ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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<地理のテスト形式> 日韓の姉妹都市(現在163組) その由縁は?

2017-09-28 22:41:31 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
2017年9月現在、韓国と姉妹提携をしている自治体(都道府県・市区・町村)は合計163あります。おそらく、おおかたの日本人はその多さに驚くのでは?
 国別の多い順に10位までみると、1位=アメリカ(449) 2位=中国(364) 3位=韓国(163) 4位=オーストラリア(108) 5位=カナダ(70) 6位=ブラジル(57) 7位=ドイツ(53) 8位=フランス(52) 9位=ロシア(45) 10位=ニュージーランド(43) ※台湾は13位で22。

 こうした数をみると、たしかに韓国は多いですね。姉妹都市が1つもない県は岩手・福島・群馬・栃木・長野・三重・徳島・沖縄の8県だけです。
 ちなみに、北朝鮮との姉妹都市はありません。が、以前はありました。水木しげるの出身地として知られる鳥取県境港市で、元山市と1992~2006年姉妹都市でした。1978年8月北朝鮮から初の貨物船(例の)万景峰号が入港したり、以後も多くの朝鮮船舶が往来して、2003年には延べ408隻が北朝鮮のカニなどを届け、中古の自転車やタイヤ、冷蔵庫などを朝鮮に持ち帰っていたとのことです。その姉妹都市提携に終止符が打たれたのはもちろん日朝関係の悪化。この件は深入りすると長くなりそうなので、参考として→コチラコチラの記事を紹介するに止めます。

 韓国との姉妹提携がなぜこんなに多いのか? ・・・は問うまでもありません。昔からさまざまな交流があり、現在もすぐ行き来できるという利点を生かして、たがいに共通点を持つ自治体間で知識・技術その他有益な諸情報のやりとりをしているということです。

 163の事例の中で、日韓の両都市の名前を見ただけでその提携理由がわかるものもあります。たとえば・・・
  東京都と、ソウル特別市 ・・・ 首都
   ・下関市(山口県)と、釜山広域市 ・・・ 関釜連絡船
   ・奈良市と、慶州市 ・・・ 古都。(慶州は新羅の都)
 ・・・といったところ。

 この記事のネタ元は<自治体国際化協会>のサイト中の→コチラや→コチラなどのページです。個別に、<提携の動機及び経過>等についても記されています。
 それらを読むと、たまたまその市に住んでいた相手国の人の出身地だったことが機縁で、とか、議員が訪韓した時に会った人の縁で等々のわりといいかげんな(?)縁で姉妹都市になった例も多数ありますが、第三者にとっては意外な共通点を有する町同士の結びつきもあり、なかなか興味深いものがあります。
 たとえば、東京では5つの区がソウル市の区と姉妹提携していますが、荒川区だけは済州市と姉妹提携をしています。その理由は?と問うと、私ヌルボの友人の1人はノーヒントで即答したのでちょっと驚きました。「区内に済州島出身者が多く在住しているから」なのだそうです。

 今回は163の事例中から地理や歴史の勉強にもなりそうな20の事例をピックアップして、その共通点は何か?をテスト問題風にしてみました。難易度は・・・よくわかりません。日本の自治体名だけを見て見当がつきそうなものが8つほどはあるので、半分できれば上出来だと思います。韓国側で日本人に知られているのは、浦項(ポハン)、平昌(ピョンチャン)、あとはちょっと離れて蔚山(ウルサン)、利川(イチョン)といったとこですかねー?

 ※正解は( )の部分を範囲指定すれば現れます。


日本の自治体韓国の自治体正解[選択肢]姉妹都市成立の主な理由
瀬戸市(愛知県)利川市(京畿道)()=2002FIFAワールドカップの時の開催地としては最小の都市
=[日]旧帝国海軍で現在は海上自衛隊の拠点。[韓]海軍の軍港都市。<海軍桜>の名所。(2010年合併鎮海市から改称)。
=[日]加藤清正のお膝元。[韓]清正が築いた倭城がある。
=[日]氷ノ山スキー場と、[韓]竜平スキー場がある。
=[日]史跡「伝王仁墓」の所在地。[韓]王仁博士の生誕地といわれる。
=大製鉄所を中心とした臨海工業都市。
=伝統行事として闘牛が行われている。
=[日]江田船山古墳の所在地。[韓]武寧王陵の所在地。出土品(履・耳飾など)が類似。
=カニの特産地。
=伝統的な陶磁器の生産地。
=炭鉱都市。
=[日]英彦山の開闢の伝説の地。[韓]その伝説と共通性のある韓民族の壇君神話に関係がある魔尼山の所在地。
=[日]朝鮮通信使の寄港地。(2004年牛窓町が合併により市に。) [韓]江戸初期朝鮮通信使の礎を築いた松雲大師の生誕地。
=茶の特産地。
=国の無形文化財の大綱引きが行われている。
=梨の特産地。
=[日]孤児たち3千人を育てた田内千鶴子さんの出身地。[韓]孤児院の所在地。
=[日]白村江の戦(663年)百済に多数の援軍を送った地。[韓]当時の百済の本拠地。
=[日]日本の統治期に朝鮮の植林に携わりながら朝鮮の陶磁器を研究紹介した浅川巧の生地。[韓]浅川巧が訪れていた林業試験場の出張所があった所。
=干潟で知られ、[日]ガタリンピック、[韓]マッドリンピックというイベントを開催。
倉吉市(鳥取県)羅州市(全羅南道)()
越前町(福井県)盈徳郡(慶尚北道)()
静岡県忠清南道()
瀬戸内市(岡山県)密陽市(慶尚南道)()
赤平市(北海道)三陟市(江原道)()
枚方市(大阪府)霊岩郡(全羅南道)()
添田町(福岡県)仁川広域市江華郡()
狭山市(埼玉県)統営市(慶尚南道)()
福山市(広島県)浦項市(慶尚北道)()
熊本市(熊本県)蔚山広域市()
大仙市(秋田県)唐津市(全羅南道)()
呉市(広島県)昌原市(慶尚南道)()
高知県全羅南道()
若桜町(鳥取県)平昌郡(江原道)()
北杜市(山梨県)抱川市(京畿道)()
鹿島市(佐賀県)高興郡(全羅南道)()
和水町(熊本県)公州市(忠清南道)()
鹿嶋市(茨城県)西帰浦市(済州南道)()
徳之島3町(鹿児島県)清道郡(慶尚北道)()
 
 
【付記】
①利川市は、瀬戸市の他に、信楽焼で知られる甲賀市(滋賀県)とも姉妹提携している。また波佐見焼の波佐見町(長崎)は高麗青磁発祥の地の康津郡(全羅南道)と姉妹提携している。
④この件については、先日(2017年9月23日)の毎日新聞(東京)の<日韓つなぐ自治体交流 川勝平太・静岡県知事と李俊揆・駐日韓国大使>という記事(→コチラ)で知りました。同県には朝鮮通信使ゆかりの清見寺もあり、日韓の交流・親善の場とされている。
⑤牛窓に伝わる唐子踊りは朝鮮通信使伝来とされている。
⑦私ヌルボ、2015年11月枚方市でちょうど交流行事が開かれた日に行きました。→関係記事
⑩[日]JFEスチール西日本製鉄所と、[韓]POSCO。
⑪明・朝鮮連合軍(5万5千)が日本の籠城軍(1万)を取り囲んだ絵はよく知られる(?)。(→コチラ参照。)
薩摩川内市(鹿児島県)と、昌寧郡(慶尚南道)も綱引きの縁で姉妹提携をしている。
⑭「木浦の母」とよばれた田内千鶴子(1912~68)の伝記映画に、日韓合作の「愛の黙示録」(1997.石田ゆり主演)がある。
⑮[韓]もちろん2018冬季五輪の開催地。

 全体的に、特産物関係が多いですね。上記以外では、ニンニクの特産地という田子町(青森県)瑞山市(忠清南道)というのもありました。
 歴史や伝説の結びつきも、他にいくつかありました。7世紀白村江の戦の後百済から亡命した鬼室集斯を祠る鬼室神社がある日野町(滋賀県)と、鬼室集斯の父の鬼室福信を祠る恩山別神堂がある扶余郡恩山面(忠清南道)との姉妹提携等々。
また、産業等の現代的な共通項もあります。玄海町(佐賀県)釜山広域市機張郡、そして御前崎市(静岡県)蔚珍郡(慶尚北道)。これらはいずれも<原発の町>です。

【蛇足ながら・・・】
 以下は私ヌルボの体験的日韓姉妹都市の話です。
・10数年前だったか、川崎市富川市の間の高校生交流の催しにちょっと関わったことがありました。その少し前に川崎市と富川市が姉妹都市ということを知ってなるほどと思いました。富川は、首都の大都市と、大きな港町の間のベッドタウンです。すると横浜市と仁川市も姉妹都市なのかなと思ったら少し格下(?)の友好都市。仁川市の姉妹都市は神戸市でした。(空港がらみで仁川市と成田市も姉妹都市です。成田市はお寺(新勝寺)がらみで内蔵寺のある井邑市とも姉妹都市になっています。)
・2008年全州に行った時、日本語の堪能な市の職員のBさんという方と話す機会があり、全州が金沢と姉妹都市だと聞きました。ともに歴史・文化の伝統がある地方の中心都市で、川崎-富川以上にナットクしました。
・今年(2017年)7月、友人から声をかけられ、山梨県北杜市浅川伯教・巧兄弟資料館に行ってきました。こじんまりとしていますが、展示内容はとても密度の濃い資料館で、館長さんからもいろんなお話を聞くことができて幸運でした。その時に、北杜市の姉妹都市とその経緯等についても知りました。それが私ヌルボが今回の記事を書いた直接的な契機です。 ※今月初めのソウル旅行で浅川巧の墓のある忘憂里共同墓地を訪ねたのもそれがきっかけです。(→関係記事。)
・数十年前の学生時代に行った石塔寺(いしどうじ)にある石造三重塔(阿育王塔)の縁で、所在地の東近江市(滋賀県)が、よく似た長蝦里三層石塔のある扶余郡場岩面(忠清南道)と姉妹提携していることは今知りました。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [9月22日(金)~9月24日(日)]

