ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [3月25日(金)~3月27日(日)]

2016-03-31 08:12:02 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
     

 1つ前の記事でも少し書いたように、25日(金)から3人組で韓国に来ています。以後連日忙しくあちこち歩き回ったりしてパソコンに向かう時間がとれず、やっとKTS内でパソコンを取り出したら意外に早くバッテリーが切れたりして、この記事もここまで遅れてしまいました。しかし明日も早起きしなければならず、以下の記事も週末の興行成績の欄の新登場作品の紹介等は省略をせざるをえず、とりあえずは順位のみの暫定的な記事となります。

 来韓翌日の26日(土)、単独行動で夜(19:35~)CGV龍山に行って「東柱」を観てきました。以前「鳴梁」を観た時はほとんどチンプンカンプン状態だったのが、今回は7~8割はわかったような・・・。セリフの3割程度は日本語でしたからねー。(笑) それに最近たまたま詳しい伝記を読み終えていたので、フィクションの部分がわかったりして・・・。早い話、女性がらみのシーン。あと立教大学でのシーンとか・・・。ま、この作品についてはいずれ別途取り上げます。(・・・ホント?)
 韓国の映画館の観客事情。1つだけあげると、上右の写真のようにポップコーン+αの分量がハンパじゃない! 1万1千ウォンというのも映画の料金より高い!(映画料金は→コチラ ・・・と言っても、日本の映画料金が高すぎるとみる方が当たっているな、ここは。

 もうちょっと時間的余裕があれば「鬼郷」も観てきたんだけどなー・・・、残念。
 
「朝鮮日報」3月25日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ヘイル、シーザー!」
  映画、ゼッタイ憎めない ★★★★
 「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」
  大きく華麗で虚脱する ★★★
 「君はいい子」
  ‘悪い子’など元々いない ★★★☆
 「グローリーデイ」
  青春のように粗く散漫 ★★☆
 4作品とも下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(3月29日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①鬼郷(韓国)  9.7(3146)
②ツインスターズ(米・英・仏・韓)  9.4(26)
③東柱[ドンジュ](韓国)  9.3(843)
④ズートピア  9.0(280)
⑤男たちの挽歌  9.0(311)
⑥エターナル・サンシャイン  8.7(534)
⑦ルーム  8.6(86)
⑧悪い国(韓国)  8.6(196)
⑨スポットライト 世紀のスクープ  8.5(153)
⑩リリーのすべて  8.5(120)

 今回の新登場はありません。

     【専門家による順位】

①男たちの挽歌II  10.0(1)
②キャロル  9.0(11)
③黒衣の刺客  8.2(7)
④スポットライト 世紀のスクープ  8.0(6)
⑤暗殺の森  8.0(2)
⑥HUNGER/ハンガー  7.8(8)
⑦サウルの息子  7.7(9)
⑧ヘイル、シーザー!  7.7(9)
⑨男たちの挽歌  7.6(6)
⑩アノマリサ  7.6(5)

 ⑧と⑩の2作品が新登場です。
 ⑧「ヘイル、シーザー!」はコーエン兄弟による米英合作のサスペンス・コメディ。舞台は1950年代のハリウッド。超大作映画「ヘイル、シーザー!」の撮影中、世界的大スターの主演俳優ウィットロック(ジョージ・クルーニー)が何者かに誘拐され、正体不明の<未来>から脅迫状が届きます。そこで危機の解決に乗り出したのが映画社キャピトルピクチャーズ代表のエディ・マニックス(ジョシュ・ブローリン)。個性派ベテラン俳優たちとともに直面する危機の解決に乗り出し、予定通りの封切を死守しようとするのですが・・・。スカーレット・ヨハンソンも出てるのか。ん、人魚姿? 韓国題は「헤일, 시저!」。日本公開は5月18日です。
 ⑩「アノマリス」は、アメリカの長編ストップモーションアニメ。・・・といっても中身は成人向き。夫として父として、そして「いかに顧客に対するか」という著書で評価の高い作家マイケル・ストーン。しかし彼は日常に疲れていて、長い間誰の声も全て同じ声に聞こえていました。ところが、顧客サービスについての講演のため出張に出かけた時、泊まったホテルで子会社のセールス担当者リサと出会います。彼女の声は<別の声>でした。そして彼は彼女と特別な一夜を過ごすのですが・・・。韓国題は「아노말리사」。日本では3月18~21日の<東京アニメアワードフェスティバル2016>で招待作品として上映されましたが、一般公開はないようです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績3月25日(金)~3月27日(日)] ★★★

         ダントツ1位の「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」がスクリーン数席捲
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・バットマン vs スーパーマン・・3/24・・・・・・1,147,248・・・・・・・・1,385,750 ・・・・・・・・11,855・・・・・・・1,696
         ジャスティスの誕生
2(1)・・ズートピア・・・・・・・・・・・・・・・2/17・・・・・・・・・・・258,307・・・・・・・・3,177,142 ・・・・・・・・24,784・・・・・・・・・607
3(49)・・グローリーデイ(韓国)・・・3/24 ・・・・・・・・・・・・87,527 ・・・・・・・・・112,139・・・・・・・・・・・897・・・・・・・・・493
4(3)・・鬼郷(韓国)・・・・・・・・・・・・・・2/24 ・・・・・・・・・・・・45,185・・・・・・・・3,531,030 ・・・・・・・・26,853・・・・・・・・・405
5(8)・・復活・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/17 ・・・・・・・・・・・・37,718・・・・・・・・・・・92,932・・・・・・・・・・・660・・・・・・・・・136
6(2)・・エンド・オブ・キングダム・・3/10 ・・・・・・・・・・・・36,583 ・・・・・・・・・706,776 ・・・・・・・・・5,720・・・・・・・・・394
7(4)・・お前を待ちながら(韓国)・・3/10 ・・・・・・・・・・・・22,512 ・・・・・・・・・622,096 ・・・・・・・・・5,135・・・・・・・・・257
8(29)・・ヘイル、シーザー ・・・・・・・3/24 ・・・・・・・・・・・・10,156 ・・・・・・・・・・20,940 ・・・・・・・・・・・170・・・・・・・・・250
9(7)・・東柱[ドンジュ](韓国)・・・・・2/17・・・・・・・・・・・・・12,779・・・・・・・・1,138,731・・・・・・・・・・8,651・・・・・・・・・112
10(12)・・一死覚悟(韓国)・・・・・・・3/17・・・・・・・・・・・・・10,694・・・・・・・・・・・38,363 ・・・・・・・・・・・286・・・・・・・・・・53
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・3・8・10位の4作品です。
 1位「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」は、日本でも1日遅れの3月25日から公開されています。韓国題は「배트맨 대 슈퍼맨: 저스티스의 시작」です。
 3位「グローリーデイ」は、偶然のピンチに陥った4人の若者たちのドラマ。ちょうど20歳になった友人ヨンビ(チス)、サンウ(スホ)、チゴン(リュ・ジュニョル)、ドゥマン(キム・ヒチャン)は、入隊するサンウの見送りのために久しぶりに一緒に旅に出ます。友人のことが第一というヨンビ、大学の代わりに軍隊を選んだサンウ、母親に悩まされている浪人チゴン、親のコネで入った大学の野球部員ドゥマンは、日常から抜け出して自由を満喫します。浦項の浜で大人になった気分で浮かれていたのもつかの間、偶然男に殴られていたいた女性を助けるのですが、悶着に巻き込まれてしまった4人は、警察に追われる身に。さらに逃げている途中1人が事故に遭ったりと散々な状態に。美しく輝いていた日は台無しになり、4人なら怖いものがなかった彼らの心も次第に揺れ動き始めます。ディープな夜が過ぎた後、彼らが迎える朝ははたしてどんなものに・・・? 原題は「글로리데이」です。
 8位「ヘイル、シーザー」については上述しました。
 10位「一死覚悟」は、日本の統治期に神社参拝が偶像崇拝にあたるとして神社参拝強要を拒否し、拷問の末に殉教した牧師・朱基徹(チュ・ギチョル.1897~1944)の一生を描いたドキュメンタリー映画。原題は「일사각오」です。詳細は→コチラのブログ記事参照。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(19)・・グローリーデイ(韓国) ・・・・・・・・・・・3/24 ・・・・・・・・・・・・・87,527 ・・・・・・・・・・112,139 ・・・・・・・・・・・・・897・・・・・・・・・493
2(9)・・心が叫びたがってるんだ。(日本) ・・3/30 ・・・・・・・・・・・・・・2,971・・・・・・・・・・・・・5,316 ・・・・・・・・・・・・・・46・・・・・・・・・・24
3(4)・・かみさまへのてがみ ・・・・・・・・・・・・・2/25 ・・・・・・・・・・・・・・2,876・・・・・・・・・・・・49,310 ・・・・・・・・・・・・・321・・・・・・・・・・26
4(3)・・ジョゼと虎と魚たち(日本)・・2004/10/29 ・・・・・・・・・・・・・・・5,546・・・・・・・・・・・・62,909 ・・・・・・・・・・・・・419・・・・・・・・・・89
5(25)・・君はいい子(日本)・・・・・・・・・・・・・・・3/24 ・・・・・・・・・・・・・・1,481 ・・・・・・・・・・・・・3,280 ・・・・・・・・・・・・・・26・・・・・・・・・・51

 1・2・5位の3作品が新登場です。日本の作品が2作入っているのはこれまであったかな?
 1位「グローリーデイ」については上述しました。※各作品についての説明は追って記します。
 2位「心が叫びたがってるんだ。」は、「東柱」を観に行った時に予告編を観ました。・・・が、未見です。韓国題は「마음이 외치고 싶어해」です。
 5位「君はいい子」も未見。観るつもりでいたのに見逃してしまいました。韓国題は「너는 착한 아이」です。
コメント (2)
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韓国オタク、7泊8日のクイズ形式旅行記録① 1~2日目=国立外交院、徳寿宮周辺等

2016-03-29 08:25:11 | 韓国旅行の記録
 今KTXの車中。3月25日午後からソウルに来ています。約1年ぶりの韓国旅行。今回は3人連れで、ソウル4泊→釜山2泊→ソウル1泊で計7泊の、私ヌルボとしてはわりと長い旅。
 当初の心づもりでは毎日簡単にでも日々の記録をアップするはずだったのがとてもムリ。今日まで連日2万5千歩(!)前後歩いたりしていて疲れている上、同行2名がフツーの時間に寝起きする人なので、ヌルボとしてもいつものように午前2時過ぎまでパソコンいじったりはできないので・・・。
 で、とりあえず旅行全体を上中下に分けて、代表的な写真だけピックアップして時間系列で並べることにしました。帰国後にテーマごとの記事を順次載せることにします。

○3月25日(金)

     

 アシアナは安くて機内食もなかなか良くて、韓国の新聞をまとめて私物化できるのがいいところです。「スポーツソウル」を読んでいて目に留まったのが左上の記事の見出し中の「태후」[問1]この言葉の意味は? 右の「東亜日報」の方を見ればすぐわかりますが・・・。
 [答]→ドラマ「태양의 후예」(太陽の後裔)の略語。日本題は「太陽の末裔」で、6月から放映されるとか。

     

 ソウル駅前からなんとなく正面(東)を見たら、ソウル南大門警察署の建物の上にバスを持ち上げている警察官の造形物が・・・。[問2]これは何をよびかけている?
 [答]→「校内暴力をなくそう。警察も力になります」ということのようです。
 このような造形物を作るのはきっと過去記事(→コチラ)で紹介した<広告の天才>イ・ジェソクだろうと思い調べたら、やっぱり正解でした。

     


 うわ、バッテリー切れ! 続きは数時間後?になっちゃいます。・・・と書いてからようやく13時間後の29日午後9時過ぎに作業再開。その間起伏の大きい釜山のあちこちをやはり約2万5千歩開きまわりました。コース選定はすべて同行者任せ。その結果こんなに歩いてもチャガルチも南浦洞も国際市場も行ってません。とほほ。
 気を取り直して記事の続き。
 上左の写真は世宗大路にあるKT光化門支社のビルの掲示物。国家報勲処の広報で、その中に「서해수호의 날(西海守護の日)」といった耳慣れない言葉があり、またその期日が3月25日つまりまさに今日であることが目に留まりました。そして夜ホテルのテレビで見たのが右のニュース画面。朴槿恵大統領が大田(テジョン)の顕忠院で開かれたこの西海守護の日の式典で「北朝鮮の挑発を許しませぬぞ」といった辞を述べています。こういう日をいつ決めたのかと思ったら昨年12月。つまり今回が第1回。第2延坪海戦(2002年)=A天安沈没事件(2010年)=B延坪島砲撃事件(2010年)=Cの戦死者たちの合同追悼行事を一緒に行うという趣旨で、中でも犠牲者が46人と一番多かった[問3](  )の日に近い3月第4週の金曜日を指定したとのことです。[答]→(  )。

