ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国のコンビニおにぎり、何を選ぶか苦渋の選択

2014-06-29 21:10:29 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
 「ご飯とお酒の二者択一だったら、どちらを選ぶ?」

 日本人の9割以上はご飯を選ぶと思います。たぶん。
 ところが、よく一緒に韓国旅行に行く仲間の中で、「迷わずお酒を選ぶ!」という人が何人かいます。「お酒も米から作るから飯の代わりになるんだ」という暴論を聞いたこともありました(笑)。(自身本気で信じているのかは疑問ですが・・・。)

 そういうわけで、韓国の夜の宿で1杯やるために、近くのコンビニにマッコリやスルアンジュ(ツマミ)の買い出しに行った時、「やっぱり1日1度は米の飯は食べたい」というフツーの日本人である私ヌルボは、個人用としておにぎりを1、2個買うことになります。

 しかし、コンビニの棚におにぎりは何個もあって、種類もいろいろあるにもかかわらず、どれを選ぶかなかなか決められないのです。今回(6月16~21日)の旅でもそうでした。
 
    
【今回、なんとか選んだおにぎりが右のおにぎりです。】

 「베이컨 참치 마요네즈(ベイコン・チャムチ・マヨネジュ)」。すなわちベーコン・ツナマヨです。ツナマヨおにぎりについては一応日本でもおなじみですからね。・・・というのがこれを選んだ理由です。

 日本のコンビニでのおにぎりの人気順位は、というと、→コチラの記事にあるローソン(2011年)の場合は、①シーチキンマヨネーズ ②焼さけハラミ ③日高昆布 ④胡麻さけ ⑤紀州南高梅 ⑥熟成生たらこ ⑦紅さけ ⑧塩にぎり ⑨わかめごはん ⑩辛子明太子 という順だそうです。
 セブン-イレブンの同様の調査(2014年)(→コチラ)でも、ほぼ同じようなものです。(首都圏と関西を比較しています。)
 つまり、今やツナマヨが人気ナンバー1なんですね。私ヌルボとしてはちょっと意外。2個買う場合、焼きタラコ(orイクラorシャケ)と、もう1つはおかか(or昆布)を選ぶのがふつうなもんで・・・。昔の小学校の遠足で定番の、ゴマをまぶした梅干しおにぎりこそが正統だっ!、という刷り込みが厳然としてある私ヌルボにとって、ツナマヨはなんか「邪道」感もあるし・・・。もちろん、邪道であろうが美味しいものは美味しいし、否定する理由は何らないことはわかってはいるんですけどね。
 ※なんのかの言っても、ツナマヨおにぎりを最初に考え出した人はエライ! (ちゃんと顕彰されているのだろうか?)

 さて今回の旅で、韓国のコンビニでのおにぎり選びにはいつも苦労しているなー、ということにふと思い至ったのですが、それとともに、その理由として、日韓のおにぎりの種類の違い、ひいてはその背景の日韓の食文化の違いがここにも反映されているということが見えてきました。

 おにぎりのことを韓国語では주먹밥(チュモクパブ)」といいます。直訳すると「ゲンコツ飯」。ところが、コンビニの普及とともに삼각김밥(サムガクキムパプ)」(三角のり巻き)という言葉も一般化してきました。今それぞれのハングルでgoogle検索すると、주먹밥が約751,000件であるのに対し、삼각김밥の方は約807,000件と数は上回っています。
 意味的にはサムガクキムパプの方が文字通り「三角形」の「のり巻き」という点で、限定的といえるでしょう。
 ※画像検索結果を見ると、おおよそ違いがわかります。「삼각김밥」は→コチラ、「주먹밥」は→コチラ。日本では、家庭で作るおにぎりも三角形に握る場合が多いと思いますが、韓国では球形が相当多いようですね。

 「삼각김밥」は→韓国ウィキペディアにも項目があります。
 その他、<Eデイリー>の記事(→コチラ)等も見てみると、韓国のおにぎり文化の発展はコンビニと切っても切れない関係にあることがわかります。
 1991年にセブン-イレブンで最初に発売され、ファミリーマートやGS25もこれに続きました。しかし90年代は認知度が低く、価格も当時としては高い900〜1000ウォンでした。
 飛躍のきっかけは2001年のセブン-イレブンのTV広告で、価格も700ウォンに下げ、以後売り上げは急上昇。広告以来コンビニ業界のおにぎりの販売は100倍以上(!)に増えたそうです。
 そして今や三角キムパプはコンビニの押しも押されぬ主力商品に! ある記事によると2位のパナナウユ(バナナ牛乳)を抑えて1位だとか。またコンビニの食料品売上げの約4割を占める(?)という記事(出所忘却!)もありました。

 ところが韓国のコンビニおむすびの隆盛は、それが当然のことながら韓国人の嗜好に合わせて発展してきたということで、それが「韓国料理大好き!」とはお世辞にも言えない私ヌルボの好みからは遠いものになってしまった、というわけです。

 では、具体的にその韓国のコンビニおにぎりの種類・傾向を見てみましょう。
 ・・・ということで韓国サイトをいくつか見てみたあと、ふと思いついて探してみたのが<ソウルナビ>のサイト内。
 すると見つかりましたがな、それもスゴイ連続記事が・・・。なんと2001年から続いている<コンビニおにぎり大研究>という詳細な報告記事です。ホントに笑っちゃうほどスゴイ企画記事です(笑笑笑)。
 シリーズ初回の<コンビニおにぎり大研究2001!>は→コチラ
 以後2013年までほぼ年1~2回、各コンビニで売られているおにぎりを写真入りでレポートしています。もちろん中身の写真もあり、実際食べた感想等々も全商品について記されています。(何という企画だ!?)
 このシリーズの全記事をWordのA4にコピペしたら300ページにもなってしまいました。それを丹念に読んでいくと、この10数年の間のおにぎりの発展の歴史を読み取ることができます。
 最初の2001年の記事では、「このサンカクキンパッ、韓国でもほぼ定着してきて、コンビニには必ずある定番商品となってます」という状況。
 <2003~第1弾!>の記事では、「最近ではコンビニだけではなく、ふつうのスーパーで目にすることもめずらしくなくなったおにぎり。またデパ地下にもおにぎり専門店も登場。おにぎり(チュモッパッ)は韓国の食文化の中に確実に定着しつつある感があります」とあります。
 そして<2004~第2弾!>では、もうすっかりコンビニの必須アイテムとして定着したおにぎり、2004年も具をかえ品をかえ、次々に新商品が登場」と急成長のようすがうかがわれます。
 <2005!>での見出しは「どんどん辛くなる韓国おにぎり…ネタは出尽くし?」と早くも飽和点に達したか?のレベルに。
 <2007!>の見出しは「ブーム去る?生き残りをかけた韓国おにぎり大戦争の行方は?」と、飽和点以降の熾烈なシェア争いのようすがうかがわれます。

 以後も、実に多くの新商品が続いています。
 そのたくさんある種類の中で、定番おにぎりといえるのはどんなものか? ・・・について手っ取り早くまとめてくれているのが同じシリーズの<韓国コンビニおにぎり大研究~定番編!>(→コチラ。)
 ここで、これこそ定番!としてあげられているのが次のおにぎりです。
ツナマヨネーズ・・・これは辛くないので、辛いのが苦手な日本人もOK! 辛さ:0
全州ビビン・・・ビビンバのおにぎり。もちろん混ざった状態になっています。「ただちょっと日本人には辛いかも」。辛さ:3
ツナキムチ・・・韓国人はやっぱりキムチ。ちょっと辛い。辛さ:1
コチュジャンプルコギ・・・辛さ:2
 次はほぼ定番おにぎり。
トッカルビ・・・떡갈비の떡(トク.餅)を見ると間違いなく餅だと思ってしまいます。しかし餅ではなく、韓国版ハンバーグ(?)なのだそうです。「肉系おにぎりの代表格」とのこと。辛さ:0
からうまツナマヨ・・・ツナマヨの辛いバージョン。辛さ:2
 次は定番どうしの組み合わせ。
新プルコギとツナ・・・え、肉とツナを組み合わせるってか!? 辛さ:0
キムチプルコギ・・・文字通りキムチ+プルコギ。辛さ:1
ツナキムチ・・・え、キムチとツナを組み合わせるってか!? 辛さ:1
 (※この頃、日本のコンビニでも具を組み合わせたおにぎりを見かけますが、「小松菜と鮭ハラス」とか「しらすとおかか」のような穏やかなもの(笑)ばかりです。)
 なお、この記事の末尾に「★辛いおにぎりの見分け方!」が書かれています。「炎のイラストがあると要注意。ちなみ見た目が赤くて辛そうだからといって、必ずしも辛いわけでもありません」とのことです。そういえば、炎のイラスト見たことがあるなー。危ない危ない・・・。

 私ヌルボ、さらに大きく分類すると①ツナマヨ系 ②ビビンバ系 ③プルコギ系 の3つになるのではないかと思います。
 その②と③、つまり、全体の約7割方は「辛い」「赤い」系。それらが苦手な人(含むヌルボ)はこれでもう選択幅がかなり限定されてしまいます。結果的に、上述のベーコンツナマヨの選択は正しかったといっていいですね。(自己満足型。) ただ、とくに美味しいとも思わず。日本のツナマヨの味にも慣れてないし・・・。(ある人(日本人)から、韓国の缶詰のシーチキンはとても不味かった、という話を最近聞きましたが、自分自身は未確認です。)

 次に日韓のおにぎりの大きな違いを考えてみると、日本では梅干し、シャケ、昆布、タラコ等の単品の具材が大半であるのに対し、韓国のおにぎりはそれに手を加え、具材をいろいろ組合せたり、料理をそのまま詰め込んだり、調味料等々に工夫を凝らしたりして多様な新製品を次々に出しているということ。
 韓国人の目からすると、日本の単純な具だけのおにぎりは「何の手間も工夫もない」と見られるのかな? ・・・と思って韓国人の日本旅行記をいくつか見てみると、日本のコンビニおにぎりはなかなか好評のようなんですけどね。

 日本人観光客の皆さんの多くは、わざわざ韓国に行ってまでコンビニ等てB級(~C級)グルメを買って食べるということはあまりないかもしれませんが、おにぎりやカップラーメンを買ってきて夜食にするのも時にはいいですよ。
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韓国軍兵士銃乱射事件の報道に、2日前現地に観光に行ったわれわれ4人組は「吃驚!」

2014-06-28 06:53:48 | 韓国旅行の記録
 韓国旅行から帰ったのが21日夕方。
 で、その翌日。ニュースを見て驚きました。


 あらま。これはもしかして19日(木)私ヌルボを含めオジサン4人組が旅行してきた辺りではないの!?

 続報によると、5人を殺害して逃げていたその兵士は、結局23日(月)午後に身柄を確保されたとのこと。

 その後、図書館で23日の「朝鮮日報」を見てみました。まだその兵士が逃げている時点の紙面です。


 1面に大きくこの事件の記事が載っています。2~3面もほとんど全面が関係記事で埋められていました。

 1面の左上に、関係地図がありました。右は、「朝鮮日報」日本語版のものです。

 この地図を見ると、まさにヌルボ一行が通ったところではないですか!
 当日の旅程の概略を記すと、束草(ソクチョ)の停留所でバスに乗ったのが午前10時頃。
 大津(テジン)に向かって北上するバスの窓からは海岸風景が眺められましたが、北からのスパイ侵入を防ぐためのフェンスが延々と設けられています。

 途中の集落や観光ポイント等で人の乗り降りがそれなりにあり、約1時間で終点の大津に着きました。降りた客はわれわれ4人だけでした。

 降りた所の真ん前は地図にも記されている麻次津(マチャジン)海水浴場。ここにも下の画像のようなフェンスがあり、自由に海岸にでられるわけではありません。(この先のホテルからだと出られる、のかな?)

