ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画の興行成績 [8月19日(金)~8月21日(日)]と人気順位 ►フランス映画「フルタイム」、上映の予定はないの? ►イ・ジョンジェ監督の「ハント」、「閑山:龍の出現」にどこまで迫るか?

2022-08-26 21:54:42 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回の記事でまず注目の映画はフランス映画の「フルタイム」です。2人の子供を抱えて育児や仕事(それも遠距離通勤)で多忙な毎日を送っているシングルマザーが大規模な交通ストライキのためピンチに追い込まれて、まさに24時間フルタイム労働の状態に。一観客までハラハラ、ドキドキ、→予告編(韓国版)の字幕にあるように「手に汗を握る映画」のようです。
 本作は<第78回ベネチア国際映画祭(2021)>のオリゾンティ部門で最優秀監督賞(エリック・グラベル)と最優秀女優賞(ロール・カラミー)を受賞しました。フランスに限らず、同じような状況にある働くシングルマザーは世界中に大勢いると思います。もちろん日本にも。そんな社会へのアピールという意味がこの賞に込められているのでしょう。この作品に関心を向けるのは私ヌルボ以外にも多数いるはずですが、日本公開が未定のようなのはなぜなのかな?
 ※国によって保育園や幼稚園の制度の違い(子供を預かる時間等)やシングルマザーへの公的支援等に違いがあります。フランスはその点日本より厳しいのかなと思いましたが、<フランス移住してみたら、子育て中の女性の7割がフルタイムで仕事をしていた。日本と何が違うのか?>と題したパリ在住のジャーナリスト吉田理沙さんが書かれた記事を見つけました。(→コチラ。) 多岐にわたって具体的に記されています。そして最後に次のようにまとめられています。
 日本同様フランスでも、家事の負担割合は依然として女性の方が多く、「ワーママ」は息をつく暇もない。それでも、3歳児以降の教育と保育だけに焦点を当てれば、フランスのシステムは日本のそれよりずっとわかりやすく、母親の負担も圧倒的に軽い。フランスの幼稚園制度と学童の充実ぶりには、今でも狐につままれたような気分になる。
 ふーむ、そうなのか・・・。

▶個人的にチラッと注目の韓国映画は「アウェイク。たまたま同日公開の日本映画「CUBE 一度入ったら、最後」同様の密室脱出スリラーですが、私ヌルボ、菅田将暉・杏・岡田将生等々なかなかの俳優陣ながら観てなかったどころか認知さえしてませんでした。(なぜ ??) 今各映画サイトの評点を見ると案の定高くはなくて、いや低くて、やっぱりなーの感あり。この手の密室脱出スリラーの原点とされるのがヴィンチェンゾ・ナタリ監督の「キューブ」(1997)とのことですが、ミニシアターで社会勉強のような映画ばかり観てないで時にはこういう評点の低いB級映画を観るのも悪くないかも、と「チラッと」思った次第です。

    ★★★ NAVERの人気順位(8月24日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) トップガン マーヴェリック  9.77(40,119)
②(2) 名探偵コナン ハロウィンの花嫁(日本)  9.48(1,577)
③(3) しなやかに(韓国)  9.47(17)
④(10) モア(韓国)  9.42(212)
⑤(5) 劇場版サバイバルシリーズ
       : 人体のサバイバル!/深海のサバイバル!(日本)  9.42(38)
⑥(4) アナタの顔(韓国)  9.41(153)
⑦(新) トゥーランドット 闇の王国(韓国)  9.36(14)
⑧(6) 詩人の歌、チョン・テチュン(韓国)  9.35(146)
⑨(7) 犯罪都市2(韓国)  9.34(27,203)
⑩(新) アウェイク(韓国)  9.31(16)

 ⑦⑩の2作品が新登場です。
 ⑦「トゥーランドット 闇の王国」は韓国のミュージカル。<トゥーランドット>といえばもちろん元はプッチーニのオペラ。韓国では2011年に創作ミュージカルが初演。2020年までに8回の公演が行われてきたとのことですが、オペラの場合と音楽がどう違うのかよくわからず。そこで本作の予告編(→コチラ)を見てみました。なるほど、です。実際に韓国でミュージカルの公演を観た方のブログ記事(→コチラや→コチラ)を読むとドチラも「すごくよかった!」との感想。アイドルグルーブ出身の歌手が多いとのことで、そうしたイケメンスターへの人気もあるのかな? なお、本作はトゥーランドット姫(ペ・ダヘ)、カラフ王子(ミン・ウヒョク)、侍女リュー(ヤン・ソユン)という配役。韓国題は「투란도트 어둠의 왕국」です。
 ⑩「アウェイク」は韓国の密室脱出スリラー。ハン・ソジン(イム・セミ)・28歳・水原。イ・ドンヒョク(ソン・ジル)・48歳・大田。チョ・ヘリン(ハン・ジウォン)・19歳・ソウル。年齢も違うし、住んでいる所も違う3人がどこかもわからない、1人がやっと横になれる窮屈な空間で目を覚まします。どうやってここに来たのかも分からず、拉致された時の記憶もありません。誰が、なぜ、どのようにして彼らをここに閉じ込めたのか? わずかな手掛かりは受信のみの携帯電話。この状況を設計した人物と一方通行ながら情報は得られそうです。そして壁越しに聞こえる他の2人との声のやりとり。各自が記憶をたどり共通点を見つけられれば脱出方法も見つかるかもしれませんがはたして・・・。原題は「어웨이크」です。※折しも日本版密室脱出スリラーの「CUBE 一度入ったら、最後」が韓国で本作と同日に公開されています。韓国経済新聞でこれら密室脱出映画の元祖と言うべきヴィンチェンゾ・ナタリ監督の「キューブ」(1997)も合わせて言及した記事がありました。(→自動翻訳) 私ヌルボ、どれも観ていませんが、それぞれにお国柄が反映されているようです・・・(って当たり前か。)

     【記者・評論家による順位】

①(1) 別れる決心(韓国)  8.71(14)
②(-) ドライブ・マイ・カー(日本)  8.44(9)
②(2) トップガン マーヴェリック  8.44(9)
④(3) 偶然と想像(日本)  8.29(7)
⑤(5) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
⑥(6) アフター・ヤン  7.80(5)
⑦(4) NOPE/ノープ  7.67(9)
⑧(8) モア(韓国)  7.38(8)
⑨(新) フルタイム  7.33(9)
⑩(9) ベルイマン島にて  7.30(7)

