ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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北朝鮮修学旅行のお土産を没収された朝鮮高校の生徒たちをめぐる、どうしようもない大人たち

2018-07-13 17:58:26 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 1つ前の記事で、コメントのレスを書いているうち、この件で私ヌルボとしてはめずらしく(?)感情に走ってしまい(笑)、その勢いのままで一気にこの意見記事を書くこととあいなりました。

 朝日新聞のニュース(→コチラ)によると、
 神戸朝鮮高級学校の生徒62人が6月28日夜「祖国訪問」を終えて関西空港に到着した際、約半数の生徒が、税関職員に北朝鮮の国旗などが描かれた化粧品や薬などの土産品を、経済制裁で持ち込みが禁止された輸入品だとして押収したことに対して、朝鮮総連が29日日本政府に抗議する会見を開いた。
とのことです。
 その後、この税関の措置に対する抗議の声は各地で上がっているようで、韓国紙の中央日報は「韓国をはじめ世界各国の約250ヵ所の市民団体と個人が連名で参加して、日本政府による朝鮮学校の修学旅行物品押収を糾弾する記者会見を行った」と伝えています。(→コチラ。)

 ネット上でも賛否の論議はいろいろありますが、朝日新聞の記事を読んだ人の多くは土産を没収された生徒たちに同情するのではないでしょうか? 「押収品には親族や友人からの贈り物も含まれていた」というし・・・。

 私ヌルボ思うに、この出来事ではっきりしているのは、「被害者」は当の生徒たちだということ。
 では「加害者」は誰なのか?

 直接ナサケ無用の措置をとった税関について、朝日新聞の記事には次のように書かれています。
 税関関係者によると、政府は核実験などへの制裁措置として、北朝鮮からの全ての貨物について、経済産業相の承認がない限り輸入を禁じている。税関では旅客の土産品なども含め、そのつど経産省に確認しているという。
 経産省貿易管理課は「個人の携帯品は、出国時に持ち出したものや旅行中に使用したと認められるものを除き、個別に承認することになる」としている。


 「個別に承認」というのは誰がするのか、わからず。しかし、税関は(批判する側にとっての)主敵ではなさそうです。

 朝日の対極の夕刊フジの記事(→コチラ)にも、
 もともと、北朝鮮への経済制裁は、国際社会のルールを破った核実験などに対する報復措置であり、「核・ミサイル開発」の資金源を絶つのが目的だ。そのため、私的に使うことが明らかな衣類などは没収されない。
・・・と書かれていますが、この記事では自民党政調会長代理の片山さつき参院議員
 「日本は、法と正義のもとに北朝鮮に経済制裁を科している。土産品も、生徒への嫌がらせではなく、経済制裁で持ち込みが禁止された輸入品ゆえに、法令に基づき押収した」
・・・という反論を紹介するとともに、
 日本は、北朝鮮側の恫喝に動じることなく、完全非核化の達成までは、経済制裁を維持し、毅然と対応すべきだ。
・・・と結んで、(多少は距離を置きつつも?)税関の措置を擁護しているようです。

 しかし。生徒が持ち帰った土産を没収することがどれだけ「核・ミサイル開発」の資金源を絶つ」ことにつながるのでしょうか?
 そして、直接当事者だけではない、海外を含めて抗議が上がるともなると、政治的判断も誤ったと言わざるをえません。
 私ヌルボの考えることでもありませんが、ここは<厳密には疑問もあろう>が、<生徒たちの心情を尊重>して、<私的に使うことが明らか>であり、<人道的>に対応し<特例として認める>ことにした、・・・と総連等に恩を売っておく方が政治的宣伝効果もあり、はるかに賢い選択だったと思うゾ。(もしかして「神対応」と評価されたり、とか?(笑))
 ところが片山さつき参院議員の大反論なんぞ、かえって反発を招くばかりでは? あ、<右>方面の人たちを元気づけるのが目的だったですか?

 没収措置を肯定する側の意見でそれなりにナルホドと思ったのは<夾竹桃日記>の主張(→コチラ)の一部です。一部というのは、次の2カ所。
 ・修学旅行へ出向く際、日本から持ち出せる物、日本へ持ち帰れない物について、事前に確認してたのはずであり、経済制裁による規制があると承知の上でそれを破ろうとしたのか、と疑いたくなります。
 ・北朝鮮への経済制裁が発動中であるのを承知の上で、北朝鮮へ修学旅行に出向いたのに、「自分たちを特別扱いしろ」と言い放つ彼らの態度には呆れますし、うんざりさせられます。


 たしかに、ネット上の記事だけではわかりませんが、朝鮮学校の先生方が事前にこのような事態を予測していたのかどうか、また生徒や保護者たちに説明していたのかどうかという点は私ヌルボも知りたいところです。
 今の情勢で予測していなかったとしたら鈍感すぎるし、予測していたら事前に何らかの対応をすべきで、常識的にはしていたのではと思いますが・・・。
 もしその点で手落ちがあったのなら、抗議の前にまず謝罪でしょう。

 そもそも、朝鮮総連は何がこのような事態を生んだのかをどのように理解しているのでしょうか?
 もちろん北朝鮮の核武装です。朝鮮総連はそのことについて素通りして今回のことに抗議しているのは、私ヌルボとしてはとても引っかかることです。
 逆に素通りしてないのは、「米朝和解の流れが出てきた中で、唯一、日本政府だけが敵対行為に固執し、子どもの人権を踏みにじっている」と主張していること。
 今、非核化の道筋さえ不明瞭な時点で、このような「流れ」が仮に事実だとしても、それは北の指導者同志の外交手腕(?)等によって醸し出された雰囲気にすぎません。

 私ヌルボ、今回の件に限って言えばたしかに人権蹂躙だと思います。
 しかし、あなた方朝鮮総連がそれを言うとは・・・。
 いや、非を唱えるつもりはありません。ただ、人権をいうならこの何倍も北朝鮮の政権に対して言ってほしいものです。いや、1万倍でも足りないくらいです。

 修学旅行に限って言っても、「日本から北朝鮮には行けるのに北朝鮮の生徒たちが日本に来られないのはとはどうしてですか?」と生徒に質問されたら、朝鮮学校の先生はどう答えますか?
 北朝鮮の人たちは、日本どころか、国内を自由に旅行することすらできません。それはなぜですか?

 北朝鮮の独裁政権による人権蹂躙の数々は数え切れるレベルではありません。犯罪的な、いや犯罪そのものの拉致事件も、政治犯収容所でさえもその一部にしかすぎません。総連の職員の皆さんも実は知っているんでしょ? また、総連がそれらの人権蹂躙の片棒を担いできたことも。そんな「人権蹂躙」について、今まで(1万倍とは言いませんが)10回、いや5回くらいは物申したことはありますか? もしかして、疑問を感じつつも上からの指示に従ったことはなかったですか?
 たぶん総連の職員の皆さんもある意味では被害者的側面もあり、本国の政権をメイワクと感じる部分があるかもしれません。この数十年の組織の先細りも、日本及び在日の現状を知らない本国の政権とその政治姿勢が大きな要因ではないですか。もちろん、総連が本国と在日朝鮮人の間にあってそれなりに意義ある役割もはたしてきたことは否定しませんが、個々の職員の皆さんが(北朝鮮の人々の実情も視野に入れつつ)良心に恥ずることのないよう期待するばかりです。
 もっと早い時点(金日成の独裁が確立した1970年代)に本国と直接的な関係を断って、在日朝鮮人の生活と権利を守る組織として自立していればよかったのに、と今言ってもしょうがないですけど・・・。