 バスの終点から約800m先にある統一安保公園(高城統一展望台出入申請所)まで歩きます。
 途中、巡回警備の(?)兵士たち3人(だったかな?)とすれ違いました。

 フェンスを間近で見ました。スピーカーも設置されています。

 GoogleEarthを見ると、この辺りのようすがよくわかります。
 
【画面一番下の海岸が麻次津海水浴場、上の方の赤い屋根の建物の少し下が統一安保公園です。】

 約10分で統一安保公園につきました。

 建物内には売店があり、土産物等を売っています。地元の特産物や、北朝鮮の酒類や切手、金日成バッジ等の他、下の画像のように紙幣も売っています。(本物?) 食堂もあります。

 ここから先はマイカーかタクシーでないと行かれません。(例外は、韓国を縦断した徒歩旅行家ハン・ビヤさん。) シャトルバスもありますが、本数が少なく、われわれが行った時にはありませんでした。

 申請窓口に行くと、係の人が電話でタクシーを呼んでくれました。

 この先にも、明波里(ミョンパリ)という集落があります。民泊等もあり、ここまで来るバス便もあります。
 まさにこの辺が銃乱射事件の交戦場所となった所です。

 24日の「朝鮮日報(日本語版)」(→コチラ)によると、事件が起こってから約18時間後の22日14時頃、最初の現場から10キロ離れたこの明波里付近の山中で逃げていた兵士が発見されました。そして数度にわたって銃撃戦を繰り広げられたとのことです。しかし身柄確保には至らず、その夜は軍の指示で住民約540人が付近の学校に避難したそうです。

 先の地図ではわかりませんが、同じ23日の「朝鮮日報」3面には、次のような兵士の逃走経路も載っていました。
>
【こんな山道を、彼はどんな思いでたどったのでしょうか?】

 明波里の集落から車でわずか1分ばかり北に行くと、<民統線(民間人統制線)>にさしかかります。一般の交通を物理的に規制していて、決められた検問所以外からの出入りが禁止されている領域です。

【前日行った楊口の乙支天文台方面ではパスポートのチェックもありましたが、ここでは不要でした。】

 この道には、下のようなコンクリートブロックが両側に積まれた処をよく見かけました。板門店に向かう道等も同様です。北朝鮮が攻め込んできた時、これを崩して進路を妨害するためのものです。

 高城統一展望台に到着。高さ約70mの丘の上にあり、自家用車で来た人たちは下の駐車場から階段を歩いて上っていましたが、われわれの乗ったタクシーは建物の入口前まで行って降ろしてくれました。(待ち時間の短縮のためでしょうが・・・。)
【タバコも大好きなTヒョン、よい景色を眺めながらの一服は美味いでしょう。】

 展望台から北の眺めです。
  

 海に突き出ている小さな出っ張りは韓国、彼方に見える禿山や、右手はるか向こうの島々は北朝鮮の領域です。島々は海金剛といって、昔から有名な景勝地です。
 天気がよく視界がはっきりしている日は、この画像の範囲外(左方)に金剛山が見えるそうです。われわれが行った時には残念ながら見えませんでした。いや、かすかに稜線の一部らしきものは見えたような・・・。
 軍関係の施設以外は写真OKで、貸切バスで来た退役軍人の団体の皆さんや、外国人も含む一般観光客の皆さん(って自分もか)、バシバシ撮っていました。
【望遠鏡が並び、記念写真の写真屋さんもいます。】

 銃乱射事件の話に戻りますが、その後の報道によると、身柄確保にいたるまでいろいろ問題があったようです。
※→関連記事 「<韓国兵銃乱射>初期鎮圧に失敗した軍、誤認射撃まで」
 →関連記事 「捜索部隊が撃たれた中尉を見捨てて逃げた』目撃住民が証言」
 →関連記事 「<韓国兵銃乱射>脱営兵のメモにいじめ示唆する内容」
 →関連記事 「韓国軍銃乱射の兵士に「いじめあった」と国防相。」
 →関連記事 「<韓国兵銃乱射>脱営兵の病院搬送写真、軍が代役使って演出した“偽物”だった」
 →関連記事 「韓国軍、銃乱射事件で“病根”浮き彫り 人手不足で問題兵士が最前線に」
 また同様の部隊内のいじめが原因の銃乱射事件の過去例については・・・
 ・2005年の漣川軍部隊銃乱射事件(8人死亡)→コチラ参照。
 ・2011年の江華島海兵隊銃乱射事件(4人死亡)→コチラ参照。

 どうもあのセウォル号沈没事件とも同根の問題があるようにも思えます。
 こんな状態で、はたして最前線の防備は大丈夫なのか?という(たぶん)多くの韓国人と同じようなこともチラと考えはしました。
 しかし、私ヌルボが展望台から北を臨んで思ったのは、自然はこんなに美しいのに、人間は何を好き好んでそこに自らを不幸にする境界線を作ってしまうのか?という疑問です。
 こんな境界線があるがために、北では食べ物にさえこと欠くような痩せた若者たちが軍務に服し、南では集団生活への適応が困難な若者も苦痛の軍隊生活を強いられる・・・。いずれこうした制度も<国家による強制連行>と否定される日は来るのでしょうか?

 この後、同じタクシーに乗ったのが14時前。展望台の少し南にあるDMZ博物館にも寄って見学してきました。
 次なる目的地は花津浦(ファジンポ)。時間節約のため大津のバス停は通り過ぎて、直接花津浦の李承晩の別荘まで行ってもらいました。

★(韓国では)著名な女性徒歩旅行家ハン・ビヤさんの著書「風の娘、わが地に立つ(바람의 딸, 우리 땅에 서다)」(1999年)については過去記事→コチラや→コチラで紹介しました。その彼女の韓国縦断旅行の最終地点が高城統一展望台でした。彼女のために軍も配慮をしてくれて、民統線の中も2人の兵士にガードされて展望台まで歩いたのだそうです。
 その本の挿絵が下の画像です。
  ハン・ビヤさん、展望台の建物の上から眺めるだけではなく、フェンスぎりぎりのところまで歩いて行ったのですね。(さすが。やっぱり。)
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韓国語の母音の長短とハングル表記の問題 ★オードリー・ヘプバーン、ジョージ・バーナード・ショーは?

2014-06-25 18:47:13 | 韓国語あれこれ
 6月16日の記事<駅の掲示板のハングル表示の問題>(→コチラ)で「上大岡」という駅名のハングル表示についてふれたところ、とくにハングルにおける長母音の表記や発音の問題についていくつかの興味深いコメントをいただきました。

 昨日は、映画にも韓国語にも(&その他もろもろ)造詣が深いconfuocoさんが映画「ローマの休日」の韓国語ポスターについて教えて下さいました。(→confuocoさんのブログの関係記事)

(<DAUM映画>より)


 上左の黄色い字で書かれている名前に注目!です。
 오-드리-・헾버-ㄴ(オードゥリー・ヘプボーン)
 그레고리-・팩(グレゴリー・ペク)
 윌리암・와일러-(ウィリアム・ワイラー)
 
 長母音もしっかり表記しています。短母音だと「」(ボン)となるところを「버-ㄴ」(ボーン)と分割して、「ㄴ」(n)を単独で表記している点などは現在ではまず見られないでしょう。(本か何かで見た記憶はありますが・・・。)

 「ローマの休日」(米.1953)の日本公開は1954年。韓国でも1955年に公開されたそうです。つまり、その時点ではこのような長母音の表記が一般的に行われていたのですね。

 母音の長短はこのような外来語だけでなく韓国語にも本来的にはありました。固有語・漢字語を問わずです。
 固有語の例でよくテキストにあげられているのは(ヌン)や(マル)です。
 前者は「ヌン」=目、「ヌーン」=雪、後者は「マル」=馬、「マール」=言葉 と、母音の長短により意味が違ってきます。

 辞書を見ると、漢字の発音にも長短の別が示されています。
 たとえば、私ヌルボが以前から気になっていた漢字語に「대장」(テジャン)があります。
 ところが、この表記に相当する熟語は「大将」「隊長」「大腸」「台帳」といろいろいあります。
 ちなみに「소장」(ソジャン)にも「少将」「所長」「所蔵」「小腸」といろいろあるので、過去記事の<これは楽しい(?)韓国語クイズ② [同音異義の漢字語編]>(→コチラ)でちょっとふざけて(?)出題した「소장은 대장이 좋지 않다고 말했다.」などという文は、実に多様な解釈が可能になってしまいます。
 で、この2つの漢字音の長短についても、次のように辞書では区別されています。
・・・・[短]隊・台
      [長]大・代・対
・・・・[短]長・場・腸
      [長]将・醤
 まあ、この「대장」も漢字で書いてくれていれば問題なしなんですけどねー。また、もし母音の長短が明確に区別されて発音され、その通り表記されていれば少しは誤解は減るというものですが、今の韓国をみるとそうはいかないのです。

 最近(6月13日)刊行の野間秀樹「韓国語をいかに学ぶか」(平凡社新書)にこの件について1ページあまりを充てて次のようなことが書かれています。

・標準語では(本来的には)母音の長短で単語の意味を区別する。アナウンサー等はこうした長母音を意識して発音する。

・1950~60年代くらいまで、ソウル言葉の話者たちはこうした母音の長短で単語の意味を区別していた。現在でも高齢者には区別を保持している話者がいる。

・70年代頃になり、若い層は長母音を長く発音しなくなった。現在、辞書には長母音記号の記載ははあり、学校の「国語」の教科書にも長母音の存在が記述されているが、教師自身の発音からして長母音がなくなっていて、目も雪も「ヌン」と短く発音している。
今、膨大な数の長母音の単語をおおむね認識しているのは、一部の韓国語学者くらいのものである。

・このような、長母音が50年やそこらで崩壊する変容は実に驚くべきことである。

・学習にあたっては、長母音がかつて存在したという知識として知るに留め、基本的にすべて短母音で発音してよい。


 ・・・というわけです。
 したがって、昔は「オードゥリー・ヘプボーン」と発音していた韓国人も、今は「オドゥリ・ヘプボン」になっているとみてよさそう。昨年~今年の韓国映画の大ヒット作「怪しい彼女」では主人公の女性が「オードゥリー」と名乗ったりしています。7月11日日本公開ということなので、そのあたりも聞いて確認してみます。(作品自体も大期待作ですが・・・。)

 長母音がいくつも入る外国人の名前は、と考えてなんとなく思いついたのがタイトルに書いた「ジョージ・バーナード・ショー」でした。確認してみると、ハングル表記は「조지 버나드 쇼」と、韓国語学習者にはとくに驚くこともない綴りでした。カタカナ書きすると「ジョジ・ボナトゥ・ショ」。
 人名以外では「マハーバーラタ」とか「サーターアンダーギー」なんてのが気になるところ。確かめてみたら前者はやはり「마하바라타」(マハバラタ)。後者は未確認ですが、おそらく「サタアンダギ」なんだろーうなー。

 なお、「한국」(韓国)の「한」(ハン)も本来的には長母音なので、「ハングク」ではなく「ハーングク」が正しい!・・・って、皆さんご存知でしたか?


【野間先生、4月の「日本語とハングル」(文春新書)に続いて刊行。精力的に仕事をされています。】
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [6月20日(金)~6月22日(日)]

2014-06-23 23:32:33 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 韓国旅行の最終日(21日)午後、金浦空港の出国ゲートのある3階からそのまま行けるSky Cityモールにある映画館CGV金浦空港にちょっと行ってきました。といっても、上映中&近日公開作品のチラシを数枚もらってきただけですが・・・。

 その中で、気になった近日公開作品が次の2作品。


 左の「명량(ミョンニャン)」は、見ても意味がわかりませんでした。明朗は명랑だし・・・。チラシの文を読むと李舜臣関係の物語。つまり、彼が率いる少数の朝鮮水軍が日本軍に勝利を収めた鳴梁海戦(韓国では鳴梁大捷という。→コチラ参照)の「鳴梁」のことなんですね。チェ・ミンシク扮する李舜臣将軍、そして倭軍を率いる傭兵将帥の来島通総(リュ・スンリョン)は「李舜臣は必ず私が捕まえる!」と言ってます。配役を見ると大作感あり。7月30日公開とか。しかし、これは日本公開があるか、内容的にビミョー。しかし来島通総(くるしま みちふさ)日本での知名度はどんなもんなの?(→ウィキペディア)
 右は「신의 일수」。「神の一手」です。チラシの背景に碁盤が描かれているように、囲碁の物語であるとともにアクションでもあるようです。主演はチヨン・ウソンで7月3日公開。6月12日公開の「ストーン」も囲碁+アクションでした。そういえば「新しき世界」でも碁の場面があったな。こうしたちょっとした囲碁ブームはウェブトゥーン(ネット漫画)の「未生」がきっかけになったとみていいのかな?(「未生」については、→コチラの過去記事参照。)

 「朝鮮日報」6月20日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」です。(ハングル文も訳文も10字です。)

[左]「少女は自転車に乗って」少女らよ、ペダルを踏め。 ★★★ 「窓から逃げた100歳老人」年はかく取りたいもの!★★★☆
[右] 「美女と野獣」美しい絵本を見る如し。 ★★☆ 「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」結局は「ケリー神話」作り。★★


           ★★★ Daumの人気順位(6月24日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①賢い解法(韓国)  9.6(32)
②Refuge(避難所)  9.2(28)
③お父さんのEメール(韓国)  92(23)
④ゴースト・メッセンジャー(韓国)  9.0(24)
⑤ハン・ゴンジュ(韓国)  8.9(270)
⑥ストーン(韓国)  8.7(29)
⑦最後まで行く(韓国)  8.7(908)
⑧デタッチメント  8.6(84)
⑨鑑定士と顔のない依頼人  8.5(116)
⑩ベルベット・ゴールドマイン  8.5(44)

 顔ぶれはずいぶん変わりましたが、新登場は⑩「ベルベット・ゴールドマイン」だけです。1998年のイギリスの映画で日本公開も同年ですが、そんなに話題にならなかったような・・・。ヌルボも観ていません。韓国題は「벨벳 골드마인」です。

     【専門家による順位】

①ハン・ゴンジュ(韓国)  7.3(6)
②慶州(韓国) 7.2(7)
③X-MEN:フューチャー&パスト  7.1(7)
④少女は自転車に乗って  7.1(6)
⑤グレート・ビューティ  7.0(7)
⑥her/世界でひとつの彼女  7.0(6)
⑦最後まで行く(韓国)  6.8(6)
⑦窓から逃げた100歳老人  6.8(6)
⑨バックコーラスの歌姫〈ディーバ〉たち  6.8(5)
⑩色情狂vol.1  6.7(7)

 今回の新登場は④「少女は自転車に乗って」と⑩「色情狂vol.1」の2作品です。
 ④「少女は自転車に乗って」は、日本では昨年公開。<★2013年 ヌルボの個人的映画ベスト10>(→コチラ)で2位に入れたお薦めのアラビア映画です。韓国題の「와즈다(ワジュダ)」は、ハングルを見てすぐにはわかりませんでした。原題「Wadjda」そのままで、主人公の女の子の名前だったんですね。
 ⑩「色情狂vol.1」だけです。『奇跡の海』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のラース・フォン・トリアー監督による2013年のデンマーク映画ですが、日本では劇場公開もDVDリリースもありません。内容は性的にむき出しのドラマで、色情狂を自認する女ジョーの誕生から50歳までのエロスの旅を扱う、というもの。二巻・8章に分けられ、第一巻では若いジョーをステイシー・マーティンが、第二巻では後半生をシャルロット・ゲンズブールが演じています。ウィキペディアによると、今年2月の第64回ベルリン映画祭で「5時間半の長編の第一部のプレミア上映は行われた」とありますが、<DAUM映画>では上映時間は118分。シャルロット・ゲンズブールもステイシー・マーティンの名前も入っています。韓国題は「님포매니악 볼륨 1」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[6月20日(金)~6月22日(日)] ★★★

