ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [1月26日(金)~1月28日(日)]

2018-01-31 23:57:05 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸今しがた、長くコリアキネマ倶楽部で韓国映画や北朝鮮映画、また関連の日本映画の上映会を続けてこられた<てじょん>こと大田雅一さんが1月29日亡くなられたことを知りました。もう20年ほど前(?)か、千石三百人劇場での韓国映画祭(?)の帰途に立ち寄った喫茶店で、同好の士と見て話しかけてこられたのが最初の出会いでした。2016年2月21日立教大学のチャペルで催された尹東柱の追悼の集いの折お見かけして言葉を交わしたのは偶然というより必然でしたね。ご冥福をお祈りします。

▸29日に観た「はじめてのおもてなし」は難民問題をテーマにしたドイツ映画ですが、コメディということで予定調和的な作りになっている分甘味が多すぎて、ちょっとリアリティが欠けているように思いました。登場人物の中で一番まともで好感が持てる人物が当の難民だし・・・。しかし、まあそういう設定だからドイツで400万人以上を動員し、2016年度のナンバーワンヒットとなったのでしょう。

▸先週の記事でドキュメンタリー「自白(자백)」のことを書きました。韓国で公開中の「1987」等も同様ですが、国家情報院による冤罪や拷問を扱った作品です。こうした中、文在寅政権は1月14日国家情報院の対共捜査機能を警察に移管しました。続いて1月23日韓国外交部(日本の外務省に相当)は朝鮮籍の在日コリアンの入国制限を緩和し、8日以内の訪韓を特別な事由のない限り認めることにしたとのこと。すでに報じられているように平昌五輪の応援には朝鮮総連から170人規模の応援団が韓国入りするとか。国情院の権限の縮小については朝鮮日報はこれに対して「国家情報院の弱体化、北の対南工作を利するものではないのか」という社説(→コチラ.日本語)を掲げました。どうも北朝鮮の工作員のために韓国政府が道路を舗装してやってるような気がします。日本でも講演等の場で顔を隠して登壇せざるをえない脱北者がいるという現実の怖さを、韓国の進歩系の人たちはどれほどわかっているのでしょうか? 寒心に堪えません。(2016年4月寧波市の北朝鮮レストランの従業員が集団脱北した事件も、国家情報院による陰謀という枠組みで洗い直されているんじゃないかな?)
    
「朝鮮日報」1月27日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

환갑 넘은 리엄 니슨의 묵직한 액션

 「トレイン・ミッション」

    還暦を越えたニースン、堂々たるアクション
   ※《週末の劇場街》で紹介






 「ワンダー・ホイール」

   丸ごとウディ印の映画 ★★★☆



 「1級機密」

   表現をもっと洗練して ☆



 「ビーバップ・ア・ルーラ」

   ご両親と観るにはよい ★★

 上記のすべての作品は以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(1月30日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(-) 妓生:花の告白(韓国)  9.75(4)
②(-) 劇場版 ミラキュラス・レディバグ 2  9.70(177)
③(1) ジェクスキス エイティーン(韓国)  9.69(265)
④(2) ワンダー  9.40(1,027)
⑤(3) グレイテスト・ショーマン  9.39(10,547)
⑥(-) アイ・キャン・スピーク(韓国)  9.34(13,257)
⑦(-) ビー・バップ・ア・ルーラ(韓国)  9.34(450)
⑧(10) 血の年代記(韓国)  9.30(81)
⑨(4) 1987(韓国)  9.28(26,737)
⑩(5) ゴッホ~最期の手紙~  9.19(4,836)

 ①②⑦の3作品が新登場です。
 ①「妓生:花の告白」は韓国のドキュメンタリー。20世紀初頭、文化芸術界にモダンな文化の担い手として登場し、やがて消えて行った女性たちがいました。<解語花(ヘオファ)>とも呼ばれた妓生(キーセン)たちです。妓生は外的な美しさだけでなく、演技・ダンス・楽器演奏、そして芸術の教養まで備えた文化エリートであり、伝統の継承だけでなく、新しい文化も取り入れていった先駆者でした。「彼女たちはワインを飲み、コーヒーとタバコを楽しんだ」と言われます。また「崔承姫(チェ・スンヒ)のような有名なダンサーがダンスを学びに群山まで降りてきた」という言葉があるほど、彼女たちの芸は優れていたそうです。しかし、妓生という立場は人々から歪んだ目で見られ、妓生出身ということは隠すべきこととされ、やがては妓生もその文化も忘れ去られていきました。文化財指定を前にして、そんな彼女たちの物語を綴ったドキュメンタリーです。原題は「기생 : 꽃의 고백」です。うーむ、これはちょっと興味深いぞ。
 ②「劇場版 ミラキュラス・レディバグ 2」は、元はフランスのテレビアニメ。しかし製作には韓国と日本も関わっています。シーズン1は2015年放映され、その劇場版は1年ほど前韓国でも公開されましたが、日本では未公開のままです。タイトル中の<レディバグ(ladybug)>とはテントウムシとのこと。主人公の中学生の女の子マリネッテがテントウムシ姿(?)に変身して活躍します。もう1人の主人公はマリネッテがひそかに心を寄せる級友のアドリアン。彼もまたスーパーヒーローのシャノワ(Chat Noir.黒猫)に変身しますが、2人は変身後お互いを認識できない、という設定。いやあ私ヌルボ、このアニメについては全然知りませんでしたが、→コチラのまとめ記事と、そこに貼ってある動画(→コチラ)を見て気に入りましたねー。(笑) やっぱり顔が(ヌルボ語の)<アナ雪顔>なのはちょっと気になりますけど・・・。で、この劇場版第2作もお決まりの悪役パピヨン(チョウチョ)が登場。主人公の2人がその正体を明らかにする、というお話のようです。韓国題は「극장판 레이디버그:미라클스톤의 비밀」です。
 ⑦「ビー・バップ・ア・ルーラ」は韓国のコメディ。人生は1度だけ、どうしようもない? いやいや、自分の人生を楽しむのはこれからだ!と集まったのは平均年齢70歳の4人のシニアベンチャーズ。家族のために今まで先送りしてきた各自のバケットリスト(やりたいことリスト)を実行し始めるのですが、予想を超える彼らのプロジェクトにご近所はひっくり返るほどの騒ぎに? ところで、タイトルの「ビー・バップ・ア・ルーラ」は1950年代後半ジーン・ヴィンセントが歌って大ヒットした米国のロカビリー・ソングなのですが、今知ってる人は何割くらいいるのでしょうか? (ロカビリーなんてのも、とっくに死語になってるか。) 日本でも大流行して、幼かった小生も意味不明ながら「♪ビーバッパルーラ シーズマイベイビー」と歌っていたものです。プレスリーの歌がよく聴いていたような・・・。→YouTube
 当時韓国でもたぶん日本と同様にアメリカのヒット曲がほとんどリアルタイムで入っていたので、小生と同年配のロートル韓国人にとっても懐かしいのでしょうね。あ、ロートルも死語? 韓国題は「비밥바룰라」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 牯嶺街少年殺人事件[デジタルリマスター版]  9.00(6)
②(2) ア・ゴースト・ストーリー  8.33(6)
③(4) パターソン  8.20(9)
④(5) 1987(韓国)  8.08(12)
⑤(6) リメンバー・ミー  7.83(6)
⑥(7) スター・ウォーズ/最後のジェダイ  7.71(7)
⑥(-) タンジェリン  7.71(7)
⑧(-) 共同正犯(韓国)  7.67(9)
⑨(8) ゴッホ~最期の手紙~  7.50(8)
⑩(9) メリー・クリスマス ミスター・モ(韓国)  7.33(15)

 ⑥「タンジェリン」と⑧「共同正犯」が新登場です。
 ⑥「タンジェリン」は2015年のアメリカのコメディ。日本では2017年1月公開されましたが、そんなに話題にはならかったのでは? 韓国題は「탠저린」です。
 ⑧「共同正犯」は2009年1月20日の<龍山(ヨンサン)惨事>を扱った韓国のドキュメンタリー。<龍山惨事>とは、龍山の再開発地域で、撤去に反対する住民が占拠・籠城していた建物(漢江路の南一堂ビル)に警察特殊部隊隊員が投入された後、屋上望楼から発生した火災が主原因となって籠城者5人と警察隊員1人が死亡した事件です。その後検察側は「火炎瓶による火事と見ている」と発表しましたが強い疑念も残り、また警察が強硬手段を取ったことにも批判の声があがりました。このドキュメンタリーでは、この事件後初めて集まった受刑者たちの姿を撮っています。つまり、原因の分からない火災の中から助かったものの、仲間と警察官を殺したという罪名で有罪となった人たちです。「お久しぶり!」という挨拶もしばし、やがて彼らは互いのせいにして相手を非難する言葉を投げつけます・・・。<龍山惨事>についてのドキュメンタリーとしては2012年公開の「二つの扉(두 개의 문)がありました。(→関係過去記事) 今回の「共同正犯」と製作陣は重なっています。しかし、ある評論家の評によれば、今作は関係者の対立もそのまま撮っているように外部告発のみを追及したり犠牲者や抵抗者を神聖視したりせず、国家暴力が残した傷を確認しつつ、内部を凝視した作品とのことです。原題は「공동정범」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績1月26日(金)~1月28日(日) ★★★

