ)が7月15日に発表したアルバム「싸이6甲 Part 1」収録の「江南スタイル」は、その後YouTubeでのプロモーションビデオのアクセス回数が記録的な数字に上ったことが伝えられ、12月には再生回数を10億回を突破しました。(12月31日21:44現在1,090,765,453回。)
 そしてビルボードのチャートは7週2位を維持したものの1位獲得はならず。しかしヨーロッパ各国のチャートで1位になりました。
 とくに人気をよんだのは말춤(マルチュム)すなわち馬ダンス。馬の手綱を握るように手を前に交差させ、馬にまたがるように足を外股に開いて踊ります。
 この曲を知らなかった人、馬ダンスを見たことがない人はとりあえずYouTubeで見てみてください。→コチラです。
 ところが、これだけヒットしたのになぜか日本では話題にもならず。その理由については→ウィキペディアにいろいろ書かれています。上記YouTubeの数字操作疑惑も出たりしていたようで・・・。

②人気女性グループT-ARAをめぐるいじめ論議(41票)
 日本でも人気のT-ARA(티아라.ティアラ)ですが、7月30日にファヨンがスタッフと議論の末自由契約になってしまいました。その騒ぎの影響で8月のグループ活動はすべてキャンセル。その背景にグループ内での「いじめ」があったのでは、という情報が飛び交いました。真相ははたして・・・。私ヌルボとしては「危うきに近寄らず」。・・・ではありますが、私ヌルボ、今年(2012年)4月29日の記事で辛ラーメンのテレビCMにメンバー7人が登場していたことを動画入りで書きました。→コチラ
 各メンバーが7通りのレシピを紹介するというCMなんですが、私ヌルボ、「これはもしかして各メンバーの人気とか力関係とかに関わっているのではないか?」と書いたのは、今にして思えば正鵠を得ていたかも・・・。(と自画自讃(笑)。)
 「一般的な見方によるところの人気順位」を参照しつつ見ていくと、1位ジヨンが①正統ラーメン、2位ウンジョンが②飯盒ラーメン、3位ヒョミンは③冷ラーメン・・・と続き、そしてラスト7位ヒョミンが⑦緑茶牛乳カップラーメン!
 「う~む、これが一番問題だぞ~。を混ぜるなどとは言語道断横断歩道!」というのがヌルボの感想でした。これを食べさせるのは日本人ならいじめととるのでは? そしてこれを作らせるというのも背後に何かあったとは思いませんか? あら、緑茶牛乳カップラーメン作って食べてみてから言え!という心の声が・・・。

③韓国映画のルネサンス(40票)
 7月公開のキム・ユンソク、キム・ヘス、イ・ジョンジェ、チョン・ジヒョン、キム・スヒョンといったスター俳優が勢ぞろいした犯罪アクション「泥棒たち」が観客動員1302万人を超え、「グエムル 漢江の怪物」にかわって韓国映画歴代1位に。続いて9月公開のイ・ビョンホン初の時代劇「光海、王になった男」も1231万人(現在)で「王の男」を抜いて歴代3位と、相次いで1000万人を突破。さらに10月公開のオオカミ少年(ソン・ジュンギ)と世の中に心を閉ざした少女(パク・ボヨン)の恋物語「オオカミ少年」も拡張版も含め700万人を超えた大ヒット。
 その他、チャ・テヒョン主演の西氷庫の氷をめぐる時代劇コメディ「風と共に去りぬ」、寄生虫の集団感染の恐怖を描いたキム・ミョンミン主演の「ヨンガシ」、名古屋で地震を契機に出あった彼女(イム・スジョン)と結婚した男(イ・ソンギュン)が、最高の奥さんを得たずが離婚を決心するはめに至って考えたことは、という「私の妻のすべて」の3作も400万人を超えて、韓国映画は少なくとも本国では復活。そして年間の累積観客数も歴代初めて1億人を突破しました。国民平均年間2本の韓国映画を観たことになるそうです。
※韓国映画で過去1,000万人を超えた作品は①「グエムル 漢江の怪物」(2006)1,302万人②「王の男」(2005)1,230万人③「ブラザーフッド」(2004)1,175万人④「ツナミ」(2009)1,145万人⑤「シルミド」(2003)1,108万人(※以上、千の位4捨5入)でした。
 しかし、(私ヌルボの得た他情報によると)1000万人超えの2作は記録更新のために無理して上映スクリーン数の確保をはかったようで、その分ワリを食ってしまったマイナーな映画もあったそうですよ。

④キム•ギドク監督の「ピエタ」がベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞(18票)
 2012年3月日本公開の「アリラン」を見ると、キム・ギドク監督は近年かなりの創作の苦しみに苛まれていたようです。「ピエタ」は日本では2013年夏一般公開されます。

⑤イ・ビョンホンとイ・ミンジョンの交際(14票)
 6月熱愛説が流れた当時、2人はそれを否定しましたが、結局2ヵ月後公式に恋人同士であることを認めました。
 ドラマの中の恋人から実際の恋人に発展したカップルがチ•ヒョヌとユ•インナ。tvNの水木ドラマ「仁顕王后の男」の主人公の2人。6月ファンミ-ティングで、チ・ヒョヌはユ・インナを心から愛すると告白した時には彼女の方は特別な反応を見せていなかったそうですが、10日後盆唐(プンダン)の公園での深夜デートがスクープされた時は彼女はカメラに向かってVサインしたそうです。(笑) 8月にチ•ヒョヌは入隊。彼女については「具体的な言及を避けた」そうです。
 4月に結婚したスター女優チョン•ジヒョン、相手は韓服デザイナーのイ•ヨンヒの外孫のチェ・ジュンヒョクという男性だそうです。

⑥IUとウンヒョクの写真流出事件(12票)
 11月に人気女性歌手IUと、SUPER JUNIORのメンバーのウニョクのプライベートでのツーショット写真がネット上に流出し、騒ぎになりました。その写真は、熱愛説がささやかれてきた2人が顔を寄せあって並ぶ親密な様子が撮られているもの。ウニョクの上半身が裸に見えること、2人がベッドのような場所で寝転んでいるように見えることから密会中の写真として大きな波紋が広がりました。IUの所属事務所によれば、問題の写真は今年の夏IUの具合が悪かった時、IUの家にウニョクが見舞いに来てソファーで撮った写真だ。2人はデビュー時から親しい先輩後輩同士で、IUのお母さんとも一緒に食事をするほど親しいと説明し、熱愛関係にあるとする噂を否定しています。そして写真流出がIUの不注意によるもので、先輩のウニョクに迷惑をかけたことを謝罪しました。

⑦MBCの長期ストライキ(12票)
 李明博大統領の側近だったキム社長が「政治的な偏向報道を強要している」などとして公正放送回復と社長退陣を掲げて1月からストライキを繰り広げてきたMBC(文化放送)労組。結局韓国放送史上最長の170日間のストライキを7月まで続けました。その間組合は社長の公金流用疑惑をネット上で報道する等、市民に支持を訴えました。与野党の推薦を受けて成立した新理事会による調整•処理で一応合意をみたものの、まだまだ問題は多いようです。(<レイバーネット>は、韓国の労働闘争の諸情報を数多く伝えています。)

⑧カン・ホドンの芸能界復帰(9票)
 2011年9月に脱税容疑で放送活動を中断した<国民的>カン•ホドンですが、引退前に担当していたSBSの芸能番組「スターキング」に11月10日1年2ヵ月ぶりにカムバック。その時の動画がYouTubeにありました。(→コチラ。)
 ピアノの弾き語りをしてます。MBCで独立番組になった「膝打ち導師」にも復帰し、KBSでは1月から始まる新芸能番組のMCに抜てきとか。引く手あまたです。
 復帰といえば、2012年4月慰安婦をめぐる発言の波紋で活動を中断したキム•グラが5ヵ月の自粛期間を終えて活動を再開。この「慰安婦をめぐる発言」の詳細は→コチラの記事参照。関連で→コチラも。「極右派日本人と舌戦」なんて誰のことかと思ったら産経の黒田勝弘氏か。そりゃあ相手が悪かったね。しかし5年前、10年前の発言が非難の対象になるのか・・・。
 あ、<元祖花美男(원조 꽃미남)>のチャン•ドンゴンも「紳士の品格」で12年ぶりのドラマ復帰。
 兵役を終えての復帰組はヒョンビンカン•ドンウォン、・・・ってもう除隊!? ずいぶん早い感じ。心待ちにしてたファンにとっては長かったでしょうが・・・。

⑧うわさのあった芸能界のプロフォール事件が水面の上に現れる(9票)
 プロポフォールといえば、2009年に急逝したマイケル・ジャクソンの死因となったのがこの麻酔薬の静脈注射。幻覚を引き起こす麻酔薬だそうです。韓国芸能界でも以前からうわさはあったそうですが、10月18日タレントのエイミーがその使用容疑により、検察側から1年の実刑を求刑されたそうです。日本での一般知名度は高くはありませんが、SHINHWAのメンバーのイ・ミヌの元彼女として知る人ぞ知るタレントとのことです。

 ・・・あれ? ここまでで9つなのに「スポーツ韓国」はあと1つ書いていないぞ。票数が少なくて書けなかったのかな?
 ここは急遽<SB S2012芸能界10大ニュース>を援用して、1つだけ追加しておきます。

○破局・離婚したスターたち
 日本のファンたちも動揺したのが韓流スターリュ・シウォンが結婚1年6ヵ月で破局というニュース。現在離婚調停の手続きを進めているそうですが、離婚をしたい夫人とは異なり、リュ•シウォンは「娘のために家を守る」という意志を見せているとか・・・。
 以前日本のTV番組にも出ていた女性コメディアンのチョ•へリョンは性格の違いを理由に結婚13年で離婚。おしどり夫婦(韓国語ではインコ夫婦)として知られていたチョン•ノミン&キム•ボヨン夫婦も3月に離婚のニュースが伝えられました。チョン•ノミンの始めたマッコリ事業がうまくいかず「負担を妻に負わせたくなかった」と彼は理由を語っています。同い年の俳優カップルとして知られていたコン•ヒョジン&リュ•スンボム、熱愛10年の恋人関係を整理しました、というのが8月。2001年SBSドラマ「華麗なる時代」で共演して実際の恋人関係に発展、2003年に一度破局したものの復縁。しかし復縁後5年で再び迎えた破局に、ファンの間では「残念だ」という声が出たとのこと。

 「スポーツ韓国」は、2011年の芸能界がソテジとイ・ジアの離婚訴訟(1位)、カン・ホドン、芸能界引退(2位)、映画「るつぼ」が社会的波紋を起こす(4位)、芸能人A嬢のセックス動画流出(5位)など否定的な事件が目についたのに比べ、2012年は全般的に大衆に夢と希望を与えてくれたニュースが多かった」と総括し、「特にK-POP、映画、国内と海外など各分野の選んだ活躍を通じ、韓国芸能界が量的ㆍ質的な成長を成し遂げたと見ることができる」ととても肯定的・楽観的に結んでいます。
 うーむ、問題もいろいろあるとヌルボは思うし、細かく調べると実際あるんですけどねー。じき新年だから、ここまでにしときますね。

 では皆さん、よいお年を!
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★2012年 ヌルボの個人的映画ベスト10

2012-12-30 23:50:19 | 韓国映画(&その他の映画)
 1年前の本ブログ記事<★2011年 ヌルボの個人的映画ベスト10>と比べると、今回の2012年版はすごく考えました。というのは、例年ならベスト10に十分入るほどの高レベルの作品が30くらいもあったから。一応参考としてもうたくさんupされている他の皆さんのベスト10を見てみたら、やっぱり実にさまざま。たぶんキネマ旬報のベスト10も票が分散するのではないでしょうか?
 私ヌルボでも、どんなモノサシを用いるかでベスト10の順位も顔ぶれも大きく変わります。どんなモノサシでも不動というのは、後掲の順位①位と②位の2本だけです。

