ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[10月26日(金)~28日(日)]

2012-10-30 23:53:50 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 コリアン・シネマ・ウィークの「合唱(DureSori)」と、東京国際映画祭で上映された「眠れぬ夜」について、先週「これらについては来週書くかな」と書きましたが、これは持ち越しということにして・・・。(てへぺろ) 

 昨日(10月29日)は、午前に「高地戦」、夜に「ザ・レイド」と★5つ級の映画を2本観ました。今まで同じ日に観た2本の映画で最高の組み合わせは、1999年閉館直前の東銀座・松竹セントラルで観た「事件」と「砂の器」の2本立てで、これはほとんど不動の1位。しかし昨日の2本も、いずれも非常にレベルの高い作品でした。「高地戦」は、大がかりな娯楽アクションを期待した向きは当てが外れたと思うかもしれませんが、韓国での朝鮮戦争の「振り返り方」で、また新たにユニークな見方が現れた点が興味深かったです。たぶんそのうちに独立した記事にする、かな?
 角川シネマ有楽町で観たインドネシア映画「ザ・レイド」はおそるべき実写アクション。同じアジア映画では「マッハ!!!!!!!!」がすごいなーと思いましたが、これはもっと容赦ナシというか、凄惨というか・・・。まあ予告編(→コチラ)を見てみてくださいな。実はこの作品、韓国では今年5月に公開されていて、本ブログ5月22日の記事で少し紹介しました。その時から注目していたのですが、期待を裏切らなかったですねー。

 さて、その角川シネマでの予告編で「シュガーマン 奇跡に愛された男」というのをやってました。以前書いたように、多くの外国映画は日本より韓国の方が公開が早いので、こうした記事を毎週続けていると予告編を観ていてしばしば既視感にとらわれることがあります。この「シュガーマン」の場合は既視感どころか、今韓国で上映中で2週前の記事では内容紹介を書きましたから、すぐわかりました。日本公開は来年春とのこと。あいかわらず遅いなー。
 また角川シネマの予告編での注目は大映創立70周年記念ということで11月23日~12月21日に38作品一挙上映するとの企画。おっ「あなたの「ベスト・オブ・大映作品」を教えてください」というのをやってるゾ。うーむ、私ヌルボなら「無法松の一生(1943)」、「狐の呉れた赤ん坊」、「あに・いもうと」・・・、古いのばっかだなー。あら、<GyaO!>のサイトでもみられるになってるの!?

 もうたくさん書きすぎちゃったので、11月23日から始まる<東京フィルメックス>については、興味がある方はリンク先の公式サイトをご覧ください。

[今知った朗報!] 私ヌルボがかねがね「なんでこの映画を日本で上映しないのか!」と声を大にして言ってきたカンプル原作の「あなたを愛しています」が今年12月末からシネスイッチ銀座等で「拝啓、愛しています 」の邦題で公開されます。よかったよかった(涙)。あら、もう8月の段階でシークレット試写会とやらで観ちゃった人がいるの!?(→コチラ)。号泣しちゃいましたか、やっばり。

          ★★★ Daumの人気順位(10月30日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①Mac Korea(韓国)  9.9(71)
②MBの思い出(韓国)  9.4(364)
③シュガーマン 奇跡に愛された男  9.4(59)
④地上の星のように  9.2(134)
⑤ヤコブへの手紙  9.2(30)
⑥バービー(韓国)  9.1(20)
⑦おおかみこどもの雨と雪(日本)  9.1(238)
⑧ピエタ(韓国)  8.8(1478)
⑨テイク・ディス・ワルツ  8.6(60)
⑩メリダとおそろしの森  8.5(178)

 先週に続き①と②がたぶん政局ともからんで好調。
 ③「シュガーマン 奇跡に愛された男」は、上述のようなわけで先週までの「SEARCHING FOR SUGAR MAN」から表記を改めました。
 で、新登場は⑥「バービー」だけです。「ボビー」とした方がいいかもしれません。韓国語ではBarbieもBobbyも「바비(バビ)」と同じ表記になってしまうので紛らわしいです。さて、この映画は本ブログの過去記事で書いた、韓国の映画やドラマによくある海外「入養児」の問題を素材にした作品で、その過去記事でとりあげた「冬の小鳥」キム・セロンが2度目の主役として知的障害を持つ父・叔父・妹と一緒に暮らす少女スニョンを演じています。彼らが住む町にアメリカ人の父娘が来て、スニョンはその娘ボビーと親しくなります。叔父(イ・チョニ)は彼女を養子縁組させようと画策し、またアメリカに憧れるスニョンの妹スンジャ(キム・アロン)は姉を露骨に妬み、何とか自分が代わろうとします。ところが、この養子縁組の話には驚くべき「裏」の企みがあったのです・・・。2011年釜山国際映画祭で上映され、今年の第42回イタリア・ジフォーニ国際映画祭で韓国映画としては初めて最優秀作品賞を受賞しました。<韓国映画スタッフブログ>の記事では、キム・セロンと、彼女の実妹のキム・アロンの演技を絶賛しています。とくにキム・アロンについて「すごい女優になると思いますよ」と最上級の賛辞。(大分前にチョン・ユミについて下した「予言」は目下着々と実現しつつあるようだし、信用できそう。) また「子どもが主人公ではあるけど、子どもに見せるにはあまりにも残酷な映画」と評しています。ポスターの文字にも「두 자매의 잔혹동화(2人の姉妹の残酷童話)」とあります。

【専門家による順位】

①007 スカイフォール  8.2(4)
②おおかみこどもの雨と雪(日本)  8.1(6)
③ミッドナイト・イン・パリ  7.8(7)
④少年は残酷な弓を射る  7.7(7)
⑤二つの扉(韓国)  7.6(6)
⑥シュガーマン 奇跡に愛された男  7.6(3)
⑦テイク・ディス・ワルツ  7.5(6)
⑧メゾン ある娼館の記憶  7.5(2)
⑨バービー(韓国)  7.5(2)
⑩光海、王になった男(韓国)  7.2(8)

 ①と⑨が新登場です。
 ①「007 スカイフォール」は、日本では12月1日公開ということで、すでに予告編をはじめ諸情報が出回っています。韓国題は「007 스카이폴」。
 ⑨は上述の通り。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[10月26日(金)~28日(日)] ★★★

         久々の外国作品「007 スカイフォール」が1位に

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・007 スカイフォール ・・・・・・・・・・10/26 ・・・・・・・・・・・・・・・870,822・・・・・・・・・・871,809・・・・・・・・・6,600・・・・・・・749
2(1)・・光海、王になった男(韓国)・・・・・・9/13 ・・・・・・・・・・・・・・・412,751 ・・・・・・・10,944,723 ・・・・・・・79,379・・・・・・・503
3(2)・・容疑者X(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・10/18 ・・・・・・・・・・・・・・・325,251 ・・・・・・・・1,233,641 ・・・・・・・・8,974・・・・・・・436
4(新)・・鋼鉄デオ:救国の岡持ち(韓国)・・10/25 ・・・・・・・・・・・・・119,288・・・・・・・・・・158,821 ・・・・・・・・1,108・・・・・・・358
5(5)・・メリダとおそろしの森・・・・・・・・・・・9/27・・・・・・・・・・・・・・・・・42,087・・・・・・・・・1,186,521 ・・・・・・・・8,732・・・・・・・153
6(3)・・会社員(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・10/11・・・・・・・・・・・・・・・・・40,648・・・・・・・・・1,091,600 ・・・・・・・・8,183・・・・・・・261
7(4)・・LOOPER/ルーパー ・・・・・・・・・・10/11 ・・・・・・・・・・・・・・・・36,434 ・・・・・・・・・・547,587・・・・・・・・・4,085・・・・・・・181
8(40)・・パラノーマル・アクティビティ 4 ・・10/25 ・・・・・・・・・・・・・・・34,914 ・・・・・・・・・・・43,270・・・・・・・・・・・306・・・・・・・173
9(新)・・非情な都市 監督版(韓国)・・・・10/25 ・・・・・・・・・・・・・・・・10,603 ・・・・・・・・・・・16,722・・・・・・・・・・・120・・・・・・・170
10(8)・・危険な関係(韓国)・・・・・・・・・・・・10/11 ・・・・・・・・・・・・・・・・・5,998 ・・・・・・・・・・293,263 ・・・・・・・・・2,090・・・・・・・・70
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「光海、王になった男」は2位に落ちましたが、1100万人に迫りました。今現在韓国映画歴代で7位。今後6位「シルミド」(1108万人)5位「TSUNAMI -ツナミ-」(1132万人)4位「ブラザーフッド」(1174万人)にどこまで迫るか?
 今回の新登場は、1・4・8・9位の4作品です。
 1位「007 スカイフォール」は上述の通りです。
 4位「鋼鉄デオ:救国の岡持ち」は、ヌルボの個人的注目作。コメディとなっていますが、歴史的・社会的要素も盛り込まれています。時代背景は民主化闘争の最盛期の1985年。この映画の原題は「강철대오:구국의 철가방」ですが、日本の関係記事の多くは「鋼鉄隊列:救国の鉄ボックス」などと訳しています。しかしデオ(대오)は「隊伍」とも読めますが主人公の名前。大学の近くの中華料理店で出前持ちとして働いている青年(キム•イングォン)です。で「鉄カバン(철가방)」とは出前の時に用いる岡持ちのことです。その青年がひとりの女子大生(ユ・ダイン←「短い記憶」の)を見て一目惚れするのですが、当時は中華料理店の出前持ちと女子大生の愛は不可能に近かった上、青年の外見は「평미남(ピョンミナム.平未男)」つまり平均未満の男。一方彼女の方は運動圏の学生で、民主化闘争に参加して仲間たちとともに米国文化院を占拠し(1985年5月23日の史実)、長期間の座り込みを始めるのですが、こんな社会状況の中で「ピョンミナム」の彼が意外にがんばっちゃうんですね・・・。監督は、2010年公開の「パンガ? パンガ!」で88万ウォン世代の悲劇と外国人労働者の労働実態を笑いを交えて描いて注目されたユク・サンヒョ監督。ポスターをみると「美男独裁打倒」と書かれてます。「東亜日報」によるキム・イングォンのインタビュー記事(韓国語)は→コチラ
 8位「パラノーマル・アクティビティ 4」は、日本では明後日11月1日公開です。韓国題は「파라노말 액티비티4」。
 9位「非情な都市 監督版」は韓国製のサスペンス。深夜タクシーのひき逃げ、凶悪な殺人犯の脱獄、がんを患っている妻の病院費のため借金を使ってしまって危機に陥った男・・・。24時間の間に次々起こる衝撃的な10件のエピソードが絡み合って巨大な1つの物語を作っていく・・・。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(2)・・テイク・ディス・ワルツ ・・・・・・・・・・9/27 ・・・・・・・・・・・・・・・・3,078 ・・・・・・・・・・・・・44,006 ・・・・・・・・351 ・・・・・・・・・15
2(1)・・おおかみこどもの雨と雪(日本)・・9/13 ・・・・・・・・・・・・・・・・2,122 ・・・・・・・・・・・・326,770 ・・・・・・2,258・・・・・・・・・・13
3(4)・・シュガーマン 奇跡に愛された男・・10/11・・・・・・・・・・・・・1,563・・・・・・・・・・・・・・12,091 ・・・・・・・・・83・・・・・・・・・・15
4(3)・・愛の沈黙・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/11・・・・・・・・・・・・・・・・1,352・・・・・・・・・・・・・・14,290 ・・・・・・・・・96・・・・・・・・・・17
5(15)・・夜が行くところ ・・・・・・・・・・・・・・10/25・・・・・・・・・・・・・・・・・・866・・・・・・・・・・・・・・・1,268 ・・・・・・・・・10・・・・・・・・・・11

 新登場は5位「夜が行くところ」だけ。これはフランス語の原題「Où va la nuit」を直訳したヌルボの仮題で、韓国題は英題「The Long Falling」に拠って「롱 폴링」です。「セラフィーヌの庭」のマルタン・プロヴォスト監督作品。長年の夫の暴力に耐えかねて、妻が夫を轢いて殺してしまいます。夫の葬式後、妻は数年前に家を出た息子のアパートで居候を始めます。が、罪の意識は消えない。はたして彼女は自分の居場所を見つけることができるだろうか、という物語のようで、→コチラのブログ記事
を書かれた方は「どんより暗い気持ちになってしまいました。土曜日の早朝から観る映画ではなかった」とのことです。

[長崎と韓国・朝鮮③] 日本二十六聖人記念聖堂で、なぜか朝鮮三国時代の弥勒菩薩像が・・・

2012-10-28 20:20:47 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 10月20日の記事で紹介した岡まさはる平和資料館から坂道を少し下った所に日本二十六聖人記念聖堂聖フィリッポ教会があります。
 この聖堂は二十六聖人の列聖100年を記念して1962年に建てられたもので、自身カトリック信者であり、ガウディを初めて日本に紹介した今井兼次という建築家が建てたものだそうです。見るからにガウディを思わせる外観で、内部にも見るべきものがいろいろありました。(画像は→コチラ。)

 聖フィリッポ教会の道路向かい側に、日本二十六聖人殉教地(西坂公園)日本二十六聖人記念館があります。

    
      【西坂公園内の日本二十六聖人記念碑。日本二十六聖人記念館はこの背後。】

 「二十六聖人」とは、1596年のサン・フェリペ号事件をきっかけに、再び禁教令を公布した秀吉によって京都・大阪で捕縛され、長崎で処刑されたカトリック信者たち26人のことです。