 <夾竹桃日記>と反対の主張では、<アリの一言>というブログの「「朝鮮学校生の修学旅行土産不当押収事件」その後」という記事(→コチラ)も読みました。が、ほとんど朝鮮総連の機関紙・朝鮮新報の引き写しで、7日ソウルで開かれた抗議集会で発表された抗議声明等、北朝鮮側メディアの記事をそのまま紹介しています。内容的に当たっている部分はかなりあるとは思うし、ブログ主さんが上掲の議員とは全然別の良心的な方だとは思います。ところが、上述のように北朝鮮のことは当然すべて棚に上げられています。
 「泣きじゃくる子どもたちを前に、機械的に持ち物を押収し・・・」云々と言うのなら、脱北して中国に潜んでいる人たちを見つけて強制的に北朝鮮に送り戻し、拷問を加えて等々は、はるかに重大な人権侵害、いや犯罪行為でしょう。そんな事例は過去70年、山ほどあります。それらのことを知らずに、あるいは知っていても全然ふれずに日本政府・日本社会の人権侵害を批判しても説得力に乏しく、幅広い支持が得られるとは思えません。国対国の枠組みではなく、また民族とか国籍とかよりも、まず個々の人間の人権に即して考えたいものです。(韓国の文在寅政権が脱北者に冷淡で北朝鮮に好意的なのはなんでですかねー。日本の<左>の方の人も「人権」と叫ぶわりには北朝鮮に何も言わない人が多いし・・・。)
 このブログ主さんにはぜひ「日本語訳国連北朝鮮人権報告書」(ころから)とか、数多く出ている脱北者の手記等を読んでほしいものです。政治色が気になるなら、伊藤亜人「北朝鮮人民の生活」(弘文堂)もおすすめです。

 一方、この問題に対するネット上の反応を見ると、あいかわらず多いのは明かな民族差別的言辞です。
 先の<夾竹桃日記>の記事の末尾も「それほど日本政府の対応が気に入らないのなら、北朝鮮へ帰国し、そこで暮らした方がよいのでは?」とありますが、まだまだ穏やか(?)な部類です。
 この人たちは、自分たちの論理が当の生徒たちに対して説得力があると思っているのでしょうか? あ、そういうことは全然考えていないし、考える必要がない、ということ?
 あるいは、自分たちの主張が味方を増やすか敵を増やすかということは・・・、あ、それも考えていない?

 私ヌルボ、「弱者に手を差し伸べる」というのは<日本人の美徳>と思っていましたが、少なくとも今はそうではなくなってきてるようですね。在日以外にも<弱者タタキ>が近年いろいろ目につきます。
 江戸時代、鳥取に漂着した12人の朝鮮人漂流民を地元の人たちや鳥取藩が手厚く保護して本国に返してあげたという内容の記事を少し前に書きました。(→コチラ。)
 それから約200年後の今は、「朝鮮有事の事態になって難民が押し寄せてきたら武力を行使してでも撃退しろ」という主張まで出ているしねー・・・。

 <嫌韓>は<反日>を生み、<反日>もまた<嫌韓>を生む
・・・という言葉があります。(って、ヌルボ自身の言葉ですけど。)
 今回の一件も、また新たな<反日>と<嫌韓>を生み出してしまったかもしれません。あーあ。

 それにしても、当の生徒たちを取り巻く大人たち、なんでこんなにヒドい連中ばかりなんだ!

 遅まきではありますが、今からでも「北朝鮮の政治犯収容所や拉致事件にも等しい人権蹂躙をしてしまいました」と謝罪して土産を返すべきです。
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米朝首脳会談始まる ▸▸ ところで「体制保証」って何なの?

2018-06-12 15:09:30 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 いよいよ米朝首脳会談です。
 焦点はもちろん「非核化」。アメリカは「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)を追求するとか。ただ、北朝鮮の非核化なのか朝鮮半島の非核化なのか?は不明確。
 それに対して北朝鮮側は「体制保証」を求めているとか。
 今朝の毎日新聞によると、ポンペオ国務長官は昨日(11日)夜の記者会見で金正恩政権に「特別な体制保証」を提供する用意があると表明したとのことです。

 ところで、この「体制保証」とは具体的にどういうことを指すのでしょうか?

 私ヌルボが思ったのは、金正恩の支配体制の維持を求めているのかな?ということ。
 しかし、その政権の存廃や、体制の維持(or転換等)はその国の人たちが決めるのが当然で、他国に求めることではないし、まして北朝鮮の場合金日成以来3代続く独裁政権の下で住民の生存権をはじめとする基本的人権の侵害が続いているのに、その体制の保証をするのは論外じゃないの?という疑問を持ってきました。

 この疑問に対して、初めて目にした記事は、これまでも何度か本ブログで紹介した朝鮮日報の鮮于鉦(ソヌ・ジョン)社会部長「北朝鮮の体制保証と「韓国並みの繁栄」は同時に可能なのか」という5月25日のコラムです。(日本語版→コチラor→コチラ)
 要点を抜粋します。
 北朝鮮政権の支持者たちは、北朝鮮経済の破たん原因を外的要因にすり替える。西側諸国の敵対政策・圧力・封鎖のせいだというのだ。これもやはりうそだ。(中略)
 北朝鮮経済の失敗の原因は内部矛盾にある。北朝鮮内部矛盾の根にも頂点にも「唯一体制」があることはほとんどの学者が認めている。簡単に言えば、唯一体制とは首領(北朝鮮のトップ)1人がすべてを決定し、人民がそれに服従する体制をいう。(中略)唯一体制は共産独裁とは違う。開発独裁とも全く違う。この体制に会った瞬間、収奪と引き換えに得た日本の資産、共産陣営の援助、西側諸国の好意的投資は、砂漠にまかれた水のように蒸発してしまった。それは今後も同じだろう。
 トランプ米大統領は「北朝鮮が核兵器を放棄すれば体制を保証する」と言った。その上、「韓国並みの繁栄」まで約束した。これほどの矛盾はない。体制を保証すればいかなる繁栄も不可能だ。繁栄のためには体制を変えなければならない。究極のことを言えば、体制の変更なしには完全な非核化も達成できない。北朝鮮の体制を支える唯一の力が核だからだ。この回りに回った矛盾を知りながら、口にしない。今の局面が崩れるのではないかとみんな恐れている。


 後に知ったことですが、この記事より先の5月17日に団藤保晴氏(ネットジャーナリスト、元朝日新聞記者)による「北朝鮮が米に苛立つのは体制保証への無理解か」という記事(→コチラ)があることを知りました。
 南北閣僚級会談を一方的に中止し米朝首脳会談の再考を言い出した北朝鮮。既に始まった軍事演習を理由にしつつも、ポンペオ米国務長官が持ち出した体制保証が求めているモノではないと拒否したのではないでしょうか。金正恩国務委員長ら支配層が求める体制保証は強権的な権力支配構造の維持であり、国民全体を豊かにする普通の国への転換ではないと考えられます。むしろ、国全体が豊かになれば社会が民主化に走って権力は失われます。民主化を阻止するために必要な、中国が「ブラックテクノロジー」でしている国民を監視・管理する技術も資源もありません。

 朝鮮日報では、6月4日 イ・ドンフンデジタル編集局政治部長が「「北朝鮮の体制保障」を心配する文在寅大統領」と題したコラム(→コチラ)で次のように書いています。
 北朝鮮の体制を心配する文大統領に尋ねずにはおれない。一体どこまで保障するつもりなのか。米国の軍事攻撃からの保護? 相互不可侵? こういうものであれば、助けてやれる。韓半島(朝鮮半島)で戦争を防がなければならないという韓国の立場からは、当然のことだ。
 だが、内部の矛盾で自壊を避けられない体制の問題となると、話は別だ。この場合、韓国は金正恩体制の安全を保障できないし、保障してはならない。カダフィの最期を知っている北朝鮮は、「リビア」の話を持ち出すだけで過敏に反応するが、カダフィを殺したのは米国ではなく反乱軍の銃弾だったことを北朝鮮も理解している。「金正恩体制の保障」とは、カダフィのように人民の手で殺されないようにしてくれ、ということなのか。人民の蜂起を米国が防いでやらなければならないのか。
 北朝鮮の政権は、いわゆる「白頭の血統」を中心にした少数の既得権を守るため、類例のない反人権政策を繰り広げ、時代に合わない閉鎖経済を維持した。(中略)こんな北朝鮮の体制の安全を、国際社会が保障してやる方法はない。
 北朝鮮に対する、完全かつ検証可能で不可逆な体制保障? トランプ大統領ではなく、神が来てもそれはできない。すべきでもない。口癖のように民意と人権を語ってきた学生運動関係者が中心の文在寅政権も同様だ。金正恩体制の保障は、米国や韓国ではなく、北朝鮮人民の手にかかっている。


