ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [7月27日(金)~7月29日(日)

2018-07-31 23:51:18 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸半世紀と少し前、10代だった私ヌルボはATGの会員になり、徳島ホールでいろんなヨーロッパ映画を観たものです。とくに感動したのが「誓いの休暇」(←8月4日国立映画アーカイブで上映)と「シベールの日曜日」。そして難解極まりなくて強く印象に残っているのが「第七の封印」でした。イングマール・ベルイマン作品で観たのは今までそれだけでした。(高校の同級生U君が「「処女の泉」に感激した」とコーフン気味に語っていたなー。) ところが7月21日から恵比寿ガーデンシネマで彼の作品13本をデジタル・リマスター版で上映するという<ベルイマン生誕100年映画祭>が始まっているではないですか。(大阪の第七藝術劇場では7月28日~。) そこでまずかつては見逃して悔いが残っている「野いちご」を30日観てきました。いや、「第七の封印」ほど難解ではありませんでした。が、なんとなく思っていたのと違う老医師が主人公の物語で、たぶん10代に観ていたらなぜ名作とされるのかわからなかったと思います。そして31日は12:40から始まって途中休憩を入れて18:15まで、正味は311分という大作の「ファニーとアレクサンデル」を鑑賞。プロローグとエピローグの間に第1~5部という構成で、最初の方はこれは途中で寝てしまうかも、という感じだったのがだんだんおもしろくなっていって、結局は「観てよかった!」。何がよかったのかというと、とても書き尽くせません。ラストのラストで同じスウェーデンの劇作家・小説家のストリンドベリの作品(「夢の戯曲」)の一節が引用されていて、それがベルイマンの作品に通底しているんだな、と思いました。今度は「第七の封印」に再挑戦してみるかな?
 ※[8月1日の付記] 「世界文学全集58 イプセン・ストリンドベリ」(講談社.1976)所収の「夢の劇」を見て、その<おぼえがき>の冒頭の次の部分が引用された箇所であることを確認しました。
 作者はこの夢の劇で・・・夢の形式を再現しようと試みた。ここではいかなることも起こりえ、なされうる。時間空間は存在せず、基盤となる現実世界はおぼろげで、記憶、経験、奔放な空想、不合理性、即興性が想像力の助けによって新しい模様に織り上げられる。

「万引き家族」の韓国での上映が始まりました。韓国題は「어느 가족(ある家族)」なんですね。そういえば、<万引き>にピッタリの韓国語はなさそうだからなー。도둑(泥棒)でもないし、절도(窃盗)ともちょっと違うし・・・。下の記事でも書いたように、この作品に対する韓国の人たちの評価はとても高いと言ってよさそうです。
    
「朝鮮日報」7月27日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

놀랍도록 앙상한 블록버스터
임중경은 경찰 정예 요원 ‘인랑(人狼)’의 일원이다. 강화복을 입으면 총을 맞아도 죽지 않는다.

 《週末の劇場街》で紹介

  「人狼」


   驚くほどスカスカなブロックバスター

 [写真説明] イム・ジュンギョンは警察の精鋭要員「人狼」の一員だ。強化服を着れば銃に当たっても死なない。

 「万引き家族」
   限界を知らぬ是枝監督 ★★★★



 「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」

   いつも基本はやるトム ★★★


 「ミラノ、愛に生きる」

   やはりステキな通俗劇 ★★★

 上記の各作品については、以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(7月31日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) アイラ  9.56(1,145)
②(2) ダンガル きっと、つよくなる  9.55(1,573)
③(3) ハー・ストーリー(韓国)  9.42(2,082)
④(4) ワンダー 君は太陽  9.41(2,208)
⑤(-) 海賊王ザックストーム  9.31(118)
⑥(5) インクレディブル・ファミリー  9.26(6,893)
⑦(-) 万引き家族(日本)  9.23(644)
⑧(6) ブリーズ  9.24(211)
⑨(-) ミッション:インポッシブル/フォールアウト  9.16(10,941)
⑩(9) 聖なる秩序  9.05(38)

 ⑤⑦⑨の3作品が新登場です。
 ⑤「海賊王ザックストーム」は、韓国・フランス合作のアニメ。パパの持つ<ベルの目>ネックレスが欲しくてたまらない、好奇心いっぱいの少年ザク・ストーム。 ある日お父さんの目を盗んでそれを手に入れた彼は、サーフィンを楽しんでいた間に渦に巻き込まれてバミューダトライアングルに迷い込んでしまいます。広い海で偶然出会った幽霊のクロービスと、物言う刀カラーブラスからバミューダ島の7つの海の伝説を聞いたザク・ストームは、家に戻るために最強のドリームチームを作ります。一方、<ベルの目>とカラーブラスを手に入れようと、7つの海の悪役スキャリバーと彼の右腕ゴールデンボーンがひそかに動き始めます。はたしてザク・ストーム」はバミューダトライアングルを抜け出て真の海賊王になれるでしょうか? 韓国題は「해적왕 작스톰」です。
 ⑦「万引き家族」と⑨「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 顔たち、ところどころ  8.86(7)
②(-) 万引き家族  8.13(8)
③(2) ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ  8.00(7)
④(4) 犬ヶ島  7.50(10)
⑤(5) 瑞山[ソサン]開拓団(韓国)  7.50(2)
⑤(5) メイプルソープ  7.50(2)
⑦(-) ミッション:インポッシブル/フォールアウト  7.43(7)
⑧(7) CUSTODY/カストディ  7.40(10)
⑨(8) 聖なる秩序  7.40(5)
⑩(9) インクレディブル・ファミリー  7.33(9)

 ②「万引き家族」と⑦「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」の2作品が新登場です。いずれについても後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月27日(金)~7月29日(日) ★★★

         1位「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」、一気に300万人突破

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・ミッション:インポッシブル ・・7/25 ・・・・・・・・2,304,640・・・・・・・3,299,682 ・・・・・・・27,999・・・・・・・1,957
       /フォールアウト
2(1)・・インクレディブル・ファミリー・・7/18・・・・・・・・・491,225・・・・・・・2,264,259 ・・・・・・・18,745 ・・・・・・・・990
3(25)・・人狼(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・7/25・・・・・・・・・・363,449 ・・・・・・・・759,373 ・・・・・・・・5,900 ・・・・・・・・977
4(新)・・神秘アパート・・・・・・・・・・・・・・・7/25・・・・・・・・・・242,522・・・・・・・・318,933 ・・・・・・・・2,416 ・・・・・・・・762
       金色トッケビと秘密の洞窟(韓国)
5(2)・・アントマン&ワスプ・・・・・・・・・・7/04 ・・・・・・・・・・57,118・・・・・・・5,405,063 ・・・・・・・47,126・・・・・・・・・357
6(3)・・魔女(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/27 ・・・・・・・・・・38,729・・・・・・・3,163,962 ・・・・・・・27,037・・・・・・・・・263
7(30)・・万引き家族(日本) ・・・・・・・・・・・7/26 ・・・・・・・・・・28,854 ・・・・・・・・・38,582・・・・・・・・・・331・・・・・・・・・126
8(8)・・神は死ななかった・・・・・・・・・・・・7/19 ・・・・・・・・・・・7,053 ・・・・・・・・・63,049・・・・・・・・・・499・・・・・・・・・・92
       暗闇の中の光
9(12)・・聖なる鹿殺し ・・・・・・・・・・・・・・7/12・・・・・・・・・・・・4,322 ・・・・・・・・・52,337・・・・・・・・・・458・・・・・・・・・・33
       キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
10(89)・・ミラノ、愛に生きる・・・・2011/1/20・・・・・・・・・・・・3,495 ・・・・・・・・・40,402・・・・・・・・・・319・・・・・・・・・・30
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・3・4・7・10位の5作品です。
 1位「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」は、アメリカの人気スパイアクション映画シリーズの第6弾。日本公開は8月3日ということで、すでに諸情報がいっぱい。トム・クルーズ、「トップガン」(1986)や「レインマン」(1988)からもう30年か。四捨五入すれば60歳という年なのに、よくがんばってるのー。韓国題は「미션 임파서블: 폴아웃」です。
 3位「人狼」は、韓国のSF&アクション。押井守原作・脚本のアニメ「人狼」(2000年公開)をベースに、近未来の朝鮮半島を舞台にして実写映画化した作品。韓国・北朝鮮両政府が統一準備5ヵ年計画を宣言した後、超大国の経済制裁が続いて 民生が悪化するなど地獄のような時間が続いている混沌した状況の2029年。統一に反対する反政府武装テロ組織<セクト>登場すると、<セクト>を鎮圧するために設立された大統領直属の新しい警察組織<特技隊>が政局の主導権を掌握します。これにより立場がなくなった情報機関<公安部>は<特技隊>を抹殺することを企てます。絶対権力機関の間の暗闘の中で、<特技隊>内の秘密組織<人狼>の噂が飛び交い始めます。それは狼と呼ばれた人間兵器です・・・。カン・ドンウォン、ハン・ヒョジュ、チョン・ウソン等の人気俳優を取り揃えてスタートしたのに評価は芳しくないんですよねー。上記の「朝鮮日報」《週末の劇場街》では異例のめちゃんこ批判記事だし、専門家10人の平均評点は5.80止まり、ネチズンの平均はそれ以下の4.22と、早々と惨敗確定と言ってよさそう。原題は「독전: 익스텐디드 컷」です。
 4位「神秘アパート:金色トッケビと秘密の洞窟」は、韓国のアニメ。築100年を超える神秘アパートに住んでいるハリとドゥリ兄妹と102歳のトッケビ(お化け)のシンピは、 偶然森の中に隠された秘密の洞窟を発見します。洞窟の力に巻き込まれて22年前の過去1996年にタイムスリップしたハリとドゥリとシンピは、アパートが消えた村で子供の頃の母ユ・ジミに出会います。彼女の宝の地図に沿って一緒に冒険に旅立ったハリとドゥリとシンピは金色トッケビのクムビと出会い、一緒に冒険を続けるのですが・・・。原題は「신비아파트: 금빛 도깨비와 비밀의 동굴」です。
 7位「万引き家族」は、ネチズン、専門家双方ともなかなか以上に高い評価を得ています。「万引き家族」と「中央日報」「朝鮮日報」等で検索すると関連記事がヒットします。韓国題は「어느 가족」です。
 10位「ミラノ、愛に生きる」は、イタリアの旧作(2009年)のドラマ&ラブロマンスの再上映。日韓とも2011年に公開されていますが、日本ではさほどの高評価でもなく、むしろその逆で、私ヌルボも未見です。韓国ではむしろ評判がいいようで、専門家10人の平均評点は8.60と、驚くほどの高さ。なんで? 韓国題は「아이 엠 러브」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(9)・・万引き家族(日本) ・・・・・・・・・・・・・・7/26 ・・・・・・・・・・28,854・・・・・・・・・38,582・・・・・・・・・・331・・・・・・・・・126
2(2)・・神は死ななかった・・・・・・・・・・・・・・7/19 ・・・・・・・・・・・7,053・・・・・・・・・63,049・・・・・・・・・・499・・・・・・・・・・92
       暗闇の中の光
3(4)・・聖なる鹿殺し ・・・・・・・・・・・・・・・・・7/12・・・・・・・・・・・・4,322・・・・・・・・・52,337・・・・・・・・・・458・・・・・・・・・・33
       キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
4(47)・・ミラノ、愛に生きる・・・・・・・2011/1/20・・・・・・・・・・・・3,495・・・・・・・・・40,402・・・・・・・・・・319・・・・・・・・・・30
5(1)・・ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~・・6/21・・・・2,613・・・・・・・・323,977 ・・・・・・・・2,662・・・・・・・・・・39