 この1596年という年は、豊臣秀吉による2度にわたる朝鮮出兵の文禄の役(1592~93年)と慶長の役(1597~98年)の間の年で、この頃は日本でのキリスト教史だけでなく、朝鮮へのキリスト教伝来史についても重要な時期です。(この件については、今年7月刊行された浅見雅一・安廷苑「韓国とキリスト教」(中公新書)に記されています。近いうちに記事にします。)
 ・・・とはいっても、私ヌルボがこの二十六聖人記念館に入ったのは、岡まさはる平和資料館のすぐ近くにあったから、という理由で、とくに韓国・朝鮮関係でめあてがあったというわけではありません。

 ところが、展示物をいろいろ見て回っていると、「あれれ!?」という像が目に入りました。
 あの有名な広隆寺半跏思惟像、あるいは韓国の国立中央博物館にある国宝83号の半跏思惟像と同じような銅造半跏思惟像です。ただしこちらは高さ10数㎝と、ずいぶん小さいものですが。
 「ここになんで仏像が?」と思いつつ説明を見ると、朝鮮三国時代(6~7世紀)頃に造られたもので、隠れキリシタンがイエスの代わり仏として祈りに用いた経歴があり、1980年に子孫が教会に寄進したということだそうです。1982年には長崎県の県文化財に指定されたとか。

 ★この像の写真は二十六聖人記念館のサイト中の「記念館の宝物」のページにあります。(中浦ジュリアン自筆の書状等も。彼につては本ブログの過去記事でちょっと書きました。→コチラ。)

 さて、各地の弥勒菩薩を紹介している→コチラのサイトでは「対馬、壱岐の金銅仏と同様、中世の倭寇の往来によって請来されたと思われ、その後、隠れキリシタンの家で、イエズスを象徴するものとして、守り伝えられてきたものである」という長崎県文化財資料の説明を引用しつつ、「弥勒信仰には仏教では珍しい「メシア」思想があるといわれている。迫害されている隠れ切支丹の人々は、敏感にも、この仏像の温和な微笑のなかに、「メシア(救世主)」を感じ取っていたのであろうか」とコメントを付しています。

 また、→コチラのサイト等には「薬指と親指をくっつける弥勒菩薩の右手の形はキリスト教の壁画等にも同様のものがあって、三位一体を表している」とか、「敦煌にある景教の壁画の大主教の絵に同じポーズがある」とかの記事があります。もしこれがマトモな所説だとすると、隠れキリシタンが祈ったというのもそれなりの根拠があったのかもしれない、と思えないでもない、かな??

 千何百年もの長い年月を経て今に伝わるこの像の来歴を、この像の視点から、監視カメラの保存動画を再生するような形で見ることができたら、いったいどんな人たちの姿が写っているでしょうか? ・・・という発想で物語を書いてみるのもおもしろいと思います。

 このシリーズはあと1回。実はその最後の記事がメインです。

 → [長崎と韓国・朝鮮④] 軍艦島と、軍艦島ツアーの概要

[長崎と韓国・朝鮮②] 齋藤茂吉と朝鮮(+長崎) 

2012-10-26 23:54:03 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 このシリーズ最初の記事の末尾で「続きはその日本二十六聖人記念館について」などと記しておいて、早々に予定変更です。

 一昨日世田谷文学館に行ってきました。<齋藤茂吉と『楡家の人びと』展>を開催していて、10月24日は昨年亡くなった北杜夫の命日で入場無料になると聞いて友人の誘いに乗ることにしました。

 齋藤茂吉は、戦争と文学との関わりを考える点でも興味深いし、1930年に満鉄の招待で満州各地を旅行した際、帰路に朝鮮を経由している(往路は大連までの航路)ことも少し知っていたので、何か関連の展示物でもあれば、と若干の期待を持って・・・。
 実際行って見てみると、その2つの点については全然といっていいくらい収穫はなかったのですが、細かな字でぎっしり書かれた絵入りのノートや葉書(←これは齋藤茂太・北杜夫も同様)、加藤清正等が描かれた3枚の凧絵等々、興味深い展示物がいろいろありました。

 で、彼の年譜を見ていて目に入ったのが「1917~21年長崎病院精神科部長として長崎に赴任していた」ということ。
 「えーっ、そうだったの!?」と、長崎旅行の事前学習の不足がまたまた露呈。遅ればせながらネット検索してみると、「長崎・斎藤茂吉の歌碑をたずねて」とか<長崎・斎藤茂吉寓居の跡>とかの、写真入りの関係記事が見つかりました。

 また、1930年10~11月の満州旅行については随筆「満洲遊記」に、旅行中に詠んだ歌は「連山」(1950年刊)に収められていることを知り、さっそく横浜市立図書館で借りて目を通してみました。

          

 「連山」には、満洲各地と北平 (北京)を巡り、朝鮮を経て帰国するまでの歌705首が収められています。うち朝鮮での作歌は43首です。(奉天~安東間を除くと36首。)

 11月20日午後奉天を発って安奉線を南下し、車窓から本渓湖製鉄所の煙突から立ち昇る煙を見たりして、午後9時に安東(現・丹東)着。(※安奉線は安東と奉天(現・瀋陽)を結ぶ路線。現在の瀋丹線。)
 「安東にて時を一時間すすめぬ」と詞書。ここで時差を切り替えたのですね。翌朝から朝鮮に入ります。

 朝鮮のあかつきにして吾は見つ時雨のあめの過ぎつつ行くを
 うつせみのわれの一世(ひとよ)に幾たびかかかるしづけさ見むとし思(も)へや


 朝鮮に入って、最初に掲げられている2首です。
 はたして、茂吉は朝鮮が「静かな朝の国」といわれていることを知っていたのでしょうか? 詞書はありませんが、知らなかったとすればなんという偶然!
 その日21日午前京城着。 雨の中、朝鮮総督府や昌慶苑等を回り、講演も行います。
 茂吉は各地で歓待されます。この日の夜は南大門通の朝鮮料理店・食道園へ。
 6人の妓生が「歌舞音曲をほしいままにす」とあります。

 まをとめのうたへる聲はかなしけど寂(さ)びて窒(とどこ)ほることなかりけり
 ともし火のもとに出て來てにほえ少女(をとめ)が劍を舞ひたるそのあわれさよ

  (※「にほえ少女」とは紅顔の美少女のこと。)

 この2首の歌には、2006年の「朝鮮新報」に文芸評論家の卞宰洙(ピョン・ジェス)氏が紹介して解釈を加えています。
 1首目は「これは朝鮮の少女の歌を聞いた時の感懐であるが、茂吉はその歌声に、なぜか悲しみを覚えている。乙女に宿る悲しみが亡国のそれであると解釈できなくもない、後の歌には「舞台はどこであろうか。明かりに映し出されて気品のある少女が剣の舞を踊る可れんな姿が、哀れに思えてならない」と解し「民族舞踊を舞う少女の美しさにひかれながらも、茂吉は哀れの感情にとらわている。それが〝芸人〟という身分に対してなのか、それとも、亡国の民への同情なのかその判定は読む人の受けとり方によるというほかない」とまとめています。
 この解釈に対して、「亡国亡国うるせーよ!!」とブチ切れているブログ記事もあります。
 「朝鮮新報」の記事では、本ブログでも「えっ、金素月の「つつじの花」も抵抗詩!?」と題して記事を書いたことがありました。「乙女に宿る悲しみが亡国のそれであると解釈」するのであれば、せめて1つでも論拠・例証を示してほしいものです。悲しさ・さびしさにもいろいろあって、齋藤茂吉にも万葉の昔から現代に至るまでの用例を基に考察した「『さびし』の伝統」という論稿があります。(→<青空文庫>に収録。) 2首目の歌にも「舞台はどこであろうか」と記していますが、詞書を読み、さらに全集に収められている彼の手帳を確認すればすぐにわかることなのですけどねー。これでは「解釈」というよりも「私はこう読みたい!」という主観的な願望のレベルに止まってしまっています。
 おそらく、妓生としての生活は大変で悲しいことも多かったと思います。私ヌルボはそのことを否定するものでは全然ありませんので誤解なきよう・・・。おっと、ついついムキになりかけたかな?

 茂吉は11月22日は朝鮮神宮・北漢山・冠嶽山・パコタ公園(←ママ)等、23日は東大門・清涼寺・本町通(現・明洞~忠武路)等々を見物し、24日の午前10時京城を出発して帰途につきます。

 以上が歌集「連山」を通して確認した茂吉の朝鮮での旅程の概略です。

 では随筆「満洲遊記」には何が書いてあるかなと「齋藤茂吉全集 第7巻」(岩波書店.1975)をひもといてみると、朝鮮での記述は全然なし
 しかし、満州の叙述がなかなかおもしろいのです。大連から旅順、遼陽、奉天、撫順等を回り、哈爾濱(ハルピン)からさらには満州里まで足を延ばしています。

 撫順の記録が興味深いので、ちょっと紹介します。例の露天掘りの炭鉱等を見学して、その夜は新市街の歓楽園に行きます。炭鉱労働者のための歓楽街で、劇場や飲食店があります。ここで茂吉たちも店をハシゴして飲食したようです。
 まず琴楽書館という店では、王克琴(ワンクーチン)という20歳の「小婦」が接待します。「連山」中に次のような歌があります。

 (詞書)わがそばに克琴といふ小婦居り西瓜の種を舌の上に載す
 わが體(からだ)に觸れむばかりの支那少女巧笑倩兮(こうしょうせんたり)といへど解せず

 元は「詩経」に美女への賛辞なんですか? そりゃあ中国人でもフツーのねーちゃんにはわからんわなー。
 一力という朝鮮料理店では、力彌と称する芸者がいました。茂吉は、丹念にメモを取っています。

 ワタチ、チユ八ゴザイマス。コマスミニダー。アンタサンダンナニモトオモツテヨ。ヌクイヨ。イカンヨ。アンタ、ドコデキタンデスカ。エーチガウ。トマテイラツサエ。さういふたどたどしい日本語を使ふ。さうして、撫順藝者は親切者ヨドツコイチヨ、雨が降らぬにコリヤ、傘かせるヨチヨイナチヨイナ、グンニヤグンニヤなどとうたふ。またアイゴー、ハルモニ、クーマルシー、マーソ。チエビガ、ツヨゴト、カンノンマン、カンダオ。アイゴー、ハルモニ、クーマルシー、マーソ。チヤンセカ、チヨゴト、アルマン、カンダオ。アイゴー、ハルモニ、クーマルシー、マーソ。コツチヨガ、チヨゴト、メキマン、ハンダオ。アイゴー、ハルモニ、クーマルシー、マーソ。ハルモニ、ソンジヤガ、ヅージヨ、カーオなどといふ唄をうたふ。哀調があつて聽くに堪えへる。何う意味であるか私には全く分からぬが、私はその調を愛して聽いた。彼女はまた、シザー、ギンセ、シザー、ギンセ、タンバコ、ターリャンイ、シザー、ギンセ、ヅーエ、グク、オトキエレなどともうたふ。

 ・・・この中の朝鮮語の歌の意味、どなたかわかるでしょうか? 私ヌルボ、見当をつけてハングルで検索などしてみましたが、わからないままです。
 次の店が山陽楼料理店。小藤という酌婦が相手をします。
 「撫順よいとこ、一度はござれ、炭の中にも都ある」、「うちは歌ひきれまつせん」などと長崎縣島原あたりの方言を使ふ。
 ・・・とあります。長崎県の中でも、島原の方言とすぐ聴き分けられるのでしょうか? このあたりは、以前数年間長崎にいた茂吉だからわかったのでしょうか?

 ここでヌルボが思い起こしたのは「からゆきさん」のこと。映画化もされた山崎朋子「サンダカン八番娼館」でからゆきさんのことは広く知られるようになりました。そして<からゆきさんの小部屋>というサイトで説明されているように、彼女たちの出身地でとくに多かったのが島原・天草地方でした。また上記の映画を見て、彼女たちのが行った先は東南アジア方面という印象を持たれているようですが、実際は世界各地に及んでいて、旧「満州」にも多くのからゆきさんがいました。
 撫順の小藤さんも、そんな島原出身の「北のからゆきさん」の1人だったのでしょう。
 <からゆきさんの小部屋>には、「シベリア出兵の際は日本軍ともかかわりがあった」という天草出身の「満洲お菊」や、やはり「日本軍に協力しさまざまの功を立てた」という「シベリアお菊」という、名前の残っているからゆきさんの短い説明が載っています。「シベリアお菊」は哈爾浜(ハルピン)の日本人墓地で眠りに就いたということですが、それは茂吉がその墓地を訪ねたこの1930年の後の話なのかどうかわかりません。(茂吉は行く先々で日本人墓地に行っています。シンガポールとかでも・・・。)

 長崎に始まったこの記事が、やっと再び長崎(島原)に戻ってきました。ふー。
 ここでおしまいにしてもいいのですが、ことのついでに茂吉が訪れたロシアとの国境の町・満州里のことをつけ足しておきます。韓国・朝鮮とは直接関係はないのですが、ヌルボより上の世代が(たぶん)歌声喫茶で愛唱した「満州の丘に立ちて」という歌が好きだったもので・・・。今<二木紘三のうた物語>というブログの記事を読むと、日露戦争で戦死した兵士を悼んでロシアの軍楽隊長だったシャトロフという人が作曲したとか・・・。(日露戦争当時の写真入り動画→コチラ、本格的なクラシックの公演はコチラ。他にもいろいろ。
 (あれ? ロシア語のマンチュリアは満州の意で、満州里ということではないのかな? ・・・と、これも今考えたこと・・・。)

 ま、それはそれとして、「満洲遊記」によると、ハルピンには当時日本人が4,778名居留していたが満州里には217名。そしてここの宿にも「島原むすめ二人」がいたと記されています。
 茂吉は、ここの居留民会立満洲里日本尋常小学校、成美幼稚園を訪問します。生徒は小学生14名、幼稚生9名。母がロシア人の混血児が桃太郎の歌を歌います。また「ペチカ」の歌を聴いていると「いつのまにか私の眼から涙が出て来て為方が無い」という茂吉でした。

 國境(さか)ふ小さき町に稺(おさな)等の日本の歌を聞きつつ泣かゆ

 そしてここでも日本人墓地へ。

 いやはての國の境に住みつきてをとめの身さへ此處に終りき
 春になれば日本人墓地のほとりにも雲雀が群れて啼きのぼるとふ


 「わずか」217名と書きかけて消しました。少なくはないです。当時ここにいた日本人たち、とくに子どもたちは、その後どんな人生を送ったのでしょうか・・・?

