ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

[韓国2011年上半期ベストセラー] 韓国文学は不作か? 小池龍之介「考えない練習」が総合3位!

2011-07-31 21:33:50 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 6月25日の「朝鮮日報」に、<2011年上半期ベストセラー200>のリストと、それについての識者の分析記事が載っていました。
 それからもう1ヵ月以上も経って、新鮮味に欠けるテーマになってしまったのは、リスト自体が目をみはるような内容でもなさそうで、正直なところ書こうという意欲が起こらなかったからです。しかし、考えてみれば「おもしろくない」という記録を残しておくことにも意味があるわけで、それなりの注目点と私ヌルボなりの感想を記しておくことにしました。
 ・・・ということで、上位20位まで紹介します。
※上記リンク先で200位までのリストを見ることができますが、全部訳すのはかったるいので、20位までにしました。
※「朝鮮日報」によると、このリストは大型書店の教保文庫と永豊文庫、大手ネット書店のYES24とインターパークの販売冊数を合算して作成したものです。

赤=韓国  緑=日本  青=その他の国
1位 キム・ナンド\t「苦しいから青春だ」\t31.5万\t(エッセイ)
2位 マイクル・サンデル\t「これからの「正義」の話をしよう」\t13.7万\t(人文教養)
3位 小池龍之介\t「考えない練習」10.1万\t(エッセイ)
4位 申京淑\t「オンマをお願い」\t9.2万\t(文学)
5位 チャン・ハジュン\t「世界経済を破綻させる23の嘘」\t9.1万\t(人文教養)
6位 ネレ・ノイハウス\t「白雪姫に死を」\t6.4万\t(文学)
7位 ギョーム・ミュッソ\t「紙の女」\t6.3万\t(文学)
8位 コ・ドウォン\t「愛していますありがとう」\t6.3万\t(エッセイ)
9位 ホアキム・デ・ポサダ\t「馬鹿ビクター」\t5.9万\t(自己啓発)
10位 イ・ジソン\t「リーディングでリードせよ」\t5.0万\t(自己啓発)
11位 シン・ジョンア\t「4001」\t4.4万\t(エッセイ)
12位 パウロ・コエーリョ\t「ブリーダ」\t4.4万\t(文学)
13位 朴婉緒\t「行けない道がより美しい」\t4.3万\t(エッセイ)
14位 イ・テソク\t「友だちになってくれますか」\t4.2万\t(エッセイ)
15位 ジョン・ガットマン\t「私の子どものための感情コーチング」\t3.9万\t(実用)
16位 小池龍之介\t「もう、怒らない」\t3.8万\t(エッセイ)
17位 ソン・ソンファ\t「ビルディング長者たち」\t3.6万\t(経済経営)
18位 キム・ジェドン\t「キム・ジェドンが会いに行きます」3.5万\t(エッセイ)
19位 孔枝泳\t「孔枝泳の智異山(チリサン)幸福学校」\t3.4万\t(エッセイ)
20位 金辰明\t「高句麗(1)」\t3.3万\t(文学)


 このリストに対する識者グループの分析結果には、<上半期ベストセラーから見た「韓国3大キーワード」>という見出しがつけられています。
 その3つのキーワードというのは、「挫折した青春」「不安な30代」「分配と代案」ということなのだそうです。「韓国社会に膨満した憤怒が生々しく表れている」と6人の識者たちが口をそろえているとか・・・。ふーむ、どこからそういうことが言えるのかな・・・。

 とりあえず上位の本を見てみます。
 1位は数字的に他を圧しているキム・ナンド(金蘭都)ソウル大教授の本。学生が直接評価する「ソウル大学の優秀講義」に選ばれるなど<ソウル大学のマイケル・サンデル教授>ともよばれています、と「オンニネ」というブログの記事にありました。
挫折した20代に向かって「努力し挑戦せよ」と励まして共感をよんだそうですが、このブログによると「40代のオンニも共感するところの多い本」で「自信(と自身)を取り戻すきっかけも見いだすのではないでしょうか?」とコメントされています。また「統一日報」でも韓国の社会状況と絡めた紹介記事(翻訳者の吉原育子さんによる)が載っています。
 2位は、日本でもブームになった本家のマイケル・サンデル教授。
 3位は日本の小池龍之介「考えない練習」。意外に思うどころか、「え、どういう人なの?」と疑問に思った人も多いかも・・・。東大出の僧侶で、詳しくはウィキ(→コチラ)を参照されたし。そういえば、この春頃、「朝鮮日報」に、彼の本の広告が「ベストセラー!」として大きく掲載されていましたねー。彼の著書は「もう、怒らない」も16位に入っています。
※「考えない練習」についての「週刊朝日」の書評は→コチラ
 これらベスト3の販売量が1~200位までの全体の販売数の5分の1を占めています。
 5位のチャン・ハジュンは新自由主義を批判する経済学者。「世界経済を破綻させる23の嘘」は日本でも刊行されています。
 11位のシン・ジョンアは、2007年エール大の博士号偽造と学歴を詐称し美術館の資金を横領したとして懲役1年6月の実刑判決を受けた元東国大助教授(女性)。この自伝的エッセイでは要人の名が実名で出てきたりして、再び話題を巻き起こしました。2007年の事件の概要はコチラの記事→「面白過ぎるシン・ジョンア学歴詐称事件」で。
 18位のキム・ジェドンは、さまざまな番組で活躍している1974年生まれの司会者。この本は、彼が「京郷新聞」に連載している各界を代表する25人とのインタビューを綴ったもの。
 20位の金辰明は、嫌韓派の非難の的というべき反日小説「ムクゲの花が咲きました」の著者。今度の「高句麗」は、東北工程以降高句麗はウチらのナワバリとと声を強めている中国に対抗する、どこまでも愛国心旺盛な作家です。(あーあ。)

 さて、私ヌルボが「おもしろくない」と書いたのは、とくに文学の分野で新鮮味が欠けるからです。
 一昨年の大ベストセラー小説・申京淑「オンマをお願い」が4位に復活したのは、4月28日の記事でも書いたように、英訳がアメリカで刊行されたことが大きく報道されたから。13位「行けない道がより美しい」は昨年もよく読まれましたが、朴婉緒は今年1月22日に亡くなって再び関心を集めました。

 文学分野を、100位までの中から拾ってみると次の通りです。
  
24位\tルイス・キャロル\t「不思議の国のアリス」
26位\t村上春樹\t「1Q84 (3)」
27位\t金辰明\t「高句麗 (2)」
34位\t金辰明\t「高句麗 (3)」
36位\t鄭裕静\t「7年の夜」
38位\tダグラス・ケネディ\t「ビッグ・ピクチャー
39位\tベルナール・ヴェルベール\t「カサンドラの鏡 (1)」
40位\t村上春樹\t「1Q84 (1)」
46位\tベルナール・ヴェルベール\t「カサンドラの鏡 (2)」
48位\t村上春樹\t1Q84 (2)」
49位\t孔枝泳\t「裸足で文章の路地を回る」
57位\t趙廷来\t「かかしの舞い」
74位\tスティーグ・ラーソン\t「ミレニアム (1)」
92位\t崔仁浩\t「見慣れぬ他人たちの都市」
95位\tクォン・ビヨン\t「徳恵翁主」
97位\t江國香織\t「流しのしたの骨」


 49位の孔枝泳「裸足で文章の路地を回る」は5月5日の記事に書いたように、今年の李箱文学賞受賞作です。
 57位の趙廷来(1943~)と92位の崔仁浩(1945~)は「大」がつくくらいのベテラン作家。
 日本人作家は相変わらずの顔ぶれ。奥田英朗などエンタメ系が入っていないのがやや意外。
 その他の外国作家に目を移すと、ここもミュッソといいコエーリョといいヴェルベールといい、うんざりするほどのマンネリ。
 目新しい作家はと探すと、36位の鄭裕靜(チョン・ユジョン)くらいなもんですね。この「7年の夜」を読んだ
JutakotaさんはTwitterに「面白かった~~~~! 骨太なプロットに鋭い切り開き、肉体/精神的な苦痛のクールな描写…ハードボイルド過ぎる女流作家の誕生。「文壇のアマゾネス」って適切な褒め言葉かも」と賛辞を書き込んでいます。この鄭裕靜(1966~)は2007年「私の人生のスプリング・キャンプ」で第1回世界青少年文学賞を、2009年「私の心を撃つ」で第5回世界賞を受賞。「強い主題意識と優れた構成、ストーリーを貫通するユーモアと反転」等が評価されたそうです。

 ・・・ということで、リストは前述のように200位まで続いていますが、それよりも小説とか漫画とか人文・社会等の分野ごとに見た方が得るところはあったかも・・・。
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[韓国語] アダムと「ハワ」だって!?