 このような北朝鮮の体制に対する批判的論調は保守紙の筆頭格の朝鮮日報だからこそなので、韓国のメディアあるいは一般の韓国人の全体から見れば少数派でしょう。

 ほぼ同様の趣旨で、私ヌルボが共感しつつ読んだのが知日派ジャーナリスト崔碩栄(チェ・ソギョン)氏の6月6日の記事「北朝鮮の「体制保証」と「人権改善」は両立できない」(→コチラ)です。
 両国が最も重視している問題は「完全な非核化」と「金正恩体制維持」である。(中略)
 もし米国が北朝鮮の段階的非核化を容認し、それに対する見返りとして、北朝鮮の体制を保証して、経済制裁を解除すればどうなるだろうか?
 朝鮮半島から核と戦争の脅威がなくなり、南北が経済・文化交流を通じて繁栄を成し遂げる平和の時代が訪れるだろうか?
 少なくとも、文在寅政権をはじめとする北朝鮮に信頼と支持を送る人々にはそのように見えているようだ。しかし、北朝鮮の非核化と体制維持が実現されることはあっても、その結果として平和の時代が訪れることは不可能である。少なくとも北朝鮮という「国家」においては。なぜなら、北朝鮮の体制維持と北朝鮮の人権の改善は同時達成が不可能だからだ。
 (中略)現在の金正恩体制を維持するためには、人権弾圧は続けるしかない。そうしなければ、体制の維持は不可能だからである。
 徹底的に閉鎖された社会で生きてきた北朝鮮住民に開放と交流という経験は動揺をもたらし、それは自然に統治体制への不満と反発という連鎖を起こすだろう。金正恩にとってこれほどの脅威はない。もし米国が非核化の見返りに、金正恩体制の維持を保証したならば彼は依然として国民に閉じられた世界での生活を強いるに違いない。そうすれば内部の動揺が広がることはない。しかし、北朝鮮内では何一つ変われず地獄のような状況が続くだろう。(中略)
 外部からの軍事的脅威より怖いのが、内部の反発から始まる体制の崩壊である。それは過去のソ連をはじめ東欧の共産国家が外部からの力の圧力ではなく、内部の反発と抵抗から崩壊した歴史がよく証明している。北朝鮮の立場からすれば、非核化より受け入れがたいのが自国内の人権問題への干渉かもしれない。


 ところが、大多数の日本の新聞等は「体制保証」の内容を具体的に説明した記事は探してもなかなか見つかりません。

 そんな中、6月5日付の中日新聞・城内康伸記者の「<激動 米朝首脳会談>(2) 体制保証」という記事(→コチラ)を読みました。そこで「アレレ?」と思ったのは右画像の「北朝鮮が求める体制保証」という表の内容。もっぱらアメリカ相手の軍事関係のことしか記されていません。城内康伸氏は東京新聞ソウル支局長だったこともあり、韓国・朝鮮について詳しい人ですが、決していわゆる<親北>ではありません。ただ、この表については疑問を感じたのでいろいろ他の記事を探ってみたというわけです。
 記事本文には、次のように書かれています。
 専門家は体制保証について「米国が軍事的脅威を解消し、北朝鮮特有の独裁体制を認め、安全を保証することだ」と解説する。
 その具体策として、韓国政府高官は(1)朝鮮戦争の終結を宣言した上で休戦協定を平和協定に転換(2)米朝が相互不可侵を約束-などを挙げる。北朝鮮は最終的には、米国との国交正常化を念頭に置くほか、敵視政策の表れと見なす経済制裁の解除も求める。
 北朝鮮関係筋は「米国では政権交代がある。口先だけでなく、約束を担保する制度的保証が重要だ」との考えを示している。

 ・・・ということで、どうも右の表は何のことはない、「韓国政府高官」の考える体制保証ということのようです。つまり、アメリカの「軍事的脅威」の方が「北朝鮮特有の独裁体制」よりずっと問題があるという認識があるようですね。
 ※朝鮮戦争の終結については、東京新聞の五味洋治編集委員が昨年12月「朝鮮戦争は、なぜ終わらないのか」(創元社)というタイムリーな本を刊行しています。

 最初に記すことだったかもしれませんが、ここで私ヌルボの北朝鮮に対するスタンスを示しておきます。それは「北朝鮮だけではなくどの国についても同様ですが、政府(指導者)とそこの住民を峻別すること」。そしてもちろん、北朝鮮(及び世界各国の)人々の人権を尊重することです。
 そんな観点から、北朝鮮住民の生存権をはじめとする基本的人権を否定し続け、政敵を多数粛清してきた金日成以下3代の独裁政権は到底許すことはできません。よほど思い切った改革に踏み出さないかぎりは滅亡を期待するしかありません。(ただし外国からの軍事攻撃は住民や兵士を犠牲にし、その後の国際情勢も不透明になるのでダメ。) 北朝鮮住民の人権問題を重視する観点からは、北朝鮮だけでなく、中国をはじめ韓国・日本・アメリカ・ロシアも共犯といえるかもしれません。住民の人権よりも東アジアの政治的安定を優先してきたから。
 もしかしたら、今回の米朝会談もそういう形で終わってしまいそうな気がします・・・。

 この記事を書き始めたのが午前10時。ずっと日経の→<米朝首脳会談ライブ>を見ながら書いてきました。
 今はもう14:58。「トランプ大統領と金正恩委員長は署名した合意文書を手にして並びました。ワーキング・ランチを含めて約5時間の歴史的な首脳会談が終わりました。」というところです。
 はたして、会談の中身はどういうことになっているのか?

 この記事、こんな会談当日ではなく、もっと前に書くべきだったですね。
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私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感[10] 神保町の古書店めぐりで仕入れた韓国関連本いろいろ

2018-05-07 23:45:51 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 1つ前の記事で近頃新刊書店にあまり行かなくなっていたと書きましたが、古書店についても同様です。
 団塊世代もいよいよ70歳前後。健康面や経済面の不安を日常的に抱えていて趣味にお金をつぎ込めない人はきっと多いのでは? そんな悩みは私ヌルボにとっても決して他人事ではなく、そんな心理的圧迫も働いているかもしれません。

 ま、それはそれとして、2日はすずらん通りの古書店<古書かんたんむ>に行ってきました。
 店の名は、→<日本の古本屋>のサイト等で以前から知っていて、通販を利用したこともありましたが、店舗を訪れたのは今回が初めてです。

      

 店の場所は、三省堂のすずらん通り側の出入り口の左隣の建物の5階。
 しかし、目立つ看板があるわけでもなく、ちょっと怪しげ(?)なエレベーターで上がるのですが、敷居が高い感じは否めません。まあ、「敷居が高い」といえば内山書店2階のアジア書房も同様だし、チェッコリの場合は蕎麦屋(嵯峨谷)の入口横の小さな階段を3階まで歩いて上がるのだから、それを思えばまだマシか。
 で、古書かんたんむですが、なるほど期待通りの品揃え。いわゆる「黒っぽい」本がずら~っとそろっています。全部の棚をじっくり見るのは無理。4分の1くらい丹念に見て、あとは後日ということに。
 とくに気に入ったのは、絶版文庫がずいぶん低価格で売られていること。あ、文庫以外も全体的にお手頃値段。私ヌルボ、ずいぶん前にどこかで読んでてっきり史実に基づいた話かとだまされた井伏鱒二「鞆ノ津茶会記」(講談社文芸文庫)等数冊を購入しました。

 その2日後。ある古書店の入口で古書展のお知らせポスターを見ました。(下左) そこで思い出したのが駿河台下の東京古書会館(→地図等)のこと。

      

  おりしも、今日は金曜日。もしかして古書展が開かれているのでは?と思い、行ってみると、案の定「古本市 開催中」の立て看板が出ています。(上右)


 (旧)東京古書会館が落成したのが1967年5月。してみると、私ヌルボが初めて行ったのはその1年後くらいだったのか? また、一番足繁くそこでの古書展に足を運んだのも学生時代でした。
 当時は神保町だけでなく、都内各地の古書店に「古書店地図帖」(右画像)を持って行ったものです。とくにヌルボだけの趣味ということでもなく、同好の士も仲間内にいました。
 新東京古書会館の竣工が2003年ということで、こちらの建物にはあまり馴染みはありません。この15年で5回くらい来たかな?
 地階の会場内を見渡すと、若い人はほとんどいないような・・・。あ、中学生くらいの少年が鉄道関係の本を漁ってるゾ。

