ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

4月9日脱北帰国者との対話集会があります。

2010-03-31 12:27:08 | 北朝鮮のもろもろ
 先頃アジアプレスのイベント案内のメールが届きました。
 以前、アジアプレスのサイトを通じて、「北朝鮮内部からの通信 リムジンガン」を購入した関係です。

 イベントの概要は次の通りです。

    「北朝鮮であったこと、話します」
  "脱北帰国者との対話集会と、北朝鮮内部記者が撮ったミニ写真展"
   日時: 2010年4月9日 写真展17時〜 対話集会18時30分〜21時
※→詳細はコチラ

 可能であれば私ヌルボもこの集会に行ってみようかなと思っているのですが、それは日本在住脱北帰国者の話が聞ける、というのが一番の理由です。

 拉致被害者とその家族のことはさまざまに報道されていますが、脱北帰国者については多くが支援を必要とする状況にあっても、あまり関心を向けられていないようです。<右寄り>の人からも<左寄り>の人からも・・・。

 北朝鮮に渡ったものの監視や差別・抑圧の対象とされた在日朝鮮人も、日本に帰国できないままの日本人妻も、拉致被害者とその家族も、また現在の北朝鮮の住民の多くも人権被害者、国家犯罪被害者です。
 まず彼らの状況について知ることが手をさしのべる方策を考え行動する前提になると思います。

 この集会の出演者の一人、アジアプレスの石丸次郎さんは「93年と94年7月、11月に中国の朝鮮国境1400キロを踏破。北朝鮮取材は国内に3回、朝中国境地帯にはおよそ50回。これまで北朝鮮難民とのインタビューは500人を超える」という人で、「リムジンガン」の創刊・編集に携わり、また「サンデー毎日」連載の「朝鮮半島」の執筆者の一人でもあります。

 辛淑玉さんはTVとか本でおなじみの人で、<嫌韓派>の人たち等からの批判が絶えない人です。北朝鮮関係では「鬼哭啾々(きこくしゅうしゅう)」という本があります。帰国事業で北朝鮮に渡った叔父がそこで死んだと聞いたとき、「正直ホッとした」と思った等の事実をも告白し、また脱北者からのインタビューを通じて、「日帝時代よりひどい」という<楽園>の実態を記しています。
 アマゾンのレビューでは、好意的評価と非難が2:8くらいの比率ですが、私ヌルボは概して北朝鮮住民への関心が薄い人が多い<進歩派>の中では、積極的な発言をしている人だと思います。
※否定的な8割の中にも、
 「しかし、本書は、朝鮮学校・帰国事業の体験談、中朝国境での聞き取りなど貴重な材料が含まれており、この意味のみにおいて、意義深いものといえる。」
・・・のようにきちんと読んでいる人もいれば、
 「辛淑玉は国際指名手配犯であり犯罪者である。・・・彼は工作員であり北朝鮮の狗にすぎず 果たして「事実であるか?」と云う疑問は拭い去る事は出来ない。この本は国際指名手配犯の思考として読むのが一番かもしれない。いや、北朝鮮の宣伝用書物と考えるべきだろう。」
・・・のようにトンチンカンな(辛淑玉が女性ということすら知らない?) レビューもあります。さらに107 人中、84人の方が、「このレビューが参考になった」と投票していますが、それって<嫌韓派>のレベルを知る上で参考になったってこと? 

★私ヌルボは、昨年8月30日の記事に少し記したように、最初の外国旅行先が1991年の北朝鮮でした。
 また2004年8月には中国・北朝鮮国境の町の図們から豆満江越しに北朝鮮を見てきましたが、その際のかなり細かな記録(文章と写真)がありますので、いずれ何回かに分けて記事にしようと考えています。

  
        【図們大橋の向こうが北朝鮮。2004年8月4日撮影。】
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[3月26日(金)~28日(日)]

2010-03-30 23:10:07 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 私ヌルボ、3月は映画観賞の回数ががぜん増えて、ひと月で今のところ9本。(明日も行くと久々の月間2ケタ!) 1月からの累計で14本になりました。うち半分の7本が韓国映画です。
 その中でも抜きんでていたのが「息もできない」「過速スキャンダル」でした。後者は、先週の記事で「3月28日(シネマート六本木)までです」と書きましたが、4月2日まで17:40の1回だけですがやってます。3日以降もやるかも。「息もできない」も多くの人たちにぜひ観てほしい映画ですが、今のところ上映館は、全国で渋谷のシネマライズと、シネマート心斎橋の2館だけ。非常に残念なことです。

   ★★★ Daumの人気順位(3月30日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①ミルク  9.2(42)
②義兄弟(韓国)  9.2(1850)
③ONE PIECE -FILM-  9.2(124)
    STRONG WORLD(日本)
④ハーモニー(韓国)  9.2(1346)
⑤境界都市2(韓国)  9.1(33)
⑥アバター  9.1(4685)
⑦HACHI約束の犬  9.1(88)
⑧プチ・ニコラ  9.0(200)
⑨インビクタス/負けざる者たち  9.0(99)
⑩回復  (韓国)  8.9(96)

 「境界都市2」が①→⑤に落ちる等、順位は変動しましたが、顔ぶれは先週と同じ。全然入れ替わりがないのはめずらしいです。観客動員数のランクだと新しい作品がいろいろ登場してきているのに、評価はイマイチなんですかねー?

【専門家による順位】

①アバター  9.3(8)
②レット・ミー・イン  9.0(10)
③預言者(A Prophet)   8.3(9)
④境界都市2(韓国)  8.2(7)
⑤シリアス・マン  8.0(6)
⑥(500日)のサマー  7.7 (7)
⑦マイレージ、マイライフ  7.7 (4)
⑧ミルク  7.5(4)
⑨大いなる静寂(スイス・独・仏)  7.5 (2)
⑩クレイジー・ハート  7.2 (4)

 初登場は⑤だけです。、コーエン兄弟の新作でアカデミー賞にノミネートされた作品。主人公はミネアポリスの郊外に住むユダヤ人の大学教授。次から次へと苦難に襲われ、ラビ(ユダヤ教の司祭)にアドバイスを求めるが、さらに続く不幸の連鎖・・・、っていっても悲劇じゃなくて不条理コメディ。これはおもしろそうかも、とめずらしく観にいこうかなと思ったアメリカ映画ですが、日本公開は未定だって!? なんやねん!

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[3月26日(金)~28日(日)] ★★★
         ランク内に韓国映画5作品

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数

1・・グリーン・ゾーン ・・・・・・・・・・・03/25・・・・・・・・257,688・・・・・・・・・・・・・・・・293,702・・・・・・・331
2・・六連発銃強盗団(韓)・・・・・・・03/18・・・・・・・・237,633・・・・・・・・・・・・・・・・664,255・・・・・・・389
3・・シャッターアイランド・・・・・・・・03/18・・・・・・・・218,613・・・・・・・・・・・・・・・・728,707・・・・・・・306
4・・不思議の国のアリス・・・・・・・03/04・・・・・・・・199,000・・・・・・・・・・・・・・2,033,128・・・・・・・350
5・・秘密愛(韓)・・・・・・・・・・・・・・・・03/25・・・・・・・・・76,645・・・・・・・・・・・・・・・・・95,703・・・・・・・314
6・・ソロモン・ケイン・・・・・・・・・・・・03/25・・・・・・・・・74,743・・・・・・・・・・・・・・・・・88,720・・・・・・・237
7・・義兄弟(韓)・・・・・・・・・・・・・・・・02/04・・・・・・・・・50,601・・・・・・・・・・・・・・5,406,464・・・・・・・235
8・・アマゾンの涙(韓) ・・・・・・・・・・03/25・・・・・・・・・24,959・・・・・・・・・・・・・・・・・30,303・・・・・・・・56
9・・無法者(韓)・・・・・・・・・・・・・・・・03/18・・・・・・・・・21,160・・・・・・・・・・・・・・・・146,672・・・・・・・200
10・・デイブレイカーズ・・・・・・・・・・03/18・・・・・・・・・14,922・・・・・・・・・・・・・・・・128,915・・・・・・・182