         ねばる「神と共に-罪と罰」、1,400万人に到達

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(2)・・それだけが私の世界(韓国) ・・・・・1/17 ・・・・・・・・・672,709・・・・・・・・1,978,814 ・・・・・・・16,209・・・・・・・・・956
2(3)・・リメンバー・ミー・・・・・・・・・・・・・・1/11・・・・・・・・・483,415 ・・・・・・・・2,556,333 ・・・・・・・20,286 ・・・・・・・1,026
3(1)・・メイズ・ランナー:最期の迷宮・・1/17・・・・・・・・・361,217 ・・・・・・・・1,953,768 ・・・・・・・16,228・・・・・・・・・771
4(5)・・神と共に-罪と罰(韓国)・・・・・・・・12/20・・・・・・・・・230,200 ・・・・・・・13,948,431 ・・・・・・112,049・・・・・・・・・704
5(4)・・1987(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/27 ・・・・・・・・・186,809・・・・・・・・7,026,187 ・・・・・・・56,609・・・・・・・・・610
6(新)・・トレイン・ミッション・・・・・・・・12/27 ・・・・・・・・・150,566 ・・・・・・・・・223,184 ・・・・・・・・1,819・・・・・・・・・575
7(42)・・一級機密(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・1/24・・・・・・・・・109,181 ・・・・・・・・・164,390 ・・・・・・・・1,333・・・・・・・・・512
8(新)・・劇場版 ミラキュラス・レディバグ 2・・1/25 ・・・・・20,832 ・・・・・・・・・・26,133・・・・・・・・・・197・・・・・・・・・305
9(7)・・グレイテスト・ショーマン・・・・・12/20 ・・・・・・・・・・19,249・・・・・・・・1,319,292 ・・・・・・・10,820・・・・・・・・・121
10(新)・・ビー・バップ・ア・ルーラ(韓国)・・1/24 ・・・・・・・・・17,486 ・・・・・・・・・・34,471・・・・・・・・・・245・・・・・・・・・325
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「神と共に-罪と罰」は1月30日1,400万人に到達。この分だと韓国映画歴代2位の「国際市場で逢いましょう」(1,425万人)に届きそうです。「1987」は700万人を超えました。
 上位5作品は順位が変わっただけで顔ぶれは同じ。新登場は6・7・8・10位の4作品です。
 6位「トレイン・ミッション」は、アメリカのサスペンス&アクション。原題は「The Commuter(通勤者)」で、韓国題もそのまま「커뮤터」ですが、リーアム・ニーソンが列車テロリストたちに立ち向かう超アクションブロックバスターということで、3月30日公開の日本題は「トレイン・・・」にしたようです。キャッチコピーは「通勤時間105分。始点から終点までのリアルタイム・サスペンス!」。元刑事のマイケル(リーアム・ニーソン)は、ある日電車内で突然「終点に着くまでに、ある靴を持つ人物を電車内から探し出せ」という奇妙な脅迫を受けます。それも最愛の妻を人質に取られて。やむなく要求をのんだマイケルは、そのことによって大きな陰謀に巻き込まれていきます・・・。
 7位「一級機密」は韓国のドラマ。国防部軍需本部の航空部品購入課の課長として赴任したパク・テイク中佐(キム・サンギョン)のところに、ある日空軍の戦闘機パイロットのカン・ヨンウ大尉(チョン・イルウ)がやって来て戦闘機の部品購入業者の選定についての疑惑を提起します。テイクが部品購入書類を確認している途中、アメリカのエアスター社の部品の購入が目立っていることに気づきます。その後カン・ヨンウ大尉が戦闘機墜落事故に遭うと、それがパイロットの過失として隠蔽されようとする様子を見て、テイクは大きな衝撃を受けます。テイクは記者のキム・チョンスク(キム・オクビン)と共に軍の裏に潜む次世代戦闘機導入をめぐる疑惑に迫っていきます・・・。原題は「1급기밀」です。
 9位「劇場版 ミラキュラス・レディバグ 2」と10位「ビー・バップ・ア・ルーラ」については上述しました。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・ワンダー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/27 ・・・・・・・・・・11,303 ・・・・・・・・・・226,148 ・・・・・・・・・1,754・・・・・・・・・・62
2(17)・・ワンダー・ホイール・・・・・・・・・・・・・・1/25・・・・・・・・・・・7,035 ・・・・・・・・・・・10,587・・・・・・・・・・・・85・・・・・・・・・140
3(2)・・パターソン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・・2,003 ・・・・・・・・・・・57,081・・・・・・・・・・・468・・・・・・・・・・23
4(新)・・カノジョは嘘を愛しすぎてる(日本)・・1/24 ・・・・・・・・1,628 ・・・・・・・・・・・・3,469・・・・・・・・・・・・28・・・・・・・・・・90
5(新)・・夜明け告げるルーのうた(日本)・・1/31 ・・・・・・・・・・・・1,496 ・・・・・・・・・・・・1,760・・・・・・・・・・・・17・・・・・・・・・・・9

 2・4・5位の3作品が新登場です。
 2位「ワンダー・ホイール」は、ウディ・アレン監督の新作ドラマ。舞台はニューヨークのリゾート地コニー・アイランド。主人公のジニー(ケイト・ウィンスレット)は遊園地の技師として働くハンプティ(ジム・ベルーシ)の妻で、ウェイトレスとして働いています。その彼女が海岸の安全要員ミッキー(ジャスティン・ティンバーレイク)と恋に落ちます。ところが、思いもよらず疎遠になっていた娘キャロライナ(ジュノ・テンプル)が帰って来ます。そして3人の男女のすれ違いロマンスが始まります・・・。韓国題は「원더 휠」です。
 4位「カノジョは嘘を愛しすぎてる」は、(例によって)私ヌルボ、青木琴美の原作コミックも読んでなくて、この映画も観てないので、なんともコメントのしようがありません。とりあえず韓国題は「그녀는 거짓말을 너무 사랑해」です。
 5位「夜明け告げるルーのうた」も、私ヌルボ、観てません。(そんな話題にならなかった?) 韓国題は「새벽을 알리는 루의 노래」です。

韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [1月19日(金)~1月21日(日)]

2018-01-24 23:51:45 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸19日に観た「彼女がその名を知らない鳥たち」は昨年見逃した邦画のうちの1つ。「イヤミス」という言葉は知っていても、本は読んでない私ヌルボ。映画も観たのは湊かなえ原作の「告白」(2010)くらい。で、沼田まほかる原作のこの映画は、その人気の理由が少しわかりました。つまりは展開が読めないストーリー、クセの強い登場人物がいっぱい・・・。で、エンタとしては確かに楽しめてもそれが感動につながるわけではなく、作品としてはとても年間ベスト10には入りません。蒼井優の演技については「イチオシ!」とはいかないまでも、日スポとかキネ旬での主演女優賞に異議はありません。

▸20日は水道橋の在日本韓国YMCAで韓国のドキュメンタリー「自白(자백)」を観てきました。脱北者・国家情報院・冤罪等々、個人的に興味のあることが満載の作品で、2016年10月の韓国公開の時から観たいと思っていた作品です。内容は→コチラの記事に詳しく記されている通り、2013年ソウル市公務員として勤務していた脱北者のユ・ウソンさんの冤罪事件がメインです。国家情報院(国情院)が彼の妹に虚偽の自白を強要したり証拠まで偽造して彼を「偽装脱北した北朝鮮のスパイ」にしたてあげていった事件の真実を、チェ・スンホ監督自身が中国東北部の和龍市などにも足を運んで追求して明らかにし、無罪判決に至る過程が撮られています。
 それに続いて、国情院による過去の冤罪事件として1975年の21人の在日韓国人留学生21人が国家保安法・反共法違反で逮捕された学園浸透スパイ団事件を紹介するとともに、現在の当事者たちに取材しているのですが、近年再審無罪を勝ち取った人たちだけでなく、75年当時国情院の対共捜査局長だった金淇春(キム・ギチュン)氏にも突撃取材しているのには驚きました。
     
【金淇春の1975年当時(左)と、朴槿恵政権の大統領府秘書室長の時。そして右は1月23日のニュースで報じられた金淇春。】
取材当時の金淇春は朴槿恵政権の大統領府秘書室長という地位にあって、あの産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(当時)を陥れたキーパーソンです。ところが今や加藤達也氏とは逆に自分が職権乱用罪等で収監され、まさに1月23日二審判決で懲役4年が言い渡されたとの最新ニュースが伝えられたところ。いやあ、韓国の政局も文在寅大統領政権が誕生していろいろ大きく変わりましたが、人生がガラッと変わった人たちも大勢いるものです。

▸大ヒットとなった「神と共に」は、私ヌルボ、数年前にウェブトゥーン(ネット漫画)でおもしろく読みましたが、同じく個人的に気に入っていたカンプルのウェブトゥーン「26年」は映画化されたものの日本公開はされていなかったのが、Netflixで配信されることになったとか・・・。で、日本でも観られるように。またこれも数年前一気に読んだ鄭裕静(チョン・ユジョン)のベストセラー・ミステリー「7年の夜」がこの3月チャン・ドンゴン主演でようやく公開されるとか。(→コチラ参照) どれも早く観てみたいものですが、いつになることやら・・・。
    
「朝鮮日報」1月20日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

십대에겐 '꿀잼'… 어른들은 글쎄?

 「メイズ・ランナー:最期の迷宮」

    十代には'蜜の味'、大人は?
   ※《週末の劇場街》で紹介






 「リトル・ヴァンパイア」

   負担なく観る家族映画 ★★☆



 「美しい星」

   奇妙だが意外にハマる ★★☆



 「血の年代記」

   女性なら全部ナットク ★★☆

 「美しい星」は吉田大八監督のSFですが、他の多くの邦画話題作同様これも観てないんですよー。他の作品は以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(1月23日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(-) ジェクスキス エイティーン(韓国)  9.78(217)
②(2) ワンダー  9.40(966)
③(1) グレイテスト・ショーマン  9.39(10,272)
④(4) 1987(韓国)  9.28(25,703)
⑤(6) ゴッホ~最期の手紙~  9.19(4,757)
⑥(7) 劇場版総集編『ハイキュー!! 才能とセンス』(日本)  9.18(309)
⑦(8) ポロロ劇場版 恐竜島大冒険(韓国)  9.17(3,787)
⑧(9) モーディー  9.17(2,7-3)
⑨(10) リメンバー・ミー  9.16(6,870)
⑩(-) 血の年代記(韓国)  9.11(79)

 ①と⑩の2作品が新登場です。
 ①「ジェクスキス エイティーン」は、韓国のドキュメンタリー。ジェクスキス(Sechs Kies)は1997年結成の6人組男性アイドルグループで、2000年人気絶頂期の中で解散しましたが、その後2016年5人で再結成され、活動が開始されました。解散後の16年間も変わらず彼らを見守ってきたファンたちの期待に応えて2017年18年ぶりに第5集アルバムが製作されました。そこに収録された曲のライブ実況とともに、彼らやファンたちの姿が盛り込まれています。原題は「젝스키스 에이틴」です。
 ⑩「血の年代記」は韓国のドキュメンタリー。
人生で少なくとも400回。面倒な「その日」の名は大自然、魔法、月例町内会等とよばれる・・・と言っても、それは女性だけのこと。つまり「生理」について、全時代的・全世界的に探究したドキュメンタリーです。よくこういうテーマを取り上げ、取材し、上映に至ったものです。具体的内容はよくわかりませんが、そういう点で意義深い作品ではないでしょうか? 原題は「피의 연대기」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 牯嶺街少年殺人事件[デジタルリマスター版]  9.00(6)
②(2) ア・ゴースト・ストーリー  8.33(6)
③(3) ブレードランナー 2049  8.22(9)
④(4) パターソン  8.20(9)
⑤(5) 1987(韓国)  8.08(12)
⑥(6) リメンバー・ミー  7.83(6)
⑦(7) スター・ウォーズ/最後のジェダイ  7.71(7)
⑧(9) ゴッホ~最期の手紙~  7.50(8)
⑨(10) メリー・クリスマス ミスター・モ(韓国)  7.33(15)
⑩(-) 鋼鉄の雨[STEEL RAIN](韓国)  7.18(11)

 新登場の作品はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績1月19日(金)~1月21日(日)) ★★★

