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ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

★2011年 ヌルボの個人的映画ベスト10

2011-12-31 20:52:48 | 韓国映画(&その他の映画)
[2011年]
①サラの鍵 
②テザ 慟哭の大地
③愛する人
彼とわたしの漂流日記
⑤アリス・クリードの失踪
⑥阪急電車 片道15分の奇跡(日)
牛と一緒に7泊8日
⑧未来を生きる君たちへ
⑨ゴーストライター
⑩エンディングノート(日)
 次点:その街のこども 劇場版(日)、昼間から呑む
 

赤色は韓国映画または韓国・北朝鮮に関係する映画です。

 2011年観た映画は、ちょうど80本。家でDVDで観たものは数えていません。うち韓国映画は25本でした。ただし、「波瀾万丈」等のショートショートは含んでいません。また北朝鮮映画は「安重根 伊藤博文を撃つ」の1本だけです。
 80本の中から、例年通りベストテンを並べてみました。昨年迷いつつ4位にしたのが「ゲキシネ 蛮幽鬼」。今年観た「ゲキシネ 薔薇とサムライ」もすごくおもしろかったのですが、「オペラ座の怪人 25周年特別公演」も含めて、やはり舞台そのままの映画は外すことにしました。
 また旧作の再上映、たとえば「風吹く良き日」「鯨とり ナドヤカンダ」「夫婦善哉」「猫と庄造と二人の女」「春婦伝」「蜘蛛之巣城」「裏窓」等も除外しました。(未見の人にはどれも観てほしいものです。)

※一般的注目作で未見の映画、観ようかな?と思って観ていない主な映画は次のとおり。たくさんあるなー・・・。基本的に誰でも知ってるハリウッドの話題作は観ません、というわけでもないですが、結果的にはほとんど観ていません。
 「大鹿村騒動記」「一枚のハガキ」「八日目の蝉」「冷たい熱帯魚」「恋の罪」「けいおん」「わたしを離さないで」「ステキな金縛り」ブラック・スワン」「トゥルー・グリット」「ヒア アフター」「ソーシャル・ネットワーク」「リアル・スティール」「スーパー!」「宇宙人ポール」等。・・・「わたしを離さないで」は、原作は読みましたが、設定だけで泣けてきます。映画も、予告編だけで十分切ないです、うるうる。園子温監督の映画、来年は観なければ・・・。


 さて、冒頭に掲げた今年のベスト10。自分で分析するに、1位をはじめ社会的なドラマが多いですね。それも歴史がらみの洋画。リストにはありませんが「灼熱の魂」も印象に残っています。また日本映画は、こぢんまりとした、日常の中での人と人のつながりを温かく描いた作品が並びました。
 1位は「サラの鍵」。今年は少し迷いました。一昨年・去年の「グラン・トリノ」「息もできない」のような傑出した文句ナシの作品はなかったので・・・。しかし暮れに観た「サラの鍵」は強く印象に残りました。感動というだけでなく、いろいろ考えさせられたという点で。同じヴェル・ディブ事件(1942年7月16・17日フランスでのユダヤ人一斉検挙事件)を扱った「黄色い星の子供たち」とセットで1位にします。
※<黄色い星>とはユダヤ人たちが一見してわかるようにと胸に付けさせられた「ダビデの星」のこと。
※「考えさせられたこと」の1つは、今の北朝鮮の人権状況についてです。この件については、近く別立てで記事にします。たぶん。
 2位の「テザ 慟哭の大地」は、めずらしいエチオピア映画(ハイレ・ゲリマ監督)。エチオピアでは1974年の王政廃止クーデター後、社会主義をめざしながらも、その後恐怖独裁政治や粛清により数10万人が殺害され、とお決まりの道をたどります。そんな時代に翻弄されながらも希望を持って生き続ける知識人男性の半生を、時間的空間的広がりの中で描く。コチラを1位にしてもいいくらい。もっともっと注目されてしかるべき映画だと思うのですが・・・。
 3位、女性が主人公という作品が多いということに今気づきました。「愛する人」がまさにそうですね。逆に男のナサケナイこと! 「サラの鍵」もそうだったなー。これって、現実の反映?
 4位「彼とわたしの漂流日記」、2010年に見逃した韓国映画を新年早々神戸の元町映画館で観ました。原題の「キム氏漂流記」と全然違うからわからなかったのです。以後注意深くなったので(?)「黄海」が「哀しき獣」になったり、「詩」が「ポエトリー アグネスの詩」になったりしてることは承知してますよ。
 5位、「アリス・クリードの失踪」、わずか3人の登場人物で展開する緊迫の密室劇。同じ3人の密室劇の秀作ポランスキーの「死と乙女」に深みでは劣るものの、<映画生活>の評点66点は低すぎだなー。とくに「女優が可愛くない」等の理由で50点をつけたTさん、可愛いじゃないですかっっ(`Д´)ノ
 6位「阪急電車 片道15分の奇跡」、思いがけない拾い物という感じの映画でした。ふつうに良かったというのはたぶんこういう時に使う言葉ですか? 翔子(中谷美紀)が駅のホームでイジメにあっている小学生女児(高須瑠香)に声をかける場面がとくに印象に残っています。
 7位「牛と一緒に7泊8日」は、昨年観た「飛べ!ペンギン」のイム・スルレ監督の作品。10月24日の記事で感想を書きました。私ヌルボ、この監督とは相性がいいみたいです。主演の牛먹보(モクポ.食いしんぼ)は貴重な演技派の牛だそうです。
 8位「未来を生きる君たちへ」は第83回アカデミー賞外国語映画賞作品。理不尽な暴力が横行するアフリカのキャンプと、デンマークの学校でのいじめがどう結びつくの?とは観る前に抱いた疑問。観終わって納得。「サラの鍵」の過去と現在の関係性も同様か?
 9位「ゴーストライター」は上記のポランスキー監督作品。作品よりも彼自身の人生の方がドラマチック。2月18日公開予定の「おとなのけんか」も楽しみ。
 10位「エンディングノート」。ガンを告げられた父親の生前の姿と葬式後までを、こんなに微笑ましく描けるとは! 父親も娘(監督)もたいしたものです。うらやましいものです。
 次点の「その街のこども 劇場版」は、阪神淡路大震災のその後。観たのが2月25日。そのちょうど2週間後が3月11日。災害救護活動の支援を目的に日本赤十字社へ寄付されていた配給収入の一部は、3月11日以降は、寄付先がを日本赤十字社の東日本大震災義援金に切り替えられたそうです。
 もう1つの次点「昼間から呑む」は、5月16日の記事で感想を書きました。映画の内容は、記事のタイトル通り<いいかげんで、無責任で、おしつけがましくて、酒好きで、愛すべき韓国人>を描いたものです。

 上記以外、まず韓国映画では、「悪魔を見た」「ビー・デビル」は、手当たり次第に殺しまくる!チェ・ミンシクとソ・ヨンヒのすごさに圧倒されました。「パジュ」、なかなかよかった。主演女優ソウの目ヂカラが印象的。しかし「ハウスメイド」の奥様役はミスキャストでは? 「クイック!!」は大型B級映画のアンバランスさをどう評価するか? 「ささやきの夏」は話題になりませんでしたが、好感がもてる佳品。「ソウルのバングラデシュ人」は多文化社会の一側面を知る。女子高生(ペク・チニ)が「息もできない」のキム・コッピ的雰囲気。「アジョシ」、十分ベスト10入りレベルの娯楽映画。ウォンビンはアイドルからリッパに脱皮!
 韓国映画以外では、「再生の朝に」は中国の死刑や裁判官について知識を得るとともに考えさせられました。「台北の朝、僕は恋をする」は青春映画の佳作。ヒロイン(アンバー・クォ)がカワイイ! 「見えないほどの遠くの空を」、若い人たちの間に口コミで評判が広がり、レイトショーはヌルボが行った時はほとんど満員。観てみてナットク。「蜘蛛之巣城」、バーナムの森が動く!? (黒澤映画、怒鳴りすぎだって。字幕をつけてください。) 「マイ・バック・ページ」、川本三郎氏は自殺した保倉幸恵さんとああいう感じのコミュニケーションがあったのか・・・。竹本信弘は1989年に「滝田修解体」を出版してかつての革命の非を認めたとか。思えば実にいろんな時代の区切りとなった年です。76年生まれの山下敦弘監督、よく60年代の雰囲気を再現したものです。
 他にもいろいろ観ましたが、ここらへんでまた来年。よいお年を・・・。

[参考]過去4年のベスト10

[2010年]息もできない過速スキャンダル冬の小鳥④ゲキシネ蛮幽鬼(日)⑤実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(日)⑥告白(日)⑦瞳の奥の秘密⑧飛べ!ペンギン⑨川の底からこんにちは(日)⑩ONE SHOT ONE KILL

[2009年]①グラン・トリノ②ディア・ピョンヤン(日)③妻が結婚した母なる証明チェイサー⑥チェンジリング⑦劔岳 点の記(日)⑧チョコレート・ファイター⑨戦場のワルツ⑩牛の鈴音

[2008年]①ダークナイト②パコと魔法の絵本(日)③ウリハッキョ(日)④休暇(日)⑤シークレット・サンシャイン⑥ラスト・コーション⑦接吻(日)⑧おくりびと(日)⑨闇の子供たち(日)⑩火垂るの墓・実写版(日)

[2007年]①世界最速のインディアン②パンズ・ラビリンス③キサラギ(日)④ドリームガールズ⑤それでも僕はやっていない(日)⑥夕凪の街 桜の国(日)⑦幸福(しあわせ)のスイッチ(日)⑧檸檬の頃(日)⑨幸福(こうふく)の食卓(日)⑩私たちの幸せな時間
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2011年 韓国の10大ニュースをみる

2011-12-30 23:56:54 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 あと24時間の間に重大ニュースがないことを見越して、2011年の韓国の10大ニュースを見てみましょう。あ、見る前に予測をしてみると、第1位はまず間違いないところ。それ以外に思いつくのが、私ヌルボの場合は3つくらい、かな?

 今回は、一応「東亜日報」の10大ニュースを基本にして、ヌルボなりのコメントをつけました。

①北朝鮮の運命は29歳の金正恩の手に・・・
 北朝鮮を37年間鉄拳統治した金正日国防委員長が12月17日死亡。後継者は3男の金正恩29歳。現代史に類例がない3代世襲がなされた。
 突然でしたが、「想定外」ではありませんでした。しかし、金日成と同様、その死の真実には謎の部分も・・・。
「毎日新聞」の記事によれば、ロシアの専門集団による遺体の保存作業は半年から1年。防腐処理だけで約100万ドル(約7700万円)、その後の維持に毎年80万ドル(約6200万円)かかるとか。
元専属料理人の藤本健二さん(仮名)が語る金正恩とのエピソード。これも「毎日新聞」から。

②口蹄疫348万頭を埋める・・・浸出水の流出憂慮
 口蹄疫拡散で牛15万1千頭、豚331万8千頭、ヤギ8千頭など総348万5千頭の家畜を埋却処分。 被害額だけ3兆ウォンに達して畜産農家が事実上焦土化した。 不良埋没で浸出水流出にともなう2次環境汚染憂慮も出てきた。肉類と牛乳価格暴騰など副作用も大きかった。
 「水道水から血が!」というおぞましいニュースも・・・。

③貯蓄銀行16行営業停止・・・停止阻止のロビー活動に対する捜査拡大
 高い利息で預金者を増やした貯蓄銀行だが、乱脈融資による経営不振が指摘され、16行が営業停止処分に。自己資本比率が1%未満で、負債が資産を上回っていることなどが理由。違法融資や政界へのロビー工作などさまざまな不正が摘発された。一部の関係者は営業停止直前に巨額の預金を引き出し、強い批判を浴びた。預金者が銀行に殺到し、取り付け騒ぎも起きた。
 ある貯蓄銀行のトップが飛び降り自殺したとの報道もありました。預金者保護法に基づいて5千万ウォン以下の預金は全額保護されましたが、それ以上の預金者と劣後債券への投資家7万人あまりが被害にあったとのことです。貯蓄銀行全般に不安が広がる中でも、貯蓄銀行各行が「ウチは大丈夫」と言って年5%台後半の高い利息で客を集めたため新規に預金した人も多かったそうです。預金者保護制度に頼って5千万ウォン以下に資金を分けて預金しているしっかりした(?)人も多い(?)とか。

④映画のような「アデン湾の黎明」・・・ソク・へギュン船長の「奇跡」
 1月21日、韓国海軍の駆逐艦・崔瑩(チェヨン)がソマリア沖で同月15日に海賊に乗っ取られた韓国のケミカルタンカーの救出作戦を実施。武装した海賊の銃撃戦の末8人を射殺、5人を拘束し、乗組員21人全員を救助した。この作戦名が「黎明」。
 「朝鮮日報」は図解入りで詳細に、また誇らしげに(?)報道しました。タンカーのソク船長は海賊の銃撃を受けて貫通傷を負って入院しましたが、その後無事退院しました。エンジンオイルに水を混ぜたり、ソマリアとは反対方向に向かったり、無線で船内の様子を朝鮮語で話して韓国軍に情報を伝えたりという彼の超人的、英雄的な行動が作戦成功のポイントだそうで、そのために激怒した海賊に撃たれて重傷を負ったとのことです。李明博大統領や韓国海軍は天安艦沈没や延坪島砲撃で傷ついたプライドが回復したと喜び、国民も久々の爽快感を感じたようです。

⑤平昌冬季オリンピック、韓国「グランドスラム」
 江原道の平昌が7月6日南アフリカ共和国で開かれたIOC総会で2018年冬季オリンピック開催権を獲得した。 2010年の大会誘致戦ではバンクーバー、14年ではロシアのソチに逆転負けした後の3回目の挑戦で達成した快挙。8月には大邱で世界陸上選手権を開催して世界6番目にグランドスラム(オリンピック、サッカーWカップ、世界陸上選手権、冬季オリンピック)を達成した。
 スポーツ10大ニュースでは第1位でした。グランドスラムは仏・独・伊・日・露に続くものです。アメリカは世界陸上選手権をは招致していないのですね。

⑥16人の命を奪った牛眠山(ウミョンサン)の惨事
 100年ぶりの豪雨のため7月27日全国的な山崩れが発生。特にソウルの牛眠山では1時間に100mmの集中豪雨による山崩れ(산사태.山沙汰)が起こり16人の犠牲者が出た。これは単なる天災ではないとの批判が起こり、政府は来年に5兆ウォンを投じて対策に乗り出すことにした。
 韓国では例年7月の降雨量が多いのですが、今年は観測史上最高だったそうです。本ブログの関連記事は→コチラ