○3月26日(土)

     

 地下鉄良才(ヤンジェ)駅のすぐ近く。国立外交院というところに初めて行ってきました。そこでは韓国の外交に貢献した歴史上の人物として、まず高麗時代に遼を相手に実利と自尊心の2つの難題を同時に手に入れたという徐熙(ソ・ヒ)の銅像に続いて造られた2つ目の銅像が上左。足利義教の将軍就任に際して来日する等、43年間に40数回も日本や琉球に渡ったという人物で、この銅像を見てくるのがわれわれのこの日の第一目的でした。彼については2013年に[??] ‐最初の朝鮮通信使」というドキュメンタリー映画が作られています。[問4]この人物の名は? [答]→( 李藝(イ・エ))。 ※→関係過去記事
 次に、上右の写真は、銅像の向こうに見える外交史料館で見た独島クイズの最初の画面。私ヌルボ、もちろん全10問に挑戦。もちろん全問正解・・・ではありませんでした。正解の説明文を読み進むと、自然と「独島はウリタン(わが地)」という認識が固まるクイズになっているということがわかりました。
 うー、またピンチ! ほぼ定例の韓国内の映画の週末の興行成績の記事が大幅に遅れているので、ソチラを優先します。・・・ということでまたまた未完。 ・・・と書いた後も連日スキマなしの旅行で、結局今は4月1日。夕刻羽田に着き、やっと自宅に落ち着いて続きのとりかかります。ふー。
 良才駅から3人は明洞に向かった目的1は私ヌルボの両替のため。(あ、お得な両替についての過去記事は→コチラ。)
 それから昨年眼鏡を作った小公洞地下商街のAce眼鏡に立ち寄り、次に他の2人が行きたいというウェスティン朝鮮ホテル敷地内の圜丘壇(ファングダン)へ。私ヌルボは→コチラの記事に書いたように1年前に行ったので勝手知ったる・・・と思いきや、アラ、今工事中で見られない! しかたないなとソウル広場を経て徳寿宮前から市庁方面を見ると・・・。

     
 
 またまたアララ。1年前(上左)にはあった女の子が持っている、文字が順次変わっていくという趣向の上記イ・ジェソクさん作の掲示板(→関係記事)はなくなってました!(上左) うーむ、やっぱり費用の問題しかあったのかな? また、この日もキリスト教団体が「同性の結婚を認めるな」といったアピールをしていましたが、そういうことに用いられるという問題もあったのかも・・・。しかし、せっかく<徳寿宮近辺の見逃しがちないろいろ>シリーズを始めたのに残念! 「十年経てば江山も変わる」とは韓国のことわざですが、1年でもずいぶん変わりるものです。 
 さて、徳寿宮近辺では無料で入ったり見たりできる所や物がたくさんあって、今回もいくつか回りましたが、下の写真を撮った場所もその1つ。[問5]この撮影場所はどこ? [答]→( 貞洞(チョンドン)展望台)。 

 徳寿宮とその周辺を、高い所から一望できます。2013年開館とわりと新しい上、あまり目立った表示もなく宣伝もしてない(?)ようなので、もしかしたら徳寿宮を訪れる観光客の大半はご存知ないのでは? 詳しくは→ソウルナビ参照。 
 日も傾き始めた頃、私ヌルボは2人と別れて単独行動。市庁から地下鉄1号線で龍山へ。時間軸が前後していますが次の記事の冒頭で書いたようにCGV龍山に行きました。駅と連結しているI`PARK mall 内にある映画館です。
 観た作品は尹東柱(ユン・ドンジュ)の伝記映画「東柱)」です。 

 [問6]韓国の映画の観客が日本と違う点は? [答]→( 映画の本編が終わってエンドクレジットが現れると席を立ってゾロゾロ出てゆく。)。日本も昔はそうだったなー・・・。他にもあるかも。

 2日分だけでけっこう字数が多くなったので当初の予定を変更。ここでひとまず区切ります。

 → 韓国オタク、7泊8日のクイズ形式旅行記録② 3日目=「あの」島と、仁寺洞の有名なマッコリ酒場
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [3月18日(金)~3月20日(日)]

2016-03-22 23:51:25 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 →1つ前の記事映画で仕入れた韓国語の俗語・新語・方言]も一応韓国映画関係記事ではあります。

 先週17日(木)に観た「インサイダーズ/内部者たち」は期待通りおもしろかったです。鴨居のららぽーと、平日の15:25~というフツーの仕事をしている人には無理な時間とはいえ、115席もあるスクリーン9でオジサン5人とオバサン2人だけというのは寂しかったですが・・・。「日本では作れないであろう映画」という評を「毎日」だかで読みましたが、たしかに。内容的にも、エゲツないシーンにしても、です。
 映画の冒頭は世宗大路の高層ビルから景福宮を間近に見下ろすシーン。どこのビルから撮っているのかはおよそ見当がつくし、後の方ではチラッとそのビルの名前が読み取れるシーンもあります。あ、エンドクレジットの撮影場所にもあったか。「東亜日報」のビルなんですけどね。政財界とも強い結びついて「悪のトライアングル」を構成する劇中の「祖国日報」はもちろん保守紙代表の「朝鮮日報」で、それを叩く映画に№2の「東亜日報」が協力している点がおもしろいところ。また、その重要な役回りを演ずる「祖国日報」の李論説主幹と同じ「中央日報」の李論説主幹(李夏慶.イ・ハギョン)が、昨年12月コラムでこの映画について興味深いことを書いていました。(→コチラ.韓国語。)映画の論説主幹はもっぱら自己コラムだけを通して影響力を行使しているが、現実の自分は毎日20人前後の論説委員たちと会議をしたり等々忙しくて、大統領候補とか財閥総帥などのコンサルタントなぞやっている時間などない等々、至極マジメに書いています。それにもまして私ヌルボが引きつけられたのが「朝鮮日報」のパク・ウンジュ記者(女性)の「左派が右派に勝てない理由」と題した挑発的な(?)記事。(→コチラ.韓国語。) 「右派=腐敗と決めてかかって罵倒するだけだと百戦百敗だぞ」と忠告(?)しています。本ブログ1月12日の記事(→コチラ)のコメント欄でも書きましたが、その記事では「思っていたより保守・右派は道徳的で頭がいい。だから保守の壁がより強固に感じられる」という運動圏出身者の社会に出てからの感想を紹介しつつ、「知彼知己者百戦不殆(敵を知り己を知れば・・・) 」という言葉で結んでいます。なかなか説得力のある記事だとあらためて思った次第です。
 なお、右上画像は「ハンギョレ オピニオンhook」に連載された原作のユ・テホのウェブトゥーン。もちろん「ハンギョレ」は進歩系の代表紙。このあたりのメディアの構図はとてもわかりやすい、かな? (蛇足ですが、私ヌルボは保守の味方では断じてありません。)

 「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は先週掲載されませんでした。

           ★★★ Daumの人気順位(3月22日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①鬼郷(韓国)  9.7(3102)
②ツインスターズ(米・英・仏・韓)  9.4(26)
③東柱[ドンジュ](韓国)  9.3(828)
④ヒヤ[兄貴](韓国)  9.2(25)
⑤男たちの挽歌  9.0(310)
⑥ズートピア  8.9(247)
⑦Love letter(日本)  8.8(777)
⑧復活  8.8(39)
⑨エターナル・サンシャイン  8.7(534)
⑩悪い国(韓国)  8.6(194)

 今回の新登場は④と⑧の2作品です。
 ④「ヒヤ[兄貴]」については、前週の記事の「朝鮮日報 10字評」で紹介しました。問題児として育ち、殺人容疑等で刑事に追い回される兄チンサン(アン・ボヒョン)と、歌手をめざしながらも兄ゆえ(?)か毎回オーディションに落とされている高校生の弟ジノ(ホヤ)。複雑な思いが交錯する兄弟の葛藤と和解の物語。タイトルの「히야」は兄を呼ぶ言葉「형아」の慶尚道方言です。
 ⑧「復活」については後述します。

     【専門家による順位】

①男たちの挽歌II  10.0(1)
②キャロル  9.0(11)
③ヘイトフル・エイト  8.6(5)
④黒衣の刺客  8.2(7)
⑤スポットライト 世紀のスクープ  8.0(6)
⑥暗殺の森  8.0(2)
⑦HUNGER/ハンガー  7.8(8)
⑧ボーダーライン  7.8(6)
⑨サウルの息子  7.7(9)
⑩男たちの挽歌  7.6(6)

 ⑦「HUNGER/ハンガー」だけが新登場です。この作品は、日本ではすでに2014年3月公開されています。韓国題は「헝거」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績3月18日(金)~3月20日(日)] ★★★
         「ズートピア」の人気衰えず 2週連続1位

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・ズートピア・・・・・・・・・・・・・・・2/17・・・・・・・・・・・358,006・・・・・・・・2,812,928 ・・・・・・・・21,856・・・・・・・・・723
2(3)・・エンド・オブ・キングダム・・3/10 ・・・・・・・・・・・191,803 ・・・・・・・・・609,925 ・・・・・・・・・4,963・・・・・・・・・518
3(2)・・鬼郷(韓国)・・・・・・・・・・・・・・2/24・・・・・・・・・・・・151,540・・・・・・・・3,424,092 ・・・・・・・・26,061・・・・・・・・・605
4(4)・・お前を待ちながら(韓国)・・3/10 ・・・・・・・・・・・137,107 ・・・・・・・・・551,707 ・・・・・・・・・4,576・・・・・・・・・485
5(5)・・ゴッド・オブ・エジプト・・・・・・3/03 ・・・・・・・・・・・・66,838 ・・・・・・・・・898,531 ・・・・・・・・・7,459・・・・・・・・・382
6(新)・・ダーティー・グランパ ・・・・3/17 ・・・・・・・・・・・・43,629 ・・・・・・・・・・56,680 ・・・・・・・・・・・462・・・・・・・・・392
7(8)・・東柱[ドンジュ](韓国)・・・・・2/17・・・・・・・・・・・・・39,919・・・・・・・・1,106,905・・・・・・・・・・8,416 ・・・・・・・・・280
8(新)・・復活・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/17 ・・・・・・・・・・・・28,690・・・・・・・・・・・34,040 ・・・・・・・・・・・245・・・・・・・・・120
9(7)・・デッドプール・・・・・・・・・・・・・2/17 ・・・・・・・・・・・・27,765・・・・・・・・3,303,551・・・・・・・・・27,487・・・・・・・・・207
10(新)・・SPOOKS スプークス/MI-5・・3/17・・・・・・・24,596・・・・・・・・・・・31,374 ・・・・・・・・・・・244・・・・・・・・・341
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 ディズニーアニメ「ズートピア」は前週よりさらに数字を伸ばして連続トップ。中国では国内アニメ映画作品歴代興行収入第1位となったとか・・・。上記のネチズンの評点も高いし、口コミの力が大きいのかな? 毎度のことながら日本での公開が遅い(4月23日)のはなぜ? ※この映画関係の笑える画像は→コチラ
 今回の新登場は6・8・10位の3作品です。
 6位「ダーティー・グランパ」は、ロバート・デ・ニーロとザック・エフロン共演のコメディ。結婚式を目前に控えた若手弁護士ジェイソン・ケリー(ザック・エフロン)が、祖父ディック(ロバート・デ・ニーロ)に騙されてフロリダへドライブ旅行に出かけるのですが、このおじいさん、路上でナンパし、美女とゴルフを楽しみ、ビーチでビキニギャルとたわむれ、夜はパーティーで大盛り上がり・・・といった、やりたい放題の放蕩ジジイ(笑)。なに、セックスシーンまであるの!? ザック・エフロンが素っ裸に!? ドタバタの最後はどうなる? 韓国題は「오 마이 그랜파」。日本公開は未定のようです。
 8位「復活」は、イエス・キリストの復活をクリスチャンではない主人公の視点から描いた歴史スペクタクル。古代ローマの百人隊長クラヴィアス(ジョゼフ・ファインズ)は、処刑したはずのイエス・キリストの遺体が消えたとの報告を受け、ローマ総督ピラトから調査を命じられます。彼がイエスの弟子たちの隠れ家に踏み込むと、そこにいたのは十字架で磔にしたのイエスでした・・・。韓国題は「부활」。日本公開は5月28日です。
 10位「SPOOKS スプークス/MI-5」は、英国機密諜報部MI-5の活躍を描いた人気TVシリーズ「MI-5 英国機密諜報部」をモチーフにしたイギリスのアクション。日本では<未体験ゾーンの映画たち2016>の中に入っていて、今週25日まで名古屋のシネマスコーレで上映されています。MI-5テロ対策部門の諜報員たちがテロリストのカシムを護送中、武装グループに襲撃されます。市民の巻き添えを懸念して責任者ハリーはカシムを釈放しますが、彼はこれが原因で解任されてしまいます。ところが、MI-5からカシムの追跡を依頼された元諜報員ウィルは、このカシムの逃走劇に隠された「事実」を知るとともに、新たな危機に直面することになります・・・。韓国題は「스푹스:MI5」です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・イップマン3:最後の対決 ・・・・・・・・・2/25 ・・・・・・・・・・・・・10,237・・・・・・・・・・・・43,543 ・・・・・・・・・・・・・366・・・・・・・・・・84
2(11)・・インファナル・アフェア ・・・・・・・・・・・2/21 ・・・・・・・・・・・・・・9,370・・・・・・・・・・・・12,342 ・・・・・・・・・・・・・・99・・・・・・・・・101
3(36)・・ジョゼと虎と魚たち(日本)・・2004/10/29・・・・・・・・・・・・・・5,546・・・・・・・・・・・・62,909 ・・・・・・・・・・・・・419・・・・・・・・・・89
4(3)・・かみさまへのてがみ ・・・・・・・・・・・・・2/25 ・・・・・・・・・・・・・・3,557・・・・・・・・・・・・45,846 ・・・・・・・・・・・・・299・・・・・・・・・・16
5(新)・・フラニー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/17 ・・・・・・・・・・・・・・2,857・・・・・・・・・・・・・4,121・・・・・・・・・・・・・・631 ・・・・・・・・144