2011-07-30 23:21:49 | 韓国語あれこれ
 「東アジア歴史認識論争のメタヒストリー」(青弓社)はとても興味深い本ですが、その中の加納実紀代<「日本人妻」という問題>に次のような記述がありました。

 現在在韓日本人のうち、二十代後半から三十代では女性が男性の二、三倍。その多くが統一教会の合同結婚式による「日本人妻」らしい。統一教会の教義では、韓国はアダム国、朝鮮半島を蹂躙した日本は人類を堕落させたエバ国とされ、「日本人妻」には従順と忍耐が強いられているという。
※この情報の出所は中西尋子「韓国一農村部における統一教会と在韓日本人妻」(「消費者法ニュース」第61号.2004)

 韓国の農村部では4分の1が国際結婚で、それに伴う問題もいろいろ起こっているようですが、その件は今回はスルー。

 この記事で私ヌルボが思い出したのは、2007年12月に韓国で文鮮明教祖をナマで見た時のことです。(あ、桜田淳子も! ひろ~い会場の後ろの方だったので、小さくしか見えなかったが・・・。) といっても、私ヌルボが信者だということではないですよ。念のため。ただ物見高いだけ。
 さて、その文鮮明教祖の話の中で鮮明に(!)憶えているのが「アダムとエバ(orイブ)」ではなく、アダムとハワと言っていたこと。

 「ハワ(하와)」を初めて聞いたのがその時でしたね。「朝鮮語辞典」(小学館)には「[聖]イブ(アダムの妻)」と出ています。
 韓国サイトを検索してみると、イブ(이브)も用いられているようです。その中に、「イブは英語による表記ですが、ハワの由来は?」という質問と、その回答を載せているサイトがありました。→コチラ(→日本語自動翻訳)
 それによると、次のように表記されてきたそうです。
①ヘブライ語の聖書・・・ "ハワ"
②古代ギリシャ語の聖書・・・ "ヘウア"
③ラテン語の聖書・・・"ヘバ"
④英語の聖書・・・"イブ" 


※なお、キリスト教同様ユダヤ教の流れをくむイスラム教でも、あるサイトの記事によると「アダムとハワ」というそうです。

 最近、たまたま韓国で刊行されているさまざまな聖書(韓国ではふつう聖経(성경.ソンギョン))の全字句を、それぞれすべて(!)載せているという、すごいサイトを見つけました。→コチラ
 そこにあげられている17の韓国語聖書で創世記の第3章を見てみると(われながらヒマなこってす・・・)、イブ(이브)という表記は3つだけで、あとはすべてハワ。やはりこちらが大勢のようです。
※韓国googleの検索結果は「아담과 이브(アダムとイブ)」が127万件、「아담과 하와(アダムとハワ)」が93万件と、イブのヒット数がやや多い。

 韓国サイトをいろいろ探してみると、<聖経漫画 創世記からカインまで>というネット漫画がありました。そこでもやはり「ハワ」になってます。
      
【アダムはその女の名をつけてあげました。「おまえの名前はハワだ。人類の母という意味だ。」 アダムとハワは素っ裸で暮らしていましたが、悪いことを知らなかったために少しも恥ずかしくありませんでした。子どもが素っ裸でいても少しも恥ずかしさを感じない状態と同じでした。】
 では、韓国ではなぜハワが一般的なのか? 過去、聖書がどのような経緯で訳されてきたのか、ということを探ってみないとわからないでしょう。また現在、もしかすると教団等によってハワとイブのどちらを用いるかが違うのかもしれません。
コメント (2)
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[韓国語]豪雨のニュースで頻出する「山沙汰(サンサテ)」とは?

2011-07-29 23:52:00 | 韓国語あれこれ
 韓国の豪雨による死者・行方不明者は60人を超えたとのことです。
 <100年に1度の豪雨>ということが事実であるとしても、それが行政の水防対策の不備を隠蔽するものだとの批判が出てきています。(例の「想定外」という言葉が思い出されます。)

 さて、韓国のTV・ラジオで豪雨関係のニュースを聴いていると、「サンサテ」という言葉が何度も耳に入ってきました。「ポグ(폭우.暴雨)」による「サンサテ」で犠牲者が・・・という文脈なので、山崩れor土砂崩れという意味だろうなと見当はつきます。
 山事態(산사태)ということかな?・・・と思いつつ辞書を引くと「山沙汰(산사태)」が正解でした。
 意味は「山崩れ」사태(沙汰)だけでも「山崩れ」「土砂崩れ」の意味があります。雪崩「는사태」「사람의 사태」といえば「人の波」

 日本語では沙汰にこのような意味はありません。意味も同じ日韓共通の漢字語が圧倒的に多い中で、たまにこのように漢字は同じでも意味が違う言葉があるので要注意。しかし、なぜ「沙汰」の意味が日韓で異なるのはなぜでしょうね?
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韓国で豪雨。例年7月は多いが、今回は特に・・・

2011-07-27 23:51:20 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
  韓国では、26日から続く豪雨(韓国語では「폭우(暴雨)」のためかなりの被害が出ているようです。
 ソウルの市街地でも、清渓川が増水のため立入禁止等々のようすをANNのニュースが伝えています。
 →YouTube

 方背(パンベ)駅付近を走るバス内にも水が入り込んでいます。
 →YouTube

 方背駅は漢江の南の瑞草区ですが、同区内では山崩れで大量の土砂が住宅街に流れ込み、16人が亡くなったとか。
 また春川市でも27日午前0時頃、豪雨による土砂崩れで、ボランティア活動のためペンションに宿泊していた大学生ら約40人が生き埋めとなり、13人が死亡したそうです。

 韓国では、先月6月25日、梅雨の大雨による増水で、倭館にある「護国の橋」が損壊したことが伝えられました。(関係記事→コチラ
 この橋は1905年京釜線開通に合わせて日本が洛東江に架けた鉄橋で、朝鮮戦争当時、この鉄橋を挟んだ戦闘で北朝鮮軍の南下を防いだため「護国の橋」とされ、登録文化財にも指定されたこの橋が、よりによって朝鮮戦争開戦の日に崩壊したことや、また野党側からは現政府が推進している4大河川再生事業が原因と批判したこともあって、かなり大きく報道されました。

 さて、韓国の豪雨の動画を韓国サイトで探してみると、同じような動画がほぼ毎年7月にupされていることがわかります。
  つまり、程度の差はあれ、7月の豪雨は決してめずらしいことではないのですね。

 韓国の梅雨は日本より遅く、6月下旬から7月下旬です。また日本のようにそぼ降るような雨ではなくて、ザーザー降るようです。

 東京とソウルの月別降水量を比較すると一目瞭然。(下図参照。2011年。)東京では梅雨の6月と台風の9月に多くなっていますが、ソウルでは7・8月。それも東京の6・9月の2倍近くの降水量ですからハンパじゃないですね。ソウルでは、その2ヵ月合計で年間降水量の半分を上回っています。
   

 韓国気象庁によると、今回の豪雨は、ソウルでは降り始めからの雨量が430ミリを超え、7月としては観測史上最高とのことで、すでに上のグラフの1ヵ月分の数値を大きく上回っています。被害がこれ以上広がらないことを祈ります。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[7月22日(金)~24日(日)]

2011-07-26 18:15:06 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 せっかく良い映画でも、大々的に宣伝費をかけられない等の事情で、探索網にひっかからず見逃してしまったり、映画祭のような中でしか上映されなかったため観られないケースが往々にしてあるのは残念なことです。
 <映画生活>のサイト中のランキングはずいぶん参考にしていますが、私ヌルボの今年前半のベストの「テザ 慟哭の大地」は採点者2人の平均点が75点なのに表示は65.63点、「あぜみちジャンピンッ!」「グッド・ハーブ」は採点者1人が100点をつけているだけで表示は66.38点。「コクリコ坂から」は実際の平均は70点(採点者137人)ですが表示は69.64点。このように大々的な宣伝で集客力のある映画が上位にランクされる仕組みになっています。作品の認知度をいかに高めるかが、とくに宣伝にお金をかけられない独立系の映画の場合は大きな課題ですが、ファンの側もいろいろと目配りする必要があります。
 ということで、本ブログでも毎週KOFICのサイトから観客動員数の上位10位までを紹介していますが、ずっと下の方(70~100位)を見てみると、案の定注目作がいろいろ。
 ・・・で、その中からマイナーな韓国映画を紹介、と思ったところ、ふと見ると日本映画で「번개」とか「흐르다」という見慣れない作品名がいくつもあります。調べてみたら、7月15~24日、鍾路のソウルアートシネマで韓国シネマテーク協議会主催・成瀬巳喜男監督作品特別展という催しが開かれていたんですね。※関係記事(日本語)→コチラ
 上映作品は以下の12作でした。
 「妻よ薔薇のやうに(아내여 장미처럼)」「おかあさん(엄마)」「稲妻(번개)」「あにいもうと(오누이)」「山の音(산의 소리)」「晩菊(만국)」「浮雲(부운)」「流れる(흐르다)」「女が階段を上る時(여자가 계단을 오를 때)」「放浪記(방랑기)」「乱れる(흐트러지다)」「乱れ雲(흐트러진 구름)」
 それぞれ約100~200人くらいの観客が来たようで、ささやかではあれ、日本の過去の名作が韓国でも上映されるのはうれしいことです。ヌルボが観たのは12作中9作かな。大好きな「鶴八鶴次郎」が入ってないのはちょっと残念ですが・・・。あ、「歌行燈」も・・・。

    ★★★ Daumの人気順位(7月26日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①トゥルー・マッ(味)・ショー(韓国)  9.6(98)
②ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2  9.4(827)
③アンサンディ  9.4(40)
④インサイド・ジョブ  9.4(39)
⑤サニー(韓国)  9.3(3128)
⑥未来を生きる君たちへ  9.1(67)
⑦カストラート  9.1(55)
⑧ごめんね、ありがとう(韓国)  8.9(58)
⑨プレイ(韓国)  8.9(41)
⑩イリュージョニスト  8.9(27)

 ③と⑨が新登場です。
 ③、今年のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたカナダ映画で、原作はレバノン出身のカナダ人ワジディ・ムワワッドの戯曲。アラブ系カナダ人の双子の姉弟が母の死後、遺言書で父と兄が中東にいることを知り、妹が一人彼らを探しに向かうが・・・。ん? レバノン内戦? 予告編→コチラ。これはおもしろそうな予感がしますよ。今秋日本公開。韓国題は「그을린 사랑(焼け焦げた愛)」、フランス語の原題「Incendies」は火災、戦乱という意味です。
 ⑨は「本格音楽映画」と銘打たれた韓国映画。カフェで偶然知り合った若者2人、バンドを組もうということになって、これにドラマーも加わってモダンロック・バンドを結成する。音楽の中に自分たちの夢とためらいがちな愛等を感性的なメロディとともに描く・・・。予告編は→コチラ

【専門家による順位】

①ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2  8.5(4)
②トスカーナの贋作  8.3(6)
③イリュージョニスト  8.0(6)
④アンサンディ  8.0(5)
⑤茂山日記(韓国)  7.9(11)
⑥インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実  7.5(2)
⑦告白(日本)  7.3(9)
⑧高地戦(韓国)  7.2(9)
⑨大切な日の夢(韓国)  7.0(6)
⑨コパカバーナ  7.0(6)

