ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

定年前退職S氏のソウル・慶熙大学校10週間留学記 (13)

2015-08-30 23:53:11 | S氏の慶熙大学校10週間留学記
<ヌルボより> 前回お知らせしましたが、8月25日(火)夜に韓国文化院で催されたイ・ドンシン(李東信)さんによる民族楽器タンソの公演に行ってきました。いやあ、これはホントに期待以上! なんとなく、ラクにいい席に座れるだろうと思って、文化院は初めてというS氏と図書室等館内を回ってから開場時刻の6:30に2Fのホールに行ったら、定例の映画上映会と同じくらい長い列ができていました。結局座れたのは前方でも横の方。S氏も「皆さん、一体どんな人たちなんでしようね?」と意外な面持ち。
 肝心の演奏は、韓国の正楽(宮廷音楽)に始まって民謡やカヤグム(伽耶琴)との二重奏、そして驚いたのは「ラプソディ・イン・ブルー」や「チャールダーシュ」といった洋楽の難曲や、「テイク・ファイブinアリラン」といったクロスオーバー曲も自在に吹きこなしていて、さすが12歳の時から46年間(かな?)のキャリアを感じさせる、とても聴きごたえのある演奏でした。
 Sさんからタンソの話を聞かなければイ・ドンジンさんと、この楽器自体の表現力の豊かさを知ることもなかったわけで、その点ヌルボとしてもラッキーでした。

◎6月5日(金)
 小雨混じりの朝で少し肌寒い。今日は会話と、筆記の試験。
 会話は先生と1対1で先生の言ったことを聞き取り質問に答える形式。最初は簡単だが徐々にむずかしくなってゆく。聞き取りは何とかなったが、解答は習った文法を駆使しなければいい点はもらえない。考えがうまくまとまらず口ごもってしまうことがしばしば。会話は生徒2人が一組になって与えられた課題を会話しながら解答するというもの。与えられた課題は「友だちと会う約束をしてしまったが別の用事ができてしまい、時間を変更してもらう」という内容。2人でストーリーを考えたが、少し簡単にまとめ過ぎた。
 筆記は自分の友人を紹介する文章の作成。どんな容貌か、性格はどうか、特徴はあるか、どういう関係か、どこが好きか等々を与えられた文法を使って作成するとういもの。作成スペースはA4用紙4分の3ほどあるが、その半分も埋まらない。書こうとしても綴りがよくわからない。文法は何とか使えたが、成長が見られない自分がいた。もう1つは「ホームページを使って一緒に勉強する友だちを募集せよ」というもの、時間が足りず、これも筆が進まない。あと1つは単語を並び替えて短文を作る。これは何とかなったか。授業開始前に「長文作成はむずかしいので先にやって、短文作成は後回しにしろ」という。一般的には簡単なのから先にやったほうがいいと思うのだが。とりあえず今日の試験は終了。月曜日は文法と読みと聞き取りの試験。
 夜、退職した会社の女の子、そしてその彼氏と会う。鐘閣の永豊(ヨンプン)文庫で待ち合わせ。彼氏もプログラマーとして一緒に仕事をしたことがある。その前に仁寺洞でカンさんへのプレゼントを買う。食事した店はカンさんの行きつけの例のサムギョプサルの店。2人とも肉の厚さにびっくりする。いつもの青唐辛子入りのソジュ(焼酎)を片手に盛り上がる。カンさんも乗りがよく初対面とは思えない雰囲気。二次会まで行って気がつけば12時を回っている。2人をカンさんと一緒にホテルまで送り、カンさんとタクシーで帰宅。西江(ソガン)大のおじさんから「明日1時新村(シンチョン)で会いましょう、1人友だちを連れて行きます」とのメールあり。

◎6月6日(土)
 二酔いで目が覚める。少し勉強し新村へ向かう。西江大のおじさんと1時に会う。待っている時にそばにいた女性がおじさんの友たちだった。おじさんは6級をこの学期で勉強するという。6級はもう最高クラスだ。その女性も気さくな方で、もう20年前に韓国へきて勉強を始めたらしい。いわば韓国語の勉強の元祖に近い。おじさんとは御茶ノ水のYMCAで一緒に韓国語の勉強をした仲らしい。おじさんは飲む気満々。これからはソウルの市場を制覇する予定との意気込み。新村からタクシーで10分位行ったところにある加佐(カジャ)という町のトンネ何とかというシジャン(市場)へ行き、その中にある精肉店が経営する焼肉店へ入る。試験中の身としては何とも心苦しいが、昼間から焼肉を食しながらソジュをいただく。特別美味しいというわけではないが、肉は柔らかくて新鮮だ。おじさんはソジュをコップにいれてビールを継ぎ足して飲むのがスタイルになっている。女性も行ける口だ。飲んではいけないと思いつつ酒が進む。ニンニクもどんどん喉に飛び込んでゆく。昨日から一体どれほどのニンニクを食べたことやら。日本では到底考えられない。3時過ぎに店を後にしてバスで新村へ戻る。ここでもう一杯飲むことになる。同伴の女性は今日の夜のフライトで日本へ帰国するとのこと。昼間の日差しが暑くまぶしい。6時近くに帰宅。
 さあ勉強しなくては。明日もカンさんと朝から釣りへ行くことになっている。

◎6月7日(日)
 道峰山(トボンサン)駅で8時30分に待ち合わせ。おたがい時間通りに来ていたがすれ違いがあり、5分遅れで会うことができた。カンさんの車で釣り場へ向かう。20分ほどかかったが途中の山並みが美しく、高層団地も目に飛び込んでくる。ソウルの開発が相当進んでいることを目のあたりにする。この辺は釣り掘りが多いことで有名らしい。いくつもの釣り掘りの看板を目にした。
 1軒の釣り掘りに駐車。けっこう大きな釣り掘りで、すでに50人ほどが釣り糸をたれている。カンさんは釣り場に腰を据え、私の分を含め黙々と釣りの準備に取りかかる。顔は生き生きとしている。用意してもらった釣り道具で釣り始める。獲物はフナ。初めての私にエサの付け方、針の投げ方を教えてくれる。私の左右両脇で釣りをしている人も皆親切で、何かとアドバイスをしてくれた。釣り仲間はみな気が合うらしい。目の前に小高い緑の山があって、晴れ間から流れてくる風がさわやかに感じられる。何とものどかな感じがする。しばらくして手応えがあり1匹釣り上げる。記念の1匹だ。カンさんの奥さんが用意してくれたつまみで焼酎をいただく。つまみはワカメ、タラの芽、イカのボイル。他にもキュウリとかを奥さんが用意していたらしいが、カンさんが忘れてしまったらしい。タラの芽が実に美味しい。
 この後延々と5時まで釣りを続けた。昼ご飯を食べたら帰り支度をして4時には寄宿舎に帰れると思っていたが、カンさんの釣り道楽は時間の経過を忘れさせるらしい。途中何度も釣りの魅力を説明してくれた。それにしても今日は釣れないらしい。なんだか日が悪いらしい。確かに周りの人も今日は釣れないとぼやいていた。
 6時過ぎに寄宿舎に戻り明日の試験勉強を始める。結局1時半までだらだらと勉強した。

◎6月8日(月)
 文法、読み、聞き取りの3科目の試験。思ったより量が多い。筆が進まない。まずい。文法は少し余裕を持って完了したと思っていたが、試験終了1分前に回ってきた先生が答案の空欄部分を見つけ、「どうして書かないのか」と聞かれる。あっ、と思ったが手遅れ。4問が問題用紙の裏にあることに気づく。時すでに遅し。読みの試験も相変われず時間に追われ全問回答できず。聞き取りも途中に聞き漏らしがあり混乱する。後悔の連続。
 試験終了後、俳句会のメンバーが推薦してくれた観光名所で東九陵という王陵のあるところに行く。回基(フェギ)駅から中央線に乗って東方面に進み、約20分足らずの九里駅下車。そこからマウルバスで20分ぐらいのところで下車。着いたらなんと今日は月曜日で休園
 明洞のカンさんの店に行き、土産用の海苔を日本に送る手続きをしてもらった。
 夜9時、こちらへ来てしばらくしてから会った韓国人のチョさんとあった。前の会社の関係の人に紹介してもらった人だ。「3ヵ月で帰るのはもったいないです。もう少しやれば聞き取りも十分にできます。それにはテレビドラマを見て繰り返し聞いてしゃべるのがいいでしょう」とアドバイスを受けた。

◎6月9日(火)
 試験結果の発表。思っていた以上に取りこぼしがあり最悪の結果。こんなに間違えていたのかと愕然。聞き取り78点、読み59点、文法68点、書き取り55点、会話70点。平均は66点。進級するとなるとぎりぎりの水準か。とくに書き取りは答案を見せてももらったが綴り間違いの山また山。よく点数をくれたなと忸怩たる思い。
 教科書は重たく授業ではもう使わないと思い、4時過ぎに寄宿舎隣にある郵便局にEMSを頼みに行く。係りの人に手助けしてもらってなんとか梱包してもらった。この辺は韓国のサービスのいいところだが、意外と送料が高くびっくり。重たいせいか45,400ウォンもとられてしまった。
 部屋はすっきりした。部屋点検もあるので掃除をする。短い間だがこれが最後の掃除かと思うとなんとなく寂寞感が襲ってきた。この部屋で眠れるのもあと2回だ。マーズの影響で観光客が来ないが、夜はカンさんの友たちが1ヵ月ぶりに韓国に現れる。カンさんは「仕事はあきらめて早く飲もう」という。私は7時半に寄宿舎の点検があって7時半には部屋にいなければならないので5時半に回基駅で待ち合わせ、3人で飲む。中座して寄宿舎に戻り点検を受ける。トイレの床をもう少しきれいにするようにと指導を受ける。

<ヌルボより> 試験も終わってこの記録もあと2回分くらい(たぶん)になりました。
 S氏、今回もやっぱりいろんな人と会っていろんな店でいろんなものを飲んだり食べたりしています。5日の「いつもの青唐辛子入りのソジュ(焼酎)」というのは韓国ではフツーになってきているのでしょうか? 私ヌルボも4月に行った時に飲みましたが、舌がピリピリする感じです。翌6日の「ソジュをコップにいれてビールを継ぎ足して飲む」というのはもうだいぶ前からフツーになってますね。韓国語ではソメク(소맥)焼酎(ソジュ.소주)と麦酒(メクチュ.맥주)の合成語です。
 せっかく東九陵まで行ったのに休園とは残念でしたね。施設等の見学、月曜はとくに要注意!です
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[韓国の珍味(というか、なんというか・・・・)]ケブルのすべて(その2)

2015-08-28 16:13:13 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
 8月20日の記事の続きです。

④韓国のケブル産地
 ケブル(ユムシ)が棲息している所は干潟等の浅い海域の砂地。ということは、西海岸・南海岸に広大な干潟が点在する韓国は、干潟ならではの生物がいろいろいて、ケブルもその1つ。
 ケブル捕りの画像や記事等から具体的にその産地をみてみると、(釜山あたりから時計回りで)統営・三千浦・南海島・麗水・康津・保寧・安眠島・泰安等々。つまりは、南~西海岸の至る所といってよさそう。
 ※韓国の干潟の総面積は約2500㎢で、国土総面積(10万㎢²)の約2.5%。日本の干潟の総面積約500㎢(←うち有明海だけで4割を占める)の5倍! いかに多いかわかります。それでも20年前に比べて約20%もの干潟が開発のためになくなったそうです。→<コネスト>の記事参照。
⑤ケブルの獲り方
 ケブル捕りのニュース記事はほとんど1~3月の冬期に集中しています。ケブルは水温が高い夏場には干潟の表面から1m近く埋もれて過ごしますが、冬場になると繁殖のため表面に上がってくるので捕まえやすいということです。
 
 獲り方その1は、シャベル等で砂を掘って探し出す方法。
 右上の画像は忠清南道保寧市の武昌浦(ムチャンホ)海岸。) →コチラのブログ記事(韓国語)は、男性4人が忠清南道安眠島近くの浜にシャベルを持ってケブル獲りに行った時の記録。ケブルの巣穴(右画像)や捕った時の写真等もあります。 また、→コチラはその動画です。
 宝探しのようでおもしろそうでもあり、一般人や家族の行楽客などが潮干狩りのような感じで捕る分にはいいかもしれませんが、水を含んだ砂を掘る作業は相当疲れるのではないかと思います。

 獲り方その2。地元の漁民による本格的な獲り方はさすがにもっと大々的かつ効率的です。下の画像は全羅南道康津(カンジン)郡薪田面の沙草里(サチョリ)りものです。浜に立って砂を掘るのではなく、下半身が浸かるくらい海に入っています。
    
 2人が一組になって、1人がピッチフォークで干潟の泥を引っ掻き回し、もう1人が浮かび上がったケブルを玉網(?)ですくい取ります。

⑥冬場の収入源として近年注目! ネット通販もある。康津では養殖に成功、ケブル祝祭まで開催とは!
 韓国の記事をいろいろ見ると、このケブルを食べるという文化は近年むしろ注目度が高くなっているようです。
 ネット通販の商品リストにもナマコ(해삼)やホヤ(멍게)等とともに掲載されています。(※たとえば→<Gマーケット>。)
 ふつう7、8匹~30匹単位で売られているようですが、1匹あたりの値段は1000ウォン強~2000ウォン弱といったところ。
 <KoreaDaily>の記事(→コチラ)によると、上の2人一組でのケブル捕りの場合、うまく呼吸を合わせて捕れば1すくいで10匹を超えるケブルが網にかかるとか。つまりそれだけで1万ウォン以上になるわけです。もっとも地元の沙草里(サチョリ)の漁民は日常的にケブル漁をやっているのではなく、資源保護のため期日を限定し、それもわずか2時間半だけ。それでも総計1億1千万ウォン、150人の漁民1人あたり平均70万ウォンの収穫があり、そのほとんどは事前予約した人たちに宅配便で送ったそうです。
 とくにこの沙草里で注目されるのは、2012年当地の沿岸漁場でケブルの養殖に初めて成功」というニュースが報じられたこと。(→コチラ(韓国語)。)この記事は<2ちゃんねる>(→コチラ)でも日本語訳とともに紹介され、いろんなコメントが寄せられています。「養殖!」というだけでオドロキなのに、元記事に「年間ユムシの国内消費量は3000~4000トンだが生産量は200トン余りに過ぎず、大部分を中国から輸入している」とあるように国内消費の9割以上は中国産ということ。ホンマカイナ!?という数字です。
 沙草里に注目その2は、2014年3月8・9日そこで<第1回 ケブル祝祭>が開かれたこと。右画像はそのポスターです。 1万6千人もの観光客が訪れ、ケブルの売上1億6千万ウォンとその他の農水産物の売上を含めて2日間の総売上額は2億1千万ウォンに達して祝祭は成功裏に終わり、「所得創出祝祭」のモデルを提示した、と地元紙は報じました。(→コチラ。)

 続いて、韓国ではケブルの料理法とか、それがどんな食べ物として受け取られいるかとか、そんな韓国のケブルの日本での認知度等々について一気に書くつもりだったのですが、例によっていろんなことを書きすぎて予定字数オーバー。もう1回続けることにします。

 → ケブルのすべて(その3)
コメント (2)
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [8月21日(金)~8月23日(日)]

2015-08-26 13:20:53 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 アタマで観る映画やハートで観る映画とは別に、カラダで観る映画というのがあって、21日に観た「マッドマックス 怒りのデス・ロード」がまさにコレ。しかしよくもまああんな突拍子もない発想が出てくるものです。武装トラックの前面に立って火炎を噴射する(!)ツイン・ネックのギター&ベースをかき鳴らすドゥーフ・ウォーリアーとか、山海塾みたいに(笑)ツルツル頭で白塗りの若者軍団とか、棒高跳びのようにしなうポール攻撃とか・・・、ハハハのハです。しかし客席数186の館内の9割くらいが埋まっている映画を観たのは実に久しぶり。それにしても筋肉が疲れた!

 シネマ・ジャック&ベティで開催中の<よこはま若葉町多文化映画祭2015>で22・24日上映された韓国映画「フキデルヨロコビ」「アメリカ通り」はドジなことに見逃してしまいました。ゲイを扱った前者のイ・ジョンシク自身ゲイでHIV感染者であることをカミングアウトしている方だそうですが、彼のトークを聞いた知人からのメールによると「韓国のあるコミュニティで、若葉町って有名なんですって」とのこと。また2008年に韓国人男娼が若葉町で女装して客引きして逮捕され、13年には男娼の元締が逮捕されているとか。私ヌルボ、そんな事件は全然知りませんでしたが、考えてみれば歓楽街には付き物の文化(?)で、近くには東日本で唯一のゲイ専門の映画館という光音座もあるし・・・。フツーの映画サイトには載ってませんが、公式サイトは→コチラです。私ヌルボは入ったことはありませんが念のため。(って何が念のためなのか?)

