ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画の興行成績 [12月25日(金)~12月27日(日)]と人気順位 ►「パピチャ」や「FUNAN フナン」を観て繰り返される悲劇に溜め息をつくばかり・・・ ►この1年、113作品で観納め

2020-12-30 08:39:14 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶「パピチャ 未来へのランウェイ」が今年の見納め。2度観た作品(「はちどり」)と、ほとんど寝落ちしてしまった2作品を除いて計113作品。2019年の124作品には届かなかったものの、4~5月の2月近くのコロナ禍による映画館休館があるので、むしろ今年の方が「よく観た」感があります。恒例の1年間のベスト10選定と感想の記事は31日か?それとも元日になるか?といったころ。

▶この1週間は次の5作品を観ました。
 ・「戦車闘争」★★★☆(1972年ベトナム戦争に向かう予定だった米軍戦車を、相模原の一般市民が阻止した事件の真実にせまるドキュメンタリー。<米タン阻止>という言葉はその4、5年前頃からリアルタイムで聞いてはいたが(べ兵連かどこかのセクトによる造語?)、相模原のこの闘争は記憶に残っていない。シネマ・ジャック&ベティでの映画終了後のトークの時、来場していた取締りの警官隊OBも求めに応じて発言したのもほぼ半世紀を経た今ならではか。)
 ・「大和(カリフォルニア)」★★★☆(主人公サクラ(韓英恵、好演かも)がいつも不機嫌なのも米軍基地相模総合補給廠を抱える相模原市同様、大和市に米軍厚木基地があることと決して無関係ではない、のかな? )
 ・「FUNAN フナン」★★★★(FUNANは漢字だと扶南。紀元2~7世紀にインドシナ半島南部に栄えたクメール人(現カンボジア)の国家(←疑問もあるが)。そのカンボジアで1975~79年原始共産制を理想に掲げたポル・ポト率いるクメール・ルージュの政権は、結局粛清の犠牲者・病死者・餓死者等の総計170万人(=人口の3割。もっと多いという説も)という多くの人々を死に追いやった。この時代の1家族が辿った道をアニメ化した作品だが、→「消えた画」を観てなければ衝撃は大きかっただろう。それにしてもこんな極端な圧政が4年も続いたのはなぜ? それが知りたい。)
 ・「ウルフウォーカー」★★★★☆(いくつかの映画評ではイマイチの評価だったが、やっぱりカートゥーン・サルーン(アイルランドのアニメスタジオ)は期待を裏切らない! 本作はストーリーも音楽もケルト色が濃厚。ケン・ローチ監督作品や、Enyaの歌を思い起こした。)
 ・「パピチャ 未来へのランウェイ」★★★★☆(1990年代のアルジェリア。主人公ネジュマ等の<パピチャ>=かわいく常識にとらわれない女の子は夜大学寮を抜け出してナイトクラブに行って踊ったりタバコを喫ったり。一方寮内にはヒジャブを着用するようにとの貼り紙も多く、フランス語の講義中ヒジャブをまとった集団が入ってきて「外国語の授業は必要ない!」と叫んだり・・・。そんな中、ファッションデザイナーを夢見るネジュマは寮内でファッションショーを開こうとするのだが・・・。パンフ中の私市正年先生のコラムによると、アルジェリアにはA[フランス語話者・エリート・富裕層・世俗主義・西欧文化に親しむ]⇔B[アラビア語話者・大衆・貧困層・イスラム教に敬虔・アラブ文化に親しむ]という社会階層の対立があるとのこと。同様の図式は他の国・地域にもありそう。また、富裕層・貧困層を問わず男性は女性に対して抑圧的で権威権力をふりかざす点は本作でも描かれている。なおこの作品はナイジェリア国内で撮影はしたものの上映は許可されず、その理由も不明のままとか。20年経っても社会的対立は続いているということ。一方フランスではごく最近マクロン政権がイスラム過激派対策として一夫多妻制等も規制の対象とする新法案を発表したとか(→コチラ参照)。今後どうなるのかな?
 それにしても、自分の信念が強いほど周囲の人々を不幸にし、大きな悲劇に捲きこんでいく事例はこれまで数えきれないほどもあるのに、なぜ果てしなく繰り返されていくのでしょうね・・・。

         ★★★ NAVERの人気順位(12月29日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(2) アンプランド  9.56(587)
②(4) カナの婚宴:口約  9.56(308)
③(3) さすらいのシェフ(韓国)  9.56(185)
④(5) SWAG(韓国)  9.53(135)
⑤(6) 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(日本)  9.49(858)
⑥(8) ブータン 山の教室  9.42(142)
⑦(-) 少年の君  9.40(1,489)
⑧(10) 復活: その証拠(韓国)  9.40(392)
⑨(新) ミュージック&リアリティ(韓国・アメリカ)  9.39(18)
⑩(新) ボブという名の猫2  9.38(76)

 ⑨と⑩の2作品が新登場です。
 ⑨「ミュージック&リアリティ」は韓国・アメリカ合作のドラマ。ニューヨークで生まれ育った韓国系の青年ボビー(ビッグ・フォニー)はシンガーソングライターですが、現実はただ苦しいサラリーマン。韓国に行けるという話を聞いて職場も辞め、友だちのビリー(トッド・M・ゴブル)が属するバンドのロードマネージャーになって一緒にワールドツアーに出ます。そして最終的にソウルに到着し、父親の古い写真にある弘大で路上ライブをしているイナ(イム・ファヨン)の歌を聞きます。ボビーは彼女に頼んでソウルのホットプレイスを回り、音楽という共通認識を基として一緒に歌いながら、ずっと探し回ってきたアイデンティティに気付き、韓国に残ることになります。イナとのバンドが公演まで約束され、感情的な交流まで感じたと思った彼ですが、そのイナは突然説明もなく去ると言うのです。ぼくの歌はリアリティ、ぼくの現実は君に向かう心・・・。韓国題は「뮤직 앤 리얼리티」です。※主演のビッグ・フォニー自身もニューヨーク出身のシンガーソングライター。2011年から韓国に居住し、TVやラジオに出演している。
 ⑩「ボブという名の猫2」については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃ゆる女の肖像  9.22(9)
②(3) Mank/マンク  8.14(7)
③(4) マーティン・エデン  8.00(8)
④(新) 水を抱く女  8.00(6)
⑤(5) 夏時間[ハラボジの家](韓国)  7.83(12)
⑥(6)未来を乗り換えた男  7.60(5)
⑦(8) 逃げた女(韓国)  7.33(6)
⑧(9) 冬の夜に  7.33(6)
⑨(10) TENET テネット  7.18(11)
⑩(新) 85年の夏  7.17(6)

