▶9月3日(木)~6日(火)<あいち国際女性映画祭>が開かれます。(→公式サイト) そして今回は、その中で韓国映画4作品が上映されます。「チャンシルさんには福が多いね」「ハラボジの家」「若者の光」「さらばわが愛、北朝鮮」で、「ハラボジの家」と「若者の光」は日本初公開です。「チャンシルさんには福が多いね」は今年の大阪アジアン映画祭で「チャンシルは福も多いね」というタイトルで上映されました。ドキュメンタリー「さらばわが愛、北朝鮮」は東京・横浜等では一般劇場公開されましたが愛知ではまだだったのですね。そして「ハラボジの家」(原題:남매의 여름밤)と「若者の光」(原題: 젊은이의 양지)は日本初公開です。
この「ハラボジの家」ですが、下の興行成績ランキングのところで紹介したように、韓国では先週8月20日に一般劇場公開が始まったところで、観た人や評論家等の評点や感想を見ると、「ハチドリ」同様淡々とした展開ながら、少女の視点から家族の関係を繊細に描いたという点」でずいぶん好評のようです。「ハチドリ」はちょうど1年前韓国で公開されてから日本で観られるまでずいぶん待たされましたが、これはすぐ観られるのがウレシイ、といっても名古屋だからなあ・・・。今後一般劇場公開の見込みはどうなんでしょうね?
►もう1つ、同じ8月20日に公開された韓国映画でとくに注目したドキュメンタリーがあります。それは「東アジア反日武装戦線」(동아시아반일무장전선)。このタイトルが全然「?」という方はとりあえず→ウィキペディアを参照されたし。あるいは三菱重工爆破事件や大道寺将司についてもクグってみてください。60年代末~70年代にかけての過激化した左翼集団の中でアジア侵略に加担したとされる連続企業爆破事件を起こし、巻き添えで多くの人命を奪った組織ですが、半世紀近く経った今、韓国でこのような形で映画が作られ上映されるとは思いもよりませんでした。この作品についてはハンギョレが紹介記事を載せています。(→コチラ。)
74年の三菱重工ビル爆破事件後の翌年逮捕された組織のリーダー大道寺将司はその後死刑が確定しましたが、2017年東京拘置所内で病死。人生の約3分の2に及ぶ獄中生活の中、印象的な数多くの俳句を作り、また詳細な日記(「最終獄中通信」)を遺しています。(→「新潮45」の関連記事。)
この映画「東アジア反日武装戦線」は、25日までに1万人近い観客を集めた「ハラボジの家」の約20分の1の500人ほどですが、私ヌルボとしてはキム・ミレ監督がどんな視点から作ったか観てみたい気がします。ハンギョレの記事を読む限りでは日本を糾弾するというより「私たちの日常の加害者性を十分に考えてみなければならない」ということのようですが・・・。
★★★ NAVERの人気順位(8月25日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。
①(2) フォードvsフェラーリ 9.49(8,132)
②(3) モンマルトルのパパ(韓国) 9.41(123)
③(6) 私はポリ(韓国) 9.38(133)
④(7) 少年の君 9.35(1,091)
⑤(8) セイント・ジュディ 9.30(63)
⑥(新) 映画クレヨンしんちゃん
新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(日本) 9.25(276)
⑦(9) トムボーイ 9.21(398)
⑧(10) 梨泰院(韓国) 9.21(80)
⑨(新) 太白拳(韓国) 9.10(49)
⑩(新) ハラボジの家(韓国) 9.07(104)
⑥⑨⑩の3作品が新登場です。
⑥「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~」は、私ヌルボは観てませんが、日韓とも近年の本シリーズ中でも高評価を得ているようで、子供は笑い大人は感動の涙、といった感想が多数。大人だけでもオススメとのことで、これは1度観に行かなくちゃ、と思った次第。・・・って、これは日本ではもう終わってて、9月にはもう新作公開か。韓国題は「극장판 짱구는 못말려: 신혼여행 허리케인~ 사라진 아빠!」です。
⑨「太白拳」は、韓国のコメディ&アクション。太白(テベク)拳の伝承者ソンジュン(オ・ジホ)は、対決を前にして忽然と姿を消した兄弟子のジンス(チョン・ウィウク)を探すために俗世に降りてきます。ところが偶然運命の彼女ボミ(シン・ソユル)と出会い、突然一家の長となって俗世に埋もれ、生計という壁を前にしてこれまで修練してきた太白拳は無用の長物に過ぎないと悟り、才能を生かして(?)指圧院を始めます。しかし、これも順調にはいきません。金融業者と再開発勢力によって指圧院と家族が危険な目に遭うと、ソンジュンは大事なものを守るために再び太白拳の技を磨き始めるのですが・・・。原題は「태백권」です。
