ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 週末の興行成績 [10月25日(金)~10月27日(日)]と、人気順位 ►「サタンタンゴ」と「流転の地球」のこと等

2019-10-29 23:54:48 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸先週から一段とせわしない日々が続いています。おおかたは好きでやってることなんですけどね。とくに週末。26日(土)は、午前中は伊藤博文の命日ということで、西大井の墓所で催される墓前祭のようすを始めて見てきました。午後は恵比寿の東京都写真美術館ホールで懸案の中国映画「流転の地球」を鑑賞。併せて写真美術館の展示を見て、その後はやはり横須賀線で大船に向かい、いつものハングルサークルとその2次会で帰宅は夜12時過ぎ。翌27日(日)は午前中ハングルの私的読書会、午後は横浜キネマ倶楽部主催で11月2日上映される「日曜日の子供たち」(堀田泰寛監督.1980)のロケ地巡りに参加し、鶴見区内でもこれまで行ったことがなかった鶴見川河口辺りのふれーゆから小野町までを監督さんの話を聞きながら歩き、その後も個人的に歩き廻ってこの日は合計2万2千歩と、今年4番目くらいの歩数を記録、さすがにバテてしまって、ぐっすり眠れました。
 ※「日曜日の子供たち」上映会についてはコチラ参照。

▸昨日28日(月)は、覚悟を決めて(笑)シネマ・ジャック&ベティに行き、例の「サタンタンゴ」を鑑賞。上映時間は438分とありますが、開場時刻が11時30分で、間に休憩が2回入り、終わって場内の照明が点いたのが19時14分だから、合計464分。料金は一律3900円で、客はたしか16人だったかな? それにしても、物好きな人がけっこういるものだ・・・と、おたがい内心で思っていたかも・・・。時間もさることながら、物語の展開も、タル・ベーラ監督らしい長回しの撮り方もはっきり言ってタイクツだから。2012年に観た「ニーチェの馬」も154分ながら十分すぎるほどタイクツだったからなあ。(それでも個人的にはその年1番の映画だった(笑)。) 「サタンタンゴ」も登場人物の会話が少なく、ただ黙ってるだけのシーンがやたらと多いし、それも無表情。延々と続くまっすぐな道を数人が延々と歩く。それもまた無言で。やたら雨が降っていて風景も陰鬱。ハンガリーでは秋~冬が雨季だとか。(欧州は全体的にそうか。) 7時間以上耐えた自分を褒めたいと思います。あ、昨日の疲れが残っていて最初の方は時々寝てましたが。それでも後の方になるとむしろおもしろくなってきたのはなぜか自分でもフシギです。
 ハンガリーは日本と同じく名前が姓・名の順になるので姓がタルで名がベーラ。ということは作曲家バルトーク・ベーラと同じ名。ハンガリーによくある男性の名だそうです。
 長い映画といえば、「SHOAH/ショア」の第1~4部で全567分というのがありますが、私ヌルボは3日間に分けて観たので何ということでもありません。内容的にすごいドキュメンタリーで、ぜひ多くの人に薦めたい作品です。「アンダーグラウンド 完全版」は前・後編続けて観て314分。これはさすがにクストリッツァ監督、テンポがよくて楽しく、全然退屈さを感じませんでした。
 長くても、また技術的に旧式の作品でも、観るに値する作品はやっぱり後々まで観る人は絶えないものです。

▸上述の中国映画「流転の地球」はいろんな意味で画期的かも。原作は、7月に刊行されて話題となり、版を重ねた話題の中国SF「三体」の作者・劉慈欣の短編とか。その発想がユニーク。(と言っていいのかな? 近年あまりSF読んでないので。) 太陽が膨張して地球自体が大ピンチ!ということになって、「全人類(orその一部)は地球を脱出して云々」というんじゃなくて、なんと、地球を丸ごと太陽系から離脱させて、ずうーっと遠く、4.2光年離れた恒星系をめざすってんだから。ところがその長~い旅の最初の辺りで大ピンチに陥るのです・・・。
 映画史的に、あるいは世界の映画地理(←という言葉ある?)の上で画期的なのは、中国初の超大作ブロックバスター作品ということ。この視覚効果はすごいすごい(笑)。日本でこんな(いろんな意味で)スケールの大きい映画が作れるでしょうか?(別に作らなくてもいいけど。)
 感想としては、いろんなレビューに書かれているように、人物の描き方に深みが欠けるのが残念。やたら感情的になって大声を出していさかいを起こしたりとか、そういうヒトって中国のヤクザ映画なんかでもフツーにいそう。まあSFであろうが子供向けアニメであろうが、日本の作品は日本人、アメリカの作品はアメリカ人、中国や韓国の作品なら中国人や韓国人の姿が自然に反映されているという、これは当然と言えば当然か。あと、上記の<大ピンチ>にどう対処したかについて、私ヌルボはそれなりの疑問を禁じえなかったのですが・・・。
 とはいえ、この「流転の地球」を映画館の大きなスクリーンで観られたのはラッキーでした。開映の1時間前に行ったらすでに残席は1ケタで、じき完売。Netflixで配信しいるので、ふつうなら→ソチラで観ることになります。なお、関連記事は→<映画com.>、→<Filmarks>等。

         ★★★ NAVERの人気順位(10月29日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 私の歌は遠く遠く(韓国)  9.75(122)
②(-) グリーンブック  9.61(6,047)
③(3) 今日も上、上(韓国)  9.56(148)
④(4) 主戦場  9.50(978)
⑤(5) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏)  9.47(103)
⑥(-) シークレット・スーパースター  9.46(78)
⑦(7) ディーター・ラムス  9.33(91)
⑧(6) ポーランドに行った子供たち(韓国)  9.32(537)
⑨(8) 教会のお兄さん(韓国)  9.27(1,551)
⑩(-) チェックの忍者  9.10(10)

 ⑥と⑩の2作品が新登場です。
 ⑥「シークレット・スーパースター」はインドの感動ドラマ。日本では8月9日から公開されています。韓国題は「시크릿 슈퍼스타」です。
 ⑩「チェックの忍者」については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国)  9.06(16)
②(2) ハチドリ(韓国)  8.38(13)
③(3) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド  7.90(10)
④(4) ブラッド・シンプル  7.75(4)
⑤(5) ストライキ前夜(韓国)  7.71(7)
⑥(7) ジョーカー  7.64(11)
⑦(6) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏)  7.60(5)
⑧(-) キム君(韓国)  7.57(7)
⑨(9) 主戦場  7.33(6)
⑩(-) グリーンブック  7.29(7)
⑩(-) ボーダー 二つの世界  7.29(7)