 韓国の歴代観客動員1位なのに日本での劇場公開がなかった「鳴梁」ですが、8月12日DVDが発売されました。そのタイトルは「バトル・オーシャン/海上決戦」。うーむ、何のことやら・・・。韓国で観てセリフの意味の大半が聞き取れなかったヌルボも観てみなくっちゃ、と思ってます。

 これまた「世界で一番いとしい君へ」という意味不明のタイトルになってしまったのがキム・エランの小説が原作の「どきどき僕の人生」(クオン)。8月29日公開されます。公式サイトは→コチラ。高校生だった男女がデキ婚して産まれた子どものアルムは早老症という難病のため17歳なのに80歳の体に、・・・というとその子が主人公かなと思ったら、若い両親がカン・ドンウォンソン・ヘギョ。いったい主人公は誰?というのは小説を読んだ時からの疑問ではありますが、おとなとして未熟な両親の成長(!)を、精神的にも老成(?)している子どもの視点で見るという構図がユニークということかな? これも一応観てみなくっちゃ。

「朝鮮日報」8月21日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ビューティー・インサイド」
   バンジーみたいなメロ ★★★☆



 「私の母」

   予告しても無駄な別れ ★★★☆



 「ファンタスティック・フォー」

   ゲーム・映画の混ぜ麺て? ★★★



 「退魔:巫女窟」

   跳躍する物語がこわい ★★☆


 4作品とも以下の記事中で紹介しています。※「ファンタスティック・フォー」の評にある짬짜면とはチャジャンミョンとチャンポンを一皿にした料理のこと。

           ★★★ Daumの人気順位(8月25日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①ターミネーター2  9.4(762)
②レッド・トゥーム(韓国)  9.3(47)
③チャップリンの独裁者  9.3(37)
④X+Y / A Brilliant Young Mind(ネイドゥン)  9.3(21)
⑤戦場のピアニスト  9.3(585)
⑥危路工団(韓国)  9.1(20)
⑦あなたをずっとあいしてる(日・韓)  9.0(83)
⑧誠実な国のアリス(韓国)  8.9(96)
⑨少数意見(韓国)  8.9(1398)
⑩映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!(日本)  8.8(48)

 新登場は④「X+Y/A Brilliant Young Mind」だけです。このイギリス映画については6月30日の<10字評>で少し紹介しました。主人公のネイドゥン少年は数学の天才。彼にとって特別な存在だった父が突然交通事故で世を去った後、閉ざされた息子の心の扉を開くために努力する母と、昔はやはり数学の天才だったが今は心身を病んでいる数学の先生の支えで彼は国際数学オリンピックのイギリス代表に選ばれ、台湾で開かれる合宿に参加することになります。その合宿で彼はチャン・メイという中国人少女とペアを組むことになるのですが、ネイドゥン少年彼女に対しては数式では解けない感情(笑)を抱いたりして・・・。そしてケンブリッジ大学で開催される国際数学オリンピック大会に臨むのですが・・・。韓国題は「네이든」。日本公開は未定のようです。

     【専門家による順位】

①マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.8(9)
②セッション  8.4(7)
③ひと夏のファンタジア(韓・日)  8.0(7)
③危路工団(韓国)  8.0(7)
⑤インサイド・ヘッド  7.6(9)
⑥ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション  7.3(8)
⑥ベテラン(韓国)  7.3(8)
⑧雪の轍(わだち)  7.3(3)
⑨少数意見(韓国)  7.2(4)
⑩私の母  7.2(4)

 「新登場は⑩「私の母」だけです。ナンニ・モレッティ監督によるイタリア映画。主人公のマルゲリータ(マルゲリータ・ブイ)は女性映画監督で、ハリウッドの有名俳優バリー(ジョン・タトゥーロ)と映画撮影中、イタリアのある工場の買収という社会問題を扱った映画でストレスが溜まっています。そんな中、年老いた母が具合が悪くなって入院。いつもそばにいるだけの存在だった母がいつの間にか別れを準備しなければならないという現実に直面します。兄ジョヴァンニ(ナンニ・モレッティ)は介護休暇を取り、母の面倒をみます。一方彼女は、そうでなくてもまだ整理されていない前の夫との問題もあり、思春期の娘も抱えている。恋人との関係も・・・。はたして彼女はこうした状況をいかに考え、行動していくのか・・・。監督自身は「今回は女性主人公でなくてはいけなかった。死にゆく母と向き合うヒロイン自身が、娘であり、母であり、妻であり、恋人であり、そして映画監督という仕事をするプロであることが重要なのです」と語っています。韓国題は「나의 어머니」。日本公開は未定のようです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[8月21日(金)~8月23日(日)] ★★★

         「暗殺」は韓国映画動員数歴代ベスト10入り。「ベテラン」も1千万人超え確実

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・ベテラン(韓国) ・・・・・・・・・・8/05 ・・・・・・・・・1,345,788・・・・・・・・・9,042,890・・・・・・・・71,074 ・・・・・・・・・906
2(12)・・ビューティー・インサイド(韓国)・・8/20・・・・・486,204・・・・・・・・・・629,844 ・・・・・・・・・5,035・・・・・・・・・648
3(2)・・暗殺(韓国)・・・・・・・・・・・・・・7/22・・・・・・・・・・・484,200・・・・・・・・11,589,253 ・・・・・・・・89,980・・・・・・・・・611
4(新)・・ファンタスティック・フォー・・8/20・・・・・・・・・・234,519・・・・・・・・・・300,012 ・・・・・・・・・2,301・・・・・・・・・450
5(3)・・ミッション:インポッシブル・・7/30・・・・・・・・・・135,315・・・・・・・・・5,922,498・・・・・・・・46,966 ・・・・・・・・・356
            /ローグ・ネイション
6(5)・・ミス・ワイフ(韓国) ・・・・・・・8/13・・・・・・・・・・・・129,896 ・・・・・・・・・・616,618・・・・・・・・・4,649・・・・・・・・・325
7(4)・・ミニオンズ ・・・・・・・・・・・・・・7/29 ・・・・・・・・・・・122,214・・・・・・・・・2,492,644・・・・・・・・18,032・・・・・・・・・395
8(新)・・退魔:巫女窟(韓国)・・・・・8/20・・・・・・・・・・・・・64,228 ・・・・・・・・・・・90,061 ・・・・・・・・・・719 ・・・・・・・・327
9(7)・・インサイド・ヘッド ・・・・・・・・7/09 ・・・・・・・・・・・・54,302・・・・・・・・・4,892,849・・・・・・・・37,441・・・・・・・・・219
10(8)・・名探偵コナン ・・・・・・・・・・8/05・・・・・・・・・・・・・20,283 ・・・・・・・・・・459,776・・・・・・・・・3,213・・・・・・・・・130
       業火の向日葵(日本)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
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 「暗殺」のこの累計動員数は「TSUNAMI -ツナミ-(海雲台)」を超えて韓国映画歴代9位。「ベテラン」も急ペースで後を追っています。
 今回の新登場は2・4・8位の3作品です。
 2位「ビューティー・インサイド」は韓国のファンタジー・ロマンス。寝て起きたら毎日他人に変わる男性ウジン・・・という設定からして奇天烈。それも男、女、子供、老人、さらに外国人にまで。演じる俳優はなんと21人! コレが基本形というのがあるのか? キム・ボムス? ト・ジハン? それがパク・シネとかコ・アソンに早変わりしたり、えっ上野樹里もいますよ。かと思えばキム・サンホになっちゃったり。(笑) さてこんなウジンがイス(ハン・ヒョジュ)と出会い、初めてその秘密を明かして自分の気持ちを告白しようとするのですが・・・。原題は「뷰티 인사이드」です。
 4位「ファンタスティック・フォー」は、アメコミが原作のSFアクション。2005・07年の同名作品とは違う原作とか・・・。極秘の国家プロジェクトの実験中に事故に巻き込まれことから超能力を身につけた4人の若者たちがスーパーヒーローチームを組み、<異次元の脅威>に立ち向かいます。日本公開は10月で、すでに公式サイトも用意されています。韓国題は「판타스틱 4」。
 8位「退魔:巫女窟」は韓国のホラー。精神科専門医のチンミョン(キム・ソンギュン)は助手の霊媒師チグァン(キム・ヘソン)と共に退魔を行う退魔師。いつものように霊に憑りつかれた患者を治療していたある日、親切な先輩から謎のメールが届きます。そして突然亡くなった先輩の葬式で恐ろしい気配を感じた彼がそこで出会った女性クムジュ(ユ・ソン)は、1日に何度も別人のように変わって記憶を失います。夫の死も、だんだん変わり果てていく娘も、すべて自分のせいだと思って苦しむ彼女の中に、確かに別の何かがいる・・・。韓国らしい超自然的な現象に、済州島の説話や四・三事件等も絡んだ作品とのことです。原題は「퇴마: 무녀굴」。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・映画 ひつじのショーン・・・・・・・・・・・8/13 ・・・・・・・・・・・・・・7,042 ・・・・・・・・・・・・82,883 ・・・・・・・・・・・585・・・・・・・・73
2(2)・・誠実な国のアリス(韓国)・・・・・・・・・・8/13・・・・・・・・・・・・・・6,895・・・・・・・・・・・・・33,355 ・・・・・・・・・・・272・・・・・・・・42
3(新)・・奇跡のひと マリーとマルグリット・・8/20・・・・・・・・・・・・・2,315・・・・・・・・・・・・・・4,097 ・・・・・・・・・・・・28・・・・・・・・・39
4(24)・・ザ・カナル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/20・・・・・・・・・・・・・・1,555・・・・・・・・・・・・・・2,396 ・・・・・・・・・・・・19・・・・・・・・・44
5(4)・・危路工団(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・8/13・・・・・・・・・・・・・・1,079・・・・・・・・・・・・・・7,032 ・・・・・・・・・・・・54・・・・・・・・・23

 3・4位の2作品が新登場です。
 3位「奇跡のひと マリーとマルグリット」は、日本では6月に公開されています。韓国題は「마리 이야기: 손끝의 기적」です。
 4位「ザ・カナル」はアイルランドのホラー。映画フィルム管理人のデヴィッドは愛妻アリス、そして息子と満ち足りた生活をしています。ところがある日1902年のフィルム整理をしていて、彼の家で暮らしていたウィリアム・ジャックという男が浮気した妻を惨殺して近くの運河に遺棄した事件があったことを知ります。それ以降彼は自宅でジャックの亡霊を感じるようになり、危険が迫っていると思うようになるのですが・・・。韓国題は「더 커널」。日本公開は未定です。
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定年前退職S氏のソウル・慶熙大学校10週間留学記 (12)

2015-08-22 11:09:32 | S氏の慶熙大学校10週間留学記
<ヌルボより> 民族楽器タンソの魅力にはまったS氏ですが、たまたま8月25日(火)夜に韓国文化院でタンソ公演があることを知り、一緒に聴きに行くことにしました。私ヌルボも合奏では聴いたことがあったかもしれませんが、独奏の演奏会は初めてです。
 さて今回は最初に利川まで1泊の吟行。いろいろ観光地を巡るのはいいとしても、短い間に5句とか3句とか作れというのはヌルボにはムリ(^^;)。
 あいかわらずオジサンたちや若いクラスメートたちと飲んだり食べたりしてます。とくに40歳も年の離れた若者とフツーにつき合ってるのはいいですね。

◎5月30日(土)
 今日は利川(イチョン)まで1泊吟行の日。朝8時45分に鐘閣(チョンガク)に集合し、観光バスで現地に向かう。
 参加者は20代後半から85歳まで20名。85歳のおじいさんはほんとに元気だ。韓国の人と結婚し大阪に住んでいたが2、3年前に韓国に引っ越したらしい。韓国語は全くしゃべれない。長生きの秘訣は俳句だそうだ。余裕をもって朝7時前には起きたが、持っていくのを忘れないようにと昨日買ってわざわざ玄関に置いておいた差し入れ用のマッコリを置き忘れてしまう。地下鉄に乗ってから気がついたが時すでに遅し。
 あいにくの小雨模様で少し肌寒い。ハイウェイを走る車窓から見える緑の山並みが美しい。日本でも見慣れた光景だ。田植えを終えたばかりの水田も懐かしい光景だ。1時間45分ほど走り、世宗大王陵を見学。実に広い敷地に松の木が周囲にたくさん植えられ、芝生がきれいに刈られている。ここは世界遺産に登録されている。大きな土饅頭のお墓が偉大な業績を物語っている。この地は陶芸だけでなく利川米というブランド米の生産地でもあるらしい。次は海剛(ヘガン)陶磁美術館でホットモットの弁当をいただく。昼食後美術館の敷地にある登り窯を見物していると、いつの間にか館長のユ・グァンヨル(柳光烈)氏が出てきて窯の説明をしてくれた。丸顔で小太りの童顔の面影の残るおじいさんだ。この人は陶磁器の作家、収集家、研究家として日本でも名前が知られているらしい。収集の苦労話を日本語で愉しそうに話していた。館内にも11~12世紀頃の陶磁器が展示されているほか自身の手による現代作品も展示してある。相当高価なものも多数あるらしい。財産を切り売りして収集したらしく、「もうお金がなくなってきた。個人で継続するのは本当に大変だ」と話していた。そのあと雪峰(ソルボン)公園を散策。雨も降っていてとくに見るものもなかった。
 3時ごろ公園発。やっと日がさしてきた。場所を移して句会に入る。5句詠まなくてはいけない。なかなか大変だ。5時半から夕食。
 食後ホテルにチェックイン。利川で一番料金の高いホテルでミランダという。7時半からホテル内の幹事部屋で2次会。ここでも酔いが回ったところで1人3句の課題。12時過ぎに散会。

◎5月31日(日)
 朝7時朝食。7時半から早朝句会。
 9時にホテルを後に後にする。私はここで一人離れ市外バスに乗ってソウルに戻る。句会の皆さんとはここでしばしの別れとなる。2ヵ月間だがすっかり皆さんにお世話になった。俳句の面白さを教えてもらった。やっと親しくなった人もいた。もう2度と会えない人がほとんどだ。一行はこれから陶器作りと句会に向かう。「もう1日一緒に行きましょう」と誘われたが、宿題もあり期末試験も近いので後ろ髪を引かれる思いで1人利川を後にした。
 バスターミナルはホテルから近いので助かった。10時半にはソウルに到着。トウミにプレゼントでもあげようと思い清涼里で下車。ロッテデパートでネクタイを購入。

◎6月1日(月)
 今日はクラスメートのアラブ系の2人と昼食を共にする。以前ご馳走になった10代の若者に対するお礼と、もう1人ホットドックをご馳走になった2人への謝礼をかねて、前から今度はお返しに寿司でも食べようと企画していたが、結局タッカンマリを食べることになった。明日も一緒に食べようということになった。
 夕方カンさんから連絡があった。「今日は機械が壊れて6時間かけても直らなかった。仕事にならず疲れたので一緒に飲みましょう」との誘いだった。8時に回基(フェギ)で待ち合わせ。同じ商店街でかばん店を経営している友だちを連れてきて近所のシクタンで一緒に食事をする。
 この食事はカンさんがご馳走してくれた。最近割り勘にしようといっても受け取ってくれない。いつかまとめてお返しをしなければならない。食事の後に、家に来て一緒に飲もうと話があり、ついついお邪魔してしまうことになった。駅から徒歩3、4分のところにあるマンション群の中の17階建てマンションの17階。奥さんが出迎えてくれる。お子さんも挨拶してくれた。美味しい刺身を用意していてくれた。美味しかった。日本と同じで大根のツマの上に盛られていてツマを食べようとしたら「それは食べないほうがよい」といわれた。韓国のひとはツマは食べないらしい。それにしても家は広いし、眺めもいい。この家を手放したのはもったいないと思う。新しい家はやはりマンションで、1階になるらしい。職場には今より3駅近くなるらしい。また今より少し狭くなるという。
 夜も更けてきたのでお暇する。駅までカンさんが送ってくれた。電車に乗ったが何駅か手前の駅が終着だった。駅員に次の電車は?と訊くと「もう今日は終わりました」と告げられた。やむを得ずタクシーに乗車。

