ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画の興行成績 [7月23日(金)~7月25日(日)]と人気順位 ▶先行上映で9位リュ・スンワン監督「モガディシュ」に注目 ▶やっぱり多い「銀魂」ファン ▶「MZ世代」という新語ググってみて!

2021-07-30 23:54:58 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶このところPCが不調で1つの記事を書くのに倍くらいかかる上、阿部和重さんの新刊「ブラック・チェンバー・ミュージック」に丸一日没頭してしまったのでますます遅くなってしまいました。(→コチラ参照)
▶今回は初登場の韓国映画でとくに注目は「モガデシュ」です。タイトルのモガディシュとはソマリアの首都。ソマリアはエチオピアの東の<アフリカの角>とよばれる海に突き出た半島の海に面した大部分を占めている国です。1969年のクーデター以後独裁を進めてきたシアド・バーレは反政府勢力の攻勢により91年に追放されますが、その後も諸勢力間の内乱が続き、泥沼化した状況になっていました。
 当時韓国は国連非加盟国で、加盟問題は外交上の大きな懸案事項でしたが、北朝鮮は「南北朝鮮の同時加盟は分断を固定化させる」として単一の国号での加盟を主張して反対してきました。結局は北朝鮮は国際情勢の変化を味方とする韓国に対抗しきれないと判断し、結局91年9月18日南北朝鮮は同時加盟に至ります。
 本作の時代設定はその91年の、国連同時加盟の前のようです。あらすじを読んで内心「ありゃ、またか」と思ったのは内戦のとばっちりで通信も途絶えて孤立状態となった現地の韓国大使館員と家族たちがじっと耐えている中、北朝鮮大使館の一行が韓国大使館にやってきて助けを求める・・・というくだりを読んだ時。どうも近年「南北が協力しあって云々」という筋立ての作品が多いようなのは韓国の進歩系の人に多い北朝鮮への片思い的感情の表れではなかろうかと思われる(北朝鮮側の人物を演じる俳優も例外なくイケメンだし・・・)ので、本作もそうかと・・・。
 その後も内乱が続く中、現地の難民の飢餓が国際的な課題となり、国連は彼らへの食糧援助活動と共にそのため必要な安全な環境を作るための軍事的介入を行った・・・というのが93年のモガディシュの戦闘でした。派遣されたアメリカ軍兵士の遺体が住民に引きずり回されるという悲惨な映像等は日本のTVでも伝えられました。
 戦争を描いた作品を評価する要(かなめ)は戦争を<正義vs悪>に単純化しないこと。そして兵士を英雄化しないこと、敵方も人間として見ることだと思いますが、そこらへんどうなのか? モガディシュの戦闘を描いた映画といえばリドリー・スコット監督の「ブラックホーク・ダウン」(2002)ですが残念ながら未見です。ある人のレビューに「この映画のテーマは愛国心でも軍隊賛美でも反戦でもなく、自らの信念で戦う「戦士」ですね」とありましたが・・・。) なお、韓国の評論家の寸評を見ると「あちこちよそ見する代わりに、生存のための脱出という目標一つのために飛ぶ矢だ。淡泊な目標設定のおかげで時代を貫通する質問の深さは浅い方だ」と、これはわかりやすいかも。また「朝鮮半島以外で可能であった南と北の一時的な統一」というのは「やっぱりね」です。「ベテラン」等々の実績のあるリュ・スンワン監督作品で主演はキム・ユンソク。長々と書きましたが、まずは観なくちゃ。いずれ日本でも公開されるとみてよさそう?
 韓国映画でもうひとつ。<第25回富川国際ファンタスティック映画祭>の<コリアンファンタスティック長編コンペティション>で作品賞等4冠に輝いた「アクションヒーロー」は、内容は今ひとつわからないのですが、韓国で今政治にも影響を及ぼし始めている進歩・保守関係なく不公正は許せないとよばれる20~30代の若い世代を主人公にした作品とのことです。個人的には観てみたいけど独立系で上映館も少ないようだし日本では観られるかどうか・・・。

         ★★★ NAVERの人気順位(7月27日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) 銀魂 THE FINAL(日本)  9.67(125)
②(新) 人生の価値  9.52(21)
③(5) CCTV(韓国)  9.41(39)
④(-) ドリーム・ファクトリー  9.36(47)
⑤(新) おらおらでひとりいぐも(日本)  9.36(11)
⑥(新) ボス・ベイビー ファミリー・ミッション  9.35(1,094)
⑦(3) 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(日本)  9.28(12,714)
⑧(4) クルエラ  9.24(7,058)
⑨(6) 今度はうまくいくだろう(韓国)  9.09(80)
⑩(7) あの夏のルカ  9.06(869)
 ①②⑤⑥の4作品が新登場です。
 ①「銀魂 THE FINAL」は韓国でも人気で、もちろん実写版の2作も公開されています。いや、それ以前にコミック全77巻が2001~20年刊行されてきたのです。※右画像は第77巻の韓国版。ナルト、コナン、クレヨンしんちゃん等々も皆同様。ちなみに私ヌルボは銀魂関係とはコミックも映画も無縁。設定からついていけなくて。ここらへんは世代の差でしょうね。韓国題は「은혼 더 파이널」です。
 ②「人生の価値」(仮)はアメリカのドラマ。2015年のアカデミー作品賞受賞作「スポットライト 世紀のスクープ」はアメリカの新聞記者たちがカトリック教会の神父が過去30年もの間多数の児童に性的虐待を行っていた事実を暴いた実話に基づく作品でした。本作はその製作スタッフたちによる、やはり実話をベースにしたドラマです。9.11テロの犠牲者補償基金の運営を引き受けることになった交渉担当の弁護士ケン(マイケル・キートン)は、25ヵ月で80%の遺族の同意を得なければなりません。ひとつの事件でたがいに異なる補償金。残された人たちのための話し合いが始まります・・・。韓国題は「워스(Worth)」ですが、原題「What Is Life Worth」をふつうに訳して仮題としました。
 ⑤「おらおらでひとりいぐも」は若竹千佐子の芥川賞受賞作で、私ヌルボの好きな田中裕子主演作ですが、未見のまま。韓国では上映館も20館前後で、レビューも多くはありませんが、いずれも好意的な内容です。韓国題は「나는 나대로 혼자서 간다」です。
 ⑥「ボス・ベイビー ファミリー・ミッション」については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(1) Mank/マンク  8.14(7)
②(2) ノマドランド  8.00(8)
③(新) あの日のように抱きしめて  7.80(5)
④(4) イントロダクション(韓国)  7.67(3)
⑤(新) モガディシュ(韓国)  7.22(9)
⑥(7) 輝く瞬間(韓国)  6.83(6)
⑥(7) イン・ザ・ハイツ  6.83(6)
⑧(9) 一人暮らしの人々(韓国)  6.71(7)
⑨(10) ブラック・ウィドウ  6.70(10)
⑩(-) 花束みたいな恋をした(日本)  6.67(3)