⑦性暴行処罰法を変えた映画「るつぼ」の力
 光州の聴覚障碍児のための学校教職員が児童らを性暴行した事件が6年ぶりに再び注目を集めた。 この事件をモチーフにした小説「ろつぼ」の映画化作品が公開され社会問題になったもの。再捜査を始めた警察は性暴行教職員14人を追加摘発した。 また、障碍者や13歳未満の児童を性暴行すれば実刑を受けるように法規が変わる契機になった。
 先の芸能界の10大ニュース中にもありました。本ブログでも関係記事をいくつかアップしました。

⑧呉世勲ソウル市長の辞職・・・政界「ビッグ・バン」の渦
 野党民主党が小中学校の学校給食無償化を議会で決議すると、与党ハンナラ党の呉市長はこれを福祉ポピュリズムであると批判して所得制限を設けた反対し、所得の少ない半数を無償化する段階的な無償化案を発表。8月市民による住民投票に委ねられたが、民主党や市民団体が投票ボイコットを呼びかけたこともあり、投票率は25.7%と投票成立要件の3分の1に達せず、投票は無効となり、呉市長は辞職した。10月のソウル市長補欠選挙では、進歩陣営の期待の星・安哲秀ソウル大融合科学技術大学院長の推す無所属の朴元淳候補が圧勝。<政党政治の危機>もささやかれ、政界は<ビッグバンの渦>に巻き込まれることとなった。
 市長選で敗れたハンナラ党の羅卿瑗候補を支援した朴槿恵ハンナラ党元代表にも大打撃。安哲秀氏は新党創設も大統領選出馬も否定しているのに、最近の世論調査では大統領候補の仮想対決では朴槿恵元代表をリードしているようです。今後の成り行きが注目されます。(←典型的紋切型表現。)
※12月31日の追記 12月28日の「Morning Kore」によると、「毎日経済新聞・MBNが世論調査専門機関のハンギルリサーチと24~25日、世論調査を実施した結果、朴槿恵ハンナラ党非常対策委員長委員長の支持率は40.0%で安哲秀ソウル大融合科学技術大学院長(38.9%)を僅かに抑えた」とのことです。

⑨韓米FTA 4年目で通過・・・「催涙弾国会」
 韓米自由貿易協定(FTA)が首脳署名から4年4ヵ月ぶりに11月国会本会議を通過した。野党の反発が強く、本会議場では野党議員が催涙剤を投げるなど憲政史上初めての不祥事も起こった。米国、EUとのFTA完了で国内総生産(GDP)の61%を自由貿易地帯で確保した。
 広汎な市民の反対運動も展開されました。経済書のベストセラー、ハジュン・チャン「世界経済を破綻させる23の嘘」もこの問題の関連もあってよく読まれたのでしょう。私ヌルボは、歴史の流れは遅かれ早かれ自由貿易に向かうと思っていましたが、実際問題としてそう単純なものでもなく、必ずしも正しいものでもなさそうです。

⑩アジアを越えて・・・K-POP烈風、全世界に拡大
 アメリカ、イギリス、アルゼンチン、ペルー・・・。世界各地で韓国歌手らの公演を念願するファンたちの声が高まった。6月SMエンターテインメントはフランス公演を始めアメリカ、イギリス、ブラジル、スペインなどでK-POP公演を開催、韓流がアジアを越えてヨーロッパ、南米にまで進出したことを証明した。
 これも芸能界10大ニュースにあげられましたね。

 次に、聯合ニュースの2011年10大ニュースは次の通りです。
①金正日総書記死去 ②安哲秀旋風 政界揺るがす ③韓米FTA 国会通過 ④貯蓄銀行への営業停止処分相次ぐ ⑤2018年冬季五輪の招致成功 ⑥福祉論争が政治的争点に ⑦新聞・通信社のテレビ参入 ⑧記録的な大雨 数十人が死亡する被害が発生 ⑨慰安婦問題の再燃 ①⑩東日本大震災・福島第1原子力発電所事故

 ⑥は、平等を掲げる「普遍的福祉」か、低所得者などに限る「選別的福祉」かをめぐって与野党が激しく対立。具体的には、先述の学校給食の全面無料化問題です。しかし与党ハンナラ党も福祉拡大と雇用創出に向けた予算の増額を進めるなど、社会全体が福祉を拡大する方向に向かっています。
 ⑦は、具体的には中央日報の「jTBC」、朝鮮日報の「TV朝鮮」、東亜日報の「チャンネルA」、毎日経済新聞の「MBN」の4社と、聯合ニュースの「ニュースY」が12月1日一斉に開局したことを指します。5社の開局は地上波中心の放送界を一変させるとともに、印刷媒体の衰退など、メディア業界に大きな変化をもたらすとみられています。
 ⑨は、慰安婦強制動員問題の解決を求める市民団体「韓国挺身隊問題対策協議会」が日本大使館前で行っている水曜集会が12月14日で通算千回を迎え、平和の碑を大使館前の路上に設置。日本政府が設置中止を求めたが韓国政府は「関与するのは難しい」との姿勢を崩さなかった。同月の韓日首脳会談ではこの問題をめぐり対立。日本でも報道されましたが、両国間のミゾは深いです。
 ⑩、東日本大震災と福島第1原子力発電所事故は韓国にも大きな衝撃と影響を与えました。震災直後から被害者支援の募金が全国的に広がり、韓国政府もいち早く被災地に救助隊を派遣しました。しかし日本政府が30日、独島問題を明記した中学校学習指導要領解説書に基づく教科書検定結果を発表したことで支援ムードは冷え込んだ、と聯合通信は記しています。

 ⑨も⑩の記事中の竹島問題も、ヌルボ思うに、話し合いの前提となる<共通の土俵>、<共通のルール>といったものが形成されていないことがまず問題でしよう。それを譲歩と考えるならば、いつまで経っても平行線のまま。あーあ。
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韓国芸能界 2011年の10大ニュースをみる

2011-12-29 17:02:19 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 スポーツ10大ニュース(2つ前の記事)に続いて、芸能界の10大ニュースです。
※韓国では芸能界のことを演芸界(연예계.ヨネゲ)といいます。

 記事の形が見やすく票数も明示してある「スポーツ韓国」を基本形として見てみます。
 これはエンタテインメント専門家100人にきいた今年の話題3つを選んでほしいとの注文に対し69人の回答をもらい、その結果を集計したものです。

①ソテジとイ・ジアの離婚訴訟(69票)
 ドラマ「太王四神記」でヨン様の恋人役を演じて2007年のMBCドラマ賞の最優秀新人女優賞等を受賞し注目を浴びた女優イ・ジア。今年2月にドラマ「アテナ:戦争の女神」で共演したチョン・ウソンとのデートのようすを報じられると、2人とも交際していることを認めていたのですが・・・。
 あっ!と全国民が驚いた続報は、ぬわんと、イ・ジアはあのソテジと1993年アメリカで出会い、97年に結婚していた!というもの。イ・ジアは韓国生まれですが小学生の時にアメリカに移住してます。どういうふうに出会ったのでしょうねー? しかし2000年から別居を始め、ソテジは帰国して芸能活動を再開。2人は06年に離婚していたとか。そして今年4月にイ・ジアがソテジを相手取って慰謝料と財産分割を求めて訴訟を起こし、スキャンダルが表沙汰になったというわけです。それまで長い間ばれなかったのは、ソテジ(芸名)は私生活を徹底的に隠すタイプであることと、イ・ジア(芸名)の場合は本名も1度改名していたから、とか。事実を知ったチョン・ウソンはパニック状態になって・・・、結局は6月破局を公開発表。いやー、ドラマチックやなー。

②カン・ホドン、芸能界引退(54票)
 元韓国相撲(シルム)の力士として<天下壮士(横綱に相当)>を5回も獲得したカン・ホドン。1993年から芸能界入りし、その後「ハッピーサンデー」(KBS2)の「1泊2日」コーナーや「黄金漁場」(MBC)の「ヒザ打ち道士」コーナー等バラエティ番組の代表的なMCとして人気を集めてきました。ところが9月初め税金の過少納付で国税庁から数億ウォンを追徴課税したことが報道され、ネチズンをはじめとする世論の非難が強まる中、暫定引退を発表しました。
 しかし最近のニュースによると、「市民が彼を告発したものの、国税庁は脱税を担当税理士のミスによるものとして告発せず、結局検察は12月17日告発を却下した」とのことです。
この間(12月初め)、カン・ホドンが1988年に大阪で開かれた日本と韓国の暴力団の間の義兄弟の締結式に参加したとのニュースも写真付きで流されました。(彼はまだシルム界にデビューしたての高校3年生だった。)
 しかし、視聴率の欲しいテレビ局等のメディアは彼に寛容な感じでしたし、今回の却下で復帰の期待が高まっているようです。本人もそれを見越してか<暫定>と言ったのでしょうし、たぶん。
※本ブログでは、過去3回「ヒザ打ち道士」コーナーを紹介してきました。→ハン・ビヤの巻スエの巻コン・ヒョジンの巻です。他のことを一切考えないなら、このコーナーは続けてほしかったなー。

③K-POP烈風(17票)
 今年はとくに韓国のアイドルグループの海外進出が目立ちました。これまではわずか数グループしか海外で人気を得なかったのが、今年は多様なグループが収益を上げました。日本では既存の東方神起やKARAの他にも少女時代、2NE1、T-ara、SHINee、2PM、BEAST、Secret、AFTERSCHOOL、RAINBOW、FTISLAND、U-KISS等がオリコンチャートの上位に昇りました。最も大きな収穫は、アジアを越えて南米やヨーロッパ等でもK-POPの人気が高まっていること。SMエンタテインメントㆍYGエンタテインメントㆍキューブエンタテインメントは、所属歌手たちの公演をフランス・イギリス・ブラジル等で開いて好反応を得たとのことです。

④映画「るつぼ」が社会的波紋を起こす(16票)
 光州の聴覚障碍児童のための学校で校長も含めた教職員による性暴行事件が2000~04年頃繰り返されていました。05年の事件発覚後の裁判の過程でも、加害者側は被害児童の保護者を懐柔したりして軽い処罰にとどまりました。この事件を扱った孔枝泳の小説が今年コン・ユチョン・ユミの主演で映画化され、公開されると不正を追及する世論が一気に高まり、国会でも取り上げられた結果、10月に13歳未満の児童を対象とした性犯罪者の処罰を強化するという内容のいわゆる「るつぼ法(도가니법)」が成立しました。
詳しくは、本ブログ9月30日の記事参照。→コチラ

⑤芸能人A嬢のセックス動画流出(15票)
 12月6日付「スポーツ韓国」の単独報道なんだそうです。芸能人A嬢のセックス動画があるブログを通して公開され話題となった、というのですが・・・。その動画をアップした人物というのが彼女の前の恋人の台湾系アメリカ人B氏の知人C氏でした。B氏はA嬢側から監禁・暴行されたと主張し、一方A嬢はB氏を名誉棄損で訴えたのに続き住居侵入・窃盗・損壊等でも追加訴訟を起こしたとか。今後法廷での攻防に入る状態というが、なんかよくわかりません。「スポーツ韓国」のいかにもお手盛りネタだなー。これ以外のメディアの扱いはどうなのかな?

⑥カン・ヨンソク国会議員がコメディアンのチェ・ヒョジョンを告訴(14票)
 コメディアン(韓国ではギャグマン)のチェ・ヒョジョンが11月18日の「ギャグ・コンサート」(KBS2)中のコーナー「カマキリ幼稚園(사마귀 유치원)」で「国会議員になろうと思ったら与党の首脳と親しくなって公認をもらって、与党の地盤で出馬すればいい」と発言をしたところ、無所属のカン・ヨンソク議員から国会議員集団侮辱罪にあたるとして告訴されました。この事件でむしろチェ・ヒョジョン人気が大きくアップ。カン議員はネチズンたちの非難を受けて、29日告訴を取り下げました。

⑦ハン・イェスルの撮影拒否事件(12표)
 女優ハン・イェスルがKBSドラマ「スパイ明月」の放送途中、撮影を拒否して突然アメリカに出国。予定の回が放映できず、急遽それまでの縮約版に差し替えられました。拒否の理由は、殺人的なスケジュール。彼女は引退を示唆しましたが、結局韓国に戻り、撮影場に復帰。およそプロらしくない行動との非難を受ける一方、一部には劣悪な韓国のドラマ製作環境を明らかにしたとかばう声も・・・。

⑧歌番組「私は歌手だ」烈風(9票)
 MBCの「私たちの一晩(우리들의 일밤)」中のコーナー「私は歌手だ(나는 가수다)」略して「ナカス」は3月の放送初回から話題となりました。実力派歌手たちが競演をし、順位によって脱落者が出るという方式は視聴者の関心を引くに十分。キム・ゴンモの特別待遇、イ・ジェボムの暴行、オク・ジュヒョンへのネット上のいじめ、パク・ワンギュの態度論議等の問題が次々に起こりました。こんな中で、多くの実力派歌手が再びライトを浴びてスターになりました。

⑧BIGBANGのG-DRAGON、大麻吸引(9票)
 BIGBANGのG-DRAGONが5月日本ツアーコンサト大麻を吸引した容疑を受け7月検察で毛髪検査をした結果陽性反応が出ました。日本のあるクラブで日本人に勧められて煙草と思って吸ったが感じが違うのですぐ捨てたと自白したそうです。結局10月に起訴猶予処分となりました。

⑩総合編成チャンネル、一斉にスタート(8票)
 12月1日にケーブルテレビや衛星放送で視聴できる4つの総合編成チャンネルと1つの報道専門チャンネルが12月1日、一斉に開局しました。総合編成チャンネルは、毎日経済新聞「MBN」、朝鮮日報「TV朝鮮」、中央日報「jTBC」、東亜日報「チャンネルA」、報道専門チャンネルは聯合ニュース「ニュースY」。準備不足との評が多く、実際開局初日から放送事故も起こり、再放送も多く、大部分の番組は視聴率が1%にもならないとか。

⑩BIGBANGのテソン、交通事故死亡に関係(8票)
 事故が起こったのは5月31日午前1:30頃。泥酔状態の30歳男性がオートバイを運転し、漢江にかかる楊花大橋で街灯に衝突し道路に倒れた。この男性を発見したタクシーの運転手がタクシーを止めて警察に通報しようとしていたところをテソンの運転するアウディが時速80kmで倒れていた男性をひいてタクシーに追突した、というもの。警察は解剖所見から彼の車がひく前までオートバイの男は生きていたと発表しましたが、8月証拠不十分等で嫌疑なしとされました。