 さて、2012年に映画館で観た映画は、計87本。6月末まで48本だったので年間100本までいくかとおもったのですが、秋にペースダウンしてしまいました。
 純粋な韓国映画は、そのうち33本。例年よりはるかに多く、レベルも高かったです。「純粋な」以外では「塩花の木々、希望のバスに乗る。Ⅱ」「TESE」「外事警察」「陶磁の人」「あれが港の灯だ」「かぞくのくに」が韓国・北朝鮮に関係する映画。

 何はともあれ、ベスト10を発表します。

[2012年]
①ニーチェの馬
②ヒューゴの不思議な発明
プンサンケ(豊山犬)
ワンドゥギ
拝啓、愛しています
⑥ロボット 完全版
⑦桐島、部活やめるってよ
⑧三池 終わらない炭鉱(やま)の物語
かぞくのくに
⑩ピアノマニア
 別格:春夏秋冬そして春
 

赤色は韓国映画または韓国・北朝鮮に関係する映画です。

※87本とはいっても、未見の話題作や、観ようと思いつつ見逃した映画もたくさんあります。とくに日本映画。「ヒミズ」「希望の国」等、園子温監督作品は前年に続き見ずじまい。「ふがいない僕は空を見た」「任侠ヘルパー」「ヘルタースケルター」「夢売るふたり」「おおかみこどもの雨と雪」「苦役列車」「悪の経典」等々。外国映画では、集客力のあるアメリカ映画で未見のものが多数。「007:スカイフォール」「アルゴ」「アベンジャーズ」「ファミリーツリー」「ヘルプ 心がつなぐストーリー」「フランケンウィニー」等々。韓国映画でも「建築学概論」「ピエタ」等々未見の作品はいろいろ。

 さて、今回のベスト10で、他の映画ファンの皆さんのベスト10と重なる作品は少ないと思います。⑦が重なる確率がいちばん高く、次いで⑨②①⑥の順でしょうが、3つ重なっている人さえいないのでは?
 また、韓国映画ファンも、なぜあれを入れないのか、という疑問はあって当然です。
つまり、このベスト10の選定基準は、私ヌルボの独自のモノサシにこだわった結果ということです。
 以下、個別にみていきます。

 1位の「ニーチェの馬」は、おそろしく忍耐を強いられる映画! 服を着替えるだけ、あるいはジャガイモの皮をむいて食べ終わるまでをなんで繰り返しみせられなければならんのか!? おまけにその間父娘はずっと無言。その一方で全編のほとんどは吹きすさぶ烈風の音が続く。次の日は風がおさまるのか、と思いつつ観ていましたが、向かっているのは世界の終末なの? こんな映画表現があるんだなー・・・。(10代の頃観た「第七の封印」という難解でわからずじまいだった映画をなんとなく思い出しました。)
 2位の「ヒューゴの不思議な発明」は、映画サイトでの評価はイマイチ。「「不思議」でも「発明」でもない、だまされた」という感想つまりタイトルに対するクレームが目につきました。しかし映画愛に満ちた作品。私ヌルボにとっては初の3D映画がこれだったのはラッキー。センスオブワンダーが一段と増幅。フランスが舞台なのに英語というのが少しだけ気になりましたが。(「レ・ミゼラブル」も同様。)
 3位「プンサンケ(豊山犬)」、たとえば「トンマッコルへようこそ」等では「北韓も同じ民族じゃないの」という「南北ともに肯定映画」、もしくは「北朝鮮への片思い映画」だったのが、この作品では北であれ南であれ、国家そのものに対する批判が出てきています。「高地戦」もそんな要素が見られますが、こちらの方がより鮮明なので、そこを評価してこの順位。囚われた男女同士の愛のシーンは今年印象に残った名場面の1つ。
 4位「ワンドゥギ」。本ブログの過去記事(→コチラ)に書いたように、私ヌルボ自身読んだ青春小説が原作。主人公は混血の少年で、父子家庭、外国人移住労働者、障碍者等の問題を、とても健康的に描いていて、映画も原作の魅力をそのまま盛り込んでいます。観客の反応もすごくよかったのに、いかんせん上映館数少なすぎだったのが残念。「鑑賞の手引き」も本ブログで書いたんですけどねー。(→コチラ。)
 5位「拝啓、愛しています」を入れたのも「ワンドゥギ」と似ています。人気ネット漫画家カンプルの原作を読んでカンドーしたのが昨年(2011年)。主な登場人物はおじいさん2人おばあさん2人計4人のお年寄りで、テーマは(なんと)恋愛ですからねー。ヌルボも先入観にとらわれて長いこと積読のままでした。映画は原作に忠実です。ラスト等少しだけ違ってますが。今上映中。だまされたと思って観てみてください!
 6位「ロボット 完全版」。驚異のエンタメ。マサラムービーの魅力健在! クライマックスのロボット軍団のメタモルフォーズは奇想天外なアイディアてんこもり。しかしなんでそこでマチュピチュでのダンスシーン(!)が入るの?(笑)
 7位「桐島、部活やめるってよ」。数少ない日本映画から。未熟ながらもひたむきな高校生群像。こういう映画にはヌルボ弱いです。主人公は前田(映画部)じゃなくて菊池(野球部幽霊部員)なんだな。
 8位「三池 終わらない炭鉱(やま)の物語」。印象に残ったドキュメントが多かった中で、その代表がこれ。熊谷博子監督から直接話を聞きましたが、「むかし原発 いま炭鉱」という著書のタイトルにあるように、原発も炭鉱(の事故)も、あるいは水俣病についても大企業・行政・司法の緊密なスクラムは相変わらず。メディアも問題が多いしなー・・・。
 9位「かぞくのくに」、梁英姫監督、徐々に進化しています。安藤サクラが良かった。ただ、兄の監視役の男(ヤン・イクチュン)の存在は虚構で、そこが少し気になってこの順位。
 10位「ピアノマニア」。これぞ自分でも疑問のベスト10入り。スタインウェイの調律師(&ピアニストのエマール)の究極のこだわりを描いたドキュメンタリー。

 「春夏秋冬そして春」は、ヌルボは初めて観ましたが旧作なので別格にしました。画像の美しさと様式美、そして日本とも共通する仏教的無常観。「ピエタ」は未見ですが、キム・ギドク監督はこんな映画を作っちゃったからその後自分自身を超えるのに苦労することになったんだろうな。

 上記以外の映画について。韓国映画では、「サニー 永遠の仲間たち」「哀しき獣」「高地戦」「トガニ 幼い瞳の告発」「神弓 KAMIYUMI」等の佳作・力作多数。どれもベスト10レベル。「ハロー、ゴースト」はラストで一気に思わぬ大感動! 「短い記憶」は新鋭女優ユ・ダインに注目。「僕のヤクザな恋人」のチョン・ユミは期待通り。ドキュメンタリー「塩花の木々、希望のバスに乗る。Ⅱ」は久しぶりに観た「運動圏」映画。整理解雇と闘う労働者のパワーは健在。「ポエトリー アグネスの詩」は、ヌルボとしては、「おばあさん、まず第一にお孫さんと向き合ってください」という思いに捉われてしまいました。
 韓国以外の外国映画では「おとなのけんか」「戦火の馬」「声をかくす人」等がよかった。その他「ザ・レイド」は壮絶なガチバトルがすごいインドネシア映画。「ドライヴ」「わたしを離さないで」、小林信彦さんも大好きなキャリー・マリガンの魅力。「ドラゴン・タトゥーの女」もいいけど、原作の「ミレニアム」は超えられない。「レ・ミゼラブル」は、昨年観た「オペラ座の怪人」の方が曲の美しさや歌唱力で優っていたと思います。「ダークナイト ライジング」はとても楽しめましたが、「ダークナイト」には及ばないし、バットマンは基本的に体制側の用心棒だからな。敵役も前作のヒース・レジャーはとても超えられない。世評の高い「アルゴ」は、相手側の人間たちが見えてなさそうな映画なので意識的にパス。
 ドキュメンタリーでは、「情熱のピアニズム」の天才ジャズピアニストペトルチアーニには驚嘆。「誰も知らない基地のこと」はぜひ多くの人に観てほしい。日本のドキュメンタリーでは「ニッポンの嘘 福島菊次郎の夏」は反骨の写真家。「死刑弁護人」安田好弘弁護士は意外と(?)笑顔がカワイイ(?)。

 今回は特別に別バージョンのベスト10をあげておきます。重複なし。これでも全然おかしくないでしょ。
①サニー 永遠の仲間たち ②高地戦 ③哀しき獣 ④ザ・レイド ⑤ハロー、ゴースト ⑥ドライヴ ⑦戦火の馬 ⑧ニッポンの嘘 福島菊次郎の夏 ⑨僕のヤクザな恋人 ⑩死刑弁護人

[参考]過去5年のベスト10

[2011年]①サラの鍵②テザ 慟哭の大地③愛する人④彼とわたしの漂流日記⑤アリス・クリードの失踪⑥阪急電車 片道15分の奇跡⑦牛と一緒に7泊8日⑧未来を生きる君たちへ⑨ゴーストライター⑩エンディングノート

[2010年]息もできない過速スキャンダル冬の小鳥④ゲキシネ蛮幽鬼(日)⑤実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(日)⑥告白(日)⑦瞳の奥の秘密⑧飛べ!ペンギン⑨川の底からこんにちは(日)⑩ONE SHOT ONE KILL

[2009年]①グラン・トリノ②ディア・ピョンヤン(日)③妻が結婚した母なる証明チェイサー⑥チェンジリング⑦劔岳 点の記(日)⑧チョコレート・ファイター⑨戦場のワルツ⑩牛の鈴音

[2008年]①ダークナイト②パコと魔法の絵本(日)③ウリハッキョ(日)④休暇(日)⑤シークレット・サンシャイン⑥ラスト・コーション⑦接吻(日)⑧おくりびと(日)⑨闇の子供たち(日)⑩火垂るの墓・実写版(日)

[2007年]①世界最速のインディアン②パンズ・ラビリンス③キサラギ(日)④ドリームガールズ⑤それでも僕はやっていない(日)⑥夕凪の街 桜の国(日)⑦幸福(しあわせ)のスイッチ(日)⑧檸檬の頃(日)⑨幸福(こうふく)の食卓(日)⑩私たちの幸せな時間
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[韓国の食べ物]辛くなさそうな日本人おなじみのメニューに要注意!②地下鉄駅の日式(日本食)の魚子丼編

2012-12-29 19:32:02 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
 1つ前の記事の続きです。

    ≪日式店のカニ身・トビコ丼編≫
 最初は食堂ではなく 鐘閣の地下商街で、いつもなら素通りする小さな食堂で目に入ったのが「笑の家」と日本語で書かれた赤提灯の文字。「소노야(ソノヤ)」と読ませています。急ぎの客用のお手軽な日式店(일식점.イルシクチョム)ですね。

      
       【赤提灯にはつい反応してしまいます。】

 ショーケースを見たら、うどんや丼物が並んでいて、値段もお手ごろどころか、はっきり言って安い!