 2・3・5位の3作品が新登場です。
 2位「インファナル・アフェア」は、2002年の香港映画の佳作の再上映。韓国題は原題のままの「무간도(無間道)」です。
 3位「ジョゼと虎と魚たち」は、韓国でもヒットした日本映画の1つ。池脇千鶴の演技が印象に残っています。韓国ネチズンの536人の平均評点も8.2となかなか高ポイント。寸評を見ると、「Love Letter」「四月物語」「鉄道員」と共に必ず観るべき日本映画に挙げている人がいました。韓国題は「조제, 호랑이 그리고 물고기들」です。
 5位「フラニー」は、人気のベテラン男優と若手女優共演のアメリカ映画。裕福な暮らしをしていた快楽主義者で慈善家の紳士フラニー(リチャード・ギア)は、親友の運転する車に同乗中自分の悪ふざけから事故を起こしてその親友を死なせ、自身も重症を負います。 肉体的にも精神的にも苦しんだ彼の前に実の娘のようにも思える若い女性オリビア(ダコタ・ファニング)が現れ、人生に新たな希望が訪れますが、その幸せもつかの間、誰にも言えなかったフラニーの秘密が明らかになり、苦痛に満ちた記憶が再び彼を苛み始めます・・・。韓国題は「뷰티풀 프래니」。日本公開は未定のようです。
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[映画で仕入れた韓国語の俗語・新語・方言] <族譜>の別の意味、<クラ(嘘)>の語源など

2016-03-21 19:43:04 | 韓国語あれこれ
 「映画で仕入れた」といっても、セリフだけでなくもタイトルや関係サイトのカキコミ等々出処はいろいろです。

①족보
 数日前観たイ・ビョンホンチョ・スンウ主演の「インサイダーズ/内部者たち」、韓国ではディレクターズカット版を含めると観客動員約900万人という大ヒット作で、たしかにおもしろかったです。が、日本での認知度はイマイチ(以下?)のようですが・・・。
 物語は未来自動車(!)会長、有力大統領候補の議員、祖国日報(←朝鮮日報のような)論説主幹という財界・政界・言論界の黒いトライアングルに対して熱血検事ウ・ジャンフン(チョ・スンウ)が果敢に挑むというものです。そのジャンフンに対して上司の部長検事がよく口にする言葉が「족보 없는 놈」、すなわち「族譜のないヤツ」です。
 韓国・朝鮮では、族譜(족보.チョッポ)とよばれる昔からの一族の家系譜が重要視されていることは日本でもかなり知られていると思います。梶山季之の小説を原作とした林権澤(イム・グォンテク)監督の映画「族譜」も往年の韓国映画ファンにはおなじみの作品でしょう。
 しかし、ここでいう「族譜のないヤツ」という場合の族譜は系図ではなく、個人の経歴のこと。具体的には(有名大の)学歴及び学校の先後輩といったコネ、家柄や親戚姻戚関係のコネ、それらを含めた<빽>(バック)=後ろ楯といったものです。まあ業種にもよるのでしょうが、これがないと仕事の成功も昇進も望めないということで、検事の世界もがんばって司法試験にパスした元警察官のジャンフンも能力はあっても地方大出身ということで出世の見込みはない、ということなのだそうです。
 映画で私ヌルボの耳に入ったこの言葉は、たとえば→コチラの'내부자들' 조승우, "극 중 무족보 검사, 족보 없는 사투리 쓴다"(「内部者たち」 チョ・スンウ、「劇中の無族譜検事、族譜のない方言を使う」)といった記事の見出しにも多く使われていることを後で知りました。
 ことのついでに、この족보という言葉が家系図の意味以外で使われる別の例を探してみました。

 [A]過去問集のこと。学校関係だけでなく、就職や昇進試験にも用いられます。
  用例:대부분의 시험이 그렇듯 승진시험에도 '족보'는 필수다.
     大部分の試験がそうであるように、昇進試験にも<族譜>は必須だ。

 そういえば、高校部活の部室で定期テストの過去問がきちんと保存管理され、役立てられていた事例があったなー。

 [B]学校・企業・スポーツチーム等、特定の集団の歴史を指す言葉。
 たとえば、ソウル大学校の族譜をたどると京城帝国大学に・・・といったように。
 先日「公的資金完済、りそなの足跡」という長く興味深い記事が「毎日新聞」に載っていましたが、この銀行も含めこの数十年の日本の銀行の族譜もずいぶん複雑になってますね。

 [C]개족보(犬族譜)といえば犬の血統書のこと。
 しかし、この言葉は他に従兄妹同士のような近親間の結婚のことを軽蔑的に言う場合にも用いられるそうです。※韓国では8親等以内は結婚できない。(以前は同族同本間は結婚できなかったが2000年に緩和された。) したがって、従兄妹同士で結婚したければ法的に認められている外国で結婚するのだそうな・・・。

②히야
 この「히야(ヒヤ)」は今韓国で上映中の映画のタイトルです。
 問題児として育ち、殺人容疑等で刑事に追い回される兄チンサン(アン・ボヒョン)と、歌手をめざしながらも兄ゆえ(?)か毎回オーディションに落とされている高校生の弟ジノ(ホヤ)。複雑な思いが交錯する兄弟の葛藤と和解の物語のようです。
 ところが、この「히야」という言葉はふつうの辞書には載っていません。
 こんな時に頼りになるのは→<NAVER語学辞典>。さっそく引いてみると、新語関係の<지식iN 오픈국어>の項目にあります。
 히야(시야)は、標準語だと형아(兄貴よ)という呼称の慶尚道方言。
 히야~ 같아가자!(兄貴、一緒に行こう!)というように弟が兄を呼ぶ時に使う言葉とのことです。

③구라
 今年に入って<慰安婦映画>「鬼郷(귀향)」が話題ですが、観客動員300万人を突破しただけでなく<DAUM映画>のネチズンの評点(→コチラ)も現在数1165)人の平均が9.7と非常な高得点になっています。ところが、その中にあって1.0点という低得点をつけた上、次のような寸評を書いている人を発見!
 내용은 구라인거 아시죠? 일본 군경이 처녀들 끌고가고 저런건 없었구요.(中略)전쟁시기 일부 여자들이 속아서 간걸 침소봉대하지 말구요.
 内容はクラということ知ってるでしょ? 日本軍警が娘たちを引っ張っていってとかそんなことはなかったですよ。(中略)戦時中一部の女性がだまされて行ったのを針小棒大に言いなさんな。
 ・・・等々書き連ねていまが、これに対して目下のところ12人が非難のカキコミを寄せているのもまあ当然の成り行きか・・・。
 で、問題は「구라(クラ)」という言葉の意味。「嘘」の俗語ですが、一般的に使われる거짓말(コジンマル)に比べると「大げさに言う」「声高に言う」といったニュアンスが含まれていて、「ハッタリ」とか「でたらめ」と訳した方がよさそうな感じで、ちょっと品格に欠ける言葉のようです。
 日本語サイトでも、<Kpedia>の거짓말の項目(→コチラ)に、「若者たちは俗語の뻥(ポン)구라(クラ)と言う時が多い」と書かれ、「구라치지마.(嘘つくな)」という例文があげられています。
 次にこの「구라」という言葉の語源ですが、韓国でも国立国語院に質問した方がいました。(→コチラ。) その回答はというと、「隠す、だますの意味の日本語<晦(くら)ます>に由るという見方が一般的。しかし正確な根拠資料はなく真偽を明らかにするには難しいようです」というもの。
 むしろ詳しく書かれているのはやはり<ナムウィキ>。「구라」の項目(→コチラ)にいろいろ書かれています。これにも「晦ます」説を有力な説としてあげています。韓国の賭博場などでイカサマ師(타짜.タチャ)たちがインチキを使って勝負を操作をするという意味の隠語だったのが、拡張されて嘘・詐欺という意味になったもの、という説明がついています。
 またこれとは別に、野球のフライ(후라이)が구라に変わったという説も紹介しています。※후라이は日本風発音で、現在では플라이(プライ)になっています。
 1950~70年代に活躍したコメディアンのクァク・ギュソク(곽규석)はニツクネームがフライボーイ(후라이 보이)だったそうですが、そのわけは彼の広めた流行語が「후라이 치지 마(フライ打つな)」だったから。その意味は「大げさなことを言うな」です。それがその後嘘全般を指す言葉になり、さらにはハッタリといった意味もつけ加えられたとか・・・。
 ・・・等々と詳述されていますが、やはり結論は不明。やっぱり博打打ち関係の言葉だったような感じかな?
 オマケで「신라 와는 관계 없다.(新羅とは関係なし)」と記されているのは<ナムウィキ>らしいジョーク。(구라を見て旧羅という漢字語を思い浮かべる人はまずいないでしょうが・・・。(笑))
 なお、→コチラの<Kstyle>の記事によると韓国の大学生がよく使う日本語(??)の1位がこの「구라」なんですと!? 7割近くが使っている言葉なのだそうです。うーむ・・・。

④여주、남주
 これらの語もネチズンによる映画のレビューから。最近たまに目にするようになりました。「花、香る歌」(原題: 桃李花歌)から例文を1つ。
 수지가 빛났지 아직 여주로 영화하기엔 많이 부족함
 スジが輝いていたがヨジュとして映画に出るにはまだまだ不足
 初見でも前後の脈絡から意味はすぐわかります。漢字だと「여주」「女主」「남주」「男主」。つまり女性主人公(or主演女優)と男性主人公(or主演男優)のことです。

 何か他にもいろいろあったような気がしますが、とりあえず今回はここまで。
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横浜の原鉄道模型博物館で、伝説の金剛山電気鉄道22号を見る

2016-03-18 12:36:12 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 3月5日(土)原鉄道模型博物館に行ってきました。横浜駅東口から歩いてすぐの所です。
 実は私ヌルボの住まいから徒歩圏内。しかし、2012年7月開館なのに存在を知ったのは昨年で、入館は今回が初めてでした。
     
 第一京浜の南側から見ると、首都高の向こう、奥(北)から横浜そごう、スカイビルときて、一番手前が横浜三井ビルディング。(上左) この建物内にあります。1月16日(土)~3月17日(木)<台湾の鉄道展>ということで、朝鮮と共通する点も多いだろうと思い、この機会に一度見てみようと思ったわけです。
 エスカレーターで2階へ。鉄道模型で入館料が大人\1,000とは高いんじゃないの?と内心思ったヌルボ。しかし、見て回った後の感想は、「むしろ安い!」
 いやあ、95年のほとんど全生涯を通じて鉄道模型と実際の鉄道に情熱を傾けたこの方は、マニアの極致と言っても過言ではありません。
 原信太郎さん(1919~2014)。正直なところ、原さんが才能財力自由に使える時間に恵まれていたことは羨ましいかぎり。子供の頃からすごく高価な(今のお金だと数十万円?)模型を買ってもらえたりしたわけですからねー。(上の説明文を読むと「旅した国延べ約380ヶ国」という数字もオドロキ。たとえば10ヶ国を周る旅行38回分ということ?)
 さて、私ヌルボが入館してすぐ、「おおっ」と思ったのは、陳列されている鉄道模型の大きさ。子供の頃から見慣れているHOゲージとかOゲージよりずっと大きい、軌間45mm一番ゲージというものだそうです。
 そして最初の部屋ですぐ目にとまったのがこれ。(下画像)
 思いがけなくも、終戦までの朝鮮で走っていた金剛山電気鉄道の模型がみられるとは!