 次にジョイニュースは次の通り。
◆ソテジとイ・ジア、稀代のスキャンダル ◆「国民のMC」カン・ホドン、突如暫定引退 ◆少女時代、SUPER JUNIOR、KARA…全世界でK-POPシンドローム ◆ハン・イェスル、ドラマ撮影拒否し、海外逃避 ◆「ギャグ・コンサート」 ギャグ界ルネサンス
◆「私は歌手だ(ナカス)」シンドローム ◆映画「D-War」のシム・ヒョンレ監督神話が賭博・賃金未払い・性ロビー説等で墜落 ◆大韓民国はオーディション共和国 ◆「るつぼ」烈風 期待以上の興行で社会的波紋 ◆スターたちの桃色熱愛と結婚

 ・・・と上掲の「スポーツ韓国」と6項目重なっています。それ以外の項目について若干ふれておきます。
 <ギャグ・コンサート>は先述の通りKBS2の人気娯楽番組。<カマキリ幼稚園>以外にも数多くの人気コーナーで平均視聴率20%を維持して週末芸能1位を独走中です。
 <シム・ヒョンレ監督>はコメディアン出身。大作「D-War」は日本ではあまり話題になりませんでしたが、韓国では韓国のSF映画先駆者として常勝疾走。しかし近ごろ一度に各種疑惑が伝えられ、一瞬にして「神話」は消えうせたようです。
 <オーディション熱風>とは、の「スーパースターK」(Mnet)や「偉大な誕生」(MBC)が爆発的な人気を得て以来オーディション番組が競うようにできたこと。オペラ歌手、バンド、アイドル等の他、ダンス、アナウンサー、モデル、演技者等々多様な領域にまで拡張されていますが、「奇跡のオーディション」(SBS)アナウンサーを選ぶ「新入社員」(MBC)等幕を下ろしたものもあります。 上半期に一時停滞したオーディション人気は、「スーパースターK3」と「偉大な誕生2」(SBS)で復活しました。
 <スターたちの桃色熱愛と結婚>について、2011年に誕生した主なスターカップルは次の通り。「シティーハンター」のイ・ミンホとパク・ミニョン、「人生は美しくて」のナム・サンミとイ・サンユンがドラマの中の恋人から実際のカップルに発展。 パク・イェジンと俳優パク・ヒスン、歌手ペク・ジヨンは9才年下の俳優チョン・ソグォンと恋人であることを公開宣言。KARAのク・ハラとBEASTのヨン・ジュンヒョンの熱愛もファンたちの関心を集めました。 ユジンとキ・テヨン、ユ・ジテとキム・ヒョジンのカップルは熱愛の末結婚にゴールイン。グループgod出身のキム・テウは12月1歳年下でS大学研究員のガールフレンドと挙式。 スポーツ スターと芸能人のカップルでは、マルコがゴルフ選手アン・シヒョンと1年の熱愛後に11月結婚、ユ・ハナと野球選手(起亜タイガース)の李容圭(イ・ヨンギュ)選手と12月結婚しました。

 あと、韓国YAHOOの10大ニュースもあります。→コチラ
 しかし昨年も思いましたが、今年も「ソン・ジソンアナ、チェ・ドンハが自殺」をはじめ暗いニュースが目につきます。ネチズンの投票で選定となると、どうもジェラシーとか攻撃性があらわになるようです。「ヒョンビンが海兵隊に入隊」というのもありますが・・・。

 ・・・いやー、ホントにこの業界、このレベルの話題には事欠きません。来年ももちろんいろいろあることでしょう。やれやれ。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[12月23日(金)~25日(日)]

2011-12-27 22:38:01 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 今回ネチズンが最高得点をつけた映画が「オペラ座の怪人 25周年特別公演」。だからというわけではないのですが、先日品川プリンスシネマに観に行ってきました。割引なしの一律2000円ですが、ロンドンまで行くことを思えば、いや日本でも劇場でミュージカルを観ることを思えば安いものです。
思い起こせば私ヌルボ、少年時代にリチャード・ロジャースの名曲の数々に魅せられ、野口久光さんの「ミュージカル入門」という本を愛読したのが半世紀(!)ほど前。以後たまにミュージカル映画を観たり、まれにステージを観たりもしましたが、70年代以降のミュージカルについてはそんなに詳しくありません。
 「オペラ座の怪人」も今回が初めて。ガストン・ルルーの原作は以前創元文庫で読んだので、おおよその内容は知っていましたが・・・。
 ・・・で今回の感想は、大がかりな舞台装置もすごいですが、基本的に音楽を聴かせる作品だなと思いました。さらに限定すれば歌唱力。その点主役の2人、ファントム(ラミン・カリムルー)とクリスティーヌ(シエラ・ボーゲス)はすごく良かったですね。とくにカリムルー。声に伸びと艶があって聴きごたえがありました。お薦めです。
 こういう作品を映画として評点をつけるのはむずかしいところ。昨年「ゲキシネ蛮幽鬼」もそうだったです。
 この「オペラ座の怪人」、日本では1988年から劇団四季による公演が続いています。韓国では、と調べてみると、2001年世界で14番目に韓国で幕を上げた、という内容の<ミュージカル「オペラの幽霊(오페라의 유령)」韓国上陸記>という記事がみつかりました。しかしその時は外国人キャストだったようです。また昨年(2010年)9月の<「オペラの幽霊」韓国のミュージカル史を書きかえる>と題したジョイニュースの記事によると、09年から1年あまりで幕を閉じるの本作の公演で、2001年当時に立てた24万人を超える33万人を記録、公演回数も401回で、「ライオンキング」の303回を更新したとのことです。この公演のキャストはすべて韓国人。ユン・ヨンソクのファントム、キム・ソヒョンのカトリーヌという動画がYouTubeにありましたので、まあ聴いてみてください。歌詞はもちろん韓国語です。


【イギリス人からみればユン・ヨンソクにも市村正親にも違和感があるかも・・・。】

 歌詞の聴き取りが苦手、という方は→コチラで。映画の同場面や、四季の公演と比べてみるのもおもしろいです。

         ★★★ Daumの人気順位(12月27日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①オペラ座の怪人 25周年特別公演  9.6(37)
②古い人力車(韓国)  9.6(35)
③猫おどり(韓国)  9.5(51)
④白いジャングル(韓国)  9.4(28)
⑤私の選択 – 忘れられたカバン その終わらない物語(韓国)  9.3(27)
⑥タスリ(韓国)  9.3(25)
⑦ヘルプ  9.3(266)
⑧ワンドゥギ(韓国)  9.2(1960)
⑨ナデルとシミン  9.2(30)
⑩願い(グザーリシュ)  9.0(211)

 ①だけがこのランキング新登場ですが、先週観客動員数のランクに入っています。

【専門家による順位】

①ナデルとシミン  8.0(8)
①ドライブ  8.0(8)
③紫(韓国)  8.0(2)
④古い人力車(韓国)  8.0(1)
⑤奇跡(日本)  7.8(6)
⑥ミッション・インポッシブル  7.6(5)
      ゴースト・プロコトル
⑦四つのいのち  7.5(2)
⑧ツリー・オブ・ライフ  7.2(10)
⑨ヘルプ  7.2(8)
⑩豚の王(韓国)  7.0(5)

 新登場は⑤だけです。久々の日本映画。ヌルボは観ていませんが・・・。韓国題は「진짜로 일어날지도 몰라 기적(本当に起こるかもしれない奇跡)」です。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[12月23日(金)~25日(日)] ★★★

         「マイウェイ」は初登場2位

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・上映館数
1・・ミッション・インポッシブル・・・・12/15 ・・・・・・・・1,245,965・・・・・・・・・・3,712,670・・・・・・・・875
     ゴースト・プロコトル
2・・マイウェイ 12,000キロの真実(韓)・・12/21・・・・・778,188 ・・・・・・・・・1,011,132・・・・・・・・・814
3・・シャーロック・ホームズ・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・524,796 ・・・・・・・・・・・667,867・・・・・・・・・429
       シャドウ ゲーム
4・・パーフェクト・ゲーム(韓)・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・343,612・・・・・・・・・・・・478,056・・・・・・・・・537
5・・ぞっとする恋愛(韓)・・・・・・・・・12/01 ・・・・・・・・・・187,606 ・・・・・・・・・・2,545,345・・・・・・・・・385
6・・アルビンとスーパーバンド3・・12/15 ・・・・・・・・・・163,975・・・・・・・・・・・・386,177・・・・・・・・・345
7・・劇場版ポケットモンスター・・・・12/22・・・・・・・・・・131,399・・・・・・・・・・・・143,992・・・・・・・・・322
     ベストウイッシュ キュレムVS聖剣士「ビクティ二と白き英雄 レシラム」(日)
8・・劇場版ポケットモンスター・・・・12/22・・・・・・・・・・113,559・・・・・・・・・・・・124,559・・・・・・・・・315
     ベストウイッシュ キュレムVS聖剣士ビクティ二と黒き英雄 ゼクロム」(日)
9・・タンタンの冒険・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・・40,144 ・・・・・・・・・・・・775,969・・・・・・・・・155
     ユニコーン号の秘密
10・・アーサー・クリスマスの大冒険・・11/25 ・・・・・・・31,828 ・・・・・・・・・・・・614,658・・・・・・・・・・93
                                      ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。

 「ミッション・インポッシブル」が2週連続トップ。
 新登場は、2・3・7・8位の4作品です。
 2位の大作は、日本では1月14日公開、ということで内容紹介等省略。ずーっと前から予告編は何度も観ているのですが、今一つ食指が・・・。韓国のネチズンの評価も分かれ気味のようです。(DAUMの平均6.0)
 3位、ロバート・ダウニーJrとジュード・ロウが共演した「シャーロック・ホームズ」の続編。ヒロインは「ミレニアム」シリーズで注目を集めたスウェーデン女優ノオミ・ラパス。韓国題は「셜록홈즈 : 그림자 게임」。日本では3月10日公開。
 7・8位、日本アニメながらヌルボの苦手分野で・・・。内容はコチラを見るとおおよそわかりますが、このDVD発売中の作品の劇場版なのかな? 日本では来年7月14日に劇場公開、とあるのですが・・・。韓国題は「극장판 포켓몬스터 베스트위시:비크티니와 백의 영웅 레시라무」と、「극장판 포켓몬스터 베스트위시 : 비크티니와 흑의 영웅 제크로무」。うーむ・・・。
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2011年 韓国のスポーツ 10大ニュース

2011-12-27 17:19:32 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 2011年韓国10大ニュースの時節となりました。
 今回もスポーツ関係から始めます。

 最初のネタ元は「聯合ニュース」です。全国新聞や放送局スポーツ担当部署を対象に行った国内スポーツのアンケートです。中央のメディアが21、地方が25の、計46が満票です。
①2018年平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック誘致(46票)
 2度の惜敗を経て、今回は1回目の投票で過半数を獲得、やっと念願が叶いました。KBSテレビで平昌や春川等を結んで生中継をしてましたね。平昌は江原道にあるリゾート地。「冬のソナタ」でミニョン(チュンサン)とユジンの恋が展開してゆく舞台となった竜平(ヨンピョン)スキー場があります。竜平リゾートで仕事をしていた2人が発旺山(1458m)の頂上ではキスする雪ダルマを作ったという・・・おっと話が脱線。なお江陵(カンヌン)や旌善(チョンソン)でも競技が開かれます。
 1988年ソウル五輪、2002年サッカーWカップ、2011年大邱世界陸上選手権を経て、冬季五輪まで誘致して仏・独・伊・日・露に続いて世界で6番目に4大スポーツ大会を開催する<グランドスラム>国家になった! ・・・と聯合ニュースは誇らしげに書いてますね。

①プロサッカー、八百長の波紋(46票)
 朗報と醜聞が同数(満票)で並んでしまいました。八百長は韓国語では「승부조작(勝負操作)」というのですね。選手がブローカーから金を受け取って八百長をやり、ブローカーはTOTOでもうけるという手口。登録選手が約600人で、起訴された元・現プロが59人というから約1割も。自殺した選手も2人出たそうです。
事件発覚後の報道では、「不正が行われていることを知りながら、誰も告発しなかった」(「朝鮮日報」)とのことで。よく似た話は日本でもありましたねー。
 <Number>のサイト中の関係記事は、この事件の背景として3点をあげています。(1)選手引退後のセカンドキャリアの問題・・・小学校以来サッカーだけの生活だったので、「若くして選手の道を退くと、闇の世界と繋がってしまう危険性がある」(パク・チソンの自伝) (2)厳しい上下関係・・・ブローカーが同じ学校の先輩だと、後輩の現役選手は誘いを断れない (3)年俸格差・・・Kリーグは06年から新人選手の最高年俸を一律5000万ウォン(約380万円)に設定したが、低年俸選手は生活が苦しく誘惑を断れない。そんな時に1億ウォン(約750万円)でどうだ、という「悪魔の誘い」が・・・。
 この問題に衝撃を受けたプロサッカー連盟は、八百長が摘発されたチームに対してリーグ降格等の罰則を強化するとともに、選手に対する年金制度の導入や引退後の再就職支援、最低年俸の引き上げ(1200万ウォン→2400万ウォン)等を決めたとのことです。

③「野球界の星」張孝祚(チャン・ヒョジョ)と崔東原(チェ・ドンウォン)が他界(43票)
 <永遠の3割打者>張孝祚選手は1983~88年三星ライオンズ、89~92年ロッテジァイアンツで活躍した外野手で、83・85~87年と4度首位打者を獲得した<打撃の達人>です。崔東原選手は1983~88年ロッテジァイアンツ、89~90年三星ライオンズに在籍して通算103勝(74敗)。生涯防御率2.46は、宣銅烈選手の1.20に次ぐ歴代2位です。享年は張孝祚選手55歳、崔東原選手53歳とまだまだ若かったのに・・・。

④趙広来(チョ・クァンネ)サッカー代表チーム監督、電撃更迭(34票)
 趙監督は、初の公式戦の今年1月のAFCアジアカップ2011では準決勝で日本にPK戦で敗れて3位に終わり、8月のキリンチャレンジカップでも日本に0-3と大敗。11月には2014年ブラジルWカップ大会アジア3次予選格下とされたレバノンにも1対2で敗れて批判が高まり、12月7日に代表監督を解任されました。

⑤大邱世界陸上選手権大会開催(33票)
 世界的行事なのにこの順位に終わったのは、やっぱり韓国選手がノーメダルに終わって盛り上がりに欠けたからでしょう。期待のボルトもフライングで失格しちゃったし・・・。
小さなネタでは、会場内で唯一の観客用レストランのメニューがチャジャン麺、プルコギライス、海鮮ライスの3種類しかなくて不満が上がっていたそうです。

⑥韓国の女子ゴルファー軍団、アメリカ女子プロゴルフ協会(LPGA)通算 100勝達成(28票)
 元記事では<낭자군단>(←何かと思ったら<娘子軍団>)という言葉を使ってます。1988年具玉姫が米ツアーで初優勝して以来、23年間で達成した100勝。なかでも際立っているのが25勝をあげた朴セリ。メジャー5勝の他、年間最多勝に輝いた実績もあります。今は彼女に憧れて育った朴セリキッズが活躍しています。で、100勝目は崔羅蓮(チェ・ナヨン)ですか。え!? <GOLFDIGEST>の記事によると「米国籍の選手の5勝を引けば純粋な意味ではまだ95勝」なんだって? そりゃいかんわなー。

⑦プロ野球第9の球団NCダイノス創団(27票)
 親会社のNCソフトはオンラインゲーム運営会社。日本と同じような状況がありますね。本拠地は昌原です。奇数だとまずいのでは、と思ったら、やっぱり第10のチームについての記事がありました。全州と水原、あれあれ、2つじゃ余っちゃいますよ。2013年からですが、結局どうなるのかな?