 ④だけが新登場です。(上述しました。)

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[7月22日(金)~24日(日)] ★★★
         「サニー」が700万人を超える

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数

1・・ハリー・ポッターと・・・・・・・・・7/13・・・・・・・・・・・716,937・・・・・・・・・・・・2,976,590・・・・・・・・・628
     死の秘宝 PART2
2・・高地戦(韓)・・・・・・・・・・・・・・・7/20・・・・・・・・・・・559,220 ・・・・・・・・・・・・・825,034・・・・・・・・・721
3・・クイック(韓)・・・・・・・・・・・・・・・7/20・・・・・・・・・・・440,123 ・・・・・・・・・・・・・635,592・・・・・・・・・633
4・・トランスフォーマー・・・・・・・・・6/29・・・・・・・・・・・226,298・・・・・・・・・・・・7,361,063・・・・・・・・・478
     ダークサイド・ムーン
5・・カーズ2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/21・・・・・・・・・・・179,524 ・・・・・・・・・・・・・219,974・・・・・・・・・456
6・・HOP・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/21・・・・・・・・・・・・82,698 ・・・・・・・・・・・・・100,680・・・・・・・・・268
7・・サニー(韓) ・・・・・・・・・・・・・・・・5/04 ・・・・・・・・・・・73,073・・・・・・・・・・・・7,100,402・・・・・・・・・216
8・・猫:死を見る2つの目(韓) ・・・7/07・・・・・・・・・・・・16,286 ・・・・・・・・・・・・・655,725・・・・・・・・・120
9・・赤い帽子の真実2 ・・・・・・・・・7/13・・・・・・・・・・・・10,878 ・・・・・・・・・・・・・152,377 ・・・・・・・・・・65
10・・庭を出ためんどり(韓)・・・・・・7/28・・・・・・・・・・・・・8,097 ・・・・・・・・・・・・・・35,355 ・・・・・・・・・・48
                               ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。

 5・6・10位が新登場。その中で、今週も「サニー」は3位と健闘、700万人に迫ってます。
 1位は「ハリポタ」が2週連続。
 2・3位の韓国の大作は、先週は先行上映でさほど数字は多くなかったんですね。今週はそれなりの数字にはなっていますが、これが多いと言えるかどうか・・・。今後に注目。
 5位、ディズニー・アニメ。日本でも7月30日に公開されます。韓国題は「카 2」。
 6位もアメリカの実写+アニメ。ティム・ヒル監督の作品はこれまでも「アルビン/歌うシマリス3兄弟」が韓国では好評だったようです。イースター島からロックバンドのドラマーを目指してアメリカにやってきたイースターラビット、自動車にひかれて負傷してしまいますが、その後次々と騒ぎを引き起こし・・・。原題は「HOP」、韓国題は「바니버디(バニーボディ)」。
 10位は韓国アニメ。一般公開は28日からですが、前評判は良いようです。養鶏場を脱出して外の世界に出ためんどりとマガモの夢と自由を求める勇敢な挑戦の物語、だそうです。原題は「마당을 나온 암탉」。
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今晩韓国KTVで日韓合作映画「東京タクシー」(2009)放映  パソコンでタダで観られます!

2011-07-26 11:39:36 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 本ブログ先週7月20日の記事に載せた情報ですが、今日(7月26日)の23時から、韓国KTVの番組<独立映画劇場>で、日韓合作映画東京タクシー」(2009)が放映されます。

 先の記事でも記したように、KTVの番組表の左上隅の<생방송(生放送)>を押すとバッチリ観られます。(画面が小さいのが難ではありますが・・・。)
 字幕がどうなっているかわかりませんが、日本語のセリフ部分に韓国語字幕でしょう、たぶん。

※[2014年5月5日の追記] 現在、KTVの視聴は会員加入手続が必要で、その中で住民登録番号の入力が求められます。ということは、外国人はダメ。なんとか手だてはないか問い合わせてみます。

 この作品は、過去韓国文化院で上映されたり、<大阪アジアン映画祭>で上映されたりしてきましたが、一般公開はなし。ということで私ヌルボは未見。この機会に観てみようと思います。

 内容は、Innolifeの記事等によると、次の通り。
 日本で売れないロックバンドをやっている青年が、韓国で開催されるロックフェスの出演依頼を受ける。しかし、彼は飛行機恐怖症。困り果てた彼はなんとタクシーで韓国のソウルに向かうことに・・・。しがない中年タクシードライバーを巻き込み展開する世代、国境を越える驚きと笑い、切なさが溢れる新感覚ロードムービー!
 さらに詳しくは、<映画分析研究所>の宮城所長の大阪弁による紹介参照。→コチラ
※SARUさんがupしたキム・テシク監督のインタビュー動画は→コチラ
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★韓国の怪談(都市伝説) その2★ タルギャル鬼神(玉子お化け)の2タイプ

2011-07-23 16:52:58 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 →1つ前の記事で紹介した「赤いマスクの女」だけでなく、韓国の怪談(都市伝説)については韓国の怪談」(KAWADE夢文庫)を読むまで全然知りませんでした。
 この本の冒頭に載っているのがタルギャル鬼神で、これは韓国では非常にポピュラーなお化けのようですね。タルギャル(달걀)は玉子のことで、日本のウィキにも「卵鬼神」という見出し語で紹介されていました。

 この本のタルギャル鬼神の怪談2つを要約すると次の通りです。
①大邱の中学校の女生徒が学校のトイレの一番奥の個室に入っていた。すると誰かがやって来て一番離れたトイレをノックし、中に誰もいないとわかると「あっ、いない」と言い、次のトイレに移ってまたドアをノックする。そこでもやはり「あっ、いない」と言って次へ。そしてついに女生徒の入っているトイレの前までやってくる。女生徒は一体誰がやってきたのだろうと思って、ドアの下の隙間からそっと覗いてみた。すると「あっ、いる」という声。隙間を通して女生徒とその不気味な者の目があったのである。恐怖のあまり女生徒は気絶してしまった。このトイレをノックする不気味な化け物がタルギャル鬼神であった。 
②ある時2人の生徒がトイレに入った。1人は用をすませたが、もう1人は出てこない。あまりに遅いので、待たされている方の生徒はトイレに戻ってもう1人の入っているトイレのドアを開けた。すると中でタルギャル鬼神が友だちを食べているではないか。驚いて声も出ない生徒にタルギャル鬼神は言う。「腹がいっぱいになったのでおまえは食わない。今見たことは絶対に秘密にしろ」。その生徒は、日が経つにつれてこの時のことを誰かに話したくてたまらなくなった。ある日、クラスの全員が運動場に出て、その生徒ともう1人の生徒が教室で留守番をすることがあった。その生徒は、結局話したいという欲望に負け、トイレでのことをもう1人の生徒に話してしまった。すると横の生徒の顔が急に魔物のような顔に変わり、うなるような声で叫んだ。「話すなと言ったのに!」。タルギャル鬼神に変化したその生徒は、約束を破った生徒を今度は食べてしまった。


 ・・・このタルギャル(玉子)鬼神、なぜ玉子かというと、体全体が玉子のように丸く、それに細い手足がついた形をしているからなんですね。トイレと密接不可分のようで、逆立ちで歩くため、上記のようにトイレの扉の下の隙間から覗くことができ、中の人を見ることができるということです。

      
  【このように倒立している状態で歩くのが特徴。韓国のトイレは下の隙間が広いのかな?】

 ところが、韓国のサイトをいくつか見てみると、タルギャル鬼神には、この体全体が玉子の形状というタイプの他に、<顔が玉子の形状>というもう1つのタルギャル鬼神のタイプがあるようなのです。
 たとえば、「朝鮮日報」は、今年5月9日に「ソウルに「タマゴお化け」出現」というニュースを伝えています。

   
     【雨の光化門十字路から、教保文庫店内に侵入したタルギャル鬼神たち。】

 これはホモルーデンス・カンパニーという身体劇の劇団が<ハイソウルフェスティバル2011>の一環として行った街頭パフォーマンスですが、写真のように目鼻口のない玉子型のような顔で、つまりは「のっぺらぼう」のことですね。

 先の記事でも紹介したウェブ漫画「学院奇異野談」の中にも「タルギャル鬼神」と題した1編がありました。(下の画像参照)
 しかし、この作品では、タルギャル鬼神の方が「なんでもっと怖がらないんだ!?」と焦っています。それに対して、「時代が変わったのさ」との宣告。果ては、恐怖効果を高めるため主人公の女学生チェ・ミリの筆で直接顔にあれこれ絵を描いてイメージ改善をはかるが・・・という展開に・・・。

      
   【「何・・・はぁ」「うわ、それだけ?! もうちょっと驚いてみろ!! 鬼神じゃないか?! 怖くないのか!!」】

  
 【「タルギャル鬼神、20世紀半ばに有名だった鬼神だな。夜中にいきなり出てきて人を驚かす・・・」  「しかし! 言っただろう、時代が変わったと!! 目鼻のない顔でただ街角に立っているだけで怖いという、そんな時代は過ぎ去ったんだよ!!」】

    
    【イメージ改善が必要と言われて顔を書いてもらうが・・・。】

        
  【3度書き直した結果がこの顔。これがオチではなく、さら物語は続きます・・・。】

※この漫画の作者のペンネームはケーランケーラン(계란계란)。ケーラン(계란)も玉子(鶏卵)のことで、これもタルギャル鬼神を念頭に置いての命名かもしれません。
「学院奇異野談」については、今年2月10日の漫画関係記事を書いた時に知った韓国のオタクサイトのエンハウィキで詳しい内容紹介が載っています。韓国語が読めて(or学習中)でヒマで物好きな方はのぞいてみて下さい。

 このテの都市伝説にも、当然ながらその時代・その社会のもろもろが反映されているようですね。
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★韓国の怪談(都市伝説) その1★ 赤いマスク(口裂け女)