◎6月2日(火)
 今日の文法の授業は代役の先生だった。担任は急に体調を崩し今日は休みとのことだった。授業の内容は昨日からパンマル(ぞんざい語)の授業。なかなかややっこしい。
 授業のあと、アラブ系の二人と一緒に学校のそばにあるインド料理を食べに行った。今日は中国人のクラスメートとその友だちも一緒だった。アラブ人の友だちが食事代を支払ってくれた。昨日は自分が支払ったがそれよりか高い。自分が一番年上なので払うと言ったが受け取らない。また借りができてしまった。
 夕方トウミからメールが入る。今学校にいるので後で会って食事をしようという内容。6時に会ったが、昼ごはんが効いてまだお腹が減らない。喫茶店に行き勉強の手助けをしてもらう。1時間ほどいて食事に行く。
 俳句会の人からメールが入り、「観光するのにすごくいい場所がある。帰国前に一度行ってみたほうがいいです」との内容。先日の句会のときにそんな話を聞いていたがそのままにしていた。交通手段が詳しく記載されていた。中央線の九里という駅からバスで15分くらい行ったところにある東九陵という王陵墓がある広大な公園らしい。時間がなくなってきた。いつ行こうか。

◎6月3日(水)
 今日もパンマルの授業。意外と複雑でよくわからなくなった。このままでは試験に出てきてもわけがわからない。そろそろまとめなければ理解できなくなってきた。
 帰りがけに中級クラスの中国人の女の子に会う。文法のテキストを見せてももらったがやはり難しそうだ。日本へ帰って勉強するため校内の書店に行くといったら一緒につき合ってくれた。「このテキストの中身はいいよ」というので買おうとしたら、色刷りの教科書で「高いからやめた方がよい、単色だが鐘閣の本屋に行けば安く売っている」とのこと。ちなみに買おうとした本は2700ウォン。言われたことに従うことにした。金曜日に鐘閣へ行く予定があるので、カンさんへのプレゼントとあわせて買いに行くことに決める。

◎6月4日(木)
 朝から気温が高い。完全な夏だ。授業前に、今学期が終わった後いったん帰国する生徒に、「マーズの件で家族が次学期に韓国に来ることを反対されたら必ず連絡するように」とのこと。やはりマーズの影響は大きいようだ。
 今日で授業は終わりとなった。なんとなく寂しい気がする。明日からは試験が始まる。進級する必要がないので気は楽だ。
 明日は会話の試験と筆記の試験。午後トウミと会って筆記の手伝いをしてもらった。手紙とネットショッピングで買った商品のクレームをネットで行うという想定。書くには書いたが、ほとんど書き直された。明日の気が重たくなりそう。
 今日、以前勤めていた会社の女性が彼氏と一緒に韓国に着いたとの連絡が入った。明日は一緒に食事をすることになっていたが、その打ち合わせのメールのやり取りで時間がかかり、明日の試験勉強はおろそかになった。また、一時帰国していた西江大のおじさんからも連絡があり土曜日に会いましょうとの連絡があり、カンさんとは日曜日に釣りに行くことになっている。まあ試験よりは楽しむことにするしかない。せっかくなので外大の留学生に明日一緒に付き合わないかと探りを入れてみた。やはり課題があって忙しそうだが、頑張ってみますと連絡があった。

<ヌルボより> いろんな人(とくに学生)におごってもらったS氏、「今度はお返しを・・・」と常に気にかけているのは「日本人らしい」ところなのでしょうね。おごってもらっても全然無頓着なのもどうかと思いますが、あまり気にしすぎるのも<韓国標準>からはちょっとはみ出ちゃうかも・・・。

 いろいろ観光地が出てきましたが、過去私ヌルボが行った所は皆無! 以下はそれぞれについてのメモ。
 世宗大王陵(英陵)は京畿道驪州(ヨジュ)市にあるユネスコ世界文化遺産です。詳しくは<韓国観光公社>の記事(→コチラ)や<京畿道>公式サイトの記事(→コチラ)参照。
 海剛陶磁美術館も私ヌルボ、行ったことがないどころか知りませんでした、はい。これも詳しくは<コネスト>の記事(→コチラ)を参照されたし。そこの初代館長(柳光烈氏の父)の海剛・柳根(ユ・グニョン)氏(1894~1993)のことは→コチラに記されています。高麗青磁の技術を復活させた陶芸家とのことです。
 雪峰(ソルボン)公園については<コネスト>の記事(→コチラ)参照。また→コチラの記事はこの公園で<利川陶磁器祭り>が催されている時の旅行記ですが、路上オブジェがおもしろそう。
 東九陵は九里市にある韓国内最大規模の朝鮮王陵です。詳しくは<ソウルナビ>の記事(→コチラ)参照。私ヌルボはここも行ったことナシ。これに続く規模の西五陵(→コチラ)は以前行ったんですけどねー。
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韓国の文学館 ④江原道編(下)

2015-08-21 15:55:20 | 韓国の文学館(全)
 韓国の文学館 ③江原道編(中)の続きです。

 これでようやく江原道編が完了。
 このように作家の経歴や作品まで一応見たりしていると、韓国の近現代文学についていろんなことがわかってきます。またそれぞれの作家がどのように日本で紹介されてきたか(orされてこなかったか)ということも・・・。手間はかかりますが、個人的には勉強になります。

 これで約100館ある全体の5分の1。まとめれば1冊の本になりそうですが、いつまでかかることやら・・・。

※基本的なデータは韓国文学館協会の公式サイト(http://www.munhakwan.com/)です。
※各欄の背景の色がピンクのものは韓国文学館協会所属の施設、緑色のものは所属していない施設です。
※紹介した作品は日本で刊行されているものです。(絶版書を含む。)

«江原道(下)»
18李海仁(イ・ヘイン)詩文学館と金亨錫(キム・ヒョンソク) 安秉(アン・ビョンウク)哲学の家
이해인 시문학관과 김형석 안병욱 철학의집
○住 所 :255-803 江原道楊口郡楊口邑破虜湖路869番キル101
       (255-803 강원도 양구군 양구읍 파로호로 869번길 101)
○電 話 :033-482-9800
○開館年 :2012年
○観覧時間:9:00~18:00
○休館日 :月曜
○施設概要:3人の詩人・哲学者に関する展示や特別展示の他、金亨錫教授の講演会等を催している。
○作 家①:李海仁(イ・ヘイン)=1945~。修道女・詩人。楊口郡生まれ。1964年慶尚北道金泉市の聖義女子高校を卒業後オリベターノ聖ベネディック修道女会に入会。1968年修道者として生きることを誓願した後、韓国天主教中央協議会で働く等、カトリック関係の仕事に従事してきた。1976年最初の詩集「たんぽぽの領土(민들레의 영토)」を刊行。またフィリピンの聖ルイス大学や西江大学大学院で宗教学等を専攻した。2008年以降はがん治療のため釜山で長期療養中。
○李海仁について:ウィキペディア(韓国)
    →https://ko.wikipedia.org/wiki/%EC%9D%B4%ED%95%B4%EC%9D%B8_(%EC%88%98%EB%85%80)
○李海仁に関する日本語記事:
    ①http://contents.innolife.net/book/qacont.php?qa_table=fs_report3&aq_id=2701
    ②http://www.wowkorea.jp/news/enter/2014/0425/10124863.html
    ③http://ameblo.jp/malmadang/entry-12050311856.html
○作 家②:金亨錫(キム・ヒョンソク)=1920~。随筆家・哲学者。平安南道大同郡で生まれる。1943年上智大学哲学科を卒業。キリスト教的実存主義に立脚して多くの哲学的随筆を発表し、とくに1959年刊行の随筆集「孤独という病(고독이라는 병)」は ベストセラーにもなった。
○KBS「朝の広場(아침마당)」に出演した金亨錫(96歳)の動画:
    →https://www.youtube.com/watch?v=exz--UDuHoc
○作 家③:安秉(アン・ビョンウク)=1920~2013年。哲学者。号は怡堂(イダン)。平安南道龍岡郡で生まれた。1943年早稲田大学文学部哲学科を卒業。その後京城第一普通学校(現・京畿高校)やソウル高校の教員(国語)。(ナム・ジュン・パイクや金宇中は前者での教え子である。) 1958年<思想界>の主幹を経て延世大とソウル大講師を務め、1969年に崇実大学教授になった。
○安秉について:ウィキペディア(韓国)
    →https://ko.wikipedia.org/wiki/%EC%95%88%EB%B3%91%EC%9A%B1
○安秉の逝去後、息子の安ドンギュ翰林大教授が父について書いた記事:
    →http://www.kado.net/news/articleView.html?idxno=649512
 ※これによると中学生の時李光洙と会って安昌浩を紹介されたこと、日本留学当時尹東柱、咸錫憲、張俊河、鮮于(久しい友人)との親交があったこと、また金亨錫は親友といったことが記されている。
○1985年12月29日放送のKBS<日曜放談>での安秉と金亨錫の対談(韓国語):
    →http://blog.joins.com/media/folderlistslide.asp?uid=skc0706&folder=205&list_id=10509791
 ※ソウル高(8期)の教え子たちが記念館訪問(動画):
    →https://www.youtube.com/watch?v=aCp28AF244I
19李孝石(イ・ヒョソク)文学館
이효석문학관
○住 所 :232-925 江原道平昌郡蓬坪面孝石文学キル73-25
       (232-925 강원도 평창군 봉평면 효석문학길 73-25)
○電 話 :033-335-9669
○mail  :www.bongpyong.co.kr
○公式サイト:http:// www.hyoseok.org
○開館年 :2002年
○観覧時間:5~9月9:00~18:30、10~4月9:00~17:30
○休館日 :1月1日、旧正月、秋夕
○施設概要:展示室では李孝石の初刊本や作品が発表された雑誌・新聞等を展示。昔の蓬坪市場の再現模型や、彼の文学と生涯を扱った映像等もある。文学教室ではさまざまな映像が視聴でき、文芸行事も行われる。学芸研究室では各種資料を備え、彼の文学世界を研究するスペース。そば資料室にはそばについての各種資料がある。文学庭園やカフェもある。
※文学館は眺めが良い丘の上にあり、周囲に広がるそば畑で白い花が咲く9月には平昌孝石文化祭が催される。
○コネストの記事
    →http://www.konest.com/contents/spot_event_detail.html?id=7289
○作 家 :李孝石(イ・ヒョソク)=1907~1942年。号は可山。江原道平昌郡蓬坪面に生まれる。京城帝国大学法文学部英文科に在学中の1928年「都市と幽霊」を文芸誌「朝鮮之光」に発表し文壇に登場。大学卒業後教職を務めながら執筆活動を続け、1936年代表作の「そばの花咲く頃」を発表。
○ウィキペディア:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E5%AD%9D%E7%9F%B3
○作 品 :「朝鮮短編小説選 下」(岩波文庫.1984)に「そばの花咲く頃」所収。「集英社ギャラリー 世界の文学」(集英社.1991)に「薔薇が病む」所収。「そばの花の咲く頃 日帝時代民族文学対訳選」(新幹社.1995)に「そばの花咲く頃」「粉女」所収。「〈外地〉の日本語文学選 3 朝鮮」に「蕎麦の花咲く頃」所収。「小説家仇甫氏の一日 ほか十三編」(平凡社.2006)に「都市と幽霊」所収。「日韓併合期ベストエッセイ集」(ちくま文庫.2015)に「棗」所収。
○韓国観光公社の記事(日本語):http://japanese.visitkorea.or.kr/jpn/TE/TE_JA_7_1_1.jsp?cid=282370
20「土地」文学館
토지문화관
○住 所 :220-842 江原道原州市興業面梅芝回村キル79
       (220-842 강원도 원주시 흥업면 매지회촌길 79)
○電 話 :033-762-1382,、766-5544
○mail  :tojicu1@chol.com
○公式サイト:http://www.tojicul.or.kr/
○開館年 :1999年
○観覧時間:月~土曜9:00~18:00
○休館日 :日曜、公休日
○施設概要:次のような文化活動を推進し、またその場を提供する。(1)学術・文化行事の企画及び推進・・・・セミナーやシンポジウム等の開催。(2)研究と創作活動のサポート・・・・ 研究や創作等の場所の提供。 (3)国際学術文化交流活動・・・・国内外の学者や芸術家の招聘、講演及び国際学術会議の開催。(4)文化運動と教育活動・・・・地域文化の活性化、青少年文化教育活動の場の設定等。
※施設名は朴景利の小説「土地」によるもので、館長も朴景利の娘の金玲珠(キム・ヨンジュ.詩人金芝河夫人)が務めているが、ここは上記のように文化活動のための施設といった性格が強いようで、朴景利や「土地」については朴景利文学公園(原州市)、朴景利記念館(慶尚南道統営市)の展示が適していると思われる。
21韓国詩集博物館
한국시집박물관
○住 所 :252-821:江原道蹄郡北面萬海路136
       (252-821 강원도 인제군 북면 만해로 136)
○電 話 :033-463-4082
○公式サイト: http://xn--zb0b2hu97a1ya31wlzk6ku.org
○開館年 :2014年
○観覧時間:3~10月9:00 ~18:00、11~2月9:00 ~17:30
○休館日 :月曜、旧正月当日、秋夕当日
○施設概要:1万㎡近い敷地に建てられた地上2階地下1階の施設。国内外300人余りの人々から寄贈された詩集1万冊を所蔵。「鄭芝溶詩集」(1935)をはじめと1950年代以前の希少詩集も100冊以上含まれている。1階には図書室・体験空間、2階には近現代(1900~1970年代)の韓国の詩集を時代ごとに展示した常設展示室と企画展示室等がある。
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[韓国の珍味(というか、なんというか・・・・)]ケブルのすべて(その1)

2015-08-20 12:49:02 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
 とりあえずは寿司と刺身の画像をご覧ください。
    

 ネタは何だと思いますか? マグロの赤身、じゃなくて、「もっと表面の肌理が細かく滑らか」「コリッとした歯応え」があって「ほのかな甘み」があり、「海藻のような香り」がして「サクサクとした食感」なのだそうです。
 左の寿司はソウルの寿司屋(すし銀)のものですが、日本ではまず考えられない寿司ネタです。
 
 正解は右の画像なんですが、ちょっと得体の知れない生物でしょ? 私ヌルボ、「なるべく穏当なものを」と思って「海辺にいる生きもの」(永岡書店)に載っている写真を小さめにして載せたんですけどね。

 で、何という生物なのかというと、韓国語でケブル(개불)、日本語ではユムシです。韓国では必ずしも日常的・一般的とは言えず、食べたことがない人もふつうにいるようですが、(たぶん)誰もが知っている食材です。
 ちなみに私ヌルボは食べたことがありません。7、8年前だったかソウルの街歩きをしていた時、海鮮料理の店の前に置かれた水槽で初めて見て、以来ずっと気にはなっていました。
 今月初めちょっとしたキッカケでコイツに再び興味を持ち、いろいろ探ってみました。以下、いくつかの項目に分けてその成果(?)を備忘録的に記してみます。

①生物学上の分類
 ユムシ動物門ユムシ綱ユムシ目ユムシ科の海産無脊椎動物。
 これはスゴいことです。私ヌルボ、遠い昔「生物」を受験科目の1つとして選択していました。当時は生物の分類とかもその暗記項目の中にあって、その系統樹の下位から種・属・科・目・綱・門・界と分類階層が上がっていく、ということも憶えました。
 で、たとえばライオンとかトラとかエラそうにしてますが(笑)、どちらも分類学上は動物界・脊索動物門・脊椎動物亜門・哺乳綱・ネコ目・ネコ科・ヒョウ属に属する動物にすぎないのですね。ようするに下っ端ですよ。(別に彼らを軽蔑してるわけではないが・・・。) その上の上の上(!)に位置づけられるネコは「目」。これでも大したもので、その上に哺乳「綱」。
 つまり、環形動物「門」・軟体動物「門」・節足動物「門」等々に伍して、このチャチな動物だけでもってユムシ動物「門」と堂々たる一家を構えているというわけです。ま、体節がないので環形動物「門」には入れられないし、しかたなく独立させたようでもありますが・・・。(他にも星口動物「門」などというのがあるそうです。)

②名称とその意味
 学名Urechis unicinctusはよくわからんので措くとして、ユムシを漢字で書くと螠虫。ウィキペディア(→コチラ)を見ると、「和歌山ではイイ」とありますが、この読みは中国語の音読みによるもののようです。そもそもユムシというのがイイムシから転訛したものではないか、というのは私ヌルボが今思ったこと。また「九州ではイイマラなどとも呼ばれている」というのはもちろんその形状によるものでしょう。(その昔、東京五輪の際(?)天皇への説明役が「マラソンは・・・」等々と説明していると侍従(?)だかが「陛下に対してそんな品のない言葉を使ってはなりません!」と注意した、というエピソード(笑い話?)を聞いたことがあります。)
 そして韓国語の개불。これは「개」+「불알」の縮約語で、つまりはイヌのナニですなー。
 さらに英語では「fat innkeeper worm」またはpenisfish(!)なんですと。いずれも同じような発想。(笑) なお「penisfish」で検索すると、その2割くらいに「korean penisfish」と「korean」が付いてます。