          

 この4・5日は城北古書展。古書かんたんむ同様、この古書展でも設定価格がずいぶん安いなーと思いました。500円を超える本の方が少ないのでは、というくらい。
 私ヌルボが購入した本も200円か300円のものばかりで、全8冊(上右)でちょうど2千円でした。

 8冊中一番うれしかったのは「日本残酷物語 現代篇2」。1960~61年に刊行された第1~5部と現代篇1・2の全7冊のシリーズですが、古書店で購入したものには現代篇2だけ抜けていました。また1995年刊行された平凡社ライブラリー版には現代篇はナシ。その1冊のためだけに全揃を買うのもアホラシイし、・・・ということで今に至っていたのです。
 今、その内容を見ると、「若きテロリストたち」というタイトルで→コチラの過去記事でも書いた大正末期のテロリスト集団ギロチン社のメンバーのことがなかなか⑨詳しく書かれています。とくに、あまりよく知らなかった田中勇之進のこととか、「鉄窓の俳人」和田久太郎のこととか。ギロチン社の他に、本ブログでこの数ヵ月何度か書いた(朴烈事件の)金子ふみ子についても、約5ページにわたって記されています。ということで、この本は200円で買えたはことも含めて3重にラッキーでした。
 ※「日本残酷物語」の書名は、なんとなく映画「ヤコペッティの世界残酷物語」(1962)からとったものかなと思っていましたが、「世界残酷物語」からして原題とは関係なく配給会社が「青春残酷物語」(1960)を意識して考案した、とウィキペディアには書かれています。

 「季刊三千里 15号」は1978年8月発行。特集のテーマが「8・15と朝鮮人」だったので買いました。というのは、という以前から疑問に思っていたことがわかるかも・・・と思って。
 その疑問というのは・・・
 1945年8月15日。つまり韓国では<光復>の日。韓国各地で「独立万歳!」と太極旗を振って喜んだ人たちは、どんな政体、どんな指導者または政治団体をイメージしていたのか?
 ・・・ということ。それとも、それまでの支配者・日本が敗北し撤退すること=独立と思っていたのか? あるいは呂運亨を中心とする建国準備委員会が一定程度認知されていたのか?
 私ヌルボ、タイムマシンがあればその時太極旗を振っていた1人1人にぜひ訊いてみたいです。
 そんな意味で、この雑誌掲載の高峻石「ソウルで迎えた八・一五」は<正解>には至らないものの、けっこう当時の具体的な状況がわかりました。

 「朝鮮の女」の著者・角圭子は、以前→コチラの記事で詳しく紹介した<自伝小説>「鄭雨沢の妻」を書いた人です。

 柳舜夏(ユ・スンハ)「韓国人の癇癪 日本人の微笑み」は、会場でパラパラッと見て衝動買い。帯には「韓国で大論争を読んだ衝撃の「日韓比較論」」とか、「韓国人は、日本への「劣等感」で病んでいる!」といった、<嫌韓>の人たちにうけそうなキャッチコピーが書かれ、ページを開くと「福沢諭吉の脱亜論は妥当だった」といった見出しも目に飛び込んできます。しかし、なかなか説得力のある文章が冷静な筆致で書かれていて、元の韓国版(書名は「당신들의 일본(あなた方の日本)」)を読んだ韓国人読者にも★5つをつけた人は何人もいます。(→<YES24>参照) この本も200円とは安い買い物。(・・・って、こんな安価でないと売れない時代になっているということ??)

 あー、あと10分で1日の終わり。今日は2つ、あわよくば3つ記事が書けるかも、と思ったのに・・・。まあ毎日1つずつでも書いていけばだんだん在庫は減っていくでしょう・・・と、捕らぬタヌキだな、これは。 
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私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感[9]  南北首脳会談中、KBSテレビと同時進行で・・・ ②南北の鉄道の連結(?)とか、北朝鮮での報道とか・・・

2018-04-27 18:33:15 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 首脳会談参席者の人たちの昼食時間から2時間近くも遅れて、私ヌルボもおにぎり2個の昼食。ちょっとぜいたくして1つはイクラにしました。フッフ。

 その間、またKBS1ラジオを聴いていたら、「평화통일」(ピョンファトンイル.平和統一)の4文字で始まる4行の短文を視聴者から募っていました。「1.平壌に行って・・・」、「1.平昌五輪で・・・」という2つだけの、それも最初しかアタマに残っていませんが、まあ楽しそうな雰囲気というか・・・。私ヌルボが考えたのは、「穏に・解が成っても・行は・方向だけか」なんですけどね。
 今度は「善竹橋に行きたい」という視聴者の声も紹介されてました。開城市内の名所ですね。(実は1991年に行ったことがあります。)
このような期待は(真偽は別として)全然根拠のないものでもなさそうで、今日のテレビでもたとえばこんな話題が出ていました。
【文大統領「南北の鉄道が連結すれば皆が利用できる」】

 そして次のような映像も。
【(今はない)京義線長湍(チャンダン)駅にあったSL。】

 このSLについては、→コチラや→コチラの記事に詳しく書かれています。

 さて、1つ前の記事で「北朝鮮ではこの首脳会談のことも少ししか伝えられていない」といったことを書きました。
 これについては、石丸次郎氏による2つの記事に目を通してみてください。
 →<南北首脳会談を知らない北朝鮮の民 国内はどうなっているか? 30代の女性に最新情勢を聞く>
 →<「韓国のように自由に暮らしたい」 南北会談直前に聞いた北朝鮮国民の期待とは?>
 そういえば、北朝鮮住民の声として、「戦争が起こればいい」という、平和ではなく戦争への期待を過去何度も本等で読んだこともありましたね。つまり、現在の苦しい状況が変わるのでは、ということです。
 ところが、午後に入ってKBS1テレビを続けて見ていたら、今日発行の北朝鮮「労働新聞」の1面の映像とともに「このように大きく取り上げるのは異例のことです」とコメントしていました。(こうした新聞がどれほど読まれているか、正確なところはよくわかりませんが・・・。)
 その紙面ですが、→コチラから直接見ることができます。また右クリックすれば1~6面の各面をPDFファイルで「名前を付けて保存」することもできます。
 ということで、その1面の上の方を貼っておきます。
【文字ばっかりで読みづらい。写真はこの下の方に1枚あるだけです。】

 見出しは、一番上が「敬愛する最高領導者 金正恩同志が /板門店の南側地域で開かれる歴史的北南首脳相逢と会談のため平壌を出発された」
 ※つまり北朝鮮では南北頂上会談とは言わないのですね
 その下段左は、「敬愛する最高領導者 金正恩同志の革命活動のニュースを各国と地域で報道」、その右が「朝鮮が取る措置は世界の進歩的人民の熱烈な支持を受けている」
うーむ・・・。(今は何も言うまい。)
 また、北朝鮮の公式サイト<ウリミンジョクキリ(わが民族同士)>(→コチラ)にも大きな記事があるとのことで、次の画像が映されていました。
【直接関係ないですけど、専門用語も知っていて、即座に通訳する手話通訳の方もすごい。】

 見づらい画像ですが、この記事も、→コチラで見ることができます。(朝鮮語が読めなくても、翻訳ソフトを利用すればほぼOK。)  見出しは「熱い民族愛と確固とした統一の意志によって設けられた歴史的な出来事」。記事本文の太字部分は例によって指導者同志のお言葉です。
 《醸成された情勢は、今こそ北と南が過去に囚われないで北南関係を改善し、自主統一の突破口を開くため決定的な対策を立てていくことを要求しています.》

 ・・・と、いろいろアタフタと記事を書いていたら、テレビの方はもうこういうことになっているではないの!
【「共同宣言文の内容に関心集中」】

 まあ、これだけ多くの国民に期待を抱かせたのですから、それを裏切ることはないでしょう。折り合いがつかなかったこと、マズいことはあったとしても当然公表しないだろうし、韓国メディアも読者に合わせた報道をする傾向があるからなー。・・・という中で、今や(この話題については)少数派の代表的保守紙「朝鮮日報」がどんな報じ方をするかちょっと興味があります。