         「オール・ユー・ニード・イズ・キル」が3週連続でトップ。

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・オール・ユー・ニード・イズ・キル・・6/04・・・・・・・・・・・574,888・・・・・・・3,921,061 ・・・・・・・32,707・・・・・・・・679
2(2)・・最後まで行く(韓国)・・・・・・・・・・・5/29・・・・・・・・・・・・372,153・・・・・・・2,697,181 ・・・・・・・21,222・・・・・・・・492
3(新)・・美女と野獣・・・・・・・・・・・・・・・・・6/18 ・・・・・・・・・・・・166,026 ・・・・・・・・209,230 ・・・・・・・・1,609・・・・・・・・388
4(3)・・皇帝のために(韓国) ・・・・・・・・・6/11 ・・・・・・・・・・・・107,362 ・・・・・・・・523,297 ・・・・・・・・4,225・・・・・・・・348
5(27)・・窓から逃げた100歳老人・・・・・6/18・・・・・・・・・・・・・82,745・・・・・・・・・111,952 ・・・・・・・・・・869・・・・・・・・300
6(33)・・グレース・オブ・モナコ・・・・・・・・6/18・・・・・・・・・・・・・75,222・・・・・・・・・111,826 ・・・・・・・・・・854・・・・・・・・358
              公妃の切り札
7(4)・・X-MEN:フューチャー&パスト・・5/22・・・・・・・・・・・・・65,972 ・・・・・・・4,288,554・・・・・・・34,461・・・・・・・・281
8(5)・・マレフィセント ・・・・・・・・・・・・・・・・5/29・・・・・・・・・・・・・56,909・・・・・・・1,378,339 ・・・・・・・10,637・・・・・・・・291
9(40)・・色情狂vol.1 ・・・・・・・・・・・・・・・・6/18・・・・・・・・・・・・・16,494 ・・・・・・・・・・27,500・・・・・・・・・・218・・・・・・・・237
10(9)・・her/世界でひとつの彼女 ・・・5/22・・・・・・・・・・・・・14,129・・・・・・・・・274,148 ・・・・・・・・2,236・・・・・・・・・63
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 1位「オール・ユー・ニード・イズ・キル」は数字はまた減ったものの3週連続トップを維持。2位「最後まで行く」はここにきて少し数字を伸ばして健闘。ネチズンの評価も高く、300万人には届きそう。
 今回の新登場は3・6・9位の3作品です。5位「窓から逃げた100歳老人」は先週の記事で紹介しました。
 3位「美女と野獣」は、ディズニー・アニメでおなじみですが、元はといえばフランスのおとぎ話。最初の映画(実写版)も1946年フランスで制作されました。今回も本家フランスの作品です。→コチラの記事(トレーラーあり)によると「ゴージャスな美術やCGIなどのビジュアルを全面に出し・・・ロマンスだけではなく、巨人などクリチャーも出てきてアクションシーンもふんだんにある」とのことです。韓国題は「미녀와 야수」。日本公開は未定のようです。
 6位「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」は、ハリウッド女優からモナコ公国大公妃となったグレース・ケリーの物語。フランスとの関係悪化の影で夫を支えた彼女を、ニコール・キッドマンが演じています。韓国題は「그레이스 오브 모나코」。日本公開は今年10月です。
 9位「色情狂vol.1」については前述しました。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(11)・・窓から逃げた100歳老人・・・・・・・・・・6/18・・・・・・・・・・・・・82,745・・・・・・・・・・・・111,952 ・・・・・・・・869・・・・・・・・300
2(17)・・色情狂vol.1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/18・・・・・・・・・・・・・16,494 ・・・・・・・・・・・・・27,500 ・・・・・・・・218・・・・・・・・237
3(1)・・her/世界でひとつの彼女 ・・・・・・・・・5/22・・・・・・・・・・・・・14,163・・・・・・・・・・・・274,182・・・・・・・2,237・・・・・・・・・63
4(3)・・グレート・ビューティー/・・・・・・・・・・・・6/12・・・・・・・・・・・・・・5,353 ・・・・・・・・・・・・・22,525 ・・・・・・・・175・・・・・・・・・44
             追憶のローマ
5(4)・・リスボンに誘われて ・・・・・・・・・・・・・・・6/05・・・・・・・・・・・・・・4,781・・・・・・・・・・・・・・41,052・・・・・・・・320・・・・・・・・・28

 2位「色情狂vol.1」が新登場です。これについては上述の通りです。
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江原道(カンウォンド)方面へ、9ヵ月ぶりの韓国旅行

2014-06-22 23:49:38 | 韓国旅行の記録
 6月16日(月)から21日(土)まで韓国旅行に行ってきました。
 昨年9月に青山島(チョンサンド)方面等に行った時と同じ4人組です。
 私ヌルボと、仲間中のマンネトンセン(末弟)S氏は韓国旅行歴約30回(やや不確か)、お酒が好きなTヒョン(兄貴)と、負けず劣らずと酒豪Yハラボジは、その倍には達しているようです。いや、もっとだな・・・。
 旅慣れていると言えば聞こえはいいですが、要はパターン化していて、大体は羽田出発時からこのところほぼ同じ。(笑)

【6月16日夕方の羽田空港。(左) 昨年9月(右)と顔ぶれも場所もやってることも同じ。】

 飛行機に乗ってる間も同じ。

【機内では、今回はアシアナだったのでマッコリ。(左) 昨年9月(右)はANAだったのでマッコリはありませんが、酒には変わりなし。】

 ソウルに着いた後もほぼ同じ。

【金浦空港に夜遅く到着。今回は清凉里(左)、昨年9月は龍山(右)と場所は違っても、アヤシげな(?)モーテルという点では同じ。】

 いつも宿は事前予約なしで、着いてから以前泊まった所に行ったり、または(ケバい)ネオンを頼りにモーテルを探して、4人一緒に泊まれる広い部屋に決めます。(韓国は人数関係なく、1部屋いくらだからよい。) 5~8万ウォンでも、割り勘にすると1泊2千円しません。


【4人が1部屋で寝られる大きな部屋。着いたらまず1杯、寝る前にも1杯・・・では終わらないなー。】


 上の写真のような場面は、私ヌルボの場合過去30回くらいになるでしょうか? TヒョンやYハラボジは、旅行回数×泊数×0.9(いや、もっと多いか?)と計算して、合計200回はゆうに超えるのでは?
 つまり、こういう写真を見て、いつどこの宿で撮った写真かはまずわかるはずはないということです。(これは20日のソウル・楽園商街近くの初めて利用したモーテルですが。)

【車内でも寸暇を惜しんで。今回はITX-青春。(左) 昨年9月(右)は龍山→光州松汀のKTX山川です。】

 しかーし。カンヴァスは同じでも描く絵は違います。昨年9月は光州→莞島(ワンド)を経て青山島方面、つまり韓国地図の左下方面に行きましたが、今回は逆にソウルから右上の江原道方面に向かうことにしました。(セウォル号沈没事故のことをチラと考えた。)
 ※カンヴァスは違っても描く絵は同じだろう、という見方もあるかも・・・。
 上の写真左のITX-青春は、龍山~春川間を結ぶ準高速鉄道です。<韓国観光公社>のサイトに非常に詳しい記事があります。(→コチラ。) 涼里~川間だから青春なんだそうです。われわれが乗った区間は清涼里→南春川でした。(南春川駅近くに市外バスターミナルがあるため。)

①=ソウル②=春川③=楊口(ヤング)④=頭陀淵(ドゥタヨン)渓谷・乙支(ウルチ)展望台・第4トンネル⑤=束草(ソクチョ)⑥=高城(コソン)統一展望台⑦=花津浦(ファジンポ)は宿泊した所、は宿泊せず見て回った所です。

 なぜコチラ方面に行くことになったのかというと、「どこでもいいよ~」という諸兄の言葉に甘えて、私ヌルボが計画の大枠を作らせてもらったからです。
 何を隠そう私ヌルボ、これまで江原道には行ったことがありませんでした。これがわりと大きな理由。それに、もしかしたら、ヌルボの知っている、終戦後咸興(ハムフン.現北朝鮮)から父や弟妹とともに苦労して38度線を越えて帰国したというオルシン(お年寄り)を案内して38度線近辺に来ることがあるかもしれないので、その下見も兼ねて・・・。
 ※「38度線」と「軍事分界線」の違いがよくわからないという方は、本ブログの過去記事<38度線と軍事境界線について(1)>をご参照ください。(→コチラ。)

 2つ目の理由は、→コチラの記事で書いたように、先月府中市美術館に行ったこともあって韓国の近代美術に対する興味がわいてきて、以前から気になっていた朴寿根(パクスグン)美術館が束草に行く途中の楊口にあるから行ってみようと思ったこと。
 楊口のようなローカルな町にはTヒョンもきっと行ってないだろう、とも読んで・・・。(ところが後で聞いたらTヒョン、以前春川から昭陽湖遊覧船に乗って楊口に行ったことがあるとのこと。楊口観光はしないでそのまま束草に向かったそうですが、こんな人たちの行ったことのない所を探すのは至難の技です。
 ※この遊覧船や楊口観光については→コチラ参照。

 3番目の理由は国境観光というテーマで。いや「国境」じやなくて「38度線」・・・でもなくて、ややこしいな、うー・・・。
 当初は高城統一展望台方面だけのつもりだったのですが、その後楊口といえば第4トンネルが近いじゃないかということを知り、せっかくだからというわけで急遽予定変更。

 で、かなり大雑把な計画でしたが、キモの部分は予定通り周ってきました。(大雑把な計画はそれなりの利点も多い。)
 そして、今回も予測外のウレシイことなんかもあったりして、ハハハ(←思い出し笑い)、楽しい旅でした。ハハハハハ。
 委細はこれからポツポツ書いていくことにします。

【今回借りたルーター(左)。(右)は電気工事士の資格を取得したS氏手製のテーブルタップです。】

 なお、今回の旅では、初めてルーターを羽田空港で借りて持っていきました。最初ノートパソコンの設定がなかなかうまく行かず焦りましたが、いゃー、便利な物ですねー。もしかして、毎日その日の旅についての記事が書けるかなと行く前には考えてはいましたが、それはとても無理! アルコール抜きの1人旅なら可能かもしれませんが・・・。
 今回は事前にインターネットで予約して借りましたが、返却の時に訊ねると在庫があれば予約なして当日借りられるとか。ただ韓国の場合は韓流スターのイベント等があると女性ファンによる貸出しが増えて在庫がなくなったりするそうです。
 また、上の図右は、何事にもマメで器用なS氏お手製のテーブルタップで、1ヵ所の韓国型コンセントに接続すると、そこから3つの日本型プラグがつなげるスグレモノで、さっそく役に立ちました。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [6月13日(金)~6月15日(日)]

2014-06-18 21:45:00 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 先週書いたように、横浜のシネマ・ジャック&ベティに「チスル」を再度観にいきました。しかし、やっぱり済州島方言はむずかしい! 「アニムニダ」→「アニマシ」、「アボジ」→「アバン」、ここらへんだけでもわかったのは収穫ということに。

 はてさてところで、実は!
 私ヌルボ、一昨日の今頃は羽田空港、昨日の今頃は韓国・江原道の楊口(ヤング)にいて、今朝はWカップ韓国vsロシア戦の最中に楊口にある乙支展望台や第4トンネル等を見て回って、夕方束草にたどりついたというわけです。で、今いる所は束草市外バスターミナル近くのモーテルです。
 で、今回は初めてルーターを借りてその利便性を体感しつつも、やっぱり「まず一杯やろうよ」とと言われると、やはりツキアイ優先(=酒優先)となるわけで、昨日アップする予定だったこの記事は結局1日遅れになってしまいました。

 「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は6月6日久しぶりに掲載。8本分もあるゾ。(ハングル文も訳文も10字です。)


[左]「慶州」だまされても夢覚めず? ★★★☆ 「鑑定士と顔のない依頼人」品位は何?と問われれば。★★★☆ 「皇帝のために」誰のために作ったのか? ★ 「グレートビューティ」題名が映画を代弁する。★★★★
[右] 「ストーン」妙手・奇手なくずしりと。 ★★★ 「ミリオン・ウェイズ」笑わせるけど虚しさが。★★ 「愛は小説のように」実感される原題‘避難所’★★☆


           ★★★ Daumの人気順位(6月16日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①賢い解法(韓国)  9.6(30)
②窓から逃げた100歳老人  9.6(24)
③ゴースト・メッセンジャー(韓国)  9.3(20)
④お父さんのEメール(韓国)  9.3(20)
⑤Refuge(避難所)  9.3(25)
⑥シザーハンズ  9.2(287)
⑦ミスター・ピーボディ&シャーマン  9.0(74)
⑧ハン・ゴンジュ(韓国)  8.9(270)
⑨ストーン(韓国)  8.9(24)
⑩全民目撃  8.8(50)