③日本では主に釣り餌。えっ、平安貴族が食べた!? 北海道でも!?
 日本でこのユムシを見たいという人は、クロダイやマダイ等の釣り餌として用いられるとのことなので釣具店で訊いてみるといいかも・・・。私ヌルボ、釣りのことは全く疎いので、ふつうにあるものかどうかはわかりません。ただ、<釣餌ギャラリー>(→コチラ)というサイトには当然のように載っています。(それにしても、釣りファン以外の者にとってはオゾマシイ画像のオンパレード!) また釣り餌の通販でこのユムシを購入することもできます。→コチラでは1匹150円になってます。
 ところで、今回ユムシに再び関心を呼び起こすきっかけになったのは、8月7日の記事(→コチラ)で日本古代のスプーンの使用に関して横浜市立図書館所蔵の「類聚雑要抄指図巻」を見てみたこと。1116年内大臣藤原忠通の食膳(下左)に上がった料理の中にユムシがあったのです。
    

 飯のすぐ右上。「海月(クラゲ)」、「老海鼠(ホヤ)」の右の「蝙[虫若]」がユムシとのことです。(鈴木晋一「馬琴の食卓」(平凡社新書)参照。) ただ、それが塩辛だったと考えるのが「最も必然性に富む」としながらも「憶測の域を出ない」と記し、和え物等それ以外だったかもしれないとのことです。
 しかして現在。大方の日本人の食生活には無縁のユムシが北海道に一部では食されているそうです。
 石狩市浜益区では、数年に1度という大しけの翌朝海岸に打ち寄せられるルッツすなわちユムシを地元の人たちが拾って調理して食べる。あるいは内臓を取って冷凍保存するそうで、→コチラの記事には拾って→調理して→盛りつける、一連の写真が掲載されています。(キレイに撮られていてエグい写真はない(?)ので安心して見てみてください。)
 この記事によると、調理法は炒める、茹でる、刺身にする等、家庭によりさまざま。青南蛮・麹・醤油を各一升ずつ漬け込んだ三升漬という保存食もあります。
 ※石狩市浜益区のルッツについては2013年1月「北海道新聞」にも大きく取り上げられました。(→コチラ。)
 ※2014年オホーツク海に面した紋別市でもしけの後2度ユムシが大量に浜に打ち寄せられたことが報じられました。→コチラと→コチラ

 とりあえず、日本国内でのユムシ状況を概観してみましたが、はたしてここまで読んでくださった皆さんは「よし、食べてみよう!」と思われたかどうか?(10人に1人くらい?)

 続きでは本論、すなわち本場韓国の状況について書きます。

 → ケブルのすべて(その2) ④韓国のケブル産地 ⑤ケブルの獲り方 ⑥冬場の収入源として近年注目! ネット通販もある。康津では養殖に成功、ケブル祝祭まで開催とは!
 → ケブルのすべて(その3) ⑦韓国でのケブルの食べ方は? ⑧韓国でもフツーの食べ物でもない? ドラマ「星から来たあなた」の<チョン・ジヒョン効果>は? ⑨(ソウルでは)鷺梁津水産市場に行かなくてもあるけど・・・
 → ケブルのすべて(その4) ⑩寺沢大介「将太の寿司」の韓国編 ケブル鮨をめぐって ★追記その1~4
 → 韓国生まれの大人気学習漫画<サバイバルシリーズ> ジオたちが干潟であのケブル(ユムシ)と遭遇!

※他ブログの参考記事
 → 食材【ユムシ】ってなに?韓国「ケブル」北海道「ルッツ」謎の珍味
コメント (9)
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [8月14日(金)~8月16日(日)]

2015-08-19 14:30:43 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 一昨日観た「レッドカーペート」は思いがけない(?)佳作。過去10数年間で270余本ものポルノ映画(韓国では에로 영화[エロ映画])を撮ってきたパク・ボムス監督の初のふつうの(?)劇場用作品。内容もそのまんまで、監督の思いがストレートに伝わってきます。しかし20:50からの回とはいえ300席近くあるスクリーン5で私ヌルボ含めて観客が3人とは少なすぎ。これはぜひ!

 先週の記事では紹介しませんでしたが8月22日(土)まで<2015新大久保 映画祭>(→公式サイト)開催中。で、昨日は「Makgeolli Girls(マッコリガールズ)」「私の独裁者」を続けて観てきました。(∴この記事のアップが遅れた。) 「Makgeolli Girls」の上映後のキム・ギヨン監督のトークによると撮影では本物のマッコリではなくソフトドリンクのアッチメサルを用いたそうです。会場の9割以上は女性で、中でも出演していたチャンジョ(Teen top)のファンが大勢。本人から電話が入って会場からの質問に答えたりして盛り上がって・・・という私ヌルボにとっては新奇な(?)展開に。

 一方先週紹介した主催団体さえ不明のアヤシイ<韓国ドキュメンタリー映画祭>。行ってきましたがな神楽坂へ。マンションの1室の畳部屋(笑)での上映会というのは久しぶり。30人以上集まってました。キム・ミレ監督の「노가다(NoGaDa.土方)」(2005)もムン・ジョンヒョン監督「할매꽃(おばあさんの花)」(2009)もふつうの劇場映画では観られない内容で観に行って正解。とくに後者は、朝鮮戦争当時の左右対立や親しかった間柄の中での殺し合い(!)といった過去が今も尾を引いていること、それがまたさらに昔の両班(ヤンバン)と常人(サンイン)という身分差にも結びついていること等が監督自身が撮った家族史の中で明らかにされていくといったもので、とても興味深い作品でした。

 先週観た「この国の空」も「深い」映画でした。<映画生活>のレビュー中の「女の純粋なしたたかさ。 男のまっすぐなずるさ。荒井晴彦さんならではのいやらしさかな。」というのを見て(→コチラ)うまく表現するものだと思いました。

「朝鮮日報」8月17日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~」
  手作りアニメのチカラ ★★★☆
 「侠女、刀の記憶」
  華麗なのだが不自然な ★★★
 「劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス」
  遅くても追いつけない ★★★
 「危路工団」
  話よりよかった裁縫術 ★★★☆
 「ミス・ワイフ」
  ジョンファの変身に◎ ★★★
 「青の寝室」
  それでどうするのかな ★★☆
 「劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス」は日本では2月に公開されました。「青の寝室」はシムノン原作の不倫ミステリー。日本ではWOWOWで放映されたようですが劇場未公開。詳細は→コチラ。他の4作品はすべて以下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(8月18日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①ターミネーター2  9.4(759)
②レッド・トゥーム(韓国)  9.3(47)
③チャップリンの独裁者  9.3(37)
④戦場のピアニスト  9.3(585)
⑤あなたをずっとあいしてる(日・韓)  9.0(83)
⑥誠実な国のアリス(韓国)  9.0(55)
⑦少数意見(韓国)  8.9(1386)
⑧映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!(日本)  8.8(48)
⑨アマゾン大冒険~世界最大のジャングルを探検しよう!~  8.8(31)
⑩ちいさなドラゴンココナッツ  8.8(24)

 新登場は⑥「誠実な国のアリス」だけです。この作品については後述します。

     【専門家による順位】

①マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.8(9)
②セッション  8.4(7)
③危路工団(韓国)  8.1(6)
④ひと夏のファンタジア(韓・日)  8.0(7)
⑤インサイド・ヘッド  7.7(8)
⑥ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション  7.3(8)
⑥ベテラン(韓国)  7.3(8)
⑧雪の轍(わだち)  7.3(3)
⑨少数意見(韓国)  7.2(4)
⑩生きる(韓国)  7.1(8)
⑩紙の月(日本)  7.1(8)

 新登場は③「危路工団」だけです。女性労働者問題をテーマにした韓国のドキュメンタリーで、今年10月熊本で開催される<東アジア市民共生映画祭>(→公式サイト)で上映されます。ソウル市九老区の工業団地(九老工団)で低賃金・長時間労働を強いられていた労働者が大規模な同盟ストライキで決起したのが1985年。李文烈原作の映画「九老アリラン」が公開されたのは1989年で、そこでは九老の縫製工場で働く女性労働者たちの姿が描かれていました。現在九老工団は九老デジタル団地へと変貌しましたが、「女工」という呼び名や労働の質は変わっても<感情労働>等の新たな問題も生じています。そんな女性労働者の約40年間の歴史を紹介しています。原題は「위로공단」で、「慰労工団」とも読めますが、<東アジア市民共生映画祭>の表記に合わせました。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[8月14日(金)~8月16日(日)] ★★★

         連続1位「ベテラン」好調。2位「暗殺」は1千万人突破

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・ベテラン(韓国) ・・・・・・・・・・8/05 ・・・・・・・・・2,254,158・・・・・・・・・6,642,909・・・・・・・・52,183 ・・・・・・・1,115
2(2)・・暗殺(韓国)・・・・・・・・・・・・・・7/22・・・・・・・・・・・989,724・・・・・・・・10,650,276 ・・・・・・・・82,774・・・・・・・・・767
3(3)・・ミッション:インポッシブル・・7/30・・・・・・・・・・469,346・・・・・・・・・5,615,206・・・・・・・・44,564 ・・・・・・・・・500
            /ローグ・ネイション
4(4)・・ミニオンズ ・・・・・・・・・・・・・・7/29 ・・・・・・・・・・・267,888・・・・・・・・・2,270,492・・・・・・・・16,449・・・・・・・・・512
5(新)・・ミス・ワイフ(韓国)・・・・・・・8/13・・・・・・・・・・・・256,206・・・・・・・・・・328,557・・・・・・・・・2,487 ・・・・・・・・・437
6(新)・・侠女、刀の記憶(韓国)・・8/13・・・・・・・・・・・・247,119 ・・・・・・・・・・333,373・・・・・・・・・2,623・・・・・・・・・562
7(5)・・インサイド・ヘッド ・・・・・・・・7/09 ・・・・・・・・・・・131,933・・・・・・・・・4,782,664・・・・・・・・36,630・・・・・・・・・332
8(6)・・名探偵コナン ・・・・・・・・・・・8/05・・・・・・・・・・・・・76,397 ・・・・・・・・・・414,681・・・・・・・・・2,894・・・・・・・・・253
       業火の向日葵(日本)
9(98)・・映画 ひつじのショーン・・・8/13・・・・・・・・・・・・・44,246 ・・・・・・・・・・・60,190 ・・・・・・・・・・436 ・・・・・・・・261
       ~バック・トゥ・ザ・ホーム~
10(新)・・誠実な国のアリス(韓国)・・8/13・・・・・・・・・・・11,949 ・・・・・・・・・・・16,614 ・・・・・・・・・・136 ・・・・・・・・・69
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 一昨年の「雪国列車」や「テロ,ライブ」等、昨年の「鳴梁」や「パイレーツ」等とこのところ夏は韓国映画が好調なようで、今夏も「暗殺」が1千万人を突破、「ベテラン」も快調に続いています。
 今回の新登場は5・6・9・10位の4作品です。
 5位「ミス・ワイフ」は韓国のコメディ。ニューヨーク本社への栄転発令を目前にして突然の事故に遭ってしまったヨヌ(オム・ジョンファ)。生死の境をさまよう彼女の前に怪しい男イ・ソジャン(キム・サンホ)が現れます。彼は1ヵ月間ヨヌが他の人間として生きれば再びもとのヨヌの生活に戻してあげると提案。それを受け入れて他人の人生を歩み始めたヨヌ。それは優しい夫と子供2人を持つおばさんの人生でした。人生が大逆転して戦争のようなおばさんの生活にパニックとなったヨヌ。一方わけもわからず変わってしまった妻(母)に夫ソンファン(ソン・スンホン)と子供たちもあわてます。1ヵ月間完全に隠し通さなければならない彼女の人生はどうなる? 原題は「미쓰 와이프」です。
 6位「侠女、刀の記憶」は韓国の時代劇。舞台は剣が支配していた高麗末。
王を夢見ていた男(←ユベク(イ・ビョンホン)だろうな?)の裏切り。そして18年後彼をねらう2本の剣。その3本の剣というには
高麗を欲しがる剣ユベク、大義を守る剣ウォルソ(チョン・ドヨン)、復讐を夢見る剣ホンイ(キム・ゴウン)。思いの異なる3本の剣がぶつかる・・・ということですが、もうちょっと具体的にしりたいところ。原題は「협녀, 칼의 기억」です。
 9位「映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~」は、日本では7月に公開されています。「숀 쉽」です。
 10位「誠実な国のアリス」は、「誠実に働こうとしても報われない」韓国の社会を反映した作品。スナム(イ・ジョンヒョン)は資格を14つも取得しているほど何事にも器用な女性。結局仕事はコンピューターに取られるものの、なんとか就職。愛する夫と2人で暮らすマイホームを夢見て仕事を2つ3つかけもちして働きますがなぜか借金は増えるばかり。そんな折、借金を一気に返す絶好の機会が・・・。しかしなぜ幸せを邪魔する人たちがしきりに現れるのか? もうやられてばかりはいられないと立ち上がった彼女。その痛快な復讐劇とは? 原題は「성실한 나라의 앨리스」。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(41)・・映画 ひつじのショーン・・・・・・・・・・8/13 ・・・・・・・・・・・・・44,236 ・・・・・・・・・・・・60,196 ・・・・・・・・・・・436・・・・・・・・261
2(1)・・小間使いの日記・・・・・・・・・・・・・・・・・8/06・・・・・・・・・・・・・・2,429・・・・・・・・・・・・・12,666 ・・・・・・・・・・・・97・・・・・・・・・26
3(10)・・危路工団(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/13・・・・・・・・・・・・・・1,903・・・・・・・・・・・・・・4,453 ・・・・・・・・・・・・33・・・・・・・・・31
4(2)・・ラブ&マーシー 終わらないメロディー・・7/30 ・・・・・・・・・1,641・・・・・・・・・・・・・24,778 ・・・・・・・・・・・195・・・・・・・・・23
5(5)・・紙の月(日本)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/23・・・・・・・・・・・・・・1,153・・・・・・・・・・・・・20,816・・・・・・・・・・・・166・・・・・・・・・・7

 1・3位の2作品が新登場です。いずれも上述した通りです。
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韓国の文学館 ③江原道編(中)

2015-08-17 20:14:12 | 韓国の文学館(全)
 韓国の文学館 ②江原道編(上)の続きです。

 このシリーズ、最初はシンプルなリストと、各施設の公式サイトにリンクを張るだけのものを想定していましたが、施設の概要や作家について一応関係記事等を見ているとなかなか興味深いものも多く、結局私ヌルボの個人的メモといった感じであれこれ長々と書いてしまいました。
 今後は多様な情報を極力簡潔に書くことを旨としたいと思います。(が、それでも長くなりそう・・・。) そして完結した時点で見やすい一覧表を作成しようと思います。全部で施設の数が100にも及ぶのでまだまだ先の話ですが・・・。

 ちなみに、日本全国の文学館はいくつくらいあるのかと思って探してみると、<文学館研究会>という個人的な団体(!?)のサイトが見つかりました。公式サイトは→コチラです。これによると、日本の文学館は全国で757館とのことです。韓国の約7.5倍。私ヌルボのほぼ想定内の数字です。なお、公益財団法人<全国文学館協議会>(→公式サイト)に加入している文学館は99館です。

 朴寅煥文学館の欄の末尾でリンクを張ったパク・イニの歌「時が経つと(세월이 가면)」はぜひ聴いてみてください。40年前と感じさせない良い歌です。

※基本的なデータは韓国文学館協会の公式サイト(http://www.munhakwan.com/)です。
※各欄の背景の色がピンクのものは韓国文学館協会所属の施設、緑色のものは所属していない施設です。
※紹介した作品は日本で刊行されているものです。(絶版書を含む。)