2017-09-26 19:21:59 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶やっぱりクストリッツァ監督は格が違う、と思ったのは新作「オン・ザ・ミルキー・ロード」もさることながら、やっぱり「アンダーグラウンド 完全版」を観ての感想。2番続きでYEBISU GARDEN CINEMAに行って計5時間25分。現実離れした奇天烈な展開の中にちりばめられている寓意は現代にも通じると思った次第です。(あの北朝鮮の体制問題とか、政治的プロパガンダのこととか・・・。)
 ※<ぴあ映画生活>の「アンダーグラウンド」のクチコミの中に「映画に社会に向けて何かメッセージを発したり残したりという役割があるならば、この映画はそれを満たしていて、映画がエンターテイメントでありスリルやドキドキを感じないのであれば意味が無いのであれば、それも満たしている。」という一文。言い得ていると思いました。

▶上述のYEBISU GARDEN CINEMAで23日からオススメの韓国映画「わたしたち」の上映が始まっています。2016年の東京フィルメックスでトリプル受賞を果たした注目作。詳しくは→公式サイト参照。上映館のリストを見ると、全国で18都道府県か。うーむ・・・。
ここにあったチラシの中に「ぼくの名前はズッキーニ」というのがありました。韓国では今年3月公開で、当ブログでは「ズッキーニとよばれて」と仮題をつけていたフランス・スイス合作のストップモーションアニメで、韓国では評論家等からも高評価を得ていた作品です。公開日はいつなのかみると、これが来年2月10日とは! 韓国より遅いのはいつものことですが、それにしても遅いゾ!

<コリアン・シネマ・ウィーク2017>は10月26日(木)~11月1日(水)の情報がすでに公表されています。上映作品は「灰の花」「トンネル 闇に鎖された男」「歩く女王」「LUCK-KEY/ラッキー」「グッバイ・シングル」の5作品。詳細は韓国文化院のサイト(→コチラ)からです。応募期間は10月16日(月)まで。

▶伊勢佐木町の横浜シネマリンで9月23日~10月6日<ハートアンドハーツ・コリアン・フィルムウィーク>として「空と風と星の詩人 〜尹東柱の生涯〜」等韓国映画4作品を上映。東京等で見逃した人はこちらで。(→詳細)
    
「朝鮮日報」9月23日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」
  正直な正統殺人推理劇 ★★★
 「ブラッズ・ステイタス」
  全てを持つのは不可能 ★★☆
 「チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」
  明るくて純粋で美しく ★★☆
 「ザ・ロスト・シティ・オブ・Z」
  19世紀の東洋の幻想 ★★☆
  「ブラッズ・ステイタス」はブラッド・ピット製作の新作コメディですが、主人公の名はブラッド・スローンでベン・スティラーが演じています。日本公開は未定、かな? 「チア☆ダン」は韓国でも好評。やはり広瀬すずの人気大。日本に来て観たという人もいるようです。他の2作品は後の記事中で紹介しています。「IT/イット」の10字評の訳は、どう考えても10文字には収まらず。残念。

         ★★★ NAVERの人気順位(9月26日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) 4月の終わり(韓国)  9.64(14)
②(3) おばあちゃんの遠い家(韓国)  9.44(174)
③(5) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.41(224)
④(-) アイ・キャン・スピーク(韓国)  9.36(3,169)
⑤(6) 貯水池ゲーム(韓国)  9.35(1,955)
⑥(7) 女優は今日も(韓国)  9.29(470)
⑦(8) KING OF PRISM -PRIDE the HERO-(日本)  9.26(625)
⑧(-) モーディー  9.20(2,296)
⑨(-) インビジブル・ゲスト 悪魔の証明  9.19(517)
⑩(-) 共犯者たち(韓国)  9.12(4,464)

 今回の新登場は④「アイ・キャン・スピーク」と⑨「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」の2作品ですが、いずれについても後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(2) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
②(3) それにもかかわらず(韓国)  8.00(1)
③(-) 猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)  7.75(8)
④(5) ベイビー・ドライバー  7.67(9)
⑤(7) ウインド・リバー  7.33(6)
⑥(-) アイ・キャン・スピーク(韓国)  7.25(8)
⑦(8) パム島海賊団、ソウル火の海(韓国)  7.22(9)
⑧(-) ザ・ビガイルド  7.00(8)
⑨(-) 恋物語(韓国)  7.00(7)
⑨(-) 女優は今日も(韓国)  7.00(7)

 今回の新登場は⑥「アイ・キャン・スピーク」だけですが、この作品については後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績9月22日(金)~9月24日(日) ★★★

         新機軸の<慰安婦映画>「アイ・キャン・スピーク」が1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(18)・・アイ・キャン・スピーク(韓国)・・9/21 ・・・・・・・・・・607,696・・・・・・・・・・726,522・・・・・・・・・5,869 ・・・・・・・1,140
2(1)・・殺人者の記憶法(韓国) ・・・・・・9/06・・・・・・・・・・・214,570・・・・・・・・2,473,635・・・・・・・・19,979 ・・・・・・・・・678
3(2)・・ベイビー・ドライバー ・・・・・・・・・9/14 ・・・・・・・・・・154,313・・・・・・・・・・718,187・・・・・・・・・5,899 ・・・・・・・・・551
4(5)・・ヒットマンズ・ボディガード ・・・・8/30・・・・・・・・・・・・55,475・・・・・・・・1,597,219・・・・・・・・13,241 ・・・・・・・・・216
5(3)・・バリー・シール ・・・・・・・・・・・・・・9/14・・・・・・・・・・・・41,424・・・・・・・・・・385,882・・・・・・・・・3,065 ・・・・・・・・・438
        /アメリカをはめた男
6(新)・・インビジブル・ゲスト・・・・・・・・・9/21 ・・・・・・・・・・・35,722・・・・・・・・・・・44,463 ・・・・・・・・・・372 ・・・・・・・・・232
        悪魔の証明
7(4)・・IT/イット・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/06・・・・・・・・・・・・30,568・・・・・・・・・・872,922 ・・・・・・・・7,211 ・・・・・・・・・240
        “それ“が見えたら、終わり。
8(新)・・ザ・ロスト・シティ・オブ・Z ・・・・9/21 ・・・・・・・・・・・27,149・・・・・・・・・・・35,565 ・・・・・・・・・・280 ・・・・・・・・・398
9(8)・・映画かみさまみならい・・・・・・・9/07・・・・・・・・・・・・12,086・・・・・・・・・・135,287 ・・・・・・・・1,043 ・・・・・・・・・122
        ヒミツのここたま 奇跡をおこせ♪テップルとドキドキここたま界(日本)
10(6)・・怪物はささやく ・・・・・・・・・・・・・9/14 ・・・・・・・・・・・11,041・・・・・・・・・・・75,100 ・・・・・・・・・・592 ・・・・・・・・・182
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 9月30日~10月9日の10連休を前に、観客動員数はちょっと低調。注目は1位の「アイ・キャン・スピーク」で、ちょっとコミカルな要素のあるという新機軸の<慰安婦映画>です。
 今回の新登場は1・6・8位の3作品です。
 1位「アイ・キャン・スピーク」は、韓国の、これまでとはかなり変わった<慰安婦>関係のドラマ。町中をかき乱しながら、なんと8千件に達する苦情を役所に申し入れて鬼ばあさんと呼ばれるオクブン(ナ・ムニ)。20年間誰も止めることができなかった彼女の前に現れたのは原則主義の9級公務員ミンジェ(イ・ジェフン)でした。2人の間に緊張感が漂います。そのオクブンは苦情受付と同じくらい熱心に英語を勉強していましたがなかな上達しません。そこで彼女はネイティブスピーカーレベルの英語を駆使するミンジェに先生になってほしいと頼みます。そのやりとり結果、全然似合わないようだった2人の英語の授業が始まると、徐々に相互理解も深まり、親しくなっていきます。オクブンが英語を学ぶ理由が何か、ミンジェはずっと気になっていました。ところがある日、彼はそのわけを知ります。それはなぜ彼女が英語でぜひとも話したいことがあったからなのです・・・。・・・と、ここまででこの作品がなんで<慰安婦映画>なのか、およそ見当はつきますね? →「中央日報(日本語版)」の記事にはもう少し先まで書かれています。原題は「아이 캔 스피크」です。
 6位「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」は、スペインの犯罪&ミステリー。殺人容疑で起訴された実業家ドリア(マリオ・カサス)のもとに敏腕の女性弁護士グッドマン(アナ・ワヘネル)が訪ねてきます。彼らは3時間後に開始される裁判に向けて事件の再検証と反証の準備を進めていきます。ドリアは不倫相手ローラ(バルバラ・レニー)との密会中に、事故でダニエルという青年を死なせてしまっていました。死体を湖に沈めて隠蔽を図ったものの、ダニエルの父親はドリアを疑ってつきまといます。その後ドリアとローラは山奥のホテルに誘い出され、そこでまた事件が起きます。裁判はドリアが圧倒的に不利な状況にも関わらず、グッドマンはドリアを無罪にできると言うのですが・・・。日本では今年3月<シネ・エスパニョーラ2017>で上映されましたが、一般公開は未定のようです。韓国題は「인비저블 게스트」です。
 8位「ザ・ロスト・シティ・オブ・Z」(仮)は、デヴィッド・グランによるノンフィクションを原作としたアメリカのドラマ&アクション。製作会社の経営者でもあるブラッド・ピットがプロデューサーとして関わっている作品だそうです。20世紀初頭のイギリス人の探検家パーシー・フォーセット(チャーリー・ハナム)は、アマゾンの奥地に伝説の古代都市があると信じていました。その古代文明を彼は人類の歴史の最後のパズル「Z」と呼んで探査に熱を上げましたが、予期せぬ事故にたびたび見舞われながらもあきらめることなく「Z」の探査にこだわり続け、その情熱は徐々に狂気に変わっていきます。そして、最後の探査という決意で息子ジャック(トム・ホランド)と共にアマゾンのジャングルに再び入っていきますが・・・。フォーセット(1867~?)は実在の人物で、1925年に消息不明となったとか。で、この作品は「彼は何かを発見できたのか ?」「どんな最期を迎えたのか ?」という残された謎に一つの解答を提示している、とのことです。(→町山智浩氏の話がすごく詳しく、おもしろい。) 韓国題は「잃어버린 도시(失われた都市)」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・インビジブル・ゲスト 悪魔の証明・・9/21・・・・・・・・・35,722 ・・・・・・・・・・・44,463・・・・・・・・・・・・・372・・・・・・・・・232
2(新)・・ザ・ロスト・シティ・オブ・Z・・・・・・・9/21 ・・・・・・・・・・・・27,149・・・・・・・・・・・・35,565・・・・・・・・・・・・・280・・・・・・・・・398
3(1)・・モンスター・コール ・・・・・・・・・・・・・9/14 ・・・・・・・・・・・・11,041・・・・・・・・・・・・75,100・・・・・・・・・・・・・592・・・・・・・・・182
4(2)・・貯水池ゲーム(韓国) ・・・・・・・・・・・9/07 ・・・・・・・・・・・・・9,780・・・・・・・・・・・114,570・・・・・・・・・・・・・906・・・・・・・・・142
5(11)・・キム・グァンソク(韓国) ・・・・・・・・・8/30 ・・・・・・・・・・・・・8,241・・・・・・・・・・・・57,657・・・・・・・・・・・・・456・・・・・・・・・・51

