ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[8月27日(金)~29日(日)]

2010-08-31 21:58:53 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 何十年か前の映画館では、エンドマークが出るやいなや大半の客は席を立ったものです。その前にさっさと立ち去る映画通(?)もけっこういました。少年時代の私ヌルボのように座ったまま余韻に浸る客はごく少なかったです。
 今では延々と続くエンドロールもきっちり観て、場内が明るくなってから席を立つ人が多くなりました。やっぱりそうでなくちゃ・・・。韓国語学習者の場合は、エンドロールの最後の方で出てくる<찰영장소(撮影場所)>などを確認するといいですよ。
 以上は何の話かというと韓国映画「シークレット」。雑誌等々の評価はなかなか高いようです。ヌルボとしては、もっとコチュジャンとかニンニクの臭いが欲しかったかな、という感じ。いずれにしろ、これから観に行く人は明るくなるまで席を立たないことですよ。(他の映画でもそうですが、今まで<残念な人>を何人も、いや何十人も見ましたねー。)

   ★★★ Daumの人気順位(8月31日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①アジョシ[おじさん](韓国)  9.4(4697)
②トイ・ストーリー3  9.4(459)
③名探偵コナン:天空の難破船(日本)  9.4(341)
④聴説  9.3(200)
⑤ステップ・アップ 3D  9.1(379)
⑥アバター:スペシャルエディション  9.1(4968)
⑦僕の初恋をキミに捧ぐ(日本)  8.8(115)
⑧ナニー・マクフィー&ザ・ビッグバン  8.7(37)
⑨インセプション  8.6(2716)
⑩ドラえもん:のび太の人魚大海戦 (日本)  8.6(89)

 新登場は⑥だけ。コメントは後述。

【専門家による順位】

①アバター:特別編  9.3(8)
②オーシャン・ワールド3D  8.0(1)
③ハハハ[夏夏夏](韓国)  7.7(10)
④インセプション  7.7(8)
⑤トイ・ストーリー3  7.7(5)
⑥悪魔を見た(韓国)  7.0(6)
⑥Taking Woodstock  7.0(6)
⑧リミッツ・オブ・コントロール  7.0(3)
⑨奇跡のオーケストラ-エル・システマ  6.8(6)
⑩クラックス  6.6(3)

 ①と⑩が初登場。
 ①、全米公開は8月27日なのに韓国では26日。これって何なの!? 日本は10月16日公開。未公開シーン8分追加だって。え?セックスシーンなの??(不確か) 年に映画60本観てるヌルボですが、両目の感覚が開きすぎてる顔はちょっと苦手なのでまだ「アバター」は未見。「特別編」で観てみるかなー・・・。
 ⑩はイギリス・アイルランド合作のミステリー。去年のトロント国際映画祭出品作(韓国はこの手の映画が好きみたい。)監督は「エイリアン」や「ブレードランナー」等で知られるリドリー・スコットの娘のジョーダン・スコット。1930年代イギリスの女子校。厳格な規則の寄宿舎に1人の美しい転校生がやってきてすべてが変わり始めた・・・。原作は南アフリカ出身の女性作家シーラ・コーラーの小説「Cracks」(未訳)。主演エヴァ・グリーンは校長役で、美貌の転校生はマリア・ヴァルヴェルデ。この2人のラブシーンがあるそうですよ。観てみたい!という方もいそうですが、日本公開は未定。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[8月27日(金)~29日(日)] ★★★
         4週連続1位「アジョシ」が400万人突破

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数

1・・アジョシ(韓) ・・・・・・・・・・・・・08/04・・・・・・・・・528,091・・・・・・・・・・・・・4,464,952・・・・・・・449
2・・エアベンダー ・・・・・・・・・・・・08/19・・・・・・・・・266,463・・・・・・・・・・・・・1,191,153・・・・・・・339
3・・ピラニア 3D・・・・・・・・・・・・・・08/26・・・・・・・・・203,749・・・・・・・・・・・・・・・258,073・・・・・・・339
4・・悪魔を見た(韓) ・・・・・・・・・・08/12・・・・・・・・・163,092 ・・・・・・・・・・・・・1,547,953・・・・・・・343
5・・プレデターズ・・・・・・・・・・・・・08/26・・・・・・・・・160,433・・・・・・・・・・・・・・・186,523・・・・・・・259
6・・インセプション ・・・・・・・・・・・07/21・・・・・・・・・159,750・・・・・・・・・・・・・・5,598,518・・・・・・・282
7・・アバター:特別編・・・・・・・・・・08/26・・・・・・・・・・82,310・・・・・・・・・・・・・・・・92,911・・・・・・・163
8・・殺したい(韓)・・・・・・・・・・・・・・08/26・・・・・・・・・・61,015・・・・・・・・・・・・・・・・76,560・・・・・・・164
9・・トイ・ストーリー3 ・・・・・・・・・・08/05・・・・・・・・・・50,974 ・・・・・・・・・・・・・1,389,893・・・・・・・155
10・・エクスペンダブルズ・・・・・・08/19・・・・・・・・・・49,473 ・・・・・・・・・・・・・・・367,266・・・・・・・271

 1位「アジョシ」、4週連続トップは今年の韓国では「義兄弟」以来。動員ペースもほぼ同じ。(少し上回っている。) 最終的に600万人を越えた「チョン・ウチ伝」を超えるかどうか?
 今週は3・5・7・8位が新登場です。
 3位「ピラニア」はスリラー・アクション。これもアメリカで20日に公開したばかりで日本公開は未定。原題は「Mega Piranha」ですが、発音はピラーナーなの!? 韓国題は「피라냐(ピラニャ)」。ま。いろいろあらーな、です。トレーラーは →コチラ。怖そうです。(海みたいだけど、ピラニアは淡水魚だから湖なのかな?)
 5位「プレデターズ」は7月日本公開。韓国題は「프레데터스」。
 8位は韓国のスリラー。長期入院している自殺未遂常習者ミノの病室に、サンオプが来る。殺してやりたいと思っていた仇敵である。しかし彼は記憶喪失の上に全身麻痺。それでも情けは無用・・・という病院内での殺し合い、という設定。よくこんなアイディアを考え出すものです。コミカルな要素もあるとか・・・。韓国題は「죽이고 싶은」と連体形になっているので、「殺したい・・・」と含みをもたせた訳の方がよさそう。

みなとみらいに北朝鮮工作船を見に行く

2010-08-29 23:15:15 | 北朝鮮のもろもろ
 26日に、北朝鮮工作船を見に行ってきました。
 2001年12月22日、九州南西海域で巡視船との銃撃戦の末、自爆と思われる爆発で沈没した北朝鮮工作船は、02年9月引き揚げられ、03年5月~04年2月船の科学館で一般公開されました。04年12月以降は横浜みなとみらいの赤レンガ倉庫近くの海上保安資料館横浜館(工作船展示館)で保存・展示されています。

 もう9年も経つんですねー。私ヌルボも03年船の科学館に見に行きました。ずいぶん大勢の人が見にきていました。

    
      【船の科学館で公開された工作船(2003年9月)
 年のせいで(だけじゃない?)記憶力が衰え、ほとんど覚えていないことに思い至り、自宅からバイクで10分くらいの近場でもあるので、上記の工作船展示館を初めて訪れました。
 詳しい場所からして知らなかったのですが、下の写真のように赤レンガ倉庫のすぐ海側です。バイクの駐輪場もすぐ近くにあってラッキー。(有料駐車場もある。)

    
  【左奥の白い三角屋根が工作船展示館。右端が赤レンガ倉庫。

     
         【工作船展示館の入口。

 中に入り(無料)今改めて工作船を見ると、「でかい!」です。約30m。
 多くの穴(弾痕)があります。貫通してるものもあります。船体を軽くするため鉄板を薄くしてあるそうです。

 
         【でかい!・・・です。

 奥には約10mの小型船も展示されています。コチラは時速90㎞の高速船だとか。(工作船は時速60㎞。)

  
   【小型高速船。その奥にロシア製対空機関銃がある。

 船内から見つかったいろんな物が展示されています。各種武器、水中スクーター、船名擬装用の漢字の型。シャープ製の小型パソコン。そしてタバコや赤飯の缶詰等々・・・。

      
赤飯ととりめしの缶詰。山形県寒河江市の日東ベスト社の製品。どんな経路でここに?