«江原道(中)»
15朴寅煥(パク・イヌァン)文学館
박인환문학관
○住 所 :1252-806 江原道蹄郡蹄邑蹄路156番キル
       (252-806 강원도 인제군 인제읍 인제로156번길)
○電 話 :033-460-2085
○mail  :todhn2000@naver.com
○開館年 :2012年
○観覧時間:火~日曜9:00~18:00
○休館日 :月曜
○施設概要:この地で生まれた詩人朴寅煥の生家址に建てられた。彼がソウルに開店したマリ書肆等、1950年代モダニズム運動の中心となったソウルの街や店を再現している点が一般の文学館とは異なる大きな特色。
○作 家 :朴寅煥(パク・イヌァン)=1926~1956年。1950年代を代表するモダニズム詩人。戦後平壌医学専門学校を中退してソウルに上京し、鍾路3街の楽園洞入口に書店マリ書肆を開いた。この店はジャン・コクトーやアンドレ・ブルトン等の詩集を備え、金光均・金起林・鄭芝溶等の詩人のたまり場となり、モダニズム運動の発祥の地ともいえる。彼自身1946年から「街」等の詩を書き始め、とくに「木馬と淑女」「時が経つと」は広く愛誦されている。1955年「朴寅煥詩選集」を刊行した翌56年フェノバルビタールを大量に服用して自殺した。
○作 品 :大村益夫[編訳]「対訳 詩で学ぶ朝鮮の心」(青丘文化社.1998)に「黒い神よ」所収。
○ウィキペディア:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%B4%E5%AF%85%E7%85%A5
○(韓国)ウィキペディア:https://ko.wikipedia.org/wiki/%EB%B0%95%EC%9D%B8%ED%99%98_(%EC%8B%9C%EC%9D%B8)
○参考ブログ記事(韓国語):
    ①http://www.12go.kr/01travelstory/01_view.asp?s_idx=1752&nt_rcate1=1&nt_rcate2=3&nt_rcate3=&s_keyword=&page_gubun=K
    ②http://hangamja.tistory.com/560
○2004年9~12月EBSで放映された作家李鳳九(イ・ボング)原作のドラマ「明洞伯爵」は1950年代に明洞を拠点にした文化芸術家を描いた物語で、金洙暎(キム・スヨン)や朴寅煥が登場する。
○「時が経つと(세월이 가면)」はイ・ジンソプが曲をつけた歌を1970年代の代表的女性フォーク歌手の1人パク・イニが歌いヒットした。YouTubeの動画で聴くことができる。歌詞は元の詩と異なる箇所がある。
    →https://www.youtube.com/watch?v=25oXoRon05o 
 「木馬と淑女(목마와숙녀)」の動画もあるが、これは歌というより朗読である。
    →https://www.youtube.com/watch?v=v6NarYtcfno
16月河 李泰極文学館
월하 이태극문학관
○住 所 :209-801 江原道華川郡華川邑虎音路1014-16
       (209-801 강원도 화천군 화천읍 호음로1014-16)
○電 話 :070- 8885-3434
○mail  :ym825@hanmail.net
○公式サイト:http:// www.itaegeuk.com
○開館年 :2010年
○観覧時間:火~日曜9:00~18:00
○休館日 :月曜、1月1日、旧正月、秋夕当日
○施設概要:地下1階地上2階の館内に李泰極の直筆原稿、写真、手紙、遺品、「時調文学」等の文学資料、詩画等が展示されている。彼が原稿を執筆する姿を再現した蝋人形や、華川ダム工事で水没した彼の生家を再現したミニチュアもある。
○作 家 :李泰極(イ・テグク)=1913~2003。号は月河。江原道華川郡看東面芳川里に生まれる。1936~1938年早稲田大学専門部で学び、解放後は教職と併行してソウル大を卒業し、以後梨花女子大学教授、韓国時調(シジョ)詩人協会長、国語国文学会代表等を務めた。1953年の「カモメ」、1955年韓国日報に発表した「山いちご」以降多数の時調を作り、1960年には時調専門誌「時調文学」を創刊する等、現代時調運動をリードした。
○作 品 :廣岡冨美「韓国近現代時調選集」(土曜美術社.2000)に作品所収。
○息子の文学評論家李崇源による「時調作品から見た父の姿」と題した記事:
    →http://www.yousim.co.kr/news/articleView.html?idxno=4169
○参考記事(韓国語):
    ①http://article.joins.com/news/blognews/article.asp?listid=13544403
    ②http://www.travelnbike.com/news/articleView.html?idxno=1769
○破虜湖(パロホ)に近い安保展示館 (文学館から車で約20分)の前に「山いちご(산딸기)」が刻まれた月河時調碑がある。
17李外秀(イ・ウェス)文学館
이외수문학관
○住 所 :209-812 江原道華川郡上西面感性マウルキル157
       (209-812 강원도 화천군 상서면 감성마을길 157)
○電 話 :033-441-1253
○公式サイト:http://www.ogamstory.com/(休止中?)
○開館年 :2007年
○観覧時間:10:00~17:00
○休館日 :月・火曜
○施設概要:華川郡は2006年地域振興の一環として文学をテーマとした感性マウル(感性の村)を創設し、春川市在住の李外秀を村長として招請。執筆の場を提供し、この文学館を設立した。自筆原稿、書画等を展示。
○作 家 :李外秀(イ・ウェス)=1917年~。慶尚南道咸陽郡で生まれ、江原道麟蹄郡で育つ。春川教育大学中退後、1972年江原日報新春文芸に短編小説「見習いの子供たち」でデビューし、1975年文芸誌「世代」でで短編小説「装飾」が新人文学賞を受賞して小説家として知られるようになった。彼のtwitterは進歩的な立場からの政治的意見も多く発信し、フォロワー数が150万人に迫るパワーツイッターリアンとして社会的影響力も大きい。
○参考記事(日本語):
    ①http://french.visitkorea.or.kr/myeyes.kto?cmd=view&md=jpn&lang_se=JPN&bbs_sn=1692058
    ②http://blog.goo.ne.jp/dalpaengi/e/f5ec692d1f579f69ef4ac8616a86b53e
○2012年9月朴槿恵セヌリ党大統領候補がここを訪れた時の動画:
    →https://www.youtube.com/watch?v=vmjsontnD9E
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定年前退職S氏のソウル・慶熙大学校10週間留学記 (11)

2015-08-15 20:09:36 | S氏の慶熙大学校10週間留学記
[ヌルボより] S氏の留学生活も残り少なくなってきました。最初から続いているのは主目的の韓国語の勉強、民族楽器タンソの練習、カンさんをはじめとする人たちとのお酒&食事の交流、知り合いになった近所の店のおばさん等とのコミュニケーション。前回も記したトウミ氏、今度もなかなか気の利いた街歩きガイドです。 

◎5月23日(土)
 今日は完全休養日。溜まった勉強の整理をしようと思うが気が乗らない。清涼里(チョンニャンニ)で昼でも食べようとバスに乗る。3つ目の停留所で到着。マンドゥと冷麺を食べた後市場を練り歩く。何度歩いても巨大で人が多く圧倒される。地下市場に始めては入ったが驚いたことにホンオ(エイ)の大きな専門店があっておびただしい数のエイが所狭しと並んでいる。こんなに食べる人がいるのかと思うような数だ。もちろんエイからは強烈なアンモニア臭が放たれている。見事な光景だった。
 帰国前に安東に行きたいと思っているので時刻表を確認しに清涼里駅へ行く。時刻表があるのだがよくわからない。目的地の表示は電車ごとにされているが、その駅が安東の手前になるのか後の駅なのか定かではない。計画の練り直しをしなければならない。
 夕方カンさんからメールが入る。日本人のお客さんとの約束を違え、ちょっとトラブルになったらしい。そこで謝罪文を考えて欲しいとのことであった。文が完成し終えたところでカンさんから連絡があり、今そのお客さんが来て謝ったところで事なきを得たようだった。一応、文章をカンさんにメールする。
 夕食のため出かける。コンビニのおばさんのところに立ち寄ったら、すぐそばに安くて美味しい豚肉料理の店があるから、と紹介してくれた。すぐ近くにあるはずが見つからないので違う店に入って食事をした。帰りがけにコンビニに立ち寄り、見つからなかった旨を報告したら、「何で見つからないのよ」と叱られてしまった。
 部屋に戻ると、小学校時代の仲間から60歳の誕生日で今仲間うちで飲んでいるという。改めて残されている時間は少ないのだと感慨に耽る。結局たいした勉強はできなかった。

◎5月24日(日)
 今日は休養を決め込む。少し勉強でも午前中文法の復習。昼は前から1度行ってみたいと思っていた外大に近いところにある中華料理屋に行って見た。ここは2回ほど行って見たがいずれも店が閉まっていた。古い小さな2階建ての建物の2階にある。階段上がり口にメニューが掲げてあった。麵を食べたいのだがちゃんぽん以外よく分からない。しかたないので階段を上がり店に入るとなかなかこぎれいにしている店だった。モ何とかという料理があったので、これは何が入っているのかと訊いて見たら、いろいろ入っている、と曖昧な返事。注文して見ると野菜や海産物がたっぷり入っていて少し薄味だが意外と美味い。店の主人は年の頃40代の中国人。日本人かと韓国語で聞かれたのでそうだと答えると片言の日本語が飛び出してきた。少し日本にいたことがあるらしくお姉さんは日本人と結婚して静岡に住んでいる。この店は4年ほど前から夫婦2人で始めたが景気が悪く困っている。この近所も随分と店がつぶれているよ、という。愛想よく人当たりもよさそうな人物だった。午後はカラオケに行く。50分追加サービスしてくれた。アルバイトのお兄さんも何しに来たかわかっていて何も訊かず部屋に通してくれる。

◎5月25日(月)
 今日はお釈迦様の生誕祭で休日。トウミと会い市庁方面に出かける。折角の生誕祭なので近くの曹渓寺(チョゲサ)へ行く。境内は信者で大にぎわい。色とりどりの提燈がたくさん吊ってあり境内を覆いつくしている。ステージも設けられていて歌手が元気よく歌っている。生誕祭の雰囲気を味わうことができた。
 寺に行く途中、日本大使館の前を通ると例の慰安婦の像が設置してあった。テレビでは見たが現物は初めてだ。その後トウミと映画を見に行く。トウミは映画ファンらしく、日本映画も月に1本は見るらしい。題名は「結婚しなくても大丈夫?」。柴崎コウ等が主演。スポンジハウスとかいう建物の中にある小さな映画館だが、そこそこ観客は入っている。意外と日本映画に対する関心は強いようだ。トウミも笑いながら見ていた。韓国語の字幕を追ったが早くてついていけなかった。
 今日の昼間は暑かった。29度まで気温が上がったようだ。清渓川(チョンゲチョン)も涼を求める人々でにぎわっていた。

◎5月26日(火)
 今日はタンソの最後の授業。最初十数人いた生徒も最後は5人だけ。音が上手く出ないと諦めてしまった人が多い。簡単な楽器だがそれなりに奥が深く、やればやるほど高度なテクニックが必要となる。先生からぜひ継続して練習するよう要請があった。日本でどうやって先生を見つけるかが問題だ。最後の授業の後はお菓子を食べてお別れ会。
 学校の授業はそろそろ期末試験モード。成績が悪いと同じレベルをもう一度履修するが、2度やって結果が出ないとこの学校で履修できなくなっている。これから韓国でレベルアップしようとしている生徒にとって試験結果は重いので、皆一生懸命勉強することになる。
 晩飯はコンビニのおばちゃんに教えてもらった店に再挑戦。たまたま店に来ていたおじさんが店まで案内してくれた。行って見るとなんと金曜日に行った店だった。おばちゃんが推薦してくれたペッパン(白飯)という定食をたのんだ。安い上に美味かった。店に案内してくれたおじさんは日本語が片言ながらしゃべれた。4、5年前に石工の仕事で出稼ぎで1年ほど行ったことがあるらしい。日当はよく2万5千円、残業すると1時間5千円もらえたそうだ。「日本はいい」としきりにいっていた。また、この店の店員のおばちゃんが私の娘は奨学金給付生として早稲田で1年ほど勉強していたといってわざわざ電話してくれた。電話に出ると利発そうで感じのいい人だった。ソウル市大で仕事をしているらしい。韓国の学生の日本留学は人気が高いらしい。「母がご迷惑をおかけしました」と何度も謝っていた。

◎5月27日(水)
 今日は暑かった。ソウルでもここのところの暑さは例年にないらしい。昨晩は寝ていても少し暑く感じた。
 授業終了後久しぶりに校内のレッスン場に行ってみた。暑くてどうなるかと思ったらうまいこと日陰ができていた。風もなくいい塩梅なので少しだけ(タンソの)音を出して見た。授業のほうは教科書の残りページも残り少なくなり、終わりが近いことを知らせてくれる。

◎5月28日(木)
 今日のイルキ(読み)の授業はパソコン使用方法についての内容。知らない単語が次々と出てくる。最近物忘れがひどく、なかなか単語が覚えられない。試験にも大きく影響しそうだ。日本にいてもパソコンのことはよくわからないのに。
 それにしても今日は暑かった。朝から半そでで十分だった。教室内ではクーラーを平気で使うのでここでは寒いくらい。
 今日昼ご飯を食べようとしたら、いつも1人で食べている私を気遣ってか例の中国人の女の子が昼食をともにしてくれた。どこで食べようかということになったが結局学食で食べることにした。今日はビザの更新のためこれから大使館に行くらしい。食べる前にピザの話をするものだから食べるほうのピザと勘違いしてしまい、話がかみ合わなかった。
 寄宿舎に帰るとひどく疲れていて1時間ほど午睡をしてしまった。

◎5月29日(金)
 今日の文法では各種不規則・動作動詞・状態動詞の再確認が行われたが、これが意外と頭の中で整理できていない。今まで文法をないがしろにしてきたツケが来たようだ。先生から単語がたくさんが記載されたA4用紙が配られてマスの中を埋める課題が出されたが、けっこうとまどい、先生からチェックされ間違いを指摘される。今まで何をやっていたんだろうと恥ずかしくなった。これはもう覚えるしかない。今日は早く帰っておさらいをすることにした。
 夜カンさんから連絡が入り新しい家の契約が済んだとのこと。声もなんとなく弾んだようす。明日釣りに行こうと誘われたが、明日は朝から句会の人たちと1泊で利川(イチョン)に行くことになっている。残念だがお断りしてしまった。とりあえず新しい家が決まってよかった。
 ところでこの付近は美容室と洗濯屋さんが多い。こんなに需要があるのかと思うほどだ。それにしても洗濯屋さんはどこでも夜遅くまで仕事をしている。自分の店で洗濯をしている店は日本ではもう余り見かけなくなった。こんなところにも韓国には懐かしい風景がある。

 [ヌルボより]  日本では4月8日がお釈迦様の誕生日とされ、花まつり(灌仏会)と称されています。
 韓国では旧暦4月8日が釈迦誕辰日(석가탄신일)で、公休日になっています。2015年の場合は日記にあるように5月25日でした。
 また提燈のことが記されていますが、私ヌルボが2007年のGW(4月29日)ソウルに行った時、世宗路あたりにはもう右のような提灯がたくさん飾られていました。右はその時撮った写真です。「부처님 오신 날(お釈迦様が来られた日)」と書かれています。先の釈迦誕辰日は公的な名称で、コチラが一般的な言い方なんですね。

 同じ5月25日にS氏がトウミ氏と行った映画館のスポンジハウスは、私ヌルボも4月24日ソウル旅行の最終日に初めて行ってきました。4月28日の記事に書いた通りです。観た映画も同じ「すーちゃん、まいちゃん、さわ子さん」。韓国題は「결혼하지 않아도 괜찮을까(結婚しなくても大丈夫かな)」です。S氏も書いているようにハングル字幕が切り替わるのがホントに早いです。「銭湯に行こうか」というセリフが字幕では「찜질방에~(チムジルバンに~)」になっていたな、ということだけ憶えています。
 
        
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韓国の新派劇と新派映画 過去100年の略史 ①今も親しまれている韓国版「金色夜叉」

2015-08-13 19:45:36 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報

 まずは上の画像をご覧あれ。「これは知ってるゾ」と思った人は多いのではないでしょうか?
また同時に、「あれ!? だけどちょっと違うなー」と思った人も・・・。

 そうです。この紙人形はあの「金色夜叉」の名場面の韓国版なのです。

 これは熱海海岸にある<貫一お宮之像>。
 紙人形は同じ構図で、男性が学生帽&学生服にマントというほとんど同じいでたちですが、女性の方はチマチョゴリです。
 この人形は2013年9月南山韓屋マウル伝統工芸館で開かれた紙人形展で展示された物です。(→コチラ参照。)
 つまり、ごく最近のものです。
 今の日本で、「金色夜叉」のこの熱海海岸の場面を見て若い人たちの何割がそれとわかるか、私ヌルボは見当がつきません。しかし、韓国版の方はもしかすると日本以上に韓国の人々に現在も親しまれているように思われます。もちろん、この名場面とともに。ただし韓国版の方は舞台が熱海の海岸ではなく平壌の大同江のほとりの浮壁楼あたりなのですが・・・。
 また、芝居のタイトルも「金色夜叉」ではなく、主人公2人の名をとって「李守一(イ・スイル)と沈順愛(シム・スネ)」になっています。1913年趙重桓(チョ・ジュンファン)が著した尾崎紅葉「金色夜叉」の翻案小説の書名は「長恨夢(장한몽.チャンハンモン)」でしたが、演劇は「李守一と沈順愛」のタイトルで上演されてきたため、こちらの方がよく知られています。
 