 1位「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」と2位「ザ・ロスト・シティ・オブ・Z」(仮)の2作品が新登場ですが、いずれについても上述しました。
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[充実の4泊5日ソウル旅行記] いきなり総集編(笑) ③清涼里のフリで入った貝焼き店はボリューム満点 同地の<例の一角>は大変貌の真っただ中!

2017-09-25 23:44:39 | 韓国旅行の記録
 →<[充実の4泊5日ソウル旅行記] いきなり総集編(笑) ①忘憂里共同墓地など>
 →<[充実の4泊5日ソウル旅行記] いきなり総集編(笑) ②念願の(?)ヌタウナギ、どでかいパジョン等々にオドロキと感動!(ちょっと大げさ?)>

【いろんな料理を堪能 オドロキもあり、感動もあり[後編]】
 ③明洞ヘムルポチャと70'S PUB フリで入った店でもアタリだった!
      
 サークル仲間S氏の長所は、誰とでも自然と親しくなれるところ。それもその時だけでなくずっと後までも。今回の旅でも、2年前のわずか10週間の慶熙大短期留学中に知り合った人たちの何人とも再会しました。当時生活していた回基のコンビニのおばさんの店にも手土産を持っていったり(ホントにいいおばさん)、そして<トウミ>(留学生のアシスタントの学生)のHさんとはロッテ百貨店で待ち合わせて明洞に食べに行きました。
 Hさんは中学校の社会科の先生になったという好青年。とくに目的の店があるということでもないので、明洞の街を歩き客引きのお兄さんたちとあれこれ話しながら、結局入ったのは1Fに日本式カレー店あびこがあるビルの2Fにある明洞ヘムルポチャ(명동해물포차)という店。メニューにはいろいろありますがヘムル(海物)というからには海鮮が売りなんだろうとヘムルチャンポンタン1万8千ウォンを注文[写真上左]。(ヘムルタン(海鮮鍋)とどこが違うんだろ?) これが意外と正解で、私ヌルボ、コチュジャンどっさりの鍋物で抵抗感なく美味しいと思って食べたのは初めてかもしれません。
 次の店はそこから近い70'S PUBという、これまたなんとなく入った店。(→ソウルナビ。) 基本ビアバーなのでいろんなビールがあります。そこでツマミとして注文したのがハンチ(한치)のスルメ[写真上右]。これがとても軟らかく、甘みがあって美味! ハンチはヤリイカかなと思ったらケンサキイカ(厳密にはヒラケンサキイカ?)。

 ④ロッテ百貨店九里店B1Fのクムビ デパ地下フードコートでも侮るなかれ! 記憶に残る水冷麺の味
      
 東九陵に行く途中、「その中には食べる所がない」ということで入ったのがロッテ百貨店九里店。地階だと安く食べられそうという予測通りB1にはいろんな韓国料理に和洋中華等々の店が20店くらい(?)出店しているフードコートがあり、日曜ということもあってか大勢の客でにぎわっていました[写真上左]。トンカツオムライス等、例によってコテコテとしたものが多い中で入ったのはクムビという麺類の店で、ヌルボが食べたのは一番単純な水冷麺[写真上左]。いやあ、これはホントにうまかった! 極細の白い麺はコシがあり、麵つゆの酢の味は強すぎず薄すぎず。これも思わぬ拾い物の昼食でした。(この店、ロッテ百貨店でもこの九里店にしかありません。残念。)

 ⑤清涼チョゲクイ・チム ボリューム満点! たらふく貝焼き三昧
      
 そして今回、フリで入って一番よかった!というのが東九陵からの帰りに清涼里でチョゲクイ(貝焼き)という看板を見て衝動的に入った店[写真上左]。(「フリ」という言葉、今フツーにわかるのかな?) 店名は清涼チョゲクイ・チム。ホントにポジャンマチャみたいな庶民的なフンイキの店です。中のようすは→コチラコチラや→コチラの写真を参照されたし。基本メニューは、貝を焼く(クイ)のと蒸す(チム)の2通り。貝は、いろんな貝かカキ(この店では굴ではなく석화になっている)の2通り。量は大(3万ウォン)と小(2万ウォン)の2択。
 ヌルボ&S氏は、2人で「チョゲクイの大」を1つとソジュ(焼酎)を注文、・・・と、これが先の巨大パジョンの経験が生かされてませんでした(笑)。アジュマがザルから貝をドサッと火の上に乗っけてくれるのですが[写真上左]、とにかくすごいすごいボリューム! この写真に写っている分量は全体の3分の1か4分の1程度です。隣のテーブルを見ると、4人だかで「中」を食べてました。
 また上の写真にはない手のひらよりでかい三角の貝[右画像]があり、訊くとキジョゲ(키조개)とノートに書いてくれました。後で調べると日本ではタイラギというそうです。(周りの知人に尋ねると物知りの人2人が知ってました。) これは焼かずにぶつ切りにして、最後にチゲの具にしていただきました。それにしても、貝だけで満腹したのは初めてです。

【街を歩いて目に留まったオブジェ、そして・・・】
 ①やっぱり目に留まる奇抜な(ヘンな?)オブジェの数々
      
 今回も街を歩いていると目を引くものがいろいろありました。オブジェ関係では、清渓川の広橋の南すぐのビルで見たのが[写真上左]の白雪姫。この手のはまあよくありますが、ビルの角を回り込むと小人たちが何やら担いでます。[写真上右]の2人はトンカチと材木。その前方の小人はスパナを運んでいます。なんで?と思って何のビルかと見ると大宇朝鮮海洋ビル。裏手には大きないかりのオブジェがありました。トンカチや材木で船を造るということ?

 ②どんどん様変わりしていく清涼里駅とその近辺 え、あの<588(オーパルパル)>が!
       
 上述の貝焼きの店に入る前。清涼里の駅周辺のようすがずいぶん変わっていて、たとえば駅前広場に[写真上左]のような樹々がこんな所に?・・・と見れば樹にあらず。ステンレス製の造形物なんですね。2010年に設置されたとのことなので、その間ヌルボは気が付かなかったってことか? さて清涼里といえば造形物よりもなによりもアララッと驚いたのは、あの有名な風俗街(と→ウィキペディア)の<588(オーパルパル)>。清涼里駅の高い所から見たのが[写真上右]。昨年からの再開発で跡形もなくなくなっちゃったじゃないの! 龍山駅近くにも以前あった<青少年通行禁止区域>一帯がやはり姿を消しましたが・・・。実はこの後その付近を歩いてみると、工事中の区域と隣接してピンクの明かりに照らされた飾り窓の店が1つだけ残っていましたけどね・・・。(最後の1店か?)

 今回の旅は、とくにハズレなしの食事に恵まれたヌルボとしてはこれまでにない旅でした。2回で終わるつもりだった<総集編>も、(B級)グルメ関係につい力が入って3回になってしまいました。
 忘憂里共同墓地等についての<個別編>については(常套句の)そのうちに、ということにします。
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[充実の4泊5日ソウル旅行記] いきなり総集編(笑) ②念願の(?)ヌタウナギ、どでかいパジョン等々にオドロキと感動!(ちょっと大げさ?)