 もっと詳しくいろいろ調べた上で記事にしようと思ったのですが、<海上保安資料館横浜館>のサイトにもいろいろ説明が載っているし、パンフレットも見ることができます。
 また<工作船を見学して思う 第二弾><北朝鮮工作船><北朝鮮工作船(不審船) 船の科学館>等々のサイト、ブログに実に仔細に写真付きで紹介されていて、ここで新たにつけ加えることはありません。
 館内で流されていた説明音声付き実映像も、YouTubeで見ることができるんですねー。

 この資料館ですが、海上保安庁がその役割・任務について広く知らせるために設けたものでしょうが、私ヌルボとしては船と運命をともにした工作船の乗員7人のことを考えてしまいます。北朝鮮政府は彼らの家族にどのように訃報を伝えたのだろうか?とか、彼らにとっての職業的使命感とはどんなものだったんだろう?とか・・・。

 上記<北朝鮮工作船>の記事は次のような言葉で結ばれています。ヌルボも同感です!
 「最後に、工作船乗組員(工作員)には罪はないとおもいます。単に罪がないと言ってしまうと語弊がありますが、彼ら若者は北朝鮮に生まれてこなければ決してこのような運命をたどることはなかったでしょう。北朝鮮という独裁国家・犯罪国家が存在し、そこに生まれてしまったがために過酷な運命を背負わされ、若くして散ってしまったのです。彼らは被害者であり、真の罪人は金正日ではないだろうかとおもいます。」

<日韓を分ける24年差の歴史>の淵源

2010-08-28 23:57:56 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 7月2日の記事<日韓を分ける24年差の歴史>について書きました。

 近代以降の日本と朝鮮・韓国との歴史を比べると、日本とほぼ同じ内容の出来事が、朝鮮・韓国では20数年遅れで起こっている、ということです。
 表にすると、次のようになります。

  [日 本]                [朝鮮・韓国]        [年差]
1853年   ペリー来航           1875年  江華島事件        20年
1858年   日米修好通商条約        1882年  朝米修好通商条約     24年
1860年   新見正興らの使節団派米     1883年  政府使節団を派米     23年
1871年   断髪令             1895年  断髪令          24年
1872年   新橋~横浜間の鉄道開通    1900年  京仁鉄道 開業      28年
1882年   「新体詩抄」          1908年  崔南善が新体詩発表    26年
1885年   坪内逍遥「当世書生気質」     1917年  李光洙「無情」       32年
1964年   東京五輪            1988年  ソウル五輪        24年
1964年  海外旅行の自由化        1989年  海外旅行の自由化    25年
1960年代  学生運動の高揚         1980年代  学生運動の高揚    20年
1970年代~ 脱伝統・脱政治の都会文化    1990年代~   (同左)        20年
          (村上春樹等)
      現在の日本のGDP             現在の韓国のGDP     25年

 7月2日の記事では、「この20数年の差はなぜ生じたのか?」という点にはふれませんでした。というより、よくわかりませんでした。
 おそらくは、明治維新を生みだした江戸末期の時点での商業の発展のレベル、幕藩体制の危機に対する危機意識と体制変革への取り組み、外圧に対する危機意識、・・・・こういった点で李氏朝鮮では同時期の日本に遅れをとっていたのでは、と推察はしてみたのですが・・・。

 その後、李氏朝鮮の歴史について若干調べてみたところ、この事件あたりがひとつのターニングポイントだったのかな、とおもわれるのが1801年の辛酉教難です。

 ドラマ「イサン」を見た人はよく知っていると思いますが、18世紀後期の正祖(在位1776~1800)の時代は国王自身が学問好きで、実学派が登用され、商業が発達し、清や西洋の進んだ学問にも関心が向けられます。そして幅広い階層の文化が開花し、朝鮮のルネサンスともいわれるそうです。(いいことばっかりですね。「頭脳明晰で歴代国王たちの中で最も開明的で公明正大な君主であった」という評も見ました。)
 また正祖は目立ち始めた天主教(カトリック)信者に対しても比較的柔軟に対応していました。
 ところが1800年49歳で正祖が世を去り(毒殺?)、11歳の純宗が即位すると、正祖と対立していた貞純王后(血のつながらない祖母)が政局をリード。上記の辛酉教難というのは、清国人宜教師の周文謨をはじめ300余名を処刑したた天主教弾圧事件です。
 姜在彦先生は「歴史物語 朝鮮半島」(朝日選書)で「彼(正祖)が推進してきた改革の大部分は無に帰した」と記しています。「以後80年間西洋研究は欠落したままだった」とも。その間日本では蘭学の研究が進み、(弾圧もあったが)幕府の蘭学(→洋学)研究施設も設けられます。日本の場合、西洋への窓口が新教国のオランダだったという点もラッキーだったですね。
※前野良沢・杉田玄白による「解体新書」は1774年刊行。

 辛酉教難以降の朝鮮の政治は外戚の勢力が王権を圧倒する勢道政治の弊が長く続き、高宗(在位1863~1907)になっても「洋賊と和する主和論は禽獣の道」と説く儒者李恒老の指針を容れたりして、結局<反洋夷>→開国した日本も洋夷同様とみて批判=<倭洋一体論>へと続きます。
 その延長線上に反日運動がある、ということは、少なくとも日清戦争頃までの反日運動には、日本で言うところの<攘夷運動>の要素があるということですね。
 朝鮮は丙寅洋擾(1866年)でフランスを撃退し、辛未洋擾(1871年)でもアメリカを撤退させてしまいましたが、それも大局的にみてその後の朝鮮にプラスとなったといえるのかどうか・・・。
 歴史の大きな流れが、辛酉教難のようなひとつの出来事だけで決定づけられるというものでもないでしょうが、大きく影響してしまったことは否定できないでしょう。
 昨年の「ハンギョレ」の記事中にも「改革君主正祖の急逝は朝鮮を正常国家にしようとした最後の王の死でもあった」という一文がありました。

「毎日新聞」 オヤジ記者の見た少女時代のライブ

2010-08-27 23:54:50 | 韓国の音楽
 今日の「毎日新聞」の夕刊。2面に「特集ワイド」としてドカーンと紙面の半分くらいをあてて25日に有明コロシアムに行って少女時代のライブを見てきたおやじ記者(鈴木琢磨記者)のルポが載ってました。
 予想をはるかに超える2万2千人のファンが駆けつけて、急遽1回公演を3回に増やしたんだそうです。
 記事は→コチラ

 記事の冒頭から「しまった、場違いなところに来たかな」で始まって、李成愛の「カスマプゲ」だの趙容弼の「釜山港へ帰れ」を思い起こしたりするところはやっぱり50歳のおやじ記者。さらに100年前石川啄木が詠んだ短歌<地図の上朝鮮国にくろぐろと墨をぬりつヽ秋風を聴く>まで引用して「時は流れた」とごく自然な感懐。
 ・・・で、大きな見出しが「大切なのは次の100年」。

