ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

★2017年 ヌルボの個人的映画ベスト10

2017-12-31 23:54:34 | 韓国映画(&その他の映画)
 12月28日午後、2017年最後の映画ということで、見逃していた「パターソン」を観に開映2時間前にアップリンクに行ったら「売り切れました」とのこと。ありゃりゃ。で、午前中に渋谷シネパレスで観た「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」が結果的に今年の観納めに。これが17年に劇場で観た101本目。ただし2回観た作品を引き、前後編の作品を1つとして数えると合計98作品となります。うち韓国及び北朝鮮映画が33作品で、全体の3分の1。一昨年(2015年)のようにフィルムセンターでの特別企画もなく、<新大久保映画祭>もなぜかなかったわりにはけっこうたくさん観たと思います。
 一方、前年以上に日本映画は減ってドキュメンタリーを除くと10作品も観ていません。本年公開の話題作では「あゝ、荒野(前・後篇)」と「ビジランテ」くらい。予告編観てもほとんどは「なんだかなー」という感じだし・・・。

 さて、例年の通りこの記事を書くにあたり参考として「毎日新聞」(12月22日夕刊)の<シネマの週末>欄(→コチラ)に目を通してみました。9人の執筆者が邦画・洋画のそれぞれを合わせて今年のベスト3を選定しているので、のべ54作品。うち複数の執筆者によって選ばれている作品は次の通り。
【邦画】「あゝ、荒野」(4票)・「彼女がその名を知らない鳥たち」(2票)・「幼な子われらに生まれ」(2票)・「三度目の殺人」(2)
【洋画】「ラ・ラ・ランド」(3票)・「パターソン」(2票)・「わたしは、ダニエル・ブレイク」(2票)・「女神の見えざる手」(2票)・「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(2票)

 この中で、洋画は上掲の「パターソン」以外は全部観ましたが、3人が1位に挙げている「ラ・ラ・ランド」、そんなに良かったかな? 冒頭のシーンはたしかに印象的。しかし基本的なストーリーラインが昔からあまりにもありきたりな、といった感じだし、現代社会のもろもろを取り込んでないな、というのが私ヌルボの受けた印象でした。

 あ、いかん。また前説が長くなりすぎてるぞ。ま、とりあえず2017年のベスト10を・・・。

[2017年]
①わたしは、ダニエル・ブレイク
②あゝ、荒野
③ベイビー・ドライバー
④米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー
⑤抗い 林えいだい
⑥ブレードランナー 2049
⑦みかんの丘
トンネル 闇に鎖された男
新感染 ファイナル・エクスプレス
⑩KUBO/クボ 二本の弦の秘密
 [次点] 哭声/コクソン・人生タクシー
 [別格(旧作の新版)] アンダーグラウンド完全版・牯嶺街少年殺人事件(デジタル・リマスター版)

赤色は韓国映画または韓国・北朝鮮に関係する映画です。

 以下、ベスト10の各作品についてのコメント。
 1位「わたしは、ダニエル・ブレイク」は、観るまではこのタイトルの意味がわかりませんでした。(当然ですけど。) しかし、それがまさに「ここぞ!」というシーンでこのように出てくるとは! 前作の「ジミー、野を駆ける伝説」(2014)の後宣言したはずの引退を撤回してこの作品を撮ったケン・ローチ監督の<気骨>が感じられる感動作でした。
 2位「あゝ、荒野」については11月7日の記事で次のように書きました。
 前・後篇合計で304分、緊張感が途切れることはありませんでした。とくに菅田将暉は(観てないけど)昨年の「溺れるナイフ」よりもずっとたくさんの主演男優賞を受賞するのでは? (とくにあのブチ切れた時の表情が・・・。) もう1人の主演ヤン・イクチュンは、先週観た「詩人の恋」同様の口数の少ない役柄(って、吃音症なので)で、監督としてだけでなく、俳優としても見直しました。ユースケ・サンタマリアもいい味出してましたね。そうそう、吃音症にボクシングに競馬に、時代は半世紀以上後に設定していてもやっぱり寺山修司です。
 その後第42回報知映画賞で作品賞と主演男優賞(菅田将暉)受賞。ナットクです。
 ・・・この上記2作品のどちらを1位にするか、迷いました。社会性・思想性では前者、映画的感興では後者。両方1位でもいいです。
 3位は「ベイビー・ドライバー」。これは迷わず決める。目を瞠るドライブ・テクニックとシャープな音楽の心地良いこと! 銃撃戦の発砲音の3連発が音楽のリズムにピッタリ合ってるとは!(笑)。
 4位「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」5位「抗い 林えいだい」は、ともに反骨精神を貫いた瀬長亀次郎(1907~2001)と、林えいだい(1933~2017年)のドキュメンタリー。彼らの主張には賛同しない人でも、人間的魅力を感じるという人はきっと多いのでは?
 それにしても、こういう<気骨>ある日本人は今いるのでしょうかねー?
 6位以降はほとんど同順位です。
 6位「ブレードランナー 2049」は、衝撃度では35年前の第1作に及ばないにしても、期待が裏切られることはありませんでした。今や未来をディストピアと視る見方はめずらしくもなく、未来どころかすでにそれが現実化しているのでは?と考えると、虚脱感・倦怠感に囚われるばかりです・・・。
 7位「みかんの丘」は、2016年公開作品ですが、佐藤忠男先生が「キネマ旬報」のベスト10に入れていたのを見て初めて知り、3月キネカ大森で「とうもろこしの島」との2本立てで観られたのはホントにラッキーでした。グルジア(今はジョージアと表記)とかアルメニア方面の地理・歴史について、とくにアブハジア紛争というのも実は初めて知りましたが、おそらく多くの日本人も私ヌルボ同様あまりよく知らないのでは? しかし、そういうところでも、現地の当事者の人たちにとっては民族的自尊心や宗教等にかかわる命をかけた戦いが繰り広げられているのですね。しかし、これらの作品はそれを超えた普遍性があり、共感を覚えました。
 8位「トンネル 闇に鎖された男」9位「新感染 ファイナル・エクスプレス」、[次点]の「哭声/コクソン」は順不同。「トンネル 闇に鎖された男」はあのセウォル号沈没事件への寓意が効いています。エンタメとしては「新感染 ファイナル・エクスプレス」が2016年の韓国映画中では1番。その他「お嬢さん」や「密偵」も期待通り。やっぱり韓国映画は観客動員数は作品性をほぼそのまま反映していると言ってよさそうです。なお、あまり話題にならなかった「ありふれた悪事」は思わぬ拾い物感がありました。
 10位「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」は、17年に観たアニメのベスト。とくに視覚・聴覚の面で強く印象に残りました。とても精緻な折り紙によるストップモーション・アニメで、それが日本人以上に日本愛に満ち溢れた(!?)物語に直結しています。吉田兄弟の三味線も見事! ラストではジョージ・ハリスンの「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」を弾いています。
 [次点]の「人生タクシー」については、5月23日の記事で書いたことを再掲します。
 ドキュフィクションというのだそうですが、こんなしたたかな方法で内容のある映画を作っちゃったパナヒ監督はなんとしたたかなことか。そして実の姪のハナちゃんがキャノンの小型カメラを手にいろいろ撮影していて、「学校の課題の短編映画作りのため」というのは事実なのかどうか? またハナちゃんがその映画作成用の「べからず集」を読みながら「見せたくないことをしてるのは自分たちなのに・・・」などとつぶやいたりしてるのは、演技でなければしっかりした子供だし、演技だとすればなかなかの俳優。ベルリン国際映画祭で、出国を禁じられているパナヒ監督の代理として金熊賞のトロフィーを涙を流しながら受け取った彼女の将来に期待。(行く手を阻む者がないように・・・。)
 [別格]の「アンダーグラウンド完全版」と「牯嶺街少年殺人事件(デジタル・リマスター版)」は、観ることができてホントによかった! それぞれ旧ユーゴ、台湾の現代史を物語るとともに、映画史の上でも傑作の名に値する作品だと思います。
 ・・・というわけで、今回のキーワードは<気骨>ということにあいなりました。