 それにしても、昔の日本人はよくこんな遥か遠い異国の地まで大勢行ったものです。(何百年も前に東南アジアに行って日本人町を形成した人たちもオドロキですが・・・。)

 続きは日本二十六聖人記念館について書きます。(って、自分でも信じてない!?)

偶然に見た「1931年の京都府立第一高女の朝鮮修学旅行」の動画に驚く

2012-10-24 23:48:19 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 10月21日(日)は、諸般の事情で韓国文化院に行けず。<コリアン・シネマ・ウイーク 2012>の一環で15 :30から「韓国映画の魅力と韓国映画産業の現況」と題したシンポジウム、18 :30からは今年前半のヒット作「建築学概論」の上映があったんですけどね・・・。

 その代わりに、行った所が横浜・日本大通りの日本新聞博物館
 10月6日(土)~12月16日(日)の日程で「高句麗壁画古墳報道写真展」が開催されています。
 私ヌルボ、考古学には昏く、興味関心も今ひとつという感じで、ただ古墳以外の写真もあるかなと思い行ってみました。
 実際見てみると、いろいろ興味を覚えたこともありましたが、これについて詳細は後日に回します。

 で今回の記事の本題は、この会場で放映されていた動画についてです。2種類中1つは、この写真展の個々の壁画を収録した、ごく当然の内容のもの。
 ところが、もう1つは高句麗古墳壁画とは全然関係のない「1931年の朝鮮」(17分)という動画です。
 説明によると、京都府立第一高等女学校(現鴨沂(おうき)高校)の修学旅行の記録映像とのことです。

 通して見てみると、わずか17分の映像ですが、当時の朝鮮各地のようすをそのまま映し出した、非常に貴重なものだと思いました。
 以下、順を追って旅行団一行の行程を、私ヌルボがわかった範囲で列挙します。

①京都駅での出発の光景

②もう朝鮮。(場所は不明。)
 どこの旅館かな? 釜山? 町を歩く人たちは白衣の韓服の人ばかり。トゥルマギ(上着)にサッカ(삿갓.笠)の正装の人、チゲ(背負子)を背負った人、頭上に物を乗せて歩く女性等々。

③「暗行御史公道」という石碑
 場所はどこなのでしょうか?

④蔚山
(a)「太和楼」という扁額
 コチラの韓国サイトの記事参照。上から6つ目が日本の統治期の太和楼の写真です。この記事によると、太和楼は元は新羅善徳女王の時建てられた楼閣でしたが、壬辰倭乱の時焼失しました。その扁額を、蔚山都護府の客館である鶴城館の鐘楼に移して太和楼と呼んだそうです。後に1940年蔚山公立普通学校の校庭を拡張する際に建物が壊され、個人に売られて移築されましたが、2003年9月に火災によって全焼してしまったとのことです。今年(2012年)6月のニュースによると、蔚山市では2014年の竣工をめざして太和楼の復元工事を進めています。
(b)子守の女の子
(c)鶴城館
 旅行団の宿舎かと思ったら、上述のような歴史建造物か。
(d)蔚山倭城の本丸跡等
 ウィキの説明は→コチラ。慶長の役の戦跡。

⑤田園風景
 牛耕のようすや、天下大将軍の石像等。どこかな?

⑥慶州
(a)石窟庵
 ここの前で記念写真撮影。
(b)仏国寺の多宝塔、釈迦塔等
 ※10日前の「朝鮮日報」(日本版)のコラム<萬物相>に、「釈迦塔の解体」と題した記事がありました。(→コチラ。)
(c)金冠塚
 町中にある円墳。1921年に偶然発見されたそうです。
(d)鮑石亭
 今も慶州の見学ポイントの1つ。(→コチラ参照。)

⑦ソウル
(a)市電 
(b)朝鮮神宮
(c)砧(きぬた)を打つ女性たち

 どこかな? 清渓川?
(d)昌慶苑動物園・植物園
 1909年昌慶宮の殿閣を取り壊して造られ、昌慶宮が復元された1984年までありました。本ブログ関係記事は→コチラと、コチラ
(e)光化門と朝鮮総督府
(f)鍾路の街
(g)景福宮

 慶会楼その他。
(h)京城駅

⑧平壌
(a)箕子陵
 ウィキペディアの説明によると、箕子陵は平壌の牡丹台に存在していた墓。箕子は中国殷王朝の政治家で紂王の叔父で、かつては信仰されていたが、日本統治時代の前後の頃からは「民族主義の高まりにより檀君崇拝が興り、建国の起源を古代中国に求める箕子信仰は次第に廃れていった」とのこと。それでも、平壌府の景勝地として多くの観光客が訪れたが「1959年北朝鮮政府は箕子陵を破壊し、その跡地は牡丹峰青年公園となった」そうです。
 こんなところにも、現在の権力に都合よく歴史が再構成される事例が・・・。
(b)牡丹台
 大同江に接する標高95mの丘・牡丹峰(モランボン)のこと。(※あの焼き肉のたれで知られる食品会社の名はここに由来。) 
(c)浮碧楼
 ウィキペディアの牡丹峰の説明文中にあります。城壁上の楼閣で、もとは高句麗の永明寺の一部。往時の写真絵葉書にもあります。
(d)大同江の川下り
(e)平壌妓生検番
 いやー、こういう所まで見学するとは! 本ブログ関係記事(→コチラ。) 今でいえば芸能事務所という感覚?
(f)楽浪古墳

【全体的な感想等】
 いやー、なんという修学旅行! 新幹線もなく、飛行機利用もできない昭和初期に、よくこのような旅行ができたものです。それも女学校で。朝鮮修学旅行が他にどれほど行われていたのかは未確認ですが、現代同じ行程でも何日もかかるでしょう。(って、ソウルから平壌にはもちろんすんなり行けませんが・・・。)
 また、動画を残していたのも貴重です。今では失われた建物や風俗がいろいろ映っています。YouTubeにはupされていないようですが、鴨沂高校の関係者の皆さんには、ぜひとも広く公開されるようお願い致します。
 この旅行について、あるいは他校の朝鮮修学旅行についての文字資料があれば読んでみたいものです。

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[10月19日(金)~21日(日)]

2012-10-23 23:51:49 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 10月20日(土)「毎日新聞」の「悼む」という囲み記事で、映画評論家の松島利行さんが9月5日に亡くなった演出家・瓜生良介さんを悼む一文を寄せていました。瓜生さんは「発見の会」の創立者でもあります。「発見の会」は、→コチラの記事にあるように新しい演劇運動を提唱して設立されたアングラ創造集団ですが、私ヌルボがその名を知ったのは昨年だったか一昨年だったか、1980年代に日本で公開された映画について調べていた時です。松島さんも次のように記しています。
 (瓜生さんは)「韓国では朴正熙政権下で苦しんでいた作家や映画人と連帯し、イ・チャンホ監督の「風吹く良き日」「寡婦の舞」やペ・チャンホ監督の「鯨とり」などのフィルムを持ち帰り、83年ころから自主上映する。わが国での韓国映画劇場公開の突破口となった。」またこの記事には、彼が78年池袋に開いたウリウ治療室での鍼灸整体施療のことも書かれています。そして「発見の会」に集まり、巣立った人たちの名も。田口トモロオ、戸井十月、芝山幹郎等々とともに渋さ知らズもあげられていたのは意外でしたが、ウィキを見てナットク。

 今晩はコリアン・シネマ・ウィークの「合唱 (DureSori)」を韓国文化院で観たあと、六本木ヒルズに急遽移動して東京国際映画祭の「眠れぬ夜」をハシゴ鑑賞。これらについては来週書くかな。

          ★★★ Daumの人気順位(10月23日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①Mac Korea(韓国)  10.0(37)
②SEARCHING FOR SUGAR MAN  9.4(47)
③MBの思い出(韓国)  9.4(215)
④地上の星のように  9.2(130)
⑤ヤコブへの手紙  9.2(30)
⑥おおかみこどもの雨と雪(日本)  9.1(234)
⑦フランケンウィニー  8.9(34)
⑧ピエタ(韓国)  8.9(1398)
⑨テイク・ディス・ワルツ  8.6(51)
⑩メリダとおそろしの森  8.6(1166)

 新登場は①と③の2作品。どちらも韓国の、李明博大統領批判のドキュンタリーです。
 ①「Mac Korea」は、投資会社Mac Koreaが投資の過程で特別な恩恵を受けたとの疑惑を扱ったドキュメンタリー。同社が恩恵を受けたとされるのはソウル地下鉄9号線、仁川大橋、仁川空港高速道路、牛眠山トンネル、昌原の馬昌大橋などへの投資。同社は李明博大統領の実兄で、あっせん収賄の罪に問われ目下公判中の李相得前国会議員の息子が一時代表を務めていた会社と関連しているとか。議員、ジャーナリスト、政治評論家の他、売却当事者である公企業の関係者等も証言している、のかな? キャッチコピーは「まさに、利益を得る者が犯人であるということ!」。8月にMac Korea社がこの映画の「上映禁止の仮処分検討」というニュースが流されましたが、そのまま予定通りに上映されています。原題は「맥코리아」。1分ちょっとの短いトレーラーは→コチラ
 ③「MBの思い出」の「MB」とは李明博大統領のこと。「ョンク」だからMBです。昨年グルメ番組の実状を暴露して話題を集めたドキュメンタリー「トゥルーマッ(味)ショー」のキム・ジェファン監督の2本目の作品です。<DAUM映画>の分類では「コメディ」となっていて、予告編(→コチラ)を見ると、たしかに「5年前の約束を確認する精算コメディ」と銘打たれてますが、2007年の大統領選挙当時から今に至るまでの彼の歩みを風刺してたどったドキュメンタリー、なんでしょうね。独立映画専用映画館のインディスペースで上映しています。→コチラの記事によると、4月の全州国際映画祭で上映された時には「会場は立ち見も出る超満員。20代から30代の男女が目立つ」とのことでしたが、この映画の公式サイトを見ると、「座席占有率1位を記録しているのに、上映館の拡大が容易ではない」とあります。原題は「MB의 추억(MBの追憶)」。

【専門家による順位】

①おおかみこどもの雨と雪(日本)  8.1(6)
②ミッドナイト・イン・パリ  7.8(7)
③少年は残酷な弓を射る  7.7(7)
④二つの扉(韓国)  7.6(6)
⑤SEARCHING FOR SUGAR MAN  7.6(3)
⑥テイク・ディス・ワルツ  7.5(6)
⑦メゾン ある娼館の記憶  7.5(2)
⑧光海、王になった男(韓国)  7.2(8)
⑨ぴちぴち(韓国)  7.0(6)
⑩フランケンウィニー  7.0(3)

 今回の新登場はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[10月19日(金)~21日(日)] ★★★