2011-07-21 23:15:25 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
      

 先日、古本屋の格安文庫本の中に韓国の怪談」(KAWADE夢文庫)という本があったので買ってきました。表紙や挿絵こそB級読み捨て本らしい雰囲気の本ですが、読んでみると、大邱の・・・とか翰林大の・・・とか話がけっこう具体的だし、「韓国では・・・」等々の説明まで入っています。著者はと見ると「秋田大学助教授 島村恭則」という方。「韓国・翰林大学講師などを経て現職。東アジアの多文化主義民俗学の研究に取り組み、とくに、韓国の都市に伝わる語り、現代民話、都市伝説の現地調査、研究で知られる」という民俗学者だそうです。道理で・・・。(現在は関西学院大学教授。)

 さて、本の内容は「零感な怪談マニアの備忘録」というサイトの記事でおおよそ知ることができます。
 一見して、日本でも聞いたことがあるような話がたくさんあることがわかります。
 昔ながらの怪談ではなくて、いわゆる都市伝説というジャンルのものです。(島村先生、この本の中の話はすべて自ら直接採集したものであると記しているのは、さすがフィールドワークを重視している学者の本領発揮ですね。)

 日韓の共通点をあげると、たとえば学校の怪談はおなじみ。誰もいない音楽室からピアノの音が・・・とか、トイレで個室を順々にノックしていく音が近づいてきて、いよいよ自分がいる個室に・・・等々。
 学校を舞台にした怪談といえば、韓国映画女校怪談シリーズがありましたね。第4作まで出てるのかな? 私ヌルボが観たのは最初(1998年)だけですが。
 それからカンプルのホラー漫画timingも夜の高校が舞台でした。「ヤジャ(夜自)」、つまり韓国の高校でふつうにやってる夜間自習の教室で、という点が韓国らしいところですが・・・。
 あ、この「timing」は日韓合作アニメを2012年公開に向けて目下製作中で、昨年早々と予告編はできてます。→コチラ

 さて、この「韓国の怪談」を読むまで知らなかったのが赤いマスク(빨간 마스크)
 「赤いマスク」の女が電柱や建物の陰に隠れていて、夕暮れどき学校帰りの子どもが通ると突然現れて、「私は美人?」と訊ねてくる。子どもが怖がって「び、美人です」と答えると、マスクを取って「これでもか?」と見せつけるその顔は、口が耳まで大きく裂けていて、恐怖のあまり逃げようとする子どもを追いかけてくる・・・。
 ・・・なーんだ、おなじみの口裂け女とほとんどおなじじゃないの、と思ってウィキの「口裂け女」を見ると、ちょっとだけですが書いてあるではないですか。
 一方、韓国ウィキの「빨간 마스크」を見ると、最初から日本の口裂け女(입 찢어진 여자)のことから書かれてます。
 「韓国の怪談」にもちゃんと説明がありました。1979年に日本中の小学生たちをパニック状態にした口裂け女の話が韓国で赤いマスクの女として広まったのは10年あまり後の90年代初め。島村先生によれば、韓国で1989年に、それまで制限されていた一般国民の海外旅行が自由化され、日本の大衆文化が大量に流入しますが、この話もそうしたものの1つだったのでは、ということです。なぜ赤いマスクかというと、血の色の象徴、あるいは社会主義のイメージと関係があるのかもしれない、とコメントしています。

 韓国サイトでこの「赤いマスク」関連のものを探していて見つけたのがDAUMの漫画サイト中にあったケーランケーランのネット漫画「学院奇異野談」。いろんな都市伝説(怪談)をネタにしている中に「赤いマスク」もありました。(→コチラ。)

  
  【「学院奇異野談」より。赤いマスクの女が「私、キレイ?」と訊くところも日本と同じ。】

  
  【同上。「はい」でも「いいえ」でも殺されるが、「まあまあです」とあいまいな返答をすると助かる、という点も日本と同じ。】

※韓国人研究者による関係論文「海を越えた日本の妖怪」→コチラ

 → ★韓国の怪談(都市伝説) その2★ タルギャル鬼神(玉子お化け)の2タイプ
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韓国のTVで独立映画を観る(観ようとする) ★★パソコンでてっとり早く&タダで・・・★★

2011-07-20 01:24:16 | 韓国映画(&その他の映画)
 先週15日(金)、たまたま韓国KBS1テレビ番組表(편성표)を見たら、深夜1時10分(厳密には16日の午前1時10分)から「独立映画館(독립영화관)」という番組があるではないですか。

 ちょっと調べてみたら、2001年にスタートし、2006年11月に一度打ち切られましたが今年1月約4年ぶりに復活。以後「ソウルのバングラデシュ人(バンドゥビ)」以前物議を醸した「ハヌルとパダ」等を放映してきたようです。
 そしてこの日(7月15日)には「牛と一緒に旅する方法(소와 함께 여행하는 법)」をやるとか。で、いかにも独立映画的ムード漂う予告編(→コチラ)を観たりした後、1時前からパソコンでKBS1に接続して(ココから)番組開始時間を待っていたのでした。ところが、ちょうど1時10分になったと同時にアララ、接続が切れてしまったのです。直前に画面を拡大しようとしたのは関係ナシのようで、結局ダメ。翌日深夜の名画劇場「ロミオとジュリエツト」も同様に直前に切れてしまいました。そういうことなんですね、やれやれ。ま、憶えておいて今度韓国に行った時に観ることにしますかねー・・・。
 しかし、関連情報をネット検索してたら、韓国政策放送KTVで7月5日から毎週火曜の夜(11時~)の予定で<独立映画劇場>をスタートさせるとか。最初は韓国映画「ままごと(소꿉놀이)」
 すると今日(7月19日)は3回目か、ということでKTVのの番組表を見ると、「奇異な踊り 奇舞」というドキュメンタリーが放映されるとか。「奇舞」は「機務」のもじり。その「機務」とは韓国の国軍機務司令部のこと。そこの建物が再開発という名目の下に近く撤去される予定だが、貴重な朝鮮時代の様式が見られるという建物なのに、それでいいのか、という内容のようで・・・。
 で、KTVのサイトで<생방송(生放送)>を押すとバッチリ観られますね。うふふ。画面は小さいけど・・・。
※[2014年5月5日の追記] 現在、KTVの視聴は会員加入手続が必要で、その中で住民登録番号の入力が求められます。ということは、外国人はダメ。なんとか手だてはないか問い合わせてみます。

 さて、それで待つことしばし。午後11時。ヤター! ちゃんと映ってます。うふふのふ。
 画面下にずっと天気予報等のテロップが流れるのがうるさい感じ。映画自体は「なるほどねー」という感じで、どこが「奇舞」?というマトモなドキュメンタリーで、ちょっと勉強になりました。来週は東京タクシー。大阪アジアン映画祭2010で上映された日韓合作のロードムービーです。関連記事は→コチラ。私ヌルボは未見。これはしっかり憶えておいて、ぜひ観なくっちゃ・・・。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[7月15日(金)~17日(日)]

2011-07-19 23:40:35 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 最近私ヌルボが観た中で断然おもしろかった映画は「ゲキ×シネ「薔薇とサムライ」」。昨年の「ゲキ×シネ「蛮幽鬼」」同様、凝った展開、パワフルなロックを基調にバラードから演歌風までのごった煮的音楽、ダンスにアクションに笑いも織り交ぜて実に盛り沢山。サービス精神旺盛、というよりも、まず作る側、演じる側の人たち自身が楽しんでいるのが伝わってきます。あらすじだけ見たら、五右衛門がヨーロッパに行って女海賊と云々云々。こんなムチャクチャな設定があるか!とスルーしちゃったアナタは残念な人です。ただ、これを「映画としてのおもしろさ」と言えるかどうか・・・。予告編(→コチラ)で雰囲気の1割程度でも感じてください。
 もう1つ観てとてもおもしろかったのが、これは映画ではありませんが、松元ヒロの独演会。政治・社会批判がはっきりしているのでTVでは観られませんが、それだけにおもしろいです。YouTubeにもちょっとあるようですが・・・。
 上の2つに比べて、最近おもしろかった映画は全然思い浮かびません。しかしおもしろさ以外のモノサシはちゃんとあります。天安門事件以後亡命した中国人知識人のドキュメンタリー「亡命」は、映画関係サイトでも評点は平均以下でした。しかし観てみると、アメリカで妻・娘と暮らす作家の鄭義、ハーバード大で歴史学の博士課程を出た王丹、フランス生活が長いノーベル賞作家高行健の近況等々、興味深い内容でした。こういう映画をやっている映画館(シネマ・ジャック&ベティ)に、バイクで10分以内で行けるとは、ホントに恵まれています。
シネマ・ジャック&ベティでは8月27日から「風吹く良き日」「鯨とり」を上映します。新宿で見逃した方、もう1度観たい方はどうぞ!

    ★★★ Daumの人気順位(7月19日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①トゥルー・マッ(味)・ショー(韓国)  9.6(96)
②ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2  9.5(567)
③インサイド・ジョブ  9.4(39)
④サニー(韓国)  9.3(3077)
⑤未来を生きる君たちへ  9.1(65)
⑥カストラート  9.1(54)
⑦五月愛  9.0(21)
⑧金正日花 キムジョンギリア(米・仏・韓)  8.9(20)
⑨The Conspirator  8.9(59)
⑩ごめんね、ありがとう(韓国)  8.9(55)

 ②と⑧が新登場です。
 ②は後述。
 ⑧は日本では昨年公開。(関連記事→コチラ。) <DAUM映画>中のネチズンの評点は10点満点が多い中で、1点や0点が少し混じっているのはやっぱりですね。脱北者関係の映画が最近続いていますが、これをどう解すべきか・・・?

