ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [6月26日(金)~6月28日(日)]

2015-06-30 22:45:59 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 この1週間はいろいろ忙しかった上に、昨日の肌寒さで風邪をひいたり、中日ドラゴンズは連敗街道まっしぐらだし、ということで絶不調で映画鑑賞もゼロ。まあ熱も引いたし回復には向かっているんですけどね。
 で、部屋の中を歩き回ったりして(←物が散らかっているので簡単なことではない)たまたま目に入ったのがこの本。
 李栄一+佐藤忠男「韓国映画入門」(凱風社.1990)。いやー、これは良い本です! 1898年といわれる韓国最初の公開上映に始まる韓国での映画ずいぶん詳細に書かれ(第一章.李英一)、第二章は「日本映画に描かれた韓国・朝鮮人」(佐藤忠男)、続いて第三章では「アリラン」(1926)から「狼の好奇心が鳩を盗んだ」(1989)まで62本の韓国映画がそれぞれ2~3ページを充てて紹介されていいます。過日韓国文化院で上映された韓国映画10作品中6作品がそこに含まれています。そういえば、先週の記事で「久しぶりに観て価値を再認識した」と書いた「馬鹿たちの行進」が表紙に使われていますね。そして最後の第四章では佐藤忠男先生が「韓国映画の精神」について「旅人は休まない」等の具体的作品に基づいて論を展開しています。
 「入門」としながらも、内容的にはそれをはるかに超えたもので、四半世紀経った今でも十分な価値のある本だと思うのですが、なぜか刊行からほどなくして書店から姿を消してしまいました。(以前そのわけを聞いたような気もしますが、アタマに残っていません。) 今、古書としてもあまり出回っていないようです。ある通販サイトでは3千円の値がついていましたが、私ヌルボがもしこの本を持っていなかったら迷わず買うところです。

 90年代初め頃の映画関係でもう1つ思い出したのがこの本です。(下左)
            
 中野茂樹「植民地朝鮮の残影を撮る」(岩波ブックレット)です。これも刊行は1990年。1992年初めて韓国に行った時にこの本を持っていきました。そしてこの映画館の写真(上右)を見に行ったのですが、正面で写真を撮っていると、1人のオジサンが近づいてきて「何を撮ってるんだ?」と(たぶん)訊ねるので、このページを見せたことを憶えています。しかし、その映画館の名前も場所も思い出せなくなってしまいました。で、今日横浜市立図書館で借りて見てみると、乙支路4街の国都劇場。関連情報をネット検索すると元はといえば「1913年から1999年まであった映画館」で、日本の統治自体には黄金座といったとのこと。え!?1999年になくなっちゃったのか! で、その跡地に建てられたのがベストウェスタンプレミア ホテル国都。「国都」の文字を名称に残しているというわけです。このレベルのホテルとは無縁だし、気づきませんでした。考えてみれば、この本の表紙の旧朝鮮総督府の建物からしてその後まもなく取り壊されたわけで、いろんなことが変わったのも当然といえば当然。とくに90年代以降の韓国ハ「大変化」といっていいほどの急速な変貌の時代となったわけだし・・・。

「朝鮮日報」6月26日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

 「延坪海戦」

   祭の中の戦争とは皮肉 ★★★★


 「少数意見」

   公権力とは何かを問う ★★★☆


 「ネイドゥン」

   数学天才の孤独な闘争 ★★★☆


 「私の親しい悪党たち」

   より緩く、より荒唐無稽 ★★★

「ネイドゥン」(仮)はイギリス映画で数学の天才ネイドゥン少年の物語。彼にとって特別な存在だった父が突然交通事故で世を去った後、閉ざされた息子の心の扉を開くために努力する母と、昔はやはり数学の天才だったが今は心身を病んでいる数学の先生の支えで彼は国際数学オリンピックのイギリス代表に選ばれ、台湾で開かれる合宿に参加しますが、そこで中国少女と出会って数式では解けない感情(笑)を抱いたりして・・・。日本公開はあるとしてもずっと先? 他の3作品はすべて以下の記事中に説明があります。「延坪海戦」で「祭」というのは後述のように2002年ワールドカップのこと。

           ★★★ Daumの人気順位(6月30日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①プロジェクト・イーグル  9.4(35)
②チャップリンの独裁者  9.3(37)
③戦場のピアニスト  9.3(572)
④ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ  9.2(126)
⑤トラッシュ!-この街が輝く日まで-  8.7(84)
⑥少数意見(韓国)  8.7(706)
⑦言えない秘密  8.7(2600)
⑧マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.7(1834)
⑨サード・パーソン  8.6(101)
⑩ファインディング・ビビアン・マイヤー  8.5(30)

 ⑥「少数意見」がこのランキングに新しく入りましたが、新登場の作品はありません。

     【専門家による順位】

①マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.8(9)
②リヴァイアサン  8.6(5)
③セッション  8.4(7)
④ひと夏のファンタジア(韓・日)  8.0(7)
⑤バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)  7.4(7)
⑥雪の轍(わだち)  7.3(3)
⑦少数意見(韓国)  7.2(4)
⑧生きる(韓国)  7.1(8)
⑨無頼漢(韓国)  7.0(8)
⑩スパイ  7.0(5)

 こちらも新登場はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[6月26日(金)~6月28日(日)] ★★★

         6月恒例の国防意識涵養映画「延坪海戦」、出足好調で1位

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(49)・・延坪海戦(韓国) ・・・・・・・・6/24・・・・・・・・・・・1,105,428 ・・・・・・・・1,438,343・・・・・・・・11,114・・・・・・・1,013
2(1)・・ジュラシック・ワールド ・・・・6/11・・・・・・・・・・・・641,589・・・・・・・・・4,446,210・・・・・・・・39,126 ・・・・・・・・674
3(2)・・極秘捜査(韓国)・・・・・・・・・・6/18・・・・・・・・・・・・505,925・・・・・・・・・2,191,705・・・・・・・・17,309・・・・・・・・・661
4(10)・・少数意見(韓国)・・・・・・・・・6/24・・・・・・・・・・・・139,221 ・・・・・・・・・・215,474・・・・・・・・・1,628・・・・・・・・・398
5(47)・・テッド2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・6/25 ・・・・・・・・・・・・71,494・・・・・・・・・・・・89,966 ・・・・・・・・・・737 ・・・・・・・・297
6(45)・・私の親しい悪党たち(韓国)・・・6/11 ・・・・・・・・66,102・・・・・・・・・・・・96,765 ・・・・・・・・・・774 ・・・・・・・・375
7(新)・・ジャングル・バンチ ・・・・・・6/25 ・・・・・・・・・・・・26,373・・・・・・・・・・・・27,941 ・・・・・・・・・・202 ・・・・・・・・247
          :タヌキ海賊団と宝の地図
8(新)・・デモニック ・・・・・・・・・・・・・・6/25 ・・・・・・・・・・・・21,031・・・・・・・・・・・・28,459 ・・・・・・・・・・219 ・・・・・・・・146
9(3)・・京城学校:消えた少女たち(韓国)・・6/18・・・・・19,724 ・・・・・・・・・・344,926・・・・・・・・・2,664・・・・・・・・・274
10(6)・・映画 深夜食堂(日本) ・・・・6/11・・・・・・・・・・・・18,890・・・・・・・・・・・・83,494 ・・・・・・・・・・659・・・・・・・・・・83
      ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・5・6・7・8位の5作品です。
 1位「延坪海戦」は、国中がワールドカップで盛り上がっていた2002年6月の、韓国とトルコの3位決定戦が行われていた29日、北朝鮮の警備艇2隻が黄海の北方限界線(←北朝鮮側は認めていない)を侵犯し、韓国海軍も哨戒艇2隻を派遣して計4隻の艦艇が接近した時北朝鮮側が発砲し、双方の間で銃撃戦が展開されました。韓国側はこの交戦により6人が死亡し、北朝鮮側は死亡13人と報告されています。ところが、→ウィキペディアの説明にもあるように、連日テレビはワールドカップ一色でこの事件には関心が向けられず、金大中・盧武鉉と続く進歩系大統領は殉職軍人の一周忌や2007年まで行われた追悼式典にも列席することがなく、遺族・関係者は空しい思いを抱えてきたとのことです。それが(ここでも)保守の李明博政権以来状況が変わってきて、ここに映画が作られるに至った、というわけです。で、この作品はチェ・スンジョの小説「延坪海戦」をモチーフに6人の戦死者の話を描いている、ということです。韓国内でも、進歩系の一部(?)からは批判の声があるようですが、→<Kstyle>の記事によると、北朝鮮が「傀儡の極右集団が韓国の軍事的な挑発で起こった西海の武装衝突事件を歪曲、捏造した不純で反動的な映画、反共和国を批判する映画だ」等々と非難の声を上げたというのも「ヤッパリね」です。原題は「연평해전」です。
 5位「テッド2」は、好評だった前作(2012)の続編。ジョンが8歳の時から30年の間友情を育んできたテッドでしたが、彼は「人」ではなく「物」であるという裁判所の判決でメンタル崩壊に陥ってしまいます。そこではジョンと共に自分の人権(?)を立証するために勝率99.8%という弁護士サマンサ(アマンダ・セイフライド)を訪ねるのですが・・・。韓国題は「19곰 테드 2」、日本公開は8月28日です。
 6位「私の親しい悪党たち」は韓国の犯罪アクション・コメディ。見習いのジヌ(リュ・スンボム)は、初めて下された任務で失敗してしまいます。これまで監視し続けてきた車両の移動ラインの把握と報告なのですが、後をつけていた車が大型トラックに衝突する事故に逢ってしまったのです。一方、事故処理のために駆けつけたレッカー車の運転手ナミ(コ・ジュニ)は半壊した車両から怪しいカバンを発見します。ジヌもそのカバンの正体を知って中身を山分けすることに。しかし、このカバンを取り戻そうとする一党の標的になり、危険極まりない状況に置かれた2人は彼らの追跡に立ち向かうため、さらに悪質な悪党になろうと決心するのですが・・・。原題は「나의 절친 악당들」です。
 7位「ジャングル・バンチ:タヌキ海賊団と宝の地図」は、フランスのアニメシリーズの第2作。前作は2013年韓国で公開されましたが、日本では未公開です。今回も主人公は偶然ジャングルで生まれて野生の猛獣に成長したタイガーペンギンのモリス(←皮膚が虎柄になっている!)。物語は、タヌキのスージーが父親が残してくれた神秘の宝物地図をタヌキ海賊団に奪われたところから始まります。ジャングルを守るモリスと仲間たちはスージーを助けて地図を取り戻し宝物を手に入れることができるか?というもののようです。韓国題は「정글번치: 너구리 해적단과 보물지도」です。
 8位「デモニック」(仮)は、「死霊館」(2013)、「アナベル 死霊館の人形」(2014)に続くジェームズ・ワン製作のホラーの完結編。「死霊館」で描かれた陰惨な出来事から25年。入るな・触るな・語るなとされてきたその廃屋に6人の若者がやってきて・・・、そりゃヤバイだろ、ってことがないと始まらないからなー。一応原題(&韓国題)のままに仮題をつけておきましたが、日本でも不確実情報によれば2016年に公開されるようで、となると独自の邦題がつけられるのでは? 韓国題は「데모닉」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・デモニック ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/25 ・・・・・・・・・・・・・21,031・・・・・・・・・・・・28,459・・・・・・・・・・・・219・・・・・・・・146
2(1)・・映画 深夜食堂(日本)・・・・・・・・・・・・・6/18 ・・・・・・・・・・・・・18,890 ・・・・・・・・・・・・83,494・・・・・・・・・・・・659 ・・・・・・・・83
3(2)・・ひと夏のファンタジア(韓・日)・・・・・・・6/11・・・・・・・・・・・・・・2,944・・・・・・・・・・・・・20,297 ・・・・・・・・・・・160・・・・・・・・・39
4(3)・・戦場のピアニスト ・・・・・・・・・・・2003/1/01・・・・・・・・・・・・・・1,174・・・・・・・・・・・・・・7,797・・・・・・・・・・・・・63・・・・・・・・・10
5(24)・・君が生きた証 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/09・・・・・・・・・・・・・・1,104・・・・・・・・・・・・・・1,310・・・・・・・・・・・・・・9・・・・・・・・・・6