2017-09-20 18:14:10 | 韓国旅行の記録
 →<[充実の4泊5日ソウル旅行記] いきなり総集編(笑) ①忘憂里共同墓地など>

【いろんな料理を堪能 オドロキもあり、感動もあり[前編]】
 ①公平洞コムジャンオ 雌伏(?)6年、やっと味わったヌタウナギの味は・・・
      
 私ヌルボがコムジャンオのことを知ったのは2011年読んだ平松洋子「韓国むかしの味」(新潮社)を読んだのが最初。この本については→コチラの記事で書きました。平松さんはその中でコムジャンオの本場・釜山の機張郡「奇天烈な味に遭遇した」と記しています。[写真右]は火をつけたワラでソイツを黒焼きにしているところ。(うーむ・・・。) 
 ソウルの鐘閣駅の近くにその専門店公平洞コムジャンオがあります。行列のできる人気店で昨年(2016年)11月にたまたまその前を通った時にも大勢の人が店の前にいました。[写真上右]はその時に撮った写真。見えにくいですが店の前で店員さんが焼いているところです。その時(昨年11月25日)の関連記事は→コチラ。またその翌日には別の所(大林洞)の専門店の店頭の水槽で生きてるコムジャンオを見たので写真だけ撮りました。(→コチラの記事に載せました。)
 ・・・というわけで、長い間気になっていたコイツをできれば今回食べてみるかな?などとS氏にも話したりしていました。
 今回の旅の初日(7日)夕方、小公地下道商街のエースメガネに行ってS氏の親しい友人ともいうべき店主Kさんと再会すると、はからずも「今日は公平洞コムジャンオに行きましょう」。なんという偶然! Kさんによると本店の他に1号~3号店まであるとのこと。(※あとで確認すると鐘閣~鍾路5街に3店ありました。) 「たぶん満席でしょうが・・・」と言いつつも歩いて本店に行ってみると、奇跡のように入ってすぐのテーブルが1つ空いてました! 少し待って出てきたのが[写真上左]。店頭でまず1度焼いたのをここで2度焼きするのです。日本人としてはあのおぞましいヤツをナマから焼くのはちょっと抵抗感があるからねー、・・・といっても、出てきた時からこんなほぼ出来上がりだと何がなんだかわかりません。→<ソウルナビ>も→<コネスト>もこの店のことを詳しく紹介していますが、生きてる姿を載せていないのは<見識>というもの? それでいいと思います(笑)。
 食べてみてすぐの感想は「弾力性がある」です。イカゲソにかなり似ています。
 日本では<ヌタウナギ>というくらいだから、多少はウナギに似ているかなと思ったら全然。ウィキペディアによると、いわゆる「生きた化石」というべき「円口類」としてはヤツメウナギとヌタウナギだけが現生しているが、これらはウナギどころか「狭義の魚類」からも外れていて、脊椎動物としても非常に原始的である、・・・と彼らからすれば差別的な(?)説明がついています。なるほど、たしかに魚類らしからぬ歯ごたえ&味でした。
 「ま、とくに美味いというものでもないですねー」と店を出てからKさんは言ってましたが、私ヌルボとしては長年の宿願が果たせて大満足でした。(※→1つ前の記事に店内の写真がちょっとだけあります。)

 ②元祖ナグネパジョン 回基パジョンマウルの有名店 パジョン1枚の大きさと厚さにビックリ!
      
 先の記事に書いたように、忘憂里共同墓地は意外に広くて時間がかかってしまい、回基で昼食という目算が大幅に遅れて目当てのこの店に着いたのは午後3時頃。ヌルボ&S氏の2人組以外には客はなく、店の人が準備をしていました。
 この店、つまり元祖ナグネパジョンの場所は、回基駅の北口から西側すぐの<パジョンマウル>にあります。私ヌルボが知ったのは、たぶん一昨年くらいだったか、ネットサーフィンしててたまたま記憶に残りました。とくに印象的だったのは、(どの記事を読んでもおもしろい)<ワッタカッタ!さんのBLOG>中の記事。(→コチラ。) この店の歴史やらメニューやら、実に念入りに書かれています。写真もいっぱい、回基駅からの地図も入っています。これ以上私ヌルボがつけ加えるようなことがありましょうや?(反語)
 で、2人が最初に元祖パジョンとキムチジョンを注文したら、元祖パジョンはすごく大きいから、2人だとこれ1枚で十分です」と言われたのでその言葉に従いました。そして出てきたのが[写真上左]。なるほど、たしかにでかい! 直径30㎝あるかも。その上厚い! イカ等々の具がいっぱい入っていて、2㎝以上あります。
 トンドンジュを飲みながら、パジョンをほとんど平らげ、次に注文したのがこれも人気メニューのコチュティギム[写真上右]。青唐辛子の中に豚肉等を詰めて揚げたものですが、全然辛くはなく、これまたでかい! 一般に韓国人は日本人よりはるかに大食ですが、それにしても・・・。時間をかけてあらかた食べ終えて店を出る頃はすでに夕方で、他のテーブルには何組かの客が来ていました。
 ※この元祖ナグネパジョンについては、→<コネスト>や→<ソウル情報局>、→コチラのブログ等にも詳しく書かれています。

 コムジャンオのことだけでたくさん書きすぎた(笑)ので、今回はここまでにして、食べ物関係の残りも含めて<いきなり総集編(笑)>はあと1回延長することにしました。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [9月15日(金)~9月17日(日)]

2017-09-19 22:41:28 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶やっぱりクストリッツァ監督は格が違う、と思ったのは新作「オン・ザ・ミルキー・ロード」を観ての感想。傑作「アンダーグラウンド」には及ばないにしても、現実と空想、悲劇と喜劇、人間と動物が入り乱れた狂躁の世界は健在。動物もわんさか出てきたかぞ。昆虫を抜いても10種類、かな? 折しも今YEBISU GARDEN CINEMAで<ウンザ!ウンザ!クストリッツァ!2017》という特集をやっていて、その中で「アンダーグラウンド 完全版」というのを前・後編に分けて上映中ですが、計5時間25分なんてねー。〈デジタル・リマスター版〉の3時間でも十分長いのに、どんな物好きな人が観に行くんだろ? (あ、観に行こうかな。)

「Viva!公務員」は、イタリア映画歴代興行収入歴代トップを記録したコメディとのことで、格の高さなどぜーんぜん関係ない作品ながらけっこう楽しめました。公務員の問題はほとんど各国に共通なんでしょうね。関係掲示物に載っていたグラフを見ると、2008年OECD加盟国の中で<労働人口に占める公務員の比率>で日本は36ヵ国中低い方から2つ目。(算定の仕方等々の問題はあるようですけど。) そして比率が一番低い国が韓国なんですね。ま、この件については今後の課題。

「ビアンカとギター弾き」はフィリピンについていろんなことを考えさせられました。(例の大統領に観てほしい。) 長谷井宏紀監督にとっても主演の女の子(サイデル・ガブテロ)も人生の中での貴重な一作となるでしょう。もちろん完成の直後に亡くなったギター弾きのおじいさんにとっても・・・。

▶伊勢佐木町の横浜シネマリンで9月23日~10月6日<ハートアンドハーツ・コリアン・フィルムウィーク>として「空と風と星の詩人 〜尹東柱の生涯〜」等4作品を上映。東京等で見逃した人はこちらで。(→詳細) ※24日(日)だと鈴木清順監督の<慰安婦映画>「春婦傳」も併せて観られます!

▶7日夜に行ったソウルの行列のできる店・公平洞コムジャンオには店内に昔のポスターが貼られていました。
      
 右は「愛の望郷 激流を超えて」(1981)。庶民的ないいフンイキ。コムジャンオ(ヌタウナギ)のオゾマシイ姿を知らない方は各自検索してね。
    
「朝鮮日報」9月2日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ウィンド・リバー」
   雪原を覆う悲哀の重さ ★★★★



 「バリー・シール/アメリカをはめた男」

   米国外交秘史の風刺劇 ★★★



 「鬼郷、まだ終わらい物語」

   まだ、こんなに鮮明な傷 ★★☆


 「アンロックト」

   整っているがタイクツ ★★☆


 「鬼郷、まだ終わらい物語」は昨年の「鬼郷」の続編。詳細は→「ハンギョレ」(日本語版)の記事参照。「アンロックト」(仮)は、イギリスのスパイ&アクション。(日本公開未定。) あらすじ等は→コチラの記事参照。他の2作品は以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(9月19日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(-) 4月の終わり(韓国)  9.75(4)
②(-) 吾輩は猫である(韓国)  9.44(237)
③(-) おばあちゃんの遠い家(韓国)  9.44(174)
④(-) ベル&セバスチャン  9.44(34)
⑤(2) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.41(224)
⑥(3) 貯水池ゲーム(韓国)  9.40(1,648)
⑦(-) 女優は今日も(韓国)  9.33(299)
⑧(4) KING OF PRISM -PRIDE the HERO-(日本)  9.26(622)
⑨(1) それにもかかわらず(韓国)  9.22(45)
⑩(9) しまじろうと にじのオアシス」(日本)  9.21(28)

 今回の新登場は①と⑦の2作品です。
 ①「4月の終わり」は、韓国のドラマ&スリラー。古いアパートに公務員試験受験生のヒョンジン(パク・ジス)が引っ越してきます。陰鬱な雰囲気の漂う町で、住民も得体の知れない感じ。隣に住む女子高生のジュヒ(イ・ピンナ)の家庭教師をすることになったヒョンジンは、ジュヒの家庭の事情を耳にし、ジュヒをかわいそうに思います。ある日ジュヒが同じ町内に住む誰かを殺したいと話し、その数日後実際に殺人が起きます。ヒョンジンはジュヒを疑います。一方、このことを聞いた住民センターの社会福祉担当のパク主務官(チャン・ソヨン)は、長い間忘れて過ごしていた1人の子供の顔を思い浮かべながら、古いアパートへと向かいます・・・。原題は「사월의 끝」です。
 ⑦「女優は今日も」は、女優ムン・ソリ自身が監督・脚本・主演を担当して自分自身をモチーフにしたドラマ。ムン・ソリといえばイ・チャンドン監督の「ペパーミントキャンディー」(1999)でデビューし、同監督の「オアシス」(2002)でベネチア映画祭新人女優賞を受賞する等、世界的にも注目されてきた女優ですが、その彼女の監督として初めての長編作品です。短編はこれまでにも作っていますが、本作はそれらを素材に「女優ムン・ソリ」、「生活のムン・ソリ」、「芸術家ムン・ソリ」の3部で構成されています。嫁であり、娘であり、母であり、妻である彼女は働く女性としてとても多忙。一方政治に関わるという側面もあります。そんな彼女の悩みは、外見上のこと。デビュー当時から<キレイじゃない女優>と言われたりして・・・。そしてずいぶん前から本当にやりたい役のオファーがなくなってきたこと。1年に1本出演できるかどうかとのこと。また<演技派女優>という肩書きも単なる中堅女優という名に変わってしまったようで・・・。そんな女優ムン・ソリ自身が、今自力で立ち上がろうとする姿を描きます・・・。原題は「여배우는 오늘도」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ダンケルク  8.55(11)
②(2) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
③(3) それにもかかわらず(韓国)  8.00(1)
④(-) ムーンライト  7.89(9)
⑤(-) ベイビー・ドライバー  7.67(9)
⑥(-) オクジャ(韓国・アメリカ)  7.33(15)
⑦(-) ウインド・リバー  7.33(6)
⑧(5) パム島海賊団、ソウル火の海(韓国)  7.22(9)
⑨(6) エリザのために  7.20(10)
⑩(7) スパイダーマン:ホームカミング  7.00(10)