⑩「ハラボジの家」については後述します。
【記者・評論家による順位】
①(1) 燃え立つ若い女性の肖像 9.22(9)
②(2) はちどり(韓国) 8.38(13)
③(新) ハラボジの家(韓国) 7.83(12)
④(4) フォードvsフェラーリ 7.63(8)
⑤(5) 見えざる人生 7.60(5)
⑤(5) 未来を乗り換えた男 7.60(5)
⑦(7) その手に触れるまで 7.50(4)
⑧(-) 台北ストーリー 7.40(5)
⑨(8) トムボーイ 7.33(9)
⑩(9) 水の中のつぼみ 7.14(7)
③「ハラボジの家」が新登場です。この作品については後述します。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月21日(金)~8月23日(日) ★★★
「ただ悪から救いたまえ」が3週連続1位キープで400万人突破
【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数 ・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・ただ悪から救いたまえ(韓国)・・8/05・・・・・・・・181,537 ・・・・・4,106,085・・・・・36,461 ・・・・・1,465
2(2)・・OK! マダム(韓国)・・・・・・・・・・・8/12 ・・・・・・・・105,042 ・・・・・1,135,537・・・・・10,209 ・・・・・1,156
3(新)・・TENET テネット・・・・・・・・・・・8/26・・・・・・・・・・84,708 ・・・・・・・・84,708・・・・・・・・851 ・・・・・・・593
4(新) 映画クレヨンしんちゃん ・・・・・8/20 ・・・・・・・・・49,576 ・・・・・・・・62,685・・・・・・・・512 ・・・・・・・661
新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(日本)
5(3)・・鋼鉄の雨2: 首脳会談(韓国)・・7/29・・・・・・・・・・11,333 ・・・・・1,772,992・・・・・14,565 ・・・・・・・472
6(4)・・半島(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・7/15・・・・・・・・・・・6,213 ・・・・・3,803,964・・・・・33,019 ・・・・・・・323
7(62)・・メメント ・・・・・・・・・・・2001/8/24・・・・・・・・・・・4,942 ・・・・・・・・40,229・・・・・・・・293・・・・・・・・139
8(8)・・返校:ディテンション ・・・・・・8/13・・・・・・・・・・・4,569 ・・・・・・・・26,772・・・・・・・・252 ・・・・・・・123
9(新)・・ザ・シークレット・ガーデン・・8/19 ・・・・・・・・・・4,469・・・・・・・・・・8,097・・・・・・・・・67・・・・・・・・267
10(42)・・ハラボジの家(韓国) ・・・・・・8/20 ・・・・・・・・・・3,617・・・・・・・・・・8,305・・・・・・・・・66・・・・・・・・127
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
「ただ悪から救いたまえ」が3週連続1位。次週は26日公開予定のクリストファー・ノーラン監督の注目作「TENET テネット」がたぶんダントツ1位になるでしょうから、今夏の韓国映画の興行成績はこのまま「ただ悪から救いたまえ」が1位でゴールとなりそう。ただコロナの影響とはいえ500万人にも届かないのは残念なところ。
新登場は3・4・9・10位の4作品です。