 ⑩「ボーダー 二つの世界」が新登場です。カンヌ映画祭<ある視点部門>でグランプリを受賞したスウェーデン・デンマーク合作のサスペンス(&ダーク・ファンタジー)。日本では10月11日から公開されています。韓国題は「경계선(境界線)」です。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績10月25日(金)~10月27日(日) ★★★
           話題の韓国小説「82年生まれ、キム・ジヨン」の映画化作品が1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・上映館数
1(45)・・82年生まれ、キム・ジヨン(韓国)・・10/23・・・・・・829,320・・・・・・1,120,474 ・・・・・・・・9,705・・・・・・1,486
2(1)・・マレフィセント2・・・・・・・・・・・・10/17 ・・・・・・・・・324,293・・・・・・1,125,654 ・・・・・・・・9,667 ・・・・・・・880
3(2)・・ジョーカー・・・・・・・・・・・・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・240,070・・・・・・4,960,162 ・・・・・・・43,027 ・・・・・・・702
4(3)・・いちばん普通の恋愛(韓国)・・・・10/02 ・・・・・・・・・130,119・・・・・・2,793,365 ・・・・・・・23,890 ・・・・・・・613
5(新)・・ランボー5/ラスト・ブラッド・・10/23・・・・・・・・・・47,096 ・・・・・・・・72,265・・・・・・・・・・605 ・・・・・・・483
6(63)・・ビッグ・トリップ ・・・・・・・・・・・10/23・・・・・・・・・・28,550 ・・・・・・・・32,728・・・・・・・・・・258 ・・・・・・・373
       :赤ちゃんパンダ配達大冒険
7(5)・・パーフェクトマン(韓国)・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・・14,391・・・・・・1,224,925 ・・・・・・・10,207 ・・・・・・・182
8(42)・・ターミネーター2 3D・・・・・1991/7/06 ・・・・・・・・・・・7,903 ・・・・・・・・11,744・・・・・・・・・・112 ・・・・・・・112
9(68)・・チェックの忍者・・・・・・・・・・・・・10/23・・・・・・・・・・・6,801 ・・・・・・・・11,124・・・・・・・・・・・84 ・・・・・・・221
10(新)・・キング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/23・・・・・・・・・・・6,745 ・・・・・・・・10,724・・・・・・・・・・・85 ・・・・・・・146
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・5・6・8・9・10位の6作品です。
 1位「82年生まれ、キム・ジヨン」は、韓国同様日本でもベストセラーとなった女性作家チョ・ナムジュの話題の小説の映画化作品。この映画の主演はチョン・ユミで、私ヌルボ、彼女はもっと若いと思っていたら1983年1月生まれでほとんど同世代なんですね。で、たまたま「主演チョン・ユミに非難の声、なぜ?」と題した成川彩さんの記事(→コチラ)が目に留まったので読んでみたら、チョン・ユミになんら非はないということでホッとしましたが、それはそれとして、韓国内の反フェミニズムの勢力の声の大きさについて記されていました。意外には思わなかったものの、ここまで強いとは・・・。→翻訳者の斎藤真理子さんへのインタビュー記事と併せて、韓国社会での反応や日韓の違い、翻訳の際の留意点等々が説明されています。日本の場合MeToo運動が韓国ほどのパワーが感じられないのはいろんな理由が考えられますが、日本の場合は韓国ほどの深刻な問題はないと考えるとしたら大きな間違いでしょう。
 ところで、この映画を観た人たちの評点が男女別でどれくらい違いがあるか、→コチラのページで見てみました。すると、平均評点は男性=2.48 女性=9.52。この極端な差にビックリ! 以下内容紹介。ジヨン(チョン・ユミ)は1982年の春生まれ。娘として妻として、同僚として母として2019年の今日を生きています。時につらいことがあっても、夫のテヒョン(コン・ユ)と愛らしい娘、そして日頃は合わなくても家族が大きな力になっています。しかし、ジヨンはいつからか、まるで他の人になったかのような話し方をしています。テヒョンは妻が傷つくことを恐れて、その事実を告げず、ジヨンは、このようなテヒョンにいつも「大丈夫」と笑ってみせるだけでしたが・・・。原題は「82년생 김지영」です。
 5位「ランボー5/ラスト・ブラッド」(仮)は、1982年から続く<ランボー>シリーズの最新作。シルヴェスター・スタローン、70歳を超えてもよく頑張るなー。それにしても、アメリカでの公開日が9月20日だから、その3日遅れとは早い! で、今作は彼の最後の戦い、ですか? 36年間数々の戦場で激しく戦ったジョン・ランボー。地獄のような戦争のトラウマから抜け出して平和な時間を過ごすのも束の間、娘のように思っていた隣の女の子がメキシコのカルテルに拉致されます。そこで骨に深く刻印されていた彼の本能が再び目覚めます! 自分の戦闘本能と凶器を総動員して容赦なく敵を処断するために・・・。韓国題は「람보 : 라스트 워(ランボー : ラスト・ウォー)」です。
 6位「ビッグ・トリップ:赤ちゃんパンダ配達大冒険」は、アメリカ・ロシア合作のコメディ・アニメ。原題は<ビッグ・トリップ>だけですが韓国題を仮題としました。ファンタスティックな野生ワールドを騒然とさせた事故が発生します。それは赤ちゃんパンダの配送事故! 1人で静かに過ごすのが一番好きな引きこもりクマのミクミクの所に、ある日間抜けなコウノトリのミスでお母さんに届けられるはずのかわいい赤ちゃんパンダがに間違って届きます。この事故を解決するために、ミクミクの他にシカやトラ、ウサギなどの仲間たちがパンダの赤ちゃんをお母さんの所に戻すために、荒野を通り抜ける困難ながらも楽しい冒険に出かけます・・・。韓国題は「빅트립: 아기팬더 배달 대모험」。こういうマイナーっぽい外国アニメ、韓国での公開はなかなか多いですが、日本ではまず公開はなさそうな・・・。
 8位「ターミネーター2 3D」は、1991年製作の旧作の3Dリメイク版。日本では
2017年に公開されています。韓国では10月30日からシリーズ新作の「ターミネーター:ダーク・フェイト」が始まるので、その<呼び水>かな? 日本ではなぜか<ニュー・フェイト>と原題と少し変えて11月8日公開。もうかなり情報が出されいるので内容等は省略します。「ターミネーター」シリーズの第1作は1984年。もう35年か。シュワちゃんアンドロイドだから年取っちゃいられない? 韓国題は「터미네이터2 3D」です。
 9位「チェックの忍者」(仮)は、はデンマークのアニメ。デンマークの有名なコメディアンのアンダース・マテセンが書いた児童書が原作。原題「Ternet Ninja」(デンマーク語)も英題「Checkered Ninja」も訳せば「チェック模様の忍者(Ninja)」です。不良生徒たちに圧迫されていて片思いの少女には何も言えない13歳の少年アスキは叔父からタイ製の忍者のぬいぐるみをプレゼントされます。ところが、そのチェック柄の人形は実は正義を求めるサムライの心が宿っていたのです。アスキは、自分を学校の人気スターにしてくれるというチェックの忍者と交換条件で彼の任務を支援することにします。チェックの忍者は、アスキの学校での諸問題を解決してくれ、アスキはスターになりました。さて、その忍者へのお返しは何かというと、忍者は自分を作ってくれたタイの工場の児童労働者が殺害された事件の解決のため協力してほしいというものでした。アスキはさっそく支援を開始しますが、やがて彼は忍者の使命に驚くべき秘密が隠されていることを知ります・・・。韓国題は「체크 히어로(チェック・ヒーロー)」。日本語の<ニンジャ>は意識して避けたんでしょうね。日本公開はない感じですが、私ヌルボとしては先が知りたいなー。観た人たちの評価も高いし・・・。
 10位「キング」は、英・豪・ハンガリー合作の歴史ドラマ。舞台は15世紀のイギリス。父の英国王ヘンリー4世の死後、渋々王位を継承した自由奔放な放蕩者の王子・ハルが数々の困難を乗り越えて国王として成長していく物語。日本でもすでに2日遅い25日から公開されています。韓国題は「더 킹: 헨리 5세(ザ・キング:ヘンリー5世)」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(21)・・シークレット・スーパースター・・10/24・・・・・・・・4,483・・・・・・・・・・7,403 ・・・・・・・・・・59 ・・・・・・・・・112
2(1)・・最高の夏、最高の私たち・・・・・・・・10/16・・・・・・・・・3,500・・・・・・・・・28,933 ・・・・・・・・・241 ・・・・・・・・・100
3(34)・・ボーダー 二つの世界 ・・・・・・・・・10/24・・・・・・・・・3,434・・・・・・・・・・6,244 ・・・・・・・・・・54 ・・・・・・・・・・48
4(3)・・ハチドリ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・1,516・・・・・・・・132,557・・・・・・・・1,082 ・・・・・・・・・・27
5(新)・・雪のように白く・・・・・・・・・・・・・・10/24・・・・・・・・・1,344・・・・・・・・・・2,540 ・・・・・・・・・・21 ・・・・・・・・・・72

 1・3・5位の3作品が新登場です。
 1位「シークレット・スーパースター」と、3位「ボーダー 二つの世界」については上述しました。
 5位「雪のように白く」(仮)は、フランス・ベルギー合作のドラマ。すごく遠い昔ではないしばらく前のある日、美貌の女性クレア(ルー・ドゥ・ラージュ)は、継母のモード(イザベル・ユペール)と一緒に、父が遺産として残した城のようなホテルを運営していました。ある日、自分が愛している人がクレアに心を寄せているという事実を察知したモードは、嫉妬心に囚われてクレアをそこからいなくすることにしました。継母の悪巧みでアルプスのいなかの村に追い出されたクレアは、そこで七人の男と出会って本当の自分を見出すのですが・・・。韓国題は「스노우 화이트(スノー・ホワイト)」。「白雪姫」と訳してもいいかも。日本公開は未定のようです。注目の2女優ですが・・・。
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韓国内の映画 週末の興行成績 [10月18日(金)~10月20日(日)]と、人気順位 ►映画祭の季節、ドヤ街を撮ったドキュメンタリーの件等

2019-10-23 18:48:47 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸10月18日(金)シネマ・ジャック&ベティで「帰れない二人」を鑑賞。ジャ・ジャンクー監督作品は「罪の手ざわり」以来5年ぶり。長い年月に及ぶ<腐れ縁>男女の物語は「浮雲」をはじめなかなか味わい深い作品が多いようですが(他人事だから?)、これもじわっときます。また「罪の手ざわり」同様、そんな物語の背景の社会の変化等が自然に描写されている点もいいです。ただ、「感動作!」と!マークをつけるような作品でもないので、誰にでもオススメというわけでもありませんが・・・。