【専門家による順位】

①ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2  8.6(3)
②トスカーナの贋作  8.3(6)
③イリュージョニスト  8.0(6)
④茂山日記(韓国)  7.9(11)
⑤インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実  7.5(2)
⑥告白(日本)  7.3(9)
⑦X-MEN:ファースト・ジェネレーション  7.3(6)
⑧大切な日の夢(韓国)  7.0(6)
⑧コパカバーナ  7.0(6)
⑩トゥルー・マッ(味)・ショー(韓国)  7.0(5)
 
 ①だけが新登場。後述します。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[7月15日(金)~17日(日)] ★★★
         やっぱり「ハリ・ポタ」がいきなりトップに

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数

1・・ハリー・ポッターと・・・・・・・・・7/13・・・・・・・・・1,295,961・・・・・・・・・・・・1,735,372・・・・・・・・・813
     死の秘宝 PART2
2・・トランスフォーマー ・・・・・・・・6/29・・・・・・・・・・・638,646・・・・・・・・・・・・6,931,246・・・・・・・・・877
     ダークサイド・ムーン
3・・サニー(韓) ・・・・・・・・・・・・・・・5/04 ・・・・・・・・・・183,791・・・・・・・・・・・・6,925,780・・・・・・・・・380
4・・猫:死を見る2つの目(韓) ・・7/07・・・・・・・・・・・126,679 ・・・・・・・・・・・・・593,045・・・・・・・・・363
5・・赤い帽子の真実2 ・・・・・・・・7/13・・・・・・・・・・・102,129 ・・・・・・・・・・・・・117,092・・・・・・・・・368
6・・高地戦(韓)・・・・・・・・・・・・・・・7/20・・・・・・・・・・・・64,682 ・・・・・・・・・・・・・・70,444・・・・・・・・・200
7・・クイック(韓)・・・・・・・・・・・・・・・7/20・・・・・・・・・・・・53,559 ・・・・・・・・・・・・・・57,857・・・・・・・・・202
8・・この愛のために撃て・・・・・・・7/13・・・・・・・・・・・・24,651 ・・・・・・・・・・・・・・38,920・・・・・・・・・209
9・・豊山(プンサン)犬(韓) ・・・・・・6/23 ・・・・・・・・・・・17,416 ・・・・・・・・・・・・・697,094・・・・・・・・・140
10・・カンフー・パンダ2・・・・・・・・・5/26 ・・・・・・・・・・・11,037 ・・・・・・・・・・・・5,053,305・・・・・・・・・・83
                               ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。

 1・5・6・7・8位と半分が新登場。その中で、今週も「サニー」は3位と健闘、700万人に迫ってます。
 1位の「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」。日本でも7月15日公開されましたね。先々週の「トランスフォーマー」の化け物的数字には及ばないものの、桁違いの数字で他を圧しています。韓国題は「해리포터와 죽음의 성물 2」。
 5位、「赤ずきん」をモチーフにした05年作アニメ「リトル・レッド レシピ泥棒は誰だ!?」(2007日本公開)の続編。悪い魔女にさらわれたヘンゼルとグレーテルを救うべく立ち上がった、赤ずきんちゃんと仲間たちの冒険だそうです。日本公開未定で、韓国題「빨간모자의 진실 2」を訳して載せておきました。原題は「Hoodwinked Too! Hood vs. Evil」です。
ベ ストテンの数字を全体的に見ると、1・2位の3D(4D)アメリカ映画の超強力パワーのあおりで韓国映画の、とくに新作が伸び悩んでいる感じですね。
 6位「高地戦」と7位「クイック」は、どちらも100億ウォン(約7億5000万円)台の制作コストをかけた大作だそうですが・・・。
 「高地戦」は朝鮮戦争当時、休戦会談が2年弱も停滞する中での、1953年2月から休戦日の7月27日までの東部戦線のエロク高地での激戦が背景。エリート出身の防諜隊将校(シン・ハギュン)と最前戦での部隊の実質的リーダー(コ・ス)の2人が主役だそうです。銃弾が降り注ぐ戦闘のリアルに再現した点は韓国映画史上最高で、予告編(→コチラ)を見るとなるほど、ではありますが、ヌルボの関心は「戦火の中へ」「小さい池」同様「朝鮮戦争をどのような視点から描いているか?」という点にあるんですけどね。たとえ娯楽映画であっても。
 7位、「クイック」は「TSUNAMI-ツナミ-」が大ヒットしたユン・ジェギュン監督の第2作。タイトルは、バイク便のことを韓国ではクイックサービスというというところから。元暴走族の主人公(イ・ミンギ)はヘルメットに仕掛けられた爆弾を爆発させないために、与えられた時間内に爆弾を配達しなければならない、という設定。バイクの後ろには、昔は彼の追っかけで今はアイドル歌手の女の子(カン・イェウォン)。そのバイクを刑事(キム・ミョンシク)が追う・・・。コメディーの要素もあるそうですよ。キアヌ・リーブスの「スピード」を観たのはいつだっけな、と調べたら1994年。うーむ。「新幹線大爆破」は・・・と、1975年か。う~む~。韓国の人たちは観てないのかな? 韓国題は「퀵」。
 8位はフランスのアクション、といっても首をかしげる人は多いかもねー、今は。
誘拐された妻を救うため、犯人と警察の両方を敵に回した主人公がパリの街を駆けずり回る、最後まで目が離せない、手に汗握る作品だそうで、フレッド・カヴァイエ監督が放つ注目の新世代フレンチ・ノワールというふれこみ。日本でも8月6日公開で、公式サイト(→コチラ)もできてます。これはおもしろそうな雰囲気が漂っているような・・・。韓国題は「포인트 블랭크」。
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韓国の映画ファンが選んだ「好きな俳優」「上手い俳優」「優れた監督」のベスト5を見て・・・・

2011-07-17 23:40:17 | 韓国映画(&その他の映画)
 5月1日、韓国の最大紙「朝鮮日報」が2万人の映画ファンを対象に実施した「2011韓国映画指標調査」の結果を発表しました。
 その詳細はコチラです。→(上) (下)
 あ、エンタメ・コリアに入ってないと見られないですね。
 2ヵ月前の記事で少し遅くなった感はありますが、各部門のベスト5があげられていたので、紹介しておきます。

好きな俳優
《男優》
1位\tウォンビン\t16.2%
2位\tアン・ソンギ\t8.8%
3位\tカン・ドンウォン\t8.7%
4位\tソル・ギョング\t6.7%
5位\tソン・ガンホ\t4.5%

女優
1位\tハ・ジウォン\t10.9%
2位\tソン・イェジン\t10.5%
3位\tチョン・ドヨン\t8.8%
4位\tチェ・ガンヒ\t8.6%
5位\tシン・ミナ\t4.6%

演技力がある俳優
《男優》
1位\tソン・ガンホ\t17.7%
2位\tアン・ソンギ\t11.4%
3位\tチェ・ミンシク\t10.8%
4位\tキム・ミョンミン\t10.6%
5位\tチョン・ジェヨン\t7.7%

女優
1位\tチョン・ドヨン\t21.6%
2位\tハ・ジウォン\t7.5%
3位\tキム・ヘジャ\t7.1%
4位\tキム・ユンジン\t6.6%
5位\tソン・イェジン\t5.0%

優れている韓国人監督
1位\tイム・クォンテク\t17.4%
2位\tポン・ジュノ\t16.2%
3位\tカン・ジェギュ\t15.3%
4位\tカン・ウソク\t6.7%
5位\tイ・ジュンイク\t4.5%

 俳優部門を見て思うのは、当然のことですが、固定した人気だけでなく、とく最新のヒット作で目立った俳優の名前が大多数ということですね。
 好きな俳優男優部門で圧倒的数字で1位のウォンビンは、2010年観客動員1位の「アジョシ」で主演。日本では9月17日公開ということで、私ヌルボももちろん観てませんが、大鐘賞で主演男優賞受賞というウォンビンの演技の評価も高いようで期待しています。

 好きな俳優女優部門の1位ハ・ジウォンは身長168cm、体重45kgなんだそうで・・・。(それがどうした!?) あ、昨日KBS夜の「연예가 중계(演芸街中継)」にアン・ソンギ、オ・ジホ、パク・チョルミンと一緒に出演してましたね。8月4日公開の韓国初の3D大作「第7鉱区」の宣伝ですよ。彼女は筋肉の女戦士を演じるとか・・・。この映画の紹介記事を見ると、一昨年読んだ世界的ベストセラーSF小説「深海のYrr」と重なっていまうのですが・・・。

 ソン・イェジンもハ・ジウォン同様演技が上手い俳優女優部門にも入ってますね。ヌルボが最初に観た彼女の映画が大鐘賞新人女優賞を受賞した「ラブ・ストーリー」(2002年)。とても清純な感じだったですね。それが「妻が結婚した」(2008年)ではあーゆーふーになるわけだから(←委細省略。青龍映画賞主演女優賞受賞)、[X]は恐いです。[X]に入る語を選べ。→ア.女優 イ.ソン・イェジン ウ.時の流れ エ.女性
 まあ、あーゆーふーでも可愛いですけどね。「妻が結婚した」はそれを武器に2人の夫(!)を手玉に取ってる、という映画です。

 <最強童顔美人>チェ・ガンヒ。「エジャ」(2009)「みみっちいロマンス」(2010)と、役柄は全然違っても、愛すべきキャラクターという点で共通しているということですかねー。(ヌルボはドラマ「あんぱん」で観ただけです。)

 シン・ミナは元記事では「「10億」(2009年)以降は映画に出演していない」とありますが、やはりCMでの好感度が高いのかな?
  注目!MaximコーヒーのCMでウォンビンと・・・
 昨年観た「今、このままがいい」(2009)は演技もメイクも自然でよかったなー。

 演技力がある俳優部門は男女とも抜けてますね。とくにチョン・ドヨン。ドラマ「星に願いを」(1996年)の頃はチェ・ジンシルと比べるとずっとダサかったのに、ってそういう役だったか。しかしその後の2人の人生を誰が予測しえたか・・・。チョン・ドヨンは「シークレット・サンシャイン」カンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞とは、いつの間にやら「大」のつく女優になってました。8月27日公開の「ハウスメイド」、映画自体の評価は必ずしも高くはないようですが・・・。