 ④と⑩の2作品が新登場です。
 ④「水を抱く女」は、ドイツ・フランス合作のドラマ。原題は「Undine[ウンディーネ]」(独)で韓国題「운디네」も同じ。このウンディーネとは地・水・風・火の四大精霊のうち、水を司る精霊です。この精霊と騎士との恋物語はフーケやジロドウによって小説や戯曲となり、あるいはバレエやオペラの素材ともされてきました。本作は精霊の神話とは直接関係はなく、主人公の女性ウンディーネ(パウラ・ベーア)の名前として用いられています。彼女はベルリンの小さなアパートで暮らしている歴史学者で、博物館でガイドとして働いています。ところが恋人のヨハネス(ヤコブ・マッチェンツ)が別の女性に心移りして悲嘆にくれることに・・・。精霊のウンディーネは「愛する男に裏切られた時、その男を殺して水に戻る」という宿命を持っていますが、クリスティアン・ペッツォルト監督による現代版のウンディーネはその運命をなぞってはいません。彼女が新たに出会った男性クリストフ(フランツ・ロゴフスキ)の職業はエンジニア・ダイバーで、ダムの水中に長時間潜って電気系統等の修理をしている、つまり水を媒介にして2人は出会います。そして運命に導かれるように激しく惹かれ合い、新しい愛を大切に育みます。しかし彼女が必死に何かから逃れようとしているような違和感をクリストフが感じとった時、ウンディーネは再び自分の宿命と直面することになります・・・。なおパウラ・ベーアは今年の第70回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(最優秀女優賞)を獲得しています。日本公開は来年3月26日。うーむ、なんか深い感じだなー。
 ⑩「85年の夏」については後述します。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月25日(金)~12月27日(日) ★★★
        韓国でも23日公開の「ワンダーウーマン 1984」が初登場1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・ワンダーウーマン 1984・・・12/23・・・・・・・211,416・・・・・・・・303,839・・・・・・・2,763 ・・・・2,260
2(2)・・盗掘(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・11/04・・・・・・・・18,033・・・・・・1,511,574 ・・・・・13,678 ・・・・・・385
3(1)・・ジョゼ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・12/10・・・・・・・・17,063・・・・・・・・173,822 ・・・・・・1,571 ・・・・・・557
4(33)・・花様年華 ・・・・・・・・・・2000/10/20・・・・・・・・14,626・・・・・・・・・31,863 ・・・・・・・・270・・・・・・・411
5(新)・・キャプテン・プードル・・・・・・12/24 ・・・・・・・・・7,253 ・・・・・・・・・8,458・・・・・・・・・・69・・・・・・・370
6(3)・・お隣さん(韓国)・・・・・・・・・・・・11/25 ・・・・・・・・・6,560 ・・・・・・・421,170 ・・・・・・3,618・・・・・・・276
7(4)・・Run:ラン・・・・・・・・・・・・・・・・11/20 ・・・・・・・・・3,763 ・・・・・・・276,372 ・・・・・・2,540・・・・・・・173
8(新)・・ボブという名の猫2 ・・・・・・・12/24・・・・・・・・・・2,655 ・・・・・・・・・3,458・・・・・・・・・・30・・・・・・・202
9(65)・・85年の夏・・・・・・・・・・・・・・・・12/24・・・・・・・・・・2,621 ・・・・・・・・・4,353・・・・・・・・・・39・・・・・・・122
10(5)・・ラブ・アクチュアリー・・2003/12/05 ・・・・・・・2,584 ・・・・・・・325,086 ・・・・・・2,305・・・・・・・・98
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 週末の観客動員数が1万人を超えたのは上位4作品だけと、さらに数字が落ち込んでいます。
 今回の新登場は1・5・8・9位の4作品です。
 1位「ワンダーウーマン 1984」は、日本でも韓国より(なんと!)5日早く12月18日から公開されています。韓国題は「원더 우먼 1984」です。
 5位「キャプテン・プードル」はオーストラリア・ベルギー合作のアニメ。狼男の一族は夜な夜な狼に変身して人々の安全のため密かに街を見廻っています。しかしある夜、群れを率いるフラッシュハートが何者かに家宝のリングを奪われた上崖から転落して死んでしまいます。由緒ある狼一族の後継者フレディは父の遺志を継いで立派なリーダーになることを誓います。そして迎えたフレディの狼化の儀式の日。皆の期待が高まる中、フレディが変身したのはなんと可愛いプードルだったとは! リーダーの座を狙う叔父のホッツパーは夜明けまでにリングを探して来なければ一族を追放するとフレディに告げ、フレディはプードルの姿で街へと向かいますが・・・。韓国題は「100% 울프: 푸들이 될 순 없어(100%ウルフにはなれない)」。日本では劇場公開はなく配信で視聴できます。
 8位「ボブという名の猫2」(仮)は、2017年に日本でも公開されて好評を得たイギリス映画「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」の続編。前作は、麻薬中毒のホームレス、ジェームズ・ボーエン(ルーク・トレッダウェイ)と傷ついた野良ネコのボブが運命的に出会って、互いに希望を見出すようになったという実話エッセイ「ボブという名のストリート・キャット」(辰巳出版)を原作にした作品でした。今作でも、ジェームズはあいかわらずロンドンで路上ライブをしながらビッグイシュー販売員として過ごしています。そして彼の心の友つまり肩の上のボブを誰よりも大切にしているジェームズですが、ある日濡れ衣を着せられて、クリスマスだというのにボブと別れる危機に直面してしまいます・・・。韓国題は「내 어깨 위 고양이, 밥 2(ぼくの肩の上のネコ、ご飯2)」。日本公開は来年ですが期日は未定。(えっ、これがボブの遺作だって!?)
 9位「85年の夏」(仮)はフランスのドラマ。フランソワ・オゾン監督の新作です。物語の舞台は1985年のフランス、ノルマンディーのビーチ。一人乗りヨットが転覆して溺れたアレックス(フェリックス・ルフェーブル)をダヴィッド(バンジャマン・ウォアザン)が救ってくれたことをきっかけに、2人の少年は急速に親しくなっていきます。アレクシスは父の仕事の都合で最近港町に引っ越してきたこともあって友人も少なく、そこに現れたダヴィッドは彼の心の支えとなります。「どちらか1人が死んだらその墓の上で踊ろう」。愛の証のような誓いと共に夏の太陽のような愛を共有する2人でしたが、やがてアレックスはダヴィッドの冷めた心を知ります。そして・・・。韓国題は「썸머 85(サマー 85)」です。
 なお、4位「花様年華」は、ウォン・カーウァイ監督による名作ラブ・ストーリーの再上映。韓国題は「화양연화」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(11)・・花様年華・・・・・・・・・・・・・・2000/10/20・・・・・・14,626・・・・・・・・・・31,863 ・・・・・・・270・・・・・・・411
2(28)・・85年の夏 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/24・・・・・・・2,621・・・・・・・・・・・4,353・・・・・・・・・39・・・・・・・122
3(1)・・ラブ・アクチュアリー ・・・・2003/12/05・・・・・・・2,584 ・・・・・・・・325,086 ・・・・・2,305・・・・・・・・98
4(27)・・Love Letter(日本) ・・・・・1999/11/20・・・・・・・2,534・・・・・・・・・118,844 ・・・・・・・919 ・・・・・・109
5(2)・・アメリカン・フォーク ・・・・・・・・・・12/16・・・・・・・1,999 ・・・・・・・・・・・9,933 ・・・・・・・・82・・・・・・・・49

 2位「85年の夏」が新登場ですが、これについては上述しました。
 4位「Love Letter」は、もちろん1995年に公開された岩井俊二監督の佳作。昨年末、そして今年6月にも再上映されています。25年経っても変わらぬ人気は間違いなく日本以上です。たまたま<NAVER映画>の記者・評論家による寸評(→コチラ.韓国語)を見たら、10人中評点10点=6人、9点=3人、7点=1人という高評価。その内容は近く別記事で紹介します。たぶん。
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韓国内の映画の興行成績 [12月18日(金)~12月20日(日)]と人気順位 ►アメリカのアンチ中絶映画「アンプランド」が韓国で高評価を得る事情 ►年内にあと4~5本観られるかな?

2020-12-23 18:28:11 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶→<第75回毎日映画コンクール>のノミネート作品が発表されました。(「TENET テネット」のように)承知の上で観なかった作品もありますが、全然ノーマークの作品もあるので、なんとか年内に観ようとおもいます。

▶今回の記事で紹介した作品中私ヌルボが興味を持ったのは「アンプランド」というアメリカ映画。観客動員数のランキングでは6位に入り、ネチズンによる評価ランキングでも平均9.75という高ポイントで2位になってます。一方記者・評論家による評点は平均3.3ポイント。平均にも達しない低評価です。映画の内容はというと。反妊娠中絶の活動アビー・ジョンソンの実体験を映画化した中絶反対を訴える作品。→コチラのFilmarksの記事にも対照的な感想が載っています。ジャスティーンさんは「「良心」に深く語り掛けられ、映画館で腰が抜けて立ち上がれなかった」「周りに泣いている人も多く、最後は見知らぬ人とも手をつないで、祈りました」とのことで、★5つです。一方GreenTさんは「これはハッキリ「アンチ中絶映画」と言われているんですけど、なぜこれを観て中絶の是非を問えるのか、全くわからない」以下、批判を列挙しています。「この「非営利団体」の内情がヒドいだけであって・・・「だから中絶は良くない!」という理由にはならない」とか「胎児を可哀想と思わなくたって、女性の身体にだって負担なのだ。「中絶すればいいや」なんてお気楽に思っている女なんてほとんどいないと思う」等々で、★は1つだけです。映画ジャーナリストのキム・ヒョンソクさんは次のようにコメントしています。「「中絶」という問題を、キリスト教的保守主義の立場から見た映画。その賛否についてはさまざまな意見があるだろうが、この映画が残念なのは両極端な善悪観念に立脚して議論の余地を完全に遮断してしまうという点。扱う問題の重さに比べてストーリー展開の方法と態度が軽い。「この映画で描かれる問題は「特に悪いものを取り上げた」という印象がある」。
 上記お2人の感想に対しては後者GreenTさんに圧倒的に多数の「いいね!」が寄せられていますが、日本では当然でしょうね。<NAVER映画>では本作を観た韓国のネチズン492人中2以下をつけた人はわずか13人でした。
 以前ソウルに行った時、朝公園で「同性婚反対」を熱心に訴えている若者を見ました。韓国ではキリスト教関係でも多様な教派・教団がありますが、こうした保守的なものも依然として大きな影響力を保持しているようです。