▸昨日22日(火)はかながわ労働プラザで横浜キネマ倶楽部主催の「寿ドヤ街 生きる2」(渡辺孝明監督.1984)を観ました。約35年前の映像を見て、その間に変わったもの、変わってないもの等についていろいろ思いを馳せました。変わったものといえば、映像や音声などの映画製作技術もまさにそうで、事前に字幕等を入れた部分もあったそうですが、それでも寿の住人へのインタビュー等で聞き取りにくい部分が多く、案の定上映後の監督トークの際質問がありました。そこで監督が「わかりたいと思ったら、それに近づいていくこと」を強調していたのはナルホドと思いました。他にも「ドキュメンタリーで<感動作>は求めない。それは自分の中のイメージにすぎない」等々、とても聞き応えのあるトークでした。
 かながわ労働プラザを出て、すぐ近くの寿町界隈を久しぶりに散策。寿の現況については愛読している<はまれぽcom.>の→「横浜寿町・日本三大ドヤ街の今」と題した記事参照。(この記事の書き方はちょっと<東京DEEP案内>っぽい感じが気になりますが。)
 ドヤ街関係の映画では、折しもテアトル新宿で「解放区」の上映が始まっています。ドキュメンタリー作家をめざす映像作家の青年の姿を通して釜ヶ崎という街とそこの人々を映し出した作品とのことですが、大阪市による内容修正勧告に応じず助成金を返還したことがあいちトリエンナーレと同様に表現の自由をめぐる問題として報道されていますね。来月横浜でも上映が始まるので、その時に観てみます。それにしても、行政側(&国民のマジョリティ)のネガネに適ったものにしか助成金を出さないというのは、多様であるべき文化を先細りさせる自殺行為だと思います。(個別的には判断がむずかしい事例もあるとは思いますが。)

▸映画祭や特別企画上映の時期に入りました。
 10月28日(月)〜11月5日(火)は<第32回東京国際映画祭>ですが、→上映作品リストを見ると、今回韓国映画は<アジアの未来>部門の「失われた殺人の記憶」(原題:아내를 죽였다[妻を殺した])と、<東京国際ファンタスティック映画祭ナイト>の「悪人伝」だけ?
 11月15日(金)~28日(木)ヒューマントラストシネマ渋谷では<韓国映画 CJゾーンの映画たち>で、過去公開された15作品を上映。そのリストは→コチラ参照。私ヌルボが観たのは8作品かな? とくにオススメは「ワンドゥギ」「優しい嘘」・・・って、原作者(キム・リョリョン)も監督(イ・ハン)も同じだ!
 11月23日(土・祝)~12月1日(日)は<第20回東京フィルメックス>(→公式サイト)。コンペティション部門は「波高」(原題:파고)だけが韓国映画ですが、前出の「失われた殺人の記憶」とも韓国ではまだ一般公開されていません。ただ、過去の入賞作から投票で選ばれた「息もできない」が上映されます。この超名作をまだご覧になってない方はこの機会にぜひ!
 11月30日(土)~12月13日(金)はシネマヴェーラ渋谷で<生誕100年記念 異端の天才 キム・ギヨン>。全13作品の一覧とその内容紹介は→コチラで、上映スケジュールは→コチラ。これは韓国映画史に関心がある方はぜひ! 全体的にオゾマシイというかオドロオドロシイというか、そんなフンイキですけどね。という私ヌルボは4本観ただけなんですが・・・。
 そして明日24日(木)は<コリアン・シネマ・ウィーク 2019>(10/29(火)~11/2(土)の当選発表か。どうなるかな?
 それにしても、各地の映画祭で数々の賞を獲得し、韓国で一般公開されて好評を得ている「ハチドリ」の日本公開はどうなっているのでしょうか?

         ★★★ NAVERの人気順位(10月22日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 私の歌は遠く遠く(韓国)  9.79(121)
②(9) 明かりの下で(韓国)  9.60(20)
③(-) 今日も上、上(韓国)  9.55(143)
④(2) 主戦場  9.50(977)
⑤(4) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏)  9.47(103)
⑥(7) ポーランドに行った子供たち(韓国)  9.32(537)
⑦(-) ディーター・ラムス  9.31(89)
⑧(10) 教会のお兄さん(韓国)  9.28(1,549)
⑨(-) レッドシューズ(韓国)  9.24(3,835)
⑩(-) アンタッチャブル  9.06(18)

 ③と⑨の2作品が新登場です。
 ③「今日も上、上」は、韓国のドラマ。というよりも、早い話が愛猫映画で、昨年の第22回富川国際ファンタスティック映画祭と第1回ネコ映画祭(atソウル劇場)に公式招請され好評を博した作品とのことです。今日も平和なソンオンマ(ソン・ウソン)と12匹のニャンコたち。サンハウスでのどかな時間を過ごしていたそのニャンコたちに、ある日全身が震えるようなことが起こります。「みんな、一緒に旅行に行こうか!?」 青天の霹靂のようなオンマの一言で初めて外の世界へ旅行を始めたニャンコたち。涼しい風、青い海、夕暮れの野原まで、すべてがどこまでも目新しい、そんなニャンコたちの運命は・・・。原題は「오늘도 위위」です。
 ⑨「アンタッチャブル」(仮)は、イギリスのドキュメンタリー。2017年「ニューヨークタイムズ」の衝撃的な報道にハリウッドが揺れ始めます。世界的に有名なハリウッドの大物映画プロデュヘサーのホビー・ワインスタイン(→ウィキペディア)が過去30年の間に女優など多数の女性に対し、セクハラや性的暴行を繰り返していたというもので、その被害者数は100人にものぼりますが、彼の報復を恐れ、泣き寝入りするしかなかったのです。そんな被害者たちが声を上げ、勇気を持って醜悪な真実に立ち向かったこの事件は、その後のMeToo運動の口火を切ることになりました・・・。韓国題は「와인스타인(ワインスタイン)」。日本公開は未定のようです。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国)  9.06(16)
②(2) ハチドリ(韓国)  8.38(13)
③(3) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド  7.90(10)
④(-) ブラッド・シンプル  7.75(4)
⑤(-) ストライキ前夜(韓国)  7.71(7)
⑥(4) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏)  7.60(5)
⑦(5) ジョーカー  7.50(10)
⑧(6) アド・アストラ  7.38(8)
⑨(7) 主戦場  7.33(6)
⑩(8) EXIT(韓国)  7.23(13)

