ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

ソウル美術館巡りの旅の総括 ①幸運もあって、大きな収穫

2014-08-31 21:19:40 | 韓国旅行の記録
 4泊5日のソウル旅行から昨日帰ってきました。夜遅く羽田を発ち、朝早く金浦から帰る日程だったので、正味は27~29日の3日間です。

 実り多い旅でしたが、とても疲れました。
 「疲れた」といっても、いつもの飲兵衛4人組の旅の場合は「飲み疲れ」ですが、今回は「筋肉疲れ」。3日間の歩数は、27日=30,547歩、28日=31,354歩、29日=25,710歩で計87,611歩。それもかなりの早足で歩きましたからねー。4人組の旅でも私ヌルボは荷物(←ノートPC入り)が重い上、わき見をしたり何かおもしろそうなものを見かけると写真を撮ったりしているので遅れがちになり、皆についていくのがしんどいのですが、今回初めて共に旅をすることになった美術オタクのI氏は「ゆっくり歩くのがつらい」(!)と言うほどの人で、急ぐ場合でなくても階段は1段とばしで力強く上がっていきますから、ついて行くのがタイヘン。2日目からは無理して彼に合わせることはないのだ、という方針にしましたが・・・。

 それはそれとして、今回の旅の中身はというとメインは美術館めぐり。I氏はソウルはほとんど初めてなのにもかかわらず、景福宮には入らずその隣りの国立現代美術館ソウル館見学を迷わず選ぶという人なので、ヌルボも彼に合わせて事前学習をし、現地の案内にあたりました。
 そして行ったのは以下のような所です。

 27日(火) 憲法裁判所敷地内の白松 ※→コチラの過去記事参照
        尹潽善第4代大統領邸宅
        国立現代美術館果川館
[果川市.ソウル大公園内]

 28日(水) 駱山(ナクサン)公園路上美術館、梨花荘(李承晩初代大統領邸宅.現在見学はできない)
        サムスン美術館Leeum
        国立現代美術館徳寿宮館
        ソウル市立美術館

        以下個人行動で、ヌルボは映画鑑賞(鍾街3街ロッテシネマで「鳴梁」)、I氏は国立現代美術館ソウル館、大韓民国歴史博物館

 29日(木) 東大門デザインプラザ(DDP)で開催中の「澗松文華」展[=澗松(カンソン)美術館の作品展]
        仁寺洞の骨董店・ギャラリー等


 ・・・いやあ、こうして見ると私ヌルボ、プランナー&案内人としてなかなかいい仕事をしたなーと自己満足に浸っちゃいます。
 個人的にも、憲法裁判所敷地内の朴珪寿邸址とか、尹潽善第4代大統領邸宅、駱山公園と城壁、梨花荘等々懸案だった所に行って来られたし、DDPも完成後初めて行きました。韓国アニメ「そばの花、運のいい日、春春」は観られなかったものの、初めて韓国のシネコンで話題の大ヒット作「鳴梁」を鑑賞できたし、これだけでも大きな収穫。

 美術関係については、これまでの個人or仲間との旅行では行ったことがなかったところばかり。I氏の説明・解説付きで見学できてとても勉強になりました。今まで何度も行った仁寺洞にも、観光みやげの店ではなく、本格的な画廊や骨董店がこんなにも多いとは思いませんでした。
 今回非常にラッキーだったのは、DDPでちょうど澗松美術館の作品展が開催されていたこと。澗松美術館は金弘道(キム・ホンド)申潤福(シン・ユンボク)の作品等々、国宝・文化財を多数所蔵する私設美術館で、ヌルボも以前から行ってみたかったのですが、毎年5月と10月に各15日間しか開館されないのでこれまで行く機会がありませんでした。それがはからずもDDPで観ることができたのは、まさにヌルボの日頃の行いの賜物といって過言ではありません(??)。
 その澗松美術館の所蔵品のような歴史的な美術作品はこれまでにも若干の知識はありましたが、今回国立現代美術館やサムスン美術館Leeumを見学し、I氏の詳しい解説のおかげもあって現代美術の現在について初めていろいろ知ることとなりました。絵画・彫刻以外の多様な表現形式や作品の持つ思想性、日韓の比較、主な作家と作品等々。翻って、ヌルボがこれまであまり目を向けることがなかった日本の現代美術についても関心がわいてきました。韓国の街で目につく路上のオブジェについては本ブログでも→コチラ等の過去記事で紹介してきましたが、日本の街のオブジェについてももっと注意深く見なければとの思いを深くしました。

 以上が今回の旅のあらまし&総括といったところです。
 今回の旅で、上記以外でラッキーだった点は泊まった所。出発の3日ほど前にネット検索でたまたま見つけたのが鐘閣と鍾路3街からほぼ等距離の清渓川沿いの安ホテル。2人用のオンドル部屋で、4泊で1人当たり1万円。仁寺洞・景福宮・徳寿宮・明洞・東大門等々へも歩いて行ける所だし、近所に食堂はたくさんあるし、ホントに便利! 飛行機代が2万5千円弱だったので、現地での飲食費や交通費、買い込んだ本代等を合わせても総計5万円までいったかどうか?
 これだけ多くの収穫のことを考えると、何日かは残りそうな筋肉痛もなんというものでもありません。(と言いつつも目に涙。)

★見てきた所や見たものいろいろ(日時順)

【朴珪寿(パク・キュス)邸宅址の白松。バックは今なにかと話題の憲法裁判所。】

【ナムジュン・パイクのモニタータワー「多々益善(多いほどよい)」。(国立現代美術館果川館)】

【国立現代美術館徳寿宮館。徳寿宮は過去何度も訪れましたが、この美術館に入ったのは初めてです。】

【駱山公園の一番高い辺りの城壁。】

【過去記事でも紹介した駱山公園のフシギ系造形物。実際はさほどインパクトのあるものではないが、写真の撮り方で印象がずいふん違うということを確認しました。】

【駱山公園の路上美術館の中でとくにいろんなサイトに画像がある花の階段。白い大きな花は実はタイル貼りでした。中国人の若い女性2人も写真を撮っていました。】
 [2019年6月の追記] 一時けっこう有名だった(?)この階段の花の絵は、2016年12月に行った時にはすでになくなっていました。
【サムスン美術館Leeumの屋外展示場。六本木ヒルズにもあるルイーズ・ブルジョアの巨大蜘蛛「Maman」があると思っていたら、しばらく前からインドの彫刻家アニッシュ・カプーアの「Tall Tree and the Eye」と「Sky Mirror」に代わっていたのですね。】
 
【東大門デザインプラザ(DDP)の「澗松文華」展会場出口には申潤福の「美人図」が・・・。この眼差しが魅力的。】

【これも「澗松文華」展。国宝270号の青磁母子猿形硯滴(すずりの水差し)。「東亜日報(日本語版)」には「高麗時代の美的感受性の極限を物語る」と書かれていました。】

【あ、1つ忘れてました。大学路のソウル大師範学部付設女子中学校前の路上オブジェです。】


ソウル美術館巡りの旅の総括 ②元タルトンネ・駱山公園の路上美術館
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [8月22日(金)~8月24日(日)]

2014-08-28 23:52:41 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 通常は毎週火曜日にアップしているこの韓国映画関係の記事ですが、今回は大幅に遅れてしまいました。
 いろいろやるべきこともあり、ブログのネタも貯まっているのに、26日(火)夜からソウルに来ています。実は今晩鍾路3街のロッテシネマで例の「鳴梁」を観てきました。今回はそれについては書く余裕がありません。
 今回の旅でも6月に続きルーターは持参したものの、あまりパソコンに向かう時間はありません。昨日・今日とも歩き回った歩数は3万歩以上。主に美術館巡りなのですが、詳細はそのうち記事にします。

 先週シネマカリテに初めて行って「ソウォン/願い」を観てきました。期待も大きかったのですが、裏切られることのなかった佳作で、今のところ私ヌルボの今年ベスト1~3。ぜひ多くの人にお薦めしたいと思います。ただ、留意すべきはこの内容=現実とはいえないかもしれない、ということ。たとえば今年公開された「ハンゴンジュ」は、被害者の女生徒がその後差別を受け続けるというひどい現実を扱ったものでした。(→参考。)
 成人女性が被害者の場合、「あなたが女というだけで」(1990年)という映画は、レイプされた主婦が逆に傷害罪で告訴されるという理不尽な現実社会を描いた作品でした。ソウォンちゃんのような幼児の場合は世間から指弾されることはないでしょうが、他の子どもたち等との間には心配されることもあるし、民間の善意の支援金が集まると公的支援が打ち切られるといったことはあったそうです。その辺のことを、SBSの番組<접속무비월드!(接続ムービーワールド)>中の人気コーナー<영화는 수다다(映画はおしゃべりだ)>(→動画)でも出演したイ・ジュニク監督に「善意に満ちた作品だが、実際は・・・」といったことを訊ねていました。監督は「非現実的ではないか、という話はわれわれの間でもあったが、映画は夢の工場であって、観客はそれを買いに来るのです」と答えています。
 映画の内容と関係ないことを1つ。この映画のモトとなったチョ・ドゥスン事件が起こった場所は(京畿道安山市(←あのセウォル号事故に遭った高校がある・・・)ですが、この映画では慶尚南道昌原市の鎮海区になっています。(やっぱり、いろいろ差し障りがあるという判断?) そんなわけで、この映画では当然のことながら慶尚道サトゥリ(사투리.方言)がいろいろ出てきます。わかりやすいところでは「와?」。標準語だと「왜?」で「なぜ? 何?」といった意味ですね。この件についても、別途記事にまとめるつもりです。

 先週の記事で「現在「怪しい彼女」は全国で上映館が10館だけ。せっかく「ぴあ映画生活」の満足度ランク(→コチラ)で5~6位の高ランクを維持しているのに・・・」と書きました。現在は?と見ると31館に増えています。「サニー 永遠の仲間たち」のように息長く上映が続くようでははありますね。

「朝鮮日報」8月22日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「マジック・イン・ザ・ムーンライト」ウディ・アレン欧州旅行。 ★★★
 「エクスペンダブルズ3」筋肉プリプリ映画は逆 ★★
 「ギヴァー 記憶を注ぐ者」懐かし、ハンガー・ゲーム。 ★★☆
 「そばの花・運の良い日・春、春」親と子が一緒に観たら? ★★★☆
 「私の恋愛の記憶」恋愛とホラー、差は僅か。 ★★★
 「足球王」千回足球やって青春だ。 ★★★★
 「プチ・ニコラのヴァカンス」大人が好きな映画かも。 ★★★
 「エクソシスト・コップーNY心霊事件ファイル」無理がないホラー歓迎。 ★★★
「マジック・イン・ザ・ムーン」はウディ・アレンの新作のラブコメ。日本公開は未定。「エクソシスト・コップーNY心霊事件ファイル」は日本でも刊行された同名ホラーの映画化作品。その他の作品は以下の記事中で紹介。


           ★★★ Daumの人気順位(8月26日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①足球王(韓国)  9.5(35)
②バセコの子どもたち(韓国)  
③その人 枢機卿(韓国)  9.3(24)
④名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)(日本)  9.2(69)
⑤ビギン・アゲイン  9.0(119)
⑥ぼくを探しに  8.9(95)
⑦少女は自転車に乗って  8.9(34)
⑧さよならを待つふたりのために  8.9(245)
⑨ザ・クリミナル 合衆国の陰謀  8.6(48)
⑩ヒックとドラゴン2  8.5(437)

 今回の新登場は①②⑨の3作品です。
 ①位「足球王」は韓国のコメディ。「足球」というと、中国ではサッカーのことですが、ここでは足でするバレーボールのような球技で、ワン・バウンドまではOKで3回以内に相手のコート内に蹴り返すというものです。基本は1チーム4人。→コチラの記事(日本語)で詳しく説明されていますが、韓国では空軍の人達が定型化し始めたもので、近年若者たちに大人気だそうです。物語の主人公ホン・マンソプは24歳の食品栄養科の復学生。女性にはもてないタイプでガールフレンドなし。足球に入れ込んで校長に足球場を作ってくれと求めたりもします。マンソプは同じ授業に出ているキャンパスクイーンのアンナに一目ぼれしますが、意外なことに彼女は最近の男の子らしくないマンソプの天然記念物級の魅力に関心を見せ始めます。ところがアンナの「ソムナム」(親しい男友達)というのが「元国家代表サッカー選手」のカン•ミン。まンソプは、ついにそのカン•ミンと足球の決戦をすることになります。その結果はよくわかりませんが、以後この歴史的な足球ゲームを撮影した動画が校内に広がって、マンソプは「まあまあの復学生」から一気に「スーパー復学生ヒーロー」となり、キャンパスは足球ブームに包まれます。そして学生たちの熱い関心の中で始まったキャンパス大会! 誰の目にもお粗末に見える外人球団マンソプチームと、復讐心に燃えるカン•ミンたちの最強の海兵隊チームが対決します・・・。この作品の予告編を貼っておくので、およそイメージはつかめると思います。原題は「족구왕」です。
 ②位「バセコの子どもたち」は韓国のドキュメンタリー。バセコ(Baseco)はフィリピン・マニラ湾の波止場にあるスラム街。そこのゴミの山を遊び場にして、明るい笑顔だけは失わない子どもたちですが、厳しい現実は彼らの希望さえ奪っていこうとします。そんなある日、シン•スンチョル宣教師が率いる世界宣教共同体WMCのメンバーがバセコを訪ね、飢えた子供たちに温かい食事をもてなして、学校に行けない子どもたちにはパンを作る技術を教え、彼らのために祈ります・・・。ということで、これまでもしばしばあったキリスト教系の海外慈善布教活動を扱ったドキュメンタリーです。原題は「바세코의 아이들」。なお、バセコについては、→コチラの記事(日本語)によると「5万人が生活しており、その内5000人が腎臓を売ったと言われている」とあります。また<innolife>の記事(→コチラ)によると、ソン・ジホがTV番組関係でバセコに行っています。
 ⑨「ザ・クリミナル 合衆国の陰謀」は2008年のアメリカ映画ですが、日本では劇場未公開。(2012年にDVD発売。) 2003年にアメリカで実際に起きたプレイム事件(→ウィキペディア)をもとに、情報源守秘という自らの信念を貫いてアメリカの国家権力と対立することとなった女性記者を描いたフィクション。→コチラのブログ記事(日本語)に詳しい内容と感想が記されています。副題に「合衆国の陰謀」とありますが、ありそうな話。実際にあったし、もしかして今も何か・・・。韓国題は「더 트루스:무언의 제보자(ザ・トゥルース:無言の提報者)」です。