 今回の新登場は③⑤⑨の3作品です。
 ③位「ゴースト・メッセンジャー」は、めずらしい韓国産のアニメ。→コチラのブログ記事によると2010年からテレビアニメとして放送されていたとのこと。また<夾竹桃日記>というブログにも関連記事記事→(コチラコチラ)があります。今ようやく全編が劇場公開されるに至ったということのようです。今回の劇場版の予告編(→コチラ)を見ると、最初のリンク先の記事にもあるように、日本アニメとよく似ているなーと大抵の日本人は思うのでは?
 ⑤位「Refuge(避難所)」(仮)は2012年のアメリカ映画ですが、日本では今まで公開されないままという作品のようで、<DAUM映画>の紹介記事だけを手がかりにおよそわかったその内容は以下の通り。弟たちと一緒に平凡な日々を過ごしていたエイミー(クリステン・リッター)は、ある日見知らぬ旅行者サム(ブライアン・ジェラティ)に会って好意を感じて、彼と一緒に一晩を過ごすことになる。ひと所に留まることができなかったサムはエイミーを忘れられず、彼女の家に戻ってルームメイトにさせてくれることを提案します。予期もせず定着するようになったサムと、新しいルームメイトができたエイミーは2人の間に生じた特別な感情が本当の愛なのか悩むことになるのですが・・・。韓国題は「사랑은 소설처럼(愛は小説のように)」です。
 ⑨位「ストーン」、石といってもここでは碁石のこと。天才アマ碁士のミンス(チョ・ドンイン)は結局プロになる夢をあきらめて賭け囲碁で稼ぐ日々。ところがある日碁会所にヤクザの親分(キム・レハ) やってきて囲碁に興味を持ち、ミンスが彼の囲碁の先生になって以後親しくなり、それぞれ新しい世界を知ることになり、新しい希望も見えてきたのですが、人生はたやすくハッピーにコトが運ばないのが常で、2人に予想外の危険が迫ってくるのです・・・。あ、この作品、今年7月の<第28回福岡アジア映画祭2014>で上映されますね。日程等詳細は→コチラ

     【専門家による順位】

①グランド・ブダペスト・ホテル  7.8(7)
②ハン・ゴンジュ(韓国)  7.3(6)
③慶州(韓国) 7.2(7)
④X-MEN:フューチャー&パスト  7.1(7)
⑤her/世界でひとつの彼女  7.0(6)
⑥窓から逃げた100歳老人  7.0(5)
⑦グレート・ビューティ  6.8(6)
⑧バックコーラスの歌姫〈ディーバ〉たち  6.8(5)
⑨シャトルコック(韓国)  6.7(4)
⑩賢い解法(韓国)  6.5(4)
⑩最後まで行く(韓国)  6.5(4)
⑩スティルライフ  6.5(4)
⑩コングレス  6.5(4)
⑩鑑定士と顔のない依頼人  6.5(4)

 今回の新登場は③「慶州」、⑦「グレート・ビューティ」、⑩「鑑定士と顔のない依頼人」の3作品です。
 ③「慶州」は、原題「경주」だけ見たら同音異義語の「競走」かな?と誤解する人もいるかも・・・。確認したら、たしかに物語の舞台は慶州。主演がパク・ヘイルとシン・ミナということで、ちょっと期待感あり。そのパク・ヘイルが演じるのは北京大のチェ・ヒョン教授。先輩の葬式のため久しぶりに韓国を訪れて思い出したのは、7年前亡くなった先輩と一緒に見た春画のこと。で、その場所の慶州に衝動的に向かいます。春画があった茶店を訪ねると、そこの店主がユンヒ(シン・ミナ)。彼女にいきなり春画を見てないかどうか尋ねると、ヒョンは変態と誤解され、店を出ます。その後いろいろあって、ヒョンが再び茶店に行ったりしているうちに、ユンヒも彼に好奇心を感じるようになり・・・。関係ないですが、春画は韓国語でもそのまま<춘화>でいいんですね。
 ⑦「グレート・ビューティー/追憶のローマ」は、昨年のカンヌ国際映画祭ではパルムドールを争い、アカデミー賞では外国語映画賞を獲得したイタリア・フランス合作の作品。派手な生活を送りながらも虚無感をぬぐえない初老の作家が、忘れられない女性の死をきっかけに、ローマの街をさまよいながら人生における美を問い直す・・・。韓国題は「그레이트 뷰티」。日本公開は8月で、公式サイトもできています。(→コチラ。)
 ⑩「鑑定士と顔のない依頼人」は、日本では昨年公開。韓国ではなんでこんなに遅かったのかな?これはヌルボも観ました。なかなかおもしろかったです。韓国題は英語題と同じ「베스트 오퍼(ベスト・オファー)」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[6月13日(金)~6月15日(日)] ★★★

         「オール・ユー・ニード・イズ・キル」が2週連続でトップ。

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・オール・ユー・ニード・イズ・キル・・6/04・・・・・・・・・・・679,751・・・・・・・3,045,541 ・・・・・・・25,507・・・・・・・・706
2(2)・・最後まで行く(韓国)・・・・・・・・・・・5/29・・・・・・・・・・・・366,916・・・・・・・2,122,259 ・・・・・・・16,672・・・・・・・・495
3(29)・・皇帝のために(韓国) ・・・・・・・・6/11 ・・・・・・・・・・・・223,133 ・・・・・・・・317,110 ・・・・・・・・2,584・・・・・・・・423
4(3)・・X-MEN:フューチャー&パスト・・5/22・・・・・・・・・・・・134,743 ・・・・・・・4,175,853・・・・・・・33,574・・・・・・・・379
5(4)・・マレフィセント ・・・・・・・・・・・・・・・・5/29・・・・・・・・・・・・126,280・・・・・・・1,285,913 ・・・・・・・・9,931・・・・・・・・367
6(5)・・泣く男(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・6/04・・・・・・・・・・・・・35,542・・・・・・・・・579,068 ・・・・・・・・4,739・・・・・・・・248
7(6)・・ハイヒール(韓国)・・・・・・・・・・・・・6/04・・・・・・・・・・・・・32,948・・・・・・・・・312,275 ・・・・・・・・2,514・・・・・・・・173
8(39)・・慶州(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・6/12・・・・・・・・・・・・・25,936 ・・・・・・・・・・38,318・・・・・・・・・・293・・・・・・・・318
9(9)・・her/世界でひとつの彼女 ・・・・5/22・・・・・・・・・・・・・17,067・・・・・・・・・244,987 ・・・・・・・・2,029・・・・・・・・・69
10(新)・・鑑定士と顔のない依頼人 ・・・6/12・・・・・・・・・・・・・15,554・・・・・・・・・・23,169・・・・・・・・・・180・・・・・・・・173
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 1位「オール・ユー・ニード・イズ・キル」は前回の約127万人から半分近く減ったにも関わらずトップ維持。2位以下も同様。つまり先週は連休で客足が伸びたというだけのことだったというただそれだけのことだったのか。
 今回の新登場は3・8・10位の3作品です。
 3位「皇帝のために」は、最初タイトルを見た時「あの李文烈の読み応えのある小説が映画化されたのか!?」と思いましたが、調べてみたらさにあらず。あーあ。
嘱望される野球選手だったが、八百長に関与したためすべてを失ったイファン(イ•ミンギ)。
逃げ場のない人生の底辺で彼はサラ金や賭博場を仕切る釜山で最大規模の組織「皇帝キャピタル」の代表サンハ(パク•ソンウン)に出会います。イファンの潜在的な力を本能的に見ぬいたサンハは他の組織員たちの憂慮と反対にもかかわらず、イファンを自分の世界に引き入れ、イファンもまた生来の勝負根性で領域を広げていきますが、そのうちに隠れていた野心が頭をもたげてくる・・・。いろんな記事によるとイ・テイムとのベッドシーンは「歴代最高程度」とイ・ミンギが告白した、とのことなんですけどねー・・・。原題は「황제를 위하여」です。
 8位「慶州」については上述しました。
 10位「鑑定士と顔のない依頼人」も上述の通りです。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・her/世界でひとつの彼女 ・・・・・・・・・5/22・・・・・・・・・・・・・17,069・・・・・・・・・・・・・249,002・・・・・・・2,029・・・・・・・・・69
2(2)・・リスボンに誘われて ・・・・・・・・・・・・・・・6/05・・・・・・・・・・・・・・6,642・・・・・・・・・・・・・・32,258 ・・・・・・・・252・・・・・・・・・36
3(新)・・ストーン(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/12・・・・・・・・・・・・・・5,399 ・・・・・・・・・・・・・・・9,469 ・・・・・・・・・69・・・・・・・・141
4(17)・・Refuge(避難所) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/12・・・・・・・・・・・・・・1,751 ・・・・・・・・・・・・・・・5,106 ・・・・・・・・・40・・・・・・・・・33
5(新)・・悲しみは空の彼方に ・・・・・・・・1999/5/08 ・・・・・・・・・・・・・1,492 ・・・・・・・・・・・・・・・5,773・・・・・・・・・・11・・・・・・・・・・1

 3~5位の3作品が新登場です。
 3位「ストーン」と4位「Refuge(避難所)」については上述しました。
 5位「悲しみは空の彼方に」は1959年公開のアメリカ映画の再上映です。主演ラナ・ターナー、名前は憶えていますが、考えてみれば彼女の映画は全然観てないなー・・・。原題は「Imitation of Life」なのに、韓国題は「슬픔은 그대 가슴에」と日本題そのまま。もしかして、無断(?)借用?
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駅の掲示板のハングル表示の問題

2014-06-16 05:17:09 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 7日(土)夜、ハングルサークルの勉強を終えた帰途の京浜急行横浜駅。ホームの行先掲示板に目が留まりました。


【こんなに遅い時間まで勉強をしていた・・・のではなく、2次会で盛り上がっていたといういつものパターン。】

 以前からハングルの表示が増えてきたなとは感じていたので、そのこと自体ではなくて、私ヌルボが気になったのは上大岡の表記についてです。
 「가미오오카」と、「오(お)」が2つしかないではないですか。
 日本人にとってはいうまでもないことですが、「大岡」の部分のかな表記は「おおおか」で、元横浜ベイスターズ(現アメリカ独立リーグ)の大家(おおか)投手や、岡(おか)とは表記も発音も違います。もっとも、実際の発音は「おー・おか」、あるいは「おーか」の「ー」を長めに発音していて、「お・お・おか」と区切っているわけではないので、このハングル表記でもいいのかなーとも思いますが・・・。

 韓国語学習者の皆さんは承知していることですが、韓国人はこの母音の長短の区別が苦手で、たとえば「おばさん」と「おばあさん」、「井田さん」と「飯田さん」等の違いを聞き分けるのがむずかしいといわれます。
 したがって、ハングルできまった長音表記法がないのも当然で、それで日本語の長音をどのように表記するかはむずかしいところです。

 「東京」の場合、ハングルでは도쿄と書くのがふつうですが、これをそのまま発音すると「トーキョー」ではなく「トキョ」になってしまいます。「도-쿄-」とか「도ː쿄ː」にしてくれと言っても、そんな表記は韓国の立場では不必要だし・・・。日本人にしてみれば「なんだかなー」ですが、しかたないですね。

 ところで、この京急のハングル表示で別に1つ気になったのは長い駅名の場合どうしているのかなということ。上の場合は金沢文庫も6文字に収まっていますが・・・。
 そこで「京浜急行 ハングル」で画像検索してみたら、また別の問題があることを知ってビックリ。

 どういうことかというと、「京急の駅はハングルに侵食されている」(!)という非難が一昨年あたりからけっこう出ているんですね。
 大半はいつもの(?)2ちゃんねる系というか嫌韓系というか・・・。

 その中でとくに問題とされているのが京急品川駅の表示。


 先の横浜駅の表示と違って漢字の表示がありません

 ある非難記事によると「急いでいる時に、こんなわけのわからない文字が30秒も変わらないで表示されていた」とのこと。(つい先月の記事です。)
 ※その書き方が、どうも以前→コチラで書いた四国の遍路道のハングルによる案内シール非難と共通するニュアンスが漂っているようです。

 そこでヌルボ、昨日(15日)たまたま京急で川崎まで行ったついでに品川駅まで足を伸ばして確認してきました。
 あ、京急川崎駅の表示はハングルはありませんでした。駅によってまちまちなんですね。
 そして品川駅で自分で撮った写真がこれ。


 なるほど、漢字表記はこの画面の時にはありません。たしかに、この表示が30秒も続くとすると日本人は当然困りますね。しかし、ヌルボが確認したところでは5秒続くかどうか程度の短い間でした。(同駅のいくつかの掲示板で確認しました。)
 通常の日本語表示と英語表示は約10秒です。
 むしろ、一番上の快速「나리타 공항」(成田空港)の後の(  )内に小さく書かれている「나리타 스카이 액세스 선 경유」(成田スカイアクセス線経由)という字がこの短い時間内では読めないだろうと思いました。(日本語を読み取るのもむずかしいかも。)

 ちなみに中国語(簡体字)も韓国語同様約5秒表示されています。


 コチラは日本語と見た目あまり変わらないからクレームはつかないでしょう。

 ちょっと調べてみると、駅などでの外国語サービスのあり方について「『おもてなし』の観点から英語以外の外国語でも情報提供を行うことがさらに望ましい」という主旨のガイドラインを国交省が示したのが2006年。
 その後鉄道各社が対応を進める中で、JR東海は「国際的共通語の英語をできるだけ大きな字で記すのが基本」と主張して、中国語や韓国語の表示はしていないとのこと。2009年の業務監査でも「来訪外国人の約7割がアジア圏からで、外国人を意識した表記について検討が必要」と指摘されても、「日本語や英語の表記がキュークツになる」等とし、看板に絵文字を併記する等の策で対応しつづけているそうで、嫌韓・嫌中の人たちから支持を得ているようです。

 <ガジェット通信>の関連記事(→コチラ)によると、外国人入国者中韓国は27%で、中国語圏(中国・香港・台湾)は計38%英語圏は計18%
 したがって「これだけで全入国者の83%を占める。つまり案内板を韓国語、中国語、英語で表記すれば、ほとんどの外国人観光客に対応できることになる。合理的な判断である。」とその記事は結論づけています。
 私ヌルボもそう考えるのが妥当だと思います。

 「わけがわからないハングルを目にすると頭がクラクラする」「気持ちが悪くなる」と書いている皆さんは、アラビア文字とかビルマ文字とか、その他世界のいろんな文字を見て目とアタマを慣らすといいでしょう。
コメント (21)
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本ブログ、思いがけないアクセス激増の理由は・・・ 人気作家・李外秀のツイート炎上(?)の余波

2014-06-12 23:54:23 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 いやー、ビックリしましたよ。何かというと、一昨日の本ブログの訪問者数!