3位「TENET テネット」は、英・米合作のSF&アクション超大作。上記のようにクリストファー・ノーラン監督の3年ぶりの新作です。26日が正式公開日ですが、22・23日の両日プレミア上映ということで世界初公開されたとのことです。ウクライナでテロの阻止のため特殊部隊のメンバーとして参加した<名もなき男>(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、仲間の身代わりとなって捕らえられ、薬を飲まされて昏睡状態に陥ります。目覚めると、フェイと名乗る男からあるミッションを告げられます。それは未来から来る敵と戦って世界を救えという信じがたいものでした。未来では時間の流れを逆行させるインバージョンを使用して、現在と未来を行き来できることが可能な装置が開発されているのです。それを用いて世界を破壊しようとするサトール(ケネス・ブラナー)に待ったをかけるべく投入されたのが彼=<名もなき男>でした。インバージョンについての情報を持ったニール(ロバート・パティンソン)と美術品鑑定士でサトールへの復讐心に満ちた彼の妻キャット(エリザベス・デビッキ)と協力して、<名もなき男>は<時間>から脱出し、<未来>の第3次世界大戦をくい止めるミッションに乗り出します。そして、そのキーワードは<TENET>です・・・。韓国題は「테넷」。日本公開は9月18日です。
4位「クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜」については上述しました。
9位「ザ・シークレット・ガーデン」(仮)は、「小公子」や「小公女」で知られるF.H.バーネットの児童小説「秘密の園」(The Secret Garden)の映画化作品です。同書の出版は1911年。また最初の映画化は1949年、2回目が1993年で、今作が3回目になります。物語の始まりはイギリスがインドを統治していた時代。イギリス人官吏の娘、10歳の女の子メアリー・レノックス(ディキシー・エジャリック)は、両親や使用人たちを流行のコレラによって亡くし、ヨークシャーにある叔父アーチボルド(コリン・ファース)の大邸宅に送られます。それまで両親の愛情を十分に受けられずに育っていたメアリーは、最初新しい環境に溶け込めずにいましたが、やがて徐々にその地の自然に馴染んでいきます。叔父は彼女に自分の部屋以外入らないようにと言いましたが、好奇心旺盛なメリーはこっそりと屋敷を歩き回り、ある日長い間隠されていた秘密の扉を発見します。そしてその向こうには、今まで見たことのない神秘的で美しい庭園が隠されていました・・・。韓国題は「시크릿 가든」。日本公開は2021年とのことです。
10位「ハラボジの家」は、韓国のドラマ。第49回ロッテルダム国際映画祭の長編部門でグランプリを獲得する等、諸映画祭で高い評価を得ている作品です。夏休みの間、お父さんと一緒におじいちゃんの家で過ごすことになった姉弟オクジュとドンジュ。その古い2階洋館での夏が始まり、久しく会うことのなかった叔母さんまで集まって、記憶に残る家族全員の物語が繰り広げられます。・・・と書くとひと夏の懐かしい思い出といった感じになりますが、実はおじいさんの家での暮らしの前提してお父さんの事業の失敗という事情があり、また叔母さんもその家に来たのは離婚寸前で、とのこと。しかしドタバタにはならずオクジャを通して各自の思いに寄り添いつつ淡々と描写し、それがむしろ多くの観客の共感を呼んでいるようです。これが初の長編というユン・ダビ監督にも注目。
原題は「남매의 여름밤(姉弟の夏の夜)」です。記事の冒頭にも書いたように、9月3日からの<あいち国際女性映画祭>で上映されます。
7位「メメント」は、もちろん旧作の再上映ですが、これも「TENET テネット」公開に合わせてのノーラン監督作品です。そういえば同監督のインセプションも12日から公開されていますね。
【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(31)・・メメント・・・・・・・・・・・・・・・・・・2001/8/24・・・・・・・4,942 ・・・・・・・・・40,229・・・・・・・293・・・・・・・・139
2(20)・・ハラボジの家(韓国)・・・・・・・・・・・・・・8/20・・・・・・・3,617・・・・・・・・・・・8,305・・・・・・・・66・・・・・・・・127
3(8)・・私の少女時代・・・・・・・・・・・・・・・2016/5/12・・・・・・・3,389 ・・・・・・・・418,916・・・・・3,393・・・・・・・・142
4(37)・・69歳(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/20 ・・・・・・2,389・・・・・・・・・・・4,771・・・・・・・・39・・・・・・・・105
5(2)・・水の中のつぼみ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/13 ・・・・・・・・490・・・・・・・・・・10,964・・・・・・・・93・・・・・・・・・27