   

 細部に至るまで凝りに凝って、とても精密に作られています。
      
 「内金剛~鐵原」という行先標はもちろん右読みの旧字体。車両下部の機器箱は開閉できるようになっています。そして、模型の製作過程を撮った写真はアルバムに整理され、映像資料として検索して見られるようになっています。

 ところで、特別展のタイトルは冒頭で記したように<台湾の鉄道展>です。原さんはとくに台湾には思い入れが深かったようで何度も訪れ、1968年撮影の貴重な動画も残しています。この記事ではそれら台湾のことについては字数の都合上ばっさりカットします。が、1つだけ阿里山森林鉄道の見どころ独立山スパイラルループ線の図だけ貼っておきます。これは以前→コチラの記事で紹介した「日本鉄道旅行地図帳 歴史編成<朝鮮・台湾>」(新潮社)掲載のものですが、この特別展でも同様の図がありました。私ヌルボ、最初にこれを見た時には驚いたものです。平面図で見るとトンネルが交叉しているではないですか。1916年という時代によく造ったものです。ダージリン・ヒマラヤ鉄道(インド)、アントファガスタ・サルタ鉄道[アンデス山鉄道](チリ~アルゼンチン)とともに世界三大登山鉄道に数えられているのもむべなるかな、って乗ったことがないので想像するだけですが・・・。
 この阿里山森林鉄道が路線延長82.6キロ(嘉義~新高口)だったのに対し、1931年に(鉄原から)内金剛まで延びた金剛山電気鉄道は116.6キロ。(ちなみに箱根登山鉄道(小田原~強羅)は15キロ。) 阿里山森林鉄道が今も嘉義~阿里山間を運航しているのに対し、金剛山電気鉄道の方は起点の鉄原が38度線以北なので終戦後わずか9日後にソ連軍により南と分断され、その後朝鮮戦争で破壊され、休戦後鉄原は軍事境界線の南、つまり韓国の領域となりましたが、いかんせん金剛山が北朝鮮側なのでいまはもう「伝説」として語られるのみ、かな? ※1997年開業の金剛山青年線(安辺~金剛山)は別ルートなのでこの際関係ナシ。

 原さんがこの金剛山電気鉄道に乗ったのは1939年、20歳の時。展示されている年譜によると、2年前の1937年「18歳 通学用に初めて自動車を買う(ダットサン)」という記述が・・・。
 著書によると、鉄道技術を本格的に学ぶため慶応大から東京工業大に入学しなおすことに決め、その受験勉強もめどが立ってきた頃「息抜きに朝鮮旅行に出かけました」とのこと。(ウグーッ!) さらに「旅行から帰ってきてから受験科目を勘違いしていたことがわかり、必死になって勉強しました。そのかいもあってなんとか大学には合格することができました」ですと。(ムグ~!!)
   
 上左の画像上部の絵は、1929年京城市内で開かれた朝鮮大博覧会に際し金剛山電鉄が発行した吉田初三郎「朝鮮金剛山交通大鳥瞰図」です。→コチラのサイトで拡大して見ることができます。
   
 見学所要時間は約1時間半。順路の最後の方でまた「おおーっ」と声を上げそうになったのがこの展示。→ウィキペディアによると「1番ゲージの室内ジオラマとしては世界最大級の面積(約310平方メートル)」なのだそうです。いやー、すごいすごい! 小さな子供が「動鉄実習」中。本物の運転台を使って模型を運転しています。前のディスプレイには運転車両の車載カメラの映像が映し出されていて臨場感がある、と思います。

 いやあ、1人で行ってけっこう感動し、コーフンした博物館でした。特別展の企画によっては当然また行ってみます。あ、<台湾の鉄道展>は昨日でオシマイだったか! この記事を見て「行ってみようかな」と思った人ごめんなさい。

 後日、市立図書館に原信太郎さんご自身による本があったので見てみました。
   
 この本も、いろいろ興味深い文と写真がいっぱいです。たとえば金剛山電気鉄道22号の模型を下から撮った写真とか・・・。

 この後、金剛山電気鉄道の歴史、戦後そして現在の遺構等々についても興味がわいてきて、すこしずつ関連書を読み始めています。あー、ネタは次々にわいてきて、記事は遅々として進まない状態。困った困った・・・。

 ※館内で撮った写真を多数載せましたが、しばらく前から撮影OKになっています。動画も多数アップされていて、中には
金剛山電気鉄道22号の動画もあります。→コチラ

 ※原鉄道模型博物館の公式サイトは→コチラ
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [3月11日(金)~3月13日(日)]

2016-03-15 20:59:53 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 先週新しいPC(レッツノート)を購入したのに、設定とかパソコンの引っ越しとかで半日×2以上費やし、windows10と悪戦苦闘中で、結局この記事も今まで使い慣れたwindows7のパソコンで打ち込んでいます。正直なところ、これまででもさほど不便にも思っていなかったのでバージョンアップも迷惑なだけ。5年前の買い替えの時のようなうれしさ(←iMAX内蔵だったし)はほとんどナシ。最近韓国の棋士・李世乭(イ・セドル)九段が人工知能(AI)との対局で敗れましたが、コンピュータは進化するのに動物としての人間のスペックは変わりようがありません。問題は、たとえばスピーカーの性能がどんどん良くなってもそれを聴きわける聴力がないとどうしようもないということ。これからは何か外付けメモリーみたいのを耳に差し込んで五感の感度を高めたり物忘れを防いだり、あるいは脳ミソに直接何かファイルをインストール(!)して知的&身体的能力を高めないとモノの進化に対応できなくなるのでは? すると文字通りアンドロイドやないか。(笑) しかし、そこまでやってなんになるってんだ!?

 ・・・そんなわけで3月11日から始まった「インサイダーズ/内部者たち」もまだ観ていません。韓国であれだけの大ヒット作なのに日本の映画サイトでほとんど話題になってないようなのが残念。明日あたりバイクで鴨居まで遠出するかな?

 大阪アジアン映画祭では韓国映画「豚のような女」グランプリ受賞。そのうち首都圏でも上映してほしいものです。

 パソコン購入以前に観たドキュメンタリー「ヤクザと憲法」はシネマベティ19:20~の回でも約50人もの観客。どうも「ヤクザ」を「暴力団」と言い換えると前者の重要な属性まで捨象されてしまうように思います。(「慰安婦」を「性奴隷」と言い換える場合も。)

 ここにきてやや勢いの衰えてきましたが、<慰安婦映画>の「鬼郷」が観客動員300万人を突破しました。この映画に関して日本人青年が書いた<慰安婦を描いた映画「귀향 鬼郷」を見に行ってきました。>と題したブログ記事(→コチラ)は私ヌルボとしては(この作品について書かれた数多くの記事の中ではめずらしく)共感を持って読みました。
 もう1つの<反日>(???)映画「ドンジュ」も100万人突破。関連記事は→コチラ。ヌルボが韓国に行く今月末にできれば観に行きたいですが、まだやってるだろうなー。

「朝鮮日報」3月11日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ジョイ」
   王子? それ何に使うんだ? ★★★☆


 「パルチザン」

   アボジ、否定と父情の間 ★★★


 「フランシスコ」

   青年‘パパ’に興味あれば ★★★

 「おまえを待ちながら」

   俳優を浪費する悪い例 ★★☆


  「ヒヤ」

   男優にひきずられるな ★★

 「エンド・オブ・キングダム」

   予告編にも気をつけて ★★

 「パルチザン」は、2015年のオーストラリアのサスペンス。周辺から孤絶した街の郊外の共同体で、母親と暮らす少年アレクサンダーは、他の子供たちとともに共同体で唯一の大人の男性グレゴリーから<教育>を受けていますが、その<教育>とはなんと子供たちを暗殺者として育て上げるというもの。<優秀>で<実績>もあげてきたアレクサンダーですが、ある日グレゴリーに対して疑問を抱くようになります・・・。詳しくは→コチラ参照。「ヒヤ」は、問題児として育ち、殺人容疑等で刑事に追い回される兄チンサン(アン・ボヒョン)と、歌手をめざしながらも兄ゆえ(?)か毎回オーディションに落とされている高校生の弟ジノ(ホヤ)。複雑な思いが交錯する兄弟の葛藤と和解の物語。タイトルの「히야」は兄を呼ぶ言葉「형아」の慶尚道方言です。他の4作品についてはいずれも下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(3月15日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①鬼郷(韓国)  9.7(3000)
②ツインスターズ(米・英・仏・韓)  9.4(25)
③東柱[ドンジュ](韓国)  9.3(796)
④男たちの挽歌  9.0(309)
⑤ズートピア  8.9(213)
⑥Love letter(日本)  8.8(777)
⑦エターナル・サンシャイン  8.7(533)
⑧悪い国(韓国)  8.7(188)
⑨ルーム  8.6(68)
⑩スポットライト 世紀のスクープ  8.5(128)

 今回の新登場はありません。②「ツインスターズ」については、先週の【多様性映画】の欄で紹介しました。

     【専門家による順位】

①男たちの挽歌II  10.0(1)
②キャロル  9.0(11)
③ヘイトフル・エイト  8.6(5)
④黒衣の刺客  8.2(7)
⑤スポットライト 世紀のスクープ  8.0(6)
⑥暗殺の森  8.0(2)
⑦ボーダーライン  7.8(6)
⑧サウルの息子  7.7(9)
⑨男たちの挽歌  7.6(6)
⑩ルーム  7.5(6)

 ⑨「男たちの挽歌II」だけが新登場です。もちろん「男たちの挽歌」に続く第2作で1987年の作品。韓国題は「영웅본색 2」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績3月11日(金)~3月13日(日)] ★★★
         息の長い人気「ズートピア」が復活して1位に