 次に、とくに記憶に残った俳優について。
 男優では、上述の菅田将暉に尽きます。
 女優では、年の最後に観た「女神の見えざる手」と「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」の2作品でのジェシカ・チャステイン。異なるタイプのヒロイン2人をちゃんと演じ分ける、それが俳優といえばそれまでかもしれませんが・・・。もう1人は、ソウル旅行からの帰路アシアナの機内で観た「朴烈」のヒロイン金子文子を演じたチェ・ヒソ。(この映画、日本でも公開してくれないかな・・・。)

[参考]過去10年のベスト10
[2016年]①キャロル②トランボ ハリウッドに最も嫌われた男③この世界の片隅に④ブリッジ・オブ・スパイ⑤ソング・オブ・ザ・シー 海のうた⑥ズートピア⑦インサイダーズ/内部者たちそばの花、運のいい日、そして青春⑨私の少女時代-Our Times-⑩牡蠣工場
 [次点] シアター・プノンペン・ハドソン川の奇跡・危路工団
 [別格(初見の旧作)] チリの闘い・アルジェの戦い(デジタル・リマスター版)

[2015年]①ボーダレス ぼくの船の国境線②顔のないヒトラーたち③セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター④雪の轍⑤マッドマックス/怒りのデスロード⑥神々のたそがれ⑦幕が上がる⑧海街diary⑨ストレイト・アウタ・コンプトン⑩KANO~1931海の向こうの甲子園~
 [次点] バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)・人生スイッチ・恋人たち・傷だらけのふたり許三観
 [別格(初見の旧作)] ショア・裸の島

[2014年]①イーダ②グランド・ブダペスト・ホテル③ジャージー・ボーイズ④罪の手ざわり⑤ソウォン/願い新しき世界ソニはご機嫌ななめ怪しい彼女テロ,ライブ⑩ある精肉店のはなし
 [次点] 60万回のトライ
    私の少女(扉の少女・ドヒや)・祖谷物語 おくのひと

[2013年]①セデック・バレ②少女は自転車にのって③きっと、うまくいく④もうひとりの息子⑤嘆きのピエタ⑥あの頃、君を追いかけた⑦シュガーマン 奇跡に愛された男⑧ハンナ・アーレント⑨王になった男建築学概論
 [次点] 殺人の告白 ・凶悪
 [別格] 阿賀に生きる
 [多くの人に観てほしい作品] ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして

[2012年]①ニーチェの馬②ヒューゴの不思議な発明③プンサンケ(豊山犬)ワンドゥギ拝啓、愛しています⑥ロボット 完全版⑦桐島、部活やめるってよ⑧三池 終わらない炭鉱(やま)の物語⑨かぞくのくに⑩ピアノマニア 別格:春夏秋冬そして春

[2011年]①サラの鍵②テザ 慟哭の大地③愛する人④彼とわたしの漂流日記⑤アリス・クリードの失踪⑥阪急電車 片道15分の奇跡⑦牛と一緒に7泊8日⑧未来を生きる君たちへ⑨ゴーストライター⑩エンディングノート

[2010年]息もできない過速スキャンダル冬の小鳥④ゲキシネ蛮幽鬼(日)⑤実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(日)⑥告白(日)⑦瞳の奥の秘密⑧飛べ!ペンギン⑨川の底からこんにちは(日)⑩ONE SHOT ONE KILL

[2009年]①グラン・トリノ②ディア・ピョンヤン(日)③妻が結婚した母なる証明チェイサー⑥チェンジリング⑦劔岳 点の記(日)⑧チョコレート・ファイター⑨戦場のワルツ⑩牛の鈴音

[2008年]①ダークナイト②パコと魔法の絵本(日)③ウリハッキョ(日)④休暇(日)⑤シークレット・サンシャイン⑥ラスト・コーション⑦接吻(日)⑧おくりびと(日)⑨闇の子供たち(日)⑩火垂るの墓・実写版(日)

[2007年]①世界最速のインディアン②パンズ・ラビリンス③キサラギ(日)④ドリームガールズ⑤それでも僕はやっていない(日)⑥夕凪の街 桜の国(日)⑦幸福(しあわせ)のスイッチ(日)⑧檸檬の頃(日)⑨幸福(こうふく)の食卓(日)⑩私たちの幸せな時間
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [12月22日(金)~12月24日(日)]

2017-12-27 14:49:26 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸20~26日の1週間で映画7本鑑賞。うち日本映画はドキュメンタリー「獄友」の試写会(at日比谷図書館)のみ。その間飲み会2回と、学生時代の友人2人と共に大森方面歴史散歩、そして仕事関係の会議とかもあって、密度の濃い日々でした。
 外国映画6本中5本は「立ち去った女」「ドリーム」「星空」「否定と肯定」「女神の見えざる手」と、女性が主人公。中でも「否定と肯定」と「女神の見えざる手」にはいろいろ考えさせられました。社会的問題を扱った作品ですが、<正義>を主張するにもその戦略・戦術が決定的というほど大きな要素を占めるとは・・・。そして<正義>を追求する<有能な>主人公たちの仕事に対する姿勢自体からして<戦い>そのもの。アメリカ(イギリスもか)が、そんなにもディベートが大きな意味を持つ社会だということがよくわかりますが、それって国際社会一般のことになってるのかな? もしかして日本も? よくわかりませんが、私ヌルボの性には合わないなー・・・。
 なお「否定と肯定」の中でしばしば出てきた<歴史修正主義>という言葉は<厄介>だと思います。たとえば今、慰安婦問題について多数派の日本人が思っていることを語ると、いずれは<歴史修正主義者>として指弾されるかも・・・。実際、批判されても仕方ないような日本人も多いから問題ではあるんですけどねー・・・。(<歴史修正主義>&<慰安婦>で検索してみてください。)
 「ドリーム」(←やっぱりひどいタイトルだな(笑))について。観た人の評点が一番高いのはわかります。しかし私ヌルボ、最初の感想は「この作品が40年前に作られていたらすごいのに、人種差別反対も女性差別反対もとっくに常識となってるのに、なんで今?」という疑問。その後映画館内の掲示物を見たら「なぜ今この映画が公開されたのか。それは重要なこと」という主演のタラジ・P・ヘンソンの言葉が記されていました。つまり「それはこの頃(50~60年代)の出来事がまた起きようといているから」とのこと。なるほど、とトランプ及び彼を当選させたアメリカ社会のことが思い浮かび・・・、と3~4割程度考え直しました。

▸20日に観た韓国映画「ありふれた悪事」(原題:보통사람(普通の人)は観て得した感じ。1987年民主化闘争の高揚期、全斗煥の軍事政権による弾圧とくに拷問の問題を扱っていて、韓国の最新作「1987」とか、「南営洞1985」(2012)にも相通ずるものがあります。それから昨秋公開されたドキュメンタリー「自白」とも。※来年1月20日この「自白」の上映会が開かれます。→詳細。軍政時代の韓国の拷問についての本(小説&非小説)もいろいろありますが、いずれ別記事で・・・。(って、いつ?)    
    
