ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

朴槿恵の「槿」は韓国の国花。何と読む? ※よく似た花があって紛らわしい

2018-08-09 19:41:48 | 植物の韓国語
 「日本の国花はサクラ。それもヤマザクラ」とずーっと以前から思い込んでいました。ところが、この記事を書く前にちょっと確認してみたら、アレレ! 「桜または菊」なんですと。また「公式に定められた国花はありません」とも。そうだったのか~。

 さて、韓国の国花についてですが、日本ではどれほど知られているでしょうか? 漢字で書くと<木槿>または<槿>。これで<ムクゲ>と読みます。(漢検だと、1級レベル・・・ってホンマ?)

 このムクゲですが、見てそれとわかる人は何%くらいいるのでしょうか? 全然見当がつきません。私ヌルボの場合、高校時代(?)の国語の授業で芭蕉の「道のべの木槿は馬に食はれけり」という俳句で名前だけは知っていましたが、ちゃんと判別できるようになったのは恥ずかしながら1年前です。

 「ちゃんと判別」するのがちょっとむずかしいのは、同時期(6~9月頃)に咲く花でムクゲによく似た花がいくつかあるから。
 ここでクイズ。次の①~③の中でムクゲはどれ?

      

 正解はです。
 はフヨウ、はタチアオイです。
 韓国語だと、ムクゲは무궁화(ムグンファ.無窮花)、フヨウは부용(プヨン.芙蓉)。そしてタチアオイは漢字語ではなく<접시>(チョプシ)=皿+<꽃>(コッ)=花で접시꽃(チョプシコッ)と言います。なるほど、円い皿のように見える、かな?
 この3つの花とも白色など色が数種類あるのもややこしいところ。
 たとえば、右の2つもムクゲです。

 花の見分け方のポイントは・・・
  ムクゲ・・・メシベの先端がまっすぐ伸びている。
  フヨウ・・・メシベの先端が曲がっていて、どれも上を向いている。
  タチアオイ
・・・花の中心部分が淡い緑色。
   ※花の時期は、タチアオイが一番早く5月下旬~7月上旬。ムクゲがその約1ヵ月遅れ、フヨウはさらにその後です。
 ・・・ということなのですが、それよりもずっとわかりやすいのは少し離れたところから全体を見てみること。

      

 まずムクゲから。この木の特徴は、たくさんの枝が空に向かってまっすぐに伸びていることです。右の写真のように3~4mもの高さになる木もあります。

      

 次はフヨウ
 多く枝分かれしていて、大きめの葉がたくさんこんもりと横に広がっています

 
      

 タチアオイは、実は木ではなくて草なので、1本まっすぐ上に伸びている太い茎も下の方まで緑色です。葉はその茎の下の方にあるくらいで、上の方はほとんどなく、花は茎のすぐ横についています。
 ※ここまでの写真のほとんどはわが家の近所で撮ったものですが、右のタチアオイが群れ咲いている写真は都内の小さな公園で今年6月半ばに撮影しました。

 なお、ムクゲフヨウは葉の形も一目でわかるほどの違いがあります。(「街の木公園の木」(大日本図書)より)
    

 
 国花ということで、韓国ではこのムクゲがいろんなところで用いられています。右は韓国の国章と、最高の勲章である無窮花大勲章。国章は「ムクゲの花を基にデザインされている」とのことですが、どこが?という感じ。ムクゲでこんな黄色のものはないんじゃないかなー? 勲章の方は全然ムクゲとは関係なさそうです。本記事の見出しにも書いたように、朴槿恵前大統領の名前もムクゲを念頭に置いてつけられたものと思われます。なお、歴代大統領はこの無窮花大勲章を受章することになっています。全斗煥・盧泰愚元大統領も朴槿恵前大統領も投獄されるようなことになりましたが、この勲章は没収されないことになっているそうです。
 また国歌「愛国歌」の歌詞中にも「무궁화 삼천리 화려강산(無窮花 三千里 華麗江山)」とムクゲが出てきます。
 そして次の写真は2016年3月ソウル市銅雀区の顕忠院(国立墓地)で撮ったものです。
      

 広い墓地の彼方まで整然と並んだ墓の一つひとつにピンクまたは白のムクゲが供えられています。韓国の国鳥(非公式)のカチガラス(チョウセンカササギ)がここかしこに見受けられました。が、考えるまでもなくこの時期にムクゲが咲いているわけがない、と思って見ると、やはり全部造花でした。ま、しかたないところでしょうが・・・。