 1・5・6・8位が新顔です。
 1位、<グリーン・ゾーン>とはイラク中心部のアメリカ軍駐留地域の通称。
 「ロイ・ミラー(マット・デイモン)と彼の部隊は、大量破壊兵器の行方を追う極秘任務に就くが、・・・不審に思ったミラーは単独で調査を開始・・・執拗な妨害工作・・・彼が探り当てたのは、世界中に激震が走るほどの衝撃の真実だった。」
 ・・・という宣伝文を瞥見しただけで、アヤシイ疑念が私ヌルボの脳裏をかすめましたよ。 その<衝撃の真実>ってのは、もしかして例のヤツで、激震が走ったのもアメリカだけの話じゃないの? 読むとどんどんシラーッとしていく宣伝文というのもあるんですね(笑)。
 5位「秘密愛」、同じ日の同じ時刻に生まれた二人の男と一人の女性の愛の破局を扱ったメロだそうで、ヒロイン役はユン・ジンソ。詳細はInnolifeのサイトで・・・。オヨッ、<「ラスト・コーション」のタン・ウェイを連想させる魅惑的な姿>なんて書いてあるぢやあないですか! (だから?)
 6位、16世紀後期エリザベス1世の傭兵として北アフリカに赴き、戦場の英雄そして残忍な掠奪者だったソロモン・ケイン(架空の人物)。ところが<リーパー>という名の悪魔と遭遇して・・・、というイギリス映画。これも日本公開の情報はありません。
 8位は、MBCテレビで放映されたドキュメンタリーの映画化。開発などで本来の姿を失いつつあるアマゾン川流域と、その中で生きていく原始部族を通じて、自然環境破壊の危険性を警告し、好評だったそうで、先週金曜日(3月26日)、KBS2「アイリス」、MBC「屋根を突き抜けてハイキック」とともに第46回百想芸術大賞テレビ部門作品賞を受賞した、とのニュースが「中央日報(日本語)」等に出ていました。

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ヤン・イクチュン監督が精魂傾けて作った映画「糞バエ(息もできない)」

2010-03-27 02:00:44 | 韓国映画(&その他の映画)
 一昨日、シネマライズへ「息もできない」を観に行く電車内で、買ったばかりの「週刊文春」のシネマチャートを見て目をみはりました。俎上の映画がちょうどコレで、あれまあ、というほどの★の数の多さ。品田雄吉だけ★4つで、中野翠、芝山幹郎、斎藤綾子も、いつも首をかしげたくなるおすぎまで★5つ。
 合計★24個。今年に入って抜群のトップどころか、年間でもトップの可能性が高いでしょう。各氏の寸評もフツーじゃないゾ、という感じです。

 そういえば、2週間ほど前、ニッポン放送の朝番組お早うGood Dayの中で、「まだ3月ですが、2010年私、松崎まことの“ベスト1”候補!!」と、映検1級の放送作家氏が熱っぽく薦めていたのもこの映画でした。

 しかし、松崎まことさん自身「決して万人向けの映画ではありません」というように、専門家筋が高評価でも一般的な人気、興行成績に必ずしも直結しないのが映画。実際のところ、映画関係サイトの評価を見ると、「ぴあ」の調査による3月19・20日公開映画の満足度ランキングではトップでしたが、その後は最上位クラスというわけでもないようです。

 シネマライズでは、館内中央やや後ろ目の一番観客密度が高いあたりでも両隣に空席があるくらいでした。これから文春効果で増えるかどうか・・・。

 この映画の原題は「トンパリ)」(똥파리)、つまり「糞バエ」」。
 <トン(똥)>=<糞>は韓国ではよく使われる言葉です。
 しかし、さすがに日本では抵抗感があるとの判断でしょう。「息もできない」と苦心の命名。
 いくつかのブログで、異口同音に「タイトル通り<息もできない>展開の作品」とあるし、苦心の甲斐はあったというべきでしょうね。まあ、私ヌルボは直截的に「糞バエ」でピッタリだと思いますが。

 しばらく前にヌルボが少し驚いたのは、まず韓国版のポスター(下の写真)を見て、次にこのいかにもというべきチンピラ顔の男優ヤン・イクチュン監督だということを知った時。
パンフで芝山幹郎さんも書いていましたが、カオというよりツラですねー。

      
 【監督&主演のヤン・イクチュン。ホンマもんのチンピラが役者やってるのか、と思ってしまいそう・・・

 経歴も、これまでいろんなことを経験してきた人のようで・・・。
 ヌルボは行かなかったのですが、韓国文化院での試写会の際、彼自身が語ったところによると、
 「両親と仲が悪くて家族の悩みを抱えていたから、自分の怒りや憤りを作品にした。・・・・とくに社会に訴えるとかより、自分の悩みをこの映画で解決し、監督のご両親もこの映画を見て喜んでくれ、監督自身の家族とのわだかまりを解消できた、そういう意味での素晴らしい作品なんです」とのことです。

 このブログではあえて映画の内容紹介はしませんが、作品も演技も、ヤン・イクチュンが精魂を傾けた、ズシンとくる映画だなあと思います。
 自宅を売り払って製作資金を調達したというエピソードもナットク。。
昨年(2009年)の東京フィルメックスで最優秀作品賞を受賞した時のインタビューで、次回作については「全て出し切ったので、いまは自分の中に表現したいことが残っていない」答えたというのもさもうなずけます。

 長編第1作でこういう映画作ったら、あと大変だろうな、という見方もあるでしょうが、もうこれ1作でいいんじゃないの?という見方もあろうかと思います。

※<トン(똥)>=<糞>という言葉。語彙も表現法も多彩な悪口に用いられるだけでなく、元気のなさそうな友だちを励ます時(?)なんかにも「どうしたの? ウンコ踏んじゃったの?(トンパルバッソ?.똥 밟았어?)などと声をかけたりするそうです。

※この映画は「ドメスティック・バイオレンスのドキュメントでもあります」とどこかのサイトでどなたかが記していたのはあたっているかも・・・。

☆追記。少しだけ内容に関わる感想を記しておきます。
 口をついて出てくる言葉はほとんど罵倒。いや、話すよりもすぐ殴る、蹴る・・・。他人の共感をえられるべくもありませんが、自己の表現ではあります。
 そんな<反>共感のはずの表現が、全く思いがけなくも、通じてしまう相手と出遭ってしまいます。それも女子高生・・・。こんな寒々とした表現が通じ合ってしまう両者がなんとも切ないとしかいいようがありません。
 最初の出遭いの場面が印象的。(もちろん漢江の場面も・・・。)

☆追記2。「息もできない」という邦題は、「Breathless」という英語のタイトルを日本語訳したもののようですね。
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「毎日新聞」の「日韓併合100年 忘れ得ぬ人々」から考える

2010-03-26 12:23:07 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 3月23日から「毎日新聞」で「日韓併合100年 第2部 忘れ得ぬ人々」として、「舞踊家 崔承喜」、「オペラ歌手 金永吉をとりあげています。(→崔承喜上)・(→金永吉上)

 戦前~戦中「半島の舞姫」として評判をよんだ崔承喜。
 新聞記事にもある川端康成のほかにも、ウィキによればピカソやジャン・コクトーにも支持された、とあります。
 しかし朝鮮独立運動家一方から批判されもし、また日本政府からは反体制派の一人と目されたりもしたとか・・・。
 戦後は夫とともに北朝鮮に移って舞踊研究所を設立し、多くの生徒を指導するが、のちに<ブルジョワおよび修正主義分子>として粛清され、1969年に亡くなった。しかし2003年に遺体が愛国烈士陵に葬られていることが公表され、名誉回復されたことが明らかとなったとのことです。
 ただ、現在、韓国の民間団体による「親日人名辞典」に名前が掲載されているとのことです。

 テノール歌手・金永吉(永田弦次郎)も戦前オペラ歌手として活躍しただけではなく、戦時歌謡も吹きこんだとか・・・。私ヌルボも「金鵄輝く日本の」歌い出しと「紀元は二千六百年」というラストだけは知っている「紀元二千六百年」の歌も、藤山一郎・霧島昇・東海林太郎等々総動員された歌手中に永田弦次郎の名前もあります。
 戦後、北朝鮮に渡った点も、その後批判されたことも、そして今再評価されつつあることも崔承喜と共通しています。

 この「日韓併合100年 忘れ得ぬ人々」という企画記事。第1部では、2月12日このブログの記事で紹介したように、済州島を蜜柑の大生産地とするなど、韓国の農業振興に携わった農学博士・禹長春でした。