「朝鮮日報」12月23日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「パターソン」
   平凡な日常 非凡な観察 ★★★☆



 「神と共に-罪と罰」

   善く生きよう、許しつつ ★★★



 「グレイト・ショーマン」

   今のままで貴方は最高 ★★★


 「まじめな遊び」

   冷たく異国的な恋愛潭 ★★☆

 4作品とも以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(12月26日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(-) グレイテスト・ショーマン  9.55(4,500)
②(2) ルター  9.33(216)
③(3) 再び生まれ変わっても、私たち(韓国)  9.32(770)
④(5) アイ・アム・ホープマン(韓国)  9.22(36)
⑤(6) ゴッホ~最期の手紙~  9.19(4,007)
⑥(-) KING OF PRISM -PRIDE the HERO-(日本)  9.19(701)
⑦(8) モーディー  9.18(2,645)
⑧(7) ポロロ劇場版 恐竜島大冒険(韓国)  9.17(2,567)
⑨(9) 劇場版総集編『ハイキュー!! 才能とセンス』(日本)  9.17(288)
⑩(-) 共犯者たち(韓国)  9.16(100)

 今回の新登場は①「グレイテスト・ショーマン」だけですが、この作品については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 牯嶺街少年殺人事件[デジタルリマスター版]  9.00(6)
②(-) パターソン  8.20(9)
③(-) ムーンライト  7.89(9)
④(2) スター・ウォーズ/最後のジェダイ  7.71(7)
⑤(3) オン・ボディー・アンド・ソウル  7.67(6)
⑥(4) ゴッホ~最期の手紙~  7.50(8)
⑦(-) オクジャ(韓国・アメリカ)  7.33(15)
⑦(5) メリー・クリスマス ミスター・モ(韓国)  7.33(15)
⑨(7) 静かなる情熱 エミリ・ディキンスン  7.20(5)
⑩(9) 七月と安生  7.17(6)

 ②「パターソン」が今回の新登場です。日本では(めずらしく)韓国より4ヵ月も早い8月に公開され、高評価を得ています。韓国題は「패터슨」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月22日(金)~12月24日(日)) ★★★

         「神と共に-罪と罰」が破格の数字で1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(72)・・神と共に-罪と罰(韓国)・・・・・・・12/20・・・・・・・・2,729,930・・・・・・・・3,554,004 ・・・・・・・28,731 ・・・・・・・1,884
2(1)・・鋼鉄の雨[STEEL RAIN](韓国)・・12/14 ・・・・・・・・・779,421・・・・・・・・3,131,270 ・・・・・・・25,074 ・・・・・・・1,005
3(27)・・グレイテスト・ショーマン・・・・12/20 ・・・・・・・・・302,869 ・・・・・・・・・392,273 ・・・・・・・・3,250・・・・・・・・・702
4(47)・・劇場版ポケットモンスター・・・12/21 ・・・・・・・・・173,279 ・・・・・・・・・189,020 ・・・・・・・・1,425・・・・・・・・・622
       キミにきめた!(日本)
5(25)・・モンスター・ファミリー・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・134,729 ・・・・・・・・・151,101 ・・・・・・・・1,121・・・・・・・・・583
       恐竜島大冒険(韓国)
6(2)・・スター・ウォーズ/最後のジェダイ・・12/14・・・・108,589・・・・・・・・・・874,180 ・・・・・・・・7,785・・・・・・・・・482
7(3)・・ポロロ劇場版 ・・・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・71,746・・・・・・・・・・660,032 ・・・・・・・・4,989・・・・・・・・・379
       恐竜島大冒険(韓国)
8(78)・・ザ・スター ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・26,345 ・・・・・・・・・・31,468 ・・・・・・・・・・231・・・・・・・・・158
9(4)・・メアリと魔女の花(日本)・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・10,825 ・・・・・・・・・527,018・・・・・・・・・4,005 ・・・・・・・・・101
10(新)・・ラブ・アクチュアリー・・2003/12/05 ・・・・・・・・・・・8,788 ・・・・・・・・・301,119・・・・・・・・・2,092 ・・・・・・・・・・93
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 先週の記事では「神と一緒に」と書いたのは、原作漫画の日本語版のタイトルに合わせたから。そして「神と共に」だとちょっと硬い感じがしたから。しかしネット内ではほとんど「共に」になっているので合わせることにしました。その「神と共に」が圧倒的な数字で1位。しかしネチズンの評点を見ると「グレイテスト・ショーマン」>「鋼鉄の雨」>「神と共に」の順。今後の推移はどうなるかまだわからず。次の注目作「1987」も登場することだし・・・。
 今回の新登場は1・3・4・5・8・10位の6作品です。
 1位「神と共に-罪と罰」は、チュ・ホミンの人気ウェブトゥーンが原作。火災現場で命を失った消防士ジャホン(チャ・テヒョン)が49日の間あの世で七大地獄を廻って・・・という物語で、日本でもおなじみの(?)地獄のようすが現代感覚で、またユーモア雑じりで描かれます。原題は「신과함께-죄와 벌」です。
 3位「グレイテスト・ショーマン」は、アメリカのミュージカルエンタテインメント。“ショービジネスを生み出した男”と称される実在した興行主、P.T.バーナムの波乱万丈の生涯を描いた作品。職を失った夢想家のバーナム(ヒュー・ジャックマン)はあるアイデアをきっかけにショービジネスの道へと足を踏み入れ、イギリスに渡ります。そして女王に謁見。そこで出会ったオペラ歌手ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)と共にアメリカに戻り、全米を魅了するショーを繰り広げますが・・・。韓国題は「위대한 쇼맨」。日本公開は来年2月16日です。
 4位「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」はシリーズ第20作目になるのか。最初が1998年。早いものです。韓国でも最初から全部公開されています。韓国題は「극장판 포켓몬스터 너로 정했다!」です。
 5位「モンスター・ファミリー」はイギリスのコメディ・アニメ。退屈な日常の中、ウィッシュボーン一家は会えばケンカをしているという家族。そんな家族の和合のためにと、ママはハロウィーンパーティーを準備します。ところが吸血鬼の歯を探していて本当のドラキュラと電話がつながってしまい、そのドラキュラの陰謀であっという間に家族全員がモンスターに変身してしまいます。しかし、変身した当初は当然困ったものの、そのうちパワーもUPする等々人間の時よりもけっこう魅力的。むしろ楽しいことが増えたのです。といってもやっぱり・・・。はたしてこの家族、再び人間に戻ることができるのでしょうか? 韓国題は「몬스터 패밀리」。日本公開はなさそう、かな。
 8位「ザ・スター」(仮)は、イエス・キリスト誕生を素材にしたアメリカのアニメ。天使がマリアに救世主を身ごもっていると告げた言葉を盗み聞きしていたネズミのアビー。「救世主が降臨する。その証拠に新しい星が夜空に出現したぞ」と他の動物たちにふれ回ります。その3ヵ月後、自由を夢見ていたロバのボーは、ベツレヘムで明るく輝く星を発見し、小麦を挽く仕事を棄ててマリアとヨセフのもとへ。そしてハトのデイブや羊のルースたちとともにヘロデ王の策謀に対抗します・・・。韓国題は「더 크리스마스(ザ・クリスマス)」。日本公開は、これもなさそうかな?
 10位「ラブ・アクチュアリー」は、2003年の英米合作ロマンチック・コメディの再上映。これもクリスマス映画ですね。韓国題は「러브 액츄얼리」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・ラブ・アクチュアリー・・・・・・2003/12/05 ・・・・・・・・・・・8,788 ・・・・・・・・・・301,119 ・・・・・・・・・2,092・・・・・・・・・・93
2(2)・・ゴッホ~最期の手紙~ ・・・・・・・・・・11/09 ・・・・・・・・・・・8,427 ・・・・・・・・・・369,172 ・・・・・・・・・2,934・・・・・・・・・・54
3(18)・・パターソン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・・8,331 ・・・・・・・・・・・12,164・・・・・・・・・・・・99・・・・・・・・・・60
4(1)・・チューリップ・フィーバー ・・・・・・・12/14 ・・・・・・・・・・・3,550 ・・・・・・・・・・・47,670・・・・・・・・・・・381・・・・・・・・・・27
5(新)・・まじめな遊び ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・・1,573 ・・・・・・・・・・・・2,814・・・・・・・・・・・・22・・・・・・・・・・43