 ③と⑤の2作品が新登場です。
 ③「あの日のように抱きしめて」が新登場です。2014年制作のドイツのドラマ&サスペンスで、日本では15年公開。韓国でも16年の茂朱(ムジュ)山奥映画祭で上映されましたが、一般劇場公開は今回が初めてです。韓国題は原題「Phoenix」そのままの「피닉스」です。
 ⑤「モガディシュ」については後述します。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月16日(金)~7月18日(日) ★★★
         「ボス・ベイビー ファミリー・ミッション」が初登場1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・ボス・ベイビー・・・・・・・・・・・・・・7/21 ・・・・256,858・・・・・・・・356,270・・・・・・3,264・・・・・1,343
       ファミリー・ミッション
2(1)・・ブラック・ウィドウ・・・・・・・・・・・7/07 ・・・・251,376 ・・・・・2,582,045・・・・・26,286 ・・・・1,300
3(2)・・ランジョン(韓国・タイ)・・・・・・・7/14 ・・・・・99,262・・・・・・・・769,536・・・・・・7,994・・・・・・・836
4(3)・・エスケープ・ルーム・・・・・・・・・・・7/14 ・・・・・78,599 ・・・・・・・188,654・・・・・・1,878・・・・・・・571
       :トーナメント・オブ・チャンピオンズ
5(4)・・クルエラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/26 ・・・・・22,824 ・・・・・1,958,907・・・・・19,019 ・・・・・・350
6(新)・・アイス・ロード・・・・・・・・・・・・・・7/21 ・・・・・14,691 ・・・・・・・・21,273 ・・・・・・・・205・・・・・・・344
7(13)・・銀魂 THE FINAL(日本) ・・・・・7/22・・・・・・・7,821 ・・・・・・・・17,781 ・・・・・・・・172・・・・・・・153
8(新)・・ズーム/見えない参加者・・・・・7/21・・・・・・・6,670 ・・・・・・・・10,954 ・・・・・・・・102・・・・・・・147
9(新)・・モガディシュ(韓国) ・・・・・・・・・7/28・・・・・・・6,627 ・・・・・・・・・9,575 ・・・・・・・・・88・・・・・・・・38
10(5)・・非通知着信(韓国)・・・・・・・・・・・6/23・・・・・・・5,035 ・・・・・・・949,015・・・・・・9,059・・・・・・・162
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「ボス・ベイビー ファミリー・ミッション」が初登場1位ですが、先行上映の期待作「モガディシュ」が少ない上映館ながらも9位。次週は1位ほぼ確定でしょう。
 1・6・7・8・9位の5作品が新登場です。
 1位「ボス・ベイビー ファミリー・ミッション」は、2017年のアメリカのアニメ「ボス・ベイビー」の続編です。ベイビー株式会社のCEOになったボス・ベイビーことテッドは最高レベルのレジェンド。ところがまだ子供だと思っていた兄ティムの末娘ティナがいつの間にかベイビー株式会社の役員になっていたことが明らかになります。そればかりか、ティナは先進的な思考を持つニュー・ボス・ベイビーとして会社のトップに・・・。彼女の指示で再びベイビーに戻ったテッドと兄のティムに課せられたのは世界を救うためのミッション。ところが与えられた時間はわずか48時間。はたして無事完遂することができるでしょうか・・・? 韓国題は「보스 베이비 2」。日本公開は今年冬とのことです。
 6位「アイス・ロード」(仮)はアメリカの:アドベンチャー。物語の舞台はカナダの、アメリカと国境を接しているマニトバ州。ダイヤモンド鉱山の爆発事故のため26人の鉱夫たち坑道に生き埋めになります。彼らを救出する唯一の方法は、制限時間内に解氷が差し迫ったアイスロードを横断して救助用パイプを運搬することだけ。氷点下50度に達する極限の寒さと雪嵐が潜んでいる<白い地獄>ウィニペグ湖の上、非常に困難なミッションの遂行者として鉱山会社から依頼を受けた腕利きのトラック運転手マイク(リーアム・ニーソン)は大型トレーラー3台と救助チームを率いて予測不可能危険が潜んでいるアイスロードすなわち凍結した湖をトラックで突っ切らなくてはなりません。与えられた時間はわずか30時間。 必ず救わなければならない・・・! 韓国題は「아이스 로드」。日本では6月25日からNETFLIXで配信されています。
 7位「銀魂 THE FINA」については上述しました。
 8位「ズーム/見えない参加者」はイギリスのホラー。Zoomを用いて交霊会をした6人の男女が不可解な現象に襲われる・・・という設定には「交霊会」までが新型コロナの影響を受けるか!とちょっと驚きました。韓国題は「호스트: 접속금지(ホスト: 接続禁止)」。日本では公開は1月に公開されています。
 9位「モガディシュ」は、リュ・スンワン監督の期待作の先行上映。記事冒頭で記したように韓国が国連加盟のために東奔西走していた時期の1991年のソマリアを舞台にしたアクション&ドラマ。モロッコのオールロケで完成したとのことです。首都モガディシュで一触即発の内戦が起き、現地韓国大使館の職員と家族は通信も途絶えて孤立状態に置かれ、銃弾や砲弾が飛び交う中でただ生き残るために一日一日を耐え忍んでいました。そんなある日の夜、北朝鮮大使館の一行が助けを要請して韓国大使館の門を叩くのですが・・・。共に目的はひとつ。モガディシュからの脱出です・・・。原題は「모가디슈」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・ズーム/見えない参加者 ・・・・・・・・7/21・・・・・・・6,670・・・・・・・・10,954・・・・・・・・・・102・・・・・・・147
2(17)・・あの日のように抱きしめて・・・・・・7/22・・・・・・・2,125 ・・・・・・・・・3,332・・・・・・・・・・・28・・・・・・・・48
3(新)・・アクションヒーロー(韓国) ・・・・・・7/21・・・・・・・2,085 ・・・・・・・・・4,440・・・・・・・・・・・36・・・・・・・102
4(1)・・オフィーリア 奪われた王国・・・・・7/14 ・・・・・・・1,853・・・・・・・・12,439・・・・・・・・・・111・・・・・・・・61
5(新)・・人生の価値・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/21 ・・・・・・・1,568 ・・・・・・・・・2,147・・・・・・・・・・・19・・・・・・・・65

 4位以外の4作品が新登場です。
 1位「ズーム/見えない参加者」、2位「あの日のように抱きしめて」、5位「人生の価値」については上述しました。
 3位「アクションヒーロー」は韓国のアクション&コメディ。7月7日~17日開かれた<第25回富川国際ファンタスティック映画祭>の<コリアンファンタスティック長編コンペティション>に招待されて作品賞・俳優賞(イ・ソキョン)等の4賞を受賞した作品です。夢はアクション俳優、現実は公務員志望の大学生ジュソン(イ・ソキョンン)が偶然「入試不正を告発するぞ」という内容の脅迫手紙を発見し、アクション映画を撮って悪党をひっ捕まえることに…。本作についての宣伝・情報記事によると、韓国で今政治にも影響を及ぼし始めている進歩・保守関係なく不公正は許せないとよばれる20~30代の若い世代を主人公にした(初めての?)映画という点を強調しているようです。原題は「액션히어로」です。
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韓国内の映画の興行成績 [7月16日(金)~7月18日(日)]と人気順位 ▶ロングヒットの「花束みたいな恋をした」、韓国でも公開 -感触は「わりと良い」(?)

2021-07-23 23:03:06 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶「花束みたいな恋をした」が韓国でも7月14日公開。この作品で私ヌルボがちょっと注目していたのは、若い男女の知合い方ツキアイ方、結婚前の同居やセックス、親との関係等々で日韓間の常識や倫理観の違いもありそうなので、そこらへんのギャップが評価や観客動員数に反映されたりもするのかな?ということ。そこで関係の数値を見たりレビュー等を読んだりしましたが、そんなに目立つような傾向は見出せませんでした。ネチズンの平均評点9.00を超え(私ヌルボの感触では)「わりと良い」といったところで、観客動員数もベスト10の7位。まあ今後に注目といったところです。
 なお、本作について映画ジャーナリストのチョン・シウさんがに長めのコメントを寄せていたので抜粋して紹介しておきます。
     現実感あふれる愛の生老病死  評点7/10
 恋愛の強大な敵、それは時間である。
 「花束みたいな恋をした」は時間と共に変貌する愛の「生老病死」をリアルに表現した映画だ。誰もが知っている感情だから近寄りやすいが、誰も知っているゆえに手を付けるのは容易ではない素材。映画は演出者が付与した情緒的な深さと俳優たちの好演によって幅広く訴えかける普遍性を持っている。倦怠期に入ったと思った日本の恋愛映画がまだ生きていることを知らせる花束のような映画でもある。

 最後の一文が喜んでいいのか何というか、苦笑いといったとこですね

▶今回は初登場の韓国映画でとくに注目作は見当たりませんでした。

         ★★★ NAVERの人気順位(7月20日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 復活(韓国)  9.53(137)
②(3) 子供たちは楽しい(韓国)  9.29(209)
③(4) 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(日本)  9.28(12,684)
④(8) クルエラ  9.24(6,855)
⑤(9) CCTV(韓国)  9.19(26)
⑥(新) 今度はうまくいくだろう(韓国)  9.08(79)
⑦(-) あの夏のルカ  9.06(855)
⑧(-) ジョゼと虎と魚たち(日本)  9.02(225)
⑨(新) 花束みたいな恋をした(日本)  9.00(157)
⑩(-) クレッシェンド  9.00(39)

 ⑥と⑨の2作品が新登場です。
 ⑥「今度はうまくいくだろう」は韓国のコメディ。元エロ映画監督、現チキン店社長のスンフン(ユン・ダフン)に新型コロナウイルスという人生最悪の危機が訪れ、家族のようだったチキン店の仲間たちまで送り出さなければならない状況になります。そんなスンフンの前にブロックバスター大作の雰囲気を感じさせるシナリオが現れ、今一度再起を夢見るものの、それはたやすいことではありません。行く先々ですげなく拒絶され、順調だった映画撮影にも予測不可能な状況が次々に広がっていきます。「ここを何とか持ちこたえれば、今度はうまくいく!」とスンフンは必死でくり返すのですが・・・。原題は「이번엔 잘 되겠지」です。
 ⑨「花束みたいな恋をした」、日本では1月29日に公開されたこの作品はロングヒットを続けていて、現在もテアトル新宿等で上映されています。韓国での評価等については記事冒頭に書きました。韓国題は「꽃다발 같은 사랑을 했다」です。

     【記者・評論家による順位】

①(-) Mank/マンク  8.14(7)
②(1) ノマドランド  8.00(8)
③(2) 水を抱く女  8.00(6)
④(5) イントロダクション(韓国)  7.67(3)
⑤(8) ホワイト・オン・ホワイト  7.00(4)
⑥(9) 私は私を解雇しない(韓国)  6.88(8)
⑦(-) 輝く瞬間(韓国)  6.83(6)
⑦(-) イン・ザ・ハイツ  6.83(6)
⑨(-) 一人暮らしの人々(韓国)  6.71(7)
⑩(-) ブラック・ウィドウ  6.70(10)