 今回の第2部までにとりあげた3人の共通点をみると、およそ「毎日新聞」の立ち位置といったものが見えてきます。すなわち、
①農学者、舞踏家、オペラ歌手と、ともに政治やイデオロギーとは関係なさそうな分野で大きな足跡を遺した人物である。
②戦前~戦後という時代、日本と朝鮮・韓国という時代と国の間で翻弄された人生を歩まざるをえなかった人物である。

 ・・・ということで、今後さらに第3部があるものとして私ヌルボなりに人選を予測してみました。

 ①の観点でこれまでとダブらない分野はスポーツ関係。とくれば真っ先に思い浮かぶのが1936年マラソンで優勝した孫基禎選手。ただ、彼の胸の日の丸を消して新聞に掲載したのは「毎日新聞」が提携している「朝鮮日報」じゃなくて「朝日」と組んでる「東亜日報」なのがちょっと・・・。
 画家の金基昶(キム・ギチャン)。1万ウォン札の世宗大王の肖像画を描いた人。

 文学関係では尹東柱。あるいは岩波文庫の「朝鮮詩集」の著者金素雲。小説家の崔南善李光洙も歴史に翻弄された人たち。児童文学作家の方定煥(パン・ジョンファン)は昔すぎるし、ちょっと②には合致しないか。

 しかし、戦前日本で活躍著名な朝鮮人は、今の韓国のモノサシだとほとんど例外なく批判さるべき<親日派>にリストアップされてしまうんですねー。韓国の国歌を作曲者安益泰(アン・イクテ)も、同じ作曲家では「故郷の春」「鳳仙花」を作曲した洪蘭波(ホン・ナンパ)も・・・。あ、洪蘭波は戦後まで生きてないですね。

 いずれにしろ、上にあげた人たちはもっと今の日本でも知られていいと思います。
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台湾では、好感度1位の国は日本がダントツ

2010-03-25 23:18:29 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 2、3日前の夜KBSラジオをなんとなく聴いていたら、特派員だよりの中で、大阪特派員が「産経新聞」の記事を紹介していました。
 それは「台湾での国別好感度調査 日本がトップ」というもので、「最も好きな国は?」との質問に52%が日本と回答し、2位の米国(8%)、3位の中国5%を大きく引き離した、というもの。

 この後のDJと特派員の会話。
 DJ「台湾は韓国同様日本の植民地だった国ですが、○※×△(←私ヌルボは肝心のこの部分が聴き取れず(涙)。)
 DJ「で、韓国の好感度はどうですか?」
 特派員「記事中には韓国はありません。」
 DJ「そうですか・・・。台湾も韓流が熱いところなんですが・・・。」(残念そうな気持が伝わってきそうな口ぶりでした。)

 韓国派ならずとも、多くの日本人が喜びそうなニュースですが、この記事は日本人として溜飲を下げるという目的ではないですよ。
 韓国のサイトを検索してみるとどりメディアも伝えてないようです。まあ、この調査を実施したのが日本の対台湾窓口である交流協会台北事務所ということもあるでしょうが・・・。
 あ、調べてみたら「産経」のほかにも「読売」や、「東京」(共同通信社の配信)では同じニュースが載っていましたが、「朝日」「毎日」にはありませんでしたねー。(このビミョーな違いに意味はあるかな?)

 台湾は一般的に親日的で、韓国とはよく対照的に扱われたりもしています。
 その理由として、台湾と朝鮮・韓国との相違点が考えられます。たとえば・・・
①日本による植民地化以前の政治・文化・社会の違い。
②植民地時代の統治政策や、それに対する台湾または韓国の人々の受けとめかた等の違い。
③戦後をどう迎えたか、の違い。とくに台湾の場合は本省人(内省人)と外省人との関係もあって、民族的アイデンティティのありようが韓国・朝鮮とはかなり異なる。
④戦後の学校教育(とくに歴史教育)の中で日本がどのように教えられてきたか、の違い。

 現在の韓国人の日本人観と、台湾人の日本人観の違いは上記のような両国民のたどってきた背景を考えると当然かもしれません。

 とくに④については、最近報道された日韓歴史共同研究報告書のこと等、いろいろ考えたこともありますので、順次記事にしていきます。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[3月19日(金)~21日(日)]

2010-03-23 17:50:23 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 一昨日昨日と、シネマ・ジャックで大島渚の「太陽の墓場」、ワイダの「カティンの森」を観ました。(前者の炎加世子がすごく印象的!) この映画館はたいしたもんです。ラインナップを見ただけで館主の思い入れが感じられます。
 今後の上映予定作品の中から韓国・朝鮮関係のものを拾うと、4月17日から「牛の鈴音」、5月中旬から「クロッシング」、7月31日から「ヒロシマ・ピョンヤン」。ソ・ジソプとチャン・ツィイー共演の「ソフィーの復讐」も4月17日からです。
 それ以外では、「泣きながら生きて」「フローズン・リバー」「行旅死亡人」等々、観ようと思いつつ観ていない作品が一杯! 岩波ホールでやった映画も全部上映するようです。近くにこんな映画館があって、すごいラッキー!

 別件ですが、「過速スキャンダル」、首都圏では3月28日(シネマート六本木)までです。未見の方、ぜひ観てみてください。こんな楽しい映画がなんでもっと広く上映されないのか?・・・という感想は私ヌルボだけでなく、映画関係サイトのレビューでもいくつか見ました。

   ★★★ Daumの人気順位(3月23日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①境界都市2(韓国)  9.4(22)
②ミルク  9.2(41)
③義兄弟(韓国)  9.2(1823)
④ハーモニー(韓国)  9.2(1338)
⑤ONE PIECE -FILM-  9.2(120)
    STRONG WORLD(日本)
⑥アバター  9.1(4672)
⑦HACHI約束の犬  9.1(88)
⑧プチ・ニコラ  9.0(198)
⑨回復  (韓国)  9.0(91)
⑩インビクタス/負けざる者たち  8.9(98)

 ①だけが初登場。「경계도시」は「警戒都市」じゃなくて「境界都市」でした。韓国のドキュメンタリー映画です。反体制の哲学者で、北朝鮮労働党にも入党していたという在ドイツの宋斗律(ソン・ドゥユル)教授は2003年逮捕礼状が発布されているにも関わらず37年ぶりに帰国。しかし1週間後、スパイとされ拘束、そして裁判後に釈放。…という2003~04年頃韓国で問題となった。宋斗律事件を扱う。この事件については、<短く斬れ>というブログに詳しく記されています。(「一方に偏してる」という批判もありそうなブログですが・・・。)

        
   【「境界都市2」のポスター。「2003年彼はスパイで、2010年彼はスパイではない」。

【専門家による順位】

①アバター  9.3(8)
②レット・ミー・イン  9.0(10)
③境界都市2(韓国)  8.4(7)
④預言者(A Prophet)   8.3(9)
⑤(500日)のサマー  7.7 (7)
⑥マイレージ、マイライフ  7.7 (4)
⑦ミルク  7.5(4)
⑧大いなる静寂(スイス・独・仏)  7.5 (2)
⑨クレイジー・ハート  7.2 (4)
⑩義兄弟(韓国)  7.1(7)

 初登場は③だけです。
 他の作品について知りたければ、毎週火曜日のこのブログの過去記事を参照してください。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[3月19日(金)~21日(日)] ★★★
         「アバター」「ハーモニー」「義兄弟」息長い人気

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数
1・・シャッターアイランド・・・・・・・・03/18・・・・・・・・337,794・・・・・・・・・・・・・・・・385,471・・・・・・・337
2・・不思議の国のアリス・・・・・・・03/04・・・・・・・・304,992・・・・・・・・・・・・・・1,776,902・・・・・・・407
3・・六連発銃強盗団(韓)・・・・・・・03/18・・・・・・・・244,139・・・・・・・・・・・・・・・・305,374・・・・・・・391
4・・義兄弟(韓)・・・・・・・・・・・・・・・・02/04・・・・・・・・103,250・・・・・・・・・・・・・・5,314,576・・・・・・・313
5・・無法者(韓)・・・・・・・・・・・・・・・・03/18・・・・・・・・・81,676・・・・・・・・・・・・・・・・・97,031・・・・・・・221
6・・デイブレイカーズ・・・・・・・・・・・03/18・・・・・・・・・74,661・・・・・・・・・・・・・・・・・88,148・・・・・・・206
7・・パリより愛をこめて・・・・・・・・・03/11・・・・・・・・・54,660・・・・・・・・・・・・・・・・344,185・・・・・・・316
8・・恋するベーカリー・・・・・・・・・・・03/11・・・・・・・・・38,476・・・・・・・・・・・・・・・・177,345・・・・・・・203
9・・アバター・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/17・・・・・・・・・・15,596・・・・・・・・・・・・・13,287,190・・・・・・・・37
10・・ハーモニー(韓)・・・・・・・・・・・01/28・・・・・・・・・・11,983・・・・・・・・・・・・・・3,028,548・・・・・・・118