 1・3・5位の3作品が新登場です。
 1位「ラブ・アクチュアリー」と、3位「パターソン」については上述しました。
 5位「まじめな遊び」(仮)は、スウェーデンのラブロマンス、というか不倫ドラマというか・・・。有望な若手の記者アビッドと画家の娘リディアは一目で恋に陥ります。しかし、突然リディアの父が死を迎え、将来への不安が2人の間を引き離します。若い恋人の眩しい季節はそうして通り過ぎてしまいます。その後10年が経って2人は再会します。長く別れていただけに切なさが押し寄せてきて、彼らは互いを渇望するようになりますが・・・。韓国題は「스톡홀름의 마지막 연인(ストックホルム最後の恋人)」です。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [12月15日(金)~12月17日(日)]

2017-12-19 23:50:37 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸先週の記事で、アシアナ機内で観た「朴烈」のことを少し詳しく書きました。その中で気になっていたことは、はたして金子文子はあんな流暢に朝鮮語を話せたのか、という疑問。→コチラのブログ主さんも同じ疑問を持ったとのこと。その後金子自身の手記「何が私をかうさせたか」、瀬戸内晴美「余白の春」等に目を通してみましたが、確かな記述はないものの、話せたとしてもほんの少し程度だったのではと思われます。

▸12月6日の「朝鮮日報」に<정치 영화냐 판타지냐… 연말 극장가 4강 대결(政治映画かファンタジーか・・・年末劇場街4強対決)>という見出しの記事が載っていました。(→コチラ.韓国語) その<4強>というのが次の作品です。

 「鋼鉄の雨」(左)はウェブトゥーンが原作。北朝鮮で起こったクーデターに続く南北間の混乱した状況下での核問題がらみのアクション。まさに現実の状況にもつながる点が強みとなるか、逆に弱点ともなるか? 12月13日の「朝鮮日報(日本語版)」には、<南北で核を共同所有? いくら映画とは言え…>という批判的な記事がありました。(→コチラ。) 内容についてももかなり詳しく書かれています。
 「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」(右)は日本より1日早く14日公開。
 「鋼鉄の雨」も同じ日に公開されましたが、これまでのところは「鋼鉄の雨」の圧勝。

 「神と一緒に」(左)もチュ・ホミンのウェブトゥーンが原作。前・後編で製作費400億ウォンを超えるという超大作で、公開日は20日。火災現場で命を失った消防士ジャホン(チャ・テヒョン)が49日の間あの世で七大地獄を廻って・・・という物語。他にもハ・ジョンウ、イ・ジョンジェ、チュ・ジフン等の豪華な出演陣です。この原作は私ヌルボも夢中になって読みました。ホントにおもしろかった! が、実写版はどうかな? 「鋼鉄の雨」と逆に、現実から離れすぎてる?
 「1987」(右)は27日の公開。1987年の民主化抗争の起爆剤となったソウル大生・朴鍾哲(パク・ジョンチョル)拷問致死事件をめぐって真実を隠蔽しようとする勢力と命をかけて真実を知らせようとする人々の物語。こちらもキム・ユンソク、カン・ドンウォン、ソル・ギョング、そしてハ・ジョンウも出演しています。あ、上の画像の左側は良心的な看守役のユ・ヘジン、右は大学生役のキム・テリですね。
 これらの韓国映画3作品はぜひ観てみたい・・・って、いつのことになるのかな?

▸15日に観た「ブレードランナー 2049」は期待通り。35年前の第1作同様、いや、さらに緻密(?)な未来都市は猥雑そのもの。とくに無数の廃棄物が広がった光景はさながら私ヌルボの散らかった部屋を見るがごとし、でした。※→8月22日の記事で画像を載せましたが、<행운(幸運)>というハングルが裏向きに掲げられている建物はとりたてて韓国云々ということではありませんでした。

▸今年も残すところ10日あまり。見逃した映画を集中的に観なくっちゃ。近所の横浜シネマリンで23日から上映の「立ち去った女」は絶対! 台湾映画「星空」はシネマ・ジャック&ベティか。(下北沢トリウッドで上映中。)
 韓国映画では、9日からシネマート新宿で公開されている「ありふれた悪事」(原題:보통사람(普通の人)はどうするかな?
 しかし仕事もあり、飲み会等も目白押しの日々が続きます。今年をあと半月ほど延長してほしいよ~!    

「朝鮮日報」11月11日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「チューリップ・フィーバー」
  若く優雅な19の愛★★★
 「三度目の殺人」
  見慣れない、冷たい是枝 ★★★☆
 「鋼鉄の雨」
  豪快な活劇、危険な結末 ★★★
 「メリー・クリスマス ミスター・モ」
  白黒の温かい聖誕風景 ★★☆
 是枝裕和監督の「三度目の殺人」、日本のファンの評価は分かれるようですが、私ヌルボは観てないのでなんとも・・・。他の3作品は後の記事中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(12月19日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) アイ・キャン・スピーク(韓国)  9.34(12,726)
②(3) ルター  9.33(212)
③(2) 再び生まれ変わっても、私たち(韓国)  9.31(750)
④(5) ウィークエンド(韓国)  9.23(171)
⑤(-) アイ・アム・ホープマン(韓国)  9.22(36)
⑥(8) ゴッホ~最期の手紙~  9.20(3,611)
⑦(6) ポロロ劇場版 恐竜島大冒険(韓国)  9.20(1,698)
⑧(-) モーディー  9.17(2,625)
⑨(9) 劇場版総集編『ハイキュー!! 才能とセンス』(日本)  9.14(268)
⑩(-) オールド・マリン・ボーイ(韓国)  9.18(11)

 今回の新登場は⑩「オールド・マリン・ボーイ」だけです。60kgの潜水服を着て水深30mの海中に身を投じる潜水士を取材・撮影した韓国のドキュメンタリー。原題は「올드마린보이」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 牯嶺街少年殺人事件[デジタルリマスター版]  9.00(6)
②(-) スター・ウォーズ/最後のジェダイ  8.00(6)
③(2) オン・ボディー・アンド・ソウル  7.67(6)
④(3) ゴッホ~最期の手紙~  7.50(8)
⑤(-) メリー・クリスマス ミスター・モ(韓国)  7.33(15)
⑥(5) アイ・キャン・スピーク(韓国)  7.25(8)
⑦(6) バトル・オブ・ザ・セクシーズ  7.20(5)
⑦(6) 静かなる情熱 エミリ・ディキンスン  7.20(5)
⑨(8) 七月と安生  7.17(6)
⑩(-) 鋼鉄の雨(韓国)  7.00(10)

 ②⑤⑩の3作品が今回の新登場です。
 ②「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」は、日本でも12月15日公開されています。韓国題は「스타워즈:라스트 제다이」です。
 ⑤「メリー・クリスマス ミスター・モ」は、韓国のブラックコメディ。ある日がんの宣告を受けたミスター・モ(キ・チュボン)は、一世一代の計画を立てて、映画監督である息子スデバン(オ・ジョンファン)とそのガールフレンドのイェウォン(コ・ウォニ)を呼びます。わけもわからずにやって来た彼らに、ミスター・モは自作のシナリオを渡します。そのタイトルは「私製爆弾を呑み込んだ男」。「映画監督は映画を撮らなくちゃ」。チャップリンが好きだった妻と若い時の自分の夢、そしてひとり残る息子と友人たちのために最後のプレゼントを用意するのですが・・・。はたしてミスター・モのクリスマスは彼の生のクライマックスになるでしょうか? 原題は「메리 크리스마스 미스터 모」です。
 ⑩「鋼鉄の雨」については後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月15日(金)~12月17日(日)) ★★★