 もう1つ記事が書けるかなと思ってましたが、甘かったか。この南北首脳会談の準備委員長、任鍾晳(イム・ジョンソク)について書きたかったのですが、それは今度。
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私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感[8] 南北首脳会談中、KBSテレビと同時進行で・・・ ①浮き立つ韓国、金正恩の肉声など

2018-04-27 13:13:14 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 今4月27日(金)午前10時。PCでKBS1TVのニュース特報を見ながら書き始めました。

 あっという間に南北首脳会談当日になりました。
 あ、韓国語では<정상회담>(チョンサンフェダム.頂上会談)と言いますね。そもそもgoogle検索で<首脳>は<정상>と変換されます。

 韓国のラジオを聴いていると、何日も前から期待の大きさが実感されました。「まだ始まってもいないのに、こんなに喜んじゃっていいの?」と(私ヌルボとしては)心配になるほど。
 ニュースを伝えるアナウンサーの声も弾んでいるようで、識者の座談会では笑いが何度も出てました。
 一般の人たちの声も「開城工業団地が・・・」とか「離散家族相逢(상봉)が・・・」とか期待する声がほとんど。(各メディアの<方針>とか<忖度>とかも入ってる?)。さらには、「朝鮮半島の平和」はすでに確定事項で、それどころか「統一の日も近い」と現時点で受け止めている人がずいぶん多いようで、(私ヌルボも含めて)日本人としてはかなり違和感があるのでは・・・。
 「金剛山に行ってみたい」等々の声もありました。そういう人たちははたして北朝鮮の人たちのことが視野に入っているのでしょうか? (国内でさえ旅行許可証が必要な国。オリンピック等で外国に行っても行動の自由がない国。)
 KBSニュース特報では、この2時間内でも数回<海外の反応>を伝えています。「日本では、NHKが・・・」等々。「世界が注目している」云々という言葉が何度も入ります。「注目」だけでなく、ほとんどが「期待」「歓迎」。「歴史的・・・」という言葉も、この数日で何十回も聞いたようだぞ。
 「歴史的」、「世界が注目」、たしかにそうですけど、気持ちの中に「懸念」が混じっている度合いが日本とは大きく違っているようです。「非核化」にしても、その具体的内容や条件やプロセス等々を考えるといいことばかりじゃなく逆の可能性もあるんじゃないの?・・・と考える韓国人はどれくらいいるのかな? 保守系の自由韓国党の支持率(2割弱)くらい?

 一方、昨日のニュースで「北朝鮮ではこの首脳会談のことも少ししか伝えられていなくて、韓国の盛り上がりぶりとは対照的」ということは伝えられていました。それは言うまでもなく北朝鮮では言論統制以前にメディアが独裁権力の道具となっていることによるわけですが、そんなことが韓国の人たち(とくに進歩系の政治家やメディア関係者)にどれほど大きな問題として認識されているのか疑問を感じざるをえません。

 テレビに集中します。上述の会議場です。
 2018ミリ前に座った文在寅大統領に、お、金正恩の肉声! 緊張のためか太ってるからか、ちょっと苦しげだぞ。
 「平壌冷麺、おいしく召し上がって下さい」ですと。

 あ、今(11時5分)、ニュースのBGMで独島愛を歌詞に盛り込んだ「独りアリラン」のメロディが流されたぞ! ※この歌については→コチラの記事参照。)
 →コチラや→コチラの記事によると、この会議場(<平和の家>2F)の椅子の背もたれには「独島」(竹島)の絵が描かれていますからねー・・・。※縮尺を度外視して大きく描かれている。
 その場面を下に貼っておきます。それにもう1つ。

【チラッと見ると景福宮の衛兵交代と思っちゃうかも。】


【正面の大きな絵は金剛山。】

 この金剛山の絵について説明した<チャンネルA>の動画がありました。→コチラ

 あ、もう正午になったのでひと休み。
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私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感[7] 16日大谷投手登板予定の試合は極寒のため中止。15日光州の球場でも雨天じゃないのに中止。その理由は?

2018-04-16 23:46:17 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 昨日(4月15日)は今シーズン最初の野球観戦でハマスタ(横浜スタジアム)へ。中日-DeNA戦。あ、私ヌルボは名古屋生まれなものでリクツ抜きの中日ファン。
 ところが、近頃年を追ってハマスタフンイキが変わってきていて、まず顕著なのは観客が大幅に増加して、チケットがとりにくくなっています。で、その増えた観客のほとんどはベイスターズファンなのです。今回は、かつてはほとんどドラゴンズファン一色だった3塁側内野席までベイスターズのユニフォームを着た人、応援グッズを持った人が目につきました。(画像左) もしかして半分以上かも・・・。
     

 そしてイニングの合間にいろいろちょっとしたイベントをやるし、試合後にはけっこう大がかりな花火をバンバン打ち上げるし・・・。(画像右)
 肝心のゲームはというと、8回に1軍で初登板した中日の木下雄介投手が最速150キロの球速で三者凡退に斬ってとったのが良かった! ヌルボの実家にわりと近い徳島の生光学園高校から駒澤大に進んだものの肩を故障して1年で中退し、いくつかの職を経た後、四国アイランドリーグの徳島インディゴソックスに入団して2年プレーして、2016年ドラフトで育成1位指名を受けて中日に入団したという異色の選手。今後の活躍を期待してますよ~。
 あ、試合の結果等は省略します。(ヤクルトに3連勝した後の初戦、2点差でリードしていたのを7回裏3点取られて逆転負けを喫したのが尾を引いた感じだな。くくーっ。)

 さて、大リーグに目を移すと、注目のエンゼルス大谷翔平投手が先発予定の同日(日本時間は16日)のカンザスシティーでのロイヤルズ戦は、マイナス1度(!)という極寒のために試合が中止されたとのことです。

 以上は前書きで、ここから本論です。
 これまた昨日15日のこと。韓国・光州KIAチャンピオンズフィールドで行われる予定だったロッテジャイアンツ-KIAタイガースの試合も中止となりました。前日は雨天で中止でしたが、雨もあがって大勢のファンが来ていたにもかかわらず、です。
 理由は、大気汚染。→1月11日の記事でも書きましたが、このところ韓国の<미세먼지(ミセモンジ)>=微細粉塵の問題は深刻さを増して大きな政治課題にもなっています。とくにその濃度が高い時は警報が出されるのですが、その基準は10㎛以下の微細塵の平均濃度が300㎍/㎥以上で、それが2時間持続したときに発令されるというもの。この日の光州では午前11時の時点では202㎍/㎥と注意報レベルだったのが、その後正午には331㎍/㎥、午後1時には422㎍/㎥と上がり続け、結局試合開始予定の午後2時から28分遅れて試合監督官(という人がいるのか)が中止を最終決定したとのことです。韓国サイトの画像を見ると、マスクをしている観客も多いようです。せっかくの日曜日、球場まで足を運んで中止とは残念でしょうが、こういう理由じゃ文句の言いようがありませんね。
【 スコアボードに「ひどい微細塵埃により今日の試合は中止となりました」の文字。】
 ※韓国語では「試合」は「경기(競技)」、「中止」は「취소(取消)」というのですね。

 1982年に発足したKBOリーグ(韓国プロ野球リーグ)の37年の歴史の中で、微細塵埃による中止は昨年まで全然ありませんでした。しかし今シーズンは4月6日にソウル・蚕室(チャムシル)のNC-斗山戦、水原ktウィズパークのハンファ-kt戦、仁川SK幸福ドリーム球場の三星-SK戦の3試合が中止となりました。で、今回は4試合目になるわけです。
 今や冬でも大気汚染がひどいのに、春になって例によって中国から黄砂が押し寄せて来るということで、対策を立てるにしてもすぐどうなるというものでもなし、今後もまたありそうな感じだなー・・・。

 韓国プロ野球といえば、私ヌルボ、ちょうど3年前の2015年4月に木洞野球場に行って観戦しました。(→">コチラ。) その後行ってないので、そろそろ行ってみるかな?という気持ちが頭をもたげてきました。高尺スカイドームとか、いやそれよりも、仁川とか釜山(社稷球場)の方がフンイキがおもしろそうか。サムスンライオンズの本拠地の大邱はそもそも行ったことがない都市なので1度は行かなくては・・・。
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私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感[6] リスニングはホントにむずかしい! 「チプチョンゴ」ってなんだ?