 1位はディカプリオ主演の謎解きミステリーで、日本では4月9日から。(→予告編)
 この映画にかぎらず、一般に韓国での公開が早いのは、「ヘタするとあっという間に違法コピーされて出回ってしまうからだ」という説を、かなり信頼できるサイトで見ました。
 3位はコメディ。原題は「六穴砲強盗団(육혈포강도단)」。8年間苦労して集めたハワイ旅行費用837万ウォンを手に入れるべく、平均年齢65才のおばあさんたち3人が銀行強盗を企てますが・・・。
 5位、理由もなく起こってしまった殺人事件により妻と娘を失った刑事オ・ジョンス(カム・ウソン)。彼は法律も裁けなかった残忍な無差別殺人に対し復讐を実行する、という物語ですが、なんか最近の韓国内の出来事とか人々の感情とかと関係ありそう・・・。
 6位、イーサン・ホーク主演の近未来のヴァンパイアスリラーですが、日本公開は未定。
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iPhone3Gだって?それとも1200万画素12.5倍ズームのケータイとか・・・

2010-03-21 23:35:44 | お知らせ、その他いろいろ
 ラジオから流れてくるMaydoni(메이다니)(feat. 2AM)の「モルラing(몰라 ing )」という歌、なかなか洒落た感じででいいじゃないか、と思いつつ、iPhone3Gの説明リーフレットを見ています。

    

 「100,000のアプリケーションで、100,000通りの楽しみを。」という惹句、はてさて何割くらいの人がこれでワクワクするんですかねー? 少なくとも私ヌルボはうんざりするばかりです。

 ただでさえ今持っているケータイの全機能のたぶん3割も使ってないだろうし、これ以上新機能とか盛りだくさんのアプリケーションがあっても、わずらわしいだけですがな。だいいち、毎日1つづつのアプリケーションを利用していっても、100,000通り全部やってみるには300年もかかってしまうやないけ! SoftBankは何考えとるんや!!

 ・・・と半ば怒りながらもなんでiPhoneだの、ケータイのカタログだのを見ているのかというと、しかたないから。

 つまり、当ブログの記事作成のため、これまでもちょくちょく韓国の新聞のサイトを参考にしてきてます。
 ところが、なかでも利用頻度の高い「朝鮮日報」は2008年から1ヵ月を越えた記事を有料化したんですよ。まず「エンタメコリア取り放題」に入会して月額300円少しを払えば見られるというわけです。ところがその登録方法が、HPにもあるようにケータイを通じてアクセスするしかないのです。
 近年、大新聞といえどもインターネットの普及等でいろいろ厳しい折、しかたないと思ってケータイで申し込もうとしたところ、ぬわんと、「申し訳ございませんが、当サイトはお客様のご利用機種に対応しておりません。」という表示。
 というわけで、「エンタメコリア取り放題」に登録するには新しいケータイにしないとダメということ。
 以上が理由その1。

 理由その2は、今までのケータイはカメラ機能がナサケナイ。これまでも何度かしかたなくピンボケ写真をブログにupしましたが、この際イッキにレベルアップをはかってみるかと・・・。まあ、いつもデジカメを持っていればいいことはいいんですけどね。

 理由その3は、今までほとんどなじみのなかったiPodとかiPhoneの活用法について見せてもらう機会があって、ちょっと興味をもったこと。そのうえ、「いやあ、アナタがiPhoneを持ったらカッコいい!なんて見られますよ」なんて言われたりして。(じゃあ今はカッコ悪いのか!?) 

 しかし、前から外出時もふつうにノートパソコン持ち歩いて、高速モバイルも使っているので、それ以上にiPhoneにするメリットもあるのかなあ、とも考えるし・・・。

 そういうわけで、ヨドバシ等々に行ってモノを見たりカタログで調べたり、インターネットでそもそもスマートフォンとは一体何なんだ?とか、日本のケータイの<ガラパゴス化>とは具体的にどういうことなのか?とか、年配者にとってはかったるい新(?)知識を仕込んでいるのですよ、あ~あ。
 iPhoneじゃないとしたら、800~1000万画素くらいのカメラ機能のあるケータイを、と値段を見ると、オヨヨ、5万何千円もするんですねー。これも腹が立ってきますねー。さらに「あなたにぴったりのiPodは?」なんてチラシも見てみたら、iPod classicはいつの間にか160GBにもなってねんですねー。最大40,000曲だって。毎日3曲ずつ聞くと100歳まででちょうど40,000曲くらいになるかなあ・・・。

この記事を書くためにいくつか見てみたサイトの中の<犬鍋のヨロナラ漫談>というサイトに、「(「朝鮮日報」の一部の記事(古めの記事)は,当ブログのブックマークにある「WAYBACKMACHINE」を使って無料で見られる可能性があります」とあって、実際試みてみたらできるんですねー。びっくり!

Maydoniの「モルラing」は1年前頃の曲。こういう歌、たいてい原文とその訳が載ってる日本のサイトがあります。必ずしも正しいとはかぎりませんが・・・。

4月6日の追記。
 先日この記事を読んだ先輩のWアジョシからご意見をいただきました。私ヌルボが「何を怒っているのかわからなかった」とのこと。つまり、「アプリケーションが10万あるということは、その中で自分にすごく役立つものが1000分の1としても100はあるということだ」というわけです。な~るほど、そう言われると返す言葉もありません。
 ソフトバンクだかアップルだかも、最初からそう書いてくれればわかりやすかったのに・・・(と、あくまでもホコ先をおさめないヌルボ・・・。)

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「国鉄マンがつくった日韓航路」をイッキ読み! ビートル就航の感動的舞台裏

2010-03-20 23:47:54 | 韓国・朝鮮に関係のある本
    

 一昨日の記事で書いたように、三中堂で購入した本の一つが渋田哲也「「国鉄マン」がつくった日韓航路」(日経ビジネス人文庫)。今は品切れだか絶版だかで、新刊書店にはありません。

 いやー、この本は正解だったですねー。1日でイッキ読みしましたよ。

 副題が「俺たちのプロジェクト「ビートル」物語>。
 ビートルと聞いたらフォルクスワーゲンを思い浮かべる人も多いでしょうが、これは博多~釜山の高速船の方です。

 韓国オタクにとって、福岡あたりに住んでたらいいなあと思うことがあります。1つは韓国のラジオが聴きやすいこと、もう1つが釜山まで船でラクに、安く早く行けることです。

 私ヌルボが初めて韓国に行ったのが1992年。下関から関釜連絡船で行った理由その1は古代からの表玄関であること、その2は、戦前からのさまざまな歴史がある連絡船であること、その3は飛行機が好きじゃないことです。

 その後今まで20回くらい韓国に行ってますが、次の船旅は2006年の1回きり。その時は博多からビートルの乗るつもりが、早くから満席状態で、結局博多からのカメリアで行きました。

 ・・・ということでビートルにはまだ乗ったことがありませんが、できれば近いうちにぜひ乗ってみたいものです。

 で、この本ですが、1991年にJR九州がビートルを就航させるまでの舞台裏と、その後のもろもろの試練を非常に具体的に、また多角的視点から記したノンフィクションです。(いかにも新聞社出身のライターらしい書きぶり。)

 JR九州の初代社長石井幸孝以下、部下の社員たちの他、福岡市港湾局の担当者、地元の旅行業者、韓国側の関係者等々、多くの人たちが実名で登場、それぞれのエピソードが記されています。
 ちょうど、ずうーっと前に読んだ内橋克人の「匠の時代」とか、NHKの「プロジェクトX」という感じですね。