 ソン・ガンホについてはとても書き尽くせず。 

 アン・ソンギも上に同じ。デビューして以来54年というアン・ソンギ、上述の昨日のテレビ番組では「あと10年くらいはアクション演技可能」と豪語してました。

 チェ・ミンシクもいろいろありますが、今年観た「悪魔を見た」、すごかったですね。いやー・・・(あと無言)。

 キム・ミョンミンは「私の愛、私のそばに」(2008年)もさることながら、最近の「朝鮮名探偵:トリカブトの秘密」(2011年)の印象が強かった? ヌルボはどちらも未見、どころか、そもそも彼の映画を観てないので何も語れません。

 チョン・ジェヨンも彼とわたしの漂流日記(キム氏漂流記)」(2008年)・「黒く濁る村」(2010年)と最近いい仕事してるからなー。「ホームランが聞こえた夏(グローブ/G-love)」(2010年)も8月27日公開だそうです。最初本名のチョン・ジヒョン(鄭志賢.정지현)を名乗っていた彼が改名した(2000年)のは、女優チョン・ジヒョン(全智賢.전지현)とは全然関係なしです。発音がちょっと違います。

 キム・ヘジャが注目された「母なる証明」は、1941年生まれの<国民の母>ともいわれる彼女があのような役を演じたということにも意味がある、ということはいろんなところで指摘されていました。京畿女子高出身ということは、前の記事で書いたヤン・ヒウンの先輩ですね。(その後梨花女子大に進む。)

 キム・ユンジンは「シュリ」(1999)と、最近では「ハーモニー」(2010年)。日韓ワールドカップ開催の年=日韓国民交流年2002の時、韓国側親善大使を務めていたとは知らなかった。(日本側は藤原紀香でした。)

 優れている韓国人監督部門、1・2位はヌルボ異議なし!
 カン・ジェギュ監督は「シュリ」(1998年)、「ブラザーフッド」(2004年)で大ヒット。今年の年頭あたりから「韓国映画史上最大規模である300億ウォンの制作費が投入された」という新作「マイウェイ」は今年12月公開なんですか? (チャン・ドンゴンと、韓国でも人気のオダギリジョーが出演とか・・・。)

 「シルミド」(2004年)のカン・ウソク監督、「韓半島」(2006年)は日本で物議を醸しましたが、「黒く濁る村」(2010年)では利川春史大賞映画祭監督賞受賞。

 イ・ジュンイク監督も「王の男」(2006年)の大ヒット以来それなりの作品を作ってきましたが、最新作の「平壌城」(2011年)ではツイッターに「250万人を下回る170万人。商業映画引退を祝ってください」と書いて今後商業映画を制作しない考えを示したとか・・・。ホントかな? 最新のニュースでは環境保護運動でモンゴルに行って木に水をやったりしてるとか。よくわかりません。

 日本のファンとしては、イ・チャンドンの名がないのはなぜだ?とか当然出てきそう。あ、キム・ギドクもですか? ヌルボとしてはあまり・・・。むしろ「息もできない」だけですがヤン・イクチュンでしょう。
 ・・・等々と各自の好みで議論してるとキリがないですね。まあそれが楽しいんですけどね。
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歌手生活40年・楊姫銀(ヤン・ヒウン)さんの「朝露」をめぐる韓国現代史 (と、自分史) <その3>

2011-07-16 02:30:16 | 韓国の音楽

<その1>
<その2>
の続きです。

 「朝露」以外にもヤン・ヒウンさんの歌の多くが70~80年代の軍政下で禁止されました。
 つい今月初め(7月4日)の韓国MBC番組「遊びにきて」で、ヤン・ヒウンさんが当時のことを語ったという「韓国経済」の記事<ヤン・ヒウン禁止曲 理由聞いてみると「荒唐無稽」>(→コチラ)をたまたま読みました。
 まさにかつての不合理な禁止の実態を伝えています。彼女の禁止曲は30曲に及んだそうです。その理由は、たとえば「叶わない愛(이루어질 수 없는 사랑)」では「なぜ愛が叶わないのか」と問われ、「0時の愛(0시의 사랑)」は「なぜ通禁時間に別れをするのか」の理由で禁止された、とヤン・ヒウンさんは語ったそうです。

 <その2>で、<金冠のイエス>中の歌詞が当初は「おお! 主よ 今そこに(오! 주여 이제는 그곳에)」ではなく「ここに (여기에)」だったということを書きました。
 →在日韓国青年同盟関係のあるサイト(→コチラ)には次のようなカキコミがありました。
 「金冠のイエス」は、歌詞の「オー チューヨ イジェヌン ヨギエ」の「ヨギエ」を「チョギエ」に、変えて、お上の許可をもらったみたいですね。「チョギエ」は、38度線の向こう側、ということです。これで、学生達から、かなり、反発を買ったようです。しかし、歌自体は、よかったですが。
 「チョギエ(저기에)」は「クゴセ(그곳에)」と同じで「そこに」。キリストが来臨すべき問題の場所は「ここ=韓国ではなくそこ=北朝鮮」ということで許可を得た、ということです。

 <その1>で紹介した韓国サイト「ヤン・ヒウンの若い頃の事典」(→コチラ.→日本語訳)によると、彼女は71年に続いて72年、78年と3度キム・ミンギ氏と組んでアルバムを出します。
 「中央情報部の監視を受けて逃避生活をしたキム・ミンギと、彼の"ペルソナ"という罪で、常に熱いまなざしを受けていたヤン・ヒウン。彼らの人生は、70年代の痛みを代弁したという事実は、歴史に記録されるだけに本当に胸が痛むことだった」と、事典は記しています。
 彼女自身の話では「1970年代半ばにフォークの流れが滞ってしまった状況だったし、ラジオのDJをしている瞬間にも、放送局には情報部の要員が2人1組で配置されて監視され、時々「キム・ミンギといつ会ったか?」「どこにいるか知らないか?」と訊かれたりもした」という状況下で、自信もまた「アイデンティティについて悩んでいた」といいます。
 また、アルバムが売れても当時の状況でお金を得ることはできず貧しいままで、結局81年せわしない歌手生活をしばし畳んで1年間韓国を離れてヨーロッパへ。

 しかし、1年ぶりに帰ってきた彼女はかつての明るくて元気な姿ではありませんでした。卵巣がん末期の状態という、まさに人生最大の試練を迎えます。2度の手術と抗癌治療で髪は抜け、声も力を失っていきましたが彼女はあきらめず、84年にはのが、今は私が「ヒギョンの姉」になったね」というほどに時代は変わりましたが、「90年代にもまだ彼女の歌は、メディアやお茶の間の中心を"貫通"し」、そして現代に至ります。

 「ヤン・ヒウンの若い頃の事典」の筆者氏は、自分が生まれた1985年に発表された「寒渓嶺(한계령)」が一番好きな歌だそうです。たしかに、しみじみとした情緒にあふれた良い歌です。→YouTube

 以前NHKでさだまさし氏とヤン・ヒウンさんが共演しているステージをたまたま見たことがありました。2人が知り合ったいきさつも語っていたようですが、忘れてしまいました。ダ・カーポ関係のサイトによると、2人の共演は2003年8月6日の「夏・長崎から」コンサートだったそうで、その時披露された新曲が「人生の贈り物~他に望むものはない~」という曲。なんと「作詞 楊姫銀/訳詩・作曲 さだまさし」なんですね。
 2人でこの歌を歌ってる動画、じゃなく音声だけですが、これもYouTubeで聴けます。→コチラ

 40年という長い歌手生活の間、韓国の政治・社会の激動の中で、いろんな苦難も味わってきたヤン・ヒウンさん。先に紹介したテレビ番組の中で若い人たちの前でかつての禁止歌のエピソード等も語れるようになったことは時代の進歩というべきでしょう。
 また、これもごく最近の7月12日「中央日報」のインタビュー記事で彼女が語っているのは「あまりにも「巨大な歌」として広まったデビュー曲「朝露」の圧迫から抜け出すのに38年かかった」ということ。決していわゆる<一発屋>でもない彼女がそう語るほど「朝露」の影響力が大きかったということですね。

 ようやく長々と書き連ねてきたこのブログ記事も終わりに近づいてきました。「ヤン・ヒウンさんの「朝露」をめぐる韓国現代史(と、自分史)」と銘打ちながらも、途中から「ヤン・ヒウンの若い頃の事典」に依拠した彼女の個人史のようになってしまいました。

 ・・・が、最後にどうしても書いておきたいことがあと2つあります。

 その1は、北朝鮮での「朝露」について。
 私ヌルボが1991年8月北朝鮮に行った時に、ディナーの際の出し物で当方の団体からギターを持って前に出た1人が歌い始めた歌が「朝露」でした。韓国の民主化運動に共感を寄せてきた人たちの間ですでにわりと知られてきた頃だったと思います。ところが反応は悲しいかなゼロでした。当時の北朝鮮の人たちはこの歌と、その背景を知らなかったようです。その後何かで「あのような反体制の歌は北朝鮮でもまずいんだ」という話を見たか聞いたかしたことがありました。
 2008年の<DailyNK>の記事(→コチラ)を見ると、「北朝鮮でも「朝露」は90年代半ばからよく歌われた」そうです。しかし「1998年公式に'禁止曲'になった」とか・・・。
 1991年に北朝鮮で「朝露」を歌った方、あるいは同様に自由と人権と平和を追求する方たち、(何をかくそう、私ヌルボもそのつもりなんだけどなー) もし今後北朝鮮に行く機会があったら、堂々と「朝露」を歌いましょう!(・・・って、歌えますか?)

