ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [11月9日(金)~11月11日(日)]

2018-11-12 22:52:44 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸桜木町のブルク13で話題の「ボヘミアン・ラプソディ」を一般公開の前日8日の夜に観てきました。観客の年齢層は見たところまちまち。各々が70年代から90年頃まで(orその後)のどの時点でクイーンを認知したか、という点でわりと幅があるのでは?と思いました。映画の内容も、とくにLGBTに対する見方などに時代の流れを感じました。この点については、現代でも国や地域によってかなり違いますが・・・。
 なお、IMAXで観たのは初めて。やはりこういう映画はIMAXとかチネチッタのLIVE ZOUNDとかにかぎりますね。日韓ともに満点とか90/100点とかの高評価がほとんどで、それもわからないでもありませんが、音楽に対する感動がそのまま映画作品に対する評価に直結するかと考えるとちょっと疑問もなきにしもあらず。

▸シネマート新宿で昨秋から<のむコレ>と称する「劇場発信型映画祭」をやっています。(→コチラ参照。) ラインナップ中に韓国映画が3つあって、その1つの「七年の夜」を今日(12日)観てきました。鄭裕静(チョン・ユジョン)の原作ミステリーは2012年の韓国のベストセラーで、私ヌルボも夢中になって読みました。(といっても3ヵ月くらいかかったかな? 翻訳書はやっと昨年刊行。) 映画化の話は何年も前からあったのに、16年にやっとクランクアップというニュースが伝えられ、そして今年3月公開。しかし興行成績は今ひとつ(以上?)パッとしないまま終わってしまいました。今回の鑑賞は、なんでこの映画化がうまくいかなかったを確認しに行ったようなもので、感想は「なるほどね」。これも<のむコレ>で上映している「復讐のトリック」同様、時系列の構成が複雑になっている映画は小説以上にむずかしいのではと思いました。

▸12月のオススメは、といっても東京ですが、12月8日(土)~14日(日)渋谷のユーロスペースで催される<朝鮮半島と私たち>と銘打った映画祭。(→コチラ参照。) 戦前の清水宏監督「有りがたうさん」(1936)から現代の朴壽南監督「沈黙-立ち上がる慰安婦」(2017)まで全14作品+併映の短編。主催が日本大学芸術学部映画学科というのもいいですね。私ヌルボ、11作品は観てますが、残り3作品だけでなく他のも観なおしてみようと思います。

※先週も「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」と「週末の劇場街」は掲載されませんでした。このまま終わり?

         ★★★ NAVERの人気順位(11月12日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) ボヘミアン・ラプソディ  9.66(12,596)
②(3) ポーランドに行った子供たち(韓国)  9.54(307)
③(-) トック(韓国)  9.46(2,304)
④(-) ナミヤ雑貨店の奇蹟 -再生  9.44(16)
⑤(9) ミス・ペク(韓国)  9.27(6,103)
⑥(8) 悲しみに、こんにちは  9.26(80)
⑦(6) スタビー軍曹  9.25(53)
⑧(10) 万引き家族(日本)  9.24(2,854)
⑨(5) 劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~(日本)  9.24(156)
⑩(-) ハロー カボット:白亜紀時代(韓国)  9.23(2,055)

 ④「ナミヤ雑貨店の奇蹟 -再生」が今回の新登場です。2017年公開の「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の中国・香港版リメイク。西田敏行の役を、コチラではジャッキー・チェンが演じているとか。日本でもすでに10月13日に公開されています。韓国題は「나미야 잡화점의 기적: 또 하나의 이야기」です。

     【記者・評論家による順位】

①(-) フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法  8.50(10)
②(1) エクス・リブリス ニューヨーク公共図書館  8.50(2)
③(-) ファントム・スレッド  8.22(9)
④(-) シェイプ・オブ・ウォーター  8.18(11)
⑤(2) 暗数殺人(韓国)  8.14(7)
⑥(3) 万引き家族  8.13(8)
⑦(4) ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ  8.00(7)
⑧(5) 生き残った子[最後の息子](韓国)  7.67(9)
⑨(6) バディントン2  7.67(3)
⑩(7) 悲しみに、こんにちは  7.50(8)

 今回の新登場の作品はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月9日(金)~11月11日(日) ★★★

         「完璧な他人」が先週に続き1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・完璧な他人(韓国)・・・・・・・・・・・・10/31・・・・・・・・・・999,623・・・・・・・3,375,745・・・・・・・28,553・・・・・・1,324
2(2)・・ボヘミアン・ラプソディ ・・・・・・10/31 ・・・・・・・・・784,104・・・・・・・1,843,189 ・・・・・・・16,588・・・・・・1,098
3(新)・・町内の人々(韓国)・・・・・・・・・・・11/07・・・・・・・・・・242,005・・・・・・・・352,082 ・・・・・・・・2,981 ・・・・・・・730
4(新)・・女哭声(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・11/08・・・・・・・・・・・42,934・・・・・・・・・55,997・・・・・・・・・・500 ・・・・・・・212
5(7)・・パウロ 愛と赦しの物語 ・・・・・10/31・・・・・・・・・・・36,524・・・・・・・・109,107・・・・・・・・・・869 ・・・・・・・211
6(6)・・ハリー・ポッターと賢者の石・・2001/12/13・・・・・・・36,431・・・・・・・・259,735 ・・・・・・・・2,279 ・・・・・・・・32
7(3)・・猖獗(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/25 ・・・・・・・・・・21,740 ・・・・・・1,588,415 ・・・・・・・13,194 ・・・・・・・404
8(4)・・ルイスと不思議の時計・・・・・・・・10/31 ・・・・・・・・・・20,058・・・・・・・・211,250 ・・・・・・・・1,629 ・・・・・・・246
9(新)・・ハーヴィーと魔法の博物館・・・11/08・・・・・・・・・・・18,596 ・・・・・・・・19,771・・・・・・・・・・152 ・・・・・・・252
10(33)・・グースバンプス2・・・・・・・・・・11/07・・・・・・・・・・・18,262 ・・・・・・・・21,400・・・・・・・・・・175 ・・・・・・・167
       ホーンテッド・ハロウィン