2・4位が新登場です。
2位「ハラボジの家」については上述しました。
4位「69歳」は、韓国のドラマ。69歳の女性ヒョジョン(イェ・スジョン)は、病院で治療を受けていて29歳の男性看護助手に屈辱的なことをされてしまいます。長い間悩んだ末ヒョジョンは同居しているドンインにこの事実を知らせ、警察に通報します。しかし警察と周囲の人の両方ともとんでもないことだとヒョジョンを認知症患者と罵倒し、裁判所も年齢の差を根拠に事件の可能性に乏しいと拘束令状を棄却します。ヒョジョンは被害者の方が苦しむという現実に屈することなく、勇気を出して加害者に向けた一喝を準備します・・・。原題は「69세」です。
この「ハラボジの家」ですが、下の興行成績ランキングのところで紹介したように、韓国では先週8月20日に一般劇場公開が始まったところで、観た人や評論家等の評点や感想を見ると、「ハチドリ」同様淡々とした展開ながら、少女の視点から家族の関係を繊細に描いたという点」でずいぶん好評のようです。「ハチドリ」はちょうど1年前韓国で公開されてから日本で観られるまでずいぶん待たされましたが、これはすぐ観られるのがウレシイ、といっても名古屋だからなあ・・・。今後一般劇場公開の見込みはどうなんでしょうね?
74年の三菱重工ビル爆破事件後の翌年逮捕された組織のリーダー大道寺将司はその後死刑が確定しましたが、2017年東京拘置所内で病死。人生の約3分の2に及ぶ獄中生活の中、印象的な数多くの俳句を作り、また詳細な日記(「最終獄中通信」)を遺しています。(→「新潮45」の関連記事。)
この映画「東アジア反日武装戦線」は、25日までに1万人近い観客を集めた「ハラボジの家」の約20分の1の500人ほどですが、私ヌルボとしてはキム・ミレ監督がどんな視点から作ったか観てみたい気がします。ハンギョレの記事を読む限りでは日本を糾弾するというより「私たちの日常の加害者性を十分に考えてみなければならない」ということのようですが・・・。
★★★ NAVERの人気順位(8月25日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。
①(2) フォードvsフェラーリ 9.49(8,132)
②(3) モンマルトルのパパ(韓国) 9.41(123)
③(6) 私はポリ(韓国) 9.38(133)
④(7) 少年の君 9.35(1,091)
⑤(8) セイント・ジュディ 9.30(63)
⑥(新) 映画クレヨンしんちゃん
新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(日本) 9.25(276)
⑦(9) トムボーイ 9.21(398)
⑧(10) 梨泰院(韓国) 9.21(80)
⑨(新) 太白拳(韓国) 9.10(49)
⑩(新) ハラボジの家(韓国) 9.07(104)
⑥⑨⑩の3作品が新登場です。
⑥「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~」は、私ヌルボは観てませんが、日韓とも近年の本シリーズ中でも高評価を得ているようで、子供は笑い大人は感動の涙、といった感想が多数。大人だけでもオススメとのことで、これは1度観に行かなくちゃ、と思った次第。・・・って、これは日本ではもう終わってて、9月にはもう新作公開か。韓国題は「극장판 짱구는 못말려: 신혼여행 허리케인~ 사라진 아빠!」です。
⑨「太白拳」は、韓国のコメディ&アクション。太白(テベク)拳の伝承者ソンジュン(オ・ジホ)は、対決を前にして忽然と姿を消した兄弟子のジンス(チョン・ウィウク)を探すために俗世に降りてきます。ところが偶然運命の彼女ボミ(シン・ソユル)と出会い、突然一家の長となって俗世に埋もれ、生計という壁を前にしてこれまで修練してきた太白拳は無用の長物に過ぎないと悟り、才能を生かして(?)指圧院を始めます。しかし、これも順調にはいきません。金融業者と再開発勢力によって指圧院と家族が危険な目に遭うと、ソンジュンは大事なものを守るために再び太白拳の技を磨き始めるのですが・・・。原題は「태백권」です。
⑩「ハラボジの家」については後述します。
【記者・評論家による順位】
①(1) 燃え立つ若い女性の肖像 9.22(9)
②(2) はちどり(韓国) 8.38(13)
③(新) ハラボジの家(韓国) 7.83(12)
④(4) フォードvsフェラーリ 7.63(8)
⑤(5) 見えざる人生 7.60(5)
⑤(5) 未来を乗り換えた男 7.60(5)
⑦(7) その手に触れるまで 7.50(4)
