ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

[韓国語]韓国のラジオで聴いたCMのメロディー(子供の遊び歌)は知ってたけど、歌詞が聴き取れなかった(トホホ)

2020-03-19 00:54:03 | 韓国語あれこれ
 17年9月ガラケーを失くしたのを契機にスマホに切り替えて2年半。利用の幅は多少広がったものの、あいかわらず初心者レベルです。
 韓国語関係では→コチラの記事に書いたように韓国のラジオをよく聴いています。(韓国語学習者の皆さん、スマホを活用してますか? もしかして、それってフツー?)

 その韓国ラジオで、1年以上も前からの懸案事項が先日やっと解決しました。番組の内容等ではなく、しばしば流されているCMが聴き取れず、気になっていたのがやっとわかったのです。

 そのCMは子供たちの遊び歌の替え歌なのですが、元歌の方は前から知っていました。
 まずソチラの方から聴いてみましょう。


 この歌(&遊び)は「무궁화 꽃이 피었습니다(ムクゲの花が咲きました)」といいます。見て(たぶん)おわかりのように、日本の「だるまさんがころんだ」と同じ遊びで、このハングルの字数も音節数も10なので、やはり10まで数える時に使われたりします。※実際に子供たち(&先生)が遊んでいる動画は→コチラ。なかなか楽しいです。)
 もしかしたら、1993年韓国の(100万部の?)ベストセラー小説「ムクゲノ花ガ咲キマシタ」を思い浮かべた人もいるかもしれません。金辰明(キム・ジンミョン)の小説ですが、あらすじはというと、南北朝鮮が核兵器の共同開発を極秘で進め、日本が竹島を軍事占領したのに対抗して日本の無人島に核が打ち込まれ、さらには南北共同軍が対馬や九州を占領云々・・・といったブッソウな話で、「ムクゲノ花ガ咲キマシタ」という言葉は核の攻撃のゴーサイン、というものでした。この小説は95年に映画化されました
 なお、小説の方は94年日本でも翻訳書が出ましたが、映画の方は未公開です。(やっぱり・・・。) 物語の内容をもっと詳しく知りたい方は→コチラ参照。
 あ、2017年の同タイトルの韓国ドラマもありましたね。ただし上記の小説等とは関係ない、男性&女性警官の恋愛物。ヒロインの名前が무궁화(ム・グンファ)=ムクゲで、日本では「恋の花が咲きました~2人はパトロール中~」というタイトルで放映されていました。

 さて、ここから本論に戻ります。私ヌルボが聴いてわからなかったCMはコレ👇です。
 ウェブ検索をしたら見つかったので、とくに韓国語学習者の皆さんは聴いてみてください。


 いかがですか?
 私ヌルボの基準では、初級は「意味がわかる単語がポツ、ポツと聴きとれる」レベル。中級は「ニュースや会話を聴いて、およそ何について話しているかがわかる」レベル。上級は、より細かな点までほぼ鮮明にわかり、ポツポツとわからない言葉が混じる」レベルです。(で、ヌルボ自身はかろうじて上級に引っかかる(?)レベルです。韓国語の本はけっこう読んできましたが、聴き取りに少しは慣れてきたとはいえ、まだまだ遠いです。)

 TVや映画等と比べて、ラジオの聴き取りがむずかしいのはヒントになるような映像やテロップが入らないこと。
 以前→コチラの記事で、やはりラジオを聴いていて「<パンナメ>という言葉の意味は(ほぼ?)瞬時にわかった」などとうれしげに書いちゃったりしましたが、今回はホントにわからなかったです。
 聴き取れたのは、最初の「ノーラン(노랑.노란?)」=黄色以外に、「カマソテ(가마솥에)」=釜に、「コンガンハニダ(건강합니다)」=健康です。あとは「ウェーヨ?( 왜요?)」=なんで、「ウア(우와아)」=うあ、「テーバ!(대박!)」=やったー! ・・・と、これだけ。
 最初と最後の、肝心カナメの「ノーラントンダ(ソンダ?)」からしてわかりません。
 結局は「라디오 CM 노랑 가마솥 대박」とわかっている言葉を入れて検索し、やっとこれが<노랑통닭>、つまり<黄色丸揚げ鶏>というチキンチェーン店のCMであることがわかりました。(上の画像のハングルを見れたらすぐわかるのに・・・。) しかし公式サイトに歌詞が載ってるわけでもなく、さらにいくつか別の記事を見ることになりましたが・・・。

 その歌詞全文は次の通りです。
  노랑통닭치킨 맛있습니다 (왜요?)
  가마솥에 튀겨서 바삭합니다 (우와아)
  불만제로 착한 치킨 나왔습니다 (대박!)
  염지를 하지 않아 건강합니다 (♫♩♩♩)
  가마솥에 치킨 노랑통닭 (노랑통닭)

   [訳]
  黄色の丸揚げチキン おいしいです (なんで?)
  釜で揚げて カリッとしています (うあ)
  不満ゼロ優しいチキン 出てきました (やったー!)
  塩漬けしないで 健康です。
  釜揚げチキン ノーラントンダ (ノーラントンダ)


 なぜすぐわからなかったか、以下自己分析。
・통닭の最後のㄱが聞こえなかった。カタカナで<トンダ>程度にも聞こえればわかったのに・・・。ずっと以前ネイティブの韓国語の先生に、「歌の始めに、日本だと「サン、ハイ」というのを韓国では「シージャ」と言ってますが「シージャク(시작)じゃないんですか?」と質問したことがありました。すると「口の奥でㄱ(k)と言ってますが구(ku)じゃないので聞こえないのです」と説明してくれたのを憶えています。今聴き直すとㄱが聞こえるような聞こえないような?? しかしテーバのㄱも同じなのに、なぜかソチラはわかったんだよねー・・・。
 日本語でも、「ウーッ、からい!」「シッ、静かに!」と言う時は無意識に前者の<ッ>はk、後者の<ッ>はtをつけて発音していて、<ッ>抜きの「ウー」や「シ」だとちょっと違うゾ感はあるんですけどね。
・치킨(チキン)がメロディーに合わせて「チーキン」と長く発音されていたので意味がわからなかった。
・初級レベルの맛있습니다(マシッスニダ)も、<シ>が<ジ>に聞こえてしまった。後の方の<チーキン>も<チーギン>と聞こえた。
 ・・・うーむ、まだまだ修行が足らんなー。

 以上、ずいぶん時間が(日数か)かかってしまいましたが、わかってよかったです。ことのついでに、韓国で「おいしいチキン専門チェーン店ベスト10」といった記事も読んだし、今度韓国に行ったらそんな店に入ってみようという気になりました。ハハハ。
 (ジツは、まだよくわからないラジオCMがあるんですよねー・・・。)
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[韓国語]「パンナメ」と聞いて自然に意味がわかるまで、ふつう何年かかるのだろう?

2018-11-26 16:04:47 | 韓国語あれこれ
 10日ほど前、スマホで韓国SBSラジオをなんとなく聴いていました。
 すると、「釜山で<○○パンナメ>が開かれる」というCMが耳にとび込んできました。
 この<パンナメ>という言葉の意味は(ほぼ?)瞬時にわかったのですが、そのことは私ヌルボとしてはとてもウレシイことでした。
 この言葉、たとえば韓国語中級以上のレベルの学習者の皆さんはどれくらいわかるでしょうね? その意味は後述しますが、ヒントは日本でもふつうに用いられている漢字3文字の熟語です。

 私ヌルボ、これまで韓国の小説(原書)関係の記事も書いたりしてきました。しかし、会話やリスニングは苦手で、とてもペラペラにはほど遠いレベルです。映画やドラマなど、内容はほぼわかっても、セリフが丸ごとそのままわかるわけでもないので、字幕がないと細部はとてもわかりません。
 その理由は、元々頭脳が語学習得に不向きということは措くとして、韓国語学習も昔の英語学習と同じような読解中心の学習を中心にしてきたからです。
 本気で韓国語に取り組み始めたのが1990年前後。しかし読解だけの学習に限界を感じてハングルサークルに入り、それなりに進歩してきたとは思います。韓国に旅行しても、言葉の点では中級レベルでもほぼOKだし・・・。しかしそれが自分を甘やかすことになり、今世紀に入ってからもリスニングに本格的に取り組むこともありませんでした。
 ところが昨年9月ガラケーを失くしたことを契機にスマホに切り替え、日常的に韓国語のリスニグができるようになりました。もっと早くからスマホにしていれば、と思っても後悔先に立たずです。
 そんなこれまでの個人的事情があった上での<感激>だったというわけです。

 さて、<パンナメ>の意味がわからないという韓国語学習者の皆さんへ。
 少し簡単なとこから考えてみましょう。
 では、<キメ>はわかりますか? 地名(市名)です。空港がある所なのでご存知の人も多いでしょう。正解は金海(←範囲指定すると見やすい)。<김(キ.金)>と<해(ヘ.海)>を組み合わせると韓国語では<ㅎ(h)>の音が日本のハ行のh音ほど強くないので、日本人の耳には<キメ>と聞こえます。※コメント欄を参照のこと。
 同様に<ナメ>と言えば南海ですね。
 韓国特産の小ぶりの瓜を<チャメ(참외)>と言いますが、これが<참(チャ.真の)><외(ウェ.きゅうり)>を合成した言葉であることは→コチラの記事で書きました。
 ついでに<ㅁ(m)>音以外も少し見てみましょう。
 <チペ>と聞こえる言葉が何かわかりますか?
 これは집회(集会)です。<ㅂ+ㅎ>→<ㅍ>となって<지푀>という発音になります。

 では次の問題。<トンニプ>とは何のこと?
 これは独立(독립)が正解。パッチムの<ㄱ>が<ㄹ>につながる場合、<ㄱ>は<ㅇ>に、<ㄹ>は<ㄴ>に変わって<동닙>という発音になります。
 <独立門>だとどうなるか? これは先々週現地で撮った地下鉄・独立門駅の表示(右画像)を見てください。