 この本を読んでわかったことがたくさんありました。箇条書きにしてみます。

・博多~釜山の航路を石井社長が考えついたのは国鉄民営化に際し、新規事業をうちださなければならない状況があったから。つまり国鉄が民営化しなかったらビートルは生まれなかったということです。(あるいはずっと遅れた。)

日韓共同きっぷもJR九州が先鞭をつけた。韓国側でも、釜山市観光協会会長で亜州観光という旅行会社会長でもある金景煕が同じことを考えていて、双方の連携の下1988年共同きっぷがスタートした。この間、韓国側は鉄道は鉄道庁という省庁の管轄なので、手続き面でいろいろややこしいことがあったようです。

※ヌルボの最初の訪韓の時、帰りに日韓共同きっぷを片道利用しました。ソウル駅の窓口で「共同きっぷを買うのなら亜州観光に行ってください」と言われ、その後話せば長い、書いても長い物語があったことを思い出しました。

・JR九州が船舶事業を始めるといっても社内は素人ばかりなので、宇高連絡船の経験者のいるJR四国からの出向という形で人材を集めた。ただ、ジェットフォイルはボーイング社製の、飛行機みたいな(?)船なので、以前からそれを運航している佐渡汽船や、鹿児島~種子島間の鹿児島商船に社員を研修出張させたりもした。

・準備段階では、船を運航させる技術面の他に、じつにいろんなことをやらなければならないんですねー、あたりまえだけど・・・。博多・釜山双方の岸壁の施設の整備、認可に向けての議会対策、ライバル登場を懸念する下関市側との話し合い。社員たちの韓国についての勉強会も。なかでもう~む、と思ったのはの問題。
CIQという言葉は知らなかったです。税関(COSTOMS)と出入国管理(IMIGRATION)と検疫(QUARANTINE)のことだそうです。
 もちろん全部役所がらみ。それも税関は大蔵省(当時)、出入国管理は法務省、検疫は人間だと厚生省で動植物だと農水省とさまざま。毎日運航する国際航路なのに、CIQ関係の役所は当初「土日は休み」、「午後5時まで」という条件だったとか。

・今はふつうにみられる<垢すりパック>という言葉も、初めて用いたのはJR九州。92年に唐池企画営業課長の知人のエッセイスト滝悦子の強引な勧めで命名されたそうです。

・<ビートル>とは、その姿がカブトムシに似ているところからつけられましたが、韓国側のパートナー、韓国高速水運の社員がその名を初めて聞いた時は笑ってしまったとか。韓国語で<ビートゥル、ビートゥル(비뚤비뚤)>といえば、酔っ払いなんかがヨロヨロ、フラフラ歩く状態をいう言葉なので・・・。

・営業開始後も就航2日目にもう故障で欠航とか、乗客がたった1人の日もあったとか困難の日々が続き・・・。

・しかし、福岡・下関~釜山韓の乗客シェアの推移のグラフをみると、1991年30%(乗客数14万人)のシェアでトップだった日航は2001年撤退に追い込まれ、29%で2位だった大韓航空は2001年は乗客数は13.5万から14.4万に伸ばしているが20%で3位。1991年24%で3位(11.4万人)だった関釜フェリーは健闘して2001年は22%で2位(16.2万人)。
そして1991年わずか4.6万人だったビートルは2001年は約30万人に大幅増、シェアは41%で断然1位を占めるまでに成長しています。
※最新の数字は今ひとつ不明ですが、2007年08年は年間60万→50万に落ちたようです。

 このような数字をみると、この10年くらいの間の日韓を行き来する両国の人の増加にはホントに目をみはるものがあります。
 そのために大きな役割を果たしたこの本に登場する人たちもいろいろと感慨深いものがあることでしょう。

 しかし、プロジェクトXを見てしばしば思ったことですが、成功した事例の周りには競争に敗れた側の累々たる残骸とか悔し涙とかの、もしかしたら何倍ものでかい山があったのではないでしょうか?

 日韓間だけではなく、日本と外国間の国際航路について詳しく載っている<INTERNATIONAL LINES>というサイトがあります。以前からちょくちょく見ていて、それだけでもなかなか興味深いサイトですが、運航が開始されたと思っていたら早々となくなってしまったものもたくさんあります。おそらく、それぞれにさまざまな知られざるドラマがあったんでしょうねー。

 その点、ビートルの躍進は、この本に描かれたような奮闘努力だけでなく、93年大田万博以降のノー・ピザ化、21世紀に入ってからのWカップに韓流ブームに、というような幸運に恵まれたということもあると思いますよ。

★関係サイト
BEETLEのホームページ

プサンNAVIの記事

乗った感想や写真を記したブログ

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韓国・朝鮮関係の本なら、やっぱり三中堂!

2010-03-18 23:50:33 | 韓国関係の雑情報
 岩波ホールで昔(1947年)のフランス映画「海の沈黙」を観に行ったら、平日の午後、地味な映画にもかかわらずほぼ満席状態。現役を引退した年配者が増えているとはいえ、東京は実にいろんな人たちが、実にいっぱいいるところです。

 神保町に行ったからには、お約束の古書店巡り。
 といっても、 16時過ぎスタートなので、そんなにたくさん回れません。韓国・朝鮮関係限定。
 ・・・とすると、たとえば、
①アジア文庫   千代田区神田神保町1-15 内山ビル3F
 すずらん通り。お気に入りの東京堂書店とセットでけっこう行っているので、今回はパス。
 一応紹介文は載せておこうかな、とホームページをたった今見てみたら、アリャリャ!です。
 「アジア文庫は2010年2月19日をもちまして経営権を(株)内山書店に譲渡いたしました」とのお知らせがあるではないですか。「また、内山ビル5階で営業しておりました店舗は内山ビル3階に移転し、内山書店内アジア文庫として引き続き営業していくこととなりました」ということなので、近いうちにようすがどう変わったか行ってこなければ・・・。

 ここの品ぞろえはHPでおおよそわかるように、古書というよりも、広くアジア各国に関する一般書(文化・社会・語学等々)や定期刊行物等を扱っています。(これまでは)狭い店舗のわりに、一般書店では置いてないような多様な本も多く、密度の高い書店です。韓国・朝鮮関係本コーナーも、品切れ・絶版文庫その他、いろいろお買得本が並んでいます。

②叢文閣(そうぶんかく)書店  千代田区神田神保町1-9大雲堂ビル2F 
 40年ばかりの神保町通いで今日初めて入った店です。2Fだとなんとなくフラッと入るということはないですから・・・。今回たまたまネット検索で韓国・朝鮮関係本がありそうな店のようだったので行ってみました。
 広くはない、というより狭い店内に年季の入っていそうな本がギッシリ! 2~3割方は未整理じゃないかな、という感じ。中国関係や宗教関係の本が多く、韓国・朝鮮関係の本は少し。しかし稀少な戦前発行の本がいくつもありました。
※私ヌルボは大正14年発行の政教社・編「観樹将軍回顧録」を購入。観樹将軍とは、閔妃虐殺事件当時の朝鮮公使・三浦梧楼のことです。

③三中堂  千代田区神田神保町1-22タカハシビル3F
 今日行って、あらためて「大したものだなー」と実感した店が三中堂。久しく足が遠のいていたことを後悔しました。

     (ケータイのピンボケカメラで撮影。スミマセン。)  
三省堂書店前から靖国通りを渡って少し先。ビルの3F。この奥にエレベーターがあります。
 私ヌルボが初めて三中堂に行ったのは20年ちょっと前。当時の店舗は京橋にありました。その後90年に阿佐ヶ谷に移転、そして2000年に神保町に移ったとのことです。
 店のホームページはありませんが、神保町のサイト<JIMBOU>中に三中堂の紹介ページがあります。そこにあるように開店は1973年。
 つまり、韓流ブームどころか、90年代の民主化どころか、ソウル五輪どころか、光州事件どころか、その前の朴正煕政権時代ですよ。多くの日本人にとって、韓国といっても、なんかよくわからない、軍事政権下で暗いイメージをもたれていた頃でした。
 ここの店の棚に並んだ本をみるだけで、この数十年の歴史がいろいろ想起されます。
[2013年6月30日の追記]
 2013年1月に、待望のホームページが開かれました。→コチラです。 
 また店長さんのブログ<韓国・北朝鮮・三中堂と私>も同月から始まっています。(→コチラ。)