 私ヌルボも、この数日<日韓併合条約>の無効論だとか、過去史の清算問題とか、朝鮮学校の無償化問題とか、ややこしい問題に関するサイトをいろいろ見たりしてましたが、おやじ世代がごじゃごじゃしてる間に新しい事態がどんどん進行してるのかもねー・・・。

 そういえば、ちょっと前にはオヤジ週刊誌のグラビアかなんかでKARAの渋谷でのゲリラコンサートに3千人殺到というのを見ましたね。去年韓国で話題となった<お尻踊り>「ミスター」が日本デビュー曲で、いきなりオリコンのデイリーチャート5位に入ったとか・・・。

 あ、少女時代の日本デビュー曲「Genie」は→コチラ
 原題は「소원을 말해봐(ソウォヌル マレバ)」=願いを言ってみて。
 マレバ♪なんて去年よく耳に入ってきましたねー。今は少女時代やKARAについてヌルボより詳しい日本人はわんさかいるんでしょうね、間違いなく。

 韓国のメディアでも日本での彼女たちの人気をさっそく伝えているようです。→「中央日報(日本語版)」

雑誌立ち読み・韓国&北朝鮮情報

2010-08-25 23:50:49 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 ほとんどの雑誌は発行部数が長期低落傾向にあるとか。
 日本のオジサンでありながらも、代表的オジサン雑誌「文藝春秋」を読んでいる人は減ってきているようです。
 ましてや「世界」となると<左翼>一般の長期低落傾向と相俟って、大きな書店でないと置いてなかったりします。
 私ヌルボ、その「文藝春秋」と「世界」の両方とも購読しています。めずらしい部類かも・・・。前は「論座」を読んでいたのですが、廃刊してしまったのでしかたなく(?)「世界」にしました。

 上記の月刊誌、どちらも分厚いので毎号なんらかの韓国や北朝鮮関係の記事が載っています。
 読んでいない人のために&自分自身のためのメモという感じで、簡単に紹介します。興味を持った方は立ち読みして下さい。もちろん購入して下さってもいいですよ。

A.「文藝春秋」9月号
①西川美和(映画監督)「ソウルの狂犬」
 巻頭エッセイで、最近ヌルボも注目の日本人監督中の1人西川監督が、ヌルボ(だけじゃないけど)絶賛の韓国映画「息もできない」と、その監督ヤン・イクチュンについて実に熱っぽく記しています。この4月末、西川監督の作品(「ディア・ドクター」(韓国題は「우리 의사 선생님(われわれのお医者さん)」)の韓国公開キャンペーンの折、ヤン監督が試写を観に来てくれたとのこと。彼自身が演じた映画の主人公はさながら「ソウルの狂犬」だったが、試写会後のロビーで西川監督を迎えたヤン監督は「愛嬌の塊」で「狂犬どころかのらくろだ」。翌日の鍋を囲んでの話がまた興味深い・・・。

②大城俊道(ジャーナリスト)「オフレコ公開 李明博が「普天間韓国移設」を極秘提案」
 「文藝春秋」にはたまに「ギョッ!」(←チョー古い!!)とさせる記事が載ります。なかにはチョンボもあったりしますが、これはどうか? 記事の骨子は次の通り。
 「6月26日にカナダ・トロントでの米韓首脳会談で、李大統領が『普天間基地の問題について、日米同盟が最悪のシナリオに陥った場合、韓国国内の軍施設を基地移転地として提供したい』とバラク・オバマ米大統領に提案した」。
 この記事は当然韓国政界でも問題視されているようです。
 <サーチナ>の記事「李大統領が普天間の韓国移設を提案か、事実関係めぐり韓国紛糾」によると、「大統領府は報道について「完全な作り話」と否定しているが、韓国の民主党議員は「事実の可能性が高い」と述べるなど発言をめぐり紛糾している」とのことです。

[付記]韓国・北朝鮮とは関係ないですが、9月号は芥川賞受賞の赤染晶子「乙女の密告」が掲載されていて、単行本のことを考えると「文春」買う方がお買得。もっとも受賞作よりも9人の選考委員の選評の方がずうーっとオモシロイ! 特に今回はオモシロイ。高評価あり、批判あり、それぞれナルホド、と思ってしまいました。石原慎太郎は今回も案の定「現代文学の衰弱」と題した評を寄せていますが、自らの衰弱をまず自覚してほしい、と言ってもムリでしょうねー・・・。

B.「世界」9月号
①「ベストセラー作家と語る中国 北朝鮮を怒らせた中国人作家 葉永烈」
 中国で、人気作家の書いた北朝鮮旅行記が北朝鮮の抗議を受けた中国政府によって発禁書扱いにされ、またこの旅行記に基づいたテレビ番組がやはり北朝鮮の抗議を受けた、とのことです。
 作家葉永烈氏は北朝鮮に取材旅行を申請してもなしのつぶて。2006年ツアー客としての訪問に基づいて、08年「真実的朝鮮」を出版したところ、朝鮮大使館の抗議により回収処分になった。
 ・・・北朝鮮当局を正面から批判するような記述は見あたらないそうですが・・・。
 また北朝鮮を訪れる中国人旅行者は今年の見通しは3万~4万人にもなるとのことですが、<友好国>の人々に対してもいろいろと制限は厳しいようです。
 しかし、この騒動のおかげで、この本の完全版の「解密朝鮮(朝鮮の秘密を解く)」が09年香港で出版され、「さらに韓国語版と英語版も出る予定です」。
 ・・・ここらへんが現代中国の摩訶不思議なとこですね。また、この記事によると、中国では北朝鮮に対し批判的、乃至は冷笑的な見方をする人が増えているようです。

②佐藤大介(共同通信ソウル特派員)「「民主化」の記憶と現在 光州事件から三〇年目の韓国」
 光州事件で鎮圧部隊の一員として現地に投入された金東寛さん。軍の同僚たちの発砲で市民が倒されてゆく凄惨な光景の記憶が彼の心を蝕み、統合失調症と診断される。06年に政府を相手に「上官からの精神的圧力による」として恩給の対象となる<国家有功者>の登録を申請するが認められず、訴訟を起こした結果昨年勝訴が確定。
 ・・・記事にもあるように99年の映画「ペパーミント・キャンディ」を思い起こされる話。他にもいろいろあるんでしょうね。
 この記事では、さらに、今年の光州事件犠牲者追悼の式典が、政府と市民団体との対立で、97年式典が政府行事となって以来初めて分列開催となった事情、李明博大統領の冷淡と見える言動等を伝えています。

③大石進(ヒューマンライツ・ナウ理事)「いま甦る弁護士・布施辰治」
 布施辰治(1880~1953)については、昨年高麗博物館で展示が行われたり、ことしドキュメンタリー映画が作られたり、「布施辰治と朝鮮」という本が刊行されたりと、このところ名前をよく見かけるようになりました。韓国でも注目度が高まっているとのことです。
 この記事によれば、布施は敗戦後突然異国の民として放り出された朝鮮人のために、国民主権・人権の保障・大統領制・平和主義を基本とした「朝鮮建国憲法草案」も作成しているとか・・・。知りませんでした。

 ・・・①~③の合計22ページ、全部立ち読みだと時間かかり過ぎるかも。

④「ドキュメント 激動の南北朝鮮」
 連載の南北朝鮮諸情報。
 この中では、北朝鮮の食糧事情に注目です。「このままでは90年代半ば以来の深刻な食糧危機に直面する危険性がある」と世界食糧計画(WFP)は警告しています。

 ちなみに週刊誌は「週刊文春」と「週刊金曜日」は毎週読んでいます。コチラにも興味深いネタがあるのですが、もう十分以上に書きすぎたので、オシマイにしておきます。

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[8月20日(金)~22日(日)]