 ・・・上記のような、リエゾンが1つの場合はまだいいですが、<独立門>のように2つ続くと聴いてすぐわかるかどうか、私ヌルボもあまり自信はありません。

 やっと冒頭に戻って<パンナメ>。
 正解は博覧会(박람회)です。
 <博覧(박람)>は、<ㄱ>が<ㅇ>に、<ㄹ>は<ㄴ>に変わって<방남(パンナ)>という音になり、その後に続く<회>の<ㅎ>音が弱いため<방나뫼(パンナメ)>と聞こえるのです。
 日韓共通の漢字語は膨大と言っていいほどたくさんあり、その発音がまったく同じorほとんど同じものも多数あります。ところが「はくらんかい」と「パンナメ」は大違いで、まさか同じ漢字語とは思えませんね。
 私ヌルボ、これらのことは、たとえば筆記試験だったらわりと前(10数年前?)でもできたかもしれません。(ホントか??) しかし聴いてすぐわかるレベルではありませんでした。それが今聴き取れたということで、上述のように「感激した」というわけです。

 しかし、フツーの韓国語学習者の皆さんの場合、学習歴何年くらいでこの<パンナメ>が自然に聴いてわかるようになるのでしょうね? 全然見当がつきません。

※「○○パンナメ」とは、具体的には11月23~25日BEXCO(釜山国際展示場)で開催の「부산건축박람회(釜山建築博覧会)」のことでした。

★「パンナメ」について書かれた他のブログ記事2つ

 ・→ ほろ酔いハングル ・・・・簡潔にして要を得た記事。能力試験の聞き取り問題に出たのか?
 ・→ まみんのブログ ・・・・記事のタイトルが「韓国語中級〈ヒアリング〉」か。うーむ、そうでしょうけど・・・。バラエティ番組やドラマの視聴を薦めていらっしゃって、それはよーくわかるのですが、「大事なのは毎日少しでも聞くこと。たとえ10分でも2~3か月続けると、ある日突然半分以上聞き取れるようになります」とは! 絶句(涙)・・・。

★ちょっと関連の過去記事
 → 972kHz 韓国 KBS社会教育放送の思い出 ★「キミルソン」と「キリムソン」
コメント (4)
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2019年度修能(18年11月実施)の第二外国語・日本語の問題  日本人でも満点取れるか、今回も疑問

2018-11-23 23:53:26 | 韓国語あれこれ
 私ヌルボ、先週3泊4日でソウルに行ってきました。11月13~16日です。その3日目、15日(木)に2019年度修学能力試験が実施されました。試験当日にソウルにいるのは初めてのことです。たまたまホテル近くにある校洞(キョドン)初等学校も会場になっていたので朝ちょっと行ってみましたが、その件については(たいした話はないのですが)別記事にします。

 さて、その試験問題は全科目とも→コチラの連合ニュースのサイトからダウンロードできます。
 その<5교시(5校時)>が<제2외국어/한문(第2外国語/漢文)>で、その中に「日本語」があります。→コチラから直接そのPDFファイルを開くことができます。

 本ブログでは、2009~15年の修能・日本語の問題についての記事を載せてきました。
 16・17年がないのは、例年出題傾向がほぼ同じで、記事として新鮮味に欠けると思ったからです。しかし、日本のセンター試験の英語や、韓国語の問題のように面倒な長文読解や難解な文法問題がなく、日本の生活・文化・社会の理解にもつながる、総じて良質の問題だという見方は変わっていません。
 で、今回もとくに大きな変化はありませんでした。「ほぼ同じ」と言えば、日本人にとっても正解がよくわからない問題が1つ2つあることもいつものことで、今回もそんな問題がありました。その2問をコピペしましたので、いかがなものか、考えてみてください。
 「下線部分の表記が正しいものは?」という問題です。
 ①~③は、日本人のほとんどは難なくできますよね。
 ところが私ヌルボ、④で「ん?」と止まってしまいました。もちろん、現在の送り仮名の付け方では「新しい」が正しいとされていることは承知していますが、かつては右の画像のように「新らしい」という表記もわりとふつうにあったし、今も時おり目にすることはあります。
 ということで、ちょっと保留にしておいて、次の⑤をみると「いっしょうけんめい」。これは問題なく正しいだろうと思う人が多いでしょうが、一生懸命という言葉は本来的には一所懸命(いっしょけんめい)から生まれた言葉ということをご存知の方も相当数いらっしゃるとおもいます。一所懸命とは、中世の武士たちが将軍から賜ったり先祖代々伝えられている所領を命懸けで守ることに由来する言葉で、その<一所>が<一生>に転訛して<一生懸命>になったというわけです。
 今は<一生懸命>の方を新聞やTV等で用いるようになり、一般社会でも大多数の人が使っています。また、ふつうの辞典では<一所懸命>と<一生懸命>のどちらも正しいとされていますが、かつては「一生懸命は一所懸命の誤用」と記されているものもあったとか・・・。(もしかして、今もあったりして・・・。←未確認。)
 ・・・と、「<新らしい>でいいじゃないか」とか「<一所懸命>が正しい」といった昭和前期までの日本語感覚をお持ちの方は正答のではなく、④を選んでしまいそうです。
 なお、例年同種の問題が出題されています。つまり母音の長短とか、清音・濁音・半濁音の区別といった韓国人の苦手な発音に関係する問題です。とすると、①~⑤の中で④だけがそれらの発音とは関係ない選択肢なので不自然だなと思いましたが、考えてみれば発音の問題というよりも、正しい日本語表記の問題ということなんですね。

 次の問題は、上掲のものよりもむずかしいかもしれません。
 「文章表現が正しいものだけをそのまま選んだものは?」という問題です。
 a.は、2014年11月の試験で同形式の問題があり、またその中によく似た選択肢がありました。
 「日本に来たところなので、まだ日本語が下手です。」というもの。これも実に紛らわしいですね。答えをみると、これは誤りになっていました。
 b.は、正しいとみてよさそうですね。
 問題はc.。たぶん敬語を使うかどうか、というあたりを問うているのかな? しかし「鈴木さん」がどういう人かにもよるし、この一文を誰に対して言っているのかによっても違ってくるのでは?
 私ヌルボ、全然自信ナシ。というより、わからず。正答を見ると、になってました。ということは、c.は誤りということなのか、ふーん・・・。

 最後に、2009~15年の修能・日本語についての過去記事のリンクを貼っておきます。
 ※年の後の×印は、日本人にとっての(大雑把な?)難易度。2010年の問題は今も正答がわかりません(笑)。

2009年

2010年 ×××

2011年 ×

2012年 ××

2013年 ×

2014年 ×

2015年 ××


★おまけ。次の6.ような、日本語と関係ない、日本についての知識・教養を問う問題もありました。6.は「(  )にあてはまるものを選べ」、7.は「文章の内容からわかることは?」という問題です。
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[中級学習者向]韓国語の勉強になる! 韓国人用の日本語旅行会話帳

2018-07-15 23:47:47 | 韓国語あれこれ

 上は、何年か前にソウル・金浦空港内の売店でたまたま見かけて買った韓国人用の観光用日本語会話ブック「여행 일본어(旅行日本語)」です。その上の「현지에서 바로바로 써먹는」は、「現地で即利用する」といった意味。2009年8月発行で、値段は7千ウォン。ラクにポケットに入れられる小型本です。

 なぜこれを買ったかというと、自然な韓国語がわかるかなと思ったからです。
 [韓国語]→[日本語]の文例がたくさん載っているわけですが、日本語が堪能な韓国人が書いたとしても、見てみると不自然な日本語が目につくのはこれまでよくあることでした。
 しかし、[韓国語]の部分は日本人が書いた韓国語会話の本よりも自然な韓国語になっているのでは?、と思ったからです。

 で、実際に見てみると、「案の定」でした。

 たとえば、不自然な日本語を拾ってみると・・・。

     
 [左]上はどういう状況? 下、わかるけど「どこで降りたら(れば)いいですか?」が自然。[右]「あと1駅(ひとえき)です」とは言っても、5駅とは言わないでしょう。
 なお、「停留所」の日本語の発音のハングル表記は「테-류-죠」となっています。このように、長母音の場合は「-」をつけて区別しています。

     
 [左]下は明らかな間違い。ちゃんとチェックしなかった? 上も「知って」→「うかがって」でしょう。[右]韓国語だと「이 방이(この部屋が)ですが、日本語だと「この部屋は」。初~中級くらいで学習するのでは?

     
[左]「回」も「会」も同じ「회(フェ)」だから間違えちゃった? 日本語もぎこちないなー。「行きませんか?」なんですけど。この「~래요?」については後述。[右]「申告書はここ(これ)です」は、韓国語ではこういうのか。
 ・・・というわけで、間違いには韓国語の直訳というものが多いようです。ということは、日本人の話す韓国語にも同様のミスがあるってことですね。

 次に、韓国語のモトの文を見て思ったのは、日本人向きの韓国語会話テキストと比べると文末の表現がいろいろあること。たとえば・・・

     
 このような「~ㄴ가요?」とか、

     
 このような「~나요?」といった文末表現はたしかに韓国のラジオを聴くとよく出てきます。日本の韓国語テキストは昔はほとんど「입니까?」「합니까?」ばかり。近年は「헤요?」「예요?/이에요?」もずいぶん増えましたが・・・。
 ちなみに、google翻訳では「料金はいくらですか?」は「요금은 얼마입니까?」、「朝食は何時ですか?」は「아침 식사는 몇시입니까?」、「改札口はどこですか?」は「개찰구는 어디에 있습니까?」と、おなじみのイムニダ・ハムニダ体で変換されます。

     
 「買いたいのですが。」なら「사고 싶은데요.」だろう、と思うのはgoogle翻訳も私ヌルボも同じなんですけど・・・。そうか、「려고요.」ねー。「~(し)ようと(思って)・・・」ということですが、先の「~ㄴ가요?」、「~나요?」同様、当たりの柔らかい感じがしますが、ずっと以前からそうなのか、「~같아요」のように(→コチラ参照)最近増えてきているのか、そこらへんはよくわかりません。(今度韓国サラムに訊いてみよう、と・・・。)

 韓国語学習者にとって役に立つのは、韓国語独自の言い方や単語がいろいろわかることです。その例を少しだけ例示します。

     
 [左]「神経使わないでください」。まあ直訳でも通じないでもないし、日本人もこう言うことはありますけどね。[右]「海に接した」というのか。これは知らなかったです。窓を開けたらすぐ下が海!という感じですね。

 
 [左]「날라」を「飛ばして」と思っちゃいそう。「飛ばして」だと「날려」となります。その辞書形はもちろん「날다」。この「날라」の辞書形は「나르다」で、「運ぶ・運送する」の意。[右]「리필」は韓国のファーストフード店等でよく見かける言葉ですが、韓国語学習者の皆さんの間でどれくらい知られているか見当がつきません。英語の「refill」(=補充)がモトの言葉です。

 いよいよラスト。ジツはこれが書きたかった!