 今回の新登場は1・5位の作品です。
 1位「デモニック」については上述しました。
 5位「君が生きた証」は、日本では今年2月に公開されています。韓国題は原題のままで「러덜리스(Rudderless)」です。
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グルメやショッピングとはぜ~んぜん無縁のソウル4泊5日の記録 ⑨韓国歴史博物館の音楽関係の展示

2015-06-24 23:34:34 | 韓国旅行の記録
 歌関係の展示は、映画よりも多かったと思いますが、駆け足で見たので写真を撮ってない展示物も多く、また見落としもあったと思います。
 韓国大衆歌謡の最初のヒット曲は、李エリス「荒城の跡(황성옛터)」(1932)で、白年雪「타향살이(他郷暮らし)」(1934)、そして今も愛唱されている李蘭影「木浦の涙(목포의 눈물)」(1935)等と続きます。・・・が、これらについての展示物があったかなー?
 ・・・ということで、戦後から。といっても、朝鮮戦争(1950~53)の戦後です。以下、時代順に見ていきます。
 まず、同じ所に並べて展示されていた2枚。
       
 左の「굳세어라 今順아(がんばれ、クムスン)」については、2つ前の記事<1950年代韓国のヒット歌謡「がんばれ、クムスン」と、映画「国際市場で逢いましょう」>で書きました。1953年に玄仁(ヒョン・イン)の歌で発売されたレコードです。右は1955年の「단장의 미아리고개(断腸のミアリ峠)」。歌は李海燕(イ・ヘヨン)で、これも「がんばれ、クムスン」同様朝鮮戦争に関連した歌詞です。
 この2曲は朝鮮戦争に直接関わる歌詞になっています。これら昔の韓国歌謡については<たーちゃんの韓国歌日記2>という非常に詳しいブログがあります。そこの「断腸のミアリ峠」の記事(→コチラ)に記されているように、朝鮮戦争当時ソウルの北東部のミアリ峠は軍事的にも重要な地点で、激しい戦闘があったそうです。歌詞中に「あなたは針金で両手をぎゅっと縛られたまま 後ろを振り返り振り返り 裸足で足を引きずりながら行かれた」とありますが、捕虜として北に連行されていったということでしょうか。
 補足ですが、この地は「戦後は一時ミアリテキサス村という売春街ともなっていたこともあるが・・・」とかなり昔の話のような書き方をされていますが、地下鉄吉音駅至近のこの「街」については→コチラのブログ記事によると、少なくとも2013年秋の時点ではそこに掲載の写真のような状況です。[付記.2017年12月もほぼ変わらず。清涼里588と対照的。] もっと具体的で詳しい記事もあります。興味のある人は探してみてください。) なお、上記ブログの「がんばれ、クムスン」の記事は→コチラです。

 さて、ある韓国の音楽評論家の記事を見ると、韓国の<国民歌手>といえば「50年代=玄仁(ヒョン・イン)」に続いて「60年代=李美子(イ・ミジャ)」なのだそうです。さらには「70年代=宋昌植(ソン・チャンシク)」「80年代=趙容弼(チョ・ヨンピル)」。70年代など異論はありそうですが・・・。
 ・・・ということで、次は<トロット(演歌)の女王>とか<韓国の美空ひばり>とよばれる李美子「동백아가씨(トンベクアガシ.椿娘)」(1964)あたりかなと思いましたが、ずっと後の方、70年代を中心とした所で他のいろんな歌手とまとめて展示されていました。
      
 真ん中のライトで照らされているのは「趙容弼 第1集」(1980)アルバム。趙容弼の現在の姿(下画像)を見るとずいぶん変わったなーと思います。

 で、上の趙容弼のレコードの左上。3枚並んでいるのは・・・。
 左から羅勲児(ナ・フナ)李美子南珍(ナム・ジン)です。「羅勲児と南珍、どちらが上か?」というのは映画「国際市場で逢いましょう」の中でも議論になってましたね。
 また、趙容弼のレコードの右に置かれているレコードはこれ。
 李章熙(イ・ジャンヒ)「그건 너(それはおまえ)」(1973)です。数年前から再び注目されている、フォークブームの震源地となった音楽鑑賞室<セシボン>の歌手で、TV番組「不朽の名曲」に出演したり(→コチラ参照)、23年ぶりとなる公演がMBCで放映されたりしています。(→コチラ参照)
 趙容弼のレコードの真上に並んでいるのは次の3枚です。コチラはフォーク系。 
          
 左から金敏基(キム・ミンギ)「キム・ミンギ(1集)」(1971)楊姫銀(ヤン・ヒウン)「アチミスル(朝露)」(1971)宋昌植(ソン・チャンシク)「ソン・チャンシク」(1975)。いやー、なかなかの顔ぶれ。これらのレコードの収録曲についてはあえてふれませんが、韓国の民主化運動を象徴する歌となった「朝露」をはじめとする彼らの歌の多くがその後禁止されたこと(1987年解禁)は、当時の軍事政権の文化政策の厳しさを思わざるをえません。しかしそれらが大きな影響力を持ち、歌い継がれてきたのは歌の持つ力というべきですね。
 ※楊姫銀については、以前3回続きのけっこう詳しい記事(→コチラ)を書きました。

 次の↓コチラの展示は今は懐かし、ジュークボックス。
     
 たまたまかかっていた歌が沈守峰(シム・スボン)「그 때 그 사람(その時その人)」(1978)。彼女のデビュー曲ですが、その直後の1979年10月26日朴正熙大統領の暗殺現場に居合わせていて・・・、という話は日本ではどれほど知られているのかな? 彼女の名前からして知られていない?

 次は80年代。といっても音楽関係の展示ではありません。
      
 これは1987年の<6月抗争>についての展示物。
左は<朴鍾哲・李韓烈追慕祭>のビラ。官憲の拷問、そしてデモ鎮圧の催涙弾によって死亡した学生です。
 そして同じところに掲げられていた展示物が日本でも知名度が高い金芝河(キム・ジハ)の詩「타는 목마름으로(灼けつく喉の渇きに)」でした。長いですが、全文載せておきます。
          타는 목마름으로
               김지하
 신새벽 뒷골목에
 네 이름을 쓴다 민주주의여
 내 머리는 너를 잊은 지 오래
 내 발길은 너를 잊은 지 너무도 너무도 오래
 오직 한 가닥 있어
 타는 가슴 속 목마름의 기억이
 네 이름을 남몰래 쓴다 민주주의여.

 아직 동트지 않은 뒷골목의 어딘가
 발자욱 소리 호루락소리 문 두드리는 소리
 외마디 길고 긴 누군가의 비명소리
 신음소리 통곡소리 탄식소리 그 속에 내 가슴팍 속에
 깊이깊이 새겨지는 네 이름 위에
 네 이름의 외로운 눈부심 위에
 살아오는 삶의 아픔
 살아오는 저 푸르른 자유의 추억

 되살아오는 끌려가던 벗들의 피묻은 얼굴
 떨리는 손 떨리는 가슴
 떨리는 치떨리는 노여움으로 나무판자에
 백묵으로 서툰 솜씨로
 쓴다.

 숨죽여 흐느끼며
 네 이름을 남 몰래 쓴다.
 타는 목마름으로
 타는 목마름으로
 민주주의여 만세.

          灼けつく喉の渇きに
                金芝河
 夜明けの裏通りに
 お前の名を書く 民主主義よ
 わが頭がお前を忘れてから久しい
 わが足がお前を忘れてからあまりにも久しい
 ただ一筋ある
 胸を焦がして渇望した記憶が
 お前の名を人知れず書く 民主主義よ

 まだ夜も明けない裏通りのどこかで
 足音 呼び子の音 戸を叩く音
 長く長い誰かの悲鳴
 呻き声痛哭する声嘆息する声その中で私の胸の中に
 深く深く刻まれるお前の名の上に
 お前の名の寂しい眩しさの上に
 生きてきた人生の痛み
 生きてきたあの蒼い自由の追憶

 甦る引き摺られ捕らわれていく友の血にまみれた顔
 震える手震える心
 震える怒りで木板に
 白墨で不慣れな手つきで
 書く。

 息を殺してむせびながら
 お前の名を人知れず書く。
 灼けつく喉の渇きに
 灼けつく喉の渇きに
 民主主義よ 万歳

 この詩が作られたのは1970年代ですが、この表題で1982年彼の詩集が刊行され、そして曲が付けられて80年代の民主化運動の中でよく歌われました。この展示場所にも、金光石(キム・グァンソク)の歌が流れていました。(歌詞は元の詩とは少し違っています。)
 私ヌルボがこの詩と歌についてかなり詳しく書いたのは、この詩と歌が好きだから・・・ということよりも、その後の金芝河の「変節」(東学に没入し、「ウルトラ民族主義者になってる」とか、「ファシスト」と批判する人もいる)や、1996年1月のキム・グァンソクの自殺(他殺説もあるが)、さらにはこの歌を愛唱した盧武鉉大統領(YouTubeにある)の政治と自殺等々といった時代の流れをたどると実に「無惨」としかいいようのない思いに襲われるからです。あーあ・・・。

 韓国の歌謡史のその後の画期は、たぶん1992年のソテジワアイドゥルの登場あたりになると思われますが、そこらへんの展示はまだなかったのではないかな?

 この博物館の展示関係のネタはまだあることはありますが、もう2ヵ月も経っていることだし、ひと区切りつけることにします。やれやれ。
コメント (2)
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [6月19日(金)~6月21日(日)]

2015-06-23 23:47:27 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 韓国文化院で開催された<1960・70年代日韓名作映画祭>には7日間通い、韓国映画8本と日本映画2本を観てきました。で、一番良かったのが「裸の島」(1960)。お母さん役以前の乙羽信子の魅力を初めて知りました。もう1つの日本映画「早乙女家の娘たち」(1962)もなかなか良かった。ゲストの香川京子さんも品のある話し方&佇まいで、◎!。
 韓国映画については書けば長くなるので、とりあえずは久しぶりに観て価値を再認識した「馬鹿たちの行進」について。維新体制まっただ中の1975年に作られ、検閲で20分以上カットされたとのことですが、それでも当時の若者の大きな支持を得たことがわかります。(ちなみに現在の<DAUM映画>のネチズン平均評点も9.0という高ポイントです。)取締りの対象とされた長髪の男子の側に明確に立っているし、政治的なネタはないものの、その後の民主化闘争につながる要素が胚胎していることが感じられます。そういえば、20年近く前(?)に観た時は、宋昌植(ソン・チャンシク)による挿入歌の「고래 사냥(鯨とり)」「왜 불러(なぜ呼ぶんだ)」が禁止歌になったことはおろか宋昌植という歌手の名前も知らなかったなー。そして今回初めて知ったのが下左の画面。
              
 映画が始まって3分ちょっと。大学の建物にズームインしていくのですが、あれ?ここはついこの前見たゾ! 4月に行った慶熙大学校本館(右の画像)ではないですか! 撮影当時ここが一番キレイでリッパだったので撮ったのだそうです。その他、いろいろ当時の街や風俗等々についてわかったのも収穫でした。

 6月19日の「毎日新聞」に<MERS、韓国経済直撃 外出自粛、観光客も激減>という見出しの記事が載っていました。
      
 そこに掲げられていた数字(上画像)を見ると、映画館は前年比5割以上も減。「どうしても観たい映画」はさほど減っていないようですが、その次レベルくらいの作品の落ち込みが目につきます。

「朝鮮日報」6月19日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「極秘捜査」
   美しい信頼心があった ★★★★


 「深夜食堂」

   味わい深い人生と慰労 ★★★☆


 「令嬢ジュリー」

   映画と演劇の境を崩す ★★★☆


 「京城学校:消えた少女たち」

   どんな映画か要領得ず ★★☆

※上記4作品はすべて以下の記事中に説明があります。

           ★★★ Daumの人気順位(6月23日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①プロジェクト・イーグル  9.4(33)
②チャップリンの独裁者  9.3(37)
③戦場のピアニスト  9.3(566)
④ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ  9.2(122)
⑤トラッシュ!-この街が輝く日まで-  8.8(82)
⑥マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.7(1755)
⑦言えない秘密  8.7(2599)
⑧サード・パーソン  8.6(101)
⑨ファインディング・ビビアン・マイヤー  8.5(30)
⑩チャイルド44 森に消えた子供たち  8.5(42)