     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は3・4・9・10位の4作品です。
 3位「町の人々」は、韓国のアクション&スリラー。女子高生が1人行方不明になったが、とても穏やかな人里離れた村に臨時教師として赴任した体育教師ギチョル(マ・ドンソク)は、村内の雰囲気が尋常でないと感じます。いなくなった女子高生の唯一の友人ユジン(キム・セロン)だけが彼女が拉致されたと確信して事件を追って、意図せずユジンと共に消えた少女を見つけるために乗り出したギチョルは、何者かによって彼女の痕跡が消されているという事実を知ることになります・・・。原題は「동네사람들」です。
 4位「女哭声」は、韓国のホラー&ミステリー。タイトルはもちろんあの「哭声」が前提になっています。原因不明の奇妙な死亡事故が続くある邸宅。たまたまここに足を踏み入れたオクプン(ソン・ナウン)は秘密を秘めたシン氏夫人(ソ・ヨンヒ)に会います。シン氏夫人はオクプンに家の中にいる間に必ず守らなければならない規則を話ます。そしてオクプンは想像すらできない怖ろしい真実に直面することになります・・・。原題は「여곡성」です。
 9位「ハーヴィーと魔法の博物館」(仮)は、チェコのアニメ。ハーヴェイはゲームが大好きな12歳の少年。パパが働くおもちゃ博物館が閉館の危機に直面すると、事件を解決しようと中に入り込みます。偶然博物館の秘密のスペースを見つけたハーヴェイは魔法を解き、博物館のおもちゃたちを生き返らせて空を飛ぶ龍にも出会うことに。ところが、恐ろしい博物館マスターまで目が覚め、村の人々を皆おもちゃに作ると宣言します。はたして、ハーヴェイは危機を解決して博物館や村を救うことができるでしょうか? 韓国題は「박물관이 진짜 살아있다(博物館が本当に生きている)」ですが、英題の「Harvie and the Magic Museum」を訳して仮題としました。日本公開はどうかな?
 10位「グースバンプス2 ホーンテッド・ハロウィン」(仮)は、アメリカ・オーストラリア合作のファンタジー&冒険。日本でも2015年に公開された「グースバンプス モンスターと秘密の書」に続く<グースバンプス>シリーズの第2作です。元はと言えば、日本でも20冊ほど(?)岩崎書店から翻訳書が出ているR・L・スタインによる子供向けのホラー&ミステリーシリーズ。私ヌルボは読んだことはありませんが、大人が読んでもけっこう怖くておもしろい(?)そうです。今作は、ハロウィンが近いある日、仲良しのソニーとサムが空き家で見つけた本のカギを開けてしまったため、モンスターたちが目覚めて大変なことになる、というお話のようです。韓国題は「구스범스: 몬스터의 역습」。日本公開は未定のようです。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・パウロ 愛と赦しの物語 ・・・・・・・10/31 ・・・・・・・・・36,524・・・・・・・・109,107・・・・・・・・・・869・・・・・・・・・211
2(66)・・聴説 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2010/6/17・・・・・・・・・・・3,170・・・・・・・・・22,156・・・・・・・・・・170・・・・・・・・・113
3(新)・・ナチス第三の男・・・・・・・・・・・・・・11/08・・・・・・・・・・・1,142・・・・・・・・・・2,094・・・・・・・・・・・16・・・・・・・・・・51
4(新)・・母の情に泣く2人の息子(韓国)・・1972/?/?・・・・・・・・・・919・・・・・・・・・・6,793・・・・・・・・・・・13・・・・・・・・・・・1
5(新)・・ナミヤ雑貨店の奇蹟 -再生・・・・・11/08 ・・・・・・・・・・・・897・・・・・・・・・・1,288・・・・・・・・・・・10・・・・・・・・・・45