⑦プロ野球観衆600万人時代開幕(27票)
 日本は今年2157万人ですが、昨年(2214万人)からも減少して近年停滞気味です。

⑨韓国代表の三星ライオンズがアジアシリーズ制覇(26票)
 ソフトバンクがベストメンバーで臨まなかったのはいかがなものかと思いました。が、三星もそうだったんだって!?

⑩朴英碩(パク・ヨンソク)遠征隊、アンナプルナで行方不明に(25票)
 ベースキャンプに「下山する」と連絡した後行方不明。韓国語では「실종(失踪)」。捜索したものの、ロープを発見しただけ。雪崩に遭遇したと推測されています。

 次にYAHOO!韓国のネチズン選定スポーツ10大ニュース
①2018年平昌冬季オリンピック誘致(1665人) ②プロサッカーの八百長(574人) ③朴英碩隊長、ヒマラヤで行方不明(390人) ④朴泰桓、上海で開かれた水泳世界選手権400m自由形で金メダル(364人) ⑤大邱世界陸上開催(211人) ⑥三星、韓国シリーズとアジアシリーズで優勝(120人) ⑦全北、Kリーグ正規リーグで優勝(112人) ⑧プロ野球第9の球団創団(103人) ⑨李承、朴贊浩、金泰均選手が韓国に復帰(46人) ⑩朴主永(パク・チュヨン)、池東沅(チ・ドンウォン)がEPL(イングランドの1部リーグ)行き

 ・・・と、6項目が聯合ニュースの方と重なっています。④の朴泰桓選手は2008年北京オリンピックでも同種目で優勝しています。⑦、全北現代モータースは一昨年に続き2度目の優勝。⑨、3選手とも日本プロ野球から。韓国に戻ってまた活躍できるか? ⑩、朴主永は今年朴智星の代表引退を受け、韓国代表の主将に歴代最年少で任命されました。

 ついでに「ジョイニュース」のスポーツ10大ニュースものぞいてみると、上記とダブっていないのは次の1つだけ。
○プロバスケットのキム・スンヒョン選手、紆余曲折の末にコート復帰
 ・・・高陽オリオンズを離れてソウル三星に移籍。彼は女優イ・チェヨンとの熱愛説が流されてたりもしたようで・・・。

 以上、総じて見てみると、平昌冬季オリンピック誘致の1位は完璧に予想通り。
 ただ、キム・ヨナ旋風の起こった昨年と比べると、今年のベスト10はちょっと華に欠ける感じは否めません。
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韓国の児童文学「ねこぐち村のこどもたち」と仁川の<タルトンネ>

2011-12-26 20:56:52 | 韓国の小学生~高校生向き小説・物語

        

 ヤター! 12月8日に読み始めた金重美(キム・ジュンミ.김중미)作の児童書ケンイブリマルの子どもたち(괭이부리말 아이들)を22日に読了! 「目標は年内読了」と9日の記事で書きましたが、思いのほか早かったです。
 私ヌルボ、このところ韓国語の実力が目に見えて伸びた・・・のではなく、単に読みやすい文章と、1ページあたりの文字数の少なさによるものです。とはいえ、やっぱり半月で読破はうれしい! ・・・と感想文に着手してから、標記のタイトルで翻訳書(下画像)が出ていたことを知り、軽いショック。知っていたら読まなかったかも・・・。まあいいか。

       

 ケンイブリマルとは仁川市万石洞の別名で、同市に一番古くからあるタルトンネ(달동네)です。<月(タル)の街(トンネ)>とは、月に近い街、すなわち都市の高台にある貧民街をさす言葉です。

 ケンイブリマルという地名の由来は、本書の冒頭に記されています。
 この地は、もともと地面よりも干潟が多い海岸で、そこに木の茂った<고양이 섬(ネコ島)>という小さな島があったが、その後海岸が埋め立てられて痕跡もなくなり、長い年月の間に工場の煙突とバラック家屋だけが密集する工場地帯に変わりました。しかし<고양이(コヤンギ=ネコ)>から生まれた<ケンイブリマル>という言葉が残されたというわけです。
 고양이→괭이はいいとして、また말(マル)は마을(マウル=村)の変化だとして、부리(ブリ)は辞書に「くちばし」とあるものの今ひとつよくわからず。翻訳の吉川凪さんは訳者あとがきで「ほんとうは「ねこのくちばし村」ですが、長すぎるので「ねこぐち村」にしてあります」と書いているので、それでいいのでしょう。たぶん島の形がくちばし状だったからなのかも・・・。
 日々の生活に追われる土地の住人たちは、その地名の由来は知らないそうです。ただ好奇心の強い子どもたちが入り江や干潟を白く覆うウミネコ(고양이갈매기.コヤンイカルメギ)を見て、それからついたのだろう、と考えるくらいで・・・。

 この作品は、その街で暮らす子どもたちの物語です。小学校5年の双子の姉妹を中心に展開しますが、そのほかにも近所の兄弟等の子どもたちが登場します。彼らを取り巻く環境は非常に厳しく、家が貧しくて食べることさえ精一杯で学校での給食が頼りであったり、父親が酒浸りのため愛想をつかした母親が子を残したまま実家に帰ったり、「金を稼いで帰る」と言い残して父親が遠くに行ってしまったり・・・。酒酔い運転や、重労働での疲れによる事故も、家族をさらなる不幸に追いやってしまいます。家庭の愛に恵まれない子どもたちは、ボンドの吸引等の逃避に走ったり、恐喝や万引き等の犯罪に手を染めたり・・・。

 しかし、こんな環境の中でも、本書に登場する子どもたちは健気に希望をもって生きていきます。一度は道を踏み外しかけて拘置所まで入ってしまった少年も、彼らを支える青年や女性教師たちの助けもあって立ち直ります。

 この作品は、創美が主催する<子どもの良書>で大賞に選ばれて2000年に出版され、またMBCテレビの<本を読もう>キャンペーンでも取り上げられて、数百万部ものベストセラーにもなりました。同じように厳しい状況にある子どもたちを力づけ、希望を与える<良書>の典型というべき本だからなのでしょう。(←皮肉にあらず。)

 なんとなく、何十年か前、日本全体が貧しかった頃の児童文学や、ラジオドラマを連想させる話ですが、この物語の時代は「IMF危機以来、失業して1年あまりぶらぶらしていたトンスのお父さんは、ある日家を出ていった」とあるように、90年代末です。つまり、発行時のリアルタイムの話なんですね。
 また、再開発が始まったその当時の街のようすも描かれています。

 著者は1963年仁川生まれの女性で、87年からこのケンイブリマルに住み、子どもたちのための学習室を運営しているとのことで、この本に描かれたことの多くは、作家自身の体験に裏打ちされたことなのでしょう。

 以後10年ほど経った今、ケンイプリマルのようすは相当に変わったようです。2005年にタルトンネ博物館が開館しましたが、その場所はまさにかつてタルトンネがあった水道局山。
 私ヌルボも以前マッカーサー銅像がある自由公園や、旧日本銀行等がある一帯は歩いたことはあるのですが、その時はこの博物館ができていたかどうか・・・。映画「子猫をお願い」で仁川のタルトンネのことは知っていましたが・・・。

 ネット検索すると、このマイナーな(?)博物館にも足を運んで、くわしいブログ記事を書いている皆さんがいらっしゃるのですね。
 博物館内の写真をたくさん載せている<ASUKA物語>、日韓両国語で付近の観光ポイントとともに紹介している<スミン氏のマイナー韓流>、博物館付近に今も残るタルトンネや、「子猫をお願い」でペ・ドゥナが歩いた陸橋(!)等々付近の興味深い写真を載せてオタクぶりを発揮している<犬とたしなむミュージック>、月尾島の韓国移民史博物館と合わせて詳しく紹介している<大塚愛と死の美学>、どれもたいしたものです。

 今年草彅剛氏がソウルのタルトンネを舞台にした「月の街 山の街」という翻訳本を出して話題になりました。その原作のイ・チョルファン「練炭の道」のシリーズの刊行が始まったのは2000年。今ソウルでも「最後のタルトンネ」といわれている所がわずかに残るばかり。それも再開発でなくなる寸前のようです。

 しかし、低所得者層の比率が減っているわけでもないのに、タルトンネに住んでいた人たちはその後どこでどんな暮らしをしているのでしょうか?

★ケンイブリマルの歴史 ※本書より抄訳
 ケンイブリマルに人々が集まって住みはじめたのは、1883年仁川が開港した後からである。 開港後に押し寄せてきた外国人に生活の場を奪われた撤去民がこの地の干潟を埋めて住みはじめた。 しかし今のように多くの人々が集まりはじめたのは日帝時代からである。 日本の植民地政府は港に近い万石洞に工場をたくさん建てた。 小麦粉工場、衣料品工場、木材工場、そして太平洋戦争のために造った造船所や倉庫が立ち並んだ。 すると貧しい労働者が仕事を求めてぞくぞく集まった。 日本が戦争で負けて日本人たちが追い出されても、ケンイブリマルにはバラックの粗末な家でも住もうとする貧しい人々が押し寄せてきた。
 1950年朝鮮戦争が起きた。 戦争の末期の1・4後退の時、黄海道の人たち漁船に乗ってケンイブリマルに避難してきた。 戦争が終われば帰るつもりで海辺付近にテントを張って暮らしたが、戦争が終わっても故郷へ帰ることはできなかった。船で避難してきた人たちはしかたなく仁川の沖で魚を取って生活するようになり、何も持たずに逃げてきた人々は左官や大工になって波止場で働いた。 女たちは赤ん坊を負ぶって(今空港のある)永宗島や徳積島に行ってカキやアサリ等を頭に載せて売り歩いた。 カキやアサリが取れない時は永宗島の農民から買ったおこげを売り歩いた。お腹をすかせた貧しい人々には、おこげは煮込むと家族みんなの一食となるありがたい食べ物物だったという。
 そんなふうに貧しい暮らしを続けながら、ケンイブリマルの人たち穴ぐらやテントを壊して新しく家を建てはじめた。 カキのからを埋めて地固めをして、お金が入ればセメントや材木を買って、少しずつ家を建てた。 そうして立てた家は、40年過ぎた今でも崩れずに残って、貧しい人たちのくつろぎの場所になっている。
 朝鮮戦争のつらい記憶が薄れて避難民が故郷の思いを胸の中に埋める頃、今度は忠清道や全羅道から真夜中にふろしき包みを背負ったり小型トラックに荷物を積んだりして、離農民が押し寄せはじめた。
 戦後、貧しくなった国を救う道は輸出しかないと騒ぎ出していたその頃、貧しい農村の若者たちは輸出関連の荷役のため農業を捨てて都市に押し寄せた。国は労働者たちの賃金を安くすませるために米価を低く抑える政策をとったため、農民は暮らしが立たなくなり、借金に追われるようになった。それで農民は農村を離れるしかなかったのである。
 職を求めて都市に出てきた離農民は、金もなく技術もないためケンイブリマルのような貧民街に住みついた。バラックの家でも借りられる人はまた良かったが、そのお金さえない人たちはケンイブリマルの片隅にてのひらほどの空き地を見つけ、米軍基地から出たルーフィングという紙や板で家を建てた。 家を建てる土地がなければドブの上にも小屋を作り、線路のすぐそばにも家を建てた。そして少しでも部屋を広くするため、道は人がやっと通れる幅だけになった。それでケンイブリマルの路地はクモの巣のように細くて複雑になっている。
 このようにしてケンイブリマルはどこからか追われてきた人たちが集まる村になった。 やって来た理由はそれぞれ違っても、貧しく無力な人々という共通点のため、町内の人々はたがいに兄弟のようになかよく過ごした。 故郷を離れた人々は新しい土地で新しい人々と新しいくつろぎの場所を作っていった。
年月が経って、他の人より熱心に仕事をした人や運がよい人はお金をためてケンイブリマルから出ていった。残ったのは、依然として貧しい人たちだった。
  ケンイブリマルでも、道路工事とか住居環境の改善とやらで、線路そばのバラックも撤去された。ドブがフタで覆われた時、そばのバラックも消えた。 絶対にマンション(韓国語ではアパート)なんかできそうもなかったケンイブリマルの近くでもマンション工事が始まった。ケンイブリマルが金持ちになって変わったのではなく、もう都市全体が満杯になったために、人々が貧民窟だと言って敬遠していたケンイブリマルの近所くにまでマンションを建てないわけにはいかない状況になったのだ。ケンイブリマルは、大通りに続く街の入り口から変わりはじめた。バラックが取り壊され、棺桶のようなマンションが立ち並びはじめた。
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日韓のプロ野球の違い ☆門倉健選手のトークライブ

2011-12-25 23:55:58 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 17日に水道橋のYMCAアジア青少年センターという所に行ってきました。もっと早く書くつもりだったのが、もう8日も経ってしまいました。
 この建物は、本ブログの昨年8月14日の記事で書いたように、1919年2月8日、在日朝鮮人留学生たちによって2.8独立宣言が発表された場所です。しかし今回はそれとは関係ない催しです。