 ところで、ここで気になるのは北朝鮮の国花は何か?ということ。調べてみると、和名ではオオヤマレンゲ。韓国語では함박꽃나무(ハンバッコンナム)、そして北朝鮮では목란(モンラン.木蘭)といいます。その画像(右)を見ると、これまたなんとも紛らわしい!(笑)
 そういえば、平壌にある宴会場の名前が木蘭館でしたね。私ヌルボが1991年夏に行った時普天堡(ポチョンボ)電子楽団の演奏を聴いたり、水キムチとか板チョコ等を食べた所です。(実は長い間、私ヌルボは木蘭と牡丹(모란.モラン)を混同してました。ハハハ。)
 
 ところでその2。タチアオイと言えば、韓国人の多くが連想する(韓国の)有名人がいます。って、これで誰のことかわかるアナタはなかなかの韓国通。その人物のことについてはまたいずれ書くことがあるかも・・・。

【忘憂里公園墓地のムクゲ(2017年9月8日)】
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[韓国語]目下増殖中(?)のキバナコスモスはそのまま訳してOK。ヨメナの類はまとめてノギクにしちゃおう!

2015-10-17 23:48:04 | 植物の韓国語
        

 道すがら、キバナコスモスが咲いていたのでコンパクトカメラで撮りました。左と真ん中の写真は10月4日の桜ヶ丘駅(大和市)付近、右は今日(17日)横浜駅の近くです。実物は色がもう少し赤みがかっています。(「月見草」の記事でも書いた通り、ヌルボのデジカメ(オリンパスSZ31-MR)は赤色が苦手。)

 どうもこの頃キバナコスモスが目につくようになった気がします。いくつかのサイトによるとふつうのコスモスに比べて繁殖力が強く、「数株のキバナコスモスが2、3年後には4畳半くらいに増殖する」ので、生命力の強い花の種をまいてやせた土地を緑化するワイルドフラワーに用いられたりもしますが、<要注意>なのだそうです。

 9月8日の「朝鮮日報(日本語版)」に<秋の訪れを告げるキバナコスモス>という見出しでソウルのオリンピック公園に咲き乱れるキバナコスモスの写真が掲載されていました。(→コチラ。)
 なるほど、ずっと彼方まで一面のオレンジ色の光景が広がっています。
 下の画像は、別サイトのものですが、同じ辺りの9月21日のようす。

 で、このキバナコスモスを韓国語で何というのかと思ったら、노란코스모스。つまりきいろコスモスそのまんま。漢字を音読みにして황색코스모스(黄色コスモス)というのもありますが・・・。

 さて、上記の「朝鮮日報」の記事で思い出したのが2010年の韓国旅行です。まさに9月、このオリンピック公園&夢村土城(モンチョントソン)に行ってきたのです。その時はキバナコスモスは全然みかけなかったように思います。
 ふつうのコスモスは水辺に咲いていましたが・・・。(下の写真。)
    
 
 そして丘の上の方には、遠くから見ると白っぽい霞がかかっているようにたくさんの花が群れ咲いていました。
    

 近くで見れば薄紫色で、そんなに小さい花でもありません。

 この花は何かということですが、私ヌルボ、その時は「たぶんノコンギクあたりだろう」でテキトーに済ませてしまいました。ところが、今調べてみるとこのノコンギクはヨメナとよく似ていて、見分け方がむずかしいんですね。
 韓国語だとヨメナは쑥부쟁이でノコンギクは까실쑥부쟁이です。
 ところが、これらの語で韓国サイトを検索してみると、他にも紛らわしい花がいろいろあることがわかりました。
 たとえば→コチラのブログ記事では쑥부쟁이と구절초と벌개미취の見分け方が書かれています。구절초(九節草)は<NAVER辞典>ではシベリアノギクという訳語が出てきますが、日本のいくつかの記事ではイワギクとなっています。また벌개미취の方はチョウセンヨメナあるいはチョウセンシオンとなっています。(고려쑥부쟁이ともいう。また개미취だけだとアスターという訳語が出てきます。)
 で、ハングルでの画像検索等々もしたりして総合的に考えた結果、上掲の写真の花はこの벌개미취つまりチョウセンヨメナ(チョウセンシオン)を一応の答えとしておきます。(100%の確証はありませんが・・・。)
 まあここらへんの花の区別はむずかしいので、日本でもノギクと総称しているように、韓国語でもこれらの花をひっくるめて들국화という言葉を使う方がずっと自然ではないかと思います。

 しかし、上記のようなチョウセンヨモギ(?)の群落はまだあるのかな? 一面のキバナコスモスもきれいですけど、それが他の花々を駆逐し、これからもこの時期この地を席巻するとなるとちょっと心配な気持ちにもなります。
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[韓国語] <ネコ飯>という植物は何? <ウサギ草>もあるよ!