 今年に入ってから、このブログの日々の訪問者数は大体600~800、順位はgooブログ約200万中、600~800位といったところでした。
 それさえも私ヌルボとしては過分の数字。仄聞するところではロボットによる自動検索が多いとのことですが、これだけ多くのアクセスがあるのはうれしいことです。

 しかし、今回のこの4692という訪問者数と32位という順位は、見た瞬間、うれしいというよりも、逆に「何かまずいことを書いてしまったのでは!?」という不安&不審の念の方がまずわき起こりました。

 一体、どの記事にアクセスが集中しているのかを見ると、意外なことに2012年10月の<[韓国語の新語]人気作家・李外秀氏(66歳)は「ワシ打法(トクスリ タボプ)」の「トゥッ統領(トンニョン)」>という注目度が全然高くなさそうな記事(→コチラ)になんと4,638ものアクセスがあったのです。

 その原因を探ってみたところ、モトは次のYAHOO!の記事。

 <韓国小説家、ツイッター大炎上で謝罪 サッカー大敗を旅客船沈没事故にたとえる>という見出しの記事で、当の小説家・李外秀(イ・ウェス)氏のことを書いているのですが、日本では知名度の低い(0に近い?)彼についての情報が乏しいとみえて、<韓国の人気作家>の説明として当ブログ記事のリンクを下に張ったということのようです。

 そのYAHOO!の記事のモトはサンケイスポーツの記事。(→コチラ。)

 これを読んで、私ヌルボもコンゲラン(ネット上で扇動する人たちを皮肉った言葉)」という言葉を初めて知りました。ハングルだと「곤계란」です。
 この語は本来は「곯은 계란(腐った卵)」で、東南アジア諸国や中国等で食べられている孵化直前のアヒルの卵をゆでた珍味(!)のことだそうです。
 つまり、孵化しない卵のことですが、韓国のネット社会で使われている「コンゲラン」とは、ツイッターのプロフィール写真のないアカウントのこと。なるほど、写真やイラストの代わりに卵の画像が使われていますね。ふつう「알계」という言葉がよく用いられるそうですが、この「곤계란」には、自分の素性を隠して誹謗中傷のツイートをするために取得したアカウントや、そのツイートを非難した言葉のようです。

 さて、このサンスポの記事ですが、さらにモトをたどると「東亜日報」の<이외수, 축구 가나전 세월호에 빗대 구설…해당 트윗 삭제(李外秀、サッカー・ガーナ戦をセウォル号に例えて非難)>という記事(→コチラ)あたりかな、と思われます。
 続いて「中央日報」にもほぼ同じような記事が・・・。(→コチラ。)

 ・・・と、ここで私ヌルボが考えたのは、このネタ、なんかうさんくさいところがありそう、ということ。
 「東亜日報」も「中央日報」も「朝鮮日報」と並ぶ代表的な保守紙だし、(あ、「サンケイ」もそうか) 、一方李外秀氏は基本的に進歩陣営の立場の人なので、「東亜日報」等がこんな記事を載せるのもなんか揚げ足取りのような・・・。

 とりあえず、問題の李外秀氏のツイッターを直接見てみました。→コチラです。
 以前の記事の時点(2012年10月7日)ではフォロワー(팔로워.パルロウォ)数は1,478,196人でしたが、今は1,735,683人にまで増えています。(すごいもんです。)
 しかし、「ツイッター大炎上」というからには閉鎖にまで追い込まれたとか大変なことになっているのかと思ったらそんなでもありません。


 「セウォル号ははとにかく私たちの肺腑を刺す禁忌語でした。」「反省します。」「束手無策で沈没したという意味で使ったのですが、比喩が適切ではないとの意見が多く、原文を消しました。」
 ・・・と李外秀氏、しきりに謝っています。
 ところが、これに対しても次のような非難が続きます。


 批判した人たちに対し彼が「難読症患者」と書いたことも謝れ、とか、「とにかく」とは何だ?とか、「セウォル号」が禁忌語ではなくて・・・とか、反省するよりもまず謝れ、とか等々・・・。

 しかし、私ヌルボが見るに、炎上というレベルには至ってないと思います。これらのリツイートも、彼の他のツイートに対するリツイート数と比べて特に多いということでもありません。なんだかなー、です。
 ※個人的には、李外秀氏がはからずも「禁忌語」と書いてしまった気持ちはわかります。そんな雰囲気は韓国社会にあるようではないですか。

 さて、同日(6月10日)の彼の他のツイートを見ると、目にとまったのが次のようなもの。


 「今日は6.10民主抗争27周年だ。」というツイートのリツイ。
 彼は「27年前どんなことがあったか、われわれに残された課題は何か、共に考えて見るといいだろう。」と記しつつ、人気ブロガー<アイアムピーター>の記事にリンクを張っています。
 それは→コチラ

 韓国の80年代民主化闘争の山場というべき1987年6月、とくに6月10日は大きな意味を持った日で、これについては→コチラの過去記事でも少しふれました。また<韓国戦後史年表>という実に詳細な年表(→コチラ)の1987年6月の記述を読むだけでもいろんなことがわかります。

 こうしたことについてのツイートは、やはり李外秀氏らしいものですね。

 「東亜日報」等(「サンスポ」も含む)も、こんなこせこせした記事よりももっと書くべきことがあるだろうと言いたいです。

 しかし、自分のちょっとした(?)「表現」が大きな反響を呼んでしまい、その余波が日本のヌルボにまで及ぶとは、有名人もタイヘンですね。

 ヌルボとしては、アクセス数を増やすのがブログの目的ではなく、自分で調べたり考えたりしたことを自身納得できるように、忘れっぽい自分のための備忘録のようなつもりで記事にしているので、アクセス数はたんなる結果です。(あ「日韓ともヘイトスピーチはやめよう!」とか「北朝鮮の強制収容所をなくそう!」等については大勢の人にアピールしたいですが・・・。) それよりもむしろうれしいのは、たとえば昨日の愚銀さんのコメントのように、多くの人からは関心を向けられないような記事に対して反応があることです。
 ・・・ということで、愛読して下さっている皆さんありがとうございます。今後もヨロシク・・・。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [6月6日(金)~6月8日(日)]

2014-06-10 23:09:25 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 横浜シネマ・ジャック&ベティで6月7日「北朝鮮強制収容所に生まれて」は、先週記したように脱北者の方や北朝鮮難民救援基金副理事長佐伯浩明さんのトークがありました。朝早い上映なのに100人を超える盛況。脱北者の方は意外でしたが若い女性。こういう集会ではやはりマスクをかけています。「そうしなければならない危険性」があるということです。
 シネマ・ジャック&ベティでは6月20日まで「チスル」も上映。明日あたり行ってくるかな。

 「グランド・ブダペスト・ホテル」は期待通り! 映画の快楽だなー。<映画生活>のレビューでは「期待外れ」という人もいますが・・・。細かなところにユーモアが散りばめられているし、絵本のような色使いはなんとなく中島哲也監督を思い浮かべました。(6月27日公開の4年ぶりの新作「渇き」はどうなんだろうな?)
 懸案だった「アクト・オブ・キリング」もシネマ・ジャック&ベティでの最終日にやっと鑑賞。自分でも思いがけない感想は、彼らのようなごろつき人殺し集団もそれが権力により「正義」として保証が受けられれば正規軍の兵士とさして変わらない存在に思えてくるということ。つまり国家権力の保証がなければ軍隊は殺人集団となんら変わらないのです。1つ前の記事で韓国の顕忠日のことを書きましたが、比較してみるのも意味があるのでは・・・。

 「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は6月6日久しぶりに掲載。8本分もあるゾ。(ハングル文も訳文も10字です。)

  
  [左] 「オール・ユー・ニード・イズ・キル」死中にこそ生が!賢い男。★★★☆ 「ハイヒール」包丁捨てれば星あげる。★★☆ 「コングレス」私の想像の主人は私だ。 ★★★☆ 「リスボンに誘われて」人生を変える魔法の力。★★★
  [右] 「泣く男」入場料が惜しくて泣く? ★★ 「Vara:祝福」神は最も低き所に臨む。★★★ 「レディアクション! 暴力映画」生きはいいがまだ未熟 ★★☆ 「シベリアン・エデュケーション」マルコビッチを観よう! ★★★
 ※「Vara:祝福」はブータン映画で、昨年の釜山映画祭の開幕作。「レディアクション! 暴力映画」は3作品によるオムニバスの韓国アクション。犯罪者のコミュニティーで育った少年の青春時代を描いたイタリア映画「シベリアン・エデュケーション」については→コチラ参照。

           ★★★ Daumの人気順位(6月10日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①窓から逃げた100歳老人  9.6(22)
②賢い解法(韓国)  9.6(27)
③お父さんのEメール(韓国)  9.3(20)
④10分(韓国)  9.2(89)
⑤シザーハンズ  9.2(287)
⑥ミスター・ピーボディ&シャーマン  9.0(74)
⑦ハン・ゴンジュ(韓国)  8.9(269)
⑧全民目撃  8.9(43)
⑨最後まで行く(韓国)  8.7(708)
⑩デタッチメント  8.6(80)

 新登場は①「窓から逃げた100歳老人」だけです。昨年来ヨーロッパ各国でベストセラーになっているスウェーデンの作家ヨナス・ヨナソンの同名デビュー作が原作です。日本語訳も今月末刊行予定とか。タイトルの通り100歳の老人が老人ホームから脱け出して・・・、というと、昨今よく報じられている認知症のおじいさんの徘徊問題かと思ってしまいます。しかし、この物語の主人公アランさんの場合は徘徊とはいっても全世界レベル。強盗から盗んだ金を持って逃げまくり、武装ギャングと戦ったり(!)しながらインドネシアに行っちゃったり・・・。こうした100歳老人の冒険とともに、10代の頃から爆弾作りの名人だった彼の現代史と深く関わってきた人生も描かれます。それも1930年代以降の約半世紀、直接彼が親交を結んだ(?)主な人物は、歴代の米国大統領、フランコ、スターリン、ヒトラー、金日成、毛沢東、ドゴール等々。またオッペンハイマーへの彼の助言がマンハッタン計画を成功に導いた(!)、ということは、つまり日本にも関わってくるというわけです。いやはや、キテレツなホラ話のようで、これはおもしろそう。韓国題は「창문넘어 도망친 100세 노인」。日本公開は11月だそうです。

     【専門家による順位】

①グランド・ブダペスト・ホテル  7.8(7)
②ハン・ゴンジュ(韓国)  7.3(6)
③X-MEN:フューチャー&パスト  7.1(7)
④her/世界でひとつの彼女  7.0(6)
⑤ブランカニエベス  7.0(3)
⑥バックコーラスの歌姫〈ディーバ〉たち  6.8(5)
⑦シャトルコック(韓国)  6.7(4)
⑧10分(韓国)  6.6(3)
⑨賢い解法(韓国)  6.5(4)
⑨最後まで行く(韓国)  6.5(4)
⑨スティルライフ  6.5(4)
⑨コングレス  6.5(4)

 今回の新登場は⑨「スティルライフ」と⑨「コングレス」の2作品です。
 ⑨「スティルライフ」は、昨年の第70回ヴェネチア映画祭オリゾンティ部門で最優秀監督賞(ウンベルト・パゾリーニ)を受賞、またレイキャビク国際映画祭では最優秀作品賞に輝いたイギリス・イタリア合作の作品です。ロンドン市内のギリシャ正教の埋葬所で働くジョンの仕事は、孤独のうちに亡くなった人の近親者や友人を探し、最良のお別れを設定すること。しかし、その仕事が廃止されることになります。ジョンの最後の仕事となったクライアントはアル中男のビリー。ジョンは彼の友人を探してイギリス中を周るのですが、その間ジョン自身も自らの人生を取り戻していきます・・・。韓国題は「스틸 라이프」。日本公開は年内、ってホント?
 ⑨「コングレス」は、イスラエル・ドイツ・ポーランド・フランス・ベルギー・ルクセンブルグ6ヵ国によるアニメ+実写作品。監督はあの「戦場でワルツを」のアリ・フォルマン監督。原作は「ソラリスの陽のもとに」等で知られるSF作家スタニスワフ・レムの「泰平ヨンの未来学会議」です。物語の始まりは、ハリウッド女優ロビン・ライト(本人役で出演)が大手製作スタジオから彼女の肉体情報をスキャンしてデジタル化し、20年間自由に使えるようにするというオファーと受けるというもの。彼女はそれを承諾し、巨額の報酬を受け取ります。そしてスタジオは自由に彼女を完璧に再現し、自由に映画を作っていきます。つまり、スタジオはこの技術で実際の役者なしで自由に映画を作れるようになったのです。そして20年後の世界。契約が切れたロビン・ライトが訪れた架空の街で次世代の映画についての会議(コングレス)が開かれます。そこで提案されたさらに新しい映画作りとは・・・。昔スキャンされた彼女の姿はこれからもスクリーン上で再生産され続けるようですが、そこにいる年老いたロビン・ライトに気付く人はいません。ちょっと不可思議な感じの予告編は→コチラ。・・・この作品、今年3月の<東京アニメワールドフェスティバル2014>で上映されていたのですね。一般公開は未定かな? 今月末の<フランス映画祭2014>で上映されるかとも思いましたが、ありませんでした。韓国題は「더 콩그레스」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[6月6日(金)~6月8日(日)] ★★★