     
      【サンプルがこけてますが、好物の魚卵系に目をひかれました。】

 よし、今度こそ辛くないものが食べられそうだぞ、とメニューを見て熟慮。회덮밥 (フェトッパプ.刺身丼)にもひかれましたが、最初何かよくわからなかった게살알밥(ケサルアルパプ)に決定。どちらも5900ウォンだもんねー。

    
      【うどん、そば、ラーメン、丼物にすしセット等々、定番の和食メニューを網羅。】

 うどん・そばは各3種、ラーメンは豚骨・味噌・醤油の3種に海鮮担担麺、すしセットにハンバーグカレーもあります。
 ケサルアルパプは直訳するとカニ肉・卵飯ですが、メニーには「魚子丼」と書いてありました。ヌルボも筋子、タラコ等の魚卵は大好き。これはトビコのようですが、まあいいでしょ。
 代金先払いで待つことしばし。出てきたのが下の写真。

       
   【見た目が日本の丼物じゃないみたい。見本で横に並べてあったうどんも実はセットでした。】

 あら、取っ手付きの鍋みたいな容器。そして、中身は思ったより色が赤いぞ・・・。
 ちょっと食べてみると、なんだかピビンバのような感じで・・・。つまりは、容器も色も具材も、最初から「混ぜて食べろ」と要求しているのですよ。
 まあ致し方ないかと、ここは素直に混ぜて食べましたよ。

   
     【気持ちを取り乱したため、ピントが合いませんでした。】

 すごく辛いというわけではありませんが、(日本人として)フツーの辛くない丼物を予測し期待していた分、あては外れてしまいました。

 帰って調べてみたら、2010年11月にスタートした全州が本拠のフランチャイズ店で、ソウルでも地下鉄駅を中心に10店以上の店舗があるようです。

 また、たまたま全州で社長の用意した試食会の感想を各メニューごとに細かく書いたブログ記事を見つけました。(→コチラ。→自動翻訳。)
 この魚子丼については「炒めたキムチの量が多くて主材料のカニより強い味になっている」ので「カニを除いて魚卵にしぼるとか、キムチの量を減らしてカニをマヨネーズであえるのも1方法」、とプロらしく指摘しています。
 さらに、新林駅内の店舗でカレー丼を食べた人のブログ記事(→コチラ。→自動翻訳)を見ると、大きめの画像がいろいろ載っています。このブログ主さんは、この店のメリットとして次の3点をあげています。
  ・地下鉄の駅内で、通勤途中にも便利。
  ・6000ウォン前後のお手ごろな値段と、お手ごろな味。
  ・1人席(バー形式)があって、1人で食べるにもいい。 

 いずれもごもっともです。

 なんのかんのと書きましたが、私ヌルボ、これからも利用することがあるかもしれません。

 続編は、(もしあるとしたら)カレー編です。
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[韓国の食べ物]辛くなさそうな日本人おなじみのメニューに要注意!①カップうどん、スパゲティ編

2012-12-28 23:50:59 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
 私ヌルボ、韓国オタクだからといって辛い韓国料理を好んで食べるというわけではありません。全然ダメではないにしても、1日2食が限度。それもなるべくコチュジャンで真っ赤になってるものは避けたい気持ちの方がやや強いです。
 仲間と韓国旅行に行った時は、わりとフツーな感じで飲み食いしてはいますが・・・。

 先週のソウル1人旅は、書店で本を買い込んだりミニシアターで映画を見たり等々いつもの横浜での日常の延長みたいなもので、食事も、仲間との旅行では決して食べないような、日本ではポピュラーな洋食や和食を食べてみました。

    ≪カップうどん編≫
 最初は食堂ではなく、ホテルで夜食として食べたカップ麺。サットンホテルの同じ建物にあるセブンイレブンで買った農心の天ぷらうどん(튀김우동)です。
 思い起こせば2年前、やはりソウルのホテルで「スープが赤くない」カップラーメンのオダリラーミョンを食べたところ、「コチュジャンよりも胡椒の辛さが効いた、十二分に辛いラーメン」で、「ヒーヒー言いながら食べた」という記事を書きました。(→コチラ。)
 また、今年2月には、横浜の福富町の店で買ってきた、これも「スープが赤くない」ココミョンというカップ麺を食べましたが、これも相当に辛く、汗がタラタラ。ま、美味しかったですけどね。(→コチラ
そして今回。カップラーメンは赤くなくても辛いが、天ぷらうどんなら辛くないかもしれん、と思って確かめてみたのです。

      
           【一見辛くなさそう、でしょ?】

 ところが、食べてみてわかったことは「やっぱり辛かった」。報告終わり。

      
     【日本のうどんだ、と思って食べたらキケン(?) なぜ辛いのか、よくわからない。】

    ≪スパゲティ編≫
 大統領選投票日の19日、インディスペース(ミニシアター)から出て、大通り(セムナンキル)の向かい側、映画館cine cubeがあるビル地下のSPAGHETTIAというスパゲティ屋さんに入りました。イマ風に洗練された雰囲気の入りやすそうな店。
 で、メニューを見るとWESTERN STYLEEASTERN STYLEに大別されてます。後者は、あるぞあるぞ赤いのが。唐辛子マークがついているのも多いので、コチラはパス。無難と思われるWESTERN STYLEの方から、やはり唐辛子マークは避けて選んだのがボンゴレ・アグリオ。アサリとニンニク。お値段は1万3500ウォンね。

     
       【辛そうで、エグそう(?)なEASTERN STYLEのメニュー。】

 出てきた品は、器が大きく、ついでに水を入れたコップもでかい。ここの店、フォークはなくて、代わりにお箸なんですよ。

       
     【量は少なくはないのですが、容器が大きいので少なく見えます。】

 おなじみの味、と思って食べてみましたが・・・。
 あれ? ちょっと辛いような、たしかに辛いゾ。

 そして、小皿のお新香(のようなモノ)を何気なく口に入れてびっくり。これは正真正銘、辛い!
水をゴクゴク。ここででかいコップの意味がわかった。(?)

      
     【この小皿がじつはクセモノだったのです! 青唐辛子がさりげなく・・・。】

 帰り、ロッテモール金浦空港店のレストラン街に行ったら、この店もありました。チェーン店だったのですね。

    
       【SPAGHETTIAロッテモール金浦空港店。】

 その後インターネットでこの店のサイト(→コチラ)を見たら、これら2店を含めてソウル市内に6店舗あるのか。え、金浦空港店もあるぢやあないの、なーんだ。

 そしてこのサイトに載ってるメニューでボンゴレ・アグリオを見ると「매콤한 이태리 고추와 신선한 모시조개 스파게띠(ちょっと辛いイタリア唐辛子と新鮮なアサリのスパゲティ)」と書かれているではないですか。うーむ、気がつかなかったなー。

 しかし、ロッテモール店で同じボンゴレを美味しく召し上がったという国際結婚の奥さん(日本人)もいらっしゃるし(→コチラ)、意外なほど辛かったけど、不味かったというわけではありませんので悪しからず。

     
         【辛さのモトを探してみて下さい。】

 このあと、<丼物編>に続きます。たぶん。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[12月21日(金)~23日(日)]

2012-12-25 23:53:04 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 12月19日の大統領選の投票日、私ヌルボはソウルのミニシアターで朴正熙時代を描いたドキュメンタリー「維新の追憶」を観に行きました、という記事は→コチラ
 インディスペースという光化門駅からさして遠くない所にある映画館です。私ヌルボは21日(金)帰ったのですが、SARUさんのtwitterを見ていたら翌22日(土)夕方ソウルに着いて、「荷物抱えたまま」ソウル駅からタクシーに乗ってこのインディスペースに直行したみたいです。11月末にもソウル独立映画祭でやっぱりここに行ってるし、すごいな。しかしその時にはタクシーの運転手さんはこの映画館をご存知なかったし(そりゃそうでしょ)、今回の「チャイナブルー」鑑賞時は「おいらの猿生初の貸し切り鑑賞映画」だったそうです。 翌日にはアリラン・シネセンターに行って、そこでも観客はお一人だったようです。

 さて、今日シネスイッチ銀座に行って来ました。いつものように木村屋で桜・ゆず・栗のヌルボお好みセットを買い込んで。もちろん「拝啓、愛しています」ですが、いくら18:45からの回とはいえ、10分前に入ったら客は自分しかいないぞ! 始まる頃には5人になっていたが、ミニシアターでもなく、ましてこの映画なのにこの人数とは悲しい!! 映画はほとんど原作に忠実で良かったです。撮影地はどこかと思ってエンドクレジットを見たら仁川市の龍現洞(ヨンヒョンドン)だそうで、関係ブログ記事がありました。(→コチラ。)
 また、この原作漫画については本ブログの過去記事(→コチラ)で少しふれました。そこに書いたように、→コチラの韓国ブログ記事でイップニの故郷(江原道寧越郡スラリ峠)の写真と、ほとんど同じ原作本のコマを見ることができます。
 実は私ヌルボも、この原作本は、ほとんど年寄しか登場しない恋愛物(?)という設定だけであまり読む気は起らなかったのですが、実際に読んでみて思ったのは、若い人たちに強く薦めたい作品だということです。もちろん映画も同様。ぜひ観てみてください。

          ★★★ Daumの人気順位(12月25日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①MBの思い出(韓国)  9.2(854)
②南営洞1985(韓国)  9.2(1307)
③桃さんのしあわせ  9.2(57)
④不思議の国のガーディアン  9.1(396)
⑤SEARCHING FOR SUGAR MAN  9.1(85)
⑥おおかみこどもの雨と雪(日本)  9.1(262)
⑦ばんそうこう(韓国)  8.9(509)
⑧パイのための子守歌  8.9(76)
⑨シュガー・ラッシュ  8.9(80)
⑩出前持ちのウスさん(韓国)  8.8(179)

 新登場の作品は⑦「ばんそうこう」だけです。説明は後述。

【専門家による順位】

①愛、アムール  8.6(6)
②あなたはまだ何も見ていない  8.6(3)
③ファウスト  8.4(5)
④おおかみこどもの雨と雪(日本)  8.1(6)
⑤007 スカイフォール  8.0(7)
⑥劇場版ポケットモンスター
ベストウイッシュ キュレムVS聖剣士 ケルディオ(日本)  8.0(1)
⑥養子たち  8.0(1)
⑧シュガーマン 奇跡に愛された男  7.7(4)
⑧汚れなき祈り  7.7(4)
⑩桃さんのしあわせ  7.6(3)

 今回の新登場は①「愛、アムール」と⑥「劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ・・・」の2作品。
 ①「愛、アムール」は、今年のカンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いたミヒャエル・ハネケ監督の作品。パリの高級アパートで静かに暮らす80代のの老夫婦。しかし妻が病で突然倒れ、日常が少しずつ変わっていく・・・。韓国題は「아무르」です。日本では2013年3月9日公開。そういえば、上述のインディスペースの、大通り(セムナンキル)を挟んで反対側のビル地下の映画館cine cubeで上映中でした。(下写真)
 ⑥「劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ・・・」は今夏日本でやっましたね。韓国題は「극장판 포켓몬스터 베스트위시 : 큐레무 vs 성검사 케르디오」です。
     