▶この1週間は次の3作品を観ました。
 「水女」★★★★(シネマヴィーラ渋谷の金綺泳特集で鑑賞。未見の作品だったが、この監督らしくかなりキョーレツな人物も登場するものの一応ハッピーエンドだし、ヒロインの金慈玉[キム・ジャオク]が魅力的だったので満足。) 「バクラウ 地図から消された村」★★★☆(カンヌ映画祭で審査員賞だがそんな風格(?)はナシ。最初の3分の1はわかりにくくて眠たく、後半は「ミッドサマー」風、というのが一般的感想。後でポルトガルと英語の意味や「地図から消された」意味を考え、少し理解しナットクしたが・・・。) 「スーパーミキンコリニスタ」★★★★(個性が問われる主演級俳優に対しエキストラはあくまでも無個性を求められる。本作の主演・高山璃子さんがエキストラから抜擢されたのは個性が目についちゃったから?)

【「水女」より。この広大な葦原はソウル市城東区沙斤[サグン]洞だとか。清渓川(or中浪川)?の河原か。申相玉監督の「地獄花」のロケ地もここだったか? 】


         ★★★ NAVERの人気順位(12月22日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) 犬のような者たち(韓国)  10.00(11)
②(新) アンプランド  9.75(465)
③(1) さすらいのシェフ(韓国)  9.61(184)
④(2) カナの婚宴:口約  9.58(252)
⑤(4) SWAG(韓国)  9.53(134)
⑥(6) 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(日本)  9.51(822)
⑦(新) 最後の休暇(韓国)  9.43(28)
⑧(8) ブータン 山の教室  9.42(139)
⑨(-) 蒸発(韓国)  9.42(38)
⑩(9) 復活: その証拠(韓国)  9.41(386)

 ①②⑦の3作品が新登場です。
 ①「犬のような者たち」は韓国のドラマ。ジョング(チ・デハン)は毎日のように酒に酔っては娘のシア(チュ・ソジョン)を叩くのが常になっていました。ところが彼が暮らす村で児童に対する性暴力犯罪が続けて起こります。そんなある日シアが行方不明になり、再発見されましたが、シアは近づくことさえできない状況で、さらにはジョングが容疑者だとの噂が広がっていきます。人生のどん底に落ちたジョングはシアに対してやっと遅すぎる後悔をするのですが・・・。原題は「개 같은 것들」です。子どもに対する性犯罪事件については、ネチズンもコメントしているように映画「ソウォン/願い」のモチーフとなった事件の加害者チョ・ドゥスンが最近刑期を終えて出所したこともあって関心が高まっているようです。(過去記事→
 ②「アンプランド」については後述します。
 ⑦「最後の休暇」は韓国のドラマ。留学生の子どもと母は共に外国暮らしで韓国に1人残るオ部長(イ・ヨンボム)は、そんな<キロギアッパ>生活5年目に入りました。オンラインで家族の話を聞くことが彼の唯一の楽しみです。そんなある日、消化不良とばかり思っていた痛みが大変なことになっているとは思いませんでした。家事には見向きもしない夫を後にして、1人で2人の娘を育てて、青春をそのまま捧げたスンミ(チャン・スンミ)、そんな彼女にもささやかな希望が生まれます。自分自身よりも他の誰かの踏み石や風よけになってくれた2人の最後の休暇が今から始まります・・・。原題は「마지막 휴가」です。

     【記者・評論家による順位】

①(-) 燃ゆる女の肖像  9.22(9)
②(1) 恐怖分子  8.22(9)
③(2) Mank/マンク  8.14(7)
④(3) マーティン・エデン  8.00(8)
⑤(4) 夏時間[ハラボジの家](韓国)  7.83(12)
⑥(-)未来を乗り換えた男  7.60(5)
⑥(5) ガールフッド  7.60(5)
⑧(6) 逃げた女(韓国)  7.33(6)
⑨(7) 冬の夜に  7.33(6)
⑩(8) TENET テネット  7.18(11)

 新登場の作品はありません。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月18日(金)~12月20日(日) ★★★
        「ジョゼ」が2週連続1位だが、この数字の落ち込みは悲しい

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・ジョゼ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・12/10 ・・・・・・・・30,889・・・・・・・・139,434 ・・・・・・1,263 ・・・・・1,019
2(3)・・盗掘(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・11/04 ・・・・・・・・16,491・・・・・・1,481,360 ・・・・・13,462・・・・・・・487
3(2)・・お隣さん(韓国)・・・・・・・・・・・・11/25 ・・・・・・・・14,956・・・・・・・・408,075・・・・・・・3,503・・・・・・・590
4(4)・・Run:ラン・・・・・・・・・・・・・・・・11/20 ・・・・・・・・・7,104・・・・・・・・268,630・・・・・・・2,471・・・・・・・416
5(再)・・ラブ・アクチュアリー・・2003/12/05・・・・・・・・4,576・・・・・・・・319,810 ・・・・・・2,257・・・・・・・232
6(22)・・アンプランド ・・・・・・・・・・・・12/17 ・・・・・・・・・4,302 ・・・・・・・・・・8,851・・・・・・・・・・75・・・・・・・281
7(87)・・アメリカン・フォーク ・・・・・12/16 ・・・・・・・・・3,887 ・・・・・・・・・・5,557・・・・・・・・・・48・・・・・・・242
8(5)・・八佰・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/10 ・・・・・・・・・2,565 ・・・・・・・・・14,252 ・・・・・・・・124・・・・・・・168
9(新)・・願い/Hope・・・・・・・・・・・・・・12/17 ・・・・・・・・・1,653・・・・・・・・・・・2,381・・・・・・・・・・20・・・・・・・171
10(7)・・インターステラー・・・2014/11/06 ・・・・・・・・・1,405・・・・・10,322,947 ・・・・・82,804・・・・・・・・17
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 週末の観客動員数が1万人を超えたのは上位3作品だけと、さらに数字が落ち込んでいます。
 今回の新登場は6・7・9位の3作品です。
 6位「アンプランド」はアメリカのドラマ。反妊娠中絶の活動家であるアビー・ジョンソンの実体験を映画化した作品です。タイトルのアンプランド(unplanned)は「予定外の」「無計画な」といった意味です。アビー(アシュリー・ブラッチャー)はアメリカ最大の中絶クリニック家族計画連盟で8年間カウンセラーとして働き、最年少所長になり、中絶経験者として自分のような岐路に立っている女性を助けるという使命感を持って誠実に働いています。ところが、初めて手術室に入った日、彼女はこれまでの信念を根こそぎ覆される場面を目撃することになります・・・。韓国題は「언플랜드」。本作の韓国内での評価については記事冒頭を参照のこと。日本公開は未定のようです。
 7位「アメリカン・フォーク」はアメリカのドラマ&音楽。世界各地の映画祭で7つの賞を獲得し、2018堤川映画祭では開幕作として上映された作品です。内容は男女ミュージシャンのロードムービー。全世界に衝撃が走った9.11のその日、偶然出会ったエリオット(ジョー・パーディ)とジョニー(アンバー・ルバース)は飛行機に乗れず、LAからニューヨークまでキャンピングカーで一緒に移動することになります。その間各地で路上ライブを行って人々の心を癒し、また多くの人たちからさまざまな好意を受け取ります。LAからニューヨークまで14の州5,600kmの壮大な旅は再起を喚起する旅となり、そこにはいつも音楽が共にありました・・・。2人の主人公を演じたジョー・パーディとアンバー・ルバースは00年代半ば以来インディファンの間で知られている音楽性豊かなシンガーソングライターで、その点でも注目度の高い作品とのことです。韓国題は「리플레이(replay)」。日本公開は未定(なさそう?)のようです。
 9位「願い/Hope」は、ノルウェー・スウェーデン合作のドラマ。今年9~10月にオンラインで開かれた<SKIPシティ国際Dシネマ映画祭>でグランプリを受賞した作品です。アーニャ(アンドレア・ブライン・ホヴィック)は映画監督であり、事実婚関係のトーマス(ステラン・スカルスガル)の妻でもあり、6人の子どものママでもあります。そんな家族たちに囲まれて、平穏に暮らしていました。ところが、クリスマスの2日前アーニャとトーマスは医師に緊急で呼び出され、アーニャの脳に腫瘍があって余命残り少ないと宣告されます。クリスマス中、アーニャは死の恐怖に向き合いながら、子どもたちにどう伝えるかひどく動揺します。トーマスは彼女と結婚したいと言いますが、アーニャは自分たちはそもそも愛し合っているのか疑問を持ち始めます・・・。この作品にはマリア・ソダール監督自身の実話が忠実に再現されていて、トーマス等も実在のモデルがいるとのことです。韓国題は「호프」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(再)・・ラブ・アクチュアリー・・・・2003/12/05・・・・・・・4,576 ・・・・・・・・319,810 ・・・・・2,257・・・・・・・232
2(38)・・アメリカン・フォーク ・・・・・・・・・12/16 ・・・・・・3,887・・・・・・・・・・・5,557・・・・・・・・・48・・・・・・・242
3(新)・・ホープ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/17 ・・・・・・1,653・・・・・・・・・・・2,381・・・・・・・・・20・・・・・・・171
4(71)・・少年の君 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/09 ・・・・・・1,391 ・・・・・・・・・72,687・・・・・・・・616 ・・・・・・・68
5(33)・・初恋(日本) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/17 ・・・・・・1,376・・・・・・・・・・・2,620・・・・・・・・・23・・・・・・・・79