 今回の新登場は⑤と⑦の2作品です。
 ⑤「ベイビー・ドライバー」は、日本では一足早く8月に公開されています。韓国題は「베이비 드라이버」です。
 ⑦「ウィンド・リバー」(仮)は、米・英・カナダ合作のアクション&サスペンス。野生動物の保護管理を専門に行う組織であるFWS(合衆国魚類野生生物局)の職員コリー・ランバート(ジェレミー・レナー)はワイオミング州のネイティブインディアンの保留地にある荒野ウィンド・リバーの真ん中で少女の死体を発見します。FBIは事件の捜査のために新人捜査官のジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)を現地に派遣しますが、不安定な気候と冬の厳しい寒さを甘く見ていたバナーは捜査に難渋し、ランバートに捜査への協力を依頼します。2人は暴力と自然によって荒れ狂う世界と直面しながらも、ネイティブ・アメリカンの村社会の闇に分け入っていきます・・・。韓国題は「윈드 리버」。日本公開は未定のようです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績9月15日(金)~9月17日(日) ★★★

         ソル・ギョング主演「殺人者の記憶」が2週連続トップ

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・殺人者の記憶法(韓国) ・・・・・・9/06・・・・・・・・・・・483,978・・・・・・・・2,064,004・・・・・・・・16,718 ・・・・・・・・・884
2(34)・・ベイビー・ドライバー ・・・・・・・・9/14 ・・・・・・・・・・338,250・・・・・・・・・・422,080・・・・・・・・・3,515 ・・・・・・・・・778
3(新)・・バリー・シール ・・・・・・・・・・・・・9/14・・・・・・・・・・・216,676・・・・・・・・・・266,391 ・・・・・・・・2,156 ・・・・・・・・・691
        /アメリカをはめた男
4(2)・・IT/イット・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/06・・・・・・・・・・・119,288・・・・・・・・・・809,816 ・・・・・・・・6,701 ・・・・・・・・・481
        “それ“が見えたら、終わり。
5(3)・・ヒットマンズ・ボディガード ・・・・8/30・・・・・・・・・・・116,680・・・・・・・・1,496,461・・・・・・・・12,400 ・・・・・・・・・235
6(30)・・怪物はささやく ・・・・・・・・・・・・・9/14 ・・・・・・・・・・・36,298・・・・・・・・・・・46,905 ・・・・・・・・・・375 ・・・・・・・・・349
7(4)・・タクシー運転手(韓国) ・・・・・・・8/02・・・・・・・・・・・・34,661・・・・・・・12,152,948・・・・・・・・95,608 ・・・・・・・・・321
8(6)・・映画かみさまみならい・・・・・・・9/07・・・・・・・・・・・・25,834・・・・・・・・・・120,878 ・・・・・・・・・・930 ・・・・・・・・・164
        ヒミツのここたま 奇跡をおこせ♪テップルとドキドキここたま界(日本)
9(5)・・青年警察(韓国)・・・・・・・・・・・・・8/09・・・・・・・・・・・・23,571・・・・・・・・5,638,957・・・・・・・・44,276 ・・・・・・・・・259
10(8)・・貯水池ゲーム(韓国)・・・・・・・・9/07 ・・・・・・・・・・・20,746・・・・・・・・・・・93,724 ・・・・・・・・・・744 ・・・・・・・・・192
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「殺人者の記憶法」が連続1位といっても、累計動員数はようやく200万人を超えたレベル。累積収入は16,718×100万ウォンつまり大雑把に言って約16億円。「タクシー運転手」は約95億円ということになります。人口が日本の半分以下ということを思えば、日本の映画業界から見るとうらやましい数字かもしれません。
 今回の新登場は2・3・6位の3作品です。
 2位「ベイビー・ドライバー」については上述しました。
 3位「バリー・シール/アメリカをはめた男」は、実在したコロンビアの麻薬密輸パイロットのバリー・シール(1939~1986)の実話に基づいたクライム・スリラー。ニューヨークからワシントン、ワシントンからシカゴへ。民航機1等パイロットのバリー(トム・クルーズ)は顧客を目的地まで安全に運ぶこと以外にどんな楽しみもありませんでした。ところが、ある日彼を訪ねてきたCIAの要員モンティ・シェイファー(ドーナル・グリーソン)によって彼の人生は180度変わり始めます。CIAと組んで武器の密搬出に手を貸し始めたベリーは、わずかな不法行為によって巨額の札束をつかむようになります。だんだん、より大きな犯罪の世界に足を踏み入れるようになった彼は、結局FBI、CIA、ホワイトハウス、そして世界の麻薬組織まで手を伸ばすのですが・・・。韓国題は「아메리칸 메이드」。日本公開は10月21日です。
 6位「怪物はささやく」はアメリカ・スペイン合作のダーク・ファンタジー。日本では6月に公開されています。韓国題は「몬스터 콜(モンスター・コール)」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(12)・・モンスター・コール ・・・・・・・・・・・・9/14 ・・・・・・・・・・・・36,298・・・・・・・・・・・・46,905・・・・・・・・・・・・・375・・・・・・・・・349
2(7)・・ウィンド・リバー ・・・・・・・・・・・・・・・・9/14 ・・・・・・・・・・・・20,723・・・・・・・・・・・・32,304・・・・・・・・・・・・・256・・・・・・・・・330
3(11)・・知らない、ふたり(日本) ・・・・・・・・9/14 ・・・・・・・・・・・・11,462・・・・・・・・・・・・22,586・・・・・・・・・・・・・198・・・・・・・・・・99
4(新)・・熊出没の年賀 ・・・・・・・・・・・・・・・・9/14 ・・・・・・・・・・・・10,149・・・・・・・・・・・・11,758・・・・・・・・・・・・・・84・・・・・・・・・245
5(1)・・共犯者たち(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・8/17 ・・・・・・・・・・・・・4,925・・・・・・・・・・・251,423・・・・・・・・・・・1,972・・・・・・・・・・96

 1~4位がすべて新登場です。
 1位「怪物はささやく」と2位「ウィンド・リバー」については上述しました。
 3位「知らない、ふたり」は、2016年1月一般公開された日本映画、といってもご存じない方が多いかも。日韓の若手俳優7人による恋愛群像劇で、けっこういいフンイキの作品でしたが、韓国のアイドルグループNU'ESTのメンバーが主演格のレンをはじめ出演していたので韓国でも公開されたのでは・・・。韓国題は「좋아해, 너(好きだよ、君が)」です。
 4位「熊出没の年賀」(仮)は、中国の人気アニメシリーズ。今年6月にも「熊出没の年越し」(仮)という作品が公開されていましたが、興行成績がよかったのか、この2015年の正月映画(←たぶん)も公開。主人公の熊の兄弟に相対する人間のロガービッグ(光頭強)はなぜか突然解雇されますが、故郷の父母に正月用のプレゼントをするため森林監視員として新たに働くことになりますが、悪のロボットなるものが現れて森の木をむやみに切り倒すという狼藉を働くのです。これを知ったロガービッグは熊兄弟や森の仲間たちと一緒に悪のロボットを倒すために力を合わせます・・・。韓国題は「부니베어:나무 도둑의 습격」です。
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[充実の4泊5日ソウル旅行記] いきなり総集編(笑) ①忘憂里共同墓地など

2017-09-17 23:49:41 | 韓国旅行の記録
 9月7~11日、ソウルだけで4泊5日の旅行。8月後半サークル仲間のS氏から「初秋のソウルに1人で行ってきます」とのメールがありました。(※2年前慶熙大学に短期留学した時、日記(→コチラ以下全15回)を送ってくれたS氏です。) 「いいなあ」と思って、なんとなく自分の予定表を見ると、ラッキーなことにその期間は空いているではないですか! ということで、急遽私ヌルボも便乗することに決定。期日が迫っていたので飛行機は往路だけ同じ便(成田発13:50アシアナ)で、復路はヌルボが数時間早い仁川10:10発。ホテルも初日のみ同じ所を予約しました。(2日目からは現地を歩いていてたまたま空いていた仁寺洞の世林ホテルに連泊。)
 そんなわけで、現地でも全体の3分の1程度はS氏と別行動でしたが、見学地と、ここぞ!という食堂は一緒に行きました。

 今回の旅行記は、ソウル市内(一部隣接市を含む)ということもあって行程はそれほど重要でもなさそうなので、観光ポイント、博物館等の施設、食堂と食べ物等のジャンルに分け、原則的に1記事につき1ヵ所に限定してガイドブック風(?)に、「これからそこに行ってみようかな」という人に役立つようなことを書いていく心づもりでしたが、個別の記事をチマチマ書いていくといつ全部書き終えるか自分でもわからないので、<いきなり総集編(笑)>から書き始めることにしました。忘憂里共同墓地等々、書くネタが多いものについては追々個別に書く予定です。

【歩きに歩いて、歴史を学ぶ】
 ①忘憂里(マンウリ)共同墓地 上野の山より広く、10倍以上高かった!
      