2015-04-01 23:31:37 | 植物の韓国語
 当ブログの<韓国語>カテゴリーの記事中に植物名関係のものがけっこうあることに気づき、新たに<植物の韓国語>というカテゴリーを独立させました。
 で、今回はその8つ目の記事です。

 先日、家の近所の道をバイク(50cc)で走行中、信号待ちの際すぐ前方の道端に・・・という書き出しは、昨年8月の フユサンゴの記事(→コチラ)と全く同じ。しかし今回の花はコチラです。
 街路樹のニセアカシアの下に咲いているひとむらの黄色い花。
 拡大してみると・・・。
 葉の形でカタバミの仲間かな?と思いましたが、花も葉も大きいようで、あとで探索してみたところ、どうもカタバミ属(→ウィキペディア)中のオオキバナカタバミという植物のようです。

 「カタバミ」という呼称は、「葉が夜になると三小葉を閉じる様子を横から見ると葉が喰われて欠けているように見えることから「片喰」と呼ばれたというのが一般的とのことですが、たんに「葉の一方が欠けているように見えることからきています」というのもありました。
 また漢字で書くと酢漿草。たしかにちょっとすっぱい味がしたかも・・・。
 ・・・と昔を思い出した私ヌルボ。カタバミ一族の中でいちばん親近感(?)を覚えるのがムラサキカタバミなんですが、それというのも子どもの頃これで草相撲をして遊んだりしたからです。草相撲については→コチラや→コチラの記事を参照されたし。

 さて(ここから本題)、韓国語でこのカタバミのことを何というか?
 もちろん知ってるわけない私ヌルボですが、インターネットとgoogleとNAVER等のおかげで安直に知ることができます。で、その答は괭이밥「괭이」고양이すなわちネコのこと。そういえば「ねこぐち村のこどもたち」という子ども向きの読み物の原題が「괭이부리말 아이들」だったな。(→過去記事参照。) そして「밥」はもちろんご飯のことだから、直訳すると「ネコ飯」。この名の由来は「ネコが食べる唯一の(?)草」とのこと。この植物には消炎・解毒・下痢止め等の効能があるので、腹を下したネコが食べるのだそうです。
 ※この頃(?)ペットショップ等ではネコが好んで食べるという猫草というのを売ってますが・・・。

 動物関係の韓国語植物名では、ほかに「토끼풀」(ウサギ草)があります。クローバー(클로버)のこと。しかし、日本でシロツメクサと言っても知らない人がいるように、韓国でも圧倒的に클로버と言っているようです。
 ネコ飯やウサギ草があるのなら、イヌ草なんてのもあるかなと思って개풀を辞書で引くと、これは「水辺に生えた草」のこと。イヌの개ではなく「浜辺・潟」の意味のでした。
 また개 풀 뜯어먹는 소리 하네」(イヌが草をかじる音を言うね)という表現があります。とんでもない話を聞いたときに言う言葉なんだそうです。この言葉をうろおぼえで「고양이 풀 뜯어 먹는 소리 하네(ネコが~)」と言ってしまう人もいるとか・・・、というのは→コチラの記事(韓国語)にありました。なお、<エンハウィキミラー>の「고양이 풀 뜯어 먹는 소리」の項目(→コチラ)の記事中にはイヌが草(野菜!?)をかじっている動画がありますが、さらにネコが草を食べている動画(→コチラ)にリンクが張られています。

 動物とは関係ありませんが、この際カタバミ関係で新しく知ったネタを1つ追加。
 このカタバミ属の中に、韓国語で「사랑초」(サランチョ.愛の草)という植物があります。学名はOxalis triangularis(オキザリス・トリアングラリス)。下の画像がそれです。
 日本では葉の色から紫の舞とよんだりしているようですね。韓国では葉の形がハート形をしているので愛の草というのだそうです。

 毎度思うことですが、花の名ひとつにしても昔からのいろんな文化が込められているということが今回のカタバミについてもよくわかりました。
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赤い実が目を引くフユサンゴは、韓国語では金釧桜桃(クムチョンエンドゥ)というが・・・

2014-08-04 19:45:17 | 植物の韓国語
 人は年を取るにしたがって心を寄せる対象が動物→植物→無生物と移行していく、という俗説があります。(・・・ってホントかな? それともヌルボの思い込み?)