 1位「万引き家族」、4位「ミラノ、愛に生きる」が新登場ですが、両作とも上述の通りです。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [7月20日(金)~7月22日(日)]

2018-07-24 19:27:54 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸この1週間で映画4作品鑑賞。それも、「孤狼の血」「レディプレーヤー1」「カメラを止めるな!」と世評の高いものを私ヌルボも続けて観て「なーるほど」とナットク。時代は昭和→現在→未来で、製作費も俳優・スタッフのアタマ数も全然違いますが、オモシロイものはオモシロイ! おかげでちょっとシアワセな1週間でした。

「孤狼の血」は、東映の△のロゴマークと荒磯に波のバックと、最初からそんな雰囲気で、カラーもまた昭和テイスト。いやー、昭和は遠くなりにけりですなー。ただ、考えてみれば厳密にはヤクザ映画というより警察映画なんで、そこらへんがちょっと気になります。

「カメラを止めるな!」の上映館は神奈川では川崎のチネチッタだけ。(8/11~シネマ・ジャック&ベティでも上映。) そのチネチッタに22日(日)18:20の回の30分ほど前に行ったらすでに売り切れ。2時間15分KFCで時間潰してやっと観ることができました。この映画のおもしろさをネタバレにならないように紹介するのはむずかしいです。とてもよく練られた脚本で、私ヌルボ、内田けんじ監督の「運命じゃない人」を思い出しました。「桐島、部活やめるってよ」とかも・・・。上田慎一郎監督のインタビュー記事を読むとどちらも観ていて、とくに後者は「劇場で3回観ましたし、DVDでは何十回見直したか分からないほど」とのこと。やっぱりねー。この映画についてネタバレにならずうまく紹介している記事は→コチラ

▸7月18日は、韓国文化院で「火車」を鑑賞。<日本小説原作の韓国映画>シリーズの2つ目ですが、宮部みゆきの原作読んじゃってるからなー。どう作ってもあの原作に及ぶべくもない、というのが正直な感想です。

1つ前の記事で、今公開中の「ワンダーランド北朝鮮」に少しふれています。
    
「朝鮮日報」7月20日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

죄를 감출 희생양 찾는 남자
아이들에게 자꾸 이상한 일이 생기자 사이 좋은 부부였던 안나(왼쪽)와 스티븐도 삐걱거리기 시작한다.

 《週末の劇場街》で紹介


  「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」

   罪を隠すスケープゴートを探す男

 [写真説明] 子供たちに何度も異常なことが起きると、仲の良い夫婦だったアンナ(左)とスティーブンの間もぎくしゃくし始める。

 「インクレディブル」
   久しく待った甲斐あり ★★★★


 「スカイスクレイパー」

   旧態依然の筋肉男活劇 ★★



 「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」

   よくある話でも新味が ★★★


 上記の各作品については、以下の記事または先週の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(7月24日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) アイラ  9.56(1,086)
②(2) ダンガル きっと、つよくなる  9.55(1,561)
③(3) ハー・ストーリー(韓国)  9.44(1,985)
④(4) ボムシェル:ヘディ・ラマー・ストーリー  9.28(117)
⑤(-) インクレディブル・ファミリー  9.26(3,885)
⑥(5) ブリーズ  9.23(209)
⑦(6) バナナソングの奇跡(韓国)  9.18(62)
⑧(7) 映画しまじろう まほうのしまの だいぼうけん(日本)  9.02(130)
⑨(-) 聖なる秩序  9.00(32)
⑩(9) アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー  8.97(34,019)

 ⑤「インクレディブル・ファミリー」だけが今回の新登場ですが、この作品については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 顔たち、ところどころ  8.86(7)
②(-) ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ  8.00(7)
③(2) バーニング(韓国)  7.69(13)
④(5) 犬ヶ島  7.50(10)
⑤(6) 瑞山[ソサン]開拓団(韓国)  7.50(2)
⑤(6) メイプルソープ  7.50(2)
⑦(8) CUSTODY/カストディ  7.40(10)
⑧(9) 聖なる秩序  7.40(5)
⑨(-) インクレディブル・ファミリー  7.33(9)
⑩(10) 聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア  7.14(7)

 ②⑨の2作品が今回の新登場です。
 ②「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」はパキスタンからシカゴに移住した男性とアメリカ人女性が宗教等の違いを乗り越えて結婚をめざす物語。日本では2月に公開されています。韓国題は「빅 식」です。
 ⑨「インクレディブル・ファミリー」については後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月20日(金)~7月22日(日) ★★★

         日本より2週間早い公開 「インクレディブル・ファミリー」が1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(17)・・インクレディブル・ファミリー・・7/18・・・・・・1,121,774・・・・・・・1,364,575 ・・・・・・・11,652 ・・・・・・・1,605
2(1)・・アントマン&ワスプ・・・・・・・・・・7/04 ・・・・・・・・・492,286・・・・・・・5,202,992 ・・・・・・・45,510・・・・・・・・・897
3(3)・・魔女(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/27 ・・・・・・・・・320,832・・・・・・・3,000,341 ・・・・・・・25,721・・・・・・・・・757
4(2)・・スカイスクレーパー・・・・・・・・・・7/11 ・・・・・・・・・164,727 ・・・・・・・・951,721 ・・・・・・・・8,210 ・・・・・・・・628
5(新)・・督戦[トクジョン]・・・・・・・・・・・・7/12・・・・・・・・・・76,701 ・・・・・・・・111,528・・・・・・・・・・686・・・・・・・・・398
       :エクステンデッド・カット(韓国)
6(新)・・ホテル・アルテミス・・・・・・・・・・7/18 ・・・・・・・・・・36,731 ・・・・・・・・・64,954・・・・・・・・・・547・・・・・・・・・448
7(7)・・ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~・・6/21・・27,058 ・・・・・・・306,648 ・・・・・・・・2,535・・・・・・・・・156
8(42)・・神は死ななかった・・・・・・・・・・・7/19 ・・・・・・・・・・24,669 ・・・・・・・・・40,669・・・・・・・・・・327・・・・・・・・・179
       暗闇の中の光
9(4)・・ひそひそ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・7/13・・・・・・・・・・・17,484 ・・・・・・・・212,521 ・・・・・・・・1,862 ・・・・・・・・167
10(新)・・さよならの朝に約束の花をかざろう(日本)・・7/19 ・・16,359 ・・・・24,510・・・・・・・・・・214・・・・・・・・・117
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・5・6・8・10位の5作品です。
 1位「インクレディブル・ファミリー」は、アメリカのアニメ。2004年公開の「Mr.インクレディブル」の続編です。前作で悪と戦い人々を守ってきたMr.インクレディブルことボブですが、その驚異的なパワーに非難の声が高まり活動を禁じられていた・・・というのは近年の風潮の反映? 彼が再びヒーローに戻れるチャンスがやってきて、彼の他にもそれぞれスーパーパワーを持った家族全員が新たなミッションに挑む、ということのようです。韓国題は「인크레더블 2」。日本公開は8月1日です。
 5位「督戦[トクジョン]:エクステンデッド・カット」は、「督戦[トクジョン]」の拡張版。元の方は→5月30日の記事で紹介しました。観客動員500万人を超えたヒット作となりましたが、末等についていろいろな意見や解釈が出され、監督版公開の要請が殺到している」とのことでこのバージョンが公開されたようです。そしてこの拡張版では8分追加され、なんと違う結末になってる(!?)とか・・・。原題は「독전: 익스텐디드 컷」です。
 6位「ホテル・アルテミス」は、ジョディ・フォスター主演のアメリカの近未来サスペンス・アクションです。時代は2028年。警察権力の強化が進む一方で犯罪組織によるビジネスも隆盛を極めています。ホテル・アルテミスもその1つの犯罪者専用病院ホテルで、無免許医師のジーン・トーマス(ジョディ・フォスター)が、看護師エベレスト(デイヴ・バウティスタ)と共に「殺人禁止・武器禁止・侮蔑語禁止」といった厳しいルールと信頼を基にここを22年間運営してきました。ある日、銃傷を負った銀行強盗の兄弟ワイキキ(スターリング・K・ブラウン)とホノルル(ブライアン・タイリー・ヘンリー)がやってきます。病院にはすでにベテランの殺し屋でワイキキの元カノのナイス(ソフィア・ブテラ)、武器商人のアカプルコ(チャーリー・デイ)という2人の患者がいる上、ホテルの経営者ウルフ・キング(ジェフ・ゴールドブラム)はマフィアのボスとは! こんな連中が集まったとなると「すべてのルールが崩れ、オープン以来最もにぎやかな夜が始まる」というのも当然だな。韓国題は「호텔 아르테미스」。日本公開は未定のようです。
 8位「神は死ななかった:暗闇の中の光」は、2015年に始まるアメリカの「神は死ななかった」シリーズの第3作。韓国ではすべて上映されているのは、このシリーズがキリスト教ドラマだからです。本作は、150年間ある大学のキャンパス内にある教会が、新しい建物を建てるという大学側から退去を求められるという状況の中、大学との葛藤が深まり、自身の信仰さえ揺らいでいく牧師を主人公に、絶望の果ての、すべての人が見出すべき真実を追求します・・・。韓国題は「신은 죽지 않았다 3: 어둠 속의 빛」です。
 10位「さよならの朝に約束の花をかざろう」は、(例によって)私ヌルボ未見ですが、その理由はあらすじを見て「ポーの一族」が思い浮かんだからです。実際のところ、どうなんですかねー? 韓国題は「이별의 아침에 약속의 꽃을 장식하자」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~・・6/21・・・27,058・・・・・・・・306,648 ・・・・・・・・2,535・・・・・・・・・156
2(16)・・神は死ななかった・・・・・・・・・・・・・7/19 ・・・・・・・・・・24,669・・・・・・・・・40,669・・・・・・・・・・327・・・・・・・・・179
       暗闇の中の光
3(2)・・聖なる鹿殺し ・・・・・・・・・・・・・・・・・7/12・・・・・・・・・・・・9,872 ・・・・・・・・・41,169・・・・・・・・・・380・・・・・・・・・・47
       キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
4(17)・・ビッグ・シック ・・・・・・・・・・・・・・・7/18・・・・・・・・・・・・5,605 ・・・・・・・・・・9,790・・・・・・・・・・・81・・・・・・・・・137
       ぼくたちの大いなる目ざめ
5(3)・・今夜、ロマンス劇場で(日本)・・・・・7/11・・・・・・・・・・・・3,112 ・・・・・・・・・33,584 ・・・・・・・・・・285・・・・・・・・・101