         桜坂洋原作、トム・クルーズ主演の「オール・ユー・ニード・イズ・キル」が初登場でトップ。

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・オール・ユー・ニード・イズ・キル・・6/04・・・・・・・・・・1,267,235 ・・・・・・1,971,843 ・・・・・・・16,610・・・・・・・・801
2(2)・・最後まで行く(韓国)・・・・・・・・・・・5/29・・・・・・・・・・・・495,224・・・・・・・1,540,635 ・・・・・・・12,096・・・・・・・・542
3(1)・・X-MEN:フューチャー&パスト・・5/22・・・・・・・・・・・・436,315 ・・・・・・・3,956,975・・・・・・・31,864・・・・・・・・535
4(3)・・マレフィセント ・・・・・・・・・・・・・・・・5/29・・・・・・・・・・・・342,171・・・・・・・1,093,687 ・・・・・・・・8,469・・・・・・・・524
5(12)・・泣く男(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・6/04・・・・・・・・・・・・236,148・・・・・・・・・472,627 ・・・・・・・・3,899・・・・・・・・480
6(28)・・ハイヒール(韓国)・・・・・・・・・・・・6/04・・・・・・・・・・・・129,026・・・・・・・・・227,567 ・・・・・・・・1,863・・・・・・・・372
7(6)・・ルパン三世 VS 名探偵コナン・・5/29・・・・・・・・・・・・・74,368・・・・・・・・・207,860 ・・・・・・・・1,467・・・・・・・・259
            THE MOVIE(日本)
8(4)・・オキュラス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/29・・・・・・・・・・・・・41,249・・・・・・・・・257,034 ・・・・・・・・1,954・・・・・・・・150
9(7)・・her/世界でひとつの彼女 ・・・・5/22・・・・・・・・・・・・・31,897・・・・・・・・・216,201 ・・・・・・・・1,761・・・・・・・・・72
10(新)・・ブラッキーとカヌート ・・・・・・・・6/04・・・・・・・・・・・・・14,406 ・・・・・・・・・・24,412・・・・・・・・・・176・・・・・・・・111
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・5・6・10位の4作品です。
 1位「オール・ユー・ニード・イズ・キル」はトム・クルーズ主演のアクション。映画の原題は「Edge of Tomorrow」で韓国題も同じく「엣지 오브 투모로우」なのに、この日本題は何故?と思ったら、桜坂洋の同名SF小説がモトなんだそうで・・・。知らんかったワ。敵と戦う任務を課せられた主人公が、戦闘中、不可思議なタイムループの世界に囚われていく、というお話。日本公開は7月4日です。
 5位「泣く男」は「チャン・ドンゴンが9年ぶりのアクションに挑戦した話題作」というふれ込みなんですけどね。ターゲットを狙ったものの失敗をしてしまったコン(ジャン・ドンゴン)に、組織は再び命令を下す。コンは最後のターゲットを探しに韓国に向かう。一方、夫と娘との幸せな人生を一夜で失った上、痴呆になった母の世話をしながら暮らすファンドマネージャーの女モギョン(キム・ミニ)は、酒と薬に浸りつつ働いている。そんな彼女に、ある日娘の死に隠された真実を教えてやるという男が近づいてくる・・・。失うもののない男と、あとがない女性は、それぞれの崖っぷちで出会った・・・。原題は「우는 남자」です。
 6位「ハイヒール」も韓国のアクション。タイトルがハイヒールだから「10人の泥棒たち」のチョン・ジヒョンのようなおねーさんが登場するかと思ったらさにあらずなんですね。主人公の刑事ジウク(チャ・スンウォン)は警察はもちろん、巨大犯罪組織のなかでもその名が知られるほどの凄腕なのですが、なんと彼の心の中に女性になりたいという願望があって、その本当に望む姿で生きていこうとするのですが・・・。チャ・スンウォン、てなわけで女装して強力なアクション演技をするのか~。ふーむ・・・。原題は「하이힐」です。
 10位「ブラッキーとカヌート」(仮)はスペイン・イタリア・フランスの合作3Dアニメ。主人公ブラッキーは好奇心の強い黒羊。お洒落オオカミ、おとぼけクモ、ブルドッグ先生、カウボーイ子馬、まだら雌牛等々の友人たちと平和な動物農場で暮らしていますが、ちょっと危ない目標ができてしまいます。それは月世界旅行! しかしロケット探しの旅でブラッキーの前に立ちはだかった怪物ピンキー、って一体何だ? 韓国題は「마이 블랭키」。日本公開はなさそうだなー。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・her/世界でひとつの彼女 ・・・・・・・・・5/22・・・・・・・・・・・・・31,897・・・・・・・・・・・・・216,201・・・・・・・1,761・・・・・・・・・72
2(4)・・リスボンに誘われて ・・・・・・・・・・・・・・・6/05・・・・・・・・・・・・・11,090・・・・・・・・・・・・・・17,870 ・・・・・・・・142・・・・・・・・・48
3(5)・・冬の前に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/29・・・・・・・・・・・・・・1,645 ・・・・・・・・・・・・・・・7,147 ・・・・・・・・・54・・・・・・・・・20
4(新)・・スティルライフ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/05・・・・・・・・・・・・・・1,509・・・・・・・・・・・・・・・・2,231・・・・・・・・・・16・・・・・・・・・17
5(新)・・慕情・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1972-12-09 ・・・・・・・・・・・・・・・746 ・・・・・・・・・・・・・・10,788・・・・・・・・・・21・・・・・・・・・・1

 4・5位の2作品が新登場です。
 4位「スティルライフ」については上述しました。
 5位「慕情」はいうまでもなく旧作の再上映です。
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[6月6日顕忠日あれこれ ①] KBSの式典実況中継、ヨ・ジング等が朴槿恵大統領からもらったバッジ等々

2014-06-09 23:53:47 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 韓国では、先週6月6日(金)は顕忠日で休み。前々日の4日(水)は統一地方選挙投票日で公休日に。(日本の日曜日投票とどちらがいいのか?)
 そこで5日(木)も休みを取って5連休にした人がとても多かったようで、5日(木)の「朝鮮日報」には人のまばらな都心部(世宗路)と、外国旅行に出かける人で混みあう仁川空港の写真を並べて載せていました。

 さて、この顕忠日(현충일.ヒョンチュンイル)ですが、<殉国先烈(순국선열)>と<護国英霊(호국영령>の慰霊とその精神を継承するという日で、1956年に制定されました。

 なぜ6月6日なのかというと、元々二十四節気の9番目に当たる芒種(ぼうしゅ)の日にはお墓参り等をしてきたが、たまたまこの顕忠日制定当時は芒種の日が6月6日だったから、と→コチラの記事にありました。

 今年も国立顕忠院で午前9時55分から朴槿恵大統領等が参席して<第59回顕忠日追念式(현충일 추념식)>が催されました。

 今回の顕忠日関係のニュースの中で、日韓のメディアが伝えたのはまず朴槿恵大統領の追悼の辞の内容でしょう。
 それは後回しにして、日本のネット社会で関心をよんだのは、5月11日の「中央日報(日本語版)」の記事。(→コチラ。)
 見出しは国立顕忠院に植えられた日本原産の木、すべて植え替えへです。
 「顕忠院に植えられている日本原産の樹木は顕忠院の趣旨と合わない」との市民団体の請願を受けて、国会は5月2日の本会議で出席214人中賛成186人、反対3人、棄権25人で植え替えられることになった、というものです。樹齢40~50年のカイヅカイブキ等々全体13万2000株の約14%にもなるそうです。
 また、→コチラの<サーチナ>のニュースでは、韓国軍が今回の顕忠日から中国製太極旗の使用を取りやめ、すべて韓国製のものに取り換えると発表したとのことです。コストが中国製品の9倍かかることから多くの韓国ネットユーザーから「そんな必要があるのか」との疑問の声も出ている、とネタ元の中国メディア・財経網は報じているそうです。
 先の日本原産の樹木の植え替えにも相当な費用がかかるはずです。しかしなぜ?
 多くの日本の皆さん(私ヌルボももちろんそうですが)は、この「中央日報」の記事にまたまたカチンとくるかもしれません。
 読者の感想は、「面白い(476件)」が「腹立つ(422件)」を上回っていますが・・・。「面白い」というのは、ここまでくると呆れてしまう、ということでしょうか?
 私ヌルボの感想&見解は、議員たちや記者、そして国民の多くは木の植え替えや韓国製の国旗への変更に純粋に賛成しているとは言えないのではないかということです。つまり、「正論」だから逆らえないのでは、ということ。先のセウォル号沈没事故で犠牲者の家族の声に非を唱えられなかったことにも通じるような・・・。
 で、このようなことをもって韓国社会にそんなピュアな愛国主義が強まっているとは言えないということ。
 ヌルボが懸念するのは、むしろ、セウォル号の件(ラーメン長官や鄭夢準の息子等々)にしろ独島問題等にしろ、「正論」に対して「異論」が言えない雰囲気が濃くなること。政治家も、メディアも、一国民も・・・。

 さて、今回の<第59回顕忠日追念式>もKBS(1TV)で中継されました。私ヌルボは、後からKBSのサイトで視聴しました。

     

 その中で、日本のメディアでほとんど伝えられなかった場面を1つ紹介します。

     

 人気若手俳優のヨ・ジング君(16歳!)です。
 彼が朴槿恵大統領手ずから胸につけてもらったのは「ナラサラン クンナム・バッジ」(下)

     
 ヨ・ジングの他に、祖父が国家有功者という歌手のキム・ヒョニルや、「女子重量挙げの女王」張美蘭(チャン・ミラン)選手等もこのバッジを授与されました。
 ※張美蘭は五輪に3回出場し、金・銀メダル各1個を獲得、世界選手権では4連覇。

 この「ナラサラン クンナム(나라사랑 큰 나무)」とは「国への愛 大きな木」という意味で、2005年に国家報勲処が国のために犠牲となったり国に貢献した人への感謝と礼遇の心の象徴として作ったものです。
バッジの他、いろんなところで用いられているようです。(が、必ずしも十分に知られているとは思えませんが・・・。)
 この図案の上部は太極旗、中央の青い鳥と緑の新芽は自由と未来への希望を表しているとのことです。そういえば、東学農民軍の指導者全奉準を敬愛して歌われたといわれる「セヤセヤ、パランセヤ(鳥よ鳥よ、青い鳥よ)」を思い出されますね。

         

 上左は2013年の高陽(コヤン)世界花博覧会で造られたナラサラン クンナム塔。バッジの260倍の大きさ(5m)なのだそうです。
 右は2013年6月12日の蚕室(チャムシル)球場。プロ野球の斗山ベアーズとSKワイバーンズの試合中の観客席で、やはり国家報勲処の肝いりで行われたイベントです。
 このように愛国心の宣布に力を入れているのは、この数十年の間に「愛国心が薄れてきた」という状況があるから、というのはヌルボ個人の見解というよりもむしろ一般的な見方ですね。
 ナラサラン クンナム・バッジも、別に人気俳優や有名スポーツ選手でなくても→コチラのサイトで会員になると500ウォンで入手できるようで、今回大統領から直接授与された人たちは国民の代表として、という意味あいだったようです。

 さて、KBSの実況中継放送の中では過去の日本の統治下の時代~朝鮮戦争等の画像もいろいろ盛り込まれていました。
 その中で、少し驚いたのが次の画面です。

     

 「日帝強占の犠牲者」が138万余名、「6.25戦争(朝鮮戦争)期間の国軍戦死者」が137,899名、「同 行方不明捕虜」が32,833名、「国連軍戦死者」が40,676名、「同 行方不明捕虜」が9,931名。 はてさて、この138万余名という膨大な「日帝強占の犠牲者」とはどういった人たちをさすのか、よくわかりません。義兵闘争、三一独立運動、関東大震災の時に虐殺された者・・・炭鉱等での労働者等を加えても、とてもこの数字には届きそうもありません。今後の宿題にしておきます。

 なお、式典の最初の方でヌルボにはおなじみのこの人が出てきました。

     

 ベテラン俳優のチェ・ブラムさんです。彼は「祖国のために」と題した追慕の献辞を読み上げていました。
 彼は前日のKBSの人気番組「韓国人の食卓」では慶尚南道の咸陽郡方面に行ってウルシの新芽を食べたりしてましたが・・・。そればかりか、6日夜の顕忠日特集ドキュメンタリーでも語り手を担当していました。
 そのドキュメンタリーもなかなか興味深い内容だったのですが、それについてはまた今度にします。

 最後に、冒頭で少しふれた朴槿恵大統領の追悼の辞がまるごとYouTubeにあったので貼っておきます。わりと聴き取りやすい上、テロップ付きなので韓国語学習者には好都合です。

  

 一応要点は次の通りです。
 ・6.25戦争に出征しながらも国家功労者としての待遇を受けられなかった元将兵に対し、すでに亡くなった方々の位牌を国立墓地に移し、心を込めて礼遇していく。山野に埋まったままの無名の護国勇士を、最後の1人まで家族のもとに送れるように、遺体発掘事業にさらに努力する。
 ・今年、韓国政府の要請で中国のハルビン駅に安重根義士記念館が開館し、西安に光復軍第2支隊石碑が設置された。今後も烈士の愛国精神を称える事業を着実に推進したい。
 ・国家の安全管理システムの大改造と共に、公共分野の改革をはじめとする「経済改革3カ年計画」を進めていく。
 ・北朝鮮政権が真に経済発展と住民の生活向上を望むなら、核開発と挑発脅威を中断すべきである。
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<府中市美術館 官展にみる近代美術>から考えたこと ①旧朝鮮総督府の壁画のこと等