 子どもの頃はペットをかわいがっていた人が年配になると花を愛でるようにになり、老境に入るとどこにでもありそうな石に対して「いい石だなー」となぜか感じ入ったりするという例はざらにあるようです。
 もちろん、老犬と支え合い、いたわり合いながら日々を過ごしているお年寄りもたくさんいらっしゃるので、この俗説(?)も必ずしもあてにはなりませんが・・・。

 ずいぶん前のことですが、日々生徒たちに悩まされていた先輩教師S先生が「植物は裏切らないからいいなー・・・」と呟きながら植木鉢に水をやっていた姿は今も記憶に残っています。

 先日、家の近所の道をバイク(50cc)で走行中、信号待ちの際すぐ前方の道端に小さな赤い実がたくさん生っている丈の低い潅木が目に入りました。


 こういった植物に関心が向かうようになったのも、年を取ったからかもしれません。

 バイクから降りて反対側からもケータイで写真を撮りました。


 車が行き来する舗装道路の路傍です。

 帰宅後「植物・夏・赤い・実」等々で画像検索してみると、その名前をつきとめるのにさほど時間はかかりませんでした。
 フユサンゴ(冬珊瑚)というのがその名前です。 ※別名<タマサンゴ(玉珊瑚)>とも。
 →コチラのブログ記事等によると、明治中期に渡来したブラジル原産のナス科の帰化植物です。(帰化植物はずいぶんたくさんあるようですね。)

 例によって学名の Solanum pseudocapsicumを手がかりに韓国名を調べてみると옥천앵두(オクチュンエンドゥ)>でした。
 このハングルで画像検索すると、たしかに同じ植物の写真がヒットします。たとえば→コチラ「예루살렘 체리(Jerusalem cherry)」という英語名が先に書かれています。
 漢字表記だと「옥천」はたぶん玉釧「앵두」桜桃
 玉釧の釧(くしろ)は石や貝や金属等で作られた腕輪の意味。つまりこの丸い実を腕輪に用いた石等に見立てたものだと思います。
 「앵두(桜桃)」だけの意味はとみると、学名Prunus tomentosaすなわちユスラウメ。私ヌルボの少年時代、庭にユスラウメの木がありました。グミのような渋味もなく、サクランボに似た味の実を好んで食べたものです。(もう何十年も食べてないな・・・。)
 ところが、日本ではユスラウメを漢字で書くと梅桃。そして「桜桃」だとサクランボになってしまいます。
 一方、韓国ではサクランボを何というのか調べてみると・・・체리(チェリー)」とはちょっと肩すかし。おっと버찌(ボッチ)」という固有語もあるゾ。・・・と<韓国ウィキペディア>や、おなじみの<エンハウィキ・ミラー>でこの項目をみると、「チェリー(学名: Prunus avium)とは学名もPrunus yedoensisと異なり、小さくて果汁は多いが苦くて生では食べづらく、酒に漬けたりして食べる」等の説明がありました。
 ところが、学名Prunus yedoensisというとソメイヨシノのこと。しかしエンハウィキの説明では「済州島漢拏山原産で、日本のソメイヨシノとは別の品種である」とのことなんですがね・・・。(例のサクラの原産地問題か、あーあ。)
 なんか、ややこしいな。いろんなことが日韓間で少しずつ違うゾ。

 さて、ユスラウメやサクランボの方に大きく脱線しましたが、本題に戻ってフユサンゴのこと。
 一見すると食べられそうなフンイキ(?)ですが実は有毒!で、とくに子どもが食べることのないよう要注意とのことです。
 ソラニンだかを含んでいて、食べると吐き気を催したり、大量に食べると昏睡、さらには死に至るとも! これは怖いと一瞬思ったものの、そんな大量に食べるような人がいるのでしょうか?? あっ、今見ていたサイト(→コチラ)は<に有毒な植物図鑑>か。ジャガイモとかスモモなんかも「死亡」という文字があったのもそういうわけ? ま、人間にとっても有毒ということには違いありません。写真を撮った時、ちょっと食べてみるかな?と一瞬思ったのですが、あぶないあぶない!