 2・4位の2作品が今回の新登場ですが、2位「神は死ななかった」、4位「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」の両作とも上述しました。
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韓国に来て間もない脱北者を当惑させる質問 ▸▸▸ 「趣味は何ですか?」 そして・・・

2018-07-22 01:29:40 | 北朝鮮のもろもろ
 初めて脱北者の手記を読んだのは姜哲煥・安赫(アン・ヒョク)「北朝鮮脱出」(1995)だったかな? その後全部で20冊は読んだかも・・・。最近では、リ・ハナ「日本に生きる北朝鮮人リ・ハナの一歩一歩」(アジアプレス)を読みました。両親が<帰国事業>で北朝鮮に渡った在日2世で、彼女は中国を経て2005年に韓国ではなく日本にやってきました。そんな彼女が、日本での生活を中心として書いた本です。
 昨年は、パク・ヨンミ「生きるための選択」(辰巳出版)と、イ・ヒョンソ「7つの名前を持つ少女」(大和書房)の2冊を読みました。2人ともアメリカで英語によるスピーチで自身の体験を語り、大きな反響を呼んだ女性で、→2015年コチラの記事で紹介しました。(スピーチの動画あり。)

 脱北者の手記では、北朝鮮での厳しい生活(とくに多数の餓死者が出た90年代後半)、命がけの国外脱出、中国での公安の目を避けて隠れ暮らした日々、家族との生き別れ、あるいは北朝鮮の政治犯収容所や拷問、公開処刑等について記されているものもあります。
 何冊もそうした本を読んでいると、最初に読んだ当時の衝撃はほとんどなく、「やっぱりな・・・」と、ほとんど再確認といったことになります。
 
 そんな中、上掲のパク・ヨンミ「生きるための選択」で久しぶりに(?)驚いた記述がありました。決して上述のような悲惨な体験というものではありませんが・・・。
 韓国に来たばかりの脱北者たちに、適応教育、つまり韓国で生活するにあたっての必要な知識・常識を教えるハナ院でのことを記した部分です。

 ほかの脱北者も同じかどうかわからないが、私にとって一番大変だったのは、クラスで自己紹介をすることだった。自己紹介のやりかたをほとんどだれも知らなかったので、教師が一から教えてくれた。まず最初に、名前と歳と言う。次に自分の趣味や、好きなミュージシャンや映画スターについて話し、最後に、将来何になりたいかを話す。自分の番になったとき、私は固まってしまった。そもそも“趣味”とはなんなのかわからなかった。自分の楽しみや喜びのためにすることだと説明されても、何も思いつかなかった。北朝鮮では、国や政権を喜ばせることだけが目的とされていたし、“私”が大きくなったら何になりたいかなんて誰も気にしなかった。北朝鮮に“私”はない。あるのは“私たち”だけ。この自己紹介の練習に困惑した私は、ただもじもじしていた。
 すると教師が助け舟を出してくれた。「むずかしければ、あなたの好きな色を教えて」 そう言われて、私はまた固まった。


 <言葉>がないということは、それが示す<概念>もないということ。
 ある記事によれば、20年ほど前(?)まで北朝鮮には<人権>という言葉はなかったとか。もう少しはっきりした記憶では、北朝鮮に<障碍者>という言葉はなく、あるのは昔からの差別意識を含んだ言葉だけ。日本でも私ヌルボの幼い頃(1950年代)はそうだったか・・・。また<自由>という言葉も北朝鮮では使われるとしても、<資本主義>と同じ範疇の否定的な意味合いで、日本や韓国その他とは違うようです。日本でも近代初頭は「そんな自由勝手な振る舞いは許されませぬ!」というふうに良くない意味で使われたそうですが。
 話を戻します。<趣味>という言葉の意味が北朝鮮の人にはわからないとは初めて知りました。(皆そうなのか?は未確認ですが。)
 また、ここに書かれている自己紹介のしかたは日本や韓国では定番(←この言葉は70年代頃までなかった)なのでしょうが、はたして国際基準といえるものなのかどうか? 少なくとも北朝鮮にはない、ということがわかります。もちろん、この部分のポイントは、それ以前の、(他の人とは違う存在としての)自分という個人をアピールするということ自体が北朝鮮では考えられないということです。
 さて、「あなたの好きな色を教えて」と言われて、「私はまた固まった」というその理由は・・・。

 北朝鮮の学校では、なんでも丸暗記するよう教えられるし、ほとんどの場合に正解はひとつしかない。だから、教師に好きな色を尋ねられたとき、必死に“正解”を出そうとした。あるものがべつのものよりいいと考えられる理由を合理的に判断する、私はそういう批判的思考のやりかたを教わったことがなかった。
 教師が言った。「そんなにむずかしくないでしょう? じゃあ私から言うわね。私の好きな色はピンクよ。あなたは?」
 「ピンクです!」 ようやく正解を教えてもらえたことにほっとしてそう答えた。

 韓国に来て、最初のうちは「あなたはどう思う?」という質問が嫌いだった。私の意見なんて誰が気にするんだろうと思っていた。自分の頭で考えられるようになり、自分の意見が大事な理由を理解できるようになるまでには、長い時間がかかった。でも、自由な社会で暮らすようになって五年たったいまは、好きな色はスプリング・グリーンであり、趣味は読書とドキュメンタリーを観ることだとちゃんと答えられる。もうほかの人の答えをまねたりはしない。


 このハナ院の先生は、「自己紹介のやりかた」の最後に、「将来何になりたいかを話す」と教えていますが、これもまた北朝鮮の人々、そして脱北者にとっては非常にむずかしい問題です。パク・ヨンミさんは「“私”が大きくなったら何になりたいかなんて誰も気にしなかった」と書いている背景には、北朝鮮の社会事情があります。
 別のページで彼女は次のように記しています。

 ハナ院で習ったことのなかには、理解できないこともたくさんあった。でも、何度も繰り返し聞いたある言葉は強く印象に残っていた。「民主的な社会では、努力すれば報われる」 最初は信じなかった。北朝鮮ではそんなことはない。努力が報われるのは、出身成分がよくて、コネに恵まれている人だけだ。

 <出身成分>とは、身分のようなもの。(→ウィキペディア。) 上から「核心階層」(約30%)、「動揺階層」(約50%)、「敵対階層」(約20%)の3つに大別され、それにより、居住地や住宅のレベル、進学や就職等まで規定されるということです。たとえば、祖父が地主だったり、親戚が朝鮮戦争の時「南」に逃げたりしたら、家族や自分自身に落ち度がなくても「敵対階層」とされます。
 この出身成分コネが大きく将来を左右するという点についてはイ・ヒョンソ「7つの名前を持つ少女」にも同様の記述があり、次のような具体例も記されていました。

 敵対階層でも何とか[大学を]受けることができ、合格までした女の子がクラスに一人だけいたが、結局、入学は許されなかった。

 この女の子の心情を思うと胸が痛みます。(朝鮮総聯の人はホントに「成分」などはないと思っているのですか?)

 過日、韓国出身でドイツ国籍の女性監督が「北朝鮮の人たちの自然な姿を撮りたい」という姿勢で取材・撮影したドキュメンタリー映画「ワンダーランド北朝鮮」を観ました。
 その中で、監督が1対1で北朝鮮の人に質問をする場面が数ヵ所ありました。観ていた私ヌルボ、そんなシーンで少しハラハラしたのは、まさに上述のような「北朝鮮の人にはむずかしい質問」が含まれていたからです。
 この映画の感想を検索をしたら、私ヌルボと同じ箇所に注目した方がいらっしゃいました。(→コチラ。) そのソラアキラさんのレビューの一部をそのままコピペさせていただきます。

 終始にこやかな表情で、夫との出会いなどをよどみなく語っていたきれいな顔立ちの奥様(この辺はプロパガンダ)ですが、「あなたの夢は?」と聞かれると、しばし沈黙…。にこやかな表情にもうっすら苦悶がよぎります
 おそらくこの質問、台本(当局に事前にインタビュー事項を出しているはずなので)にない、監督のアドリブだったのでしょう(監督の攻めですね)。微妙に間があいて、奥様はやっとこう答えます。
「昔は…、舞台に立つのが、夢でした」。
 夢を思い描くことなんてずっと忘れていた、と言いたげな言葉、表情でした。
 中高年や高齢者が、夢を即答できる国。
 きっとそんな国がほんとうの意味で、幸せな国なのでしょう。

 一方、前出の若い工員女性は、即答でした。「いつか独創的な服を作って世界中の人に着てもらいたい」というのが彼女の夢。
 でも監督が「デザイナー(日本語とほぼ同じ発音)になりたいのね?」とハングルで聞くと、女子工員は「デザイナーって何?」と聞き返します。監督が説明し、「あ、設計家ね」と工員は理解します。この言葉における南北の差にも、2国家間の歴史の「リアル」が感じられます。


 どうも監督は韓国人に訊くように、軽く質問したのではないでしょうか? そしてその質問の<重さ>に後で気づくこともなかったのでは、と私ヌルボは思いました。(「デザイナー」の語の持つ、<芸術家>で多くの人の<憧れの職業>というイメージが「設計家」にあるのか、大いに疑問。)
 今の日本でも、いろんな場面で「あなたの夢は?」と問いかけます。先生は生徒に「夢を持て!」と言います。しかし、たとえば江戸時代にタイムスリップしたとして、日々過酷な労働に明け暮れている水吞百姓の夫婦や子供に「あなたの夢は?」と訊けますか? 相手によっては、時代や国によっては、こうした質問は神経を逆なでしたり、あるいは残酷なものにもなってしまうことは、ちゃんと留意しておきたいものです。
 (ハナ院の先生は、脱北者のとまどいを承知の上で、自己紹介といった「形式」だけではない南北の違いを悟らせるための「適応教育」を意識的にやっているのかどうか、よくわかりません。)
コメント (2)
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [7月13日(金)~7月15日(日)]

2018-07-17 21:52:05 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸あれまー。先週の記事の冒頭で、「菊とギロチン」について「これはとても良かった! いや、今年の日本映画ベストかも。」と書きました。そしてたった今「毎日新聞」の夕刊を見たら、なんと1面トップで「1,005もガップリ女相撲」という見出しで女相撲のこと、女人禁制のことと共にこの映画のことが写真付きで載ってるではないですか。→コチラ参照。

▸7月10日は、韓国文化院で「容疑者X 天才数学者のアリバイ」を鑑賞。<日本小説原作の韓国映画>と題したシリーズ3作品の1つ目。東野圭吾の原作本は「ナミヤ雑貨店の奇蹟」等とともに、韓国でもロングセラーになっています。しかし私ヌルボ、原作本も日本の映画も見てないのでなんとも・・・。日韓の両作品とも観た人の感想に、「人間ドラマの切なさ、哀しさは韓国の方が優っている」とありましたが、どうでしょうか? ストーリー&トリックの大枠はそのままですが、主要人物の構成はわりと変えているようです。
 このシリーズの2作目は「火車 HELPLESS」で上映日は18日(水)。あ、明日だ! 午後3時からの回は事前の申込みナシ、無料で観られます。これは観てないから行かなくちゃ。3作目の「凍える牙」(26日(木)上映)も同様です。

▸この1週間観たのは上記「容疑者X」だけ。懸案の作品が増えるばかりです。まあ、しばらく待っていれば近所のシネマ・ジャック&ベティで上映してくれるのですがね。なお、近日公開作品で一番の期待作は「ウインド・リバー」です。韓国では昨年9月の公開作品。待ちかねたぞー。

※次の記事は、今公開中の「ワンダーランド北朝鮮」に少し関係のあることを書く予定です。
    
「朝鮮日報」7月13日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

루저는 어떻게 전설이 됐을까
맨체스터에 사는 스티븐 패트릭 모리세이(가운데)는 런던 무대에서 노래하고 싶지만 좀처럼 용기를 내지 못한다.