 「足球王」の予告編です。
     

     【専門家による順位】

①ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー  8.0(5)
②誰よりも狙われた男  8.0(4)
③その人 枢機卿(韓国)  8.0(1)
④慶州(韓国) 7.2(7)
⑤ノンフィクション・ダイアリー(韓国)  7.2(4)
⑥少女は自転車に乗って  7.1(6)
⑦群盗:民乱の時代(韓国)  7.0(9)
⑧グレート・ビューティ  7.0(7)
⑨her/世界でひとつの彼女  7.0(6)
⑩恋するヨプゴン・ガール  7.0(1)
⑩18:私たちの成長ノワール(韓国)  7.0(1)
⑩プチ・ニコラのヴァカンス  7.0(1)

 今回の新登場は⑩「18:私たちの成長ノワール」と⑩「プチ・ニコラのヴァカンス」の2作品です。
 ⑩「18:私たちの成長ノワール」は、平均年齢が20歳代というスタッフ、俳優が作った独立系の韓国映画。時代は1997年。最近の人気ドラマ「応答せよ1997」がアイドル・ファンの文化とすると、こちらの主人公の高校生トンド(イ・ジェウン)はビート系のビデオ狂。ある日彼はちょっとしたきっかけから「不良学生」のヒョンスン(チャ・ヨプ)や彼の仲間と仲良くなり、ヨニ(キム・ジュア)という女の子とも出会って好意を抱くようにもなります。しかし、映画の主人公のようにかっこいい人生を送ろうと思っても現実はそうカッコよくはしかず、誤解が積み重なる中友人たちとの関係にも行き違いが始まり、彼はいつしか大きな争いに巻き込まれていきます・・・。原題は「18:우리들의 성장 느와르」です。
 ⑩「プチ・ニコラのヴァカンス」は、」2010年に日本でも公開されたフランスの国民的人気絵本の実写版「プチ・ニコラ」の2作目。前作では学校生活が描かれていたのに対し、今作は夏休み。ニコラは両親&おばあちゃんと一緒に海水浴へ。ホテルに滞在している間にいろんな子たちと知り合って友だちになります。その中にイザベルという女の子がいて、ニコラは両親が無理やり自分を彼女と結婚させようとしているると思い込み、思い違いが重なってややこしいことに・・・。今回もホンワカと笑えそう、かな? 韓国題は「꼬마 니콜라의 여름방학(ちびっこニコラの夏休み)」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[8月22日(金)~8月24日(日)] ★★★

         1600万人突破の「鳴梁」に代わって「海賊:海に行った山賊」がトツプに立つ

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(2)・・海賊:海に行った山賊(韓国)・・・8/06・・・・・・・・・・・・951,485・・・・・・・5,928,225・・・・・・・・45,535・・・・・・・・818
2(1)・・鳴梁(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/30 ・・・・・・・・・・・802,836 ・・・・・16,257,224 ・・・・・・125,551・・・・・・・・774
3(5)・・さよならを待つふたりのために・・8/13 ・・・・・・・・・・・166,443・・・・・・・・541,646・・・・・・・・・4,272・・・・・・・・326
4(3)・・海霧(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/13 ・・・・・・・・・・・162,115 ・・・・・・1,343,859・・・・・・・・10,713・・・・・・・・383
5(9)・・ビギン・アゲイン ・・・・・・・・・・・・・・8/13・・・・・・・・・・・151,901・・・・・・・・・333,875 ・・・・・・・・2,691・・・・・・・・294
6(新)・・エクスペンダブルズ3・・・・・・・・・8/20 ・・・・・・・・・・・・77,641・・・・・・・・116,655・・・・・・・・・・・902・・・・・・・・319
         ワールドミッション
7(新)・・ギヴァー 記憶を注ぐ者・・・・・・・8/20・・・・・・・・・・・・53,168・・・・・・・・・・79,556 ・・・・・・・・・・615・・・・・・・・223
8(4)・・プレーンズ2/・・・・・・・・・・・・・・・・8/13 ・・・・・・・・・・・・47,127 ・・・・・・・・281,633 ・・・・・・・・2,040・・・・・・・・213
       ファイアー&レスキュー
9(41)・・トンネル 3D(韓国)・・・・・・・・・・・・8/20・・・・・・・・・・・・37,593・・・・・・・・・・69,443 ・・・・・・・・・・533・・・・・・・・262
10(6)・・ヒックとドラゴン 2・・・・・・・・・・・・7/23・・・・・・・・・・・・・34,051・・・・・・・2,981,453 ・・・・・・・23,845・・・・・・・・162

       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「鳴梁」は1600万人を超えました。全人口の3割以上とはすごいです。しかし、今回のトップの座は「海賊:海に行った山賊」が奪いました。25日の時点で600万人を突破。大ヒットといっていいでしょう。この2作品が突出していて、3位以下に大差をつけています。
 今回の新登場は6・7・9位の3作品です。
 6位「エクスペンダブルズ3 ワールドミッション」は、アクションスターたちがチームを組んで活躍する人気シリーズ第3弾。シルヴェスター・スタローン、アーノルド・シュワルツェネッガー等に加え、ハリソン・フォードやメル・ギブソン等が新たに参戦するとか。韓国題は「익스펜더블3」。日本公開は11月1日です。
 7位「ギヴァー 記憶を注ぐ者」(仮)は、アメリカのSFファンタジー。ロイス・ローリーによって約20年前に刊行され若者を中心に長く支持されてきた同名小説の映画化作品。主人公ジョナスはもうすぐ12歳になる少年。彼の住むコミュニティは苦痛も不便もなく、安全・平穏で、まさしく理想郷です。しかしそこには何か重大なものが欠けているような・・・。12月になり、すべての子どもが職業を授けられる「12歳の儀式」の日が訪れると、ジョナスはコミュニティでただ1人の「記憶の器」=レシーヴァーに任命されるのですが・・・。未来SFですが、描かれるのはユートピアではなくディストピアの方なんですね。韓国題は「더 기버: 기억전달자」。日本公開は未定のようです。
 9位「トンネル 3D」は韓国のスリラー。財閥2世のキチョルの提案で最高級のリゾート旅行へと旅立ったウンジュ(「ソニはご機嫌ななめ」じゃない方のチョン・ユミ)たち5人。管理人ドンジュ(ヨン・ウジン)の案内で楽しい時間を過ごしていたが、偶然の事故でキム氏を殺してしまいます。事実を隠蔽しようと死体を隠しに向かった場所は20年間出入りを禁止されているトンネル。ところがこのトンネルから出ようとしたその時、どこからか口笛の音が聞こえ、だんだんと近づいてくる・・・。原題は「터널 3D」です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・ビギン・アゲイン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/13・・・・・・・・・・・・151,901 ・・・・・・・・・・・・333,875 ・・・・・2,691・・・・・・・・294
2(44)・・そばの花・運の良い日・春、春(韓国)・・8/21・・・・・・・・・・・・6,341 ・・・・・・・・・・・・・・9,089・・・・・・・・・65・・・・・・・・・37
2(新)・・バック・トゥ・ザ・シー・・・・・・・・・・・・・・・8/21・・・・・・・・・・・・・・6,341 ・・・・・・・・・・・・・・8,343・・・・・・・・・57・・・・・・・・・85
4(2)・・ぼくを探しに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/24 ・・・・・・・・・・・・・・5,206 ・・・・・・・・・・・・118,861 ・・・・・・・931・・・・・・・・・43
5(10)・・足球王(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/21・・・・・・・・・・・・・・5,169 ・・・・・・・・・・・・・・・7,946 ・・・・・・・・62・・・・・・・・・58

 2位「そばの花・運の良い日・春、春」・2位「バック・トゥ・ザ・シー」・5位「足球王」が新登場です。
 2位「そばの花・運の良い日・春、春」は韓国アニメ。日本の統治期の3つの有名な短編小説の李孝石「そばの花咲く頃」、金裕貞「春春」、玄鎮健「運のよい日」のオムニバスです。いずれも「朝鮮短編小説選」(岩波文庫.上下)に収められています。どれも苦しい生活を送っている庶民の哀感漂う原作がアニメ化でいかに変わるか観てみようと思って、実は今晩ソウルのミニシアターに行ってみたらもうやってなくて再上映は9月1日からとのこと。残念。 原題は「메밀꽃, 운수 좋은 날, 그리고 봄봄」です。
 同じく2位「バック・トゥ・ザ・シー」はカナダのアニメ。翼のある魚ケビンは、友だちと肝だめしをして危険地域まで泳いで行って漁師に吊り上げられてしまいます。たちまちニューヨークのレストランに閉じ込められる身となったケビンは、厨房のシンクの穴から海に戻る野心的な計画を立てますが、脱出は思ったほどたやすくはありません。このままだと本当に料理されそうなケビン。結局救ってくれたのはシェフのお父さんに強いられて料理を始めたシャバオ。友だちになった彼らは一緒に海に行くために危険な計画を企てます・・・。韓国題は「백투더 씨」。

【「そばの花・運の良い日・春、春」のポスター】
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個人的韓国映画史[その1] 約30年を4つの時期に分けて振り返る

2014-08-23 23:44:11 | 韓国映画(&その他の映画)
 8月14日の記事(→コチラ)で次のように書きました。
 日本で上映された韓国映画の歴史を個人的・実感的に振り返ってみると、2000年という年がひとつの画期と思われます。作品でいうと「シュリ」、そして翌2001年の「JSA」です。
 そして8月19日の記事(→コチラ)では、そのことについて「たぶん明日の記事で書きます」と書きましたが、結局何日も遅れてしまいました。(記事予告については「息を吐くように嘘をつく」状態になっています。)

 その間、実感だけで記事を書くのもなんだかなーと考えて、これまでの日本で公開された韓国映画について過去の新聞記事やいくつかの資料等を縮刷版やネットで探したりしてました。(つい深入りしてしまう性分。)
 その結果は「個人的・実感的」な印象をほぼそのまま裏付けるものでした。

 最初に、日本で公開された韓国映画の作品数を年ごとに表にしてみました。
 このデータのモトは、<シネマコリア>のサイト中の「日本公開作リスト」(→コチラ)です。長編の劇場公開作のみの数を私ヌルボが年ごとに数えたものです。映画祭や特集上映は数えていません。先に映画祭等で上映された作品でも、劇場公開の年の方に入れました。(若干の数え間違いがあるかもしれません。)
 私ヌルボの基準で①~④の時期に分けています。

韓国映画(長編)の劇場公開作品数(1945~2013)
①の時期②の時期③の時期④の時期
1962= 1
1966= 2
1987= 1
1988= 5
1989= 1
1990= 6
1991= 8
1992= 4
1993= 8
1994= 6
1995= 1
1996= 1
1997= 6
1998= 3
1999= 2
2000= 8
2001=13
2002=11
2003=11
2004=33
2005=41
2006=45
2007=22
2008=17
2009=17
2010=35
2011=27
2012=36
2013=34

 以下、それぞれの時期について、多分に個人的な観点から記してみます。
①1987年以前
 この時期の年平均公開作品数=1960年代に3作品あったのみでほとんどゼロに近い。
 70年代までは、朴正煕政権による民主化運動の弾圧に関係して金芝河支援や金大中救出運動は日本でも盛り上がったりもしましたが、映画にかぎらず韓国の文化に関心を向ける人はまれで、韓国語のテキストも非常に少ないものでした。
 韓国映画の上映は、1979年以降韓国文化院で月例映画劇場のような形で年数回上映された以外はほとんど上映の機会はなかった状態です。
 この時代に韓国映画ファンがいたとすると、よほどのオタクか専門的研究者か、韓国文化院の上映会の常連の人たちに限られたでしょう。韓国映画ファンの第0世代としておきます。