 2・3・5位の3作品が初登場ですが、2位「アメリカン・フォーク」と3位「ホープ」については上述しました。
 5位「初恋」は私ヌルボは未見ですが、一応ラブロマンスではあるものの、そこは三池崇史監督作品らしくバイオレンスアクションの風味がかなり色濃く入っているようです。韓国題は「퍼스트 러브(ファースト・ラブ)」です。
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韓国内の映画の興行成績 [12月11日(金)~12月13日(日)]と人気順位 ►今年の世界一ヒット=中国映画「八佰」を観てみたい! ►ハン・ジミン主演の韓国版「ジョゼ」、日本でも観られそう

2020-12-17 10:09:06 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶年のせいか小さな声だけでなく、大きな声でも音が混濁して意味が聴き取れなくなってきた、といったことを最近書きました。サークル仲間にそんな話をすると、耳の後ろに手のひらを添えるとよく聞こえるとのこと。さっそく映画館でやってみたらナルホド、でした。ただ2時間もずっとやると疲れるし、ノートもとれないので、手品師のマギー審司が使ってるデカ耳のようなものを左右にヘッドホン式に装着するといいかも、などと考えてみました。

▶スピルバーグ監督の名作の1つ「シンドラーのリスト」(1993)について次のようなツイートがあり、これにいろんな見解が寄せられていて興味深く読みました。考えてみればもう30年近く経っているんですね。私ヌルボの学生時代、30年前は日中戦争勃発の頃か? たしかに勉強してないと知識はないわなー・・・。

▶この1週間で観た映画は先週同様1つだけです。
 「スパイの妻〈劇場版〉」★★★★☆
 ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞作・・・にしては大方の評価はそんなに高くはない。(低いというわけでもないが・・・) そんな中、私ヌルボのこの評点はかなり高い。それは主役(高橋一生の方。蒼井優もいいけど)の人物造形に感じ入ったから。他の皆さんはどう思っても、黒沢清監督と私ヌルボ個人が通じ合っていればいいのだ!ということ。同じ星の数でも、先週の「燃ゆる女の肖像」よりも断然コチラ。

▶今回の記事中の大きな収穫は、中国の戦争映画「八佰」についていろいろ知識を得たこと。1937年の<四行倉庫の戦い>とか<八百壮士>という言葉は恥ずかしながら知りませんでしたねー。映画の内容は後述の通りですが、とくに気になったのは史実と政治権力との関係です。昨2019年の上海国際映画祭で「10年に1度の大作」として上映予定だったのが取り消されたのは、四行倉庫に立てこもった国民党兵士が屋上に掲げた青天白日旗(中華民国国旗)を守り抜こうとするシーンがあったからとか。しかし、ねー・・・。国内だけでなく、台湾にも関わることなのでややこしいですが、→コチラの古畑康雄さんの記事は大変ためになりました。
    
 「八佰」は今年8月21日公開され、すでに興行収入は4億6千万ドルに達して今年世界で最大のヒット作となったそうです。なお、戦闘の舞台となった上海の四行倉庫は2015年に上海四行倉庫抗戦記念館として改築され、今年はコロナ禍のため1日の来館者数は約500人だったのが映画の公開後は1日3千人近くに急増したとのことです。
 権力と歴史認識の問題は中国だけの話ではありません。韓国では今与党によって歴史歪曲禁止法が発議されていますが、思想・言論・表現の自由を訴えた人たちがそんな自由を規制し、独裁政権を倒した人たちが独裁を進めるとはなんと皮肉なことか・・・。過去に同様の事例はいくつもあったな。(ロベスピエールとか・・・。) ※日本でももちろん教科書問題等歴史認識の問題はある。

▶そろそろ今年1年のふり返りの時期。これはという映画の再上映がいくつもの映画館で始まっています。現時点でのオススメを紹介します。(東京だけですみません。)
 ・キネカ大森 「はちどり」「37セカンズ」 ※2本立て(一般1,300円) 17日まで
 ・東京都写真美術館ホール 「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」「マロナの幻想的な物語り」
 ・新文芸坐 「のぼる小寺さん」「アルプススタンドのはしの方」 ※17日まで
 ・絶対オススメは「二人ノ世界」なんだけど、宇都宮ヒカリ座だけだからなー・・・。

         ★★★ NAVERの人気順位(12月15日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(2) さすらいのシェフ(韓国)  9.62(177)
②(4) カナの婚宴:口約  9.61(227)
③(新) 別れ猶予、1週間(韓国)  9.60(30)
④(新) SWAG(韓国)  9.57(108)
⑤(7) モンマルトルのパパ(韓国)  9.52(161)
⑥(5) 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(日本)  9.50(792)
⑦(9) 封鎖修道院カルトゥシオ(韓国)  9.47(57)
⑧(-) ブータン 山の教室  9.42(137)
⑨(-) 復活: その証拠(韓国)  9.41(384)
⑩(5) 私のお姉さんチョン・ジヒョンと私  9.41(85)

 ③④の2作品が新登場です。
 ③「別れ猶予、1週間」は韓国のドラマ&ラブロマンス。結婚を控えていたガラム(クォン・ユリ)とソンジェ(ヒョヌ)に突然降りかかった交通事故。その事故でソンジェは昏睡状態に陥り、ガランは命を落としてしまいます。この世を去ったガランは、未知の空間に行くことになり、そこで正体不明の男X(ユン・ジオン)に理解しにくい提案を受けることになります。1週間前に時間を戻してあげるから、ソンジェを助けたければ1週間以内に彼と完全に別れろとのこと。そうして1週間前に戻ったガランですが、一生を共にすることを約束していたソンジェに別れを告げなければなりません。しかし、その時初めて無神経な行動と言葉の中に隠されていたソンジェの心と思いやりにガランは気づき始めます。ソンジェが愛を守るために1人で戦ってきた切ない痕跡と遅ればせながら向かい合うのです。別れる言い訳を見つけなければならないのに、時間が経つにつれてどうしても別れることができない理由だけが一杯になる・・・。はたしてガランはソンジェとの別れに成功して彼を死から救うことができるでしょうか? 原題は「이별유예, 일주일」です。
 ④「SWAG」は韓国のドラマ。タイトルのSWAG(스웨그)はヒップホップでよく使うswagに由来した新語で、「ヤバい」や「めっちゃかっこいい」といった意味で使われている言葉です。ラッパー志望のエル(NIEL←TEEN TOPのメインボーカル)、浮上するK-POPスターのジェイ(イ・ボリム←スーパーモデル大会出身)、生まれつきの天才プロデューサーのオジ(チェ・ギュジン←俳優)。彼ら3人の夢と愛、そして情熱を描いたミュージックドラマです。特にデビュー10年目のベテランアイドルグループ、TEEN TOPのNIELはスクリーン初主演作ということで注目されているようです。原題は「스웨그」です。