 2~5位の4作品が新登場です。
 2位「聴説」は、台湾の2009年の大ヒット青春ラブストーリーで、韓国では2010年以来の再上映。日本でも2010年の大阪アジアン映画祭で上映され、観客賞を受賞しました。台北でのデフリンピック(聴覚障碍者のスポーツ競技大会)開催に合わせて制作された作品です。デフリンピック出場をめざす女子水泳選手小朋[シャオポン](ミシェル・チェン)と、彼女を支える妹の秧秧[ヤンヤン](チェン・イーハン)。配達でプールを訪れた弁当屋の青年天闊[ティエンクオ](エディ・ポン)はそんな健気なヤンヤンに一目惚れします・・・。物語は笑えるところもあったりして決して重たい感じにならず、大半は手話というユニークな形で進行します。韓国題は「청설」です。
 3位「ナチス第三の男」は、フランス・イギリス・ベルギーの合作によるラインハルト・ハイドリヒの伝記映画。ローラン・ビネの小説「HHhH プラハ、1942年」(東京創元社)の映画化作品です。ラインハルト・ハイドリヒはヒトラー、ヒムラーに続く<第三の男>と称されたナチスの高官で、冷徹な手腕から<金髪の野獣>と呼ばれ、ヒトラーも恐れたという人物。150万人を超えるユダヤ人虐殺の首謀者となって大きな権力をふるうハイドリヒに対し、その暴走を止めるため2人の兵士が暗殺要員として送り込まれるのですが・・・。韓国題は「철의 심장을 가진 남자(鉄の心臓を持った男)」。日本公開は2019年1月25日です。
 4位「母の情に泣く2人の息子」(仮)は、1972年の韓国のドラマ。亡夫の意を受けて腹違いの子のサンテと実子のドゥホを育てていたユノク(キム・ジミ)は、貧しい生活のためドゥホを孤児院に預け、サンテだけを育てようとしますが、サンテが貧困に疲れて病気になると、ユノクは精神に異常をきたしてしまいます。3年を精神病院で過ごしたユノクはサンテを探しますが、すでに他の家に養子に入った後でした。20年後、苦労で転々としていたユノクは偶然養父母の財産を受け継いで社長になったサンテと、工事現場の作業員になったドゥホと会いますが、彼らの前で母親と名乗ることができず苦心しているうちに交通事故で目を失ったサンテに目を提供して波乱の多かった生涯を終えます。一歩遅くこれを知った2人の息子は、母親の心を推し量って後悔の涙を流します・・・。うーむ、やはり70年代ですねー。1館の上映ということは平和市場のシルバー映画館? 原題は「모정에 우는 두 아들」です。
 5位「ナミヤ雑貨店の奇蹟 -再生」については上述しました。
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韓国入国後の適応教育の場で、担当官に「注目して下さい」と言われた脱北者がとった意外な反応  ▸チェ・ソングク「ここは大韓民国」より

2018-11-11 14:59:15 | 韓国の漫画

<ハトの背中を見て驚く脱北漫画家! そのわけは?  ▸チェ・ソングク「大韓民国定着記」より>
<「漢拏山(ハルラサン)血統」とは? 脱北者の送金で豊かになる北朝鮮の家族  ▸チェ・ソングク「自由を求めて」より>
に続く脱北者漫画家チェ・ソングクさんのシリーズ第3回です。

 今年は大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国が成立してからちょうど70年。双方の体制が大きく異なる上、人の行き来もほとんど遮断され、言葉や一般的な知識・常識だけでなく、物の考え方・感じ方までも大きなギャップが生じています。
 韓国に入った脱北者は、まず国家情報院(国情院)で北朝鮮での生活や脱北の経緯等について取り調べを受けたり、ハナ院で韓国社会への適応教育を受けます。北朝鮮でのもろもろを背負い込んだままの彼らだけでなく、彼らとまず最初に接する国情院やハナ院の職員も双方のギャップに直面することになります。
 今回の話の舞台は国情院。北朝鮮で聞いていた国情院のことや、北朝鮮の保衛部(=国家安全保衛部→2016年保衛省)のイメージから、ここでも拷問があるのでは?・・・と懸念しています。が、部屋に入ってきた担当職員は、北朝鮮にはいないタイプの美形の男性。脱北者たち、その姿を見てまずオドロキ。



   ガヤガヤ  髪の色見ろよ(笑)
  ワイワイ  資本主義の男~  ガヤガヤ
(なんでこんなにうるさいんだ?)
          こんにちは。私は・・・・
          さあ、こちらに
         注目して下さい!

 脱北民担当新入要員

 ところが、脱北者たちは意外な反応!

      サーッ!        ビクリ!
  何だ!
     手、手を下ろして下さい!

 注目しないで、こぶしを突き上げる脱北者たち。私ヌルボも全然意味がわかりませんでした。脱北者たちも、このことについてまたザワザワおしゃべりを始めます。

    ガヤガヤ    おまえ、わかってるか!             人を見くびらないで、
     おまえらのせいで俺まで・・・・  なんでおまえが最初に声を出すんだ!  一度でうまくやろう!
                                      ガヤガヤ

 担当職員は、よくわからないまま何とか鎮静化をはかりますが・・・。

     (おっ・・・間違ったか?
      なんでこうなる?)

     (なんか不安だが・・・
      もしかして、こうして私を?
      いや、まさか! とにかく
      できるかぎり治めなければ)
    さあさあ! 静かにして下さい
    さあ、こちらに集中します。
    注目して下さい!

 自分に対する示威闘争か?ともチラッと思ったた担当職員氏でしたか、気を取り直してもう1度。ところが、また・・・・
     

      サッ!         手を下ろして下さい。
         今こぶしをふりかざして
         いますが、なんで
         そうされるのですか?

 すると思いもよらない返答が・・・。
 
 「さっきからゲンコツしろと言ってたじゃないですか?」


 えっ!? ・・・思いながらも私ヌルボ、ここから韓国語の説明。つまり<注目(チュモク)><ゲンコツ(チュモク)>を聞き間違えていたということ。なのですが・・・。
 カタカナだと同じ<チュモク>ですが、韓国語(朝鮮語)の発音&表記は違うのです。
 <注目><주목>で、<ゲンコツ><주먹>。<モク>の発音は英語表記だと前者が<mok>で後者が<meok>。口を開き気味に発音する(前者)か、口を丸めて発音する(後者)の違いです。
 (私ヌルボももちろん含めて)日本人の韓国語学習者が苦手な発音ですが、北朝鮮の人たちはこれらを区別して聴き取っていないということでしょうか?
 疑問に思ったらすぐ調べるという鉄則に(久しぶりに)したがって検索してみると、ウィキペディアの「朝鮮語の南北差」(→コチラ)の項目に次のように書かれていました。
  ㅓはソウル方言では円唇の度合いがより弱く、平壌方言では円唇の度合いがより強い。この円唇性のため、ソウル方言話者が平壌方言のㅓをㅗに近く聞き取ることがある。
 なるほど。逆に北朝鮮の人の耳にはㅗがㅓに聞こえるということか。(1つりこうになりました。テヘ。)

 なお、この誤解が解けた後の反応にも担当職員と脱北者たちの間のギャップが垣間見られます。

  ここで言う<チュモク(주목.注目)>は
  <チュモク(주먹.ゲンコツ)>ではなく、
  集中せよという意味です。本当に
  おもしろいですよね? ハハハ
     何がおもしろいんだ?
ヘンなの  そうだったのか!
          何がおもしろいんだ?