   
  【たくさん本がありますが、けっこう整理されていて見やすいです。

 日本の本と韓国の本。新刊書と古書。学問的な本から一般書、文庫や新書、漫画等々。文化(衣食住、文学、美術・音楽・映画等)、政治・社会、歴史・・・。この店は韓国・朝鮮関係の、非常に多様な本をそろえています。
 珍しいビデオもあります。だいぶ前、ヌルボはここで北朝鮮の映画ビデオを買ったこともありました。
 「太陽」のような雑誌のバックナンバーで、韓国・朝鮮関係の特集が載っているものもあります。
 最近どんどん出ては消えしている韓国・朝鮮関係B級文庫本もたくさんあります。

 職安通りのコリアプラザには2ヵ月に1度くらいは行って最近の韓国書なども購入したりしてますが、場所柄韓流ドラマ等の人気がそのまま反映されてる品ぞろえで、飽き足らない感じが否めません。
 より深く、より広く韓国・朝鮮を知りたいという人にはやっぱり三中堂ですねー。

※今回、ヌルボのお買い物は渋田哲也「国鉄マンがつくった日韓航路」(日経ビジネス文庫)、阿奈井文彦「アホウドリの朝鮮料理入門」(新潮文庫)など。前者はビートル号のことです。あ、どちらもB級文庫本じゃなかったですね。その他の購入書籍(「季刊三千里」のバックナンバーとか・・・)についてはまたいずれ。
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DAUM地図のロードビューはgoogleストリートビューみたい!

2010-03-17 16:14:26 | 韓国の街ネタ、観光ポイント、店・施設等
 2005年だったか、Google Earthを初めて見た時には驚きました。
 画面上の地球をくるくる転がして、思いつくままにいろんなところを探してみたものです。

 とくに、私ヌルボが行ったことのある白頭山。かなり上空からでも下の画像のように目立ってますが、一気に拡大していくとちょっとコーフンしてしまいます。

    
       【白頭山の位置。ズームアップしていくとカルデラのようすがよくわかる。

 さて、いろいろと問題にもなっているストリートビューの方ですが、韓国でももうやってるのかなと思って調べてみたら、昨年10月<MTニュース>のサイトに、下の写真ような形でソウルの街を撮っている最中で、何ヵ月後かに始まるという記事がありました。

       
     【「私も見かけましたよ」という人がたまにいますが・・・。(日本での話)

 しかし、ストリートビューはまだ見られなくても、なんと韓国にはほとんど同様の機能をもつ<DAUMロードビュー(로드뷰로)>というのがあるのです!

 じつは私ヌルボも最近<HARLEYとタン塩と私>というサイトで初めて知りました。

 使い方は次の通り。
①google(YAHOOでもいいですが)で「daum 지도」で検索する。「지도(チド)」は地図のこと。
②最初に出てくる「daum 지도」を開く。
 すると、ソウル市庁駅周辺のスカイビュー(스카이뷰)画面が出てくる。
③画面上の検索窓(なぜか最初に맛집という文字が入っているが)に、見たい場所をハングルで入力し、검색(検索)する。
④めざす場所の画面が現れる。グーグル地図と同様に、右側のスケールを上下すると拡大率を調節できる。
⑤右上の스카이뷰の右隣りにある로드뷰(ロードビュー)をクリックすると青いラインが表示される。その上の適当なポイントを設定して再び로드뷰をクリックすると、ストリートビューのような地上からの画面が現れる。上下左右に向きを変えることもできる。

 スカイビュー画面で、高さを調節すると、下の画像のようにいろんな施設等の名称が表示されます。
    
          【この機能だけでも十分利用価値がありそうです。

 このdaum지도で何ヵ所か見てみました。
 ソウル広場(市庁前広場)の画面を見ると、金大中元大統領の葬儀の画像です。つまり2009年8月23日頃に撮ったというわけです。
 また、南大門は再建工事中で骨組みの状態が見られます。釜山港とか全州駅とか、地方都市も見ることができます。
      
  【「故金大中前大統領 焚香所」と記されています。青い線上に方角を記した矢印が表示されています。

 以前私ヌルボが行ったことがある清涼里駅前のソルロンタンの店の名前が思い出せないでいたので、見てみたら、バッチリ写ってましたね。

         
        【青地に黄色く「カマソッ・ソルロンタン」という看板がある店です。

 最近の技術の発展から推定すると、そのうち屋外で巻いてある(or折りたたんである)超薄型ディスプレイを広げて現在地をネット検索すると、リアルタイムで自分自身の真上からの姿がそのディスプレイに現れるようになるのではないでしょうか?

[2013年6月9日の追記]
 韓国最大のポータルサイト<NAVER>でも、DAUMと同様の機能があります。やはりTOPページ上段のバーの中の「지도(地図)」をクリックして、右側のモノサシの+と-で拡大・縮小します。拡大した所で、モノサシの上の거리뷰(コリ・ビュー)を押すと路上での景観が見られる・・・と、ほとんどDAUMと同じですね。googleのストリートビューだとかなり歪んだ画面が表示されたりするのと比べると、DAUMやNAVERはずっときれいに表示されます。

[2019年9月26日の追記]
 その後2014年、ダウムはカカオと合併し、社名はダウムカカオになりました。それに伴い、2016年9月から「Daum지도」は「KAKAO MAP(카키오 맵)」に変わりました。
 スマホ用アプリもあって便利です。すでに使っている人も多いと思いますが。もちろん「NAVER 지도)」もあるし、ハングル苦手な人にはコネスト地図もあります。「韓国 地図 アプリ」で検索すると、地下鉄やバス等のアプリ等、他にもいろいろありますよ。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[3月12日(金)~14日(日)]

2010-03-16 23:44:15 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 アカデミー賞で「The Cove 悲しいイルカの真実」が長編ドキュメンタリー賞を受賞しましたねー。そんな気がしてたんですよ。
 韓国でも長く上映され、平均9.5という高い評点がついていました。
 韓国のサイトで、レビューを8つほど見てみたら、ほとんどが「怒り」とか「悲しみ」とか「感動」とかの言葉を用いて、映画のメッセージをすなおに受け入れたものでした。
 1人だけ異質だったのが「イルカも動物のひとつ」というもので、イルカを「知能が高い動物」として特別視するのは「知的障碍者に対する差別につながるのでは?」と記してました。また「韓国の犬を食う文化に対する非難もおかしい」とも・・・。(この人とは友だちになれそうかも・・・。)
 この映画の日本での上映をめぐってもいろいろ意見はあるようですが、私ヌルボは表現の自由は大切にしようという立場。
 しかしなー、最初から会話が成り立たない人たち、科学的(学問的)反論を許さない人たちは苦手だなー。反捕鯨以外にも禁煙とか、地球温暖化もそんな傾向があるなー。竹島(独島)もそうだし・・・。そういう人を相手にすると、ややもするとこちらも同レベルになったりするから気をつけなくちゃ・・・。

   ★★★ Daumの人気順位(3月16日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①エヴァンゲリオン:破(日本)  9.3(134)
②義兄弟(韓国)  9.2(1779)
③ONE PIECE -FILM-  9.2(113)
    STRONG WORLD(日本)
④ミルク  9.2(38)
⑤ハーモニー(韓国)  9.2(1323)
⑥アフター・ラブ  9.2(35)
⑦アバター  9.1(4649)
⑧HACHI約束の犬  9.0(85)
⑨プチ・ニコラ  9.0(192)
⑩インビクタス/負けざる者たち  8.9(92)

順位は若干入れ替わったものの、作品の顔ぶれは変わらず。

【専門家による順位】

①アバター  9.3(8)
②レット・ミー・イン  9.0(10)
③エヴァンゲリオン:破(日本)  8.5(2)
④預言者(A Prophet)   8.3(9)
⑤(500日)のサマー  7.7 (7)
⑥マイレージ、マイライフ  7.7 (4)
⑦ミルク  7.5(4)
⑧大いなる静寂(スイス・独・仏)  7.5 (2)
⑨クレイジー・ハート  7.2 (4)
⑩義兄弟(韓国)  7.1(7)