         「光海、王になった男」6週連続1位、1千万人を超える

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・光海、王になった男(韓国)・・・・・・9/13 ・・・・・・・・・・・・・・・546,681 ・・・・・・・10,256,460 ・・・・・・・74,497・・・・・・・619
2(新)・・容疑者X(韓国)・・・・・・・・・・・・・・10/18 ・・・・・・・・・・・・・・・535,778 ・・・・・・・・・・634,296 ・・・・・・・・4,643・・・・・・・553
3(2)・・会社員(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・10/11・・・・・・・・・・・・・・・・176,849 ・・・・・・・・・・963,754 ・・・・・・・・7,260・・・・・・・399
4(3)・・LOOPER/ルーパー・・・・・・・・・・10/11 ・・・・・・・・・・・・・・・105,083 ・・・・・・・・・・453,621・・・・・・・・・3,388・・・・・・・302
5(6)・・メリダとおそろしの森・・・・・・・・・・・9/27・・・・・・・・・・・・・・・・・57,888 ・・・・・・・・1,139,054 ・・・・・・・・・8,421・・・・・・・248
6(4)・・占い師たち(韓国) ・・・・・・・・・・・・10/03・・・・・・・・・・・・・・・・・43,836 ・・・・・・・・・・935,822・・・・・・・・・6,613・・・・・・・219
7(33)・・銅雀台(The Assassins) ・・・・・・10/18 ・・・・・・・・・・・・・・・・39,196 ・・・・・・・・・・・49,133・・・・・・・・・・・352・・・・・・・227
8(5)・・危険な関係(韓国) ・・・・・・・・・・・・10/11 ・・・・・・・・・・・・・・・・38,805 ・・・・・・・・・・255,227・・・・・・・・・1,833・・・・・・・248
9(新)・・Lawless・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/18 ・・・・・・・・・・・・・・・・30,905・・・・・・・・・・・・46,815 ・・・・・・・・・・332・・・・・・・275
10(新)・・INFINITE CONCERT 3D ・・・・・10/18 ・・・・・・・・・・・・・・・・25,313・・・・・・・・・・・・31,395 ・・・・・・・・・・325・・・・・・・・84
        SECOND INVASION EVOLUTION THE MOVIE 3D
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「泥棒たち」に続いて「光海、王になった男」も1000万人を超えました。あと100万は上積みされそう、かな?
 今回の新登場は、2・7・9・10位の4作品です。
 2位「容疑者X」は、東野圭吾原作のミステリー。というか、福山雅治、柴咲コウ、堤真一、松雪泰子主演の「容疑者Xの献身」のリメイクというか・・・。コチラは堤真一が演じた役をリュ・スンボム、松雪泰子が演じた役をイ・ヨウォン、そして福山雅治と柴咲コウを1人にして(!?)チョ・ジヌンってことは、物理学者湯川はどうなったの? 原題は「용의자X」。
 7位「銅雀台(The Assassins)」は、「三国志演義」にある216年の曹操暗殺計画を題材にした中国映画。銅雀台とは、魏の曹操が河北省邯鄲市に造営した宮殿です。主演は周潤發(チョウ・ユンファ)か。好きなんだけどこの頃見てないなー。余談。9月26日中国で公開されましたが、例の尖閣諸島問題のため、出演している玉木宏の姿がポスターなどからが削除されたそうです。蛇足。韓国題は「조조-황제의 반란(曹操-皇帝の反乱)」なのですが、「조조(ジョジョ)」という文字を見て私ヌルボ、荒木比呂彦の漫画かと思ってしまいました。(「曹操」と同じ綴り。) 今六本木で「ジョジョ展」開催してるしねー。この映画の日本公開は未定。
 9位「Lawless」は大恐慌下のヴァージニア州が舞台。禁酒法の時代に密造酒を扱った3兄弟と悪徳警察の戦いを描く実話ベースのクライム・サスペンス。主演は「ダークナイト ライジング」のトム・ハーディ。韓国題は「로우리스: 나쁜 영웅들」。日本公開は未定です。
 10位「INFINITE CONCERT SECOND INVASION EVOLUTION THE MOVIE 3D」は、韓国の7人組男性ヴォーカル・ダンスグループINFINITEが4月1日ソウルのオリンピック公園体操競技場で開いたコンサートのドキュメンタリー。あら、9月2日には横浜赤レンガでミニライブ&ハイタッチ会をやってたんですねー。韓国題は「인피니트 콘서트 세컨드 인베이전 에볼루션 더 무비 3D」、長いなー。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・おおかみこどもの雨と雪(日本)・・9/13 ・・・・・・・・・・・・・・・・4,422 ・・・・・・・・・・・・323,251 ・・・・・・2,232・・・・・・・・・・27
2(2)・・テイク・ディス・ワルツ ・・・・・・・・・・9/27 ・・・・・・・・・・・・・・・・4,020 ・・・・・・・・・・・・・37,936 ・・・・・・・・302 ・・・・・・・・・19
3(3)・・愛の沈黙・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/11・・・・・・・・・・・・・・・・2,056 ・・・・・・・・・・・・・10,516 ・・・・・・・・・72・・・・・・・・・・19
4(4)・・SEARCHING FOR SUGAR MAN・・10/11・・・・・・・・・・・・・・1,773・・・・・・・・・・・・・・・9,119 ・・・・・・・・・62・・・・・・・・・・18
5(7)・・エル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/11・・・・・・・・・・・・・・・・・・880・・・・・・・・・・・・・・・3,535 ・・・・・・・・・26・・・・・・・・・・11

 あれれ、また先週の順位と矛盾があるぞ・・・。火曜の17時以降の変更もあるようだなー・・・。
 で、初登場は5位「エル」だけ。フランス・ポーランド・ドイツの合作。フランス版「ELLE」の女性記者アンヌ(ジュリエット・ビノシュ)は、記事のため風俗嬢として働く2人の女子大生を取材するが、予想とは違う彼女たちの生活や意識にアンヌは動揺します。そしてそんな風俗嬢をめぐるアンヌと夫とのやりとり・・・。退屈な生活の中にある日突然訪れた彼女のスキャンダルを介して、現代を生きる30・40代の女性たちの逸脱と欲望の悩みををリアルに描いている、という作品だそうです。観た方が書いた詳しい記事によると、キーワードとして「愛情神話・結婚神話・貞操神話という3つの神話の破滅」と「男が悪い」(!)をあげ、「観た後心に残った衝撃の余韻は、とても大きかった」と記しています。原題は「Elles」、韓国題も「엘르」です。

[長崎と韓国・朝鮮①] 岡まさはる記念長崎平和資料館を見学

2012-10-20 23:57:51 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 私ヌルボ、今月12日~15日長崎に行って来ました。ほとんどは公務なので自由時間はあまりなかったのですが、14日(日)午後にふつうのガイドブックには載っていない<岡まさはる記念長崎平和資料館について>というマイナーな資料館に行って来ました。地元の高校の先生の強いお薦めで、また長崎駅から近くて行くのに便利ということもあって行ったというわけです。

 この資料館のサイトにもあるように、ここの展示の趣旨は日本の過去の加害行為と戦後の無責任性を明らかにし、日本政府に真摯な謝罪と補償の実現を求めることを目指していますということで、「朝鮮人被爆者コ-ナ-」、「飯場コ-ナ-(強制連行・強制労働)、「日本の侵略・朝鮮編」、端島コ-ナ-、「慰安婦問題コ-ナ-」などを設けています。
 たぶんこれだけで、「ネトウヨ」の人だけでなく相当数の人たちが拒絶感を持つだろうと思います。

 しかし私ヌルボ、とりあえず虚心にすべての展示物を見、書籍販売コーナーの本もチェックしてきました。上記各コーナーの展示物には、既知の事柄、今まで見たことのある写真や資料も相当数ありましたが、とくに地元長崎については今まで知らなかった具体的な資料がいろいろ展示されていて、新たな知識を得ることができたのは収穫でした。

       
             
   【炭鉱での朝鮮人労働者や、朝鮮人の原爆被爆者の資料がいろいろあります。】

 資料館を開設した岡まさはるさんの「強い加害者意識」については、私ヌルボも正直なところ100%の共感を覚えるものではありません。首を傾げざるをえない部分もあります。しかし、そのような思いがあればこそ明らかにされた事実があります。また歴史の中で自分の努力・能力等と関わりなく不幸な人生を送ることになってしまった、たとえば朝鮮人徴用者たちのことも、(明治以来の日本人労働者等と同様に)決して記憶や記録から消し去ってはならないと思います。

 この資料館は長崎駅から徒歩10分足らず。日本二十六聖人記念館からほんのすこし坂道を上がった所にあります。
 自身の政治的・思想的立場はいったんおいといて、行って見てみて下さい。

          
   【駅前の大通りから坂道をあがって・・・といっても、そんな長い距離でもありません。】
     
 続きはその日本二十六聖人記念館について。ここが韓国・朝鮮と関連がある(?)とは、ヌルボも思ってもいませんでした。

[アジア映画]知られざる名作がこんなにも!  付録:NHKアジア映画劇場 放映作品リスト(3)

2012-10-18 23:44:04 | 韓国映画(&その他の映画)
 <アジア映画は名作・秀作の宝庫 付録:NHKアジア映画劇場 放映作品リスト(1)>コチラと、
 <90年代、ブーム以前の珠玉の韓国映画がいっぱい! 付録:NHKアジア映画劇場 放映作品リスト(2)>コチラの続きです。今回が最後です。

 <NHKアジア映画劇場>の1997~2002年放映分の51作品のリストを下に載せました。

 韓国映画は「ディープ・ブルー・ナイト」「離れの客とお母さん」「灼熱の屋上」「祝祭」「接続 ザ・コンタクト」「八月のクリスマス」の6本。韓国映画の大ブレイクとその前夜といった時期ですが、さすがに佐藤忠男先生らしい選択です。

 「離れの客とお母さん」は、→コチラの情報によれば「韓国人が選んだ韓国映画ベスト100」(1996年以前の作品)の第3位。(1位は「我らの歪んだ英雄」、2位は「風の丘をこえて 西便制」。) 韓国映画史上の名作の1つで、観た人のブログ記事での評価も高いのに、日本語DVDが出ていないのはすごく残念!
 「ディープ・ブルー・ナイト」は映画館で鑑賞。だんだんとアン・ソンギが悪人面に変わっていくのが印象的でした。8年後に彼が主演したのが「祝祭」。お葬式映画では、同じ年に映画賞を競い合った朴哲洙監督「学生府君神位」(1996)があり、韓国の伝統的な葬儀の方式がわかることもあって、私ヌルボはそちらに軍配を上げるかな。(※<シネマコリア>のサイト中に内容紹介と観た人の感想(「祝祭」との比較等)が掲載されています。)
 「灼熱の屋上」はサークル仲間に勧められて観ました。たしかに傑作、というよりケッサク! おもしろいです。この映画のDVDが「韓国ドラマスターLIVE 2」(竹書房)というムックの付録になっていることを知り、アマゾンでかなりの安価で購入できたのはラッキーでした。(まだ出てますよ。早い者勝ち!)
 「接続 ザ・コンタクト」と「八月のクリスマス」は、パソコン通信等の道具立てとか、街の雰囲気とか、映し出されるものも、映画の主題も新しい時代の始まりをうかがわせる作品です。

 本ブログ過去記事の<150本の中から選んだ・・・ ★韓国映画ベスト20★>を見直してみたら、アジア映画劇場放映作品が5本入っています。(20本中アクションが全然ないことに気づきました。やっぱり私ヌルボ、暴力は苦手な人間というこってす。) あ、ついでに<ヌルボの韓国映画の思い出&★韓国映画ベスト12★>の方も見ていただければ幸いです。

 今回のリストには、韓国映画以外で大きな感動を味わった作品がいくつもあります。「青空がぼくの家」「變臉(へんめん) この櫂に手をそえて」「運動靴と赤い金魚」がベスト3(順不同)。あ、どれも子どもの話だなー。とくに「變臉 この櫂のに手をそえて」で、老人をまっすぐに見つめる子どもの表情が・・・うるうる(涙)。

 それにしても、全129作品のアジア映画の中で知らないものが非常に多く、今回の記事を書くためにそれらをネット探索すると、ごく少数の人が「感動した!」という感想を記事にしている・・・という例がたくさんありました。
 アジア映画劇場が終わってから10年経った今も、アジア・アフリカ・南米等の映画が日本で劇場公開されることはまだまだ少ない状況です。つまり、日本の映画ファンのほとんどが知らないままの外国の名作がきっとたくさんあるということです。韓国で今上映中のインド映画「地上の星のように」とかぜひ上映してほしいものです。
 韓国映画でも「あなたを愛しています」「豆満江」等々公開してほしい作品はいっぱいあるし、「執行者」「ワンドゥギ」「短い記憶」等はもっと多くの人に観る機会を提供してほしいと切に思いました。
 また過去の名作でも、DVDになっていないものも多く、かつて作られても現在はすごく高価になっているものもあるし(「風の丘を越えて 西便制」「ペパーミント・キャンディー」等)・・・、あー、こういうことを考えていると、ホントに悲しくなってきます。(涙)

  NHKアジア映画劇場放映作品リスト(その3)

放映年.月.日.「作品名」.公開年.国.監督
1997.1.1.風櫃(フンクイ)の少年.1983.台湾.侯孝賢(ホウ・シャオシェン)
1997.2.16.サラ.1993.イラン.ダリウシュ・メールジュイ
1997.3.16.恋する惑星.1994.香港.王家衛(ウォン・カーウァイ)
1997.4.20.恋恋風塵.1987.台湾.侯孝賢(ホウ・シャオシェン)
1997.5.11.女人、四十。.1995.香港.許鞍華(アン・ホイ)
1997.6.8.ペディキャブ・ドライバー[帰って来たデブゴン 昇龍拳].1989.香港.洪金寶(サモ・ハン・キンポー)
1997.7.20.ディープ・ブルー・ナイト.1985.韓国.裴昶浩(ペ・チャンホ)
1997.8.31.青空がぼくの家.1989.インドネシア.S.R.ジャロット
1997.9.21.クローズ・アップ.1990.イラン.A・キアロスタミ
1997.10.5.愛情萬歳.1994.台湾\t蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)
1998.1.1.見知らぬ人.1991.インド.サタジット・レイ
1998.2.1.コーカサスの虜.1996.カザフスタン・ロシア.セルゲイ・ボドロフ
1998.2.15.息子の告発.1994\t香港・中国\t厳浩(イム・ホー)
1998.3.1.離れの客とお母さん.1961.韓国.申相玉(シン・サンオク)
1998.3.8.上海ルージュ.1995.中国.張芸謀(チャン・イーモウ)
1998.4.12.ニャム.1995.ベトナム.ダン・ニャット・ミン
1998.5.10.君さえいれば 金枝玉葉.1994.中国.陳可辛(ピーター・チャン)
1998.6.21.サカイ.1993.フィリピン.レイモンド・レッド
1998.7.19.正義の行方.1994.中国.範元(ファン・ユアン)
1998.8.16.かさぶた.1987.イラン.アボルファズル・ジャリリ
1998.9.20.灼熱の屋上.1995.韓国.李珉鎔(イ・ミニョン)
1998.10.18.マン・オブ・ザ・ストーリー.1995.インド.アドゥール・ゴーパーラクリシュナン
1998.12.20.草原の愛 モンゴリアン・テール.1995.香港・中国.謝飛(シェ・フェイ)
1999.1.24.夜半歌聲 逢いたくて、逢えなくて.1995.香港.于仁泰(ロニー・ユー)
1999.2.7.祝祭.1996.韓国.林権澤(イム・クォンテク)
1999.2.21.遥かな旅.1996.ベトナム.レ・ホアン
1999.3.21.南から来た少年.1997.イラン\tパルヴィズ・ シャバズィ
1999.4.11.月夜の願い.1993.香港.陳可辛(ピーター・チャン)
1999.5.30.人生は琴の弦のように.1991.中国,陳凱歌(チェン・カイコー)
1999.6.20.タイムリセット 運命からの逃走.1997.タイ.オキサイド・ パン
1999.7.18.戦争の後の美しい夕べ.1998.カンボジア.リティー・パニュ
1999.9.19.過越しの祭り.1995.イスラエル,シェミ・ザルヒン
1999.10.10.接続 ザ・コンタクト.1997.韓国.張允鉉(チャン・イニョン)
1999.11.7.I WISH・・・.1997.ウズベキスタン.ズリフィカール・ムサーコフ
1999.12.19.推手.1991.台湾・アメリカ.李安(アン・リー)
2000.1.30.そこに光を.1996.トルコ.レイス・チェリック
2000.2.6.變臉 この櫂に手をそえて.1996.中国,呉天明(ウー・ティエンミン)
2000.2.20.桜桃の味.1997.イラン.キアロスタミ
2000.3.19.上海グランド.1996.香港.プーン・マンキッ
2000.5.14.アパートメント.t1999.ベトナム.ビエト・リン
2000.9.24.八月のクリスマス.1998.韓国.許秦豪(ホ・ジノ)2000.10.1.歳月.1998.ベトナム.ミー・ハー
2000.11.5.スパイシー・ラブスープ.1998.中国.張楊(チャン・ヤン)
2001.2.4.ラヴソング.1996.香港.陳可辛(ピーター・チャン)
2001.3.11.榕樹(ガジュマル)の丘へ.1997.中国\t胡炳榴(フー・ピンリウ)
2001.4.22.玻璃の城.1998.香港.張婉婷(メイベル・チャン)
2001.5.20.運動靴と赤い金魚.1997.イラン.マジッド・マジディ
2001.7.15.フォーエバー・フィーバー.1998.シンガポール.グレン・ゴーイ
2001.9.16.ラン・フォー・マネー.1999.トルコ.レハ・エルデム
2002.2.17.桃源鎮.1996.中国.熊郁(ション・ユイ)
2002.3.17.石油地帯の子たち.2001.イラン.エブラヒム・フルゼシュ