 ④「ブラッド・シンプル」が新登場です。1984年コーエン兄弟が初めて手がけた作品で、日本では1987年公開されましたが、韓国ではなぜか今回が初公開です。韓国題は「블러드 심플」です。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績10月18日(金)~10月21日(日) ★★★
           日本より1日早く公開の「マレフィセント2」が「ジョーカー」に替わって1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・上映館数
1(42)・・マレフィセント2・・・・・・・・・・・10/17 ・・・・・・・・・540,314 ・・・・・・・611,451 ・・・・・・・・5,353・・・・・・1,108
2(1)・・ジョーカー・・・・・・・・・・・・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・389,985・・・・・・4,508,681 ・・・・・・・39,508 ・・・・・・・978
3(2)・・いちばん普通の恋愛(韓国)・・・・10/02・・・・・・・・・266,469・・・・・・2,543,801 ・・・・・・・21,744 ・・・・・・・821
4(新)・・2回しましょうか(韓国)・・・・・10/17・・・・・・・・・・90,046 ・・・・・・・136,264 ・・・・・・・・1,151 ・・・・・・・645
5(3)・・パーフェクトマン(韓国)・・・・・・10/02・・・・・・・・・・65,889・・・・・・1,182,328 ・・・・・・・・9,863 ・・・・・・・485
6(4)・・ジェミニマン ・・・・・・・・・・・・・・・10/09・・・・・・・・・・21,171 ・・・・・・・375,702 ・・・・・・・・3,209 ・・・・・・・377
7(20)・・君と出会った夏 ・・・・・・・・・・・・10/16・・・・・・・・・・11,590 ・・・・・・・・19,205・・・・・・・・・・165 ・・・・・・・174
8(新)・・チビっ子自転車 スピーディ・・10/17・・・・・・・・・・・7,105 ・・・・・・・・・7,598・・・・・・・・・・・58 ・・・・・・・318
9(新)・・ワイルド・ローズ・・・・・・・・・・・・10/17 ・・・・・・・・・・6,292 ・・・・・・・・10,534・・・・・・・・・・・79 ・・・・・・・151
10(21)・・バーティゴ[めまい](韓国) ・・・10/16 ・・・・・・・・・・5,606 ・・・・・・・・11,161・・・・・・・・・・・96 ・・・・・・・290
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・4・7・8・9・10位の6作品です。
 1位「マレフィセント2」は、日本でも1日遅れで公開されているので説明は省略します。韓国題は「말레피센트 2」です。
 2位「2回しましょうか」は、韓国のラブコメ。ヒョヌ(クォン・サンウ)は恥をかくことなく敢行したソニョン(イ・ジョンヒョン)との離婚式を終え、再び待望の独身生活に入ります。しかしソニョンは願わなかった離婚だっただけに不満な毎日を過ごすことに。そこへソニョンに好意を持つサンチョル(イ・ジョンヒョク)が現れます。サンチョルはヒョヌとソニョンの共通の友人です。そのサンチョル、これので独身生活を終わらせたくて、相談にやってきたのはヒョヌのところでした・・・。原題は「두번할까요」です。
 7位「最高の夏、最高の私たち」は、中国の青春ラブストーリー。その分野の人気女性作家である八月長安の200万部売れた小説「最好的我們」の映画化作品です。あ、その前にドラマ化されて、日本でも「最上のボクら」というタイトルで放映されてるのですね。女性カメラマンの耿耿[ゴンゴン](何藍逗)にとって、7年前の高校生だった頃の思い出の人は余淮[ユーホワイ](陳飛宇)でした。17歳、すべてが不器用だったものの、すべてが良かった頃でした。彼女が劣等生で彼が優等生。そんな2人の懐かしくももどかしい記憶をたどります・・・。韓国題は「너를 만난 여름(君と出会った夏)」。この作品は、ちょうど10/22~29日東京都写真美術館ホールで開かれている<2019東京・中国映画週間>(→コチラ)の中で上映されます。(あ、個人的注目作「流転の地球」の上映もあるゾ! ・・・って、半年前からNetflixで配信してるけど。)
 8位「チビっ子自転車 スピーディ」は、スペインのアニメ。町で最速のチビっ子自転車スピーディは、いつか世界最高のレーサーになるという夢を持っています。レーシング大会1等で町のスーパースターになったロックは、もっと速いスピードと町の発展のためには自転車全部にガソリンエンジンを付けなければならないと主張します。しかしスピーディは町を汚染させるガソリンエンジンの秘密を知り、これを食い止めるためのレース対決を開こうとします・・・。韓国題は「꼬마 자전거 스피디」です。
 9位「ワイルド・ローズ」は、イギリスの音楽ドラマ。生まれつきの歌唱力でグラスゴーのあるバーで人気上昇中のローズ(ジェシー・バックリー)の夢はカントリー・ミュージックの聖地、アメリカのナッシュビルのスターになること。ところがその資金稼ぎのためヘロイン売買に手をそめて前科の経歴がついてしまい、その上10代の時に産んだ2人の子供を抱えるシングルマザー生活。しかし、ローズの最初のファンを自任した雇い主スザンナと母親の助けを借り、BBCを経てついにナッシュビルの地を踏むことになりますが・・・。韓国題は「와일드 로즈」。日本公開は未定のようです。
 10位「バーティゴ[めまい]」は、韓国のドラマ&ラブロマンス。英題は「Vertigo」なのですが、本来はドイツ語で<めまい>、それも文字通り周囲がぐるぐる回る回転性めまいのことを言います。有名なヒッチコックの「めまい」の原題も「Vertigo」で、高い建物に上るとめまいがする高所恐怖症の元刑事が登場します。本作のチョン・ケス監督ももちろんそれを念頭に置いていて、高層ビルが主舞台になっています。ただコチラの原題の「버티고(バティゴ)」は英題の韓国語表記とは別に韓国語の「耐えて」という意味にもなるのがややこしてところ。<ソウルナビ映画>ではそう訳しています。30代の会社員ソヨン(チョン・ウヒ)は、めまいがするような高層ビル内のオフィスで毎日なんとか耐えて仕事をしています。安定した生活を願っているものの、現実には不安定な契約社員でお手上げ状態。恋人のジンス(ユ・テオ)と他人には知られず社内恋愛中ですが、それも不安な関係。毎晩かかってくる母親からの電話もうっとうしい・・・。もうこれ以上耐えられないと感じた彼女がくず折れてしまいそうなその瞬間、窓の外にロープにぶら下がったまま彼女を見守るガラス拭きの男グァヌ(チョン・ジェグァン)と目が合います・・・。うーむ、これはやっぱり上記の意味を全部含んだタイトルのようですね。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(6)・・最高の夏、最高の私たち・・・・・・・・10/16・・・・・・・・11,590・・・・・・・・・19,205 ・・・・・・・・・165 ・・・・・・・・・174
2(新)・・ワイルド・ローズ・・・・・・・・・・・・・10/17・・・・・・・・・6,292・・・・・・・・・10,534 ・・・・・・・・・・79 ・・・・・・・・・151
3(1)・・ハチドリ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・2,416・・・・・・・・129,229・・・・・・・・1,055 ・・・・・・・・・・42
4(4)・・怪しい隣人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/09・・・・・・・・・2,175・・・・・・・・・10,997 ・・・・・・・・・・64 ・・・・・・・・・・13
5(新)・・北間道[プッカンド]の十字架(韓国)・・10/17 ・・・・2,027・・・・・・・・・・3,096 ・・・・・・・・・・24 ・・・・・・・・・123

 1・2・5位の3作品が新登場です。
 1位「最高の夏、最高の私たち」と、2位「ワイルド・ローズ」については上述しました。
 5位「北間道[プッカンド]の十字架」は韓国のドキュメンタリー。北間道とは、北朝鮮の北側、つまり中国の旧満州一帯をさす(朝鮮側からの)呼称で、昔から朝鮮族も多数居住し、現在も朝鮮族自治州があります。(州都は延吉。) 日本による朝鮮統治期、故郷を離れて北間道に移り住んだ朝鮮人にはキリスト教徒が大勢いました。彼らが手に持った十字架は独立を求める強い意志の象徴であり、背負うべき時代の使命でした。歴史学者のシム・ヨンファン歴史N教育研究所長が北間島の朝鮮族の後裔である故ムン・ドンファン牧師の回顧録に沿って北間島の各地の隠れた抗日独立運動の痕跡と意味を探ります・・・。原題は「북간도의 십자가」。ポスターの画像を見ると、やっぱり尹東柱と宋夢奎の写真も入っていますね。
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韓国内の映画 週末の興行成績 [10月11日(金)~10月13日(日)]と、人気順位 ►高知県&韓国関係の映画というと・・・

2019-10-16 23:55:32 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸10月11日(金)~14日(月)は所用で高知市、その後は徳島県の実家に回って今日に至っているので、この1週間は映画鑑賞ナシ。
 高知市を訪れたのは小学校の修学旅行以来。ということは50数年ぶりかー! うーむ・・・。
 17日には横浜に戻りますが、ふと考えたのはこのまま半月以上コチラに滞在し続けたら、シネコンとミニシアターを合わせて5館以上の映画館に30~40分以内に行けるという横浜での生活がいかに恵まれているかが実感されます。徳島県では映画館が3館。そして高知県は高知市内に1955年開業という高知あたご劇場と、TOHOシネマズ高知の2館があるだけです。私ヌルボ、横浜と同じような映画鑑賞生活を続けるとなると、高速バスで大阪や神戸に行かざるをえないでしょう。いや、全国の10ヵ所にも満たない都市以外はほんど徳島や高知とさして変わらない状況のようです。
 1950年代頃の映画の全盛期には全国で7千以上あった映画館は90年代頃には2千を割り込むほど減りました。その後シネコンの発展で今は3千5百を超えるほど持ち直してはいるものの、その所在地は県庁所在地を主とした中都市で、映画館空白地域の拡大という長期的趨勢に変わりはありません。(→参考)
 したがって、日本全国の映画ファンの多くはレンタルDVDで観たり、近年はネット配信で観るということになるのでしょうか。
 なお、→コチラの統計資料は2017年のアメリカ&カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、オーストラリア、韓国の6ヵ国と、日本の映画館での上映状況を比較したものですが、各国の国民1人当たりの映画館での年間鑑賞本数は、
 ①韓国4.3回 ②アメリカ&カナダ3.4回 ②オーストラリア3.4回 ④フランス3.2回 ⑤イギリス2.6回 ⑥ドイツ1.5回 ⑦日本1.4本
で、日本が最下位。韓国の約3分の1にとどまっています。この数字も上記のような映画館事情と関係があるかもしれません。
 あるいは数ヵ月前、「紙の新聞と映画館は高齢者限定のもので、遠からず消えてゆくものだ」といった内容のツイートをたまたま目にして、どちらにも愛着を感じている高齢者のヌルボとしてはガーン!と衝撃を受けましたが、そういう傾向があるとして、それが世界的な時代の趨勢なのか、日本独自のものなのか、そこらへんは今ひとつわかりません。(映画館での鑑賞は、作品のみならず、その時代、その映画館ならではのいろんな懐かしい記憶とセットなんだけどなー、・・・という感じ方自体が高齢者っぽい?)
▸高知関連の映画を考えてみると、竜馬をはじめ幕末物は別にして、アタマに浮かぶのは宮尾登美子原作のいろいろ。今回初めて行った高知県立文学館には彼女の特別展示室がありました。しかし私ヌルボが読んだのは自伝4部作の3番目「朱夏」だけ。7作ある映画化作品は全然読んでいないし、映画も観ていません。せめて「鬼龍院花子の生涯」(1982)だけでも観ておきたかったです。(「なめたらいかんぜよ!」の夏目雅子が亡くなったのは1985年だった。)