 ①と③が新登場ですが、いずれも旧作の再上映。ベストテン中半分が旧作になってしまいました。。
 ①「プロジェクト・イーグル」は、1991年公開のジャッキー・チェンのアクション映画の再上映。韓国題は「용형호제 2 – 비룡계획」です。
 ③「戦場のピアニスト」は2002年公開のポランスキー監督作品の再上映。韓国題は「피아니스트」です。

     【専門家による順位】

①マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.8(9)
②リヴァイアサン  8.6(5)
③セッション  8.4(7)
④ひと夏のファンタジア(韓・日)  8.0(7)
⑤バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)  7.4(7)
⑥雪の轍(わだち)  7.3(3)
⑦生きる(韓国)  7.1(8)
⑧極秘捜査(韓国)  7.1(6)
⑨無頼漢(韓国)  7.0(8)
⑩スパイ  7.0(5)

 ⑨「極秘捜査」が新登場です。この作品については後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[6月19日(金)~6月21日(日)] ★★★

         韓国映画「極秘捜査」が大健闘の2位

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・ジュラシック・ワールド ・・・・6/11・・・・・・・・・・・1,065,628 ・・・・・・・・3,416,239・・・・・・・・30,275 ・・・・・・1,022
2(15)・・極秘捜査(韓国)・・・・・・・・・6/18 ・・・・・・・・・・・・981,408 ・・・・・・・1,1169,808・・・・・・・・・9,477・・・・・・・・894
3(新)・・京城学校:消えた少女たち(韓国)・・6/18 ・・・201,615・・・・・・・・・・258,030・・・・・・・・・2,020・・・・・・・・489
4(2)・・カリフォルニア・ダウン・・・・・6/03・・・・・・・・・・・・・95,908・・・・・・・・・1,669,690・・・・・・・・14,088・・・・・・・・357
5(3)・・マッドマックス・・・・・・・・・・・・・5/14・・・・・・・・・・・・・48,494・・・・・・・・・3,792,742・・・・・・・・32,503・・・・・・・・229
         怒りのデス・ロード
6(61)・・映画 深夜食堂(日本) ・・・・6/11 ・・・・・・・・・・・・33,462・・・・・・・・・・・・40,903 ・・・・・・・・・・332・・・・・・・・180
7(4)・・スパイ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/21・・・・・・・・・・・・・30,344・・・・・・・・・2,300,906・・・・・・・・18,282・・・・・・・・196
8(新)・・かけがえのない人 ・・・・・・・6/18・・・・・・・・・・・・・・5,569・・・・・・・・・・・・・8,023 ・・・・・・・・・・・62・・・・・・・・118
9(5)・・姦臣(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・5/21・・・・・・・・・・・・・・4,347 ・・・・・・・・・1,107,277・・・・・・・・・8,925・・・・・・・・113
10(新)・・少数意見(韓国)・・・・・・・・・6/24・・・・・・・・・・・・・・3,980・・・・・・・・・・・・10,370・・・・・・・・・・・・69・・・・・・・・・15
      ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「ジュラシック・ワールド」は早くも300万人突破。また、ずっと沈滞気味だった韓国映画が4作入っていますが、中でも極秘捜査の数字はMARS騒ぎの中で注目に値します。
 今回の新登場は2・3・6・8・10位の5品です。
 2位「極秘捜査」は、1978年釜山で社長の娘のチョン・ヒョジュちゃんという国民学校2年の女の子が誘拐されたという事件をモチーフにした犯罪ドラマ。初めて<催眠捜査>(!)が導入され、盧泰愚大統領が談話を発表する等非常な関心を集めた事件だったとのことです。この映画は、ひと月あまり後に無事解決したこの事件に大きな役割を果たしながらもあまり知られていない2人にスポットをあてた作品です。誘拐された子供の両親の希望で担当になったコン・ギルヨン刑事(キム・ユンソク)と子供の無事を告げた例外的な導師のキム・ジュンサン(ユ・ヘジン)の2人です。キム導師の「まだ生きている。15日後に犯人から連絡があるだろう」との占いの通り15日後犯人から連絡が入ります・・・。原題は「극비수사」です。
 3位「京城学校:消えた少女たち」は韓国のミステリー、というか、季節物の怪談(?)というか・・・。
舞台は日本統治時代の京城の、外部から隔絶された寄宿学校。ある日から学生たちに異常な症状が少しずつ現れはじめ、やがてその学生たちが影もなく消え去ってしまいます。チュラン(パク・ボヨン)は消えた少女たちを目撃しますが、誰も彼女の言葉を信じてくれず学校の日常が過ぎる中、チュランにも消えた少女たちと同じような症状が・・・。原題は「경성학교: 사라진 소녀들」です。
 6位「映画 深夜食堂」は、韓国では原作漫画も日本のドラマ(韓国では<일드>)も人気で、おまけに6月27日からSBSが土曜日の深夜ドラマとしてリメイク版を放映予定だそうです。で、この映画の方も当初から注目度は高いというわけです。韓国題は「심야식당」です。
 8位「かけがえのない人」は、「きみに読む物語」の作家ニコラス・スパークスのベストセラー「The Best Of Me」(2011.未訳)の映画化作品。高校時代、熱烈に愛し合った恋人アマンダ(ミシェル・モナハン)とは予想もつかない事故で別れることになったドーソン(ジェームズ・マースデン)は、20年後海上の石油採掘基地で働いています。ところが爆破事故からの奇跡的な生還を契機にアマンダと再び会うことに。そして新しい物語が始まる、のかな? 韓国題は「베스트 오브 미」。日本公開は8月22日です。
 10位「少数意見」は、2009年1月の<龍山惨事>の裁判をめぐるドラマです。龍山惨事とは、再開発地域住民たちが業者の一方的な立ち退きに抗議して雑居ビル屋上に立てこもっていたところ、警察が排除・鎮圧を強行し、その過程で発生した火災で住民5人と警察特攻隊員1人が死亡した事件です。翌2月に検察側は火災原因は籠城中の撤去民が投棄した火炎瓶をによるものとの捜査結果を発表し、その後撤去民5人を拘束起訴しました。裁判は結局2010年11月撤去民など関連者9人全員の有罪が確定して終結しましたが、その過程でもさまざまな「ドラマ」がありました。
この映画は、現場で16歳の息子を失った上、警察を殺した現行犯で逮捕された撤去民パク・ジェホ(イ・•ギョンヨン)の弁護を担当することになった国選弁護士ユン・ジヌォン(ユン・ゲサン)を中心に物語が展開します。警察の記録は弁護士にも遮断され、検察は事件の操作・隠蔽をはかる中、ジンウォンは「100ウォン国家賠償請求訴訟」という果敢な選択をするのですが・・・。(2013年にはこの<惨事>に関係して「二つの扉」というドキュメンタリーが公開されました。) 原題は「소수의견」です。 ※→「東亜日報(日本語版)」の記事と→「ハンギョレ(日本語版)」の記事はやっぱり対照的。なお裁判についての参考記事(日本語)は→コチラ

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(25)・・映画 深夜食堂(日本)・・・・・・・・・・・・6/18 ・・・・・・・・・・・・・33,462 ・・・・・・・・・・・・40,903・・・・・・・・・・・・332 ・・・・・・・180
2(2)・・ひと夏のファンタジア(韓・日)・・・・・・・6/11・・・・・・・・・・・・・・3,874・・・・・・・・・・・・・13,917 ・・・・・・・・・・・113・・・・・・・・・39
3(新)・・戦場のピアニスト ・・・・・・・・・・2003/1/01・・・・・・・・・・・・・・3,089・・・・・・・・・・・・・・4,229・・・・・・・・・・・・・35・・・・・・・・・22
4(1)・・エレファント・ソング・・・・・・・・・・・・・・・・6/11・・・・・・・・・・・・・・1,754・・・・・・・・・・・・・11,957・・・・・・・・・・・・・94・・・・・・・・・22
5(新)・・令嬢ジュリー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/18・・・・・・・・・・・・・・1,209・・・・・・・・・・・・・・2,125・・・・・・・・・・・・・16・・・・・・・・・30

 今回の新登場は1・3・5位の3作品です。
 1・3位の作品については上述しました。
 5位「令嬢ジュリー」(仮)は、スウェーデンの劇作家ストリンドベリの悲劇を翻案した(?)ノルウェーとイギリス合作のドラマ。原作では舞台はスウェーデンですが、この映画では1890年のアイルランド。夏至祭を迎え、貴族の娘ジュリーは使用人のジョンをダンスに誘います。幼い頃から彼女に憧れながらも、身分の違いが心の障壁になっていた彼には想像もできなかったことで、婚約者のキャサリンがいるのにジョンはジュリーに恋心を告白して2人は一晩を過ごすようになりますが、翌日新しい生活を夢見るジュリーに対し、ジョンは彼女を身分上昇の道具として利用しようとしているようで、両者の間には亀裂が生じます・・・。韓国題は「미스 줄리」。日本公開は未定のようです。
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1950年代韓国のヒット歌謡「がんばれ、クムスン」と、映画「国際市場で逢いましょう」

2015-06-22 13:28:25 | 韓国の音楽
 今回の記事のきっかけは、4月大韓民国歴史博物館で見たこの展示物です。

 朝鮮戦争(1950~53)の直後に大ヒットした2つの歌のレコードです。
 上は「断腸의 미아리고개」。1955年李海燕(イ・ヘヨン)の歌で発売された「断腸のミアリ峠」です。フムフムこれは知ってるゾというわけで下に目を移すと、コチラの曲名は「굳세어라 今順아」です。今順の読みは금순(クムスン)。あれ、「がんばれ、クムスン」ではないの!?
 「がんばれ、クムスン」といえば、ペ・ドゥナ主演の映画「頑張れ!グムスン」(2002)や、ハン・ヘジン主演のドラマ「がんばれ!クムスン」(2005)を思い出す人が多いでしょう。実は私ヌルボもその1人でした。で、後で調べてみたら原題は同じでも内容はどれも関係がありません。というか、1953年玄仁(ヒョン・イン)の歌った大ヒット歌謡のタイトルだけを取って映画やドラマを作ったということ。(こんな例は他にも何かあったような・・・。)
 で、この歌の動画を探すといろいろヒットしましたが、玄仁(ヒョン・イン)の歌で、発表当時に近いバージョンのものを貼っておきます。

 歌詞は次の通りです。
  눈보라가 휘날리는 바람찬 흥남부두에
   吹雪が吹き荒れる 風の冷たい興南(フンナム)埠頭で
  목을 놓아 불러봤다 찾아를 봤다
   声をかぎりに呼んで捜した
  금순아 어디로 가고 길을 잃고 헤매었더냐
   クムスンよ どこへ行って 道を見失って迷ったのか
  피눈물을 흘리면서 일사이후 나홀로 왔다
   血の涙を流しながら 「1.4(イルサ)」以後自分一人で来た

  일가친척 없는 몸이 지금은 무엇을 하나
   一家親戚のいない身が 今は何をしているか
  이내 몸은 국제시장 장사치기다
   このわが身は国際市場で商売をしている
  금순아 보고 싶구나 고향꿈도 그리워진다
   クムスンよ 会いたいな 故郷の夢も 懐かしい
  영도다리 난간위에 초생달만 외로이 떴다
   影島(ヨンド)橋の欄干の上で 三日月だけがさびしく浮かぶ

  철의 장막 모진 설움 받고서 살아를 간들
   鉄のカーテン ひどい悲しみを被って生きてきた
  천지간에 너와 난데 변함 있으랴
   天地の間にお前と俺なのに 変わりがあろうか
  금순아 굳세어다오 북진통일 그날이 오면
   クムスンよがんばれ 北進統一その日が来れば
  손을 잡고 웃어나 보자 얼싸안고 춤도 춰보자
   手を取って笑ってもみよう 抱きしめて踊ってもみよう