90年代、ブーム以前の珠玉の韓国映画がいっぱい!  付録:NHKアジア映画劇場 放映作品リスト(2)

2012-10-17 23:02:22 | 韓国映画(&その他の映画)
 本ブログ2011年7月11日の記事<アジア映画は名作・秀作の宝庫 付録:NHKアジア映画劇場 放映作品リスト(1)>が、続きも書かないまま1年以上ほったらかしになっていました。・・・というか、忘れかけていたのですが、shigeikoさんからコメントをいただいてそのことに気づきました。
 気を取り直して、続きを取り急ぎまとめました。

 今回のリストは1993~96年放映の49作品を掲載。
 この中で私ヌルボ自身テレビで視聴したのは、ちゃんと覚えていませんが、10数本かなあ?
 その他映画館で観たものが10本ちょっと。ビデオやDVDで観たのが少し。全然知らない作品もたくさんありますが、韓国映画7本は全部そのいずれかで観ています。

 さて、およそこの30年ばかりの韓国映画の歴史をたどると、大きな画期となった作品が「風の丘を越えて/西便制」(1993年.日本公開1994年)でしょう。韓国の映画興行記録を塗り替え、大鐘賞6部門等多くの映画賞に輝いて、韓国映画復活のきっかけをつくった作品です。(パンソリへの関心も高めました。) 
 次に、日本のファンが韓国映画に目を向けるようになったのが1999~2001年頃。
 それまでの韓国映画のイメージを打ち破った「シュリ」(1999年.日本劇場公開2000年)「共同警備区域 JSA」(2000年.日本劇場公開2001年)がとくに注目されました。その他にも「八月のクリスマス」(1998年.日本劇場公開1999年)「ペパーミント・キャンディー」(1999年.日本劇場公開2000年)のような佳作も新たな韓国映画ファンを生み出しました。
 
 以後の韓国映画については、多くのファンの知るところで、私ヌルボよりもたくさん観ている人や、すごく詳しく知っている人もた~くさんいらっしゃいます。それにともなって、日本で公開される韓国映画も玉石混交になってしまって、それがヌルボが観る比率が減った一番の理由です。

 今あらためてアジア映画劇場で放送された韓国映画を見ると、ヌルボ個人としては今世紀に入ってからの作品よりも、この時期の方が心の深いところで共感できる作品がそろっていると思います。「チルスとマンス」「鯨とり コレサニャン」「神様こんにちは」「われらの歪んだ英雄」「キル・ソドム」「風の丘を越えて 西便制」「あの島へ行きたい」の7本。
 共通するのは、伝統社会や、歴史的・政治的な問題を背景に、「恨(ハン)」というのか、全体的に哀しみを帯びた作品であるということ。日本でいえば、1970年以前という雰囲気でしょうか?
 いろんなところで書いていることですが、日本では1970年から今までの40年間を、韓国では90年以降日本の倍の速さで走ってる感じだから、どうも最近の韓国映画は「昭和の」日本人であるヌルボには合わなくなってきてるのかも・・・。桜木町で降りても、MM方面よりも断然野毛~黄金町方面の方が落ち着くもんなー。

 ついでに、リスト中から韓国映画以外でとくにこれはという作品をあげると、まずは躊躇なく「友だちのうちはどこ?」。それから「魔法使いのおじいさん」。インド映画で過去つまらないと思ったものはなかったんじゃないかなー? もう1つは、うーむ、「青島アパートの夏」にしておくか。あまりよく覚えていないけど、良かったという印象は残っています。

※続きはあと1回。→コチラです。

  NHKアジア映画劇場放映作品リスト(その2)

放映年.月.日.「作品名」.公開年.国.監督
1993.1.24.チルスとマンス.1987.韓国.朴光洙(パク・クァンス)
1993.2.21.蕭蕭(シャオシャオ).1986.中国.謝飛(シェ・フェイ)、烏蘭(ウー・ラン)
1993.3.14.バシュー、小さな異邦人.1986.イラン.バフラーム・ベイザイ
1993.4.18.t大河のうた.1956.インド.サタジット・レイ
1993.5.6.ロック青年.1988.中国\t田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)
1993.6.20.勇者の道.1991.タイ.ユッタナー・ムクダーサニット
1993.7.18.鯨とり コレサニャン.1984.韓国.裴昶浩(ペ・チャンホ)
1993.8.15.レイハネ.1990.イラン.アリレザー・ライーシャーン
1993.9.12.黒いサボテン.1991.ベトナム\tレー・ザン
1993.10.10.パシコムおじさん.1991.インドネシア.ハエルル・ウマム
1993.12.12.虎男.1990.インド.ブッダーデフ・ダスグプタ
1994.1.16.マニラ・光る爪.1975.フィリピン.リノ・ブロッカ
1994.2.6.女児楼.1985.中国.胡玫(フー・メイ)・李暁軍(リー・シャオジン)
1994.2.20.カップ・ファイナル.1991\tイスラエル.エラン・リクリス
1994.3.13.神様こんにちは.1987.韓国.裴昶浩(ペ・チャンホ)
1994.4.10.心の香り.1992.中国.孫周(スン・チョウ)
1994.5.15.静か過ぎる町.1986.ベトナム.レー・ドゥック・ティエン
1994.6.12.ゴビの蜃気楼.1980.モンゴル.R・ドルジパラム
1994.7.17.追われた人々.1990.インド.G.アラヴィンダン
1994.8.14.黄昏のかなたに\t1989.香港.張之亮(ジェイコブ・チャン)
1994.10.9.魯冰花(ルービンファ).1989.台湾.楊立国(ヤン・リ-クォ)
1994.11.6.タクシー.1890.インドネシア.アリフィン・チェ・ノール
1995.1.1.悲情城市.1989.台湾.侯孝賢(ホウ・シャオシェン)
1995.1.22.われらの歪んだ英雄.1992.韓国.朴鐘元(パク・ジョンウォン)
1995.2.5.青島アパートの夏.1992.中国.黄建新(ホアン・チエンシン)
1995.2.19.チャルラータ.1964.インド.サタジット・レイ
1995.3.12.キル・ソドム.1985.韓国.林権澤(イム・グォンテク)
1995.4.16.光陰的故事.1982.台湾\t張毅その他(オムニバス)
1995.5.7.黒薔薇VS黒薔薇.1992.香港.劉鎮偉(ジェフ・ラウ)
1995.6.4.枷(かせ).1991.モンゴル.ナンサーリン・オランチメグ
1995.6.25.ウェディング・バンケット.1993.台湾.李安(アン・リー)
1995.7.16.少年時代.1993.トルコ.メムデュー・ユン
1995.8.13.風の丘を越えて 西便制.1993.韓国.林権澤(イム・グォンテク)
1995.10.22.春桃(チュンタオ).1988.香港・中国.凌子風(リン・ツーフォン)
1995.11.9.いとしのハニーちゃん.1993.トルコ.ペイ・オカン
1996.1.1.友だちのうちはどこ?.1987.イラン.A.キアロスタミ
1996.1.7.つきせぬ想い.1990.香港.爾冬陞(イー・トンシン)
1996.2.4.香魂女・湖に生きる.1993.中国.謝飛(シェ・フェイ)
1996.2.18.ナルゲス.1992.イラン.ラフシャーン・バニー・エッテマー
1996.3.10.魔法使いのおじいさん.1979.インド.G.アラヴィンダン
1996.4.21.哀戀花火.1993.香港・中国\t何平(フー・ピン)
1996.5.12.三つの宝石の物語.1995.パレスチナ・ベルギー.ミシェル・クレイフィ
1996.6.16.天使への手紙.1993.インドネシア.ガリン・ヌグロホ
1996.7.21.北京好日.1992.香港・中国.寧瀛(ニン・イン)
1996.9.8.あの島へ行きたい.1994.韓国.朴光洙(パク・クァンス)
1996.9.15.遠い雷鳴.1973.インド.サタジット・レイ
1996.10.6.オリーブの林をぬけて.1994.イラン.A.キアロスタミ
1996.11.17.暗戀桃花源.1992.台湾.頼聲川(スタン・ライ)
1996.12.29.孔雀の家.1995.タイ・日本.チュート・ソンスィー

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[10月12日(金)~14日(日)]

2012-10-16 23:48:07 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 今日は久しぶりの映画鑑賞。この前観たのは、えーと・・・10月1日か。
 映画館はキネカ大森。今年5回目です。今「ハロー!?ゴースト」「サニー 永遠の仲間たち」を2本立て上映してますから、観てない方、ぜひこの機会に。
 実は私ヌルボも「ハロー!?ゴースト」は見逃していたのです。行こうと思えば行けたのですが、予告編等を見ると、なんかキワモノっぽいというか、よくない意味でのB級映画くささを感じてしまっていたので、今ひとつ気が乗らなかった、ということです。とくに、あのタバコをスパスパ吸ってる幽霊を見て、観ようという気が失せちゃいました。
 しかし、今日は時間はあるのにこれといった映画が見当たらず、一応観ておくか、という感じで足を運びました。
 で、感想はというと、思っていたよりも相当に良かったです。まあ、先入観がひどかったということはあるのですが・・・。後で考えれば、主人公の自殺未遂青年に取りついた4人の幽霊のフツーじゃない外見や性格等も伏線だったんですね。最初はコメディっぽかったのが、だんだんまともになってきて、ラストはそーだったのか、と・・・。<映画生活>のサイトで皆さんのレビューを見てみると、全体数は少ないながらも、「ラスト10分でまさかの急展開。オセロゲームで白が黒に一気に変わるように、それまで観ていた何気ない場面が一気に輝きを増すような感覚」というのもあったりして、平均86点の高評価がついています。しかし、予告編の作り方はむずかしいですね。種明かしするわけにもいかないし、底の浅いコメディと誤解されてもまずいし・・・。

          ★★★ Daumの人気順位(10月16日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①地上の星のように  9.3(128)
②ヤコブへの手紙  9.2(30)
③おおかみこどもの雨と雪(日本)  9.1(228)
④SEARCHING FOR SUGAR MAN  9.0(21)
⑤ピエタ(韓国)  9.0(1273)
⑥フランケンウィニー  9.0(26)
⑦メリダとおそろしの森  8.6(159)
⑧光海、王になった男(韓国)  8.5(2756)
⑨あの頃、君を追いかけた  8.4(200)
⑩ピナ・バウシュ 夢の教室  8.4(34)

 新登場は④と⑥の2作品です。
 ④「SEARCHING FOR SUGAR MAN」はスウェーデンのドキュメンタリー。60年代にデトロイトでデビューしたロックシンガーのシクスト・ロドリゲスは、その後アメリカでは忘れられてしまいましたが、彼の音楽は70年代以降南アフリカに渡り、代表曲の「Sugar Man」はアパルトヘイト反対運動のテーマソングとなったとか・・・。ところが今は工事現場で働く本人は、数年前まで南アフリカで自分がそんな有名人になっていたことを知らなかったそうです。そんな数奇な音楽の来歴を2人の南アフリカののファンがたどる・・・。2012年サンダンス映画祭で審査員特別賞・観客賞受賞。日本公開は2013年春(角川映画配給)。韓国題は「서칭 포 슈가맨」です。あ、肝心のその曲、YouTubeにありました。→コチラ
 ⑥「フランケンウィニー」は、ティム・バートン監督が84年に製作した「フランケンシュタイン」をモチーフにした短編を自らモノクロ3Dとしてリメイクしたファンタジーアニメ。日本では12月15日に公開。韓国題は「프랑켄위니」です。予告編(→コチラ)を見ると、いかにもティム・バートン。「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」なんか私ヌルボはホントに好きですが、こういうのを好きだという子どもがいると、ちょっと心配になっちゃいますね。

【専門家による順位】

①おおかみこどもの雨と雪(日本)  8.1(6)
②ミッドナイト・イン・パリ  7.8(7)
③少年は残酷な弓を射る  7.7(7)
④二つの扉(韓国)  7.6(6)
⑤SEARCHING FOR SUGAR MAN  7.6(3)
⑥テイク・ディス・ワルツ  7.5(6)
⑦メゾン ある娼館の記憶  7.5(2)
⑧光海、王になった男(韓国)  7.2(8)
⑨ぴちぴち(韓国)  7.0(6)
⑩テッド  7.0(2)
⑩映画と恋とウディ・アレン  7.0(2)
⑩フランケンウィニー  7.0(2)

 こちらのランクの新登場も⑤「SEARCHING FOR SUGAR MAN」と⑩「フランケンウィニー」の2作品で、ネチズンによる順位とまったく同じです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[10月12日(金)~14日(日)] ★★★

         「光海、王になった男」5週連続1位、900万人を突破!