         「1987」は1週で陥落、「メイズ・ランナー 最期の迷宮」が1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(14)・・メイズ・ランナー:最期の迷宮・・1/17・・・・・・・・869,109 ・・・・・・・1,266,003 ・・・・・・・10,582・・・・・・・・1,090
2(19)・・それだけが私の世界(韓国) ・・・・1/17・・・・・・・・・647,897・・・・・・・・・911,384 ・・・・・・・・7,487 ・・・・・・・・・861
3(3)・・リメンバー・ミー・・・・・・・・・・・・・・1/11・・・・・・・・・565,703 ・・・・・・・1,803,058 ・・・・・・・14,398 ・・・・・・・・・971
4(1)・・1987(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/27・・・・・・・・・465,085・・・・・・・・6,668,454 ・・・・・・・53,740・・・・・・・・・745
5(2)・・神と共に-罪と罰(韓国)・・・・・・・・12/20・・・・・・・・・362,527・・・・・・・13,542,326 ・・・・・・108,801・・・・・・・・・650
6(4)・・ジュマンジ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/03・・・・・・・・・・54,855・・・・・・・・1,684,678 ・・・・・・・13,636・・・・・・・・・372
       /ウェルカム・トゥ・ジャングル
7(6)・・グレイテスト・ショーマン・・・・・12/20 ・・・・・・・・・・28,440・・・・・・・・1,280,953 ・・・・・・・10,503・・・・・・・・・121
8(9)・・ワンダー/Wonder・・・・・・・・・・・・・12/27 ・・・・・・・・・・13,676 ・・・・・・・・・204,774 ・・・・・・・・1,604・・・・・・・・・・58
9(新)・・リトル・ヴァンパイア・・・・・・・・・1/18 ・・・・・・・・・・12,861 ・・・・・・・・・・16,476・・・・・・・・・・121・・・・・・・・・213
10(新)・・ジェクスキス エイティーン(韓国)・・1/18・・・・11,993・・・・・・・・・・・21,050・・・・・・・・・・162・・・・・・・・・・25
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「神と共に-罪と罰」は「ベテラン」(1,341万人)を抜いて韓国映画歴代3位に。この上は「国際市場で逢いましょう」(1,425万人)には届かないかな? 今さらながら、朴槿恵も観た「バトルオーシャン 海上決戦(鳴梁)」(1,761万人)の数字はすごいです。
 一方前週1位の「1987」は700万人の前で失速気味。
 今回の新登場は1・2・9・10位の3作品です。
 1位「メイズ・ランナー:最期の迷宮」は、アメリカの人気アクションシリーズの第3作で完結編。3年を費やして巨大迷路から脱出したトーマス(ディラン・オブライエン)たちが、謎の組織ウィキッドに捕らえられた仲間のミンホ(イ・ギホン)を救うため、そして自分たちが迷路に閉じ込められた理由を解明するため、ウィキッドの本部がある最後の都市に向かいます・・・。
韓国題は「메이즈 러너:데스 큐어」。日本公開は6月です。※シリーズ第1作から出演しているイ・ギホンは米国籍の韓国人俳優。1986年ソウル生まれですが6歳の時ニュージーランドに渡り、8歳からはアメリカLAに移り住んでいます。
 9位「リトル・ヴァンパイア」はドイツ・アメリカ合作の3Dアニメ。13歳の少年トニーは<オタク>です。それも珍しいことにヴァンパイアオタク。そんな彼が両親とドイツ旅行中、本物のヴァンパイアであるルドルフに出会います。13歳の誕生日だけでも300回目を迎えたルドルフは、ヴァンパイア・ハンターの攻撃を避けていていた時にトニーに会い、友だちになります。2人の少年はヴァンパイア・ハンターに捕まったトニーの家族を救うため夢のような冒険をすることになります・・・。韓国題は「리틀 뱀파이어」。日本公開はなさそうですが・・・。
 10位「そジェクスキス エイティーン」については上述しました。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・ワンダー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/27 ・・・・・・・・・・13,676 ・・・・・・・・・・204,774 ・・・・・・・・・1,604・・・・・・・・・・58
2(2)・・パターソン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・・3,567 ・・・・・・・・・・・53,252・・・・・・・・・・・437・・・・・・・・・・35
3(5)・・ゴッホ~最期の手紙~ ・・・・・・・・・・11/09 ・・・・・・・・・・・1,850 ・・・・・・・・・・399,885 ・・・・・・・・・3,187・・・・・・・・・・18
4(新)・・B級の嫁(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/17 ・・・・・・・・・・・1,307 ・・・・・・・・・・・・3,807・・・・・・・・・・・・30・・・・・・・・・・56
5(55)・・血の年代記(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・1/18・・・・・・・・・・・・1,162 ・・・・・・・・・・・・2,403・・・・・・・・・・・・16・・・・・・・・・・34

 4・5位の2作品が新登場です。
 4位「B級の嫁」は韓国のドキュメンタリー。
嫁と姑の戦いはどの家にでもある話ですが、ジニョンはどの家にもいる嫁ではありません。「韓国の嫁たちが背負ってきた全ての抑圧と搾取に立ち向かってやる」というジニョンのおかげで、夫は今日もトバッチリを食っています。「ボクは本当にヘンな女性と結婚したのだろうか?」・・・。そんな夫の不幸を人は楽しんでいるようです。ということで、夫ソン・ホビンが監督となりジニョンを主人公としてドキュメンタリーが作られたという次第。→コチラの記事(韓国語)
http://h21.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/44752.html
に監督や家族のことが写真とともに紹介されています。原題は「B급 며느리」です。
 5位「血の年代記」については上述しました。

[日本では鯛焼きですが・・・] 韓国の鮒焼き(プンオパン)と鯉焼き(インオパン)の違い

2018-01-17 23:47:01 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
12月初めにソウルに行った時、行きのアシアナ機内で東亜日報に目を通していたら、<여태 우리가 먹은 건 붕어빵? 잉어빵?(今までわれわれが食べてきたのはプンオパン? インオパン?)>という見出しが目に留まりました。

 プンオパン(붕어빵)は直訳すると鮒(ふな)パン。日本でいう鯛焼きのことで、日本の統治期の1930年代に日本から入ってきました。※なぜタイがフナになったのかはよくわからず。
 ※その時期からの韓国の食べ物について「実は日本のパクリだった」などと批判的に言うのはちょっと無理があると思うゾ。(たとえば→コチラ。) すると日本の洋食や洋菓子も全部パクリじゃないの?
 そして戦後も長く韓国の人々に好まれてきました、・・・と続けて書こうと思ったら、戦後は朝鮮戦争等があって小麦の供給も不十分だったりしてしばらく絶えていたのが、1990年代懐古ムードが高まる中で再登場した、と→日本のウィキペディアや、いくつかの韓国記事に記されていました。
 ※しかし、韓国アニメ「追憶のプンオパン(추억의 붕어빵)」(2011)[右画像]の時代設定は1960年なんだけどなー。

 (それはそれとして)とくに寒い冬、日本での鯛焼き人気は言うに及ばずですが、韓国はもしかしたらそれ以上? おなじみの<ナムウィキ>の記事(→コチラ)によると、韓国の軍隊には冬季限定で各警備隊を廻ってプンオパンを作る<プンオパン兵士>がいたとか今もいるという余談も書かれています。また上記の「東亜日報」の記事によると、最近では<역세권(ヨクセクォン.駅勢圏)>=<駅チカ>という言葉をもじって<붕세권(プンセクォン)>=<鮒焼き屋の近所>という新造語もあるそうです。(って、どれだけ定着してるのか?)

 このプンオパンという物および<붕어빵>という単語はずっと前(90年代半ば?)から知っていました。おそらく、初級レベルの韓国語学習者の皆さんの多くもご存知なのでは?
 そして私ヌルボが初めて韓国でこのプンオパンを食べたのは1999年10月でした。水原華城のナントカ門近くの屋台で。
 ところが、その後何年か経って<잉어빵(インオパン)>=<鯉パン>という同じようなものが出回り始めたということを聞きました。その時は、なんとなく「フナよりコイの方が大きいんだろうな」くらいしか思いませんでした。※プンオパンは、一般的に日本の鯛焼きよりやや小ぶりです。

 ところが(と、ここから本論)、上記の東亜日報の記事(→コチラ.韓国語)によると形や作り方、食感といったものが少し違うようなのですね。その見分け方を簡単に書くと・・・。
     

 《プンオパン》(左)
 ・中のあんが見えない。
 ・あんが入っているのは腹の部分だけ。
 ・形が丸みを帯びている。
  ・表面がパリッとしている。

 《インオパン》(右)
 ・生地が薄く、中のあんが透けて見える。
 ・尾まであんが入っている。
 ・形がスマート。
 ・表面に油が多い。
  ・食感が柔らかくてしっとりしている。

 ・・・と、こんなところ。

 このプンオパンとインオパンの違いは韓国人の間でもよくは知られていないとみえて、だからこそこうした記事が書かれるわけで、同じネタの記事も相当数ありました。
 中央日報2013年1月の<붕어빵이냐, 잉어빵이냐…프랜차이즈 전쟁 불 붙었다(プンオパンか、インオパンか・・・フランチャイズ戦争に火が点いた)>(→コチラ)では次のようなことを記しています。
 ・プンオパンも、チキン同様ブランドを前面に出して熾烈な競争が繰り広げられている。
 ・プンオパンのフランチャイズ業体は全国で40以上に上る。プンオパンを売る露店10店中9店が加盟していることになる。ソウルの場合は、元祖プンオパン(원조붕어빵)黄金インオパン(황금 잉어빵)全店舗の80%以上を占めているが、幸福なインオパン(행복한 잉어빵)糯(もち)粉入り麦インオパン(찰보리잉어빵)も加盟店を増やしている。
 ・生地からあんまで全材料を一度に供給する方式。
 ・ブランドごとに特徴があり、鉄板で焼くのは同じだが、サイズ・形・中味等はすべて異なる。インオパンには糯米粉が入っていて、サクッとした食感が特徴的である。元祖プンオパンは、マーガリンやバターを入れて香ばしい風味を出している。生地にピーナッツ等を入れて高級化したインオパンは3匹千ウォンだが、伝統的なプンオパンは1、2cm小さくして7匹で千ウォン(安い!)である。

 ちなみに、日本の鯛焼きについては、私ヌルボ全然詳しくありません。チェーン店は2つだけ知っていますが、韓国ほど系列化は進んでいないのではないでしょうか?(未確認) 近年は小豆あんとかクリームだけでなく実にいろんなものが入った鯛焼きが登場しているそうです。今度そんな店の近所に行ったら買って来るか。あ、1909年創業という老舗の浪花屋(麻布十番)等の鯛焼きも1度食べてみるかな、・・・と思って「東京 たい焼き」で検索すると<3大たい焼き>、<5選>、<10選>等々いろいろあるんですねー。毎度のことながら、何についても入れ込んでいる人たちがいるものです。

【おまけ】<新大久保で売上げベスト3の韓国菓子を食べてみました>という過去記事(→コチラ)で1位にランクされたオリオンのお菓子チャムプンオパン(참붕어빵)の画像を貼っておきます。
    

韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [1月12日(金)~1月14日(日)]