2010-08-24 16:57:29 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 昨日「氷雪の門」を観ました。8月15日以降、戦争は終わっているのに日本領だった樺太南部に侵攻したソ連軍は無抵抗の日本の町と住民に銃火を浴びせ、多くの犠牲者が出たということ、白旗を掲げて停戦交渉に行った軍使も射殺されたこと、樺太からの引揚げ船が潜水艦攻撃で沈められてしまったこと等々、今までよく知らなかった史実のいろいろに、憤りを覚えました。この映画が36年前ソ連の圧力で封殺されたことも、です。樺太の終戦の日は8月25日ということです。
 「氷雪の門」の舞台は真岡(現ホルムスク)という港町。在日作家の李恢成はこの町出身です。「家族で日本人引揚者にまぎれ込んで樺太から脱出して大村の収容所まで行き、朝鮮への帰還を図ったが果たせなかった」、「樺太に姉を残留させたことが、その後の作品のなかでもトラウマとして残っていたことが語られている」とのことです。(ウィキペディアによる。) 「百年の旅人たち」「サハリンへの旅」がツン読になっていることを思い出しました。
 ※「真岡・ソ連の侵攻・朝鮮人」といえば、<樺太朝鮮人虐殺事件>という不可解な事件も一部で伝えられています。

 観たい映画は時期的に集中するようです。「シークレット」「瞳の奥の秘密」「キャタピラー」等々、今月中に観に行かなくては、・・・って、あと1週間!?

   ★★★ Daumの人気順位(8月24日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①ゴッドファーザー  9.4(160)
②アジョシ[おじさん](韓国)  9.4(4124)
③トイ・ストーリー3  9.4(414)
④名探偵コナン:天空の難破船(日本)  9.3(334)
⑤聴説  9.3(196)
⑥ステップ・アップ 3D  9.1(360)
⑦僕の初恋をキミに捧ぐ(日本)  8.8(107)
⑧ナニー・マクフィー&ザ・ビッグバン  8.8(32)
⑨インセプション  8.6(2604)
⑩ドラえもん:のび太の人魚大海戦 (日本)  8.5(85)

 多少順位変動はありましたが、顔ぶれは先週と変わらず。

【専門家による順位】

①白いリボン  8.8(5)
②ゴッドファーザー  8.6(6)
③オーシャン・ワールド3D  8.0(1)
④ハハハ[夏夏夏](韓国)  7.7(10)
⑤インセプション  7.7(8)
⑥トイ・ストーリー3  7.7(5)
⑦悪魔を見た(韓国)  7.0(6)
⑧Taking Woodstock  7.0(6)
⑨リミッツ・オブ・コントロール  7.0(3)
⑩奇跡のオーケストラ-エル・システマ  6.8(6)

 先週の大変動の後、今週は全く変化なし。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[8月20日(金)~22日(日)] ★★★
         ウォンビンの新作3週連続1位「アジョシ」が300万人突破

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数

1・・アジョシ(韓) ・・・・・・・・・・・・・08/04・・・・・・・・・646,910・・・・・・・・・・・・・3,534,459・・・・・・・534
2・・エアベンダー ・・・・・・・・・・・・08/19・・・・・・・・・624,720・・・・・・・・・・・・・・・759,257・・・・・・・444
3・・悪魔を見た(韓) ・・・・・・・・・・08/12・・・・・・・・・285,477 ・・・・・・・・・・・・・1,214,103・・・・・・・428
4・・インセプション ・・・・・・・・・・・07/21・・・・・・・・・264,140・・・・・・・・・・・・・・5,323,698・・・・・・・351
5・・エクスペンダブルズ ・・・・・・08/19・・・・・・・・・191,529 ・・・・・・・・・・・・・・・235,386・・・・・・・300
6・・トイ・ストーリー3 ・・・・・・・・・・08/05・・・・・・・・・139,931 ・・・・・・・・・・・・・1,292,120・・・・・・・296
7・・廃家(韓)・・・・・・・・・・・・・・・・・08/19・・・・・・・・・105,641 ・・・・・・・・・・・・・・・136,528・・・・・・・190
8・・ソルト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・07/29・・・・・・・・・・67,695・・・・・・・・・・・・・・2,860,740・・・・・・・266
9・・魔法千字文(韓) ・・・・・・・・・・08/19・・・・・・・・・・58,655 ・・・・・・・・・・・・・・・・67,313・・・・・・・211
    大魔王の復活をとめろ!
10・・ステップ・アップ 3D ・・・・・・08/05・・・・・・・・・・46,103 ・・・・・・・・・・・・・・・619,105・・・・・・・・85

 1位「アジョシ」は依然快調で300万人突破。
「アジョシ」と「悪魔を見た」については、アン・ヨンヒさんが「イ・ビョンホンVSウォン・ビン」と題した興味深い現地レポートを寄せています。
 さて、今週は2・5・7・9位が新登場。
 2位は7月に日本で公開しています。
 5位、原題「The Expendables」は消耗品の意。韓国題だと「익스펜더블」。シルヴェスター・スタローン監督のアクション映画なんですが、「南アメリカに向かった傭兵部隊が独裁政権を打倒するために戦う」という筋書きからしてアメリカ的独善性は変わってないなー、と思います。大体、傭兵という存在自体許せんっ、というのが私ヌルボの意見。日本公開は10月。
 7位は韓国ホラー。42年間で、11件の殺人事件が起こり、8人が事故死したという廃家。「生きた者の立ち入りを禁ずる」という恐怖の家に、廃家同好会の3人と撮影隊3人が撮影のため潜入する・・・という話。フェイク・ドキュメンタリーというんですかねー。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」あたりから注目されて、今はあまりめずらしくもなくなりましたが・・・。
 9位は韓国の人気コミックのアニメ版。韓国題は「마법천자문-대마왕의 부활을 막아라」。「千字文」は韓国では古来から漢字学習の基本テキスト。日本にも「論語」とともに王仁博士が伝えたといいます。このコミックには孫悟空等が登場します。楽しく漢字学習というコンセプトですかねー。2003年に第1巻が出て、今年第18巻が出ました。韓国ニンテンドーGSのソフトにもなってますよ。「漢字の韓国語読みの学習にいかがでしょうか?」と通販サイトは勧めてますが・・・。(ヨドバシの店員さんは「日本の本体との互換性はないです」と言ってたゾ。)

      
   【コミック版「魔法千字文」の第1巻。漢字カードが付いています。

韓国関係のメルマガ

2010-08-22 23:00:55 | 韓国関係の雑情報
 毎日例外なく、と言っていいほど新聞の国際欄には韓国・北朝鮮関係の記事が載っています。それを追うだけでもヒイコラしている上、先月号も読みきっていないのに「文藝春秋」と「世界」の新刊が出てしまいます。ホントに年をとると1ヵ月なんてあっと言う間。
 さらに、図書館で「朝鮮日報」を読んだり、さらに月刊誌の「新東亜」を3ヵ月分くらいまとめ読みすると、アタマの中で諸情報がからまってどうしようもなくなってくる、・・・というか、まあ相当部分は自然消滅していくんですけどね。
 ブログのネタになるかも、とメモしておいたまま立ち消えになった例は山ほどあります。

 それから、望まずして飛び込んでくるのがメルマガ。まあ、最初は申し込んだんですけどね。あまりにウザいのは配信取り消して、残った中でこれはいいかも、というのを少し紹介します。