 ⑨「フルタイム」が新登場です。フランスのドラマ。冒頭に書いたように<第78回ベネチア国際映画祭(2021)>のオリゾンティ部門で最優秀監督賞と最優秀女優賞を受賞した作品です。
 ジュリー(ローレ・カラミー)はパリ郊外で暮らすシングルマザー。それも2人の子供(姉弟)をベビーシッターに預けてパリのホテルに長距離通勤しルームメイドとして忙しく働いています。家計は厳しく、離婚した前夫とは連絡が途絶えているうえ養育費も送られてきません。一方、融資を受けたお金の返済が滞っていると、銀行から督促の電話がかかってきます。そんなこんなで息の詰まるような毎日なのに、2人の子供もなかなか言うことを聞いてくれません。
 それでも1人でなんとか支えてきた彼女の日常は大規模な交通ストライキのため最悪の状況に陥ります。公共交通機関の運行が止まり、彼女はヒッチハイク等さまざまな方法を試みるものの職場には遅刻を繰り返し、結局解雇の危機に立たされます。その上交通手段がないため帰宅時間が遅くなるとベビーシッターは怒って仕事を辞めると言い出します。ジュリーは職場の上司には内緒で出産前に携わっていた市場調査関係の会社の面接を受けようとしますが、誰も彼女と勤務を代わってくれそうにありません。こんな状況の中でジュリーの生活と心理状態は困難を越えて恐怖に陥ってしまいます・・・。韓国題は「풀타임」。日本公開は未定のようですが、なんで?

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月19日(金)~8月21日(日) ★★★
            「ハント」が2週連続1位だが、<夏の勝者>の座は難しい?

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ハント(韓国)・・・・・・・・・・・・8/10・・・・・・714,746 ・・・・3,042,157 ・・・・・31,603・・・・1,579
2(2)・・閑山:龍の出現(韓国)・・・・7/27・・・・・・343,514 ・・・・6,711,674 ・・・・・68,716・・・・1,114
3(23)・・NOPE/ノープ・・・・・・・・・8/17・・・・・・157,970 ・・・・・・253,839・・・・・・・2,912・・・・・・971
4(4)・・トップガン マーヴェリック・・6/22・・・・96,695・・・・・7,865,812 ・・・・・84,103・・・・・・539
5(3)・・非常宣言(韓国)・・・・・・・・・・8/03・・・・・・・50,054・・・・・2,020,671 ・・・・・20,562・・・・・・578
6(6)・・ミニオンズ フィーバー・・・7/20・・・・・・・39,205・・・・・2,212,170・・・・・・21,452・・・・・・428
7(5)・・DC がんばれ!スーパーペット・・8/10 ・・33,318 ・・・・・・217,564・・・・・・・2,503・・・・・・436
8(7)・・オクトノーツの探検船大作戦・・8/11・・・12,928・・・・・・・・64,493・・・・・・・・・609・・・・・・198
9(9)・・別れる決心(韓国) ・・・・・・・・6/29・・・・・・・11,331 ・・・・1,845,542 ・・・・・19,141・・・・・・144
10(新)・・ブレット・トレイン ・・・・・8/24・・・・・・・10,153 ・・・・・・・10,777・・・・・・・・・132・・・・・・177
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今夏の大作韓国映画の勝者は?と累計観客動員数を見ると「閑山:龍の出現」があの「鳴梁」には遠く及ばないものの1位になりそう。ただこの先「ハント」がどこまで数字を伸ばすか?といったところです。
 3・10位の2作品が新登場ですが、3位「NOPE/ノープ」(韓国題「놉」)については1つ前の記事で紹介しました。
 10位「ブレット・トレイン」はアメリカのアクション。伊坂幸太郎の小説「マリアビートル」が原作、ブラッド・ピットが主演ということで注目されています。日本では9月1日公開ということで私ヌルボも予告編を観ました。→公式サイト等々で諸情報が流されているので内容紹介等は省略します。韓国題は「불릿 트레인」です。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(36)・・フルタイム・・・・・・・・・・・・・・・・・8/18・・・・・・・・・2,813 ・・・・・・・・4,771・・・・・・・・・・45 ・・・・・・・59
2(8)・・ノクターン(韓国) ・・・・・・・・・・・・8/18・・・・・・・・・2,204 ・・・・・・・・4,658・・・・・・・・・・37 ・・・・・・・48
3(新)・・破虜湖[パリョホ](韓国)・・・・・・8/18・・・・・・・・・1,385 ・・・・・・・・2,749・・・・・・・・・・24 ・・・・・・・46
4(1)・・幸運を祈ります、レオ・グランデ・・8/11・・・・・・・・・904・・・・・・・・・7,581・・・・・・・・・・74 ・・・・・・・34
5(4)・・サマーフィルムにのって(日本)・・7/20 ・・・・・・・・・880 ・・・・・・・30,406 ・・・・・・・・289 ・・・・・・・24

 1・2・3位の3作品が新登場です。
 1位「フルタイム」については上述しました。
 2位「ノクターン」は韓国のドキュメンタリー。自閉症スペクトラム障碍のあるソンホは音楽だけは得意ですが母親のミンソがいなければ自分でひげ剃りもできません。ミンソはこれまでただソンホの音楽のためにすべてを捧げてきましたが、ソンホと同じくらい音楽を愛する弟のゴンギはそんな兄が大したものでもなく役に立たないと思っています。しかし、時間が経つにつれてソンホの音楽はますます輝いていきます。そしてゴンギは兄と母の人生で何かを発見することになります・・・。原題は「녹턴」です。
 3位「破虜湖[パリョホ]」は韓国のスリラー。ドウ(イ・ジュンオク)は認知症の老母の世話をしています。そのため嫁を迎えることもできなかった彼は村で噂の孝行息子です。ところが老母が行方不明になると、人々は彼に疑いの目を向け、ドウの味方はただなじみの美容院院長(カン・マルグム)だけになります。しばらくして正体不明の男(キム・デゴン)が現れてドウの周りをうろつき、知り合いの喫茶店従業員の女性(キム・ヨンギョ)は突然謎めいた目つきと笑顔でドウを魅了します。疑うことで支配する者、そして疑われて支配される者。真実を飲み込むヒステリックな心理的追撃が始まり、破虜湖を背景に湖深く沈んだ真実の断面が徐々に明らかになっていきます・・・。原題は「파로호」です。※<破虜湖>は北朝鮮との軍事分界線に近い江原道華川にある湖で、太平洋戦争中の1944年に日本が作ったダムによってできた韓国最北端の人工湖。朝鮮戦争の際に中共軍に勝利を収めた後「蛮族を打ち破った湖」という意味のこの名前が付けられた。
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韓国内の映画の興行成績 [8月12日(金)~8月14日(日)]と人気順位 ►近日公開の「NOPE/ノープ」が楽しみ! ►韓国産の大ヒット学習漫画サバイバルシリーズの劇場版は日本製で韓国公開中