 映画「道~白磁の人~」(2012)等によってかなり知られるようになってきた浅川巧(→ウィキペディア)が、遺言通り「朝鮮の土」となって今眠る場所が忘憂里共同墓地です。なんとなく見晴らしの良い小高い丘程度に甘く考えていました。言っときますが、かなりキツイですよ。面積は約83万㎡で、上野公園の1.6倍強。それよりも、上野の山の標高24mに比べ、忘憂山は281m(!)ですからね。散策レベではなく、ほとんどハイキングに近いかも・・・。[写真上左]はルート上の最高地点からはかなり下った地点で撮ったものです。墓地の周回路はただ歩くだけで約1時間とか。しかしいろんな墓の写真を撮ったりしていて、2時間40分ほどもかかってしまいました。 この墓地には、浅川巧のほか<もう1人の日本人>の墓があることは、旅行に発つ直前知りました。行ってみると、「なんだ!? この弾痕のような傷は?」・・・というのが[写真上右]の(斎藤音作の墓)。
 ヌルボたち2人が話す以前に、「浅川巧の墓は・・・」と話し始める事務所の方。それだけここを訪れる日本人が増えているのでしょう。
 ちなみに、「浅川巧の墓はココ」とすぐわかるような日本語地図は現地にもネット上にもありません。わずかな手掛かりをたよりに歩き始めましたが歩いても歩いても辿り着けず「道を間違ったか?」と思った時やっと見つけたのは入口から歩き始めて約40分後でした。(ヌルボ特製のわかりやすい(?)地図はのちほど個別の記事で載せます。)
 ☆ヌルボの提言「浅川巧のことを韓国の人たちに広く知ってもらうことを願うなら、ここに眠る韓国人のことも知るようにしましょう」

 ②東九陵 朝鮮王朝を開いた太祖(李成桂)の陵もある、最大規模の朝鮮王陵
      
 2年前S氏が行った時は運悪く月曜日で閉園だったので、今回は執念の再挑戦。場所はソウルの東隣の九里市。忘憂里共同墓地最寄り駅の養源駅のひとつ先の九里からバスorタクシーで10分くらい。私ヌルボは、以前大勢で2番目に広い西五陵(約180万㎡)には行ったことがありました。その時はアルコール抜きだったものの、芝生にレジャーシートを敷いてジュース等を飲んだ記憶があるなー。しかし東九陵で注意書きを見ると飲食物の持ち込みはダメ。西五陵もそうなんでしょう、たぶん。日曜日の午後行きましたが、シートを敷いてジュースを飲んでるような人たちはぜーんぜん見なかったぞ。
 したがって、午後1時半から3時間、約190万㎡をただひたすら歩くだけでした(トホホ)。とにかく広いです。[写真上左]が太祖(李成桂)の陵の健元陵。[写真上右]は16代仁祖の継妃・荘烈王妃の陵である徽陵で、朱塗りの鳥居のような門が紅箭(ホンサル)門です。

【マイナーな博物館・資料館】
 ①洪蘭坡家屋 「故郷の春」や「鳳仙花」で知られる作曲家
      
 洪蘭坡(ホン・ナンパ)のことはそれなりに知ってはいましたが、とくに→コチラの記事を読んでぜひ行きたくなり、今回1人で行ってきました。場所は慶熙宮の西側で、西大門駅、独立門駅、光化門駅から歩いて行けます。(慶熙宮の東側には1つ前の記事に書いたエムシネマというミニシアターがあります。そこで映画を観てから行きました。)
 行ってみると、金曜午後は開いているはずなのに閉まっていました。しかしドアホンを押して来意を告げると上記記事にあるおじさん(お孫さんの女性の姻戚の方)が開けてくれて、いろいろ説明して下さいました。

 ②警察博物館 たまたま入ったら、子ども連れの家族が大勢
        
 洪蘭坡家屋を出た後、慶熙宮の入口方面に戻る途中たまたま目に入ったのが警察博物館です。間口が狭く、入口正面に婦人警官っぽい(?)係員が座っているので、ちょっと抵抗感がありましたが(「警察」という言葉だけでもなぜかビビるヌルボ)、入ってすぐ右の部屋が[写真上左]で、子ども連れの家族が何組も来ていてホッとしました(笑)。パパがパトカー(本物じゃないけど)に乗った子どもの写真を撮ったりしています。
 案内板を見ると5階まであるので、まず5階まで上がって順次下って見ていくことにしました。
 その5階は<歴史>関係の展示で、その中に殉職警官のコーナーがあったのですが、[写真上右]の人物を見ると、アラ、1968年の北朝鮮武装ゲリラによる青瓦台襲撃事件(→ウィキペディア)の時に戦死した崔圭植(チェ・ギュシク)鍾路警察署長ではないですか! 昨年(2016年)11月に行った紫霞門峠(チャハムンコゲ)のバス停前の銅像の人物です。(→コチラの記事参照。)
 私ヌルボ、その銅像を見たのもたまたまでしたが、今回も同様。上の画像の横には、彼が殉職した時に着ていた衣服も展示されていました。
 この階のその他の展示物もなかなか興味深いものがいろいろありました。また他の階にも。後で<ソウルナビ>にこの博物館のけっこう詳しい紹介記事があることを知りました。(→コチラ。)
 なお、この西大門駅近辺には、ここ以外にも農業博物館のような穴場的(?)博物館がありますね。4.19革命記念図書館というのもちょっと行ってみたいです。もちろんソウル歴史博物館という大きくて内容も充実した博物館に行ってからの話ですよ。

 この<いきなり総集編(笑)>の②は、【食べ物】【街歩きで見たものいろいろ】と続きます。

 総集編なので<略述>のつもりだったのが、それでも長くなってしまいました。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [9月8日(金)~9月10日(日)]

2017-09-12 23:45:53 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶9月9日に、実はまだ観ていなかった「AKIRA」(1988)を観てきました。場所はソウル。実は7~11日の4泊5日で行って来たのです。光化門駅と西大門駅に近いソウル市立歴史博物館の東側の道を入って少し先のビルの2Fにあるエムシネマ(에무시네마.下左画像)という、いかにもそれっぽい独立系映画館です。(→公式サイト。)
 また、右はもちろん「AKIRA」の韓国版ポスター。この映画館でもらったプレゼントをわざわざ持ち帰りました。(最初の公開からもう29年もたつのか・・・。)
        
 私ヌルボ、今回初めてこの映画館に行ったのは、その近辺にいろいろ行きたい所があったから。(近日中に記事にします。) 時間的余裕があれば、「AKIRA」の後に上映の「ザ・テーブル」も観るつもりだったのですが・・・。
 以前は、同じ道のもっと表通りに近い所にやはりインディスペースというミニシアターがありましたが、今は鍾路3街のソウル劇場内に移っています。その公式サイト(→コチラ)を後になって見てみると、アラ、先週画像付きで紹介した韓国アニメ「にわか雨(ソナギ)」を上映してるじゃん。それもぜひ観たかったな。なんとか来年でも日本で公開してほしいものです。

▶ハンギョレの記事(→コチラ)によると、「朴槿恵政権時代、国家情報院(国情院)が進歩性向の映画を作った映画人たちを査察し、右翼性向のいわゆる<国粋映画>の制作を企画したことが明らかになった」とのこと。進歩系メディアの代表格の新聞という点は念頭に置いて読むべきでしょうが、政治権力が自らに都合のよいように映画やTV等に対する露骨な干渉をやっていると、結局は金のタマゴを産むガチョウを自ら殺してしまうようなことになってしまいます。(釜山国際映画祭のケースはかなりヤバかったしなー・・・。) 今の日本の国政や東京都政も相当に心配な感じですが・・・。20年ほど前、金大中大統領が輸出産業として映画の振興に力を入れるにあたって、その内容には一切口出しをしないように指示した、ということを何かで読んだことがあります。まさにかくあるべし、です。
    
「朝鮮日報」9月9日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ザ・ビガイルド」
  気品があり高級な破局 ★★★
 「殺人者の記憶法」
  原作ジャンル変型、残念 ★★☆
 「IT/イット “それ“が見えたら、終わり。」
  ホラー版「スタンド・バイ・ミー」 ★★★
 「フランス旅行」
  この旅行、共に行きたい ★★☆
 4作品すべて後の記事中で紹介しています。「IT/イット」の10字評の訳は、どう考えても10文字には収まらず。残念。

         ★★★ NAVERの人気順位(9月12日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) それにもかかわらず(韓国)  9.55(40)
②(2) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.41(224)
③(-) 貯水池ゲーム(韓国)  9.31(1,060)
④(4) KING OF PRISM -PRIDE the HERO-(日本)  9.23(614)
⑤(5) モーディー  9.21(2,177)
⑥(3) キム・グァンソク(韓国)  9.19(335)
⑦(-) フランス旅行  9.17(64)
⑧(8) タクシー運転手(韓国)  9.10(44,657)
⑨(-) しまじろうと にじのオアシス」(日本)  9.05(19)
⑩(7) 共犯者たち(韓国)  9.04(3,628)

 今回の新登場は③⑦⑨の3作品です。
 ③「貯水池ゲーム」については後述します。
 ⑦「フランス旅行」(仮)は、2016年のカンヌ国際映画祭監督週間で上映されたフランスのラシデ・ジャイダニ監督作品。ファー・ルックはラップの実力だけでパリっ子の心をつかんだ20歳のラッパー。しかしライバルのラッパーとの厄介なトラブルにより命さえ脅かされるに至り、やむなくパリを離れることにします。そんな彼に、プロデューサーであり親友のビラルは、自分の父親セルジュにつきあって、18世紀の画家クロード・ジョセフ・ヴェルネの足跡を訪ねる旅に運転手として行ってくれと頼みます。こうして始まった世代も人種も、物の好みも違う2人の2週間の旅の先ははたしてどのようなことに・・・。韓国題は「투 마르세유:2주간의 여행(パリ to マルセイユ:2週間の旅行)」。日本公開は未定のようです。
 ⑨「しまじろうと にじのオアシス」は、テレビ東京系列で放映のTVアニメシリーズの映画化か。私ヌルボはしまじろうの名前だけしかしりませんが、親子ともども歌ったりできる<観客参加型>の作品というのが特徴のようですね。韓国では名前はホビ(호비)。日本での上映よりずっと評価が高いみたい。韓国題は「호비와 무지개 오아시스 대모험」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ダンケルク  8.55(11)
②(2) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
③(3) それにもかかわらず(韓国)  8.00(1)
④(4) 猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)  7,75(8)
⑤(6) パム島海賊団、ソウル火の海(韓国)  7.22(9)
⑥(6) エリザのために  7.20(10)
⑦(8) スパイダーマン:ホームカミング  7.00(10)
⑧(-) ザ・ビガイルド  7.00(8)
⑨(9) 恋物語(韓国)  7.00(7)
⑩(10) その後(韓国)  7.00(6)

 今回の新登場は⑧「ザ・ビガイルド」だけです。この作品については後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績9月8日(金)~9月10日(日) ★★★