①村上龍が編集長の<JMM>のサイトで、海外レポート・エッセイ中の<アン・ヨンヒの韓国レポート>。
 アン・ヨンヒさんは韓国生まれですが、小4~高1まで大阪在住。現在は会議通訳、及び韓国梨花女子大で日本語の講師も務める、という人です。
 キム・ヨナやパク・ヨンハ、財閥ネタ、独島問題等々、芸能・流行・事件から政治・経済に至るまでの非常に幅広い事柄について、表面的なニュースの紹介にとどまらず、その背景まで当地での生活者目線で伝えるレポートで興味深く読めます。
 この海外レポート・エッセイでは、<USAレポート>の冷泉彰彦氏も近いところでは「謝罪要求外交から和解の外交へ、広島慰霊祭へのルース米大使出席に思う」や、その次の週の「朝鮮王朝儀軌」の韓国への引き渡しについて記した「文化財が国境を越えるとき」のような韓国関係のエッセイも書いています。
 韓国とは直接関係ないですが、ふるまいよしこさんの中国レポートもおもしろいです。

モーニング・コリア
 統一教会系の「世界日報社」発行ですが、週5回(火~土)韓国の主なニュースをすばやく伝えてくれます。これは、というニュースがあったら、他の新聞社等のサイトで確認するといいでしょう。

 とても役立っている◎、というのは上の2つだけかも・・・。
 次に、少しは役立っている○というレベル。

K-POPS
 毎週400KBを超えるボリュームでコンサートやCDの情報を送ってきます。私ヌルボは、もっぱら最近どんな歌手や歌が流行ってるのかな?という情報を仕入れる程度です。
 芸能関係ではInnolifeのメルマガもありますが、深みに欠ける情報をよくこれだけ集めたもんだ!という感じ。

韓国観光公社
韓国文化院
在日韓人歴史資料館
 これらは、メルマガというよりも会員登録した人に送られてくる催し物等の情報ですね。

 あと、実にまめに送信してくるのが教保文庫YES24という韓国の代表的書店&ネット書店。ベストセラー情報等は有益。

 韓国語関係のメルマガはいっぱいあって、Googleで「韓国 メルマガ」でサーチするといろいろ出てきます。しかし、これはいい!というものは本気で探索してないこともあってめぐりあってません。初級レベルのものは少し探せばそれなりに役立ちそうなものはあるようです。
 上述のようにすでにアタマが飽和状態のヌルボですが、それでも「これはオススメ!」というメルマガがあれば教えていただきたく存じます。

[ハングル&漢検]一挙両得学習だっ! -難読植物名- ②

2010-08-21 19:18:34 | 植物の韓国語
 前の記事のつづきです。
 次のような簡単な読みは問題から外しましたが、一応ハングル表記を入れておきます。
 菖蒲(しょうぶ.창포)・蓮根(れんこん.연군)・蘇鉄(そてつ.소철)・鳳仙花(ほうせんか.봉선화)・芍薬(しゃくやく.작약)・甘草(かんぞう.감초)・紫蘇(しそ.자소)・銀杏(いちょう.은행)
 その他、慈姑(くわい.자고)など、韓国ではどうなの?というのもありますが・・・。

 では後半の20問です。

[Ⅰ] 1~20は何と読みますか?   正解は(   )を範囲指定すると現れます。

1.無花果  ( いちぢく )
2.万年青  (  おもと  )
3.羊歯    (   しだ   )
4.薔薇    (  ばら  )
5.扁桃   ( アーモンド
6.合歓木  ( ねむのき )
7.茱萸   (   ぐみ   )
8.枇杷   (  びわ  )
9.紫雲英  ( れんげそう
10.柚子  (  ゆず  )
11.凌霄花 (のうぜんかずら
12.椰子  (  やし  )
13.百合  (   ゆり  )
14.石南(楠)花 (しゃくなげ
15.罌粟   (  けし  )
16.辛夷   (  こぶし  )
17.梔子   ( くちなし )
18.棕櫚   (  しゅろ  )
19.忍冬   ( すいかずら
20.山査子  ( さんざし

[Ⅱ] 1~20はハングルでどう書きますか?   正解は(   )を範囲指定すると現れます。

1.無花果  (무화과
2.万年青  (만년청
3.羊歯    (  양치 )※後に植物(식물)や類(류)をつける。
4.薔薇    (   장미 )
5.扁桃   ( 편두 )
6.合歓木  (합환목
7.茱萸   ( 수유 ) ※木の場合は나무(木)をつける。
8.枇杷   ( 비파 )
9.紫雲英  (자운영
10.柚子  ( 유자 )
11.凌霄花 (능소화
12.椰子  ( 야자 )
13.百合  ( 백합 )
14.石南(楠)花 (석남화
15.罌粟   ( 앵속 )
16.辛夷   ( 신이 )
17.梔子   ( 치자 ) ※木の場合は나무(木)をつける。
18.棕櫚   ( 종려 )
19.忍冬   ( 인동 )
20.山査子 ( 산사자 ) ※これは実。木の場合は山査に나무(木)をつける。

[ハングル&漢検]一挙両得学習だっ! -難読植物名- ①

2010-08-21 19:16:29 | 植物の韓国語
 この暑い時期、目に鮮やかな花がサルスベリ。
 最近何かでどこかの誰かが(←?の3連発)実際にサルを滑らせようとしたが滑らなかった、という話を聞きました。

 数年前、韓国・仁川を真夏に訪れた時、見事なサルスベリを見て、韓国語で何というのかと辞書を引くと백일홍(ペギルホン)とありました。百日紅の音読みです。

 当時ちょっと漢字に凝っていて、漢検準1級用のテキストを買ってきて勉強をしたのですが、その中に難読の動植物名がわんさか出てきました。ほとんどオタクの世界ですねー。何とか合格しましたが、さらに1級となると泥沼的オタクの世界にはまってしまいそうな危険を感じたので、あえて近づかないことにしました。

 百日紅も、そんな思い出の難読漢字の1つでした。
 さて、そこで類推したのが、百日紅と同様の難読漢字をそのままハングルで音読すると韓国語として通用するのではないか、ということです。

 数十例の植物について確認してみると、たしかにゾロゾロ、該当例がありましたね。
 で、それらをクイズ形式にして列挙してみました。ぬわんと、全40問!

 多すぎるので、記事を2回に分けます。問題[Ⅰ]と[Ⅱ]を組み合わせればバッチリ!

[Ⅰ] 1~20は何と読みますか?   正解は(   )を範囲指定すると現れます。

1.仙人掌  ( さぼてん )
2.紫陽花  ( あじさい )
3.石榴    (  ざくろ  )
4.竜胆    ( りんどう )
5.胡桃   (  くるみ  )
6.玉蜀黍  (とうもろこし
7.土筆   (  つくし  )
8.独活    (  うど  )
9.車前草  ( おおばこ
10.生姜   ( しょうが )
11.馬酔木 ( あせ(し)び
12.落葉松 ( からまつ )
13.金盞花 ( きんせんか
14.牛蒡   (  ごぼう  )
15.女郎花 ( おみなえし
16.虎杖   ( いたどり )
17.勿忘草 (わすれなぐさ
18.燕子花 ( かきつばた 
19.金木犀 (きんもくせい
20.蒟蒻   ( こんにゃく

[Ⅱ] 1~20はハングルでどう書きますか?   正解は(   )を範囲指定すると現れます。

1.仙人掌 (선인장
2.紫陽花 (자양화
3.石榴   ( 석류
4.竜胆    ( 용담
5.胡桃   ( 호두
6.玉蜀黍  (옥수수
7.土筆   ( 토필
8.独活   ( 독활
9.車前草  (차전초
10.生姜  ( 생강
11.馬酔木 (마취목
12.落葉松 (낙옆송
13.金盞花 (금장화
14.牛蒡  ( 우엉
15.女郎花 (여랑화
16.虎杖  ( 호장
17.勿忘草 (물망초
18.燕子花  (연자화) ※(제비붓꽃)ともいう。
19.金木犀  (금목서
20.蒟蒻   ( 곤약

 →  に続く。

[韓国語] 「ムンチン・コンチンを求めています」って?