     【記者・評論家による順位】

①(2) 恐怖分子  8.22(9)
②(4) Mank/マンク  8.14(7)
③(3) マーティン・エデン  8.00(8)
④(5) 夏時間[ハラボジの家](韓国)  7.83(12)
⑤(7) ガールフッド  7.60(5)
⑥(9) 逃げた女(韓国)  7.33(6)
⑥(新) 冬の夜に  7.33(6)
⑧(10) TENET テネット  7.18(11)
⑨(-) チャンシルさんには福が多いね(韓国)  7.00(10)
⑩(-) サムジングループ英語TOEIC班(韓国)  7.00(7)

 ⑥「冬の夜」が新登場です。韓国のドラマ。「春川、春川」(2016)「初めての行程[初行]」(2017)に続くチャン・ウジン監督の春川シリーズの新作です。大学時代に出会い、いつの間にか中年夫婦となったウンジュ(ソ・ヨンファ)と夫のフンジュ(ヤン・フンジュ)は江原道旅行に出かけますが、その帰途ウンジュがタクシーの中で携帯電話を失くしたことを気付きます。それを見つけるために春川の清平寺に戻りますが、その地は2人30年前初めて一晩を過ごした所でした。ウンジュは、立ち寄った所で僧侶(パク・ミョンフン)と言葉を交わしたり、過去の自分たちのような若いカップルと出会ったりします。フンジュは夜の街をさまよっていて昔の恋人ヘラン(パク・ソニョン)と遭遇します。本作はウンジュとフンジュを中心に過去と現在、現実と夢が交錯し、それぞれの境界を行き来するため、わかりやすい展開ではありませんが、要は何を感じるかということ、ですと・・・。何かを失くしてしまった彼らの忘れられない真冬の夜の夢のような映画、とのことです。原題は「겨울밤에」です。
 なお、④「夏時間」と⑩「チャンシルさんには福が多いね」は、これまで本ブログでは、「ハラボジの家」と「チャンシルは福も多いね」と映画祭でのタイトルを用いてきましたが、最近前者は来年2月27日、後者は1月8日から一般公開されることが公表され、それに合わせて標記を修正しました。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月11日(金)~12月13日(日) ★★★
        「ジョゼと虎と魚たち」(2003)の韓国版リメイク、「ジョゼ」が初登場1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・ジョゼ(韓国)・・・・・・・・・・・・・12/10 ・・・・・・・・56,239 ・・・・・・・・・78,848 ・・・・・・・・712・・・・・1,179
2(1)・・お隣さん(韓国)・・・・・・・・・・・・11/25 ・・・・・・・・25,689・・・・・・・・381,076・・・・・・・3,271・・・・・・・688
3(2)・・盗掘(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・11/04 ・・・・・・・・15,017・・・・・・1,452,176 ・・・・・13,239・・・・・・・456
4(3)・・Run:ラン・・・・・・・・・・・・・・・・11/20 ・・・・・・・・10,648・・・・・・・・255,596・・・・・・・2,350・・・・・・・459
5(新)・・八佰・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/10 ・・・・・・・・・5,715 ・・・・・・・・・・8,385・・・・・・・・・・71・・・・・・・223
6(新)・・ミッドナイト・スカイ・・・・・・12/09 ・・・・・・・・・3,017 ・・・・・・・・・・5,094・・・・・・・・・・44・・・・・・・218
7(9)・・インターステラー・・・・2014/11/06 ・・・・・・・・・2,214・・・・・10,320,104 ・・・・・82,775・・・・・・・・17
8(4)・・ザ・プロム・・・・・・・・・・・・・・・・・12/02 ・・・・・・・・・2,089 ・・・・・・・・・23,577 ・・・・・・・・205・・・・・・・151
9(10)・・ダンケルク・・・・・・・・・・2017/7/20 ・・・・・・・・・1,903 ・・・・・・2,801,241 ・・・・・24,659・・・・・・・・16
10(5)・・ファティマの奇跡 ・・・・・・・・12/03 ・・・・・・・・・1,569 ・・・・・・・・・14,666・・・・・・・・・117・・・・・・・・85
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 日本同様韓国でも新型コロナの第3波のため感染者数が増加し、過去最多を更新するレベルになってしまいました。週末の観客動員数もさらに減り、通常の年の独立・芸術映画のランキングを見るようです。
 今回の新登場は1・5・6位の3作品です。
 1位「ジョゼ」は韓国のドラマ。2003年に妻夫木聡と池脇千鶴主演の佳作「ジョゼと虎と魚たち」(2003)の韓国版リメイクです。(原作は田辺聖子の短編小説です。) ジョゼ(ハン・ジミン)は祖母と2人きりで暮らしています。足の不自由な彼女は本を読んで想像する自分だけの世界を生きています。ある日、ヨンソク(ナム・ジュヒョク)はそんな彼女に偶然出会い、特別な感情を抱き始めます。そして彼は閉じこもっていたジョゼを外の世界に連れ出します。しかしジョゼは初めて経験する恋にドキドキする一方、慣れない感情で胸を痛めたりもします・・・。日本版との違いはいろいろあるようです。ヨンソクは大学生で同じですが、ジョゼは30代半ばで、内面にも深い傷を抱えている女性に設定され、そのため日本版にはない過去の物語が加えられたとのこと。その他今の時代、そして韓国に合わせたリメイクが施されているようです。原題は「조제」です。なお→コチラの記事によると「世界12ヵ国に配給決定、日本での公開も予定」とのことです。
 5位「八佰」は中国の超大型戦争ブロックバスター。韓国題は「800」ですが、中国っぽく原題のままにしました。物語の舞台は、日中戦争の契機となった盧溝橋事件(1937年7月7日)に続く第二次上海事変中の最後の戦闘である四行[しこう]倉庫の戦いです。四行倉庫は呉淞江(蘇州河)北岸の6階建てのビルで、戦闘前は中華民国軍第88師司令部として使用され、食料や医療品、砲弾・弾薬が備蓄されていました。(対岸はあの上海租界てす。) ここで10月26日~11月1日繰り広げられた戦闘=四行倉庫の戦いで日本軍に対抗して戦った守備隊の兵士たち800人は2万人の日本軍の攻撃に耐え、中国軍退却の援護に大きな役割を果たしました。その功績は<八百壮士>と呼ばれて称えられてきました。これが本作のタイトルの意味です。4昼夜の激戦を経ても意に反して容易に陥落できない日本軍はビルを爆破する計画を立て、第524連隊の兵士たちは命がけの脱出をすることになります・・・。
 6位「ミッドナイト・スカイ」は、ジョージ・クルーニーが製作・監督・主演を兼任しているアメリカのSF。日本でも11日から公開されています。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ファティマの奇跡 ・・・・・・・・・・・・・12/03・・・・・・・1,569・・・・・・・・・・14,666 ・・・・・・・117 ・・・・・・・85
2(新)・・レベル16 服従の少女たち・・・・・・12/10 ・・・・・・1,406・・・・・・・・・・・1,837・・・・・・・・・17 ・・・・・・137
3(3)・・劇場版 ヴァイオレット・・・・・・・・・11/12・・・・・・・・・977・・・・・・・・・・48,080 ・・・・・・・411・・・・・・・・62
       ・エヴァーガーデン(日本)
4(4)・・復活: その証拠(韓国) ・・・・・・・・・・10/08 ・・・・・・・・865 ・・・・・・・・・28,020・・・・・・・・229 ・・・・・・・13
5(2)・・宴の日(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/02 ・・・・・・・・783・・・・・・・・・・10,064・・・・・・・・・78 ・・・・・・・55