 新登場の作品はありません。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月16日(金)~7月18日(日) ★★★
         「ブラック・ウィドウ」が2週連続1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ブラック・ウィドウ・・・・・・・・・・・7/07 ・・・・445,521 ・・・・・2,139,237・・・・・21,794 ・・・・1,577
2(4)・・ランジョン(韓国・タイ)・・・・・・・7/14 ・・・・305,155・・・・・・・・558,574・・・・・・5,794・・・・・1,403
3(24)・・エスケープ・ルーム・・・・・・・・・・7/14 ・・・・・78,599 ・・・・・・・112,446・・・・・・1,111・・・・・・・728
       :トーナメント・オブ・チャンピオンズ
4(3)・・クルエラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/26 ・・・・・31,201 ・・・・・1,914,680・・・・・18,578 ・・・・・・385
5(2)・・非通知着信(韓国)・・・・・・・・・・・・6/23・・・・・・17,561 ・・・・・・・935,160・・・・・・8,931・・・・・・・424
6(新)・・スペース・プレイヤーズ・・・・・・7/15 ・・・・・12,093 ・・・・・・・・・14,042 ・・・・・・・129・・・・・・・521
7(新)・・花束みたいな恋をした(日本)・・7/14・・・・・・8,668 ・・・・・・・・・20,806 ・・・・・・・197・・・・・・・198
8(6)・・あの夏のルカ ・・・・・・・・・・・・・・・6/17・・・・・・・6,183・・・・・・・・367,108・・・・・・3,357・・・・・・・142
9(新)・・オフィーリア 奪われた王国・・7/14・・・・・・4,759 ・・・・・・・・・・8,008・・・・・・・・・71・・・・・・・117
10(5)・・クワイエット・プレイス・・・・・・6/16 ・・・・・・4,681・・・・・・・・855,210・・・・・・8,488・・・・・・・105
       破られた沈黙
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 3・6・7・9位の4作品が新登場です。
 3位「エスケープ・ルーム:トーナメント・オブ・チャンピオンズ」(仮)は、アメリカのホラー「エスケープ・ルーム」(2019)の続編で、前作で生き残った者たちが本作でもアップグレードされた<ゲーム>の対象者にされてしまいます。出口のない脱出ゲームでかろうじて生き残ったゾーイ(テイラー・ラッセル)とベン(ローガン・ミラー)の2人は、ゲームを設計した謎の組織ミノスの実体を明らかにするためにニューヨークに向かいます。ところが2人は正体不明の男に巻き込まれて、地下鉄に閉じ込められてしまいます。瞬間、他の車両とは分離された車両には超高圧電流が流れ始め、そしてそこにいる6人すべてが先のゲームの生存者であることが明らかになります。命をかけた脱出ゲームが再開されたことを直感した彼らは、ニューヨークを背景に繰り広げられる極限状況で生き残るための死闘を繰り広げるのですが・・・。韓国題は「이스케이프 룸 2: 노 웨이 아웃(エスケープ・ルーム2:ノー・ウェイ・アウト)」ですが、原題「Escape Room: Tournament of Champions」をそのまま音訳して仮題としました。全米公開が7月16日なのに、韓国はそれより2日早く公開しています。これまで何度かそんな例がありましたが、なんで可能なんでしょうね? なお日本公開は未定のようです。
 6位「スペース・プレイヤーズ」は、アメリカの冒険・コメディ実写アニメ。あのマイケル・ジョーダン選手が主演した実写アニメ「スペース・ジャム」(1996)の25年ぶりの続編です。本作でもバスケットボールのスター選手レブロン・ジェームズが本人役で出演しています。物語はまさにSF。レブロンが頭を悩ませていた息子ドンがある日ひょんなことからワーナー・ブラザースのサーバーに吸い込まれ、謎の男に拘束されてしまいます。ドンを救うべく、レブロンもサーバーへ飛び込んでいきます。そしてレブロン父子はバックス・バニーたちと協力してバーチャルワールドの支配を企む悪者と対決することに・・・。韓国題は「스페이스 잼: 새로운 시대(スペース・ジャム: 新しい時代)」。本作も7月16日の全米公開より1日早い公開です。日本公開は8月27日です。
 7位「花束みたいな恋をした」については上述しました。
 9位「オフィーリア 奪われた王国」は、シェイクスピアの「ハムレット」を王子ハムレットの恋人オフィーリアの視点から描いたドラマ&ラブストーリー。知性と自由を持っオフィーリア(デイジー・リドリー)は王妃ガートルード(ナオミ・ワッツ)の寵愛を受けて王室の侍女になります。王室の規律にとらわれないオフェリアに一目惚れした王子ハムレット(ジョージ・マッケイ)は運命的な愛に落ちますが、身分の格差により2人の愛は危機を迎えます。先王の突然の死に王国は混乱に陥る中、オフィーリアはこの事件の背後に大きな陰謀が隠されていることを知りますが・・・。韓国題は「오필리아」。日本では劇場公開はなく、昨年5月以降WOWOWでの放映や配信、レンタルDVD等による鑑賞が行われています。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・オフィーリア 奪われた王国・・・・7/14 ・・・・・・4,759 ・・・・・・・・・・8,008 ・・・・・・・・・71・・・・・・・117
2(36)・・振り逃げ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・6/03 ・・・・・・3,008・・・・・・・・・12,229 ・・・・・・・・・93 ・・・・・・・・・3
3(62)・・ファーザー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/07・・・・・・・1,429・・・・・・・・・47,779・・・・・・・・402・・・・・・・・・・2
4(新)・・ブドウの木から・・・・・・・・・・・・・・・・7/15・・・・・・・1,182 ・・・・・・・・・・1,467・・・・・・・・・13・・・・・・・・・34
5(再)・・奇談(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・2007/8/01・・・・・・・1,089 ・・・・・・・645,757・・・・・・4,138・・・・・・・・・26

 1・4位の2作品が新登場です。
 1位「オフィーリア 奪われた王国」については上述しました。
 4位「ブドウの木から」(仮)はイタリア・カナダ合作のドラマ&コメディ。カナダの自動車会社CEOのマーク(ジョー・パントリアーノ)はこれまで仕事オンリーで忙しく生きてきました。ところが、ふと残された人生をどのように生きるべきかという悩みに陥った彼は、自分の信念に反する会社を辞めて故郷のイタリアのアチェレンツァに旅立ちます。美しい小さな町で純粋だった子供時代を思い出したマークは、祖父が残したブドウ畑を蘇らせ、ワインを作ることにしましたが、彼の無謀な挑戦に村の住民は夢からさめろと引き止め、家族の反対にもぶつかります。休止符が必要なあなたのための甘い人生リセットの旅が始まります・・・。韓国題は「와인 패밀리(ワイン・ファミリー)」ですが、英題「From the Vine」を直訳して仮題としました。日本公開はなさそう、かな?
 なお、5位「奇談」は、韓国の旧作ホラーの再上映です。時代は日本の統治期の1942年。物語の舞台は京城最高の医療技術が整った安生病院。京留学中だったエリート医師夫婦のイニョン(キム・ボギョン)とドンウォン(キム・テウ)が赴任し、院長の娘との政略結婚を控えた医大実習生のジョンナム(ジング)は、幼年時代の事故で足が不自由な天才医師のスイン(イ・ドンギュ)と共に京城での生活を始めます。しかし、それぞれ秘密の愛に陥った彼らは、だんだん破滅の恐怖と向き合うことになります・・・。原題は「기담」です。
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[2021] 6月22日(火)~6月28日(月)に観た映画 ▶公立中の2年生1クラスを自然に撮った「14歳の栞」が良かった!

2021-07-22 23:47:02 | 最近観た映画の感想と、韓国映画情報など
 韓国映画だけでなく、日本映画、外国映画を問わず最近観た映画の寸感と評点を<韓国内の映画の興行成績>から切り離して、<最近観た映画>のカテゴリー内の独立した記事として連載することにしました。・・・と予告してからずいぶん間隔が空いてしまい、まだ記事にしていない6月22日以降観た映画が計19本になってしまいました。なにぶん数が多すぎるので、3回(?)に分けて書くことにします。