         1位は譲ったが韓国映画が依然半数を占める

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・殺人者の記憶法(韓国) ・・・・・9/06・・・・・・・・・・・899,981・・・・・・・・1,191,513・・・・・・・・・9,741 ・・・・・・・1,064
2(新)・・IT/イット・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/30・・・・・・・・・・・418,454・・・・・・・・・・572,468 ・・・・・・・・4,782 ・・・・・・・・・837
        “それ“が見えたら、終わり。
3(1)・・ヒットマンズ・ボディガード ・・・・8/30・・・・・・・・・・・275,319・・・・・・・・1,273,500・・・・・・・・10,538 ・・・・・・・・・378
4(4)・・タクシー運転手(韓国) ・・・・・・・8/02・・・・・・・・・・・106,941・・・・・・・12,068,299・・・・・・・・94,970 ・・・・・・・・・511
5(2)・・青年警察(韓国)・・・・・・・・・・・・・8/09・・・・・・・・・・・・98,374・・・・・・・・5,577,190・・・・・・・・43,806 ・・・・・・・・・519
6(39)・・映画かみさまみならい・・・・・・9/07・・・・・・・・・・・・77,781・・・・・・・・・・・87,892 ・・・・・・・・・・675 ・・・・・・・・・232
        ヒミツのここたま 奇跡をおこせ♪テップルとドキドキここたま界(日本)
7(3)・・ヴァレリアン・・・・・・・・・・・・・・・・・8/30 ・・・・・・・・・・・58,119・・・・・・・・・・491,351・・・・・・・・・3,899 ・・・・・・・・・411
8(26)・・貯水池ゲーム(韓国)・・・・・・・・9/07 ・・・・・・・・・・・34,644・・・・・・・・・・・47,171 ・・・・・・・・・・380 ・・・・・・・・・289
9(31)・・ザ・ビガイルド ・・・・・・・・・・・・・・9/06 ・・・・・・・・・・・21,023・・・・・・・・・・・34,479 ・・・・・・・・・・270 ・・・・・・・・・395
10(10)・・共犯者たち(韓国) ・・・・・・・・・8/17 ・・・・・・・・・・・14,207・・・・・・・・・・237,357・・・・・・・・・1,869 ・・・・・・・・・163
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 秋の気配が漂う時期になり、やや観客動員は低落気味。しかし今年の秋夕(チュソク)は9月30日~10月9日の10連休なので、その時が勝負時か?
 「タクシー運転手」の観客動員数が1200万人突破。昨年1位の「新感染」が1156万人だったので、すでにその数字を超え、現時点で歴代韓国映画中第10位に入っています。
 今回の新登場は1・2・6・8・9位の5作品です。
 1位「殺人者の記憶法」は、韓国の犯罪スリラー。日本でも「光の帝国」等が刊行されている金英夏(キム・ヨンハ)の同名小説が原作です。かつては連続殺人犯だったビョンス(ソル・キョング)は、今はアルツハイマー病にかかっています。彼は偶然の接触事故で出会ったテジュ(キム・ナムギル)の目つきを見て、彼もまた自分と同じ殺人犯であることを直感します。ビョンスは警察にテジュを連続殺人事件の犯人として届け出ますが、なんとテジュは警察官でした。誰もビョンスの言葉を信じません。しかしテジュはウニ(ソリョン)のそばをうろつき、ビョンスの周辺を離れることもなく、そんなテジュをビョンスは独りで捕まえようと必死で追いかけますが、記憶はしばしば途切れ、逆に昔の殺人習慣がよみがえり、妄想と現実の間で混乱していきます。再び始まった連続殺人事件、それはヤツのしわざなのか・・・。原題は「살인자의 기억법」です。
 2位「IT/イット “それ“が見えたら、終わり。」は、「ダーク・タワー」に続くスティーヴン・キングの原作(「It」(文春文庫))のホラー。殺人と失踪事件が異常に多く発生しているデリーという村。雨の降るある日、紙の船を浮かべに出て行った弟ジョージィが消えます。兄のビルは<負け犬クラブ>の仲間たちと一緒に弟を探しに出て、27年ごとに最も恐れているものの姿をしたまま子供を捕まえて食う<IT>が赤い風船を持ったピエロの姿で彼らの前に現れますが・・・。ビルと仲間たちは恐怖にめげないで<IT>と向き合い、弟や消えた子供たちを見つけることができるでしょうか? 韓国題は「그것」。日本公開は11月3日です。
 6位「映画かみさまみならい ヒミツのここたま 奇跡をおこせ♪テップルとドキドキここたま界」は、テレビ東京系で放映しているアニメの劇場版、・・・とのことですが、私ヌルボ、知らなかったワー・・・。韓国題は「극장판 에그엔젤 코코밍: 푸르밍과 두근두근 코코밍 세계」です。
 8位「貯水池ゲーム」は、韓国のスリラー&ドキュメンタリー・・・って一体何なんだ?と思ったら、(やっぱり)進歩陣営側による保守政権時代の「真相を明らかにする」ドキュメンタリーのようです。「タンジ日報」の総帥キム・オジュンが製作し、韓国最高の調査報道専門記者として自他共に認める「時事IN」のチュ・ジヌが主演を引き受けた李明博元大統領の裏金追跡スリラー。海外を渡り歩きながら、その実態を追跡して5年。情報提供者が現れ、その人物の尻尾をつかまえることに成功するのですが・・・。原題は「저수지 게임」です。
 9位「ザ・ビガイルド」(仮)は、クリント・イーストウッド主演の「白い肌の異常な夜」(1971)をソフィア・コッポラ監督がリメイクした作品で、舞台は南北戦争の末期のアメリカ南部。北軍の兵士ジョン(コリン・ファレル)が戦闘で負傷して、女性たちだけで生活している寄宿学校に救われます。校長のマーサ(ニコール・キッドマン)、その妹である教師のエドウィーナ(キルステン・ダンスト)、そしてアリシア(エル・ファニング)等5人の女生徒たちがいて、彼をかばってあげてケガを治してあげます。そんな一種ハーレムのような状態の中に置かれながらも、彼が考えていることはなんとか彼女たちを利用して脱出することだけ。原題の「Beguiled」には、「接待される、いいことをしてもらう」という意味と「だまされる」という表裏一体の意味を併せていう言葉とのことで、これはナルホドな、です。原題は「매혹당한 사람들(魅せられた人々)」。日本公開は今年冬とのことです。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・共犯者たち(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・8/17 ・・・・・・・・・・・・14,207・・・・・・・・・・・237,357・・・・・・・・・・・1,869・・・・・・・・・163
2(3)・・ザ・テーブル(韓国) ・・・・・・・・・・・・・8/24・・・・・・・・・・・・・・9,142・・・・・・・・・・・・89,632・・・・・・・・・・・・・723・・・・・・・・・・81
3(4)・・キム・グァンソク(韓国) ・・・・・・・・・・8/30 ・・・・・・・・・・・・・4,462・・・・・・・・・・・・41,995・・・・・・・・・・・・・333・・・・・・・・・・68
4(5)・・ビッグフット・ジュニア ・・・・・・・・・・・8/09 ・・・・・・・・・・・・・3,145・・・・・・・・・・・317,533 ・・・・・・・・・・・2,242・・・・・・・・・・42
5(10)・・モーディー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/12 ・・・・・・・・・・・・・2,317 ・・・・・・・・・・319,707 ・・・・・・・・・・・2,317・・・・・・・・・・15

 今回の新登場はありません。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [9月1日(金)~9月5日(日)]

2017-09-05 23:51:50 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶1週間で映画4本観たのは久しぶり。5月以来か。9月3日(日)は午後109シネマズ川崎に「新感染 ファイナル・エクスプレス」を観に行ったら246席のスクリーン1がほぼ満席状態。しかしここは前から2列目でもお口あんぐりで画面を見上げたりしなくても大丈夫な空間のゆとりがあるのでよかった。で映画は、期待通りエンタメとしてよくできています。ゾンビ映画といっても目をそむけたくなるようなオゾマシイ場面はなく、万人向けの作品といっていいでしょう。これから観ようという人は、主な登場人物が出そろった中盤あたりで、「この中で生き残るのは誰か?」と自分なりに考えてみてね。
 その日の夜はTOHOシネマズ川崎で「エル ELLE」を鑑賞。ところがコチラは座席数542もあるのに観客は20人といったところか。専門家の評価が高いのはわかるが、いかにも小説の映画化作品で、女主人公を襲った覆面男の正体は?といったミステリーも実はそれが一義的なねらいではなく・・・といった物語の<深み>に(ヌルボも含めて)観る者がどこまでついていけるのか?が問題。

▶8月30日は先週記しましたがシネマヴェーラ渋谷で「従軍慰安婦」(1974)を観てきました。いや、これは正解。1974年の作品ですが、小松方正、武智豊子、由利徹、たこ八郎等々、懐かしい顔ぶれが大勢出演。緑魔子は当時20代か。詳細は→ウィキペディア参照。千田夏光の「従軍慰安婦 声なき声 八万人の告発」が原作だそうですが、彼はこの映画をどう見たのでしょうか? たぶん今の韓国の皆さんが見たら、慰安婦のイメージの落差に驚くのではないでしょうか? もっとも、当時の韓国映画「女子挺身隊」(1973)は男性ファン目当てのエロ映画的な作品だったそうですが・・・。(時代状況の変化とともに過去の描き方も大きく違ってくる、ということ。)

▶8月31日は前日と同じ建物のユーロライブで玄宇民監督の「OHAMANA」と「未完の旅路への旅」の2作品の本邦初公開を観に行きました。作品については→コチラ参照。私ヌルボにとってラッキーだったのは、後者に出演していたキム・コッピさんがこの日の予定にはなかったのに来ていて舞台挨拶したこと。あの名作「息もできない」の女子高生役の女優さんです。で私ヌルボ、ちゃっかりアイサツしてノートにサインもいただいてきました。フッフッフ。
     
 左画像は、左からキム・コッピ、両作に出演した足立智充、玄宇民監督。
    
「朝鮮日報」9月2日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「アトミック・ブロンド」
   女スパイ、シックな進化 ★★★☆