2010-08-20 19:51:44 | 韓国語あれこれ
 一応、ひとつ前の記事の続きです。
 最近の「朝鮮日報」の記事の中で、新語が目にとまりました。
 8月14日の囲み記事のひとつに、「중고생들 "문친•공친 구합니다")」という見出し。
 「中高生たち "ムンチン(문친)コンチン(공친)を求めています"」というものです。

 私ヌルボ、ムンチン(문친)の方は見当がつきました。漢字だと<文親>です。

 何年も前に初めて<ナムチン(남친)>という単語を見て、辞書にないので多分<男親>=父親だろうと思ったのですが、どうも文意がとれず、しばらくして男友だち(彼氏)<男子 親旧(남자 친구.ナムジャ チング)>の略語(준말)ということがわかりました。<男親>は合っていたんですけどね。女友だち(彼女)はもちろん<ヨチン(여친)>です。
<ナムチン>なんて今はふつうに使われている言葉ですが、辞書にはまだ載ってないです、か?

 さて、<文親>の方ですが、これは<文字 親旧>の略語。
 この場合の<文字(문자.ムンチャ)>は<문자 메시지(ムンチャ・メシジ)>=文字メッセージ、すなわち携帯メールのこと。
 NHKの語学サイト<ゴガクル>の中に次のような例文がありました。
 문자 메시지로 보내 주세요.(携帯メールでお願いします。)
 ※このサイトの「日→ハングル」は中級レベルの学習に役立ちそう。
 要するに、ムンチン(문친)とはメル友のことなんですね。

 もうひとつのコンチン(공친)も、すぐにわかる人もいると思います。

 ヌルボは何だろうと思いつつ、そのまま記事本文を読み進んだら、なんのことはない、<工夫 親旧>のことでした。勉強友だちです。

 しかし、日本でメル友という言葉はほとんど定着していると思うのですが、韓国のムンチンは今こういう記事になるところからみると、まだそんなに普及してないようです。Googleのヒット数も9万5千件くらいだし・・・。さらにコンチンとなると、消えずに残るかどうか?

最近の「朝鮮日報」の記事の中から

2010-08-19 23:52:31 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 図書館で8月14~18日の「朝鮮日報」をまとめ読み。
 光復節前後ということもあり、日本関連の記事も多く、また李明博大統領の<統一税>発言のように日本でも報道された政治関連記事もあれば、韓国プロ野球ロッテジャイアンツ李大浩選手の9試合連続本塁打を祝うロッテの全面広告もあります。
 ※韓国では9試合(9 시합)といわず9競技(9 경기)といいます。

 とくに、大きく紙面を割いているのは、15日に一般公開が始まった新しい光化門関係。これについてこのブログで書くとしたら、少なくとも記事5本分くらいにはなりそう・・・。

 ・・・ということで、今回は日本の新聞には載らない記事3つをかるく紹介してお茶を濁しておく(?)ことにします。

(1) 東京特派員氏が書いたコラム「日本列島10万㎞」 →韓国語 →日本語()

 5年前に来日したソン・ウジョン特派員。その時日本で買った車の走行距離が先週10万キロを超したとのことです。全国47都道府県を走破というのは、私ヌルボも遠く及ぶところではありません。
 彼が全国旅行を思い立ったのは、2006年島根県の<竹島の日>取材がきっかけ。松江市で早朝ジョギングをした時住宅街に迷い込んだ彼は整然とした街や「80歳を超えているであろうおばあさんが花壇に水をやり、おじいさんが路地の掃除をしていた」のを見て、「<竹島の日>を記念する少数よりも、心底まで誠実な多数の人々が目に迫った。しかし、そんな姿を伝えることはできなかった。整頓された路地、勤勉な高齢者など、「竹島」に興奮した韓国には何の意味があろうか」と自問します。
 その後旅行した各地では、「どこに行っても「素晴らしい日本」と「悪い日本」が交錯した」といいます。
 そして最後を次のような感想で結んでいます。
 「日本列島をめぐりながら、過去ではなく未来を見詰め、短所より長所を取り入れることが、韓国にとってよいのではないかと感じた。過去に対する怒りの矛を収めれば、数多くの長所がある国が日本だ。日本の長所を学べば学ぶだけ、われわれ韓国が強くなれば、それでいいのだ。島国日本はゆがんだ歴史観を持っていても成り立つが、文明と勢力が交錯する半島韓国は、過去に執着し、隣国と反目するほど、国家の基盤が崩れてしまう。100年前もそうだったし、100年後もそうであるはずだ」。

 先入観を排して、自分自身で見て考えたことを自然な筆致が書いている点に共感を持ちました。
 韓国語の記事の方には<100字評>が付いていて、この記事がどう受けとめられたかがわかります。

(2) シリーズ - 帝国の黄昏 <100年前のわれわれは> 235 -「英国外交官の目に映った高宗と伊藤博文」  →韓国語  →日本語

 日韓併合(1910年)の3年前、駐韓イギリス総領事ヘンリー・コックバーンが英国外相グレーあてに送った報告書の中で、当時の韓国皇帝高宗と、伊藤博文についての印象を次のように記していると紹介しています。

 「皇帝に対する謎は、そんなに知的な人がどのようにそれほど愚かに行動をしたのかを理解しようとする問題だ。彼を良く知っている多くの人々の証言によれば彼の心で沸き出る真の飾らない丁重さ、そして礼儀正しい態度などは疑うところがない。」 
 「高宗が信頼して仕事を任せるのに値する人を選び出す能力が不足しているから失政を犯すことになる。」
 「・・・虚偽情報を簡単に信じるだけでなく、海外政治状況に関する全体的な考えは、数年間彼に偽って提出された情報を基礎にしている。事実上彼は・・・どんな人も完全に覚ましてやれない政治的な錯覚の世界に住んでいる。」


 一方、伊藤博文については、高宗と相反する評価。
 伊藤の政治・外交的能力を高く評価しただけでなく人柄面でも絶賛している。「伊藤の参謀らは韓国で仕事をするのは良く思っていなかったが、伊藤が当所で仕事をするように要請したので満足している」とコックバーンは書いている。

 ・・・ということで、嫌韓派の人たちが喜びそうな内容。
 記事は、続けて次のようにコメントをつけています。

 「他の国外交官の観察を額面のとおり受け入れる必要はない。・・・だが第三者の目に当時の韓国と日本がどのように映ったのかは注目する必要がある。・・・外国人の目に映った大韓帝国は列強の侵略に対抗する軍事力もなくて、外交政策を推進する能力を持った人材も不足した。国家財政は貧弱だった。総体的な国力が日本と比較できないほど傾いた。累積した悪政と国際情勢に対する無知の結果であった。反面日本は・・・」

 ・・・と冷静な見方をしています。「朝鮮日報」だからか、韓国全体の雰囲気が変わってきているということなのか?