 ・・・と、こういったことを私ヌルボが知った契機は、元在福岡・横浜韓国総領事・徐賢燮(ソ・ヒョンソプ)さんの「日韓あわせ鏡」(西日本新聞社.2001)という本。
 ※徐賢燮さんは1990年盧泰愚大統領が来日した時、雨森芳洲に言及したスピーチを<入れ知恵>した人。1993年の田麗玉のベストセラー「日本はない」に対抗して翌年「日本はある」を刊行し話題となった人でもある。

 で、この本によると、徐賢燮さんは少年時代(1950年代?)「何度もその新派劇を観て、哀切な男性主人公の運命に胸が引き裂かれるような思いをしたものだ」とのことです。そして「小学校の学芸会で主人公の李秀一(ママ)を演じた」ことがあり、例の「来年の今月今夜・・・」の台詞の絶叫演技はなかなかの評判だったそうです。

 日本では、「金色夜叉」を学芸会で児童に演じさせるとはちょっと考えられませんね。しかし韓国では半世紀以上前どころか現在でも(アレンジして)けっこうやっているみたいで、初等学校低学年等によるお遊戯の動画はYouTubeでいくつも見ることができます。

 さて、現在日本での「金色夜叉」の公演状況はと見ると、本家の劇団新派が2013年「新釈 金色夜叉」を上演したり(→コチラ参照)、こんにゃく座によるオペラがあったり(→コチラ参照)と、いろんな形で演じられているようです。
 韓国でも、たとえば次のようなものがあります。
     
 左は<フュージョン新派劇>と銘打った演劇(2010年)。右は<無声映画弁士劇>(2012年)、つまり弁士つきの無声映画上映会でしょう。
 そして2013年には・・・。
 <「李守一と沈順愛」100周年記念公演>が催されました。第1部は1913年版、第2部は2013年版となっています。(※ポスター上段に「韓国演劇100年再発見シリーズ4」とあります。他の作品も気になるところです。)
 私ヌルボ、先に(この作品は)「日本以上に韓国の人々に現在も親しまれているように思われます」と書いたのは、さまざまな形での<再生産>に加えて、ネット上や新聞等にも次のような形で登場しているからです。
     
 左は2006年ゲーム関係企業のイグルーが日本のdocomoに相当する大企業SKテレコムに<身売り>したことを批判した風刺画。右は、ソウル高裁が2014年8月李貞姫(イ・ジョンヒ)統合進歩党代表(当時)に対してある保守言論人が具体的証拠もなく「従北」と呼んだのは名誉毀損にあたるとの判決を下したことに対する風刺。
 どちらも「李守一と沈順愛」の例の場面がよく知られているからこそのカリカチュアです。

 では、韓国の人たちはこの「李守一と沈順愛」が日本の「金色夜叉」の翻案であることをどれほど知っているのでしょうか?
 →コチラのブログ主さんは今まで何度も日本に旅行に来ている韓国人ですが、2009年に熱海を訪れて貫一お宮の像を見て、「「李守一と沈順愛」の原作が日本の作品だったとは・・・初めて知った -_-;;」と記しています。最後の-_-;; に気持ちが表われていますね。上記の徐賢燮さんの記事の抜粋画像も参照してください。つまり、モトが日本の「金色夜叉」であることは知らない人の方がずっと多そうです。

 さて、このような事実を知ると多くの日本人は「韓国人はここでも日本のものを勝手に剽窃しているな」と思うのではないでしょうか? しかし近年明らかになったところでは尾崎紅葉の「金色夜叉」にも英米両国で爆発的にヒットしたアメリカ人作家バーサ・M.クレー「女より弱き者(Weaker than a woman)」というタネ本があったそうです。(私ヌルボも読んでみました。) また韓国の「李守一と沈順愛」にも独自性と、1世紀の間親しまれてきた理由もあります。(韓国人も日本人もいろんな<思い込み>はあるということです。)

 実はこの記事は、一応は7月14日の記事<「この映画、シンパ的だな」とはどんな意味?>の続きです。
 その記事を書く時に韓国の新派劇と新派映画の歴史を概観し、とくにこの韓国版「金色夜叉」が長く人々の間に浸透していることを知りました。現代に至るまでの1世紀間に演劇だけでなく映画も何度か作られてきましたが、今回はとくに今の状況から書きました。
 続きでは韓国に「新派」が入ってきた最初の時期から、また他の作品についても書く予定です。

※韓国版「金色夜叉」については姜信子「日韓音楽ノート」(岩波新書)についてもいろいろ詳しく記されています。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [8月7日(金)~8月9日(日)]

2015-08-11 20:53:55 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 昨日のブルク13は平日夜でもなぜか混んでたなー。しかし目当ての「セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター」の第5スクリーンはさほどでもなし。この映画は「週刊新潮」でこの夏イチオシとなっていましたが、十分うなずけます。サルガドの写真自体の力、そしてその被写体のさまざまな人間と自然。ホントに地球上のいろんなところで「極限」の光景を見て、撮ってきた写真家なんですね。
 この映画が今年の51本目。暫定のベスト10の中に韓国映画がほとんどないのが残念。「馬鹿たちの行進」は旧作だしなー。

 一般の映画館での上映ではないので見落としてしまいそうな情報ですが、8月16日(日)17時~(開場16時30分)神楽坂のスキャット・セミナー・ルームで<韓国ドキュメンタリー映画祭>が開かれます。キム・ミレ監督「노가다(NoGaDa.土方)」(2005)と、ムン・ジョンヒョン監督「할매꽃(おばあさんの花)」(2009)の2本。両監督のトークもあります。詳細は→コチラ

「朝鮮日報」8月7日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ベテラン」
   ユ・アイン、何でもできる! ★★★★


 「ストレンジャー・ランド」

   キッドマンが生きてる ★★★


 「ディオールと私」

   オシャレで喜び十倍増 ★★★


 「ディオールと私」は日本では今年3月公開。他の2作品は以下の記事中で紹介しています。※ジツは「ストレンジャー・ランド」の批評文、イマイチ意味がわかってません。

           ★★★ Daumの人気順位(8月11日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①ターミネーター2  9.4(756)
②チャップリンの独裁者  9.3(37)
③レッド・トゥーム(韓国)  9.3(44)
④戦場のピアニスト  9.3(583)
⑤あなたをずっとあいしてる(日・韓)  9.2(81)
⑥名探偵コナン 業火の向日葵(日本)  9.0(34)
⑦少数意見(韓国)  8.9(1374)
⑧映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!(日本)  8.8(48)
⑨アマゾン大冒険 ~世界最大のジャングルを探検しよう!~  8.8(30)
⑩ちいさなドラゴンココナッツ  8.8(24)

 新登場は⑥と⑨の2作品です。
 ⑥「名探偵コナン 業火の向日葵」は日本では今年5月公開。シリーズは、韓国では1997年「時計じかけの摩天楼」が最初の上映作で今回が21作目、ということは全部か。韓国題は「명탐정 코난 : 화염의 해바라기」。「業火」が「火炎」になっています。
 ⑨「アマゾン大冒険~世界最大のジャングルを探検しよう!~」については後述します。

     【専門家による順位】

①マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.8(9)
②セッション  8.4(7)
③ひと夏のファンタジア(韓・日)  8.0(7)
④インサイド・ヘッド  7.7(8)
⑤ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション  7.3(8)
⑤ベテラン(韓国)  7.3(8)
⑦雪の轍(わだち)  7.3(3)
⑧少数意見(韓国)  7.2(4)
⑨生きる(韓国)  7.1(8)
⑨紙の月(日本)  7.1(8)

 新登場は⑤「ベテラン」だけです。これについては後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[8月7日(金)~8月9日(日)] ★★★

         韓国映画、今度はファン・ジョンミン主演の「ベテラン」がトップに

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(12)・・ベテラン(韓国) ・・・・・・・・・8/05 ・・・・・・・・・1,916,488・・・・・・・・・2,760,775・・・・・・・・21,776 ・・・・・・・1,064
2(2)・・暗殺(韓国)・・・・・・・・・・・・・・7/22・・・・・・・・・・1,079,464・・・・・・・・・8,973,040・・・・・・・・69,798 ・・・・・・・・・873
3(1)・・ミッション:インポッシブル・・7/30・・・・・・・・・・941,983・・・・・・・・・4,721,351 ・・・・・・・・37,569 ・・・・・・・・・818
            /ローグ・ネイション
4(3)・・ミニオンズ ・・・・・・・・・・・・・・7/29 ・・・・・・・・・・・319,487・・・・・・・・・1,808,666・・・・・・・・13,147・・・・・・・・・534
5(4)・・インサイド・ヘッド ・・・・・・・・7/09 ・・・・・・・・・・・186,079・・・・・・・・・4,538,805・・・・・・・・34,840・・・・・・・・・408
6(新)・・名探偵コナン ・・・・・・・・・・8/05・・・・・・・・・・・・162,840 ・・・・・・・・・・263,697・・・・・・・・・1,846・・・・・・・・・424
       業火の向日葵(日本)
7(5)・・映画 妖怪ウォッチ・・・・・・・7/22・・・・・・・・・・・・・20,149 ・・・・・・・・・・532,707・・・・・・・・・3,760・・・・・・・・・229
        誕生の秘密だニャン!(日本)
8(61)・・アマゾン大冒険・・・・・・・・・8/05・・・・・・・・・・・・・・8,831 ・・・・・・・・・・・17,323 ・・・・・・・・・・125 ・・・・・・・・・93
        ~世界最大のジャングルを探検しよう!~
9(63)・・小間使いの日記 ・・・・・・・・8/06 ・・・・・・・・・・・・・4,559・・・・・・・・・・・・6,919 ・・・・・・・・・・・52・・・・・・・・・・37
10(8)・・ラブ&マーシー ・・・・・・・・・7/30・・・・・・・・・・・・・・4,238・・・・・・・・・・・20,389 ・・・・・・・・・・161 ・・・・・・・・・39
      ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「延坪海戦」、「暗殺」に続く韓国映画の期待作「ベテラン」が登場しましたね。それも週末観客動員数が200万人に迫る勢いです。「暗殺」は2位を維持して1千万人突破が確実になってきました。
 今回の新登場は1・6・8・9位の4作品です。
 1位「ベテラン」はベルリンファイル」等のリュ・スンワン監督によるアクション・ドラマ。
行動派刑事のソ・ドチョル(ファン・ジョンミン)をはじめとする広域捜査隊捜査チーム員は、ある謎の事件の背後に財閥3世チョ・テオ(ユ・アイン)が関係していることを直感。下手に手を出すとやられるぞとの脅しも無視して追い続けるドチョルたちをあざ笑うかのように、包囲網を悠々と抜け出すテオ。ベテラン広域捜査隊と傍若無人な財閥御曹司との対決の結末は!? ファン・ジョンミン、このところ快調にいろんな映画に連続出演。ユ・アインは兵役入隊目前とのこと。28歳は入隊の最後の年とのこと・・・って、いつの間にか彼もそんな歳になってるのか。原題は「베테랑」です。
 6位「名探偵コナン 業火の向日葵」については上述しました。
 8位「アマゾン大冒険~世界最大のジャングルを探検しよう!~」は、1匹の子ザルの視点からアマゾンのジャングルを捉えたドキュメンタリーで、日本では今年1月に公開されています。韓国題は「아마조니아」です。
 9位「小間使いの日記」はフランスとベルギーの合作で、オクターヴ・ミルボーの同名小説(1900年)の映画化作品。この小説はこれまで2回映画化されていて、それもジャン・ルノワール監督(1946年「小間使いの日記」=ポーレット・ゴダード主演)と、ブニュエル監督(1963年「小間使の日記」=ジャンヌ・モロー主演)によるもの。前者は、フランスの片田舎の没落貴族のお屋敷で小間使いとして働くセレスティーヌが「金持ちの男を蕩し込んで自分も今の身分からはい上がるゾ」というシタタカな魂胆を胸に秘めて男たちに誘いをかけたりして繰り広げられるドタバタ喜劇(悲劇)、かな? ブニュエル作品の方は田舎にセレスティーヌが奉公する点は同じですが、その家と仲が悪い隣家の娘が暴行殺人に遭って・・・とミステリーっぽいフンイキで、前者とはずいぶん違うみたい。今回ブノワ・ジャコー監督作品はというと、パリから来た美しくファッションセンスもいいメイドのセレスティーヌが、高慢な性格ということもあって、嫉妬に色目等々 静かな町を揺るがす、といった話のようで、セクハラとかパワハラといった現代的要素も盛り込まれた、また違った作品のようです。主演は「アデル、ブルーは熱い色」でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞したレア・セドゥ。韓国題は「어느 하녀의 일기(ある下女の日記)」。日本公開は未定のようです。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(30)・・小間使いの日記・・・・・・・・・・・・・・・・8/06・・・・・・・・・・・・・・4,559・・・・・・・・・・・・・・6,919 ・・・・・・・・・・・・52・・・・・・・・・37
2(1)・・ラブ&マーシー 終わらないメロディー・・7/30 ・・・・・・・・・4,238・・・・・・・・・・・・・20,389 ・・・・・・・・・・・161・・・・・・・・・39
3(新)・・ストレンジャー・ランド・・・・・・・・・・・・8/06・・・・・・・・・・・・・・2,322・・・・・・・・・・・・・・3,568 ・・・・・・・・・・・・27・・・・・・・・・32
4(2)・・君が生きた証・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/09・・・・・・・・・・・・・・1,714・・・・・・・・・・・・・75,212 ・・・・・・・・・・・592・・・・・・・・・20
5(3)・・紙の月(日本)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/23・・・・・・・・・・・・・・1,608・・・・・・・・・・・・・18,284・・・・・・・・・・・・145・・・・・・・・・19

 1・3位の2作品が新登場です。
 1位「小間使いの日記」については上述しました。
 3位「ストレンジャー・ランド」は、オーストラリアとアイルランド合作のスリラー。オーストラリア内陸部の砂漠地帯の小さな町に引っ越してきたキャサリン(ニコール・キッドマン)とマシュー(ジョセフ・ファインズ)夫婦と娘のリリー、息子トミーの姉弟というパーカー一家。夫や子供たちに心配なことはあるものの、キャサリンは彼らを温かく見守っています。ある夜、友だちと別の町で催されるコンサートに行きたいというリリーの希望を父親は問題外と一蹴します。その夜ベッドに入る前にマシューがふと窓の外を見ると、砂嵐のため町が赤い砂で覆われているその夜もそっと家を抜け出すトミーの姿と、その後をリリーがつけて行くのを見ますがそのまま寝てしまいます。しかし2人を見たのはそれが最後でした。いなくなった彼らを探す夫婦と町の人々の前に、やがて真実が見え始めます・・・。韓国題は「스트레인저랜드」。日本公開は未定のようです。
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定年前退職S氏のソウル・慶熙大学校10週間留学記 (10)

2015-08-11 11:31:21 | S氏の慶熙大学校10週間留学記
 [ヌルボより] 留学のいいところの1つは、韓国語を学ぶだけでなく、その韓国語で韓国人や同クラスの人たちといろんな話ができることですね。今回もそんな場面がいろいろあります。
 慶煕大学校では通常の授業以外に多様な企画を実施しています。他の大学でも同様かもしれませんが・・・。21日に希望者対象ですが1泊2日の慶州旅行「現地授業」という言葉は韓国ではよく使われる言葉のようですね。日本の学校では以前はふつうに「遠足」といっていた行事を「校外学習」と言い換えることが多くなりましたが・・・。 ※ハングルで「現地授業」を検索するとヒット数は79万件。「校外学習」は42万件です。ちなみに「修学旅行」は128万件。

◎5月18日(月)
 今日は学校の創立記念日で学校は休み。8時ごろまでごろごろしている。今日は完全休養日。掃除をした後カラオケに行く。1時間の申込みをしたが昼間で空いていたため1時間追加サービスしてくれた。もたもたしている間に一日が終わってしまう。
 外大で勉強しているチエさんからスンホ氏が知っているカニ料理の店に水曜日に行こうと連絡があった。実はチョモ(점호.点呼)という寄宿舎点検が火曜日の夜8時にあるとの通知がされていた。この火曜日は大学で7時半から音楽学部の学生による室内楽演奏会のある日なのでわざわざ寄宿舎に電話してチョモを水曜日に変更してもらっていた。カニを取るか演奏会を採るかで大いに迷う。結局、火曜日の朝にもう1回電話してチョモを再度変更してもらうことにした。それにしてもチョモの時間をもう少し考えてくれるとありがたいのだが。