「デカローグ/7.ある告白に関する物語」★★★★★
「デカローグ/8.ある過去に関する物語」★★★★★
「デカローグ/9.ある孤独に関する物語」★★★★☆
「デカローグ/10.ある希望に関する物語」★★★★☆
 6月7~25日、エピソード1~10を順番通り2つずつ5回に分けて全部観ました。10のエピソードは物語の舞台(主人公たちの居住地)がワルシャワの同じ巨大アパート団地で、一部の登場人物が他のエピソードで端役として登場する等多少交錯する場面はありますが、基本的にそれぞれ独立した作品です。各エピソードにはすべて「○○に関する物語」という表題が付いていて、それぞれが「わたしのほかに神があってはならない」以下の<十戒>に対応しているとのことです。ただ、作品の内容がそれと直結しているとは思えず、むしろコジツケといった感もありました。その一方で、ポーランドの人々の生活や倫理観等にキリスト教が深く根を下ろしていることも感じられました。
 当初テレビのミニシリーズを想定して製作されたドラマで、10編とも1時間弱の短い作品です。しかしその分密度が濃く、片時も目が離せません。そして肝心なことは、この連作について観た者(たとえば私ヌルボ)がどう思うかというよりも、逆に映画の方が「あなたはどう考えるか?」と正面から問いかけているということ。パンフを見ると、四方田犬彦さんも「映画の方がわたしを測るのだ」と記しています。また約30年ぶりに「5.ある殺人に関する物語」を観た時、以前とは作品に対する自分の姿勢が変わったことに気づいたとのことです。何の動機もない残酷な衝動殺人を犯した青年の死刑をテーマとした作品ですが、1997年の<連続射殺魔>永山規夫の刑死が作品の観方が変わる契機となったとか・・・。ということで、また機会があれば観てみようと思います。
 全部観た人の中には10作品を順位付けしている人もいます。私ヌルボ、個人的には「1.ある運命に関する物語」が一番衝撃的で、印象に残っています。
 上記の★5つと4つ半の差は、「主人公に共感できるか?」、「物語がわかりやすいか?」が基準です。なお、「○○に関する物語」という表題にだまされないとらわれないこと。「愛に関する物語」だからといって愛に溢れた物語かは疑問だし、「希望に関する物語」といって希望に満ちたハッピーエンドを期待するのもちょっとなー、かもしれません。
「14歳の栞」★★★★★
 旧利根川沿いの公立中学の2年6組の生徒たち35人の学校生活や、一人ひとりの思いをそのまま記録したドキュメンタリー。
 私ヌルボの中学高校時代の写真は、ほとんどすべてが年度当初のクラス集合写真、あるいは文化祭等の行事の時に撮った写真です。まだモノクロの時代で、枚数からして多くはありません。家族の写真も同様。かつては写真というものは特別な時に撮るものと決まっていたように思います。したがって、私ヌルボも両親の日常を撮った写真はほとんど(全然?)ありません。また庶民が動画を撮るとなると、70年代までは8ミリフィルムしかなく、それは一部の趣味人の領分に止ました。70年代半ば頃からビデオの時代に入り、その延長で85年にハンディカム&8ミリビデオが登場して一般庶民自身の動画撮影は大幅に広がりました。ただ、その頃でもやはり子供の運動会や学芸会等の特別の機会に撮ることが多かったのではないでしょうか? ところが近年は小型のデジカメやスマホでも手軽に動画が取れるようになり、YouTubeユーザーも増えて状況は大きく変わってきました。
 このような動画撮影の歴史をたどると、当然ながら半世紀前とは隔世の感があります。とくに痛感したのは、静止画像と音声付き映像の決定的な差。つまり「生々しさ」です。この映画に登場する35人の生徒たちが何年後にこれを観るとそこにはいつも変わらぬ14歳の「生々しい」自分たちがいるのです。それは記念写真とは全然違う感情を呼び起こすのではないでしょうか?
 私ヌルボ、この映画を観ながら、ふと60年近く昔の自分たちを見ているような錯覚にとらわれました。ちょうど(SFファンの間では少し知られている)スローガラスごしに教室を眺めている感じです。
 ※<スローガラス>については→コチラ参照。
 このドキュメンタリーでとくに驚くのは、生徒たちの言葉や生活のようすがとても自然に撮られていること。ある女子が男子にバレンタインチョコを渡したり、男子がホワイトデーに彼女の家の玄関先でお返しのプレゼントを渡して「人生で一番キンチョーしたかも・・・」と語ったりしている場面等々。(→私ヌルボが共感を覚えた→コチラの記事を参照されたし。この2年6組で英語を担当していた→先生のブログ記事も。
 小学生のように子供っぽくもなく、高校生ほど大人っぽくもない中2を対象にしたのも妥当な選択でしたね。また、以前教職にあった立場で考えれば、よく学校側(校長や担任をはじめとする教職員)がこの映画の企画を認めたなあ・・・と、これはほとんどオドロキのレベル。学校社会というところは意義のありそうなことでもリスキーな要素があると見ればまずはやらないのが通例ですから。事前に制作側との綿密な打ち合わせは必須だし、生徒と保護者全員の合意も不可欠だし、生徒中のほとんど不登校の少年に対する配慮も必要だし・・・。そんな舞台裏を考えると、スクリーンに映った35人の生徒の他に実に多くの人たちが関わって出来上がった作品だと思います。50日という撮影日数は学校側としては長く、制作側としては短かったでしょうが、生徒の皆さんの自然な姿を撮ることができたのも上記の人たち相互の信頼関係があってこそというものです。
 多くのレビューに書かれているように、観た人それぞれに私ヌルボと同様自分の中学時代を思い出させてくれる、そんな普遍性を持った映画です。
 ※池袋シネマ・ロサ(右上画像)は1946年創業の歴史ある映画館。約半世紀前に1年ほど西武池袋線で通学していた頃から名前は知っていましたが、場所が池袋西口のワイザツな一角ということもあって品行方正な(?)学生だった私ヌルボは行ったことはなく、結局入ったのは今回が初めて。上映作品の傾向もいろいろ変遷を経て、今は新宿のK's cinemaと共に新進監督を中心としたインディーズ系の作品上映を特色としています。この2館はあの大ヒット作「カメラを止めるな!」のスタート地点ということで<「カメ止め」の聖地>と呼ばれているとか。右画像のように最近(昨年?)文字通り明るいバラ(rosa=イタリア語)になっています。

「ももいろそらを カラー版」★★★☆
 最初のモノクロ版は2011年の第24回東京国際映画祭で日本映画・ある視点部門作品賞を受賞した作品ですが未見だったので、最近公開のカラー版を観ることに。これまた未見の「殺さない彼と死なない彼女」(2019)で注目されている森山啓一監督作品なのですが、まずこれから観ておくかと・・・。
 で、主人公は女子高生で・・・という映画はたくさん観てきましたが、こんな(朝から1人で釣り堀に行くような)高校生がはたしているものかどうか・・・。友人たちとの関係も、大金の入ったサイフを拾った後の対応も少し違和感を感じてしまいました。たとえば何か目標に向かってがんばるとか、学校生活や家族内の問題と格闘するとか、若さゆえの暴走とか、レンアイ物等々のよくある高校生の青春物のパターンから外れている感じで、結局最後まで首を傾げたままで終わってしまいました。
ところが後で<映画.com>で本作のレビューを見てみると、津次郎さんという方が「鬼才じゃないという凄さ」と題した一文(→コチラ)に目が留まりました。
 曰く、「えもいわれない優しさの映画です。日本映画には絶対になかった情感です。血も汗も涙もありません。暴力も堕落も残酷も怒号も痴情もAbused Womanもチンピラも、日本の映画監督たちが大好きな素材がいっさい出てきません。だからかわいいのです。かわいいという言葉が伝える、広汎な意味においてのかわいさを備えていると思うのです。」 あるいは、「映画は何も起こらないのに瑞々しい断片をとらえています。小さな事件は映画的です。無欲で、どやと鬼才感がなく、なんのメッセージもありません。ただちょっとした映画になっている──だけです。その野心を削いだ感覚が、俺俺/私私の巣窟と化した新鋭のなかで、どれほど貴重であったことでしょう。」 ・・・というわけで、★4つ半。
 ふうん、なるほど。そういう見方もあるのか・・・。まあとりあえずは今度「殺さない彼と死なない彼女」を観ることにしますかねー。

「映画大好きポンポさん」★★★
 事前の情報は皆無で、原作漫画の存在を知ったのも観た後。ただ、なかなか評判がよさそうなアニメで、もしかしたら映画業界内のこれまで知らなかった知識とかも得られるのかなと思って観に行きました。が、率直に言って期待は裏切られました。(どうもこの作品についてはかなり少数派のようです。)
 ポンポさんはプロデューサーにして「MEISTER」の脚本を書いた女性ですが、むしろ主役は監督に起用された青年ジーンなんですね。ジーンは撮り溜めた大量の映像を大幅にカットする等の作業に苦心するのですが、ソモソモ作品のキモはどういうことなのか、どういう基準でカットするのか、つまり作品を通じて何を訴えたいのかといったことが全然わからない。どうも「MEISTER」という作品自体どうもありきたりみたいな感じさえ受ける。(よくわからないけど)。監督、PD等々、それぞれ意欲と情熱を持って取り組んでいれば意見の対立・葛藤もあるのではと思うが、とくにナシ。追加の資金調達も意外なほどすんなり解決。そして大きな疑問は、ポンポさんが鉄則のように宣言した「上映時間は90分」という数字。これは「映画を通して表現したい」というクリエイターの意思とは別のこと(たいていの観客は退屈するだろう等々)を優先するということで、それは私ヌルボが望むこととは違うぞとハッキリ思いました。(もしかして、と確かめてみたら、本作の上映時間はちょうど90分でした。やっぱり、ね。) それでもって映画界の最高峰であるニャカデミー賞を受賞というのは甘いし、それ以前にニャカデミー賞受賞が映画を作る目的でもないでしょうに・・・。
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韓国内の映画の興行成績 [7月9日(金)~7月11日(日)]と人気順位 ▶「哭声/コクソン」のナ・ホンジン監督が手がけた新作「ランジョン」 - タイの田舎町、巫女に神が憑依して…。(すごく怖いって?)

2021-07-15 22:49:51 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶先週の記事で最近観た映画の寸評と評点を書かず、この<韓国内の映画の興行成績>から切り離して別記事にすることを仄めかしましたが、順序が相前後してコチラの記事が先になってしまいました。6月22日以降今まで18本の映画を鑑賞しました。1回だと大変なので2~3回に分けて記事にする心づもりです。

▶今回の記事中の韓国映画で注目は何と言っても「ランジョン」です。正確にはタイとの合作ですが・・・監督はこれまで「チェイサー」(2008)・「哀しき獣」(2010)・「哭声/コクソン」(2016)といったヒット作を手がけてきたナ・ホンジン監督。「哭声/コクソン」と同様シャーマニズムを基調とした作品ですが本作は舞台がタイの地方の村で、タイトルもタイ語で<シャーマン(巫女)>の意味。詳しくは下の記事をご覧ください。

         ★★★ NAVERの人気順位(7月14日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(-) 復活(韓国)  9.53(137)
②(4) ブータン 山の教室  9.40(167)
③(6) 子供たちは楽しい(韓国)  9.29(208)
④(8) 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(日本)  9.28(12,598)
⑤(9) 草間彌生∞INFINITY  9.28(18)
⑥(5) 復活: その証拠(韓国)  9.27(422)
⑦(7) アイ・ウィル、ソング(韓国)  9.29(48)
⑧(10) クルエラ  9.25(6,654)
⑨(新) CCTV(韓国)  9.17(23)
⑩(-) 私のお姉さんチョン・ジヒョンと私(韓国)  9.13(181)

 ⑨「CCTV」が新登場です。韓国のホラー。10年前、8人が死亡、1人が行方不明になった前代未聞の殺人劇。その現場がCCTVに撮られていたため、< CCTV殺人事件>と呼ばれたこの恐ろしい事件には唯一の生存者がいました。その人物をあるユーチューバーが訪ねて行きます。ねらいは、YouTubeチャンネルの注目度を高め、チャンネル登録者の増加につなげること。ところが、生存者とのインタビューが始まると事件後の10年間隠されていた残酷な事実が明らかになり、実はまだ終わっていなかった復讐が10年ぶりに終わりを迎えることに・・・。原題も「CCTV」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ノマドランド  8.00(8)
②(2) 水を抱く女  8.00(6)
③(3) 夏時間[ハラボジの家](韓国)  7.83(12)
④(4) 帰れない二人  7.67(6)
⑤(5) イントロダクション(韓国)  7.67(3)
⑥(6) ミナリ  7.58(12)
⑦(8) ブータン 山の教室  7.00(5)
⑧(9) ホワイト・オン・ホワイト  7.00(4)
⑨(-) 私は私を解雇しない(韓国)  6.88(8)
⑨(新) ランジョン(韓国・タイ)(韓国)  6.88(8)