▸とくに韓国オタクとして「高知 韓国 映画」の3語で脳内検索するとヒットする作品はもちろん「愛の黙示録」(1995)です。韓国・慶尚南道の木浦(モッポ)で孤児救済のために生涯をかけ、<木浦の母>と呼ばれた高知市出身の田内千鶴子さん(1912~68)(→ウィキペディア)の生涯を描いた日韓合作の作品で、監督は韓国のキム・スヨン、主演は石田えりでした。
 この作品について書くと長くなるので、別記事にします。とりあえずは→白井佳夫さんの記事を読んでみてください。
 上の写真は、もちろん私ヌルボがホテルで借りた自転車に乗って現地に行って撮ったものです。

<コリアン・シネマ・ウィーク 2019>(10/29(火)~11/2(土)の上映作品・スケジュール等は→コチラ参照。観覧申込締切は10/21(月)です。※10/29(火)シネマート新宿で上映の「完璧な他人」の前売券はすでに売り切れているようですが、11/15(金)~シネマート新宿他で全国公開されます。

         ★★★ NAVERの人気順位(10月15日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 私の歌は遠く遠く(韓国)  9.78(115)
②(3) 主戦場  9.51(973)
③(-) 星の庭園(韓国)  9.49(191)
④(4) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏)  9.47(103)
⑤(5) 愛の贈り物(韓国)  9.45(345)
⑥(6) 僕のワンダフル・ジャーニー  9.40(600)
⑦(8) ポーランドに行った子供たち(韓国)  9.32(537)
⑧(-) アンダードッグ(韓国)  9.30(1,463)
⑨(10) 明かりの下で(韓国)  9.30(20)
⑩(-) 教会のお兄さん(韓国)  9.28(1,545)

 入れ替わりはありましたが、新登場の作品はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国)  9.06(16)
②(2) ハチドリ(韓国)  8.38(13)
③(3) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド  7.90(10)
④(4) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏)  7.60(5)
⑤(5) ジョーカー  7.50(10)
⑥(6) アド・アストラ  7.38(8)
⑦(7) 主戦場  7.33(6)
⑧(8) EXIT(韓国)  7.23(13)
⑨(9) ミッドソマー[夏至祭]  7.20(10)
⑩(10) 動物、園(韓国)  7.20(5)

 今回の新登場はありません。順位・ポイントも先週と全く同じです。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績10月11日(金)~10月13日(日) ★★★
           2週連続1位の「ジョーカー」が累積400万人に迫る

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ジョーカー・・・・・・・・・・・・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・767,788・・・・・・3,847,443 ・・・・・・・33,491・・・・・・1,312
2(2)・・いちばん普通の恋愛(韓国)・・・・10/02・・・・・・・・・468,413・・・・・・2,046,869 ・・・・・・・17,473・・・・・・1,036
3(6)・・パーフェクトマン(韓国)・・・・・・10/02・・・・・・・・・167,677・・・・・・1,033,562 ・・・・・・・・8,631 ・・・・・・・719
4(11)・・ジェミニマン ・・・・・・・・・・・・・・10/09・・・・・・・・・154,654 ・・・・・・・302,136 ・・・・・・・・2,620 ・・・・・・・828
5(4)・・長沙里:忘れられた英雄(韓国)・・9/25・・・・・・・・・25,153・・・・・・1,110,468 ・・・・・・・・8,831・・・・・・・・325
6(新)・・ミッシング・リンク ・・・・・・・・・10/09 ・・・・・・・・・・9,390 ・・・・・・・・17,510 ・・・・・・・・・・136 ・・・・・・・268
7(5)・・ソフィーとドラゴン ・・・・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・・8,731 ・・・・・・・・90,886 ・・・・・・・・・・708 ・・・・・・・193
       :魔法の本の秘密
8(7)・・ノーム・アローン ・・・・・・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・・8,528・・・・・・・・・58,612 ・・・・・・・・・・469 ・・・・・・・130
9(新)・・パンソリ・ボクサー(韓国)・・・・10/09 ・・・・・・・・・・8,233・・・・・・・・・16,827 ・・・・・・・・・・137 ・・・・・・・297
10(9)・・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド・・9/25・・4,385・・270,172・・・・・・・・・・2,209 ・・・・・・・・47
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は4・6・9位の3作品です。
 4位「ジェミニマン」は、アメリカのSF。最強スナイパーのヘンリー(ウィル・スミス)は、政府から依頼されたミッションを遂行している最中、何者かの襲撃を受けます。やがてその襲撃者の正体が若き日のヘンリー自身のクローンだという衝撃的な事実を知るとともに、想像を遥かに超えた巨大な陰謀に巻き込まれていきます。過去2回のアカデミー賞監督賞をはじめ数々の受賞歴のあるアン・リー監督作品で、ほぼ(?)ハズレなしでしょうが今作はどうか? 個人的にはハリウッド進出前の「推手」「ウェディング・バンケット」「恋人たちの食卓」とかが好きなんだけどなー。韓国題は「제미니 맨」。日本公開は10月25日です。
 6位「ミッシング・リンク」は、カナダ・アメリカ合作の冒険&コメディ・アニメ。ライオネル・フロストは、ライバル視しているピゴット=ダンスビー卿などの貴族仲間に自分の実力を認めさせてやるぞ!との思いで未知の生命体を探し求めたものの一向に見つからず。そんな中、<ビッグフット>が目撃されたという情報が飛び込んできました。<イエティ>等ともよばれる伝説上の動物です。つまり雪男の類。勇んで現地・北アメリカに赴いたフロストは首尾よくビッグフットと遭遇します。ところが、ここで想定外の事実が判明します。そのビッグフットは人間の言語がわかる!のです。しかも、そのMr.リンクという名のビッグフットこそフロストに情報を提供した張本人だったのです。リンクはヒマラヤに住む親類のイエティをを探すためフロストの力を借りたかったのだとか。フロストはリンクの願いを聞き入れることにします。一方、その頃、ピゴット=ダンスビー卿はフロストが貴族の名誉を汚していると思っており、彼を排除する機会を窺っていました・・・。韓国題は「잃어버린 세계를 찾아서」。日本公開は、今のところ未定です。
 9位「パンソリ・ボクサー」は、韓国のコメディ&ドラマ。元プロボクサーのピョング(オム・テグ)は、かつてボクシングチャンピオンの有望株として注目されていました。しかし取り返しのつかない一瞬の過ちでボクシング協会で永久除名になってしまいました。その後彼はパク・クァンジャン(キム・ヒウォン)の配慮でジムの雑務を引き受けて暮らしています。再びボクシングを始めたい気持ちはありますが、悪いことに脳細胞が損傷されているパンチドランカーの診断まで受けているピョングですが、ある日彼がばらまいたチラシを持ってジムを訪れた新入り練習生のミンジ(イ・ヘリ)は、ボクシングに対するピョングの純粋な情熱を知って彼の強力な支援者になってくれます・・・。原題は「판소리 복서」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・ハチドリ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・3,501・・・・・・・・124,358・・・・・・・・1,017 ・・・・・・・・・・52
2(2)・・Then Came you・・・・・・・・・・・・・・・・10/09・・・・・・・・・3,026・・・・・・・・・・9,598 ・・・・・・・・・・78 ・・・・・・・・・115
3(2)・・ナマズ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/26・・・・・・・・・2,662・・・・・・・・・30,005 ・・・・・・・・・252 ・・・・・・・・・・49
4(4)・・怪しい隣人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/09・・・・・・・・・2,404・・・・・・・・・・6,337 ・・・・・・・・・・48 ・・・・・・・・・135
5(5)・・12番目の容疑者(韓国) ・・・・・・・・・10/10・・・・・・・・・2,273・・・・・・・・・・3,274 ・・・・・・・・・・26 ・・・・・・・・・106