 空港での会話。日本語では何というのですかねー? コンベア(?)の、第○レーンとか?
 しかし、「크레인」といったら「起重機」でしょ。英語だと「Baggage Claim」だそうで、それなら「클레임」のはず、と思ってハングル検索したら、やはりそちらの方が合ってます。と言っても、ヒット数が少ないのでさらにろいろ検索したところ、「짐 찾는 곳」(荷物を探す所)が公式の言い方なんですね。仁川空港の表示もそのように記されてます。
 実際に韓国の人たちがこの言葉をふつうに使っているかどうかはわかりませんが・・・。

 なるほど、ハングルサークルのN先生の、「韓国人が書いた韓国語でも必ずしも正しいとは言えない」という言葉通りでした。

 しかし、最初にずらっと並べた不自然な日本語も含めて、いろいろ勉強になる本でした。
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[韓国語] 참(チャム=真の)のつく言葉 ③自然や風土、生活や文化などから生まれた言葉。そこに韓国の特色も・・・。

2017-07-29 23:39:33 | 韓国語あれこれ
 → <참(チャム=真の)のつく言葉 ②日本語だと「本~」とか「真~」。とりあえず分類してみました。>

 まず、前回の記事のリスト中日本人でもナットクできるものを拾ってみます。

 참가자미(マガレイ)참돔(マダイ)はそのまんま、日韓共通。
 참개구리(トノサマガエル)も異論はないですね。しかし日本のトノサマバッタは韓国では풀무치。単に「草に埋もれている」という意味で、なんか素っ気ない感じです。
 참매미(ミンミンゼミ)참새우(クルマエビ)もまあいいか。対抗馬のクマゼミ말매미(馬ゼミ)イセエビは、韓国人が日本に来て初めて知るというくらいだから勝負になりません。

 逆に、日本人にとって疑問に思う言葉は、そこに韓国の自然・文化等の特色が読み取れたりするので興味深いところ。
 まず、참새(スズメ)참치(マグロ)참나무(クヌギ等)참꽃(ツツジ)等に鳥や魚や木や花を代表させていいのか?(怒)
 スズメなんか威厳はないし、数をたのんだ烏合の衆だし(・・・ってあれはカラスか)、まあ「舌切り雀」みたいな昔話で親しまれて・・・は日本か、韓国では「フンブとノルブ」・・・あれはツバメだったか、まあそれだけ韓国でもごく一般的ということでしょう。
 それよりも注目は참나무(クヌギ等)。もし日本で「真の木」を選ぶとしたら何になると思いますか? サクラ? あれは花がなければナンボのもんじゃいという木です(笑)。あ、葉っぱは桜餅に使うか。樹皮も趣きがあるな。ゴメンゴメン。
 閑話休題。古語にまさに「真木(まき)」という言葉があります。三夕の歌の1つ、寂蓮の「(前略)まき立つ山の秋の夕暮れ」という和歌のまき(真木)です。百人一首にもあったな。(「村雨の~」) 意味は「ヒノキ、スギ等の常緑針葉樹の総称」「良材となる木」。家屋にも、さまざまな家具や道具等に広く用いられてきました。
 ところが韓国にはスギは元々ないし(ヒノキも)、主な建材はマツ。ただ気候風土のこともあって韓国の家は石や土が重用されてきたことも日韓の大きな違いです。(最近日本のヒノキが好まれているとのニュースもある。) ・・・ということもあって、참숯(堅炭)や船の建材等多くの用途があるクヌギが木の代表となっている、ということなのかな?
 참꽃(ツツジ)の참は、진달래(ツツジ)の仲間の代表なのかと思ったら「食べられる花」なんですね。春先に화전(ファジョン.花箭)=季節の花を飾るチヂミを作って食べる習俗があるそうです。→コチラや→コチラの記事と写真参照。なかなか見た目もキレイです。ただ、これも참の字がつくからには食べられないものが一方になるということ。毒性の強い철쭉(クロフネツツジ)がそれ。本当に見分けがつきにくいというか、私ヌルボはわかりません。

 참고래(セミクジラ)というのもなぜが付くのかよくわかりませんが、捕鯨の歴史を見るとセミクジラはかつて日本や朝鮮半島の沿岸からも見られるほどの近海にも出没し、遊泳速度も遅いため近世末までは捕鯨の絶好の対象として乱獲されたとのこと。つまり(日韓とも)一番身近なクジラだったということだそうです。しかし20世紀初頭にはすでに絶滅寸前の状態で、現在は絶滅危惧種になっています。(※和名セミクジラは背中の曲線の美しさに由来する背美鯨から。)
 しかし、今クジラの代表格はなんといってもシロナガスクジラですよね。セミクジラを참고래とよぶのはおもしろくないかもしれません(??)が、シロナガスクジラには대왕고래(大王クジラ)という立派な韓国名が与えられています。歴代国王中1番人気の世宗大王と同格です。文句のあろうはずはありません。
 ことのついでにダイオウイカもそのまま대왕오징어です。ただ、참게(チュウゴクモクズガニ)に対してタラバガニ왕게(王カニ)と대(大)の字が付いていないのはちょっとシコリが・・・。(カニのシコリでなくヌルボのシコリ。)
 それよりも、カワイソーなのはイルカ(돌고래)で、これはなどという「動植物の悪い品質や野生の物を表わす接頭辞」がつけられています。(肉が不味いからかな?)

 ここで話は前回の記事の分類表に戻ります。
 表では、참の付く言葉をとりあえず4種類に分けました。
 しかし、もう1つ別の項目を立てた方がよさそうなのです。

 3ヵ月以上も前ですが、4月6日付「朝鮮日報」を観ていたら下画像のような全面広告がありました。(下左)
      

 Eマートの「国産の力! 5大水産物企画展」です。そこで塩引きのサバ、済州のギンタチウオ、活アワビ、イカとともに全羅南道・霊光(ヨングァン)の참굴비(チャムグルビ)というのがあります。(上右)굴비(クルビ)조기(イシモチ)の干物でなぜか韓国では高級な食材で、霊光はその特産地として知られています。では참굴비とは何か?
 以下は→コチラの記事(韓国語)の要約です。
 珍島の南(済州島の北)に位置する楸子島(チュジャド)近海はイシモチ等の良い漁場ですが、島内には加工の技術や作業場が不足していたため以前から霊光方面にそのまま供給してきました。ところが2003年に加工工場が造られてクルビの生産が始まり、翌年にはEマートと提携して<楸子島クルビ>という独自ブランドで製品を供給するようになりました。そして2008年から<楸子島チャムグルビ祭>が開催され、チャムグルビを目玉に観光にも力を入れ、実際に観光客も多数訪れるようになったとか。2013年には下画像のような造形物も設置されています。

 本題に戻ります。このチャムグルビという言葉は、上記のように産地の楸子島関係者(と、たぶんEマート)が商品の販路拡大と観光の振興を図って新たに創ったものです。もちろん、クルビにチャムを付けることによって「ココが本家本元!」というイメージを喚起させようというねらいです。
 前回の記事で「本マグロ・本醸造・本瓦・ほんだし」の「本~」をきちんと分類・説明するとなるとむずかしい、といったことを書きました。その中に「ほんだし」がありますが、これは味の素の商品名です。やはり「ほん」によるイメージアップを図ったものです。同類のものとしてはフジパンの食パンの商品名に「本仕込」というのがあります。先の分類の【Ⅱ】で「品質が優れている」等の説明を書きましたが、今このような言葉のプラスイメージを利用して商品名・ブランド名にするという例は、日韓ともに探せば他にもあると思われます。というわけで、これが新項目です。
 あ、そうそう。その代表とも言うべき商品名を1つあげておきます。辞書には載っていませんが、日本人でも多くの人が知っている商品名です。
 韓国焼酎といえばまずこの참이슬(チャミスル)  이슬=露。ということは、あの真露(진로.JINRO)をただ固有語に置き換えただけ。しかし참の語感も幸いしてか大ヒットし、今も圧倒的なシェアを誇っています。
 ・・・とオチがついた(?)ところでタラタラ続いた記事もようやくオシマイ。


 今回もしつこくオマケ画像。7月25日付「朝鮮日報掲載の「春のメイタガレイとヨモギの汁に負けない夏の東海(日本海)のマガレイの刺身(봄 도다리쑥국 못지않은 여름 東海의 참가자미회)」という記事です。(その記事は→コチラで読めます。(韓国語))
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[韓国語] 참(チャム=真の)のつく言葉 ②日本語だと「本~」とか「真~」。とりあえず分類してみました。

2017-07-29 21:12:40 | 韓国語あれこれ
 → <참(チャム=真の)のつく言葉 ①チャメ(참외.韓国のマクワウリ)は「真の、何なの?」>

 先の記事では참(チャム.真の)の付く単語が相当数あり、チャメ(참외.マクワウリ)は真のキュウリ(오이)の意味だといったことを書きました。今回はその他の참がつく言葉を見てみます。
 しかし、主だったものを無原則的に列挙してコメントを加えてもとりとめがなくなるので、<国立国語院:標準国語大辞典>と<NAVER辞典>(共に左のブックマークの中にある)を参照し、韓日辞典でわりと一般的な例を集め、さらに私ヌルボの独自アレンジを加えて分類・作成した表をまず提示しておきます。
    