 次の記事もたぶん植物の名称についてです。

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[韓国語] 「月見草」、韓国語でもほぼ同じ

2014-05-10 17:58:18 | 植物の韓国語
 リチャード・ロジャースの名曲の1つに「六月は一斉に花開く」というのがあって、「アメリカでは6月なのか」と思ったのが数十年前。
 日本ではもちろん5月に入って一斉に花が咲き始めました。

 いろいろと鮮やかな花も多い中、近所の路傍でひと群れ、毎年同じ所で同じように楚々とした花を咲かせている花がこれ。

      

 私ヌルボにとってはおなじみの花です。

      

 月見草なのですが、正確には昼間に咲く昼咲月見草なのだそうです。

 月見草は、韓国語では달맞이꽃(タルマジコッ)
 「달(月)」+「맞이(迎え)」+「꽃(花)」で달맞이꽃。なんだ、そのまんまじゃん。憶えやすくてヨロシ。
 昼咲月見草も単に낮(ナッ.昼)を頭につけて낮달맞이꽃です。

 ただ、「달맞이꽃」で画像検索するとヒットするのは黄色い花ばかり。
 日本でも一般に月見草というと黄色い花のマツヨイグサを指すことが多いようですが・・・。
 例の太宰治の「富嶽百景」中の「富士には月見草がよく似合う」という一節も、「黄金色の月見草の花ひとつ」とあるから間違いなくマツヨイグサです。

 そのマツヨイグサも韓国語では달맞이꽃(タルマジコッ)で月見草と同じ。同種の植物とはいえ、ややこしいです。

 韓国ブログの中でも、→コチラでは私ヌルボが見たのと同じ薄いピンクの낮달맞이꽃の写真を載せています。
 そして、「달맞이꽃といえばこの歌を思い出します」と歌詞付で紹介している歌がこの歌。

    

 盲目のベテラン歌手이용복(1952~)の歌う달맞이꽃です。

 얼마나 기다리다 꽃이 됐나  
 달 밝은 밤이 오면 홀로 피어
 쓸쓸히 쓸쓸히 미소를 띠는
 그 이름 달맞이꽃
 아 아 아 아 서산에 달님도 기울어
 새파란 달빛아래 고개 숙인
 네 모습 애처롭구나

     どれほど待って花となる  
     さやけき月にひとり咲き
     寂しく寂しく笑み湛ふ
     その花の名は月見草
     ああ西の山にかかる月
     青き光にうつむきし
     おまへの姿の哀れさよ


 얼마나 그리우면 꽃이 됐나  
 한 새벽 올 때까지 홀로 피어
 쓸쓸히 쓸쓸히 시들어 가는
 그 이름 달맞이꽃
 아 아 아 아 서산에 달님도 기울어
 새파란 달빛아래 고개 숙인
 네 모습 애처롭구나

     どれほど恋へば花となる
     夜の明くるまでひとり咲き
     寂しく寂しく枯れてゆく
     ああ西の山にかかる月
     青き光にうつむきし
     おまへの姿の哀れさよ


 たしかに、しみじみとした懐かしさを感じさせる歌ですね。

 たわむれに七五調で訳した後で記事のタイトルを付けたら、これまた五七五になっちゃいました(笑)。

       

 ※愛用しているデジカメ(オリンパスSZ31-MR)は、ピンクや赤が白っぽくなって、元の色とずいぶん違うような・・・。夕日モードにでもすればいいのかな? 上の色は悪戦苦闘して調整した人工的なものです。(最初の2枚はそのまま。)
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見知らぬ野草の名前を韓国語ではどう言うか?をつきとめる  ★ハナニラの場合

2014-04-05 23:52:05 | 植物の韓国語
 昨晩のように急に寒くなったりしながらも、春は確実に到来しています。
 横浜の街に出てみると、桜はもとより、いろんな花がいつのまにか開花しています。
 その中で、私ヌルボが注目したのは、下の画像の野草。日本大通りの歩道に楚々とした風情で咲いていました。

 