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・光海、王になった男(韓国)・・・・・・9/13 ・・・・・・・・・・・・・・・683,845 ・・・・・・・・9,345,179 ・・・・・・・68,077・・・・・・・675
2(新)・・会社員(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・10/11・・・・・・・・・・・・・・・468,302 ・・・・・・・・・・576,746 ・・・・・・・・4,407・・・・・・・549
3(27)・・LOOPER/ルーパー・・・・・・・・・10/11・・・・・・・・・・・・・・・201,278 ・・・・・・・・・・249,481・・・・・・・・・1,869・・・・・・・386
4(3)・・占い師たち(韓国) ・・・・・・・・・・・・10/03・・・・・・・・・・・・・・・112,637 ・・・・・・・・・・844,889 ・・・・・・・・・6,000・・・・・・・316
5(新)・・危険な関係(韓国)・・・・・・・・・・・10/11 ・・・・・・・・・・・・・・・106,821 ・・・・・・・・・・139,370・・・・・・・・・1,030・・・・・・・334
6(4)・・メリダとおそろしの森 ・・・・・・・・・・9/27・・・・・・・・・・・・・・・・・90,114 ・・・・・・・・1,072,603 ・・・・・・・・・7,973・・・・・・・325
7(2)・・96時間 Ⅱ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/27 ・・・・・・・・・・・・・・・・58,378・・・・・・・・・2,267,570 ・・・・・・・・17,284・・・・・・・281
8(新)・・フランケンウィニー・・・・・・・・・・・10/11 ・・・・・・・・・・・・・・・・26,638・・・・・・・・・・・・30,327・・・・・・・・・・・260・・・・・・・226
9(5)・・間諜(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/20・・・・・・・・・・・・・・・・・13,311・・・・・・・・・1,302,020 ・・・・・・・・・9,259・・・・・・・105
10(6)・・テッド ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/27・・・・・・・・・・・・・・・・・11,685・・・・・・・・・・・256,849 ・・・・・・・・・1,961・・・・・・・・80
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 5週連続1位の「光海、王になった男」は900万人を超え、来週あたりは1000万人の大台にとどきそうです。日本でも来年2月公開が決まっています。日本題は「王になった男」。「光海」なんていっても日本人はわからないから、まあ当然か。参考記事は→コチラ
 今回の新登場は、2・3・5・8位の4作品です。
 2位「会社員」は、タイトルを見てかったるいサラリーマン映画かと思ったら、ソ・ジソブ主演のアクションなんだそうです。平凡な一般金属製造会社を装った殺人請負会社に勤める会社員が一瞬の気の迷いから会社の標的となり、命をかけた死闘を繰り広げる・・・。えっ、そんなヤバい会社なのか。いくら正社員にするからと言われても入っちゃダメだぞっ。(おぢさん、一瞬マジになっちゃった。) 原題は「회사원」。
 3位「LOOPER/ルーパー」は、タイムスリップによって30年後の世界から来た自分と対決することになる暗殺者の運命を描くSFアクション。日本では来年1月12日公開で、すでに日本語公式サイトもできてます。(→コチラ。) んーと、ブルース・ウィリスはあと3年で60歳か。がんばってるなー。韓国題は「루퍼」です。
 5位「危険な関係」は、「八月のクリスマス」や「春の日は過ぎゆく」のホ・ジノ監督が18世紀フランスの作家ラクロの小説を映画化したもの。「危険な関係」といえば、半世紀ばかり前のロジェ・ヴァディム監督作品のサウンドトラック(→コチラ)を思い出しましたがな。それを東アジアの俳優たちが演じるのかー。(日本映画でも作られたそうですが・・・。) 1931年の上海を舞台に、社交界の女王(セシリア・チャン)、上海最高のプレイボーイ(チャン・ドンゴン)、美しい未亡人(チャン・ツィイー)の危険な三角関係を繰り広げる物語。今確認したら、チャン・ツィイーもセシリア・チャンももう30代なんだなー、はあー・・・。原題は「위험한 관계」です。
 8位「フランケンウィニー」は上述しました。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・愛の沈黙・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/11・・・・・・・・・・・・・・・・2,904 ・・・・・・・・・・・・・・4,830 ・・・・・・・・・34・・・・・・・・・・24
2(新)・・SEARCHING FOR SUGAR MAN・・10/11・・・・・・・・・・・・・1,791 ・・・・・・・・・・・・・・5,285 ・・・・・・・・・33・・・・・・・・・・24
3(1)・・地上の星のように ・・・・・・・・・・・・・9/06 ・・・・・・・・・・・・・・・1,059 ・・・・・・・・・・・・・20,728 ・・・・・・・・137・・・・・・・・・・10
4(4)・・ボブ・マーリー ルーツ・オブ・レジェンド・・8/02 ・・・・・・・・・・・737・・・・・・・・・・・・・・・9,032 ・・・・・・・・・66・・・・・・・・・・・3
5(2)・・ピナ・バウシュ 夢の教室 ・・・・・・・8/30 ・・・・・・・・・・・・・・・・・375 ・・・・・・・・・・・・・17,813 ・・・・・・・・332・・・・・・・・・・・1

 1・2位の2作品が初登場。
 1位「愛の沈黙」はイギリスのドキュメンタリー。ロンドンのノッティングヒルの中心部にあるカルメル派修道院。騒々しく誘惑の多い街の中にあって、はたして祈りと沈黙の修行が可能か? 目と耳を誘惑する街の祈りと日常と、その信仰を探る・・・。・・・やっぱり、こういうキリスト教関係のドキュメンタリーが公開されて高い評価を得るのは韓国社会の特色。韓国題は「사랑의 침묵」。
 2位「SEARCHING FOR SUGAR MAN」は上述の通り。

山路愛山『韓山紀行』を読む ②よその国を見て「汚い」と思うこと (木村幹先生の論考を参考に)

2012-10-15 23:52:25 | 韓国・朝鮮に関係のある本
 →5日前の記事<山路愛山『韓山紀行』を読む ①日露戦争中の韓国の印象を率直に記述>の続きです。

 1つ前の記事で書いた10月13日(土)夜のNHK総合「東京カワイイTV」の前の番組が「関口知宏と高校生の旅 中国縦断2500キロ」。 ※この番組の中身は→コチラ参照。私ヌルボも同感した観た人の感想→コチラ
 見た感想はいろいろありますが、とくに1ヵ所、見ながら「アリャリャ」と思ったのが、5人の日本人高校生諸君の考えたプロジェクト。その内容というのが「ゴミをなくそう!」というものなんですねー。私ヌルボ、番組の最初の20分くらいは見てなかったのですが、街にゴミなどが散乱しているようすがよほど気になっていたんでしょう。そこで「お世話になった中国の人たちにお礼をしよう」という善意から考えついた企画だったのですが・・・。

 ここでそれまで生徒たちをバックアップする立場なのであまり目立たなかった関口知宏さんが出てきて、厳しく問いかけるのですよ。鶏や豚を捌いてまでもてなしてくれたけど、その鶏や豚は一家の財産だったということをわかっているか? そんな人たちに、「キレイにしたらいいですよ」というのは「あなたの国はゴミだらけで汚い」と上から目線で言うようなものだ、というのが関口さんの話の主旨でした。

 今まで私ヌルボ、中国縦断2500キロ」は少ししか見てなくて、関口さんの人となりもよくわかってはいなかったのですが、少なくともこの場面は「よく言ってくれました」という思いでした。(→コチラのブログ記事も同じ趣旨で、ナットクしつつ読みました。)

 10月10日の記事で、日露戦争中韓国を訪ねた山路愛山が「韓山紀行」で韓国の街や家の不潔なことをここかしこで記していると書きました。
 往時の韓国についてのこのような感想は彼に限りません。高浜虚子・谷崎潤一郎等々、他の多くの人々の著作にも同様に韓国の印象が記されているそうです。
 そのことを知ったのは、先月例の領土問題をめぐるNHKの特集番組に出演して(目立たなかったなりに)知名度の高まった木村幹神戸大教授の論考を読んだからです。
 その論考のタイトルは「「不潔」と「恐れ」-文学作品に見る日本人の韓国イメージに関する一試論」
 現代の高校生たちは「実際に汚いから「汚い」と言っただけ」なのでしょう。昔の山路愛山等にしても同じ。しかし、木村幹教授は少し離れた所に視点をおいて「なぜ「不潔」と思ったか?」を問題にしています。

☆ダウンロードのしかた
 神戸大学のサイトから
 →サブメニューを開く(タイトル下左)をクリック
 →研究タグ中の「研究ニュース・研究内容」をクリック
 →学術成果リポジトリ Kernelをクリック
 →簡易検索の窓に「木村幹」と入力し検索
 →論文のリストが出てくる。
 このリスト中の「Full text」のアイコンをクリックすると、PDF文書で読むことができます。
 リストの36番目が<「不潔」と「恐れ」:文学者に見る日本人の韓国イメージに関する一試論>と題された論文です。
※リストの4番目に「韓国・北朝鮮の嘘を見破る:近現代史の争点30」(文春新書)所収の<「韓国内の『親日派』は国賊である」と言われたら>という一般読者向きに(比較的)読みやすく書かれた一文もあります。その挑発的な書名とは裏腹に、嫌韓的な感情は全然含まれていない研究者らしい筆致です。未読の方はぜひ読んでみてください。

 さて、この木村幹教授の論考のポイントを、とくに「韓国は不潔」という見方について整理し、箇条書きにしてみました。

・高浜虚子や谷崎潤一郎等の著作にあるような、朝鮮人が不潔とされる一方、それと対照的に日本人はきれい好きであるという見方は、「当時の日本人文学者においては、かなり普遍的な傾向であった」。
・しかし、江戸時代には、朝鮮に対するイメージに「不潔」とか「危険」とかのマイナスの要素はみられない。
朝鮮を不潔と見る見方は、「明治後期以降の時代状況の中から生じて来た」ものである。
・朝鮮が不潔である理由とされたのは、その民族性ではなく「発展の程度の差異」によるものであり、つまり「文明化の不足の結果」であると考えられた。その反対側には「文明化」を達成した日本に対する「誇り」があった。
・このような日本人のアジア認識は、西洋人のそれをそのまま踏襲したものであった。「文明化」の遅れた土地に自らの文明を伝達することを「責務」と考える思考法もそのひとつ。西洋人により強調された(日本も含む)アジア・アフリカ諸国の「不潔」観を、日本人はそのまま継承した。
・今日の日本人も、韓国に対して上記のようなマイナス・イメージを持ち続けている。そして、こと韓国となると、そのイメージに相応しい事件・事象にのみ注目してそのイメージを再確認している。結果、それらのイメージは変化することがなかった。
・重要なことは、韓国も他の諸国同様の「外国」のひとつにすぎないということを認識して、冷静に対処する必要がある。


 なーるほど、ですね。学問的に素人の人たちは、ややもすれば愛山や虚子等の本を読んで、「やっぱり植民地化前後の朝鮮は不潔で遅れた社会だったんだな」とそのままストレートに受けとめてしまいそうですが、木村先生は彼らが韓国を「不潔」とみた理由とその意味を、歴史的文脈をたどったりして追究していきます。
 たしかに、時代によって、国によって、あるいは身分・階級等々によってもモノサシ(価値観)は違いますからねー。昔の日本人が、昔の朝鮮を見た時のモノサシをそのまま現代の韓国を見る時に、何も考えずに用いるのは誤解のモトになりそうです。

 「汚い」の基準について私ヌルボが個人的に思い出すのは、以前めずらしくがんばって自分の部屋を掃除してキレイにしたことがあったのですが、その部屋に初めて入った一人の子どもが無邪気に発した言葉が「どーしてこんなに散らかっているの?」でした。(泣)

 ・・・以上、「不潔」を弁護するような書き方になったかもしれません。しかし、近代化にともなって病気が減少し寿命が延び人々の健康が増進してきたのは、衛生観念が高まり住環境が清潔になってきたことと大きく関わるのはまぎれもない事実だし、「清潔」の押しつけが絶対よくない!と主張しているわけでもないのです。
 「汚いからキレイにしてあげましょう」問題、考えてみれば深いです。