 その催しというのは門倉健トークライブ
 ご存知ない方も大勢いらっしゃるでしょうが、門倉健さんはプロ野球選手(投手)です。ウィキにあるように、1973年生まれ。東北福祉大学を出て1996年ドラフト2位で中日に入団。以後近鉄・横浜・巨人と計4球団に在籍した後、2009年シカゴ・カブスとマイナー契約を結んでオープン戦で好投しながらも開幕直前に解雇され、その直後韓国プロ野球の仁川を本拠とするSKワイバーンズで2年間で22勝と活躍し、そして今年は大邱の三星(サムスン)に移籍し日韓通算100勝を達成するも、その後調子を落とし、7月に退団しました。

 何をかくそう私ヌルボ、常に理性的に物事を判断できると自らが保証する(笑)ほどの人間ですが、唯一(?)理屈もへっちゃくれもないのが名古屋に生まれついて以来の中日ファンということ。今シーズンもリーグ優勝を決めた10月18日にはちゃんと横浜スタジアムに行ってました。でかい声を出したりするタイプではないですけどね。

 ・・・で、門倉投手とは中日・横浜、そして韓国と、重なる要素がいろいろあって個人的に親近感がある上、とくに今回は韓国のプロ野球の話が聞ける絶好の機会と思って行ってきたというわけです。
 このトークライブについての情報源は、<韓国野球応援サイト ストライク・ゾーン>中の記事。→コチラ。11月に偶然見つけました。

 このトークライブは、<韓国プロ野球の伝え手>という肩書の室井昌也さんとの対談という形式で進められました。室井さんという人は、これまで知りませんでしたが、「韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑」を04年から発行したり、韓国プロ野球観戦ツアーを03年から実施したりしているんですね。また韓国のスポーツ紙「スポーツ朝鮮」に06年からコラムを毎週連載しているとも・・・。韓食の八田靖史さんといい、韓国文化の中の個々の分野でそれそれの専門家が生まれつつあるようです。

 その室井さんの話によると、トークライブは2006年に始まって今回が8回目。上記の<ストライク・ゾーン>中の記事の下方にある、これまでのトークライブの記録によると、今年は7月・8月にもやっているんですね(選手のトークは初めてとか)。しかし、室井さんが約100人(?)の来場者に「今回初めての方は?」と尋ねたらヌルボも含め半数以上の手が挙がりました。

 さて、お目当ての門倉投手の話ですが、期待通りでとても興味深い内容でした。投手としての技術等々の話もおもしろかったのですが、本ブログの趣旨に沿って、とくに日韓の野球の差異に絞ってその内容を紹介することにします。

まずは、意外でもなんでもない、読み筋通り。韓国人選手は大食である。ま、ふつうの韓国人もたくさん食べるし・・・、ってプロ野球選手はそれ以上のようです。球場に来てからもチゲなんかを食べるそうで・・・。門倉選手、「試合前にあんなに食べるなんて日本じゃ考えられない」。その前に、ホテルで参鶏湯を食べてから出てくるとか・・・。「1日に4~5回食べてるようです」。
 門倉選手が一時スランプに陥った時、体のキレを良くするためダイエットをして体重を落とし、それが功を奏して再び勝てるようになった。韓国のスポーツ記者に復活の理由を問われて、その通り答えたところ、記者には全然理解されなかったそうです。韓国では調子が悪かったら「とにかく食べる!」ですから。失恋しても仕事で失敗しても不幸にあっても、とにかく食べて元気を回復するというのが韓国人(と決めつけていいのか??)。スポーツ選手がダイエットというのは理解不能だったようです。
 韓国に行って、とくに食文化の違いに驚いたと語る門倉選手、「辛いものが好き」でとくに「スンドゥブがおいしい!」とのことで、とくに深刻な拒絶反応はなかったようですが、それでも「犬肉は食えなかった」そうです。三星の宣銅烈監督は来シーズンから自身の出身地光州を本拠とする起亜の監督になりますが、ある韓国サイトの記事には彼の父親は息子に補身湯(犬鍋)を食べさせたと書かれています。室井さんの話ではその光州に宣銅烈監督の行きつけの補身湯の店があるとか。しかし門倉選手によると、やはり元中日の投手で2010年から三星のコーチをしている落合英二さんもやはり補身湯の店には行かないと言っていたそうです。

これまた「やっぱりなー」という感じだったのが「韓国選手はもっと繊細になっていいんじゃないかと思います」という話。
 袋から出したばかりの新品のボールは光沢を出すため蠟が塗られているのですが、日本では砂をまぶして手でこねてから使います。これが常識・・・のようで、→コチラの記事でも説明されています。あれっ!? それ以前に「公認野球規則」で試合球は「もみ砂」でこねることがによって義務づけられているんだって? さらにそのもみ砂は「鳴き砂」で有名な京都・ 網野町の琴引浜の白砂と、鹿児島県の火山灰を含んだ黒土を「企業秘密」(!)の比率でブレンドした砂で、2011年度から統一された、と→ヤフー知恵袋で説明されていますよ。
 ところが韓国では、門倉選手の話では「気にしない」とのこと。こねたりしないで、そのまま使うのだそうです。
 また、門倉選手が最初に韓国のマウンドに立った時、プレートの金具が出ているのを見て、「これはイヤガラセか?」と思ったそうです。(→参考画像) 日本ではもちろん出ないようにして、少し砂をかけるとか。これもイヤガラセじゃなくて気にしないだけなのかも・・・。
 たぶん、こんな細かな(?)ことを気にしないというのは、野球自体(投打の技術や試合運び等々)にも関係しているのでしょうね。

その他、韓国ではビジター・チームにはロッカーがなく、バスの中で着替えるのがオドロキだったとも・・・。日本では大学野球でもロッカーはあるのに・・・。

また、日本のプロ野球ではふつう投手は中5日のローテーションがふつうになっています。稲尾投手が42勝しちゃった頃はいざ知らず、現在は登板した翌日は軽くジョギングだけ、次の日は完全休養。しかし韓国の投手はもっとキツいそうで、登板の翌々日にはもうベンチ入り

移動は、日本では新幹線を利用するのに対し、韓国ではバスで移動。これも予測通りですね。釜山から仁川やソウルに移動するとなると5時間ですから、キツいです。門倉選手は大好きな数独で時間をつぶしているそうです。

韓国人選手(打者)はタテの変化球に弱い。これは、来日韓国人選手についての解説者の分析としてしばしば聞いたことですね。しかし、今度オリックスへの入団が決まった韓国一の強打者、ロッテ・ジャイアンツの李大浩選手は「対応できる選手なので期待できる」とのことですよ。昨年は打撃9試合連続本塁打、7冠王で日本でも少し注目されましたね。今年も打率0.357で首位打者でした。(2011年韓国プロ野球の個人成績は→コチラ。)

 韓国野球のレベルも、以前に比べるとずいぶん高くなったとのこと。ヌルボがただ1度、蚕室球場で観戦したのが1992年(!)。近年は観客数も増加し、今年日本でも公開された「グローブ」や、今韓国で上映中の「パーフェクト・ゲーム」のような野球映画も作られています。ぜひ来年は、20年ぶりに釜山か仁川か光州に観に行くぞ!という意欲が高まってきました。
※「パーフェクト・ゲーム」は、韓国プロ野球史で伝説の対決といわれる1987年5月16日に釜山・社稷(サジク)球場で行われたプロ野球ロッテジャイアンツの崔東原と、ヘテタイガース宣銅烈の対決を描いた作品。延長15回2対2で引き分けに終わったその試合は、伝説の名勝負としてファンの記憶に残っているそうです。(崔東原投手は今年9月大腸がんで死去、釜山の社稷球場で追悼式が行われました。)

 さて、このトークライブ、トークだけでなく、実際に門倉選手のストレートやフォーク等のピッチングの実演や、数々のプレゼントの抽選等もあって、とても楽しめました。
 室井さんは、ご自身のブログででこのトークライブの報告記事をアップしています。写真も載せてます。よくあんな狭い所で投球できるものです。さすがプロです。室井さんもその日のうちに記事をまとめるとは、これまたお仕事とはいえさすがです。

  
 【右から2009年SKの準優勝メダル、10年の優勝メダル、オールスター出場メダル、09年4月の月間MVP(韓国で制定初受賞選手)。左にチラと見えるのは、2005年横浜時代の最多奪三振投手賞。】
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[12月16日(金)~18日(日)]

2011-12-20 19:47:37 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 先週は13日(火)~18日(日)の6日間で呑み会が4回。すっかりアルコール漬けになってしまって、5日連続でブログ記事更新なし。ブログ開設以来初めて。うーん、いかんなー。昨日は、17日の門倉健選手(プロ野球)のトークライブの記事を書くつもりだったのが例の大ニュースでいろいろ情報収集しているうちに、そのまま疲れて寝てしまいました。

 さて、先週「今年これまで観た71本を振り返ってみるに、どうもコレは絶対!というのがすぐに思い浮かばない」と書きましたが、一昨日72本目を観て「コレだっ!」と思いました。それはサラの鍵。人出の多かった日曜でも、この作品の入りは10数人ほど(桜木町のブルク.19時の回)でしたが、ぜひ大勢の人に観てほしいものです。簡単な内容は→コチラ

         ★★★ Daumの人気順位(12月20日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①古い人力車(韓国)  9.7(26)
②猫おどり(韓国)  9.5(48)
③白いジャングル(韓国)  9.4(28)
④私の選択 – 忘れられたカバン その終わらない物語(韓国)  9.3(27)
⑤タスリ(韓国)  9.3(25)
⑥ヘルプ  9.3(259)
⑦ワンドゥギ(韓国)  9.2(1952)
⑧ナデルとシミン  9.2(30)
⑨願い(グザーリシュ)  9.0(210)
⑩ただあなただけ(韓国)   9.0(728)

 新登場は①だけ。続く②③④と同じく、これも韓国のドキュメンタリー。めずらしい現象、というか、これをどう解すべきでしょうか?
 さて、この①ですが、舞台はインド最大の都市カルカッタ。しかしそこには400万人を超える極貧者が暮らしています。人力車夫として働くシャリムもその1人。家族の生活費、妻の病院費を稼ぎながらも貯金している彼の夢は家族とともに暮らす家を持つこと。すべては神の意思という意味の「インシャラー」を心に刻みつつ毎日70度の熱いアスファルトの道や、激しい雨の中を裸足で駆ける。しかし彼とその家族の状況は厳しくなるばかりで・・・。撮影に10年、編集に2年かけたとのことです。DAUMでのネチズンの評点は、3人に2人は10点満点。「私は痛みより希望を見ました」等々。これは観てみたいものです。作家・李外秀がナレーションを担当。原題は「오래된 인력거」です。「自転車(자전거.チャジョンゴ)」と同様に、人力車の車も차(チャ)ではなく거(コ)になるんですね。

【専門家による順位】

①マネーボール  8.2(4)
②ナデルとシミン  8.0(8)
②ドライブ  8.0(8)
④紫(韓国)  8.0(2)
⑤古い人力車(韓国)  8.0(1)
⑥ミッション・インポッシブル  7.6(5)
      ゴースト・プロコトル
⑦四つのいのち  7.5(2)
⑧ツリー・オブ・ライフ  7.2(10)
⑨ヘルプ  7.2(8)
⑩豚の王(韓国)  7.0(5)

 新登場は⑤と⑥の2作品です。
 ⑤は前述しました。
 ⑥は日本でも1日遅れの12月16日公開。説明は省略します。韓国題は「미션 임파서블:고스트 프로토콜」。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[12月16日(金)~18日(日)] ★★★

         初登場「ミッション・インポッシブル・・・」が他を圧倒

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・上映館数
1・・ミッション・インポッシブル・・・・12/15 ・・・・・・・・1,086,171・・・・・・・・・・1,312,242・・・・・・・1,116
     ゴースト・プロコトル
2・・ぞっとする恋愛(韓)・・・・・・・・・12/01 ・・・・・・・・・・315,303・・・・・・・・・・2,030,331・・・・・・・・・584
3・・アルビンとスーパーバンド3・・12/15・・・・・・・・・・135,273・・・・・・・・・・・・143,222・・・・・・・・・423
4・・タンタンの冒険 ・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・・78,553 ・・・・・・・・・・・639,462・・・・・・・・・529
     ユニコーン号の秘密
5・・トワイライト・サーガ/・・・・・・・11/30 ・・・・・・・・・・・62,618 ・・・・・・・・・・1,398,856・・・・・・・・・325
     ブレイキング・ドーン Part1
6・・アーサー・クリスマスの大冒険・・11/25 ・・・・・・・・34,720・・・・・・・・・・・・571,465・・・・・・・・・172
7・・パーフェクト・ゲーム(韓) ・・・・12/21・・・・・・・・・・・・32,448 ・・・・・・・・・・・・・46,042・・・・・・・・・216
8・・ワンドゥギ(韓) ・・・・・・・・・・・・10/20・・・・・・・・・・・・25,016・・・・・・・・・・・5,300,255・・・・・・・・・202
9・・特・捜・本(韓) ・・・・・・・・・・・・・11/24・・・・・・・・・・・・11,696 ・・・・・・・・・・1,102,773・・・・・・・・・211
10・・オペラ座の怪人・・・・・・・・・・12/15 ・・・・・・・・・・・・・5,350 ・・・・・・・・・・・・・・6,193・・・・・・・・・・23
     25周年特別公演
                                      ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。

 新登場は、1・3・7・10位の4作品です。
 1位、「ミッション・インポッシブル ゴースト・プロコトル」の数字は圧倒的。それでも「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」の第1週の週末236万人の半分ですけどね。
 3位、日本でもでは2008年に公開されたアメリカのCGIアニメ(CGを使った3D)「アルビン 歌うシマリス3兄弟」の第3作。豪華クルーズ船に乗って出かけた国際ミュージック・アワードでくりひろげられるドタバタ!? アメリカでは大人気のシリーズなんだそうですが、日本では第2作同様DVD販売のみ? 関心のある方は→コチラを参照されたし。韓国題は「앨빈과 슈퍼밴드3」。
 7位は、韓国プロ野球史で伝説の対決といわれる1987年5月16日に釜山・社稷(サジク)球場で行われたプロ野球ロッテジャイアンツvsヘテタイガース戦の2投手の対決を描いた作品。2投手とはロッテの崔東原(チェ・ドンウォン)とヘテの宣銅烈(ソン・ドンヨル)です。その試合は延長15回2対2で引き分けに終わりましたが、今でも多くのファンの記憶に残る名勝負だったそうです。宣銅烈投手は1996~99年は中日ドラゴンズのストッパーとしても活躍し、99年には胴上げ投手にもなりました。その後は三星ライオンズの監督にもなり、来春から起亜タイガース(ヘテの後身)の監督にすることが決まっています。 一方、崔東原投手は今年9月14日大腸がんで世を去り、同30日に社稷球場で追悼式が行われ、彼の背番号11は永久欠番とされたそうです。(それで映画が作られたのか・・・、ずいぶん早いですね。)  崔投手はチョ・スンウが、宣投手はヤン・ドングンが演じました。原題は「퍼펙트 게임」。
 10位は、日本では10月に公開されています。すごく評判いいようだし、明日観に行こうかな? 韓国題は「오페라의 유령:25주년 특별 공연」。
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韓国KBSテレビの過去の番組(ただし2週間以内)をパソコンで見る方法