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(3)・・ズートピア・・・・・・・・・・・・・・・2/17 ・・・・・・・・・・・342,913・・・・・・・・2,343,229 ・・・・・・・・18,044・・・・・・・・・636
2(1)・・鬼郷(韓国)・・・・・・・・・・・・・・2/24・・・・・・・・・・・・286,721・・・・・・・・3,142,482 ・・・・・・・・23,959・・・・・・・・・669
3(新)・・エンド・オブ・キングダム・・3/10 ・・・・・・・・・・273,545 ・・・・・・・・・310,752 ・・・・・・・・・2,555・・・・・・・・・523
4(45)・・お前を待ちながら(韓国)・・3/10 ・・・・・・・・・・257,522 ・・・・・・・・・303,141 ・・・・・・・・・2,548・・・・・・・・・552
5(2)・・ゴッド・オブ・エジプト・・・・・・3/03 ・・・・・・・・・・・159,403 ・・・・・・・・・788,383 ・・・・・・・・・6,582・・・・・・・・・465
6(27)・・ジョイ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/10 ・・・・・・・・・・・・83,185 ・・・・・・・・・104,443・・・・・・・・・・・854・・・・・・・・・405
7(4)・・デッドプール・・・・・・・・・・・・・2/17 ・・・・・・・・・・・・60,215 ・・・・・・・・3,251,058・・・・・・・・27,051・・・・・・・・・311
8(5)・・東柱[ドンジュ](韓国) ・・・・・2/17 ・・・・・・・・・・・・59,292・・・・・・・・1,036,517 ・・・・・・・・・7,886 ・・・・・・・・・311
9(新)・・イップマン3:最後の対決・・3/10 ・・・・・・・・・・・19,996 ・・・・・・・・・・24,594 ・・・・・・・・・・・211・・・・・・・・・130
10(8)・・スポットライト 世紀のスクープ・・2/24 ・・・・・19,635 ・・・・・・・・・269,286・・・・・・・・・・2,157・・・・・・・・・164
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 最近勢いが鈍ってきた「鬼郷」に代わって、1週間早く公開されていたディズニーアニメ「ズートピア」がここにきて少し数字を伸ばしてトップに。それだけこの1、2週間の新作に見るものがないということかも・・・。
 今回の新登場は3・4・6・9位の4作品です。
 3位「エンド・オブ・キングダム」は、ホワイトハウスが北朝鮮のテロリストに占拠されて(!)合衆国大統領が人質にとられた(!!)というサスペンス・アクション「エンド・オブ・ホワイトハウス」(2013)の続編。今作の舞台はロンドン。イギリス首相の葬儀のため集まった各国の首脳を狙ったテロが勃発する!? 今や、こういった映画が必ずしも荒唐無稽な設定といえないところが怖い・・・。韓国題は「런던 해즈 폴른」。日本公開は5月28日です。
 4位「お前を待ちながら」は、「怪しい彼女」のシム・ウンギョン主演のスリラー。15年前、少女ヒジュの目の前でお父さんが殺されます。15年後、その犯人を追うヒジュ(シム・ウンギョン)の前に、同様のパターンの連続殺人事件が発生します。「おまえがお父さんを殺した!?  15年間待ったヒジュの計画は全く予測できなかった局面へ・・・。そして7日間の追跡の結末は? 原題は「널 기다리며」。
 6位「ジョイ」は、女性発明家&実業家ジョイ・マンガーノの半生を描いた伝記映画。2人の子供を抱えたシングルマザーのジョイ(ジェニファー・ローレンス←この作品で今年のアカデミー賞主演女優賞にノミネート)は航空会社で働きつつ父(ロバート・デ・ニーロ)の経営する自動車修理工場の経理も担当し忙しい毎日を送っています。彼女も両親も皆離婚しても同じ家で生活してるというケッタイな家族(?)。1980年代のある日ジョイが床掃除に便利な“ミラクルモップ”(現在も米国で実在する大ヒット製品)を発明し、それがTVショッピングで紹介されるとなんと大ヒット商品に! その後いろいろあって、ジョイは実業家として成長していきます・・・。韓国題は「조이」。日本公開は未定のようです。ありそうなもんだけどなー。
 9位「イップマン3:最後の対決」(仮)は、香港の人気カンフー映画シリーズの第3作。詠春拳の最高の使い手イップマン(ドニー・イェン)の最後の物語です。香港に定着することとなった彼は武術はもちろん住民にも尊敬されるリーダー。学校の敷地を奪おうとする暗黒組織が学生たちを脅かすのを止めさせようと組織員を一網打尽し、ボスとの対決に臨みます。1月に台湾で観た方のブログ記事(→コチラ)によると、今作は「カンフーというより、愛の物語」だそうです。なお、マイク・タイソンが特別出演とのことで、これも見もの? 韓国題は「엽문3: 최후의 대결」。日本公開は未定のようです。このシリーズは私ヌルボも好きで前の2作とも観ました。ぜひ観てみたいなー。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・イップマン3:最後の対決・・・・・・・・2/25 ・・・・・・・・・・・・・19,996 ・・・・・・・・・・・24,594 ・・・・・・・・・・・・・211・・・・・・・・・130
2(新)・・フランシスコ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/10・・・・・・・・・・・・・・6,972 ・・・・・・・・・・・・・8,421 ・・・・・・・・・・・・・・62・・・・・・・・・184
3(1)・・かみさまへのてがみ ・・・・・・・・・・・・・2/25・・・・・・・・・・・・・・5,365 ・・・・・・・・・・・39,118 ・・・・・・・・・・・・・258・・・・・・・・・・37
4(2)・・ツインスターズ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/03・・・・・・・・・・・・・・1,584・・・・・・・・・・・・12,716 ・・・・・・・・・・・・・101・・・・・・・・・・31
5(3)・・キャロル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/04・・・・・・・・・・・・・・1,493 ・・・・・・・・・・311,893・・・・・・・・・・・・2,583・・・・・・・・・・18

 1・2位の2作品が新登場です。
 1位「イップマン3:最後の対決」(仮)については上述の通りです。
 2位「フランシスコ」は、スペイン・イタリア・アルゼンチンの合作。アルゼンチン出身の現ローマ法王フランシスコが、平凡な神父から全世界の人々から愛され敬われるその座に上がるまでを描いた作品。バチカン取材記者のアナは、ローマに向かう列車の中で偶然ベルゴリオ神父と出会い、これが縁で友だちになります。そして彼から青年時代から今に至るまでの話を聞くことになります。母の反対にもかかわらず司祭の道を歩き始めたこと、一目惚れの女性との出会い、いろいろな脅迫に遭ったこと等々。その後貧しく疎外された人々と共に歩み始めたベルゴリオ神父が大司教として定年退職のみを待っていたある日、法王を選出する選挙コンクラーベの候補となりますが・・・。韓国題は「프란치스코(フランチスコ)」。日本公開はなさそう?
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[ソウル]徳寿宮近辺の見逃しがちないろいろ ②世宗大路の道路元標

2016-03-13 16:50:52 | 韓国の街ネタ、観光ポイント、店・施設等
 →<徳寿宮近辺の見逃しがちないろいろ ①<広告の天才>イ・ジェソク製作のソウル市庁電光掲示板>

 このシリーズのスタートからもうひと月半。やっと2つ目の記事です。基本的に、徳寿宮から歩いて約10分以内のタダで行ける所、タダで見られるモノを紹介していこうというものです。
 近年何度かこの辺りをあちこち歩き回ることがあって、その時ガイドブック等にはほとんど載っていない、しかし一見の価値がありそうな(?)モノ(建造物その他)がいくつも目に留まったので、それを順次紹介していこうというのがシリーズの主旨です。

 今回は、最初の記事で予告として載せたこの画像についてです。


 先の記事徳寿宮から世宗大路の西側歩道を北に500mほど行くと、清渓川の起点の南西側筋向いの、通りに面した小公園内(交番前)に「도로원표」と刻まれた石がありました。
    
 左の地図。色のピンの所です。「도로」は道路でいいとして、「원표」は원=原・元・円、표=標・票・表といった漢字の組合せをいろいろ考えていると、その近くで目に留まったのが冒頭の画像の大きな石の造形物です。見ると、その中央に近い位置に「道路元標」と記された金属板がありました。つまりこの大きくて円い石が道路元標で、最初に見た「도로원표」と刻まれた石はここに道路元標がありますよ、という表示だったのですね。
 敷石の上に、韓・英・中・日の4ヵ国語の説明板がありました。不鮮明で読みづらいですが、次のように記されています。

道路元標について
 ここは光化門の美観広場で、道路元標のシンボルの造形物が設置されています。この元標を囲んで東、西、南、北の4方位とともに、鼠、牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪の12干支の象徴物をもって、それぞれの12方位を標示しています。そして道路元標と12干支の間の地面には、ソウルを中心に全国53都市までの高速道路と国道を利用した実際の距離を、また64の海外都(ママ)までの直線距離をそれぞれ表示しています。


 ・・・ということで、北側と東側を見てみると・・・。
    
 北(左画像)は子(ネズミ)の絵。평양(平壌)まで193㎞、개성(開城.ケソン)までは58㎞です。そして東北東(右画像)は寅(トラ)。속초(束草.ソクチョ)まで204㎞ということは、平壌より遠いのか。춘천(春川.チュンチョン)までは80キロメートル。

 次は西と南の方角。
    
 西(左画像)は、テヘラン(6554㎞)、バグダッド(7242㎞)等西アジアから、アテネ(8522㎞)からリスボン(10423㎞)までのヨーロッパの諸都市。そして南南東方向(右画像)には、やっぱり독도(独島.トクト)435㎞。それと東京(1158㎞)の金属板が隣接しています。

 ・・・え? 独島が記されているということは、この石造物ができたのはそんな昔のことではないゾ、と思ったら、別に<도로 원표의 연혁(道路元標の沿革)>が石板に刻まれていました。
   
道路元標の沿革
 ここはソウルと全国主要都市間の道路上の距離を表示する基準点です。
 1914年道路元標が設けられた当時の設置点は世宗路広場中央でしたが、1935年に新しく造られて世宗路の両側に移されたものを、再び1997年12月ここに変更しました。
 この広場中央の標石は道路元標の位置を変更してソウル特別市で新しく製作・設置したものです。

 以上が旅行中の記録。その後帰国してから日韓の関連サイト等を見てみました。たとえば→日本ウィキペディア、→韓国ウィキペディアの他、→<TTS 道路元標の広場>というサイトには道路元標についての実に細かな説明・資料が載っています。そこに韓国の道路元標の資料もあり、その中に京城市道路元標についての詳しい記事もありました。(→コチラ。) 読んでみると、上記の沿革の文中にある「1935年に移された」という道路元標が、教保文庫前にある高宗即位40年紀念称慶碑殿に今もあるのですね。(下の画像はNAVER地図を加工したものです。)
    
 人通りの多い世宗路交差点(サゴリ)の角ですが、観光客にもあまり見向きもされない建造物ですね。
 ここに下画像のような道路元標があるのです。
         
 上右画像の道路元標(東面)には京城以南の9都市への距離が、その裏面には京城以北の9都市への距離が刻まれています。・・・と、ここで気づいたのが先の1997年の大きな造形物の数値と違うこと。釜山や光州までのキロ数はこの昔の道路元標の方が20㎞あまり長くなっています。平壌の場合は上述のように今は「193㎞」となっていますが、1935年の方は「二七0粁」。この大きな違いは高速道路開設による道のりの短縮? よくわかりません。
 まだわからないことや新たに生じた疑問等々もありますが、とりあえずわかったことを書きとめておきます。
 ・日本にはけっこう<道路元標マニア>といった人たちがいて、関連ホームページもけっこうあります。自身各地の道路元標の写真を撮ったりもしています。(中には盗んできちゃったりする不届き者もいたって!?)
 ・日本橋の中央に東京市道路元標が設置されたのが1911年。(旧)道路法が制定されて各市町村に一個ずつ道路元標を設置することとされたのが1919年。ということを考えると、日韓併合後まもない1914年に京城に設けられたのは朝鮮総督府の道路行政の手早さを示しているといえるかも。
 ・たとえば京都市の道路元標(→コチラ参照)が烏丸三条交差点に設けられたように、京城の場合も太平通(世宗大路)と鍾路という南北と東西に走る主要道路の交点に設置されたわけです。
 ・1996年の韓国誌「時事ジャーナル」の記事(→コチラ)によると、1997年現在の道路元標が造られる前に、いろいろ議論があったようです。記事の見出しからして「日本製の道路元標、文化財たりうるか?」。副題は「ソウル市、日本が設置した道路元標をめぐり遺物かどうか悩み中」です。この記事によると、ソウル市が道路元標の記念を企画したのが1995年春。 しかし道路元標の歴史的価値を確認することができず、諸専門家に意見を求めたり外国の事例を調べたりもしたようである。この「時事ジャーナル」の記事は相当部分韓国文化歴史地理学会の地図研究者イ・オヒョン氏の所論に依拠していますが、彼は「道路元標が日本の不純な底意により誕生した「陰謀的標識」であることを立証するのは、これが事実上の道路の基準点のみ「象徴」するだけで、実際に使用される距離を示すにはほとんど寄与をしていなかったという点である」としています。また記事は「道路元標は、朝鮮総督府が自分たちが飲み込んだ地の距離を表示したものであるにすぎない。このようなものを記念するということは狂気に違いないという彼の言葉で結んでいます。つまり「時事ジャーナル」も保存には批判的ということです。
 また、→コチラの記事(韓国語)は詩人キム・ジョンスさんが知的好奇心旺盛な息子さんを連れての世宗大路の道路元標の実地教育の記事で、なかなかいい記事だとは思いますが、最後に次のような父子の会話が記されています。
 (父)「今まで見た道路元標は日本植民地時代に作られたものだが、そこに保存しておいてもいいかな?」(子)「それはダメだよ。日帝が作ったものをなぜ保存するの? なくさなくちゃ。」
 ・・・私ヌルボ思うに、このような歴史の実物教育ができるのも実物がそこにあるからで、いくら憎くてもそれをなくし、記憶の手がかりを消してしまってはまずいと思うのですが・・・。その記事には申采浩(シン・チェホ)の「領土を失った民族は再生できても歴史を失った民族は再生できない」という言葉が引用さけていますが、この言葉は現在の韓国・朝鮮にもあてはまるのではないでしょうか? (日本の側、特に現政権の「歴史認識」にも大いに問題はありますが。)
 ・日本同様、韓国内にも各地に道路元標があります。「도로원표」で画像検索するとたくさんヒットしますが(→コチラ)、多くは戦後造られたものです。→コチラの表にある1924(大正13)年7月時点で朝鮮半島にあった計20(南12・北8)の道路元標が現在どこかに残っているかどうかはよくわかりません。