 2位「レベル16 服従の少女たち」が新登場。カナダのスリラーです。10代の孤児の少女たちが学びつつ生活する寮学校ベースタリス。良い家に養子縁組に行くため少女たちは常に服従、忠誠、忍耐、清潔を強要する授業を受けています。そして16歳になると養子に出されることになります。ヴィヴィアン(ケイティ・ダグラス)も最終学年に上がった1人ですが、かつての友人ソフィア(セリーナ・マーティン)から聞いたある忠告から、この寮学校の目的は養子縁組ではなく、別の秘密があることを知ります・・・。韓国題は「레벨 16」。日本では劇場公開はありませんがDVDレンタル、動画配信で視聴できます。
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韓国内の映画の興行成績 [12月4日(金)~12月6日(日)]と人気順位 ►韓国では1月公開の「燃ゆる女の肖像」をやっと観れた、が・・・ ►実は韓国の政局が映画よりドラマチックに進行中なんだけど・・・

2020-12-08 22:02:42 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶この1週間で観た映画は1つだけです。これ以外にぜひ観たい作品は・・・何があるの??
 「燃ゆる女の肖像」★★★★☆
 この作品はカンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞したのをはじめ、世界での受賞数は計44に及ぶとか。また韓国では今年1月の公開以来今まで継続して上映されていて、その間評論家・記者による評点ランキング(下掲)でも平均9.22という高ポイントで1位を維持しています。ということで、とても心待ちにしていた作品ですが、ちょっと懸念もありました。それはアートの比重が高そう、という点。(いや、それ自体よくないことではないんですが、好みの問題。美しすぎると見えるものも見えなくなっちゃいそうなので。) で、実際観たらほぼ予想通り。海岸の風景も美しいし、登場人物の衣服の色も深く品があるし・・・。セリフは少なく、声も表情も感情は抑えていて、その分観る側も息を抜けない感じ。この作品についてはすでに多くの人が賛辞を寄せていますが、私ヌルボとしては「なるほど、ごもっとも」というものばかり。しかし(ラストシーンを除いて)感情を揺さぶられないのはなぜ? 男だから?? 女性同士の恋愛を描いた作品なら「キャロル」(日本公開2016)はすごく感動してその年のベスト1にしたんだけどどこが違う? (どちらも<視線>が大きなポイント。なお「アデル、ブルーは熱い色」は未見。) そんなわけで★4つかなとも思ったのですが、ラストの演奏会の場面であのおなじみの曲をエロイーズが聴くシーンがよかったので☆を追加しました。音楽ではもう1つの島の女たちが歌う宗教的(?)な歌唱も気になったのですが、パンフによると伝承歌等ではなく本作に合わせて作られたオリジナル曲だとか。
 ・・・と、ここまで書いて思い出したのは→11月3日の記事で書いた韓国のキュア映画「ツタ」のことです。同棲していた女性同士のカップルの一方が事故で障碍者になったうえ、孤児になった姪も引き取るという話。ヌルボとしてはそんな現実的・社会的なクィア映画の方が向いているかも・・・。

▶今回もキリスト教関係のドキュメンタリー2作品が新登場。「ファティマの奇跡」「閉鎖修道院カルトゥシオ」ですが、調べてみるととても興味深かったです。また「私のお姉さんチョン・ジヒョンと私」という<亡(マン)ゲーム>のドキュメンタリーも。(なんでチョン・ジヒョン?)

         ★★★ NAVERの人気順位(12月8日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(2) ディア・マイ・ジーニアス(韓国)  9.75(36)
②(3) さすらいのシェフ(韓国)  9.59(165)
③(新) ファティマの奇跡  9.59(64)
④(1) カナの婚宴:口約  9.57(188)
⑤(新) 私のお姉さんチョン・ジヒョンと私  9.52(64)
⑥(5) 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(日本)  9.51(745)
⑦(6) モンマルトルのパパ(韓国)  9.51(160)
⑧(4) 蒸発(韓国)  9.48(33)
⑨(新) 封鎖修道院カルトゥシオ(韓国)  9.46(54)
⑩(新) 宴の日(韓国)  9.45(106)

 ③⑤⑨⑩の4作品が新登場です。
 ③「ファティマの奇跡」(仮)と⑩「宴の日」については後述します。
 ⑤「私のお姉さんチョン・ジヒョンと私」は韓国のドキュメンタリー。第12回DMZ国際ドキュメンタリー映画祭、第22回正東津独立映画祭等の映画祭で観客に大きな印象を残した作品です。1999年韓国のゲーム会社のNEXONが開発したエランシアという大規模多人数同時参加型RPGゲームがありました。当初は無料、その後月額制となります。当時とても人気のあったゲームで、韓国では過去国内最大利用者数を誇ったゲームでした。日本でも関連会社によってサービスが提供されました。しかし2006年5月にサービス終了が発表され、サービスの存続を願う署名運動が行われましたが、そのまま終了となりました。以後韓国では無料のまま放置されているようで、<亡(マン)ゲーム>(망겜)、つまり運営スタッフに捨てられたゲームの代表格です。本作のパク・ユンジン監督はハッキング等が横行する無法地帯のゲームの世界にいまだに残っているこのゲームのユーザーに質問を投げかけます。「エランシアを、なぜやっているのですか?」。監督の思いは、「運営陣のいないエレンシアに残っているユーザーたちの理由を通して、無気力な20~30代がかろうじて居場所を持っている今の時代と向き合おう」ということだとか・・・。原題は「내언니전지현과 나」です。私ヌルボ、エランシアのことは知らなかったのですが、→ウィキペディア等を見るととても凝ったゲームだし、「友人とのチャットをするためのゲームとして利用している人もいた」とか、「それまでにない楽しみ方を多くのプレイヤーと共有し、友人を作りながらエランシアを巣立って行った」等々の記述があって、このドキュメンタリーの人気を背景が少しわかったように思いました。
 ⑨「閉鎖修道院カルトゥシオ」は韓国のドキュメンタリー。「大いなる沈黙へ-グランド・シャルトルーズ修道院-」(日本公開2014)という仏・スイス・独合作のドキュメンタリーがありました。カトリック教会の中でも厳しい戒律で知られる修道院を取材した作品です。その映画が公開された2005年、教皇パウロ2世の意思に基づいて韓国の慶尚北道尚州にアジア唯一のカルトゥシオ封鎖修道院が設立されました。カルトゥシオはケルンの聖ブルーノが1084年にフランスで設立した修道会です。その場所がラテン語でカルトゥシアで、修道会の名称はこの地名に由来しています。設立後15年、韓国の他にもフランス、ドイツ、スペイン等々、さまざまな国籍の11人の修道士が美しい四季の風景の中で、厳しいカルトゥシオ憲章に沿って沈黙と孤独を自ら選択し、貧困の生活を続けてきました。テレビ・新聞等はもちろん、電話やメールも院長の特別な許可なしに使えません。家族との会見も1年にわずか2日間だけ。月曜日の午後にしばらく与えられる散歩の時間以外はまったく話をせず、1日3回ミサと祈りのために大聖堂に行く以外はずっと1坪の独り部屋でひたすら十字架だけ眺める日々です。そんな修道士の日常が初めてここに公開されます・・・。原題は「봉쇄수도원 카르투시오」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃ゆる女の肖像  9.22(9)
②(-) 恐怖分子  8.22(9)
③(2) マーティン・エデン  8.00(8)
④(-) Mank/マンク  8.00(6)
⑤(3) ハラボジの家(韓国)  7.83(12)
⑥(4) 1917 命をかけた伝令  7.67(9)
⑦(5) ガールフッド  7.60(5)
⑧(6) トムボーイ  7.33(9)
⑨(7) 逃げた女(韓国)  7.33(6)
⑩(8) TENET テネット  7.18(11)