②1987~1999年
 この時期の年平均公開作品数=3.7
 1980年代の民主化運動や88年のソウル五輪で韓国への注目度が増し、韓国映画に対する関心も少しずつ高まってきました。
 過去記事(→コチラ)でも書いたように、NHKで佐藤忠男先生の解説で1988年~2003年に放映されたアジア映画劇場の果たした役割も非常に大きいものがあったと思います。この時期からのファンを第1世代としておきましょう。
 この時期に上映された韓国映画は、70~80年代の名作が多く、とくに伝統的な慣習の中で虐げられた女性や、社会の中で苦悩する青年を描いたものが目につきます。
 また、8月14日の記事でも書きましたが、アジア映画社が87年以降積極的に韓国映画の配給を続けたことの意義は大きかったと思います。その中で、とくに代表的な作品その1は90年に劇場公開された「シバジ」。メディアでもけっこう大きく取り上げられ、主演女優カン・スヨンの名前もかなり知られるようになりました。
 代表的作品その2は「風の丘を越えて/西便制」です。韓国で初めて観客動員数300万人を超え、韓国映画史上でも特筆すべき作品です。日本でも観客動員が10万人を超えた初の韓国映画とのことです。
 ※観客動員数300万人という数字は現在の韓国では「大ヒット」とまではいかないレベル。韓国映画振興委員会(KOFIC)の公式統計で韓国映画の歴代BoxOffice(→コチラ)の上位100作品には1999年以降の作品しかありませんが、数字を見ると300万人だと90位くらいに相当します。つまり、21世紀に入って韓国の映画産業がそれだけ発展したということでしょう。
 ※「西便制」が韓国で大ヒットというニュースに接した私ヌルボは、たまたま職安通りの店(開店直後のジャント(韓国広場)だったか?)で原書の李清俊「西便制」を見つけ、貧弱な語学力もかえりみず買い込んだら、ほどなくして根本理恵さんによる翻訳書が94年6月ハヤカワ文庫から刊行され、肩すかしをくらったような思いをした記憶があります。根本さんが手がけた最初の字幕翻訳と思っていましたが、それまでに「桑の葉3」(1992)を皮切りに4作品(?)翻訳しています。(→参考)←根本さん、これまで80作品を超える字幕翻訳に携わってきたんですねー、やっぱり・・・。
 ※<輝国山人の韓国映画>(→コチラ)によると、この映画を日本に配給したシネカノン(当時)の李鳳宇氏が「パッチギ!的 世界は映画で変えられる」(岩波書店)で当時の経緯を詳しく書いているそうです。私ヌルボ、そのうち読んでみます。(それにしても輝国山人さん、どういう方なのでしょうか?)
 次にこの時期の代表的作品その3です。それは「八月のクリスマス」(1999年劇場公開)。代表的作品というより注目作品といった方がいいかも。この作品にヌルボが注目したのは、それまでの<恨>が云々といった韓国の伝統的な社会や思念とは全然違う内容であり、またこれまでになく「静かな」韓国映画ということで、新しい時代の先駆けとなるような新鮮な印象を受けたからです。事実この作品は日本でも新しい韓国映画ファンを多く獲得したのでは、と思います。(同じサークルメンバーの1人はこの映画に感動して最初に行った韓国旅行先が群山だったとか。)
 さて、この90年代の韓国映画で、ここまで記したような文芸映画っぽい作品(レンタル店の分類だと人間ドラマ?)のほかに、とくに90年代前半に目立ったのが「コーリアン・スキャンダル」シリーズをはじめとしたエロチック路線の作品群。「桑の葉」シリーズや「膝と膝の間」等もそんな要素はありますね。「コーリアン・スキャンダル」シリーズはヌルボは観ずじまいだったのですが、<輝国山人の韓国映画>で内容紹介を読むと(→コチラコチラ)、観ておくべきだったと後悔の念が募ります。

③2000~2003年
 この時期の年平均公開作品数=10.8
 2000年代に入り、公開作品数が目に見えて増えました。
 なんといっても2000年1月22日に劇場公開された「シュリ」は画期的でした。日本以前に、韓国の映画史の上で大きな画期となった作品です。日本でも前宣伝からして破格でした。この件については次の記事で書きます。
 2000年には、10月に「ペパーミント・キャンディー」、11月に「カル」「グリーンフイッシュ」「美術館の隣の動物園」、12月に林権澤監督の「春香伝」と注目作が相次いで公開されました。
 11月1日「毎日新聞(夕刊)」に「韓国映画が静かなブーム」という見出しで来日中の林権澤監督と「美術館の隣の動物園」のイ・ジョンヒャン監督のインタビュー記事を掲載しています。(このブログ記事の末尾参照)
 翌2001年の大注目作は「JSA」ですが、これについても続きの記事に回します。簡単にいえば、大がかりなアクション路線の確立ということです。
 そして2002年の注目作が「友へ/チング」。今に至る韓国映画の得意ジャンルの1つヤクザ映画の日本での初ヒット作。
 2003年に劇場公開された「おばあちゃんの家」「猟奇的な彼女」も、それぞれのジャンルの記憶に残る佳作でした。
 先の時期の「八月のクリスマス」あたりからこの時期の諸作品のような斬新な韓国映画に魅かれてファンになった人たちが第2世代

④2004年以降
 この時期の年平均公開作品数=30.7
 上の表を見ると、2003年に11だった公開作品数が2004年には33と3倍増。
 この背景には、2003~04年にNHKで放映されて非常な人気となった「冬のソナタ」の影響があると考えて間違いはないでしょう。
 以後も続く韓流ブームの中で、2000年以前には考えられなかったほどの韓国映画が上映されるようになりました。韓国映画ファンの裾野も広がりました。この時期からのファンが第3世代です。
 ただ、韓流スターの人気を当て込んだ作品も多くなったため、映画自体の作品性を期待するファンには事前の情報収集が難しくなったという面も生じました。韓国での新作情報に接しても、それがどういう邦題で日本で公開されるか確認しないと見過ごしてしまったり・・・、というのはヌルボの個人的体験。
 また、隠れた名作が隠れたまま終わってしまうことも多かったと思います。この時期のヌルボの個人的ベスト3の「息もできない」「僕が9歳だったころ」「過速スキャンダル」「彼とわたしの漂流日記」「拝啓、愛しています」等(アラ、5つだ!)は映画ファンの間でも認知度からして低かったのではないでしょうか?
 この時期の作品の傾向としては、ドラマの延長のような恋愛物、難病物、復讐物等がいろいろ。その中で、連続殺人魔を描いた「殺人の追憶」「チェイサー」「悪魔を見た」といったスリラーも韓国映画の得意ジャンルといっていいでしょうね。血まみれのザンコク描写だけでなく、怖さに深みといったものが感じられます。

 以上、このほぼ四半世紀の私ヌルボの韓国映画とのツキアイの歴史を振り返ってみましたが、考えてみると、そこに韓国の政治・社会・経済・文化、そして日韓の関係等々いろんなものが反映されているということが見えてきます。
 8月14日の記事で20世紀人のヌルボとしては昔の作品に愛着があるとは書きましたが、今そしてこれからの韓国映画に対しても期待する気持ちは持ち続けています。

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [8月15日(金)~8月17日(日)]

2014-08-19 23:53:53 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 6日に韓国文化院で「走れ自転車」を観てから以降時間的及び精神的余裕がなく、映画館に足を運んでいません。「ソウォン/願い」とか、ホン・サンス監督の2作品(「ソニはご機嫌ななめ」「ヘウォンの恋愛日記」)とか、SARUさんご推奨の「この世の果て」とかはぜひ観に行くつもりなんですけどね。

 この数年日本で公開された韓国映画について思うのは、「こんなにいい映画なのになんで観客が少ないのか?」「なんで話題にならないのか?」「なんで上映館数が少ないのか?」といったことです。
 元来ミニシアター系の作品はともかくとして、韓国では何百万人もの動員数を記録した「王になった男」「過速スキャンダル」「サニー 永遠の仲間たち」「観相師」「新しき世界」等々。現在上映中の「怪しい彼女」も言うまでもありません。
 最初からターゲットを韓流ファンに限定してしまっているためか、宣伝費に金をかけられないのか、なんらかの事情で上映館確保が困難なのか、そこらへんの内部事情は私ヌルボにはわかりません。
 2つ前の記事(→コチラ)で<1996年の韓国映画祭at三百人劇場>と題して2000年以前の韓国映画を取り上げましたが、そこで「日本で上映された韓国映画の歴史を個人的・実感的に振り返ってみると、2000年という年がひとつの画期と思われます」と書きました。詳しくは、たぶん明日の記事で書きますが、作品でいうと「シュリ」。予告編的に次の画像を見てみてください。


 2000年1月14日(金)の「朝日新聞(夕刊)」です。なんと「シュリ」の全面広告です。朝日の広告局の企画・制作によるもので、姜尚中東大教授と富田靖子さんも登場しています。同日「読売新聞」にも読売の企画・制作による広告が掲載されています。とても現在では考えられないことです。
 作品自体のレベルもさることながら、それ以前に作品の「認知度」をいかに高めるか、もっと工夫と努力を願いたいものです。とくにCJ Entertainment(だけじゃないか?)、韓流スターよりも作品性で勝負してくださいねー。)
 ※現在「怪しい彼女」は全国で上映館が10館だけ。せっかく「ぴあ映画生活」の満足度ランク(→コチラ)で5~6位の高ランクを維持しているのに・・・。ちなみに1位の「チョコレートドーナツ」と平均点は同じ(85点)なんだけどな。ミニシアター系っぽい「チョコレートドーナツ」は4月19日公開で、口コミの支持が広がり、今は全国23館。多くはないがそれでも「怪しい彼女」の2.3倍だもんな。

   
【オードリー・ヘプバーンと、「オ・ドゥリ」を演じたシム・ウンギョン。明らかに左のポスターのポーズを意識しています。】

 この1週間の韓国映画の話題は、なんと言っても8月16日「鳴梁(ミョンニャン)」の動員数が歴代トップになったこと。
 これまでの上位5位はKOFIC(韓国映画振興委員会)の公式統計(→コチラ)によると次の通りでした。
 ①アバター 13,624,328 ②グエムル –漢江の怪物- 13,019,740 ③10人の泥棒たち 12,983,330 ④7番房の贈り物 12,811,206 ⑤王になった男 12,319,542
 ※「鳴梁」は18日(月)の時点で14,886,432人です。そして→コチラの最新ニュースによると、今日19日午後1時30分累積観客数1500万の記録を樹立したとのことです。
 この「鳴梁」、内容的に日本での上映はあまり望めないし、実は来週ソウルに行ってくるので、その時観てくるかな?

 8月8日以降「朝鮮日報掲載の「封切映画 ぴったり10字評」の掲載はありません。

           ★★★ Daumの人気順位(8月19日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①その人 枢機卿(韓国)  9.3(24)
②さよならを待つふたりのために  9.1(184)
③名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)(日本)  9.1(62)
④ビギン・アゲイン  9.1(72)
⑤おやすみなさいを言いたくて  9.1(20)
⑥少女は自転車に乗って  8.9(34)
⑦ぼくを探しに  8.8(86)
⑧ヒックとドラゴン2  8.6(424)
⑨フリー・バーズ  8.5(34)
⑩ベルベット・ゴールドマイン  8.5(55)

 今回の新登場は②④の2作品です。
 ②位「さよならを待つふたりのために」は、ジョン・グリーンの同名ヤングアダルト小説(岩波STAMP BOOKSに訳書あり)の映画化作品です。16歳の少女ヘイゼルは甲状腺がんが肺に転移して以来3三年も酸素ボンベが手放せない生活。ある時がん友の会の場で骨肉腫のため片脚を失った少年オーガスタスと出会い、たがいにひかれあいますが、先に待っているのは厳しい現実・・・。しかし、この作品は他の多くの難病ものとは違って、死を迎える者と見送る者のぞれの心理が深くていねいに描かれているそうです。原作は、「TIME」誌が選ぶ2012年度の小説1位に選出される等高い評価を得たベストセラーで、翻訳の金原瑞人・竹内茜両氏も「この10年間に出たアメリカのヤングアダルト小説でおそらくベスト」と言い切る作品、とのことです。(アマゾンの読者レビューによる。) 韓国題は「안녕, 헤이즐」です。日本公開は未定のようです。
 ④位「ビギン・アゲイン」は、失脚した音楽プロデューサーと新進女性ミュージシャンが組んで成功を目指すアメリカの音楽ドラマです。シンガーソングライターのグレタ(キーラ・ナイトレイ)は公私ともパートナーだった男に浮気され、NYからイギリスに帰国しようとします。同じ日音楽プロデューサーのダン(マーク・ラファロ)は仕事が成功せず、自ら設立した音楽レーベルから解雇されてしきいます。その2人が夜のクラブで偶然出会います。グレタの歌に魅せられたダンは、彼女のプロデュースを申し出るが、すでにデモテープを作るさえ金もない。そこでダンが考えたことは・・・。韓国題は「비긴 어게인」。これも日本公開は未定。