 あー、今回も調べたこと知ったことの8割くらい書いてしまいました。長すぎですね。もっと要点を精選して書かなければ、と毎度思うのですが・・・。
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<チョウセントラの過去と現在> ③野毛山動物園のメイメイの「虎」独、麝香虎骨膏のこと等

2016-03-10 10:25:54 | 韓国・朝鮮関係の知識教養(歴史・地理・社会等)
 → <チョウセントラの過去と現在> ①はじめに =歴史・文化・民俗・絶滅危惧種等々=
 → <チョウセントラの過去と現在> ②トラを見にズーラシアに行った、のですが・・・

 1つ前に記事で、2月18日に初めてズーラシアに行ったものの、お目当てのアムールトラ(チョウセントラ)は2009年にオス・メス2頭があいついで死亡して今はいないことを知って肩すかしをくらったことを書きました。まあ元気のいいスマトラトラの双子姉妹は見られたのはよかったですが・・・。
 そこで気を取り直してさっそく翌日向かった先が野毛山動物園です。前に1度来て、記事にも書いた(→コチラ)のが2010年なので、なんと6年ぶり。私ヌルボが週3回は通っている横浜市立図書館から歩いてわずかに10分ほどなんですが、いや、ちょっと上り坂がしんどいような、そんなこんなで・・・。
 で、昼過ぎに行ってさっそくライオンとトラの獣舎に向かいました。
 インドライオンのラージャーの獣舎では10人以上の人がいて、何を見ているのかのぞくと、職員のお1人がエサをやり、別のお1人が檻の外に尾を引っ張り出してキレイに拭いたりしていました。後で→コチラの記事を見たら健康管理のため採血をしていたのですね。採血までは見ないで、当初の目的のアムールトラの獣舎へ。
     
 あら、6年前と同じで今日もゴロ寝? ボードを見ると「あそぶのが大好き」なはずなのに・・・。しかし続きを読むと「アムールトラの寿命は飼育下で15年」ですと。で、このメイメイは1996年生まれということは、え、今年で20歳になるんでないの! 人間でいえば80~90歳くらいのおばあさんなのか!? うーむ、そうでしたか、どうもすみません。・・・と見るうちに・・・。
     
 おもむろに立ち上がったメイメイ。私ヌルボを真正面からにらんだりして(上左。再度「すみません」)、次には外側のエリアにお出まし。(上右) 手前にはちょっと笹だか竹だかが植えられているのも「やはりトラに似つかわしいねー」と他の見物客が言ってました。
 なお、このメイメイの動画は→コチラの<野毛山動物園探検隊>の記事の中にあります。また→コチラは小さいですがメイメイの母親ヤンユェン(陽原)の写真。その時点の2007年8月には、メイメイの両親がズーラシアにいて、野毛山にはメイメイ(美美)とリリ(麗麗)の双子姉妹がいて、4頭健在だったのに2009年12月にはメイメイ1頭だけの「虎」独の身になってしまったのですね・・・。
 事務室でコピーしていただいた「ふぉーしーずーん」という印刷物のアムールトラの記事には、そのリリのありし日の写真が載っていました。
 その記事には、通常のエサの冷凍馬肉や鶏の頭ではなく、たまにはご馳走をと骨付き豚肉のかたまりをやった時のことが書かれていました。ところがリリは喜んでかぶりついてバリバリムシャムシャ・・・とはいかないで、肉を噛み切れずとまどい、結局はあきらめちゃったそうです。本来ならトラは両前足でしっかり肉を抑えて肉を引きちぎるのですが、動物園で生まれ育ってカットされた肉しか食べたことがなく、母親からもそんな食べ方を教わる機会がなかったからなのでしょう、と担当のOさんは記しています。しかたなく肉を切ってやるとリリはおいしそうに食べ始めたとのことです。

 さて、日本全国でアムールトラは何頭くらいいるのでしょうか?
 国際環境NGOの<FoE Japan>内に<アムールトラねっと>(→コチラ)という組織があります。そのサイトの「アムールトラのいる動物園」というページ(→コチラ)には、28の動物園がリストアップされています。しかし、ズーラシアも含めて10ヵ所もの動物園に「○○が死亡しました。ご冥福をお祈りします」と記されていたりしているので、これらの園にアムールトラがいるというわけでもありません。2009~11年にそんな多くのアムールトラが死亡した一方、広島の安佐動物園では2011年4頭の子トラが誕生しました。→コチラでその動画を見ることができます。今はずいぶん大きくなっていることでしょう。また京都市動物園にも今3頭のアムールトラがいるようです。(→コチラ。) その他、日本平動物園(→コチラ)等にも複数いるので、大雑把に言って全国で30頭近くいるのではないでしょうか。

 さて、上記のアムールトラねっとではアムールトラ保護のため5枚1組のパネルを作成・配布しています。下写真はその中の2枚で6年前に撮ったものですが今回は見当たりませんでした。
     
 森林伐採等の他、石油パイプラインの建設も減少の要因にあげられています。
 今回は、入口近くの掲示板に野生生物の取引を監視・調査しているTRAFFIC(トラフィック.→公式サイト)という国際的NGOの掲示物が貼られていました。内容はワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の説明です。
      
 トラは附属書Iすなわち「今すでに絶滅する危険性がある生き物」に分類されています。(左) ちなみにジャイアントパンダ、ゴリラ、オランウータン、シロナガスクジラ、タンチョウ、ウミガメも同じです。生きている動物だけでなく、毛皮や角等の他、薬や装飾品等の加工品も規制の対象とされています。(中) トラについては毛皮はもちろん、ヌルボが注目したのは右の画像。「麝香虎骨膏」という火防訳があるのですね。<百度百科>(→コチラ)によると鎮痛消炎・筋肉痛・関節痛等々に効能があるという貼り薬(軟膏もある?)で、成分中にたしかに虎骨とか豹骨が入っています。ただ、今ではこれらを含まない「麝香骨膏」がふつうに出回っているようです。(包装紙には虎の絵が描かれていますが。) なお、虎と軟膏といえば思い出すのがタイガーバームですが、この製品名は創業者の名前に由るので、トラの成分が含まれているわけではありません。
 トラの加工品規制関係の記事をいくつか見ていたら、2005年の中国のニュースを紹介した「中国政府、”虎” 資源の貿易解禁か」というちょっとヤバい記事がありました。(→コチラ。) 戦後の中国での虎狩りやトラ減少の状況について、あるいは「死んだ虎を使って生きた虎に役立てる」といった一部の意向について記されています。これは11年前の記事ですが、今はどうなのか気になるところです。

 チョウセントラの、「トラ」の方に重点を置いた記事が2回続きましたが、このシリーズの次回は「チョウセン」に立ち返って朝鮮での虎狩りのこと等を書く予定です。

 → 1月4日に天寿を全うして亡くなった野毛山動物園のアムールトラ(チョウセントラ)・メイメイ(20歳)
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [3月4日(金)~3月6日(日)]

2016-03-08 22:44:08 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 先週3日。木曜はシネマジャック&ベティが男性割引の日で、男性客が多いのは想定内でしたが、開場10分前で65番目とは! で、観た映画は「サウルの息子」。先週の記事の「朝鮮日報」10字評で「映画ではなくて体験だ ★★★★☆」とあったのはナットク。主人公と同じ目の高さで、感情移入どころか感覚的に重なって、異音が聞こえればドキッとするような・・・。「考えさせられる」というよりも、なんというか、とにかく緊張が続く映画でした。観終わって出ると、もっと長い行列ができていた映画が「ヤクザと憲法」。このドキュメンタリーがなんでこんなに?と思いましたが、観た知り合いの話を聞くと私ヌルボも観なくちゃと思いました。明日あたり行ってくるかな?

 6日(日)はブルク13で「ヘイトフル・エイト」。座席数129人のシアター9がほとんど満席で、前から2列目とはいえヌルボの両隣りが空席だったのは奇跡のようなもの。で作品の方は期待の1~2割減といったところか。真相は?とか結末は?とかの「?」で最後まで引きつけますが、それを超える満足感はイマイチ。目が離せない、最後まで飽きさせない映画だからといって★5つになるものでもありません。(観て損したというレベルでは全然ないですが。) なお、エンニオ・モリコーネがこの作品でアカデミー賞作曲賞を初受賞しましたが、ヌルボ個人としては「ブリッジ・オブ・スパイ」や「キャロル」の方がよかったような・・・。モリコーネもこれまで受賞していてもよかったと思いますが。

「朝鮮日報」3月4日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ルーム」
   一間で展開するドラマ ★★★★


 「ツインスターズ」

   SNS時代ゆえの奇跡 ★★★


 「雪行 雪道を歩く」

   乾いた中にも潤いあり ★★★


 「島、消えた人々」

   実話をねじまげて、あっ ★★☆


 「ゴッド・オブ・エジプト」

   CGも行きすぎはダメ ★★


 「島、消えた人々」は、2014年知的障碍者に対する奴隷労働が明るみに出た新安塩田奴隷労働事件(→ウィキペディア)に基づくスリラー。事件の取材に向かった記者に住民はなかなか口を開かず、さらに集団殺人事件が起こったりして・・・と、かなり実話から<飛躍>しているようです。他の4作品についてはいずれも下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(3月8日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①鬼郷(韓国)  9.7(2778)
②東柱[ドンジュ](韓国)  9.3(733)
③男たちの挽歌  9.0(309)
④ズートピア  8.9(179)
⑤Love letter(日本)  8.8(776)
⑥エターナル・サンシャイン  8.7(533)
⑦悪い国(韓国)  8.7(184)
⑧ルーム  8.7(46)
⑨リリーのすべて  8.6(103)
⑩スポットライト 世紀のスクープ  8.5(113)

 ⑧「ルーム」が新登場です。ある部屋で暮らしていた母ジョイと5歳の男の子ジャック。いや、暮らしていたというより、ニックという男によって監禁されていたのです。それも7年間! 生まれてからこの部屋が世界のすべてというジャックに、ジョイは部屋の外の世界を見せるため脱出を決意します・・・。韓国題は「룸」。日本公開は4月8日で、予告編も流されています。

     【専門家による順位】

①キャロル  9.0(11)
②ヘイトフル・エイト  8.6(5)
③黒衣の刺客  8.2(7)
④スポットライト 世紀のスクープ  8.0(6)
⑤暗殺の森  8.0(2)
⑥ボーダーライン  7.8(6)
⑦サウルの息子  7.7(9)
⑧男たちの挽歌  7.6(6)
⑨ルーム  7.5(6)
⑩東柱[ドンジュ](韓国)  7.3(6)

 ⑨「ルーム」だけが新登場です。これについては上述しました。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績3月4日(金)~3月6日(日)] ★★★
         <慰安婦映画>「鬼郷」が「三一節」も追い風となり好調に連続1位