 《週末の劇場街》で紹介


  「イングランド・イズ・マイン」


   負け犬はいかにして伝説となったか

 [写真説明] マンチェスターに住むスティーブン・パトリック・モリッシー(中央)はロンドンの舞台で歌いたかったが、なかなか勇気を出せなかった。

 「アントマン&ワスプ」
   軽く小さく、笑っちゃう ★★★


 「辺山」

   主題は青春、画法は親父 ★★★



 「聖なる秩序」

   女性が描く全うな世界 ★★★


 「イングランド・イズ・マイン」は80年代のUKロックの人気バンド、ザ・スミスのリードボーカルであるモリッシーの若き日を描いたドラマ。「聖なる秩序」(仮)は直接民主制で知られる国スイスで長く認められてこなかった女性参政権獲得のために闘った女性たちの物語。他の作品も含め、すべて先週の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(7月17日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) アイラ  9.59(1,002)
②(-) ダンガル きっと、つよくなる  9.57(1,539)
③(2) ハー・ストーリー(韓国)  9.48(1,785)
④(4) ボムシェル:ヘディ・ラマー・ストーリー  9.29(116)
⑤(-) ブリーズ  9.22(207)
⑥(3) バナナソングの奇跡(韓国)  9.18(62)
⑦(7) 映画しまじろう まほうのしまの だいぼうけん(日本)  9.02(127)
⑧(-) 家族(韓国)  9.02(48)
⑨(8) アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー  8.97(33,920)
⑩(-) 顔たち、ところどころ  8.95(226)

 ⑧「家族」だけが今回の新登場です。韓国のドラマ。過去の過ちにより家族に見放されたチェグ(ユン・バク)は、賭博場と工事現場を転々としながらむなしい日々を過ごしています。ある日彼は、飯が食えると思ってたまたま立ち寄った葬儀場でスンシク(シン・ジョングン)に出会います。優しそうに見えるスンシクに頼んで、チェグは一晩彼の家に泊めてもらいます。チェグとスンシクは翌朝別れますが、スンシクが仕事を終えて帰宅すると、戻って来ていたチェグと出くわします。家族第一の父親スンシクと母親エシム(チャン・ソヨン)、そしてたくましい女の子スニョン(コ・ナヒ)。彼らの日常に突然押しかけた客のチェグは、はたして「招かれざる客」なのか、それとも新しい「家族」なのか? 原題は「식구」です。日本だと(良し悪しは別として)「ウザったいヤツだな」と敬遠されるのがふつう? 韓国では・・・。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 顔たち、ところどころ  8.86(7)
②(2) バーニング(韓国)  7.69(13)
③(3) 共同正犯(韓国)  7.67(9)
④(-) ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書  7.63(8)
⑤(4) 犬ヶ島  7.50(10)
⑥(5) 瑞山[ソサン]開拓団(韓国)  7.50(2)
⑥(5) メイプルソープ  7.50(2)
⑧(7) CUSTODY/カストディ  7.40(10)
⑨(8) 聖なる秩序  7.40(5)
⑩(-) 聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア  7.14(7)

  ⑩「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」だけが今回の新登場です。日本では、すでに3月に公開されています。韓国題は「킬링 디어」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月13日(金)~7月15日(日) ★★★

         「アントマン&ワスプ」が2週連続1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・アントマン&ワスプ・・・・・・・・・・7/04・・・・・・・・1,062,507・・・・・・・4,384,366 ・・・・・・・38,505・・・・・・・1,370
2(新)・・スカイスクレーパー・・・・・・・・・7/11 ・・・・・・・・・464,816 ・・・・・・・・615,921 ・・・・・・・・5,381 ・・・・・・・・812
3(2)・・魔女(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/27 ・・・・・・・・・387,297・・・・・・・2,476,876 ・・・・・・・21,248 ・・・・・・・・756
4(22)・・ひそひそ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・7/13 ・・・・・・・・・161,604 ・・・・・・・・164,146 ・・・・・・・・1,454 ・・・・・・・・314
5(3)・・辺山[ピョンサン](韓国)・・・・・・・7/04 ・・・・・・・・・・63,789 ・・・・・・・・438,480 ・・・・・・・・3,633 ・・・・・・・・484
6(4)・・探偵:リターンズ(韓国) ・・・・・・6/13 ・・・・・・・・・・28,983・・・・・・・3,133,044 ・・・・・・・26,765 ・・・・・・・・214
7(7)・・ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~・・6/21・・21,699 ・・・・・・・260,834・・・・・・・・2,199・・・・・・・・・143
8(5)・・幽霊船:時間の宝箱・・・・・・・・・・6/27 ・・・・・・・・・・19,085 ・・・・・・・・124,914 ・・・・・・・・・929・・・・・・・・・148
     ※中国語の原題「潜艇総動員:時光宝盒」
9(44)・・聖なる鹿殺し・・・・・・・・・・・・・・・7/12 ・・・・・・・・・・13,260 ・・・・・・・・・21,177・・・・・・・・・・200・・・・・・・・・・65
       キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
10(新)・・今夜、ロマンス劇場で(日本)・・7/11 ・・・・・・・・・・12,394 ・・・・・・・・・24,415・・・・・・・・・・210・・・・・・・・・144
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 あいかわらずアメリカのアクションの数字だけ目立っています。
 今回の新登場は2・4・9・10位の4作品です。
 2位「スカイスクレーパー」は、アメリカのアクション。香港にそびえ立つザ・パールは高さ1000mの超高層ビル。元FBI人質救出チーム隊長のウィル・ソーヤー(ドウェイン・ジョンソン)は、現在は高層ビルのセキュリティ監査を行っていて、このビルの98階に家族とともに試験的に暮らしています。ところがある日突然何者かによってザ・パールは爆破され炎上し、家族たちは高層階に取り残されてしまいます。そればかりか、ウィルは爆破テロリストの容疑者として指名手配を受けて逃亡することに。自らの疑いを晴らし、また何よりも家族たちを救出ために、彼は真犯人を見つけてしなければなりません・・・。韓国題は「스카이스크래퍼」。日本公開は9月21日です。
 4位「ひそひそ」は、韓国のホラー。この時期の定番ですね。修学能力試験(センター試験に相当)を終えた6人の高校生が、不気味な噂がある鬼神の家を偶然発見します。そこで死のささやきとともに仲間が1人ずつ消えてゆき、果てしない恐怖が彼らを襲います・・・。・・・って、よくある幽霊屋敷モノとどこが違うのかというと、(今は閉鎖された)遊園地という楽しいはずの場所が恐ろしい鬼神の家に・・・という反転の妙とか、そのウラには公園の所有者が自分の家族とかを殺害してきたとか、鬼神の家は洞窟構造になっていて、内部は迷路のように小道が複雑に絡み合い、いろんな部屋があって、たとえば浴槽に入っている不透明な液体の中には・・・(怖っ!)といった仕掛けが施されているようです。原題は「속닥속닥」です。
 9位「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」は、上述のように日本ではすでに公開されています。
 10位「今夜、ロマンス劇場で」は、私ヌルボ、観てませんのでなんとも・・・。評点はなかなか高かったようですが、あらすじを見て、ずっと前DVDで観たウディ・アレンの「カイロの紫のバラ」が思い出されたので観に行こうという気が起こりませんでした。今検索すると、その点にふれた記事がやはりいくつもありますね。韓国題は「오늘 밤,로맨스 극장에서」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~・・6/21・・・21,699 ・・・・・・・・260,834・・・・・・・・2,199・・・・・・・・・143
2(26)・・聖なる鹿殺し ・・・・・・・・・・・・・・・・7/12 ・・・・・・・・・・13,260 ・・・・・・・・・21,177・・・・・・・・・・200・・・・・・・・・・65
       キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
3(新)・・今夜、ロマンス劇場で(日本)・・・・7/11・・・・・・・・・・・12,394 ・・・・・・・・・24,415・・・・・・・・・・210・・・・・・・・・144
4(17)・・サバービコン 仮面を被った街・・7/12・・・・・・・・・・・・4,532 ・・・・・・・・・・6,572・・・・・・・・・・・58・・・・・・・・・・98
5(2)・・イングランド・イズ・マイン ・・・・・7/05・・・・・・・・・・・・1,514 ・・・・・・・・・・7,614・・・・・・・・・・・68・・・・・・・・・・27

 2・3・4位の3作品が今回の新登場です。
 2位「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」と、3位「今夜、ロマンス劇場で」については上述しました。
 4位「サバービコン 仮面を被った街」は、日本では5月に公開されています。韓国題は「서버비콘」です。
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[中級学習者向]韓国語の勉強になる! 韓国人用の日本語旅行会話帳

2018-07-15 23:47:47 | 韓国語あれこれ

 上は、何年か前にソウル・金浦空港内の売店でたまたま見かけて買った韓国人用の観光用日本語会話ブック「여행 일본어(旅行日本語)」です。その上の「현지에서 바로바로 써먹는」は、「現地で即利用する」といった意味。2009年8月発行で、値段は7千ウォン。ラクにポケットに入れられる小型本です。

 なぜこれを買ったかというと、自然な韓国語がわかるかなと思ったからです。
 [韓国語]→[日本語]の文例がたくさん載っているわけですが、日本語が堪能な韓国人が書いたとしても、見てみると不自然な日本語が目につくのはこれまでよくあることでした。
 しかし、[韓国語]の部分は日本人が書いた韓国語会話の本よりも自然な韓国語になっているのでは?、と思ったからです。

 で、実際に見てみると、「案の定」でした。

 たとえば、不自然な日本語を拾ってみると・・・。

     
 [左]上はどういう状況? 下、わかるけど「どこで降りたら(れば)いいですか?」が自然。[右]「あと1駅(ひとえき)です」とは言っても、5駅とは言わないでしょう。
 なお、「停留所」の日本語の発音のハングル表記は「테-류-죠」となっています。このように、長母音の場合は「-」をつけて区別しています。

     
 [左]下は明らかな間違い。ちゃんとチェックしなかった? 上も「知って」→「うかがって」でしょう。[右]韓国語だと「이 방이(この部屋が)ですが、日本語だと「この部屋は」。初~中級くらいで学習するのでは?