2018-01-16 17:38:57 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
<キネマ旬報ベスト・テン&個人賞>(→コチラ)が発表されました。菅田将暉の主演男優賞はほとんど誰もが(もちろん私ヌルボも)予想した通りでしょう。彼と「あゝ、荒野」で共演したヤン・イクチュンの助演男優賞はちょっと意外。いいとは思いましたが、ここまで多くの人たちに認められるとはということが、です。韓国映画ファンとしては喜ばしいことです。
 外国映画ベスト・テン1位の「わたしは、ダニエル・ブレイク」は、→<★2017年 ヌルボの個人的映画ベスト10>で1位に挙げていた作品。このところキネ旬と価値観が似てきているかな? 2位にした「あゝ、荒野」は日本映画ベスト・テンの3位。文化映画部門では「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」が7位に入っているしなー。なお今年最初に観た「沈黙 立ち上がる慰安婦」は6位ですね。
 残念なのは、日本映画1・2位の「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」と「花筐/HANAGATAMI」を観ていないこと。4位の「幼な子われらに生まれ」も。再上映の予定もあるようだし、遅ればせながら観に行くことにしませう。

▸東京で新作映画を観てくるかなと思って<ぴあ映画生活>等をチェックしても、「これは観たい!」という作品の大半(8割か9割?)はしばらく待てば近所のシネマ・ジャック&ベティで上映予定(→コチラ参照)になっています。交通費とかスタンプのことを考えると「じゃあ待つか」ということになります。以下はその中からピックアップしたヌルボの自分用メモ。
 個人的に必見の外国映画=「はじめてのおもてなし」「ジャコメッティ」「52Hzのラヴソング」「ロープ 戦場の生命線」「謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス」「ぼくの名前はズッキーニ」「苦い銭」「目撃者 闇の中の瞳」
 日本映画は、とりあえず在日にも関係するドキュメンタリー「ニッポン国VS泉南石綿村」だけ。
 未見の韓国映画=「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」「殺人者の記憶法」「消された女」(原題=날,보러와요[私に、会いに来て]) ※これまでに観た「密偵」「ソウル・ステーション パンデミック」「わたしたち」も上映されます。
    
「朝鮮日報」1月13日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)


 「ダウンサイズ」

   ※《週末の劇場街》で紹介 ★★★☆




 「リメンバー・ミー」

   目・耳が恍惚 死後の世界 ★★★★



 「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」

   仄かな画像、内容は残念 ★★☆



 「‘スター朴(パク)’s茶房」

   穏やかで、きまり悪くて ★★☆

 「スター朴(パク)’s喫茶店」は韓国のドラマ。タイトルは言うまでもなくスターバックスのもじりです。ソウル大学法学部を卒業したパク・ソンドゥ(ペク・ソンヒョン)はコーヒー好きの青年。司法の道を目指してほしいという母の期待を後ろに、叔母が経営していた喫茶店をリモデリングして<‘スター朴’s茶房>を開店したのですが…。他の作品は以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(1月16日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) グレイテスト・ショーマン  9.40(9,818)
②(2) ワンダー  9.38(854)
③(3) 再び生まれ変わっても、私たち(韓国)  9.33(796)
④(4) 1987(韓国)  9.27(22,583)
⑤(-) アイ・アム・ホープマン(韓国)  9.26(38)
⑥(5) ゴッホ~最期の手紙~  9.18(4,593)
⑦(6) 劇場版総集編『ハイキュー!! 才能とセンス』(日本)  9.18(308)
⑧(9) ポロロ劇場版 恐竜島大冒険(韓国)  9.17(3,682)
⑨(8) モーディー  9.17(2,694)
⑩(-) リメンバー・ミー  9.14(3,323)

 ⑩「リメンバー・ミー」が今回の新登場ですが、この作品については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 牯嶺街少年殺人事件[デジタルリマスター版]  9.00(6)
②(2) ア・ゴースト・ストーリー  8.33(6)
③(3) ブレードランナー 2049  8.22(9)
④(4) パターソン  8.20(9)
⑤(5) 1987(韓国)  8.08(12)
⑥(-) リメンバー・ミー  7.83(6)
⑦(6) スター・ウォーズ/最後のジェダイ  7.71(7)
⑧(7) オン・ボディー・アンド・ソウル  7.67(6)
⑨(8) ゴッホ~最期の手紙~  7.50(8)
⑩(9) メリー・クリスマス ミスター・モ(韓国)  7.33(15)

 コチラも⑥「リメンバー・ミー」が新登場。後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績1月12日(金)~1月14日(日)) ★★★

         「1987」が「神と共に-罪と罰」に替わって1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(2)・・1987(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/27・・・・・・・・1,031,283・・・・・・・・5,787,127 ・・・・・・・46,647 ・・・・・・・1,122
2(1)・・神と共に-罪と罰(韓国)・・・・・・・12/20・・・・・・・・・・745,730・・・・・・・12,844,277 ・・・・・・103,288・・・・・・・・・985
3(21)・・リメンバー・ミー・・・・・・・・・・・・・1/11・・・・・・・・・732,352 ・・・・・・・・・850,010 ・・・・・・・・7,006 ・・・・・・・1,177
4(3)・・ジュマンジ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/03・・・・・・・・・327,860・・・・・・・・1,519,034 ・・・・・・・12,353・・・・・・・・・677
       /ウェルカム・トゥ・ジャングル
5(34)・・ダウンサイズ・・・・・・・・・・・・・・・・1/11 ・・・・・・・・・・92,124 ・・・・・・・・・125,447 ・・・・・・・・1,047・・・・・・・・・506
6(6)・・グレイテスト・ショーマン・・・・・12/20 ・・・・・・・・・・62,910・・・・・・・・1,212,166 ・・・・・・・・9,940・・・・・・・・・232
7(4)・・牡牛のフェルディナンド・・・・・・・1/03 ・・・・・・・・・・53,763 ・・・・・・・・・496,013 ・・・・・・・・3,609・・・・・・・・・343
8(5)・・鋼鉄の雨[STEEL RAIN](韓国)・・12/14 ・・・・・・・・・・30,858・・・・・・・・4,436,248 ・・・・・・・35,370・・・・・・・・・198
9(7)・・ワンダー/Wonder・・・・・・・・・・・・・12/27 ・・・・・・・・・・15,010 ・・・・・・・・・179,828 ・・・・・・・・1,420・・・・・・・・・・94
10(新)・・打ち上げ花火、下から見るか?・・1/11 ・・・・・・・・13,495 ・・・・・・・・・・22,067・・・・・・・・・・172・・・・・・・・・363
       横から見るか?(日本)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「神と共に-罪と罰」は1,3000万人目前。昨年1位の「タクシー運転手」(1,218万人)を抜き去り、韓国映画歴代6位。この分だと歴代3位の「ベテラン」(1,341万人)に届きそう? その上は「バトルオーシャン 海上決戦(鳴梁)」(1,761万人)と「国際市場で逢いましょう」(1,425万人)です。
 その「神と共に-罪と罰」に替わって1位に座ったのが「1987」。7日には文在寅大統領が夫人とともに鑑賞して涙を流したことが報じられました。(→コチラ。) 一緒に観たカン・ドンウォンもその後ステージに立った時涙が止まらなかったとか。
 今回の新登場は3・5・10位の3作品です。
 3位「リメンバー・ミー」は、日本のお盆に当たるメキシコの<死者の日>をテーマにしたピクサーのミュージカル・ミステリー・アドベンチャーアニメ。主人公は12歳の少年ミゲル。彼の家は4代前の先祖がミュージシャンへの夢を追いかけて妻と娘を捨てたという過去があるため音楽禁止という掟があります。音楽を許してもらうため<死者の日>に音楽コンテストに出席することを決意したミゲルは、今は亡き憧れのミュージシャン、エルネストの霊廟を訪れます。目当てはエルノストのギター。ところがミゲルがそのギターを奏でた瞬間、骸骨と化した死者達が住む死者の国に迷い込んでしまいます・・・。韓国題は「코코」。日本公開は3月16日です。「アナ雪」の最新作「アナと雪の女王/家族の思い出」(22分)も同時上映されます。
 5位「ダウンサイズ」はアメリカのSFコメディ。人口過剰で住みづらくなった世界の諸問題を解決するため、人間を13㎝に縮める新技術が開発されます。これは単に人体の縮小だけでなく、資産が実質120倍にもなるという経済効果を生むとか! 大邸宅での優雅な生活という叶わぬ夢を思い描いていた平凡な男ポール(マット・デイモン)と妻オードリー(クリステン・ウィグ)は、これで夢が実現すると思ってそのダウンサイズ技術を選択しますが・・・。韓国題は「다운사이징」。日本公開は3月2日です。
 10位「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」はもちろん昨年公開のアニメ版。私ヌルボは1993年公開の岩井俊二監督のオリジナル版は観ましたが(もう25年前か!)、コチラは未見。韓国では根強い岩井監督人気があるようなので、それなりの集客力はあるかも。韓国題は「쏘아올린 불꽃, 밑에서 볼까? 옆에서 볼까?」です。(うーむ、こう訳すのか。)

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・打ち上げ花火、下から見るか?・・・・1/11 ・・・・・・・・・・13,495・・・・・・・・・・・22,057・・・・・・・・・・・172・・・・・・・・・363
       横から見るか?(日本)
2(2)・・パターソン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・・3,722 ・・・・・・・・・・・47,024・・・・・・・・・・・385・・・・・・・・・・40
3(1)・・ワンダフルライフ(日本) ・・・・2001/12/09 ・・・・・・・・・・・2,617 ・・・・・・・・・・・15,576・・・・・・・・・・・129・・・・・・・・・・36
4(3)・・ゴッホ~最期の手紙~ ・・・・・・・・・・11/09 ・・・・・・・・・・・2,090 ・・・・・・・・・・396,541 ・・・・・・・・・3,160・・・・・・・・・・18
5(25)・・恋愛睡眠の科学・・・・・・・・・・・2006/12/21 ・・・・・・・・・・・1,020 ・・・・・・・・・・・56,664・・・・・・・・・・・398・・・・・・・・・・31

 1・5位の2作品が新登場です。
 1位「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか」については上述しました。
 5位「恋愛睡眠の科学」は、2006年の仏・伊合作映画の再上映。韓国では何度も再上映されている「エターナル・サンシャイン」と同じミシェル・ゴンドリー監督によるラブストーリーということでの上映なのかな? 韓国題は「수면의 과학」です。

私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感[4] 韓国のラジオ。あの「20秒早く出発して謝罪した日本の鉄道」のニュースを報じた後のMCの言葉は・・・・

2018-01-12 20:17:14 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 1つ前の記事に続いてYTNニュースFMラジオ関係。
 月~金曜の夜よく聴いている番組が<뉴스 익는 밤, 조현지입니다><ニュースが熟する夜、チョ・ヒョンジです>とでも訳すのでしょうか。間に交通情報、天気予報を挟んで22:20~23:55の時間帯で、女性アナのチョ・ヒョンジさんがMCを担当し、さまざまなニュースを織り込みながら、リスナーから寄せられたムンチャ・メシジ(ショートメール)を読み、リクエスト曲を流すといった内容です。

 そのニュースも、その日の主要ニュースから、こぼれ話的な雑ニュースまでいろいろあります。いつもはなんとなく聞き流していますが、ときおり聞き耳を立てるようなこともあります。