 ⑨「ランジョン」が新登場です。この作品については後述します。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月9日(金)~7月11日(日) ★★★
         「ブラック・ウィドウ」が新登場で他を圧倒し1位に位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・ブラック・ウィドウ・・・・・・・・・・7/07・・・・・984,518 ・・・・・1,366,504・・・・・13,904 ・・・・2,526
2(1)・・非通知着信(韓国)・・・・・・・・・・・・6/23・・・・・・65,594 ・・・・・・・894,240・・・・・・8,539・・・・・・・680
3(2)・・クルエラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/26 ・・・・・60,589 ・・・・・1,856,051・・・・・17,989 ・・・・・・540
4(新)・・ランジョン(韓国・タイ) ・・・・・・7/14 ・・・・・44,211・・・・・・・・・47,685・・・・・・・・516・・・・・・・496
5(3)・・クワイエット・プレイス・・・・・・・6/16 ・・・・・22,766 ・・・・・・・842,641・・・・・・8,361・・・・・・・382
       破られた沈黙
6(4)・・あの夏のルカ ・・・・・・・・・・・・・・・・6/17・・・・・16,900 ・・・・・・・357,196・・・・・・3,272・・・・・・・360
7(新)・・富川国際ファンタスティック映画祭2021・・11,681 ・・・・・・・13,457・・・・・・・・・67・・・・・・・・・6
       ファンタスティック短編傑作選1
8(10)・・怪奇マンション(韓国)・・・・・・・・6/30 ・・・・・5,006・・・・・・・・・26,682・・・・・・・・270・・・・・・・・62
9(8)・・死霊館 悪魔のせいなら、無罪・・6/03 ・・・・・3,845・・・・・・・・796,247・・・・・・7,993・・・・・・・・58
10(5)・・ヒットマンズ・ボディガード2・・6/23・・・・・3,513・・・・・・・・378,058・・・・・・3,721・・・・・・・140
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
 1位「ブラック・ウィドウ」は、日本でも1日遅れの7月8日公開されています。全国の多くの映画館で一斉に・・・、と思ったら島根県と高知県は上映館ナシなんですね、今のところ。うーむ。韓国題は「블랙 위도우」です。
 4位「ランジョン」は韓国・タイ合作のドラマ&スリラー。公開前から注目度が高く、先行上映ですでに多数の劇場で公開されています。「哭声/コクソン」のナ・ホンジン監督が企画・制作した作品です。タイ東北部のイサーン地域の田舎町を舞台にした、これもシャーマニズムを素材とした映画。ということは、本作も「哭声」と同じようなフンイキか?とも思いましたが、監督は「前作のイメージを払拭しようと思った」とのことです。監督はタイのバンジョン・ピサヤタナクーン監督。タイトルはその地のバヤン神という氏神[祖先神]を祀る巫女(or霊媒、シャーマン)を指す言葉だそうです。イサーンの人々は、家の中、森、山、木、畑等まですべてのものに魂が宿っていると信じています。物語の主人公は巫女のニム。先祖代々バヤン神を祀る巫女の家門に生まれた女性ですが、姉のノイが巫女になることを拒んだため彼女がかわって巫女となりました。ところが今、ニムはノイの娘のミンの状態が尋常ではないことを直感します。ミンは日増しに異常な症状が深刻化してきています。ニムは悪魔祓いの儀式を行うことになります。巫女を取材するためにニムと同行していた撮影チームは憑依(降神)がミンに相続される瞬間を捉えるためにミンとニム、そして家族に広がるミステリアスな現象をカメラに収め始めます・・・。原題は「랑종」です。このようにフェイク・ドキュメンタリーの体裁をとった作品で、あらすじを読んだだけではわかりませんが観た人たちの多くが「すごく怖い」と語ってます。映画誌「シネ21」のナム・ソヌ記者は「徐々に佳境に入る憑依。締め付けられる恐怖。劇場から逃げたかった」と寸評を記しています。
 7位「富川国際ファンタスティック映画祭2021 ファンタスティック短編傑作選1」は、目下(7月7日~17日)の<第25回富川国際ファンタスティック映画祭>の1部門です。(上記の「ランジョン」もこの映画祭のコンペティション部門<富川チョイス>の中で初上映されました。) 原題は「BIFAN2021 판타스틱 단편 걸작선 1」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(42)・・ギリシャは呼んでいる・・・・・・・・・・7/08・・・・・・・1,454 ・・・・・・・・・2,483・・・・・・・・・・・22 ・・・・・・・47
2(2)・・輝く瞬間(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・6/30・・・・・・・・・964 ・・・・・・・・14,048・・・・・・・・・・119 ・・・・・・・60
3(1)・・チェルノブイリ:アビス・・・・・・・・・6/30・・・・・・・・・551 ・・・・・・・・23,488・・・・・・・・・・197 ・・・・・・・39
4(6)・・学校に行く道(韓国)・・・・・・・・・・・・・5/05・・・・・・・・・424 ・・・・・・・・25,331・・・・・・・・・・191・・・・・・・・・4
5(5)・・クレッシェンド ・・・・・・・・・・・・・・・・6/24・・・・・・・・・975・・・・・・・・・・5,942・・・・・・・・・・・49・・・・・・・・31

 1位「ギリシャは呼んでいる」(仮)が新登場です。イギリス・ギリシャ合作のコメディ&ドラマ。イギリスのマイケル・ウィンターボトム監督が有名なコメディアンのロブ・ブライドンと俳優としても活躍しているスティーブ・クーガンをそのまま役名として起用したグルメ取材旅行シリーズの4作目です。イギリス、イタリア、スペインに続く今作では、スティーブとロブはオブザーバー紙の提案でオデュッセウスの冒険を追う5泊6日の旅に出ます。トルコのアソス遺跡をはじめとギリシャのアテネ、そしてオデュッセウスの故郷イサカ等々を巡る旅です。が、たぶん今回も俳優の物真似やおしゃべりがかなりの部分を占めるのでは?(かなりの映画通・西洋史通でないとついていけない?) 韓国題は原題そのままの「트립 투 그리스(The Trip to Greece)」ですが、日本では第2、3作が「イタリアは呼んでいる」「スペインは呼んでいる」だったので、それに準じて仮題としました。日本公開は未定のようですが、たぶん公開あり、かな?。
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韓国内の映画の興行成績 [7月2日(金)~7月4日(日)]と人気順位 ▶洋画も含めてホラー、スリラーが盛りだくさん! ▶韓国映画「輝く瞬間」は大ベテラン女優のコ・ドゥシムが海女を演じた恋愛物!?

2021-07-08 20:29:15 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶6月22日~7月3日の12日間で観た映画が14本。それだけ観たい映画があり、その多くが上映の期日が限定されていたという事情もありますが、反省点が多々あります。財布の事情はもちろんとして、とくに大きいのは他のことがほとんどできないということ。家事は滞るし、先週の記事で予告した映画の感想もいまだに書いていません。それから今年上半期に観た映画(全75作品)の総括も・・・。4日以降は5日間おいて明日9日からまたいろいろ予定が入っていますが、他のことと同様「何をやるか(観るか)?」と共に「何をスルーするか?」ということもしっかり考えなければと思います。

▶今回の記事中の韓国映画で注目は「輝く瞬間」です。主演のコ・ドゥシム[高斗心]はアカデミー賞を受賞したユン・ヨジョン[尹汝貞]先生(現在74歳)の4歳年下という大ベテラン女優。自身の出身地である済州島の海女を演じていますが、その内容が30代のチ・ヒョヌが演じる男性PDとの<破格的ロマンス>ということで話題を集めているとのことです。詳細は記事の最後の方をご覧ください。

         ★★★ NAVERの人気順位(7月6日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) マイ・ブックショップ  9.70(10)
②(2) 学校に行く道(韓国)  9.61(138)
③(-) 詩を読む時間(韓国)  9.43(14)
④(3) ブータン 山の教室  9.39(165)
⑤(6) 復活: その証拠(韓国)  9.30(420)
⑥(-) 子供たちは楽しい(韓国)  9.29(207)
⑦(新) アイ・ウィル、ソング(韓国)  9.29(48)
⑧(7) 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(日本)  9.28(12,598)
⑨(9) 草間彌生∞INFINITY  9.28(18)
⑩(8) クルエラ  9.26(6,212)

 ①⑦の2作品が新登場です。
 ①「マイ・ブックショップ」はスペイン・イギリス・ドイツ合作のドラマ。日本では2019年3月に公開されています。韓国題は「북샵」です。
 ⑦「アイ・ウィル、ソング」は韓国のドラマ。これ以上歌を歌えなくなった無名の女性歌手ムルキョル(ハム・ウンジョン)は、悲しみを抱えてあてもなく安東に向かいます。旅先でたまたまムルキョルと出会った映画監督のパラム(キム・テヒョン)はなぜか彼女のことがとても気になってつきまとってきます。2人はいつのまにかお互いの傷と痛みを共有し、心を開き始めます。はたして、大切な夢だけを追って懸命に走ってきた彼らは、夢をあきらめた瞬間すべてが失われるのでしょうか? それとも、再び輝かしい希望のメロディを作っていくことができるのでしょうか? 原題は「아이윌 송」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ノマドランド  8.00(8)
②(2) 水を抱く女  8.00(6)
③(3) 夏時間[ハラボジの家](韓国)  7.83(12)
④(4) 帰れない二人  7.67(6)
⑤(5) イントロダクション(韓国)  7.67(3)
⑥(6) ミナリ  7.58(12)
⑦(8) ファーザー  7.13(8)
⑧(10) ブータン 山の教室  7.00(5)
⑨(-) ホワイト・オン・ホワイト  7.00(4)
⑩(新) 闇と邪悪な者  7.00(2)