2018-04-14 22:18:52 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 当ブログ記事の多くは私ヌルボ自身の備忘録のようなものですが、とくに今年から始めた<韓国・朝鮮雑録>カテゴリーでは生活に直結したネタを意識して、それも極力短くまとめた日録に近いものをイメージしていました。
 ところが2~3月かなり多忙だったこともあって書けない日々が続いてしまいました。いや、自分の体内時計が一段と遅くなって世の中のスピードについていけなくなっていることが大きいかもしれませんが・・・。
 というわけで、遅ればせながら1月以来の記録を順次載せていくことにしました。

 ・・・と下書きを書いてからまた何日か過ぎてしまいました。結局、順不同で行き当たりばったりで書きます。(なんなんだ!?)

 一昨日(4月12日)、韓国・朝鮮とは関係ありませんが、将棋の名人戦第1局の佐藤名人と羽生竜王の対局をTV(ニコ動)で観戦。いやあ、これはとにかくすごいものを見た!というのが率直な感想。→コチラのサイトで何人もの人が「名局賞確定だろ」といったカキコをしてますが、私ヌルボも同感。

 将棋の次は(無理やり)囲碁関係。今日なんとなくKBS1ラジオを聴いていたら、日本の囲碁ソフト関係のニュースを報じていました。そのソフトの名が「チプチョンゴ」と聞こえます。「ゴ」は「碁」だとして、「チプチョン」がわからず。「집전」にあてはまる漢字語を考えてみました。(「集伝」とか「執戦」とか。) が、結局あきらめて日本語でニュース検索した結果「DeepZenGo」と判明。しかし、はたして韓国の人たちは「DeepZenGo」が漢字語ではないことが聞いてすぐにわかるのでしょうか??
 と、ここでふと思ったのは、同様の内容の日本語ニュースだったらわかったのか?ということ。つまり、「ディープゼンゴ」という音声を聞いて、それが「DeepZenGo」とわかるかどうか? まあ日頃からこの分野に詳しい人以外はわからないでしょうね。(ヌルボは詳しくない人の1人。)
 とすると、問題は私ヌルボの聞き取り能力より、この言葉自体にありそうだな、と都合のいい結論にだどりつきました(笑)。

 ・・・と、ここまでは前書きのつもりで書いたのですが、無理にこれまたあまり関係なさそうな本論を展開するよりも、この長さくらいの記事が読みやすいかもと考えてオシマイにしておきます。(本ブログで、こんな短い記事が近年あっただろうか?)
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私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感[5] 音声入力の多言語翻訳アプリpapago、すごく便利!

2018-03-07 23:58:29 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 愛用のノートPC(レッツノート)でgoogle翻訳はずっと前から使ってます。韓国サイトを検索する時は、いちいち韓国語入力に切り替えなくても、google翻訳に日本語で入力し、変換されたハングルをコピペしてググる方法など、とくに多用しています。

 一方、昨秋から使い始めたスマホはというと、いろいろ便利な使い方はあるようですが、まだ初心者の域を脱していません。
 しかし、最近教えてもらってダウンロードしたpapagoという多言語の自動翻訳アプリの便利さは実感しています。
 
韓国最大手のポータルサイトNAVERが2016年始めたアプリで、当初は韓国語・日本語・中国語(簡体)・英語の4ヵ国語でしたが、現在は中国語(繁体)・スペイン語・フランス語・ベトナム語・タイ語・インドネシア語まで拡大しました。また1回で翻訳できる最大テキスト量も200字だったのが、2017年7月から5千字に一挙に増えました。
 比較的歴史の浅いアプリなので、韓国語等々の語学学習者の中にも知らなかった方は大勢いらっしゃるのでは? いや、韓国はNAVERのお膝元だけにふつうに広まっている? そこらへんは私ヌルボ、全然わかりません。少なくともヌルボの周りの韓国語学習者の皆さんは知らなかったようです。

 このアプリがとくに便利なのは、スマホ1つで目の前の(他言語の)相手の人と即座に相互の意思疎通ができることです。

 google窓にpapagoと入力して、鳥のマーク(右画像)を手がかりに探すとすぐにダウンロードサイトが見つかります。この鳥がエスペラント語のpapagoすなわちオウム。なるほど語学学習に似つかわしい鳥といえますね。

          
 アプリを開くと上左の画面。あ、ここで使用言語を選択しておきます。
 この画面上部の白い部分に文字を打ち込んでも変換可能ですが、その下の緑の部分をクリックすると音声入力になります。たとえば韓国語入力にしておいて何かしゃべってみると、自分が正しい発音だったか否かを確認できます。
 で、その下の印のある水色部分をクリックすると、真ん中の画面に変わります。そこで日本語の側のマイクをクリックすると、マイクの部分が波動する3つの点に変わります。これで日本語音声入力可能になります。(韓国語の方のマイクをクリックすると韓国語の音声入力になる。つまり「会話」が成立する。)
 この音声入力はなかなか感度が良くて電車の車内放送もかなり正確にキャッチし、即座に日本語にどんどん変換し、間を置かず韓国語等に翻訳していきます。たとえば「次は終点大船駅です」等々。ただ「次は港南台です」が「次はもんもんもん」などと意味不明な日本語になっちゃうこともしばしば。
 下の例は、たまたま駅のエレベーターに乗ってる時に流された自動の音声の変換例。

          

 真ん中の画像は、google翻訳で(自分がしゃべって)音声入力した結果です。数回試みたものの「奥側」が「奥川」になってしまうので、しかたなく文字入力しました。(右)
 papagoの翻訳結果とビミョーに違ってます。
 この日本文はそのままにして、出力を中国語(簡体)・英語・スペイン語に変えた結果が下の画像。

           

 うーん、よくわかりませんがちょっと違う箇所や不自然な所もある? しかし当たらずといえども遠からずというか・・・。
 翻訳アプリの優劣については、google翻訳papagoと、もう1つ語音翻訳官という中国製アプリを加えて比較した<注目の一戦!『翻訳アプリ』三つ巴対決>という記事を見つけました。(→コチラ) 結果はpapagoの勝利。しかし問題が「많이 사니까 깎아주세요」を訳させる1問だけだから、そりゃあ韓国産アプリが有利でしょ、とも言えそう。
 私見では、google翻訳もpapagoもそんな差はないように思われます。「google 번역 papago 비교」で検索してみると両者を比較した記事がいくつもヒットし、またこの2つに이지토키지니톡を加えた4者対決というYouTube動画もありました。(→コチラ) 本記事はそこまで深入りはしません。

 ずっと戻って、最初の画面の最下段、青色のゾーンについて。画像の文字をなぞると、それが翻訳されるというものです。詳しくは→コチラを参照してください。→コチラの記事も参考になります。

 なお、papagoはパソコンでもgoogle翻訳同様に使えます。→コチラを開けばOKです。

 私ヌルボの感想。まだ5年以上はかかるのでは、と思っていたような音声翻訳ソフトがもう世に現れるとは、技術の発達のなんと早いことか。2週間後の台湾旅行に向けて、初心者レベルの中国語の学習に取り組むかと思っていたのが、こんな翻訳アプリの存在を知って意欲は一ぺんに失せてしまいました。(笑)
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私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感[4] 韓国のラジオ。あの「20秒早く出発して謝罪した日本の鉄道」のニュースを報じた後のMCの言葉は・・・・

2018-01-12 20:17:14 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 1つ前の記事に続いてYTNニュースFMラジオ関係。
 月~金曜の夜よく聴いている番組が<뉴스 익는 밤, 조현지입니다><ニュースが熟する夜、チョ・ヒョンジです>とでも訳すのでしょうか。間に交通情報、天気予報を挟んで22:20~23:55の時間帯で、女性アナのチョ・ヒョンジさんがMCを担当し、さまざまなニュースを織り込みながら、リスナーから寄せられたムンチャ・メシジ(ショートメール)を読み、リクエスト曲を流すといった内容です。