☆[蛇足]
 ところで、木村幹先生の緻密で慎重な論の進め方に接して想像したことがあります。
 もし誰かが木村先生のことを「馬鹿野郎!」と罵倒したらどう反応するか、ということ。
 「君が僕を「馬鹿野郎」というのは、かくかくしかじかの価値観に拠るものと分析されるが、そのような価値観を共有する者は誰もいないから、何の説得力もないよ」と答えるのかなー、とか・・・。
 いや、もしかしたら、自分がそう答えようとするのはどのような価値観に基づいているのか、と考えると・・・などと、さらに自己分析に入っちゃったりして・・・。
 そこへいくと、「馬鹿野郎!」に対して「なんだと?! 大馬鹿野郎!!」と単純にわめき合ったりしてる人たちの方がある意味人間っぽいかも・・・。

NHK「東京カワイイTV」、韓国で“オルチャン”探しとは平和だね~、この時節柄

2012-10-14 07:41:13 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 昨晩TVをつけっ放しにして予定の記事「韓国とキリスト教」(中公新書)の感想を書いていたら、そのTV番組で韓国ネタをやっているんですよ。
 内容は、およそ私ヌルボとはぜ~~~んぜん無縁の世界なんですが、いやそれゆえに興味深く思って(?)最後まで見ちゃいましたねー。
 何という番組かというと、NHK総合23:30~24:00「東京カワイイTV」。テーマは「“オルチャン”って何!? 韓国で大ブームの秘密を追え!!」

※この回の番組のあらましは、→コチラのブログ記事参照。

 さて、“オルチャン”という言葉は“モムチャン”等ともに何年も前に韓国で流行り、そのまま定着した言葉です。
 本ブログでも2010年10月1日<韓国プロ野球7冠王 李大浩選手、「僕も<オンチャン>」だって?>と題した記事でこの言葉を紹介しました。ハングルで書くと얼짱얼굴(オルグル.顔)が짱(チャン.最高の人)という意味です。

 その“オルチャン”を探して、佐野真依子ちゃん(→オフィシャルブログ)とロミヒちゃん(→オフィシャルブログ)の、今までヌルボはもちろん知らなかったおねーちゃんたち2人が韓国に行くんですよ。

 この番組で最初気になったのは、このお2人が
  オ 
   ↘ルチャン

・・・と高低のイントネーションで発音していたこと。
 これは
   ↗ルチャン
  オ

・・・と低高で発音してほしいところ。「あんちゃん、半チャンやるか?」の「あんちゃん」じゃなくて「半チャン」の方ね。

 で、この番組によると韓国でオルチャン(얼짱)tvってのがあるんですと。チラッとその画面も映ってましたが、今検索して確認したらTV局ではなくて<코미디TV(コメディTV)>の中の番組なんですね。→コチラがそのサイトのメインページ。関心のある方はハングルわからなくてもテキトーにクリックしてみて下さい。上部の얼짱tv等のアイコンとか・・・。
※オルチャンtvの第1回はYouTube(→コチラ)で見られます。第2回以下もあります。

 さて、そのオルチャンの代表として紹介されていたのが満20歳になったばかりのヨンギちゃん(本名:홍영기.ホン・ヨンギ)。日本から行った2人と会って、いろいろメイクのこととかファッションのこととか話したり、ソウルのカロスキル、ホンデ(弘大)、トンデムン(東大門)、カンナム(江南)、チョンノ(鍾路)の街でオシャレな若者に話を聞いたり等々。
 しかし、このヨンギちゃんってコはずいぶん人気があるんだねー。釜山のちょっとしたイベント?では彼女を待って1000人もが列つくってるんだからねー。一方で彼女、しっかりとネット上のショッピングモールを通じてかなり収入を得ているようで・・・。うーん、わからん世界だー。
 あ、「東京カワイイTV」の番組ホームページでは、ヨンギちゃんのブログが→コチラになっていましたが、正しいのはコチラですよ~。それから彼女のネット上のショッピングモールは→コチラでOK。

 オルチャンは別に男女を問わず用いられる言葉で、番組でも“オルチャン男子”font color="yellowgreen">カン・ヒョンミンくんが登場してました。彼のブログは→コチラ
 しかし、オトコながらもたしかメイクに2時間かける(!)とか言ってたなー。うーん、わからん世界だー、その2。(彼、兵役はこれからなんだろうなー・・・、だいじょぶなんだろか?(何が?))

 いやー、一方で領土問題をめぐっていろいろカンカンガクガクやっている中、こーゆーヘイワな場面もあったりして、どこの国にもいろんな人たちがいるもんだ。

 佐野真依子チャンのオフィシャルブログ読んだら、今回の放送は9月に韓国に行って撮ったんだそうです。9月の記事中に<韓国photo1><韓国photo2>というのがありました。ウチらおぢさんたちが韓国で彼女たちを見たら日本人女性とわかるかどうか? もしかして、意外と話が合うかも・・・(うそだろ)。

 彼女のブログ記事の書き方を、私ヌルボも取り入れてみるのもおもしろいかも・・・(うそだろ)。

 今日から3連休ー!
 びゃーびゃーしてきます。

 きゃ。

[韓国語] 『吾輩は猫である』をどう訳しますか?

2012-10-10 21:32:03 | 韓国語あれこれ
 あ、このタイトルの意味ですが、小説の中身の訳し方ではなくて、その題名の『吾輩は猫である』をどう訳すか、という意味ですよ。

 先月川崎図書館に行って韓国語本の書架を見ていたら、日本の作家の作品の翻訳書がずいぶん多くならんでいて、大体は原題がわかり、また韓国題の方もとくに意外に思ったものもなかった中で、あ、これはこう言うのか、と目に留まったのがこの『吾輩は猫である』でした。

 もしそのハングルの書名を見なかったとしたら、私ヌルボ、ふつうに考えると、
 나는 고양이다(ナヌン コヤンイダ)
くらいしか出てきません。しかし、これでは勿体ぶったニュアンスが感じられないし・・・。

 NAVER辞典で「吾輩」のハングル読み「오배」や「我輩」の読みの「아배」を引いてみると、これらは「われわれ」を意味するようで、使えません。

 ・・・で、正解は、下の写真参照。

      

 《나는 고양이로소이다(ナヌン コヤンイロソイダ)》というのですね。

 念のため韓国ウィキ(→コチラ)で「나쓰메 소세키(夏目漱石)」の項目を見てみると、代表作としてたしかに《나는 고양이로소이다》があげられています。

 この「~로소이다(ロソイダ)」は、NAVER辞典には「「~ㅂ니다」の옛말(昔の言葉)」とあります。
 そういえば、ちょっと前に言語学者N先生から韓国の時代劇によく出てくる言葉だということを教わっていたんですけどね。だから図書館でヌルボがこの言葉に気がついたということかも・・・。

 さらに思い起こせば、今年8月8日公開の韓国映画で「私は王である」というタイトルの時代劇コメディがありました。
 世宗大王が王位に就く前に乞食と立場を入れ替わって、町の中を歩いたりしていろんな人たちと出会い、社会を経験してゆくという話。韓国版「王子と乞食」ですかねー? チュ・ジフンが初の時代劇出演で1人2役を演じたそうです。
 で、この原題が「나는 왕이로소이다」。<DAUM映画>で原題を見て、王様はこういう言い方をするのか、というのがこの言葉との最初の出会い。・・・って、韓国時代劇ファンの皆さんはよくご存知の言い方かも・・・。

 これまで、私ヌルボが知っていた時代劇らしい言い方といえば「~하옵니다(ハオムニダ)」くらいなものでした。
 그러하옵니다(クロハオムニダ) さようでございます。
 망극하옵니다(ソンウォニ(聖恩が) マングク(罔極)ハオムニダ)
 聖恩限り無うござります。(ありがたき幸せにございます。)
等々。
※→コチラのブログ記事に、韓国の時代劇=사극(史劇.サグク)の決まり文句が17例あげられています。また、「韓国語ジャーナル」41号にも<時代劇 あるあるフレーズ>が載っていたって!? ありゃりゃ・・・。

 ・・・ここで最初に戻って、要するに『吾輩は猫である』の訳語としては、「~로소이다」という王様のような表現が「나는 고양이다」などよりも合っているということのようですね。(王様は吾輩とは言わないと思いますけど。)
 この小説がいつ頃誰によって訳されたかについても知ろうとしたのですが、よくわからず。ただ、これまで多くの訳書が出ているようです。しかし<YES24>のサイトで見てみると、タイトルはどれも「나는 고양이로소이다」になっています。
 ついでに、漱石の他の作品のタイトルを見ると、あれれ、「大体は原題がわかり・・・」などと先に書いたのは甘かったぞ。
 たとえば「도련님」とか「한눈팔기」とか・・・。韓国語学習者の皆さん、すぐにわかりますか? 前者は「坊つちゃん」、後者は「道草」ですよ。(範囲指定すれば正解が現れます。)

 文学作品のニュアンスをうまく伝える翻訳は、本文はもとより、タイトルからしてむずかしいですね。この先何年勉強しても、ヌルボにはとても無理だなー(泣)。

山路愛山『韓山紀行』を読む ①日露戦争中の韓国の印象を率直に記述

2012-10-10 13:46:53 | 韓国・朝鮮に関係のある本
 最近、明治後期~大正初期に活躍した評論家・史論家の山路愛山が日露戦争勃発の3ヵ月後の1904年(明治37年)5月、韓国を訪れた際の紀行文「韓山紀行」を読みました。
 1964年刊行の「現代日本思想大系 4 ナショナリズム」(筑摩書房.1964)に収められているもので、原稿用紙だと30数枚程度で、そんなに長文のものでもありません。
 その後、インターネットでも→コチラのサイトで全文見られることを知りました。(いいかげんなスキャン結果の文章が校正されないままになっていますが・・・。とくに後半部分。)

 さて、その「韓山紀行」の内容なのですが、当時の韓国の「人々の怠惰なようす」「街や民家の不潔なようす」「進取の精神に欠け、危機感もないこと」等が忌憚なく書かれています。

 したがって、いわゆる<嫌韓派>にとっては、恰好のネタ元ともいえるでしょう。現に、<植民地統治の検証 1 反日史観を糺す>というサイトには、以下の2ヵ所が引用されています。

 (釜山にて)僕の目に映じたる韓人の労働者はすこぶるノン気至極なるものにして餒ゆれば(うゆれば=食糧がなくなって腹がへる)すなわち起って労働に従事し、わずか一日の口腹を肥やせばすなわち家に帰って眠らんことを思う。物を蓄うるの念もなく、自己の情欲を改良するの希望もなく、ほとんど豚小屋にひとしき汚穢(おわい)なる家に蟄居し、その固陋(ころう)の風習を守りて少しも改むることを知らずという。僕ひとたび釜山の地を踏んで実にただちに韓国経営の容易の業にあらざるを知るなり。(5月5日) 

 水原を韓人は称して韓南第一の都会というそうなれども日本の村(原文のママ)同然の体(てい)たらくなり。さりながら城門は立派なるものなり(水原城はユネスコ世界遺産)。韓国の都会は大陸流にして廻らすに城壁をもってし四門を開き望楼を設く。遠望すれば写真で見たる万里の長城なり…  それはともあれ僕は城壁の大なると楼門の魏々たるとを見、城の内外にある民家の豚小屋同然たるに対比し、韓国には役人の建築ありて、人民の建築なきを感ぜざることを得ず。(5月8日)


 上記以外にも、たとえば次のような記述があります。

 その礼楽法度、ことごとく中華に擬するをもってみずから誇り、華人の称して小中華といいたりとて揚々たること事大根性ぜんぜん呈露す。その根底すこぶる深しというべし。この種の人物をして発憤自彊せしめんとす、僕はまず匙を投げざることを得ず。

 ところが、彼の文章には露骨な差別感情は見られず、率直に見たままを記しています。もちろん、いくら事実であっても、たとえば「不潔」と書かれた側は差別と受け止めることはむしろ当然かも・・・。また愛山自身は意識しなくても、当時の日本人なればこその「思い込み」もあったでしょう。
 山路愛山はクリスチャンであり、内村鑑三や堺利彦等と思想や政治的主張を越えて親交のあった人物ですが、当時の彼は自身帝国主義者であることを標榜していました。
 ところが、現在の「帝国主義者」のイメージを持って次のようなくだりを読むと、意外に思う人も多いのではないでしょうか?