     
[左]「回」も「会」も同じ「회(フェ)」だから間違えちゃった? 日本語もぎこちないなー。「行きませんか?」なんですけど。この「~래요?」については後述。[右]「申告書はここ(これ)です」は、韓国語ではこういうのか。
 ・・・というわけで、間違いには韓国語の直訳というものが多いようです。ということは、日本人の話す韓国語にも同様のミスがあるってことですね。

 次に、韓国語のモトの文を見て思ったのは、日本人向きの韓国語会話テキストと比べると文末の表現がいろいろあること。たとえば・・・

     
 このような「~ㄴ가요?」とか、

     
 このような「~나요?」といった文末表現はたしかに韓国のラジオを聴くとよく出てきます。日本の韓国語テキストは昔はほとんど「입니까?」「합니까?」ばかり。近年は「헤요?」「예요?/이에요?」もずいぶん増えましたが・・・。
 ちなみに、google翻訳では「料金はいくらですか?」は「요금은 얼마입니까?」、「朝食は何時ですか?」は「아침 식사는 몇시입니까?」、「改札口はどこですか?」は「개찰구는 어디에 있습니까?」と、おなじみのイムニダ・ハムニダ体で変換されます。

     
 「買いたいのですが。」なら「사고 싶은데요.」だろう、と思うのはgoogle翻訳も私ヌルボも同じなんですけど・・・。そうか、「려고요.」ねー。「~(し)ようと(思って)・・・」ということですが、先の「~ㄴ가요?」、「~나요?」同様、当たりの柔らかい感じがしますが、ずっと以前からそうなのか、「~같아요」のように(→コチラ参照)最近増えてきているのか、そこらへんはよくわかりません。(今度韓国サラムに訊いてみよう、と・・・。)

 韓国語学習者にとって役に立つのは、韓国語独自の言い方や単語がいろいろわかることです。その例を少しだけ例示します。

     
 [左]「神経使わないでください」。まあ直訳でも通じないでもないし、日本人もこう言うことはありますけどね。[右]「海に接した」というのか。これは知らなかったです。窓を開けたらすぐ下が海!という感じですね。

 
 [左]「날라」を「飛ばして」と思っちゃいそう。「飛ばして」だと「날려」となります。その辞書形はもちろん「날다」。この「날라」の辞書形は「나르다」で、「運ぶ・運送する」の意。[右]「리필」は韓国のファーストフード店等でよく見かける言葉ですが、韓国語学習者の皆さんの間でどれくらい知られているか見当がつきません。英語の「refill」(=補充)がモトの言葉です。

 いよいよラスト。ジツはこれが書きたかった!

 空港での会話。日本語では何というのですかねー? コンベア(?)の、第○レーンとか?
 しかし、「크레인」といったら「起重機」でしょ。英語だと「Baggage Claim」だそうで、それなら「클레임」のはず、と思ってハングル検索したら、やはりそちらの方が合ってます。と言っても、ヒット数が少ないのでさらにろいろ検索したところ、「짐 찾는 곳」(荷物を探す所)が公式の言い方なんですね。仁川空港の表示もそのように記されてます。
 実際に韓国の人たちがこの言葉をふつうに使っているかどうかはわかりませんが・・・。

 なるほど、ハングルサークルのN先生の、「韓国人が書いた韓国語でも必ずしも正しいとは言えない」という言葉通りでした。

 しかし、最初にずらっと並べた不自然な日本語も含めて、いろいろ勉強になる本でした。
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北朝鮮修学旅行のお土産を没収された朝鮮高校の生徒たちをめぐる、どうしようもない大人たち

2018-07-13 17:58:26 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 1つ前の記事で、コメントのレスを書いているうち、この件で私ヌルボとしてはめずらしく(?)感情に走ってしまい(笑)、その勢いのままで一気にこの意見記事を書くこととあいなりました。

 朝日新聞のニュース(→コチラ)によると、
 神戸朝鮮高級学校の生徒62人が6月28日夜「祖国訪問」を終えて関西空港に到着した際、約半数の生徒が、税関職員に北朝鮮の国旗などが描かれた化粧品や薬などの土産品を、経済制裁で持ち込みが禁止された輸入品だとして押収したことに対して、朝鮮総連が29日日本政府に抗議する会見を開いた。
とのことです。
 その後、この税関の措置に対する抗議の声は各地で上がっているようで、韓国紙の中央日報は「韓国をはじめ世界各国の約250ヵ所の市民団体と個人が連名で参加して、日本政府による朝鮮学校の修学旅行物品押収を糾弾する記者会見を行った」と伝えています。(→コチラ。)

 ネット上でも賛否の論議はいろいろありますが、朝日新聞の記事を読んだ人の多くは土産を没収された生徒たちに同情するのではないでしょうか? 「押収品には親族や友人からの贈り物も含まれていた」というし・・・。

 私ヌルボ思うに、この出来事ではっきりしているのは、「被害者」は当の生徒たちだということ。
 では「加害者」は誰なのか?

 直接ナサケ無用の措置をとった税関について、朝日新聞の記事には次のように書かれています。
 税関関係者によると、政府は核実験などへの制裁措置として、北朝鮮からの全ての貨物について、経済産業相の承認がない限り輸入を禁じている。税関では旅客の土産品なども含め、そのつど経産省に確認しているという。
 経産省貿易管理課は「個人の携帯品は、出国時に持ち出したものや旅行中に使用したと認められるものを除き、個別に承認することになる」としている。


 「個別に承認」というのは誰がするのか、わからず。しかし、税関は(批判する側にとっての)主敵ではなさそうです。

 朝日の対極の夕刊フジの記事(→コチラ)にも、
 もともと、北朝鮮への経済制裁は、国際社会のルールを破った核実験などに対する報復措置であり、「核・ミサイル開発」の資金源を絶つのが目的だ。そのため、私的に使うことが明らかな衣類などは没収されない。
・・・と書かれていますが、この記事では自民党政調会長代理の片山さつき参院議員
 「日本は、法と正義のもとに北朝鮮に経済制裁を科している。土産品も、生徒への嫌がらせではなく、経済制裁で持ち込みが禁止された輸入品ゆえに、法令に基づき押収した」
・・・という反論を紹介するとともに、
 日本は、北朝鮮側の恫喝に動じることなく、完全非核化の達成までは、経済制裁を維持し、毅然と対応すべきだ。
・・・と結んで、(多少は距離を置きつつも?)税関の措置を擁護しているようです。

 しかし。生徒が持ち帰った土産を没収することがどれだけ「核・ミサイル開発」の資金源を絶つ」ことにつながるのでしょうか?
 そして、直接当事者だけではない、海外を含めて抗議が上がるともなると、政治的判断も誤ったと言わざるをえません。
 私ヌルボの考えることでもありませんが、ここは<厳密には疑問もあろう>が、<生徒たちの心情を尊重>して、<私的に使うことが明らか>であり、<人道的>に対応し<特例として認める>ことにした、・・・と総連等に恩を売っておく方が政治的宣伝効果もあり、はるかに賢い選択だったと思うゾ。(もしかして「神対応」と評価されたり、とか?(笑))
 ところが片山さつき参院議員の大反論なんぞ、かえって反発を招くばかりでは? あ、<右>方面の人たちを元気づけるのが目的だったですか?

 没収措置を肯定する側の意見でそれなりにナルホドと思ったのは<夾竹桃日記>の主張(→コチラ)の一部です。一部というのは、次の2カ所。
 ・修学旅行へ出向く際、日本から持ち出せる物、日本へ持ち帰れない物について、事前に確認してたのはずであり、経済制裁による規制があると承知の上でそれを破ろうとしたのか、と疑いたくなります。
 ・北朝鮮への経済制裁が発動中であるのを承知の上で、北朝鮮へ修学旅行に出向いたのに、「自分たちを特別扱いしろ」と言い放つ彼らの態度には呆れますし、うんざりさせられます。


 たしかに、ネット上の記事だけではわかりませんが、朝鮮学校の先生方が事前にこのような事態を予測していたのかどうか、また生徒や保護者たちに説明していたのかどうかという点は私ヌルボも知りたいところです。
 今の情勢で予測していなかったとしたら鈍感すぎるし、予測していたら事前に何らかの対応をすべきで、常識的にはしていたのではと思いますが・・・。
 もしその点で手落ちがあったのなら、抗議の前にまず謝罪でしょう。

 そもそも、朝鮮総連は何がこのような事態を生んだのかをどのように理解しているのでしょうか?
 もちろん北朝鮮の核武装です。朝鮮総連はそのことについて素通りして今回のことに抗議しているのは、私ヌルボとしてはとても引っかかることです。
 逆に素通りしてないのは、「米朝和解の流れが出てきた中で、唯一、日本政府だけが敵対行為に固執し、子どもの人権を踏みにじっている」と主張していること。
 今、非核化の道筋さえ不明瞭な時点で、このような「流れ」が仮に事実だとしても、それは北の指導者同志の外交手腕(?)等によって醸し出された雰囲気にすぎません。

 私ヌルボ、今回の件に限って言えばたしかに人権蹂躙だと思います。
 しかし、あなた方朝鮮総連がそれを言うとは・・・。
 いや、非を唱えるつもりはありません。ただ、人権をいうならこの何倍も北朝鮮の政権に対して言ってほしいものです。いや、1万倍でも足りないくらいです。

 修学旅行に限って言っても、「日本から北朝鮮には行けるのに北朝鮮の生徒たちが日本に来られないのはとはどうしてですか?」と生徒に質問されたら、朝鮮学校の先生はどう答えますか?
 北朝鮮の人たちは、日本どころか、国内を自由に旅行することすらできません。それはなぜですか?