2011-12-14 23:52:33 | お知らせ、その他いろいろ
 11月28日の記事<韓国のTV番組 週間視聴率ベスト20>で20の番組を紹介した中にKBS1の「韓国人の食卓(한국인의밥상)」がありましたが、これについて前川健一さんから「これほど格調の高い食文化番組は日本にはないというほど、いい。すばらしい」という推奨のコメントをいただきました。

 実は私ヌルボ、この番組を見たことがなかったので、KBSのサイトの番組表で木曜午後7時30分~8時25分放映されていることを知り、先週8日(木)見てみました。(スカパーでは金曜5:00~06:00と日曜7:00~7:55にやっているようですが、私ヌルボは見られないので・・・。)

 手順は、今年3月18日の記事<韓国&日本のテレビ・ラジオをインターネットで視聴するには・・・>で書いたように、
<KBS Able>の画面で<1TV>をクリックするだけという手っ取り早い方法です。

 「韓国人の食卓」のその回のテーマは「浦項のサンマ(꽁치)のクァメギ(과메기.干物)」でした。たしかにとても興味深い内容で、サンマのクァメギのほかにも、マンボウ(개복치.ケボクチ)の料理や、モリククスという魚介類入りのうどんが紹介されていました。が、それら料理の説明だけでなく、それらがいかに地元の人に親しまれてきたかというようなことや、街のようす(日本の神社があった所等)なども映されていて、番組の構成に深みがある点がいいですね。
 もっと前から見ておけばよかった、と思いました。
※大きな難点は、当然字幕なしの韓国語放送ということ。まあ韓国語学習者の皆さんにはぜひおすすめ!ですけど・・・。

         
 【浦項を訪ねたチェ・ブラム氏。背後の海に突き出ているのは2000年にミレニアムを記念して建てられた有名な(?)相生の手。】

 ・・・ここでヌルボ、前に放映された回が見られることに気づきました。知ってはいたのですが、ほとんど活用することがなかった方法です。

①まず、KBSのHPを開きます。
 あ、最初に画面右上の로그인(ログイン)を済ませる必要があります。後でもいいのですけど。最初の手続きが少し面倒ですが、韓国語が苦手な方は英語表示もあります。ただしLanguageの窓でJapaneseを選ぶと<KBS WORLD>の画面にとんでしまうのでダメ。

    
        【KBSのURLは、http://www.kbs.co.kr/。】

②画面左上の<펀생표(編成表)>をクリックします。左横の<생방송(生放送)>をクリックしても同じですけど。

    
         【下方にべろんちょとテレビ&ラジオの選択肢が出てきます。】

③<펀생표(編成表)>の1TVをクリックします。(もちろん2TVの番組が見たければ2TVです。)

    
        【その日の番組表が現われます。上にカレンダーが表示されます。】

④上のカレンダーで、見たい日付をクリックします。ただし2週間以内に限ります。(←これがいささか残念なところ。)

    
        【番組名の右端にテレビのマークがあれば再生可能ということ。1つでも2つでもOK。】

⑤目当ての番組の右の方にあるTVの絵をクリックします。画面部分に赤い色がついているの(左)とついていないの(右)が2つ並んでいる場合は、後者の方が全画面で見られるのでいいと思います。

    
      【こんな小さな画面(100%)で出てきますが、下のボタンで倍の200%やFULL(全画面表示)も選べます。】

    
         【全画面表示だと、こんな感じ。画面が粗くなるのが残念ですが・・・・。】

 ・・・ということで、いかがでしょうか? KBSテレビはいろいろおもしろそうな番組があります。とくに韓国語学習者の皆さん、楽しみながら聴き取りの練習にもなって一挙両得ですよ。

     
  今年8月29日の記事で紹介した韓国版「なんでも鑑定団」の「珍品名品」はKBS1TVで日曜午前11~12時放映。】
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[12月9日(金)~11日(日)]

2011-12-13 17:05:53 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績

 今年も残すところ20日を切り、いろんな分野の総括の時期になりました。この1年の韓国映画の動員数上位をみると、①「最終兵器 弓」 739万人② 「サニー」 737万人③「ワンドゥギ」 523万人(現在)④「朝鮮名探偵 トリカブトの秘密」 480万人⑤「るつぼ」 465万人 ※数字は私ヌルボの確認し得た数で、正確なものではありません。実数はもっと多いかも。
 昨年の№1ヒットの「アジョシ」は630万人。今年の上位2作はそれを100万人上回りました。
※外国映画では「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」の779万人という記録があります。

 では、今年の日本映画の動員数トップの作品はというと、9月16日の「読売新聞」によれば、その時点では「コクリコ坂から」で330万人だったそうです。9月以降については、よくわかりません。
 日本では(有)興行通信社が映画の興行収入や観客動員数の集計・発表を行っていますが、そのサイトには順位は載っていても具体的な動員数はありません。したがって、各映画の観客動員数はネット上ではつかみにくく、個別に情報を集めるしかないようです。
 その点韓国は、韓国映画振興委員会のサイトを見れば一目でわかります。韓国文化芸術振興院、韓国放送映像産業振興院、韓国文化コンテンツ振興院と同じく文化観光部(日本の文化庁に相当)が所管する特殊法人形式の文化関連機関なのですが、日本に比べると文化関係で国の占める役割が大きいようなのは、もしかして長い軍事政権当時の文化統制のなごりかな、となんとなく思いました。

         ★★★ Daumの人気順位(12月13日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①猫おどり(韓国)  9.5(45)
②白いジャングル(韓国)  9.5(24)
③タスリ(韓国)  9.4(23)
④私の選択 – 忘れられたカバン その終わらない物語(韓国)  9.3(26)
⑤ヘルプ  9.3(250)
⑥ナデルとシミン  9.2(29)
⑦ワンドゥギ(韓国)  9.2(1938)
⑧願い(グザーリシュ)  9.0(207)
⑨ただあなただけ(韓国)9.0  (728)
⑩リアル・スティール  9.0(1122)

 少し順位変動はありましたが、新登場の作品はありません。

【専門家による順位】

①マネーボール  8.2(4)
②ナデルとシミン  8.0(8)
③ドライブ  8.0(8)
④紫(韓国)  8.0(2)
⑤四つのいのち  7.5(2)
⑥ツリー・オブ・ライフ  7.2(10)
⑦ヘルプ  7.2(8)
⑧豚の王(韓国)  7.0(5)
⑨ル・アーヴル  7.0(4)
⑩人生はビギナーズ  7.0(3)

 新登場は⑨だけ。今年の第64回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを逃したアキ・カウリスマキ監督の新作。タイトルの通り、今作は舞台地がフィンランドではなくフランスの港町で主役も非フィン人。かつてはパリでボヘミアン暮らしをしながら作家を志していた貧しい靴磨きが主人公。妻が重い病で入院したのと前後して、アフリカから来た不法移民の少年と出会い、少年を母が住むというイギリスに逃がそうと試みる・・・。妻を演じているのは「マッチ工場の少女」だったカティ・オウティネン。もう50歳なんですね。監督いわく<港町3部作>の第1作で、第2作はスペイン、第3作はドイツが舞台になるとのことですが、完結まで10年は必要だそうです。韓国題「르 아브르」。たぶんそのうち日本でも公開されるでしょう(無責任情報)。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[12月9日(金)~11日(日)] ★★★

         「ぞっとする恋愛」が1位に

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・上映館数
1・・ぞっとする恋愛(韓)・・・・・・・・・12/01 ・・・・・・・・・・593,373・・・・・・・・・・1,395,067・・・・・・・・・677
2・・タンタンの冒険 ・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・408,475 ・・・・・・・・・・・478,866・・・・・・・・・760
     ユニコーン号の秘密
3・・トワイライト・サーガ/・・・・・・・11/30 ・・・・・・・・・・250,826・・・・・・・・・・1,228,495・・・・・・・・・551
     ブレイキング・ドーン Part1
4・・アーサー・クリスマスの大冒険・・11/25 ・・・・・・・125,409・・・・・・・・・・・・521,398・・・・・・・・・322
5・・特・捜・本(韓) ・・・・・・・・・・・・・11/24・・・・・・・・・・・110,776 ・・・・・・・・・・1,042,297・・・・・・・・・391
6・・ワンドゥギ(韓) ・・・・・・・・・・・・10/20・・・・・・・・・・・・97,826・・・・・・・・・・・5,228,187・・・・・・・・・316
7・・ブリッツ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/08・・・・・・・・・・・・31,621 ・・・・・・・・・・・・・45,843・・・・・・・・・158
8・・決定的な一発(韓) ・・・・・・・・・12/07・・・・・・・・・・・・28,795 ・・・・・・・・・・・・・39,960・・・・・・・・・181
9・・リアル・スティール・・・・・・・・・10/12 ・・・・・・・・・・・・24,283 ・・・・・・・・・・3,569,475・・・・・・・・・133
10・・マネーボール・・・・・・・・・・・・11/17 ・・・・・・・・・・・・・9,850 ・・・・・・・・・・・・631,928・・・・・・・・・・69
                                      ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。

 先週2位の「ぞっとする恋愛」が「タンタンの冒険」をおさえてトップに立ちました。
 新登場は、2・7・8位の3作品です。
 2位は、すでに日本でも公開されています。原作「タンタンの大冒険(Les Aventures de Tintin)」はフランス語なので、Tintinは<タンタン>と発音されますが、韓国題は「틴틴:유니콘호의 비밀」と、<ティンティン>になっています。ウィキによると、「1964年から1965年に白黒で『チンチンの冒険』の題でフジテレビ系にて放映された」そうですが・・・。
 8位、原題「결정적 한방」の「한방」は漢方か韓方か、それとも一部屋か・・・と考えたら「一放」=一発でした。たぶん自動翻訳そのままで「決定的な漢方」となっている記事もいくつもありましたが・・・。(それはそれでおもしろそう(笑)。) ラッパーの息子(キム・ジョンフン)を持った長官ハン・グク(ユ・ドングン)が民生安定のために孤軍奮闘する姿をコミカルに描くとともに、政治や芸能界の風刺をこめている作品、とのこと。外では公務に追われ、家では家族にそっぽを向かれる彼の姿は幅広い観客の共感を引き出すだろう・・・との思惑通りにいくかどうか?
 7位、日本では先々月の10月15日に公開、これは大変めずらしい! 韓国題は「블리츠」です。)

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アンドレイ・ランコフ「民衆の北朝鮮」を読む ②北朝鮮の景勝地に刻まれた数万(?)の悲しい文字

2011-12-12 01:45:48 | 北朝鮮のもろもろ
 → アンドレイ・ランコフ「民衆の北朝鮮」を読む ①日常生活を多岐にわたり詳述 の続きです。

 私ヌルボが20年前(1991年)北朝鮮の開城を訪れた時は、善竹橋が有名な歴史の舞台であることも、朴淵の滝が名高い景勝地であることも知りませんでした。

 その朴淵の滝で印象に残っているのは、滝の水が落ちるその岩壁に、人の名や詩句がいくつも、大きく刻まれていたことです。
 説明によると、昔の両班が石工に彫らせたものだそうで、朝鮮では古くから景勝の地ではそのようなことが行われていたとのことです。

 龍岩という大きな岩には、李白の詩が流麗な書体で彫られています。黄真伊が髪の毛で彫ったと伝えられるものです。→写真
※岩に字を彫るのは中国が本家本元でしょう。泰山は行ったことはありませんが、画像を見るとさすが。

 ところが、そのような伝統を踏まえて(?)、北朝鮮では1970年代から金日成を、あるいは金正日を賛揚する言葉が北朝鮮のすべての景勝地に数多く刻まれています。
 開城に行った時にも、具体的な記憶は残っていませんが、たしかに見ましたね。金日成と刻まれた字に対するわれわれ日本人観光客の否定的な受けとめ方を感じ取った北朝鮮案内員(か、総連関係者)が、上記のように「昔からの伝統」を言いわけ的に話していたように思います。
※1984年発行の「凍土の共和国」に金剛山の刻字についての記述があったので、北朝鮮訪問時にはすでにそのことを知っていました。
※参考:開城旅行記(日本のブログ)

 「民衆の北朝鮮」によれば、この「岩に文字を彫るという狂気じみた活動」(原文のまま)は1972年に始まった、とあります。金日成の生誕60周年を祝った年です。そのアイディアは、初期段階では金日成自身のものとされていましたが、現在では金正日将軍の輝かしい発明と説明されているそうです。
 本書に引用されている北朝鮮の歴史家の文章には次のように記されています。

 速度戦突撃隊と地元住民の支援者は、偉大な首領に対する熱烈な献身の感情に鼓舞されて、1982年2月までに、金剛山に61ヶ所(3690文字)を彫り込んだ。その規模と深い思想的内容において、世界のどこにも比類のないものである[確かに!-筆者]。このように、自然石に書かれた“チュチェ”という碑文は高さが27m、幅が8mあり、その文字は1.2mの深さがある。
[確かに!-筆者]は著者(ランコフ)の皮肉。

 ランコフによれば、その後1990年代前半に、上記の碑文を超える碑文がやはり金剛山にできました。김일성(金日成)の3字が各々高さ20m×幅16m、深さ90㎝で彫られたそうです。
 また、「北朝鮮の当局者は最近(21世紀初頭?)全国で約2万の文字が彫られたと豪語した」とあります。

 「朝鮮日報」(日本語版)の2001年の記事(※登録しないと読めません)
にも、スローガン岩(구호바위)は、金剛山だけでおよそ60ヶ所、約4500字に達し、全国的には2万字を超えるものと伝えられている」とあります。