     【専門家による順位】

①ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー  8.0(5)
②誰よりも狙われた男  8.0(4)
③その人 枢機卿(韓国)  8.0(1)
④慶州(韓国) 7.2(7)
⑤ノンフィクション・ダイアリー(韓国)  7.2(4)
⑥少女は自転車に乗って  7.1(6)
⑦群盗:民乱の時代(韓国)  7.0(9)
⑧グレート・ビューティ  7.0(7)
⑨her/世界でひとつの彼女  7.0(6)
⑩恋するヨプゴン・ガール  7.0(1)

 今回の新登場は⑩「恋するヨプゴン・ガール」だけです。マルグリット・アブエ作:クレマン・ウブレリ作画のフランスの漫画(バンド・デシネ)のアニメ化作品です。原作は雑誌「クーリエ・ジャポン」で2010年7月号から翻訳連載されているとのことです。ヨプゴンとはコートジボワールの首都アビジャンの中の笑いと涙の絶えない活気に満ちた街。主人公のアヤは19歳の女の子。親友ビントゥとアジュアがオシャレにハマっているのに対しアヤは医師志望の模範生。その3人の間に、クールな金持ちの息子が登場。彼氏獲得バトルが繰り広げられる(?)うちに、アジュアが妊娠したとのウワサが・・・。ウィキペディア(→コチラ)によると、「1970年代のコートジボワールを舞台に、戦争・貧困・飢餓などアフリカのイメージとは異なる19歳の少女アヤの日常を描く」とあります。韓国題は「아야의 밤엔 사랑이 필요해(アヤの夜には愛が必要だ)」。日本公開は未定。これは観てみたいなー。

【「恋するヨプゴン・ガール」の韓国版ポスター。】

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[8月15日(金)~8月17日(日)] ★★★

         「鳴梁」、数々の興行成績記録更新。

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・鳴梁(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/30・・・・・・・・・・2,058,077・・・・・・14,622,562 ・・・・・・113,004・・・・・・1,012
2(2)・・海賊:海に行った山賊(韓国)・・・8/06 ・・・・・・・・・・1,454,711 ・・・・・・4,292,930・・・・・・・・32,948・・・・・・・・910
3(27)・・海霧(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・8/13 ・・・・・・・・・・・585,349 ・・・・・・・・931,755・・・・・・・・・7,467・・・・・・・・548
4(新)・・プレーンズ2/・・・・・・・・・・・・・・・8/13 ・・・・・・・・・・・161,985 ・・・・・・・・196,348 ・・・・・・・・1,444・・・・・・・・341
       ファイアー&レスキュー
5(51)・・さよならを待つふたりのために・・8/13 ・・・・・・・・・・156,227 ・・・・・・・・228,611 ・・・・・・・・1,810・・・・・・・・317
6(3)・・ヒックとドラゴン 2・・・・・・・・・・・・・7/23・・・・・・・・・・・・116,938・・・・・・・2,911,511 ・・・・・・・23,331・・・・・・・・248
7(5)・・名探偵コナン ・・・・・・・・・・・・・・・・8/06 ・・・・・・・・・・・・71,849 ・・・・・・・・349,994・・・・・・・・・2,426・・・・・・・・192
          異次元の狙撃手(スナイパー)(日本)
8(4)・・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・・7/31・・・・・・・・・70,756・・・・・・・1,212,459・・・・・・・・10,322・・・・・・・・145
9(44)・・ビギン・アゲイン ・・・・・・・・・・・・・8/13・・・・・・・・・・・・63,758・・・・・・・・・101,512 ・・・・・・・・・・808・・・・・・・・200
10(新)・・劇場版ポケットモンスター・・・・8/13・・・・・・・・・・・・40,936・・・・・・・・・・55,674 ・・・・・・・・・・398・・・・・・・・123
           アドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 韓国では、光復節の15日(金)が公休日だったので3連休。「鳴梁」の勢いに一層弾みがついたというわけです。数々の新記録中、累計売上高の1000億ウォン(約100億円)超えも初とのこと。ちなみに日本国内の日本映画では「千と千尋の神隠し」がダントツ1位の304億円で、2位「ハウルの動く城」196億円、3位「もののけ姫」193億円と続き、100億円以上が8作品。しかし日本は入場料が韓国の倍だし、人口も韓国の倍なので、これらを勘案すると「鳴梁」の数値は日本だと400億円くらいに相当するとみていい、かな?
 今回の新登場は3・4・5・9・10位の5作品です。
 3位「海霧」は海が舞台のドラマ。以前のような収益が得られなくなった古い漁船チョンジン号に、船長のチョルジュ(キム・ユンソク)は5人の船員と共に乗り込む。彼は生きがいである船を守るために船員たちに密航を提案する。命をかけて海を渡ってきた多くの密航者、そして各々の思惑を持った6人の船員。そこに海霧が押し寄せ、彼らを事件に巻き込んでいく・・・。・・・となるとセウォル号事件を想起する人は多いでしょうね。海が舞台といっても「鳴梁」等の時代劇はまだいいですが、現代物の上「密航者たちは船に閉じこめられ・・・」ですからねー。そんなわけで公開時期がなかなか決まらなかったとか。原題は「해무」です。
 4位「プレーンズ2/ファイアー&レスキュー」はディズニーアニメ。日本では7月19日から公開されています。韓国題は「비행기 2:소방구조대(飛行機2:消防救助隊)です。
 5位「さよならを待つふたりのために」と9位「ビギン・アゲイン」については上述しました。
 10位「劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ」は、日本では2003年に公開された旧作。韓国ではどういう順序になってる? 韓国題は「극장판 포켓몬스터 AG - 아름다운 소원의 별 지라치」です。うーむ、長いタイトルだな。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(21)・・ビギン・アゲイン ・・・・・・・・・・・・・・・・・8/13・・・・・・・・・・・・・63,758・・・・・・・・・・・・・101,512 ・・・・・・・808・・・・・・・・200
2(1)・・ぼくを探しに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/24・・・・・・・・・・・・・13,161・・・・・・・・・・・・・106,230 ・・・・・・・834・・・・・・・・・45
3(4)・・東京家族(日本)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/31・・・・・・・・・・・・・・3,266 ・・・・・・・・・・・・・25,950・・・・・・・・196・・・・・・・・・30
4(新)・・旅情・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/07・・・・・・・・・・・・・・5,603 ・・・・・・・・・・・・・・9,584・・・・・・・・・78・・・・・・・・・78
5(3)・・フランシス・ハ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/17・・・・・・・・・・・・・・2,024 ・・・・・・・・・・・・・69,721・・・・・・・・546・・・・・・・・・25

 1・4位が新登場です。
 1位「ビギン・アゲイン」については上述しました。
 4位「旅情」は1955年の旧作の再上映。韓国題が「썸머타임」(Summertim)となっているので何かと思いました。キャサリーン・ヘプバーン主演で、主題曲もよく知られていますね。
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ソウル・楽園洞のモーテル屋上からの眺めにビックリ!

2014-08-17 11:47:03 | 韓国の街ネタ、観光ポイント、店・施設等
 この2週間、いろいろやるべきこともあって記事が滞りがちになっています。韓国関係書等は読んでいるのでネタは溜まる一方なんですが・・・。
 2ヵ月前の韓国旅行でもいろいろあったのですが、例の銃乱射事件で注目された高城統一展望台方面の記事くらいしか書いていませんでした。
 今回は、その時ソウルでたまたま見たちょっと衝撃的な光景の写真を紹介します。

 6月20日、ヌルボ一行4人が旅行最後に泊まった所はソウル市鍾路区楽園洞のモーテルでした。



 鍾路三街駅近くの便利な所で、肝心のお値段もリーズナブルなモーテルです。

 部屋に落ち着いた後、T兄(ヒョン)が「ちょっと来てみなよ」と声をかけるので出て行った所はモーテルの屋上。
 大体こういった安モーテルの階段や踊り場等は物置同然になっているのが常で、ここの屋上に通じる階段や屋上にもいろんな物やガラクタの類が雑然と置かれていました。



 T兄のイデタチが周囲の雰囲気とマッチしていますね。

 そして四方を見渡すと・・・。



 おー、何だ!? この猥雑な眺めは・・・。
 この辺りは、表通りから入った路地に庶民的な店や小さな民家等が密集した所です。今までこの高さからソウルの街を見下ろしたことがないので、この眺めがソウルの繁華街の裏町の一般的なものなのか否かはよくわかりません。



 雨漏り除けの大きなビニールシートを瓦や甕等で押さえています。
 真ん中に見える緑色のものは物置かなんかでしょうか? 



 洗濯物が干してあったり、プランターらしきものも見えます。
 
 「いやー、驚いたなー」と言いながら部屋に戻るとフロントから電話が・・・。「屋上に上がらないでください」とのこと。そもそも、この屋上に出る階段はドアでふさがれていて、モーテルの人がそのキーを隠すのを見たT兄が持前の好奇心を発揮して拝借しちゃったというわけ。それを赤外線センサーで感知されてしまったようです。
 やっぱり禁断の場所に行くと貴重な経験ができますね。
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1996年の韓国映画祭at三百人劇場

2014-08-14 23:50:36 | 韓国映画(&その他の映画)
 私ヌルボ、韓国映画ファン歴は約25年になります。しかし、一昨日の記事で書いたように、映画の細かな内容はほとんどといっていいくらい記憶に残っていません。なかには、タイトルを見ても、実際に観た作品かどうかも定かではないというものもなきにしもあらず。

 最近久しぶり(何年ぶりか?)の大掃除で発掘したのが約150ページの分厚い映画祭のカタログ。(下の画像)
 


 1996年12月26日~97年2月16日、今は無い千石の三百人劇場で開かれた<韓国映画祭1946▶1996 知られざる映画大国>のカタログです。
 いやあ、懐かしいなー! ・・・と、いろいろ読みふけってしまいました。(大掃除の最中にはとてもよくあることですね。)
 ※カタログによると、この三百人劇場の他にも、次の所で開催されています。
  福岡市総合図書館96年7月13日~28日・9月14日~23日、川崎市市民ミュージアム96年10月19日~11月17日、福岡市総合図書館97年5月、川崎市市民ミュージアム97年6月、三百人劇場97年7~9月。その他97年12月末まで日本各地を巡回。

 下の画像がその目次です。


 当時NHK教育TVの「アジア映画劇場」で多くの優れた韓国映画(を含むアジア映画)を紹介していた佐藤忠男先生は当然として、四方田犬彦先生がこの時にすでに一文を寄せていたんですね。

 今でも、いや、今だからなおのこと価値があるのは、このカタログの作品紹介の詳しさです。
 たとえば「荷馬車」のページ。(←この映画は2012年12月ソウルに行った時、楽園商街のシルバー映画館で上映していました。入りませんでしたが・・・。)



 81作品のすべてに上のページのようにスタッフ・キャスト・解説・あらすじ、そしてスチール写真が掲載されています。

 1990年代、韓国映画の日本での上映機会はまだ多くはありませんでした。そんな当時、貴重だったのは上記の「アジア映画劇場」と、このように集中的に韓国映画を上映する映画祭でした。
 「アジア映画劇場」については、過去3回に分けて全リストをアップしました。→・3

 さて、この映画祭の上映作品ですが、カタログに掲載されている全81作品は以下の通りです。

 アダダ/あなたが女というだけで/お金/カッコーは夜中に鳴く/キムの戦争/キルソドム/クミホ/シバジ/セサン・パクロ 外の世界へ/ソウルの虹/チルスとマンス/ディープ・ブルー・ナイト/トゥー・カップス/ノダジ/ハラギャティ/ハンネの昇天/ピアコル/ピョンテとヨンジャ/ミスター・マンマ/ロマンス・パパ/一松亭の青松は/九老アリラン/二人の女の物語/山火事/川の流れは止められない/心の故郷/永遠なる帝国/白い微笑/成功時代/成春香/朴さん/米/糸車よ糸車よ/自由万歳/低きところに臨みたまえ/我らの歪んだ英雄/赤道の花/招かれた人々/金薬局の娘たち/長雨/雨のめぐり逢い/風の丘を越えて-西便制(ソピョンジェ)/風吹く良き日/修学旅行/将軍の息子3/帰らざる海兵/従軍手帳/旅人は休まない/浜辺の村/破戒/神様こんにちは/粉々に砕け散った名前よ/馬鹿たちの行進/馬鹿宣言/常緑樹/族譜/望夫石(マンブソク)/異魚島(イオド)/荷馬車/野菊は咲いた/黄昏/黄真伊(ファン・ジニ)/森浦(サンボ)への道/開闢/嫁入りの日/寡婦(やもめ)の舞/誤発弾/銀馬将軍は来なかった/避幕/甕をつくる老人/離れの客とお母さん/霧/霧の村/霧の柱/鯨とり-コレサニャン-検事と女先生/曼荼羅/小さなボール/達磨はなぜ東へ行ったのか/若い男/ナヌムの家

 この中で、ヌルボが三百人劇場で観たのは20本弱だったと思います。当時は職場が鎌倉、自宅が藤沢で、有給を取って千石まで行くのは大変で、この程度が精一杯でした。

 また、この時に観たかどうか正確に思い出せないのは、その2年前にもやはり三百人劇場で<韓国映画の全貌>と冠した大がかりな特集上映があって、上映作品も重なっているものがいくつもあり、どちらで観たか判然としないからです。
 そちらの方のパンフは持っていたにしてもどこかに埋もれているので、ネット内を検索したら、アジア映画社のサイト(→コチラ)にありました。(下の画像を転載させていただきました。)



 これによると、開催期間は1994年4月9日~5月22日。上映作品は次の50作品です。

 あなたが女というだけで/いちぢく/その年の冬は暖かかった/ひとりで廻る風車/アダダ/アベンコ空輸軍団/アリラン/カッコーは夜中に鳴く/キムの戦争/キルソドム/シバジ/ディープ・ブルー・ナイト/ハラギャティ/ホワイト・バッジ/ミョンジャ・明子・ソーニャ/暗闇の子供たち/一松亭の青松は/燕山日記/於宇同(オウドン)/寡婦の舞/開闢/銀馬将軍は来なかった/九老アリラン/桑の葉/鯨とり-コレサニャン-/護国八万大蔵経/私の愛、私の花嫁/糸車よ糸車よ/将軍の息子3/証言/新・桑の葉/神さまこんにちは/成功時代/チルスとマンス/青春スケッチ/川の流れは止められない/族譜/達磨はなぜ東へ行ったのか/馬鹿宣言/避幕/風吹く良き日/粉々に砕け散った名前よ/丙泰と英子/霧の村/霧の柱/野菊は咲いた/妖花鏡/乱中日記/旅人は休まない/曼陀羅
 ※パンフ上部のスチールは「キルソドム」。
 ※アジア映画社の記事には「全54作品」とあり、上記50作品の後に「その他」と記されています。つまりその他が4作品あったということでしょうか?