 興南は、現在北朝鮮の日本海に面した咸興市に属する港湾都市で、朝鮮戦争中一時は韓国&国連軍が占領していたが、その後中国の人民解放軍参戦で戦局は逆転して中朝軍は再度南進して1950年12月24日には興南埠頭から最後の米軍の高速輸送船が多数の避難民を乗せて撤収しました。
 国際市場は、釜山の有名な市場、影島は釜山港の向かい側の、橋で繋がっている島。
 なお、歌詞中の「1.4(イルサ)」とは「1.4後退(일사후퇴)」のこと。これは1951年1月4日の中朝軍によるソウルの再占領に基づく言葉で、「興南撤収作戦が1.4後退の始まり」のように、連合軍側の大規模な退却の意味で用いられています。
 ※「北侵統一」は後に「南北統一」と変えて歌われるようになっています。

 ・・・と、韓国では900万人に迫る観客を動員した大ヒット映画で、日本でもこの5月から公開されている「国際市場で逢いましょう」を観た人なら、上述の歌詞をざっと目を通しただけで、「なんだ、映画そのまんまじゃん」(ヌルボは横浜人)と思うでしょう。まさにその通り。
 実は、日本では認知度が高くないようですが、Mnet「SUPER STAR K6」の優勝者のクァク・ジノンと準優勝のキム・ピルが「国際市場で逢いましょう」のOSTを歌っているのですが、その曲が上記の「がんばれ、クムスン」のリメイクなんですね。ずいぶんフンイキが違うので、最初聴いた時同じ歌とは思えませんでした。

 ↑これに映画冒頭の興南撤収のシーンが用いられていますが、この部分はCGが多用されています。
    
 左が当時撮影の写真で、右が映画のCG映像の一場面です。

 最初、<韓国歴史博物館の音楽関係の展示>の記事として書き始めたのが、たまたまこの歌の歌詞を見、たまたま観た「国際市場で逢いましょう」との関連を知ったのでこの記事を独立させました。こんなことやってるからなかなか記事更新が進みません。あーあ。

 おまけ。1956年にデビューしたウンパンウル(銀滴)姉妹の歌は→コチラ。「北侵統一」と歌っています。
 おまけ2。2008年KBSの「火曜舞台」でおなじみの周炫美(チュ・ヒョンミ)もこの歌を歌っています。→コチラ。ここでは「南北統一」です。また歌詞の最後の「笑ってみよう」は「泣いてもみよう」になっています。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [6月12日(金)~6月14日(日)]

2015-06-16 22:20:02 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 21日(日まで)韓国文化院で開催中の<1960・70年代日韓名作映画祭>「当日観覧受付のご案内」が韓国文化院のサイトに掲載されています。(→コチラ。)列に並んで10分前から入場ですが、 座席は余裕であるので直前に行っても大丈夫ですよ。

 ↑その韓国文化院で、昔の韓国映画3作品を観てきました。「憎くてももう一度」は何度もリメイクされた典型的なメロドラマの大ヒット作ですが、なんでか今回初めて観ました。ストーリーの概略はいつもの→コチラ参照。私ヌルボが気になった(←気に障ったのではない)のは、何度か会場で笑い声があがったこと。とくにラストでいきなりエンドマークが出た時には一段と大きく・・・。日韓の差だけでなく1968年から半世紀近くも経っているので観客の感じ方も違って当然ということでしょう。今の韓国のネチズン評を見ても「時代を感じさせる」という感想がむしろふつう。→コチラの論考によると、当時の韓国の女性はヒロインに(限界はありながらも)自立する女性像を見出したという面があったようです。・・・が、ヌルボとしては他者との約束も自らの決意も反故にして、けっきょくはその時々の感情を最優先しているのではないか? 日韓間の個人補償問題と同じ構図になっているゾ!(笑)と思ったりもしたわけです。まあ、親が二度と会うまいと手放した子供に後になって会いたいと思うのも人情というものだろうし、ましてや腹違いの兄姉にいじめられるその子供が母親に会いたいと願うにも当然なんでしょうけど・・・。

 先週その韓国文化院で開かれた講演会の帰り、SARUさんと飯を食べながら、もしやと思って→コチラの記事に載せた大韓民国歴史博物館で撮った韓国映画のポスターで、拡大しても判読不能なものを2つ見てもらいました。手がかりはどちらも1988~90年公開のヒット作or名作ということだけです。
    
 するとSARUさん、期待に違わず、ほどなくして左は「立葵のあなた」(1988)とわかり、右はスマホで何やら確認して「幸せは成績順ではないでしょう」(1989)と回答。それぞれ<DAUM映画>で画像を確認すると正解!(笑) 後者は男優がキム・ボソン(当時はホ・ソク)とみて検索した(?)ようですが、俳優の名前も顔も覚えられないヌルボとしては実に驚異というべき記憶力です。

 ハンギョレに「国際市場で逢いましょう」について<映画『国際市場』は全体主義美学の饗宴>と題したとてもシビアかつ説得力のある(と思う)記事が載っていました。(→コチラ。) (ふーむ、<全体主義>とまでいうか・・・。しかし今の日本の状況もあながち無関係ともいえないかも・・・。)

「朝鮮日報」6月12日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ジュラシック・ワールド」
   より大きく恐く素敵に ★★★☆

 「エレファント・ソング」

   「エクウス」がお好きなら ★★★

 「真夜中のゆりかご」

   質問のための質問NO ★★☆

※上記3作品はすべて以下の記事中に説明があります。

           ★★★ Daumの人気順位(6月16日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①チャップリンの独裁者  9.3(37)
②ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ  9.2(122)
③トラッシュ!-この街が輝く日まで-  8.8(80)
④マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.7(1694)
⑤言えない秘密  8.7(2597)
⑥サード・パーソン  8.6(99)
⑦ファインディング・ビビアン・マイヤー  8.6(28)
⑧チャイルド44 森に消えた子供たち  8.5(43)
⑨セッション  8.4(972)
⑩薬売り(韓国)  8.4(178)

 若干入れ替わりがありましたが、新登場の作品はありません。

     【専門家による順位】

①マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.8(9)
②リヴァイアサン  8.6(5)
③セッション  8.4(7)
④ひと夏のファンタジア(韓・日)  8.0(7)
⑤バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)  7.4(7)
⑥雪の轍(わだち)  7.3(3)
⑦生きる(韓国)  7.1(8)
⑧無頼漢(韓国)  7.0(8)
⑨スパイ  7.0(5)
⑩愛情は深い海の如く  7.0(4)

 ④「ひと夏のファンタジア」が今回の新登場です。5年前から実施されている、奈良で映画を製作するプロジェクトの「NARAtive(ナラティブ)」により製作された3番目の作品です。チャン・ゴンジェ監督が五條市を舞台に撮ったもので、2部構成の前半は韓国人映画監督が、後半は韓国人女性がこの地を訪れて地元の人と織りなすコミュニケーションが描かれます。昨年9月その五條市で初公開されましたが、そのようすと作品の内容は→コチラのブログ記事に記されています。また、この作品は今月4~8日に開かれた第3回茂朱(ムジュ)山里映画祭でニューヴィジョン賞(大賞)を受賞しました。韓国題は「한여름의 판타지아」。日本での一般公開は未定のようです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[6月12日(金)~6月14日(日)] ★★★

         久々のシリーズ新作「ジュラシック・ワールド」がMARSもものとせず週末150万人超え

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・ジュラシック・ワールド ・・・・6/11・・・・・・・・・・1,531,485 ・・・・・・・・1,808,972・・・・・・・・16,027 ・・・・・・1,290
2(1)・・カリフォルニア・ダウン・・・・・6/03・・・・・・・・・・・・285,791 ・・・・・・・・1,464,749・・・・・・・・12,490・・・・・・・・627
3(2)・・マッドマックス・・・・・・・・・・・・・5/14・・・・・・・・・・・・139,112・・・・・・・・・3,681,127・・・・・・・・31,613・・・・・・・・414
         怒りのデス・ロード
4(3)・・スパイ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/21・・・・・・・・・・・・125,641・・・・・・・・・2,214,172 ・・・・・・・17,603・・・・・・・・384
5(5)・・姦臣(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・5/21・・・・・・・・・・・・・31,888・・・・・・・・・1,082,761・・・・・・・・・8,736・・・・・・・・255
6(6)・・悪の年代記(韓国) ・・・・・・・・5/14・・・・・・・・・・・・・15,534・・・・・・・・・2,184,579・・・・・・・・17,305・・・・・・・・180
7(新)・・リトル・ゴースト・・・・・・・・・・・6/11 ・・・・・・・・・・・・・9,392・・・・・・・・・・・・10,597・・・・・・・・・・・・74・・・・・・・・176
        オバケの時計とフクロウ城の秘密
8(4)・・隠密な誘惑(韓国) ・・・・・・・・6/04・・・・・・・・・・・・・・9,103 ・・・・・・・・・・136,526・・・・・・・・・1,071・・・・・・・・197
9(7)・・無頼漢(韓国)・・・・・・・・・・・・・5/27・・・・・・・・・・・・・・8,934・・・・・・・・・・・402,760・・・・・・・・・3,168・・・・・・・・・93
10(40)・・エレファント・ソング ・・・・・6/11・・・・・・・・・・・・・・5,236・・・・・・・・・・・・・6,960・・・・・・・・・・・・55・・・・・・・・・49
      ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 5位以下の数字を見るとやはりMARSの影響かなとの感がありますが、その中で「ジュラシック・ワールド」の出だしの勢いはすごいです。
 今回の新登場は1・7・10位の3作品です。
 1位「ジュラシック・ワールド」は、2001年の「ジュラシック・パーク Ⅲ」以来の<ジュラシック・パーク>シリーズ第4作。日本公開は8月5日ですが、ストーリーはウィキペディアにこんなに書いちゃっていいの?というくらい詳しく書かれているのでそれは読まないことにして、公式サイト(→コチラ)で予告動画等を見てみてください。韓国題は「쥬라기 월드」です。
 7位「リトル・ゴースト オバケの時計とフクロウ城の秘密」は、韓国題を直訳すると「ちびっこ幽霊」なので、国産の怪談アニメかな?と思ったら、ドイツとスイス合作の実写+3Dファンタジーアニメで、原作が「大どろぼうホッツェンプロッツ」や「クラバート」で知られるドイツの児童文学者プロイスラーの同名の物語(徳間書店)なんですと。ストーリーはたぶん→コチラの原作本の内容とほぼ同じだと思われます。韓国題は「꼬마 유령」。日本では一般公開はなく、昨年DVDが発売されています。
 10位「エレファント・ソング」は、日本では6月6日から公開中。韓国題は「엘리펀트 송」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・ひと夏のファンタジア(韓・日)・・・・・・6/11・・・・・・・・・・・・・・3,955・・・・・・・・・・・・・・6,001・・・・・・・・・・・・・50・・・・・・・・・38
2(1)・・イタリアは呼んでいる ・・・・・・・・・・・・・6/04・・・・・・・・・・・・・・2,724・・・・・・・・・・・・・15,818・・・・・・・・・・・・122・・・・・・・・・31
3(30)・・真夜中のゆりかご ・・・・・・・・・・・・・・・6/11・・・・・・・・・・・・・・1,399・・・・・・・・・・・・・・2,040・・・・・・・・・・・・・16・・・・・・・・・28
4(12)・・神は死んだのか ・・・・・・・・・・・・・・・・・4/16・・・・・・・・・・・・・・・997・・・・・・・・・・・・・36,239・・・・・・・・・・・・267 ・・・・・・・・・5
5(2)・・花とアリス殺人事件(日本) ・・・・・・・・・5/27・・・・・・・・・・・・・・・521・・・・・・・・・・・・・13,082・・・・・・・・・・・・102・・・・・・・・・10

 今回の新登場は1・3位の2作品です。
 1位「ひと夏のファンタジア」については上述しました。
 4位「真夜中のゆりかご」は、「未来を生きる君たちへ」のスサンネ・ビア監督によるさまざまな問題を盛り込んだサスペンスドラマで、日本では5月に公開。今も上映されています。韓国題は「세컨 찬스」です。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [6月5日(金)~6月7日(日)]

2015-06-09 23:41:04 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 6月13日(土)~21日(日)韓国文化院で開催される<1960・70年代日韓名作映画祭>「当日観覧受付のご案内」が韓国文化院のサイトに掲載されました。(→コチラ。) 先の応募締切に間に合わなかった人、当日の別の予定がなくなって行かれるになった人、まだ大丈夫ですよ。

 6月4日(木)に「パイレーツ」を観てきました。<映画生活>では12人の投票とはいえ平均93点の高得点。観てみて、やっぱりね、でした。映画を評価するモノサシに「深いか?」(=芸術性)と「おもしろいか?」(=娯楽性)の2つあるとして (あと2つくらいありそうですが、それはおいといて)、この「パイレーツ」」は前者が4点以下(10点満点)で後者が7点以上。クジラが国璽を飲み込んじゃった(!)等々のトンデモ設定や、14世紀末にこんなウォータースライダーのようなものがあったはずないだろ!?といった時代考証や、ご都合主義的展開へのイチャモン等々は言うのが野暮で、観て楽しければいいでしょ?ってそれはそのとおり。心の安らぎとか解放感を求めて観に来るファンは圧倒的に多いし、それを否定するリクツはありません。韓国でも、「鳴梁」1761万人にはするかに及ばないものの、866万人の大ヒットは観てみてナットクしました。それにしても、ソン・イェジンがこんなアクションも演じるとは、たとえば2003年に「ラブストーリー」を観た人の誰が予測しえたでしょうか?