⑧(-) 台北ストーリー 7.40(5)
⑨(8) トムボーイ 7.33(9)
⑩(9) 水の中のつぼみ 7.14(7)
③「ハラボジの家」が新登場です。この作品については後述します。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月21日(金)~8月23日(日) ★★★
「ただ悪から救いたまえ」が3週連続1位キープで400万人突破
【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数 ・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・ただ悪から救いたまえ(韓国)・・8/05・・・・・・・・181,537 ・・・・・4,106,085・・・・・36,461 ・・・・・1,465
2(2)・・OK! マダム(韓国)・・・・・・・・・・・8/12 ・・・・・・・・105,042 ・・・・・1,135,537・・・・・10,209 ・・・・・1,156
3(新)・・TENET テネット・・・・・・・・・・・8/26・・・・・・・・・・84,708 ・・・・・・・・84,708・・・・・・・・851 ・・・・・・・593
4(新) 映画クレヨンしんちゃん ・・・・・8/20 ・・・・・・・・・49,576 ・・・・・・・・62,685・・・・・・・・512 ・・・・・・・661
新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(日本)
5(3)・・鋼鉄の雨2: 首脳会談(韓国)・・7/29・・・・・・・・・・11,333 ・・・・・1,772,992・・・・・14,565 ・・・・・・・472
6(4)・・半島(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・7/15・・・・・・・・・・・6,213 ・・・・・3,803,964・・・・・33,019 ・・・・・・・323
7(62)・・メメント ・・・・・・・・・・・2001/8/24・・・・・・・・・・・4,942 ・・・・・・・・40,229・・・・・・・・293・・・・・・・・139
8(8)・・返校:ディテンション ・・・・・・8/13・・・・・・・・・・・4,569 ・・・・・・・・26,772・・・・・・・・252 ・・・・・・・123
9(新)・・ザ・シークレット・ガーデン・・8/19 ・・・・・・・・・・4,469・・・・・・・・・・8,097・・・・・・・・・67・・・・・・・・267
10(42)・・ハラボジの家(韓国) ・・・・・・8/20 ・・・・・・・・・・3,617・・・・・・・・・・8,305・・・・・・・・・66・・・・・・・・127
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
「ただ悪から救いたまえ」が3週連続1位。次週は26日公開予定のクリストファー・ノーラン監督の注目作「TENET テネット」がたぶんダントツ1位になるでしょうから、今夏の韓国映画の興行成績はこのまま「ただ悪から救いたまえ」が1位でゴールとなりそう。ただコロナの影響とはいえ500万人にも届かないのは残念なところ。
新登場は3・4・9・10位の4作品です。
3位「TENET テネット」は、英・米合作のSF&アクション超大作。上記のようにクリストファー・ノーラン監督の3年ぶりの新作です。26日が正式公開日ですが、22・23日の両日プレミア上映ということで世界初公開されたとのことです。ウクライナでテロの阻止のため特殊部隊のメンバーとして参加した<名もなき男>(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、仲間の身代わりとなって捕らえられ、薬を飲まされて昏睡状態に陥ります。目覚めると、フェイと名乗る男からあるミッションを告げられます。それは未来から来る敵と戦って世界を救えという信じがたいものでした。未来では時間の流れを逆行させるインバージョンを使用して、現在と未来を行き来できることが可能な装置が開発されているのです。それを用いて世界を破壊しようとするサトール(ケネス・ブラナー)に待ったをかけるべく投入されたのが彼=<名もなき男>でした。インバージョンについての情報を持ったニール(ロバート・パティンソン)と美術品鑑定士でサトールへの復讐心に満ちた彼の妻キャット(エリザベス・デビッキ)と協力して、<名もなき男>は<時間>から脱出し、<未来>の第3次世界大戦をくい止めるミッションに乗り出します。そして、そのキーワードは<TENET>です・・・。韓国題は「테넷」。日本公開は9月18日です。