 これを見て、花の名がわかる人はどれほどいるでしょうか?
 私ヌルボ、野草については、中学時代の理科(生物)の授業で四季それぞれの野草を採集し、名前を調べ、定期テストでは前から回ってくる現物の野草を見てその名を解答用紙に書くという教育を受けたおかげでずっとそれなりに興味を持ち続けてきました。
 しかしこの野草については知りませんでした。

 こうした時、今日びのインターネットはホントに便利です。
 まずは「春 野草 紫 6枚 花弁」でgoogle画像検索。その中で、「これだ!」という画像がすぐ見つかりました。開いてみると→コチラのブログ記事です。ラッキーなことに、記事のタイトルが「春の野草 ハナニラ」。たしかに葉の形態を見ると、なるほどニラだな、とナットク。

 では、このハナニラを韓国ではどういうか? そもそも韓国にはハナニラがあるのか、を調べるにはどうするか?

 安直な方法で、<NAVER辞典>(→コチラ)の検索窓に「ハナニラ」とカタカナを入力して検索してみると、結果は「검색결과가 없습니다(検索結果がありません)」ということで空振り。「サクラ」とか「レンギョウ」のようなおなじみの植物だとすぐに韓国名がわかるのですが・・・。

 で、次の手段としては、ウィキペディア(日本版)で「ハナニラ」の項目を見ること。結果は→コチラ。ここで、その学名がIpheion uniflorumであることがわかります。

 次にこの「Ipheion uniflorum」をもう1度<NAVER辞典>に入力し、統合検索をしてみます。
 その結果(→コチラ)は、今ひとつわかりにくいものの、学名をそのままハングルにした「이페이온(イペリオン)」というのがあるな、ということがわかります。

 あるいは、「Ipheion uniflorum 꽃」でgoogole検索をかける方法があります。ハングルの言葉(ここでは꽃(花))をセットにするのがミソ。すると韓国サイトがヒットします。
 その結果は→コチラ。ヒットした各記事のタイトルを見ると、「이페이온」のほか、「향기부추(ヒャンギブチュ.香ニラ)」「자화부추(チャファブチュ.紫ニラ)」「향기별꽃(香星花)」等のそれらしい単語があります。続けて画像検索すると当然「ハナニラ」で間違いなしです。

 その検索結果の中で、いくつかの韓国サイトを開いてみました。
 たとえば→コチラ。3月27日、つい9日前に、韓国のどこかで同じ花を見て、写真を撮った方がいるのですね。ここでは「이페이온」となっています。

 そして名前のこと等いろいろ書かれている記事は→コチラ
 アルゼンチン原産とか、ニンニクあるいはニラの匂いがする等のほか、上記のようないろんな名称について記しています。英語では「Spring Starflower」というので、韓国でも「봄별꽃(ポムピョルコッ)」というのが自然だとご意見ですが、漢字で「春星花」と書くと堅苦しい・・・というのは私ヌルボ今ひとつわかりません。

 しかし、今日初めて注目したこのハナニラという野草に帰化植物としての歴史があり、またそれに心を留める人たちが韓国にも何人もいるということを知って、また自分の世界がわずかながら広がった気分になりました。 
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[韓国語] 彼岸花 韓国語では曼珠沙華の音読み、じゃなくて・・・

2012-10-04 20:07:24 | 植物の韓国語
     

 「ノウゼンカズラを韓国語では何というか?」という記事を書いたのが9月2日。
 早いもので、もう一月経ってしまいました。そして今、街中を流れる川沿いの花壇に咲いているのが彼岸花。

 子どもの頃、徳島の田園地帯でたくさんの彼岸花が群生して咲いていたのが印象に残っています。とくに墓地の周辺。たぶん今もそうでしょう。
 あの花の根は毒だということは皆知っていて、触ろうともしませんでしたが、後に日本史関係の本で、球根をよく水にさらせば食用になるが、飢饉の時に備えた救荒植物として、ふだんは毒性を強調したということを読みました。もちろん子どもによる誤食を防ぐ意味もあったのでしょう。

 私ヌルボ、彼岸花は韓国語では別名の曼珠沙華をそのまま音読みして만주사화(マンジュサファ)というのかな、と何となく思っていたのですが、辞書を引くと석산(ソクサン)というのが一般的なんですね。漢字だと石蒜。日本のウィキの「ヒガンバナ」の項目では「ヒガンバナの鱗茎は石蒜(せきさん)という生薬名」という箇所でこの言葉が出てきます。
 また「死人花」「地獄花」「幽霊花」「剃刀花」「狐花」「捨子花」「はっかけばばあ」等の不吉な異名が紹介されていますが、韓国ウィキの方にも「球根に有毒なアルカロイドが含まれているため、地方によっては「사인화(死人花)」「장례화(葬礼花)」「유령화(幽靈花)」ともいう」とあります。