        【向こうに見える巨大なオブジェが目を引きます。】

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[12月21日(金)~23日(日)] ★★★

         「レ・ミゼラブル」が初登場1位

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・レ・ミゼラブル・・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・・・788,856・・・・・・・・1,265,713 ・・・・・・・・9,281・・・・・・・673
2(15)・・ばんそうこう(韓国) ・・・・・・・・・・12/19 ・・・・・・・・・・・・・・・416,863・・・・・・・・・・703,021 ・・・・・・・・5,068・・・・・・・426
3(1)・・ホビット 思いがけない冒険・・・・12/13・・・・・・・・・・・・・・・・396,939・・・・・・・・1,988,620 ・・・・・・・16,567・・・・・・・585
4(95)・・家門の栄光5・・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・・・312,737・・・・・・・・・・528,858 ・・・・・・・・3,786・・・・・・・447
        家門の帰還(韓国)
5(10)・・シュガー・ラッシュ ・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・・・148,799 ・・・・・・・・・・289,461 ・・・・・・・・2,093・・・・・・・361
6(3)・・私のPSパートナー(韓国)・・・・・・12/06 ・・・・・・・・・・・・・・・134,944 ・・・・・・・・1,584,437 ・・・・・・・11,984・・・・・・・245
7(2)・・26年(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/29・・・・・・・・・・・・・・・・110,129 ・・・・・・・・2,874,676 ・・・・・・・20,644・・・・・・・293
8(新)・・劇場版ポケットモンスター・・・・12/19 ・・・・・・・・・・・・・・・・・93,500・・・・・・・・・・190,997 ・・・・・・・・・・736・・・・・・・273
         ベストウイッシュ キュレムVS聖剣士 ケルディオ(日本)
9(新)・・劇場版ポケットモンスター・・・・12/19 ・・・・・・・・・・・・・・・・・79,321・・・・・・・・・・159,436・・・・・・・・・・・530・・・・・・・227
         ベストウイッシュ メロエッタのキラキラ リサイタル(日本)
10(4)・・不思議の国のガーディアン ・・・11/29・・・・・・・・・・・・・・・・・48,571 ・・・・・・・・1,001,366 ・・・・・・・・7,706・・・・・・・175
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「光海、王になった男」は、今月12日のニュースで230万4000人を突破し、「王の男」(1230万2831人)を抜いて歴代3位になったことが報じられていたんですね。ここまでずいぶん引っ張ったものです。しかしKOFICの数字だと1229万7000なんだけどなー。今週は14位でした。
 で、新登場は1位・2位・4位・8位・9位の5作品です。
 1位「レ・ミゼラブル」は日本でも2日遅れて12月21日に公開されました。これは絶対観るぞ! 韓国題は「레미제라블」。
 2位「ばんそうこう」は、妻を失った消防士(コ・ス)が、恋愛に対し心を閉ざした女性医師(ハン・ヒョジュ)と出会い、互いの痛みと傷を癒していくラブストーリー。ちょっと変わったタイトルですが、おたがいが傷を負った相手にとってのばんそうこうになれるか、という意味なのかな? 原題は「반창꼬」、パンチャンコと発音するんですね。
 4位「家門の栄光5 家門の帰還」は、人気シリーズの第5作。10年前「家門の栄光」のため名門大出身のエリートのデソ(チョン・ジュノ)を婿に迎え入れたヤクザ一族のスリージェイ派だったが、今やヤクザを清算して建設業のまっとうな企業家の道を選ぶことになるが、血統ではないデソが社長職に就くとなると、いつかデソが会社を丸ごと奪われるかもしれないという不安感に包まれて、かつては全然違った作戦を展開する・・・。原題は「가문의 영광5 - 가문의 귀환」です。
 8位と9位の「劇場版ポケットモンスター」については、私ヌルボ、語る資格なしです。「ベストウイッシュ キュレムVS聖剣士 ケルディオ」の韓国題は「극장판 포켓몬스터 베스트위시 큐레무 VS 성검사 케르디오」で、「ベストウイッシュ メロエッタのキラキラ リサイタル」の韓国題は「극장판 포켓몬스터 베스트위시 메로엣타의 반짝반짝 음악회」です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(8)・・愛、アムール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・・5,538・・・・・・・・・・・・・・・9,205 ・・・・・・・・・72・・・・・・・・・・29
2(4)・・テイク・ディス・ワルツ ・・・・・・・・・・・・・9/27 ・・・・・・・・・・・・・・・・528・・・・・・・・・・・・・・64,010 ・・・・・・・・510 ・・・・・・・・・・3
3(2)・・夜のとばりの物語 ・・・・・・・・・・・・・・11/29 ・・・・・・・・・・・・・・・・482 ・・・・・・・・・・・・・・・9,646 ・・・・・・・・・73・・・・・・・・・・・9
4(6)・・桃さんのしあわせ・・・・・・・・・・・・・・・11/22・・・・・・・・・・・・・・・・・355・・・・・・・・・・・・・・10,369 ・・・・・・・・・77・・・・・・・・・・・4
5(7)・・シュガーマン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/11 ・・・・・・・・・・・・・・・・322・・・・・・・・・・・・・・22.672 ・・・・・・・・163・・・・・・・・・・・5
        奇跡に愛された男

 新登場は1位「愛、アムール」(仮題)だけです。これについては上述しました。
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大韓航空の機内食 - これはプリンにあらず

2012-12-23 23:50:13 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
 21日のソウルは雪でした。今年ただ1度の韓国旅行。ソウルで見る雪はこれが最後ね、と寂しそうにオジサンが呟いても、詩情のひとかけらもありまへんなー。

 そして金浦空港発羽田行きの大韓航空の機内で、アラこれは初めて、という機内食メニューが。
 それは何かというと、時間を逆回しにして写真を見てくださいね。

      
        【食べかけの写真ですみませんねー。スプーンですくって食べます。】


      
         【食べる前に、かけた液体は何?】

 さて正解は何かというと・・・・

      
           【皆さん、わかりましたか?】

 「모닝 두부(モニング トゥブ)」。「morning tofu」とも記されていますね。正解は豆腐です。

 私ヌルボ、豆腐は大好き。で、最初これを見た時はちょっとうれしかったのですが、食べてみたらちょっとねー・・・。
 豆腐の好みはというと、絹ごしよりも木綿豆腐。それも固いやつ。
 しかしこれは、最初の2枚の写真を見てプリンだと思った人もいるのではないでしょうか?  見た目だけではなく、実際食べてもそんな味でしたね。あ、舌ざわりも。

 また、小パック入りの醤油がなんだか甘いぞ。とろっとしてるし・・・。
 後から写真を見直したら、なんだ、醤油じゃなくて「드레싱(ドレッシング)」と記されているではないですか。

 うーむ、元来韓国の豆腐は縄で縛っても崩れないほど硬くて、角で頭をぶつけて死ねるくらいだったと何かで読んだんだけどなー。そういうのを食べてみたいです。(沖縄の島豆腐等々、昔の豆腐は概して硬かったんでしょうけどね。)

 そして豆腐にはやっぱり醤油でしょ。(ヌルボ、食べ物については保守的だな。)
 しかし、<大韓航空 日本地域ブログ>の記事(→コチラ)によると「お問い合わせナンバーワン!」がこの「機内食のお豆腐用ドレッシングとは?」なんですと。で、「豆腐ドレッシングの正体は、CJ第一製糖の「プレシアン」ブランドの「幸せの豆・オリエンタルドレッシング」なんですと。
 「豆腐自体は日本で食べられている絹ごし豆腐とほぼ同じものですが、豆腐がちょっとまろやかになるというか、フルーティーに感じられました」というのが大韓航空旅客チームの日本人スタッフの方の感想ですが、問い合わせた皆さんの感想や質問意図はどうだったんでしょうかねー・・・。
 と思っていくつかのブログ記事を見てみたら、「意味不明」というのもありましたが、けっこう好評のようなんですね、これが。
 ふーむ、私ヌルボは少数派ってことか。しかし硬い豆腐に醤油じゃないと、「ふるさとは豆腐を食って思ふもの・・・」というような日本的抒情の世界がさらに遠いものとなってしまうなー。

     
    【この中のもう1つが次の記事のネタです。(中央上の黄色いのはパイナップル。)】
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「京郷新聞」1面、朴槿恵の記事の下に姜尚中の著書紹介。その意味は?

2012-12-23 00:55:37 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 3泊4日のソウル旅行から昨日(21日)夜帰ってきました。といっても、寝坊して、本を買い込んで、ミニシアターでマイナーな映画を観て、コーヒー店でパソコンを打ち込んだりして、これじゃ横浜での日常と同じだー。
 今回は、初めて行ったロッテモール金浦空港店でずいぶん時間を費やしてしまいました。昨日早起きしてそこのロッテシネマに行っていたら、さらにひどかった。特に観ておかねば、という映画がなかったからパスしましたが・・・。「韓国はどこに行ってきたの?」と問われて、「金浦空港に行って帰ってきました」じゃおかしく、また悲しいですからねー。

 帰りの飛行機内で、数種類の韓国紙をななめ読み。どれも20日の朴槿恵が顕忠院を訪れたことと記者会見の内容が1面のトップ記事でした。
 大統領選当選者の初の公式日程として顕忠院を訪れた彼女は顕忠塔に献花・焼香し黙禱を捧げた後、李承晩・朴正熙・金大中元大統領の墓所を参拝したとのこと。朴正熙の墓前では、さぞかし感慨深かったことでしょう。

 本論に入る前に、ちょいと周辺ネタから。

   「5・1・6」という3つの数字の驚くべき(?)符号一致(笑)】

 「5.16軍事クーデター」で朴正熙が政権を握ったのが1961年5月16日。それから51年7ヵ月=51.6年後の選挙での朴槿恵が51.6%の得票率で大統領になった、という数字の偶然の一致から、これを神意(!)とみる話がネット上で広がっているという「東亜日報」の記事(→コチラ)があります。(自動翻訳は→コチラ。)

   【朴槿恵の墓所参拝パフォーマンス】

 朴槿恵が金大中元大統領の墓所を参拝したのは2度目。去る8月に盧武鉉元大統領の墓とともに金大中の墓を参拝しました。「国民統合のため」というふれ込みで、ねらいは当然選挙対策。(関連新聞記事(日本語)は→コチラコチラ
 その効果で、というわけでもないでしょうが、事実「統一日報」の記事(日本語)によると、韓光玉・韓光玉・金景梓等かつての金大中系の人々がこぞって朴槿恵支持を表明しました。
※その他、李会昌、李仁済等は当然として(金泳三もかな?)、かつて民主運動に携わり獄中生活も経験した金東吉・金重泰、そしてあの金芝河といった人たちも朴槿恵支持の側に名を列ねているのも興味深いところです。(その後の金芝河については、本ブログの過去記事(→コチラ)で少しふれました。「ウルトラ民族主義者」あるいは「ファシスト」とまで言われたりもしています。)

   【「京郷新聞」という新聞】

 韓国の新聞は、<朝・中・東>称される「朝鮮日報」「中央日報」「東亜日報」の大新聞3紙がいずれも保守紙で、それに対し左派系の新聞としては発刊の経緯からして当然の「ハンギョレ」があることは、韓国事情に通じている人にはよく知られていることだと思います。
 しかし、全国紙「京郷新聞」については、その紙名も、内容が中道左派志向であることも、上記4紙に比べると日本での認知度は今ひとつではないでしょうか?
 ウィキペディアの説明によると、日本の植民地時代にあった旧「京郷新聞」の題号を継承して1946年カトリック財団の新聞として創刊された新聞です。その後李承晩政権や朴正熙政権時代に筆禍を受けたこともあり、なるほどとうなずかれます。

   【21日付「京郷新聞」が1面下段(朴槿恵の記事の下)に姜尚中「続・悩む力」の抜粋を掲載した意味は?】

 さて、やっと本論。私ヌルボが機内で21日付「京郷新聞」を見てすぐに注目したのが、1面下段の<今日の思索(오늘의 사색)>欄で姜尚中「살아야 하는 이유(生きていくべき理由)」がとりあげられていたことです。「続・悩む力」の韓国版です。(下写真)

        

 毎日連載の<今日の思索(오늘의 사색)>は、1冊の本をとりあげて、その文章を抜粋して載せているのですが、1面だけに、直接的にではないにしろ時の政治・社会に関係がありそうな内容になっています。
※→コチラで最近の記事内容がわかります。(自動翻訳は→コチラ。)
 さて、その「続・悩む力」からどんな文章を抜粋しているかというと、記事全文は→コチラ(→自動翻訳)で読むことができますが、ポイントとなる最後の部分を次に掲げます。

 今、私たちの前には一人の尊厳をより強く毀損する極限の時代が開かれるだろう。弱く幼くて小さいものが蒙る苦痛を考えるともう胸が痛くなる。それでも生きて行かなければならない。そのいかなる苦痛を経験しても、自分は大切であり何物にも置き換えることのできない最も貴重な存在であることを忘れてはいけない。生きてこそ、ひとつの時代を耐えて、他の時代に進むことができるものだ。私たちの唯一性だけでも生きなければならない理由は十分だ。友よ、今はただきつい酒で傷ついた魂を癒したり、より良い世の中に対する夢をあきらめたりしないことだ!

 どうも今回の選挙で敗北を喫した左派系の人々への呼びかけのように読み取れるのですが、いかがでしょうか?