 ⑩「ダーク・アンド・ウィケッド」が新登場。アメリカのホラーです。それぞれ両親から離れて暮らすルイーズ(マリン・アイルランド)とマイケル(マイケル・アボット・ジュニア :)の姉弟は、寝たきり生活の父の病状が悪化したとの報せを受て、数年ぶりにテキサスの人里離れた農場の生家を訪れます。父はそこで母と看護師に見守られながら最期を迎えようとしていました。ところが母は「来るなと言ったのに・・・」と姉弟を突き放し、また「お父さんは悪魔のせいで衰弱していると言ってくるのだ」などと奇妙なことを言うのです。そして翌朝、ルイーズたちは納屋で首を吊った母親を発見します。ところが、それは姉弟を待ち受ける想像を絶する恐怖の幕開けにすぎなかったのです・・・。原題「The Dark and the Wicked」は訳せば<闇と邪悪な者>あたりか。韓国題は2つの<the>を省いた「다크 앤드 위키드」。日本公開は11月26日です。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月2日(金)~7月4日(日) ★★★
         「非通知着信」が2週連続1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・非通知着信(韓国)・・・・・・・・・・・・6/23・・・・・234,676 ・・・・・・・734,578・・・・・・6,988・・・・・・・949
2(3)・・クルエラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/26 ・・・・165,523 ・・・・・1,720,172・・・・・16,630 ・・・・・・889
3(4)・・クワイエット・プレイス・・・・・・・6/16 ・・・・・97,044 ・・・・・・・781,558・・・・・・7,753・・・・・・・716
       破られた沈黙
4(5)・・あの夏のルカ ・・・・・・・・・・・・・・・・6/17・・・・・62,404 ・・・・・・・329,419・・・・・・3,017・・・・・・・631
5(2)・・ヒットマンズ・ボディガード2 ・・6/23 ・・・・57,399 ・・・・・・・357,366・・・・・・3,517・・・・・・・640
6(新)・・ミッドナイト(韓国)・・・・・・・・・・6/30・・・・・48,584・・・・・・・・・86,524・・・・・・・・750・・・・・・・682
7(9)・・イン・ザ・ハイツ・・・・・・・・・・・・・・・6/30 ・・・・18,549・・・・・・・・・43,465・・・・・・・・397・・・・・・・579
8(6)・・死霊館 悪魔のせいなら、無罪・・6/03 ・・・・11,490 ・・・・・・・786,498・・・・・・7,897・・・・・・・131
9(31)・・チェルノブイリ:アビス・・・・・・6/3 ・・・・・10,675・・・・・・・・・19,691・・・・・・・・162・・・・・・・182
10(23)・・怪奇マンション(韓国)・・・・・・・6/30 ・・・・10,456・・・・・・・・・15,317・・・・・・・・153・・・・・・・131
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 1月半ばからベスト10内を維持してきた「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」がついに外れてしまいました。(16位) それにしても、よくここまで続いたものです。
 新登場は6・9・10位の3作品です。
 6位「ミッドナイト」は韓国のスリラー。聴覚障碍のある女性キョンミ(チン・ギジュ)は帰宅途中血を流して倒れているソジョン(キム・ヘユン)を目撃し彼女を助けようとしましたが、今度はキョンミがソジュンを襲った連続殺人魔ドシク(ウィ・ハジュン)の新たなターゲットになってしまいます。助かりたい一心で必死に逃げるキョンミでしたが、殺人魔の足音さえも聞こえず、ドシクはまた別の顔で現れてキョンミを威嚇します。一晩中ソウルの真っ只中で繰り広げられる連続殺人魔と彼のターゲットとなったキョンミの追撃戦ははたして・・・。原題は「미드나이트」です。
 9位「チェルノブイリ:アビス」(仮)は、ロシアのアクション&スリラー、というより実録物か? 1986年4月26日午前1時24分。誰も想像していなかったチェルノブイリ原子力発電所の爆発。途方もない脅威にさらされていることも知らない人々。大量の放射線を浴びた患者たち。
そして世界を脅かす二次爆発という眼前の危機的状況。そんな状況下でより大きな災害を防ぎ、大切な人たちを守るために生死を超えた偉大な勇気を出した人々の本当の話です。原題(ロシア語)の「Kogda padali aisty(コウノトリが落ちた時)」は<ただならぬことが起きた>というような意味でしょうか? 英題は「Chernobyl: Abyss」で、それを元に仮題を付けました。<abyss>は<深淵>といった意味です。韓国題は「체르노빌 1986(チェルノビル 1986)」です。韓国のある評論家は「ロシアの遅まきな反省文」と評していますが、そんな<二度と起こってはならないこと>がなぜ起こってしまったのか? それもよりによってこの日本で。(たぶん)本作に似た「Fukushima 50」という映画が先に作られましたが、いろんな疑問がわき上がってきます・・・。日本公開は未定のようです。(たぶんなさそう?)
 10位「怪奇マンション」は韓国のホラー。ホラーを中心に描いているネット漫画作家のジウ(ソンジュン)はアイデアを求めて怪奇マンションと呼ばれている古びたマンションにやって来ます。表情が分からない中年の管理人はこのマンションで起こった奇妙な事件についてあれこれ話し始め、504号、708号等々、ジウは理由を聞けば聞くほど何かに取り憑かれたように怪奇マンションにますます執着することになるのでしたが・・・。ミステリアスなマンションを舞台にした5つの不気味なエピソードで構成されています。原題は「괴기맨숀」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(17)・・輝く瞬間(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・6/30・・・・・・・4,640・・・・・・・・・10,053・・・・・・・・・・・85・・・・・・・264
2(新)・・ブライズ・スピリット・・・・・・・・・・・6/30・・・・・・・2,778・・・・・・・・・・5,748・・・・・・・・・・・46・・・・・・・123
       〜夫をシェアしたくはありません!
3(27)・・ウェンディ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/30・・・・・・・1,568・・・・・・・・・・4,529・・・・・・・・・・・33・・・・・・・・72
4(1)・・クレッシェンド ・・・・・・・・・・・・・・・・6/24・・・・・・・・・975・・・・・・・・・・5,942・・・・・・・・・・・49・・・・・・・・31
5(13)・・学校に行く道(韓国)・・・・・・・・・・・・5/05・・・・・・・・・865 ・・・・・・・・24,359 ・・・・・・・・・185・・・・・・・・・4
 1・2・3位の3作品が新登場です。
 1位「輝く瞬間」は韓国のドラマ。ジノク(コ・ドゥシム)は済州島の海女。「海中での息止め」でギネスブックに載ったこともある彼女に、精神面でも肉体の強靭さでも勝る者はいません。そのジノクを取材するためにドキュメンタリーのPDギョンフン(チ・ヒョヌ)はソウルから済州島に向かいます。しかし、ジノクの反応は冷淡でした。ギョンフンはジノクの心を開くために彼女の周囲を回り始めます。そしてギョンフンが海で溺れた時にジノクが彼を救ったのが契機となり、彼女は自分と同じ傷を持ったことを知ってギョンフンに心を開きます。済州島、そして海女の人生に深く入っていくギョンフン。そんなギョンフンを通じてジノクは生まれて初めて感じる感情に向き合い始めますが…。原題は「빛나는 순간」です。・・・と、ここまで読むと済州島の海女とソウルから来たPDの男性のラブロマンスか、としか思わないでしょうが、注目はジノク役の女優コ・ドゥシム[高斗心]です。これまで映画だけでなく、むしろ数多くのやドラマに出演しているのでご存知の方もいらっしゃるでしょう。(参考→輝国山人の韓国映画) 生年はなんと1951年。70年代初めに映画界に入って現在ちょうど70歳です。済州市の生まれで、自身の故郷を代表する海女を扱った作品でもあり、シナリオを読んですぐに出演を決めたとのことです。一方のギョンフン役のチ・ヒョヌは1984年生まれで36歳。両者ともそれぞれの実年齢に沿った役を演じています。年配の女性と若い男性の愛の物語という点に疑問や抵抗感を感じる人も多いかもしれませんが、それも含めて地域や職業等に対する偏見を超えて愛の意味について考え、最終的には心が癒される<輝く瞬間>が訪れるとのことです。(コ・ドゥシムは歴代演技大賞の最多受賞者とか。知らなかったなー。)
 2位「ブライズ・スピリット〜夫をシェアしたくはありません!」はイギリスのファンタジー&コメディ。俳優、作家等々多様な分野で才能を発揮したノエル・カワードによる戯曲「陽気な幽霊」の映画化作品です。ミューズだった前妻エルヴィラ(レスリー・マン)の死の後スランプに陥った売れっ子小説家チャールズ(ダン・スティーヴンス)はインスピレーションを得るため愛する妻ルース(アイラ・フィッシャー)と共に霊媒師のマダム・アカティー(ジュディ・デンチ)を訪ね、彼女を招いて降霊会を催すことになります。ところがマダム・アカティーの真剣なパフォーマンスにもかかわらず何も起こらなかったでので、みんな鼻で笑って帰りましたが、その日の夜チャールズの前に死んだエルヴィラが現れます。そして、命をかけた血の三角関係が始まります・・・。韓国題は「블라이스 스피릿」。日本公開は9月10日です。
 3位「ウェンディ」はアメリカのドラマ&ファンタジー。ウェンディと言えば、あのピーター・パンに憧れる少女。そのジェームス・マシュー・バリー原作の「ピーター・パン」の舞台を現代に移し、ウェンディの目線で取り上げた作品です。線路の横の小さな食堂が世界のすべてという少女ウェンディ(デビン・フランス)は内面に満ちあふれる好奇心と冒険心で毎日新しい世界を夢見ています。そんなある日ピーター(ヤシュア・マック)が現われ、双子の兄弟ダグラス(ゲージ・ネイキン)とジェームズ(ギャビン・ネイキン)、そして末の妹ウェンディを率いて旅に出ることになります。そして自分の意志で大人にならず、永遠に子供として生きることができる神秘的な島にたどり着きますが・・・。そこは時間が止まった不思議な島ネヴァーランド。ウェンディは仲間のピーターたちと自由を守るために戦います・・・。韓国題は「웬디」。日本公開は未定のようです。
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<ハングルのクロスワード> 問題の意味はわかっても、高校レベルの歴史や地理等の教養がないと・・・ (泣泣泣)