         「鋼鉄の雨」が「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」に圧勝

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(69)・・鋼鉄の雨[STEEL RAIN](韓国)・・12/14 ・・・・・・1,378,367・・・・・・・・1,628,961 ・・・・・・・13,227 ・・・・・・・1,389
2(新)・・スター・ウォーズ/最後のジェダイ・・12/14・・・522,826 ・・・・・・・・・639,049 ・・・・・・・・5,640 ・・・・・・・1,093
3(3)・・ポロロ劇場版 ・・・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・178,058 ・・・・・・・・・558,155 ・・・・・・・・4,421・・・・・・・・・661
       恐竜島大冒険(韓国)
4(4)・・メアリと魔女の花(日本)・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・98,658 ・・・・・・・・・493,436 ・・・・・・・・3,769 ・・・・・・・・・512
5(2)・・記憶の夜(韓国)・・・・・・・・・・・・・・11/29 ・・・・・・・・・・84,839・・・・・・・・1,353,595 ・・・・・・・10,406 ・・・・・・・・・478
6(1)・・クン(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/22 ・・・・・・・・・・78,032・・・・・・・・3,992,616 ・・・・・・・31,130 ・・・・・・・・・529
7(78)・・リルリルフェアリル〜魔法の鏡〜・・12/14・・・・・35,699 ・・・・・・・・・・40,142・・・・・・・・・・311 ・・・・・・・・・207
       クリスマススターをつくろう!(日本)
8(新)・・チューリップ・フィーバー ・・・12/14 ・・・・・・・・・・22,409 ・・・・・・・・・・32,043・・・・・・・・・・260 ・・・・・・・・・359
9(5)・・オリエント特急殺人事件 ・・・・・11/29 ・・・・・・・・・・16,079 ・・・・・・・・・855,662 ・・・・・・・・6,577 ・・・・・・・・・150
10(10)・・ゴッホ~最期の手紙~ ・・・・・11/09 ・・・・・・・・・・11,765 ・・・・・・・・・352,591 ・・・・・・・・2,800 ・・・・・・・・・・91
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 冒頭で紹介した年末の注目4作品中まず登場した2作品が1・2位。しかし数字を見ると韓国映画「鋼鉄の雨」が「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」の2倍以上の観客動員数で圧勝。やっぱり北朝鮮をめぐる状況が作用したのかな?
 今回の新登場は1・2・7・8位の4作品です。
 1位「鋼鉄の雨」は、韓国のアクション。Netflixでは英題の「STEEL RAIN」を仮題としているので、邦題もそうなるかも・・・。クリスマスを目の前にしたある日、北朝鮮でクーデターが起きます。「委員長」とよばれる北朝鮮の第1権力者と精鋭要員のオム・チョルウ(チョン・ウソン)が韓国に亡命して来ます。その間、北朝鮮は韓国とアメリカに対し宣戦を布告し、韓国は戒厳令を宣布します。この時、「委員長」等の亡命の情報を入手した外交安保首席クァク・チョルウ(クァク・ドウォン)は戦争を防ぐために、彼らに緊密なアプローチを試みますが・・・。原題は「강철비」です。
 2位「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」は、上述のように日本でも1日遅れで公開しました。
 7位「リルリルフェアリル〜魔法の鏡〜 クリスマススターをつくろう!」は、テレビ東京製作のTVアニメシリーズですが、日本では劇場公開はありません。韓国でもほぼ1年遅れで今年5月から放映されています。(週2回だからいずれ追いつく?)
りっぷやすみれたちは、先輩のティンクルフェアリルであるスピカやシリウスたちとツリーを飾るクリスマスの星を作っているうち、友だちと争いを繰り広げることに・・・等々、クリスマスの準備中にいろんな混乱が・・・。はたしてリトルフェアリルの妖精たちは幸せなクリスマスを迎えられるのかな?というお話。韓国題は「극장판 숲의 요정 페어리루 ~크리스마스의 기적:마법의 날개~」。「劇場版 森の妖精 フェアリル ~クリスマスの奇跡:魔法の翼~」か。
 8位「チューリップ・フィーバー」(仮)は、英米合作のラブロマンス、というか不倫劇。17世紀のオランダが舞台です。若くて美しい女性ソフィア(アリシア・ヴィキャンデル)は孤児院育ちですが、年の離れた資産家コールネリス(クリストフ・ヴァルツ)の後妻としてお屋敷住まいの身となります。コールネリスは、子供が生まれることを強く望み、2人の肖像画を描かせるため才能はあるが売れない若い画家ヤン(デーン・デハーン)を雇いますが、このヤンとソフィアはいつしかひそかに愛し合う仲に・・・。ヤンは駆け落ちの資金を得るため当時のチューリップブームに乗じて投機しますが・・・。韓国題は「튤립 피버」。日本公開は未定のようです。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・チューリップ・フィーバー ・・・・・・12/14 ・・・・・・・・・・22,409 ・・・・・・・・・・・32,043・・・・・・・・・・・260・・・・・・・・・359
2(1)・・ゴッホ~最期の手紙~ ・・・・・・・・・・11/09 ・・・・・・・・・・11,765 ・・・・・・・・・・352,591 ・・・・・・・・・2,800・・・・・・・・・・91
3(57)・・Love Letter(日本) ・・・・・・・・・・1999/11/20 ・・・・・・・・・・11,074・・・・・・・・・・・93,632・・・・・・・・・・・717・・・・・・・・・110
4(3)・・山上の垂訓 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・・2,416 ・・・・・・・・・・・23,550・・・・・・・・・・・157・・・・・・・・・・27
5(4)・・帰って来る(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・・1,672 ・・・・・・・・・・・10,833・・・・・・・・・・・・70・・・・・・・・・・14

 1・3位の2作品が新登場です。
 1位「チューリップ・フィーバー」については上述しました。
 3位「Love Letter」は、韓国では初公開以降、日本以上に長く人気を保ってきた岩井俊二監督作品の3度目の再上映です。主演の中山美穂の「お元気ですかー」というセリフは日本語のまま韓国でよく知られています。韓国題は「러브레터」です。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [12月8日(金)~12月10日(日)]

2017-12-13 11:42:27 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸12月8日(金)の夜韓国から帰国。出国(4日)の頃の日本も寒かったけどソウルはもっと寒く、帰国後は12日朝のソウルで零下12度と、さらに寒くなって寒波警報まで出た模様です。
 先週の記事で飛行機内での映画鑑賞のことを書きましたが、その続き。帰路で韓国映画のリストの中から「朴烈」を選んで観てみました。(※朴烈事件→ウィキペディア) ただ問題点が2つ。まず129分という長さ。機内アナウンスによる中断を考えると時間が足りません。2つ目の問題は、日本語字幕がなく英語だけ。しかし、途中は早送りで対応し、言葉の問題は内容上全体の3割以上(?)は日本語のセリフだったので何とかわかりました。
 感想は、①なかなか見応えがあった。多くの映画賞を受賞したのもうなづける。②とくに朴烈の恋人(内縁の妻)金子文子を演じたチェ・ヒソに注目! 大鐘賞の主演女優賞と新人女優賞、青龍映画賞の新人女優賞、韓国映画評論家協会賞の新人女優賞等々、多数の賞を獲得しただけのことはあります。金子文子は9歳の時朝鮮忠清北道の叔母の家に引き取られ、養子となるが無理解な待遇を受け続け、その間1919年独立運動の光景を目撃し、朝鮮人の立場を自らの境遇と重ねて共感し感動したとのことで、本作品でもチェ・ヒソは日本語と韓国語で話しています。その日本語の発音が自然なことに驚きました。後でいくつかの記事を読むと、幼い頃大阪に住んでいて韓国人の小学校に通い、5年生の時に「沈清伝」で沈清を演じたことが強く記憶に残って、延世大学校の時に演劇サークルに入ったとか。なお中学校の頃はアメリカで過ごし、大学時代は第2外国語でイタリア語を選択し、また映画界に入ってからは中国に進出するために中国を学んでいて、5カ国語に堪能なのだそうです。③在日の俳優金仁友(キム・イヌ)さんが準主役というべき悪役の水野錬太郎を演じています。朝鮮総督府政務総監を務めた後、加藤友三郎内閣で内務大臣となり、加藤首相死去直後の9月1日に起こった関東大震災に際してはがあったため、後任の内相(=後藤新平)が決まる2日までの短い間ですが陣頭指揮に当たった人物です。上記のチェ・ヒソとは、同じイ・ジュニク監督の「空と風と星の詩人~尹東柱の生涯~」(原題:ドンジュ)でも共演していました。④決して<反日映画>とは言えない。たしかに朝鮮人にとって発音が難しい「12円50銭と言ってみろ!」と誰何する場面や惨殺の場面等もあり、史実として疑問な部分もありますが、社会的弱者、とくに朝鮮人関係の事件を数多く担当した弁護士・布施辰治も山野内扶が演じて「正義を愛する日本人もいるということを知ってほしい」(意訳)といったセリフもあります。(布施辰治のことは多くの日本人に知ってほしいと思います。)
 この「朴烈」については、→コチラのイ・ジュニク監督のインタビュー記事にとてもよくまとめられています。(それにしても、「空と風と星の詩人~尹東柱の生涯~」同様日本でも公開されないかな?)
    