 韓国では、6月は25日は朝鮮戦争が勃発した日であり、6日は顕忠日で式典が開かれたりもして、<護国報勲の月>といわれています。映画関係で韓国の記事を見てみると、ソウル市江南区では<太極旗を付ける運動>を展開して、その一環として太極旗と自分の顔を一緒に撮った写真をケータイに入れて映画館に提示するとCOEXメガボックス等では割引料金になるとか。(6~10日。) また、以前からこの月には関連の映画が上映されてきたそうですが、私ヌルボの知るところでは2010年の「戦火の中へ」(原題:砲火の中へ)が6月公開でした。翌2011年の「高地戦」は少し遅れて7月公開。以後、昨年まではとくにそんな戦争関係映画の6月公開はなかったように思います。ところが今年は「延坪海戦」という映画が作られました。2002年6月、ちょうどサッカー日韓Wカップで盛り上がっている時に起こった第2延坪海戦(→ウィキペディア)に際して「国を守るために命をかけて戦った人々と彼らの同僚、恋人、家族を描いた作品」とのことで、「7年に及ぶ長い製作期間と、インターネットで資金を募るクラウドファンディングで製作費を調達した」とのことです。ところが、「朝鮮日報」の6月3日の記事(→コチラ)によると、この作品に対して一部ネット市民から「愛国商売」だ」とか「極右化に向かっている国のムードを助長するような映画」との批判も上がっているとか。ホントに何かにつけ対立する左右の世論のミゾは深いです。(MERSに対しても・・・。) で、この映画は当初6月10日に公開予定だったのが24日に延期となったことが5日に発表されました。MARSの影響だそうです。そういえば、観客動員数も通常より減っているようです。あ、日本でも5月30日公開予定だった「カリォルニア・ダウン」が急に上映延期になりましたが、これはなぜ? 巨大地震とそれによる都市の壊滅がすごすぎる?? 予告編は→コチラで見られますが・・・。一応関連記事は→コチラ

 6月はまた怪談映画が出てくる季節でもあります。関係記事は→コチラ。1938年の京城の寄宿学校を舞台にした「京城学校」なんてちょっと内容が気になるところです。

「朝鮮日報」5月29日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「カリフォルニア・ダウン」
  自明の話、驚異の画面で ★★★☆
 「隠密な誘惑」
  もう少しやれたのでは? ★★★
 今回はこの2作品だけ。どちらも以下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(6月9日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①チャップリンの独裁者  9.3(37)
②ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ  9.2(122)
③トラッシュ!-この街が輝く日まで-  8.8(79)
④マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.8(1435)
⑤言えない秘密  8.7(2595)
⑥サード・パーソン  8.7(98)
⑦チャイルド44 森に消えた子供たち  8.6(41)
⑧ファインディング・ビビアン・マイヤー  8.6(26)
⑨マッガールズ(韓国)  8.5(27)
⑩薬売り(韓国)  8.4(174)

 かなり順位変動がありましたが、新登場の作品はありません。

     【専門家による順位】

①マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.8(9)
②リヴァイアサン  8.6(5)
③セッション  8.4(7)
④バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)  7.4(7)
⑤雪の轍(わだち)  7.3(3)
⑥生きる(韓国)  7.1(8)
⑦無頼漢(韓国)  7.0(8)
⑧スパイ  7.0(5)
⑨愛情は深い海の如く  7.0(4)
⑩リトル・フォレスト 夏・秋  7.0(3)

 今回は順位変動がありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[6月5日(金)~6月7日(日)] ★★★

         巨大地震によるパニック映画「カリフォルニア・ダウン」がトップに

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(18)・・カリフォルニア・ダウン・・・・6/03・・・・・・・・・・・・724,422 ・・・・・・・・・・923,463・・・・・・・・・8,055・・・・・・・・847
2(1)・・マッドマックス・・・・・・・・・・・・・5/14・・・・・・・・・・・・276,100・・・・・・・・・3,433,202・・・・・・・・29,595・・・・・・・・536
         怒りのデス・ロード
3(2)・・スパイ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/21・・・・・・・・・・・・250,002 ・・・・・・・・1,985,881 ・・・・・・・・15,777・・・・・・・・475
4(新)・・隠密な誘惑(韓国) ・・・・・・・6/04・・・・・・・・・・・・・70,787 ・・・・・・・・・・・95,895・・・・・・・・・・・761・・・・・・・・394
5(6)・・姦臣(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・5/21 ・・・・・・・・・・・・・54,554・・・・・・・・・1,015,109・・・・・・・・・8,143・・・・・・・・298
6(3)・・悪の年代記(韓国) ・・・・・・・・5/14・・・・・・・・・・・・・49,491・・・・・・・・・2,148,939・・・・・・・・17,027・・・・・・・・278
7(4)・・無頼漢(韓国)・・・・・・・・・・・・・5/27・・・・・・・・・・・・・35,181・・・・・・・・・・・374,452・・・・・・・・・2,944・・・・・・・・294
8(41)・・劇場版 零~ゼロ~(日本)・・6/04 ・・・・・・・・・・20,774・・・・・・・・・・・・28,162 ・・・・・・・・・・214・・・・・・・・253
9(2)・・ホーム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/21 ・・・・・・・・・・・・・18,655・・・・・・・・・・・353,865・・・・・・・・・2,641・・・・・・・・244
10(5)・・トゥモローランド・・・・・・・・・・5/27 ・・・・・・・・・・・・・13,750・・・・・・・・・・・259,664・・・・・・・・・2,037・・・・・・・・208
        サイコパス(日本)
      ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・4・8位の3作品です。
 1位「カリフォルニア・ダウン」は、カリフォルニアを舞台にしたパニック映画。原題の「SAN ANDREAS」は断層の名前なんですね。その活動でロサンゼルス、サンフランシスコ等々の都市が壊滅していきます。その中でレスキュー隊員のレイ(ドウェイン・ジョンソン)はヘリコプターに乗り残された一人娘の救出に向かいます・・・。私ヌルボが思うのは、アメリカのパニック映画は、結局は家族映画だなということ。韓国のネチズン評にも同様の感想が1つならずありました。日本だと自分や家族を犠牲にして職務を全うする人物が主人公となるところでしょう。日本が絶対よいというふうにも思いませんが・・・。韓国題は「샌 안드레아스」です。
 4位「隠密な誘惑」は、韓国の犯罪ロマンス。友人の裏切りのため借金取立てに追われる生活に陥ったジヨン(イム・スジョン)の前に現れたのは若く有能な秘書のソンヨル(ユ・ヨンソク)。彼が彼女に提案したのは、マカオのカジノグループの会長(イ・ギョンヨン)を誘惑して彼の莫大な財産を相続すること。成功したらソンヨルが財産の半分を分け前としてもらうとの約束に・・・。彼ら3人の間に微妙な緊張感が漂う中、作戦は順調に進むが、会長の突然の死により事態は重いもよらぬ方向に展開していきます・・・。しかし、このところのイ・ギョンヨンの出演作品の数がすごいな。「群盗」に「パイレーツ」に「テロ,ライヴ」に「ベルリン」に・・・、他にもいっぱい。(→コチラ参照。) 原題は「은밀한 유혹」です。
 8位「・劇場版 零~ゼロ~」は、昨年9月公開の日本のホラーなんですが私ヌルボは知りませんでした。「累計130万本を記録した大ヒットホラーゲームシリーズを原案に・・・」ということも含めて。「神隠し」なんて韓国語で何と訳されているのか見てみたら、たんに「행방불명(行方不明)」でした。韓国題は「령:저주받은 사진(零:呪われた写真)」なんですが、私ヌルボ、「령」というタイトルを見て最初「霊」かと思いました。そう思ったままの韓国人ファンは多いのでは?

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(27)・・イタリアは呼んでいる・・・・・・・・・・・・・6/04・・・・・・・・・・・・・・5,444・・・・・・・・・・・・・・9,158・・・・・・・・・・・・・72・・・・・・・・・51
2(1)・・花とアリス殺人事件(日本) ・・・・・・・・・5/27・・・・・・・・・・・・・・1,299・・・・・・・・・・・・・11,918・・・・・・・・・・・・・93・・・・・・・・・26
3(4)・・アリスのままで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/29・・・・・・・・・・・・・・1,131・・・・・・・・・・・・111,611・・・・・・・・・・・・861・・・・・・・・・29
4(3)・・ホワイル・ウィ・アー・ヤング・・・・・・・・・5/14・・・・・・・・・・・・・・1,024・・・・・・・・・・・・・59,833 ・・・・・・・・・・・478・・・・・・・・・18
5(2)・・サード・パーソン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/28・・・・・・・・・・・・・・・・736・・・・・・・・・・・・・10,237・・・・・・・・・・・・・81・・・・・・・・・22

 今回の新登場は1位「イタリアは呼んでいる」だけです。イギリスのコメディで、日本では5月1日に公開されて現在も上映中です。韓国題は「트립 투 이탈리아」。
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児童書で学ぶ韓国史② 歴史法廷で裁かれる李承晩-「なぜ4.19革命が起こったのか?」

2015-06-09 06:22:50 | 韓国・朝鮮関係の知識教養(歴史・地理・社会等)

 2週間経ってしまいましたが、→<児童書で学ぶ韓国史 ①手っ取り早く朝鮮史の流れがわかる「こども 朝鮮王朝実録」全5巻>の続きです。

 元はといえば、4.19革命または許政(ホ・ジョン)関係の本をと頼まれ、読みやすそうな小学校高学年レベル(?)の本を見つくろって買ってきた本がこの「왜 4.19 혁명이 일어났을까?(なぜ4.19革命が起こったのか?)」です。です。ところが読み始めるとおもしろくて、注文主(近所の韓国オタク)のF氏に渡すのを待ってもらって読了しました。

 4.19革命、つまり1960年露骨な不正選挙で権力を保持しようとした李承晩政権が、独裁に反対する学生等の大規模な街頭行動により倒された革命です。この本はその背景や経緯が具体的に記されていますが、おもしろく読めたのは、何といっても歴史法廷という設定になっているからです。
 舞台は<歴史共和国>。あの世にある(?)仮想の国。冒頭は、病気のため若くして世を去った女性弁護士ハン・ミンジュ(韓民主と同音)の事務所を、ある日特別な依頼人が訪ねてきます。「もしかしてあの人は・・・」。そう、張勉(チャンミョン)氏だったのです。李承晩の独裁政権に抗して闘ってきた野党の指導者で、4.19革命の後は国務総理として国政を担当した人物。その彼が、「ずっと心に懸かっていたことだが4.19革命のしめくくりをつけたい」ということで提訴したいとのこと。相手はもちろん李承晩です。
 元大統領となると勝訴は容易ではないといいつつ、ハン・ミンジュ弁護士が李承晩側の弁護士の名を問うとイ・ナラ(「この国」と同音)とのこと。あ、生前からの(!)ライバルだ、よし! ・・・てなわけで裁判になります。
 被告の罪状は次の通りです。
  ①李承晩は独裁政権維持のため不正選挙を行い、反対する人々を過酷な弾圧により多数殺傷した。それさえもそれまでの長期政権の間行ってきた反民主主義的な独裁政治の断面にすぎない。
  ②李承晩政権が残した誤った政治は、混乱期を経て再び独裁政治を招く始発点になったるその政治文化はそのまま残存し、韓国の政治がまっとうなものになるのを妨げた。
 ここに李承晩政権により被害を受けた人々への補償と、その政治により発展が遅れてしまった韓国政治への賠償を要求する。