 先の<韓国映画祭1946▶1996>の作品リストと照らし合わせてみると、私ヌルボが観たのは合計30~40本ほどということになります。

 アジア映画社の記事を見ると、80~90年代にこの映画社が韓国映画の紹介に大きな役割を果たしたことがわかります。<韓国映画の全貌>以前、1989年に主演女優カン・スヨンとともにメディアでもけっこう大きく取り上げられた「シバジ」はもちろん、90年からの「桑の葉」シリーズや91年の「膝と膝の間」も公開直後に観に行ったものです。また社会的な観点からも注目された「キルソドム」「九老アリラン」もアジア映画社配給作品。(この<韓国映画の全貌>の少し後に一般公開されたのかな?)

 日本で上映された韓国映画の歴史を個人的・実感的に振り返ってみると、2000年という年がひとつの画期と思われます。作品でいうと「シュリ」、そして翌2001年の「JSA」です。
 それ以降も韓国映画ファンではありますが、21世紀ではなく20世紀人のヌルボとしてはやはりこの<韓国映画祭1946▶1996>で上映された作品の数々に愛着があります。
 ところが残念なことにその多くは日本語DVDも出ていなくて、めったに観る機会がありません。
 本ブログでは、5月に<YouTubeで手っ取り早く視聴できる韓国映画(1936~96年)の名作83編 全リスト>と題した記事(→コチラ)で上記のような韓国映画の名作がYouTubeで視聴できると書きました。それは間違いではないのですが、日本語字幕がついていないのが日本のファンにとってはほとんど致命的な欠点です。

 今思えば、90年代半ばの日本では、半世紀の主だった韓国映画を観るこの映画祭は、それまで関心を向けることのなかった隣国の映画と社会をひっくるめて観ることであり、それはリアルな、まさに現代的な体験だったわけで、とても意義深い企画だったと思います。
 今の時代、同じような内容の映画祭はまず考えられないでしょうね。観たければ韓国語に習熟して韓国版のDVD等を観るしかないのですかねー・・・。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [8月8日(金)~8月10日(日)]

2014-08-12 23:45:16 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 私ヌルボ、昔から本や映画に親しんできたものの、人にその話をするのが苦手で・・・、いや、それ以前に内容がちゃんとアタマに残っていないのです。
 一方、昔の本の話を細部にわたって説明してくれる人などもいて、「美味しんぼ」の最初の頃の章の中身を「ここで海原雄山は山岡に「おまえは・・・云々」と言うんだよ」とおまえは・・・云々」の部分を雄山の声音・表情まで(たぶん)ソックリに描写したりするのを聞いた時にはホントに呆れるほどでした。
 自分の記憶力が標準以下なのか、世間に優れた記憶力の持ち主が大勢いるのか、たぶん両方だと思います。
 先週5日の講演に続いて6日も韓国文化院に映画を観に行きました。そこで偶然(というよりも必然か?)会ったSARUさんと映画の後晩飯を食べながら話をしたのですが、SARUさんの記憶力もすごいレベルだなーと思いました。
 観た映画は「走れ自転車」ハン・ヒョジュイ・ヨンフンが主演の青春ドラマで、好感の持てる作品でした。SARUさんがその日のツイッター(→コチラ)で書いているように「知人」(←実はヌルボ)と競馬場が出てくる映画とか、韓国の自転車のこととか話したのですが、ヌルボが2011年に観た「素晴らしき一日」をパソコン内の記録を見てかろうじて思い出したのに対し、SARUさんはその映画にもハン・ヒョジュが特別主演したことをご存知でした。また、最近大掃除で発掘した雑誌「論座」(2008年休刊)にチェ・ミンシクへのインタビュー記事が載っていて、それによると彼の最初の長編出演作品が「九老アリラン」だったんですねー、と言うことを話すと、その映画の内容もチェ・ミンシクの役柄もしっかり記憶されていて、観たにもかかわらずすっかり忘れているヌルボとはぜーんぜんレベルが違うことがよーくわかりました。
 ※「走れ自転車」では、川の土手の上を主人公たちが自転車で行き来するシーンが印象的です。その地方都市はどこかな、と気になって帰宅後調べてみたら、密陽でした。また、行ってみたくなるような「한밭 헌책반(ハンバッ・ホンチェッパン)」という古書店が出てくるのですが、韓国サイトを探したところ、映画撮影のために作ったとのことで残念至極。(建物は残っているようですが。) 以前「菊花の香り」で出てきた古書店も実在ではなかった、ということを思い出しました。(→関連記事。) あーあ。

「朝鮮日報」8月8日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「海賊:海に行った山賊」太鼓に鼓にユン・ヘジン。 ★★☆
 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」地球、否、銀河階級に興味! ★★★★
 「誰よりも狙われた男」見たくなる故ホフマン。 ★★★★
 「ヘラクレス」ドウェインがハマリ役! ★★☆
 「スットグ」あ、他人事じゃないかも。 ★★★
 「その人 枢機卿」金寿煥枢機卿の聖と俗。 ★★★☆
 
「スットグ」については→コチラ参照。その他の作品は以下の記事中で紹介。


           ★★★ Daumの人気順位(8月12日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①ブラック・ディール(韓国)  9.6(73)
②その人 枢機卿(韓国)  9.2(22)
③名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)(日本)  9.2(42)
④おやすみなさいを言いたくて  9.1(20)
⑤ぼくを探しに  8.9(75)
⑥少女は自転車に乗って  8.9(34)
⑦ヒックとドラゴン2  8.6(406)
⑧ベルベット・ゴールドマイン  8.5(55)
⑨her/世界でひとつの彼女  8.5(345)
⑩フリー・バーズ  8.4(31)

 今回の新登場は②③の2作品です。
 ②位「その人 枢機卿」は、2009年2月に世を去った金寿煥(キム・スファン)枢機卿についてのドキュメンタリー。1970~80年代の軍事政権の時代、人権の守護者として大きな役割を果たした人で、逝去後亡骸が移されたソウル明洞聖堂には4日間で約40万人もの人々が弔問に訪れたそうです。彼についてのドキュメンタリーは、2011年に「パボヤ(バカだ)」という作品が作られました。(ナレーション=アン・ソンギ。) 今回の作品は、社会的なことや枢機卿としての彼以前に、人間としての金寿煥に重点をおいたもののようです。<DAUM映画>の記事には「「泣くなトンズ」の感動を引き継ぐヒューマン・ドキュメンタリーの誕生」というキャッチコピーがありました。ということは、よくある宗教団体系の布教宣伝めいた(?)フンイキ? 原題は「그 사람 추기경」です。
 ③位「名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)」は、日本では今年4月公開。ヌルボは観てないのでなんとも評しようがありませんが、韓国ネチズンの評価高し。<DAUM映画>のレビュー中に「꿀잼!!!!!!!!!!!!강추강추~」というのがあって、강추(強推=強力推薦)はいいとして꿀잼とは何かと思ったら「꿀(蜂蜜)」+「재미( 面白さ)」の合成語「すごく面白い」という意味なんだそうな。韓国題は「명탐정 코난:이차원의 저격수」と直訳です。

     【専門家による順位】

①ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー  8.0(5)
②誰よりも狙われた男  8.0(4)
③その人 枢機卿(韓国)  8.0(1)
④アンダー・ザ・スキン 種の捕食  7.7(4)
⑤慶州(韓国) 7.2(7)
⑥ノンフィクション・ダイアリー(韓国)  7.2(4)
⑦少女は自転車に乗って  7.1(6)
⑧群盗:民乱の時代(韓国)  7.0(9)
⑨グレート・ビューティ  7.0(7)
⑩her/世界でひとつの彼女  7.0(6)

 今回の新登場は②③の2作品です。 
 ②「誰よりも狙われた男」は、スパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレの同名小説の映画化作品。複雑化する現代のテロ対策をリアルに描写する。今年2月に薬物中毒で亡くなったオスカー俳優フィリップ・シーモア・ホフマン最後の主演作で、スパイチームを率いる孤高の男を演じています。日本公開は10月17日で公式サイト(→コチラ)も用意されているので委細は省略します。韓国題は「모스트 원티드 맨」です。
 ③「その人 枢機卿」については前述しました。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[8月8日(金)~8月10日(日)] ★★★

         1000万人を超えた「鳴梁」、一気に歴代トップに突き進むか?

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・鳴梁(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/30・・・・・・・・・・2,809,237・・・・・・10,778,859 ・・・・・・・83,309・・・・・・1,335
2(8)・・海賊:海に行った山賊(韓国)・・・8/06 ・・・・・・・・・・1,242,237 ・・・・・・1,804,752 ・・・・・・・13,879・・・・・・・・823
3(2)・・ヒックとドラゴン 2・・・・・・・・・・・・・7/23・・・・・・・・・・・・229,787・・・・・・・2,689,526 ・・・・・・・21,630・・・・・・・・430
4(4)・・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・・7/31・・・・・・・・178,269・・・・・・・1,033,953 ・・・・・・・・8,846・・・・・・・・336
5(39)・・名探偵コナン ・・・・・・・・・・・・・・・8/06 ・・・・・・・・・・・145,557 ・・・・・・・・209,216 ・・・・・・・・1,455・・・・・・・・297
          異次元の狙撃手(スナイパー)(日本)
6(3)・・群盗:民乱の時代(韓国)・・・・・・7/23 ・・・・・・・・・・・・・59,850・・・・・・・4,738,606 ・・・・・・・36,722・・・・・・・・229
7(新)・・ヘラクレス・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/06・・・・・・・・・・・・・45,112・・・・・・・・・・68,806 ・・・・・・・・・・538・・・・・・・・274
8(7)・・ぼくを探しに・・・・・・・・・・・・・・・・・7/24・・・・・・・・・・・・・15,438・・・・・・・・・・78,487 ・・・・・・・・・・616・・・・・・・・・46
9(新)・・劇場版トゥイトゥイパンパン救助隊・・8/07・・・・・・・・10,034・・・・・・・・・・14,921 ・・・・・・・・・・102・・・・・・・・・89
         ミッション:トゥントゥンイを救え!(韓国)
10(5)・・フリー・バーズ・・・・・・・・・・・・・・・7/31・・・・・・・・・・・・・・9,386・・・・・・・・・103,286・・・・・・・・・・730・・・・・・・・・59
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「鳴梁」が、8月10日、公開から12日で観客動員数1000万人の大台を突破。これまでの最速とのことで、この勢いだといずれ歴代1位の「アバター」(1362万人)、歴代2位(韓国映画1位)の「グエムル-漢江の怪物-」(1301万人)を抜くかも・・・。
 また、今年前半の大ヒット作は韓国でももちろん「アナと雪の女王」(1029万人)でしたが、すでに追い越しています。→コチラの記事によると、朴槿恵大統領や、国会議員等も観に行ってるそうで、もう映画についてだけのニュースでは収まらない感じです。
 先々週の記事で書いた前評判の高かった時代劇4作品が、ここにきてはっきりと差が出てきたようですね。400万に届かなかった「逆鱗」、500万が目前で何とか格好のついた(?)「群盗:民乱の時代」、そして最後の「海賊:海に行った山賊」は「鳴梁」のあおりを相当強く食らっているのでは?
 今回の新登場は5・7・9位の3作品です。
 5位「名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)」については上述しました。
 7位「ヘラクレス」はアメリカのアクション。ギリシア神話の英雄で、主神ゼウスと人間との間に生まれたヘラクレス(ドウェイン・ジョンソン)が水に棲む多頭の蛇ヒュドラ等の恐ろしい魔物との戦いを通じて成長し、英雄になるまでを描く。ヒドラやクラゲやイソギンチャクはヌルボの高校時代は腔腸動物とされていたのが、いつからか刺胞動物というのになってるのですね。あ、全然関係ないか。日本公開は韓国題は10月24日。韓国題は「허큘리스」です。
 9位「劇場版トゥイトゥイパンパン救助隊 ミッション:トゥントゥンイを救え!」は、2010年から KBSで放映されているおなじみのアニメ「トゥイトゥイパンパン救助隊」の劇場版。赤ちゃんクマのトゥントゥンイが遊園地で行方不明に?! 町を守るトゥイゥイたちが出動! しかし遊園地は宇宙から来た悪党カロアン族の秘密基地。彼らが住民に害を与える前にトゥントゥンイを救い出さなければ・・・。タイトルがややこしいですが、救助隊の隊長がトゥイトゥイという名前のタヌキなんですね。この劇場版の目玉は特製の遊園地ということですが、「シネ21」の記事には「ハリウッドの最新アニメを経験した子供だと、韓国と中国が一緒に作ったカランパーク(遊園地)の乗り物はあまりに簡素なものに見えないだろうか?」と。え、こんなところにも韓中接近? 原題は「장판 뛰뛰빵빵 구조대 미션: 둥둥이를 구하라!」です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・ぼくを探しに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/24・・・・・・・・・・・・・15,438・・・・・・・・・・・・・・78,487 ・・・・・・・616・・・・・・・・・46
2(新)・・サプライズ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/07・・・・・・・・・・・・・・5,603 ・・・・・・・・・・・・・・9,584・・・・・・・・・78・・・・・・・・・78
3(4)・・東京家族(日本)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/31・・・・・・・・・・・・・・5,282 ・・・・・・・・・・・・・18,960・・・・・・・・145・・・・・・・・・38
4(2)・・ある出会い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/31・・・・・・・・・・・・・・3,677 ・・・・・・・・・・・・・19,689・・・・・・・・153・・・・・・・・・28
5(3)・・フランシス・ハ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/17・・・・・・・・・・・・・・2,757 ・・・・・・・・・・・・・65,169・・・・・・・・510・・・・・・・・・34