【Ⅰ】 倫理性・誠実性・事実性等にかなっている。
 ・참사람
 ・참사랑
 ・참교육자
 ・참말
 ・참뜻
 ・참모습
 真人間
 まことの愛
 真の教育者
 本当のこと[話]
 本当の意味
 本当の姿
 사람=人
 사랑=愛
 교육자=教育者
 말=言葉
 뜻=意味
 모습=姿
【Ⅱ】 「本来」のもの。品質が優れている。正統な製法・材料等により作られている。
 ・참먹
 ・참숯
 ・참흙
 ・참기름
 ・참젖
 ・참젖(新語)
 上質の墨
 堅炭
 よく肥えた土
 ゴマ油
 母乳
 豊胸をしていない胸
 먹=墨
 숯=炭
 흙=土
 기름=油 ※エゴマ油(들기름)と区別。
 젖=乳 ※牛乳(우유)等、他の動物と区別。
 젖=バスト ※의젖(擬胸)と区別。
【Ⅲ】 主に動植物で、一般的でなじみがあり基本的とされる。
 ・참나무
 ・참깨
 ・참나리
 ・참외
 ・참매미
 ・참벌
 ・참새
 ・참매
 ・참개구리
 ・참치
 ・참가자미
 ・참복
 ・참돔
 ・참오징어
 ・참고래
 ・참새우
 ・참게
 クヌギ等ナラ科の樹木
 ゴマ
 オニユリ
 チャメ(マクワウリ)
 ミンミンゼミ
 ミツバチ ※꿀벌の方が一般的
 スズメ
 オオタカ
 トノサマガエル
 マグロ
 マガレイ
 トラフグ
 マダイ
 コウイカ(スミイカ)
 セミクジラ
 クルマエビ
 チュウゴクモクズガニ
 나무=木
 깨=ゴマ ※エゴマ(들깨)も含む。
 산나리(ヤマユリ)等と区別。
 외(오이)=キュウリ
 매미=セミ
 벌=ハチ
 새=鳥
 매=ハヤブサ
 개구리=カエル
 치は魚の名によく用いられる音。
 가자미=カレイ
 복어=フグ
 도미=タイ
 오징어=イカ
 고래=クジラ
 새우=エビ
 게=カニ ※日本では上海蟹の名で知られる。
【Ⅳ】 食べられる。
 ・참꽃
 ・참배
 진달래(ツツジ)の異称
 食用の梨(배)
 ※韓国ではツツジの花を食べる習慣がある。
 マメナシ(똘배)等の食べられないナシと区別。

 基本的なことですが、참がつく言葉は、その反対に、似て非なるものがあるということ。ソチラは概して低く見られることになります。もちろん人間(ここでは韓国人)の勝手な尺度ですが。

 そして表中の「マガレイ」等のように、この<참~>という接頭辞は日本語の<真(マ)~><本~>に相応します。

 これらの単語を個別に見ると分類に迷うものもあるし、分け方自体にも問題はあると思いますが、まあ先に言葉ありきで、上のような分類は後付けですから2項目にまたがるのもそりゃああるでしょ・・・。(←ウヤムヤ化) また日本人でも「本マグロ」「本醸造」「本瓦」「ほんだし」「本~」をきちんと分類・説明するとなるとむずかしいと思いますよ。(←イナオリ化) ということでかまわず先に進みます。

 ・・・と思ったところで、この後も(例によって)延々と続くので、とりあえずここまでにして後は続き。上掲の分類表はその前提で、<本論>ではここから韓国の自然・文化等が何かしら読み取れるのでは?ということ等を考えてみます。
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[韓国語] 참(チャム=真の)のつく言葉 ①チャメ(참외.韓国のマクワウリ)は「真の、何なの?」

2017-07-20 22:49:30 | 韓国語あれこれ
 毎年5~8月には<近所のスーパーでチャメ(韓国のマクワウリ)発見! さっそく食べてみました。>という記事(→コチラ)へのアクセスがぐんと増えます。
 横浜在住の私ヌルボが近所のスーパーで売られていたチャメを買って食べ、この記事を書いたのが2014年7月。その後そのスーパーでチャメを見ていないのはちょっと気になるところです。やっぱり、日本では1960~70年代にプリンスメロン、そしてアンデスメロンが登場して以来甘くてやわらかくて、ジューシーなメロンが席捲して今に及んでいるので、ちょっと歯ごたえがあって甘さもイマイチのチャメはなかなか浸透しにくいのでしょうか?
 また上記の記事ではチャメ(韓国のマクワウリ)と書いたものの、マクワウリが夏の店頭でふつうに見られた頃から半世紀以上経った現在、マクワウリを知らない40歳代もめずらしくはなくなってきたようです。

 やっと本論。チャメはハングルでは참외と書きます。漢字語ではなく、固有語のを組み合わせた言葉です。
 「真の」という意味で、初~中級レベル(←たぶん)ではたとえば次のような単語があります。
 ・참새=スズメ  ・・・真の새(鳥)
 ・참기름=ゴマ油  ・・・真の기름(油)
 ・참치=マグロ  ・・・魚は물고기(←生物として)または생선(←食材として)といいますが、個々の魚の名はさまざま。その中で1番多い(約18%)のがが付く魚갈치(タチウオ)・꽁치(サンマ)・멸치(カタクチイワシ)・날치(トビウオ)・넙치(ヒラメ)あたりが中級の上レベルの語彙かな? というわけで、참치も一応は真の魚といった意味。

 したがって、참외の場合も真の외ということ。ではとは何か? 実は私ヌルボ、わりと最近までなんとなく참외を「真の瓜」だと漠然と思い込んでいました。ところが、ちゃんと辞書を引いてみると次のように記されています。
 「오이の縮約形:キュウリ(胡瓜)。」
 なんてこった! なるほど、をつづめて書けばたしかにだ。

 つまり、참외真の외[오+이](キュウリ)ということ。

 なあんだ、初級レベルでキュウリ=오이と教わった時に言ってくれればよかったのに・・・。テキストで読んだ憶えもないな。
 いやいや、韓国サイトをいくつか見てみると、韓国人でも참외の외が実は오이ということはそんなに知ってるわけでもないみたいだゾ。

 ・・・というわけで、このネタはここで一応オシマイなんですが・・・。

 ことのついで。その1です。
 ウリ科植物박과식물
 「ユウガオ;フクベ;ヒョウタン」です。
 ここで思い出す単語が次の2つ。
 ・수박=スイカ
 ・호박=カボチャ

 수박の「수」「水」のこと。水分が多いからで、英語でもwatermelonですね。
  [7月21日の追記!] この「수」=「水」説については、そういう俗説はあるものの「疑問あり」です。詳しくはコメント欄参照。
 호박の「호」は漢字だと「胡」。この字は西アジア・中央アジア方面から中国に入って来たことを意味しています。胡麻・胡椒・胡桃(クルミ)等々、みんなそう。食品関係以外では、李白の漢詩「少年行」に胡姫という言葉があります。つまり西アジア系の女性。きっと胡坐(あぐら)をかいて座っていたのでしょう。(アラビア等では正式な座り方だとか。)
 ところが、日本では漢字で胡瓜と書けばもちろんキュウリのこと。スイカ西瓜カボチャ南瓜です。
 ちなみに中国語でも西瓜と南瓜は日本と同じ漢字。ところがキュウリは黄瓜と書くそうです。何十年も前に話をした香港人は青瓜だと言ってましたが・・・。(どっちでもいい?) なんで日中韓3ヵ国でビミョーに違うんでしょうね? (この件だけじゃないけど。)

 ことのついで。その2です。
 호박색といえば琥珀色のこと。つまりカボチャも琥珀も호박です。
 호박색のウイスキーを「カボチャ色の~」と誤解しないように要注意!(・・・って言わずもがな、か?)

 ことのついで。その3です。
 今年4月28日の「朝鮮日報」に<오이가 싫어서…(キュウリが嫌いで・・・)>という女性記者のコラムが載っていました。(→コチラ。→google翻訳。)
 それによると、FACEBOOK内で<キュウリ嫌いの会>ができてわずか1ヵ月で加入者が10万人近くにもなったとか。記者自身幼い時から数m離れてもその「異臭」に気づくほどのキュウリ嫌いで、小4の時にはそれが原因でガールスカウトをやめたとの体験を書いています。
 日本にももちろんキュウリ嫌いの人はいて、そんな人が書いた<きゅうり社会の否定論>(→コチラ)の記事はとても説得力があります。「きゅうりが好きな人は塩と味噌などの、きゅうりにつける調味料と食感が好きなだけなんです」とか、「きゅうりと呼ばれる食材は、世界で一番栄養素が無い食材としてギネスに登録されており、きゅうりから摂取できるカロリーより、消化に使うカロリーの方が大きいとのこと」とか・・・(笑)。
 なお、この筆者もそうですが、キュウリが苦手な人はメロンもダメという人が多いそうです。
 「おまえ、食わず嫌いだろ」と言って無理に食べさせるのも本人にとっては拷問に等しいというのはその通りだと思います。遺伝子のせいという説もあるようだし・・・。うーん、かわいそうになーと思うばかりです。

 話が広がってしまいましたが、続きは참외以外の참が付く言葉と、それらについての考察(?)です。(まあ1週間以内には・・・。)

★しつこく、オマケ画像
      
【日本のマクワウリ(左。2010年8月徳島県のスーパーで)と、韓国のチャメ(2014年6月ソウルの清涼里駅前。)】

 これでは大きさ違いがよくわかりませんね。左のマクワウリは黄色が薄い感じ。(実際に薄かった。) それにしても、チャメがひと山で2千ウォンとは安い!
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[韓国語]KBS1TVのクイズ番組ウリマルキョルギ(対抗戦)を見る ①「水を注ぐㅈㅈㅈとは?」

2017-07-06 00:30:06 | 韓国語あれこれ
 KBS1TVで2003年6月から続いている<우리말 겨루기(韓国語対抗戦)>というクイズ番組があります。毎週月曜19:35~20:25放映の50分番組です。
 タイトルに「우리말(ウリマル)」とあるように、クイズといっても韓国語に関する問題ばかり。2人1チームで、計4チームの対抗戦です。
 予備試験で選抜された一般人出場者が対決して、最後の1人を選んだ後、この1人が<韓国語の達人>に挑戦する方式。これまで47人が達人になっているということは、年間3~4人くらいですね。現在、達人になったら賞金が3千万ウォンもらえるとか。(ただし10%は恵まれない人のための奨学金として控除される。)

 その問題は、視聴者も楽しめるように工夫されていて、たぶん日本の韓国語学習者(中級以上)にも勉強になるのでは、と思って私ヌルボ、6月19日の第672回というのを見てみました。以下、その内容を紹介します。