 初代大統領を被告としたこの裁判は人々の関心を集め、よく知られた独立運動家も傍聴しようと、傍聴席に姿を現しました。前でイ・ナラ弁護士が「李承晩大統領は時代の要求によって願ってはいない悪党の役割を果たしただけです」と弁舌を振るっている場面です。
 傍聴席最前列左から申采浩(シン・チェホ)金奎植(キム・ギュシク)金九(キム・グ)
 金九なんか、自分が李承晩を訴えたいところでは? 申采浩は「盗人たけだけしい」と怒っています。あの「歴史を忘れた民族に未来はない」という(韓国人向けの)言葉を残したという歴史学者でもあります。
 
 証人たちの証言を通して、李承晩の政権維持のための「強引」といった形容をはるかに越える非道なやり口が具体的に明らかにされていきます。たとえば、国会議員による間接選挙では大統領当選が危ういとみて国民による直接選挙に改めた抜粋改憲(1952年)(→ウィキペディア)、「現職大統領に限り三選禁止条項を撤廃する」ことをねらった四捨五入改憲(1954年)(→ウィキペディア)等々。どちらも改憲自体が恣意的な上、通常の議決なら否決されているのをとんでもない手段で成立させました。
 非道といえば、平和統一をスローガンに李承晩政権に対抗した進歩党の委員長・奉岩(チョ・ボンアム)をスパイの濡れ衣を着せて死刑に処したりもしています。
 この本では触れていませんが、大韓民国成立前後の政敵の「排除」や、朝鮮戦争勃発後の、犠牲者が20万人から120万人にも及ぶといわれる民間人虐殺事件(保導連盟事件.→ウィキペディア)等々、李承晩の悪業は枚挙にいとまがありません。もちろん李承晩ラインの設定と日本漁船への銃撃・拿捕、乗組員殺害等も含まれます。
 ※李承晩の「残虐非道」については、→コチラのブログ記事に詳しく書かれています。また4.19革命については→ウィキペディアにも詳述されていますが、要点は→コチラの記事に記されています。
 この「歴史法廷」では、原告側証人として1960年3月不正選挙に抗議して馬山でデモに参加し、官憲の弾圧で催涙弾が目にあたって死亡し、死体を海に遺棄された高校生・金朱烈(キム・ジュヨル)少年も証言しています。こうした事実を知ったのは収穫でした。
 被告側のイ・ナラ弁護士は、原告側の陳べる事実を「すべて認めます」という意表をつく戦法をとります。「しかし、当時の国内外の情勢ではやむをえなかった」、大統領の直接選挙制については「むしろ民主的」で「当時の国民の多数が李承晩大統領を求めていた」と主張します。李承晩も「当時のわが国は混乱した民主主義よりも安定した政治が必要だった」と陳述します。
 しかし裁判としてはどうみても原告勝訴だろうと見当がつきます。で、判決はと見ると原告の主張する犠牲者への補償と、政治文化発展の阻害したことに対する賠償を認める。ただし発展阻害に対する賠償は抽象的・精神的な部分であるので原告の一部勝訴と判定する。(主張に一理はあるが、推測と状況証拠によるのみで具体性に欠けると判断。)
 ・・・ということで一件落着。
 エピローグとして、後日ハン・ミンジュ弁護士の事務所を張勉の紹介で香水とワインとバラの花の入った箱を携えて青年が訪れます。今度は誰だかすぐにはわからない彼女。青年が名乗った名前は朴鍾哲(パク・ジョンチョル)。学生運動家として民主化運動の中1987年1月官憲に連行され、水拷問により死亡したソウル大の学生です。つまり、6月抗争の裁判を引き受けてほしいというわけ。
 実はこの本は자음과모음(子音と母音)という出版社から出ている児童・生徒用の歴史教養書シリーズ「역사공화국 한극사법정(歴史共和国 韓国史法廷)」(全60巻)中の第57巻なんですね。
 この後58巻「なぜ全泰壱(チョン・テイル)はパボ会を作ったのか?」、59巻「なぜ5.18民主化運動が起こったのか?」と続いて、シリーズ最後の第60巻が「なぜ6月民主化抗争が起こったのか?」で、その前宣伝かな?(著者も挿絵も違う人なんですけど。)
 ※朴正煕政権を正面から取り上げていないのは評価がむずかしいから避けたのかな?
  その他の巻のタイトルを見ると、「なぜ新女性は旧女性と違った人生を生きたのか?」というのもあって興味をそそられます。今度韓国に行ったら探してみます。
 ※このシリーズの3分の1くらいは出版社によってYouTubeに動画解説がアップされています。(→コチラ。) ただしこの巻はないのが残念。

 最後に本書の登場人物の表を載せておきます。こんなテマヒマかかるものを作ったりしているから記事作成が進まなくなるんだな・・・。
原告被告
   張勉(チャン・ミョン)
    1899~1966
 大韓民国初代駐米大使を経て国務総理を歴任したりもした。以後野党の指導者として李承晩と自由党独裁政権に対して闘った。4.19革命により李承晩政権が倒された後国務総理となったが、翌年5.16軍事政変が発生し、政治から退いた。
  李承晩(イ・スンマン)
   1875~1965
 大韓民国の初代・2代・3代大統領として12年間執権した。長期執権のため抜粋改憲、四捨五入改憲等を行った。4代大統領に当選したが、国民の4.19革命の波に抗しきれずハワイに亡命した。


原告側証人被告側証人











   申翼熙(シン・イッキ)
    1892~1956
 独立運動家で、政治家として1948年制憲国会の議員及び副議長、1950年第2代国会議員及び国会議長、1955年民主党代表最高議員を務めた。1956年に民主党大統領候補として遊説に向かっていた途中列車内で脳溢血により急死した。

   趙炳玉(チョ・ビョンオク)
    1894~1960
 独立運動家で、政治家である。1950年6.25戦争(朝鮮戦争)の時には内務長官として大邱死守のため陣頭指揮をした。その後反独裁運動を行い1960年に民主党大統領候補として出たが、選挙1ヵ月前に病死した。

   奉岩(チョ・ボンアム)
    1898(?)~1959
 独立運動家で、政治家として制憲議員、初代農林部長官を務めた。第2代、第3代大統領選挙で落選した後進歩党を結党して活動したが、国家保安法違反嫌疑で死刑宣告を受け、1959年に処刑された。2011年1月大法院で間諜罪と国家保安法違反等の主要嫌疑に対して無罪宣告を受けた。

   金朱烈(キム・ジュヨル)
    1943~1960
 1960年馬山商業高校に入学して3.15不正選挙を球団するデモに参加した。その1ヵ月後の4月10日催涙弾が目に刺さったままの死体が馬山沖の海に浮かび、これが警察のしわざと明らかにされて4.19革命の導火線となった。

   尹潽善(ユン・ポソン)
    1897~1990
 初代ソウル特別市市長と商工部長官を務めた。第3代・第4代国会議員民主党最高委員を務めた。李承晩政権が崩壊した後第4代大統領に選出されたが、5.16軍事政変後辞任した。











   張澤相(チャン・テクサン)
    1893~1969
 首都警察署長・第1管区警察署長として在任し、左翼勢力の除去に大きな役割を果たし、混乱期の治安維持に努力した。1952年抜粋改憲当時は国務総理だった。



   葛弘基(カル・ホンギ)
    1906~1989
 李承晩大統領の終身制を保証する四捨五入改憲当時、政府の公報署長として自らの名で改憲案通過を発表した。代表的な李承晩忠誠派として李承晩と自由党政権のため一貫して努力した。


   宋堯讃(ソン・ヨチャン)
    1918~1980
 4.19革命当時ソウル地域戒厳司令官に任命され、デモを鎮圧した。革命の発生で李承晩大統領の立場が狭まった時、下野と議院内閣制政府樹立を勧めた人物中の1人である。




   李起鵬(イ・ギブン)
    1896~1960
 李承晩の秘書、ソウル特別市市庁、国防部長官等を務めた。1960年3月15日公開・不正選挙で当選したが、4.19革命のため副統領職を辞任し、全家族が自殺した。


   許政(ホ・ジョン)
    1896~1988
独立運動家として3.1運動、大韓民国臨時政府に参与し、光復後制憲国会議員とソウル特別市市長、外務部長官を務めた。4.19革命後過渡内閣で大統領権限代行を遂行した。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [5月29日(金)~5月31日(日)]

2015-06-03 17:48:09 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 2つ前は映画関係。未読の方はぜひ目を通してみてください。→<グルメやショッピングとはぜ~んぜん無縁のソウル4泊5日の記録 ⑧韓国歴史博物館の映画関係の展示>

 6月13~21日韓国文化院の<日韓名作映画祭>。私ヌルボが申し込んでいた韓国映画8作品は全部当選で、とりあえずはよかったものの、もしかして全部定員割れ? とすると当日入場もありにしなくてはねー。受付番号から推定すると、やっぱり土日が多いようですが・・・。

 一昨日(1日)シネマカリテで「優しい嘘」を観てきました。このイ・ハン監督の前作は「ワンドゥギ」で、原作はどちらもキム・リョリョン(金呂鈴)の小説。しかし、「ワンドゥギ」は主人公の少年といいユニークな先生といい、明るくぬけたところがあったのに対して、コチラは最初に妹の自殺があり、後の方も女生徒の、あるいは親同士のグサグサと胸を刺すような言葉の応酬があったりして、観終わった後もいろんなことを考えてざるをえません。<DAUM映画>のネチズンの評価平均は「ワンドゥギ」の9.0に対しコチラは8.3。評点を付けた人の数も約4分の1です。やっぱりな、という感じです。

 韓国映画ではありませんが、6日からキネカ大森で「水の声を聞く」と「祖谷物語 -おくのひと-」が2本立てとはすごい! どっちの映画も◎です! (あ、前者はちょいと韓国がらみか。) 一般だと1300円。初日夜には「祖谷物語」の蔦哲一朗監督等のトークショーまであるでないの! 2回目観に行こうかな?って、あら予定が入ってる・・・。 

 ちょい下の<10字評>に中国・香港・韓国のスター共演の中国映画「赤道」が載ってます。韓国からはチ・ジニやスーパージュニアのシウォンが出演しています。日本で6月6日公開の中国映画「君の香り」ではパク・シフが主演で上海を舞台に中国人女性(チェン・ラン)とのラブストーリーを展開。今後の予定を見ると、イ・ジョンジェが韓中合作映画「逆転の日」の主役に決まったとか、ソン・イェジンも中国映画「悪いやつは必ず死ぬ」のヒロインに決まったとか、ソン・スンホンが中国映画「大爆撃」という戦争映画でブルース・ウィリスと共演することとなり、現地滞在中とか(→参考記事)。どこまで進むのか韓国と中国の関係緊密化。もはや注目すべきニュースでもない?