◎5月19日(火)
 授業開始前に寄宿舎の担当者に電話してチョモの日程を今日に戻してくれるよう要請した。問題なく応じてくれた。午後はタンソの授業がある。残すところ今回を入れてあと2回。先生のレッスンも熱がこもる。熱がこもるのはいいが、先生から夜に教えている別の教室に参加しろと誘われる。今日はチョモがあるといって断ったが、来週は参加せざるを得ない状況だ。
 夜のチョモは簡単に終了。今日も大学で演奏会があるのでチョモ終了後寄宿舎を飛び出す。演奏会が始まるのは7時半。チョモが終わったのは8時15分。坂道を駆け上がり会場に向かう。息が切れるが、空気は乾燥していて寒いくらいの陽気のため汗はほとんどかかない。着いたら休憩時間だったので後半は聴くことができた。学生の演奏とはいえ、ただで聞けてしまうのがうれしい。9時半に演奏会終了。食事して少し宿題をして今日はおしまい。ビールが一口飲みたくなった。

◎5月20日(水)
 明日の1泊2日の現地授業の説明がある。8時20分学校でバスに乗り慶州(キョンジュ)へ向かう。今回の参加人数は206名。人数が多く何回かに分けたらしい。なかなか規則が厳しい。ホテルからの外出、飲酒は禁止。金曜日の5時過ぎに戻る予定。
 6時に外大のチエさんクラスメートのソンホ氏とで道峰山(トボンサン)駅にあるカニ料理店へ行く。この間の日曜日に来たばかりの駅だ。ケジャンというカニ料理をいただく。これが実に旨い。醤油味とヤンニョン味の2種類を食べたが、1人1万3900ウォンでなんと食べ放題! 皿に盛られたカニが少なくなるとどんどん足してくれる。カニみその入っているカニの頭の中にご飯と半熟状態の目玉焼きを少し入れて箸でかき混ぜて食べると、何ともいえない甘みが増し、舌と半熟卵とご飯とカニみそが渾然一体になる食感は、口の中で美しいハーモニーを奏でるようで幸せを感じずにいられない。ソンホ氏が教えてくれた食べ方だ。新鮮で美味しいカニをこの価格でたらふく食べられるとは。来てよかった! チエさんも感じのいい頭のいい女の子だが、ソンホ氏も優しさがにじみ出ている純情な好青年だ。昨日まで夜遅くまで授業で発表するための打ち合わせが続き、今日その発表が終わったらしい。その解放感からか2人とも食べる食べる。この日は6時過ぎから10時近くまでほとんどの会話が韓国語だった。ソンホ氏は大邱(テグ)出身だが、子供のころの思い出や軍隊での経験をいろいろ話してくれる。やはり聞き取りはむずかしいが、もう少し頑張れば何とかなりそうな気がした。

◎5月21日(木)
 学校の慶州1日現地授業の日。前から行こうか行くまいか考えていたが、行こうと決定した。8時15分学校に集合。大型バス5台に分乗し出発。スウェーデン人のシャイ男ハンネスはドタキャンした。
 道のりはやはり遠い。バスは他のクラスも一緒だが、途中別のクラスの日本人の若い子女の子が気を利かせてくれて梅干味のお菓子をくれた。やはり梅干の味は懐かしい。この子は極めて社交的で信じられないくらい元気ではつらつとしている。さすがにこの年で参加すると違和感を感じる。
 やはり同じ言語の人間同士がどうしても集まってしまう。特に特徴的なのはアラブ語圏同士だ。ふだんからこの連中は授業の休み時間がでもそうだがとにかく時間があるといつでも一緒にいる。結束力はとにかく強い。今回の旅行でもアラブ国の連中は学校が用意した韓国料理は食べようとしない。コンビニで何か買ってきて食堂の横に集って食べている。宗教上の違いから豚肉を食べないのは理解できるものの、何もそこまでしなくてもいいのにと思うが、次の日理由が分かるようなことをアラブ圏のクラスメートから聞くことなる。
 この日は瞻星台(チョムソンデ)[=大昔の天文台のようなところ]を見学。夕食をシクタン(食堂)ですませた後、ホテルに移動。
 7時半ごろからレクレーションタイム。ゲームや参加者の自慢の歌や踊りの披露がある。ゲームは先生方の努力もあってなかなか盛り上がり、けっこう楽しい。分乗したバスごとにゲームの得点を競い合うのだが、わがバスチームはビリだった。ゲーム終了後景品のお菓子を持ち寄り2次会が始まる。さすがに自分は2次会参加は見送り就寝。部屋は4人部屋。小さな部屋に押し込まれた感じ。

◎5月22日(金)
 朝食後8時前にホテル発。仏国寺(プルグクサ)、石窟庵(ソックラム)見物に向かう。ここは3度目の訪問になる。途中中国人のクラスメートと話すことができた。今、慶熙大学で学んでいるが来年はこの大学で貿易学を学びたいという。ふだんはおとなしいが自分なりに将来を見据えているようだ。
 早めの昼食の時間になるが、このとき中国人の10人ほどのグループに1人だけ入り込むことになった。隣に座っている女の子は微笑んだ顔で挨拶してくれたが、目の前に座った子は挨拶してもあまり相手にしてないような素振りをされた。日本人が嫌いなんだろうと思っているところ、食べているおかずをズボンに落としてしまった。汚れをとろうとウェットテイッシュを探していたら真っ先に差し出してくれたのがその女の子だった。勘違いをして申し訳なかった。ここでもアラブ圏グループは別行動。
 昼食後ソウルへ向かう。バスは相当のスピードを出す上、車間距離をほとんどとらない。事故が起きたら玉突きになるのは当然だが、それでも他の車が急に車線変更して割り込んでくる。実に荒っぽい。
 車中みんな疲れのため寝入っているが、隣に座っているマレーシアの秀才君と話すことができた。パンダのように小太りで、水を大量に飲み何時も間食にお菓子類をパクついてる。笑顔にあどけなさが残っている。やはり彼は奨学金で授業を受けている。道理で出来がいい訳だ。自国語のほか英語、中国語、台湾語、香港語ができるという。現在28歳。将来はプログラマーになりたいらしい。来年からは済州島でコンピュータの勉強をするという。韓国では5年ほど勉強することになるのだが、毎日暑いマレーシアより四季のある韓国が好きで、寒い冬もまったく苦にならないらしい。ちなみに父親はマレーシアで事業をやっているらしい。
 事故もなく無事学校へ到着。帰りにアラブ系のクラスメートと一緒に帰る。彼いわく、日本人は親切で好きだが中国人があまり好きではないと言う。中国人留学生は確かに多く、食事を一緒にしたがらない理由もそのあたりにあるのかと思った。彼は帰りに美味しいハンバーガーがあるからといってチキンバーガーをご馳走してくれた。何時も笑顔でとてもひょうきんな優しいやつだ。お金を払おうとすると次回ご馳走してくれといわれた。
 夕方は明洞まで出向き、カンさんとそのお客さん夫婦と飲むことになった。片道5時間程度の長旅で疲れを感じていたが、感じのいい夫婦だったので美味い夕食を食べることができた。
 この時なぜかお風呂の話になったので、カンさんに韓国の人はなぜ家に浴槽があってもシャワーだけで済ませるのか聞いてみた。カンさんも16年今の家にいて入浴したのは10回ほどだという。「浴槽はあっても体全部を温めようとするとどうしても足を浴槽からださなければならないので、それが嫌だ。入浴するならゆったり入れる銭湯を選ぶ。それに韓国では冬でも室内が暖かいので体を風呂で温める必要がない。そんな理由で家族は誰も入らないし自分ひとりのため風呂を沸かすのはもったいないでしょ」との理由であった。

 [ヌルボより] カンさんの「なぜ自宅の風呂に入らないか」についての話はとてもおもしろいですね。それにしても「16年今の家にいて入浴したのは10回ほど」とは!(笑) しかし、韓国人の標準はどの程度なのでしょうか? 韓国はわりとふつうのホテル(中の下ランクくらい?)でもシャワーだけの所があったりします。一方、街には沐浴湯(モギョクタン.風呂屋)があって朝から開いていていろんなサービスがあるし・・・。日韓の風呂文化も比べてみるとおもしろそうです。
 ※9日の「毎日新聞」に、台湾の留学生が「日本の「裸の文化」に感動」という投書を寄せていました。(→コチラ。) 銭湯に行った感想で、「どうしてみんな恥ずかしくないのだろうと驚きました」とか「裸の文化は日本にしかないように思います」とか書いていますが、韓国の沐浴湯に行ったらもっと驚いたのではと思います。
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朝倉敏夫教授の講演「食文化を通じてみる韓日比較」を聴いて知ったこと、考えたこと(下)

2015-08-10 13:04:38 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
 1つ前の記事の続きです。

○「お膳の脚が曲がるほど」たくさんの料理を出してもてなす。
 ・・・という話とともに提示されたのが下左の画像。
 8月27日から国立民族学博物館で開かれる「韓日食博」(右画像)のチラシに載っています。
    
  「なるほどねー」と思う一方、私ヌルボが少し気になったのは「曲がる」という箇所。상다리가 부러지도록 나오는 한정식(お膳の脚が「折れる」ほど出てくる韓定食)」といった表現はありますが、「曲がる」というのはあるのか? また、こうしたお膳の形態に、そのような意味がホントに込められているのか?
 韓国語でお膳のことを一般に밥상(パプサン)といいますが、とくにこのような1人用の小さな食膳を소반(ソバン.小盤)といいます。日本のお膳に比べて脚が長くなっているのは、茶碗や椀を手に持って食べないので、口に近づけるためとのことです。
 なお、上掲画像の小盤は→コチラの記事に載っている小盤と同型のものと思われます。
 関連記事をいくつか読んだところ、このような脚の曲がった小盤は動物の足になぞらえて次のように分けられるとのことです。
        
 左から<狗足盤(구족반)><虎足盤(호족반)><馬足盤(마족반)>です。見分け方は脚の先。内側に曲がっているのが狗足盤、外向きに曲がっているのが虎足盤です。馬足盤は台が長方形のもの(・・・だと思います)。(また、これら以外にもまっすぐな脚の小盤もあります。)
 しかし、弯曲した脚の調度といえばたとえば香炉が思いつきますが、ほかにもいろいろあると思います。こうした小盤がはたして「お膳の脚が曲がるほどたくさんの料理を出してもてなすという意味が込められている」かどうかについては、結局確証は得られないままです。
 そのこととは別に、先のリンク先の記事に興味深い記述がありました。
 「朝鮮は身分・男女・長幼等の区別が厳格だったので、格の違う人と食事を共にすることはないため一人膳が多かった。このため小盤がよく用いられた。」
 これはナルホドですね。ただ、日本でも「現代でこそ、家族一同が一つの食卓をかこんで食事をすることが一般になったが、それはここ数十年間の流行であり、それまでは一人が一つのお膳を使う銘々膳であったのだ」(石毛直道「食卓の文化誌」)ということで、日韓の違いは文化自体の違いというよりも年差と考えた方がいいのかもしれません。「食卓の文化誌」が最初に書かれたのは1970年代ですから、日本ではその頃銘々膳は過去の話になっていたわけです。ところが韓国ではそうではありませんでした。
 たとえば申相玉監督の佳作「離れの客とお母さん」が公開されたのが1961年。原作の朱耀燮(チュ・ヨソプ)の短編小説は1935年発表されましたが、この映画の時代設定は現代(1960年頃)になっていると思われます。そこでも一人用の食膳が用いられていました。
      
 別棟の台所で作った食事を載せたお膳をお手伝いさん(食母)が内庭を通って離れ(サランバン)まで運び、客は1人で食べています。これは馬足盤のようですね。
 石毛直道「食卓文明論」(中公叢書)には次のようなことが書かれています。
 韓国では、[1]朝鮮戦争後の「家庭の民主化」 [2]伝統家屋からアパートへの居住様式の変化 [3]大家族から核家族への家族形態の変化 によって家庭の食習慣は大きく変化した。そして1970年代には家族全員が一つの食卓を囲んで食事をすることが一般的になった。しかし地域差があり、地方農村の一部では80年代後半でも男女別室で食べる風習も残っていた。
 日本でも、60~70年代アパートが増えて、それとともにちゃぶ台が姿を消していったということはこの本等でも記されています。
 こうしたところにもその時代・その社会のありようが反映されているということですね。

○8月27日~11月10日国立民族学博物館(みんぱく)で開催される「韓日食博」にぜひお越しを!
 ・・・と、朝倉先生、講演の最後に宣伝されてました。詳細はみんぱくの公式サイトを参照とのこと。(→コチラ。)
 朝倉教授によると、さっそく「なんで<日韓>でなく<韓日>なんだ!?」と批判めいた電話もあったそうですが、内容的に韓国の方がずっと多いから、という理由なのだそうです。
 またとくに強く薦めていらっしゃったのが特別展解説書の「韓国食文化読本」。なんかわからないけどおもしろそう。現地でないと入手できないようなので、これは行くしかないか・・・。
 さまざまある展示内容の中で、日韓の学生の皆さんの調査によるものとして「日韓の漫画の中のオノマトペ」というのがあるそうです。ものを食べる時の音とか、かな?
 たまたま最近ソウル在住のゆうき先生のブログ記事(→コチラ)を見ていたら、Film Forumというミニシアターの注意書きの画像が貼られていました。
 6項目中5つがものを食べる時の音ではないですか! 意味はゆうき先生がきっちり書いてくださっています。
  바스락(パスラ)=がさごそ(袋が擦れ合う音)
  춥춥(チュプチュプ) =チューチュー(液体を吸う音)
  짭짭(チャプチャプ) =クチャクチャ(唾液を混ぜて食べる音)
  냠냠(ニャムニャム) =もぐもぐ(頬張って食べる音)
  호로록(ホロロ)ズルズル(麺をすする音)
  슉슉(シュクシュク) =ツルツル(麺などが滑らかにすべる音)
 いやー、こういう擬声語・擬態語はなかなか覚えられないんですよねー。(国際結婚の)ゆうき先生も「日本語訳をつけるにあたり、嫁はんと娘たち(!)の力を借りました」とのことですが・・・。

 おまけ。講演が終わって外に出ると、信号待ちの朝倉先生を発見。この機会にと思い、以前から疑問に思っていたことをお訊ねしました。以前過去記事(→コチラ)でも記したことですが、脱北者の女性博士イ・エラン教授の本には「北朝鮮にはサンチュという言葉もなく、肉をサンチュに包んで食べる食べ方を知らない」ということが記されていました。すると、もしかして「肉をサンチュに包んで食べる」というのはそんな昔からの習慣ではないのかもしれない、といったことを考えたりもしていました。
 そうした疑問を口にすると、朝倉先生は「昔(←何百年前だったかな?)、北の人が「サンチュで包んだ料理が懐かしい」といったことを書いてます。つまり以前からあった食習慣です」と即座に説明されました。今の北朝鮮の状況については、「北は昔から食糧事情が厳しく、とくに現在は極度の食糧難に直面しているといったことが昔からの食習慣が消えてしまっている背景にある」ようです。なお、「イ・エランさん関係の展示も(特別展で)あります」とのことでした。
 信号待ちのわずかな間に、内容のあるお答えが聞けたのは実にラッキーでした。

 うわ、こんなに長くなるとは思わなかったな。

[8月11日の追記] 朝倉敏夫「韓国」(農山漁村文化協会<世界の食文化1>)に講演内容の多くが記されています。すぐ上の<おまけ>で書いた「包んで食べる」については次のような記述がありました。
 これ(=野菜にご飯を包んで食べること)が高麗から蒙古(元)に伝わったというが、その陰に、蒙古につれて行かれた高麗の宮女が失郷の悲しみをいやすため、故郷を想ってサンチュ(チシャの葉)にご飯を包んで食べたという悲しい話がある。
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朝倉敏夫教授の講演「食文化を通じてみる韓日比較」を聴いて知ったこと、考えたこと(上)

2015-08-07 21:32:43 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
 7月31日(金)の夜、韓国文化院で朝倉敏夫国立民族学博物館教授の講演を聞きました。
 演題は「食文化を通じてみる韓日比較」。<2015『韓日文化比較』>というシリーズの第8回目の講演会です。