2022-08-19 06:17:29 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回の記事でまず注目の映画はアメリカ映画の「NOPE/ノープ」です。日本でも8月26日公開で当然→公式サイトももちろん用意されています。あの「ゲット・アウト」「アス」のジョーダン・ピール監督の最新作、というのが私ヌルボが惹かれる理由その1。そしてその2は、まあ→予告編を観てみて下さい! 何やらわけのわからないゾクゾク感です。もう少しだけ詳しい(?)ストーリーは下の記事参照。

▶個人的に注目の韓国映画は「曲がり角[모퉁이]という独立系映画。大学の映画科の同窓だった男性3人が約10年後学生時代の行きつけの店で酒を飲みながら映画談義をして・・・という内容で、ほぼ3人の話を中心に英題の「No surprise」のような雰囲気で進行する作品のようです。シン・ソン監督は本作が初の長編ですが、これまでホン・サンス監督の「自由が丘で」では現場支援を担当、「夜の浜辺でひとり」では俳優(映画の演出役)として出演しているということで、彼の影響もあるのかもしれません。私ヌルボが惹かれれたのは、若い監督が観客に媚びることなく人間関係や世の中と誠実に向かい合っていることが感じられるから。今の日本映画界はどうなんでしょうね??

▶日本製の劇場版アニメが韓国でも上映が始まったということで韓国原作の大人気学習漫画サバイバルシリーズに(個人的には)6年ぶりに注目! 大人が読んでもおもしろくためになります。<サバイバルシリーズ>で動画検索すると本の紹介も兼ねて短いYouTube動画がたくさんヒットします。→「ペーパーウォッチのつくりかた」
なんてよくこんなアイディアが出てくるものだなー(尊敬の眼差し!)。
     
【 原作は韓国の学習漫画「人体のサバイバル」(左)と、日本製劇場版アニメ「人体のサバイバル」のポスター。文字とは逆! 】

    ★★★ NAVERの人気順位(8月17日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) トップガン マーヴェリック  9.77(38,805)
②(2) 名探偵コナン ハロウィンの花嫁(日本)  9.48(1,537)
③(3) しなやかに(韓国)  9.47(17)
④(4) アナタの顔(韓国)  9.41(152)
⑤(新) 劇場版サバイバルシリーズ
       : 人体のサバイバル!/深海のサバイバル!(日本)  9.39(36)
⑥(6) 詩人の歌、チョン・テチュン(韓国)  9.35(146)
⑦(5) 犯罪都市2(韓国)  9.34(27,147)
⑧(新) 曲がり角(韓国)  9.33(12)
⑨(7) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.24(1,611)
⑩(8) モア(韓国)  9.22(148)

 ⑤⑧の2作品はが新登場です。
 ⑤「劇場版サバイバルシリーズ: 人体のサバイバル!/深海のサバイバル!」は日本のアニメ。この<サバイバルシリーズ>とは、元はと言えば韓国で大人気の学習漫画シリーズ(→ウィキペディア)で、「無人島のサバイバル」(2001)を皮切りにこれまで計37シリーズ・59巻を刊行してきました。そして国内で1千万部以上の販売を記録し、さらに日本・台湾・米国等世界7ヵ国にも輸出され、累積販売部数3千万部以上を記録しているそうです。で、私ヌルボも2016年に「干潟のサバイバル1&2」を(ユムシに重点を置いて)読んで記事を書きました。(→コチラ。)
 ・・・ということで本作ですが、2020年に日本で映画版の第1作として東映アニメーションが制作した「人体のサバイバル!」と翌年の第2作「深海のサバイバル!」。日本ではそれぞれ別のアニメと抱き合わせで上映されましたが、韓国ではこの2作がセットで上映されています。韓国題は「극장판 살아남기 시리즈: 인체에서 살아남기」です。内容は略しましたが、Eテレでも放映されているし配信でも観られるようです。※予告編→「人体のサバイバル!」、→「深海のサバイバル!」
 ⑧「曲がり角」は韓国のドラマ。<第47回ソウル独立映画祭(2021)>で<新しい選択賞>受賞、また<第26回釜山国際映画祭(2021)>の<韓国映画の今日のビジョン>部門選定作です。
 大学で映画科の同窓だった3人の仲間が当時よく行った食堂で久しぶりに会うことにします。ソンウォン(イ・テックン)とジュンスン(ハ・ソングク)は約束した場所に来ますが、もう1人は来ません。ところが店に向かう途中、道の曲がり角で同じく同期の学生だったビョンス(パク・ボンジュン)と偶然出くわします。そして3人は酒の席を共にし、10年の空白を埋める映画談義を交わしますが、彼らの話は予想もしなかった方向に流れ始め、ぎこちない空気が漂います。実はソンウォンとビョンスは10年ぶりに会ったにもかかわらず互いに受けた傷をまだ忘れていないのです。ソンウォンは長い間映画を作っていませんが、過去ビョンスが自分の話を勝手に盗んで映画にしたことに許せない感情を持ち続けています。そしてこの偶然の飲み会の後・・・。実はその後ビョンスは自ら命を絶ってしまいます。ソンウォンは彼の自殺が自分のためでではないかと思います・・・。韓国題は「모퉁이」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 別れる決心(韓国)  8.71(14)
②(2) トップガン マーヴェリック  8.44(9)
③(3) 偶然と想像(日本)  8.29(7)
④(新) NOPE/ノープ    8.00(5)
⑤(4) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
⑥(5) アフター・ヤン  7.80(5)
⑦(6) GUNDA/グンダ  7.50(4)
⑧(7) モア(韓国)  7.38(8)
⑨(9) ベルイマン島にて  7.30(7)
⑩(-) オマージュ(韓国)  7.25(4)
⑩(新) 牛  7.25(4)