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・鬼郷(韓国)・・・・・・・・・・・・・・2/24・・・・・・・・・・・・600,900・・・・・・・・2,604,707 ・・・・・・・・19,894・・・・・・・・・861
2(新)・・ゴッド・オブ・エジプト ・・・・3/03 ・・・・・・・・・・・442,387 ・・・・・・・・・502,116 ・・・・・・・・・4,260・・・・・・・・・618
3(3)・・ズートピア・・・・・・・・・・・・・・・2/17 ・・・・・・・・・・・296,341・・・・・・・・1,896,250 ・・・・・・・・14,409・・・・・・・・・641
4(2)・・デッドプール・・・・・・・・・・・・・2/17 ・・・・・・・・・・・171,627・・・・・・・・3,125,991 ・・・・・・・・26,015・・・・・・・・・465
5(4)・・東柱[ドンジュ](韓国) ・・・・・2/17 ・・・・・・・・・・・112,769・・・・・・・・・922,468・・・・・・・・・・7,018 ・・・・・・・・・385
6(新)・・13時間・・・・・・・・・・・・・・・・・3/03 ・・・・・・・・・・・・83,780 ・・・・・・・・・・96,848 ・・・・・・・・・・・787・・・・・・・・・380
7(5)・・検事外伝(韓国)・・・・・・・・・・2/03 ・・・・・・・・・・・・58,821・・・・・・・・9,664,315・・・・・・・・・76,990・・・・・・・・・319
8(10)・・スポットライト 世紀のスクープ・・2/24 ・・・・・56,455 ・・・・・・・・・226,739・・・・・・・・・・1,810・・・・・・・・・255
9(23)・・ルーム・・・・・・・・・・・・・・・・・3/03・・・・・・・・・・・・・35,841 ・・・・・・・・・・53,052 ・・・・・・・・・・・436・・・・・・・・・333
10(6)・・「いいね!」して(韓国)・・・2/17・・・・・・・・・・・・・18,406 ・・・・・・・・・835,673・・・・・・・・・・6,477・・・・・・・・・139
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は2・6・9位の3作品です。
 2位「ゴッド・オブ・エジプト」はアメリカのアクション・ファンタジー。神と人間が共生していた古代エジプト。生命の神オシリス王によって統治され繁栄を誇っていたが、それを嫉んだ弟の砂漠の神セトがオシリスを謀殺し王座を奪ってしまいます。オシリスの子の天空の神ホルスは、セトに妻を奪われた人間の盗賊青年ベックと手を組んで冒険の旅に出る、・・・とまあなんと荒唐無稽な(笑)、ってファンタジーだからOKなの? 韓国題は「갓 오브 이집트」。日本公開は9月とか。
 6位「13時間」は、2012年にあったリビアのアメリカ領事館襲撃事件を基にしたアクション・ドラマ。9月11日ベンガジにあるアメリカ領事館に銃と手榴弾を持った数十人の武装勢力が侵入する事件が起こりました。 ベンガジで秘密裏に作戦を遂行していたCIAを保護するために派遣された6人の民間傭兵は領事館に残された36人の命を救うため救出作戦に出動することになるのですが・・・。9月11日午後8時40分の武装勢力侵入から13時間の間には、スティーブンス米大使が行方不明になったり、CIA秘密基地文書廃棄および回収作業が進められたり、6人の傭兵たちが武装勢力と交戦したり云々といろいろあり、ツラツラ考えるとアメリカもけっこうヤバいことやってたようだぞ。そもそも傭兵を英雄視するのはかなーり問題あるぞ。韓国題は「13시간」。日本公開は未定のようです。
 9位「ルーム」については上述しました。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・かみさまへのてがみ・・・・・・・・・・・・・・2/25・・・・・・・・・・・・・・5,726 ・・・・・・・・・・・30,315 ・・・・・・・・・・・・・202・・・・・・・・・・51
2(13)・・ツインスターズ・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/03・・・・・・・・・・・・・・4,940・・・・・・・・・・・・・8,374 ・・・・・・・・・・・・・・68・・・・・・・・・126
3(2)・・キャロル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/04・・・・・・・・・・・・・・3,159 ・・・・・・・・・・307,272 ・・・・・・・・・・・2,547・・・・・・・・・・33
4(3)・・サウルの息子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/25・・・・・・・・・・・・・・2,611・・・・・・・・・・・・17,482・・・・・・・・・・・・・141・・・・・・・・・・39
5(新)・・雪行 雪道を歩く(韓国)・・・・・・・・・・3/03・・・・・・・・・・・・・・1,598 ・・・・・・・・・・・・・3,137・・・・・・・・・・・・・・24・・・・・・・・・・72

 2・5位の2作品が新登場です。
 2位「ツインスターズ」(仮)は、英・仏・米・韓合作のキュメンタリー。フランスとアメリカに住む韓国系の女性が偶然YouTubeとSNSで双子であることを知って・・・、という話はニュースを見てすでにご存知の方もいらっしゃると思います。昨年4月の「中央日報」(日本語版)(→コチラ)にも載っていました。フランス国籍でロンドン在住のデザイナーの勉強をしているアネイさんは、「そっくりな女性が動画に出てる」と教えられたのがそもそもの始まり。相手も自分も誕生日は同じ1987年11月9日。アネイさんはアメリカ在住のその女性俳優サマンサさんに連絡を取ると生まれてすぐ養子の斡旋業者によって別々に引き取られていった双子だったことが判明。2013年5月、26年ぶりの再会後、2人はこの物語の映画化のためクラウドファンディングで資金を調達し、サマンサさん自身が監督となって完成した作品です。それにしても、以前「冬の小鳥」(→コチラ)や「はちみつ色のユン」(→コチラ)といった映画に関して韓国の国際養子の問題を取り上げましたが、半世紀も前だけでなく、彼女たちのような若い世代でもふつうに(?)いるとは・・・。ネチズンの評価も高く、「温かく、感動的」なのはわかりますが、なぜ彼女たちは海外養子とならざるを得なかったのか・・・。あるいは、この幸福な偶然の陰に、映画にはなりそうもないかわいそうなドラマもきっとあるような・・・。韓国題は「트윈스터즈」。日本公開は未定のようです。
 5位「雪行 雪道を歩く」は韓国のドラマ。雪の降る寒い冬、ジョンウ(キム・テフン)はアルコール中毒の治療のために修道女が運営する山中の療養院を訪れます。酒の誘惑と1人闘っていたジョンウは、そこの修道女マリア(パク・ソダム)との交流を通して回復の兆しを見せ始めます。しかしジョンウは療養院で出会った猟師のザックに入っていたお酒に目をつけ、彼と一緒に猟に出かけてしまいます。ところが豪雪の中で孤立してしまって・・・。原題は「설행_눈길을 걷다」です。
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<チョウセントラの過去と現在> ②トラを見にズーラシアに行った、のですが・・・

2016-03-05 23:49:56 | 韓国・朝鮮関係の知識教養(歴史・地理・社会等)
 → <チョウセントラの過去と現在> ①はじめに =歴史・文化・民俗・絶滅危惧種等々=
の続きです。

 近所のスーパーで2月初め「鬼のパンツ」の歌が流され、その後ずっと「うれしいひなまつり」の歌だったのが、それも一昨日でおしまい。あっという間に今年も6分の1が終わってしまいました。(あの歌を聴きながら頭の中で「あかりをつけたら消えちゃった♪」と歌っている人は何割もいると思います。)
 そして2月18日(木)に免許の更新で二俣川の免許試験場に行ってからもう2週間。当初の予定だとその免許関係の記事(→コチラ)のすぐ後にこの記事を書くつもりだったのがずいぶん遅れてしまいました。

 さて、精神的に疲れた私ヌルボが原付で向かった先はよこはまズーラシア動物園。「癒し」のほかに行った理由はというと、
 ①大雑把にみれば自宅からの方向が二俣川と同じ(北西)で、長く神奈川に居住しているのにまだ行ったことがなかったから。
 ②最近「メンコンイ」=ジムグリガエルについての記事を書いて以来絶滅危惧種動物にちょっと興味を持つようになったから。
 ③アムールトラ(チョウセントラ)と、東南アジアのトラを比べて見てみたかったから。

 ・・・と、こんなところです。

 いい天気とはいえ、冬。そしてウイークデイの昼過ぎ。こんな時にどんな人たちが動物園を訪れるかと、動物より先に人間観察。多いのは幼児を連れたお母さん。(たまに父親がいることも。) それからアベック。そーか、動物園デートというのはデートの定番なんだな。なるほど、動物園デートのタブー(→コチラ)とか、(女性の)作戦(→コチラ)とか、いろいろあるみたいです。この数十年ちょっと無頓着だったな。(笑)

 ズーラシアはとにかく広い動物園です。とりあえず、公式サイトは→コチラです。
 最初のゾーンは<アジアの熱帯林>。ここでとくに親近感を覚えるのは・・・。
     
 もちろんオランウータンですね。
 その後、知り合いの生物のセンセーから「チンパンジーとはDNAの99%が一致している」と聞きました。ただ、後でネット検索すると「一致」の解釈の仕方の問題もあるようですね。(→コチラ参照。)

 少し行くと、いました、いましたがなスマトラトラが!
     
 2014年8月生まれのメスの双子ダマイとミンピです。まだ1歳半なのに、こんなに大きくなっています。大きなガラスの向こうを歩き回っています。 
     
 こんな近くまで! この小さな女の子、真正面で視線を合わせたりして恐くないのかな? いやー、ガラスを発明した人はたいしたものです。
 その少し先に、インドライオン
     
 インドにもライオンがいるということはどれくらい知られているのでしょう? これもやっぱり絶滅危惧種(EN)です。それにしても、トラととも動物界の横綱格なのに、先のスマトラトラの双子姉妹のような精悍さがぜ~んぜん感じられない・・・。何を考えているのか、しっかりしてほしい!(笑)

 次に、入って少し後に気づいたことなのですが、私ヌルボ、先に書いたように「アムールトラ(チョウセントラ)と、東南アジアのトラを比べて見てみたかった」というのがここに来た目的の1つでしたが・・・、次のゾーン<亜寒帯の森>の見取り図を見るとこの通り。
 アムールトラと書いてあったとおぼしきところがアムールヒョウと書きかえられています。
 あとで確かめてみたら、横浜と友好都市提携をしている上海の動物園からアムールトラのトンファ(東華.オス)とヤンユェン(陽原.メス)という2頭のアムールトラがやってきて、野毛山動物園で育てられていたが、その後新しくズーラシアができてそちらに移されたとのこと。しかしトンファは2009年2月に、またヤンユェンも同年12月に死亡したのだそうです。つまり、今ズーラシアにアムールトラはいないのです!
 そうか・・・。私ヌルボがズーラシアにはアムールトラがいることを知ったのが約10年前。トラの寿命は15~20年ということなので、ヌルボが年をとる4~5倍くらいの速さで老け込み、とっくにこの世のトラではなくなっていたのですね・・・。なお、トンファの死については「トンファは私にとって友人だった」という方の真情溢れる追悼記事があります。(→コチラ。) これはぜひ読んでほしい一文です。
 で、これがアムールヒョウ
     
 アムールヒョウはシベリアヒョウともよばれ、また朝鮮半島にも(かつては)いてチョウセンヒョウといわれたという点ではアムールトラと同じですね。ただ、やはりトラよりひと回り小さいし、トラを横綱とすれば関脇クラスかせいぜい張出大関といった感じですかねー。

 さて、<亜寒帯の森>ゾーンでは他にこれも絶滅危惧種のユーラシアカワウソを見たかったのですが、なぬっ、今日はお休みだって!? 「ウソ!」・・・とつまらないオヤジギャグを口にしてしまってどっと疲れが・・・。
 この後、<オセアニアの草原><中央アジアの高地>の2つのゾーンを経て、<日本の山里>ゾーンにやっと入った頃にはもう3時半を回り、午前中の精神的疲れは癒えたものの身体的疲労はいかんともしがたいレベルに。
 その<日本の山里>ゾーンにいたのが左の写真のツシマヤマネコベンガルヤマネコの亜種とのことですが、そもそもベンガルヤマネコの亜種とされるアムールヤマネコというのが生息する所によってツシマヤマネコ、チョウセンヤマネコと呼ばれるということなのかな? 学者によっても見解が分かれる? ここらへんはよくわかりません。
 それにしてもこのヤマネコは落ち着きがなく、間断なく同じ所を往ったり来たりしていました。
 どうも動物園で見る動物は動きがほとんどないか、過剰なほど動き回っているかの2つに大別されるように思います。まあ自分が人間だから、人間の動きを基準にして見ているにすぎないのでしょうが・・・。それにしてもとくに爬虫類の諸君など生きているのか死んでいるのか、生き物なのか置き物なのかも判然としないのがずいぶんいます。いくら「亀は万年」と言われるほど長生きしても、その大半をあんなにじっとしたままで過ごすとしたら、その人生(いや亀生か)といったい何なんだ!と問うてみたいものです。彼らがしゃべれるとしたら、「そ・・・れ・・・は・・・だ・・・な・・・」と100年くらいかけて答えてくれるかも。(笑)
 
 ズーラシアは、やっぱり広かった! 53.3ヘクタールで、多摩動物園を少し上回っています。(子供の頃ちょくちょく親に連れて行ってもらった名古屋の東山動植物園は60ヘクタール。恐竜像が懐かしい。) 半日ではとても回りきれず、アマゾンやアフリカの動物はまた今度ということにして帰途についたのでした。