 より新しい情報としては、やはり「朝鮮日報」の今年(2011年)3月28日の「名山の岩の字4万字・彫像3万5千、軍は北の政権崩壊の時、偶像化の象徴物なくす」という記事が見つかりました。(→同 自動翻訳
 それによると、2002年に金正日の60回誕生日に合わせて、金剛山で最も広いバリ峰に「천출 명장 김정일 장군(天出名将金正日将軍)」という字を彫ったそうです。写真を見ると、その大きさがわかります。
※この文言に関して、2004年南北離散家族再会事業で、韓国側の関係者が「천출(天出)は賤出とも読める」と冗談を言って問題化した<賤出名将事件>が起こりました。

 またこの新聞記事によると、見出しにあるように岩に彫られた字の数は4万字にのぼるということで、事実だとすると10年足らずの間にさらに倍増(!)したということになります。

 この間金剛山観光で現地を訪れた韓国の人たちのブログに載っている写真を見ると、たしかにその字の多さと大きさが目に着きます。たとえば→コチラ
 このような自然破壊の「落書き」に嘆き、あるいは憤っているブログ記事もいくつもあります。たとえば→コチラ。上記の巨大な「주체(チュチェ)」の刻字の写真も載っています。

 また、→コチラのブログでは、「統一が成ったら、これらの字は消すべきなのか、歴史の痕跡として残すべきなのか、アタマが複雑になります」と記しています。(「後の日の教訓としてすべて残すべき」とのコメントあり。)

 この点について先の「朝鮮日報」の記事では、「北の急変事態に備えた計画には、"共産主義の遺物遺跡は抹消させ、一部は保存して、歴史の教訓とする"という規定が含まれていることがわかった」とあります。
 しかし、銅像等は壊すことができても、こんなに多くの岩に刻まれた字は消しようがないと思いますが・・・。

 ランコフは、これに関して次のように結んでいます。

 こうした碑文は金日成の時代と彼の野望への、長く続く記念碑になるであろう。何十年にもわたり、それらは怒りといらだち(おそらく、賞賛がまじりあって)を引き起こすであろう。しかし、遅かれ早かれ、それらは古代のバビロニアやアッシリアの王たちの同じような巨大建築物の石碑のように、遠い過去の面白い名残になるであろう。

 何世紀も先のことを思えばランコフのように「面白い名残」になるかもしれませんが、私ヌルボ、近い将来(北朝鮮の体制崩壊後)を考えると、いや、今もうすでに哀しい気持ちになっています。かつては多くの人々が理想を持って国づくりに携わった社会主義体制のなれの果ての、これもまたひとつの象徴です。

 歴史遺産の中に、「負の歴史遺産」というのがあります。
 アウシュヴィッツ収容所とか、(アメリカが反対した)原爆ドームとか・・・。
 そして現在の北朝鮮の政治犯収容所は、すでにして「負の歴史遺産」当確の施設だと私ヌルボはひそかに考えています。
 それらとは違うレベルですが、ヌルボが思うに、岩に刻まれた金父子の賛揚の文字も一種の「負の歴史遺産」として残ることでしょう。また将来それらを見て恥ずかしさを感じるべきは、北朝鮮や韓国の人たちばかりでもないと考えます。

 しかし、国際社会はこんな自然破壊に対して抗議をしないのでしょうか? 抗議をしても何の得にもならないから? それとも、内政干渉になりますか?
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アンドレイ・ランコフ「民衆の北朝鮮」を読む ①日常生活を多岐にわたり詳述

2011-12-11 18:46:21 | 北朝鮮のもろもろ
       

 図書館で借りたアンドレイ・ランコフ「民衆の北朝鮮」(花伝社.2009年)をとても興味深く読みました。

 以前ブラッドレー・マーティン「北朝鮮「偉大な愛」の幻」(青灯社)を読んだ時にも思ったことですが、日本人でも韓国・朝鮮人でもない人が書いた北朝鮮本はあまりよけいなことを考えなくてすむ点がいいですね。
 「よけいなこと」とは、たとえば「差別感」、「政治的立場」、「歴史認識」等々のことです。左翼・右翼、「反日「・「嫌韓」を問わず、もろもろの思い込みは事実を見る目を曇らせてしまいます。
 また、発行出版社を非常に重視する人もいますが、花伝社や青灯社のサイトを見ると、右翼出版社では全然なく、リベラルな書籍を多く刊行していることがわかります。本書を翻訳した鳥居英晴氏も「日刊ベリタ」の記者をしている人だし・・・。

 決して薄くはない、というより部厚い本書を読んでみる気になったのは、たとえば次のようなくだりが目にとまり、共感を覚えたからです。

(裏側の袖=カバー見開き部分)
 長期的には北朝鮮の運命を決めるのは、平壌の宮廷の錯綜した政治でも、複雑な外交交渉でもない。
 北朝鮮の指導者は、改革は自殺行為であると信じており、彼らに変化を期待することはできない。
 経済制裁-圧力と孤立化-の効果も疑わしい。
 唯一の真の希望は、下からの変容の中にあり、そのためには、北朝鮮の人々と外の世界のあらゆる種類の接触を増やすことである。それは、著者ランコフがソ連崩壊で身をもって体験した教訓でもある。

(序文より)
 私は、1984年において、ほぼまちがいなく世界で最も残忍な独裁国にいることは承知していた。・・・けれども、明るい九月の日々の中で、恐怖や抑圧の痕跡を多く見ることはなかった。・・・(談笑するきれいな女性、オフィスに向かう尊大な事務員や小役人、孫を連れて歩く老婦人、学校に急ぐ学生、遊ぶ子供たち・・・。)・・・要するに、すべてはまったく正常に見えた。
 実際、そうであった。私は無邪気で、1つの単純な真実を理解することができなかったのである。最も抑圧的な社会政治的な状況下であっても、大多数の人々は普通の生活をしようとし、一般的にはそうやっていけるのである。


 著者のランコフが初めて北朝鮮を訪れたのは1984年9月。当時のソ連と北朝鮮の間の交流計画により、交換留学生として金日成総合大学に留学した時。1963年生まれ、21歳(?)だった彼の初めての外国行だったとのことです。以後レニングラード国立大に戻り、博士課程修了(朝鮮史)後は、同大学で教鞭を執った後、1992年に韓国へ。その後1996年からオーストラリア国立大学講師を経て、2004年に韓国に戻り、国民大学准教授(→教授)として継続して北朝鮮の政治社会の研究に携わっています。

 つまり、自身北朝鮮で生活した経験があると同時に、かつて社会主義体制下にあったソ連出身ということで、共通点の多い北朝鮮の体制を比較して洞察することができるという点からも信のおける著者といえると思います。

 本書では、後の方の章で経済、外交、密輸、拉致、脱北等の問題も取り上げていますが、とくに興味深いのは、タイトル通り民衆の日常生活について詳述している点です。
 学習活動や自己批判のための集会、ラジオやテレビ等のメディアの状況とその番組の内容、女性の地位、平壌という街(食堂や記念碑等々)、風呂・たばこ・電話・ファッション・余暇の過ごし方・結婚・乗り物・学校生活等々・・・、と実に多岐にわたって記されています。
 私ヌルボも含めて、これまで刊行された北朝鮮本をいくつも読んできた人にとってはとくに驚く新情報はないにしても、記述が具体的で、信頼度が高いと思われます。

 訳者あとがきによると、本書は著者が韓国の英字紙「Korea Times」と「Asia Times」に寄稿した一連のコラムを基に1冊にまとめたもので、2007年に「North of the DMZ:Essays on Daily Life in North Korea」として刊行されているとのことです。
 訳者が、事実関係が古くなったところは著者の了解を得て割愛し、2005~09年の関係情報を注記としてつけ加えている点も、現在の北朝鮮の状況を知る上で役に立ちます。
※たとえば、本書では「未刊のホテル」柳京ホテルの建設(1987年着工)と、工事中断(89年)及びその後の経緯とともに、「北朝鮮の「威信」をかけたすべてのプロジェクトで最大のものである柳京は恐らく、絶望的である。・・・」等と記しています。
これには次のような[訳注]が付いています。
 2008年5月19日の聯合ニュースの報道によると、エジプトのオラスコム社の協力で柳京ホテルの建設工事が同年4月に再開された。金日成生誕100周年に当たる2012年4月15日にオープンすると伝えられる。
 (柳京ホテルについては今年8月「まもなく完成」とのニュースが伝えられました。)

 今回は、この本にある「岩に彫られた巨大な金父子賛揚の碑文」について書くつもりでしたが、すでに字数が多くなってしまいました。次回に回します。

 → アンドレイ・ランコフ「民衆の北朝鮮」を読む ②北朝鮮の景勝地に刻まれた数万(?)の悲しい文字 に続く。
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「北朝鮮の著作物の保護義務はない」という最高裁判決に首をかしげる

2011-12-10 16:13:32 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 映画ファンで、とくに韓国・北朝鮮映画ファンの間でカナリオ企画という会社はどれだけ知られているのでしょうか?
 朝鮮映画輸出入社から日本国内における北朝鮮映画の独占的な上映、複製、頒布を許諾されている有限会社です。
 最近では、韓国のドキュメンタリー映画「天安艦沈没」の配給・日本語製作に携わったのがこのカナリオ企画でした。
※朝鮮映画輸出入社は、北朝鮮国内の行政機関であり、北朝鮮映画の著作権等を行使する国家映画会社です。

 諸メディアの報道によると、この朝鮮映画輸出入社とカナリオ企画が日本テレビとフジテレビを相手取って北朝鮮映画の著作権侵害に対する損害補償を求めて起こした訴訟で、一昨日(12月8日)最高裁は「国家として承認していない北朝鮮の著作物の保護義務はない」として上告を棄却しました。

 この案件の具体的な内容は次の通りです。

 日本テレビは、2003年6月30日放送の「ニュースプラス1」の番組中で、北朝鮮映画「密令027」の映像の一部を事前の許諾を得ることなく放送しました。
 またフジテレビは、2003年12月15日の「スーパーニュース」の中で、北朝鮮の映画による国民に対する洗脳教育の状況を報ずる目的で、映画の主演を務めた女優が映画の製作状況等についての思い出を語る場面と映画の一部とを組み合わせた内容の約6分間の企画を放送しましたが、そこで合計2分8秒間映画の映像を許諾を得ずに放送しました。
 そこで、朝鮮映画輸出入社とカナリオ企画は、著作権の侵害を根拠として、本件映画を含む北朝鮮映画の放送の差し止めと、著作権ないし著作物利用許諾権の侵害に基づく損害賠償金550万円の支払いを求めて、2006年東京地方裁判所へ訴訟を提起いたしました。
 2007年12月の東京地裁の判決は、北朝鮮はベルヌ条約に加盟してはいるものの、わが国は北朝鮮を国家承認していないことから、北朝鮮映画は著作権法の規定には該当しないとして請求を棄却しました。
 原告側は2008年に知的財産高等裁判所に控訴をしましたが、同年12月控訴棄却の判決が下されました。
 しかし、「著作権のある著作物と同様の損害を認めることは相当ではない」としながらも、映画を営利目的で無許諾放映をしたことは社会的相当性を欠き、カナリオ企画の利益を違法に侵害する行為であり、著作権法の保護がなくても、民法709条の保護を得る利益があるとして、上記放送局2社に損害額10万円、弁護士費用2万円の支払いを命じました

※以上の参考サイト→コチラ

 ところが今回の上告審の判決では、最高裁は原告側の請求をすべて棄却し、控訴審判決で示された12万円の支払いも否定しました。

 このニュースに接して、私ヌルボが最初に感じたのは「ホントにこれでいいの?」という疑問です。

 この問題については、ウィキの<無断放映>の項目であらましを知ることができます。

 この問題の背景として、2003年に文化庁が示した次のような見解があることがわかります。
 北朝鮮がベルヌ条約を締結したとしても、我が国は北朝鮮を国家として承認していないことから、条約上の権利義務関係は生じず、我が国において法的な効果は一切生じない。したがって、我が国は、北朝鮮の著作物についてベルヌ条約に基づき保護すべき義務を負うものではなく、北朝鮮がベルヌ条約を締結することによる我が国への影響はない。

 またウィキの説明文にはテレビ朝日とTBSは引き続き、北朝鮮作品放映時にはカナリオ企画の著作権表示を画面に明示し、無断放映をしない姿勢を明確にしている」とあります。
 このようなところにも、各メディアの<(左右の)立ち位置の違い>が反映されているんですね。
※後述のブログ記事によると、NHKは政府見解とは別に独自に北朝鮮著作物の取り扱いに関する協議を行っている旨を伝えているそうです。

 今回の判決に対するネット内の反応を見ると、2ch等々では案の定喜んでいる書き込みが目立ちます。が、わずかとはいえ懸念する人もいないではありません。

 法律の文章も法律自体も、私ヌルボの数多い苦手分野のひとつですが、この件について専門家はどう考えるのだろう、と探してみたら、<企業法務戦士の雑感>という、会社で企業法務を担当している方のブログに「将軍様の高笑いが聞こえる」「たかが12万、されど12万。」と題する2つの関係記事を見つけました。それぞれ1審・2審の判決後に書かれた記事です。
 そこでは<本件に対する疑義>として次のように記されています。

 国家承認していないことをもって、ベルヌ条約による保護が適用されない、とするのは、いわば「両刃の剣」的な結論といえる。

 原告自身も、次のように主張しているそうです。

 北朝鮮の著作物が我が国において保護されないということになると、北朝鮮映画を我が国において無断で上映しても良いという結果を招くことになると同時に、北朝鮮において日本の映画が無断で上映されたり、インターネットを通じて直接日本国民に販売されたりといった事態も生じ得る。(←これを<脅し>ととる人もいるかも・・・。)

 つまり、今回の判決の裏返しで「北朝鮮には、日本の著作物の保護義務はない」ということになってしまう、ということです。

 そして<企業法務戦士>さんの意見は・・・。

 「コンテンツ大国」を目指すわが日本国にとって、国内のみならず全世界で自国の著作物が保護される、というのは当然の前提になっていなければならないはずであり、近年の保護期間延長を目指す議論の中でも、その点はかなり強調されているはずなのに、文化庁の見解といい、テレビ局の抗弁といい、そういった流れに反しているように思えてならないのは筆者だけだろうか。
 我が国において北朝鮮の著作物を保護する必要性が生じたとしても、報道目的等の利用を除けば、アタリがでることはそんなにはないはず。
 その一方で、我が国のコンテンツがかの国で保護されない、となったとすれば、潜在的に何らかの損害が出ることは覚悟せねばなるまい。


 ヌルボも<企業法務戦士>さんに同感です。
 北朝鮮が日本の、とくに日テレやフジTVのコンテンツを大量にコピーして商売に乗り出す可能性はないでしょうか? もしそうなったら、それを否定する論理があるでしょうか?
 また利害得失以前に、日本も当然含まれる(?)人権先進国(!)が、非承認国・権先進国も含めて、他国間との商業等の場で、自らその価値ある権利を否定してはいけないでしょう。