2014-06-04 23:53:34 | 韓国の芸術


 ちょうど1週間前の5月28日、初めて府中市美術館に行ってきました。
 目当ては5月14日~6月8日開かれている<市制施行60周年記念 東京・ソウル・台北・長春-官展にみる-それぞれの近代美術>と題したテーマ展です。

 官展とは、国主催の美術展のことで、1907年創設の文部省美術展覧会(文展=「初期文展」)が最初の官展です。
 これは1919年帝国美術院展覧会(帝展)に改組されましたが、帝国美術院の廃止(帝国芸術院への改組)にともなって1936年文展(=「新文展」)が復活しました。
 この官展の流れは戦後(1946年~)日本美術展覧会(日展)に受け継がれています。


【入口前の立看板。美術愛好家だけでなく、歴史に関心のある人をも引きつけるのでは?】

 この官展という公的な文化イベントは、上の看板の文にもあるように、日本統治下の朝鮮、台湾、満洲にも広がりました。
 朝鮮では1922~44年に朝鮮美術展覧会(鮮展)が23回開かれ、台湾では1927~36年台湾教育会の主催で台湾美術展覧会(台展)が10回、日中戦争勃発のため中止となった1937年の翌年1938年から主催が台湾総督府文教局に変わって台湾総督府美術展覧会(府展)と改称され、43年まで6回開催されました。
 関東軍の主導で1932年建国された「満洲国」でも1937~44年満洲国美術展(満展)が7回開かれました。
 ※1945年8月に予定されていた第8回満展は、会場設営を終えていたが、直前にソ連の侵攻があり、一般公開はされなかった。

 他の文化ジャンル同様、朝鮮や台湾では欧米の近代美術が統治国日本を通じて入ってきました。
 つまり、西洋近代美術との「出会い方」が日本とは大きく異なるのです。そのことはまた、戦後のそれぞれの美術のありようにも影響しています。
 そんな日本・韓国・台湾の近代美術の共通点や差異点、それぞれの特色といったものを直接見てみようという意図で足を運んだというわけです。

 行く前に読んだ5月21日「毎日新聞 夕刊」の<目は語る・アート逍遥>で高階秀爾大原美術館館長は次のようなことを書いていました。(原文→コチラ.会員制)

 官展制度の導入は一面においては日本の文化政策の「押しつけ」であり、入選や受賞を決める審査員もほとんど日本人で占められていたこともあって、時には現地の強い反発も招いた。
 しかしその一方で、これらの官展を通じて多くの作家が西欧の正統的写実主義やモダニスムを受け入れ、伝統的感性を生かしながら優れた作品を生み出し、それぞれの国の近代美術史において大きな役割を果たしたこともまた事実である。(中略)
 現在、東京の府中市美術館で開催されている「東京・ソウル・台北・長春-官展に見る近代美術」展は、日本も含めた各地の「近代美術」の様相を、官展を通じて検証しようとした文字通り画期的試みである。


 ・・・実は私ヌルボ、この記事に触発されて見に行ったわけですけどね。

 展示作品は93作家129点。
 日本の画家たちが朝鮮や台湾等を描いた作品も多く展示されていました。竹内栖鳳・前田青邨・土田麦僊・黒田清輝・藤島武二・岡田三郎助・石井伯亭・梅原龍三郎・安井曾太郎・伊原宇三郎等々。

 展示室に入ってすぐ、いきなり目に入ったのが和田三造「朝鮮総督府壁画画稿(三幅対)」。(次の画像)


【上の画像は<InternetMuseum>より。】

 朝鮮総督府の中央ホールに、和田三造の描いた壁画「羽衣」があったことは知っていましたが、その「画稿」が兵庫県立美術館にあり、それが今回ここで展示されているとは知りませんでした。
 彼は兵庫県生野町(現・朝来市)の生まれなんですね。またこの壁画の画題に「羽衣」を選んだのは、彼が羽衣伝説が日本と朝鮮共通の伝説であることに着目したからだそうです。

 私ヌルボはその壁画を1992年最初の韓国旅行の時に当時は中央博物館になっていた旧朝鮮総督府で見ました。1995年その建物が解体・撤去された後どうなったのかと気になっていましたが、国立中央博物館が所蔵しているそうです。しかし公開展示されているされているようでもなく、今後はたして日の目を見るのはいつのことか・・・。

  
【解体前の旧朝鮮総督府ホール。南側上方に和田三造の壁画があります。※画像の出所はあの(!)イルベの貯蔵所→コチラ。】


【壁画「羽衣」の部分を拡大。中央は縦5.5m横4.75mの大きな絵です。】

 その他の日本の画家が描いた絵も興味深いものですが、ヌルボとしては日本の統治期の朝鮮人画家を誰一人として知らないばかりか、現代に至るまでの韓国の近代美術史についてほとんど無知だったことに気づきました。
 これを機会に戻ってきてからにわかベンキョー中なのですが、大いに重宝なのが美術館で購入した図録です。


 いやー、この図録はすごい! 高階秀爾先生も次のように書いていました。
 担当学芸員をはじめ、日・韓・台の研究者による、さまざまな視点からの示唆に富む論文を多く収録し、入念な調査に基づく各地の官展に関する基礎的資料をも収めたカタログも、今回の企画の重要な成果として高く評価されよう。
 2千円が「安い!」と思えたのはヌルボにとって非常にめずらしいことでした。

 ・・・ということで、次回(いつになるか?)は朝鮮の近代美術について、です。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [5月30日(金)~6月1日(日)]

2014-06-03 23:23:57 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 主演のオスカー・アイザックは歌も雰囲気もよかったし、キャリー・マリガンはやっぱり魅力的だったし、何よりも60年代のフォークのテイストが懐かしく思い出されたし・・・というのは昨日観た「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」のこと。しかし、今回はっきり認識したのは、「自分にはコーエン兄弟は合わない」ということ。思えば最初に観た「バートン・フィンク」からそうだったなー。この記事の<DAUM映画 専門家による順位>ではこのところ1位を続けているし、このランキングと自分の好みはわりと共通しているんですけどねー・・・。

 もう1つ。ドイツ映画「おじいちゃんの里帰り」はドイツへ移住したトルコ人一家の家族史で、心和む描き方をしているが、背景を考えるといろいろ深い。ラストの方で「労働力を呼んだが、来たのは人間だった」という印象的な言葉が出てきます。いくつものブログ記事でも書きとめられているこの言葉は、スイス人作家のマックス・フリッシュによるものとのことです。(「労働力」同様、「兵力」なんかも人間なんだな、ふと思いました。)

 横浜シネマ・ジャック&ベティで6月7~13日「北朝鮮強制収容所に生まれて」上映。初日の上映(09:45〜11:30)後、脱北者の方のトーク[+コメンテーター:佐伯浩明さん(北朝鮮難民救援基金 副理事長)]があります。ぜひお越しください。
 同映画館では6月7~20日には「チスル」も上映されます。私ヌルボ、2度目観に行くつもりです。

 6月28日からスパイク・リー監督「オールド・ボーイ」公開。あのパク・チャヌク監督の同名韓国映画のリメイク。何がどう変わっているか、ちょっと楽しみ。

 韓国映画以外で楽しみな近日公開作は今週6日(金)からの「グランド・ブダペスト・ホテル」。あ、そういえば「アクト・オブ・キリング」まだ観てなかった!

 「朝鮮日報」掲載の「封切映画 ぴったり10字評」は5月23日以降は出ていません。

           ★★★ Daumの人気順位(6月3日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①賢い解法(韓国)  9.7(22)
②10分(韓国)  9.4(83)
③お父さんのEメール(韓国)  9.3(20)
④シザーハンズ  9.2(286)
⑤ミスター・ピーボディ&シャーマン  9.0(74)
⑥全民目撃  9.0(39)
⑦ハン・ゴンジュ(韓国)  8.9(267)
⑧最後まで行く(韓国)  8.8(450)
⑨ルパン三世 VS 名探偵コナン THE MOVIE(日本)  8.6(34)
⑩her/世界でひとつの彼女  8.7(178)

 ①⑥⑨の3作品が新登場です。
 ①「賢い解法」は、メディアの問題を取り上げた韓国のドキュメンタリー。今年2月国境なき記者団が発表した<2014年報道の自由指数>では韓国は2011年以来42位→44位→50位→57位と連続して落ち込んできています。
 (※日本は11位→12位→53位→59位で、この2年は韓国より下! 原発関係報道への不信と昨年12月の特定秘密保護法成立が下落の大きな理由。)
 韓国では、国家情報院のスパイ操作事件、北の無人機事件、最近ではセウォル号沈没事故等々でマスコミの報道姿勢が問題とされてきました。ジャーナリズムに対する不信が高まる中、事実の隠蔽や記事の捏造等が取沙汰されています。このドキュメンタリーは進歩陣営の立場から<朝中東>(朝鮮日報・中央日報・東亜日報)の3大保守紙をはじめとするマスコミ、政府、企業間の三角同盟の実体を解明し、未来に向けての解決策を模索する、というもののようです。原題は「슬기로운 해법」です。
 ⑥「全民目撃」(仮)は香港の人気俳優郭富城(アーロン・コック)が主演する中国の法廷サスペンス。「富二代」と呼ばれる富裕層の子女が殺人容疑で逮捕され、その父親と弁護士、検事が法廷で争ううちに意外な事実が明らかになる・・・。基本的にエンターテイメントですが、今の中国の社会問題を連想させる要素も垣間見られるそうです。これが2作目の非行(フェイ・シン)監督に対する評価は高く、注目されているようです。韓国題は「침묵의 목격자(沈黙の目撃者)」です。日本公開は未定のようです。これは観てみたいな。
 ⑨「ルパン三世 VS 名探偵コナン THE MOVIE」は日本では昨年12月公開。韓国題は「극장판 루팡 3세 VS 명탐정 코난」です。

     【専門家による順位】

①インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌  8.8(7)
②グランド・ブダペスト・ホテル  7.8(7)
③ハン・ゴンジュ(韓国)  7.3(6)
④X-MEN:フューチャー&パスト  7.1(6)
⑤her/世界でひとつの彼女  7.0(6)
⑥ブランカニエベス  7.0(3)
⑦バックコーラスの歌姫〈ディーバ〉たち  6.8(5)
⑧シャトルコック(韓国)  6.7(4)
⑨10分(韓国)  6.6(3)
⑩賢い解法(韓国)  6.5(4)
⑩最後まで行く(韓国)  6.5(4)

 新登場は⑧と、⑩の2作品の計4作品です。
 ⑧「シャトルコック」は女性監督イ・ユビンの長編デビュー作。再婚した両親が交通事故で亡くなり、保険金でなんとか生きてきた姉ウンジュ(コン・イェジ)、兄ミンジェ(イ・ジュスン)、弟ウンホ(キム・テヨン)の3人。しかしある日ウンジュ)が全財産の1億ウォンを持って姿を消してしまいます。ミンジェは動画サイトでウンジュに似た女性を見つけ、彼女を探そうとおんぼろ車に乗り、後をたどりますが、ウンホもこっそり後部座席に乗っていました。ソウルを出発した彼らは、新津、瑞山、全州、そして最終目的地の南海へ。はたして彼らは姉と会えるのか・・・? 原題は「셔틀콕」です。
 ⑩「賢い解法」は前述しました。
 ⑩「最後まで行く」は韓国のアクション。母親の葬式の日、急な連絡を受けて警察署へと向かった刑事コ・ゴンス(イ・ソンギュ)。妻の離婚通報等々も重なってストレス爆発直前のゴンスはなんと事故って人を轢き殺してしまいます。後戻りできない状況で彼は死体を母親の棺の中に死体を隠します。警察で行方不明とひき逃げ事件の捜査が開始されると、ゴンスは隠蔽に努めます。そんなある日、事件のすべてを知っている正体不明の目撃者バク・チャンミン(チョ•ジヌン)が登場し、目的を隠したままゴンスを脅迫します。絶体絶命に陥った刑事の最後の反撃とは!? 原題は「끝까지 간다」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[5月30日(金)~6月1日(日)] ★★★