 [★姜尚中「살아야 하는 이유(生きていくべき理由)」は、今月14日の「朝鮮日報」の記事「2012今年の本10冊」にもあげられているように、韓国でもよく読まれている本です。]
     
 さらに、この1面の紙面右には、小さい記事ですがもう1つ「国民 幸福 韓国97位」という見出しの記事があります。(→自動翻訳。)
 ギャラップの調査によると、日常生活の中で肯定的な気持ちを持っている人の比率が韓国は63%で、148ヵ国中97位だった、というものですが、こういう記事を1面においたことも、「続・悩む力」の抜粋同様、朴槿恵当選という中での「京郷新聞」の意図といったものが込められているのかもしれません。

         
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現地(のTV)で見る韓国の大統領選のようす

2012-12-20 23:49:16 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 一昨日19日、すなわち大統領選挙の前日にソウルに着きながらも、ロッテモール金浦空港内の書店で2時間もいたりして、選挙戦の最後の熱気なるものがあったにしても全然わからないままでした。ははは(汗)。
 その日の夜7時頃、ソウル広場近くを歩いていたら、朴槿恵の横断幕(下写真)があったくらい。

       
  【寒かったので、このプラザホテル横の屋台で緑茶ホットクを買って食べながら店のアジュマと世間話。(「韓国は寒いねー」とか・・・。】

 TVではもちろんいろんな特集番組をやってましたが、今回の選挙はこれまでに比べると盛り上がりに欠ける、というのは木村幹神戸大教授のご指摘。たぶんそうなんでしょうね。もしかしたら、日本でも昔の方が投票率も高く、選挙も盛り上がっていたような・・・。今回の特色というより、時代の趨勢なのかもしれません。根拠はないですが。

 それでも、日本に比べると下のTV画面にもあるように韓国では「選挙は祭りだ!」という要素は多分にあるようです。
 各陣営にシンボルカラーがあって、その色のジャンパー等を着ています。

    
  【文在寅は黄色(&緑色)で帽子の2は候補者番号、朴槿恵の方は赤。右のセヌリ党ジャンパー製作業者はこの「特需」で2千着売りましたとのこと。】

         
  【細かいことですが、朴槿恵応援ジャンパー等の笑顔マークは박근혜(朴槿恵)の3つの子音(ㅂㄱㅎ)を図案化したもの。】

 選挙当日、投票時間は6:00~18:00。TVは、朝早くから全国&各地の投票率を刻々と速報。同時に、過去の選挙と同じ時間帯での投票率の比較等のデータも出したりしていました。

 国民の休日になるので、朝のラッシュもなく街は穏やかです。投票を呼びかける横断幕や掲示物はあちこちでみかけました。
 1つ前の記事が書きましたが、私ヌルボが行った映画館には、「投票をした確認証を持参したら割引します」という貼り紙もありました。

        
   【「大韓民国のために投票してください」と書かれた横断幕。午前11時頃、鍾路2街なのに道行く人は少ない。】

 ホテルに戻ったら、ちょうど午後6時のニュースが始まる時間。

 最初にYTNを見たのですが、いやー驚きましたねー。
 「出口調査の結果」として、「得票率は朴槿恵候補が46.1~49.9%、文在寅候補が49.7~53.5%で、文在寅候補がややリード」なんてやってたんですよ。

 えっ、終盤戦で逆転したの!?と半信半疑で他局を見ると、KBS・SBS・MBCはどれも朴槿恵の方が勝っています。
 どうもYTNの調査方法に問題があったようです。その後YTNは謝罪してます。(下画像)

   
    【YTNの1報をそのまま伝えた日本の一部メディアはどうしたのかな? 】

 動画は→コチラ。「結果として間違えてしまったことをお詫び・・・」という言い方は日本と同じです。

 開票速報でおもしろかったのは、各地域での投票経過が伝えられるのに合わせて、たとえばYTNでは勝っている候補の方が踊り、負けている方が渋い顔をする、というもの。

    
       【放送ではもちろん動画です。】

 とくにおもしろかったのはSBSの動画。朴・文両候補が制服姿の高校生という設定(!)で、勝っている方がランニングでリードするというもの。両者ともなかなか楽しそうな表情です。
 木村幹教授のtwitterでも紹介されていましたが、その動画は→コチラで見ることができます!
 これはオモシロイです。ぜひ見てみてください!!

※[12月21日の追記] →コチラの動画(やはりSBS)では両候補がフェンシングをやってますよ。朴槿恵がひょいと飛び上がって相手の検索をかわしたりしてます。一体誰がこんなアイディアを考えつくのかなー?
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ソウルのミニシアターで朴正熙時代を描いたドキュメンタリー「維新の追憶」を見る

2012-12-19 23:53:31 | 韓国映画(&その他の映画)
 1つ前の記事で書いたように、昨日(18日)からソウルに来ています。
 この時期になって、今年初めての訪韓。
 もっと年も押しつまると、費用がぐんと高くなるし、一応大統領選挙のようすを見てみるか、ということで場当たり的に日本脱出しました。
 と言っても、スケジュールも全然決まっていなくて、ソウルに来てもほとんど場当たり的。しかしそのわりには昨日も今日も収穫がいろいろで、結果オーライ。

 昨日映画のブログ記事を書きながら思い出したのは、「韓国でしか観られない映画を観に行く」という懸案事項でした。
 そこで、韓国の映画関係サイトでいろいろ探した結果「유신의 추억 - 다카키 마사오의 전성시대(維新の追憶 – 高木正雄の全盛時代)」というドキュメンタリーに決定。上映館はインディスペース(INDIE SPAC)Eというミニシアターで、公式サイト(→コチラ)を見ると今日が最終日で、それも12時40分からの1回だけの上映。場所は世宗路の李舜臣像の前の道(새문안길)を西に約300m、ソウル歴史博物館のすぐ近く。今回宿泊のサットンホテル(←めったにない大名旅行)から歩いて行けるし、何から何までちょうどいいでないの。

 ・・・というわけで、朝ゆっくり発って、タラタラ道草しながら行きましたよ。大統領選挙の投票日で、家族連れの人たちも多く、街はなんとなくのんびりした雰囲気。

 すぐ見つかるか少し不安だったのですが、ソウル歴史博物館の前から下の写真のように映画のポスターがすぐに目に入って、すぐにわかってよかった!

      
           【ポスターの向こうの建物の2階です。】

※ホテルに戻って日本のサイトを探索したら、ソウルナビにこの映画館の詳しい紹介記事がありました。(→コチラ)。
最初に見ていれば不安はなかった。)

 ビルというにはこぢんまりとした建物の中はちょっと寂しい雰囲気。まあ、日本のミニシアターも大体そんなものですけどね。

    
        【いかにも「芸術的」な雰囲気。】

   
       【エレベーターに張られた上映時間表。】

 開映10分前に行ったら、客はまだ誰もいませんでした。チケット(8000ウォン)を買ったら、そのオネーサンが何か言ってたのは、座席の位置のことだったんですね。聞き取り能力が今ひとつ(ふたつ? みっつ?)なので、すぐわからなかったです。
 中はソウルナビの写真にあるようにすわり心地のいい座席が120席。

      
   【建物の外観や内装等から推測したよりもずっとキレイ。客はヌルボ1人だけ?】

 上の写真のように、背もたれも後ろに何やら札のようなものが貼られています。何かと思ったら・・・。

     
      【前の席にはイム・スルレ監督、その隣にはイム・クォンテク監督の名前が・・・。】

 私ヌルボの目の前の字を読むと「イム・スルレ」。「飛べ、ペンギン」「牛と一緒に7泊8日」等、大好きな作品の監督です。その他、いろんな監督や俳優の名札なんですね。
[2013年6月9日の追記] SARUさんのtwitterによると、ここの座席は「ポンサー席」といったもので、上記の名前は寄付した人の名前なのだそうです。SARUさんはイム・クォンテク監督の座席の真後ろに座ったそうで、写真も付いています。

 さて、映画が始まる頃には観客は7人に。3人の家族連れ以外の4人は皆1人で来た人(含むヌルボ)で、やっぱりこの手の映画のファンは日韓共通か?

 上映作品のドキュメンタリー「維新の追憶 – 高木正雄の全盛時代」は、朴正熙時代の民主化運動弾圧を当時の映像や、関係者の証言で構成したドキュメンタリー。この時期に上映するというのは、あきらかに反・朴槿恵をねらったものですね。それはそれとして、とても興味深い内容でした。今の金芝河が登場したり、歴史学者・韓洪九がいろいろ語ったり、民青学連事件について詳しく説明されたり、太刀川正樹さんの名前が出てきたり、早川嘉春先生が当時のことを語ったり、人民革命党事件のことも、拷問の実態等も・・・。

     
  【この映画のチラシ。彼の顔は、貫禄とか威厳とかが感じられない、ちょっととっつきにくい一般人という印象なんですが・・・。】

 この映画のように「漢江の奇跡」といわれた経済発展のことを全て省くと、朴正熙はただただ悪いヤツだったと、ほとんどの人は思うでしょう。省かなくても、同じです。しかし「今の韓国があるのは・・・」と歴代の大統領の中でも1番に評価する人が多いというのも事実です。しかし、弾圧を受けた当人や遺族は・・・、ということで、歴史評価は一筋縄ではいかないようです。

 映画の背景に、キム・グァンソク「灼けつく喉の渇きで(타는 목마름으로)」や、ヤン・ヒウン(楊姫銀)「常緑樹(상록수.サンノクス)」が流されていました。私ヌルボにとっても懐かしい歌です。
 <民主主義よ、万歳!>と謳う「灼けつく喉の渇きで」は金芝河の詩。しかし今の金芝河はは意外でもない朴槿恵支持者になっていて進歩陣営の詩人・安度眩(アン・ドヒョン.안도현)等からは批判され(→コチラ)、キム・グァンソクはとっくの昔(1996年)に32歳の若さで首を吊ってしまったし(→関連記事)、もうずいぶん前から時代は変わっていた、ということのようです。ひどかった時代から、また別の全然よくない時代に・・・。

 映画が終ってから、ロビー(というほどの高級感は全然ないが)に置かれた本棚を見ると、100冊以上はある(?)本の中に、郷田マモラの「교도관나오키(教導官直樹)」すなわち「モリのアサガオ」や、小手川ゆあの「사형수042(死刑囚042)」がありました。こういう漫画をおいているところがいかにもミニシアターらしいところ。以前死刑を考える作品を上映したりしたのかな?

 今、テレビで朴槿恵の当選確定のニュースをやってます。
 このブログでもその件について書くつもりだったのですが、もう時間が・・・。

 あ、ここのエレベーターの中に映画「拝啓、愛しています」「26年」の原作の漫画家・カンプルの投票をよびかける漫画が貼られていました。彼はかくれなき進歩陣営側だからなー。上映作品ともども、この映画館の政治的立場はあまりにもはっきりしてます。

      
   【投票をした確認証を今日持参したら5000ウォンに割引ですと。】

 ツラツラ振り返ってみれば、韓国で映画を観たのは1992年釜山の南浦洞の映画館に初めて入って以来。その間20年のブランクか。長すぎたなー・・・。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[12月14日(金)~16日(日)]

2012-12-18 23:56:31 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 この1週間も映画を観ずじまい。ところが今日は映画館には行きましたよ。下の写真の・・・。

    

 ・・・そうです。at韓国ですがな! 今日(18日)の正午頃金浦空港に着いて、とくに行かなければならないところもないので、目の前にあるロッテモール金浦空港に初めて行ってきたのですよ。そこの1~5階にこのロッテシネマ
もあるんですねー。

     
         【上映中の映画です。】

       
    【券売機は桜木町の横浜ブルクでもありますが、それより少し進化しているような・・・。】

    
    【平日の昼なのに、家族連れとか中学生(?)とかの姿も・・・。】

 明日か明後日、ここでなくてもどこかで映画を観るというのもいいかも、と思いました。
 明日は大統領選挙で、公共施設等は休みになったりするんじゃないかな? 少なくとも、旧市庁舎の建物に開館したソウル図書館は臨時休館です。(で、今日行ってきました。)

          ★★★ Daumの人気順位(12月18日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①SEARCHING FOR SUGAR MAN  9.4(81)
②パイのための子守歌  9.3(70)
③桃さんのしあわせ  9.2(55)
④MBの思い出(韓国)  9.2(832)
⑤南営洞1985(韓国)  9.2(1250)
⑥不思議の国のガーディアン  9.2(372)
⑦おおかみこどもの雨と雪(日本)  9.1(260)
⑧出前持ちのウスさん(韓国)  8.8(178)
⑨家族シネマ(韓国)  8.8(20)
⑩私が告白したら(韓国)  8.7(51)