「朝鮮日報」11月25日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「メアリと魔女の花」
   赤毛のアン、魔法学校へ ★★★



 「初めての行程」

   青春の生とは‘初歩運転’ ★★★



 「記憶の夜」

   前半部以降は混沌の夜 ★★☆

 3作品とも以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(12月12日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(6) アイ・キャン・スピーク(韓国)  9.34(12,615)
②(8) 再び生まれ変わっても、私たち(韓国)  9.32(727)
③(7) ルター  9.32(210)
④(2) 息子のところへ行く道(韓国)  9.31(48)
⑤(-) ウィークエンド(韓国)  9.23(191)
⑥(-) ポロロ劇場版 恐竜島大冒険(韓国)  9.22(991)
⑦(4) 青い夕焼け(韓国)  9.21(52)
⑧(-) ゴッホ~最期の手紙~  9.20(3,273)
⑨(-) 劇場版総集編『ハイキュー!! 才能とセンス』(日本)  9.20(236)
⑩(-) プレス(韓国)  9.18(11)

 今回の新登場は⑥と⑩の2作品です。
 ⑥「ポロロ劇場版 恐竜島大冒険」については後述します。
 ⑩「プレス」は、韓国のドラマ。プレスといっても報道関係ではなく、金属加工の方。ヨンイル(チン・ヨンウク)は20年間の刑務所暮らしを終え、出所してプレス工場で働いています。単純に繰り返される毎日を過ごしていた彼のところに若い女性ポラ(モク・キュリ)が訪ねて来ます。彼女が関わっている社会適応プログラムへの参加の呼びかけですが、最初は面倒くさくて敬遠していた彼も、その後彼女の熱意を感じて参加することにしました。人間関係の中でたがいの感情を理解し、世の中を学んでいくことにより彼は暖かさを感じるようになります。ところがある日、ポラが別の参加者を紹介し、ヨンイルはその彼に嫉妬心を覚えます・・・。原題は「프레스」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 牯嶺街少年殺人事件[デジタルリマスター版]  9.00(6)
②(4) オン・ボディー・アンド・ソウル  7.67(6)
③(5) ゴッホ~最期の手紙~  7.50(8)
④(-) オクジャ(韓国・アメリカ)  7.33(15)
⑤(6) アイ・キャン・スピーク(韓国)  7.25(8)
⑥(7) バトル・オブ・ザ・セクシーズ  7.20(5)
⑥(7) 静かなる情熱 エミリ・ディキンスン  7.20(5)
⑧(-) 七月と安生  7.17(6)
⑨(9) 女優は今日も(韓国)  7.00(7)
⑩(10) ビッグ・バッド・フォックス  7.00(1)

 ⑧「七月と安生」が今回の新登場です。今年の大阪アジアン映画祭でも上映されたドラマで、安妮寶貝(アニー・ベイビー)という中国の人気作家のネット小説の映画化作品とのことです。1990年代後半、江蘇省の地方都市の中学校で偶然のように出会った林七月(馬思純.マー・スーチュン)と李安生(周冬雨.チョウ・ドンユィ)という13歳の少女2人のその後14年間の物語。正反対の性格なのに親友になった彼女たちは別の高等学校に進学しますが、七月は同級生の蘇家明(李程彬.トビー・リー)を好きになったことから2人の関係は微妙なものになり、20歳で大人になることは別れを学ぶことだと知り、その後27歳になった2人は・・・という哀切な青春を描いた作品。なお、主演の2人は2016年台湾の金馬奨で主演女優賞を受賞しています。韓国題は「안녕, 나의 소울메이트」。日本でも一般公開してほしいものですが、はたして?

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月8日(金)~12月10日(日)) ★★★

         「クン」が3週連続1位で400万人に近づく

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・クン(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/22 ・・・・・・・・・418,141・・・・・・・・3,722,751 ・・・・・・・29,112 ・・・・・・・・・856
2(2)・・記憶の夜(韓国)・・・・・・・・・・・・・・11/29 ・・・・・・・・・310,749・・・・・・・・1,105,696 ・・・・・・・・8,546 ・・・・・・・・・740
3(29)・・ポロロ劇場版 ・・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・299,088 ・・・・・・・・・324,239 ・・・・・・・・2,485 ・・・・・・・・・803
       恐竜島大冒険(韓国)
4(新)・・メアリと魔女の花(日本)・・・・・12/07 ・・・・・・・・・267,674 ・・・・・・・・・309,992 ・・・・・・・・2,425 ・・・・・・・・・751
5(3)・・オリエント特急殺人事件 ・・・・・11/29 ・・・・・・・・・144,186 ・・・・・・・・・772,639 ・・・・・・・・5,968 ・・・・・・・・・565
6(新)・・アメリカン・アサシン ・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・118,669 ・・・・・・・・・152,785 ・・・・・・・・1,218 ・・・・・・・・・528
7(4)・・必ず捕まえる(韓国)・・・・・・・・・・11/29 ・・・・・・・・・・48,968 ・・・・・・・・・413,829 ・・・・・・・・3,103 ・・・・・・・・・397
8(87)・・ラ・ラ・ランド・・・・・・・・・・2016/11/15 ・・・・・・・・・・38,926・・・・・・・・3,552,085 ・・・・・・・29,674 ・・・・・・・・・247
9(6)・・イフ・オンリー ・・・・・・・・・・2004/10/29・・・・・・・・・・25,229 ・・・・・・・・・986,996 ・・・・・・・・6,540 ・・・・・・・・・158
10(7)・・ゴッホ~最期の手紙~・・・・・・・11/09・・・・・・・・・・25,025 ・・・・・・・・・325,276 ・・・・・・・・2,585 ・・・・・・・・・157
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 3週連続トップの「クン」以下3位までが韓国映画。といっても、数字的にはそんな高いレベルではありません。
 今回の新登場は3・4・6位の3作品です。8位の「ラ・ラ・ランド」はもちろん約1年前のヒット作の再上映です。
 3位「ポロロ劇場版 恐竜島大冒険」は、2003年に始まった人気TVアニメ「ポンポン ポロロ」の主人公ポロロが活躍するアニメ。冬休みなどの時期になると劇場版も公開されて、もう8作めくらいになるかな? 今作は、ポロロと仲間たちがは森の中で卵形の飛行船の中で眠っている子供の恐竜アローを発見するところから始まります。しかし、名前のほかは何も覚えていないアローのために宇宙船を直している間に飛行船が点滅し、ポロロの仲間の少年恐竜クロンとアローを載せたまま遠くに消えてしまいます。2人(人か?)を救うためにポロロたちは飛行船を追って恐竜の島に向かいますが・・・。原題は「뽀로로 극장판 공룡섬 대모험」です。
 4位「メアリと魔女の花」は、上掲の「朝鮮日報」では★3つついてますね。私ヌルボは観てないので、評価しようがありません。韓国題は「메리와 마녀의 꽃」です。
 6位「アメリカン・アサシン」は、アメリカのアクション。婚約者と旅行中、突如現れたテロリストによる無差別銃撃で婚約者を失ったミッチ(ディラン・オブライエン)は、それ以来復讐を果たすため自分を鍛えます。そんな彼の能力に注目したCIAは、彼を新入要員に抜擢します。最高のトレーナーのスタン・ハーレー(マイケル・キートン)による厳しい訓練を耐え抜いたミッチは、いよいよ世界を脅かす1級テロリストのゴースト(テイラー・キッチュ)を除去する作戦に投入され、そしてゴーストが企てていた第3次世界大戦を阻止するための極秘任務を任せられることになりますが・・・。韓国題は「어쌔신:더 비기닝」。日本でも公開されますが、期日は未定のようです。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・ゴッホ~最期の手紙~ ・・・・・・・・・・11/09 ・・・・・・・・・・25,025 ・・・・・・・・・・325,276 ・・・・・・・・・2,585・・・・・・・・・157
2(新)・・七月と安生 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・・8,403 ・・・・・・・・・・・14,186・・・・・・・・・・・114・・・・・・・・・165
3(27)・・山上の垂訓 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・・8,352 ・・・・・・・・・・・13,544・・・・・・・・・・・・84・・・・・・・・・・67
4(14)・・帰って来る(韓国)・・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・・3,388・・・・・・・・・・・・・6,987・・・・・・・・・・・・47・・・・・・・・・・58
5(25)・・初めての行程(韓国)・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・・1,586・・・・・・・・・・・・・3,237・・・・・・・・・・・・27・・・・・・・・・・47