 ④と⑩「牛」の2作品が新登場です。
 ④「NOPE/ノープ」はアメリカのミステリー&ホラー。なおタイトルの英語<nope>は<no>の俗語です。
 舞台は南カリフォルニア、ロサンゼルス近郊にある牧場。OJ(ダニエル・カルーヤ)は半年前事故で死亡した父親オーティス(キッツ・デビッド)からこの牧場を受け継ぎます。その父の死は飛行機の部品の落下によるものとされていますが、そんな<最悪の奇跡>が起こり得るのでしょうか? 何よりOJ自身この事故の際に一瞬謎の飛行物体を目にしています。父死亡の知らせを聞いて妹エメラルド(キキ・パーマー)も牧場に戻って来ますが彼女はその飛行物体を撮影しバズり動画を作ろうと考えたりします。かつてはハリウッドの子役スターで今はジュピターパークを運営するリッキー(スティーブン・ヤン)も含めて、彼らは各々<それ>に対して恐怖心を感じながらもその正体を追っていきます・・・。韓国題は「놉」。日本公開は8月26日です。
 ⑩「牛」はイギリスのドキュメンタリー。アンドレア・アーノルド監督が4年の歳月をかけて1頭の乳牛の一生を撮った作品です。イギリスのケント地方にあるパーク農場。映画はルマと名付けられた乳牛の出産から始まります。広大な農場で、ルマは人間のために搾乳され、6匹の子牛を次々と産み続けます。そんな乳牛の一生を、カメラは淡々追っていきます・・・。これも今韓国で公開中で私ヌルボも観た、農場の母豚に焦点を絞って撮った「GUNDA/グンダ」に似ていそうだなと思いましたが、あるレビューには「「グンダ」とは正反対のアプローチ」とありました。よくわかりませんが、コチラは乳牛の視点から撮っているからかな? 韓国題は「카우(cow)」です。日本では<第34回東京国際映画祭(2021)>のユース部門で上映されましたが、一般劇場公開はありません。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月12日(金)~8月14日(日) ★★★
            人気俳優イ・ジョンジェの初監督作「ハント」が1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(10)・・ハント(韓国)・・・・・・・・・・・8/10・・・・1,110,524・・・・・1,511,604 ・・・・・15,649・・・・1,625
2(1)・・閑山:龍の出現(韓国)・・・・7/27・・・・・・727,494・・・・・5,866,998 ・・・・・60,022・・・・1,433
3(2)・・非常宣言(韓国)・・・・・・・・・・8/03・・・・・・201,062・・・・・1,884,005 ・・・・・18,940・・・・・・865
4(3)・・トップガン マーヴェリック・・6/22・・・127,101・・・・・7,667,872 ・・・・・81,878・・・・・・575
5(新)・・DC がんばれ!スーパーペット・・8/10・・83,346 ・・・・・・124,816・・・・・・・1,172・・・・・・585
6(4)・・ミニオンズ フィーバー・・・7/20 ・・・・・・・70,704・・・・・2,112,608・・・・・20,479・・・・・・540
7(32)・・オクトノーツの探検船大作戦・・8/11・・27,869 ・・・・・・132,293・・・・・・・・・305・・・・・・240
8(5)・・ポロロ 劇場版・・・・・・・・・・・7/28 ・・・・・・・20,612 ・・・・・・407,110・・・・・・・3,805・・・・・・258
       :ドラゴンキャッスル大冒険(韓国)
9(6)・・別れる決心(韓国) ・・・・・・・・6/29・・・・・・・19,648・・・・・1,817,935 ・・・・・18,847・・・・・・185
10(7)・・宇宙+人 1部(韓国)・・・・・7/20・・・・・・・11,260・・・・・1,521,723 ・・・・・15,859・・・・・・153
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 5・7位の2作品が新登場です。
 5位「DC がんばれ!スーパーペット」はアメリカのアクション&冒険3Dアニメ。ある日宇宙の果てからオレンジ色に光る謎の物体が落ちてきて留守番中のペットたちにスーパーパワーが宿ります。スーパーマンの愛犬で空を飛べるクリプト、体の大きさを自在に変えられるブタのPB、超高速で移動するカメのマートン等々。そんな彼らが世界征服を企む最強の子猫ウィスカーズとモルモット軍団に立ち向かいます・・・。(ってやっぱり猫は悪役で犬は権力側?) 韓国題は「DC 리그 오브 슈퍼-펫」。日本公開は8月26日です。
 7位「オクトノーツの探検船大作戦」(仮)はイギリスのアニメシリーズの新作です。が、同シリーズで日本のNetflixでこれまで配信されている「オクトノーツと水中のどうくつ」(韓国では今年2月公開)等4作品以降は新作はなく、また内容も<神秘に包まれたクジラ><オクトノーツと幽霊船><大西洋マグロ>等の5短編が約1時間でセット上映されているようです。韓国題は「바다 탐험대 옥토넛 : 탐험선 대작전」です。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(44)・・幸運を祈ります、レオ・グランデ・・8/11・・・・・2,417 ・・・・・・・・4,773・・・・・・・・・・47 ・・・・・・・41
2(新)・・すばらしき世界(日本) ・・・・・・8/11・・・・・・・・・1,632 ・・・・・・・・2,597・・・・・・・・・・25 ・・・・・・・42
3(新)・・バンクシーと ・・・・・・・・・・・・・・8/11・・・・・・・・・1,406 ・・・・・・・・2,673・・・・・・・・・・22 ・・・・・・・34
       アウトロー・アートの台頭
4(1)・・サマーフィルムにのって(日本)・・7/20・・・・・・・1,382 ・・・・・・・28,298 ・・・・・・・・271 ・・・・・・・33
5(2)・・ボイリング・ポイント/沸騰・・8/04 ・・・・・・・・・・・518 ・・・・・・・・3,573・・・・・・・・・・36 ・・・・・・・24