「朝鮮日報」5月29日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「無頼漢」
  全度妍はなぜ全度妍か? ★★★★
 「ピッチ・パーフェクト2」
  アカペラだけでのれる ★★★☆ 
 「トゥモローランド」
  哲学的だけど幼稚かも ★★★
 「サード・パーソン」
  ちょっと凝りすぎでは? ★★★
 「赤道」
  合作でも水準高くして ★★★ 
 「チャイルド44 森に消えた子供たち」
  暗くて退屈な時代錯誤 ★★☆
 「赤道」は中国のアクション大作ですが、中国・韓国・香港の俳優が<総出動>して話題。内容等は→コチラ参照。他の5作品はすべて以下の記事中で紹介しています。 ※「無頼漢」の<全度妍>=チョン・ドヨン。

           ★★★ Daumの人気順位(6月2日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①マッガールズ(韓国)  9.4(23)
②チャップリンの独裁者  9.3(35)
③ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ  9.2(120)
④マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.8(1435)
⑤トラッシュ!-この街が輝く日まで-  8.8(78)
⑥チャイルド44 森に消えた子供たち  8.7(37)
⑦言えない秘密  8.7(2590)
⑧サード・パーソン  8.7(95)
⑨ファインディング・ビビアン・マイヤー  8.6(26)
⑩ワット ウィ ディドゥ オン アワ ホリデイ  8.5(32)

 ずいぶん入れ替わりがありましたが、これまで他のランキングで紹介したものが多く、新登場は⑥⑧の2作品だけです。
 ⑥「チャイルド44 森に消えた子供たち」は、トム・ロブ スミスのミステリー「チャイルド44」(新潮文庫)をリドリー・スコット監督が製作を担当して映画化したサスペンス。1950年代のソ連で9歳から14歳の子どもたちが溺死した変死体として発見されます。しかしスターリン体制下で連続殺人事件はありえないとされ、事故として処理されてしまいます。そんな中で秘密警察の捜査官レオ(トム・ハーディ)は親友の息子の死をきっかけに、秘密警察に追われる立場になりながらも事件の解明に着手します・・・。この原作本のモチーフとなったのがソ連の殺人魔チカチーロによる連続殺人事件。1978~90年に女性と子供52人を殺害したそうです。私ヌルボは、ノンフィクションのロバート・カレン「子供たちは森に消えた」(ハヤカワ文庫)を読みました。この日本題は2つの書名を合わせているところが如才ないところ。韓国題は「차일드 44」。日本公開は7月3日です。
 ⑧「サード・パーソン」は、日本では2013年の東京国際映画祭で上映され、 2014年6月一般公開されています。韓国題は「써드 퍼슨」です。

     【専門家による順位】

①マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.8(9)
②リヴァイアサン  8.6(5)
③セッション  8.4(7)
④バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)  7.4(7)
⑤雪の轍(わだち)  7.3(3)
⑥生きる(韓国)  7.2(7)
⑦無頼漢(韓国)  7.0(6)
⑧スパイ  7.0(5)
⑨愛情は深い海の如く  7.0(4)
⑩リトル・フォレスト 夏・秋  7.0(3)

 今回の新登場は⑦⑨の2作品です。
 ⑦「無頼漢」については後述します。
 ⑨「愛情は深い海の如く」は2011年の米英合作ロマンスですが、日本ではレンタルのみで一般公開はありません。1955年ヴィヴィアン・リー主演で製作された同名作品の再映画化。ヘスター(レイチェル・ワイズ)の夫は裁判官で、物質的には不自由もないし、夫もまじめで穏やかに男性です。しかし何か心に充たされないものがあり、イギリス軍の退役パイロットの若者フレディ(トム・ヒドルストン)と出会って恋に落ち、家を出て同棲生活を始めます。本来明るい性格のフレディですが、戦争のトラウマも抱えています。そんな2人の間にちょっとしたことで亀裂が入り、そして破局につながっていきます・・・。韓国題は原題のままで「더 딥 블루 씨(The Deep Blue Sea)」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[5月29日(金)~5月31日(日)] ★★★

         「マッドマックス 怒りのデス・ロード」以下3位まで2週連続

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・マッドマックス・・・・・・・・・・・・・5/14・・・・・・・・・・・・586,227・・・・・・・・・2,946,599・・・・・・・・25,605・・・・・・・・669
         怒りのデス・ロード
2(2)・・スパイ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/21・・・・・・・・・・・・464,071 ・・・・・・・・1,557,700 ・・・・・・・・12,371・・・・・・・・601
3(2)・・悪の年代記(韓国) ・・・・・・・・5/14・・・・・・・・・・・・178,351・・・・・・・・・2,041,636・・・・・・・・16,190・・・・・・・・443
4(11)・・無頼漢(韓国)・・・・・・・・・・・・5/27・・・・・・・・・・・・177,731・・・・・・・・・・・272,044・・・・・・・・・2,144・・・・・・・・477
5(32)・・トゥモローランド・・・・・・・・・・5/27・・・・・・・・・・・・168,424・・・・・・・・・・・214,098・・・・・・・・・1,689・・・・・・・・435
6(4)・・奸臣(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・5/21 ・・・・・・・・・・・・155,611・・・・・・・・・・・881,692・・・・・・・・・7,142・・・・・・・・455
7(6)・・ホーム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/21 ・・・・・・・・・・・・・80,691・・・・・・・・・・・330,372・・・・・・・・・2,462・・・・・・・・378
8(5)・・アベンジャーズ・・・・・・・・・・・4/23 ・・・・・・・・・・・・・52,004 ・・・・・・・・10,469,231・・・・・・・・88,385 ・・・・・・・247
         /エイジ・オブ・ウルトロン
9(20)・・ピッチ・パーフェクト2 ・・・・・5/28・・・・・・・・・・・・・43,762 ・・・・・・・・・・・・56,595・・・・・・・・・・・446・・・・・・・・297
10(新)・・劇場版 PSYCHO-PASS・・5/28・・・・・・・・・・・・13,504・・・・・・・・・・・・16,595 ・・・・・・・・・・・134・・・・・・・・・69
        サイコパス(日本)
      ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は4・5・9・10位の4作品です。
 4位「無頼漢」は、今年のカンヌ映画祭の<ある視点>部門に招待された韓国映画2作品中の1つ。(他の1作はシン・スウォン監督の「マドンナ」。なおコンペティション部門には3年連続で韓国映画のノミネートはなしです。) 腕利き刑事のチョン・ジェゴン(キム・ナムギル)は、姿をくらましている殺人犯パク・ジュンギル(パク・ソンウン)を捕まえる手がかりをつかむため、ジュンギルの愛人キム・ヘギョン(チョン・ドヨン)が働くバーに身分を隠して彼女に近づきます。ところがジュンギルからの連絡を待ちながらへギョンを見守っているうち、ジェゴンいつしか彼女に惹かれていきます。そしてヘギョンもジェゴンに心を開いていき・・・。犯罪ドラマかと思ったらロマンスのような・・・。「本格ハードボイルド」と書かれた記事もありました。原題は「무뢰한」です。
 5位「トゥモローランド」は、ディズニー社製作のSF冒険ロマン大作。かつては天才と称されたが現在は落ちぶれてしまった発明家(ジョージ・クルーニー)と少女(ブリット・ロバートソン)が壮大な冒険に出る姿を描く・・・。日本でも6月6日公開ということで多くの情報が流されています。韓国題は「모로우랜드」です。
 9位「ピッチ・パーフェクト2」は、2012年アメリカで大ヒットし、韓国でも公開された青春ミュージカル・コメディ「ピッチ・パーフェクト」の続編。前作では大学のアカペラ部の負け組女子たちの奮闘が描かれましたが、そのアカペラチームがスキャンダルを起こしてしまって危機に直面。そして名誉回復のために世界大会に挑戦しますが・・・。韓国題は「피치 퍼펙트: 언프리티 걸즈」。日本では前作が5月29日から公開されていて、この第2作は今秋公開されるそうです。
 10位「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」」は、日本では今年1月公開された国産アニメですが、ヌルボには語る資格ナシ、とほほ。韓国題は「사이코패스」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(12)・・花とアリス殺人事件(日本) ・・・・・・・・5/27・・・・・・・・・・・・・・5,535・・・・・・・・・・・・・・8,401・・・・・・・・・・・・・65・・・・・・・・・67
2(新)・・サード・パーソン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/28・・・・・・・・・・・・・・4,254・・・・・・・・・・・・・・7,010・・・・・・・・・・・・・56・・・・・・・・・99
3(1)・・ホワイル・ウィ・アー・ヤング・・・・・・・・・5/14・・・・・・・・・・・・・・2,603・・・・・・・・・・・・・57,069 ・・・・・・・・・・・456・・・・・・・・・28
4(2)・・アリスのままで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/29・・・・・・・・・・・・・・2,508・・・・・・・・・・・・108,770・・・・・・・・・・・・839・・・・・・・・・33
5(3)・・言えない秘密 ・・・・・・・・・・・・・・・2008/1/10・・・・・・・・・・・・・・1,146 ・・・・・・・・・・・155,672 ・・・・・・・・・・1,098・・・・・・・・・・9

 今回の新登場は1・2位の2作品です。
 1位「花とアリス殺人事件」、岩井俊二監督の人気は確固たるものがあります。日本での公開から3か月余り後の公開。字幕翻訳は忙しかったかな? 韓国題は「하나와 앨리스: 살인사건」です。
 2位「サード・パーソン」については上述しました。
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韓国のTV番組 週間視聴率ベスト20(2015年5月25日~5月31日)

2015-06-02 19:53:27 | 韓国のTV番組 週間視聴率ベスト20
 2ヵ月に1回の記事です。前回は→コチラ

 データの出所は韓国の視聴率調査機関<TNmS>のサイト中の「全国・地上波」の部です。(→コチラ。)

 「歌謡舞台」は、KBS1で1985年から続いている、1200回を超える長寿番組です。以前にも書いたことがありますが、司会のキム・ドンゴンさんの韓国語はホントに聴き取りやすいです! 5月25日の放送では、島根県の主婦・高橋さんのお便りを紹介していました。ハングルを独習しているという方で、この番組と「人間劇場」のファンだとか。いつか実際に会場に行ってみたいとのことですが、独習して手紙を書いて出してとはたいしたものです。会場の皆さんもいい表情でドンゴンさんの読むのを聞いていました。こういう画面を見ると、昨今の厳しい日韓関係は何なの?とも思いますが、たぶん複雑な現実の両面ということなんでしょう。このお便り紹介に続いて登場した歌手がキム・ヨンジャで歌った歌が「トンベクアガシ」。はあ、けっこうでございます。
 ※この歌のご本家・李美子の近況についはどうかな?と関係記事を探したら、「李美子は健在だった」と題した黒田勝弘氏の記事が見つかりました。(→コチラ。)
 ※1965年大ヒットしていた「トンベクアガシ」は「倭色が濃い」との理由で禁止曲になったそうです。(→関係記事。)
 この番組を最近見てなかったな、と前回(3ヵ月前)書いた後、KBSのサイトを開くと番組編成表とかがガラッと変わっていて、どうすれば放映された番組を視聴できるのかすぐにはわからず悪戦苦闘しました。わかったものの方法はややこしくて簡単には説明できず。もしそういう情報を欲しているいる人が何人もいるなら別記事で書こうとも思いますが、どうなんでしょうね?

【5月25日(月)~5月31日(日)】

①週末連続劇「青い鳥の家[파랑새의 집]」(KBS2)  25.0%
 
②日日連続劇「家族を守れ[가족을 지켜라]」(KBS1)  22.2%
 「あなただけが私の愛」の後続ドラマ。医師のチョン・ウジン(ジェヒ)は・・・ってまた医者が主人公?・・・って、貧民街の病院の救急室内科医か。しかし、結婚により身分上昇を図る野心家ってとこはやっぱり韓国ドラマというか、韓国人? しかし、病院食堂の調理士補助イ・ヘス(カン・ビョル)という優しくしっかりした女性と出会っていろいろ変わってくるというか、葛藤が起こるわけね。彼女は家出少年たち等々の面倒を見たりもしてるのかー。ところがここにイ・ヘスのライバルが・・・。出ました、財閥の娘! 外食フランチャイズ企業のオーナーの娘。外食フランチャイ店の本部長。コ・イェウォン(チョン・ヘイン)。外食企業のオーナーの娘で、29歳にして外食フランチャイズ店の本部長。もちろん誰もが思い出すのはあの人ですが、まさかコチラが勝者になったりはしないでしょうね?