 1位以外の4作品がすべて新登場です。
 2位「七月と安生」については上述しました。
 3位「山上の垂訓」は、キリスト教の神に対する疑問を明らかにしようという作品。洞窟の中に集まった8人の青年たちが、「天国は本当に存在するのだろうか?」「善良に生きれば、本当に天国に行くことができるのだろうか?」「神は善悪の実をなぜ作って私たちに困難な判断に陥れたのか?」「神はなぜ私の苦痛を救ってくれないのだろうか?」 誰も明快に言ってくれなかったこれらの難解な問いが徐々に論理的に解明されていきます・・・。韓国題は「산상수훈」です。
 4位「帰って来る」は、韓国のドラマ。今年の全州国際映画祭に招請され、またモントリオール国際映画祭のファースト・フィルム・ワールド・コンペティション部門部門で金賞を受賞した作品です。舞台は人里離れたところにあるマッコリの店。そこは心の中に懐かしさを抱いた人たちの避難所です。そしてそこのマッコリを飲むと懐かしい人が帰ってくるという板が懸けられ、再び会えるという呪文を唱えます。そんなある日、チュヨンというソウルから来た若い女性もこのマッコリ店を探してやって来ます・・・。原題は「돌아온다」です。
 5位「初めての行程」は、韓国のドラマ。つき合って7年目のカップルのスヒョン(チョ・ヒョンチョル)とジヨン(キム・セビョク)は結婚を考えるようになる。美術講師と放送局の契約社員という現実と、結婚をごり押しするジヨンの母、スヒョンの複雑な家庭事情。不確実な未来に向かって歩いて行かなければならない、今この時代の、このカップルの行方は・・・。原題は「초행(初行)」です。

        
 左=水野錬太郎(キム・イヌ)「地震に乗じて朝鮮人が火をつけ・・・」
 右=金子文子(チェ・ヒソ)「9歳の時祖母の家に行って女中のような暮らしを・・・」

        
 左=朴烈(イ・ジェフン)「朝鮮人としてしなければならないことが大逆なら・・・」
 右=布施辰治(山野内扶)「幸徳秋水の大逆事件のように・・・」
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [12月1日(金)~12月3日(日)]

2017-12-06 23:55:56 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸11月29日韓国文化院で「ハナ ~奇跡の46日間~」を観てきました。予約不要の昼の部(15:00~)で、3~4割程度の入りだったかな? この映画は1991年幕張メッセで開かれた第41回世界卓球選手権大会で、南北朝鮮が統一チームで出場し、女子団体で中国を決勝で破ったという事実に基づいたフィクション、・・・ということは知っていましたが、実は観たのは初めて。で、翌30日図書館で当時(1991年)の決勝翌朝(4月30日)の毎日新聞を見てみました。

 なるほど、「涙、涙・・・「統一コリア」」の見出しと、抱き合う南北の選手の写真が目を引きます。ソウルの街でも「イギョッタ(勝った)」と大歓声がわき上がったという記事も載っています。
上の写真と記事は社会面を見ると・・・。
     
 あれ? 大きな写真は韓国のエースでハ・ジウォンが演じた主役・玄静和(ヒョン・ジョンファ)選手ではなく、ペ・ドゥナが演じた北朝鮮のエース・リ・プニ選手でもなく、彼女たちに次ぐ準主役の北朝鮮選手リュ・スンボクではないですか。そして試合結果を見ると勝利の立役者はシングルスで2勝した彼女だったのですね。まあいろんなことを<配慮>した結果ということでしょうが、事実とフィクションの見極めはやっぱりむずかしいということです。

▸実は4日(月)からソウルに来ています。それが丸1日記事が遅れた理由。
 今回も、私ヌルボの定番の20時過ぎ羽田発のアシアナ機。機内では、タダの韓国紙を読むのがふつうですが、今回たまたま前の座席の客が観ている映画の画面がチラッと目に入りました。どうも「軍艦島」のようだぞ、と思って韓国映画のリストを見ると案の定ありました。その他「朴烈」なども。これまでは2時間ちょっとのフライトでは時間的に無理だろうと、全然無視してきましたが、日本での上映予定のなさそうな作品はこういう機会に観ておくのが賢い選択かなと思った次第です。(それにしても、ソウルは寒いな・・・。)

 「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は先週掲載されませんでした。

         ★★★ NAVERの人気順位(12月5日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(-) ハンドル・ウィズ・ケア  9.91(11)
②(-) 息子のところへ行く道(韓国)  9.63(30)
③(3) アイ・アム・ホープマン(韓国)  9.50(26)
④(1) 青い夕焼け(韓国)  9.49(41)
⑤(6) ビューティフル・トゥモロー(韓国)  9.35(737)
⑥(5) アイ・キャン・スピーク(韓国)  9.34(12,519)
⑦(4) ルター  9.33(208)
⑧(7) 再び生まれ変わっても、私たち(韓国)  9.32(700)
⑨(10) テンポガールズ(韓国)  9.25(310)
⑩(-) わたしは、ダニエル・ブレイク  9.22(1,709)