 1・2・3位の3作品が新登場です。
 1位「幸運を祈ります、レオ・グランデ」はイギリスの艶笑コメディ。人生6*年の女性ナンシー(エマ・トンプソン)はこれまでただ1度もセックスに満足したことはありません。夫と子供たちが去り、引退後ただ1人残った彼女は最初で最後に自分が死ぬまでに実行したいバケットリストを作成することにしました。
 「言われる通り、みんな忘れてあなたのことだけ考えます」。見知らぬホテルで、すべてが自信のないナンシーの前に若くて魅力的なセックスワーカーの男性リオ・グランデ(ダリル・マコーマック)が現れ、初めて経験するパーソナルサービスはナンシーに予期せぬ解放感をプレゼントするのですが・・・。韓国題は「굿 럭 투 유, 리오 그랜드」。日本公開は未定、なのかな?
 2位「すばらしき世界」は昨年私ヌルボも観た西川美和監督作品。西川監督の映画はほとんどハズレなしで本作も世評は高かったですが、ヌルボ個人としては今ひとつ・・・というのは役所広司のキャラクター設定(と社会の変化の捉え方等)にちょっと違和感を覚えたからです。韓国の評論家・記者6人の平均評点は6.83でかなりの高レベル。ネチズンのレビュー中に「長澤まさみが3分も出演してないのに主演とは欺瞞だ!」という記述がありました(笑)。韓国題は「멋진 세계」です。
 3位「バンクシーとアウトロー・アートの台頭」はイギリスのドキュメンタリー。<バンクシー>といえばもちろんあの正体不明の路上アーティスト。イギリスではミケランジェロを抜いて彼が愛されるアーティストの1位になったとか。本作は匿名の陰に隠れて強いメッセージが込められた数々の不法グラフィティを制作して美術界を一気にひっくり返してきたバンクシーのこれまでの業績をじっくりと振り返ります。韓国題単に「뱅크시(バンクシー)」ですが原題「Banksy and the Rise of Outlaw Art」を訳して仮題としました。日本では劇場公開はなく、DVDか海外版配信のようです。→コチラ参照。
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韓国内の映画の興行成績 [8月5日(金)~8月7日(日)]と人気順位 ►イ・ジョンジェの初監督作「ハント」は今世紀の話に非ず ►今ぜひオススメの韓国映画「モガディシュ」と「キングメーカー」

2022-08-11 23:48:45 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回の記事で注目の韓国映画は「ハント」です。
 人気俳優イ・ジョンジェの監督デビュー作で、8月10日の韓国公開に先だって<第75回カンヌ映画祭(2022)>の<ミッドナイトスクリーニング部門>に招待され上映され好評を得ました。(※この部門は非競争部門で、アクション、スリラー、ホラー、ファンタジー、SF等の作品を紹介するもので、作品性と大衆性を備えた作品が選定される。)
 物語のアウトラインは安企部[安全企画部]の組織内に潜んでいる北朝鮮のスパイを摘発するため、安企部海外チームの要員パク・ピョンホ(イ・ジョンジェ)と国内チームの要員キム・ジョンド(チョン・ウソン)が競い合うという諜報アクションドラマです。
 ここで<安企部>という言葉に引っかかる方もいらっしゃるのでは? 少なくとも今の韓国の諜報機関ではないですよね。韓国の現代史をたどると、私ヌルボのような団塊の世代なら<KCIA>という言葉が記憶に残っている方も多いのでは? あれは<大韓民国中央情報部>の略称で、朴正熙がクーデターで政権を握った直後の1961年にアメリカの中央情報局[CIA]をモデルに設置した諜報機関で、北朝鮮に対する諜報活動や工作員の摘発だけでなく、金大中事件(1973)や民青学連事件(1974)、学園浸透スパイ団事件(1975)等のような軍事独裁政権への反対勢力の弾圧にも(時には容疑をでっち上げたりもして)「大きな役割」を果たしてきました。
 その<KCIA>を、朴正熙暗殺の翌々年(1971)新しい権力者全斗煥が中央情報部を拡大・再編して国家安全企画部[安企部]を創設します。そして1999年金大中政権が国家安全企画部を廃止し、代わって大幅に縮小して新設した機関が国家情報院[国情院]です。
   1961 中央情報部[KCIA] ➡ 1971 国家安全企画部[安企部]  ➡ 1999 国家情報院[国情院]
 つまり、この「ハント」では時代設定が現代ではないのです。まあ国情院の時代になってからは進歩系政党も3度政権を担当する中で対北朝鮮政策も大きく変わってきたし、とくに文在寅政権に至っては国情院長が「北朝鮮に対する一切の工作活動を禁止する」と命じたり、国内の北朝鮮スパイに対する対共捜査権を国情院から警察に移管すると発議して国会情報委員会全体会議で可決されたりと、昔のモノサシだと彼ら自身が北朝鮮に内通しているのでは?というレベルにまでなりましたからねー。そんなわけで現代の話にすると監督が意図するスパイ&アクションを作るには不適当で、安企部なんでもありだった1980年代を背景にしたということです。そして実際の事件をモチーフに(←ホンマか?)映画的想像力を加味したとのことです。
 なお、本作にはファン・ジョンミン、イ・ソンミン、ユ・ジェミョン、パク・ソンウン、チョ・ウジン、キム・ナムギル、チュ・ジフンなどの名前だけでも信頼感を与える俳優たちが大挙友情出演しています。この数と顔ぶれを見るとふつうの友情を超えたものが何かあるのかもしれません。

▶昨年映画館で観た映画が150本。金と時間をそんなに費消していいのか?と深~く反省し、今まで観るべき映画を選ぶ指針としてきた<onsenmaru blog>を、今年は何を観ないで済ませるかを判定するための参考にしています。その結果約2割減で、現時点で74本。
 その中でこれはぜひ観てほしい!と思う韓国映画を2つ紹介します。1つ目は「モガディシュ 脱出までの14日間」です。
 韓国が国連加盟のために東奔西走していた時期の1990年のソマリアの首都モガディシュを舞台にしたアクション&ドラマで、一触即発の内戦が起きて孤立状態に置かれた現地韓国大使館の職員と家族は銃弾が飛び交う中不安な一日一日を送っていると北朝鮮大使館の一行が助けを求めて韓国大使館の門を叩くのですが・・・という実話に基づく話なのですが、エンタメとして十分に楽しめ、昨年の韓国では一番のヒット作となりました。そればかりか昨年~今年の韓国の映画賞で、<青龍映画賞>の最優秀作品賞等5冠、<百想芸術大賞>の大賞等3冠、<釜日映画賞>の最優秀作品賞等6冠、<韓国映画評論家協会賞>の監督賞等4冠と、数多くの映画賞を受賞したのもうなずけます。北朝鮮の人物が登場しても「双方が困難な状況下で力を合わせる」といった(韓国の進歩系によくある)ベタベタしたシーンがないのもよい。ただ、上映館が少ないのが残念です。
 もう1つは「キングメーカー 大統領を作った男」。明日8月12日公開ですが、私ヌルボは先々週試写会で観ました。1967年、確たる信念を持って挑戦する政治家キム・ウンボム(ソル・ギョング)の選挙事務所に「世の中が変わるありさまを見てみたいです」とやってきた男ソ・チャンデ(イ・ソンギュン)は選挙に勝つためには手段を選ばぬ辣腕の選挙参謀でした。彼の力でウンボムは以後選挙に連勝して野党・新民党内で頭角を現し、やがて同じ党内の若手実力者でウンボムの生涯のライバルとなったキム・ヨンホ(ユ・ジェミョン)と大統領選の党代表候補の座を争うことに。その大統領とはクーデター以降独裁者として長期政権を狙うパク・キス大統領(キム・ジョンス)で、ウンボムはその後彼によって大きな<事件>に巻き込まれることに・・・。
 コチラの方はまさに韓国の現代政治史に密着した作品です。ただ、物語の焦点は各政治家間の争いではなく、ウンボムとチャンデの理念をめぐる対決。その両俳優の演技が光ります。
 上記のウンボムは金大中元大統領でチャンデは実際に彼の選挙参謀だった厳昌録[オム・チャンノク]。金大中のライバルは金泳三で大統領はもちろん朴正熙。・・・といった韓国政治史のビッグネームは今の日本の40歳以下の皆さんはふつうにご存知なのでしょうか?
      