③週末ドラマ「女を泣かせて[여자를 울려]」(MBC)  17.8%
 「バラ色の恋人たち」の後続ドラマ。なんかドロドロの恋愛物のようなタイトルですが、内容はそうじゃないんですね。チャン・ドクイン(キム・ジョンウン)は学校の前にある小さな食堂のおばさんですが元はなんと刑事。一人息子を交通事故で亡くした後退職して息子が通っていた学校の前で店を開きますが、場所柄不良グループとかいじめとかの関係で生徒たちや先生とも接点ができ、ここでもまた財閥家族が登場して・・・。え、不良グループのリーダーで問題児のユンソは高校教師カン・ジヌ(ソン・チャンウィ)の息子で、そのジヌが財閥会長の3男なのか。そんな過程で彼女は息子を死に追いやった実体に向き合うことになる、というのが基本ラインかな。恋愛物でなくてもけっこうドロドロしてる感じ。

④KBSニュース9(KBS1)  15.6%

⑤「全国歌自慢[전국노래자랑]」(KBS1)  14.2%
 13.1%から少しアップだが、順位は⑮から一挙に上昇。NHKのど自慢の韓国版というべき根強い人気の長寿番組。

⑥夜の日日ドラマ「今日から愛してる[오늘부터 사랑해]」(KBS2)  13.9%
 「甘い秘密」の後続。<저녁일일드라마>というから何時から放映しているのかと思ったら、平日の19:50~20:30なんですね。ユン・スンヘ(イム・セミ)は、ソウル北村の450年の歴史をもつ尹(ユン)氏のトンラクダン(同楽堂?)の養女で看護師。バリスタという夢がありますが家族は反対。その家族というのが養父ユン・デホ(アン・ネサン)は無能だし、いろいろ悩みのタネ。彼女がある時病院で偶然にぶつかった相手がドジン(パク・ジヌ)。(←よくある出会いのパターン。) スンヘが彼の携帯電話を持って行っちゃったので彼はスンヘを泥棒と誤解します。(こういうふうにして後につながるんだな。) そのドジン(パク・ジヌ)は医大出身の秀才(!)ですが、留学後はパティシエを夢見ています。(日本でシェフやパティシエが憧れの職業になった時期のことを思い浮かべます。) ところがこの彼の母親ヤン・ミジャ(イ・ウンギョン)がユン・デホの初恋の相手だったとは・・・。そして、スンヘとドジンとの間に割って入って三角関係を形成するチャン・セリョン(キム・セジョン)という女性がなんとここでも財閥会の一人娘で、外食事業部のチーム長とは・・・。「家族を守れ」とこれと、KBS1とKBS2の間で調整とかやってないのかなー?

⑦週末特別企画「女王の花[여왕의 꽃]」(MBC)  13.7%

⑧ハッピー・サンデー[해피선데이](KBS2)  13.5%
 ⑪位→⑧位

⑨無限挑戦[무한도전](MBC)  13.3%
 2005年4月25日に初回が放送されたバラエティ番組。ということは10周年を迎えたということ。また→コチラの調査結果を見ると、この番組を率いる<国民MC>ユ・ジェソクは2004~2013年の10年間、男性ギャグマン部門の部門で1位を続けています。(その前後は不明。)

⑩日日朝連続劇「恍惚の隣人[황홀한 이웃]」(SBS)  13.3%
 ⑱位→⑯位→⑩位。

⑪日日ドラマ「頑張れチャンミ![달려라 장미]」(SBS)  12.3%
 そのまま訳すと「走れチャンミ」なんですけど、KNTVでのタイトルにしておきます。裕福な家で不自由なく生きてきたペク・チャンミ(イ・ヨンア)は大学生の時にお見合いで皮膚科医カン・ミンチョル(チョン・ジュン)と結婚します。(また医者だなー。) ところが新婚旅行へと旅立った先で父親の訃報が届き、急いで葬儀場へ向かったところ、初めて父に多額の借金があったことを知ります。・・・と、貧しい家のヒロインのシンデレラストーリーとは違った設定の妙か。でチャンミは借金取りの脅迫に怯える日々。また夫の両親から離婚も迫られる等イッキにどん底状態に転落。生計を立てるためSL食品という会社の契約職員として一歩を踏み出すしますが、そこで会長の孫(!)ファン・テジャ(コ・ジュウォン)と出会い、新たな人生が・・・。え、ファンは漢字だと「黄」ですが、「ファンテジャ」だと皇太子と同じスペルになるぞよ。

⑫ギャグコンサート[개그콘서트](KBS2)  12.0%

⑬「人間劇場[인간극장]」(KBS1)  11.9%
 月~金の7:00~7:35に放映しているドキュメンタリー番組。

⑭金土ドラマ「プロデューサー[프로듀사>]」(KBS2)  11.8%
 夜勤はフツーで徹夜もありというTV局のバラエティ制作室で繰り広げられるしっちゃかめっちゃかな日常を描く・・・って具体的にはKBSバラエティ局、つまり身内の話を芸能局の方でドラマ化したということか。KBS芸能局入社8年目のPDラ・ジュンモ(チャ・テヒョン)、同僚PDのタク・イェジン(コン・ヒョジン)、そしてが「芸能番組を見たことがなかった」という新人PDペク・スンチャン(キム・スヒョン)と、歌手のシンディ(IU)の間の絡み合った四角関係のラブストーリー。そのラ・ジュンモたちの担当番組というのがKBS2のバラエティ「1泊2日 シーズン4」。ちなみにチャ・テヒョンが目下出演中の番組が「1泊2日 シーズン3」。ややこしい。(笑) 内容はどこまで現実が反映されてるのかな? 金曜夜のKBS2は上記の「今日から愛してる」とドラマが2本入ってるのか。

⑮歌謡舞台[가요무대](KBS1)  11.5%

⑯瞬間捕捉 世の中にこんなことが[순간포착 세상에 이런 일이](SBS)  11.0%

⑤朝ドラマ「イヴの愛[이브의 사랑]」(MBC)  11.0%
 「嵐の女」の後続ドラマですが、コチラの人気は今ひとつか? 2014年のMBC脚本公募で優秀賞を受賞した脚本とのことです。チン・ソンア(ユン・セア)は、大手企業Jグループの母体となったチンチングループのチン社長の長女で双子姉妹の姉。裕福な家庭の長女として生まれ、不自由することなく育ち、ルックスと性格の良さも兼備した女性ですが、信じていた友だちの裏切りにより人生が180度変わってしまいます。が、結局は逆境を乗り越えて運命を克服していきます。というのが基本的な展開のようです。彼女の恋人チャ・ゴヌ(ユン・ジョンファ)はJグループク・インス(イ・ジョンギル)会長の運転手の息子で、司法試験に合格して弁護士としてJグループに入社した青年ですが、彼が昔振られた女性がカン・セナ(キム・ミンギョン)。セナの母はチン社長の住み込みのお手伝いさんだったということで、セナはソンアとも親しい間柄のはずが、アメリカから戻ると彼女の気持ちは「ソンアは私のゴヌまで奪おうとするの!?」ということに・・・。また彼女は試験を受けて合格して平社員からスタートしたソンアのチーム長になってたりして・・・。というわけでこの女性が「信じていた友だちの裏切り」の張本人なんだな。この3人に、会長の長男(再婚相手の連れ子)でハーバード大学出の部長ク・カンモ(イ・ジェファン)も関わってくる?

⑱キム・ビョンマンのジャングルの法則withヤップ[김병만의 정글의 법칙 IN얍]」(SBS)  13.4%
 ミクロネシア連邦に属するヤップ島は、元はドイツ領で第1次大戦後日本の委任統治領となった島。戦時中米軍の上陸はありませんでしたが、陸海軍の基地が建設されていました。というと、番組中で「歴史認識」に関わるコメントがなかったか等が気になる人もいるかも・・・。しかしチラッと見たかぎりではウナギやエビを獲ったり水牛(!)を食べたりで、歴史は関係ないみたいですよ、たぶん。

⑲シニアトークショー「黄金の池 [황금연못2]」(KBS1)  10.8%
 1月3日から始まった土曜の朝8:30からの1時間トークショー。

⑳南北の窓[남북의창](KBS1)  10.7%
 盧泰愚大統領時代の1989年3月14日から続いています。毎週土曜の朝7:35~8:00放映。
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グルメやショッピングとはぜ~んぜん無縁のソウル4泊5日の記録 ⑧韓国歴史博物館の映画関係の展示

2015-06-01 12:32:27 | 韓国旅行の記録
 世相史に重点を置いた博物館なので、映画や音楽関係の展示はたくさんあります。また、私ヌルボの雑駁な知識あれこれも交えて書くととても1つ2つの記事では収まりません。そこで戦後の、ほとんど展示物に絞って1つの記事にまとめてしまおうと考えましたが、それでも写真が多すぎるので、映画と音楽は分けることにしました。それに戦後に限定といっても、4つある展示室のうち、第1展示室(1876~1945年)以外は全部戦後なんですけどね。
 ということでまずは映画について時代順に見ていきます。
 韓瀅模(ハン・ヒョンモ)監督(1917~99)の作品「성벽을 뚫고(城壁を破って)」(1949)のポスター。この映画は知りませんでした。<DAUM映画>(→コチラ)等によると、麗水・順天事件を1つのモチーフとした反共映画なのですが、主軸は、大学の同窓で1人がもう1人の妹の夫というごく親しい関係の2人の男の物語。一方は陸軍少尉となり、その義弟の方は共産主義者となってイデオロギー上の深刻な葛藤の末に悲劇が・・・という展開で、ずいぶんヒットした作品のようです。
 鐘路3街のピカデリー劇場開館のお知らせ。1962年です。
 ピカデリーは、1907年に開館した団成社に次ぐ長い歴史を持つ映画館で、右下隅に「旧半島」、挨拶文末尾に「鍾路三街(舊半島)」とあるのは何のことかと思ったら、→コチラの記事(韓国語)によると1953年(←1958年という記事もあり)会館した半島劇場(반도극장)が前身ということのようです。
 ※団成社は2008年不渡りを出し2010年臨時休館等を経て、今年3月12日裁判所の競売で575億ウォンで落札されたそうですが、はたして再び開館するのかどうか?
 この大きな展示物に書かれた文字は「서울은 만원이다(ソウルは満員だ)」。元はといえば作家・李浩哲(イ・ホチョル)が1966年2月から「東亜日報」に連載した小説です。当時のどんどん人口が増え発展していくソウルを舞台に、地方から上京した女性が娼婦に転落して云々という内容ですが、当時の世相・社会を如実に反映した作品として読者の人気を博し、67年には映画化もされました。(文学史はもちろん、都市の発展史の上でも注目すべきこの原作本が現在<yes24>でも<教保文庫>でも品切れ中なのはなぜ?)
 いろんな映画のポスターが貼られています。1番上左の「誤発弾」(1961)、その右の「魔の階段」(1964)から始まって最下段右端の「南部軍」(1990)まで、時代順に並べられていますね。(「南部軍」の左は何のポスターなんだろ?) 下の2段はほとんど観たことがありますが、上の方はタイトルも知らなかった作品がたくさんあります。「平壌맨발(平壌裸足)」(1980)も知りませんでした。戦前の話? 観てみたいな。
 ところで、このポスターの展示よりもずーっと目立っているのがこれ。
 このどでかい絵は、もちろん「風の丘を越えて 西便制〈ソピョンジェ〉」(1993)。内容的にも興行面でも、韓国映画史上画期的な名作です。DVDが入手困難で、アマゾンでは1~2万円くらいの値段がついています。私ヌルボ、ぜひオススメ! まだ観てないという方は、3日前にコメント(→コチラ)をいただきましたが、にいがた国際映画祭で6月20日(土)オープニングとして無料上映されるのでぜひどうぞ。
 展示室で何作品かの名場面の動画が映されていましたが、そこにもこの「西便制」のあのシーンがありました。

 ※2012年12月博物館が開館した時の写真を→コチラやコネストの記事(→コチラ)で見ると、「西便制」ではなく「鯨取り」が大きく描かれていたんですね。
 そもそも、4月にソウルに行った目的の1つは、韓国映像資料院でやっていた<韓国映画100選>の展示をもう1度見ることだったのですが結局行かずじまい。今になって公開しています。この展示については→コチラの過去記事参照。

 しかし、1ヵ月以上経ったのにまだ旅行の記録が完結しないとは・・・。次が音楽編で、その後1回でなんとかしめくくらなくては・・・。
コメント (3)
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