 今回の新登場は①と②の2作品です。
 ①「ハンドル・ウィズ・ケア」(仮)はノルウェーのドラマ。英題の「Handle with Care」は「取り扱い注意」という意味。物語の主人公はキエティルという男。最愛の妻がこの世のすべてという彼は、その妻の説得で幼い男の子ダニエルを養子にします。ところがその後予期せぬ事故で妻を亡くしてしまいます。ダニエルに良いお父さんになってやることができないと感じた彼は、ダニエルの実の母を探してみることに決めますが、旅程が長くなるとともに、だんだん自分でもわからない感情にとらわれます・・・。韓国題は「나는 아들을 사랑하지 않는다(私は息子を愛していない)」。日本公開は未定のようです。
 ②「息子のところへ行く道」は、韓国のドラマ。聞くことも話すこともできないポヒョン(キム・ウンジュ)とソンナク(ソ・ソングァン)の障碍者夫婦は、将来のためと考えて一人息子(イ・ロウン)をしばらくの間田舎の母に預けます。しかし、離れて暮らしているとその分息子との心の距離が縮まらず、夫婦はもっと近づこうとするものの、息子は自分の話を聞いてくれない親がただもどかしく思ってしまいます・・・。原題は「아들에게 가는 길」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 牯嶺街少年殺人事件[デジタルリマスター版]  9.00(6)
②(-) わたしは、ダニエル・ブレイク  8.40(15)
③(3) ブレードランナー 2049  8.22(9)
④(-) オン・ボディー・アンド・ソウル  7.67(6)
⑤(5) ゴッホ~最期の手紙~  7.50(8)
⑥(8) アイ・キャン・スピーク(韓国)  7.25(8)
⑦(9) バトル・オブ・ザ・セクシーズ  7.20(5)
⑦(9) 静かなる情熱 エミリ・ディキンスン  7.20(5)
⑨(-) 女優は今日も(韓国)  7.00(7)
⑩(-) テンポガールズ(韓国)  7.00(1)
⑩(-) ビッグ・バッド・フォックス  7.00(1)

 ④と⑩「ビッグ・バッド・フォックス」の2作品が今回の新登場です。
 ①「オン・ボディー・アンド・ソウル」(仮)は、今年2月ベルリン国際映画祭で金熊賞を獲得したハンガリーの女性監督イルディゴ・エンエディによる風変わりなラブストーリー。ブダペストにある畜殺場で働くエンドレは愛に倦んだ初老の男。その彼が牡鹿となって雪が深く降り積もった森の中で雌と一緒に走り回り夢を見ます。そんなある日、会社に新しい品質検査官のマリアという若い女性が入ってきて、彼の部下になります。ところがその後、エンドレは偶然、自分同様孤独をかこつ身の彼女も牝鹿となって同じような夢を見るという事実を知ることになります。しかし共に孤独をかこつ身の2人、物語は容易には進展しない、のかな? 韓国題は「우리는 같은 꿈을 꾼다」。日本公開は、え、未定なの?
 ⑩「ビッグ・バッド・フォックス」(仮)は、フランスのアニメ。アニメ関係の多くの映画賞にノミネートされ注目された作品のようです。英題そのままの仮題からわかるように、主人公はキツネ。しかし誰も彼を恐れることはなく、たびたび狩りに失敗するというなさけないキツネ。そこで企んだのは、牝鶏の卵をこっそり盗んで、孵化したら食ってしまおうという計画。ところが、予想と違って卵から孵ったヒヨコ三銃士がキツネママと呼んでチョロチョロついて回るのです・・・! 韓国題は「빅 배드 폭스」。日本公開は不明、かな?

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月1日(金)~12月3日(日)) ★★★

         韓国映画「クン」が2週連続1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・クン(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/22 ・・・・・・・・・671,659・・・・・・・・2,996,004 ・・・・・・・23,406・・・・・・・・1,006
2(82)・・記憶の夜(韓国)・・・・・・・・・・・・・11/29 ・・・・・・・・・396,041 ・・・・・・・・・569,750 ・・・・・・・・4,358 ・・・・・・・・・751
3(72)・・オリエント特急殺人事件 ・・・・11/29 ・・・・・・・・・332,834 ・・・・・・・・・489,041 ・・・・・・・・3,773 ・・・・・・・・・707
4(20)・・必ず捕まえる(韓国)・・・・・・・・・11/29 ・・・・・・・・・171,874 ・・・・・・・・・276,474 ・・・・・・・・2,087 ・・・・・・・・・565
5(2)・・ジャスティス・リーグ ・・・・・・・・11/15 ・・・・・・・・・・55,830・・・・・・・・1,754,594 ・・・・・・・14,391 ・・・・・・・・・416
6(88)・・イフ・オンリー ・・・・・・・・・2004/10/29・・・・・・・・・・49,994 ・・・・・・・・・932,780 ・・・・・・・・6,101 ・・・・・・・・・168
7(5)・・ゴッホ~最期の手紙~・・・・・・・・11/09 ・・・・・・・・・・36,221 ・・・・・・・・・275,634 ・・・・・・・・2,195 ・・・・・・・・・187
8(4)・・マイティ・ソー バトルロイヤル・・10/25・・・・・・・・・33,675・・・・・・・・4,823,191 ・・・・・・・38,989 ・・・・・・・・・228
9(3)・・ハッピー・デス・デイ・・・・・・・・・・11/08 ・・・・・・・・・・21,117・・・・・・・・1,372,133 ・・・・・・・10,929 ・・・・・・・・・273
10(6)・・ラビット・スクール 金の卵の守護者・・11/23 ・・12,525 ・・・・・・・・・・50,578・・・・・・・・・・372 ・・・・・・・・・126
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は2・3・4・6位の4作品です。
 2位「記憶の夜」は、韓国のミステリー。新しい家に引っ越して来たその夜に何者かによって拉致されたユソク(キム・ムヨル)は、19日後に全ての記憶を失って帰って来ます。帰って来てからのユソクは何だか変わってしまったような・・・。弟のチンソク(カン・ハヌル)は毎晩姿をくらますユソクを追って行き、そして衝撃的な事実を知ることになります・・・。原題は「기억의 밤」です。
 3位「オリエント急行殺人事件」は、日本でも12月8日公開で、すでに諸情報が流されているので内容紹介等は省略します。韓国題は「오리엔트 특급 살인」。急行じゃなく特急なのか。
 4位「必ず捕まえる」は、韓国のスリラー。30年前の迷宮入りの事件と同じ手法で再び殺人事件が起きます。町を良く知る古株のシム・ドクス(ペク・ユンシク)は、事件をよく知っている元刑事のパク・ピョンダル(ソン・ドンイル)と意気投合し、勘を頼りに犯人を追います・・・。原題は「반드시 잡는다」です。
 6位「イフ・オンリー」は、アメリカのラブロマンスですが、2004年韓国公開の再上映。日本では公開されていません。以下あらすじ。目の前で愛する恋人のサマンダ(ジェニファー・ラブ・ヒューイット)を失ったイアン(ポール・ニコルズ)は、翌朝自分の隣で寝ているサマンダを見て驚きます。しかし喜びもつかの間、決まった運命は変えることができないということを悟った彼は、手遅れになる前に自分の本当の愛を伝えることを心に決めます・・・。韓国題は「이프 온리」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・ゴッホ~最期の手紙~ ・・・・・・・・・・11/09・・・・・・・・・・・36,221 ・・・・・・・・・・275,634 ・・・・・・・・・2,195・・・・・・・・・187
2(2)・・ラビット・スクール・・・・・・・・・・・・・・11/23 ・・・・・・・・・・12,525 ・・・・・・・・・・・50,578・・・・・・・・・・・372・・・・・・・・・126
3(新)・・ビッグ・バッド・フォックス・・・・・・11/30 ・・・・・・・・・・11,959 ・・・・・・・・・・・13,432・・・・・・・・・・・102・・・・・・・・・219
4(3)・・ジャングル・ブック&ピーター・パン・・11/23・・・・・・・・・4,601 ・・・・・・・・・・・27,128・・・・・・・・・・・198・・・・・・・・・・57
        クリスマス・スペシャル
5(新)・・スクール・オブ・ロック・・・・・・・2004/2/27 ・・・・・・・・・・・2,441・・・・・・・・・・・32,098 ・・・・・・・・・・・206・・・・・・・・・・78

 3・5位の2作品が新登場です。
 3位「ビッグ・バッド・フォックス」については上述しました。
 5位「スクール・オブ・ロック」は、日本でも2004年に公開されたアメリカ映画の再上映です。韓国題は「스쿨 오브 락」です。
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