 2位「サプライズ」が新登場です。2011年のアメリカのサスペンスで、日本では2013年11月公開されましたが、そんなに話題にならなかったような・・・。韓国題は原題の通り「유아 넥스트(YOU'RE NEXT)」です。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [8月1日(金)~8月3日(日)]

2014-08-05 22:46:13 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 イメージフォーラムで上映している映画で「これは観なくちゃ!」とわざわざ渋谷まで足を運んだ映画は、しばらく後にほとんど間違いなく近所のシネマ・ジャック&ベティでも上映されるのです。・・・とわかってはいるのですが、今日は夜韓国文化院に講演を聴きに出かけたついでに観に行ってきました。
 観た映画はポーランド映画の「イーダ」です。観ている間はおもしろくても後に何にも残らない映画は山ほどありますが、これは正反対。とても静かな映画で、主人公の若い修道女見習いのイーダも大声を出す場面もなく、感情をあらわにすることもありません。が、その俳優アガタ・チェシェブホフスカが魅力的。このただ1作だけで今後俳優を続ける意志はないそうですが・・・。音楽もコルトレーンの「エキノックス」や「ネイマ」がいいし、何といってもラストシーンに流れるブレンデルの弾くバッハの「私はあなたを呼ぶ、主イエス・キリストよ」(BWV639)が絶品。(→YouTube) あ、初音ミク(→コチラ)の声もバッハに合ってるかも。(スウィングルシンガーズを思い出します。)

 そのイメージ・フォーラムでの予告編。同館で上映予定の「郊遊(ピクニック)」や「シャトーブリアンからの手紙」はチェックしておくとして、「ヘウォンの恋愛日記」の予告編もやってました。8月16日からシネマート新宿で公開予定。同じホン・サンス監督の「ソニはご機嫌ななめ」と<2作品同時ロードショー>(→公式サイト)なのですが、内容的にちゃんと区別がつくかな?(笑)
 あ、その前に8月9日から注目の韓国映画「ソウォン/願い」が始まりますね。(東京ではシネマカリテ)。シネマ・ジャック&ベティでは9月上映か、ふむふむ。

 「群盗:民乱の時代」、「鳴梁」と大ヒットが続いている韓国時代劇。先週の記事(→コチラ)のコメントでno_tenkiさんがこの2作品の感想を書いて下さいました。ぜひご一読を。

 ※この1週間も「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」の掲載はナシ。まさかこのまま終わることはないでしょうね。

           ★★★ Daumの人気順位(8月5日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①ブラック・ディール(韓国)  9.6(71)
②おやすみなさいを言いたくて  9.1(20)
③ぼくを探しに  8.8(53)
④少女は自転車に乗って  8.8(33)
⑤ヒックとドラゴン2  8.7(352)
⑥最後まで行く(韓国)  8.6(1202)
⑦フリー・バーズ  8.6(24)
⑧ベルベット・ゴールドマイン  8.5(53)
⑨her/世界でひとつの彼女  8.5(334)
⑩鑑定士と顔のない依頼人  8.4(152)

 今回の新登場は⑦「フリー・バーズ」だけです。アメリカのアニメ。「터키(トキ)」すなわちターキーという韓国題を見て、トルコのことかと思ったら七面鳥。感謝祭にはほとんどがローストされて食べられちゃう運命の七面鳥の中で大統領の特赦(←実際にある)で助かった2羽の七面鳥が感謝祭の食卓から七面鳥をなくすためタイムマシンで感謝祭の始まったピルグリム・ファーザーズの移住直後の1621年へと旅立つ・・・という物語。しかし、昨年の感謝祭前にこのアニメを観たアメリカの子どもたちはその後ロースト・ターキーをおいしく食べたのだろうか? 観た人(日本人)の感想は、「おもしろかった」という人もいれば「残念な映画」という人も。日本公開はなさそう、かな?

     【専門家による順位】

①ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー  8.0(3)
②アンダー・ザ・スキン 種の捕食  7.7(4)
③慶州(韓国) 7.2(7)
④ノンフィクション・ダイアリー(韓国)  7.2(4)
⑤少女は自転車に乗って  7.1(6)
⑥群盗:民乱の時代(韓国)  7.0(9)
⑦グレート・ビューティ  7.0(7)
⑧her/世界でひとつの彼女  7.0(6)
⑨イン・シークレット  7.0(1)
⑩マンガで世界を変えようとした男  6.8(7)

 ①「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」だけが今回の新登場。「アベンジャーズ」等マーベル系の宇宙を舞台にヒーローが活躍する。幼少期に地球から誘拐されたピーターは“スター・ロード“と名乗るトレジャーハンターになっていて、無限の力を持つという“オーブ“を入手するが、悪党から追われて逮捕され、最悪の刑務所に収監されてしまう・・・。日本公開は9月13日で、すでにいろんな情報が流されています。韓国題は「가디언즈 오브 갤럭시」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[8月1日(金)~8月3日(日)] ★★★

         先週の「群盗:民乱の時代」を上回る「鳴梁」の大ヒット

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(10)・・鳴梁(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・7/30・・・・・・・・・・3,348,961・・・・・・・4,759,187 ・・・・・・・36,834・・・・・・1,586
2(2)・・ヒックとドラゴン 2・・・・・・・・・・・・・7/23 ・・・・・・・・・・・575,102・・・・・・・2,114,591 ・・・・・・・17,148・・・・・・・・703
3(1)・・群盗:民乱の時代(韓国) ・・・・・・7/23 ・・・・・・・・・・・515,645・・・・・・・4,472,306 ・・・・・・・34,717・・・・・・・・654
4(27)・・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・・・7/31・・・・・・459,799・・・・・・・・・582,712 ・・・・・・・・4,929・・・・・・・・539
5(32)・・フリー・バーズ・・・・・・・・・・・・・・・7/31・・・・・・・・・・・・・45,855・・・・・・・・・・62,207・・・・・・・・・・447・・・・・・・・182
6(3)・・猿の惑星:新世紀(ライジング)・・7/10・・・・・・・・・・・・・44,076 ・・・・・・3,981,743 ・・・・・・・31,362・・・・・・・・157
7(8)・・ぼくを探しに ・・・・・・・・・・・・・・・・・7/24・・・・・・・・・・・・・16,397・・・・・・・・・・46,458 ・・・・・・・・・・363・・・・・・・・・50
8(12)・・海賊:海に行った山賊(韓国) ・・8/06・・・・・・・・・・・・13,553・・・・・・・・・・32,841 ・・・・・・・・・・208・・・・・・・・・24
9(73)・・ある出逢い ・・・・・・・・・・・・・・・・・7/31 ・・・・・・・・・・・・・6,891・・・・・・・・・・10,333 ・・・・・・・・・・・81・・・・・・・・・39
10(7)・・フランシス・ハ・・・・・・・・・・・・・・・7/17・・・・・・・・・・・・・・6,115・・・・・・・・・・56,408 ・・・・・・・・・・444・・・・・・・・・45
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「鳴梁」の数字がすごい! 先週の「群盗:民乱の時代」もすごかったですけど、それ以上。公開6日目(8月4日)で累積観客500万人達成というのは新記録とのことです。週末の動員数を見ると、先週の「群盗:民乱の時代」が久々の200万人突破だったですが、コチラは驚異の334万人。今朝の「中央日報(日本語版)」では、<映画『鳴梁』、リーダーシップ渇望する韓国社会の自画像>との見出しで社説に書かれている(→コチラ)上、連載コラムの「噴水台」では8月1日の記事(→コチラ)で紹介いたイ・ヨンヒ記者が<李舜臣がチーム長として来たら>という一文(→コチラ.韓国語)を書いています。
 今回の新登場は4・5・8・9位の4作品です。
 4位「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」、5位「フリー・バーズ」については上述しました。
 8位「海賊:海に行った山賊」は、「逆鱗」「群盗:民乱の時代」「鳴梁」に続く注目時代劇の4作目です。1392年建国した朝鮮が、高麗の国璽を明に返却した後に新しい国璽をもらえず、1403年まで約10年間国璽がなかったという史実と、フィクションを交えたいわゆるファクション。クジラの襲撃を受けて国璽が消えた(!)という物語とのことですが、アクションだけでなくコメディの要素があるようです。主演はキム・ナムギル。で、ソン・イェジンが女海賊なのか、ふうん。しかし、クジラが呑み込んだ国璽なんて、探そうというのがそもそもムリでしょ(笑)。原題は「해적: 바다로 간 산적」です。
 9位「ある出会い」(仮)はフランスの恋愛映画。作家のエルサ(ソフィー・マルソー)は3人の子どもを抱えた離婚した女性。彼女が出版社関係のパーティで偶然出会った弁護士のピエール(フランソワ・クリュゼ)は、愛する妻や子どもがいる家庭主義の男性。この2人の出会いがその後どのように展開していくのか、それとも・・・。ソフィー・マルソー、今いくつなのかなと思ったら47歳か。見た感じ、昔のことを考えなければ若いです。韓国題は「어떤 만남」。日本公開は未定のようです。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(2)・・ぼくを探しに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/24・・・・・・・・・・・・・16,397・・・・・・・・・・・・・・46,458 ・・・・・・・363・・・・・・・・・50
2(27)・・ある出会い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/31・・・・・・・・・・・・・・6,891 ・・・・・・・・・・・・・10,333・・・・・・・・・81・・・・・・・・・39
3(1)・・フランシス・ハ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/17・・・・・・・・・・・・・・6,115 ・・・・・・・・・・・・・56,408・・・・・・・・444・・・・・・・・・45
4(32)・・東京家族(日本)・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/31・・・・・・・・・・・・・・5,983 ・・・・・・・・・・・・・・8,624・・・・・・・・・66・・・・・・・・・45
5(3)・・her/世界でひとつの彼女 ・・・・・・・・・5/22・・・・・・・・・・・・・・2,891 ・・・・・・・・・・・・345,581・・・・・・2,818・・・・・・・・・20

 2・4位の2作品が新登場です。
 2位「ある出会い」については前述しました。
 4位「東京家族」は私ヌルボも去年の1月観ました。韓国のネチズンもほとんど8~10点の高評価ですが、それでもチョコッと1点しかつけない人もいるんだよなー。どんな高評価の作品でもこういうヘソマガリの人がいるんだよねー・・・って、自分もそんなことあったな。(「キック・アス」のこと。) 韓国題は「동경가족」です。
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赤い実が目を引くフユサンゴは、韓国語では金釧桜桃(クムチョンエンドゥ)というが・・・

2014-08-04 19:45:17 | 植物の韓国語
 人は年を取るにしたがって心を寄せる対象が動物→植物→無生物と移行していく、という俗説があります。(・・・ってホントかな? それともヌルボの思い込み?)