【 「モガディシュ 脱出までの14日間」(左)と「キングメーカー 大統領を作った男」の韓国版ポスター 】

    ★★★ NAVERの人気順位(8月10日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) トップガン マーヴェリック  9.77(37,602)
②(3) 名探偵コナン ハロウィンの花嫁(日本)  9.50(1,493)
③(-) しなやかに(韓国)  9.50(16)
④(4) アナタの顔(韓国)  9.40(149)
⑤(5) 犯罪都市2(韓国)  9.35(27,058)
⑥(6) 詩人の歌、チョン・テチュン(韓国)  9.35(146)
⑦(8) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.24(1,605)
⑧(9) モア(韓国)  9.20(143)
⑨(7) ポロロ 劇場版:ドラゴンキャッスル大冒険(韓国)  9.17(195)
⑩(-) コーダ あいのうた  9.13(1,002)

 新登場の作品はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 別れる決心(韓国)  8.71(14)
②(2) トップガン マーヴェリック  8.44(9)
③(4) 偶然と想像(日本)  8.29(7)
④(5) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
⑤(6) アフター・ヤン  7.80(5)
⑥(7) GUNDA/グンダ  7.50(4)
⑦(8) モア(韓国)  7.38(8)
⑧(9) さがす(日本)  7.33(6)
⑨(新) ベルイマン島にて  7.30(7)
⑩(新) ハント(韓国)  7.25(8)

 ⑨⑩の2作品が新登場です。
 ⑨「ベルイマン島にて」は仏・英・独・スウェーデン・ベルギー・ポーランド・メキシコ・ブラジル合作のラブロマンス。日本では4月に公開されているので説明は省略します。韓国題は「베르히만 아일랜드」です。
 ⑩「ハント」については後述します。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月5日(金)~8月7日(日) ★★★
         歴代観客動員数1位「鳴梁」のキム・ハンミン監督の「閑山:龍の出現」が1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(10)・・閑山:龍の出現(韓国) ・・7/27・・・・1,156,867・・・・・4,598,500 ・・・・・46,982・・・・1,638
2(9)・・非常宣言(韓国)・・・・・・・・・・8/03・・・・・・816,784・・・・・1,397,969 ・・・・・14,080・・・・1,718
3(3)・・トップガン マーヴェリック・・6/22・・・190,003・・・・・7,448,900 ・・・・・79,467・・・・・・632
4(2)・・ミニオンズ フィーバー・・・7/20・・・・・・177,918・・・・・1,972,801・・・・・・19,134・・・・・・818
5(5)・・ポロロ 劇場版・・・・・・・・・・・7/28 ・・・・・・・73,101 ・・・・・・367,160・・・・・・・3,435・・・・・・581
       :ドラゴンキャッスル大冒険(韓国)
6(6)・・別れる決心(韓国) ・・・・・・・・6/29・・・・・・・46,430・・・・・1,775,050 ・・・・・18,385・・・・・・278
7(4)・・宇宙+人 1部(韓国) ・・・・・・7/20・・・・・・・42,114・・・・・1,496,937 ・・・・・15,629・・・・・・407
8(26)・・映画ドラえもん ・・・・・・・・・8/03 ・・・・・・20,826・・・・・・・・36,419・・・・・・・・・346・・・・・・362
       のび太の宇宙小戦争 2021(日本)
9(7)・・名探偵コナン ・・・・・・・・・・・・7/13・・・・・・・10,748・・・・・・・442,572・・・・・・・4,598・・・・・・・96
       ハロウィンの花嫁(日本)
10(20)・・ハント(韓国)・・・・・・・・・・・8/10・・・・・・・・4,920・・・・・・・・16,573・・・・・・・・・165・・・・・・・12
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は10位「ハント」だけです。韓国のドラマ&アクション。公式公開前の先行上映で少ない上映館数ながらランクインしました。冒頭に記したように人気俳優イ・ジョンジェの初監督作品です。
 亡命を申請した北朝鮮の上級公務員を通じて情報を入手した安全企画部海外チームのパク・ピョンホ(イ・ジョンジェ)と国内チームのキム・ジョンド(チョン・ウソン)は 組織内に潜むスパイ、ドンリムの割り出し作戦を始めます。ところがスパイを通じて一級機密事項が流出し、危機に直面すると、その両チームは鋭い対立と競争の中、相手チームを容疑線上に乗せて調査に拍車をかけます。自分たちがスパイを見つけられなければスパイとして名指しされるという危機的な状況下、相手側に向かって猛烈な追跡を繰り広げたパク・ピョンホとキム・ジョンドは隠された実体に近づくことになり、ついに大韓民国1号暗殺作戦という巨大な事件に直面することになります・・・。原題は「헌트」です。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・サマーフィルムにのって(日本)・・7/20 ・・・・・・2,015 ・・・・・・・25,331 ・・・・・・・・244 ・・・・・・・49
2(9)・・ボイリング・ポイント/沸騰・・8/04 ・・・・・・・・・1,580 ・・・・・・・・2,361・・・・・・・・・・24 ・・・・・・・41
3(7)・・カモン カモン・・・・・・・・・・・・・・・7/28・・・・・・・・・・・798 ・・・・・・・16,762・・・・・・・・・153・・・・・・・12
4(5)・・CURE キュア(日本)・・・・・・・・・・7/06・・・・・・・・・・・643 ・・・・・・・23,593・・・・・・・・・247・・・・・・・18
5(2)・・ロスト・ドーター ・・・・・・・・・・・・7/14・・・・・・・・・・・529 ・・・・・・・12,339・・・・・・・・・115 ・・・・・・・22