 北朝鮮の独裁政権による人権蹂躙の数々は数え切れるレベルではありません。犯罪的な、いや犯罪そのものの拉致事件も、政治犯収容所でさえもその一部にしかすぎません。総連の職員の皆さんも実は知っているんでしょ? また、総連がそれらの人権蹂躙の片棒を担いできたことも。そんな「人権蹂躙」について、今まで(1万倍とは言いませんが)10回、いや5回くらいは物申したことはありますか? もしかして、疑問を感じつつも上からの指示に従ったことはなかったですか?
 たぶん総連の職員の皆さんもある意味では被害者的側面もあり、本国の政権をメイワクと感じる部分があるかもしれません。この数十年の組織の先細りも、日本及び在日の現状を知らない本国の政権とその政治姿勢が大きな要因ではないですか。もちろん、総連が本国と在日朝鮮人の間にあってそれなりに意義ある役割もはたしてきたことは否定しませんが、個々の職員の皆さんが(北朝鮮の人々の実情も視野に入れつつ)良心に恥ずることのないよう期待するばかりです。
 もっと早い時点(金日成の独裁が確立した1970年代)に本国と直接的な関係を断って、在日朝鮮人の生活と権利を守る組織として自立していればよかったのに、と今言ってもしょうがないですけど・・・。

 <夾竹桃日記>と反対の主張では、<アリの一言>というブログの「「朝鮮学校生の修学旅行土産不当押収事件」その後」という記事(→コチラ)も読みました。が、ほとんど朝鮮総連の機関紙・朝鮮新報の引き写しで、7日ソウルで開かれた抗議集会で発表された抗議声明等、北朝鮮側メディアの記事をそのまま紹介しています。内容的に当たっている部分はかなりあるとは思うし、ブログ主さんが上掲の議員とは全然別の良心的な方だとは思います。ところが、上述のように北朝鮮のことは当然すべて棚に上げられています。
 「泣きじゃくる子どもたちを前に、機械的に持ち物を押収し・・・」云々と言うのなら、脱北して中国に潜んでいる人たちを見つけて強制的に北朝鮮に送り戻し、拷問を加えて等々は、はるかに重大な人権侵害、いや犯罪行為でしょう。そんな事例は過去70年、山ほどあります。それらのことを知らずに、あるいは知っていても全然ふれずに日本政府・日本社会の人権侵害を批判しても説得力に乏しく、幅広い支持が得られるとは思えません。国対国の枠組みではなく、また民族とか国籍とかよりも、まず個々の人間の人権に即して考えたいものです。(韓国の文在寅政権が脱北者に冷淡で北朝鮮に好意的なのはなんでですかねー。日本の<左>の方の人も「人権」と叫ぶわりには北朝鮮に何も言わない人が多いし・・・。)
 このブログ主さんにはぜひ「日本語訳国連北朝鮮人権報告書」(ころから)とか、数多く出ている脱北者の手記等を読んでほしいものです。政治色が気になるなら、伊藤亜人「北朝鮮人民の生活」(弘文堂)もおすすめです。

 一方、この問題に対するネット上の反応を見ると、あいかわらず多いのは明かな民族差別的言辞です。
 先の<夾竹桃日記>の記事の末尾も「それほど日本政府の対応が気に入らないのなら、北朝鮮へ帰国し、そこで暮らした方がよいのでは?」とありますが、まだまだ穏やか(?)な部類です。
 この人たちは、自分たちの論理が当の生徒たちに対して説得力があると思っているのでしょうか? あ、そういうことは全然考えていないし、考える必要がない、ということ?
 あるいは、自分たちの主張が味方を増やすか敵を増やすかということは・・・、あ、それも考えていない?

 私ヌルボ、「弱者に手を差し伸べる」というのは<日本人の美徳>と思っていましたが、少なくとも今はそうではなくなってきてるようですね。在日以外にも<弱者タタキ>が近年いろいろ目につきます。
 江戸時代、鳥取に漂着した12人の朝鮮人漂流民を地元の人たちや鳥取藩が手厚く保護して本国に返してあげたという内容の記事を少し前に書きました。(→コチラ。)
 それから約200年後の今は、「朝鮮有事の事態になって難民が押し寄せてきたら武力を行使してでも撃退しろ」という主張まで出ているしねー・・・。

 <嫌韓>は<反日>を生み、<反日>もまた<嫌韓>を生む
・・・という言葉があります。(って、ヌルボ自身の言葉ですけど。)
 今回の一件も、また新たな<反日>と<嫌韓>を生み出してしまったかもしれません。あーあ。

 それにしても、当の生徒たちを取り巻く大人たち、なんでこんなにヒドい連中ばかりなんだ!

 遅まきではありますが、今からでも「北朝鮮の政治犯収容所や拉致事件にも等しい人権蹂躙をしてしまいました」と謝罪して土産を返すべきです。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [7月6日(金)~7月8日(日)]

2018-07-11 10:35:40 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸9日ブルク13で「菊とギロチン」を観ました。これはとても良かった! いや、今年の日本映画ベストかも。・・・って気が早いですが。タイトルだけでは何のことやらわからない人が大半かもしれません。「ギロチン」は大正時代末期の無政府主義テロリスト集団のギロチン社から。物騒な名称ですが、「首になった人間の集まりだから」ということで命名したそうです。「菊」は<皇室>でしょうね。ヒロインの女力士の名も花ですが。(<皇室>だとヤバい要素もありそうなので言い逃れ用? と見るのはうがち過ぎ?)
 ギロチン社と、その中心人物の中浜哲等については→2年前の記事で書きました。(まだとても書き足りませんが。実は関連書20冊くらい読んだもので・・・。) この映画の前半部分は、この結社の所業をかなり史実に忠実に描いています。中浜(東出昌大)と古田大次郎(寛一郎←佐藤浩市の息子、つまり三國連太郎の孫なのか・・・)の人物造形も含めて、です。朝鮮がらみでいえば、この2人が朝鮮に爆弾入手のため義烈団のツテを頼りに朝鮮に行ったものの資金を持ち逃げされるのも事実。ただ豆満江までは行ってませんが・・・。
 しかし、それでもはたしてどれだけイメージがわくかな 山川の日本史用語集で確認したら、<ギロチン社>が載ってる高校の教科書は皆無! 朴烈事件も金子文子も皆無! この時期の<主義者>で記載があるのは虎ノ門事件&難波大助だけ。それさえも載ってる教科書は半分にも満たないとはなんということか!? 昔はわずかながら載ってる教科書はあったと思うが・・・。「か」で始まる歴史用語で<金取遺跡>があって<金子文子>がないことの意味は大きい。私ヌルボが今高校教師なら、金子文子の「何が私をこうさせたか」(岩波文庫)を強く薦めるゾ!
 あ、気持ちを整えて映画の話に戻ります。後半は各地を興行して廻る女相撲の方にかなり重点が置かれますが、コチラはフィクションがほとんど。といっても、こうした女相撲の組織があり、それも江戸時代からの歴史があったのは事実。この作品では、その力士たちの出自が乱暴な夫から逃れてきた等々ワケアリの女性たちが大勢いて、たまたまその相撲を見に来たギロチン社の連中が彼女たちと関わりを持つようになって・・・という展開が物語としての必然性を感じさせます。
 瀬々敬久監督が30年も前から構想を練ってきたという思いのこもった作品で、出演希望者の公募には約700人も応募したとのこと。その公募HPを見て志願して出演することになった韓英恵山田真歩の対談(→コチラ)を読むと、「日大の相撲部に通って稽古をさせてもらった」等々、いろんな裏話が書かれています。
 細かなことを書くとキリがなくなりますが、とくに今の時代に、このような不穏なフンイキの漂う映画を、渾身の力と意志を込めて世に出した監督の心意気と、俳優(とくに女優)の皆さんの頑張りに感動した次第です。
 というわけで多くの皆さんに強くオススメしたいところですが、上映館が少ないのが残念。189分という長尺で入場料も特別料金だし、パンフ1000円と値が張りますが、その価値あり。(とはいえ、食事1回抜きでも埋め合わせできないよ~(涙)。)

※「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は先週掲載されませんでした。

         ★★★ NAVERの人気順位(7月10日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(2) アイラ  9.59(860)
②(1) ハー・ストーリー(韓国)  9.49(1,594)
③(-) バナナソングの奇跡(韓国)  9.31(61)
④(3) ボムシェル:ヘディ・ラマー・ストーリー  9.28(113)
⑤(6) 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星(日本)  9.07(42)
⑥(10) 巨大な梨の信じられないような物語  9.00(241)
⑦(-) 映画しまじろう まほうのしまの だいぼうけん(日本)  8.99(124)
⑧(-) アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー  8.96(33,798)
⑨(8) アイ・フィール・プリティ  8.94(2,258)
⑩(-) 聖なる秩序  8.92(24)

 かなり入れ替わりましたが、新登場の作品はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 顔たち、ところどころ  8.86(7)
②(3) バーニング(韓国)  7.69(13)
③(-) 共同正犯(韓国)  7.67(9)
④(4) 犬ヶ島  7.50(10)
⑤(5) 瑞山[ソサン]開拓団(韓国)  7.50(2)
⑤(5) メイプルソープ  7.50(2)
⑦(7) CUSTODY/カストディ  7.40(10)
⑧(8) 聖なる秩序  7.40(5)
⑨(9) デトロイト  7.13(8)
⑨(9) 遺伝  7.13(8)

 こちらのランキングも新登場はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月6日(金)~7月8日(日) ★★★

         日本より2ヵ月近く早く公開 「アントマン&ワスプ」が1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・アントマン&ワスプ・・・・・・・・・7/04・・・・・・・・1,919,523・・・・・・・2,626,124 ・・・・・・・23,301・・・・・・・1,775
2(1)・・魔女(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/27 ・・・・・・・・・451,108・・・・・・・1,796,729 ・・・・・・・15,429 ・・・・・・・・808
3(24)・・辺山[ピョンサン](韓国)・・・・・・7/04 ・・・・・・・・・179,785 ・・・・・・・・282,204 ・・・・・・・・2,372 ・・・・・・・・695
4(2)・・探偵:リターンズ(韓国) ・・・・・・6/13 ・・・・・・・・・・93,547・・・・・・・3,061,037・・・・・・・26,185・・・・・・・・・468
5(7)・・幽霊船:時間の宝箱・・・・・・・・・・6/27 ・・・・・・・・・・27,566 ・・・・・・・・・96,575 ・・・・・・・・・728・・・・・・・・・231
     ※中国語の原題「潜艇総動員:時光宝盒」
6(5)・・ハー・ストーリー(韓国) ・・・・・・6/27 ・・・・・・・・・・24,852 ・・・・・・・・278,361・・・・・・・・2,101・・・・・・・・・276
7(8)・・ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~・・6/21・・23,421・・・・・・・219,522 ・・・・・・・・1,866・・・・・・・・・138
8(3)・・ジュラシック・ワールド/炎の王国・・6/06 ・・・・・20,663・・・・・・・5,645,065・・・・・・・49,639・・・・・・・・・141
9(6)・・ボーダーライン2 ・・・・・・・・・・・・6/27・・・・・・・・・・・19,705 ・・・・・・・・208,133・・・・・・・・1,757・・・・・・・・・162
10(4)・・オーシャンズ8・・・・・・・・・・・・・6/13 ・・・・・・・・・・・8,345・・・・・・・1,326,789・・・・・・・11,624・・・・・・・・・・89
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 1位以外は数字がパッとしませんね。夏の稼ぎ時を前にして満を持している? 今後公開予定の注目作はとみると、最近アメリカで2人一緒の写真を撮られて話題になったカン・ドンウォン&ハン・ヒョジュ、そしてチョン・ウソン主演の「人狼」(7/25~)、ハ・ジョンウ主演の「神と共に 因と縁」(8/01~)、「北朝鮮の核開発をめぐって安企部が云々」というファン・ジョンミン主演の「工作」(8/06~)といったところか?
 今回の新登場は1・5・6・7位の4作品です。
 1位「アントマン&ワスプ」は、2015年の「アントマン」に続くアメリカのアクション第2作。今回は、アントマンがヒロインのワスプとタッグを結成して、アントマンの秘密を狙う強敵に立ち向かう、ということのようです。韓国題は「앤트맨과 와스프」。日本公開は8月31日ということで、もう予告編やってますね。
 3位「辺山[ピョンサン]」は韓国のドラマ。駐車場やコンビニのバイトできつい青春時代を過ごしている無名のラッパーのハクス(パク・チョンミン)ですが、またしても予選で落ちてしまい、人生最悪の瞬間を迎えたその時、1本の電話がかかってきて、故郷の全羅北道・辺山に久しぶりに帰ることになります。実は彼に片思いしているソンミ(キム・ゴウン)の策略に引っかかったというわけ。そして、ハクスは昔の友人たちにしつこくつきまとわれる中、忘れていたかった黒歴史が一つ二つと浮上してきて、1日も早く故郷を立ち去りたいと思いながらも、予測不可能の事件に遭遇して大ピンチを迎えることに・・・。原題は「변산」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~・・6/21 ・・・23,421 ・・・・・・・・219,522 ・・・・・・・・1,866・・・・・・・・・138
2(新)・・イングランド・イズ・マイン・・・・・7/05・・・・・・・・・・・・2,881 ・・・・・・・・・・4,063・・・・・・・・・・・36・・・・・・・・・・42
3(新)・・ロンドン、人生はじめます・・・・・・7/05・・・・・・・・・・・・1,947 ・・・・・・・・・・3,263・・・・・・・・・・・26・・・・・・・・・・34
4(4)・・顔たち、ところどころ・・・・・・・・・・・6/14・・・・・・・・・・・・1,687 ・・・・・・・・・21,407・・・・・・・・・・174・・・・・・・・・・21
5(8)・・ヤンヤン 夏の想い出・・・・・・2000/10/28・・・・・・・・・・・・1,350 ・・・・・・・・・・5,406・・・・・・・・・・・54・・・・・・・・・・22