 その番組をリアルタイムで見るには、<KBS Able>(→コチラ)から。これは登録等は不要でそのまま視聴できます。
 ただし過去の回を見る場合には登録が必要です。私ヌルボが登録したのはずーっっと前なので方法を忘れてしまいました。(最近のことでもすぐ忘れますが・・・。) とりあえずは→コチラを参照してください。
 
 私ヌルボが今回見た6月19日の回も、放映から10日ほど経ってから見たものです。その手順を書いておきます。
①まず→<KBS>のサイトを開く。
②画面の上の方の<편성표(編成表)>をクリックすると、→<編成表>の画面が現れます。
③左端のタテの帯の最上段の<KBS1TV>をクリックすると、→<KBS1TVの1週間の番組表>が現れます。
④画面中央が本日の番組表。本日が月曜でなければ、上部のバーから(월(月))の日を選び、クリックすると
<月曜日の番組表>の画面になります。
⑤その画面を下にたどると19:35のところに<우리말 겨루기>のワクがあります。そこをクリックすると・・・。
⑥ようやく出てきた→この画面
 この女性が司会進行のKBS厳智仁(オム・ジイン)アナです。他番組でも見た覚えがあるような・・・。
 この画面上段の<방송보기>そして<다시보기>を続けてクリックし、見たい回をクリックして、やっと番組が見られることに。(やれやれ。)

 さあ さっそく第1問から行くぞっっ!
 お父さん(54)と娘さん(20)。最初の指名回答者です。
 「나르다」から連想される言葉で、子音が「ㅅㄱㄱ」という順の3音節の言葉は? という問題。しかし「나르다」の意味は何だっけ? そうか、「運ぶ」「運搬する」だったか、そうそう。(心もとないヌルボ。) 厳智仁アナ、「荷物を・・・」とか「人を・・・」とか助け舟を出しますが、結局10秒内で答えられずタイムアウト。他チームに回答の権利が移ります。
 15歳というから高1(かな?)の孫娘と来たおばあさん(68)が正解しました。その正解とは・・・。
 なにっ、승강기(昇降機)だって!? こんなのわかるわけが・・・。(怒) 韓国でもふつう엘리베이터(エレべーター)でしょ。・・・って승강기もけっこう使ってるか。

 気を取り直して次の問題。
 兄(27)と妹(25)。眼鏡の趣味も同じだし、仲の良さそうな兄妹でけっこうです。で、問題は・・・。
 「어려운 고비」を意味する、子音が「ㅊㅅㅁㄱ」の4音節の言葉は?
 「苦しい山場」か。これは私ヌルボ、最初から思考放棄。考えてもわからないということを即座に察知しました。
 お兄さんが見事正解。 「천신만고(千辛万苦)」ですと。
 四字熟語なら日韓共通のものを出題してくれないと・・・。

 そして第3問は・・・。
 義理のお母さん(72)と娘婿(44)というチームです。
 問題。「힘을 합하다」の意味で、子音が「ㅅㅅㅇㅂ」の言葉は?
 「力を合わせること」か。ふむふむこれは、えーと・・・。
 正解したのは第1問で答えられなかったお父さん。
  「십시일반(十匙一飯)」がその正解。
 十人が一匙ずつの飯を出し合えば一人分の飯になるという意味。大勢で助け合おうということです。

 実は私ヌルボ、この言葉を書名にした漫画のアンソロジー(創批発行)を以前読んだことがありました。(右画像。) それは「십시일と意図的に最後の漢字を変えていましたが、その時にこの四字熟語を知りました。

 とはいうものの、このクイズでは思い出せず。
 残念無念・切歯扼腕・汚名挽回・捲土重来・名誉回復・粒餡大福。こんなに次々と四字熟語は出てくるんだけどなー。

 次。第4問です。
 「물을 따르다」で、「ㅈㅈㅈ」の3音節の言葉は?

 わっ! これはヌルボすぐわかっちゃったぞ! 「水を注ぐ(差す)」というヒント抜きでも、ㅈㅈㅈの特異な(?)3連続というだけでアタマに入ってましたがな~。
 私ヌルボがわかるくらいだから、韓国サラムは当然余裕でわかりますよねー。
 正解は「주전자(やかん)」です。

 ちなみに「전자자(電子ジャー)」ㅈㅈㅈなんですよ。

 ところで、ここまでで50分番組のアタマからわずか6分あまり!
 ということは、小手調べもいいところ。たぶん難易度も序の口レベルってことか? このペースで全部記事にしたら何回連続になるのか・・・。一応続きにはしますが、方針を再検討しなくては・・・。
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[韓国語] 「ウルシニョンスロプタ」(ものさびしい・みじめだ)の語源は? ③「乙巳年(ウルサニョン)」(=1905年)説以外の説がやっぱりあった!

2017-05-20 07:31:39 | 韓国語あれこれ
 [3] 「乙巳年(ウルサニョン)」=1905年が語源という<民間語源説>の真偽は?

<「ウルシニョンスロプタ」(ものさびしい・みじめだ)の語源は?>
 → ①朴婉緒の自伝的小説の漫画版
 → ②乙巳年(ウルサニョン)にあったことの続きです。

 <②乙巳年(ウルサニョン)にあったこと>では、「(天気や雰囲気などが)もの寂しい」「非常に貧しい」「みじめだ」といった意味を持つ「을씨년스럽다」(ウルシニョンスロプタ)」という形容詞は1905年すなわち乙巳年(을사년.ウルサニョン)に由来するという語源説が有力視されていると書きました。
 ただ、その記事の末尾に記したように、私ヌルボ個人としては今の韓国人の歴史認識がそのまま投影されているように思われ、疑問を抱きました。
 戦後の韓国の教育やメディア等の中で育った人たちの多くは、日清戦争頃から日本の統治期の朝鮮の人々のほとんどは日本の侵略に対して強い抵抗意識を持ち、一部の親日派に憤りを感じていたという歴史認識を持っているのでは、と思われますが、それがどこまで当時の実像といえるのか? まだ封建的な制度や意識が色濃く残存していた社会で、両班から最下層の被差別民まで同じような愛国心を持っていたとは思えない、ということです。

 その後韓国サイトをいろいろネットサーフィンして関連記事を探してみました。まず見つけたのが上記の乙巳年説を唱えた忠北大チョ・ハンボム教授自身によるこの語についての記事(2009年9月)。(→コチラ。韓国語)
 「‘을사년(乙巳年)’은 얼마나 비통한 한 해였을까(‘乙巳年’はどんなに悲痛な1年だったか)」という副題が付いています。読んでみると、「ウルシニョン」が「乙巳年(ウルサニョン)」に由来するという説がかなり広く広がっている」とあり、チョ教授がこの語源説を最初に唱えたものではなく、いわゆる民間語源説で、文献の裏付けがないためチョ教授自身疑念を持っていたそうですが、その後(先の記事でも書いたように)李海朝(イ・ヘジョ)が1908年発表した小説「鬢上雪」(빈상셜.ピンサンショル)中に<을사년시럽다>という言葉が「ひっそりと寂しい」と意味で用いられているのを見つけ、<을사년>が<을씨년>の語源であることを確信したそうです。

 しかし、私ヌルボは依然としてナットクできず。「(3年前の)乙巳年のように寂しい」と明記されているわけじゃないし・・・。

 次に、<영화낙서판(映画落書板)>という掲示板になぜか載っていた文学トンネ発行の夏目漱石「한눈팔기」を読んだ人の記事(→コチラ.韓国語)に、注目すべきコメントがありました。「한눈팔기」は直訳すると「よそ見」ですが、→1つ前の記事に書いたように「道草」の韓国版書名です。
 その掲示板の文章の趣旨は、作品の中に「을씨년스럽다」という訳語が出てくるが、他の国ならともかく、日本文学でこの「乙巳年」由来の言葉を用いるのはいかがなものか?というもの。(※「道草」の「朝日新聞」連載は1915年6~9月で、まさに「乙巳年」の、「乙巳条約」締結の直前。)
 この民間語源説が正しいとすれば「なるほど、たしかに」という意見ではあります。
 ところが、これに対するコメントの中で興味深いリンクが2つ貼られていました。
 1つ目は→<NEVER open百科>の어원생각(語源の考え)という人による2008年6月の記事。(→コチラ.韓国語)。
 これによると、つまり(鳥肌が立つように)「ぞくぞく(する)」を意味する「으슬으슬(하다)」が語源で、これが
  [으슬+년스럽다] → [을스년스럽다] → [을시년스럽다] → [을씨년스럽다]
のように変化したものだと説明しています。なかなか説得力ありそう、かな?
 2つ目は<週刊東亜>の2009年2月の記事。(→コチラ.韓国語)。
 19世紀の在野の文人・趙在三(チョ・ジェサム.1808~66)の著書「松南雑識(송남잡지)」は宇宙発生から隠語・俗語までを網羅した百科事典で、これがハングルに完訳(全13巻)されたという記事なのですが、そこで趙在三による語源説をいろいろ紹介しています。その中に을씨년스럽다もあって次のように説明されているということです。
 「世間で乙巳年は<不吉だ、忌まわしい>と恐れられていて、到底楽しみがないことを을씨년스럽다という。」
 ・・・なあんだ、1905年よりず~っと以前にこの言葉があったということ!? とすると乙巳年に由来するといっても、それは1905年の乙巳年とは関係ないということか。

 なお、これらとは別に、→(コチラ.韓国語)の2002年4月の記事でも、「乙巳年=1905年語源説」とともに、次のようなもう1つの乙巳年説を紹介しています。
 いつの乙巳年なのかはわかりませんが、ある乙巳年に大洪水が起こったことがあったそうです。この大洪水で国は大きな被害を受け、人々が苦しんだといいます。

 乙巳年(1905年)説以外の上記3つの記事は、どれもチョ・ハンボム教授の記事よりも前に書かれたものですが、教授はそれらを承知の上で自身の所説を書いたのかな?