 新登場の作品はありません。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月4日(金)~12月6日(日) ★★★
        「お隣さん」が2週連続1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数 ・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・お隣さん(韓国)・・・・・・・・・・・・11/25 ・・・・・・・・62,565・・・・・・・・326,655・・・・・・・2,811・・・・・1,098
2(2)・・盗掘(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・11/04 ・・・・・・・・26,860・・・・・・1,423,695 ・・・・・13,007・・・・・・・642
3(3)・・Run:ラン・・・・・・・・・・・・・・・・11/20 ・・・・・・・・20,616・・・・・・・・234,101・・・・・・・2,158・・・・・・・597
4(新)・・ザ・プロム・・・・・・・・・・・・・・・・12/02 ・・・・・・・・・9,940 ・・・・・・・・・17,985 ・・・・・・・・156・・・・・・・560
5(46)・・ファティマの奇跡 ・・・・・・・・12/03 ・・・・・・・・・5,798 ・・・・・・・・・・9,834・・・・・・・・・・77・・・・・・・160
6(4)・・ザ・スイッチ・・・・・・・・・・・・・・・11/25 ・・・・・・・・・5,652 ・・・・・・・・・49,294 ・・・・・・・・429 ・・・・・・324
7(109)・・宴の日(韓国)・・・・・・・・・・・・12/02 ・・・・・・・・・3,947 ・・・・・・・・・・7,074・・・・・・・・・・56 ・・・・・・240
8(5)・・サムジングループ・・・・・・・・・・10/21 ・・・・・・・・・3,766 ・・・・・・1,565,712 ・・・・・13,937 ・・・・・・195
       英語TOEIC班(韓国)
9(再)・・インターステラー・・・・2014/11/06 ・・・・・・・・・3,555・・・・・10,314,132・・・・・82,716・・・・・・・・16
10(再)・・ダンケルク・・・・・・・・・・2017/7/20 ・・・・・・・・・2,374 ・・・・・・2,796,351・・・・・24,610・・・・・・・・16
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「お隣さん」が2週連続1位ですが、週末観客動員数が6万人台とは・・・。新型コロナがなければランキングの7位前後の数字です。
 今回の新登場は4・5・7位の3作品です。
 4位「ザ・プロム」は、アメリカのコメディ・ドラマ・ミュージカル。日本でも12月4日に公開されているので説明は省略します。韓国題は「더 프롬」です。
 5位「ファティマの奇跡」(仮)は、アメリカ・ポルトガル合作のドラマ。原題は単に「Fatima」ですが、具体的に内容を表している韓国題「파티마의 기적」をそのまま訳して仮題としました。第1次世界大戦の最中だった1917年のある日、ポルトガルの小さな町ファティマに一筋の光が差しました。10歳の少女ルチアと彼女の年下のいとこであるフランシスコとジャシンタ兄妹はその光の中で信じられない光景を目撃します。<その人>にルチアは尋ねます。「どなたですか? どこから来られましたか?」。「天国から来ました」。「私たちのところに来られた理由は何ですか?」。彼らの問いに、彼女は毎月13日に自分を探しに来てと話し、毎日欠かさず祈ることを求めます。<その人>は<聖母>でした。が、母親は子どもたちの話を嘘だと責め、地元の教会や市長等も信じません。ところが新聞で報じたりされ、その後10月13日まで多くの人々がその地に集まって来ました。6月13日には50人だったのが、やがては数万人に。そして人々は想像もよらない奇跡を目にします・・・。ファティマ聖母発現103周年記念作品とのことです。日本ではこのジャンルの作品の公開はむずかしいかも。私ヌルボ、→ウィキペディアの詳しい記事を読むまで<ファティマの聖母>の話は全然知りませんでした。
 7位「宴の日」は韓国のドラマ。父親の葬儀の日、慶事の宴がある家に向かう。誰もが1度くらいそんなことがあるのでは? 泣きたいのに、笑わなければいけない。さまざまなイベントの仕事をしているMCギョンマン(ハジュン)は、妹のギョンミ(ソ・ジュヨン)と一緒に長い間病院に入院している父を介護しています。しかし突然その父が世を去り、ギョンマンは悲しむ暇もなく葬儀費用もない厳しい現実に直面することになります。妹に内緒で葬儀費用を調達するために地方の誕生日祝賀会行事に行ったギョンマンは、夫を失った後笑いも失った傘寿の母を笑わせてほしいというイルシク(チョン・インギ)の願いを聞き入れて最善を尽くして場を盛り上げます。ところがギョンマンは、傘寿の宴で思いもよらぬ騒動に巻き込まれ、足止めをくらってしまいます。一方、1人で葬儀場を守るギョンミは喪主である兄がいなくては何も決められず、周囲の小言ばかり聞くことになりますが・・・。原題は「잔칫날」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(20)・・ファティマの奇跡 ・・・・・・・・・・・・12/03・・・・・・・5,798・・・・・・・・・・・9,834 ・・・・・・・・77 ・・・・・・160
2(32)・・宴の日(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・12/02 ・・・・・・3,947・・・・・・・・・・・7,074・・・・・・・・・56 ・・・・・・240
3(1)・・劇場版 ヴァイオレット・・・・・・・・・11/12・・・・・・・2,224・・・・・・・・・・45,502・・・・・・・・390 ・・・・・・・71
       ・エヴァーガーデン(日本)
4(5)・・復活: その証拠(韓国)・・・・・・・・・・10/08 ・・・・・・・1,146 ・・・・・・・・・26,980・・・・・・・・220 ・・・・・・・13
5(新)・・ラッキー・モンスター(韓国)・・・・12/03 ・・・・・・・・・967・・・・・・・・・・・1,880・・・・・・・・・17・・・・・・・・97

 1・2・5位の3作品が新登場です。1位「ファティマの奇跡」と2位「宴の日」については上述しました。
 5位「ラッキー・モンスター」は韓国のドラマ。実績ゼロのスロージューサー販売員ト・マンス(キム・ドユン)さんは、山のような借金を抱えて高利貸しに追われ、妻のソン・リア(チャン・ジニ)さんと偽装離婚まで敢行しなければなりませんでした。ところが、そんな彼が数日後、ロト1等! なんと50億ウォンの当選になったというのです! さらには当選過程が非常に特別であるというのです。そう、ただト・マンスさんにだけに聞こえるラジオ放送、DJ<ラッキー・モンスター>(パク・ソンジュン)の幻聴が当選番号を教えてくれたとは! 当選金でついに姿を消した妻ソン・リアさんを探すことができるようになったト・マンスさん。ソン・リアさんを切なく探しています。もしかして聞いていらっしゃいますか? 信じられないこの奇妙な事情の成り行きが気になる方は、「ト・マンスのための、ト・マンスによる、ト・マンスだけが聴くダイダイ放送、 161803398MHz!」を! ここまで<ラッキー・モンスター>、ロックディでした。グッドラック! 原題は「럭키 몬스터」です。
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韓国内の映画の興行成績 [11月27日(金)~11月29日(日)]と人気順位 ►「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」、日韓共にナットクの高評価 ►韓国も新型コロナの第3波で3日実施の修能も心配

2020-12-01 23:51:41 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶韓国でも新型コロナの第3波で、このところ1日の感染者数400~500人台が続いて9ヵ月前の数値に戻ったとか・・・。先週から飲食店、遊興施設等の他、プロ野球韓国シリーズの観戦等も規制が強化されたそうです。また11月から12月3日(木)に延期されていた修能(大学修学能力試験)も目前に迫り、無事実施できるのか懸念されています。そんな状況きょうなので、一度は回復の兆しの見えた映画の観客動員数も再び落ち込んでしまいました。日本は極端な落ち込みでもなさそうですが(?)、韓国と似たり寄ったりでしょうか? 頼りになるワクチンが世界にゆきわたるのはいつ頃なんですかねー。

▶この1週間で観た映画は次の2作品です。「金日成の子どもたち」★★★☆(職安通りのK-SQUAREで特別上映。朝鮮戦争で孤児になった子どもの多くを韓国では海外養子に出し、北朝鮮は東欧諸国に送ったがその後再び帰国させた。今東欧を取材して当時のことを憶えている人たちの話を聞く・・・って3月大阪アジアン映画祭で観た「ポーランドへ行った子どもたち」との相違がよくわからなかった・・・。) 「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」★★★★☆(絵もストーリーも心理描写も繊細で緻密。日本でも韓国でも観た人たちの評価が高いのがわかる。むしろそのすきのない所が難点かも・・・。)