 子どもの頃はペットをかわいがっていた人が年配になると花を愛でるようにになり、老境に入るとどこにでもありそうな石に対して「いい石だなー」となぜか感じ入ったりするという例はざらにあるようです。
 もちろん、老犬と支え合い、いたわり合いながら日々を過ごしているお年寄りもたくさんいらっしゃるので、この俗説(?)も必ずしもあてにはなりませんが・・・。

 ずいぶん前のことですが、日々生徒たちに悩まされていた先輩教師S先生が「植物は裏切らないからいいなー・・・」と呟きながら植木鉢に水をやっていた姿は今も記憶に残っています。

 先日、家の近所の道をバイク(50cc)で走行中、信号待ちの際すぐ前方の道端に小さな赤い実がたくさん生っている丈の低い潅木が目に入りました。


 こういった植物に関心が向かうようになったのも、年を取ったからかもしれません。

 バイクから降りて反対側からもケータイで写真を撮りました。


 車が行き来する舗装道路の路傍です。

 帰宅後「植物・夏・赤い・実」等々で画像検索してみると、その名前をつきとめるのにさほど時間はかかりませんでした。
 フユサンゴ(冬珊瑚)というのがその名前です。 ※別名<タマサンゴ(玉珊瑚)>とも。
 →コチラのブログ記事等によると、明治中期に渡来したブラジル原産のナス科の帰化植物です。(帰化植物はずいぶんたくさんあるようですね。)

 例によって学名の Solanum pseudocapsicumを手がかりに韓国名を調べてみると옥천앵두(オクチュンエンドゥ)>でした。
 このハングルで画像検索すると、たしかに同じ植物の写真がヒットします。たとえば→コチラ「예루살렘 체리(Jerusalem cherry)」という英語名が先に書かれています。
 漢字表記だと「옥천」はたぶん玉釧「앵두」桜桃
 玉釧の釧(くしろ)は石や貝や金属等で作られた腕輪の意味。つまりこの丸い実を腕輪に用いた石等に見立てたものだと思います。
 「앵두(桜桃)」だけの意味はとみると、学名Prunus tomentosaすなわちユスラウメ。私ヌルボの少年時代、庭にユスラウメの木がありました。グミのような渋味もなく、サクランボに似た味の実を好んで食べたものです。(もう何十年も食べてないな・・・。)
 ところが、日本ではユスラウメを漢字で書くと梅桃。そして「桜桃」だとサクランボになってしまいます。
 一方、韓国ではサクランボを何というのか調べてみると・・・체리(チェリー)」とはちょっと肩すかし。おっと버찌(ボッチ)」という固有語もあるゾ。・・・と<韓国ウィキペディア>や、おなじみの<エンハウィキ・ミラー>でこの項目をみると、「チェリー(学名: Prunus avium)とは学名もPrunus yedoensisと異なり、小さくて果汁は多いが苦くて生では食べづらく、酒に漬けたりして食べる」等の説明がありました。
 ところが、学名Prunus yedoensisというとソメイヨシノのこと。しかしエンハウィキの説明では「済州島漢拏山原産で、日本のソメイヨシノとは別の品種である」とのことなんですがね・・・。(例のサクラの原産地問題か、あーあ。)
 なんか、ややこしいな。いろんなことが日韓間で少しずつ違うゾ。

 さて、ユスラウメやサクランボの方に大きく脱線しましたが、本題に戻ってフユサンゴのこと。
 一見すると食べられそうなフンイキ(?)ですが実は有毒!で、とくに子どもが食べることのないよう要注意とのことです。
 ソラニンだかを含んでいて、食べると吐き気を催したり、大量に食べると昏睡、さらには死に至るとも! これは怖いと一瞬思ったものの、そんな大量に食べるような人がいるのでしょうか?? あっ、今見ていたサイト(→コチラ)は<に有毒な植物図鑑>か。ジャガイモとかスモモなんかも「死亡」という文字があったのもそういうわけ? ま、人間にとっても有毒ということには違いありません。写真を撮った時、ちょっと食べてみるかな?と一瞬思ったのですが、あぶないあぶない!

 次の記事もたぶん植物の名称についてです。

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韓国のTV番組 週間視聴率ベスト20(2014年7月21日~27日)

2014-08-02 22:20:14 | 韓国のTV番組 週間視聴率ベスト20
 2ヵ月に1回の記事です。前回は→コチラ

 データの出所は韓国の視聴率調査機関<TNmS>のサイト中の「全国・地上波」の部です。(→コチラ。)

 このところ、KBSラジオはんとなく聴き流したりはしいるものの、TVはあまり見ていないのでとくに書こうというネタはありません。その分、以下の各番組の感想で関係ないことをタラタラ書いてしまいました。

【7月21日(月)~27日(日)】
\t
①週末連続劇「本当に良い時代[참 좋은 시절]」(KBS2)  23.4%
7 月に入って20%台半ばの視聴率を維持、週末ドラマのトップに。しかしカン・ドンソク(イ・ソジン)の母親にしてカン・ドンヒ(2PMテギョン)の養母チャン・ソシム役のユン・ヨジョン先生、ここでもがんばってるなー。今までのドラマや映画の出演作品数どれくらいになるんだろうか? →参考

②週末ドラマ「来た! チャン・ボリ[왔다 장보리]」[사랑해서남주나](MBC)  14.3%
 ⑩→②と上昇! 視聴率も14%からアップ。
 この番組、KNTVで9月28日から放送されるとか。タイトルは「私はチャン・ボリ!」になるそうです。詳しくはKNTVのサイト→コチラで。→コチラのブログ主さんは「日本でも人気が出ると思う 日本で人気の超新星ゴニルやKARAスンヨンも出てるし」の後、「日本放映に向けて私が気になるのが、チャンボリの訛りをどう訳すんだろう・・ということ」と書いていらっしゃるのは確かに当然の疑問。慶尚道方言だと大阪弁にでもするんでしょうが(←ホント??)、チャン・ボリは全羅道だからなー・・・。またどこかの○○弁にしたら「何で○○弁を差別される方言にしたんだ?」と言われそう(?)だし・・・。とはいっても、昔から定番になってる北関東方面の方言あたりに・・・。(そうだべ? あ、神奈川でも言うか。)

③日日連続劇「猫は見た[고양이는 있다]」(KBS1)  19.3%
 前回①位だった「愛は歌に乗って」の後続ドラマとして6月9日スタートしたコミック・ミステリー。原題は「고양이는 있다(猫はいる)」ですが、KBSWORLDで9月30日から放映される(→コチラ)ということで、その邦題が「猫が見た」。5年前に父親を亡くした女性コ・ヤンスン(チェ・ユニョン)は、、父が残した借金を返すために雑誌社の記者として働き、また家計を支えている。ある日、車に轢かれそうになっている野良猫を助け、自分についてくるその猫を飼うことにする。
 一方、裕福な家庭で生まれたカメラマン志望の青年ヨム・チウン(ヒョヌ)は、両親に内緒で大学を休学し、借金をして高いカメラを買ったものの返済できず取り立てに悩まされるが、そんな中、猫を探せば金が手に入るという話が舞い込んでくる。
 そしてある日、民間探偵という男(実はチウン)が現れ、猫の飼い主が探していると言うが、ヤンスンは絶対に猫を渡せないと言い張る・・・。こうして猫の縁で出会った2人がそれぞれ猫を探す過程で、家族の隠された秘密を知ることになる・・・。
 それにしても、昨今の韓国の猫フィーバーは止まることを知らず。しばらく前までは猫は不吉な動物として忌避されていたのになー。映画・小説・絵本等々に加えドラマでもとは、ホントにいつの間にか韓国は猫まみれになっちゃいました。※参考過去記事→コチラと→コチラ

④KBSニュース9(KBS1)  16.9%

⑤日日ドラマ「カッコウの巣[뻐꾸기둥지]」(KBS2)  14.4%
 「天使の罠(天上女子)」の後続ドラマとして6月3日からスタート。うーむ、これはタイトルからして恐いゾ・・・。で、初回からビュンビュンと早い展開。裕福な家庭で育ったペク・ヨニ(チャン・ソヒ)は両親の反対を押し切って貧しいイ・ドンヒョンと一緒に暮らし、子どもまで身ごもったが、2人の結婚に強く反対する父ペク・チョル(イム・チェム)はペク・ヨニを連れ帰ろうとし、その時イ・ドンヒョンは彼女を追いかけるが交通事故で死んでしまう。その3年後、ペク・ヨニはやはり父の強要でチョン・ビョングク(ファン・ドンジュ)と結婚式を挙げるが式の最中で失神。彼女は子どもが産めない身体になってしまう。さらに3年後、子どもが産めないペク・ヨニを姑は苛め、離婚まで要求してきた。
 もう1人のヒロインはイ・ドンヒョンの妹イ・ファヨン(イ・チェヨン)。兄の死後貧しい中で彼女は家族たちを養い、辛い日々を送っていた。そして彼女は家の借金を返済するために代理母になる・・・。
 ところが、こんな不幸な2人の女性の間で復讐物語が展開するとは! つまり、自分の兄を死に追いやったペク・ヨニの代理母になり、自分の受精卵で妊娠して生んだ子を育てさせた後,その子をまた奪うことでヨニを破滅させようと・・・。何という筋書きの復讐劇なんだ! そもそもペク・ヨニのどこに落ち度があるのだっ!(・・・と私ヌルボが怒っても意味があるとは思えませんけどね。) それにしても、前にも書きましたが復讐ドラマがホントに多い。多すぎます!!

⑥ギャグコンサート[개그콘서트](KBS2)  14.4%
 ⑥位→⑥位。日曜夜定番のバラエティで21:15~23:05放映。

⑦キム・ビョンマンのジャングルの法則inインド洋[김병만의 정글의 법칙 IN 인도양]」(SBS)  13.9%
 熱帯方面、ほとんど行き尽くしたような・・・と思ったら今度はインド洋ですか。<エンハウィキ・ミラー>のこの番組の項目(→コチラ)を見たら、過去に問題化したいろんな「ヤラセ」の事例があげられていました。この手の番組には付き物といっていいですね。以前日本でもあったな。タイミングよくでかい魚が釣れたりするなんてのは信じられないし・・・。場所の設定も、秘境どころかフツーの観光地だったことが明るみに出たり・・・どころか、無人島と砂漠以外はどこも疑わしいとか。また、他の出演者たちが必死で火を起こしている場面で、1人の出演者がタバコを吸っていたのが指摘されたという事例には笑っちゃいます。ま、それでも多くの人がなんだかんだいいつつ見てるわけです。

⑧「全国歌自慢[전국노래자랑]」(KBS1)  13.7%
 前回(5月)はランク外に消えていた常連番組が復活。

⑨無限挑戦[무한도전](MBC)  12.1%
 ⑭位→⑨位。これも定番の人気番組。

⑩歌謡舞台[가요무대](KBS1)  12.0%
 昨年11月以来久しぶりのランクイン。7月21日の放送では60年代の歌謡をいろいろやってましたね。「黒山島アガシ」とか。あ、仲間内で今度行こうと言ってたのにずっとペンディングになってるな。

⑪「人間劇場[인간극장]」(KBS1)  11.9%
 ⑳→⑪。月~金の7:00~7:35に放映しているドキュメンタリー番組。

⑫週末特別企画「ホテルキング[호텔킹]」(MBC)  11.9%
 4月5日にスタートし、7月27日に幕を下ろしたドラマ。2018年冬季五輪の開催地・平昌のホテルを舞台に、というから、日本の「HOTEL」のような熱血ホテルマンの物語なのかと思ったら、「ホテル経営権をめぐる陰謀と暗闇、その中で繰り広げられる切ない愛を描いた・・・」というのはやっぱり韓国ドラマか。

⑬朝ドラマ「みんなキムチ[모두 다 김치]」(MBC)  11.8%
 ⑫→⑬。
 弁護士イム・ドンジュン(ウォン・ギジュン)がキムチでひっぱたかれるという新機軸のシーンがありました(笑)。

  

⑭KBSニュース広場2部(KBS1)  11.5%
 朝6:00からのニュース広場1部に続いて7:00から始まるのが2部です。

⑮ハッピー・サンデー[해피선데이](KBS2)  11.2%
 2012年11月以来のランクイン。

⑯KBSニュース特報「兪炳彦(ユ・ビョンオン)推定死体発見[유병언추정시신발견]」(KBS1)  11.1%
 セウォル号の実質的オーナー兪炳彦氏も多数の人員を投入し日数を費やしても結局こういうことに・・・。沈没事件だけでなくここにも韓国の問題が多々露呈。

⑰南北の窓[남북의창](KBS1)  11.0%
 盧泰愚大統領時代の1989年3月14日から続いています。毎週土曜の朝7:35~8:00放映。<KBS WORLD>では今は放映していないのか。

⑱MBC日日特別企画「母の庭園[엄마의정원]」(MBC)  10.9%
 このドラマのスタート(3月)前のコチラの記事を見て首をひねったのは、「“マクチャン”ではない温かいホームドラマを掲げた」と記事冒頭で書いているのに見出しを見ると「出生の秘密&財閥家を題材にした」とあること。その後の展開を見てもやっぱり泣き叫んだりという場面はあるしなー・・・。それよりややこしいのは、ヒロインを演じているチョン・ユミ。私ヌルボがすぐ思い浮かぶチョン・ユミはホン・サンス監督の映画によく出てくるチョン・ユミAなのですが、彼女以外に「屋根部屋の皇太子」等に出演していた方のチョン・ユミBもいるので、このドラマに出ているのはどちらか、というのがメンドー。答はチョン・ユミBの方なんですけどね。当人同士や関係者の皆さん、トラブったことないのかな? ※2人の区別については→コチラのブログ記事参照。

⑲TV小説「スングム~金色(こんじき)の大地[순금의 땅]」(KBS2)  10.7%
 韓国では1月から続いていて、<KBS WORLD>でも4月から放映中。(→コチラ参照。) 原題は「순금의 땅(純金の土地)」で、つまりヒロインの名前がスングム(純金)というわけ。北朝鮮の開城に近い京畿道漣川郡一帯から高麗人参事業で成功するチョン・スングム(カン・イェソル)の話を描いたドラマ。1950年代朝鮮戦争勃発2年半後の、薬の行商人スボクと当時11歳の娘スングムのようすから始まって・・・。子役の女の子、カン・イェソルと目鼻立ちが似てるな。「母を目の前にお母さんと呼ぶこともできない悲しみを他人の子を育てる母性で満たしている」というあたりはいろんな作品を連想させます。以前NHKで「柳橋慕情」のタイトルでドラマ化された山本周五郎の「柳橋物語」とか(うるうる)、「傾城阿波の鳴門」の・・・って、あれは母親が打ち明けられないのか。

⑳ラブ・イン・アジア[러브인아시아](KBS1)  10.5%
 1月以来のランクインです。韓国に嫁いできたアジア人の嫁のいる家庭を紹介する番組。
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中央日報の日本オタク(?)イ・ヨンヒ記者の<自分の日常の延長コラム>に注目!