 今回紹介した南北朝鮮のギャップはまだ序の口レベル。この漫画シリーズだけでもこれ以外にまだいくつか事例が載っているので、また紹介します。
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歌唱力がある韓国の女性歌手シリーズ ①イ・ソニ(이선희.李仙姬.1964~)

2018-11-08 10:35:55 | 韓国の音楽
 韓国には歌唱力がある歌手が多いなという印象があります。
 歌唱力とは何か? あえて分析してみると、
  ①張りがあって、よく通る声。声量が豊か。音域が広く、高音でも声が裏返ったりしないで、逆に聴く者を圧倒する迫力がある。またソプラノでもリリコとかドラマティコといった声の質の違いがありますが、そんな声自体の独自の魅力。
  ②音程やリズムの正確さといった技巧が優れている。
  ③曲想をよく把握し、表現力がある。
 ・・・といったことになろうかと思います。
 まあ声量はなくても巧い歌手はたくさんいるので、①の条件が必須というわけでもないですけどね。しかし①に該当する韓国歌手が多い、ということです。

 この数年、とくに歌唱力を感じさせる歌手&歌を聴くことが何度もあったので、1人ずつで各1曲ずつ紹介していきます。
 私ヌルボの好みで女性歌手限定。ジャンルは歌謡からポップス等々いろいろ。時代も数十年前の懐メロから現代まで。人数は予定はしていませんが、10人以上になると思います。
なお、いくら歌唱力があるといっても良い歌があってこそなので、それもヌルボ自身の好みで選びます。大体は韓国ではよく知られた歌になると思いますが、そうじゃないものもあるかも・・・。

 で、最初は日本の韓国歌謡ファンには広く知られているイ・ソニ(이선희.李仙姬)です。
 彼女は1984年20歳の時、第5回MBC川辺歌謡祭で大賞を受賞した「Jへ(J에게)」が大ヒットしてデビュー早々爆発的な人気を博し、あっという間に80年代を代表する女性歌手の座にのぼりつめます。
 80年代の代表的な男性歌手といえば、これも超有名なあのチョー・ヨンピル(조용필.趙容弼.1950~)ですが、驚くべきことに、チョー・ヨンピルもイ・ソニも、30年以上経った今でも、年齢を感じさせない歌唱力で現役歌手として活躍していることです。

 イ・ソニの歌唱力は大方の韓国人が認めるところ。その彼女の歌から1曲選ぶというのもむずかしいところです。好みでいえば、映画「王の男」(2005)のostとして用いられた「因縁(인연)」とか・・・。とくにこの映画で一躍人気スターになったイ・ジュンギのファンの皆さんにはよく知られている歌、でしょうか? (ドラマ「チェオクの剣(茶母)」のMVでも使われた・・・というより、本来はソチラにに心酔して作った歌だって?) なお、この曲の作詞・作曲も彼女自身によるものです。
 しかし、選んだ1曲はこれじゃないんですよねー。まあヌルボ自身も心残りなのでYouTubeのリンクを貼っておきます。(彼女が41歳の時の動画です。) →コチラ

 ということで、選んだ歌は「チョガクペ(조각배)」です。「小舟」と訳していいのですが、なんとなく思い浮かんだので「一葉舟」にしておきます。90年代に入って若干勢いが鈍ったイ・ソニが1992年の第8集のアルバムで国楽歌謡という新機軸を打ち出し、高い評価を得て復活しました。そのタイトル曲です。
 YouTubeには1992年のものもありますが(→コチラ)、音質の良い最近のものにしました。

 歌詞も曲の雰囲気に合ったもので、拙訳を載せておきます。

 조각배

성난 물결 파도위에 가냘픈 조각배
이내 설운 몸을 싣고 하염없이 가는 여인아
봄바람 꽃바람 속삭임도 역겨워
깊숙한 늪으로 덧없이 갈껀가요

소낙비 쏟아지는 깊은 밤 갈대숲
기약없는 인생항로 정처없이 가는 여인아
달님이 잠깨어 방긋 웃음 역겨워
운명에 몸을 싣고 덧없이 갈껀가요
 一葉舟

険しく荒れる波の上に か弱げな一葉舟
うらめしきわが身を乗せて 心虚ろに行く女人よ
春風花風の ささめきも厭わしく
奥深い沼へと はかなくも行くのだろうか

にわか雨の降りそそぐ 深い夜の葦の原
明日をも知れぬ人生航路 あてどなく行く女人よ
目覚めた月の 微笑みも厭わしく
運命に身を任せて はかなくも行くのだろうか

※作詞はイ・チョリョン(李喆鎔,이철용)という作家で、1992~96年国会議員(初の障碍者議員←足が不自由)。現在は易術家。) 彼がイ・ドンチョル(李東哲)の筆名で書いた小説「暗闇の子供たち」はイ・ジャンホ監督により1部が1981年に同タイトルで、2部が1983年に「馬鹿宣言」のタイトルで映画化され(ともに主人公の名もドンチョル)、また「コバン村の人々」も同タイトルで1982年ペ・チャンホ監督により映画化されています。
 作曲はキム・ヨンドン(金英東.김영동)。国楽の作曲家として多くの作品があり、ドラマや映画等の音楽もいろいろ手がけています。