 을씨년스럽다という言葉の語源探索もさることながら、私ヌルボとしては「乙巳年(1905年)説」という民間語源説がいつ頃から広まったのか?という点についてもぜひ調べてほしいと思います。
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[韓国語クイズ] 夏目漱石の小説(全14編)の韓国語書名から原題(日本語)を当ててください

2017-05-18 11:36:37 | 韓国語あれこれ

 昨年(2016年)は夏目漱石の没後100年ということで朝日新聞では「夏目漱石「吾輩は猫である」を連載したり、12月21日には漱石自身が・・・じゃなくて漱石アンドロイドが100年ぶりに出社したりしました。(→コチラ参照。)。

 夏目漱石(ハングル表記は나쓰메 소세키)の作品は韓国でも当然翻訳され読まれていて、やはり昨年には玄岩社(ヒョンアムサ)が<没後100周年記念>と銘打って韓国最初の長編小説全集(全14巻)を翻訳出版しました。(上画像)

 →ウィキペディアによると夏目漱石の中・長編小説は計15編あります。
 玄岩社の全集の内訳を見ると、その15編中の「二百十日」以外のすべてが収められています。

 本ブログはこのところ長すぎる記事が続いているという反省もあり、今回は単純にこの玄岩社の全集にある漱石の小説作品の「韓国語書名から原題を当てる!」というクイズをやります。

 最初はノーヒントです。 ※1~14の小説は発行年は関係ナシ。アットランダムに並べたものです。

   1. 그 후
   2. 마음
   3. 우미인초
   4. 풀베개
   5. 나는 고양이로소이다
   6. 산시로
   7. 명암
   8. 도련님
   9. 문
  10. 갱부
  11. 한눈팔기
  12. 행인
  13. 태풍
  14. 춘분 지나고까지


 韓国語初級レベル、そして漱石文学にあまり詳しくない人でもたぶんすぐわかるのは2・6・9の3つでしょうか? 5も고양이でわかりますね。


 では、次にヒント。14編の日本語書名をこれも順不同で並べます。
 薄い黄色の字なので、はっきりと見たい方は範囲指定をしてください。

 三四郎・坑夫・吾輩は猫である・野分・こゝろ・明暗・坊っちゃん・行人・草枕・それから・門・道草・虞美人草・彼岸過迄

 漢字語の音を考えるとそのままわかるのが3・7・10・12。それからは漢字語でなくてもわかりそう。4は初級レベルの固有語を漢字語に直すとわかります。

 すると残る難物が8・11・13・14の4つ。
 まあ、残った書名を照らし合わせると韓国語中級レベルの皆さんも正解に行き着くと思います。
 11のヒント(??)は右画像。日本語で「世の中に片付くなんてものは殆ほとんどありゃしない。一遍起った事は何時までも続くのさ。」と書かれています。(・・・って、全然ヒントになってないですね。)
 この4つや、4などは翻訳者も思案投げ首したことでしょう。

 正解は次の通りです。

 1. それから 2. こゝろ 3. 虞美人草 4. 草枕 5. 吾輩は猫である
 6. 三四郎 7. 明暗 8. 坊っちゃん 9. 門 10. 坑夫
 11. 道草 12. 行人 13. 野分 14. 彼岸過迄


《付け足し》
「~로소이다」という語法はNAVER辞典等によると「~ㅂ니다」の옛말(昔の言葉)」。これについては→コチラの過去記事で書きました。
・それにしても、「野分」は「台風」と訳すしかないのか・・・。語感まで伝えるというのはその外国語の語彙の問題があるのでしかたないんだろうなー。「彼岸過迄」は「春分過ぎまで」となるのもやむをえないところ、かな? 「坊っちゃん」なんかはむしろ意味が明確になっているかも・・・。「道草」についてはヌルボお手上げ。しかしこの韓国語は<道草>じゃなくて<よそ見>でしょ? そもそも韓国語には<道草>に相当する適当な名詞がなさそうだから意味的に近い言葉にしたのか? いや、「気持ちが脇道に逸れる」という意味があるので内容に即してそう訳したのかな? ヌルボは読んでないのでわかりません。
・上記14編中、私ヌルボが読んだ作品を数えてみると9編。まあ標準以上ってとこ?
 一番心を打たれたのは最後の未完作品「明暗」です。(水村美苗の「續明暗」も続けて読むといいです。)
 「草枕」は例の「山路を登りながら、こう考えた。知に働けば角が立つ。・・・」という冒頭部分がよく知られていますが、ヌルボとしては最後の場面の「余」が那美さんに言った言葉を読んで唸ったというかなんというか、とにかくすごく印象に残ってます。(・・・ボキャ貧だなー。)
 小説以外で覚えているのは、1911年の講演「現代日本の開化」中の一節。
 「現代日本の開化は皮相上滑りの開化であると云う事に帰着するのである。・・・しかしそれが悪いからお止しなさいと云うのではない。事実やむをえない、涙を呑んで上滑りに滑って行かなければならないと云うのです。」
 ああ、ここまで時代状況を見通してしまうのもインテリの悲劇だなー。これでは胃を患うのも当然というものか・・・。
 講演の記録では「私の個人主義」にも注目。「国家的道徳というものは個人的道徳に比べると、ずっと段の低いもののように見える」といった時代を超えるようなことを述べています。今に通ずる内容で、とくに政治家の皆さんに読んでほしいものです。

 あ、タラタラ書き足していたら、また長ったらしくなってきたゾ・・・ということでオシマイにします。
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[韓国語] 「ウルシニョンスロプタ」(ものさびしい・みじめだ)の語源は? ②乙巳年(ウルサニョン)にあったこと

2017-05-15 18:27:05 | 韓国語あれこれ
 [2] 「乙巳年(ウルサニョン)=1905年が{ウルシニョンスロプタの語源」という有力な説がある。

 →2つ前の記事の続きです。
 その最後に書きましたが、「을씨년스럽다」(ウルシニョンスロプタ)」という言葉は「(天気や雰囲気などが)もの寂しい」「非常に貧しい」「みじめだ」といった意味の形容詞です。
 この言葉を私ヌルボが知ったのは、5週間前ほど前に韓国統監の官邸跡についての記事(→コチラ)の冒頭で書いた第2次日韓協約について韓国記事をいくつか見た中に出てきたからです。
 1905年11月に締結された第2次日韓協約は、日本が大韓帝国の外交権を接収することを内容としたもので、これにより統監が置かれ(初代統監=伊藤博文)、大韓帝国は事実上日本の保護国となりました。
 3週間前の外交史料館の記事(→コチラ)でも書きましたが、韓国ではふつうこの第2次日韓協約のことを乙巳条約(을사조약)または乙巳勒約(을사늑약)と呼んでいます。
 「乙巳」(을사.ウルサ)というのは、この1905年が干支の組み合わせで「乙巳」の年だからです。※干支による年の表記については→1つ前の記事参照。
 この乙巳条約関連の言葉で、韓国には「乙巳五賊」という言葉があります。この協約に賛同した李完用をはじめとする5人の閣僚のことで、彼らに対する非難は当時だけではなく、むしろ今世紀に入ってから、廬武鉉政権時代に制定された日帝強占下反民族行為真相糾明に関する特別法(2004)・親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法(2005)に象徴されるように一段と厳しくなっている感があります。

 本論に戻ります。「을씨년스럽다」(ウルシニョンスロプタ)」という言葉が出てきた乙巳条約関係の韓国記事というのは2014年12月の<こども東亜>(어린이동아)の記事。(→コチラで、その骨子は次の通りです。
 
 「을씨년스럽다」という言葉は「을씨년」という名詞に「そのような性質がある」という接尾辞の「~스럽다」が付いたものだが、その「을씨년」とは1905年の「을사년(乙巳年)」が変形したものという説がかなり有力」である。

 この説は、記事によるとチョ・ハンボム忠北大教授によるもので、チョ教授は、当時(20世紀初頭)の新小説作家・李海朝(イ・ヘジョ.1869~1927)が1908年発表した小説「鬢上雪」(빈상셜.ピンサンショル)中に<을사년시럽다>という言葉を見つけ、<을씨년>が<을사년>に由来する十分な根拠となると唱えていると説明しています。
 ただ、この記事では「明快ではあるが、できてから100年にしかならないこの言葉が変化した過程が他の記録には残っていない点が疑問だ」とも書いていて、「乙巳年」説を100%正しいとみているわけでもありません。
 しかし、下のようなイラストまで載せているし、かなりの思い入れが込められた記事ではあります。
       「われわれは乙巳五賊!!」
 「こんな痛嘆きわまりない・・・」

        [乙巳条約文書」

           「<乙巳年スロプタ>
           →<ウルシニョンスロプタ>」

 あいかわらず日本人は出っ歯に描かれていますね。(いつからなんだろ??)
 この記事が読まれたためかどうかはわかりませんが、この「을씨년스럽다」は日本の保護国とされてしまった「乙巳年(1905年)」に対する朝鮮の人々の「もの寂し」く「みじめ」な心情に基づくという語源説はそれなりに広まっているようにも思えます。

 語源説の例は「無数に」と言っていいほど数多くあり、私ヌルボの好きな落語「やかん」にある茶碗の語源(「見てごらん。ちゃわんとそこにあるだろう」)のような笑っちゃうようなレベルのものだけでもいくつもあります。最近知ったのは、日本語の「ありがとう」はポルトガル語の「obrigado」(オブリガード)に由来する、というトンデモ語源説ですが、それでも信じやすい人は信じるのですねー。(笑) 以前韓国語の「바다(パダ)」は日本語の(ワタツミ等の)「ワタ」に相通じるという話をしたら、「英語のwaterもそうやないか!?」と言った友人がいましたㅋㅋㅋ。
 こんな即座に「ありえねー!」というレベルからマユツバのレベル、そしてほとんど信じてよさそうなレベルまでいろいろあるのが語源説で、言語学N先生の話では「専門家も非専門家と大きな差はない」のだそうです。ヌルボの理解では、明確な反証が出てこなければどこまでも<仮説>のまま、ということなのかな?

 で、この「乙巳年」語源説はわりと信じてよさそうなレベルと言えそうです。上記の李海朝の小説も乙巳年の3年後と「ほどよい」時期だし・・・。
 しかし、私ヌルボは直感的に「これは違うのでは?」と思いました。理由はというと、今の韓国人の歴史認識がそのまま投影されていると思ったから。
 その時代の大韓帝国で、どれほどの人が乙巳条約のことを知り、憤りを感じていたのか? たしかにその後各地で義兵運動は各地で展開されはしましたが・・・。
 そこで、もしかして、「乙巳年」語源説以外の説があるのでは?と韓国記事を探してみたら、案の定ありました。

 あと1回続きます。

 → [韓国語] 「ウルシニョンスロプタ」(ものさびしい・みじめだ)の語源は? ③「乙巳年(ウルサニョン)」(=1905年)説以外の説がやっぱりあった!
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[韓国語]なぜ「八字(パルチャ)」が「運命」を意味するのか?