 もう1つ。「朝露」とは直接関係ありませんが、日本の代表的な闘いの歌・岡林信康の友よの歌詞について。
 もう10年以上前になるか、私ヌルボ、たまたま高校の音楽の教科書を見る機会がありました。昔と違っていろんなジャンルの歌が載っている中に「友よ」もあって、ずいぶん時代が変わったなー、と感懐にふけりつつ歌詞を見ると、あれ!? 「友よ 夜明け前の闇の中で 友よ 戦いの炎を燃やすとなっているではありませんか! 炎を「燃やせが元の形なのに・・・。
 「燃やせ」だと扇動的だ、物騒だ、ということで「燃やす」にしたのか!(怒) 一体誰が判断したのか?責任者出てこい(怒怒)!
 ・・・これが日本のこの40年の変化の1つの表徴であるとしたら、とても悲しいです。(些細なことのようでも、すごく重要なことだと思います。)
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歌手生活40年・楊姫銀(ヤン・ヒウン)さんの「朝露」をめぐる韓国現代史 (と、自分史) <その2>

2011-07-15 19:15:13 | 韓国の音楽
<その1>の続き

 私ヌルボは李政美(イ・ジョンミ)さんのカセット・テープ「キム・ミンギを歌う」で初めて「朝露」を聴きました。このカセットを購入したのは、当時は京橋にあった三中堂だったと思います。私ヌルボが職安通り方面に行くようになったのは90年前後だったと思うので・・・。(まだハレルヤが韓国雑貨等も売っている店舗の奥側で食堂をやっていた頃です。)

         
     【まだカセットテープが一般的だった時代です。】

 李政美さんもやはり「伸びのある澄んだ声」です。「朝露」以外も良い曲がそろっています。たとえば「ひでり(가뭄)」→(YouTube)など。
 李政美さんのサイト中にある「朝露~キム・ミンギを歌う 楽譜と歌詞」(新幹社)も購入しました。今もわが家のどこかにあります(汗)。

 その後しばらくしてヤン・ヒウンさんのカセット・テープも購入。よく聴いたテープで、かなり傷んでしまいました。(今は所在不明。) 「양희은이 처음 부른 노래들(ヤン・ヒウンが初めて歌った歌)」というタイトルのCDが出ているようですが、ケースの中央部分の草の葉の写真が使われていたカセットでした。収録曲は少し異なります。
 1988年「아침이슬」のCDが出てさっそく購入。

    
       【「아침이슬(朝露)」のCD(1988)】

 上の写真のように、ヒウンさんはイッキにおばさんになってましたが、当時のヌルボはその間にヒウンさんが体験していた人生の波は全然知りませんでした。
 このCDの珠玉の(←月並みな表現)収録曲中、とくに3曲をピックアップして紹介します。

 その1が「セノヤ(세노야 세노야)」。民謡風の歌で、作詞がノーベル文学賞が期待されている高銀(コウン)です。→YouTube

 2つ目は「ペック(백구)」。漢字で書くと「白狗」。これは犬の名前で、日本風にいえば「シロ」ですね。「子犬を産んで弱ったシロを動物病院に連れていくが、注射に怯えたシロは逃げ出して、最後は車にぶつかって・・・」という歌詞は、ヤン・ヒウンさんの妹ヒギョンさん(俳優)の作文を基にキム・ミンギ氏が作った歌だとか。(→YouTube)
 ある韓国ブログの2010年3月の記事によると、32歳の自分が国民学校6年の時、先生がカセットテープで聞かせてくれ、歌詞を書き写して教わった歌で長く印象に残っている、ということを書いていますが、当時はそれがヤン・ヒウンの歌ということを知らなかったそうです。(1990年頃ですね。ヌルボ思うに、80年代民主化運動に関わってきたor共感を持っていた先生だったのでしょう。)

 3つ目は「おお! 主よ 今そこに(오! 주여 이제는 그곳에)」です。カセットではタイトルが「金冠のイエス(금관의 예수)」ではなかったかと思います。歌詞も「그곳에(クゴセ.そこに)」ではなく「여기에(ヨギエ.ここに)」でした。この問題については<その3>で記します。
 現在、ヤン・ヒウンさんが歌っているのを聴くと、タイトルは「金冠のイエス」、歌詞は「여기에(ヨギエ)」と歌っています。→YouTube
 この作詞は金芝河。モトは演劇です。内容は→コチラで。
 さる韓国サイトによると、金芝河釈放運動が日本でも展開されていた70年代、2枚のレコードが出されたそうです。(ヌルボは知りませんでした。)
 1枚は中山千夏さんが民衆プロから1976年に出したシングルレコード。「金冠のイエス」のB面は、これもキム・ミンギの「ソウルへの道」です。
 もう1枚は土曜美術社(!)から出された「しばられた手の祈り」。調べてみたら、「深夜・金芝河・富山妙子詩画集」の付録のEPレコード2枚なんですね。金芝河の詩に高橋悠治氏が曲をつけ、ピアノ林光、ヴァイオリン黒沼ユリ子という、うわーっという顔ぶれ。このEP中にヤン・ヒウンさんの「金冠のイエス」も収録されていたということです。
※翻訳者が最近自伝「歴史の不寝番(ねずのばん)」(藤原書店)を出した鄭敬謨(チョン・ギョンモ)氏というのも・・・。→「毎日新聞」関連記事

   
     【70年代にこのような音盤が出ていたとは! 聴いてみたいものです。】 

 閑話休題。「朝露」は1973年政府から健全歌謡に選定されりもしたが翌74年には禁止されます。
 「朝露」の歌詞は次のようなものです。

長い夜を明かし、草葉に実る/真珠より美しい、朝露のように/心に悲しみが、実る時/朝の丘に登り、ほほえみを学ぶ。/太陽は墓地の上に、赤く昇り/真昼の暑さは、私の試練か。/私は行く、荒れ果てた荒野へ。/悲しみふり捨て、私は行く。(訳:李政美)

 韓国ウィキペディアの「ヤン・ヒウン」の項目等によると、「太陽」は金日成、「赤く昇り」は社会主義への期待を暗示している・・・というのが笑えないその禁止理由です。
※1975年頃の韓国の民衆歌謡をめぐる状況については、日本ウィキペディアの「民衆歌謡」の項目参照。→コチラ

 ・・・ヤン・ヒウンさんと「朝露」を中心に、知っていることだけでなく、新たに調べて知ったことも含めてあれもこれも書き込んでいたら、もうかなりの字数になってしまいました。
 ということで、あと1回分続きます。

<その3>
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歌手生活40年・楊姫銀(ヤン・ヒウン)さんの「朝露」をめぐる韓国現代史 (と、自分史) <その1>

2011-07-14 23:54:51 | 韓国の音楽
 「コンサート7080(콘서트 7080)」というのは、韓国KBSテレビで日曜の午後23:10~0:20に放映している懐メロ番組です。
 7080は1970~80年代ということで、特にこの頃よく目にする言葉(数字)です。司会のペ・チョルス氏も80年代の韓国のロック界をリードしたグループ・ソンゴルメのメンバーでした。
※「7080」は「チルシプパルシプ(칠십팔십)」ではなく「チルゴンパルゴン(칠공팔공)」と発音しています。

 7月10日(日)の夜、たまたまこの番組を見たら、ヤン・ヒウン(楊姫銀.양희은)さんが出演していました。妹の俳優ヤン・ヒギョン(楊喜経.양희경)さんも一緒です。

※ヤン・ヒウン姉妹の後、キム・ヘリム(김혜림)さんとキム・ジョンソ(김종서)氏も歌ってますが、今回はコメント省略。

 この番組は、うれしいことに、KBSのサイト(→コチラ)でアーカイブを見ることができるのです。
 最近2回分は上のリンク先から黒い[일반]ボタンを押せばそのまま見られます。それ以前は、画面最上部の言語選択の日本語の2つ右で「회원가입」(会員加入)を済ませた上で[저화질](低画質)ボタンを押せば見ることができます。

 さて、「この方の歌は、われわれの若い頃の「青春の主題」でした」というペ・チョルス氏の紹介で登場したヤン・ヒウンさんがこの日最初に歌った歌は「私が40歳の頃には(내 나이 마흔 살에는)」(→コチラ)。2曲目の「叶わぬ愛(이루어질 수 없는 사랑)」(→コチラではヒギョンさんも一緒に歌っています。
 生まれた年はヒウンさん1952年、ヒギョンさん54年、そしてペ・チョルス氏がその間の53年とか。皆さん、もうじき順々に還暦なんですね・・・。
 そのあと「美しいものたち(아름다운 것들)」、「明け方の道(새벽길)」、「ソウル夜曲(서울야곡)」、「私が去った後でも(나 떠난 후에라도)」と計6曲を歌いました。
 ※ヤン・ヒウンと少女時代が一緒に歌っている「美しいものたち」は、→コチラ!!(YouTube)
 ※「ソウル夜曲」はやっぱり周炫美(チュ・ヒョンミ)でしょ。→コチラ[ハングル字幕付き]

 この中で、私ヌルボが懐かしさを覚えた歌が「美しいものたち(아름다운 것들)」。姉妹でいい雰囲気で歌ってます。観客の皆さんも拍子を取りながら・・・。

 私ヌルボがこの歌を初めて聴いたのは、ジョーン・バエズが歌っているもので、「THE BEST OF JOAN BAEZ」というLPに収録されていた「Mary Hamilton」という曲。つまりそれが元歌。今確認すると1964年発売ですね。
 たまたま最近(2011/06/09)にジョーン・バエズの若かりし頃(1965)の素晴らしい声の動画がupされています。→コチラ
 ジョーン・バエズの歌はイギリスの伝説に基づく物語的民謡なんですが、上記のLPでヌルボが聴いたのが35年ほど前。(映画「マイ・バック・ページ」の1シーンにもあったように)私ヌルボも生ギターの伴奏をコピーして弾きながら歌ったものです。(あー恥ずかし・・・。)

 そしてその約20年後、カセットテープでヤン・ヒウンの「美しいものたち」を聴いて、歌詞の内容こそ違え「なんだ、同じ曲じゃないの」と気づいた歌なんですね。・・・ということで、二重に懐かしい曲というわけです。

 ジョーン・バエズのような伸びのある澄んだ声の歌手は初めて聴いたのですが、その後森山良子本田路津子、赤い鳥の山本潤子等と続きます。
 デビュー時に森山良子が“日本のジョーン・バエズ”といわれたように、“韓国のジョーン・バエズともいわれたフォーク歌手がヤン・ヒウン”でした。(どれだけ一般的にいわれているかはわかりませんが、多くの韓国ブログで2人が並べて語られているのは事実です。)