 そのニュースも、その日の主要ニュースから、こぼれ話的な雑ニュースまでいろいろあります。いつもはなんとなく聞き流していますが、ときおり聞き耳を立てるようなこともあります。

 昨年11月17日の放送。日本のちょっとしたニュースを伝えていました。それは「11月14日、日本の鉄道会社(首都圏新都市鉄道)が定刻より20秒早く出発したことで謝罪した」というニュース。(→コチラ参照。)
 その後ネット上では「日本はすごい! 海外の反響」といった(うんざり)記事が続いたりして、けっこう話題にもなったようなので、憶えている方も多いと思います。

 さて、このニュースを読み上げた後、チョ・ヒョンジさんがふと漏らした一言に私ヌルボは「う~む・・・」と唸りました。その一言とは・・・。

 「慰安婦に対しては謝罪しないんですよね」

 私ヌルボ、「アタマにきた!」「カチンときた!」「思わず逆上した!」ということではありません。
 思ったことは、「この問題についての日韓のフツーの人の受けとめ方がことほどさように大きなミゾがあるんだなー」といった痛歎です。
 たぶん、フツーの日本人(←私ヌルボも含まれる)が韓国で生まれそだっていればフツーの韓国人のような感じ方・考え方になるだろうし、逆もまた同様。
 つまり、メディアによる情報の伝え方、教育の内容等の影響力がとても大きいということ。

 この慰安婦問題の謝罪については、以前(2016年2月2日)「毎日新聞」で「朝鮮日報」の鮮于鉦(ソヌ・ジョン)論説委員による興味深い記事を読みました。<忍耐と配慮、日韓に必要>と見出しがつけられたこの記事は、→コチラで読むことができます。(あ、会員だけ?) 後の方で上半分の画像を載せておきます。
 この記事では、ソウルのある大学で鮮于鉦論説委員が50人ほどの学生たちに日本との歴史問題について講義した時のことを記しています。
 初めに「(植民地支配や慰安婦問題などで)日本が謝罪をしてきたと思う人は手を挙げて」と言うと、「誰も手を挙げなかった」とのこと。その後、村山首相談話(1995)、日韓パートナーシップ共同宣言(1998)、小泉首相談話(2005)、菅首相談話(2010)等の資料を読ませた後、再度「日本は謝罪したと思うか」と聞くと、「今度は半分以上の手が挙がった」そうです。
 もっとも、「これだけ謝罪してきたから、もうオシマイ」と単純に結論づけられるものでもないし、鮮于鉦氏も「お互いに合意を尊重し、相手に配慮する姿勢が重要だ」と結んでますけどね。

 <ニュースが熟する夜・・・>の話に戻ります。
 私ヌルボ、チョ・ヒョンジさんの「慰安婦に対しては謝罪しないんですよね」を聴いた時にはとても自然な語り口だったのでその場での個人的な感想だと思いました。
 ところが今。この記事のウラを取るためにYTNラジオのサイトを検索したところ、→コチラのページがみつかりました。この番組の11月17日の放送内容の記録です。これによると、この「20秒早く発車したことを謝罪した」というニュースは<이 음악엔 이 뉴스(この音楽にはこのニュース)>というコーナーで紹介されたものだったのですね。今日の音楽として選んだ曲に見合ったニュースを紹介するコーナーです。
 そして、この日の<今日の音楽>は何だったのかというと、エルトン・ジョン「Sorry seems to be the hardest word(悲しみのバラード)」。(→YouTube)
 なーるほどねー・・・。
 ただ、この記録ページに記されている"日 시도 때도 없는 사죄 문화, 위안부 사죄는?"(日本、四六時中謝罪文化、慰安婦の謝罪は?)という一文は後付けの記録なのか、それとも事前の企画段階から含まれていたものなのか、つまりチョ・ヒョンジさんの「慰安婦云々」発言がアドリブだったのか予定されていた言葉なのかはよくわからず、です。

 今回は前回以上にほとんど賞味期限切れの記事。これからもしばらく続きそう?

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私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感[3] 韓国のラジオCMでとくに多いのが・・・

2018-01-11 23:55:34 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 昨日の午前中はスマホで文在寅大統領の新年記者会見をリアルタイムで聴きました。YTNニュースFMラジオに接続したらたまたまやってたのですが、和気あいあいのフンイキにちょっと驚きました。まあ正月だし、また北朝鮮との話し合いも持てたということで、大統領も記者の皆さんも自然と気持ちが和んでいるということでしょうか。

 さて、→一昨日(1月9日)の記事で「韓国のラジオCMからいろんなことがわかる」といったことを書きました。
 もちろん、「わかる」ためにはリスニングの能力が問われるわけで、そこが私ヌルボにとっても高いハードルなんですが・・・。(汗)

 ここから本論。YTNニュースFMを聴き始めてすぐ耳についたCMソングがあります。
 とてもノリのよさそうな歌で、「♪クリネオトゥック チッチンギ」と歌ってますね。しかし意味はわからず、そもそも何のCMかもよくわかりませんでした。

 その後ネット検索をしたらYouTubeにその歌があったので貼っておきます。

 この歌の冒頭の「♪クリネオトゥック・・・」あたりは後回しにして、このCMの次の放送時に後の方の歌詞を注意して聴いてみると、<粉塵(분진)><ガスの臭い(가스 냄새)><煙(연기)>を全部取ってあげます・・・と、およそそんな内容。
 そこでチッチンギに相応する漢字の熟語をあれこれ考えて、やっと<集塵機(집진기)>にたどりついた次第です。
 そしてこれらの単語を手がかりにネット検索したのですが、「クリネオトゥック」<Clean Air Tech>という社名だったのですね。しかし、韓国語による英語の発音では<クリーン エア>(日本式発音)が<クリネオ>になるのはわかるものの、Techの部分を<テク>ではなく<トゥック>と発音しているとはなんででしょうね?? ハングル表記でも<크린에어테크>なのに・・・。
 それはそれとして、こうした集塵機のCMはこのメーカー以外にも2社ほど(?)やっています。また<チョンジョンギ>のCMもあります。これは<공기청정기(空気清浄機)>のこと。

 コトのついでに、サムスン電子の空気清浄機のCFも貼っておきます。


 私ヌルボ、韓国では春先に中国から大量の黄砂が飛来して大気汚染だけでなく、健康を脅かしたり農作物にも被害を及ぼしているということは以前から知ってはいましたが、秋~冬の時期にも、ということは季節を問わない社会問題になっているのですね。
 天気予報でも<미세먼지(ミセモンジ)>=微細粉塵情報はふつうに報じているし、いろんなところでM2.5等の現在のレベルを知ることができます。上記CFの家庭用空気清浄機にも数値が表示されるようになっていますね。右の画像は、韓国環境公団のサイト(→コチラ)で見た1月10日16時の時点での実時間大気(M2.5)情報。<良い>から<とても悪い>まで4段階に色分けしています。

 先月の韓国旅行に際して、事前に上述のような知識を得てはいましたが、現地でとくにひどいと思うことはありませんでした。しかし、→韓国在住の方のブログ記事(昨年9月)や、→最近釜山を訪れた方のブログの写真をみると、やはり相当ひどいレベルようです。
 ※参考→ソウルナビの記事<微細粉塵(ミセモンジ・PM10/PM2.5)に注意しよう!>

 この韓国・朝鮮 雑録雑感シリーズは極力短く書くつもりでスタートしたのですが、つい長くなってしまいます。次回はもっと簡潔にしなくちゃ。
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私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感[2] スマホで韓国のラジオを聴く(韓国語学習者はぜひ!)