 (3)は韓国語関係ですが、別記事にします。

北朝鮮の公式サイトを見る方法②(ツイッター、YouTubeについて)

2010-08-18 13:19:43 | 北朝鮮のもろもろ
 北朝鮮の公式サイトを見る方法①で北朝鮮の公式サイト<わが民族同士(우리 민족끼리.ウリミンジョクキリ)>を紹介しました。

 さて、このHP画面右上の部分の「▶ 우리 민족끼리 – 유트브」がYouTube(유트브)、「▶ 우리 민족끼리 – 트위터」がツイッター(트위터)です。(下図参照)

 YouTubeの方の手っ取り早い見方は、YouTubeの検索窓に「uriminzokkiri」と入れて検索すればいいんですけどね。

 実際に見て見ると、ツイッターの方は政治宣伝といったものばかりのようです。YouTubeは、まだ一部しか見ていませんが、政治宣伝以外にもそれなりに興味深いものもありました。
 3例だけ紹介します。動画画像は各リンク先でご覧ください。

[A] 「가야금병창 귀틀집 실물레(伽耶琴伴奏 丸太小屋の糸車)」・・・軍服姿(!)で伽耶琴(カヤグム)等の楽器を演奏しています。 →リンク先

[B] 「수중교예 집체조형, 륜돌리기(水中サーカス、集体造形、輪回し)」・・・すごい妙技! →リンク先

[C] 「아동영화 야웅이의 인사(児童映画 ヤウンイの挨拶)」・・・こういうのもあるんですね。内容(あらすじ等はいずれ書き足しておきます。 →リンク先

北朝鮮の公式サイトを見る方法①(ハングルを知らない人でもOK)

2010-08-18 12:45:54 | 北朝鮮のもろもろ
 北朝鮮の公式サイト<わが民族同士(우리 민족끼리.ウリミンジョクキリ)>は以前からたまに見たりしていましたが、最近ツイッターやYouTubeでの動画提供まで始めたことは、一昨日(8月11日)の「毎日新聞」(東京.夕刊)の記事で初めて知りました。

 確認してみたら、たしかにありました(当然)。
 アドレスはコチラです。→http://www.uriminzokkiri.com

 HPのタイトルの下に<조국평화통일위원회(祖国平和統一委員会)>とありますが、このサイトから「労働新聞(로동신문)」や朝鮮中央通信(조선중앙통신)の記事等も見ることができ、まごうかたなき北朝鮮の公式ウェブサイトです。

 いろいろコンテンツが盛り込まれている中で、私ヌルボのお薦めは、上部のバーの「조선영화(朝鮮映画)」、「조선명곡(朝鮮名曲)」「화면음악(画面音楽)」「음악감상실(音楽鑑賞室)」から入って見たり聴いたりできる音楽や動画。
 それから、なんとゲーム(게임)まであるんですねー。
 これらについては、いずれ別記事でとりあげたいと思っています。

 ハングルが読める方はそれらをクリックしてご随意に見ていただくとして、ハングルを全然読めない方も日本語訳で読む方法をご説明します。

[2013年4月6日の付記]
 以下、いろいろ書いてありますが、一番手っ取り早いのは、google翻訳の韓国語→日本語の左側の窓に上記のURL=http://www.uriminzokkiri.comをそのままコピペして翻訳、という方法です。

(1) 記事のタイトルと思われる部分を範囲指定する。(記事内の文章、たとえば冒頭部分等でもよい。)

  

(2) googleの検索窓に貼りつけて検索する。

  

(3) ヒットしたら、[このページを訳す]をクリックする。

  

(4) すると訳文があらわれる。正しく訳されない部分も目につきますが、おおよその文意はわかると思います。

  

 他の方法もあるかと思いますが、タイトルや文章の一部をコピペしてそのままググるのは、もちろん北朝鮮サイトに限らず応用範囲は広いですね。

 また、曲名のわからない歌を聴いて、その聴きとれた部分だけでもハングル入力し、가사(歌詞)の語もプラスして検索すると曲名や歌詞全部がわかることはよくあります。(要は日本の歌の情報探索と同じ、ということです。)

 北朝鮮の公式サイトを見る方法②(ツイッター、YouTubeについて)は→コチラ

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[8月13日(金)~15日(日)]

2010-08-17 18:48:01 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 7月は7本、8月に入ってからは5本と、観た映画の本数が増えてきました。
 その中で一番見応えがあったのが「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」(2007年)。なんとなく敬遠して観てなかったのですが、若松孝二監督も役者陣も力がこもっていて、ずっしりと心に響きました。若松監督、74歳ですがますます意気盛ん。「キャタピラー」も近日中に観に行きます。

 韓国映画関係の情報では、待望の「国家代表!?」が10月23日(土)からシネマスクエアとうきゅう等で全国ロードショー。その前、9月17日18時30分~<したまちコメディ映画祭>のオープニングセレモニーとして浅草公会堂で上映されます。
また、今年2月東中野ポレポレでやっていた<真!韓国映画祭>の全4作品が、私ヌルボ行きつけの横浜・シネマジャック&ベティで<よこはま若葉町多文化映画祭>(8.28~9/5)の中で上映されます。
 <真!韓国映画祭>のサイトによると、今後富田林で「飛べ!ペンギン」、福岡で4作品の上映が予定されています。
 先々週予告したシネマート新宿の<韓流シネマフェスティバル2010>も近づいてきました。タイムテーブル等はリンク先でご確認ください。

   ★★★ Daumの人気順位(8月17日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①ゴッドファーザー  9.4(158)
②トイ・ストーリー3  9.4(330)
③アジョシ[おじさん](韓国)  9.4(3155)
④名探偵コナン:天空の難破船(日本)  9.3(320)
⑤聴説  9.3(195)
⑥ナニー・マクフィー&ザ・ビッグバン  9.1(23)
⑦ステップ・アップ 3D  9.0(276)
⑧僕の初恋をキミに捧ぐ(日本)  8.8(94)
⑨インセプション  8.6(2408)
⑩ドラえもん:のび太の人魚大海戦 (日本)  8.5(78)

 初登場は⑥だけです。「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」の第2作。日本公開は今秋とか。韓国題は「내니맥피 2 : 유모와 마법소동(ナニー・マクフィー2:乳母と魔法騒動)」。

【専門家による順位】

①白いリボン  8.8(5)
②ゴッドファーザー  8.6(6)
③オーシャン・ワールド3D  8.0(1)
④ハハハ[夏夏夏](韓国)  7.7(10)
⑤インセプション  7.7(8)
⑥トイ・ストーリー3  7.7(5)
⑦悪魔を見た(韓国)  7.0(6)
⑧Taking Woodstock  7.0(6)
⑨リミッツ・オブ・コントロール  7.0(3)
⑩奇跡のオーケストラ-エル・システマ  6.8(6)

 めずらしく4つも新登場。
 ③は出産を控えた一匹の亀の壮大な旅を追う海中アドベンチャー。年内に日本公開。
 ⑦は後述。
 ⑨は昨年日本公開。
 ⑩は独・仏・日・スイス・スウェーデン共同製作のドキュメンタリー。ベネズエラで1975年に始められた貧しい子どもたちに音楽を教えるというプロジェクト。内容は、よく利用させていただいている<韓国映画スタッフブログ>に詳しく紹介されています。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[8月13日(金)~15日(日)] ★★★
         ウォンビンの新作「アジョシ」が連続1位で200万人超える

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数

1・・アジョシ(韓) ・・・・・・・・・・・・・08/04・・・・・・・・・761,150・・・・・・・・・・・・・2,366,777・・・・・・・590
2・・悪魔を見た(韓) ・・・・・・・・・・08/12・・・・・・・・・519,364・・・・・・・・・・・・・・・638,695・・・・・・・578
3・・インセプション ・・・・・・・・・・・07/21・・・・・・・・・435,381・・・・・・・・・・・・・4,819,207・・・・・・・423
4・・トイ・ストーリー3・・・・・・・・・・08/05・・・・・・・・・290,832・・・・・・・・・・・・・1,024,851・・・・・・・382
5・・ソルト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・07/29・・・・・・・・・240,384・・・・・・・・・・・・・2,681,575・・・・・・・355
6・・ステップ・アップ 3D・・・・・・・08/05・・・・・・・・・114,756・・・・・・・・・・・・・・・490,766・・・・・・・209
7・・ナニー・マクフィー・・・・・・・・・08/11・・・・・・・・・・95,073・・・・・・・・・・・・・・・122,614・・・・・・・183
    &ザ・ビッグバン
8・・オーシャンワールド 3D・・・・08/11・・・・・・・・・・63,914 ・・・・・・・・・・・・・・・・81,296・・・・・・・105
9・・エクスペリメント・・・・・・・・・・08/11・・・・・・・・・・36,745・・・・・・・・・・・・・・・・・54,832・・・・・・・125
10・・苔(韓)・・・・・・・・・・・・・・・・・07/15 ・・・・・・・・・・33,240・・・・・・・・・・・・・・3,358,626・・・・・・・193