 新登場の作品は②「パイのための子守歌」だけです。フランス・カナダ合作で2010年の作。その年釜山国際映画祭でも上映されました。妻が死んでから、悲しみに沈んで好きな音楽まであきらめてしまった男。そして昏睡状態に陥り目が覚めた後、記憶を失って混乱に陥り世界から逃げたかった女。それぞれの傷を負った2人が偶然にトイレのドアを挟んで出会います。人の前で再び歌うことことはできないだろうと思っていた男は、寂しくないようにあなたがドア越しにいることを教えてという彼女の願いに、われ知らず歌を口ずさみ、だんだんとお互いに心を開き始めます。傷ついた男女が愛を通じて再び世界に向かう暖かい物語は、観客に希望のメッセージを送ります。この映画の最大の魅力は音楽。17曲にも及ぶ美しいOSTが観客の耳をひきつけます。韓国題は「어느 날, 사랑이 걸어왔다(ある日、愛が歩いてきた)」です。日本では未公開のままです。
 ⑨「家族シネマ」は11月18日の記事で紹介しました。

【専門家による順位】

①あなたはまだ何も見ていない  8.6(3)
②ファウスト  8.4(5)
③おおかみこどもの雨と雪(日本)  8.1(6)
④007 スカイフォール  8.0(7)
⑤養子たち  8.0(1)
⑥シュガーマン 奇跡に愛された男  7.7(4)
⑥汚れなき祈り  7.7(4)
⑧桃さんのしあわせ  7.6(3)
⑨テイク・ディス・ワルツ  7.5(6)
⑩家族シネマ(韓国)  7.5(2)

 今回の新登場はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[12月14日(金)~16日(日)] ★★★

         「ホビット 思いがけない冒険」がトップに

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・ホビット 思いがけない冒険・・・12/13・・・・・・・・・・・・・・・・922,425・・・・・・・・1,081,595 ・・・・・・・・9,131・・・・・1,028
2(1)・・26年(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/29・・・・・・・・・・・・・・・・410,341・・・・・・・・2,557,728・・・・・・・18,414・・・・・・・474
3(2)・・私のPSパートナー(韓国)・・・・・・12/06 ・・・・・・・・・・・・・・・354,567・・・・・・・・1,255,155 ・・・・・・・・9,251・・・・・・・420
4(3)・・不思議の国のガーディアン ・・・・11/29・・・・・・・・・・・・・・・165,982・・・・・・・・・・899,814 ・・・・・・・・7,030・・・・・・・361
5(4)・・オオカミ少年-拡張版(韓国)・・・・12/06・・・・・・・・・・・・・・・102,526・・・・・・・・・・372,068 ・・・・・・・・2,587・・・・・・・233
6(24)・・ワン・デイ 23年のラブストーリー・・12/13 ・・・・・・・・・・・・79,382・・・・・・・・・・103,128・・・・・・・・・・・756・・・・・・・236
7(13)・・ゴーカイジャー・・・・・・・・・・・・・・12/13 ・・・・・・・・・・・・・・・・26,402・・・・・・・・・・・34,731 ・・・・・・・・・・268・・・・・・・184
       ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦(日本)
8(6)・・私が殺人犯だ(韓国)・・・・・・・・・・11/08・・・・・・・・・・・・・・・・・22,606・・・・・・・・2,720,121 ・・・・・・・20,324・・・・・・・114
9(8)・・光海、王になった男(韓国)・・・・・・9/13・・・・・・・・・・・・・・・・・20,773・・・・・・・12,274,180・・・・・・・・88,621・・・・・・・・88
10(55)・・シュガー・ラッシュ・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・・・・・・・・19,181・・・・・・・・・・・33,625 ・・・・・・・・・・243・・・・・・・118
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「光海、王になった男」は歴代3位「王の男」(1230万人)まであと一息。相当に息切れしてますが。。
 今回の新登場は1位・6位・7位・10位の4作品です。
 1位「ホビット 思いがけない冒険」は日本でも12月14日に公開されました。ヌルボは予告編だけは観ました。韓国題は「호빗 : 뜻밖의 여정」です。
6位「ワン・デイ 23年のラブストーリー」も、6月に日本公開。韓国題は「원 데이」です。
7位「ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」は日本では2011年公開。韓国題も「극장판 파워레인저: 캡틴포스 VS 미라클포스 199 히어로 대결전(劇場版 パワーレンジャー:キャプテンフォース VS ミラクルフォース 199ヒーロー 大決戦)」と原題に輪をかけた長さ。何と言ってチケットを買うんだろう? ・・・と思ったら、最初の写真のようにタッチパネルで買うからカンケーないんですね。
10位「シュガー・ラッシュ」はディズニー・アニメの新作。TVゲームの悪役がヒーローになることを夢見て奮闘するのだそうです。日本では2013年3月23日。韓国題は「주먹왕 랄프(拳骨王 ラルフ)」。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・南営洞1985(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・11/22・・・・・・・・・・・・・・・1,462 ・・・・・・・・・・・・330,840 ・・・・・・2,347・・・・・・・・・・12
2(4)・・夜のとばりの物語 ・・・・・・・・・・・・・・11/29 ・・・・・・・・・・・・・・1,089・・・・・・・・・・・・・・・8,252 ・・・・・・・・・63・・・・・・・・・・14
3(新)・・ようこそ南イタリアへ ・・・・・・・・・・・12/06 ・・・・・・・・・・・・・・・・710・・・・・・・・・・・・・・・1,898 ・・・・・・・・・15・・・・・・・・・・16
4(8)・・テイク・ディス・ワルツ ・・・・・・・・・・・・・9/27 ・・・・・・・・・・・・・・・・579・・・・・・・・・・・・・・62,918 ・・・・・・・・501 ・・・・・・・・・・3
5(5)・・養子たち ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/06 ・・・・・・・・・・・・・・・・532・・・・・・・・・・・・・・・3,740 ・・・・・・・・・27・・・・・・・・・・・9

 新登場は3位「ようこそ南イタリアへ」(仮題)だけです。2010年のイタリアのコメディなんですが、基本にあるのは北イタリアの人たちが払った税金で国の経済を支えているのに、南イタリアの人は仕事をしない(仕事がない?)という差別偏見(?)です。南では時間もいいかげんみたいですよ。で、主人公は郵便局の支店長。妻が望んでいた自分の出身地ミラノへの転勤が決まるかと思ったらヘマがばれてあえなくボツ。「私はクビですか?」と上司に聞いたら、「もっとひどいことに・・・」との答え。「・・・南に移動になった。」 支店長氏、「南って、ボローニャ?(←半島中部より少し北)」と聞くと、「いや、ナポリの近く・・・。2年間は帰れない」と・・・。イタリア事情はよくわかりませんが、こういうのはケシカラン、けどおもしろそう! イタリアで大ヒットしたとか。続編の「ようこそ北イタリアへ」も今年(2012年)初めころ公開されました。うーむ、これは観てみたいぞ。韓国題は「웰컴 투 사우스(ウェルカム・トゥ・サウス)」です。

        
  【地上の出入り口辺りを見ると、人影はまばら。ところが中に入ると大勢の客が・・・。地下で行き来しているですね。】
コメント (4)
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[韓国の大統領選]の記事を書きかけですが、総選挙関係の相性判定サイトのことをちょいと優先して・・・

2012-12-15 12:26:51 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 あっという間に明日は総選挙! 
 もちろん日本のことです。

 韓国の大統領選候補者関係の記事を書きかけ中ですが、まだ明日の投票先を決めかねている人のために、記事の完成より優先して、参考となりそうなサイトを紹介しておきます。

 そういえば、「朝日新聞」にも「自分にピッタリの政党・候補は? 相性判定サイト花盛り」という記事がありましたね。(→コチラ。)
 それです。

 私ヌルボがためしたものは→コチラと、コチラ

 一応、なるほどな、という判定結果ではあります、と思います。
 しかし、この手の相性判定サイト、たとえば特定の政党に合致した場合のポイントを高く設定しておくと、その政党が「アナタにピッタリ!」という判定が出やすくなるのでは・・・、とも思ったりもしましたが、ま、少なくとも上掲の2つについてはそんなことはなさそう。
 まだ決めかねている人だけでなく、すでに決めている人もやってみてください。

 あ、それから最高裁裁判官の審査についても、たとえば→コチラのサイトが参考になると思います。

 ホントは、こういうのだけで手っ取り早く結論出しちゃいけないんでしょうけどね。
 しかし、世間には顔や知名度でなんとなく決めたり、熱心さ、誠実さや話し方で決めたり、およそ政策とは関係のない要素で投票している人がけっこういるようなのだなー・・・・。
 最高裁裁判官の審査の方は、何もわからないので、全員無記入とか全員×とかにしたり、先頭の1人にだけ×をつけたり、という人の方がむしろふつうかも・・・。
 それに比べると、安直ながらも相性判定サイトの結果で決める方がまだマシ、なんでしょうかねー・・・。
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[韓国関係新刊書紹介①] 鄭銀淑「韓国酒場紀行」(実業之日本社)は期待通り!

2012-12-14 23:26:12 | 韓国・朝鮮に関係のある本
         

 12月13日つまり昨日発売の鄭銀淑「韓国酒場紀行」(実業之日本社.1500円)は期待に違わず。韓国風に言えば「カンチュ(강추.強推)」=強力推薦の本です。

 鄭銀淑さん、毎度のことながら、いい仕事をしているなー、と思います。「いい仕事」というのは、出した本の内容のことだけでなく、いろんな所に行って美味しいものを食べたり旨い酒を飲んだり等々、うらやましい仕事という意味でもあります。

 私ヌルボが彼女の本を最初に読んだのは、「ドキドキ半島コリア探検―北も南も、ご飯がおいしい!人がいい!」(知恵の森文庫.2002)あたりからだったかな? アマゾン等で見ると、その少し前から書いていたようですが・・・。

 彼女の名前が広く知られるようになったのは、「韓国の「昭和」を歩く」(祥伝社新書.2005年)、「年韓国の美味しい町」(光文社新書.2006年)、「韓国・下町人情紀行 (朝日新書.2007年)と立て続けに新書版が発行された頃からでしょう。
 そして、これは新書ではありませんが、2007年に名著「マッコルリの旅」(東洋経済新報社)が刊行されました。

 これらの著書で、鄭銀淑さんが韓国の庶民的な飲食文化の紹介に果たした役割はすごく大きいと思います。私ヌルボのサークル仲間のオジサンたちも皆彼女のファンで、「マッコルリの旅」等をバイブルのように(?)携えて、地方の飲み屋巡りに出かけたりもしています。同じようなオジサンは、全国にずいぶんたくさんいるのではないでしょうか?

 振り返ってみれば、この10年ほどの間に、彼女の本も進化してきていますね。具体的に言えば、地方の店や地方料理への広がり、それに伴って登場する料理も街や店もだんだんディープになってきたということ。
 そして、たんに店や料理の紹介・説明はもちろん、プラスαの魅力が増してきました。それは鄭銀淑さん自身の能力&努力も当然あるでしょうが、編集者等のスタッフが酒好きのオジサンをはじめとする主な読者層の次なる興味を巧みに先取りした本作りをしているのでは、と推測しています。
 上掲の「韓国の「昭和」を歩く」や、「中国東北部の「昭和」を歩く」(2011年)のタイトルそのままに、「平成」の今ではなく、韓国旅行にも「昭和」の郷愁を求めるオジサン世代の心情にまさにフィットした内容で・・・。
※「鄭銀淑の事務所代表」というManchuria7さんもその代表的なお一人なのかな?(twilogは→コチラ。)

 また、文書中に大方の日本人がカチンとくるような歴史認識に関わる言説がないことも親しまれる理由かも。韓国の地方都市や旧満州に残る日本風の建物や店を見ても「こんな所にも日帝の残滓が!」と怒ったりせず、「懐かしさを覚える」と書いてあったりして・・・。ま、これは読者のことを考えれば当然か。

 さて、というところで、「韓国酒場紀行」の内容を見ていきます。

 紹介している店はソウル30店、釜山9店、その他の地方13店。
 基本的に、庶民の街の、庶民の店ばかりです。
  ※この中には、「ソウル大衆酒場の入門編」として広蔵市場も含まれています。
 やはりソウルの店が多い、とはいっても、その中に浦項、南原、木浦等々の地方料理や地方出身の店主の店がいくつもあります。

 掲載されている写真もいいですね。酒や料理だけでなく、大勢のお客さんたちが楽しそうに飲み食いしているようすが撮られていて、雰囲気が感じられます。
 ヌルボも以前全州や南原の飲み屋に行った時のことを思い出しました。感じたのは酒飲みはどこの国も同じ、ということ。言葉はよく通じなくても、気持ちは相通じるものがあります。というか、お互いがそう思っていい気持ちになる雰囲気があります。(韓国人の方が一般的に声が大きい等の差異はありますが・・・。)

 また、本書には「사람냄새(人の匂い)が失われつつある首都ソウルだが、大衆酒場にだけは・・・」という表現がありますが、この本自体、店主や客や、そして著者自身の사람냄새が感じられます。
 たとえば阿峴(アヒョン)市場の入口近くのジョン横丁で一杯ひっかけた後、階段を上って<タルトンネ(月の町)>に行き、縁台で飲んでる人たちに仲間入りして再開発の話を聞いたりした後、また屋台街に下りて「終電まであと1時間ある」から「仕上げ」だとか・・・、どこまで「事実」に即しているのでしょうか? 
 ※<タルトンネ>は、イ・チョルファン:著/草剛:訳「月の街山の街」の舞台となったような、丘の上の低所得者層の住宅地。都市の再開発が進み、ほとんど消えつつある。

 必ずしも「事実そのまま」でないとしても、著者自身がお酒も料理も、また人間も好きなことはよくわかります。
 そして「神谷バーとの最大の共通点は・・・」とか「狭い店内は新宿駅西口の思い出横丁風」とか「御徒町駅から上野アメ横辺りの飲み屋街にブルーカラー色を加えたような乙支路3街駅周辺」等々の記述からは、日本の(東京の?)庶民的な飲み屋街にも親しんでいることがわかります。(このあたりは日本人スタッフの感化?)