 彼女の代表曲「朝露(아침이슬.アチミスル)」はご存知の方も多いでしょう。70~80年代韓国の民主化運動を象徴する歌ともなった歌。長く政府から禁止されていた歌。ヤン・ヒウン自身は政治的な発言は避けていたそうですが、それでも2008年のローソク集会の時に彼女も前に立って多くの人々とともにこの歌を歌いました。

 YouTubeには、ステージ等で歌った動画もいくつかありますが、1971年の最初のアルバムのものを貼っておきます。冒頭が「朝露」ですが、他の曲も入っているので全部だと30分を少し超えます。3曲目の「セノヤ」を知らなかった方は聴いてみて下さい。「パフ」、「七つの水仙」等々、団塊の世代には懐かしい洋楽ポップスのヒット曲も数曲あります。ジョーン・バエズが歌っていた「All My Trials」も個人的には懐かしい歌です。

 この「朝露」の作詞・作曲はキム・ミンギ(金敏基.김민기)。1971年ヤン・ヒウンが「朝露」を発表するに至る経緯について、ヌルボはこれまでよく知らなかったのですが、「ヤン・ヒウンの若い頃の事典」と題したさる韓国のブログ記事にいろいろ書かれていました。(→日本語自動翻訳)
 ヒウンさんは1952年8月13日生まれ。10歳の頃両親が離婚したヒウンさん姉妹はお母さんと共に暮らしますが、苦しい家計を助けるため、歌でお金を稼ごうということだったとか・・・。京畿女子高校在学中から歌が上手いと知られていた彼女は、サークルの先輩だったフォーク歌手尹亨柱(ユン・ヒョンジュ.윤형주)の前で歌い、さらに彼が2人組フォークのトウィン・ポリオを結成して人気を得ると、その相方の宋昌植(ソン・チャンシク.송창식)や、尹亨柱の出身校・京畿高校の3年後輩の金敏基とも出会った、ということのようです。それが1970年頃。

 ※宋昌植は「鯨取り(コレサニャン)」等の歌で有名。
[2015年6月24日の追記]※金敏基はソウル斎洞(チェドン)初等学校の1年先輩なのだそうですが、1969年に初めて会うまでたがいのことを知らなかったそうです。
 ※京畿高校については2010年11月4日の記事で記しましたが、韓国の各界に錚々たる人材を輩出してきた、名門中の名門だった高校です。(まあ、今も「名門」公立高校ですけど・・・。) 京畿女子高校もそれとペアになる(?)女子の名門高。
 ・・・で、彼女は一浪して1971年西江大学校史学科に入学します。ミッション系の名門校で、日本だと上智大といったところ。西江大といえばあの朴槿恵も同窓で、ヒウンさんと同年の2月ですが、彼女は現役で電子工学科に入っている(※首席卒業)ので大学では1年先輩になります。在学中朴槿恵が朴正熙大刀利用の娘ということは知ってはいたが、遠くで弁当を食べているのを見かけたことがあるという程度の接触(?)に止まるとのことです。

 ヒウンさんが大学に入学した年の1971年に発表された歌が「朝露」でした。→韓国ウィキペディアのヤン・ヒウンの項をみると「金敏基は詞について「民主化に対する熱望のような直接的な内容は盛り込まなかった」というが、当時の大衆は時代状況と民主化に対する熱望によって民主化にふさわしいと解釈してこの曲をよく歌って7、80年代民主化運動の象徴的な歌となった」と記しています。

 ところが、民衆の間に広まっていったこの歌も、そして金敏基が作りヤン・ヒウンが歌った他の多くの歌も、その後20年近く続いた軍事政権下で禁止歌に指定され(計30曲以上)、またヤン・ヒウンの人生も苦境に陥ってしまいます。

 私ヌルボが「朝露」を初めて聴いたのは、韓国の民主化運動が再び高揚しはじめた1986年だと思います。それは在日2世の歌手・李政美(イ・ジョンミ)さんのカセット・テープでした。

<その2>
<その3>
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[7月8日(金)~10日(日)]

2011-07-12 23:57:10 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 懸案の(というほどでもないですけど)9日「マイバックページ」を観てきました。山下監督も脚本の向井康介さんも70年代後半の生まれなのに、よく生まれる前の時代の雰囲気を違和感なく醸し出していたと思います。具体的には・・・と書いていくと長くなるので、韓国ネタでもないことだし、他の雑情報・雑想とまとめて別記事にします。

 韓国では、このところ多くなっている北朝鮮関係の映画の1つ「冬の蝶(겨울나비)」が7月7日封切られました。脱北者であるキム・ギュミン監督が、北朝鮮で実際にあったことを基に作ったそうです。<my name is KOREA>の記事には「あまりにも残忍だったあの日の記憶」とありますが、具体的には書かれていません。ふつう、書けないでしょう。そこがこの映画の弱点とされるかも。まだ数は少ないですが、専門家やネチズンの感想・評価は割れているようで、作品としてはイマイチという感じかも。予告編は→コチラ

    ★★★ Daumの人気順位(7月12日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①トゥルー・マッ(味)・ショー (韓国)  9.6(89)
②インサイド・ジョブ  9.4(39)
③サニー(韓国)  9.3(2988)
④The Conspirator  9.1(52)
⑤未来を生きる君たちへ  9.1(62)
⑥カストラート  9.1(51)
⑦ごめんね、ありがとう(韓国)  8.9(51)
⑧五月愛  8.9(20)
⑨イリュージョニスト  8.9(26)
⑩X-MEN:ファースト・ジェネレーション  8.8(775)

 ⑦の返り咲き等、若干順位変動はありましたが、新登場はなし。

【専門家による順位】

①トスカーナの贋作  8.3(6)
②イリュージョニスト  8.0(6)
②Another Year  8.0(6)
④茂山日記(韓国)  7.9(11)
⑤インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実  7.5(2)
⑥SUPER8/スーパーエイト  7.4(7)
⑦告白(日本)  7.3(9)
⑧X-MEN:ファースト・ジェネレーション  7.3(6)
⑨大切な日の夢(韓国)  7.0(6)
⑨コパカバーナ  7.0(6)
 
 先週と順位・評点とも全然変わりなし。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[7月8日(金)~10日(日)] ★★★
         「サニー」、昨年1位の「アジョシ」を抜く

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数

1・・トランスフォーマー ・・・・・・・・6/29・・・・・・・・・1,676,957 ・・・・・・・・・・・・5,904,955・・・・・・・1,301
     ダークサイド・ムーン
2・・猫:死を見る2つの目(韓) ・・・7/07・・・・・・・・・・305,335 ・・・・・・・・・・・・・365,295・・・・・・・・・378
3・・サニー(韓) ・・・・・・・・・・・・・・・・5/04 ・・・・・・・・・270,623・・・・・・・・・・・・6,594,042・・・・・・・・・358
4・・豊山(プンサン)犬(韓)・・・・・・・6/23・・・・・・・・・・・75,685 ・・・・・・・・・・・・・636,268・・・・・・・・・245
5・・カンフー・パンダ2・・・・・・・・・・・5/26 ・・・・・・・・・・61,631・・・・・・・・・・・・5,033,428・・・・・・・・・250
6・・おまえ うまそうだな(日) ・・・・7/07・・・・・・・・・・・39,665・・・・・・・・・・・・・・・43,307 ・・・・・・・・154
7・・ホワイト 呪いのメロディー(韓)・・6/09・・・・・・・・33,125・・・・・・・・・・・・・・771,058・・・・・・・・・139
8・・X-MEN:ファースト・ジェネレーション・6/02・・・・・26,770・・・・・・・・・・・・2,521,192・・・・・・・・・162
9・・ヤギと男と男と壁と・・・・・・・・・7/07・・・・・・・・・・・10,605・・・・・・・・・・・・・・・13,333・・・・・・・・・・80
10・・The Conspirator・・・・・・・・・・6/30・・・・・・・・・・・・7,547・・・・・・・・・・・・・・・26,152・・・・・・・・・・46
                               ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。

 先週から数字は下がっても「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」の超ダントツは変わらず、しかし4Dに魅かれる人ってそんなに多いのかなー? <Life is Beautiful>という韓国在住の方のブログによると、「椅子が動いたり風が吹くっていう4D」というこの映画を観た感想は、「おもしろくなかった~~。。。アトラクションだけで楽しめる~と思ってたけどやっぱりストーリーもかなり重要ですね」と案の定の結論。大体、4DどころかゼロDでも本は十二分に楽しめるじゃないの!? 
 3位の「サニー」、先週からまた観客数upで昨年トップの「アジョシ」を抜きました。たぶん。(「アジョシ」は約630万人だったかな? KOFICの表を見ると約623万人?)
 さて、今週の新登場は2・6・9位の3作品です。
 2位は韓国のホラー映画です。飼い主がエレベーターで無残な死を遂げたのを見てしまった猫を引き取ったペットショップのトリマー(パク・ミニョン)は、その後怖ろしい事態に巻き込まれるてゆく・・・。「冬の小鳥」「アジョシ」で一躍脚光を浴びた子役キム・セロンの妹キム・イェロンが神秘的な少女ヒジン役で登場とか・・・。原題は「고양이:죽음을 보는 두 개의 눈」。予告編(韓国版)観たければ→コチラ。映像よりも音が怖い・・・。
 5位、昨年公開の日本アニメ。「고 녀석 맛나겠다」とという韓国題を見てなんだろうと思いました。こういう「고」は初めて知りましたね。「맛나겠다」と「맛있겠다」との違いは、「(自分が)食欲がわいてくる」と「(食べ物自体)が美味しそう」という違いでしょうね。あ、映画の内容等は省略。
 9位も、昨年8月に日本で公開されているので省略。韓国題は「초(민망한)능력자들」すなわち「超(あわれな)能力者」とひねってます。
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