 先週は記事の更新後に元のデータが変わったため順位に矛盾が生じてしまいました。以下の2~5位はいずれも本ブログ内での新登場です。
 2位「Then Came you」は、アメリカのドラマ。空港の手荷物取扱い人として働いているカルバン(エイサ・バターフィールド)は心を病んでいる19歳の青年。ある支援団体のセミナーに参加した彼は、そこで末期のガンにかかっているイギリスのティーンエイジャー、スカイ(メイジー・ウィリアムズ)と出会います。スカイは彼にバケットリスト(死ぬ前にしたいことのリスト)を実行するのを手伝ってくれるように頼みます。(「物を盗んでみる」というのもあったり・・・。) 彼女にとってはどれだけ長く生きるかではなく、どれだけ自分の思いを実現するかということが重要なのです。2人が一緒に行動しているうちに病状は悪化し、スカイはカフェで倒れます。一方、カルバンはフライトアテンダントのイジー(ニーナ・ドブレフ)に片想いをしていました。彼女はカルバンがガンだと誤解して接近してきた女性です。スカイは最後に思いのこもった絵葉書をカルバンに送ります・・・。韓国題は「디어 마이 프렌드(ディア・マイ・フレンド)」。日本公開は未定です。(というか、なさそう? ネット配信?)
 3位「ナマズ」は、韓国のドラマ&ミステリー&コメディ。ここはマリア愛の病院。今日はすごくヤバい写真1枚で病院が上へ下への大騒ぎ。 その写真というのが、なんと男女のセックス現場のX線写真! <私>が好きな看護師のユンヨン(イ・ジュヨン)さんは噂の主人公が自分と彼氏のソンウォン(ク・ギョファン)かもしれないと疑っています。ユニョンさんは次の日辞職願いを持って出勤しますが、それを出す前にキョンジン(ムン・ソリ) 副院長に休職を要求されます。ところがその日同僚たちは一切出勤しない等々、事態は複雑なことになっていきます。はたしてユニョンさんはこの疑いの穴から抜け出られるでしょうか? あ、申し遅れましたが<私>はナマズです・・・。原題は「메기」です。社会的な問題意識のある独立系作品で、「シネプレイ」のシム・ギュハ記者の「青年たちのための<穴からの脱出案内書>」等々、高評価が多く寄せられています。ヌルボ個人として、ぜひ観てみたいな。
 4位「怪しい隣人」は、韓国のコメディ。ある平凡な町で繰り広げられたナゾの事件。一体犯人は誰? 秘密の多いの警備員から、復讐心を抱いているイジメにあっていた少年。ポーカーフェイスのご近所アイドル、人生2回目の疑いのある小学生まで優劣つけがたい怪しい隣人がいっぱいの町内に、ある日突然薄汚いなりの怪しいお節介屋のテソン(オ・ジホ)が現われ、平和な日常がどこかねじれてしまいます・・・。原題は「수상한 이웃」です。
 5位「12番目の容疑者」は韓国のミステリー。朝鮮戦争の戦雲がまだ消えやらない1953年秋、南山で有名詩人のペク・ドゥファン(ナム・ソンジン)が殺されます。翌日、彼が足繁く出入りしていたオリエンタル喫茶に事件の捜査官キム・ギチェ(キム・サンギョン)が入って来て、店内にいた全ての人々を容疑者として聞き取りを始めます。徐々に明らかになる殺人事件の真実、はたして誰が真犯人なのか・・・?
原題は「열두 번째 용의자」です。
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韓国内の映画 週末の興行成績 [10月4日(金)~10月6日(日)]と、人気順位 ►極私的には「ジョーカー」や「アラジン」よりよかった「東京干潟」

2019-10-08 22:04:54 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸この1週間は、2日(水)に「アラジン」、5日(土)に「東京干潟」、6日に「ジョーカー」と、わりと集中的に観てしまいました。
 映画ファンの人なら、4ヵ月も前に公開の「アラジン」を今頃なんで?と思うかも知れません。実は私ヌルボ、少し気にはなってたものの、趣味に合わない感じなので近所(&アチコチ)で上映中の時には行かず、その後日韓ともファンも専門家もけっこう高く評価しているので、都内での上映館が1館だけとなってやっと重い腰をあげてその1館、つまり下高井戸シネマに行って来ました。久しぶりです。・・・って最後に行ったのがいつだったか記録を見てみると「おじいちゃんの里帰り」(2014)。もう5年前なのか。その前は「ルシアンの青春」(2012)、「黄色い星の子供たち」(2011)・・・。ここのラインナップは味わいがあってとても好きです。(あ、11日まで「イーダ」をやってる!)
 さて、「アラジン」なのですが、始まってすぐ高ポイントの理由がわかりました。魅惑的な音楽と美しい映像。まさにamazing! 物語も<お約束>通りの展開なので時にハラハラすることはあっても最後には正義が勝つ(笑)ので安心して観られます。たぶん、こういう映画を始めて観た子供はずっと記憶に残るんだろうなー。私ヌルボが幼い頃「わんわん物語」に魅了されたように・・・。しかし、たとえばいくら多くの人たちがディズニーランドが楽しいと言っても、(また実際にそうでも)還暦を過ぎて何年も経ったジイサンが好き好んで行く所でもない、そういうものだと思います。
 なにかと話題の「ジョーカー」は、ちょっとゼイタクしてブルク13のIMAXで観てきました。終わって出てくる時、他の人たちが「おもしろかったわね」等と話しているのを聞いて「ふうん、そうなのか」と思ったのは、私ヌルボは「そう思わなかった」から。のネチズン約1万5千人(!)の評点分布を見ると約1万1千人つまり7割以上の人が満点の10点をつけています。日本でもほぼ同様ではないでしょうか。(ちなみに、約1千人は1点をつけてますが。)
 なぜそんなに良いと思わなかったのかというと、①シリアスすぎて楽しめない。②主人公はとても悲惨でかわいそうだが、魅力に欠ける。(ホアキン・フェニックスの演技力は評判通りだが) ということ。
 バットマンシリーズで抜きんでていたのがいうまでもなく「ダークナイト」で、これは上記①②のちょうど逆でした。・・・というわけで、この作品についての感想&評価は少数派の側になってしまったようです。
 で、上掲の3作品中一番感動したのが自分でも思いもよらないドキュメンタリーの「東京干潟」でした。とくに予備知識もなく、なんとなくタイトルに惹かれて横浜シネマリンへ。撮影場所はほとんど多摩川下流の大師橋の下あたり。そこの干潟(というより泥地)でシジミを獲って生活している85歳のおじいさんに村上浩康監督が4年間密着して撮影。近年増えているというシジミの乱獲のこととか、土手の下のビニールハウスで一緒に暮らす15匹のネコのこととか、台風による増水等の自然のこととか、干潟で知られる有明海の近くで育って復帰以前の沖縄に行って等々のおじいさんの人生のこととか、興味深い話がいっぱい。泥にはまって動けなくなった人が救急隊に運ばれていく場面もあったり・・・。
 ※→<映画.com>のレビュー、3つだけですがどれも良いです。
 私ヌルボ、羽田空港の建物から夕日を眺めたことは何度もありますが、すぐ近くの川でこんな物語が展開されていたとは知りませんでした。今度行ってみることにしようかな。山崎博昭君が亡くなった第1次羽田事件の現場もすぐ近くだし・・・。

▸先週の記事で、韓国の映画館では観客はエンドロールは観ないでゾロゾロ出て行く、といったことを書きました。そこで映画が始まってからも入ってくる人が多いようだということもチラッと書きましたが、その関連で(?)saruさんのツイッター(→コチラ)におもしろい(←スミマセン)ツイートがあったのでそのままご紹介します。

 SARU@saruKmovie
 ロッテシネマ、上映開始時間が過ぎると自動券売機でチケットが買えなくなり、有人窓口で買うしか買うしか無くなるのだが、日中でも小さなところだとスナックコーナーと係員が兼務となっているところ、夜遅くになるともろにスナックコーナーがチケット売り場兼になってしまう。
 そうなると夜で係員が少ないところ、行列ができてしまう。
 上映時間が過ぎてるので、急ぐのに。
 そうして昨晩は、本編が始まるまで時間がないのに(CM、予告編タイムはシネコンだと10分ほど)行列になっていて、前のカップルはイカ焼きを頼んで、しばし係員がイカ炒め(?)に精を出し、チケット販売はストップ。
 ようやくおいらの番が来て、映画名と時間などを伝えたところ、係員のおねえさんが何か言うので聞き返したところ「広告が始まってますけど、いいですか?」と。仰天。だからこの窓口に来るしかないんだし、時間がないんだし。
 ようやくチケットを受け取り、狭いエスカレーターに乗ったら、前に乗ってる人々が全く急ごうとも歩こうともしないでのんびり。
 同じ映画を観る人たちであることは、かなり明白なのに。
 ようやくスクリーンにたどり着いたのは、シネマサービスだった?、小島で子供たちが花火を上げてる映像が。
 間一髪、本編に間に合いました。係員も観客も、本編に間に合うように、という意識がなさすぎ。
 最初を見逃して、エンドロールの途中または最後を見逃して、それで全編観たことになってるの?