 僕の深く恐るるところは在韓の日本人が自重せず、大国の威を借りて韓人を凌辱しかえってみずから韓人の不信を招かんことこれなり。日本国民の韓国にある者は人人みずから韓人の師表たるをもって任ぜぎるべからず。(5月7日)

 ・・・愛山がこのように書いたのは、「在韓の日本人が自重せず、大国の威を借りて韓人を凌辱し・・・」ということが見受けられた、ということでしょうか。
 そしてこの紀行文の最後の方で、彼は次のように旅を総括しています。

 さりながら韓国を見たること僕にとっては真に一大教訓なり。僕は韓国に対する日本の位置のとうてい今のままにてやむべからざるを信じ、韓国を鞭撻して、秩序あり、規律あり、文明人の棲息経営に堪ゆるものたらしむるは実に大日本国民の義務なることを深く信ずるに至れり。試みに思え比屋みな浄潔にして道路もまた平坦砥のごとき間に介在するに茅屋あり、ひとり不潔、汚穢をきわむるのみならず、破壊、危険の状あらば隣人たるもの公益を維持するの上よりしてその主人に迫りて改築の計をなさしめざるを得ず。これ隣人の権利にしてまた義務たるにあらずや。僕の韓国に来らざるや韓人のなおみずから振い、みずから彊(つよ)むるの余地あるを信ぜり。足ひとたび韓国を履(ふ)みて後はこの信仰は一変せり。韓人のみずから振作するを待つはほとんど枯木の芽を出すを待つに異ならず。如(し)かず、日本の隣人の義務としてひとりそのなすべきところをなさんのみ。この新信仰を僕の心に生ぜしめたるものは実に此遊の賜なり。(5月17日)

 きれいに整った住宅街に1軒不潔な上に壊れそうな家があったら、改築を促すのが隣人としての権利であり義務である・・・。韓国としてはなんともひどい言われようですが、愛山の気持ちとしては、差別視や収奪の対象というよりも使命感でしょう。

 ・・・と、このように書くと、私ヌルボが山路愛山を、あるいは往時の帝国主義やひいては韓国併合を肯定弁護していると思われるかもしれません。真意はそうではなくて、それらを否定するとなると、相手側の手強さを十分に認識しなければならない、ということです。

 「韓人のなおみずから振い、みずから彊むるの余地」を信じていた愛山は、韓国に行って「この信仰」を一変せざるを得ませんでした。
 もし自分がその時代にタイムスリップしたとして、愛山のような「健全な帝国主義者」を相手にどのような意見を述べることができるか、ということを自問してみると、そう簡単には答えを出せません。

 その当時のモノサシだけをもってすれば「歴史の必然」の前にほとんど立ちすくむしかなく、また現代のモノサシで過去を裁断しようとすると空論に陥るしかないようで、日韓の間の歴史認識問題もこのあたりのギャップを無視して噛み合わない議論を重ねているようです。

       
    【今年7月、渋谷・百軒店を歩いていて偶然見かけた山路愛山終焉の地の標識。】

 →山路愛山『韓山紀行』を読む ②よその国を見て「汚い」と思うこと (木村幹先生の論考を参考に)

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[10月5日(金)~7日(日)]

2012-10-09 09:00:02 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 何千本も映画を観たという映画ファンや評論家でも、北朝鮮映画を何十本も観た人は非常に少ないのではないでしょうか?
 なかなか上映の機会がないことを考えると、門間貴志先生、よく「朝鮮民主主義人民共和国映画史」(現代書館)なんて本が書けたものです。内容のごく一部は→コチラのブログ記事参照。
 私ヌルボが観た北朝鮮映画の本数をざっと数えてみると、20本ちょっとくらいかな? その最初は「千里馬(チョンリマ)」(1964)、と思ったら、あれはれっきとした日本映画でしたね。製作がぬやまひろし・大村英之助・松本酉三、監督が宮島義勇、解説が永井智雄と、ほおーっという顔ぶれ。(一部知らない名前もありますが・・・。) あるブログ記事(←詳しい)を見てたら、萩原遼氏は「千里馬」のパンフをお持ちとか・・・。
 2009年に横浜のシネマジャック&ベティで<北朝鮮映画の全貌>と銘打ってカンヌ映画祭に出品した「花を売る乙女」も含めて全10作品を上映していました。その中でヌルボが見逃してしまった3作品中の1つが「遊園地の一日」。ところが、過日言語学者のN先生がそのDVDをお持ちではないですか! 通販で購入したとのこと。でネット内を探したら、以前当ブログの過去記事でも紹介したコリアブックセンターの通販だったようです。リストを見ると、「北朝鮮の寅さんシリーズ」と(ごく一部で)評価の高かった1970年代の「わが家の問題」シリーズ中の2作もあり、一度直接白山の店に行ってみるかな、しかしお値段が4800円だからなー・・・、とためらっているうち、今確認したらそっちも「遊園地の一日」もなくなってるぢやあないの、あらら。しばらく待つしかないかー・・・。
 あ、北朝鮮映画といえば、あの「プルガサリ 伝説の大怪獣」のDVDはアマゾン等でふつうに出回ってますよ。

          ★★★ Daumの人気順位(10月9日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①地上の星のように  9.3(123)
②ヤコブへの手紙  9.2(30)
③おおかみこどもの雨と雪(日本)  9.0(209)
④ピエタ(韓国)  9.0(1258)
⑤テイク・ディス・ワルツ  8.7(21)
⑥メリダとおそろしの森  8.5(138)
⑦ピナ・バウシュ 夢の教室  8.5(33)
⑧あの頃、君を追いかけた  8.4(196)
⑨光海、王になった男(韓国)  8.4(2540)
⑩ベスト・エキゾチック・マリーゴールド・ホテル  8.4(167)

 新登場はありません。⑤「テイク・ディス・ワルツ」はこのランクは初めてですが、専門家の方のランクで既出。

【専門家による順位】

①おおかみこどもの雨と雪(日本)  8.0(5)
②ミッドナイト・イン・パリ  7.8(7)
③少年は残酷な弓を射る  7.7(7)
④二つの扉(韓国)  7.6(6)
⑤メゾン ある娼館の記憶  7.5(2)
⑥テイク・ディス・ワルツ  7.4(5)
⑦光海、王になった男(韓国)  7.2(8)
⑧ぴちぴち(韓国)  7.0(6)
⑨テッド  7.0(2)
⑨映画と恋とウディ・アレン  7.0(2)

 新登場は⑨「映画と恋とウディ・アレン」だけです。ウディ・アレン監督を知る俳優等の証言から、彼のキャリアを年代順に追っていくドキュメンタリー。日本では11月10日公開。韓国題は「우디 앨런:우리가 몰랐던 이야기」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[10月5日(金)~7日(日)] ★★★

         「光海、王になった男」が800万人を超え、4週連続1位

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・光海、王になった男(韓国)・・・・・9/13・・・・・・・・・・・・・・・850,012 ・・・・・・・・8,221,003 ・・・・・・・・60,136・・・・・・・867
2(2)・・96時間 Ⅱ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/27・・・・・・・・・・・・・・・271,599 ・・・・・・・・2,094,506 ・・・・・・・・16,017・・・・・・・507
3(6)・・占い師たち(韓国)・・・・・・・・・・・10/03・・・・・・・・・・・・・・・264,966 ・・・・・・・・・・617,463 ・・・・・・・・・4,457・・・・・・・479
4(13)・・メリダとおそろしの森・・・・・・・・9/27・・・・・・・・・・・・・・・188,398 ・・・・・・・・・・963,117 ・・・・・・・・・7,215・・・・・・・478
5(3)・・間諜(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/20・・・・・・・・・・・・・・・・73,413・・・・・・・・・1,255,749 ・・・・・・・・・8,947・・・・・・・296
6(5)・・テッド ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/27・・・・・・・・・・・・・・・・49,642・・・・・・・・・・・217,240 ・・・・・・・・・1,655・・・・・・・204
7(6)・・おおかみこどもの雨と雪(日本)・・9/13・・・・・・・・・・・・・・・24,286 ・・・・・・・・・・297,537 ・・・・・・・・・2,049・・・・・・・124
8(4)・・テッド:黄金都市 ・・・・・・・・・・・・・9/20 ・・・・・・・・・・・・・・・・10,432 ・・・・・・・・・・202,045 ・・・・・・・・・1,426・・・・・・・・96
        パイティティを探して
9(13)・・テイク・ディス・ワルツ ・・・・・・・・9/27 ・・・・・・・・・・・・・・・・・6,291 ・・・・・・・・・・・19,412・・・・・・・・・・・158・・・・・・・・22
10(22)・・ロシアン・ルーレット・・・・・・・10/03・・・・・・・・・・・・・・・・・・5,760・・・・・・・・・・・・・8,670・・・・・・・・・・・・62・・・・・・・108
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 先週速報で「「泥棒たち」は2日午後2時累計で1302万393人となり、韓国映画史上最高を更新した」とお伝えしました。過去最高の「グエムル~漢江の怪物」(2006年)の1301万9740人を上回った」とのことです。しかしこの数字は配給会社ショーボックスによるもので、当ブログが典拠としているKOFICでは目下のところ1297万9250人で、まだ1300万人に到達していません。<スボーツ東亜>の記事(→コチラ)によると、ショーボックス側は映画館入場券統合コンピュータ•ネットワークに加盟していない映画館の分も含めた数字だとのことですが、それは全映画館の0.1%とか。しかし「グエムル」等過去の作品の観客動員数も同じ基準で算定していたのかな? 引用記事を読むと、ショーボックス側は記録達成のために無理して上映を続けるとかやってたとのことですよ。
 さて今回の新登場は10位「ロシアン・ルーレット」だけ。日本では昨年6月に公開されています。原題は「13」で、韓国題は「익스트림 No.13」。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・地上の星のように ・・・・・・・・・・・・・9/06 ・・・・・・・・・・・・・・・・・671 ・・・・・・・・・・・・・19,063・・・・・・・・127・・・・・・・・・・10
2(3)・・ピナ・バウシュ 夢の教室 ・・・・・・・8/30 ・・・・・・・・・・・・・・・・・474 ・・・・・・・・・・・・・17,087・・・・・・・・320・・・・・・・・・・・2
3(3)・・メゾン ある娼館の記憶・・・・・・・・・9/20・・・・・・・・・・・・・・・・・・179 ・・・・・・・・・・・・・・1,441 ・・・・・・・・・10・・・・・・・・・・・5
4(5)・・ボブ・マーリー ルーツ・オブ・レジェンド・・8/02 ・・・・・・・・・・・150・・・・・・・・・・・・・・・8,245 ・・・・・・・・・63・・・・・・・・・・・1
5(4)・・あの頃、君を追いかけた・・・・・・・・8/22 ・・・・・・・・・・・・・・・・・133 ・・・・・・・・・・・・・34,848 ・・・・・・・・247・・・・・・・・・・・4

 コチラのランクも動きに乏しく、4位・5位が入れ替わっただけです。

[韓国語の新語]人気作家・李外秀氏(66歳)は「ワシ打法(トクスリ タボプ)」の「トゥッ統領(トンニョン)」

2012-10-07 23:56:35 | 韓国語あれこれ
 李外秀(イ・ウェス.이외수)氏は、日本では訳書が刊行されていないこともあって知名度は低いですが、韓国では非常に有名な作家で、韓国最大のネット書店YES24が2004年から行っている<ネチズン推薦 韓国の代表作家>では2010年に代表作家に選ばれています。

 私ヌルボも彼のことはよく知らなかったので、何か読んでみるかなとチラッと思ったのですが、40年前に作家デビューと経歴は長いものの、「これだっっ!」という作品が見当たらなかったので、ご本人の「次の作品が代表作」という言葉にしたがい、しばし待つことにしました。

 しかし李外秀氏が近年人気を集めているのは、66歳というお年にもかかわらず、twitter(트위터)の注目度がスゴイ!ということ。
 彼のtwitter(→コチラ)はフォロワー(팔로워.パルロウォ)が今現在1,478,196人ですからねー。
 これは韓国内のフォロワー数順位の第⑥位に位置しています。
ちなみに1~5位は次の通り。
 ①シウォン(Super Junior) 2,718,482
 ②ドンヘ(Super Junior) 2,357,582
 ③イトゥク(Super Junior) 1,747,211
 ④イェソン(Super Junior) 1,623,360
 ⑤ニックン(2PM) 1,495,408

  ※出所は→コチラ(韓国語)。じっくり見ると、おもしろい。いずれ記事にするかな?
   日本語版は→コチラ。(少し違う。)
  ※日本で李外秀氏の数字を上回るのは孫正義(1,757,717)と有吉弘行(1,662,213)の2人だけです。(→コチラ参照。)

 また、→コチラによると、<twitterの影響力順位>では、1位・奇誠庸(キ・ソンヨン)=サッカー選手と、3位・金姸兒(キム・ヨナ)の間の堂々の2位です。

 李外秀のツイッターの中身は、政治・社会分野等々いろいろ。進歩的な性向で李明博政府に対する批判も多く、若年層の支持が多いようです。
 ※あ、2010年産経新聞の黒田勝弘韓国支局長がピビンバを「具とご飯がぐちゃぐちゃになった正体不明のものを・・・」等の表現で皮肉った(?)のに対して、彼は「日本の刺身や寿司は未だに原始的な状態から脱していないものだ」とやり返してましたね。(→本ブログ過去記事参照。)

 最近の彼の本も、ツイッターのように短くて鋭い文章をつづった「ハァハァ(하악하악)」「我不流 時不流(아불류 시불류)」のような本がベストセラーになっています。

 そんな彼のように、ツイッターのフォロワー数が非常に多い文化人やタレントのことを、트위터 대통령(ツイッター大統領)を略して트통령(トゥットンニョン)といいます。
 <ALK>のサイト中の「辞書にない韓国語」にはもう収録されていました。さすが。

 →コチラの記事(韓国語)によると、彼はインターネットが普及する前の90年初めからコンピューターを始めて、PC通信ハイテル(←この7月、20年の歴史に幕を下ろした)のチャットをやっていたそうです。(PC通信、今となっては懐かしいなー。私ヌルボもニフティサーブやってましたよ。)

 ・・・というほどのコンピューターのキャリアはありながらも、李外秀氏、독수리 타법(トクスリ・タボプ.ワシ打法)なのだそうですよ。日本語では、何というのかな? 人差し指打法? 1本指打法? 2本指打法? 要するに、ワシが獲物をつつくのに似ているというわけで、韓国ウィキにもあります。

 あー、実は最近の韓国の作家事情について書こうかなと思っていたのが、全然違う記事になってしまいました。
 しかし、コンピューターとか、とくにツイッター関係となると、やっぱり新語がいろいろあるようですねー。


★この8月に、江原道華川(ファチョン)郡に李外秀文学館ができましたが、ここを大統領候補の与党セヌリ党・朴槿惠(パク・クネ)と、野党・民主統合党・文在寅(ムン・ジェイン)の両氏が相次いで訪れた時の記念写真が最近出回っています。(→コチラ。)
 李外秀氏の表情が、相手によってこんなにも違うか!?と注目されています。