 <企業法務戦士>さんは地裁判決後、「知財高裁で、このような憂いを払拭してくれるだけの、心地よい結論が出されることを切に願うのみである」と書いていましたが、結局こうなってしまいましたね。
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韓国の青春成長小説「さよなら、マジンガー」は労働小説でもある。

2011-12-09 22:53:26 | 韓国の小学生~高校生向き小説・物語
       

 韓国の青少年小説안녕, 마징가(さよなら、マジンカー)をやっと読み終えました。ほとんど乗り物の中という、寸暇だけで読んだことと、1週間ばかり本が行方不明になっていた等々で、2ヵ月半もかかってしまいました。

 去る9月に、光州の忠壮書林で新刊書の平台にあったのを見て、おもしろいかも、とアタリをつけて購入した本です。
 表紙が学校を背景にマジンガーが走っているという図柄だし、裏表紙の李舜源(イ・スンウォン.作家)の推薦文に「愉快ではつらつとしていて、2、3ページめくるごとに1度ずつ抱腹絶倒させられる」と書いてあったり、同じく「ミシル」の作家キム・ビョラも「싱싱하다(生きがよい)」等々と評しているし・・・。

 主人公は大邱(テグ)にある工業高校(공고)3年のキム・ジョンミン。マジンガーというのは、担任の先生のあだ名(별명)です。名前がマ・ジョングで似ている上、マジンガーみたいに頭頂部が禿げている(!)ことに由来しています。

 ジョンミンは、期末テストも終わった夏休み前、学校生活に意義を見出せなくなって家出し、カラオケの従業員のアルバイトをしていたところ、マジンガーに連れ戻され、「工場に行って働いてみろ」と言われて、ほとんど強制的に大邱市内の金属加工工場に実習生として出されます。
 以前から高校と提携している工場のようで、同じ学校の生徒計12人がジョンミンとともに働くことになります。

 私ヌルボの予想と違ったのは、学校の場面が非常に少ないこと。またマジンガー先生も、最初の方では重要な役割を果たしますが、後半は卒業式の場面で少し登場する程度。血気盛んな高校生と型破りの先生との間の師弟愛というよくある図式には全然あてはまりません。現在映画化され大ヒット作となった「ワンドゥギ」のトンジュ先生と比べると、マジンガー先生の存在感はあまりパッとせず、タイトル負けしています。

 李舜源作家の「2、3ページめくるごとに1度ずつ抱腹絶倒」というほどではありませんが、笑える箇所はけっこうあります。
 工場に行った初日、ジョンミンは見るからに重そうな門扉を見て、動くかどうか力を籠めて押すと意外に軽く、勢い余って門扉を壊してしまいます。またある生徒は、説明を聞く場で「この工場が何を作っているかわかるか?」と問われて「金属を作っています」などとトンチンカンな答えを返したりします。新しく来た美人の栄養士が工員たちに巻き起こした風波や、彼女とジョンミンとのエピソードも笑ってしまいます。(母と祖母以外の唯一の女性登場人物。)

 小説の後半は、ほとんどが工場が舞台になって展開していきます。仕事のこと、そこでの人間関係、組合のこと等々。
 この工場は(現代(ヒョンデ.ヒュンダイ)と推定される)大手自動車会社の下請で、車体(ドア、フレーム等)を製造しています。具体的には、プレスや溶接、やすりがけ等が工員たちの仕事です。
 そんな仕事に携わる中で、ジョンミンはいろんなことを経験し、また考えます。安全装置をOFFにしていて大怪我をした労働者が会社に補償金を要求することに対して、「自分の不注意なのになぜ会社に補償を求めるのですか?」との疑問を口にして反発を買ったり、「会社のために働いているんだから当然じゃないか!」との非難に対して「俺は自分のために働いてます」と再反論したり・・・。またいつも熱心に働いている友人に対して「なんでそんなに働くんだ?」と訊ねると、「時間が速く過ぎるから・・・」と受け流すのでさらにしつこく訊きます。すると返ってきたのは「やりがい(보람)」という言葉。自分の作った部品を搭載した自動車がたくさん街を走って・・・、ということを想像すると、とおよそそういうことです。(この部分やや記憶が不正確かも。) 

 このように、工場での生活が細かく描かれるにともなって、作中のジョンミンも血気盛んな少年から考える青年へと成長していきます。その分、おもしろい要素は少なくなっていきます・・・。

 さらに、金属をプレスしたり切断したりするこの職場は危険に満ちています。どんなに安全対策に腐心しても、事故は起こります。ラスト近く、重大な事故が起こってしまい、ジョンミンは大きな衝撃を受けます。
 そしてラストは、「ワンドゥギ」のようなスッキリ爽やかな印象はなく、先に希望が仄見えるというものではありません。
 いくつかの韓国ブログで、この作品は「ワンドゥギ」と比較して論じられています。映画化を期待する声もあるようです。しかしヌルボの私見では、映画化するのなら次のような点で手直しが必要でしょう。
 ・マジンガー先生の出番を多くし、もっと活躍させる。
 ・後半部分の、工場の場面にももっと笑いの要素を増やす。

 ・・・だからといって、尻すぼみの小説、と批判しているわけではありません。学校とはがらっと変わった工場での生活を続ける中で、上記のようにジョンミンが成長していくようすが確実に読み取れるからです。まさに<青春成長小説>たるゆえんです。

 この物語は、雰囲気的に1970~80年代のことかな、となんとなく思いながら読み進んでいきました。しかし意外なことに90年代でした。当時は高価だった携帯電話も登場します。
 以後現在までの10数年の間に、機械化がさらに進んで、工場のようすもかなり変わったのではと思われます。今この作品は、当時の労働現場を活写した労働小説としての意義もあるのではないでしょうか?
 (しかし、こんな危険な工場に、当時の高校が生徒を送り込んでいたとはオドロキ! どれだけ一般的なことだったかはわかりませんが・・・。)

 この作品の著者イ・スンヒョン(이승현)は、作家としては異色の経歴を持っています。
 1977年大邱生まれ。2009年までは学校に通った時間と軍隊に行っていた時間のほかは工場での生活を続け、その間しばらく総合格闘技選手で活動したものの、4勝8敗のさえない戦績で選手生活を終えます。 2009年から1年半ほど出版関連の仕事をした後、現在は障害者活動補助者の仕事をしています。長編小説は、今年(2011年8月)発行の本書が初めてとのことです。

 この経歴から推定されるのは、「さよなら、マジンカー」のかなりの部分が著者自身の工場での体験に基づいているのでは、ということ。たぶんこの小説は、ジョンミンの成長を描いた作品というだけではなく、著者自身の成長の記録なのかもしれません。
 そして著者自身の、といえば何よりも大邱(慶尚道)の方言。登場人物の間に飛び交う会話が丸ごとこれで、作品全体にユーモアとリアリティをおのずと醸し出しています。
 たとえば・・・

「우짜든지 열심히 해야 된데이!」(何でも熱心にやらんとだめだぞ!)  「와 대답이 없노!」(なんで答えがないんだ!)
「알겠심다!」(わかりました!)
「요노므 새끼들! 느들하고 이젠 영영 안녕이 아니라카이! 또 만난다카이!」(おまえら! おまえらと、もうずっとサヨナラじゃないんだぞ! また会うんだぞ!)


 ざっとこんな感じです。標準語の「왜(なぜ)」「와」になるんですね。

 いろいろ書きましたが、一言で言って、すごい感動とまでは行かないまでも、楽しく読めて、韓国語(とくに方言)や工場労働についての知識も得ることができ、この本を選んで大正解! あえて点をつけると、10点満点で7.5~8.0くらいかな。

 さて、次に読む本はキム・ジュンミ(김중미)「ケンイブリマルの子どもたち(괭이부리말 아이들)」です。実はもう昨日から読み始めています。目標は年内読了。
※ケンイブリマルとは仁川市のタルトンネ(달동네.貧民街)の地名です。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[12月2日(金)~4日(日)]

2011-12-06 16:09:36 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 師走に入ってようやく時間に余裕ができて(世間に逆行!)、さて映画でも、と思った時には東京国際映画祭とかフィルメックスとかとっくに終わっていて、とくにこれは観たいという映画がありません。韓国映画だけではなくて・・・。ま、よくあることです。
 さて、そろそろ今年の映画賞についての話題が取り沙汰される頃となりました。で、私ヌルボも今年これまで観た71本を振り返ってみるに、どうもコレは絶対!というのがすぐに思い浮かばないんですよ。ちなみに最近4年のヌルボのベスト3をあげると以下の通り。
  2007年①世界最速のインディアン②パンズ・ラビリンス③キサラギ(日)
  2008年①ダークナイト②パコと魔法の絵本(日)③休暇(日)
  2009年①グラン・トリノ②ディア・ピョンヤン(日)③妻が結婚した(韓)
  2010年①息もできない(韓)②過速スキャンダル(韓)③冬の小鳥(韓)

 これらに匹敵する作品が今年あったかなあ?

 ・・・とここまで書いて、映画関係サイトで評判良さそうな、たとえば概して辛目の評点をつけている<こんな映画は見ちゃいけない!>で現在唯一★4つがついているドキュメンタリー「エンディング・ノート」をちょいとシネマ・ベティに観に行って、今帰ってきました。これはなかなかの映画でしたねー。砂田麻美監督報知映画賞新人賞受賞はナットク! そういえば、今朝の「讀賣新聞」文化面に、砂田麻美さんと彼女の著書「音のない花火」(ポプラ社)の紹介記事がありました。関連記事は→コチラ

         ★★★ Daumの人気順位(12月6日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①猫おどり(韓国)  9.6(41)
②タスリ(韓国)  9.6(22)
③白いジャングル(韓国)  9.4(21)
④精鋭部隊 2  9.3(33)
⑤ヘルプ  9.3(228)
⑥私の選択 – 忘れられたカバン その終わらない物語(韓国)  9.4(24)
⑦ナデルとシミン  9.2(29)
⑧ワンドゥギ(韓国)  9.2(1914)
⑨願い(グザーリシュ)  9.0(207)
⑩ただあなただけ(韓国)9.0  (727)

 今週の新登場は②と③です。
 ②、蔚珍(ウルチン)の小さな漁村でおばあさん、叔父さんと暮らすタスリは9歳になる自閉症の女の子。昼は村を廻ってあちこちの壁に絵を描き、夜は家で雪だるまが出てくる漫画を見るのが楽しみ。しかし村の人たちには彼女の絵は落書きにしか見えない。ある日村にめずらしく雪が降り、タスリは雪だるまを作る・・・。独立系の映画で、ドキュメンタリーかと思ったらドラマなんですね。原題は「다슬이」。
 ③、「白いジャングル」とは金があれば患者になれる、という韓国の病院につけられたあだ名。監督は現職の医師なんだそうです。わずか数万ウォンのために治療をあきらめなくてはならない患者たちに会って、韓国の医療システムの非情な現実をカメラに残した、というドキュメンタリー。原題は「하얀 정글」。

【専門家による順位】

①マネーボール  8.2(4)
②ナデルとシミン  8.0(8)
③ドライブ  8.0(8)
④紫(韓国)  8.0(2)
⑤四つのいのち  7.5(2)
⑥ツリー・オブ・ライフ  7.2(10)
⑦ヘルプ  7.2(8)
⑧豚の王(韓国)  7.0(5)
⑨人生はビギナーズ  7.0(3)
⑨精鋭部隊 2  7.0(3)

 多少順位の変動はありましたが、新登場はありません。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[12月2日(金)~4日(日)] ★★★

         「ワンドゥギ」が500万人を超える

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・上映館数
1・・トワイライト・サーガ/・・・・・・・11/30 ・・・・・・・・・・482,401・・・・・・・・・・・・775,533・・・・・・・・・706
     ブレイキング・ドーン Part1
2・・ぞっとする恋愛(韓)・・・・・・・・・12/01 ・・・・・・・・・・420,847・・・・・・・・・・・・487,902・・・・・・・・・565
3・・特・捜・本(韓) ・・・・・・・・・・・・・11/24・・・・・・・・・・・201,289・・・・・・・・・・・・839,003・・・・・・・・・491
4・・ワンドゥギ(韓) ・・・・・・・・・・・・10/20・・・・・・・・・・・150,725・・・・・・・・・・・5,046,792・・・・・・・・・433
5・・アーサー・クリスマスの大冒険・・11/25 ・・・・・・・144,567・・・・・・・・・・・・367,267・・・・・・・・・399
6・・リアル・スティール・・・・・・・・・10/12 ・・・・・・・・・・・・58,945 ・・・・・・・・・・3,521,387・・・・・・・・・303
7・・マネーボール・・・・・・・・・・・・・11/17 ・・・・・・・・・・・・39,264 ・・・・・・・・・・・・602,455・・・・・・・・・273
8・・インモータルズ・・・・・・・・・・・・11/10 ・・・・・・・・・・・・27,951 ・・・・・・・・・・1,322,363・・・・・・・・・271
     神々の戦い
9・・50/50 フィフティ・フィフティ・・11/24・・・・・・・・・・・・17,663 ・・・・・・・・・・・・100,940・・・・・・・・・158
10・・君はペット(韓) ・・・・・・・・・・・・11/10・・・・・・・・・・・・・4,234 ・・・・・・・・・・・・541,356・・・・・・・・・100
                                      ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。

 「特・捜・本」のトップは1週だけで終わってしまいましたね。
 「ワンドゥギ」が500万人を超えました。「最終兵器 弓」や「サニー」にどれだけ迫るか・・・?
 今週の初登場はめずらしく2位の「ぞっとする恋愛」だけ。原題は「오싹한 연애」なのですが、これを「不気味な恋愛」と訳すか、「ぞっとする恋愛」とするか? 関係サイトでは前者の方が多いようですが、ヌルボの感覚でとりあえず後者にしておきました。内容は、霊感があり幽霊が見えるため恋ができないヒロイン(ソン・イェジン)と、本当は幽霊が怖いのにホラーマジックをするマジシャン(イ・ミンギ)のラブストーリー。恋を邪魔するのが幽霊? ややこしい設定を考えつくもんですねー・・・。とロマンチック・コメディーとホラーの組み合わせとはねー。「朝日」の記事には「ソン・イェジン 新作映画で清純派からの脱皮図る」とありました。とっくに脱皮しちゃってるとヌルボは思ってたんですけど・・・。
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