         「X-MEN:フューチャー&パスト」が2週連続トップ。

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・X-MEN:フューチャー&パスト・・5/22・・・・・・・・・・・・834,343 ・・・・・・・3,105,216 ・・・・・・・25,257・・・・・・・・834
2(14)・・最後まで行く(韓国)・・・・・・・・・・5/29・・・・・・・・・・・・538,396・・・・・・・・・644,566 ・・・・・・・・5,105・・・・・・・・645
3(新)・・マレフィセント ・・・・・・・・・・・・・・・5/29・・・・・・・・・・・・431,861・・・・・・・・・488,853 ・・・・・・・・3,884・・・・・・・・554
4(新)・・オキュラス・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/29・・・・・・・・・・・・136,204・・・・・・・・・163,770 ・・・・・・・・1,259・・・・・・・・336
5(2)・・人間中毒(韓国)・・・・・・・・・・・・・・5/14 ・・・・・・・・・・・・・91,056・・・・・・・1,375,854 ・・・・・・・10,807・・・・・・・・372
6(49)・・ルパン三世 VS 名探偵コナン・・5/29・・・・・・・・・・・・88,932・・・・・・・・・・94,587 ・・・・・・・・・・666・・・・・・・・327
            THE MOVIE(日本)
7(8)・・her/世界でひとつの彼女 ・・・・5/22・・・・・・・・・・・・・47,423・・・・・・・・・147,815 ・・・・・・・・1,201・・・・・・・・142
8(3)・・標的(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/30・・・・・・・・・・・・・13,261・・・・・・・2,836,927 ・・・・・・・22,223・・・・・・・・172
9(4)・・トランセンデンス・・・・・・・・・・・・・・5/14・・・・・・・・・・・・・・8,871・・・・・・・・・689,930 ・・・・・・・・5,434・・・・・・・・105
10(6)・・逆鱗(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・4/30 ・・・・・・・・・・・・・8,804 ・・・・・・・3,839,326 ・・・・・・・29,820・・・・・・・・115
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回も「X-MEN:フューチャー&パスト」がトップで、2・3位は健闘といえる数字かどうか・・・。以下はパッとせず。
 今回の新登場は2・3・4・6位の4作品です。
 2位「最後まで行く」は、前述しました。
 3位「マレフィセント」は、ディズニーアニメ「眠れる森の美女」の続編、といってもアニメではなく実写版。オーロラ姫に呪いをかける邪悪な妖精マレフィセントにフォーカスを当てたところがミソか。彼女の知られざる過去と秘密に迫る!ということです。韓国題は「말레피센트」。日本公開は7月5日です。
 4位「オキュラス」はアメリカの心理ホラー。両親と幸せに暮らしていた姉ケイリー(13歳)と弟ティム(10歳)の人生は、父親が骨董の鏡を手に入れてから大きく狂わされます。鏡のある書斎に閉じこもりがちになる父は次第に家族と疎遠になり、夫の浮気を疑う母は精神を病んでいく。そして壮絶な事件が・・・。11年後、殺人の罪で施設に入っていたティムが退所を許されると、ケイリーは「あの鏡」を入手します。そして事件が鏡のせいで起きたことを証明し、弟の罪を晴らそうと、空き家となった実家に鏡を持ち込むのですが・・・。韓国題は「오큘러스」。日本公開は未定です。
 6位「ルパン三世 VS 名探偵コナン THE MOVIE」は前述の通りです。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・her/世界でひとつの彼女 ・・・・・・・・・5/22・・・・・・・・・・・・・47,423・・・・・・・・・・・・・147,815・・・・・・・1,201・・・・・・・・142
2(2)・・ロスト・ボディ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/22・・・・・・・・・・・・・・3,242・・・・・・・・・・・・・・66,102・・・・・・・・・496・・・・・・・・・32
3(新)・・私のライムオレンジの木 ・・・・・・・・・・5/29・・・・・・・・・・・・・・2,609・・・・・・・・・・・・・・・3,602 ・・・・・・・・・・24・・・・・・・・・47
4(新)・・リスボンに誘われて ・・・・・・・・・・・・・・6/05・・・・・・・・・・・・・・2,173・・・・・・・・・・・・・・・3,359 ・・・・・・・・・・24・・・・・・・・・・9
5(新)・・冬の前に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/29・・・・・・・・・・・・・・2,042・・・・・・・・・・・・・・・3,158 ・・・・・・・・・・23・・・・・・・・・22

 3~5位の3作品が新登場です。あ、旧作の再上映が入ってないのは久しぶり。といってもその下を見ると6位「草原の輝き(초원의 빛)」、9位「掠奪された七人の花嫁(7인의 신부)」、10位「愛情物語(애심)」とずらっと出てきますが・・・。
 3位「私のライムオレンジの木」はブラジル映画。ブラジルの作家ヴァスコンセロスによる同名の児童文学の名作が原作。英題は「My Sweet Orange Tree」ですが、32ヵ国で刊行されたというこの本については、本ブログ過去記事(→コチラ)でも書いたように、韓国では「나의 라임 오렌지 나무(私のライムオレンジの木)」の書名でロングセラーになっていて、この映画のタイトルもそうなっています。(日本では1974年「わんぱく天使」という書名で角川文庫から刊行されています。) 主人公のゼゼは、貧しい工場労働者一家の5人中4番目の少年。話し相手のオレンジの木に自分の夢を語ったりしています。ある日車にイタズラをしたことをきっかけに知り合ったポルトゥガおじさんにいろんなことを教わるようになるのですが・・・。というわけで、<DAUM映画>のレビュー(→コチラ)を見ると、8人中3人は原作を読んだ人でした。「原作の感動そのまま!」等。→<海から始まる!?>の記事によると、児童向け映画を対象とした<ズリーン国際映画祭2013>で最高賞を獲得したそうです。また→コチラのブログ記事でよると、この映画のこととともに、この作品が演劇として日本で上演されたこと等が書かれています。ぜひ日本でも公開してほしいものです。
 4位「リスボンに誘われて」はスイス・ポルトガル合作のスリラー&ロマンスというか何というか・・・。全世界で発行部数400万部を突破したというスイスの作家パスカル・メルシエの小説「リスボンへの夜行列車」の映画化作品です。(日本でも早川書房から刊行。) 主人公はスイスの高校の古典文献学教師ライムント(ジェレミー・アイアンズ)。ある朝吊り橋から飛び降りようとする謎めいたポルトガル人女性を助けるのですが、彼女が残した本に挟まれていたリスボン行きの切符を届けようと駅へ走り、衝動的に夜行列車に飛び乗ってしまいます。車中で読んだ本に心を奪われた彼は、リスボンで作者のアマデウを訪ねるのですが・・・。原作本は「哲学小説」とのふれ込みですが、それでもこの発行部数だから娯楽性もあるのか? 図書館にもあるし、読んでみるかな? 韓国題は「리스본행 야간열차(リスボン行夜間列車)」。日本では今秋ル・シネマで公開、っていかにもだなー。
 5位「冬の前に」は、「ずっとあなたを愛してる」のフィリップ・クローデル監督作品。成功した神経外科医ポールと妻のルーシーは邸宅住まいの、人も羨む暮らしぶり。ところがある日から匿名でバラの花束が配達され始める。ポールはよく見かける若いルーかなと思ううちに彼女の不思議な魅力に陥ってゆき、夫婦生活で自分は本当の姿だったのだろうかとという疑問までも抱くに至った時、ルーの姿は突然消えてしまう・・・。機内でコレを観た人の感想(→コチラ)だと、「アナ雪」とか「(500日)のサマー」等7作の中で1番よかったそうです。しかし日本公開は未定のようです。韓国題はなぜか「차가운 장미(冷たいバラ)」。

            
     【韓国の漫画本「私のライムオレンジの木」(イ・ヒジェ作・画)】
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[北朝鮮の歴史読み物で朝鮮語や歴史のベンキョーだっ] えっ、李在明って誰?

2014-06-02 20:44:48 | 韓国・朝鮮関係の知識教養(歴史・地理・社会等)


 この前読んだ郭再祐(クァク・ジェウ)の物語に続いて読んだ北朝鮮本は、同じ<絵で見る朝鮮歴史>シリーズの最終巻(第100巻)、チェ・ホンシク著「암혹속에서 태양을 기다리다(暗黒の中で太陽を待つ)」です。

 本の内容に入る前にちょいと。
 先の本を読んだ時には、「紙の色は古本みたいだが、スベスベしていて、紙質はそれなりに進化しているようだ」といったことを書きました。(→コチラ。)

 ところが、今度の本は製本技術のダメさ加減が露呈。まだ半分も読まないうちに下の画像のような状態に・・・。

          
     【みるみるうちに60ページ分(全体の3割)がバラバラになってしまいました。】

 そりゃあノートパソコンだのカメラだの、他の本数冊その他ガラクタもろもろといっしょくたに布製バッグにギューギュー詰めにしているのも問題かもしれませんが、他の本はここまでひどくはなりませんよ。
 前にも書きましたが、ひずみのないガラスやぐらつきのない茶碗を作ること等と同様、基本技術からして世の文化文明から何十年も遅れているのではないかと思わせます。

 で、本の内容はというと、時代は1909年1月~10年9月。つまり日韓併合の直前から直後までです。
 冒頭の大韓帝国皇帝の純宗が先の皇帝の高宗の所に新年の挨拶に行く場面(1月2日)から同月の純宗の地方巡幸(大邱・釜山・馬山方面)、09年7月の己酉覚書(日本による司法権と警察権の掌握)、10月の伊藤博文暗殺・・・と、けっこう詳しく書かれているなと思いつつ、読み進んで、先の郭再祐のような「英雄」は登場しないのか、という疑念が高まったところ、半分近くの94ページに至ってやっとこの人!

        
    【李在明(리재명.リ・ジェミョン)。表紙の人と同人物とは思えないですね。】

 李在明。韓国では이재명(イ・ジェミョン)という表記・発音になります。
 実は私ヌルボ、彼のことは知りませんでした。韓国を日本に売り渡した「売国奴」の筆頭とされる李完用(→ウィキペディア)を1909年12月22日明洞聖堂前で襲った刺客です。上の絵は彼が李完用暗殺を決意した時の顔です。正義の人にしては凶相めいていますが・・・。

      
   【 「義挙」決行!・・・といっても、子どもに見せるにはちょっとキョーレツすぎるのでは? 】

 李完用は重傷を負ったものの、当時最高レベルの胸部外科手術を受けて一命を取り留めました。その場で逮捕された李在明は日韓併合の翌月1910年9月に西大門刑務所で絞首刑に処せられます。

           
    【首に縄がかけられた李在明の形相がすごい! この顔で「倭奴(ウェノム)どもよ!」だから、びびってしまいそう。】

 この本では、李在明は首に縄がかけられると、声を張り上げて「この倭奴どもよ! きっと滅びる日が来るぞ!」と叫んでいます。
 物語はこれでおしまい。あ、少し後日談がありますが・・・。
 また蛇足ながらつけ加えておきますと、タイトルの「太陽を待つ」の太陽とはこの少し後の1912年4月15日に生まれた金日成のことです。(本書に倣って太字にしてみました。)

 <エンハウィキ>の李在明の項(→コチラ.韓国語)にはもっと詳しく書かれています。
 裁判所で李在明は日本人裁判長が「被告のような凶行した人が何人にもなるのか」と尋ねると、「野蛮な島国の無学無知な奴! おまえは凶の字だけ知っていて義の字を知らないのか。私は凶行ではなく堂々と義行をしたのだ」と叫んだ。裁判長が再び「では、被告の行為に賛成する人は何人くらいになるのか?」と尋ねたところ「2千万だ!」と答えると、窓の外から「正しい!」という声と共に興奮した傍聴客たちが窓ガラスを割った。
 また、「野蛮な倭奴は出して、窓の外の韓国人を皆入れろ。そうしないと私はあなたの尋問には答えないぞ」と言った。1910年9月、西大門刑務所で絞首刑が執行されて殉国。 殉国直前に「私は死んで数十万人の李在明に転生して、かならず日本を滅ぼしてしまうぞ!」という言葉を残した。1962年建国勲章大統領章が追叙された。


 彼の出身地は平壌ということですが、それもシリーズに入っていることと関係あるかどうか? 安重根がこのシリーズに入っているかどうかは未確認。あ、彼も黄海道海州で北出身か。
 ついでに、彼の写真。

           
       【1890年生まれだから、わずか20年の生涯だったのか。】

        
   【現在「義挙」現場の明洞聖堂前にある記念の碑石。今まで気づかなかったなー。】

 この李在明のこと以外にも、いろいろ勉強になりました。もちろん北朝鮮の「史観」で書かれているので、史実を確認するのがいろいろメンドーでしたが・・・。

 曾禰荒助寺内正毅等々の日本の軍人・政治家が何人も出てくる中で、簡単にはわからなかったのが데바 시게도시(でば しげどし)なる軍人。前の本でも안곡끼 에게이(あんこっき えげい)というのがあって、それはすぐ安国寺恵瓊(あんこくじ えけい)とわかったのですが、今度は少し厄介。
 しかしなんとか会津出身の軍人・出羽重遠(でわ しげとお)(→ウィキペディア)とわかりました。
 →コチラの記事によると、1909年1月8~9日の大韓帝国内閣法制局官報課発表の宮廷録事に、巡幸中の純宗が釜山の行在所で陛見した人物中に彼の名があります。しかし、そこで出羽が伊藤博文に「ここで純宗を斬る!」などと息巻いていたというこの本の中のエピソードは何か根拠があるのかな?
   
   

    
【曾禰荒助(左)と、でばしげどし、じゃなくて出羽重遠(右)。】

 以上、李在明を中心にもっぱら歴史関係について書きました。

 朝鮮語(韓国語)学習に関して1つだけ。
 最初のページで次のような文章がありました。(一部省略。) どう訳しますか?
   강제로 밀려난 고종황제는 연금생활을 하고 있다.
  (強制的に退位させられた高宗皇帝は年金生活を送っていた。) 

 ・・・と、あれ? 皇帝が年金生活っておかしいゾ。正解は(軟禁)生活。←範囲指定すると答えが見えます。
 연금술사だったら錬金術師とすぐわかるのですがねー。私ヌルボ以外にも、なんとなく年金生活と読んでしまう韓国語学習者の人、きっといると思うなー。

 別件で気になったのが前の本同様、いやそれ以上かというほどの倭奴(ウェノム)という言葉の多さ。

 それから伊藤博文の場合は○○に例えられています。
       
        【似ているとともに、狡猾な感じを出しています。】

 →コチラの記事にもあるように、北朝鮮は敵を動物に例えるのが非常に好きなようです。先の本でも、壬辰倭乱の時の日本兵を「猿にも等しい」と書いていましたが、この伊藤博文もその一例だな、と思いました。こういう本を読んで育つと、悪いヤツを見ると自然に動物の姿が思い浮かぶようになるのでしょうか?

 ○○の正解はまたいずれ、ということにします。
コメント (2)
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