2014-08-01 12:49:55 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
7月3日の記事で「朝鮮日報」鮮于鉦記者の記事を集中的に紹介しました。(→コチラ。)
 今回は、彼とはかなり異なったタイプの、「中央日報」のイ•ヨンヒ文化スポーツ部門記者についてです。
 彼女は、今年4月から連載コラム「噴水台」も毎週火曜日執筆しています。
 その中で、「日本語版」にも掲載されて最も多くの日本人読者の共感を呼んだのは「韓国と日本から聞こえた「天使の声」」(4月22日)(→コチラ)という見出しのついた記事だと思います。
 あのセウォル号沈没事故の時、生徒たちにライフジャケットを配り、「お姉さんは?」という生徒たちに「船員は最後。君たちを救ってから、私は後から出て行くから」と答えて最後まで乗客を助け、命を落としたパク・ジヨンさんについて書いた記事ですが、そこでイ・ヨンヒ記者は「もう1人の人物が重なる」として、3.11東日本大震災当時、役場の放送室から住民に避難を呼びかけ、最後は津波にのみ込まれて亡くなった南三陸町の役場職員だった遠藤未希さんのことを記していました。そして最後に「私たちも、セウォル号を最後まで守ったこの若い乗務員の名前を、長く忘れないでいたい。日常のために簡単に忘れてしまうような、私がしているこの仕事の重く厳重な責任を再確認させてくれる、この「天使」のことを。」と、自らの仕事に引きつけて締めくくっています。
 イ・ヨンヒ記者は、その翌週のコラム「今、私ができること」(→コチラ)でも「東日本大震災当時、日本人たちのSNSに最も多く登場した文は「今できることをしよう」だった。」と日本のことを書いていました。

 彼女の記事の「持ち味」は、自身の生活に密着した日常感覚です。
 日本語版に載っていない「噴水台」のイ・ヨンヒ記者のコラム中で、いかにも彼女らしいコラムを2つ紹介します。

 1つ目は「今日も私はコンビニに行く」(7月1日)(→コチラ)。
 近所にスーパー(個人経営のマーケット)とコンビニがあるが、自分は少し高くてもコンビニに行く。スーパーだとおばさんがそれは「どこの家に越して来たの?」とか「一人暮らし?」等々好奇心一杯の目つきで訊いてくるのに対し、コンビニはただ黙々と機械的に対応するだけだから・・・。
 ・・・という自身の日常生活から書き起こして、「コンビニ社会学」という本から全国に2万4559のコンビニがあって1日880万人が利用するといった数字を引用し、続けて6月公開の韓国映画「これが私たちの終わりだ(이것이 우리의 끝이다)」を紹介します。
 その映画はまさにコンビニが主人公といった映画で、就職準備生やインディーズミュージシャン等のアルバイトや、あるいは脱北者、中高年の失業者といった人たちが働いていること、彼らに暴言を浴びせる店主も本社から切り捨てられる直前の状態であること、客もまたさまざまで・・・。
 ・・・記事の最後では、また自分のことに戻り、映画館内に貼られた観客のコンビニでのバイト体験談等について書いています。

 次はこれも自分自身の日常からネタを拾った「これ以外に生きていく道がないんです」と題したコラム。(→コチラ。)
 朝に出勤時に乗ったタクシーの運転手氏は60代前半くらい。ところが車線変更はヘタだし、左折ができず直進してしまうこと数度、ずいぶん遠回りしてやっと中央日報前、それも歩道に横付けできず赤信号で止まった時に「アガシ、ここで降りていただいてもいいですか?」と横断歩道の前で降ろされるはめに。3千ウォンばかり余分に払いつつ「タクシー始めて間もないみたいねっ!」というと、運転手氏「元々方向音痴なんですけど、他に生きてく道がないんで・・・」。
 ・・・と、ここまでがコラム全体の3分の2。そしてドイツの作家Horst Eversの本に登場する間違った職業選択に悩む患者を癒すセラピストの話を紹介した後、次のようにコラムを結んでいます。
 「直進本能」の運転手も多分、われわれは自分に適した仕事をしているのか、それを可能にする社会であるかという質問を投げるぼく私の前に現れたのではないか?あるいはアイデア貧困に苦しんでいる子羊にコラム素材を提供するという使命を帯びて? だから許すとしようる才能もないことを臆面もなく引き受けて世界を台無しにする者が無数の中で、彼は駄目にしたのはわずか(?)私の通勤だけだから。
 いやあ、アタマにきたのを必死に抑えつつ書いた(笑)という感じですね。

 このように、彼女の書くコラムは自分の日常の出来事を「導入」のレベルを超えて書き込んだものが目立ちます。
 ちょっと残念なのは、社会的・政治的等の巨視的な観点からの分析・考察が全然食い足りないこと。
 たとえば「“美男子”応援団も送ってもらえませんか」(7月15日)(→コチラ.日本語版)
という記事。例の北朝鮮のアジア大会参加をめぐるネタなのですが、「美女応援団の派遣が本当に南北関係の改善に役立つならば、美男子軍団も共に送ってほしいと提案したい」というくだりなど、どうも自分自身の願望(!?)を超えての建設的な主張とは思えません(笑)。

 最初に掲げた記事のようにイ・ヨンヒ記者が日本の話題や出来事を記事に取り込んでいるのは、彼女が日頃から日本に興味を持ち、いろいろな情報に接しているからと思われます。
 「ある日本人青年のフリーハグ」(6月10日)(→コチラ)を読むと、「日本人が韓国でフリーハグをしてみた」という動画(→コチラコチラ)をYouTubeに上げた桑原功一さんは友だちなのかな?
 また彼女が観ている日本映画やドラマ、読んでいる日本漫画の数ももしかしたら私ヌルボ以上!
 映画では「舟を編む」「笑の大学」等、ドラマでは「半沢直樹」「職場の神」(←日韓の比較)「独身貴族」等、漫画はとくに多く「自虐の詩」「AKIRA」「8」「進撃の巨人」「やさしくしないで」「聖☆おにいさん」「銀の匙」「美味しんぼ」(←「あの」福島原発関連)等々。またAKB48総選挙等についても書いています。
 これらは、「中央日報(日本語版)」でサイト内検索するとおおよそはヒットします。(→コチラ。)
 ※7月22~27日に開かれていた第18回ソウル国際マンガ・アニメーション映画祭(SICAF)で、彼女が組織委員会のメンバーになっている(→コチラ)のはナルホドね、です。
 ※2009年の→コチラの草剛についての記事で、彼女は自らSMAPのファンだと明かしています。この記事で日本の流行語の「草食男」「干物女」を紹介していますが、これはチョシンナム(초식남.草食男)として韓国でも定着したこの言葉についての最初の新聞記事、・・・かどうかはわかりませんが、早い時期のものであることには間違いありません。(干物女(건어물녀)の方もそれなりに・・・・。)

 「噴水台」のコラム中で、イ・ヨンヒ記者のファンの男性読者ならずとも「これは何だ!?」と驚いたと思われるのが6月17日の「「誰かと人生を共有する」…それは人間でなくても関係ない」(→コチラ)の冒頭。この頃、2人の男といい感じの関係になっている。1人は年上で優しい性格、1人は年下で少し神経質。」ですからねー(笑)。
 読み進むと、何のことはない映画「her/世界でひとつの彼女」関連の内容なんですけどね。

 それよりも、私ヌルボにとってオドロキだったのは<メディア・ブッダ>という仏教系サイト中にある2013年3月の→コチラ(韓国語)の記事。筆者はファン・ピョンウ韓国文化遺産政策研究所所長で、例の対馬の盗難仏像返却問題についてです。これによると・・・、
 2013年1月30日警察と文化財庁は盗難の事実と差し押さえた仏像を公開し、日本に返すと公式に発表した。その時まで政府と全メディアは国際法的に返さなければならないとしていたが、中央日報のイ•ヨンヒ記者だけは違っていた
 イ・ヨンヒ記者は筆者に、そのまま返すことが正しいかと訊ねてきた。筆者は「盗難犯は法によって厳正に処理するが、仏像の過去の流出経路が明らかにされるまで、日本に返すべきではない」と言い、「韓日両国の共同調査を通じて仏像の伝来過程を明らかにし、調査期間中はユネスコの仲裁を経て第3国に遺物を預けておく方法等を検討してみるべきだ」との立場を明らかにし、記事化された。
  その後、一方的に返さなければならないという世論よりも、ちょっと考えてみようという世論が形成され始めた。

 ・・・というわけです。アララ、そうだったの!という感じですね。逆にいえば、このところよく話題となる韓国の「国民情緒」といったものを彼女が体現しているとも解釈できそうです。

 いろいろイ・ヨンヒ記者の記事をまとめ読みしてみると、彼女の長所が生かされた記事もあれば、上述したような弱点が露わになっている記事も見受けられます。
 「中央日報」という大新聞が、新聞の顔ともいうべき連載コラムに、週1とはいえ論説委員等ではないこのような若手(?)記者を起用するというのは1つの英断、かどうかはよくわかりませんが、あの「広島と長崎への原爆投下は神の懲罰」と書くようなベテラン記者もいることも思えば評価すべきかも・・・。
 しかし、日常的な感性の延長という視点だけで政治や外交の問題を論じてほしくはないなー。

 ※いろいろリンクを張った記事は見たが、イ・ヨンヒ記者の顔写真を見てないぞ、という方は、→コチラの俳優ハ・ジョンウ熱賛記事(韓国語)を見てみてください。

★[8月5日の追記]
 このような内容の記事をブログに載せた旨、昨日の昼過ぎイ・ヨンヒ記者に拙いハングルでメールを送ったところ、なんと夜ご本人から返信が届きました。それも日本語で。読んで、「しまった!」と思ったのは記事の最後の方で書いた盗難仏像のことです。
 イ・ヨンヒ記者によると、事実は次のとおりです。
  「盗難仏像の記事に関しては、仏像を返すべきだという意見と反対の意見を取材する中、ファン・ピョンウ所長に電話をかけて意見を聞いただけであって、私の個人的な意見とは関係がありません。記事の末尾にファン所長のコメントが載ってはいますが。」
 私ヌルボ、この記事を書く時に一応当の記事を探しはしたものの見つからず、そのまま一方の側の情報(ファン・ピョンウ所長の記事)だけで判断してしまいましたね。ファン所長の受けとめ方や記事の書き方に問題があるのかもしれませんが、誤解してしまった責任はヌルボ自身にもあったと反省しています。

 また、ヌルボが批判的に書いた部分については、メールの最後で次のように書かれていました。
  「日常的な経験をより広い視点から解釈するコラムを書こうとしますが、まだインサイトが足りないため、常に失敗しますね。(^^) これからもっとがんばります。감사합니다.」
 忙しい中、時間を割いてわざわざ返信を送って下さったことに感謝! これからも(日本にも読者がいることも念頭に置いて)良い記事を書いてくれることを期待します。
 ※イ・ヨンヒ記者の漢字名は「李英喜」とのことです。
  ※イ・ヨンヒ記者のブログ(→コチラ)では、現在連載中の「噴水台」や「本の中へ(책 속으로)」や、その他の過去記事を読むことができます。
  なお、そこのprofileによると生年月日は「1980.1.11 (양)」とあるので、ヌルボが「若手(?)記者」と書いた箇所は(?)を削って「若手記者」に訂正します。(関係ないですけど、1980年でも旧正月前だとまだ1979年の継続で(양)つまり未年なんですね。)
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