2021-07-05 00:30:14 | ハングルのクロスワード
 1月15日のクロスワード(→コチラ)からもう半年近く経ってしまいました。長い間お待たせしてすみませんでした。
 今回も前回と同じく2017年の韓国旅行中に買ったパズル誌「상식퍼즐(常識パズル)」からの出題です。これには7칸(マス)×7칸、9칸×9칸、11칸×11칸の3種類のクロスワードが各7つ載っています。
 その中から今回も9칸×9칸の問題を選びました。総設問数は27で前回と同じ。まあ妥当な線かなと思いますが、次回は7칸×7칸にしてみるかなとか、別のパズル誌を見てみるかなとかあれこれ考えています。

 ではさっそく始めましょう。
 ※下の方に«ヌルボのヒント&雑感»、«해답(解答)»が付いてるのでご安心を。
 ※お急ぎでなければ、ハングルで入力していろいろググって調べてみることをオススメします。


  ・・・・가로열쇠・・・・
2.사자의 으르렁거림. 큰 소리로 열변을 토하는 것.
5.프랑스 종교전쟁을 종식시킨 앙리 4세의 칙령.
6.나를 알고 적을 앎. ○○○○면 백전백승.
7.조선 숙종 때의 도적의 우두머리.
9.아군의 상륙이나 작전을 돕는 거점.. ○○○를확보하다.
11.’토정비결’를 만든 사람.
13.충청북도의 도청 소재지.
14.홍콩를 한자로.
15.손오공이 이 책의 주인공이죠.
18.서류 따위를 똑같이 베껴 내는 기계.
20.심청이 몸을던진 바다 이름.
22.눈위에 다시 서리가 내린 격.
23.국제연합 아동 기금.
24.씨앗을 뿌리는 기계.
  ・・・・세로열쇠・・・・
1.네팔의 수도.
2.인사에 관한 명령을 적어 당사자에게 주는 문서.
3.일본을 상징하는 산.
4.처지를 바꾸어 생각한다는 뜻의 4자성어.
8.민간에서 수공업으로 피륙을 짜는 일.
9.학교에서 공부하는 책.
10.귀가 어두운 사람들이 착용하는 것.
11.임진왜란 때 병조판서를 지낸 조선시대의 문신.
12..항공 모함에 싣고 다니는 비행기.
16.같은 무리끼리 어울린다는 말.
17.집권당.
19.뒤주 속에서 굶어 죽은 영조의 아들.
20.모네로 대표되는 화가들의 유파.
21.젖를 먹고 기르는 기간.

«ヌルボのヒント&雑感»
 2のヨコ。漢字3字の熟語。日本語にもありますが、今この言葉を知らない人が多そう。猛獣がほえるんですけどね。
 5のヨコ。日本の高校世界史の教科書にも太字で載ってる。1598年の出来事。
 6のヨコ。学校では習わなかった四字熟語。孫子の兵法中の有名な言葉を知っていればわかるかも。
 7のヨコ。黄皙暎(ファン・ソギョン)の長編歴史小説がある。(タイトルそのまんま。)
 9のヨコ。日本語でも用いられる漢字3字の軍事用語。
 11のヨコ。お手上げ。かろうじて’토정비결’の後半2文字の漢字はわかった。前半2字はこの사람の号。
 13のヨコ。韓国の道名は基本的に道内の代表的都市2つの名の最初の字の組み合わせになってます。その漢字に주(州)を付ければよい。ただし강원도の강は주ではなくて・・・。あ、경기도は全然例外か。
 14のヨコ。標準中国語では'샹강'(Xiānggǎng)というそうです。
 15のヨコ。幼い頃手塚治虫の漫画で読みました。
 18のヨコ、日韓共通の3字の漢字語。日本ではカタカナ語の方が一般的か。
 20のヨコ。「春香伝」等と共に朝鮮に古くから伝わるよく知られた物語です。が、その舞台はどこなの?
 22のヨコ。日本では使わない四字熟語。最初の'눈'は「目」じゃなくて・・・。
 23のヨコ。前回のクロスワード中の'국제연합 교육과학문화기구'と間違えやすい。
 24のヨコ。音読みの漢字3字。日本でも用いる言葉ですが、ふつうは訓読みの方かな? あるメーカーで<ごんべえ>という機種名があったのはなるほど・・・ですが、ちょっと心配(笑)。
 1のタテ。韓国語の発音の方が原音に近いのでは?
 2のタテ。日本だと漢字2字なのにもう1字付くのか・・・。
 3のタテ。日本語そのまんま。(西洋人に<○○ヤマ>などと言う日本人がいるのはなぜ?)
 4のタテ。四字熟語ですが日本では学校でも教わらない言葉なのでむずかしい。ただ今年の三一節の文在寅大統領の演説の中で日本に対して「この言葉のような姿勢で向き合えば、過去の問題も賢明に解決できると確信している」と強調したとか。日頃細かい所までニュースを見ていればできる? (文大統領に限らず対日本用によく使われる?)
 8のタテ。完全にお手上げ。全然見当もつきません。(こんな固有語、どうすれば憶えられる?)
 9のタテ。こういう問題があるとホッとします。(全問このレベルだとつまらないですが・・・。)
 10のタテ。日本語と同じ漢字語。スペルさえ間違えなければOK。
 11のタテ。その当時にその役職にあった人物名、なんですが、表面をさらった程度の朝鮮史のレベルじゃムリです、トホホ。歴史ドラマに出てきた?
 12のタテ。日韓共通の漢字語。まあ(個人的には)妥当なレベル。
 16のタテ。この四字熟語も日本では使われません。(ホントに多い!) 一応韓国語教室で教わるレベル、かな?
 17のタテ。現在は더불어민주당。(1年後はどうなってる?)
 19のタテ。映画「王の運命 -歴史を変えた八日間-」でユ・アインが演じていました。(父王役はソン・ガンホ。)
 20のタテ。西洋美術史の常識、でしょうね。
 21のタテ。WHO(世界保健機関)では2歳以上までを推奨しているそうですが、かなり幅があるのでは?

 «해답(解答)» (範囲指定すると現れます。)
【가로열쇠(ヨコのカギ)】
2= 사자후(獅子吼) 5= 낭트칙령(ナント勅令) 6= 지피지기(知彼知己) 7= 장길산(張吉山) 9=교두보(橋頭堡) 11=이지함(李之菡) 13= 청주(清州) 14= 향항(香港) 15= 서유기(西遊記) 18= 복사기(複写機) 20= 인당수(印塘水) 22= 설상가상(雪上加霜) 23= 유니세프(ユニセフ) 24= 파종기(播種機)

【세로열쇠(タテのカギ)】
1=카트만두(カトマンズ) 2=사령장(辞令状) 3=후지산(富士山) 4= 역지사지(易地思之) 8= 길쌈 9=교과서(教科書) 10= 보청기(補聴器) 11=이항복(李恒福) 12= 함재기(艦載機) 16= 유유상종(類類相従) 17= 여당(与党) 19= 사도세자(思悼世子) 20= 인상파(印象派) 21= 수유기(授乳期)
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韓国内の映画の興行成績 [6月25日(金)~6月27日(日)]と人気順位 ▶2ヵ月ぶりに韓国映画が1位→「非通知着信」 ▶観客動員数は依然として低レベルが続く

2021-07-01 22:04:34 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 このところ1つの記事が長い状態が続いています。2009年8月にこの<韓国内の映画の人気ランク&興行成績>カテゴリーがスタートした時の記事(→コチラ)を見ると1本の文字数が現在の約3分の1です。読むことを考えるとあまりにも長過ぎ。今の時代、電車内等のスキマ時間にスマホで見てる人が多いでしょうしねー。韓国の映画興行成績が目当ての方ならそのデータのみに絞ればいいわけだし・・・、というわけで何とかしたいとは思っていました。
 そこで今回からは観た映画の感想や韓国映画関係の(データ以外の)諸情報は<最近観た映画の感想と、韓国映画情報など>のカテゴリーに分けることにしました
 ・・・ということで、最新の興行成績ランキングを見ると、注目は4月30日(金)~5月2日(日)の青春メロドラマ「雨とあなたの物語」以来2ヵ月ぶりに韓国映画が1位になったこと。作品名はハングルで「발신제한(発信制限)」(右画像)。韓国語がそれなりにわかる人でも「何なんだ??」と思う人は多いのでは? 日本語だと電話の非通知設定のことです。とりあえず「非通知着信」と仮題を付けておきました。(内容は下の記事参照。ただ2週連続1位はムリっぽいかも。)
 その間、1位に限らずベスト10全体を見ても韓国映画が少なく、アメリカのアクションや日本のアニメが目立っていましたが、これから稼ぎ時の7~8月はどうなるでしょうか?(今後の上映予定作については近日中にお知らせします。)