 初登場は④と⑥の2つです。
 ④は、2009年カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したフランス映画。親の愛情も家庭の温かさも知らずに育ち、警察官への暴行罪で刑務所に送られた青年マリックは、ろくに学校にも行っていないので読み書きもできない。マフィアのボスは彼を仲間に引き入れようとする。本人の意思とは関係なく武力抗争に巻き込まれていくマリックは・・・、という話だそうですが、日本公開は未定のようです。やっぱり韓国は映画賞受賞のヨーロッパ映画の上映は早いです。
 ⑥は日本では20日公開。アメリカでの原題はUp in the Airで韓国題は「イン・ド・エオ(인 디 에어)」。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[3月12日(金)~14日(日)] ★★★
         「義兄弟」は500万人を超える

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数
1・・不思議の国のアリス・・・・・・・03/04・・・・・・・・570,876・・・・・・・・・・・・・・1,359,589・・・・・・・444
2・・パリより愛をこめて・・・・・・・・・03/11・・・・・・・・194,318・・・・・・・・・・・・・・・222,083・・・・・・・・350
3・・義兄弟(韓)・・・・・・・・・・・・・・・・02/04・・・・・・・・190,106・・・・・・・・・・・・・・5,118,490・・・・・・・348
4・・恋するベーカリー・・・・・・・・・・・03/11・・・・・・・・・79,368・・・・・・・・・・・・・・・・95,253・・・・・・・・207
5・・大兵小将(香港)・・・・・・・・・・・・03/11・・・・・・・・・59,360・・・・・・・・・・・・・・・・67,133・・・・・・・・183
6・・平行理論(韓)・・・・・・・・・・・・・・02/18・・・・・・・・・43,210・・・・・・・・・・・・・・・905,911・・・・・・・・186
7・・ハーモニー(韓)・・・・・・・・・・・・・01/28・・・・・・・・・42,052・・・・・・・・・・・・・2,988,136・・・・・・・・198
8・・Dear John・・・・・・・・・・・・・・・・03/04・・・・・・・・・32,727・・・・・・・・・・・・・・・178,767・・・・・・・・282
9・・理想の彼氏・・・・・・・・・・・・・・・・03/11・・・・・・・・・59,360・・・・・・・・・・・・・・・・67,133・・・・・・・・183
10・・アバター・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/17・・・・・・・・・26,214・・・・・・・・・・・・13,250,123・・・・・・・・・58

 
 「義兄弟」が500万人の大台を超えましたねー。
 新登場は4作品。
 2位、フランスのアクション映画。駐仏アメリカ大使館員リース(ジョナサン・リース・マイヤーズ)とCIAの超凄腕諜報員ワックス(ジョン・トラボルタ)は爆弾テロ計画を阻止できるのか!? 韓国題は英語題そのまんまで「プロム・パリ・ウィドゥ・ロブ」。日本公開は5月。「ロシアより愛をこめて(007危機一発)」の日本公開は1964年か・・・。昭和は遠くなりにけり。
 4位は日本では2月からやってます。めずらしいことです。で、内容紹介略。韓国題は「愛はややこしすぎて(사랑은 너무 복잡해)」。こっちの方が原題の「It's Complicated」には近いですね。
 5位、ジャッキー・チェンの言では「戦国時代が背景のアクション・コメディ・時代劇」なのだそうです。あ、ジャッキー・チェンは韓国では成龍(ソンニョン.성룡)ですね。55年なのにあいかわらずがんばってます。共演のユ・スンジュンはこれまでなかなかドラマチックな人生を歩んできた歌手・俳優なんですね。<Innolife>の記事によると韓国の国民に謝っていますよ。
 9位、日本では昨年11月に公開したラブコメディ。韓国題は「愛はいつも戦争中」。原題は「The Rebound」。全部違うみたい。
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「オム・テウンとユン・ソナがマッコリの広報大使に・・・」から考える

2010-03-16 20:19:46 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 きのうのマッコリの記事のつづきです。

 昨年12月に、「オム・テウン、ユン・ソナ 伝統酒マッコリの広報大使になる」という記事がbntニュースのサイト等に載っていました。

 2月3日には63ビルで「2010年伝統酒広報大使任命式」が開かれ、そのようすは2人の写真満載のInnolifeのサイトで見ることができます。

 また動画がYouTubeにありました。2人のスピーチが入ってます。日本語字幕なしですが・・・。オム・テウンは「平素好きなマッコリを宣伝する喜びはやはり大きいです。海外によく知られるようになって、フランスワインに続く国際的価値をもつことを願う」と語ったそうです。

 そもそも、<マッコリ広報大使>という企画を推進しているのはどこかと韓国サイトを探ってみたら、「韓国のアートニュース」に関連記事がありました。

 それによると、マッコリはトラとともに2010年を迎えて目につく単語で、サムソン経済研究所が選定した<2009年10大ヒット商品>でも1位にランクされたとのこと。
 さらに、約6兆ウォンという国内の酒市場を、韓食と連動させて世界市場に展開していけば「約1000兆ウォンの市場に拡大可能」とのサムソン経済研究所の報告もあり、最近国をあげて盛んに宣伝されている<韓食の世界化>と結びつけて輸出攻勢に出ているようです。
 また観光とも連動して、伝統酒体験型テーマパークの設立とか、伝統酒ツアー等の企画もあるらしいです。

 これらの推進母体は<伝統酒文化振興院>。韓国の「農漁村観光新聞」の記事によると、昨年12月21日にスタートした出来たての組織ですが、その背景となったのが2009年の場合105万トンという米余り状態。その解決策として韓国米加工食品協会が打ち出した方策がマッコリの世界化ということのようです。

 ・・・とここまで探ると全体的な構図が見えてきましたねー。
 韓国内の農業の課題と、貿易振興と、観光のコンテンツと、韓流スターと・・・。
 なるほどなー、と、とりあえず一人ナットク。

※上記の<2009年10大ヒット商品>とは次の10項目です。
 ①マッコリ ②新型インフル対応商品 ③キム・ヨナ ④液晶テレビ
 ⑤スマートフォン ⑥ドラマ「善徳女王」 ⑦(K-POPの)ガールグループ ⑧徒歩体験観光 
 ⑨鳥の巣(보금자리)住宅=2009~2018年、住宅を持たない庶民のため、政府が公共部門を通じて150万戸直接供給する住宅。
 ⑩KTクック(QOOK)=QOOKはKTが展開する無線・放送と通信の統合ブランド。
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高まるマッコリ人気。 この10年で輸入量10倍増だって・・・。

2010-03-15 11:24:25 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 昨年8月11日にブログを開設して、ちょうど200件目の記事です。早いものです。
 当初、10本くらいしかネタの用意がないままスタートしたのですが、「韓国文化の海へ」などとフロシキを広げてしまったため、今では溢れる情報の海でアップアップしている状態です。

 今回は200件目記念ということで(?)マッコリの話題。

 3月5日「東亜日報」に<日本、「韓国マッコリがチョアヨ」 輸入量急増>という記事がありました。(「聯合ニュース」(日本語版)に同様の記事)

 記事によれば、マッコリの輸入が、量も金額も、この10年間で10倍になったそうです。とくに最近の輸入量をみると、2009年は2008年の26%増と急増していて、ワインに代わって韓国でも注目の酒になっています。
 日本が韓国からマッコリを輸入し始めたのは20年前から。当初はさほど注目されなかったマッコリの輸入が増え始めたのは、やはり2002年のワールドカップ開催と、2003年の 冬ソナ放映に始まる韓流ブームの頃から。
 しかし、元々日本にはどぶろくのような濁酒文化があったことや、アルコール度数が6~7%と低く、甘くて飲みやすい点が受け入れられた大きな要因と分析されています。
 人気の高まりとともに、韓国料理店だけでなく、ふつうの飲み屋や大規模スーパーでもマッコリを売るようになってきました。
 市場占有率をみると、1990年代、真っ先に進出した二東(イドン)マッコリが約60%で圧倒的。しかし、最近は麴醇堂(ククスンダン.국순당)真露なども進出しています。

 以上が記事の概略。
 さらに、「マッコリは早く酸化するという短所があったが、最近は技術が発達して加熱滅菌処理をしなくても韓国産生マッコリを日本でも楽しむことができるようになった」とあります。
※「すっぱくなる。酸化する」という動詞は、韓国語では「쉬다(シュイダ)」なんですね。初・中級学習者だと「쉬다」といえば「休む」という意味しか出てきませんけどねー。