 あ、「一葉舟」といえば五輪真弓の歌にもあったな。→コチラの動画参照。何十年ぶりかで聴いたゾ。

 この第1回目で私ヌルボ、自分が韓国の伝統歌謡が好みということに気づいてしまいました。次回は意識的に傾向の違う歌にするかな。それから、こんな長い記事ではなく、動画中心の短い記事にします。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [11月2日(金)~11月4日(日)]

2018-11-07 01:43:11 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸日本では9日から一般公開される「ボヘミアン・ラプソディ」は、韓国では10月31日から公開されていますが、観客動員数で2位というだけでなく、ネチズンの平均評価も9.68と、破格の高ポイントで1位になっています。クイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリーの伝記映画ということで、私ヌルボ、40年くらい前のことをじわっと思い出しました。(とくに「キラー・クイーン」は「ずいぶん音楽性の高い曲だなあ」というのが第一印象でした。) これはぜひ音響設備のいい映画館で観なくては・・・。
 さて、韓国のネチズンの中にも10点満点で1点しかつけてない人も約8千人中60人ほどいます。その理由で最も多いのは「同性愛がどうも・・・」という人。また数人が問題にしていたのは、予告編でクイーンのメンバーの1人が旭日旗の図柄入りのTシャツを着ていたことに触れていました。→コチラの記事参照。韓国人からの抗議を受けて製作会社側ではCGでTシャツを濃い赤色で塗りつぶしたとのことです。あいかわらずですが、やれやれです。※この記事の元の「中央日報」は、<旭日旗>でなく<戦犯旗>と書いています。
    
【韓国ファンの抗議で、旭日旗Tシャツ(左)をCGで塗りつぶした。】

▸10月30日(火)~11月1日(木)、3日連続で韓国文化院に通い、<コリアン・シネマ・ウイーク 2018>の日本初公開の4作品を観てきました。「復讐のトリック」「私に残った愛を」「トック」「母のノート」を観てきました。「復讐のトリック」の原作本は推理小説の名作とされるバリンジャーの「歯と爪」。何十年か前に読んで、結末部分が袋綴じになっているという体裁は思い出せたものの、内容はすっかり忘却。新鮮な気持ちで映画を観られると思ったものの、構成がフクザツな上に疲れ気味でついウトウト。まあおおよそは理解したという程度で終わったのは残念。他の3作品は、老齢とか病気とかで余命いくばく云々を悟った人の生き方が(大雑把な)共通項といったところか。それに(韓国でいうところの)多文化家族の問題を扱った「トック」(←インドネシア人の嫁が出てくる)とか、認知症の問題を取り上げた「母のノート」とか、今の韓国の社会を垣間見る、そんな要素もいろいろ盛り込まれています。
 そういえば、日本でも「エンディングノート」(2011)というドキュメンタリーの佳作がありましたね。それから「はなちゃんのみそ汁」(2015)は若くして亡くなったお母さんの話か。他にもいくつかあったような・・・。

▸先週の韓国の興行成績1位は韓国映画の「完璧な他人」。親しい連中が集まった場で、1人が提案したゲームが始まります。それは自分たちのケータイをテーブルに置いて、限られた時間の間に来る電話やSMS、カカオトーク等々をすべて公開しようというものなのですが、ゲームが始まると各々の秘密が次々と暴かれていって大変なことに・・・というコメディ(?)。今日本で公開中のアメリカ映画「search/サーチ」はPCの画面上だけで物語が展開するという構成と思いがけない結末で話題のようです。また2日から始まった北川景子主演の「スマホを落としただけなのに」もやはりすごく大変なことになっていく話のようです。このようにスマホやPCの怖い面を中心にすえた映画が各国で同時期に登場するのも現代社会のなにがしかを物語っていますね。

※先週も「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」と「週末の劇場街」は掲載されませんでした。

         ★★★ NAVERの人気順位(11月6日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(-) ボヘミアン・ラプソディ  9.68(7,917)
②(-) 晩夏(韓国)  9.58(12)
③(-) ポーランドに行った子供たち(韓国)  9.57(237)
④(-) 60日のサマー(韓国)  9.38(13)
⑤(-) 劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~(日本)  9.31(125)
⑥(-) スタビー軍曹  9.39(48)
⑦(-) パウロ 愛と赦しの物語  9.29(285)
⑧(1) 悲しみに、こんにちは  9.28(71)
⑨(2) ミス・ペク(韓国)  9.26(5,967)
⑩(3) 万引き家族(日本)  9.24(2,837)