2017-05-12 23:55:50 | 韓国語あれこれ
【1】 팔자の意味と用例

 韓国語で「팔자」(パルチャ.八字)という言葉をしばしば見かけます。
 意味は、「運命、運、運勢、星回り」等が辞書にあります。
 <Kpedia>(→コチラ)や、<ミリネ韓国語教室>(→コチラ)の記事にたくさん用例が載っています。
 主なものを拾ってみると・・・。

・팔자가 좋다. 
 星回りがいい。楽な人生を送っている。

 ・・・この反対は팔자가 나쁘다.

・팔자가 피다.
 生活が豊かになる、楽になる。(直訳は「八字が花開く。」).


・팔자가 세다.
 苦労をする。星回りが悪い。(直訳は「八字が強い。」)


・팔자타령
 身の不幸を全て運命のせいにして嘆く。(漢字表記は「八字打令」。直訳すると「八字節(ぶし)」。)


・아이고~ 내 팔자야~.
 ああ、なんと酷い運命なんだ!


・걱정도 팔자다.
 大きなお世話だ。心配しすぎだ。(直訳すると「心配も星回りだ。」)


・개팔자가 상팔자.
 犬の人生が羨ましい。(直訳すると「犬の人生が上八字。」)

 
【2】 なぜ「八字」が運命を意味するのか?

 次に、ではなぜ「八字」が「運命」を意味するのか、というと・・・。
 四柱推命では、生まれた年・月・日・時刻をそれぞれ十干(甲乙丙丁~)と十二支(子丑寅~)を組み合わせた干支(えと・カンシ)を漢字2文字ずつで表します。
 これを「年柱・月柱・日柱・時柱」といい、これによりその時刻に生まれた人の運命が決定づけられる、というのが四柱推命の基本です。
 4つの柱それぞれが2文字ずつなので合計8文字になり、これが運命を規定するというわけです。
 以上が「八字」が「運命」を意味する理由です。

 と、ここで記事をオシマイにしてもいいのですが、上記の十干と十二支の組み合わせについてもう少し詳しく書いておきます。

【3】 干支順位表と、干支にちなんだ歴史用語・習俗などについて

 干支は日本でも古くからさまざまに用いられてきました。
 歴史用語では、庚午年籍(670)、壬申の乱(672)、戊辰戦争(1868)等。これらは、その年を干支の組み合わせで表記したものです。
 しかし、日本では歴史上の大きな出来事は干支よりも元号の方がより多く用いられています。
 一方韓国では、その年の干支に依ってよばれる歴史上の出来事が数多くあります。これについては、<干支にちなむ朝鮮・韓国の歴史上の出来事>と題した過去記事(→コチラ)を参照のこと。53の例を挙げてあります。壬辰倭乱(1592)(=日本では文禄の役)はしばしば見かけますね。その他、日本の高校歴史教科書にある用語では壬午軍乱(1882)・甲申事変(1884)・甲午農民戦争(1894)、それから乙未事変(1895)は今は閔妃殺害(虐殺?)事件ですか? あ、中国史では何といっても辛亥革命(1911)がありましたね。その前の戊戌の政変(1898)も世界史の教科書に載っています。
 日を表す干支にちなんだ用語の中で、日本で用いられている・・・いや用いられていたのは庚申塚(庚申信仰)しか思い浮かびません。十二支だけなら初午、初巳、土用の丑の日、酉の市などいくつもあるのですが・・・。

 年・月・日・時刻のうち、わかりやすいのは上記の年と日の干支のしくみです。古典や日本史の教科書・教材に載っている干支順位表を見れば一目瞭然です。(ホント?) 昔教わった(?)ことをちゃんと憶えている人は何%くらいいるものか、ヌルボは全然見当がつきません。以下、(たぶん)高校等で教えている(?)ことを書きます。

 組み合わせの総数は10と12の最小公倍数で60通りになります。その一番初めは、十干の最初の甲(かのえ・コウ)と十二支の最初の子(ね・シ)を組み合わせた甲子。次は十干と十二支の2番目の字を組み合わせて乙丑ですね。11番目は十干は最初に戻って甲、これと十二支の11番目・戌をくっつけます。
 したがって年の場合、たとえば甲子年生まれの人だと生まれてから60年目に再び甲子年が廻って来て「ふりだしに戻る」わけです。だから還暦(韓国だと還甲(환갑.ファンガプ))というのですね。正確には、満60歳の誕生日ではなく、数え年61歳となった元日が還暦を迎えた日になります。

 音訓2つの読み方入りの干支順位表は次の通り。また、韓国語の読み方はその下の表でわかります。


 韓国では、干支のことをそのまま音読みして<간지>(カンジ)といいますが、<육십갑자>(六十甲子(ユクシプカプチャ)という言葉も用いられます。<육십갑자>で画像検索すると、上のような干支順位表がヒットします。また年の干支を<세차>(歲次.セチャ)、月の干支を<월건>(月建.ウォルゴン)、日の干支を<일진>(日辰.イルチン)といいます。

 時刻の場合も、十干抜きの十二支のみ用いられてきました。たぶん高校の古典や日本史でも子の刻(午前0時)から始まって2時間おきに丑・寅・・・と続く図表しか乗っていません。時刻を十二支であらわすと昼の12時は午(うま)の刻つまり正午で、それより前が午前、後が午後・・・ということは知らないでふうに使っている人が多いのでは? なお、韓国のラジオを聞いていると、夜の12時に「자정(子正)をお知らせします」と言っています。昼の12時は오정(午正)ともいいますが、정오(正午)の方が一般的なようです。
 ※十二支のほかに、「九つ」(午前0時)から2時間おきに八つ・七つ・・・(最後は四つ)と減じていく呼び方もあります。だから「お八つ」(午後2時)というのだとか・・・。
 私ヌルボも、そもそも時刻の干支では十干と十二支がどのように組み合わされているのか?からして最近まで知りませんでした。月の干支も同様です。ウィキペディア等々から情報を得て、月と時刻の干支の組み合わせがどうなっているのか表にしてみました。



 干支はすでに殷代(紀元前17~前11世紀)からあったとのことです。以後3千年以上、よくこんな精緻(というか複雑というか)体系が作り上げられ伝えられ、そして今も用いられているとは驚くべきものです。
 (※素朴な疑問。同じ日時に生まれた人は皆同じ八字=運命になるとは思えないんですけどねー。)
 日本と韓国も干支について同じような伝統・文化・慣習等を共有しているのも当然ですが、異なる点も比較すれば見えてくると思います。(そこまでは踏み込みません。)

 じつはこの記事は2つ前の記事→<「ウルシニョンスロプタ」(ものさびしい・みじめだ)の語源は?>の続きの記事のつもりで書き始めたのですが、干支について知っていることをほとんどありったけ書いてしまい、(例によって)前書きのつもりが長くなりすぎてしまいました。(笑)
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[辞書にない韓国語] 「ナイロン拍手(パクス)」とはどんな拍手?

2017-03-28 23:49:28 | 韓国語あれこれ
 李舜源(イ・スンウォン.이순원)「江陵(カンヌン)に行く古い道(강능 가는 옛길)」という小説を読みました。今年読んだ最初の原書です。といっても、小学校高学年~中学生向きの本で読みやすく、また1度読み始めたらやめられない、というストーリー展開で、ストーリーテリングの巧みさもあって読み始めたらやめられず正味3日ほどで読み終えました。

 1970年頃の江原道の小学校の子供たちと1人の「特異な」先生をめぐる物語なのですが、今回はこの小説自体の紹介&感想の記事ではないので、これ以上内容にはふれません。

 子供向きの読み物の利点は、早く読めることの他に話し言葉や俗語、ときには方言等の知識が得られるということもあります。この本でも、初めて知った言葉がいくつも出てきました。
 次のくだりは、新学期早々の6年生の教室の場面。休み中の宿題を全部やってきたのはクラス1の優等生の他はスジョンだけ。そのスジョンは、前年の秋から母親が心の病を患い、独り言を言いながら外を徘徊するといった状態が続いているため長期欠席していた子供です。担任の先生はスジョンにほうびのノート3冊をあげ、「家で大変なことがあって学校に来られなくてもよくがんばったスジョンに、みんな拍手!」と子供たちを促します。
 そこで、次の会話。
 自然な日本語に訳すと、およそ次のようなところでしょうか。

  「チェッ、自分の母ちゃんが狂ってることもほうびのネタかよ。」
拍手をする時、横の席のキョンジュが「ナイロン拍手」をしているので、ぼくはキョンジュに見ろとばかりにわざと強く手をたたいた。

 知らない単語が出てきても、前後の文脈でおおよそ見当はつきます。
 は電子辞書の「朝鮮語辞典」にはありません。いかにも方言っぽいですが、「あいつ」か「自分」あたりかなと思いつつ→<NAVER辞典>を見ると「‘자기’(自己)の方言(江原)」というのがありました。(左のフックマーク中にある<国立国語院:標準国語大辞典>も同じです。)
 벼슬が「官職」を意味することは以前何か歴史関係の本で見た記憶があります。しかし<NAVER辞典>等でもぴったりの訳語がなく、意訳すればこんなところかな、と・・・。
 そして問題の「나이롱 박수」ですが、意味はすぐにわかります。「形だけの、気持ちのこもっていない拍手」
 ところが、この言葉は<NAVER辞典>にも<標準国語大辞典>にもありません。ただ「나이롱」について「나일론」の間違い」とあるくらいです。
 ※日本語では英語のrもlもラ行で表記されますが、韓国語ではメロン(melon)→멜론のように、語頭でなければ前の字にㄹパッチムをつけて書くことになっているので、nylon(ナイロン)は나일론(ナイロン)と表記するのが正しく、나이롱は日本式発音に基づく昔の表記で、今では誤記とされます。(ちなみに、メロンを메롱と書くと「あかんべー」の意味になってしまいます。下まぶたを引っ張るのは日本独自ですが。)