 2位「ボイリング・ポイント/沸騰」が新登場です。レストランの厨房を舞台にしたワンカットのイギリス映画で、日本でも7月15日から公開されているので内容紹介等は省略します。韓国題は「보일링 포인트」です。
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韓国内の映画の興行成績 [7月29日(金)~7月31日(日)]と人気順位 ►ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、チョン・ドヨン共演の「非常宣言」に注目! ►この頃フランス映画をあまり観てないような・・・

2022-08-04 23:57:41 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回の記事で注目の韓国映画は「非常宣言」です。「ザ・キング」(2017)、「観相師」(2013)等のヒット作を手掛けたハン・ジェリム監督の新作で、今回は航空パニック映画。ストーリーの概略は下のランキングを参照されたし。何よりもキャストを見るとソン・ガンホ、イ・ビョンホンチョン・ドヨンの超有名俳優3人の名前に目が引かれます。その他にもZE:Aのメンバーで映画・ドラマでも活躍しているイム・シワンとか、キム・ナムギルとかも・・・。やはり夏休みの映画の稼ぎ時を期して公開した期待作ということでしょうか? 下のランキングは公式公開前の先行上映のため上映館が少ない中9位に入っていますが、次週以降の数字が気になります。

▶外国映画でちょっと気になったのはフランス映画の「ありえない愛」(仮)です。フランス映画によくある恋愛物というか、恋愛後の物語というか・・・。原作の小説家も監督も主要登場人物3人中2人も女性なのですが、3人中1人の男優ニールス・シュネデールの名にかすかな既視感があったので確認したら<第33回東京国際映画祭(2020)>で上映された「ラヴ・アフェアズ」に出演していたのですね。ただ私ヌルボが観たのは昨年「言葉と行動」とタイトルを変えて一般公開した方です。それもまた「フランスでは男女間のモラルは一体どうなっているんだ !?」(怒&笑)といういかにものフランス映画でした。・・・ということでふと思ったのは近年どうもフランス映画を観ないな、ということ。セリーヌ・シアマ監督とか? (あ、アニメはそれなりに観てるか。) 日本での公開作品自体少なくなっている感じです。他のヨーロッパ映画も韓国より少ないかも。そういえば「ありえない愛」のカトリーヌ・コルシニ監督が昨年11月開かれた<フランス映画祭2021 横浜>で「これは日本に限ったことではありませんが、なかなかフランス映画が海外に輸出されない現状があります」と語っています(→YAHOOニュース)。
 なるほどねー。半世紀前だとアラン・ドロンジャン・ポール・ベルモンドブリジット・バルドージャンヌ・モローカトリーヌ・ドヌーヴに、・・・と次々に名前が浮かんで来るのに現代は?となると最初から詰まってしまいます。なぜなんでしょうね? 2014年のフランス映画社の倒産も決してその原因ではなく結果ということだと思われますが・・・。

    ★★★ NAVERの人気順位(8月3日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) トップガン マーヴェリック  9.77(35,891)
②(新) 映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021(日本)  9.73(102)
③(2) 名探偵コナン ハロウィンの花嫁(日本)  9.51(1,377)
④(5) アナタの顔(韓国)  9.39(145)
⑤(3) 犯罪都市2(韓国)  9.35(26,953)
⑥(4) 詩人の歌、チョン・テチュン(韓国)  9.35(146)
⑦(新) ポロロ 劇場版:ドラゴンキャッスル大冒険(韓国)  9.34(127)
⑧(6) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.24(1,598)
⑨(7) モア(韓国)  9.17(138)
⑩(新) ありえない愛  9.14(22)

 ②⑦⑩の3作品が新登場です。
 ②「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021」は今年3月日本公開のシリーズ最新作、と言ってもコロナ禍で遅れてたのか。例によって私ヌルボ、観てないし語る資格ナシ。ですが一応ウィキペディアで詳しいストーリーを読んでみるとなかなかおもしろい、というか現実の世界を如実に反映してるのですね。そしてスケールの大きさは現実を超えてます。韓国のネチズンの感想もすこぶる好評で、「子供もさることながら大人の私も楽しめた」「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」もそうだが、日本アニメは<越えられない壁だ」「OSTもすばらしい!」等々の賛辞であふれています。韓国題は「극장판 도라에몽: 진구의 우주소전쟁 리틀스타워즈 2021」です。
 ⑦「ポロロ 劇場版:ドラゴンキャッスル大冒険」については後述します。
 ⑩「ありえない愛」(仮)はフランスのドラマ。自伝的小説で知られる女性作家クリスティン・アンゴットが両親の出会いを描いた同名のベストセラー小説をカトリーヌ・コルシニ監督が映画化した作品で、<第20回全州国際映画祭(2019)>でも上映されました。
 物語の舞台は1950年代のフランス中部の都市シャトールー。会社勤めのラシェル(ヴィルジニー・エフィラ)は若く美しい女性です。ある日彼女はブルジョア家に生まれた優秀な青年ピエール(ニールス・シュネデール)と街の食堂で偶然出会い、2人は恋に落ちます。ところがピエールは自分の階級外との結婚を拒否します。ラシェルが妊娠を知ったのはピエールが去った後でした。「子供ができたからと言って変わることはない」との思いで彼女は娘のシャンタル(ジェニー・ベス)を産むことになります。ラシェルが1人で育てた娘シャンタルはラシェルにとって大きな幸せの源です。その後ラシェルは、シャンタルの姓をめぐってピエールと長い間争うことになり、その過程で彼らのすべての人生が崩壊していきます・・・。「お母さん、なぜお父さんを愛したの?」・・・。韓国題は「임파서블 러브(Impossible Love)」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 別れる決心(韓国)  8.71(14)
②(2) ドライブ・マイ・カー(日本)  8.44(9)
②(2) トップガン マーヴェリック  8.44(9)
④(4) 偶然と想像(日本)  8.29(7)
⑤(5) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
⑥(6) アフター・ヤン  7.80(5)
⑦(7) GUNDA/グンダ  7.50(4)
⑧(8) モア(韓国)  7.38(8)
⑨(9) さがす(日本)  7.33(6)
⑩(-) サマーフィルムにのって(日本)  7.00(10)