▶今回の記事で個人的に注目した作品は、アメリカのドラマ仕立てのドキュメンタリー「カナの婚宴:口約」(仮)。キリスト教信者が日本よりはるかに多く、その関係の作品もいつも何か上映されていますが、この作品は特定の教団の海外布教といったわかりやすいものではない分、いろいろ探索してみた結果、新しい知識を得たのは収穫でした。しかし元来信仰とは無縁の人間だからか、肝心なところはわかりません。

         ★★★ NAVERの人気順位(12月1日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) カナの婚宴:口約  9.86(92)
②(1) ディア・マイ・ジーニアス(韓国)  9.75(36)
③(3) さすらいのシェフ(韓国)  9.63(157)
④(2) 蒸発(韓国)  9.55(29)
⑤(4) 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(日本)  9.51(685)
⑥(6) モンマルトルのパパ(韓国)  9.51(158)
⑦(10) 犬と猫のための時間(韓国)  9.46(13)
⑧(9) 復活: その証拠(韓国)  9.43(376)
⑨(8) ブータン 山の教室  9.43(126)
⑩(-) 少年の君  9.40(1,446)

 ①「カナの婚宴:口約」(仮)が新登場です。アメリカのドキュメンタリー&ドラマ、つまり俳優たちがキリストの物語を演じ、それにナレーションが入るというもの。しかし韓国題の「가나의 혼인잔치: 언약(ガナの婚姻の祝宴)」を見てもなんのことやらわからず、いくつかの韓国と日本のいくつかの記事を読んでやっと6~7割方(?)理解しました(汗)。<カナの婚宴>というのは、新約聖書のヨハネの福音書(2章1〜12節)にのみ記されている、イエスが最初の奇跡を行ったという話。まず、カナというのはガリラヤの地名。가나と濁音になってるからアフリカのガーナ(Ghana)?と一瞬思ってしまいました。アルファベットではCanaで、カトリック(韓国では天主教)では清音で카나と表記しているそうです。で、その奇跡というのは婚礼の祝宴の時に母のマリアから「ぶどう酒がありません」と告げられたイエスが「水がめを水でいっぱいにしなさい」と指示し、人々がその通りにすると、いつの間にか水はぶどう酒に変わっていたというもの。この奇跡から何を読み取るかということについては→コチラや→コチラの記事を読んでなるほどなーと思いましたが、ではこのドキュメンタリーのキモは何なのかについてはよくわからいままで、「キリスト再臨の秘密が隠されている」? <携挙>?? となるとほとんどお手上げ。今後の課題としておきます。(←便利な言葉だ。)

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃ゆる女の肖像  9.22(9)
②(4) マーティン・エデン  8.00(8)
③(6) ハラボジの家(韓国)  7.83(12)
④(-) 1917 命をかけた伝令  7.67(9)
⑤(9) ガールフッド  7.60(5)
⑥(-) トムボーイ  7.33(9)
⑦(-) 逃げた女(韓国)  7.33(6)
⑧(-) TENET テネット  7.18(11)
⑨(-) 水の中のつぼみ  7.14(7)
⑩(-) チャンシルは福も多いね(韓国)  7.00(10)

 新登場の作品はありません。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月27日(金)~11月29日(日) ★★★
        「7番房の奇跡」のイ・ファンギョン監督の新作「お隣さん」が1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数 ・・累積収入・・・上映館数
1(21)・・お隣さん(韓国)・・・・・・・・・・・11/25・・・・・・・122,449・・・・・・・・200,282・・・・・・・1,712・・・・・1,363
2(1)・・盗掘(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・11/04 ・・・・・・・・42,825・・・・・・1,369,543 ・・・・・12,456・・・・・・・738
3(2)・・Run:ラン・・・・・・・・・・・・・・・・11/20 ・・・・・・・・36,383・・・・・・・・191,420・・・・・・・1,774・・・・・・・672
4(新)・・ザ・スイッチ・・・・・・・・・・・・・・11/25 ・・・・・・・・19,905・・・・・・・・・34,717 ・・・・・・・・・297 ・・・・・・577
5(3)・・サムジングループ・・・・・・・・・・10/21 ・・・・・・・・・8,571・・・・・・1,556,516 ・・・・・13,859・・・・・・・368
       英語TOEIC班(韓国)
6(4)・・私が死んだ日(韓国) ・・・・・・・・11/12 ・・・・・・・・・4,343・・・・・・・・228,033 ・・・・・・2,093・・・・・・・252
7(9)・・劇場版 ヴァイオレット・・・・・・11/12 ・・・・・・・・・3,057・・・・・・・・・40,045 ・・・・・・・・342・・・・・・・・78
       ・エヴァーガーデン(日本)
8(7)・・マリー・キュリー・・・・・・・・・・・・11/18 ・・・・・・・・・2,423・・・・・・・・・21,591 ・・・・・・・・173 ・・・・・・・・39
9(64)・・カナの婚宴:口約ー・・・・・・・・11/26 ・・・・・・・・・2,181・・・・・・・・・・4,718 ・・・・・・・・・38 ・・・・・・・116
10(5)・・思い出の黒いゴム靴(韓国)・・11/19・・・・・・・・・・2,077・・・・・・・・・17,582 ・・・・・・・・143・・・・・・・133
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・4・9位の3作品です。
 1位「お隣さん」は韓国のドラマ&コメディ。時代は1985年。左遷の危機にある盗聴チーム長のテグォン(チョンウ)はチーム員と共に、海外から帰国すると即自宅隔離された政治家イシク(オ・ダルス)とその家族を24時間監視するというミッションを受けます。その隣家に入った盗聴チームはラジオ番組のお便りから真夜中のガサッという音まで怪しい家族たちのすべての音声と行動を監視し、新たな秘密を1つずつ発見することになるのですが…。ポイントは、昼は親切な隣人同士、夜は盗聴チームと盗聴対象者という関係の両者が、結局は独自の手段を通じて意思疎通をはかり、ついには互いのための作戦を展開する、のかな? 大ヒット作「7番房の奇跡」のイ・ファンギョン監督作品で、今作も同じような雰囲気を感じさせるとのことです。原題は「이웃사촌」です。
 4位「ザ・スイッチ」は、アメリカのホラー&コメディ。ミリー(キャスリン・ニュートン)は平凡な、いやそれ以下の冴えない女子高生。ある夜アメフトの応援後に無人のグラウンドで背後から指名手配犯のサイコ殺人魔ブッチャー(ビンス・ボーン)が彼女に忍び寄って短剣を突き立てたその拍子になんと2人の身体が入れ替わって・・・という突拍子もない事態から、予測不可能な物語が展開します・・・。韓国題は原題「Freaky」を生かして「프리키 데스데이(フリーキー・デスデイ)」。日本公開は来年1月15日です。
 9位「カナの婚宴:口約」(仮)については上述しました。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(3)・・劇場版 ヴァイオレット・・・・・・・・・11/12・・・・・・・3,057・・・・・・・・・・40,045・・・・・・・・342 ・・・・・・・78
       ・エヴァーガーデン(日本)
2(1)・・マリー・キュリー・・・・・・・・・・・・・・・11/18・・・・・・・2,423・・・・・・・・・・21,591 ・・・・・・・173 ・・・・・・・39
3(57)・・ダンサー そして私たちは踊った・・11/25・・・・・1,704・・・・・・・・・・・3,322・・・・・・・・・29・・・・・・・・79
4(57)・・地獄の黙示録[ファイナル・カット]・・11/25・・・1,579・・・・・・・・・・・1,935・・・・・・・・・18・・・・・・・・64
5(6)・・復活: その証拠(韓国)・・・・・・・・・・10/08 ・・・・・・・1,301 ・・・・・・・・・25,270・・・・・・・・206 ・・・・・・・14

 3位「ダンサー そして私たちは踊った」が新登場です。今年の第92回アカデミー賞国際長編映画賞部門のスウェーデン代表に選出されたスウェーデン・ジョージア・フランス合作のドラマ。日本では今年2月に公開されています。韓国題は「그리고 우린 춤을 추었다(そして私たちは踊った)」です。
 なお4位「地獄の黙示録[ファイナル・カット]」はコッポラ監督が再編集と新たなデジタル修復を施したもので、日本では今年2月28日に公開されています。上映時間は劇場公開版[1979年]の153分より長く、特別完全版[2001年]の202分より短い182分になっています。
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