 いやー、チケットを売る人がイカも焼いてるとはねー(笑)。
 なお、韓国の映画館フードについては→<ソウルナビ>の記事参照。やっぱりイカについてはいろいろ書いてあります。全体的に日本に比べて量が多い。(日本が少ないというべきか。)

         ★★★ NAVERの人気順位(10月8日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(-) 私の歌は遠く遠く(韓国)  9.80(91)
②(1) 痛いほど愛する(韓国)  9.72(152)
③(2) 主戦場  9.54(968)
④(4) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏)  9.47(103)
⑤(-) 愛の贈り物(韓国)  9.44(337)
⑥(5) 僕のワンダフル・ジャーニー  9.42(571)
⑦(6) アラジン  9.38(26,596)
⑧(8) ポーランドに行った子供たち(韓国)  9.32(537)
⑨(7) ディーター・ラムス  9.32(82)
⑩(9) 明かりの下で(韓国)  9.30(20)

 ①「私の歌は遠く遠く」が新登場。キム・ジヒという24歳の女性ギタリストを撮った韓国のドキュメンタリーで、今年の堤川国際音楽映画祭に正式招待された作品。すっきりとした繊細な演奏がジヒの持ち味。ギターを上手に弾くことのほかに夢はありませんが、知的障碍のため表現力不足が悩みの種。日常生活ではママの後ろに隠れていた彼女がある日突然、自分の歌を作りたいと言って歌い始めるのですが・・・。このジヒさん、すでに数多くの実績を積んでいます。2013年平昌冬季五輪閉会式でのギターソロ、2014・16年の<挑戦韓国人賞>受賞、2014年の全国障碍青少年芸術祭西洋楽器独奏部門最優秀賞等の受賞歴があり、2015~16年に3回LA血液ガン患者&発達障碍者支援コンサートにゲストとして招待され、2018年平昌冬季五輪成功祈願音楽会でヨーロッパ3ヵ国巡回公演、そして平昌冬季文化パラリンピック開幕祝祭ではKBS交響楽団と共演等々、
国内外での数多くの公演を行っているほか、トークコンサートを通して多くの人に希望を伝えています。原題は「나의 노래는 멀리멀리」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国)  9.06(16)
②(2) ハチドリ(韓国)  8.38(13)
③(3) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド  7.90(10)
④(4) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏)  7.60(5)
⑤(-) ジョーカー  7.50(10)
⑥(5) アド・アストラ  7.38(8)
⑦(6) 主戦場  7.33(6)
⑧(7) EXIT(韓国)  7.23(13)
⑨(-) ミッドソマー[夏至祭]  7.20(10)
⑩(8) 動物、園(韓国)  7.20(5)

 ⑤「ジョーカー」が新登場です。日本でも1日遅い4日から公開されています。韓国題は「조커」です。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績10月4日(金)~10月6日(日) ★★★
           日本より1日早く公開の「ジョーカー」が圧倒的1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・上映館数
1(104)・・ジョーカー ・・・・・・・・・・・・・・・10/02 ・・・・・・・1,285,808・・・・・・2,199,836 ・・・・・・・19,353・・・・・・1,418
2(29)・・いちばん普通の恋愛(韓国)・・・10/02・・・・・・・・・624,815・・・・・・1,064,484 ・・・・・・・・9,126・・・・・・1,069
3(6)・・パーフェクトマン(韓国)・・・・・・10/02・・・・・・・・・325,442 ・・・・・・・664,300 ・・・・・・・・5,534 ・・・・・・・803
4(1)・・長沙里:忘れられた英雄(韓国)・・9/25・・・・・・・・102,218・・・・・・1,038,114 ・・・・・・・・8,261・・・・・・・・650
5(新)・・ソフィーとドラゴン ・・・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・35,802 ・・・・・・・・70,420 ・・・・・・・・・・549 ・・・・・・・469
       :魔法の本の秘密
6(2)・・量子物理学(韓国)・・・・・・・・・・・・・9/25・・・・・・・・・・22,190・・・・・・・・532,653 ・・・・・・・・4,436 ・・・・・・・440
7(新)・・ノーム・アローン ・・・・・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・21,953・・・・・・・・・37,998 ・・・・・・・・・・305 ・・・・・・・202
8(3)・・悪い奴ら:ザ・ムービー(韓国)・・9/11・・・・・・・・・・17,373 ・・・・・・4,556,696 ・・・・・・・39,445・・・・・・・・359
9(4)・・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド・・9/25・・133,526・・258,141・・・・・・・・・2,104 ・・・・・・・156
10(18)・・47メーターズ・ダウン・・・・・・・8/28・・・・・・・・・・・7,228・・・・・・・・492,132・・・・・・・・・3,833 ・・・・・・・・・7
       アンケイジド
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・2・5・7位の4作品です。
 1位「ジョーカー」は、上述の通り日本でも公開されています。
 2位「いちばん普通の恋愛」は、韓国のラブロマンス。元カノに傷つけられたジェフン(キム・レウォン)は、いつものように二日酔いで始まった朝、前の晩に誰かと2時間も通話していたことに気づきます。その相手は、挨拶を交わしてから24時間も経っていない職場の同僚ソニョン(コン・ヒョジン)だったとは・・・。そのソニョン、彼氏との煮え切らない別れ話が継続中で、新しい会社に出勤した初日も彼氏と大喧嘩しているところを偶然同じ職場のジェフンに会ってしまったのです。出会いから1日で仕事よりもお互いの恋愛事情を知った2人ですが、微妙な緊張とぎこちなさもしばし。「情けない!」「あきれた!」などと言いながらも気になるのはなぜかな・・・? 原題は「가장 보통의 연애」です。
 5位「ソフィーとドラゴン:魔法の本の秘密」は、ロシアのファンタジー&冒険アニメ。平和な王国のおてんば姫ソフィーは、いつも陽気に見えますが、子供の頃にいなくなったママを毎日懐かしむ寂しがりやの少女でもあります。7歳の誕生日を迎えたある日、ソフィーは 虎視眈々と王の座を狙うバルターシャの目を避けて宮殿の中で遊びのネタを探しているうち、神秘的な魔法の本を発見します。好奇心いっぱいのソフィーがその本を広げた拍子にドボンと本の中に飛び込むと、そこは不思議な動物と美しい植物でいっぱいのファンタジーの世界でした。そこでソフィーはちびっ子ドラゴンのドラックと出会います。毎晩魔法の本の中に入ってドラックスと遊びまわっていたソフィーは、やがてすべての願いごとを示してくれるという魔法の鏡の秘密を知ることになりますが、はたしてその鏡でいなくなったママを見つけてバルターシャから王国を守ることができるでしょうか・・・。韓国題は「소피와 드래곤: 마법책의 비밀」です。
 7位「ノーム・アローン」は、カナダのアニメ。思春期の少女クロエは、シングルマザーのキャサリンの都合でまた引っ越ししましたが、今度の家は古い一軒家で、見た目はまるでお化け屋敷! クロエはそこで怪しい7人の妖精(ノーム)と神秘的な宝石キーストーンを発見します。学校でクロエは親しくなりたい<インサ(인싸)>=人気者のブリトニーに乞われるままにそのキーストーンを貸してあげます。ところが夜になってと動き出した妖精は新しい家とキーストーンにまつわる驚くべき秘密を聞かせてくれます。キーストーンを失った後、クロエの新しい家は食いしん坊大将の宇宙モンスター<トロッグ>の襲撃で修羅場になってしまいます。はたしてクロエと7人の妖精はモンスターから家を無事に守ることができるでしょうか・・・。韓国題は「몬스터 하우스(モンスターハウス)」。日本では劇場公開はなく、Netflixで配信されています。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(2)・・ハチドリ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・4,218・・・・・・・・116,684 ・・・・・・・・・956 ・・・・・・・・・・50
2(1)・・魔王の娘イリシャ(韓国) ・・・・・・・・9/26・・・・・・・・・1,459・・・・・・・・・15,093 ・・・・・・・・・108 ・・・・・・・・・・40
3(3)・・ミッド・ナインティーズ・・・・・・・・・9/25・・・・・・・・・1,344・・・・・・・・・16,350 ・・・・・・・・・136 ・・・・・・・・・・41
4(新)・・Our Body(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・9/26・・・・・・・・・1,066・・・・・・・・・・6,829 ・・・・・・・・・・57 ・・・・・・・・・・34
5(5)・・100日で100の物事 ・・・・・・・・・・・・・9/12・・・・・・・・・・・997・・・・・・・・・28,313 ・・・・・・・・・225 ・・・・・・・・・・19