 なんと①~⑦までの全作品が新登場! これまでになかったことです。今後もあるとは思えません。
 ①「ボヘミアン・ラプソディ」は、冒頭で書いたようにフレディ・マーキュリーの伝記映画。日本では11月9日公開です。韓国題は「보헤미안 랩소디」です。
 ②「晩夏」は、韓国のラブロマンス。チョンボン(イム・ウォニ)とソンヘ(シン・ソユル)はソウルでの生活を整理し、済州島でゲストハウスを運営しています。夏が終わる頃、彼らのゲストハウスに思わぬの客が訪れます。かつてソンヒェの恋人だったイング(チョン・ソッコ)と、過去チョンボンの職場の後輩だった女性チェユン(チョン・ヨンジュ)です。チョンボンにソンヘの過去を暴露するというイングのために、ただでさえ不安なソンへは、チェユンとチョンボンの間の微妙なフンイキを感じ取り、一層鋭敏になります。そんな中、イングとチェユン、そしてチェユンの友人のハソ(クォン・ハソ)は、同じゲストハウスに泊まることになった偶然の機会に済州島旅行を共にすることにり、4人の男女の心は複雑になっていきます・・・。原題は「늦여름」です。
 ③「ポーランドに行った子供たち」は、韓国のドキュメンタリー。1951年、朝鮮戦争中に北朝鮮の戦争孤児1500人が密かにポーランドに送られました。ポーランドの先生たちは言葉も通じない子供たちをやさしく抱きとめ、子供たちも先生を「ママ」、「パパ」と呼んで新しい家族として受け入れられます。しかし8年後、子供たちは突然の送還命令を受けることに・・・。2018年にはその子供たちの生死すらわかりません。ポーランドの先生たちは子供たちをしのんで今も涙を流しています。歴史の中のどこにも記録はありませんが胸に残っている愛の足跡を、チュ・サンミ監督と25歳の女性脱北者ソンイの2人が一緒にたどる旅に出ます。原題は「폴란드로 간 아이들」です。※朝鮮日報(日本語版)の関連記事→「ポーランド人はなぜ北朝鮮の戦争孤児の面倒を見たのか」(→コチラ.要登録)
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/10/26/2018102601974.html
 ④「60日のサマー」は、韓国のドラマ。ドンイル(チャン・グァン)は町内で一番ステキな(?)70代のお年寄り。タブレットを見て料理を作り、SNSに写真をアップロードしたりもしていて、独り暮らしを楽しんでいます。ところがそんな彼にピンチが訪れます。縁を切って暮らしていた息子が再婚を言い訳に孫をドンイルに任せてアメリカに行ってしまったのです。ドンイルの生活は不意に転がり込んできた孫のジェフン(ヨン・ジュンシク)により揺れ始めます。ジェフンは年寄りが世界一キライという思春期の少年で、2人で暮らすとなると絶望的になります。そんな中、近所で年寄りを対象にした犯罪が続き、ドンイルもまた被害に遭ってしまいます。ジェフンは犯人を捕まえようとしますが、ドンイルはジェフンの友だちを疑い始めます・・・。原題は「60일의 썸머」です。あの「(500)日のサマー」と何か関係があるかと思ったら、ぜ~んぜん!のようです。
 ⑤「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」は、日本では9月29日に公開したばかりで、今各地で上映されていますね。私ヌルボ、緑川ゆきの原作も読んでいません。日韓とも好評のようなので、観てみようかなという気になってきました。韓国題は「나츠메 우인장: 세상과 연을 맺다」です。<うつせみ>は<세상(世の中)>と訳されていますね。
 ⑥「スタビー軍曹」(仮)は、米・アイルランド・仏・カナダ・英の合作アニメ。史実に基づく作品です。第1次世界大戦中の1917年、アメリカ・コネチカット州の訓練キャンプで、兵士のコンロイはたまたま迷子になっていた犬を見つけます。誰よりも勇敢で賢いその犬スタビーは兵士たちと一緒に訓練を受け、コンロイと友情を築いただけでなく部隊を代表するマスコットになります。やがてコンロイ訓練を終えて戦場に出る時になると、スタビーも共に行くことになります。はたしてコンロイとスタビーは無事に任務を終えて帰ることができるでしょうか・・・。韓国題は「캡틴 스터비」です。
 ⑦「パウロ 愛と赦しの物語」はキリスト教最大の伝道者とされる使徒パウロの物語。日本でも11月3日から公開されています。韓国題は「바울」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) エクス・リブリス ニューヨーク公共図書館  8.50(2)
②(2) 暗数殺人(韓国)  8.14(7)
③(3) 万引き家族  8.13(8)
④(4) ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ  8.00(7)
⑤(5) 生き残った子[最後の息子](韓国)  7.67(9)
⑥(6) バディントン2  7.67(3)
⑦(8) 悲しみに、こんにちは  7.50(8)
⑧(9) ファースト・マン  7.44(9)
⑨(10) アリー/ スター誕生  7.43(7)
⑩(-) ハロウィン  7.43(7)

 ⑩「ハロウィン」だけが今回の新登場です。この作品については後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月2日(金)~11月4日(日) ★★★