 2・3・5位の3作品が今回の新登場です。
 2位「イングランド・イズ・マイン」(仮)は、80年代のUKロック界で注目され、大きな足跡を残しながらも5年で解散したバンド、ザ・スミスのリードボーカルであるモリッシー(ジャック・ロウデン)の若き日を描いたイギリスのドラマ。オスカー・ワイルドが好きな文学青年だった彼でしたが、税理士の退屈な日常から抜け出そうと、バンドを結成し、彼の友人リンダ・スターリング(ジェシカ・ブラウン)やバンド仲間と地元のマンチェスターで過ごした日々や音楽に対する情熱を描きながら、夢を切り拓いていきます・・・。韓国題は「잉글랜드 이즈 마인」。日本公開は未定のようです。
 3位「ロンドン、人生はじめます」は、日本ではすでに4月から公開されています。韓国題は「햄스테드」です。
 5位「ヤンヤン 夏の想い出」は、もちろんあのエドワード・ヤン監督の2000年の作品の再上映。韓国題は「하나 그리고 둘」です。
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日本に漂着した朝鮮船のこと ①1819年鳥取県琴浦町に漂着した朝鮮人たちを描いた掛け軸が機縁となった日韓友好交流公園(風の丘)

2018-07-09 23:55:51 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 4年前に一緒にソウルの美術館巡りをした元同僚I氏から6月14日メールが届きました。「表参道のスパイラルで、添付ファイルの奴を展示してました。写真が下手で申し訳ありません。」とあり、左のような画像が添付されていました。
 何やら、江戸時代頃(?)と思われる、ハングルの文章に10人あまりの人物が描かれた掛け軸のようです。
 私ヌルボ、そもそも「表参道のスパイラル」からして知りませんでした。検索してみると、スパイラルガーデンというところで6月6~17日「近くへの遠回り―日本・キューバ現代美術展 帰国展」というのが開かれていることはわかりましたが、「キューバと朝鮮はまず関係ないよなー」と思って、不明のままホッタラカシにしてました。 
 ところが2週間後の6月28日横浜スタジアムに連れだって野球観戦に行った折、そのメールの写真のことを言われて思い出し、帰宅後再度見てみたら、この掛け軸の説明文の画像も付いていました。(右) つまり、<鳥取県立図書館>蔵の「漂流朝鮮人之図」ということなのですね。
 また、この展覧会について詳しく記したブログ記事(→コチラ)によると、どうも<漂流>というがカリブ海との共通項とのことのようですが、それでも「?」は残ります・・・。

 ・・・といったことを知って、実は私ヌルボが思い出したことがありました。それは数ヵ月前たまたま目にした「鳥取育英高新聞」の記事。2017年4月発行のタブロイド版最終面の大半を費やした日韓関係についての企画記事です(右)。
 韓国に対する高校生たちの印象を訪ねたアンケートも興味深いですが、その下の日韓友好交流公園という私ヌルボの知らなかった所を訪問取材した記事があったので特に記憶に留めていました。
 日韓友好交流公園(風の丘)は県立鳥取育英高校のある北栄町の西隣の琴浦町の道の駅「ポート赤碕」内の公園で、日韓友好資料館・物産館や日韓交流記念碑等の施設やモニュメントがあります。
※→コチラや→コチラに公園の案内や画像いろいろ。
 この公園が造られた契機となったのが、この新聞にも記されているように過去2回この地に漂着した朝鮮・韓国船乗組員を救助したということでした。その2回というのは、
①1819年江原道平海(ピョンヘ)の商船が漂着。鳥取藩は12人の乗組員を保護し、手厚くもてなして長崎まで送り届け、一行は無事帰還した。
②1963年釜山港を出航した巨済島(コジェド)の漁船が漂着。地元民の募金等により船は修理され、乗組員8人は無事帰還した。
・・・というものです。※琴浦町の位置は下の地図の通り。

 冒頭の絵に関係するのはもちろん①の方です。私ヌルボ、船が漂着というとなんとなく漁船のように思っていましたが、当時の記録によると、「イワシと葉煙草を積んで航行する中、1月12日鳥取藩の八橋(やばせ.←公園の近く)に漂着した」とありますね。「その後鳥取に移送され、江戸幕府の漂流民送還制度によって長崎と対馬を経て、9月15日、釜山に戻ってきた」とも。
 考えてみればこの時代の朝鮮で、このようにハングルと漢字で漂流の経緯や感謝状が書けるという人は漁民ではまずいなかった(?)かも。もしかして商人だとしても、なかなか?) ※絵を描いたのは日本人の絵師です。
 で、文章を書いたその人はというと、この絵の描かれている12人の中央でただ一人冠帽をかぶり長キセルを持っている安義基(アン・ウィギ.안의기)という人物。


 次にこの人物図の上のハングルの文を、「丶」(アレア)を「ㅏ」に置き換えて打ち直し、訳してみます。
   죠션국강원도 평해고을 열두 사람니 기모연초 칠일 대풍 뉴래
   (朝鮮国江原道 平海コウル(郡)十二 人が 己卯年初 七日 大風流来)

 最初の「朝鮮」からして今と違う書き方。「열두 사람」ではなく、「열두 사람」となっているのは昔の言い方なのかな?? その他の表記にも気になる点はありますが・・・。
※鳥取県立図書館のサイト内で、謝恩状の日本語訳と「漂流朝鮮人之図」の詳細画像を見ることができます。→コチラ

 ところで、この1819年の鳥取への朝鮮船漂着という出来事自体はとくにめずらしいことではありません。1618~1872年朝鮮人の日本漂着は971件9770人にものぼります。(朝鮮半島への日本船漂着は92件1235人で、件数で10分の1、人数では8分の1と、かなり少ない。 ※池内敏「薩摩藩士朝鮮漂流日記」(講談社選書メチエ)
 その中でこの1819年の事例が注目され、公園まで造られたのは、次のような理由が考えられます。
①漂流民の絵やハングルまで入った「漂流朝鮮人之図」が人々の関心を引きそうである。
②「日韓友好」にふさわしい、なかなか感動的なネタである。(日本人として「気持ち良い」。)
③その点に注目した片山善博知事が環太平洋交流事業の一環として注目し、安義基の子孫探し等を経て公園開設、さらに種々の交流まで積極的に推進した。


 ここまで読んで、「なかなかいい話じゃないか」と思った人はふつうにいらっしゃるでしょう。私ヌルボ、それをけなすつもりは全然ありません。ましてや、たとえば高校生たちの韓国・朝鮮理解を深めたり、友好のきっかけとなるとは、片山知事の業績として評価に値するといえるでしょう。
 しかし光もあれば陰もあるのが世の常。数多くの漂流の事例の中には悲惨なものや腹立たしいものも多々あります。(日本で救助され保護されても、恩を仇で返すように行く先々で乱暴を繰り返した朝鮮人漂流民のこととか。)
 また、考えてみれば、昨年は北朝鮮の木造船が約100隻も漂着しましたが、今の日本人のどれほどが200年前の琴浦の人たちのような「温情」を北朝鮮の漁民に対して持っているのでしょうね? 朝鮮有事の場合、朝鮮人たちが日本に押し寄せてきたら武力で追い払えと主張している人たちもいますが、ごく少数と見ていいのかな? どうかな?
 韓国では済州島にノービザでやってきたイエメンからの難民申請者の件が大きな問題になっていますが、これも関係があるかも・・・。日本にとっても無関係とは言ってられません。
 光と陰といえば、片山善博元知事は韓国語ができるとのことですが(1984年の初の訪韓が契機。)、彼と韓国・北朝鮮をめぐるいろいろについては、ネット上であれこれ批判的に取り上げられてもきたのですね。(「片山善博 韓国」で検索してみてください。)

 ・・・と、やっとここまで書き上げたところで、この「漂流朝鮮人之図」の説明や、漂流民たちの鳥取での日々と当地の人たちの接し方、その後の彼らの帰途、そして1990年県立図書館に長く死蔵されていたこの掛け軸の<再発見>から安義基の子孫探し、鳥取県と江原道との交流等々に至るまで細かく、かつ読みやすく書かれている本は片山善博・剱持佳苗「地域間交流が外交を変える」(光文社新書)であることが判明。ありゃりゃ、です。漂流民の名前のハングル表記(原表記・現表記とも)が12人全員分載っていますが、李さんはやはりではなくになってます。それから片山氏は、上述の安義基の「干鰯を商う商人」という供述に疑義を唱えてますね。「密貿易者だったのでは!?」と推察していますが、はたして・・・。

 今回は一応ここで一区切り。続きは現代の話にするか、同じ1819年に朝鮮半島西岸に漂着した薩摩藩士の話にするか、また別のテーマにするか未定です。


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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [6月29日(金)~7月1日(日)]

2018-07-03 23:31:16 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸あっという間に1年の半分が過ぎてしまいました。最初に「年をとると時が過ぎるのが早いなあ」と思ったのはたしか30代に入った時でした。今や、その時の比ではありません。逆に言えば、それだけ密度が薄くなったということ。体力も思考力も・・・。ブログ記事の更新が遅くなっているのもそのためかもしれません。
 さて、今年上半期観た映画は計45作品。昨年よりも4つ少ないですが、多いです。もっと減らさなければ・・・というより、もっと食費等を切り詰めなくては、というのが大きな課題。それはそれとして、その上半期の印象に残った作品をあげると、まずは「朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト」「坂道のアポロン」「犬ヶ島」がベスト3か。それから「すばらしき映画音楽たち」「自白」「ロープ/戦場の生命線」「謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス」等々。韓国映画オタクとしては、「キング」「タクシー運転手」「犯罪都市」「グッバイ・シングル」「天命の城(南漢山城)」等も興味深く観ました。また「巫女図」「地獄花」といった韓国映画史で必見の作品を観ることができたのはとてもラッキーでした。未見の作品では「レディ・プレイヤー1」、「レディ・バード」、日本映画では「孤狼の血」あたりが気になるところ。