 他にもいろいろありますが、昨日出た本の紹介としてはとりあえずこんなとこでいいでしょ。
 あ、細かい点では、各店の住所はハングル表記も併記されていて、韓国語はダメという人もタクシーの運転手さんに見せればOKになってます。

※高陽市の「例の肉」の料理店の紹介記事で、「例」の字に傍点は付いているものの、どこにも「犬肉」と具体的に書いてないのは、ミスじゃなくて、わざと、なんでしょうね?

※全然関係ないことですが、年中行事を表す명절(ミョンジョル)が「明節」と漢字表記されていましたが、2種類の辞典で確認すると名節でした。「明節」となっているブログ記事等もあるし、うーむ・・・。

※鄭銀淑さんの公式サイトは→コチラ

★[12月18日の追記] 本書は、2011年1月刊行の「韓国の人情食堂」(双葉文庫)と、掲載されている店が重なるところがあり、また、一部同じ写真あるいは明らかに同じ時に撮られた写真も用いられています。しかし、重なり過ぎてはいません。たとえば「韓国の人情食堂」には木浦の食堂が7店載っているのに「酒場紀行」にはなぜかゼロ。大きな違いは「韓国の人情食堂」の方が文章主体の本ということで、たとえば、韓国の食文化についていろんな知識を得たいという人はコチラの記述が詳しい。新書ということもあって、カラー写真は冒頭の16ページだけ。それに対して「酒場紀行」は写真に大きなウェイトが置かれていて、視覚に訴える本です。また、コチラの本は店自体の説明が中心。
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12月15日に小川晴久「北朝鮮 いまだ存在する強制収容所」出版記念講演

2012-12-13 23:42:36 | 北朝鮮のもろもろ
 まだ先のことと思っていたら、今週土曜日に迫っていました。
なにかというと、小川晴久二松学舎大学教授の新著「北朝鮮 いまだ存在する強制収容所: 廃絶のために何をなすべきか」(草思社)の出版記念講演。
 北朝鮮強制収容所をなくす運動を進めている市民運動組織NO FENCEの主催で、12月15日午後13時~16時30分、港区芝大門の人権ライブラリーで開かれます。
 内容は、小川先生の講演の他、第22号管理所の警備をしていた脱北者・安明哲氏による「会寧22号収容所『閉鎖』の真相に迫る」と題した話等。詳細は、NO FENCEのサイト(→コチラ)参照。

 小川晴久先生については、本ブログでも6月29日の記事<小川晴久教授の6ヵ国協議批判、今も正論かも・・・>で紹介しました。
 学者としての専門は東アジア思想史、とくに朝鮮実学で、これも洪大容について書かれた「本ばかり読むバカ」についての過去記事でも小川先生の著書に少しふれました。

 リベラルな思想の持ち主であると同時に親北朝鮮だったというのが往時の日本の知識人の代表的な1タイプで、小川先生もその1人でした。しかし1994年北朝鮮の強制収容所のことを知って、以後
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会の結成に関わって代表となる等、その廃絶運動を続けてきました。
 今回の講演について、その北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会のサイト(→コチラ)でもその案内とともに、現代表の三浦小太郎氏が小川先生について紹介と新著の推薦文を書いています。
 「正直、私はいくつかの点、特に北朝鮮の歴史についての評価については著者と意見を異にしています」と政治的・思想的立場の違いも表明しながらも、好意に満ちた内容です。
 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会は、「右翼的な団体」と見る向きもあろうと思います。そのメンバーに、政治的に私ヌルボとは相容れない考え方の人もいないではなく、機関誌「かるめぎ」や理論誌「光射せ!」にもヌルボの見解とは異なる内容(朝鮮学校補助金問題等)も載っていますが、基本的には最大公約数でつながっている開かれた団体であると認識しています。
 また、アムネスティもこの催しには注目しています。人権、それも生存権をめぐる問題は、左右の政治的思想的立場以前の問題。これが私ヌルボの基本的認識です。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[12月7日(金)~9日(日)]

2012-12-11 21:55:27 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 先週の記事で書くつもりで忘れてしまったのが青龍映画賞の結果です。
 作品賞の「ピエタ」以下、候補作も含めて非常に詳細な結果は例によって<海から始まる!?>に報告されています。この記事で興味深かったのは、大鐘賞・大韓民国映画大賞等との比較。「一般の観客の意向がもっとも反映しやすいのが、大韓民国映画大賞で、次が青龍映画賞、そして大鐘賞ということになるでしょうか」と分析しています。とくに青龍映画賞については「興行記録を塗り替えるような儲かっている作品に賞を与えるのも癪だし、かといってキム・ギドクも好きじゃないし、という心理が働いた、ということもあるかもしれません」と記しています。また私ヌルボも知らなかったのが「青龍映画賞って、ユーストリームでライブ配信してたんですね」ということ。「臨場感もあり、ドキドキして、なかなかよかった」そうです。

 さて、私ヌルボはこの1週間は映画を観ずじまい。1月以来の本数は84本のまま。年間100本に達するペースだったのになー。
 今後の期待は、まず何度も書いた「拝啓、愛しています」ですね。韓国では観客動員数160万人。同じカンプルの原作で、今韓国でランキングトップの「26年」はもう180万人を超えましたが、個人的には「拝啓、愛しています」の方が映画としての収まりがいいのでは、と思います。(「26年」の方が時間(26年前と現在)も多くの登場人物も重層的に描かれているので。) 12月22日(土) からシネスイッチ銀座・シネマート新宿等で公開ですが、公式サイト(→コチラ)を見ると、アラ、来年になってウチの近所のシネマジャック&ベティでも上映するではないですか! 先月銀座テアトルシネマでの最終日にかけつけて観た「声をかくす人」も、観ようかなと思いつつ見逃した「桃(タオ)さんのしあわせ」も、未見の韓国映画では「ホン・サンス 恋愛についての4つの考察」「秘密のオブジェクト」も今後の上映予定のページにあります。それ以外にも、「駆ける少年」「略称 連続射殺魔」、以前に観た「阿賀に生きる」と、個人的期待作がいっぱい! いやー、ホントにありがたい映画館です。
※「略称 連続射殺魔」の説明を見たら、「作品の内容とともに見逃せないのが、スクリーンに映し出される、昭和44年(1969年)当時の風景である。永山則夫が拳銃を盗んだ海軍基地のある横須賀。黄金町のガード下と路地。そして現在ジャック&ベティが建っている若葉町通りにあった映画館、大勝館と千代田劇場。カメラは永山則夫になりきり、その劇場内へと進んでいく。彼もここで映画を観た・・・」という興味深い記述がありました。

※「拝啓、愛しています」の公式サイト等では、カンプルのことを「カン・プル」と表記しています。たしかに姓はカン(たぶん姜)ですが、本名は강도영(カン・ドヨン)です。カンプルというのは大学生時代彼が草(풀.プル)色ずくめの服を着ていたのを見て友人がつけたあだ名で、それをそのままベンネームとして用いているというわけです。たぶん本人もファンたちもカンが姓でプルが名であると意識してはいないんじゃないかな、とヌルボは思って、「カンプル」と続けて書いているのですが・・・。

          ★★★ Daumの人気順位(12月11日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①SEARCHING FOR SUGAR MAN  9.4(81)
②MBの思い出(韓国)  9.2(815)
③桃さんのしあわせ  9.2(55)
④南営洞1985(韓国)  9.2(1138)
⑤不思議の国のガーディアン  9.1(332)
⑥おおかみこどもの雨と雪(日本)  9.1(257)
⑦ファースト・ポジション  9.1(28)
⑧出前持ちのウスさん(韓国)  8.9(175)
⑨私が告白したら(韓国)  8.8(33)
⑩未熟な犯罪者(韓国)  8.8(84)

 新登場の作品はありません。
 ⑨「私が告白したら」はこのランク初ですが、11月20日の記事の興行成績の方で紹介済みです。

【専門家による順位】

①あなたはまだ何も見ていない  8.6(3)
②ファウスト  8.4(5)
③おおかみこどもの雨と雪(日本)  8.1(6)
④007 スカイフォール  8.0(7)
⑤養子たち  8.0(1)
⑥ミッドナイト・イン・パリ  7.8(7)
⑦シュガーマン 奇跡に愛された男  7.7(4)
⑦汚れなき祈り  7.7(4)
⑨桃さんのしあわせ  7.6(3)
⑩テイク・ディス・ワルツ  7.5(6)

 初登場は②、⑤、⑦「汚(けが)れなき祈り」の3作品です。
 ②「ファウスト」はソクーロフ監督作で、日本では 6月2日に公開されました。韓国題は「파우스트」。
 ⑤「養子たち」は、「イングロリアス・バスターズ」にも出演したフランスの若手女優メラニー・ロランの長編監督デビュー作です。一応原題「Les adoptés」を直訳して仮題にしておきましたが、韓国題は主演の役名の「마린(マリーン)」です。10歳の時に両親を失って養子となった女性マリーンははお姉さんのリサとその息子と一緒に幸せな日送っていましたが、ある日偶然に出会った男性"アレックスと運命的な恋に落ちます。リサは家族と過ごす時間がますます減るマリンを見てアレックスを牽制するので、マリーンは仕方なくアレックスを無理して避けてはみましたが、再び彼と会ってみると・・・、ところが・・・。フランスで養子というから、もしかして「冬の小鳥」のような要素があるのかな、と思ったのですが、そうではないみたい。
 ⑦「汚(けが)れなき祈り」は本年度カンヌ国際映画祭で脚本賞と女優賞を獲得したルーマニア映画。2005年にルーマニアの修道院で実際に起きた事件が素材です。同じ孤児院で育った2人の娘が、成長して孤児院を出ることになります。1人(ヴォイキタ)は修道院に入り、もう1人(アリーナ)は養子として農家に迎えられますが、実際は単なる低賃金労働力として使われていただけで、その後ドイツに家政婦として出稼ぎに行きます。修道院での過酷な暮らしにも慣れた物静かなヴォイキタに対して、反抗心が強いアリーナはどこにも居場所がなくなって、結局は彼女も修道院に入ります。しかしほとんど中世のように閉鎖的な修道院の生活の中で彼女はヒステリー症状に陥り、幻覚・幻聴のようなものをとらわれるようになってしまいます・・・。あ、来年3月16日に日本公開予定なのに詳しく書きすぎてしまった。韓国題は「신의 소녀들(神の少女たち)」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[12月7日(金)~9日(日)] ★★★