 新登場の作品はありません。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月29日(金)~7月31日(日) ★★★
         歴代観客動員数1位「鳴梁」のキム・ハンミン監督の「閑山:龍の出現」が1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(10)・・閑山:龍の出現(韓国) ・・7/27・・・・1,632,152・・・・・2,270,209 ・・・・・23,395・・・・2,164
2(2)・・ミニオンズ フィーバー・・・7/20・・・・・・340,455・・・・・1,505,023・・・・・・14,691・・・・1,064
3(3)・・トップガン マーヴェリック・・6/22・・・296,710・・・・・7,049,433 ・・・・・75,253・・・・・・892
4(1)・・宇宙+人 1部(韓国) ・・・・・7/20・・・・・・187,548・・・・・1,357,697・・・・・・14,200・・・・・・759
5(新)・・ポロロ 劇場版 ・・・・・・・・・・7/28・・・・・・129,404・・・・・・・171,531・・・・・・・1,634・・・・・・748
       :ドラゴンキャッスル大冒険(韓国)
6(4)・・別れる決心(韓国) ・・・・・・・・6/29・・・・・・・78,316・・・・・1,672,108 ・・・・・17,280・・・・・・440
7(6)・・名探偵コナン ・・・・・・・・・・・・7/13 ・・・・・・30,005・・・・・・・411,645・・・・・・・4,277・・・・・・211
       ハロウィンの花嫁(日本)
8(5)・・ソー:ラブ&サンダー ・・・・7/06・・・・・・・・6,274・・・・・2,709,700 ・・・・・29,437 ・・・・・・・54
9(新)・・非常宣言(韓国)・・・・・・・・・・8/03・・・・・・・・4,273・・・・・・・・15,763・・・・・・・・・147 ・・・・・・・10
10(新)・・ビヨンド・ライブ・ザ・ムービー・・7/27・・3,885・・・・・・・・・5,916・・・・・・・・・・97 ・・・・・・・18
       :EXOのはしごに乗って世界旅行3(韓国)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 7月27日公式公開を迎えた「閑山:龍の出現」が当然のように1位の座に。8月3日の時点で累計観客動員数は320万人を超えました。ただネチズンの評価を見るとすでに700万人を超えた「トップガン マーヴェリック」や1200万人を超えた「犯罪都市2」には及ばないのですけどね。まあ今後どこまで伸びるのか注目。
 5・9・10位の3作品が新登場です。
 5位「ポロロ 劇場版:ドラゴンキャッスル大冒険」は子供ペンギンのポロロが活躍する韓国の人気アニメシリーズの最新作です。
 深い山奥のドラゴン城に、ちびっ子ドラゴン王アーサーの強大な力が封印された宝石ドラゴンハートを奪って王になろうとする怪しい魔法使いゲドが現れます。一方、偶然にドラゴンハートの力を吸収したクローンがジャイアントクローンに変わってポロロと仲間たちも危険にさらされます。悪党魔法使いのゲドから力を取り戻して仲間たちを救うためにポロロは無敵のメカドラゴンを作ってドラゴン城にに向かいますが・・・。原題は「뽀로로 극장판 드래곤캐슬 대모험」です。※右の画像左は2014年10月韓国文化院2Fでたまたま見かけた韓国の人気キャラクターの展示物。最下段の右端にポロロがいました。言われなければペンギンには見えないかも(笑)。
 9位「非常宣言」は韓国の航空パニック映画。「ザ・キング」(2017)、「観相師」(2013)等のハン・ジェリム監督が人気俳優たちを起用して製作した期待の新作で、公式公開前の先行上映で少ない上映館ながらランクインしました。ここで<非常宣言>とは災害状況に直面した航空機がもはや正常な運航が不可能となり、無条件で着陸を要求する緊急事態を意味する航空用語です。
 ベテラン刑事でチーム長のイノ(ソン・ガンホ)は飛行機テロの予告映像の情報を受けて事件の調査している中、容疑者が実際にKI501便に乗っていることを把握します。
 娘の病気治療のために飛行機恐怖症であるにもかかわらず、ハワイに飛ぶことにしたジェヒョク(イ・ビョンホン)は周りを歩き回りながら人を威嚇するような話をする見慣れぬ男が気になっています。
 ところが、仁川からハワイに向かったそのKI501便で原因不明の死者が出て、飛行機の中はもちろん地上まで混乱と恐怖の現場に変わります。
 このニュースを聞いた国土部長官スッキ(チョン・ドヨン)は青瓦台の危機管理センターの室長として飛行機を着陸させる方法を見つけるために緊急会議を招集しますが・・・。原題は「비상선언」です。
 10位「ビヨンド・ライブ・ザ・ムービー:EXOのはしごに乗って世界旅行3」は、韓国の男性アイドルグループEXOのメンバーがデビュー10周年を迎え、韓国の南海に旅に出て多様な思い出作りを重ねる過程を描いたリアルな紀行なのですが、ジャンルを見るとなぜかコメディになっています。原題は「비욘드 라이브 더 무비: 엑소의 사다리 타고 세계여행3」です。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・サマーフィルムにのって(日本)・・7/20 ・・・・・・3,177 ・・・・・・・20,468 ・・・・・・・・195 ・・・・・・・53
2(3)・・ロスト・ドーター ・・・・・・・・・・・・7/14・・・・・・・・・1,126 ・・・・・・・11,004 ・・・・・・・・103 ・・・・・・・29
3(新)・・ありえない愛・・・・・・・・・・・・・・・7/28・・・・・・・・・1,068 ・・・・・・・・1,644・・・・・・・・・・15 ・・・・・・・28
4(14)・・アンラッキー・セックス ・・・・・7/28・・・・・・・・・・・745 ・・・・・・・・2,428・・・・・・・・・・24 ・・・・・・・26
       またはイカれたポルノ
5(3)・・CURE キュア(日本)・・・・・・・・・・7/06・・・・・・・・・・・684・・・・・・・・22,253・・・・・・・・・233 ・・・・・・・17

 3・4位の2作品が新登場ですが、3位「ありえない愛」については上述しました。
 4位「アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ」はルーマニアのブラックコメディ。日本では昨2021年9月に公開されているので説明を省略します。韓国題は「배드 럭 뱅잉(Bad Luck Banging)」です。」
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