▸7月1日久しぶり(4ヵ月ぶり)のシネマジャック&ベティで「港町」鑑賞。やっぱり想田和弘監督の<観察映画>はおもしろい! 前作「牡蠣工場」と同じ岡山県牛窓町を撮っていますが、雰囲気はちょっと違う感じ。
 その想田監督の新作「ザ・ビッグ・ハウス」を今上映中なのが渋谷のシアター・イメージフォーラム。この映画館では「ワンダーランド北朝鮮」の上映も始まっています。このドキュメンタリーについては、私ヌルボ、ちょっと否定的な感想を書きましたが、まだ書きかけ。あと1回分残っていますが、もう1度観て確認した上で書くことにしました。まあ一言でいえば、韓国の進歩系の人の目で見た<自分の見たい北朝鮮像>に沿った北朝鮮の人々&社会の<自然な姿>を撮った、というのが私ヌルボの感想。それも1つの北朝鮮の姿ではありますが・・・。それにしても、この作品の→公式サイト「これはプロパガンダか?それとも現実か?」というキャッチコピーはよくできていると思います。    
「朝鮮日報」6月29日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

열 살 소년의 솜사탕 같은 사랑
열 살 게이브(오른쪽)는 열한 살 로즈메리를 좋아하게 되면서 달콤함과 메슥거림을 동시에 느낀다.

 《週末の劇場街》で紹介

  「小さな恋のものがたり」


   10歳の少年の綿菓子のような恋

 [写真説明] 10歳のゲイブ(右)は、11歳のローズマリーを好きになり、甘さとムカツキを同時に感じる。

 「魔女」
   今までにない血だらけ ★★★



 「ヤンヤン 夏の想い出」

   一重ではない生の真実 ★★★☆



 「ボーダーライン2」

   前作よりゆるい緊張感 ★★☆


 「小さな恋のものがたり」は2005年のアメリカ映画ですが日本ではDVDのみで劇場公開はなし。離婚寸前の両親を持ち、何をやってもダメな少年ゲイブがたまたま空手教室で再会した幼稚園時代の知り合いの少女ローズマリーに生まれて初めて淡い恋を抱くというロマンティック・コメディ。「ヤンヤン 夏の想い出」は2000年公開のエドワード・ヤン監督作品の再上映。他の作品についてはすべて以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(7月3日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(-) ハー・ストーリー(韓国)  9.52(1,176)
②(2) アイラ  9.50(574)
③(5) ボムシェル:ヘディ・ラマー・ストーリー  9.26(103)
④(8) 霊魂の巡礼道  9.16(37)
⑤(9) TOMORROW パーマネントライフを探して  9.13(23)
⑥(7) 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星(日本)  9.05(39)
⑦(6) 犬ヶ島  9.04(398)
⑧(-) アイ・フィール・プリティ  9.01(2,087)
⑨(-) 顔たち、ところどころ  9.01(143)
⑩(-) 巨大な梨の信じられないような物語  9.10(237)

 順位は大きく入れ替わりましたが、新登場は①「ハー・ストーリー」だけです。この作品については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(2) 顔たち、ところどころ  8.86(7)
②(3) エセルとアーネスト  7.75(4)
③(4) バーニング(韓国)  7.69(13)
④(6) 犬ヶ島  7.50(10)
⑤(7) 瑞山[ソサン]開拓団(韓国)  7.50(2)
⑤(7) メイプルソープ  7.50(2)
⑦(9) CUSTODY/カストディ  7.40(10)
⑧(-) 聖なる秩序  7.40(5)
⑨(10) デトロイト  7.13(8)
⑨(10) 遺伝  7.13(8)

 ⑧「聖なる秩序」(仮)だけが今回の新登場です。スイスの女性監督ペトラ・ボルペによる、スイスの女性参政権をテーマにしたドラマ。スイスといえば、直接民主制の国ということを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか? しかし、女性参政権は長く認められないままでした。第二次大戦前から労働者たちは女性の参政権を要求しましたが、これといった進展はなし。1961年市民5000人女性の参政権を要求して首都ベルンでデモを展開し、1971年になってようやくスイス連邦共和国はヨーロッパで最も遅く、女性参政権が認められたとのことです。そして最終的には1990年アッペンツェル州で女性参政権が認められて制度的には終止符が打たれることになったそうです。その間、この問題に取り組んだ多くの女性たちのことを歴史に残さなければ、というのが監督の思いだったのでしょう。この作品は、平凡な日常を生きていた主婦ノラが勇気を出して巨大な波を作り出す過程をユーモアも交えて描いた作品です。韓国題は「거룩한 분노(聖なる憤怒)」。日本公開は未定のようです。女性参政権をテーマにした作品では、キャリー・マリガン主演の「未来を花束にして」がありましたね。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績6月29日(金)~7月1日(日) ★★★

         クォン・サンウ&ソン・ドンイルのシリーズ第3作「探偵:リターンズ」が2週連続1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(31)・・魔女(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・6/27 ・・・・・・・・・734,557 ・・・・・・・・958,800・・・・・・・・8,250 ・・・・・・・1,117
2(1)・・探偵:リターンズ(韓国) ・・・・・・6/13 ・・・・・・・・・419,374・・・・・・・2,829,899・・・・・・・24,275・・・・・・・・・932
3(2)・・ジュラシック・ワールド/炎の王国・・6/06 ・・・・172,835・・・・・・・5,588,628・・・・・・・49,175・・・・・・・・・571
4(3)・・オーシャンズ8・・・・・・・・・・・・・・6/13 ・・・・・・・・・101,245・・・・・・・1,284,883・・・・・・・11,276・・・・・・・・・461
5(17)・・ハー・ストーリー(韓国) ・・・・・6/27 ・・・・・・・・・100,953 ・・・・・・・・203,578 ・・・・・・・・1,513・・・・・・・・・606
6(新)・・ボーダーライン2 ・・・・・・・・・・・6/27・・・・・・・・・・・92,059 ・・・・・・・・154,978 ・・・・・・・・1,293・・・・・・・・・261
7(新)・・幽霊船:時間の宝箱 ・・・・・・・・6/27・・・・・・・・・・・53,983 ・・・・・・・・・59,513・・・・・・・・・・460・・・・・・・・・414
8(5)・・ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~・・6/21・・41,709 ・・・・・・・166,783 ・・・・・・・・1,415・・・・・・・・・268
9(4)・・督戦[トクジョン](韓国)・・・・・・・5/22 ・・・・・・・・・・28,530 ・・・・・・・5,053,161・・・・・・・43,399・・・・・・・・・262
10(6)・・女子中学生A(韓国)・・・・・・・・・・6/20 ・・・・・・・・・・・8,306 ・・・・・・・・・88,664・・・・・・・・・・739・・・・・・・・・156
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・5・6・7位の4作品です。
 1位「魔女」は、韓国のミステリー&アクション。10年前、多くの人が死んだ謎の事故が起きた施設から1人脱出したジャユン(キム・ダミ)。名前も年齢も、すべての記憶を失くした彼女を育ててくれた老夫婦のおかげで明るい女子高生に育ったジャユンは、苦しい家計を助けるために賞金がかかったオーディション番組に出演します。その直後から謎の人物たちが彼女の前に現れます。ジャユンの周辺を見守る<貴公子>(チェ・ウシク)、過去の事故が起きた時点から消えた子供を探していた<ドクターバック>(チョ・ミンス)と<ミスターチェ>(パク・ヒスン)まで。全然記憶にない彼らの登場でジャユンは混乱に陥りますが・・・。原題は「마녀」です。
 5位「ハー・ストーリー」は、慰安婦問題をテーマにした韓国のドラマ。3人の慰安婦被害者と7人の勤労挺身隊被害者、そして13人の弁護士たちによる関釜裁判を取り扱った作品です。この関釜裁判は、10人の被害者原告団が1992~98年下関と釜山を行き来して23回もの裁判を行い、多くの慰安婦裁判訴訟中、一部勝訴の判決が出て国家賠償を最初に認めてもらった唯一の事例です。この98年の一審判決で、山口地裁は日本政府に対し慰安婦被害者3人に30万円ずつを支給するよう命じましたが、被害者に対する公式謝罪については認められず、その後の控訴審、上告審で判決は覆され、実際には日本政府からどのような謝罪や補償も受けられていません。原題は「허스토리」です。
 6位「ボーダーライン2」(仮)は、メキシコ麻薬カルテルの撲滅に取り組むアメリカの特別部隊の活躍を描いた2015年の前作のスピンオフ。メキシコ政府がCIAの偽造工作を察知して等々、現実とフィクションの境目が私ヌルボの目には今ひとつ以上によくわかりません。こういうネタがエンタメのジャンルに入るというのもなんだかなー・・・。韓国題は原題のまま「시카리오: 데이 오브 솔다도(シカリオ:デイ・オブ・ソルダード)」。日本公開は未定なのかな?
 7位「幽霊船:時間の宝箱」(仮)は、中国のアニメ。深い海の中の神秘の海底王国。赤ちゃんサメのメイは海中探検をしていて、たまたま幽霊船で時間を変える魔法の箱を見つけます。ところがその箱を間違って触ったためにお父さんサメのビッグシャークがチビに変わってしまいます。逆に小さな悪ガキの魚たちは巨大なカニのモンスターに変身! 平和だった海の王国は1日でごちゃごちゃになり、危険に陥ります・・・。チビに変わったビッグシャークと赤ちゃんサメのメイは海の仲間たちと一緒に海の王国を元通りにするために冒険を始めます・・・。中国語の原題は「潜艇総動員:時光宝盒」、韓国題は「빅샤크:매직체인지(ビッグシャーク:マジックチェンジ)」。日本公開はなさそう、かな?

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~・・6/21 ・・・41,709 ・・・・・・・・166,783・・・・・・・・1,415・・・・・・・・・268
2(2)・・アイラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/21・・・・・・・・・・・・3,343 ・・・・・・・・・37,357 ・・・・・・・・・290・・・・・・・・・・93
3(4)・・劇場版ポケットモンスター・・・・・・6/06・・・・・・・・・・・・2,394 ・・・・・・・・182,904・・・・・・・・1,391・・・・・・・・・・18
       ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ(日本)
4(5)・・顔たち、ところどころ・・・・・・・・・・・6/14・・・・・・・・・・・・2,251 ・・・・・・・・・17,268・・・・・・・・・・141・・・・・・・・・・25
5(16)・・特別版 Free!・・・・・・・・・・・・・・・・・4/12・・・・・・・・・・・・2,165 ・・・・・・・・・13,125・・・・・・・・・・・91・・・・・・・・・・・8
       -Take Your Marks-(日本)

 今回の新登場はありません。
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