 さて、「만주사화」で検索すると韓国サイトで多くヒットするのが山口百恵の「曼珠沙華」。そして埼玉県日高町の曼珠沙華の里・巾着田(きんちゃくだ)。※たとえば→コチラのブログ記事。巾着田の訪問記です。
 巾着田の公式サイト(→コチラ)によると今ちょうど満開のようですよ。写真を見ると、ホントにみごとなものです。
 日高町といえば、高麗神社等々がある古代の渡来人ゆかりの地で、高麗の里を訪ねる散策コースも設定されています。
 しかし私ヌルボ、まだ行ったことがありません。ホントは曼珠沙華やコスモスが見頃の今時分に行くのがいいんだけどなー・・・。
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[韓国語]空に向かって咲くノウゼンカズラ 漢字ではどう書く? 韓国語では?

2012-09-02 23:58:38 | 植物の韓国語
 8月半ば以来、ブログの更新についてはスランプ状態が続いています。

 その間、例の領土問題についていろいろネット情報を集めたり本を読んだり、別件では李恢成の自伝的大長編「地上生活者」の精読にはまってしまったり、といった日々を過ごしていましたが、やっぱり難しい問題は当然ながら考えをまとめて記事にするのがタイヘンなんですよねー・・・。
 ってことで、今回もその関係のネタは見送り。

 思えばこの夏、神奈川・東京の外に一歩も出ていないのも精神衛生上よくなかったな、と思いつつ、外に出て深呼吸したところで目についたのがこの花。

      

 今の時期、街で目につく花といえばサルスベリと、このノウゼンカズラ

 サルスベリは、韓国語では백일홍(ペギルホン)百日紅の音読みで、これは私ヌルボの頭の中に入っていました。

 ところがノウゼンカズラの方は忘れちゃってましたね。
 実は2010年8月の[ハングル&漢検]一挙両得学習だっ! -難読植物名-と題した記事(→、→)で植物名の難読漢字と、それを韓国式に音読すればそのまま韓国語として通じる、ということを書きました。
 その中にノウゼンカズラも含まれていたのですが、自分自身の頭に定着してなかった、というわけです。とほほ。

 凌霄花←これがノウゼンカズラです。韓国語では능소화(ヌンソファ)。「霄」という見慣れない漢字は、ウィキペディアによると「空・雲の意味があり、空に向かって高く咲く花の姿を表している」とのこと、写真に撮った花の姿を見てもうなづけます。
 また説明には「古くはノウセウカズラと読まれ、これがなまってノウゼンカズラとなった」とあります。つまり、「凌霄」の音読みのリョウショウがノウゼンに変化したということのようですね。なんてことはない、日本語名と韓国語名と、元来は同じなのか。

 たまには、こういうふうに花の写真を入れると心が和んでいいかも、と自己満足。
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[ハングル&漢検]一挙両得学習だっ! -難読植物名- ②

2010-08-21 19:18:34 | 植物の韓国語
 前の記事のつづきです。
 次のような簡単な読みは問題から外しましたが、一応ハングル表記を入れておきます。
 菖蒲(しょうぶ.창포)・蓮根(れんこん.연군)・蘇鉄(そてつ.소철)・鳳仙花(ほうせんか.봉선화)・芍薬(しゃくやく.작약)・甘草(かんぞう.감초)・紫蘇(しそ.자소)・銀杏(いちょう.은행)
 その他、慈姑(くわい.자고)など、韓国ではどうなの?というのもありますが・・・。

 では後半の20問です。

[Ⅰ] 1~20は何と読みますか?   正解は(   )を範囲指定すると現れます。

1.無花果  ( いちぢく )
2.万年青  (  おもと  )
3.羊歯    (   しだ   )
4.薔薇    (  ばら  )
5.扁桃   ( アーモンド
6.合歓木  ( ねむのき )
7.茱萸   (   ぐみ   )
8.枇杷   (  びわ  )
9.紫雲英  ( れんげそう
10.柚子  (  ゆず  )
11.凌霄花 (のうぜんかずら
12.椰子  (  やし  )
13.百合  (   ゆり  )
14.石南(楠)花 (しゃくなげ
15.罌粟   (  けし  )
16.辛夷   (  こぶし  )
17.梔子   ( くちなし )
18.棕櫚   (  しゅろ  )
19.忍冬   ( すいかずら
20.山査子  ( さんざし