 昨年11月17日の放送。日本のちょっとしたニュースを伝えていました。それは「11月14日、日本の鉄道会社(首都圏新都市鉄道)が定刻より20秒早く出発したことで謝罪した」というニュース。(→コチラ参照。)
 その後ネット上では「日本はすごい! 海外の反響」といった(うんざり)記事が続いたりして、けっこう話題にもなったようなので、憶えている方も多いと思います。

 さて、このニュースを読み上げた後、チョ・ヒョンジさんがふと漏らした一言に私ヌルボは「う~む・・・」と唸りました。その一言とは・・・。

 「慰安婦に対しては謝罪しないんですよね」

 私ヌルボ、「アタマにきた!」「カチンときた!」「思わず逆上した!」ということではありません。
 思ったことは、「この問題についての日韓のフツーの人の受けとめ方がことほどさように大きなミゾがあるんだなー」といった痛歎です。
 たぶん、フツーの日本人(←私ヌルボも含まれる)が韓国で生まれそだっていればフツーの韓国人のような感じ方・考え方になるだろうし、逆もまた同様。
 つまり、メディアによる情報の伝え方、教育の内容等の影響力がとても大きいということ。

 この慰安婦問題の謝罪については、以前(2016年2月2日)「毎日新聞」で「朝鮮日報」の鮮于鉦(ソヌ・ジョン)論説委員による興味深い記事を読みました。<忍耐と配慮、日韓に必要>と見出しがつけられたこの記事は、→コチラで読むことができます。(あ、会員だけ?) 後の方で上半分の画像を載せておきます。
 この記事では、ソウルのある大学で鮮于鉦論説委員が50人ほどの学生たちに日本との歴史問題について講義した時のことを記しています。
 初めに「(植民地支配や慰安婦問題などで)日本が謝罪をしてきたと思う人は手を挙げて」と言うと、「誰も手を挙げなかった」とのこと。その後、村山首相談話(1995)、日韓パートナーシップ共同宣言(1998)、小泉首相談話(2005)、菅首相談話(2010)等の資料を読ませた後、再度「日本は謝罪したと思うか」と聞くと、「今度は半分以上の手が挙がった」そうです。
 もっとも、「これだけ謝罪してきたから、もうオシマイ」と単純に結論づけられるものでもないし、鮮于鉦氏も「お互いに合意を尊重し、相手に配慮する姿勢が重要だ」と結んでますけどね。

 <ニュースが熟する夜・・・>の話に戻ります。
 私ヌルボ、チョ・ヒョンジさんの「慰安婦に対しては謝罪しないんですよね」を聴いた時にはとても自然な語り口だったのでその場での個人的な感想だと思いました。
 ところが今。この記事のウラを取るためにYTNラジオのサイトを検索したところ、→コチラのページがみつかりました。この番組の11月17日の放送内容の記録です。これによると、この「20秒早く発車したことを謝罪した」というニュースは<이 음악엔 이 뉴스(この音楽にはこのニュース)>というコーナーで紹介されたものだったのですね。今日の音楽として選んだ曲に見合ったニュースを紹介するコーナーです。
 そして、この日の<今日の音楽>は何だったのかというと、エルトン・ジョン「Sorry seems to be the hardest word(悲しみのバラード)」。(→YouTube)
 なーるほどねー・・・。
 ただ、この記録ページに記されている"日 시도 때도 없는 사죄 문화, 위안부 사죄는?"(日本、四六時中謝罪文化、慰安婦の謝罪は?)という一文は後付けの記録なのか、それとも事前の企画段階から含まれていたものなのか、つまりチョ・ヒョンジさんの「慰安婦云々」発言がアドリブだったのか予定されていた言葉なのかはよくわからず、です。

 今回は前回以上にほとんど賞味期限切れの記事。これからもしばらく続きそう?


私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感[3] 韓国のラジオCMでとくに多いのが・・・

2018-01-11 23:55:34 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 昨日の午前中はスマホで文在寅大統領の新年記者会見をリアルタイムで聴きました。YTNニュースFMラジオに接続したらたまたまやってたのですが、和気あいあいのフンイキにちょっと驚きました。まあ正月だし、また北朝鮮との話し合いも持てたということで、大統領も記者の皆さんも自然と気持ちが和んでいるということでしょうか。

 さて、→一昨日(1月9日)の記事で「韓国のラジオCMからいろんなことがわかる」といったことを書きました。
 もちろん、「わかる」ためにはリスニングの能力が問われるわけで、そこが私ヌルボにとっても高いハードルなんですが・・・。(汗)

 ここから本論。YTNニュースFMを聴き始めてすぐ耳についたCMソングがあります。
 とてもノリのよさそうな歌で、「♪クリネオトゥック チッチンギ」と歌ってますね。しかし意味はわからず、そもそも何のCMかもよくわかりませんでした。

 その後ネット検索をしたらYouTubeにその歌があったので貼っておきます。

 この歌の冒頭の「♪クリネオトゥック・・・」あたりは後回しにして、このCMの次の放送時に後の方の歌詞を注意して聴いてみると、<粉塵(분진)><ガスの臭い(가스 냄새)><煙(연기)>を全部取ってあげます・・・と、およそそんな内容。
 そこでチッチンギに相応する漢字の熟語をあれこれ考えて、やっと<集塵機(집진기)>にたどりついた次第です。
 そしてこれらの単語を手がかりにネット検索したのですが、「クリネオトゥック」<Clean Air Tech>という社名だったのですね。しかし、韓国語による英語の発音では<クリーン エア>(日本式発音)が<クリネオ>になるのはわかるものの、Techの部分を<テク>ではなく<トゥック>と発音しているとはなんででしょうね?? ハングル表記でも<크린에어테크>なのに・・・。
 それはそれとして、こうした集塵機のCMはこのメーカー以外にも2社ほど(?)やっています。また<チョンジョンギ>のCMもあります。これは<공기청정기(空気清浄機)>のこと。

 コトのついでに、サムスン電子の空気清浄機のCFも貼っておきます。


 私ヌルボ、韓国では春先に中国から大量の黄砂が飛来して大気汚染だけでなく、健康を脅かしたり農作物にも被害を及ぼしているということは以前から知ってはいましたが、秋~冬の時期にも、ということは季節を問わない社会問題になっているのですね。
 天気予報でも<미세먼지(ミセモンジ)>=微細粉塵情報はふつうに報じているし、いろんなところでM2.5等の現在のレベルを知ることができます。上記CFの家庭用空気清浄機にも数値が表示されるようになっていますね。右の画像は、韓国環境公団のサイト(→コチラ)で見た1月10日16時の時点での実時間大気(M2.5)情報。<良い>から<とても悪い>まで4段階に色分けしています。

 先月の韓国旅行に際して、事前に上述のような知識を得てはいましたが、現地でとくにひどいと思うことはありませんでした。しかし、→韓国在住の方のブログ記事(昨年9月)や、→最近釜山を訪れた方のブログの写真をみると、やはり相当ひどいレベルようです。
 ※参考→ソウルナビの記事<微細粉塵(ミセモンジ・PM10/PM2.5)に注意しよう!>

 この韓国・朝鮮 雑録雑感シリーズは極力短く書くつもりでスタートしたのですが、つい長くなってしまいます。次回はもっと簡潔にしなくちゃ。

韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [1月5日(金)~1月7日(日)]

2018-01-09 22:25:50 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 未読の方は目を通してみてください。→ <★2017年 ヌルボの個人的映画ベスト10>

▸今年最初の映画鑑賞は横浜シネマリンで5日に観た「沈黙-立ち上がる慰安婦」でした。いろいろ考えさせられましたが、慰安婦問題が日韓両国間で大きな問題として浮上した1990年代と、現在とで日本国内のフンイキがずいぶん変わったことを痛感しました。もちろん韓国も、ですが。そして、このドキュメンタリーに登場した元慰安婦の皆さん方も多くは世を去りました。この問題について、またこの作品について思うことを書くと長くなるので、いずれ別記事で・・・。(またか。) 簡単に言えば、あまりにも政治まみれになってしまったということ。その結果肝心の原点がどこかに行ってしまった。その責任は、韓国の支援団体や政府にもあり、日本人の側(<忘却癖>等)にもあるのでは、ということ等々。

▸そして昨日(8日)はシネマ・ジャック&ベティで「すばらしき映画音楽たち」を観ました。コチラは本当に至福の時間と言ってもいいかも。何をかくそう私ヌルボ、半世紀ほど前にはそれはもう数々の映画音楽に親しんだものでした。作曲家で言うとディミトリ・ティオムキン、マックス・スタイナー、ミクロス・ロージャ、ヘンリー・マンシーニ、ニーノ・ロータ、フランシス・レイ、アルフレッド・ニューマン、モーリス・ジャール等々。彼らの作品をハーモニカやギターで演奏したりして・・・。あー恥ずかし(笑)。このドキュメンタリーでは、少し後の世代のジョン・ウィリアムズやハンス・ジマー等70年代以降に活躍している作曲家たちに重点が置かれていますが、映画音楽を映画史をたどりながら説明したり、作曲の現場(監督と映像を見ながらとか、いろんな楽器を用いたりとか)のようす等々、実に多角的にアプローチしている点がとても興味が持てました。それにしても、オーケストラの面々が初見の楽譜なのに見事に演奏しちゃうレベルの高さには唖然!

▸「朝鮮日報」土曜の映画欄には、「封切映画 ぴったり10字評」の前に「週末の劇場街」というタイトルで注目作を取り上げ、翻訳すると600字以上の紹介文とともに評点(★印)をつけています。今回からその評点だけ「10字評」とともに載せることにしました。
    
「朝鮮日報」1月6日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)


 「ワンダフルライフ」

   ※《週末の劇場街》で紹介 ★★★☆





 「牡牛のフェルディナンド」

   花のイケメン牛、大冒険 ★★☆



 「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」

   童話をゲームに変える ★★☆



 「グッド・タイム」

   選択の誤りによる悪夢 ★★

 「グッド・タイム」は東京国際映画祭グランプリ受賞作で、日本では昨年11月公開されています。他の3作品は以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(1月9日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(2) グレイテスト・ショーマン  9.40(8,523)
②(1) ワンダー  9.40(675)
③(3) 再び生まれ変わっても、私たち(韓国)  9.33(792)
④(4) 1987(韓国)  9.28(16,918)
⑤(6) ゴッホ~最期の手紙~  9.18(4,397)
⑥(-) 劇場版総集編『ハイキュー!! 才能とセンス』(日本)  9.18(302)
⑦(5) 狂人オク・ハンフム[玉漢欽]  9.18(72)
⑧(7) モーディー  9.17(2,684)
⑨(8) ポロロ劇場版 恐竜島大冒険(韓国)  9.16(3,471)
⑩(9) 息子のところへ行く道(韓国)  9.00(84)

 今回の新登場はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 牯嶺街少年殺人事件[デジタルリマスター版]  9.00(6)
②(2) ア・ゴースト・ストーリー  8.33(6)
③(-) ブレードランナー 2049  8.22(9)
④(3) パターソン  8.20(9)
⑤(4) 1987(韓国)  8.08(12)
⑥(5) スター・ウォーズ/最後のジェダイ  7.71(7)
⑦(6) オン・ボディー・アンド・ソウル  7.67(6)
⑧(8) ゴッホ~最期の手紙~  7.50(8)
⑨(9) メリー・クリスマス ミスター・モ(韓国)  7.33(15)
⑩(10) 静かなる情熱 エミリ・ディキンスン  7.20(5)