 ズーラシアにアムールトラはいなかったので、次の記事で捲土重来です。

 → <チョウセントラの過去と現在> ③野毛山動物園のメイメイの「虎」独、麝香虎骨膏のこと等
 → 1月4日に天寿を全うして亡くなった野毛山動物園のアムールトラ(チョウセントラ)・メイメイ(20歳)
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [2月26日(金)~2月28日(日)]

2016-03-02 15:50:23 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 諸般の事情で1日遅れの記事になってしまいました。
 月曜(2/29)に観た「知らない、ふたり」は「ちょっと得した」感のある映画で、21:05~の回とはいえ私ヌルボ含め5人という観客数にはもったいない作品でした。なかなか凝った脚本で、時間軸が行き来したり、カメラの視点を移動させたり・・・。内田けんじ監督の佳作「運命じゃない人」(2004)を思い出しました。なお全部のセリフの半分近く(?)が韓国語なので、韓国語学習者にはベンキョーになります。

 韓国では2月24日公開の<慰安婦映画>「鬼郷」が意外なほどの大ヒットで観客動員数1位になっています。昨年末以来の状況変化の影響ですね。2002年にナヌムの家で元慰安婦の姜日出(カン・イルチュル)さんの絵「焼かれる少女たち」を見て衝撃を受けたというチョ・ジョンレ監督(作家・趙廷来とは別人の女性)がクラウドファンディング等で資金を集め、14年かけて完成させた作品です。「鬼郷(귀향)」というタイトルは「帰郷」と同じスペルですが、監督によれば「戦争犯罪の犠牲者たちの魂を慰める」という意味をこめて「鬼郷」としたとのことです。日本のサイトでもぼつぼつ話題になってきていますが、<反日>や<憤り>ではなく<鎮魂>(あるいは<癒し><反省>)の映画ということで少しズレがあるかも・・・。しかし実際に足手まといになった大勢の少女慰安婦たちが焼かれるという事実が本当にあったのかどうか? 冷静に検証する必要があると思うのですが・・・。
 なお、この映画についての韓国メディアの報じ方は各紙の政治的立場をそのまま反映しています。日本語版のリンクを張っておきます。
 <進歩系> 「ハンギョレ」  →<ひらひらと帰って来る少女たちを温かく迎える映画『鬼郷』>
                  →<「鬼郷」旋風は慰安婦合意に対する市民の劇場デモ>
 <保守系(中道に近い)> 「中央日報」  →<映画『鬼郷』100万人、『ドンジュ』60万人…小さな映画の突風>
 <保守系> 「東亜日報」  →<植民地時代を扱った映画「鬼郷」、100万人動員>
 <代表的保守> 「朝鮮日報」  →<慰安婦映画『鬼郷』観賞運動、韓国野党が政争化狙う動き>
 一方、この映画に疑問を呈している日本サイトの記事  →<慰安婦カルト映画の裏面史…本当にあった少女大虐殺>
 なお、「焼かれる少女たち」の画像は→コチラの批判記事(日本語)か、→コチラ(韓国語)の韓国メディア「チェジュの声」の記事で見られます。(同じ絵に対する正反対の見方。)

「朝鮮日報」2月26日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「サウルの息子」
   映画ではなくて体験だ ★★★★☆


 「スポットライト 世紀のスクープ」

   調味料入れずとも美味 ★★★★

 「ドキュメンタリー:映画監督ミヒャエル・ハネケ」

   クールでも正確な監督 ★★★☆


 「鬼郷」

   辛い歴史への招魂儀礼 ★★★

 「男と女」

   曖昧な愛と、曖昧な映画 ★★★


 「かみさまへのてがみ」

   優しすぎて信じがたい ★★☆


 「純情」

   観客より先に泣くとは ★★☆

 「ドキュメンタリー:映画監督ミヒャエル・ハネケ」は、オーストリアとフランス合作によるドイツの名匠のドキュメンタリー。詳細は→コチラ参照。他の6作品についてはいずれも下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(3月1日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①鬼郷(韓国)  9.8(1997)
②東柱[ドンジュ](韓国)  9.2(566)
③男たちの挽歌  9.0(308)
④時をかける少女<2006年>(日本)  9.0(1196)
⑤Love letter(日本)  8.8(776)
⑥ズートピア  8.8(139)
⑦悪い国(韓国)  8.7(181)
⑧エターナル・サンシャイン  8.7(533)
⑨リリーのすべて  8.6(90)
⑩スポットライト 世紀のスクープ  8.6(51)

 ①と⑩の2作品が新登場です。
 ①「鬼郷」については冒頭に書いた通りです。
 ⑩「スポットライト 世紀のスクープ」は、一昨日報じられたアカデミー賞作品賞受賞作。カトリック教会の神父が30年にもわたり多数の児童に性的虐待を行っていて、教会もそれを看過していたというスキャンダルをボストン・グローブ紙の記者たちが暴いたという実話を映画化したものです。日本でも4月15日公開ですでに公式サイト(→コチラ)もあり、諸情報が流されています。韓国題は「스포트라이트」。

     【専門家による順位】

①キャロル  9.0(11)
②ヘイトフル・エイト  8.6(5)
③黒衣の刺客  8.2(7)
④スポットライト 世紀のスクープ  8.2(5)
⑤暗殺の森  8.0(2)
⑥ボーダーライン  7.8(6)
⑦時をかける少女<2006年>(日本)  7.8(5)
⑧サウルの息子  7.7(9)
⑨男たちの挽歌  7.6(6)
⑩東柱[ドンジュ](韓国)  7.3(6)

 ④と⑧の2作品が新登場です。
 ④「スポットライト 世紀のスクープ」については上述しました。
 ⑧「サウルの息子」は、日本ではすでに1月23日から公開されています。韓国題は「사울의 아들」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[2月26日(金)~2月28日(日)] ★★★
         話題の<慰安婦>の映画「鬼郷」がトップに

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(21)・・鬼郷(韓国) ・・・・・・・・・・・・・2/24・・・・・・・・・・・776,070・・・・・・・・1,061,267 ・・・・・・・・・7,962・・・・・・・・・793
2(1)・・デッドプール・・・・・・・・・・・・・2/17 ・・・・・・・・・・・441,737・・・・・・・・2,616,171 ・・・・・・・・21,731・・・・・・・・・651
3(15)・・ズートピア・・・・・・・・・・・・・・2/17 ・・・・・・・・・・・412,248・・・・・・・・1,131,168 ・・・・・・・・・8,452・・・・・・・・・733
4(5)・・東柱[ドンジュ](韓国) ・・・・・2/17 ・・・・・・・・・・・187,612 ・・・・・・・・・607,301 ・・・・・・・・・4,558・・・・・・・・・540
5(2)・・検事外伝(韓国)・・・・・・・・・・2/03 ・・・・・・・・・・・178,958・・・・・・・・9,437,864・・・・・・・・・75,184・・・・・・・・・482
6(4)・・「いいね!」して(韓国) ・・・・2/17 ・・・・・・・・・・・・93,673 ・・・・・・・・・733,713・・・・・・・・・・5,659・・・・・・・・・382
7(新)・・男と女(韓国)・・・・・・・・・・・・2/25 ・・・・・・・・・・・・83,056 ・・・・・・・・・116,987 ・・・・・・・・・・・958・・・・・・・・・444
8(新)・・純情(韓国)・・・・・・・・・・・・・・2/24 ・・・・・・・・・・・・76,288 ・・・・・・・・・177,428・・・・・・・・・・1,268・・・・・・・・・440
9(53)・・フィフス・ウェイブ ・・・・・・・・2/25 ・・・・・・・・・・・・61,797 ・・・・・・・・・・79,959 ・・・・・・・・・・・613・・・・・・・・・309
10(15)・・スポットライト 世紀のスクープ・・2/24 ・・・・・57,460 ・・・・・・・・・・94,792 ・・・・・・・・・・・722・・・・・・・・・316
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・7・8・9・10位の5作品です。
 1位「鬼郷」をはじめ韓国映画が6作品もランクイン。先でもリンクを張った「中央日報」の記事にあるように「鬼郷」や「東柱」といった少予算映画が予想外のヒット。「東柱」は前週よりも数字が増えています。
 1位「鬼郷」については上述しました。
 7位「男と女」は、チョン・ドヨンとコン・ユ共演のオーソドックスな恋愛物。最初の舞台はヘルシンキ。ある子供たちの国際学校で出会ったサンミン(チョン・ドヨン)とキホン(コン・ユ)はたまたまキャンプ場に向かって同行することになりますが、大雪で道を見失い、やむなく林の中の無人の小屋に入りますが、2人は互いの名前も知らないまま抱き合い、そして別れることに・・・。その後ソウルに戻ったサンミンにとって、過ぎ去った夢のようなその経験でしたが、なんと彼女の前にキホンが再び現れて・・・。その先の見当はつきますが、さらにその先は? 原題は「남과 여」です。
 8位「純情」は、23年前の男女5人の仲間たちの間の切ない初恋と友情を描いた物語です。ラジオDJのヒョンジュン(パク・ヨンウ)は、ある日生放送中に届いた手紙を見てはっとします。送り手の名はずっと心に秘めていた23年前の初恋の相手チョン・スオク(キム・ソヒョン)でした。その手書きで丁寧に書かれた文章を読んで、彼の記憶がよみがえってきます。1991年、夏休みを迎えてスオクが待っている故郷の島の村に集まったポムシル(D.O.)と友人たち5人の親しい仲間たち。17歳だった彼らが輝くばかりの夏の日々を過ごす中、ボムシルとスオクに忘れられない特別な瞬間が訪れます・・・。原題は「순정」。
 9位「フィフス・ウェイブ」は、アメリカのSFアクション。圧倒的知能を持つ謎の生命体アザーズの攻撃を受けて地球は壊滅状態に。人間同士も信じられない末期的な状況で離れ離れになった弟を救うため旅に出た女子高生キャシー(クロエ・グレース・モレッツ)の戦いが描かれます・・・。「キック・アス」で無邪気に大量殺人をしていたクロエちゃん、ここまで大きくなったか。韓国題は「제 5침공(第5侵攻)」。日本公開は4月23日です。
 10位「スポットライト 世紀のスクープ」については上述しました。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(8)・・かみさまへのてがみ・・・・・・・・・・・・・・2/25・・・・・・・・・・・・・・8,613・・・・・・・・・・・・16,875・・・・・・・・・・・・・112・・・・・・・・・113
2(1)・・キャロル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07・・・・・・・・・・・・・・6,992 ・・・・・・・・・・297,556 ・・・・・・・・・・・2,467・・・・・・・・・・52
3(新)・・サウルの息子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/25・・・・・・・・・・・・・・4,888・・・・・・・・・・・・・9,025・・・・・・・・・・・・・・74・・・・・・・・・・50
4(4)・・ビリーと勇敢な野郎たち・・・・・・・・・・・2/17・・・・・・・・・・・・・・3,225 ・・・・・・・・・・・30,878・・・・・・・・・・・・・214・・・・・・・・・・43
5(新)・・ゴーストハンター ・・・・・・・・・・・・・・・・2/25・・・・・・・・・・・・・・2,655・・・・・・・・・・・・・4,298・・・・・・・・・・・・・・30・・・・・・・・・・54
       オバケのヒューゴと氷の魔人

 1・3・5位の3作品が新登場です。
 1位「かみさまへのてがみ」は2010年のアメリカの実話に基づいた作品。8歳の少年タイラーは脳のガンという重病を抱えています。ある日から彼は神様への手紙を書き始めますが、郵便配達員のブレイディはその手紙に困惑し、教会に相談しにいくと、神父はタイラーの家族と関わりを持つようアドバイスします・・・。韓国題は「레터스 투 갓」。日本では劇場公開はなく、DVDが発売されています。
 3位「サウルの息子」については上述しました。
 5位「ゴーストハンター オバケのヒューゴと氷の魔人」は、ドイツ・オーストリア・アイルランド合作のファンタジーアクション。弱虫の男の子トムは、ある日ちょっと恐く、すごくかわいい(?)「ゼリー幽霊」のヒューゴと出会います。友人がなかった彼らは2人はなかよくなりますが、眠っていた邪悪な氷のモンスターが復活し、ヒューゴは住んでいた屋敷を乗っ取られ、街もオバケがあふれて混乱状態に・・・。この危機に、氷のモンスターに立ち向かう2人ですが・・・。韓国題は「고스트 헌터: 얼음 몬스터의 부활」。日本ではDVD販売だけで劇場公開はないようです。
コメント (2)
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