 しかし「食文化」とはずいぶん幅が広いというか、ネタがありすぎてかえって大変では?と思いました。
 講演は配布された資料プリントにほぼ沿って進められました。案の定、多岐にわたる内容でしたが、興味深い内容を巧みな語り口で話され、とても勉強になりました。
 プリントの項目だけ拾ってみると・・・。

 ①韓国人にとってのご飯とは?
 ②韓国人のご飯の食べ方は?
  (a)ご飯の世界・・・ビビンバ(混ぜる)、クッパ(汁に入れる)、サムパプ(包む)
  (b)箸と匙
 ③韓国人のご飯の出し方は?
  (a)お膳
  (b)おかわりと山盛り


 ・・・と、ざっと 見てもこれらの内容を1時間30分弱で話すとはなかなかのものです。おまけに日韓の文化のような、よく似ているが違う、つまり「似て非なる点にこそ双方の違いがよくわかる」とか、韓国の「情の深さ(情が多い)」と日本の「情の細やかさ」、韓国の「わかちあい(나늠)」と日本の「おもてなし」の対照比較といった文化論にまで話が及んだりして、実に密度の濃い講演でした。

 以下、私ヌルボが興味をもったこと、その後調べてみたこと、疑問に思ったこと等をメモみたいな感じで書いておきます。
 ※青字は朝倉教授の話あるいは配布プリントに記されていることです。

○朝倉教授の最初の訪韓は1979年。当時外食食堂ではご飯には麦が混じっていなければならなかった。 ※韓国は1983年に米の自給率が100%に達した。
 ・・・日本で麦飯がふつうだったのは60年代までだったでしょうか? 以前知り合い(1950年代前半生まれ)から「学校(高校?)で弁当箱を開けるとご飯が黒っぽい(←麦の比率が高い)ので恥ずかしくて、弁当を蓋を立てて隠して食べていた」という話を聞いたことがあります。
 韓国については→コチラ(韓国語)に記されている戦後食生活史はおもしろいです。
 1960年代半ば~70年代、すべての食堂ではご飯に麦等の雑穀と麺類を25%以上混合して売らなければならなかった。学校でも混粉食の歌(혼•분식의 노래)を歌わせ、昼食時に麦などの雑穀が25%以上混ぜられているか弁当検査をした、等々。
 また、→コチラの記事(韓国語)には次のようなことが記されています。
 (ちょうど日本の1950年代、アメリカの膨大な余剰農産物処理のためパンとか脱脂粉乳が学校給食に使われたように)韓国では63年からアメリカの余剰農産物を受け入れ、小麦粉はバランスのとれた食品で美容にも良く頭が良くなるとのふれ込みで韓国社会に広がり、70年代のセマウル運動で食生活の改善の名で欧米の食文化の無批判に受け入れていき、韓国の食文化は崩れていった。

○ご飯は、食べる人によってよび方が違う。
  반(パン)[밥(パプ)]=ご飯の一般的な語。
  진지(チンジ)=目上の人が召し上がるご飯。
  수라(スラ)=王の食事。    ※「チャングムの誓い」にも出てくる수라간(スラカン)は王の食事を調理する所。
  메(メ)=祭祀の時に祖先に差し上げるご飯。


○最初の<①韓国人にとってのご飯とは?>で金芝河の詩「飯」を紹介。詩句(全)は次の通りです。
  飯が天です 天を独りでは支えられぬように 飯はたがいに分かち合って食べるもの
  飯が天です 天の星をともに見るように 飯はみんなで一緒に食べるもの
  飯が天です 飯が口に入るとき 天を体に迎えます
  飯が天です  ああ 飯は みんながたがいに分かち食べるもの

 ・・・この詩については、たぶんそのうち別立ての記事にします。

국(クク.汁)탕(タン.湯)の区別はむずかしい。
 「국は祖先祭祀の膳には上がらないが탕は上がる」と言う人もいる。たとえばカルビ湯は結婚式による出されるが、汁は出ない。
 국밥(クッパ)は汁の中に飯を入れた(말다)もの。


日本人も昔は匙を使っていた。ex.正倉院御物 (箸の使用は7世紀以降。一般は9世紀から。)
 1116年(永久4年)の<大臣大餐>の図(「類聚雑要抄指図巻」所収)によると箸と匙がセットで用いられていたことがわかる。

 ・・・その後探してみたところ、正倉院御物の佐波理匙の画像は→コチラ参照。なお<朝鮮新報>の記事(→コチラ)によると<佐波理>とは「銅と錫の合金」のことで、朝鮮語「사발(サバル.沙鉢.どんぶり)」の日本語音表記と説明されています。
 また「類聚雑要抄指図巻」については、なんと横浜市立図書館にあったので見てみました。すごい豪華本で、奥付を見ると4万5千円出して購入したようです。1116年の大臣(=内大臣藤原忠通)大膳の図には、なるほど箸と匙のセットが置かれています。薄くてほとんど見えませんが、中央手前に横向きに置かれています。右は部分拡大図です。
      
 ※<神戸市兵庫区>のサイトに、「清盛時代の料理再現にチャレンジ」という催しの記事(→コチラ)と、再現した1115年の大饗のメニューとその説明の写真入り記事(→コチラ)がありました。とくに後者。よくここまで再現したものです。もちろん箸と匙のセットもあります。
 ※「類聚雑要抄指図巻」とは何なのか?については→コチラ参照。しかし、こうした宴席の膳の記録を詳細な絵入りで残すとはすごいものです。

○古代では用いられたは匙がなぜ後世なくなっていったか? 「ジャポニカ種の米は粘り気が強いので匙だとくっついて食べづらい」という説もある。
 ・・・山内昶「食具」(法政大学出版局)には、この説(故・青木正兒博士の説)とともに「日本では台所ですべて一口で食べられるように調理して食膳に出すので箸だけでよく、ナイフもスプーンも不要」といった<切断料理説>を紹介しています。(朝倉先生の話にもあったかな?) しかし決定的な説はないような・・・。韓国で匙を頑として使用し続けているのは「『礼記』以来の礼節を遵守してきたせいだった」という記述もあります。
 ※韓国の匙については以前<スッカラ(韓国のスプーン)はくぼみが浅い。 その理由は?>と題した記事を書いたことがあります。(→コチラ参照。)
 ※この「食具」という本はとても興味深い本です。匙&韓国関係では、「現在の西洋でスープを食べる時、スプーンを向こう側に動かして掬って口に運ぶが、コリアではそんなことをしたら福が逃げるといって、スプーンを手前に動かして掬って飲んでいる」といった記述もあります。

 後で図書館で調べたりネット検索で知ったこと等をあれこれ書き足していったらずいぶん字数が多くなってしましました。一応ここでひと区切り。

 → 朝倉敏夫教授の講演「食文化を通じてみる韓日比較」を聴いて知ったこと、考えたこと(下)
コメント (4)
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定年前退職S氏のソウル・慶熙大学校10週間留学記 (9)

2015-08-07 11:26:13 | S氏の慶熙大学校10週間留学記
 [ヌルボより] 留学生に対するお手伝い役の学生=「トウミ」制度を初めて設けたのが慶煕大学校だそうです。毎度思うことですが、S氏担当のトウミ氏は本当に最上級の「トウミ」だと思います。他の「トウミ」は全然知りませんが・・・。勉強の手助けはもちろん、彼が連れて行ってくれる所の選定はとてもよく考えられていると思います。4月18日にはサムスン美術館Leeum、そして今回の5月13日は大学路です。
 明洞地下街の眼鏡屋さんのカンさんとのツキアイの濃さはもしかして日本人の友人以上? 今回はご家族も一緒にハイキング。

◎5月13日(水)
 今日は先生との個人面談が授業の合間に10分ほどあった。中間試験の結果については問題ないと言われた。「日本人は皆さん勤勉なので感心します」と日本人をほめていた。日本人の評価を下げることなく対面を保てたようだ。生活での不自由な点はないかと訊かれたが問題はないと回答。週に1回週ごとの出来ごとを作文にするのが宿題だが、私の文章は面白く毎週楽しみにしているといわれた。誤字が多くかなり添削されるのでちょっと恥ずかしい。「知らない単語がたくさん出てくるので覚えるのが大変です」とも答えておいた。
 午後はトウミと会って昼食後大学路に連れて行ってもらった。実はここは初めてだ。韓国のブロードウェイともいわれ、独特の雰囲気がある。おしゃれなカフェがたくさんあり料金は高そうだ。平日のため人は少なかったたが、それでも修学旅行と思われる高校生の団体がバスを連ねてきていた。ドラマのロケ地でも有名なところで、たまに芸能人ににも出会えることがあるとかで土日はごった返すらしい。(地下鉄2号線恵化駅下車)。
 夜は大学の講堂で音楽学部の学生の大学創立60周年記念オーケストラ演奏会があった。曲目はデュカのシンフォニー、リストのピアノコンチェルト1番、シベリウスの交響曲2番。なかなかの難曲だ。大きな講堂で音が上に抜ける感じで音響はあまりよくないが、けっこういい演奏だ。とくに弦楽器が締まっている。繊細で安定していて最高の音に挑戦しようという緊張感が漲っている。水準は高い。7時半に始まり、終わったのは9時半。タダで聴けたのはもうけものだった。

◎5月14日(木)
 今日の後半の授業は会話。なんとなくこの授業は苦手だ。状況設定が理解できないところがあって、たまにポカをやらかしてしまう。今日も二人の会話だが、どこを読んでいいか分からず恥をかいてしまった。午後は外国人留学生の韓国語スピーチコンテストがあったので行って見た。延べ十数名が出場し、日本人は2名出場。スピーチ時間は1人4,5分程度。出演者は韓国在籍2年以上の人がほとんどで、事前審査に通った人が出るのでさすがに上手だ。ユーモアも交え笑わせどころも心得ている。正直、理解できたのは半分程度だ。出場者には各々応援団がいて会場はけっこう盛り上がっている。優勝者の賞金はなんと200万ウォン。パキスタンかウクライナ出身の人が優勝した。帰りぎわに担任に会ったので「半分程度しか分からなかった」と言ったら「マイクの音があまりよくなかったからしょうがないわよ」と慰めてくれた。

◎5月15日(金)
 今日は外国人祭りのある日。アラブの人たちは早々に民族衣装をまとい誇らしげだ。さすがに似合っている。1時ごろまで授業をしてねその後早めの昼食をとる。トンカツ弁当が出て教室内で食事。なかなか美味しい。
 12時祭りの行われる校内の場所に移動する。いくつかテントがあって、その中で7ヵ国の人たちがそれぞれチームを組みお国自慢の料理を作って味を競い合っている。ベトナム、中国、アラブ、ガーナ、ブラジル、タイ、日本が出店。民族衣装を着た人も多く華やかな雰囲気だが、人が多くてなかなか料理にありつけない。何とか5ヵ国の料理を確保。さすが自慢料理だけあってそれぞれ特徴があり美味しい。ちなみに日本はお好み焼きだった。
 食後は隣の講堂で一同が集まり、ゲームあり、歌あり、ダンスありの祭典が繰り広げられた。司会は男性教員の一人が担当したが、進行が実にうまい。おそらく30代後半だろう。自ら歌とダンスを披露したが、コミカルなところがあり会場から大うけだった。出場者は志願して出てくるだけあってなかなかの芸達者だ。若い人のエネルギーが発揮されていて大いに盛り上がり、終了したのは4時過ぎだった。

◎5月16日(土)
 今日はT氏御一行(鎌倉のサークル仲間)4名様と会う日。前もってメールで約束していた鐘閣駅隣にある永豊文庫で待ち合わせ。12時に待ち合わせていたので約束場所で待っていたがなかなか来ない。15分経過。なかなか来ないのでそんなはずはないと思ってメールを見たらなんと大きな間違い。自分は永豊文庫で待ち合わせしたと思っていたら、なんと教保文庫と間違えていた。あわてて移動する。歩いて5分程度距離だったので12時20分には到着。Tさんが心配して書店内を探してくれているところにうまく出くわした。皆さんにご迷惑をおかけしてしまった。それでもいつもと変わらない面々を見て懐かしくなった。皆さんそろって満ち足りたような笑顔で、きっと楽しかったに違いないと確信する。
 焼酎を飲み昼食を食べた後、店を変えてマッコリを飲みながら原州・楊口方面への旅の思い出話を聞かせてもらった。少々飲みすぎて気持ちよくなった。この日帰国する皆さんと鐘閣駅で4時頃お別れして寄宿舎へ戻る。気持ちよく午睡。

◎5月17日(日)
 今日はカンさんが山登りに誘ってくれた。こちらに来た当初から彼の大好きな釣りと山登りには必ず行きましょうと言ってくれていた。義理堅く約束を守ってくれ、今日は山登りの日となった。10時に回基駅から地下鉄で20分ほど先の道峰山(トボンサン)という駅で待ち合わせた。改札口で待ち合わせたが、心配してくれてカンさんがホームまで出迎えてくれた。
 駅前は大きなマンションが立ち並ぶベッドタウンだ。カンさんは16年住みなれたこの場所から引っ越すため昨日売却契約を結んだという。ちょっと複雑な気持ちだという。
 目指す山はマンションの立ち並ぶ反対側から山道に連なるが、好天気もあってか大勢の人が押し寄せている。それでもいつもよりは少ないらしい
 駅前から多くの飲食店が行きかう人を待ちかまえている。実ににぎやかだ。しばらく歩くと急に渓谷が現れ別世界のようになる。山頂は標高766mらしいが、さすがに山頂付近の道は険しいらしく、途中の天竺寺というところまで行きましょうということになった。
 岩の多い急勾配を進むが、けっこう年をとった人も登ってくる。新緑が生い茂り爽快な気分になる。カンさんの奥さんが冷たい水とコーヒー、そしてキュウリとトマトを用意してくれた。トマトとキュウリはこちらでは山登りの際の必需品らしい。休憩していただいたが、ほかの登山客も頬張っている。ただのトマトとキュウリだけで食べたが、新緑に囲まれ食べる味は格別なものがある。冷たい水がのどを潤してくれた。奥さんの心配りがなんともありがたい。
 天竺寺に到着。ここは名刹らしい。カンさんも手を合わせ熱心にお祈りしている。敬虔な信者かと思い訊いて見たら「私は無宗教です」といわれた。この寺から山頂が望むことができるが、急峻で非常に大きな岩場があり、世界的に有名なロッククライミングの名所らしい。またここは韓国では知らない人のいない世界的な探検家オム・ホンギルの生まれ育った場所でもあるらしい。ロープを伝って絶壁を登る人影が小さく見える。
 引き返して駅のそばまで来ると奥さんとお子さんたちが出迎えてくれて一緒に昼食をとる。家族が出迎えてくれるとは実にうれしい。お子さんはお嬢さんと息子さん1人ずつ。2人とも中学生の思春期で、私を見ても恥ずかしいらしくあまりしゃべらない。かわいらしい顔をしているが、相手が初対面の日本人でしかも父親より年が上となると当たり前だ。
 豆腐が美味しいという店に入り、一緒に昼食を食べる。「ここにはホンオ(エイ)があるので食べますか?」というので注文してもらう。ホンオは韓国でしか食べられず、しかも高級料理だ。国内産は超高値でめったに食べられない代物だ。ここは外国産らしいが、高いとわかっていながら注文をお願いしてしまった。遠慮なく焼酎を流し込みながら豆腐鍋とホンオたべる。ホンオはアンモニア臭が強いため豆腐、キムチ、にんにく青唐辛子などまとめて口の中に放り込む。さすがの韓国でも嫌いな人が多いらしい。調子に乗って食べているとなんと追加注文までしてくれた。さすがにちょっと参ったが、美味しいので頑張って食べた。アンモニア臭が鼻腔をしきりに刺激する。汗をかいた後の焼酎がついつい進む。カンさんも奥さんもいける口で、どんどんビンが空いてしまう。さんざん食い散らかしてしまうことになった。支払いの段になるとカンさんが払ってくれてしまう。あつかましいと思ったが、言われるまま、また借りをつくってしまった。どうやってお返しをしたらいいのやら。4時過ぎに寄宿舎に戻る。またもや午睡。

 [ヌルボより] ソウルには道峰山の他にも北漢山、冠岳山、清渓山等々手軽に行けるハイキングに適した山がいろいろあります。私ヌルボもぜひ行ってみよう!と思い続けて5年以上、まだ実行していません。
 韓国では「トマトとキュウリは山登りの際の必需品」とは知らなかったですね。
またオム・ホンギル(厳弘吉)という登山家も知りませんでした。ウィキペディアによると1960年生まれで、ヒマラヤ14峰を世界で9番目に制覇した山岳家なのだそうです。
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