 1位「アジョシ」は2週経たずに200万人突破。
 2・7・9位が新登場。
 2位はイ・ビョンホンとチェ・ミンシクが共演したスリラー、というだけで注目ですね。チェ・ミンシクが連続殺人犯役。しかし、「殺人の追憶」から「チェイサー」まで、連続殺人物は多いような気がします。韓国社会でも、この10数年の間にいくつもありましたが・・・。
 7位は上述。
 9位はドイツ映画「es」のハリウッドリメイク版。「es」や「THE WAVE ウェイヴ」のような映画がドイツで作られてヒットするというのは、やはりナチス体験が根っこにあるから?

林権澤監督の映画「開闢」を観て、東学について学ぶ[下]

2010-08-16 21:49:27 | 韓国映画(&その他の映画)
 →前の記事の続きです。
 東学の歴史を叙述した林権澤監督の大作「開闢」を観て、私ヌルボが認識を新たにした点&考察等を列挙します。

(1) 東学の歴史は、甲午農民戦争の30年以上も前に始まりました。この映画で描かれる東学の歴史は、崔済愚が刑死した1864年前後から第2代教主となった海月・崔時亨(ヘウォル.チェ・シヒョン.해월・최시형)の刑死(1898年)まで、30年余りに及んでいます。(その後も歴史もいろいろあったのですが・・・。)
 明治時代後期(1994年)の日清戦争の契機となった甲午農民戦争(東学党の乱)のはるか以前、日本史でいえば幕末(1860年)に東学が創始されたとは知りませんでした。

(2) 映画の主人公は第2代教主崔時亨です。全琫準ではなく、孫秉熙や崔済愚でもありません。彼の生地は崔済愚と同じ慶州。崔済愚の刑死後の長い間、政府による弾圧の中で、半島各地を転々としながらも布教活動を続け、教線を拡大していきました。
 つまり、1890年代にあれほどまでに成長した東学の中心にいた人物が崔時亨だったということです。
(3) 「開闢」という言葉は、東学の中心思想の「後天開闢」(世直し)によるものです。
 ※1920年創刊の朝鮮の雑誌「開闢」は東学から改称した天道教の機関誌的雑誌。多くの作家・詩人が作品を発表し、文学史的にも重要。
 ※統一教会も「後天開闢」という用語を使っている、ということを今日知りました。

(4) 東学の特色は人間中心主義と平等思想「人乃天」(人すなわち天)という言葉に示されるように人間はすべて神様だと考え、特に長い間さげすまれていた女、子供、庶子などを、天のように貴い存在として、完全な万民平等を唱えました。
 ※崔時亨は「子供を叩くなかれ、なぜなら子供は神様だからだ」と言いました。
  また彼は、当時の身分制社会の中で、身分と関係なく向かい合って礼をすることを説きました。

(5) 上記のような教義は、もしかしたら日本の幕末~明治初期に創始されたいくつもの新興宗教と共通する点があるのかな、と思いました。(事実のほどは不明。)

(6) 東学の拡大の背景には、怪疾(괴질.ケジル)とよばれたコレラが蔓延する中、「東学の徒は怪疾に罹らない」という噂が広がったこともあるようです。映画では、崔時亨が「食べ物や手をよく洗って食べるように・・・」と説いたりしている場面がありますが・・・。

(7) 朝鮮の政府は、開国後天主教(カトリック)改新教(プロテスタント)は認めるようになりましたが、東学は認めませんでした。それだけ脅威と感じていた、ということでしょうか? あるいは万民平等という教義の問題?

(8) 1893年忠清北道の報恩(ポウン)には2万人もの東学教徒があつまり、「輔国安民」「斥洋斥倭」の旗を掲げて汚職官吏の懲罰、生活難の打開等を叫んで気勢をあげました。
 この時、指導者間で方針をめぐって対立が生じました。決起を促す強硬派に対し、崔時亨は請願のための集会であるとして自制を求めます。
 その後全琫準等は白山で蜂起し、全州に進撃します。
 崔時亨は「これ以上信徒を犬死させずに降伏しろ!」と叫びますが、状況に逆らえずついには決起を命じます。
 しかし公州牛金峙(ウグムチ.우금치)の戦闘で、東学軍は日本軍の近代兵器の前に敗れ、壊滅状態になってしまいます。

(9) 以上は映画を観て知ったこと、考えたことですが、これはネットで関連記事を見た中から。
 上記のような東学内での対立の存在、とくに教主崔時亨の基本姿勢についてはこれまで知りませんでした。
 「宗教的なものから政治的なものへ変質または転換した」というこの時期の東学については歴史的評価の分かれるところのようです。
 無抵抗主義を貫こうとした民族宗教として評価するか、「消極的」「敗北主義的」であったとみるか・・・。
 「人物 朝鮮の歴史」(明石書店)は明らかに全琫準を高く評価し、崔時亨については、誠実さや人道主義等を評価する一方で、「実践行動でいつも躊躇したのは、彼の性格の弱さと歴史意識の不足を示すものである」と厳しく批判しています。

(10) これに関連するかどうか、<忘暮楼日記>というサイトに韓国紙「忠清日報」連載の「東学農民革命の現場を訪ねて」の翻訳がありました。その中の次のような記述に目がとまりました。

 「東学革命史に対する歴史研究や評価は、日帝強占期と軍部独裁政権の影響下から長い歳月の間制限されてきた。なぜなら彼らは歴史が民衆闘争史的視角で把握されることを警戒したからだ。
 このような環境で進められてきた東学革命史研究は、官記録に依存して、一般的で観念的な歴史研究にとどまってしまった。すなわち、東学革命史が全羅道の地域の全琫準を中心として起きた事件という制限されたカテゴリーに閉じ込められるようになったことである。このような制限で結局、忠清道の東学革命史が私達のすぐ近くに生きている歴史として理解されることを妨げる要素となった。」


 ・・・なになに? 全羅道、全琫準を中心とした限定的な東学のイメージは軍部独裁政権の姿勢と関係がある?
 とすると、林権澤監督が1991年という時点で、崔時亨を中心に、決起以前の長い弾圧と布教の時代、そして教義自体に重点を置いた作品を作ったことも軍政の終わりと関係があるのですか?
 調べるほどに生まれる疑問の数々ですね。毎度のことですが・・・。

★長々と書きましたが、ウィキで東学の項目を見ると、なかなか要領よくまとめられていると思いました。

★この記事を書いている途中、一昨年(2008年8月)に全州に行った時に、東学革命記念館に行ったことを思い出しました。夕方の閉館間際で、ただ写真を数枚撮ってきただけですが、今改めて見てみると、館内に置かれていた座像が崔時亨のものでした。
 今度全州に行ったら、ちゃんと時間をとって見学しようと思います。他にも、東学関係の見学ポイントはいろいろあるようです。

      
 【写真を撮った時には「全琫準じゃないのか」くらいにしか思わなかったのですが・・・。】

     
        【今プレートを確認すると崔時亨でした。

    
   【この記念館は、「東学革命100周年」を期して1995年に建てられたとのことです。