         韓国映画「完璧な他人」が他を圧倒して1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(9)・・完璧な他人(韓国) ・・・・・・・・・・・・10/31・・・・・・・・1,173,171・・・・・・・1,664,613・・・・・・・13,909・・・・・・1,313
2(72)・・ボヘミアン・ラプソディ・・・・・・10/31 ・・・・・・・・・523,362・・・・・・・・709,342 ・・・・・・・・6,335 ・・・・・・・936
3(1)・・猖獗(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/25 ・・・・・・・・・174,993 ・・・・・・1,523,710 ・・・・・・・12,667 ・・・・・・・711
4(新)・・ルイスと不思議の時計・・・・・・・10/31 ・・・・・・・・・111,254・・・・・・・・169,342 ・・・・・・・・1,303 ・・・・・・・609
5(新)・・ハロウィン ・・・・・・・・・・・・・・・・10/31・・・・・・・・・・・45,018・・・・・・・・・90,492・・・・・・・・・・738 ・・・・・・・493
6(7)・・ハリー・ポッターと賢者の石・・2001/12/13 ・・・・・・37,195・・・・・・・・201,746 ・・・・・・・・1,754 ・・・・・・・・32
7(46)・・パウロ 愛と赦しの物語 ・・・・10/31 ・・・・・・・・・・26,260・・・・・・・・・43,193・・・・・・・・・・337 ・・・・・・・217
8(8)・・アリー/ スター誕生 ・・・・・・・・・・10/09 ・・・・・・・・・・23,507・・・・・・・・425,140 ・・・・・・・・3,737 ・・・・・・・154
9(3)・・ミス・ぺク(韓国)・・・・・・・・・・・・・10/11 ・・・・・・・・・・20,224・・・・・・・・710,780 ・・・・・・・・5,954 ・・・・・・・271
10(2)・・暗数殺人(韓国)・・・・・・・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・・16,698 ・・・・・・3,777,512 ・・・・・・・32,916 ・・・・・・・354
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の作品も観客動員数もこれといった注目ポイントに欠けるような感じですかねー。
 新登場は2・4・5・7位の4作品です。
 2位「ボヘミアン・ラプソディ」は、上述のように日本でも9日から公開されます。
 4位「ルイスと不思議の時計」は、日本ではすでに10月12日から公開されています。韓国題は「벽 속에 숨은 마법시계」です。
 5位「ハロウィン」は、アメリカのホラー。殺人鬼映画の先駆けとも言われるスプラッター・ホラー「ハロウィン」の第1作は1978年制作され、以後現在に至るまで8編の続編と2編のリメイクが作られる人気シリーズになりました。その第1作では6歳だった(!)殺人鬼マイケル・マイヤーズがちょうど40年経った今の話を盛り込んだ今作で派手に帰還をはたします。つまり、第1作の直接の続編ということ。そこでヒロインだったローリー・ストロード(ジェイミー・リー・カーティス)が再登場します。ということは57歳になってます。(うーむ・・・。) しかしマイケルに対する恐怖はかわらず、再びマイケルが襲ってくるという確信があり、戦う覚悟を決めています。そしてついに・・・。韓国題は「할로윈」。日本公開は来年4月です。
 7位「パウロ 愛と赦しの物語」は、上述のように日本でも11月3日から公開されています。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(15)・・パウロ 愛と赦しの物語・・・・・・10/31・・・・・・・・・・26,260・・・・・・・・・43,193・・・・・・・・・・337・・・・・・・・・217
2(1)・・ライ麦畑の反逆児・・・・・・・・・・・・・10/18・・・・・・・・・・・1,190・・・・・・・・・18,239・・・・・・・・・・152・・・・・・・・・・25
       ひとりぼっちのサリンジャー
3(3)・・グランド・ブダペスト・ホテル・・2014/3/20 ・・・・・・・・1,139・・・・・・・・814,591 ・・・・・・・・6,378・・・・・・・・・・22
4(14)・・リズと青い鳥(日本) ・・・・・・・・・・・10/09・・・・・・・・・・・・772・・・・・・・・・19,862・・・・・・・・・・167・・・・・・・・・・・6
5(8)・・ターシャ・テューダー・・・・・・・・・・・・9/13・・・・・・・・・・・・753・・・・・・・・・43,204・・・・・・・・・・342・・・・・・・・・・14

 1位「パウロ 愛と赦しの物語」が新登場ですが、上述のようにすでに日本でも公開されています。
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「漢拏山(ハルラサン)血統」とは? 脱北者の送金で豊かになる北朝鮮の家族  ▸チェ・ソングク「自由を求めて」より

2018-11-04 20:00:10 | 韓国の漫画

<ハトの背中を見て驚く脱北漫画家! そのわけは?  ▸チェ・ソングク「大韓民国定着記」より>に続く脱北者漫画家チェ・ソングクさんのシリーズ第2回です。
 脱北者や、北朝鮮についての興味深いネタがたくさんある中で、今回は韓国の脱北者からの北朝鮮にいる家族への送金をめぐる話
 この件に関しては、10月31日の<韓国デイリーNK>で「南の家族が送金した1万元を押収して着服した保安員を処罰」と題したニュース(→コチラ.韓国語)が報じられました。脱北した家族から送られてきた1万中国元を保安員(警察)に押収された北朝鮮の家族が怒って党に訴えたところ、保安員は着服が発覚して解任され、脱北者家族はお金は取り戻せなかったが何の処罰も受けなかった、というものです。つまり(ふつう行われているように)保安員もなにがしかの賄賂を取って送金を見逃す程度ならよかったのに、ということです。消息筋は「いくら敵対国のお金でも、平民のお金をむやみに奪って自分の欲を満たす法機関の人々に警鐘を鳴らす事件」だと語ったとのことです。
 北朝鮮は「脱北するとその家族は収容所送り」といったような脱北者家族に対する厳しいイメージがありますが、この頃はかなりようすが変わってきているようです。
 たまたま上記のニュースを読んだ時にこの漫画のことを思い出した次第です。

 「自由を求めて」シリーズ全3巻の3冊目「自由を求めて -回想」から。前回同様本筋の間に折り込まれている<作者の言葉>中の1つです。

 チェ・ソングクさんはまず家族を脱北させましたが、彼自身は捕まって比較的罪の軽い者を収容する労働鍛錬所で6ヵ月服役します。
 その間、住人のいない家は何十回も泥棒に入られ、結局無一文の乞食になりました。

    