 コチラも新登場の作品はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績1月5日(金)~1月7日(日)) ★★★

         「神と共に-罪と罰」、韓国映画歴代9位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・神と共に-罪と罰(韓国)・・・・・・・・12/20・・・・・・・・1,318,813・・・・・・・11,502,470 ・・・・・・・92,573 ・・・・・・・1,260
2(2)・・1987(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/27・・・・・・・・1,060,148・・・・・・・・4,089,470 ・・・・・・・32,848 ・・・・・・・1,094
3(新)・・ジュマンジ・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/03・・・・・・・・・659,539・・・・・・・・・・815,271 ・・・・・・・・7,342・・・・・・・・・791
       /ウェルカム・トゥ・ジャングル
4(25)・・牡牛のフェルディナンド・・・・・・1/03 ・・・・・・・・・247,014 ・・・・・・・・・355,779 ・・・・・・・・2,625・・・・・・・・・698
5(3)・・鋼鉄の雨[STEEL RAIN](韓国)・・12/14 ・・・・・・・・・119,816・・・・・・・・4,350,749 ・・・・・・・34,705・・・・・・・・・495
6(4)・・グレイテスト・ショーマン・・・・・12/20 ・・・・・・・・・112,096・・・・・・・・1,072,580 ・・・・・・・・8,792・・・・・・・・・353
7(7)・・ワンダー/Wonder・・・・・・・・・・・・・12/27 ・・・・・・・・・・25,498 ・・・・・・・・・147,685 ・・・・・・・・1,162・・・・・・・・・157
8(5)・・劇場版ポケットモンスター・・・・12/21 ・・・・・・・・・・18,625 ・・・・・・・・・498,526 ・・・・・・・・3,735・・・・・・・・・159
       キミにきめた!(日本)
9(77)・・君の名は。(日本)・・・・・・・・・2017/1/04・・・・・・・・・・・17,762 ・・・・・・・3,705,226・・・・・・・・29,811・・・・・・・・・121
10(8)・・ポロロ劇場版・・・・・・・・・・・・・・・12/07・・・・・・・・・・・10,399 ・・・・・・・・・812,679 ・・・・・・・・6,140・・・・・・・・・・93
       恐竜島大冒険(韓国)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「神と共に-罪と罰」は1,100万人を超え、昨年1位だった「タクシー運転手」(1,218万人)に迫ってきています。また「1987」も400万人を超えました。8日の数字では「神と共に-罪と罰」を抑えて初めてトップに立っています。
 「君の名は。」はちょうど1年後の4日に再公開されました。また日本以上に韓国で長い間人気を保っている「Love Letter」も何度目かの再公開中。
 今回の新登場は3・4位の2作品です。
 3位「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」は、1995年公開の「ジュマンジ」の23年ぶりの続編、かと思ったら「新たなストーリーで生まれ変わらせた」とのことですね。12歳の少年が工事現場の土中から<ジュマンジ>と書かれたゲーム盤を掘り出し、また1995年には幼い姉妹が屋根裏部屋でジュマンジを発見して物語が展開されましたが、今度は学校の倉庫を掃除していた4人の高校生たちが見つける・・・といってもボードゲームではなくビデオゲーム。モノが違うわけね。4人が異世界、それもジャングルに吸い込まれて・・・という展開は同じようです。
韓国題は「쥬만지: 새로운 세계」。日本公開は4月6日ですです。
 4位「牡牛のフェルディナンド」(仮)もアメリカのアニメ。

原作はマンロー・リーフ作・ロバート・ローソン画の絵本「はなのすきなうし」(岩波)というロングセラーの絵本。舞台はスペインです。スペインといえば闘牛。子牛のフェルディナンドも闘牛を目指す牛たちの中の1人、じゃなくて1匹か。しかし彼は花のにおいをかぐのが好きという心優しい牛。絵本では書名からすでにネタバレ。本番の闘牛の場面で、見物していた女性の髪飾りの花に気をとられて云々という話になってます。が、このアニメでは訓練用の牧場から仲間たちと一緒に逃げ出して電車に乗って(!)云々と、かなり複雑な展開になっているようです。花が好きという基本は変えていませんが。韓国題は「페르디난드」。日本公開は未定のようです。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・ワンダフルライフ(日本) ・・・2001/12/09 ・・・・・・・・・・・5,451 ・・・・・・・・・・・・9,978・・・・・・・・・・・・84・・・・・・・・・・51
2(2)・・パターソン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・・4,408 ・・・・・・・・・・・39,614・・・・・・・・・・・324・・・・・・・・・・42
3(2)・・ゴッホ~最期の手紙~ ・・・・・・・・・・11/09 ・・・・・・・・・・・2,539 ・・・・・・・・・・392,475 ・・・・・・・・・3,128・・・・・・・・・・27
4(9)・・エターナル・サンシャイン・・・2005/11/10 ・・・・・・・・・・・2,441 ・・・・・・・・・・504,049 ・・・・・・・・・3,843・・・・・・・・・・31
5(新)・・世界を彼の腕に・・・・・・・・・・・1954/12/22 ・・・・・・・・・・・1,518 ・・・・・・・・・・・・9,852・・・・・・・・・・・・19・・・・・・・・・・・1

 1・4・5位の3作品が新登場、・・・と言っていいのかな? すべて再公開作品です。
 1位「ワンダフルライフ」は、是枝裕和監督のかなり前の作品。このところ韓国では是枝監督の評価がずいぶん高まっているようで、このような過去の作品もしばしば再上映されています。韓国題は「원더풀 라이프」です。
 4位「エターナル・サンシャイン」は、この時期になると定番のように再上映されています。ジム・キャリーとケイト・ウィンスレットが共演した2004年のアメリカ映画。韓国題は「이터널 선샤인」です。
 5位「世界を彼の腕に」は、グレゴリー・ペック主演の冒険・活劇。アン・ブライス、アンソニー・クイン(60年代の彼が懐かしいな)も出演してます。1館のみの上映ということは、たぶん平和市場のシルバー映画館での上映でしょう。韓国題は「세계를 그대 품안에」です。

私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感[2] スマホで韓国のラジオを聴く(韓国語学習者はぜひ!)

2018-01-09 10:03:05 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 →[1]で書いたようにノートPCを失くした時はホントにあせり、食欲もなくなって心身とも最悪の状態に陥ってしまいました。それよりも何よりも公私さまざまな文書・記録等がなくなって途方に暮れてしまいました。もし無事に見つかっていなかったらどうなっていたか・・・。

 それに比べると、9月最初に図書館??でケータイ(ガラケー)を失くしたことはむしろよかったかもしれません。というのは、スマホ時代になってもガラケーを使い続けているデメリットを勘案して、そろそろスマホに買い替えようかなと2年ほど前から考えていたからです。で、2日間見つからないという時点で即auショップに行ってスマホを購入しました。

 それから4ヵ月。いまだにスマホ初心者のままです。とくに指が太いわけでもないのに入力がすんなりとできたためしがないくらいだし、電話がかかってきたら操作がよくわからないまま切ってしまい、コチラからかけ直したこともしばしば。LINE等々のアプリの使い方も不慣れな状態のままです。
 元のガラケーにしてからが、その全機能の3割も使ってなかったのではないでしょうか? そんな機能があることさえ最後まで知らなかった機能もきっとたくさんあったと思われます。スマホとなるとこの先10年使い続けても習熟することはまずなさそうです。

 そんな中、「これは便利!」とハマっているのが韓国のラジオ放送を聴くこと。
 「韓国 ラジオ」でググると韓国のラジオが聴けるアプリがズラズラーッと出てきます。7つ8つためしてみた結果、今はもっぱら<ワオ-ラジオ>(KPOP Radio)を愛用しています。
 そのアプリの説明(→コチラ)にもあるように、MBS, KBS, SBS, EBS, TBS, TBN, KFM, WBS, BBS, PBC,インターネット音楽放送等、400以上の韓国のラジオを無料で聴くことができるというもの。
 「そんなに多いわけないだろ」と思うかもしれませんが、たとえばKBSの場合1FM,2FM,第1ラジオ,第2ラジオ,第3ラジオ,韓民族放送,ワールドラジオ,音楽FMとある上、第1ラジオ,第2ラジオ,音楽FMなどは地方局もあるので、KBSだけで計63局にも上ります。(地方局の独自番組などは味があっていいです。) その他MBCやSBSにも地方局が相当数あります。
 またキリスト教放送に仏教放送、交通放送、各種音楽放送等々、とにかくたくさん。

 さて、上述のようないきさつで遅まきながらスマホを購入し、ほどなく韓国ラジオを聴くことになった私ヌルボ。「便利!」と書きましたが後悔の念も多分にあります。それはもっと早くから使っていたら、今頃は韓国語がラクラク聞き取れるようになっていたのでは、ということ。
 韓国ラジオ聴取の利点その1は、そんな韓国語の聴き取り能力を高めることができるということ。ボキャブラリーも自然に増えていきます。例:「リクエスト曲」のことを何というか、中級の学習者の皆さんはご存知でしたか? 正解は<신청곡(申請曲)>。こういう頻繁に出てくる単語はふつうに頭に入ります。(私ヌルボ、実は知らなんだ。)
 また、各地の方言等もわかってきます。
 次に利点その2は、韓国のいろんなニュースがリアルタイムで聴ける。つまり韓国社会のいろんなことがわかること。例:→1つ前の記事<韓国では、大勢の人が大晦日の日の入りを見に行く>もラジオで聴いたニュースがキッカケです。
 利点その3。往年の人気歌謡から最新のヒット曲まで、いろんな歌が聴ける。音楽専用放送の中にはトロット(演歌)とか、70・80年代あるいは50・60年代等の懐メロ専用の放送もあります。曲名や歌手名を聴き取るのがちょっとタイヘンですが・・・。
 利点その4。定時の天気予報、そしてCMからもいろんなことがわかる。
 
 なお、私ヌルボがよく聴いているのはYTNニュースFMなのですが、以下は続くということにします。
 (今回のテーマ、もしかしてスマホを持ってる韓国語学習者の間ではとっくに常識になってる?)