 では、なぜこのように全然関係なさそうな所でナイロンが出てくるのか? いろいろ検索してみると、たとえば(私ヌルボには)おなじみの<ナムウィキ>(→コチラ.韓国語)におよそ次のような説明がありました。

 この日本式発音に由来する「나이롱」は、次のような隠語に用いられている。
 ・本当の病人や怪我人でもないのに恐喝、保険金、(あるいは単に休養?)等の目的で入院している人を<나이롱 환자(ナイロン患者)>という。
 ・信仰心もないのに宗教活動をする人を<나이롱 신자(ナイロン信者)>という。
 ・障碍者ではないのに、福祉の恩恵を狙って、障碍の登録をして障碍者のふりをする人を<나이롱 장애인(ナイロン障碍人)>という。
 ・偽りの(本心からではない)拍手を<나이롱 박수(ナイロン拍手)>という。
 ナイロンにこれらの汚名がついた理由は、以前には良い繊維として脚光を浴びたものの、その後他の繊維(各種天然繊維やポリエステル等)との競争で押されがちになり、次第に劣等材料化して、腰が強いという当初の利点がかえって悪いイメージを生むようになった点が大きい。

 
 「ナイロン患者」については、<もっと!コリア>にくわしい記事がありました。(→コチラ。) それによると、韓国の病院にはそんな偽患者がたくさんいるそうですね。「自動車事故で入院した患者のうち、少なくとも10%以上がナイロン患者」だとか。「保険患者の平均入院率が日本より8.7倍高いという調査結果もある」、「特に経営が厳しい病院がナイロン患者の養成にどんどん力を入れる」とも書かれています。ふーむ・・・。
 またこの記事では、「上品な装いだが財布の中は空っぽ」の<나이롱 신사(ナイロン紳士)>という言葉も紹介されています。

 しかし、これらの言葉が、ナイロンが「나이롱」と書かれていた頃からあったとすると新語ではないのですが、辞書に載っていないのはなぜなんでしょうね?

 おまけ。「나이롱 박수」の動画があるので何かと見てみたら、ママが赤ちゃんに拍手して、それを赤ちゃんがまねをしているというものでした。(→コチラ。) ・・・というように、わりとふつうに用いられている言葉のようなんですけどねー。
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[韓国語] 梅の花(メファ)を突っついている黄緑色の鳥を撮影! あの「口笛鳥(フィパラムセ)」じゃないですよ

2017-03-05 23:59:02 | 韓国語あれこれ
 朝9時頃、小さな川沿いの道を歩いていると、あら、どこからか芳香が漂ってきます。
 ・・・と前方をみると・・・。

 おお、いかにもという枝ぶりの梅が見えました。
 少し前まで寒い日が続いていましたが、いつの間にか1枚また1枚と散るほどに花が開いているではないですか。

 この木のすぐ横にある橋の名が梅香崎橋とは。(笑)

 ウメのことを<メファ(梅花.매화>と言います。ウメの花だけでなく、ウメの木つまり<メファナム.매화나무>のことも<メファ>だけでOK。梅の実は<メシル(매실.梅実)>。
 韓国の梅については、7年前に→コチラと→コチラの2回連続で梅干しのこと等々いろいろ書きました。
 <メシルチャ(매실차.梅実茶)>については書きませんでしたが、韓国伝統茶の店でふつうにありますね。梅の実を蜂蜜漬けにしてから煎じたお茶。あ、メファチャというのもあるか。同じかな? 花びらが入ってる? そういえばメファコッチャ(매화꽃차)というのもあったぞ。 매화꽃とは「梅花の花」じゃないですか。(笑) うーむ、よくわからないことを書いてしまった・・・。

 話は元に戻って、この木の上の方を見ると・・・。
      

 あ、鳥がいますよ。それも2、3羽。
 さっそくデジカメを取り出したものの、動きが速いのでなかなか撮れません。

 スズメくらいの大きさの黄緑色、いやウグイス色の鳥です。
 ここで問題。梅の木にやってくるウグイス色の鳥といえば? 「ウグイスに決まってるだろ!」と答える人も多かろうと思いますが、実は違うのですね。正解はメジロ。ウグイスとメジロの違いについては、→コチラの記事等たくさん書かれています。メジロは目を見ればすぐにわかるのですが(円くて周りが白い)、上の写真だとかろうじてわかるくらい・・・か?

 さて、ウグイスのことは韓国語で<フィパラムセ(휘파람새)>といいます。口笛(휘파람)鳥(새)。まあわかるような気がします。日本語では「ホーホケキョ」という誰でも知ってるあの鳴き声は韓国語ではどう言うのか知らなかったのでハングルでいろいろ検索してみましたが、わからず。→コチラの記事は鳥・動物・虫の鳴き声の日韓それぞれの擬声語を対照したものですが、「ホーホケキョ」に相当する韓国語は「?」になっています。
 紛らわしいのは、韓国にはコウライウグイス(クェッコリ.꾀꼬리)という鳥がいること。→コチラの動画で姿と鳴き声がわかりますが、なんか日本のウグイスとはぜーんぜん違いますよ。これについては→コチラのブログ記事でいろんなことが書かれています。「새타령(セタリョン.鳥打令)」という韓国の伝統歌謡の一節に「저 꾀꼬리가 울음 운다~ (中略)~이 산으로 가면 꾀꼴 꾀꼴」とあるとか、・・・って、ありゃ、この歌去年6月に全州の国楽マッコリ酒場で聴いたゾ! 「ケッコル ケッケッコル」の部分が印象的だったので、「ここんとこが鳥の鳴き声ですね?」と地元の方に尋ねたりもしましたがな。あれがコウライウグイスだったのか。いや、知りませなんだわー。
※「鳥打令」→YOUTube

 知らなかったといえば、メジロの韓国名。調べたところ、<동박새(トンベクセ)>というのだそうです。
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[韓国語の新語(?)]IU(アイユー)のCF「チャミスル、コル!」のコルとは? (+「国民の妹」、焼酎のCM等)

2016-11-18 16:30:52 | 韓国語あれこれ
 11月7日韓国文化院に韓国のドキュメンタリー映画「危路工団」を観に行ったら、本編上映前にCM映像が映されました。それがYouTubeにあったので貼っておきます。


 チャミスルのCMですが、IU(アイユー)がギターを弾きながら歌っています。
 このIUの最後の決めのセリフ、韓国語の中級レベルまでの学習者の人はどのくらいわかるでしょうか?

 「チャミスル、コル!(참이슬 콜!)」と言ってますね。このコル、日本人の(=私ヌルボの)耳にはだかだかだか、それともだかだかだか、よくわかりませんけど・・・。

 たとえば上記골~컬の6つで辞書を引いてみても、これはというピッタリの訳語は載っていません。
 私ヌルボがこの言葉を知ったのは、たしかチュ・ホミンの漫画「無限動力」(2013年ドラマ化)で見たのが最初だから2009年です。(→関連記事。)

 結論を言うと、この言葉の元は英語のcall(コール)で、ポーカーの用語に由来するとのことです。コルではなくコールと言ってくれれば日本人にはわかりやすいんですけどね。(笑) その漫画では、(記憶は不鮮明ですが)仲間の1人が「〇〇買って来るけど、欲しい人いる?」とか「明日一緒に〇〇に行かない?」と提案した時に「はあい!」とその話に乗るよ、という時の言葉。
 提案する側が「콜(コール)?(どう?)」と言えば「콜(コール)!(いいね、乗った!)」というふうに用いられます。
 →コチラの2011年の記事では「もうすっかり定番化している流行語」とあるので、新語といってももうほとんど定着している言葉といってよさそうですね。ただ、その記事には「主に10代や20代の若い人たちが使う表現なので30代過ぎた人が言うと逆に周りの人たちに引かれる可能性も」とあるので、要注意かも・・・。

 しかし、こうした辞書には載っていない新語(韓国語では新造語(신조어)の場合、韓国で生活していないとなかなかわからないですね。このコルは上記のように漫画でたまたま知ることとなりましたが、ヌルボが知らない新語はすでに定着したものでも3ケタはありそうです。
 ※ネット上の韓国語新語集としては→コチラや→コチラ、それから→コチラ等があって、たまに見たりはしていますが・・・。

 ところで、この記事の見出しでふつうにチャミスルとかIUとか書きましたが、はたしてふつうの日本人の間でどれくらい知られているのでしょうか? ヌルボは全然見当がつきません。チャミスルはヌルボの周りの同年配の韓国オタクの間ではずぅーっと以前からおなじみの韓国焼酎ですが、IU(アイユー)は皆さん知っているのかどうか? 1993年生まれの女性歌手で、「ドリームハイ」(2011年)とか、今年8月から始まった「月の恋人-歩歩驚心:麗」といったTVドラマにも出演しているので、韓国ドラマやKPOPファンのオバサマ、オネエサマ方にはチャミスルよりも知られているのでは?(よくわからない。) そうそう、<国民の妹>とも言われたりしてますね。

 <国民の妹>と言えば、オジサン仲間の間ではもしかしたらムン・グニョンキム・ヨナで止まっているかもしれませんが、その次がこのIUです。あ、それから映画「建築学概論」でいっぺんに人気が沸騰したスジ(1994年生まれ)も<国民の妹>になっちゃってます。
 そしてこのスジ、焼酎のシェア№1のチャミスル(真露)に次ぐ第2位のチョウムチョロム(ロッテ酒類)のCMをちょうど今やっていて、IU<国民の妹>対決を繰り広げています。その動画は→コチラなのですが、それとは別に「チョウムチョロム、モデルはなぜスジになったのか?」というちょっと興味を引かれる動画があったので、ソチラの方を貼っておきます。



 それにしても私ヌルボ、この頃フツーの日本人が何を知っていて何を知らないかがますます見当がつかなくなってきました。
 先月、久しぶりに中学生・高校生たちと話をして、たとえば彼らに北朝鮮帰国事業だの日本人妻だのの説明をするのがかなり大変だということを痛感しました。フォークルの「イムジン河」は知らないことを念頭において「君たちのおじいさんやおばあさんはきっとフォーククルセダーズというグループが歌った「イムジン河」というフォークソングを知ってるはず」云々と言ったらフォークソングって何ですか?」・・・と、これは私ヌルボも想定外でした。「昭和は遠くなりにけり」です。
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