 あの人、お母さんが南朝鮮に行ったのよ。
 だから目も合わせないで。
 ヘタに疑われるだけよ。

        南朝鮮? ドラマを
        見たらいい暮らしを
        してたけど。
 それは全部ウソよ。
 自分たちはいい暮らしをしてると
 宣伝しようとしてるのよ。

        そうかなあ?
        南朝鮮の商品は
        良かったけど・・・。

 ここでチェ・ソングクさんに対する読者からの質問です。


   北南カキコミ会談
    南側質問


뱅커(jsm8★★★★)
愛読してます。漠然と思うのですが、漫画を見ると、今後統一されてもたがいに考え方がずいぶん違っていて困難が大きいと思います。知りたい点は、今回の漫画で南韓がいい暮らしをしていることをすでに知っているようにコナムのお母さんがおっしゃってましたが、北韓の人たちも南と北の格差を認知していますか? それで南側に行きたいのだが旅券上むずかしいということですか?






 これに対するチェ・ソングクさんの回答です。

       北韓の人たちも南韓が暮らし良いことを認知しています。
       そして多くの人たち、特に若い人たちが韓国にあこがれ、
       行きたがっています。ところがその道は本当に危険な道なので
       たやすく決心することはできません。

               代わりに、韓流熱風は熱いです。そして北韓の体制上想像もできない
               階級が生まれました。事実、脱北者の家族は裏切り者階級に分類され、
               最もよくない取り扱いを受けなければなりません。

               しかし「漢拏山(ハルラサン)血統」と呼ばれて「白頭山(ペクトゥサン)血統」
               圧倒しました。

                         「白頭山血統」:金日成の親戚・姻戚
                         「漢拏山血統」:脱北者の親戚・姻戚



数日後・・・・
     南朝鮮にいるお母さんがお金を
     送ってきた? 乞食みたいに暮らして
     いたのが、最近<下町>の服で武装
     したわねえ。
※<下町(아랫동네)>とは
            南朝鮮(韓国)の隠語。
      南朝鮮ではお金が道の上に
      散らばってるの? 私がひと月稼いで
      も稼げない額よ。あの服を買うの
      なら貯めといて家を買うわ・・・
数週後・・・・

         あら、もう家を
         買ったのね?



          商売でも何でも
          南朝鮮にコネを
          つけなくっちゃ


「白頭山血統(백두산 줄기)」という言葉は日本でも週刊誌等でよく見かけますが「漢拏山血統(한라산 줄기)」という言葉は初めて知りました。
  なお→コチラや→コチラの韓国記事によると、その他にも「洛東江血統(낙동강 줄기)」=朝鮮戦争で功績のあった兵士の子孫、「富士山血統(후지산 줄기)」=朝鮮総聯系、「パルチザン血統(빨치산 줄기)」=金日成とともに抗日運動を闘った人の子孫、「龍南山血統(룡남산 줄기)」=金日成総合大学を卒業した人たち という言葉があるそうです。どの程度一般的かは不明。

関連の韓国記事
 ・「北 여성들 꿈은 ‘역적’ 탈북자 가족에 시집가는 것...‘한라산 줄기’ 선호(北朝鮮の女性たち 夢は‘逆賊’脱北者家族に嫁入りすること・・・‘漢拏山血統’を好む)」(→コチラ)・・・・2014年6月の朝鮮日報の記事。(すでにこの頃から報じられていたとは・・・。)
 ・「탈북자 송금이 북한 주민 먹여 살려(脱北者の送金が北朝鮮住民を食べさせ生かしている)」(→コチラ)・・・・2016年10月のKBSニュース。動画付き。

《私ヌルボの思うこと》
 1990年代後半25万~300万人と、その人数も正確に把握できない大量の餓死者を出したのがいわゆる<苦難の行軍>の時代でした。その後2000~02年を境に、餓死者はほとんど出なくなったとのことです。
 それは、配給も途絶した困難な時期に、住民たちが<闇市場>を舞台に商売をしたり、山の中などに自分用の小さな畑を拓いて耕作する等、自力で生きる道を切り開いていったからです。それらは社会主義の原則に反する違法行為ですが、かつてのような配給制度を再構築できない政府は<黙認>さらには<公認>せざるをえませんでした。その後2006年12月には成人男性の市場での商行為禁止、07年12月には50歳未満の女性の市場での商行為禁止といった規制策が打ち出され、09年11月には闇商人たちの秘密預金の一掃など資本主義的活動を一掃すべく通貨改革(デノミ)が行われましたが、経済に大混乱を招き、また各地で民衆の抗議行動も相次ぎました。そして改革が大失敗に終わったあと、05年~09年のすべての市場規制措置が撤廃されるに至りました。
 今、平壌では多くの車が走っている等々、意外なほどの変貌(発展ぶり)が報じられています。しかし、ヌルボ思うに、それは金正恩政権の施策によるものではなく、(一部)住民の自主的な商業とか中国等との取引・起業等によるもので、政府は上記のような<黙認>、<追認>をしているだけのようです。いや、とくに富を蓄積した連中と相通じているかも。(当然か?) なんか資本主義の初期段階を見るような感じ?
 長年の社会主義独裁政権下で「商行為は良くないこと」と教え込まれてきた人々の多くも、この20年間自力で稼いで生きてきたわけだから、食べ物とともに自分の財産についても相手が国であろうが断固守るゾ!という意識が強くなっているのではないでしょうか? 十分な恩恵も与えられない国が規制を図っても反発を買うだけです。
 冒頭で紹介したニュースも、そんな社会的な背景があるかもしれません。
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