2018-01-09 10:03:05 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 →[1]で書いたようにノートPCを失くした時はホントにあせり、食欲もなくなって心身とも最悪の状態に陥ってしまいました。それよりも何よりも公私さまざまな文書・記録等がなくなって途方に暮れてしまいました。もし無事に見つかっていなかったらどうなっていたか・・・。

 それに比べると、9月最初に図書館??でケータイ(ガラケー)を失くしたことはむしろよかったかもしれません。というのは、スマホ時代になってもガラケーを使い続けているデメリットを勘案して、そろそろスマホに買い替えようかなと2年ほど前から考えていたからです。で、2日間見つからないという時点で即auショップに行ってスマホを購入しました。

 それから4ヵ月。いまだにスマホ初心者のままです。とくに指が太いわけでもないのに入力がすんなりとできたためしがないくらいだし、電話がかかってきたら操作がよくわからないまま切ってしまい、コチラからかけ直したこともしばしば。LINE等々のアプリの使い方も不慣れな状態のままです。
 元のガラケーにしてからが、その全機能の3割も使ってなかったのではないでしょうか? そんな機能があることさえ最後まで知らなかった機能もきっとたくさんあったと思われます。スマホとなるとこの先10年使い続けても習熟することはまずなさそうです。

 そんな中、「これは便利!」とハマっているのが韓国のラジオ放送を聴くこと。
 「韓国 ラジオ」でググると韓国のラジオが聴けるアプリがズラズラーッと出てきます。7つ8つためしてみた結果、今はもっぱら<ワオ-ラジオ>(KPOP Radio)を愛用しています。
 そのアプリの説明(→コチラ)にもあるように、MBS, KBS, SBS, EBS, TBS, TBN, KFM, WBS, BBS, PBC,インターネット音楽放送等、400以上の韓国のラジオを無料で聴くことができるというもの。
 「そんなに多いわけないだろ」と思うかもしれませんが、たとえばKBSの場合1FM,2FM,第1ラジオ,第2ラジオ,第3ラジオ,韓民族放送,ワールドラジオ,音楽FMとある上、第1ラジオ,第2ラジオ,音楽FMなどは地方局もあるので、KBSだけで計63局にも上ります。(地方局の独自番組などは味があっていいです。) その他MBCやSBSにも地方局が相当数あります。
 またキリスト教放送に仏教放送、交通放送、各種音楽放送等々、とにかくたくさん。

 さて、上述のようないきさつで遅まきながらスマホを購入し、ほどなく韓国ラジオを聴くことになった私ヌルボ。「便利!」と書きましたが後悔の念も多分にあります。それはもっと早くから使っていたら、今頃は韓国語がラクラク聞き取れるようになっていたのでは、ということ。
 韓国ラジオ聴取の利点その1は、そんな韓国語の聴き取り能力を高めることができるということ。ボキャブラリーも自然に増えていきます。例:「リクエスト曲」のことを何というか、中級の学習者の皆さんはご存知でしたか? 正解は<신청곡(申請曲)>。こういう頻繁に出てくる単語はふつうに頭に入ります。(私ヌルボ、実は知らなんだ。)
 また、各地の方言等もわかってきます。
 次に利点その2は、韓国のいろんなニュースがリアルタイムで聴ける。つまり韓国社会のいろんなことがわかること。例:→1つ前の記事<韓国では、大勢の人が大晦日の日の入りを見に行く>もラジオで聴いたニュースがキッカケです。
 利点その3。往年の人気歌謡から最新のヒット曲まで、いろんな歌が聴ける。音楽専用放送の中にはトロット(演歌)とか、70・80年代あるいは50・60年代等の懐メロ専用の放送もあります。曲名や歌手名を聴き取るのがちょっとタイヘンですが・・・。
 利点その4。定時の天気予報、そしてCMからもいろんなことがわかる。
 
 なお、私ヌルボがよく聴いているのはYTNニュースFMなのですが、以下は続くということにします。
 (今回のテーマ、もしかしてスマホを持ってる韓国語学習者の間ではとっくに常識になってる?)
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私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感[1] 物忘れ&忘れ物のことなど

2018-01-01 23:58:14 | 私ヌルボの韓国・朝鮮 雑録雑感
 あけましておめでとうございます。謹賀新年。
 새해 복 많이 받으세요. 新年快樂。新年快乐。

 1年の計を立てる前に、きっちりと昨年の反省をしなくては、と思ったものの、何ヵ月もかかりそうなので止めました。
 「積弊清算」の旗印のもと過去の保守政権の諸政策の洗い直しに精力を注ぎすぎて、今まずやるべきことが後回しになっているのでは、との疑問さえ感じられる文在寅政権の現況を見た上での判断です。(ホンマかいな?)

 反省というよりも、ちゃんと自覚しなくては、と思ったのは、体力だけでなく脳の方もさらに衰えているということ。
 言葉のど忘れはまず固有名詞から始まりますが、それはずいぶん以前からのこと。私ヌルボの場合はすでに普通名詞がなかなか出てこない段階に入っています。とほほ。

 物事を思い出せないもどかしさについての衝撃的な記憶を紹介します。
 もう20年ほども前のことですが、私ヌルボ、図書館でふとあることを思い出そうとしていました。が、どうしても思い出せず、もやもやした気持ちで図書館を出ました。ところがそのほんの少しあと気づいたことは、「自分がついさっきまで何を思い出そうとしていたのか、思い出せない」ということです。これは本当にショックでした。
 そして今。たぶんもっとひどい状態なのではと思われます。つまり、「さっきまで何を思い出そうとしていたのか?」という疑問さえ思い浮かばない状態かも。アルジャーノンの悲劇はもはや他人事ではありません。

 以上は前書きその1。
 いろんなモノの置き忘れも日常茶飯事です。
 しかし、モノによっては大変困ったことになってしまいます。とくに外出中の失くし物。
 たとえば、①愛用のノートパソコン ②愛用のケータイ ③愛用のメガネ ・・・といったモノ。
 で、私ヌルボ、自分の現状を深刻に自覚しなくては、と先に書いたのは、この①~③を昨2017年失くしてしまったという事実に直面したからです。

 いや、1つは幸いにして見つかったんですけどね。いやあ、ホント幸いにして・・・。
 それは①のノートパソコン。以下はそのテンマツです。
 8月のある土曜の夜、大船のある公共施設を出て、大船駅から電車に乗って、横浜駅で降りて、歩いて帰宅途中スーパーで買い物をして、自宅に帰って鞄を開けるとパソコンがケースごとないのに気がついた次第。
 翌朝から大船の施設、大船駅と付近の交番、横浜駅、スーパーに足を運んだもののわからず。自宅(!)も探したりして・・・。(笑)
 とりあえず近所の警察署に遺失物届は出したものの、途方に暮れるばかり。公私のツキアイのある人たちの情報、各種文書、旅行等々で撮り溜めてきた数千枚(?)の写真等々。外付けハードディスク等にマメにデータを保存しておけばよかった、と思っても後の祭り。
 あーあ・・・と溜め息をつきつつ、ほとんどあきらめの心境に入りかけていた1週間後、②愛用のケータイ(ガラケー)に電話がかかってきました。

 「こちら、キミツ警察ですが・・・」
 「は?」
 「○○さんですね」
 「はい、そうですが・・・」(不安なキモチ)


 ・・・と、ここで私ヌルボがまず考えたのは、北朝鮮との関係が緊張化している折から、秘密のエージェントとして働いてほしい、という依頼か、それともスパイの疑いをかけられているのか・・・。(・・・というのは、1991年8月に北朝鮮旅行に行った時から公安関係の要注意人物のリストに名前が載っているフシがあるので・・・。)

 (電話の続き)
 「こちらで○○さんのノートパソコンをお預かりしています」
 (あ、パソコンにも北朝鮮関係のデータ・資料がたくさん入ってたな・・・)と思ったところでやっと理解しました。

 「あの、千葉県の君津警察署ですが・・・」
 「はいはい、あ、そうですか。どうもありがとうございます!」


 つまり、大船→横浜の横須賀線の電車内で置き忘れたのが、そのまま終点まで行ってしまったのでした。
 ・・・というわけで翌日受け取りに行ってきました。往復4千円近く費やしましたが、それでも無事戻ってきてホッとしたというか、いっぺんに元気を回復しました。やれやれ。

 この話を知人7、8人にしたら、すぐ君津とわかった人は2人くらいだったかな? 半数以上は私ヌルボ同様<機密>という文字が頭に浮かんだようでしたね。(笑)

 と、オチがついた(??)ところでこの物忘れ&忘れ物の話は終わり。・・・じゃなくて、ジツはこれも前書きその2、かな? 次回は本論の②ケータイの話です。
コメント (2)
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