韓国では、大勢の人が大晦日の日の入りを見に行く

2018-01-06 23:53:39 | 韓国の街ネタ、観光ポイント、店・施設等
 先日の12月31日、つまり大晦日の午後。スマホでなんとなく韓国のラジオ放送を聴いていたら、「ヘノミの名所、忠南(忠清南道)の舒川(ソチョン)のようすをお伝えします」というDJの声が耳に入ってきました。
 <ヘノミ>(해넘이)とは<日の入り>のことです。
 韓国にも<初日の出>を見に行く風習があるのは周知のこと(?)だと思います。
 このブログでも、日の出については2009年から→
<☆韓国の初日の出の名所 やっぱり正東津でしょ>、→<朝鮮半島 西海岸の日の出の名所>、→<[韓国の観光地]テーマ別ベスト10 ③滝&渓谷・民俗村&遺跡地・日の出&日没の名所>と3度関係記事を載せてきました。
 しかし、日の入りについてはとくに取り上げたことはありませんでした。
 ただ、上記2つ目の記事で<朝鮮半島の西海岸から日の出が見られる所>として次の3ヵ所があると書きました。
 全羅南道・務安(ムアン.무안)の導里浦(トリポ.도리포)
 忠清南道・唐津(タンジン.당진)のウェモク(왜목)村(マウル)
 忠清南道・舒川(ソチョン.서천)の馬梁浦口(マリャンポグ.마량포구)


 西海岸ということは、ふつうに日の入りが見られるということ。つまり、これらの所は日の出も日の入りも見られるということで、それが観光のポイントとなるわけですね。

 ・・・ということで、舒川も日の入りの名所としてふつうに冒頭に書いたような実況中継の場所になるということです。
 ネット検索すると、2013年の舒川郡馬梁浦口の大晦日の動画がありました。(→コチラ)
 下の画像はその1場面です。


 なるほど、たしかに多くの人が集まってます。

 →コチラの韓国記事では、韓国の日の出の名所とともに日の入りの名所を次のように10ヵ所ずつ挙げています。

《日の出の10大名所》
 タンクッマウル[全羅南道海南郡]/唐津(タンジン)ウェモクマウル[全羅南道唐津郡]/虎尾串(ホミゴッ)[慶尚南道浦項市]/錦山(クムサン)菩提庵(ポリアム)[慶尚南道南海郡]/正東津(チョンドンジン)[江原道江陵市]/湫岩燭台岩(チュアムチョッテパウィ)[江原道東海市]/艮絶岬(カンジョルゴッ)燈台[蔚山広域市]/城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)[済州島西帰浦市]/向日庵(ヒャンイラム)[全羅南道麗水市]/河趙台(ハジョデ)[江原道襄陽郡]

《日の入りの10大名所》
 細方(セバン)マウル[全羅南道珍島郡]/大阜島(テブド)[全羅南道安山市]/コッチ海水浴場[忠清南道泰安郡]/席毛島(ソンモド)[仁川広域市江華郡]/烏耳島(オイド)[京畿道始興市]/彩石江((チェソッカン)[全羅北道扶安郡]/白岫(ペクス)海岸道路[全羅南道霊光郡]/武昌浦(ムチャンポ)[忠清南道保寧市]/多大浦(タデポ)[釜山広域市沙下区]/松溪(ソンゲ)マウル[全羅南道務安郡]

 このような日の入りの名所では、大晦日を期して日の入り祝祭&新年の日の出祝祭といった行事が開かれています。そんな行事が昔からの習俗の延長線上にあるのか、近年観光用に新しく始まったものかはよくわかりません。(私ヌルボの知るところでは、他の多くの地方都市の祝祭の多くはこの20年の間に新たに始まったものと思われますが・・・。)
 日本では、初日の出は全国的に多くの人が見に出かけても、大晦日の日の入り(<終(つい)の日の入り>と一部で(?)いうそうですが)を見に行く風習は一般的にはないと思いますが・・・。「だんだん、暗くなってくるねー」とか、「沈んでいくねー」とか、なんか気持ちも落ち込んでいくようではないですか。

 しかしこの17年の暮れ~18年正月、このような韓国各地の日の入り&日の出行事の多くは、前年に続いて鳥インフルエンザ(略称AI)の蔓延を防ぐため取りやめになったそうです。保寧とか、上述の舒川なども・・・。そうした中で、忠清南道で唯一催し(第16回安眠島夕焼け祭り)が開かれた所が泰安郡安眠島(アンミョンド)のコッチ海水浴場でした。→コチラの記事によると、大晦日には日没の2~3時間前から人が集まり、また道路のあちこちで交通渋滞が起きたりもし、そして現地では人々が希望の風船やハガキに家族の幸せと健康を祈る文を書き、主催側が用意した雑煮も分けて食べたりして日の入りを待ったとか。しかし、だんだん雲が多くなって、<お婆さん岩>と<おじいさん岩>の間に沈むはずの日の入りははっきりとは見られなかったものの、雲間の夕焼けに染まる空と岩をなんとか見たとのこと。(下画像)

 考えてみれば早起きが大きなハードルである初日の出に比べると、終の日の入りは無理なく見に行けそうではありますね。
 また、日本では日の入りを見に行く習慣はないのでは?と先に書きましたが、宗谷岬では日の出も日の入りも見られるし、能登半島の能登ロイヤルホテルでは両方見られることを売りにしているようだし、ほかにも探してみれば日の出・日の入りが共に見られる所、あるいは美しい日の入りが見られる所はいろいろありそうです。
 ただ、なんで韓国ではニュースで取り上げるほど日の入りの名所に人が集まるのか、肝心なことはちょっと調べただけではわかりませんでした。

※<日の出>はふつう<해돋이(ヘドジ)>ですが、とくに初日の出のように日の出を見ることは<해맞이(ヘマジ)>といいます。

    
【ソウルの中心部から地下鉄+バス(orタクシー)で行ける始興(シフン)市の烏耳山(オイド)も日の入りの名所。昨年12月初めに行った時撮った写真です。】
 

韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [12月29日(金)~12月31日(日)]

2018-01-04 22:28:44 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
→ <★2017年 ヌルボの個人的映画ベスト10>

▸昨日(3日)に徳島からUターン。新幹線の切符は予約していなくても、新大阪始発のこだまに乗ればゆうゆう座れます。・・・それはいいとして、帰宅後パソコンが思いもよらぬ不調。それも「Windowsが正しく読み込まれません」というこれまでにないトラブルで、何時間も悪戦苦闘。結局あきらめ、秋葉原に持ち込み修理に出向くことを覚悟。ところが翌朝目が覚めてスイッチonしたらフシギなことに直ってた! ・・・はいいとして、次にはルーターの電源が作動せず、やむなく予備のWi-Fiオープンネットワークを利用することに・・・。とほほ。
 そんなわけで、今日は今年最初の映画として横浜シネマリンの「沈黙-立ち上がる慰安婦」かシネマ・ジャック&ベティの「すばらしき映画音楽たち」を観るつもりだったのがダメになってしまいました。残念。

▸韓国では、12月20日公開の「神と共に-罪と罰」が今日(4日)早くも観客動員数1千万人を超えました。昨年の「タクシー運転手」以来4ヵ月半ぶり。そしてベスト10の2、3位も韓国映画が占めています。注目は2位の「1987」。先週の記事でも書きましたが、結局は全斗煥の軍事独裁政権を倒した1987年の民主化運動を背景にした作品です。いや、正確にはその発端となった出来事に関係したものです。1987年1月、ソウル大言語学科の学生会長だった朴鍾哲(パク・ジョンチョル)が公安当局による拷問で殺されます。拷問致死の究明・抗議の声が高まり、6月9日の集会で戦闘警察による催涙弾で後頭部を撃たれた延世大の李韓烈(イ・ハニョル)は7月5日死亡します。 6月9日以降多くの学生・市民たちによる集会・デモが拡大してゆく中で、結局盧泰愚大統領候補は、前日の全斗煥大統領との協議を経て、29日に大統領直接選挙制と言論の自由化を認めた「6.29民主化宣言」を発表し、ようやく事態は鎮静化します。
 右の写真は、2016年12月に行ったソウル・南営の警察庁人権センター内の朴鍾哲君が拷問された部屋。浴槽・寝台・机、そして彼の遺影があります。※→<コネスト>の記事では<朴鍾哲記念館>となっています。より詳しくは→コチラの記事参照。
 この作品には評論家・記者たちも下記のように高評価をつけています。私ヌルボもぜひ観てみたいと思いますが、いつになることか・・・。なお、こうした映画が作られ、多くの観客を集めていることは、現在約80%の支持を得ているという文在寅の政権であることと多かれ少なかれ関係がありそうです。昨年大ヒットした「タクシー運転手」や新機軸の慰安婦映画「アイ・キャン・スピーク」も同様ですが・・・。
    
「朝鮮日報」12月30日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ワンダー」
   まだ温かく暮らせる世 ★★★☆


 「ゴースト・ストーリー」

   生との境に寂しい霊魂 ★★★☆



 「ダブルの恋人」

   オゾン監督、挑発的帰還 ★★☆

 ダブルの恋人(仮)はフランソワ・オゾン監督によるフランスのスリラー。結局は恋人同士となり同棲を始めた精神科医と患者の女性。しかし彼女が偶然見た彼のパスポートには彼とは別の名が・・・。詳しくは→コチラ。 他の2作品は以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(1月5日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(-) ワンダー  9.43(493)
②(1) グレイテスト・ショーマン  9.42(7,454)
③(3) 再び生まれ変わっても、私たち(韓国)  9.33(784)
④(-) 1987(韓国)  9.25(11,996)
⑤(-) 狂人オク・ハンフム[玉漢欽]  9.24(66)
⑥(5) ゴッホ~最期の手紙~  9.19(4,279)
⑦(7) モーディー  9.17(2,675)
⑧(8) ポロロ劇場版 恐竜島大冒険(韓国)  9.16(3,240)
⑨(-) 息子のところへ行く道(韓国)  8.98(82)
⑩(10) 七月と安生  8.93(405)

 今回の新登場は①④⑤の3作品が今回の新登場です。
 ①「ワンダー」と、
 ⑤「狂人オク・ハンフム[玉漢欽]」は、1978年からサラン教会の牧師として、また国際弟子訓練院院長として宗教活動を続けてきたオク・ハンフム(玉漢欽.1938~2010)牧師についてのドキュメンタリー。彼は教会の量的成長ではなく質的な成熟をめざすことを主張し、そのため自ら狂人と表現するほど弟子訓練に力を注いだとのことです。また彼は、今日の牧師たちが自分の野望のために人々を手段として利用していることを強く批判し、常に人々を前面に出して自分は後ろに立つという典型的な羊飼いの姿を目指して、尊敬を集めたそうです。原題は「광인옥한흠」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 牯嶺街少年殺人事件[デジタルリマスター版]  9.00(6)
②(-) ア・ゴースト・ストーリー  8.33(6)
③(2) パターソン  8.20(9)
④(-) 1987(韓国)  8.08(12)
⑤(4) スター・ウォーズ/最後のジェダイ  7.71(7)
⑥(5) オン・ボディー・アンド・ソウル  7.67(6)
⑦(-) 君の名は。(日本)  7.55(11)
⑧(6) ゴッホ~最期の手紙~  7.50(8)
⑨(8) メリー・クリスマス ミスター・モ(韓国)  7.33(15)
⑩(9) 静かなる情熱 エミリ・ディキンスン  7.20(5)