4位「クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜」については上述しました。
9位「ザ・シークレット・ガーデン」(仮)は、「小公子」や「小公女」で知られるF.H.バーネットの児童小説「秘密の園」(The Secret Garden)の映画化作品です。同書の出版は1911年。また最初の映画化は1949年、2回目が1993年で、今作が3回目になります。物語の始まりはイギリスがインドを統治していた時代。イギリス人官吏の娘、10歳の女の子メアリー・レノックス(ディキシー・エジャリック)は、両親や使用人たちを流行のコレラによって亡くし、ヨークシャーにある叔父アーチボルド(コリン・ファース)の大邸宅に送られます。それまで両親の愛情を十分に受けられずに育っていたメアリーは、最初新しい環境に溶け込めずにいましたが、やがて徐々にその地の自然に馴染んでいきます。叔父は彼女に自分の部屋以外入らないようにと言いましたが、好奇心旺盛なメリーはこっそりと屋敷を歩き回り、ある日長い間隠されていた秘密の扉を発見します。そしてその向こうには、今まで見たことのない神秘的で美しい庭園が隠されていました・・・。韓国題は「시크릿 가든」。日本公開は2021年とのことです。
10位「ハラボジの家」は、韓国のドラマ。第49回ロッテルダム国際映画祭の長編部門でグランプリを獲得する等、諸映画祭で高い評価を得ている作品です。夏休みの間、お父さんと一緒におじいちゃんの家で過ごすことになった姉弟オクジュとドンジュ。その古い2階洋館での夏が始まり、久しく会うことのなかった叔母さんまで集まって、記憶に残る家族全員の物語が繰り広げられます。・・・と書くとひと夏の懐かしい思い出といった感じになりますが、実はおじいさんの家での暮らしの前提してお父さんの事業の失敗という事情があり、また叔母さんもその家に来たのは離婚寸前で、とのこと。しかしドタバタにはならずオクジャを通して各自の思いに寄り添いつつ淡々と描写し、それがむしろ多くの観客の共感を呼んでいるようです。これが初の長編というユン・ダビ監督にも注目。
原題は「남매의 여름밤(姉弟の夏の夜)」です。記事の冒頭にも書いたように、9月3日からの<あいち国際女性映画祭>で上映されます。
7位「メメント」は、もちろん旧作の再上映ですが、これも「TENET テネット」公開に合わせてのノーラン監督作品です。そういえば同監督のインセプションも12日から公開されていますね。
【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(31)・・メメント・・・・・・・・・・・・・・・・・・2001/8/24・・・・・・・4,942 ・・・・・・・・・40,229・・・・・・・293・・・・・・・・139
2(20)・・ハラボジの家(韓国)・・・・・・・・・・・・・・8/20・・・・・・・3,617・・・・・・・・・・・8,305・・・・・・・・66・・・・・・・・127
3(8)・・私の少女時代・・・・・・・・・・・・・・・2016/5/12・・・・・・・3,389 ・・・・・・・・418,916・・・・・3,393・・・・・・・・142
4(37)・・69歳(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/20 ・・・・・・2,389・・・・・・・・・・・4,771・・・・・・・・39・・・・・・・・105
5(2)・・水の中のつぼみ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/13 ・・・・・・・・490・・・・・・・・・・10,964・・・・・・・・93・・・・・・・・・27
2・4位が新登場です。
2位「ハラボジの家」については上述しました。
4位「69歳」は、韓国のドラマ。69歳の女性ヒョジョン(イェ・スジョン)は、病院で治療を受けていて29歳の男性看護助手に屈辱的なことをされてしまいます。長い間悩んだ末ヒョジョンは同居しているドンインにこの事実を知らせ、警察に通報します。しかし警察と周囲の人の両方ともとんでもないことだとヒョジョンを認知症患者と罵倒し、裁判所も年齢の差を根拠に事件の可能性に乏しいと拘束令状を棄却します。ヒョジョンは被害者の方が苦しむという現実に屈することなく、勇気を出して加害者に向けた一喝を準備します・・・。原題は「69세」です。