[Ⅱ] 1~20はハングルでどう書きますか?   正解は(   )を範囲指定すると現れます。

1.無花果  (무화과
2.万年青  (만년청
3.羊歯    (  양치 )※後に植物(식물)や類(류)をつける。
4.薔薇    (   장미 )
5.扁桃   ( 편두 )
6.合歓木  (합환목
7.茱萸   ( 수유 ) ※木の場合は나무(木)をつける。
8.枇杷   ( 비파 )
9.紫雲英  (자운영
10.柚子  ( 유자 )
11.凌霄花 (능소화
12.椰子  ( 야자 )
13.百合  ( 백합 )
14.石南(楠)花 (석남화
15.罌粟   ( 앵속 )
16.辛夷   ( 신이 )
17.梔子   ( 치자 ) ※木の場合は나무(木)をつける。
18.棕櫚   ( 종려 )
19.忍冬   ( 인동 )
20.山査子 ( 산사자 ) ※これは実。木の場合は山査に나무(木)をつける。
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[ハングル&漢検]一挙両得学習だっ! -難読植物名- ①

2010-08-21 19:16:29 | 植物の韓国語
 この暑い時期、目に鮮やかな花がサルスベリ。
 最近何かでどこかの誰かが(←?の3連発)実際にサルを滑らせようとしたが滑らなかった、という話を聞きました。

 数年前、韓国・仁川を真夏に訪れた時、見事なサルスベリを見て、韓国語で何というのかと辞書を引くと백일홍(ペギルホン)とありました。百日紅の音読みです。

 当時ちょっと漢字に凝っていて、漢検準1級用のテキストを買ってきて勉強をしたのですが、その中に難読の動植物名がわんさか出てきました。ほとんどオタクの世界ですねー。何とか合格しましたが、さらに1級となると泥沼的オタクの世界にはまってしまいそうな危険を感じたので、あえて近づかないことにしました。

 百日紅も、そんな思い出の難読漢字の1つでした。
 さて、そこで類推したのが、百日紅と同様の難読漢字をそのままハングルで音読すると韓国語として通用するのではないか、ということです。

 数十例の植物について確認してみると、たしかにゾロゾロ、該当例がありましたね。
 で、それらをクイズ形式にして列挙してみました。ぬわんと、全40問!

 多すぎるので、記事を2回に分けます。問題[Ⅰ]と[Ⅱ]を組み合わせればバッチリ!

[Ⅰ] 1~20は何と読みますか?   正解は(   )を範囲指定すると現れます。

1.仙人掌  ( さぼてん )
2.紫陽花  ( あじさい )
3.石榴    (  ざくろ  )
4.竜胆    ( りんどう )
5.胡桃   (  くるみ  )
6.玉蜀黍  (とうもろこし
7.土筆   (  つくし  )
8.独活    (  うど  )
9.車前草  ( おおばこ
10.生姜   ( しょうが )
11.馬酔木 ( あせ(し)び
12.落葉松 ( からまつ )
13.金盞花 ( きんせんか
14.牛蒡   (  ごぼう  )
15.女郎花 ( おみなえし
16.虎杖   ( いたどり )
17.勿忘草 (わすれなぐさ
18.燕子花 ( かきつばた 
19.金木犀 (きんもくせい
20.蒟蒻   ( こんにゃく

[Ⅱ] 1~20はハングルでどう書きますか?   正解は(   )を範囲指定すると現れます。

1.仙人掌 (선인장
2.紫陽花 (자양화
3.石榴   ( 석류
4.竜胆    ( 용담
5.胡桃   ( 호두
6.玉蜀黍  (옥수수
7.土筆   ( 토필
8.独活   ( 독활
9.車前草  (차전초
10.生姜  ( 생강
11.馬酔木 (마취목
12.落葉松 (낙옆송
13.金盞花 (금장화
14.牛蒡  ( 우엉
15.女郎花 (여랑화
16.虎杖  ( 호장
17.勿忘草 (물망초
18.燕子花  (연자화) ※(제비붓꽃)ともいう。
19.金木犀  (금목서
20.蒟蒻   ( 곤약

 →  に続く。
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