 「ヒットマンズ・ボディガード」

   アメコミ英雄、幻想萌え ★★★



 「ヴァレリアン」

   退行的な植民時代回顧 ★★☆


 「ローマの休日」

   主役一人で大奮闘する ★★



4作品とも以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(9月5日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) それにもかかわらず(韓国)  9.70(33)
②(2) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.40(221)
③(-) キム・グァンソク(韓国)  9.28(225)
④(5) KING OF PRISM -PRIDE the HERO-(日本)  9.24(600)
⑤(6) モーディー  9.21(2,077)
⑥(-) ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣  9.14(677)
⑦(10) 共犯者たち(韓国)  9.13(3,217)
⑧(9) タクシー運転手(韓国)  9.10(43,655)
⑨(-) ハイキュー!! 勝者と敗者(日本)  9.03(392)
⑩(-)名探偵コナン から紅の恋歌(からくれないのらぶれたー)(日本)  8.97(1,827)

 今回の新登場は③「キム・グァンソク」だけです。キム・グァンソク(金光石)は80年代の民主化抗争の時代から90年代にかけて活躍したフォーク歌手。金芝河の詩による「灼けつく喉の渇きに」(→YouTube)や映画「JSA」の中で歌われた「二等兵の手紙」(→YouTube)等を伸びのある声で歌って人気を集めました。ところが1996年1月6日未明、自宅で首をくくって亡くなっているところを発見されました。まだ31歳の若さでした。鬱病による<自殺>とされましたが、遺書がない等々、当時からその死には疑念も持たれてきました。このドキュメンタリーの主旨は、なんとそれが<他殺>だったというもの。そして<真犯人>も名指しされているのです。・・・って、こういうセンセーショナルな作品作っちゃっていいのかな!? 原題は「김광석」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ダンケルク  8.60(10)
②(2) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
③(-) それにもかかわらず(韓国)  8.00(1)
④(3) 猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)  7,75(8)
⑤(6) オクジャ(韓国・アメリカ)  7.29(14)
⑥(7) エリザのために  7.22(9)
⑥(7) パム島海賊団、ソウル火の海(韓国)  7.22(9)
⑧(9) スパイダーマン:ホームカミング  7.00(10)
⑨(10) 恋物語(韓国)  7.00(7)
⑩(-) その後(韓国)  7.00(6)

 今回の新登場はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績9月1日(金)~9月3日(日) ★★★

         1位は譲ったが韓国映画が依然半数を占める

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(13)・・ヒットマンズ・ボディガード ・・・8/30・・・・・・・・・・・556,096・・・・・・・・・・776,970・・・・・・・・・6,379 ・・・・・・・・・482
2(3)・・青年警察(韓国) ・・・・・・・・・・・・・8/09・・・・・・・・・・・286,093・・・・・・・・5,377,479・・・・・・・・42,304 ・・・・・・・・・686
3(21)・・ヴァレリアン・・・・・・・・・・・・・・・・8/30・・・・・・・・・・・249,513・・・・・・・・・・370,160・・・・・・・・・2,966 ・・・・・・・・・629
4(2)・・タクシー運転手(韓国)・・・・・・・・8/02・・・・・・・・・・・238,041・・・・・・・11,863,252・・・・・・・・93,425 ・・・・・・・・・683
5(1)・・V.I.P.(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・8/23・・・・・・・・・・・135,533・・・・・・・・1,315,517・・・・・・・・10,532 ・・・・・・・・・582
6(4)・・チャンサン(萇山)の虎(韓国)・・8/17・・・・・・・・・・・・75,622・・・・・・・・1,284,984・・・・・・・・10,176 ・・・・・・・・・379
7(44)・・アトミック・ブロンド ・・・・・・・・・・8/30・・・・・・・・・・・・66,807・・・・・・・・・・114,649 ・・・・・・・・・・870 ・・・・・・・・・460
8(51)・・ローマの休日(韓国)・・・・・・・・・8/30 ・・・・・・・・・・・61,624・・・・・・・・・・111,471 ・・・・・・・・・・829 ・・・・・・・・・436
9(5)・・猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)・・8/15 ・・・・・32,289 ・・・・・・・・2,036,995・・・・・・・・16,746 ・・・・・・・・・212
10(8)・・共犯者たち(韓国)・・・・・・・・・・・8/17・・・・・・・・・・・・28,605・・・・・・・・・・206,605・・・・・・・・・1,634 ・・・・・・・・・183
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・3・7・8位の4作品です。
 1位「ヒットマンズ・ボディガード」は、アメリカのアクション・コメディ。ボディガードのマイケル・ブライス(ライアン・レイノルズ)は、2年前自分が護衛した日本人の武器商人クロサワが暗殺されてしまったという過去があり、以後一線を退いて会社社長の護衛として生計を立てています。そして現在。ベラルーシの独裁者デュコビッチ(ゲイリー・オールドマン)は人道に対する罪を犯したとして国際司法裁判所で裁かれることになっていました。しかし裁判は困難を極めます。デュコビッチは都合の悪い証人候補を次々に殺していたのです。最後の1人といべき証人候補は最悪の殺し屋のダリウス・キンケイド(サミュエル・L・ジャクソン)でした。ダリウスは妻ソニア(サルマ・ハエック)の釈放を条件に証言をすることに同意します。インターポール(国際刑事警察機構)がダリウス護送チームのリーダーに任命したのはブライスの元カノのアメリア・ルーセル(エロディ・ユン)。つまり長年の宿敵の護送というわけ。ところが護送部隊はデュコビッチの配下の連中に襲撃され、ダリウスとアメリア以外は全員殺されてしまいます。どうもインターポール内に内通者がいる? そう考えたアメリアはブライスに協力を求めます。一度は断ろうとしたブライスですが、結局は汚名返上を期してダリウスの護衛に乗り出します・・・。韓国題は「킬러의 보디가드」。日本では劇場公開の予定はなく、8月25日からNetflixで配信とのことです。
 3位「ヴァレリアン」(仮)は、リュック・ベッソン監督によるフランスのSF冒険アクション。ベストセラーとなったジャン・クロード・メジエールとピエール・クリスタンのコミック「ヴァレリアンとロールリーヌ」が原作。舞台はは数千種の外来種が平和に暮らしている28世紀の宇宙。<千の惑星の都市>という名で知られる惑星アルファ。そこに送られた政府の特別工作員ヴァレリアンとロールリーヌの2人は、全宇宙の平和を脅かす犯罪者を見つける任務を負っています。犯罪者を見つけるか、あるいは宇宙の破滅となるかという瀬戸際で翻弄される2人の姿を描いた作品です。韓国題は「발레리안: 천 개 행성의 도시」。日本公開は2018年です。
 7位「アトミック・ブロンド」は、アメリカのアクション。時代はベルリンの壁崩壊が迫った1989年秋。イギリスの情報機関MI6は潜伏中のスパイを殺害した謎の組織を崩壊させるため、女性スパイのロレーン・ブロートン(シャーリーズ・セロン)をベルリンに送ります。そして組織の命令でMI6ベルリン支部の責任者デヴィッド・パーシヴァル(ジェームズ・マカヴォイ)とタッグを組むことに。2人は事件の背後に西ドイツ側に対する陰謀と、その背後の二重スパイの存在を知ります。そのる二重スパイのリストを手に入れるため、2人はスパイ同士危険な戦いに身を投じていくことに・・・。韓国題は「아토믹 블론드」。日本公開は10月20日です。
 8位「ローマの休日」は、韓国のコメディ。真面目なイナン(イム・チャンジョン)、いつも楽しげなキジュ(コン・ヒョンジン)、純粋なトゥマン(チョン・サンフン)は金はなくとも友情はいっぱいの3人組。1度だけ思いきり金を使ってみたいという彼らが企てたのは現金輸送車を奪うこと。そして計画はなんと成功します。ところが、警察に追われた3人が逃げ込んだ所はナイトクラブ<ローマの休日>。必死で立てこもりを始めたのですが・・・。韓国題は「로마의 휴일」です。しかし、このタイトルねー。2013年に「風と共に去りぬ!?」というのがありましたが、それでも「!?」は付いてましたけどねー。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・ザ・テーブル(韓国) ・・・・・・・・・・・・・8/24・・・・・・・・・・・・14,115・・・・・・・・・・・・70,835・・・・・・・・・・・・・570・・・・・・・・・101
2(14)・・キム・グァンソク(韓国)・・・・・・・・・8/30 ・・・・・・・・・・・・14,092・・・・・・・・・・・・29,356・・・・・・・・・・・・・238・・・・・・・・・223
3(2)・・ビッグフット・ジュニア ・・・・・・・・・・・8/09 ・・・・・・・・・・・・・8,498・・・・・・・・・・・313,257 ・・・・・・・・・・・2,209・・・・・・・・・・92
4(5)・・ボンジュール、アン・・・・・・・・・・・・・・8/03 ・・・・・・・・・・・・・4,355・・・・・・・・・・・107,665・・・・・・・・・・・・・845・・・・・・・・・・27
5(17)・・にわか雨(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・8/31 ・・・・・・・・・・・・・3,133・・・・・・・・・・・・・5,400・・・・・・・・・・・・・・36・・・・・・・・・151

 2・5位の2作品が今回の新登場です。
 2位「キム・グァンソク」については上述しました。
 5位「にわか雨」は、黄順元の同名の短編小説「소나기.ソナギ」(1953)のアニメ化作品。中学の国語の教科書に載っていて、誰もが知ってる小説で、あの「猟奇的な彼女」(2001)ではキョヌ(チャ・テヒョン)が「韓国人の感性は子供の時に読んだ「ソナギ」によって決定される」と言ったりもしてました。私ヌルボ、アン・ジェフン監督作品はこれまでにも「Green Days 大切な日の夢」(→過去記事)と「そばの花、運のいい日、そして春春」(→過去記事)を観ました。前者は新宿のK's cinemaで上映されましたが、後者は<花開くコリア・アニメーション2016>だけだったのでは? この作品も、ささやかでもいいからどっかで上映してくれないかな? 原題は「소나기」です。

【 「ソナギ」のポスター 】
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