         「26年」が今週もトップを維持

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・26年(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/29・・・・・・・・・・・・・・・・606,875・・・・・・・・1,815,871 ・・・・・・・13,220・・・・・・・610
2(14)・・私のPSパートナー(韓国)・・・・・12/06 ・・・・・・・・・・・・・・・473,523・・・・・・・・・・565,551 ・・・・・・・・4,330・・・・・・・553
3(2)・・不思議の国のガーディアン ・・・・11/29・・・・・・・・・・・・・・・258,348・・・・・・・・・・667,887 ・・・・・・・・5,474・・・・・・・430
4(新)・・オオカミ少年-拡張版(韓国) ・・12/06 ・・・・・・・・・・・・・・・164,554・・・・・・・・・・183,029 ・・・・・・・・1,305・・・・・・・278
5(4)・・トワイライト・サーガ・・・・・・・・・・・・11/15 ・・・・・・・・・・・・・・・104,600・・・・・・・・2,578,590・・・・・・・・18,392・・・・・・・305
        ブレイキング・ドーンPart.2
6(5)・・私が殺人犯だ(韓国)・・・・・・・・・・11/08・・・・・・・・・・・・・・・・・95,262・・・・・・・・2,648,447 ・・・・・・・19,801・・・・・・・281
7(7)・・音痴クリニック(韓国)・・・・・・・・・・11/29 ・・・・・・・・・・・・・・・・42,000・・・・・・・・・・303,714・・・・・・・・・2,030・・・・・・・212
8(8)・・光海、王になった男(韓国)・・・・・・9/13・・・・・・・・・・・・・・・・・32,348・・・・・・・12,227,300・・・・・・・・88,310・・・・・・・・97
9(6)・・ドント・クライ・マミー(韓国) ・・・・・11/22・・・・・・・・・・・・・・・・・26,550・・・・・・・・・・956,740 ・・・・・・・・6,694・・・・・・・201
10(31)・・ジャッジ・ドレッド 3D・・・・・・・・12/06 ・・・・・・・・・・・・・・・・26,402・・・・・・・・・・・34,731 ・・・・・・・・・・268・・・・・・・184
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「光海、王になった男」は、先週から累積で6万人増か。歴代3位「王の男」(1230万人)を超えるまであくまでも引っ張るのかなー? あと1週間では無理そうなんだけどなー。
 今回の新登場は2位・4位・10位の3作品です。
 2位「私のPSパートナー」は、チソンとキム・アジュンが共演したロマンス・コメディ。「PS」という言葉の意味は日本ではわからないでしょ。私ヌルボもPlayStationの対戦相手かと思っちゃいました(?)。で、正解は馬力を表す単位記号、じゃなくて、Adobe Photoshop、でもなくて、超新星の歌。うそ、それは「p.s.」。正解は、Phone Sexすなわちテレフォン・セックスの意味なんだそうです。内容はというと、別れた彼女に新たな彼氏ができたと聞いて落ち込む男(チソン)に衝撃的な(?)電話がかかってくる。それは5年間もプロポーズを待った末に自ら考えたサプライズイベントの電話を間違ってかけてしまった女性(キム・アジュン)がかけたもの。それがきっかけで、彼は彼女の虜になって・・・、という展開。しかし、このポスターってのがなんとも大胆な「注目作」なんですよ(笑)。詳細は→コチラのブログ記事で見てみてくださいな。
 4位「オオカミ少年-拡張版」は、どこをどう拡張したのかというと、エンディングを修正し、新たに編集されたシーンを2分追加したとのことです。しかしその分観客動員の勢いが復活したかというと、それほどでもないようです。
 10位「ジャッジ・ドレッド 3D」は、イギリスのコミックが原作のSFアクション。1995年にシルベスター・スタローン主役で映画化された作品の完全リブート(再映画化)。日本では来年2月16日に公開ということで、すでに公式サイト(→コチラ)もできてます。韓国題は「저지드레드 3D」。「ジャッジ」のハングル表記「저지」を見て私ヌルボ、「低地」かと思っちゃいましたよ。あ、「阻止」も同じスペルか。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・私たちのバカ兄貴 ・・・・・・・・・・・・・・11/29・・・・・・・・・・・・・・・2,562 ・・・・・・・・・・・・・24,743 ・・・・・・・・180・・・・・・・・・・12
2(2)・・夜のとばりの物語・・・・・・・・・・・・・・・11/29 ・・・・・・・・・・・・・・1,731・・・・・・・・・・・・・・・6,236 ・・・・・・・・・48・・・・・・・・・・17
3(10)・・養子たち ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/06 ・・・・・・・・・・・・・・・・994・・・・・・・・・・・・・・・2,265 ・・・・・・・・・16・・・・・・・・・・13
4(3)・・桃さんのしあわせ・・・・・・・・・・・・・・・11/22・・・・・・・・・・・・・・・・・661・・・・・・・・・・・・・・・8,321 ・・・・・・・・・61・・・・・・・・・・・9
5(4)・・私が告白したら(韓国) ・・・・・・・・・・・11/15 ・・・・・・・・・・・・・・・・524・・・・・・・・・・・・・・10,472 ・・・・・・・・・79・・・・・・・・・・・7

 新登場は3位「養子たち」だけです。これについては上述しました。
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[韓国の大統領選]朴槿恵・文在寅以外の5人の候補者(上)

2012-12-08 23:51:56 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 東京都知事選は、有力候補者は何人になるんでしょうか? 「泡沫」ともいえない□□氏や△△氏は、はたして「有力」といえるのかどうか?

 今回の韓国の大統領選の場合ははっきりしています。有力候補者はセヌリ党の朴槿恵(박근혜.パク・クネ)と民主統合党の文在寅(문재인.ムン・ジェイン)の2人。
 日本の新聞には、この2人以外は11月23日不出馬を宣言した安哲秀(アン・チョルス)の名前くらいしかこれまでほとんど載っていないので、候補者が実は計7人もいるということはほとんど知られていないと思います。

 韓国の大統領選の行方は日韓関係の今後にも関わるということもあって、注目している人も多いでしょうし、上記2人の有力候補者についての情報もそれなりに伝えられているので、私ヌルボとしてはそのスキマをねらって(?)有力ではない5人の候補者について書いてみることにします。

 前の記事で少し説明した番号順にみていきます。
 まず③李正姫(이정희.イ・ジョンヒ)について。
 統合進歩党。有力候補者でないにしても、「有名」候補者であることはたしかです。
 2008年6月のローソクデモの際他の市民とともに連行され、その時の激烈な(?)写真が話題になったりもしました。(※コチラの写真入り記事参照。)
 ソウルの女子高生時代はすごく優秀で、韓国ウィキには学力考査の全国順位(!)まで出てます。
 ソウル大法学部当時は総女子学生会長。卒業後在韓米軍や女性問題と関わりながら弁護士となって活動を続け、2008年に議会内最左派の民主労働党の比例代表として国会議員に当選。党代表を務め、政党再編後の 統合進歩党でも共同代表を務めました。
 その統合進歩党、今春4月の総選挙では選挙前を6上回る13議席を獲得し、自由先進党を抜いて3党に躍進したものの、比例代表候補の党内予備選で代理投票等の不正行為が明るみに出て党内はしっちゃかめっちゃか。党外からの「従北派」批判も高まる中で彼女は共同代表を下りました。
 ※「しっちゃかめっちゃか」のその後の詳細は→ウィキ参照。

 ・・・というわけで現在統合進歩党の支持率も急減、李正姫候補の支持率も1%に満たない状態です。
 しかし、その李正姫候補が2人の有力候補とともになぜ12月4日のテレビ討論に出ることができたかというと、「世論調査の支持率5%以上」という条件からは外れても「国会議席5以上の党候補」に該当(現有6議席)するから。
 そして臨んだこのテレビ討論で、李正姫候補は「非常に目立った」と伝えられています。「産経新聞」黒田勝弘ソウル支局長は→コチラの記事で「視聴者は当選を競う2大政党の朴・文候補による政策討論を期待したが、保守与党の朴非難に熱を上げる親北・左翼の李候補の毒舌ばかりが目立ち、討論はぶちこわしになってしまった」と書いています。続けて「李正姫氏は学生運動上がりの弁護士。「朴候補を落とすために来た」と公言し冒頭から朴候補の父・朴正煕大統領について「元日本軍将校タカギ・マサオという名前だった」などと“親日派批判”をまくしたてた。延坪島砲撃やミサイル発射など自らに都合の悪い北朝鮮問題は意図的に無視。朴候補に対する人身攻撃など言いたい放題だった」と、黒田記者自身も主観交じりどころか主観丸出し書きたい放題の記事になっちゃってます。

 たしかに、「維新独裁者・朴正熙の娘」であることを攻撃材料にしている一方で、北朝鮮の3代世襲については、「保守政党と複数のメディアが3代世襲を非難している状況で、進歩政党まで葛藤を加えてはいけない」という理由で全然批判していないし、今回の選挙用横断幕を見ると、「ともに生きよう 大韓民国」とともに「想像せよ コリア連邦(상상하라 코리아연방)」と金日成が唱えた<高麗連邦>とよく似た言葉をスローガンとして掲げているようだし、テレビ討論の中で北朝鮮の長距離ロケット発射計画について討論中「南側政府は・・・」と言った後「大韓民国政府」と言い直したりもしてるし、「北朝鮮寄り」というよりも「北朝鮮べったり」ではないか、と言われる理由はたしかにたくさんありますね。
 ※あまり関係ないですけど、李正姫の「正姫」と朴正熙の「正熙」は全く同じ発音です。

 テレビ討論の李正姫について、「ハンギョレ」の記事はさすがに好意的です。(→コチラコチラ。)
 イデオロギー的・感情的・生理的(?)反発はおくとして、朴槿恵が全斗煥から生計費として6億ウォンを受け取った事実を明らかにしたこと、整理解雇問題や労働者に対する暴力的弾圧、済州海軍基地、龍山惨事、江原道ゴルフ場問題等々や、それらの問題を生み出したセヌリ党政権批判は耳を傾けるべき内容でしょう。
 また、以下のような核心公約(→コチラ参照)に賛意を表する人も多数いるのではないでしょうか?

1.韓米FTA廃棄で経済株券守護 
2.韓半島緊張緩和と平和体制実現
3.労動3策の実質的で完全な保障
4.基礎農産物国家収買制度で食糧株券実現
5.女性が幸せな社会
6.公教育正常化と教育費軽減
7.国家が責任を負う無償医療
8.1%の財閥解体で99%の庶民幸せ
9.富裕層と財閥に対する増税で福祉財源用意
10.原子力発電所廃棄、エネルギー転換


 これ以外に、国家保安法撤廃という主張も賛否を問わず注目すべきイシューですね。

 しかし、朴槿恵攻撃にターゲットを絞った李正姫候補のテレビ討論戦略の結果は、多くのメディアを見ると、文在寅の影が薄くなってしまい、また李正姫自身も反発を買ったりして、結局は彼女の意に反して朴槿恵を利することになってしまった、という見方が多いようです。
 (なぬなぬ? そこらへんの「陰謀論」なんつーのもあるの!? ホンマカイナ?? →コチラ参照。)

 ・・・で、最後になりましたが、私ヌルボに対して「ではオマエの立ち位置はどーなんだ?」という当然の疑問を持たれた方もいらっしゃると思います。その回答は「どの候補者についても欠点が見える」。日本の総選挙も同様で、無責任といえば無責任かも。しかし根拠のない期待感だけで票を投じるのも無責任でないはずはないでしょ。何を重視すべきか熟慮して、欠点は了解した上でしかたなく1票を投ずるしかないんでしょうねー。やれやれ、です。ホントはマイナス票を投じたい。あ、これもたくさんあって迷いそう。

 あらら、5候補について書くつもりが、李正姫候補だけでずいぶん文字数を費やしてしまいました。まあ「人気者」ってことで、ネタはいっぱいある人だからねー。で他の4候補は次回に回します。

★2008年民主労働党から国会議員になって以来現在までの李正姫の人気の変化を「高さ(km)」で示した→コチラの記事(韓国語)がおもしろい。2011年11月には宇宙圏にまで達する高い人気だったのが、2012年5月には地面に墜落、以後地下1000km→2000km、さらに下降中・・・。
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