 ②④の2作品が今回の新登場です。
 ②「ア・ゴースト・ストーリー」は、アメリカのファンタジー&ロマンス。ゴーストといってもホラーではありません。郊外の小さい古い家。作曲家のC(ケイシー・アフレック)と彼の妻M(ルーニー・マーラ)は穏やかな日常を送っていました。ところがある日、突然の事故でCは世去り、1人残されたMは深い悲しみに耽ります。一方、病院霊安室でゴーストになって目覚めたCは、憑かれたように、Mが待っている自分の家に帰ります。布を被ったおばけに変身して・・・、とは言っても、人間には見えません。彼はMを見守るために家を徘徊します。彼女とゴーストは同じ時間と空間にいて愛していた記憶を思い出しつつ過ごします。その後CはMが新しいボーイフレンドと家に帰ってくるのを目にします・・・。韓国題は「고스트 스토리」。です。
 ④「1987」については後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月29日(金)~12月31日(日)) ★★★

         「神と共に-罪と罰」、4日一気に1千万を超える

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・神と共に-罪と罰(韓国)・・・・・・・・12/20・・・・・・・・2,465,017・・・・・・・・8,539,596 ・・・・・・・68,351 ・・・・・・・1,666
2(13)・・1987(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/27 ・・・・・・・1,353,715・・・・・・・・1,942,385 ・・・・・・・15,256 ・・・・・・・1,170
3(2)・・鋼鉄の雨[STEEL RAIN](韓国)・・12/14 ・・・・・・・・・291,426・・・・・・・・4,014,295 ・・・・・・・31,994・・・・・・・・・599
4(3)・・グレイテスト・ショーマン・・・・・12/20 ・・・・・・・・・147,414 ・・・・・・・・・815,271 ・・・・・・・・6,662・・・・・・・・・412
5(4)・・劇場版ポケットモンスター・・・・12/21 ・・・・・・・・・・87,453 ・・・・・・・・・415,251 ・・・・・・・・3,117・・・・・・・・・443
       キミにきめた!(日本)
6(5)・・モンスター・ファミリー・・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・65,678 ・・・・・・・・・341,622 ・・・・・・・・2,531・・・・・・・・・355
       恐竜島大冒険(韓国)
7(31)・・ワンダー/Wonder・・・・・・・・・・・・12/27 ・・・・・・・・・・53,872 ・・・・・・・・・・81,680・・・・・・・・・・632・・・・・・・・・178
8(7)・・ポロロ劇場版・・・・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・36,733 ・・・・・・・・・773,748 ・・・・・・・・5,848・・・・・・・・・208
       恐竜島大冒険(韓国)
9(15)・・プリパラ み~んなのあこがれ♪・・12/21・・・・・・・・21,288 ・・・・・・・・・・36,450 ・・・・・・・・・・279・・・・・・・・・191
       レッツゴー☆プリパリ(日本)
10(6)・・スター・ウォーズ/最後のジェダイ・・12/14・・・・・11,533・・・・・・・・・・946,545 ・・・・・・・・8,535 ・・・・・・・・・39
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 冒頭にも書きましたが、韓国映画界としては順調な滑り出しで新年を迎えたといってよさそうですね。ただ、ちょっと気懸りは今後3月頃までの公開予定をみるとどうもこれといった期待作がないんですよ。4月公開(日本も同月)の「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」だけが突出していて・・・。2月末公開の日本映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」は、原作が韓国でもベストセラーだったのでちょっと注目。
 今回の新登場は2・7・9位の3作品です。
 2位「1987」は、これも先に記したように、1987年の民主化闘争の契機となったソウル大生は朴鍾哲君の拷問致死事件をモチーフとしたドラマ。1987年㋀、警察の調査を受けていた22歳の大学生が死亡します。証拠隠滅のためにパク署長(キム・ユンソク)は遺体の火葬を要請しますが、学生が死亡した当日の当直だったチェ検事(ハ・ジョンウ)はこれを拒否し、検死に引き渡します。警察は単純なショック死に偽装しようとしますが、現場に残った痕跡と剖検所見は拷問による死亡を示していました。事件を取材していたユン記者(イ・ヒジュン)は「水拷問による窒息死」と報道します事件の拡大を防ごうと、パク署長はチョ班長(パク・ヒスン)等刑事2人を留置しますが、刑務所に収監されたチョ班長の話を聞いて事件の真相を知った看守ハン・ビョンヨン(ユ・ヘジン)は、この事実を手配中の活動家らに伝達するために姪のヨニ(キム・テリ)に危険なことを頼みます・・・原題も当然ですが「1987」です。
 7位「ワンダー/Wonder」(仮)は、R.J.パラシオの児童小説「ワンダー」(ほるぷ出版)が原作のアメリカのドラマ。オーギー(ジェイコブ・トレンブレイ)は誰よりもウィットがあり、好奇心旺盛で魅力的なお金持ちの少年。しかし、病気が原因で他の皆と違って顔の形が変形しているため、クリスマスよりも顔が隠せるハロウィーンの方が好き。入退院を繰り返して、学校に通っていなかったオーギーですが、 ママのイザベル(ジュリア・ロバーツ)とパパのネイト(オーウェン・ウィルソン)は、より大きな世界を見せてあげようと、10歳になった息子を学校に通わせます。クラスメートたちは、当初オーギーの顔の形を見て騒いだりしましたが、やがて彼との交流を通していろんなことを学んでいきます・・・。韓国題は「원더」。日本公開は4月とのことです。
 9位「プリパラ み~んなのあこがれ♪レッツゴー☆プリパリ」は、日本では2016年3月公開。私ヌルボ、どうもこの頃「(~という)私(or自分)がいた」といった表現が気になっていて、自分では使うまいと思っていました。が、今初めて使います。「このアニメについて、何も語れない自分がいた」。韓国題は「극장판 프리파라 모두의 동경♪ 렛츠고☆프리파리」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(14)・・山上の垂訓 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・10,987 ・・・・・・・・・・・40,225・・・・・・・・・・・288・・・・・・・・・・42
2(3)・・パターソン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・・7,277 ・・・・・・・・・・・29,279・・・・・・・・・・・237・・・・・・・・・・43
3(2)・・ゴッホ~最期の手紙~ ・・・・・・・・・・11/09 ・・・・・・・・・・・6,437 ・・・・・・・・・・384,542 ・・・・・・・・・3,061・・・・・・・・・・41
4(14)・・ゴースト・ストーリー ・・・・・・・・・・12/28 ・・・・・・・・・・・2,669 ・・・・・・・・・・・・4,276・・・・・・・・・・・・37・・・・・・・・・・49
5(4)・・チューリップ・フィーバー ・・・・・・・12/14 ・・・・・・・・・・・1,321 ・・・・・・・・・・・52,144・・・・・・・・・・・417・・・・・・・・・・21

 4位「ゴースト・ストーリー」が新登場ですが、この作品については上述しました。

私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感[1] 物忘れ&忘れ物のことなど

2018-01-01 23:58:14 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 あけましておめでとうございます。謹賀新年。
 새해 복 많이 받으세요. 新年快樂。新年快乐。

 1年の計を立てる前に、きっちりと昨年の反省をしなくては、と思ったものの、何ヵ月もかかりそうなので止めました。
 「積弊清算」の旗印のもと過去の保守政権の諸政策の洗い直しに精力を注ぎすぎて、今まずやるべきことが後回しになっているのでは、との疑問さえ感じられる文在寅政権の現況を見た上での判断です。(ホンマかいな?)

 反省というよりも、ちゃんと自覚しなくては、と思ったのは、体力だけでなく脳の方もさらに衰えているということ。
 言葉のど忘れはまず固有名詞から始まりますが、それはずいぶん以前からのこと。私ヌルボの場合はすでに普通名詞がなかなか出てこない段階に入っています。とほほ。

 物事を思い出せないもどかしさについての衝撃的な記憶を紹介します。
 もう20年ほども前のことですが、私ヌルボ、図書館でふとあることを思い出そうとしていました。が、どうしても思い出せず、もやもやした気持ちで図書館を出ました。ところがそのほんの少しあと気づいたことは、「自分がついさっきまで何を思い出そうとしていたのか、思い出せない」ということです。これは本当にショックでした。
 そして今。たぶんもっとひどい状態なのではと思われます。つまり、「さっきまで何を思い出そうとしていたのか?」という疑問さえ思い浮かばない状態かも。アルジャーノンの悲劇はもはや他人事ではありません。

 以上は前書きその1。
 いろんなモノの置き忘れも日常茶飯事です。
 しかし、モノによっては大変困ったことになってしまいます。とくに外出中の失くし物。
 たとえば、①愛用のノートパソコン ②愛用のケータイ ③愛用のメガネ ・・・といったモノ。
 で、私ヌルボ、自分の現状を深刻に自覚しなくては、と先に書いたのは、この①~③を昨2017年失くしてしまったという事実に直面したからです。

 いや、1つは幸いにして見つかったんですけどね。いやあ、ホント幸いにして・・・。
 それは①のノートパソコン。以下はそのテンマツです。
 8月のある土曜の夜、大船のある公共施設を出て、大船駅から電車に乗って、横浜駅で降りて、歩いて帰宅途中スーパーで買い物をして、自宅に帰って鞄を開けるとパソコンがケースごとないのに気がついた次第。
 翌朝から大船の施設、大船駅と付近の交番、横浜駅、スーパーに足を運んだもののわからず。自宅(!)も探したりして・・・。(笑)
 とりあえず近所の警察署に遺失物届は出したものの、途方に暮れるばかり。公私のツキアイのある人たちの情報、各種文書、旅行等々で撮り溜めてきた数千枚(?)の写真等々。外付けハードディスク等にマメにデータを保存しておけばよかった、と思っても後の祭り。
 あーあ・・・と溜め息をつきつつ、ほとんどあきらめの心境に入りかけていた1週間後、②愛用のケータイ(ガラケー)に電話がかかってきました。

 「こちら、キミツ警察ですが・・・」
 「は?」
 「○○さんですね」
 「はい、そうですが・・・」(不安なキモチ)


 ・・・と、ここで私ヌルボがまず考えたのは、北朝鮮との関係が緊張化している折から、秘密のエージェントとして働いてほしい、という依頼か、それともスパイの疑いをかけられているのか・・・。(・・・というのは、1991年8月に北朝鮮旅行に行った時から公安関係の要注意人物のリストに名前が載っているフシがあるので・・・。)

 (電話の続き)
 「こちらで○○さんのノートパソコンをお預かりしています」
 (あ、パソコンにも北朝鮮関係のデータ・資料がたくさん入ってたな・・・)と思ったところでやっと理解しました。

 「あの、千葉県の君津警察署ですが・・・」
 「はいはい、あ、そうですか。どうもありがとうございます!」


 つまり、大船→横浜の横須賀線の電車内で置き忘れたのが、そのまま終点まで行ってしまったのでした。
 ・・・というわけで翌日受け取りに行ってきました。往復4千円近く費やしましたが、それでも無事戻ってきてホッとしたというか、いっぺんに元気を回復しました。やれやれ。

 この話を知人7、8人にしたら、すぐ君津とわかった人は2人くらいだったかな? 半数以上は私ヌルボ同様<機密>という文字が頭に浮かんだようでしたね。(笑)

 と、オチがついた(??)ところでこの物忘れ&忘れ物の話は終わり。・・・じゃなくて、ジツはこれも前書きその2、かな? 次回は本論の②ケータイの話です。