 私ヌルボ、以前豆腐についてちょっと調べたことがありました。その中で「なるほど」と思ったのが豆腐メーカーに大企業がない理由。それは「輸送の際に形が崩れやすいので、商圏が狭い範囲に限定される」ということでした。
 その後充填豆腐などが作られるようになり、パッケージも工夫されて、流通の状況や業者の規模等も変わってきていると思います。

 1990年代になって、職安通りの韓国食品・食材店等で二東マッコリのパックが売られ始めたのも、そのあたりの技術の発展が背景にあったということです。ボトルが出回りはじめたのはいつ頃からだったですかねー・・・。

 さて、「大規模スーパーでも売るようになった」と上記の記事とありましたが、私ヌルボ、そんな認識はなかったので、昨日近隣のスーパーに行った時に酒のコーナーを見てみました。するとたしかに並んでましたよ、3種類(下の写真)。JINROマッコリ(1000ml)628円、二東にっこりマッコリ(1000ml)678円、そしてテポマッコリ(425ml)480円です。

     

※マッコリの棚の近辺を見ると、韓国焼酎もズラ~リと並んでます。とくにJINROとか鏡月の4000ml(2480円)なんてのはすごいボリュームですねー。

 マッコリといえば、アシアナ航空が昨年10月16日からマッコリの機内サービスを開始しました。
 ヌルボの知り合いで酒好きのTヒョン(형.兄貴)は、12月の韓国旅行の際さっそく注文。3杯飲んでさらに4杯目をリクエストしたところ、「2杯までとなっているんですよ」と断られたとか。ハハハのハです。
 「聯合ニュース」の記事によるとトットリムク(ドングリ粉製コンニャク)もあるとのこと。いいですねー。
 夏場にはヌルボの好きな参鶏湯(サムゲタン)等も出されるとは知りませなんだ。今度行く時はいただけるものはいただいてしまおう、という意欲がふつふつと沸いてまいりました。

     
    【アシアナ航空のマッコリ。銘柄はククスンダン。】

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生きている言葉=「搾取」 アメリカと北朝鮮の場合

2010-03-14 23:22:54 | 北朝鮮のもろもろ
 「搾取」という言葉を聞くと、団塊の世代までの年配者の場合、懐かしさとか、はずかしさとか、いろんな感情が喚び起こされる人も多いのでは? もしかしたら、「オーッ」という年のわりに力強い声を発し、最近は見せたこともないようなマジな顔つきになって、正義感とか闘争精神の残り火をかき集めて胸を熱くする人もそれなりにいらっしゃるでしょう。

 私ヌルボにとっても久しく縁遠くなっていたこの「搾取」という言葉を今日は2回も想起してしまいました。

 その1は今朝(3月14日)の「毎日新聞」の<今週の本棚>。
 堤未果「ルポ 貧困大国アメリカⅡ」についての伊東光晴先生の書評です。

 この本の4つの主題のうちの最初がアメリカの大学生たちの学費ローンの話。以前堤さんの講演会に行った時も多くの大学生が多額の借金を抱えて苦しんでいるということを聞きましたが、この書評ではさらに<サリーメイ>とよばれる学生ローン協会のことが取り上げられています。1995年に完全民営化されたサリーメイの取り立て方法は「日本のサラ金と同じ」ですさまじく、学生は借金地獄に落ちていくそうです。
 一方、このサリーメイの最高経営責任者の年俸は4億5千万ドル(約405億円)
 えっっっ! 1日1億円以上!! 想像もつきませんがな・・・。ヌルボの場合、1日10万円の収入があればそれ以上はいりまへん。(お金の話になるとなぜか関西弁ぽくなりまんなー。) それ以上もろても、使い道がわかりまへん・・・。
 400億円、これを搾取といわずして何を搾取というのか!?

 ・・・とめずらしく義憤にとらわれて少しばかり高くなった血圧が、さらに上がるようなニュースが3月10日付の「東亜日報」の中にあったのです。
「北朝鮮の伐木作業者2人、ウラジオストクの韓国領事館に駆け込み」(→日本語版)というのがその見出し。

 シベリアの森林で伐採工として働いている北朝鮮労働者の悲惨な状況や、彼らの脱走事件等については、このブログの昨年12月24日の記事でもふれました。

 そこでは<悪質派遣会社になっている北朝鮮政府>という見出しをつけましたが、<手配師>の方がいいかもしれません。
 その記事中に、「ポーランドの造船所で働く男性労働者の場合、給与は北朝鮮の国営会社に直接振り込まれ、労働者の手取りは全額の3~4割」と記しましたが、今回の2人の場合は、1人が「国家=40%、現地の北朝鮮連合企業所=20%、伐木場事業所=15%、本人=25%」で、もう1人は「国家=48%、現地の北朝鮮連合企業所=20%、伐木場事業所=15%、本人=17%」。

 現代型の搾取と、前近代型の搾取。どっちもひどいとしか言いようがありません。
 <搾取>という言葉を懐かしがったりしているオジサンたち(ヌルボも含めて)、ノーテンキなもんです。
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3月10日韓国で記録的大雪 釜山は積雪5センチで大混乱

2010-03-13 23:57:11 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 積雪何㎝以上なら大雪なのか、客観的基準はありません。
 私ヌルボが郷里の四国徳島をあとに1968年上京して思ったことの一つが、「東京はずいぶん雪が多いところだ」ということでした。

 その頃(1969年?)徳島で12㎝の積雪という20年ぶりの大雪というのがあって、ボーリング場の屋根が落ちたり、3日間(?)停電したり、電車(正確にはディーゼル車)が止まったり、帰れなくなった生徒たちが学校に泊まり込んだり、それはもう大変なことになったものでした。(記憶のみによる、やや不正確な情報です。) 雪国の人ばかりか、首都圏の人にとっても考えられないダメージでしょう。

 数日前の韓国全域の大雪でも同様だったようです。

 韓国語では大雪のことを<暴雪(폭설.ポクソル)>といいます。
 3月10日の暴雪は、3月の雪としては記録的な暴雪になりました。
 通常3月には局地的な大雪はあっても、今回のように韓国の大部分の地域に一時的に多くの雪が降ったのはほとんど前例がないとのことです。
 気象庁(기상청.キサンチョン.これは日本と同じ名称)によれば、ソウルの積雪量は13.5cmで、これは3月の雪としては1922年の31㎝、2004年の18.5㎝につづき観測史上3番目。

 他の地域の積雪量を見ると、京畿道の東豆川(トンドゥチョン)は19.8cmで観測史上最大値を記録。大邱(テグ)9.5㎝、汶山(ムンサン)の16㎝、利川(イチョン)の12㎝、全州の13㎝等は観測史上2位だったということです。

  《釜山では5センチの積雪で交通麻痺状態に》

 そして釜山は5.4㎝。
 この数字は徳島出身のヌルボも「べつにたいしたことないでないで[←徳島弁]」(たいしたことないじゃん[横浜弁] )という感じなんですが、11日付「朝鮮日報」によると<交通混乱・・・出勤時 遅刻続出>、<幼稚園・小・中学校臨時休業>という事態になってしまったとか・・・。
 朝9時頃、いつもなら地下鉄のフォームで10人くらい並ぶのがこの日は30~40人で、1つ目2つ目の地下鉄には乗れなかったとか、車通勤の人も、あるトンネルを、いつもなら10分ちょっとで抜けられるのに1時間半かかった等々の具体例も載っていました。

   《江陵は50センチでも大丈夫》

 釜山と対照的だったのが江原道の江陵。
 53.2㎝の積雪にも動ぜず、市内と外郭の主要道路の通行も問題なく、学校も一部山間地を除いて休校はなかったそうです。
 江原道は韓国の東北部で、韓国では雪の多い地域だけに、大雪には慣れているようで、住民と行政が協力して対処する体制が整っていて、6日から24時間勤務体制に入り、清掃車・住民のトラクター等が動員されて除雪にあたったとか・・・。

 日本で地方によって大雪のレベルや雪対策に大きな差があるように、韓国内でも地方によってずいぶん違いがあるということがわかりますねー

    
        【3月10日の慶尚南道・馬山市内】
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