         ★★★ NAVERの人気順位(6月29日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(-)さすらいのシェフ(韓国)  9.64(285)
②(1) 学校に行く道(韓国)  9.61(137)
③(-) ブータン 山の教室  9.39(165)
④(2) 封鎖修道院カルトゥシオ(韓国)  9.34(74)
⑤(-) 玆山魚譜(韓国)  9.32(2,582)
⑥(4) 復活: その証拠(韓国)  9.30(420)
⑦(5) 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(日本)  9.28(12,542)
⑧(3) クルエラ  9.28(5,596)
⑨(6) 草間彌生∞INFINITY  9.28(18)
⑩(-) 劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel]II.lost butterfly(日本)  9.23(588)

 4作品が入れ替わりましたが、すべて最近の上映作の再上映。新登場はありません。。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ノマドランド  8.00(8)
②(-) 水を抱く女  8.00(6)
③(-) 夏時間[ハラボジの家](韓国)  7.83(12)
④(2) 帰れない二人  7.67(6)
⑤(3) イントロダクション(韓国)  7.67(3)
⑥(5) ミナリ  7.58(12)
⑦(6) 逃げた女(韓国)  7.33(6)
⑧(7) ファーザー  7.13(8)
⑨(-) 玆山魚譜(韓国)  7.00(9)
⑩(-) ブータン 山の教室  7.00(5)
⑩(-) さすらいのシェフ(韓国)  7.00(5)

 新登場の作品はありません。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績6月25日(金)~6月27日(日) ★★★
         久々の韓国映画1位「非通知着信」

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(50)・・非通知着信(韓国) ・・・・・・・・・・・6/23・・・・254,025 ・・・・・・・350,693・・・・・・3,362・・・・・1,010
2(7)・・ヒットマンズ・ボディガード2 ・・6/23 ・・・135,663 ・・・・・・・236,712・・・・・・2,374・・・・・・・975
3(2)・・クルエラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/26 ・・・・132,973 ・・・・・1,452,963・・・・・14,059 ・・・・・・797
4(1)・・クワイエット・プレイス・・・・・・・6/16 ・・・・130,246 ・・・・・・・619,246・・・・・・6,184・・・・・・・792
       破られた沈黙
5(3)・・あの夏のルカ ・・・・・・・・・・・・・・・・6/17・・・・・79,658 ・・・・・・・245,372 ・・・・・・2,243・・・・・・・760
6(4)・・死霊館 悪魔のせいなら、無罪・・6/03 ・・・・17,853 ・・・・・・・764,535 ・・・・・・7,684 ・・・・・・271
7(6)・・ワイルド・スピード ・・・・・・・・・・・5/19・・・・・・9,175 ・・・・・2,275,323 ・・・・・21,917・・・・・・・197
       /ジェットブレイク
8(5)・・女校怪談 六番目の話・・・・・・・・・・6/17・・・・・・7,475・・・・・・・・・89,402 ・・・・・・・・814・・・・・・・264
       :母校(韓国)
9(新)・・イン・ザ・ハイツ・・・・・・・・・・・・・・6/30・・・・・・3,238・・・・・・・・・・5,780・・・・・・・・・・61・・・・・・・181
10(9)・・劇場版「鬼滅の刃」 ・・・・・・・・・・・1/27・・・・・・2,736 ・・・・・2,144,756 ・・・・・20,600・・・・・・・・91
       無限列車編(日本)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は1・9位の2作品だけです。
 1位「非通知着信」は韓国のスリラー&ドラマ。銀行センター長のソンギュ(チョ・ウジン)は、子供たちを乗せて出発したいつもと同じ平凡な車出勤の途中、誰からかわからない非通知着信電話がかかってきます。「今あなたの座席の下には爆弾が設置されています」。携帯の向こう側の謎の声は「車に仕掛けた爆弾は席を立つと爆発する」という警告なのですが、ボイスフィッシング(詐欺)だと軽く考えたソンギュは、すぐに会社の同僚の車が同じ方式で爆破されるのを目の前で目撃し、突然釜山都心テロの容疑者とされて警察の追撃を受けることになります。降りれば爆発する絶体絶命の瞬間、警察の追撃の中で謎の発信者との電話までも切ることはできない状況に置かれるのですが…。原題は「발신제한(発信制限)」です。
 9位「イン・ザ・ハイツ」は、トニー賞4冠とグラミー賞最優秀ミュージカルアルバム賞を受賞したリン=マニュエル・ミランダによるブロードウェイミュージカルの映画化作品です。ニューヨークの片隅に取り残された街ワシントンハイツ。祖国を遠く離れた人々が多く暮らすこの街は、いつも歌とダンスであふれている。そこで育ったドミニカ人のウスナビ(アンソニー・ラモス)、ヴァネッサ(メリッサ・バレラ)、ニーナ(レスリー・グレース)、ベニー(コーリー・ホーキンズ)の4人の若者たちは、それぞれ厳しい現実に直面しながらも夢を追っています。ところが真夏に起きた大停電の夜、彼ら4人の運命は大きく動き出します・・・。韓国題は「인 더 하이츠」。日本公開は7月30日です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・クレッシェンド ・・・・・・・・・・・・・・・6/24・・・・・・・2,241・・・・・・・・・・3,322・・・・・・・・・・・28・・・・・・・・55
2(1)・・思い、思われ、ふり、ふられ<実写>(日本)・・6/16・・1,671 ・・・・・・14,623 ・・・・・・・・・129・・・・・・・・45
3(28)・・メイド・イン・ルーフトップ(韓国)・・6/23 ・・・・1,231・・・・・・・・・・3,531・・・・・・・・・・・31・・・・・・・・76
4(新)・・散らばった夜(韓国)・・・・・・・・・・・・6/24 ・・・・・・・・953・・・・・・・・・・1,736・・・・・・・・・・・15 ・・・・・・・・41
5(4)・・復活: その証拠(韓国)・・・・2020/10/08 ・・・・・・・・917・・・・・・・・・51,065 ・・・・・・・・・423 ・・・・・・・・14

 1・3・4位の3作品が新登場です。
 1位「クレッシェンド」はドイツのドラマ。世界的なマエストロのエドゥアルトは、平和コンサートのためにオーディションを経てイスラエルとパレスチナの才能ある演奏者を選びます。数十年間続いてきた紛争と葛藤を越えて、ただ音楽だけを見て集まりましたが、これまでの深い怒りと憎しみからすぐにお互いを攻撃し合うことに・・・。ひとつのオーケストラのための指揮者エドゥアルトは、真心を込めて努力を続け、永遠に平行線を歩くようだった彼らは少しずつお互いを理解し始めます。しかし、公演を1日前に控えてパレスチナのクラリネット奏者オマール」とイスラエルのフレンチホルン奏者シラー」がいなくなります・・・。オーケストラの公演は無事に行われるのでしょうか・・・。韓国題は「크레센도」。日本では一般公開はなく、DVDが出ています。
 3位「メイド・イン・ルーフトップ」は韓国のドラマ&ラブロマンス、といっても男&女の恋愛物ではなく、男&男のクィア映画。しかし、クィア映画といえば、たとえば性同一性に悩む主人公たちを取り巻く暗く深刻な雰囲気の作品が一般的です。しかしキム・ジョハン監督はそんなイメージから抜け出したいと考え、愛に不器用な青春の爽やかさとロマンチックで気持ちのいいエネルギーを感じさせる本作を制作しました。主人公は就職浪人中のハヌル(イ・ホンネ)。「俺もクールになるよ!」と、3年の間熱くなっていたボーイフレンドのジョンミンにウソの別れを伝えるという<ミルダン>(밀당.恋の駆け引き)に失敗してそのまま部屋を出ることに。別れて1日目、足の向くままハヌルが向かったのは友人のボンシク(ジョンフィ)の暮らす屋上部屋でした。ボンシクは韓国版ニコ生と言うべきアフリカTVのBJ(ジョッキー)をして稼いだお金でフレックスして[カッコつけて]、部屋をブランド品で飾り、「40歳前に死ぬ」を目標とし、今日だけを生きる自由な魂の持ち主で、恋愛などは必要ナシと言ってはいますが、積極的な<ソムナム>(感じのいい男子)に視線が行くことはしばしば。こんな彼ら2030世代の若者の生活事情と愛や友情を描いたさくひんです。原題は「메이드 인 루프탑」です。原題は「메이드 인 루프탑」です。
 4位「散らばった夜」は韓国のドラマ。イ・ジヒョン&キム・ソル監督という女性監督2人のデビュー作です。2019年の第20回全州国際映画祭の韓国映画コンペティションで大賞を受賞した作品で、また主人公の10歳の少女スミンを演じたムン・スンアちゃんも同じ10歳で俳優賞を最年少で受賞しました。物語は、スミンの両親の離婚をめぐる家族の解体を、スミンの視点から描くというもの。「このまま一緒に暮らしたらダメなの?」。突然家にやってくる見知らぬ人たち、スター英語講師のママと一緒に勉強に集中する中学生のお兄ちゃん、週に1度顔を見るかどうかというパパは博物館の学芸員。そして結局、両親は離婚を決意して、やむなく迫られることになった苦しい選択・・・。いや、自分が親を選ぶのか、あるいは親に選ばれるのか? 「親の離婚が子どもにとっても単純な問題ではないという当たり前の事実をじっくり込めた映画」と映画ジャーナリストのチョン・シウさんは書いています。原題は「흩어진 밤」です。
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