 4位「Our Body」が新登場です。「金子文子と朴烈」に主演して数多くの賞を受賞したチェ・ヒソ主演のドラマ。公務員試験に挑戦し続けて8年目の女性ジャヨン(チェ・ヒソ)は、毎回試験に落ちて勉強と生活両方に疲れ果ててしまいます。そんな彼女の前に、<走る女性>ヒョンジュ(アン・ジヘ)が現れます。
ヒョンジュようになりたいという願望で生まれた初めてランニングを始めたジャヨンは、他人の視線から自由になって、少しずつ生活の活気を取り戻していきますが・・・。原題は「아워 바디」です。
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2泊3日の岡山旅行の記録① たまたま出会った宇垣一成陸軍大将の銅像

2019-10-05 09:24:18 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 9月9日(月)~11日(水)岡山に行って来ました。首都圏に住む大学時代の同窓3人が、同じく岡山在住の仲間を訪ねようというのが旅の趣旨です。
 ただ、私ヌルボを含む首都圏の3人は各自ほかの都合もあって、10日午前に現地集合で帰路もそれぞれ別。(・・・というのがイマ風? orウチら風?)

○9月9日(月)
 私ヌルボは9日に発ちましたが、台風の影響でダイヤが乱れることを勘案してキップを買っていなかったのがバッチリ正解! 台風は雨は(自宅辺りは)そんなでもなかったものの、風はまだ強く、昼過ぎ頃でもJRや新幹線は30分以上の遅れ。しかし新横浜14:21発の岡山行ひかりに乗り込んだ時はほぼ定刻になっていました。そして18:19岡山着。

    
 すでに薄暗くなり始め、明日・明後日とあちこち行くので、この日は駅近のホテルの近くで焼きあなご飯を食べて、後はブログ編集作業。

○9月10日(火)
 7時前に起床。仲間との待ち合わせは10時桃太郎像前なのでどこか行けるゾ!と数日前検討した所は岡山縣護國神社。とくに何があるからという具体的な目的があるわけではありませんが、「何かあるだろう」というカンのようなものが働いたので。
 岡山駅前から西大寺行きのバスに乗り、約30分。なだらかな坂を登って行くと、神社の手前から道の両側にポツポツ石碑が建てられています。
 そして「おっ、これは」という銅像が・・・。

    
 宇垣一成(うがき かずしげ.1868~1956)です。[現]岡山市生まれの陸軍大将で、陸軍大臣、朝鮮総督等を務めた人物です。また3度首相候補にも名前が上がりましが、これは実現しませんでした。
 ところで私ヌルボ、宇垣一成のおよその経歴はそれなりに知ってはいましたが、岡山出身ということは知りませんでした。そしてここに銅像があることも。こういう思わぬ出会いがあるのも、下調べをキッチリしてなかったから、かな?
 彼が朝鮮総督を務めたのは1931~36年。満州事変、五・一五事件、二・二六事件等々、軍部の策謀やテロ事件が相次いでいた頃です。
 彼は<内鮮融和>を掲げて皇民化政策を行った一方、農村振興運動等を推進しましたが、(ウィキペディアには)「実効性には乏しかった」とあります。
 農村振興運動といえば、想起されるのが朴正熙が推進したセマウル運動のことです。
 大邱師範学校を卒業した朴正熙は1937年満19歳で聞慶(ムンギョン)公立普通学校の教師になりますが、崔吉城広島大名誉教授によると(→コチラや→コチラ)、その学校が宇垣総督による農村振興運動下で運動の中堅人物を養成する指定校であり、朴正熙も運動の指導者養成の教育を担当したことから、あのセマウル運動の淵源はここにあったと「確信するようになった」とのことです。
 ※崔吉城先生はご自身のブログ記事(→コチラ)によると2013年に宇垣の生家を訪ねておられます。(ヌルボは車で近くを通っただけ。) この記事中に、「宇垣が農村で生まれ田舎の小学校の教師をしてから立身出世を遂げ、陸軍士官学校を出て政治家になったことと朴正煕氏が私にはダブって感じられる。」とあるのはなるほど!です。

 おっと、宇垣一成に深入りし過ぎたな。とても1回で全部は書けそうにないので3回に方針変更。

 さて、社殿の方に向かう前に、第一鳥居の前を過ぎて反対側の一角を眺めると慰霊碑が並んでいるのが見えたので行ってみました。その中に・・・。

   
 「比島海軍戦歿者招魂碑」と刻まれています。その横には「夢にまで見し山川に 別れを告げて幾年ぞ 帰心の涙枯れ果て丶 御身は比島に朽ちるとも 帰れ御霊よ古里へ」と、これは戦没者の遺族の思いでしょうか・・・。
 そして私ヌルボが注目したのは、この招魂碑の前方左右に建てられた2つの碑です。

    
 「朝鮮看護隊」と、「台湾高砂隊」の碑。
 <台湾高砂隊>は、太平洋戦争末期、フィリピンやニューギニア等の密林地帯の戦場に投入された高砂義勇隊のことでしょうか。<朝鮮看護隊>の方はよくわかりませんが、従軍看護婦のこと?
 いろいろ検索してみたら、→コチラは全国の護国神社の説明と写真を網羅した<指定護國神社 参拝記録>というサイト中の<岡山縣護國神社>のページで、驚いたことにここの石碑や銅像等すべての写真と碑文(の多く)を網羅しています。
 そこに私ヌルボが見落とした「比島海軍戦歿者招魂碑」裏面の碑文もありました。

  ここに比島の砂を亡き戦友の御霊として永遠に御祭祀します 太平洋戦争にて散華した比島海軍各部隊の戦歿者及び海軍と運命を共にした日本人韓国人中国人比島人の戦歿者の御霊よやすらかに眠り給え
  1980年8月 建立
 ※以下は碑文副碑
 1944年10月20日 約20万の米軍が比島のレイテ島に上陸し ここに苛烈な比島攻防の火蓋が切られました
 我が聯合艦隊が全軍突撃を以って決戦を挑んだ比島沖海戦も 艦隊航空機多数を喪失し惨敗を喫しました
 爾後 米軍は碑等各島嶼に次々上陸 所在の海軍部隊は陸軍と共同して善戦力闘しましたが 圧倒的な火力の相違と無限とも言える彼等の武器弾薬の補給に対し わが方のそれは無に等しく各部隊とも止むなく山中に立て籠もって遊撃戦に転じました。
 撃つに弾丸無く 生命の糧の塩もつき 草根木皮を食みながら歯を食いしばって頑張った将兵は 米軍の急追と風土病や栄養失調で次々と斃れ 万斛の涙を飲んで異境の土となったのであります。
 この碑は 遺族戦友相謀り 比島海軍関係全ての戦歿者(外国人も含む)約20万の御霊を永遠にお祀りするため建立されました
 尚 毎年8月最後の日曜日に招魂祭を行っております  以上
    比島海軍招魂会


 フィリピン戦は大岡昌平の「レイテ戦記」等や江崎誠致の「ルソンの谷間」に垣間見られるように実に悲惨な戦争で、日本軍兵士だけでも陸軍約38万人・海軍約12万人、計約50万人もの死没者は中国戦線をも上回っています。そんなところに(あるいはもっと南方に)送られた台湾や朝鮮の人たちのことは(日本の戦没者とともに)忘れてはならないと思います。
 (上の碑文で、「韓国人中国人比島人の戦歿者の御霊」まで視野に入っているのは終戦後35年経った1980年だからなのでしょうか。年号の西暦表記についても。)

 朝鮮とは直接関係はありませんが、やはり遥か遠い地で故国に帰れず亡くなった人たちの慰霊碑の中に「満蒙開拓 青少年義勇軍之碑」もありました。

    
 以下はその碑文です。

 我等義勇軍は 天祖の宏謨を奉じ 心を一にして邁進し 身を満洲建國の聖業に捧げ 神明に誓って 天皇陛下の 大御心に副ひ奉らんことを期す
 この言葉に従って昭和13年より昭和20年にいたる8年の間に9萬人の少年達が五族協和王道楽土建設の名のもとに満洲に渡っていった 今その事の是非についての論は置き昭和20年8月15日大東亜戦争の終結によって飢餓と悪疫の流行により阿鼻叫喚の巷と化した満洲に少年達は放置され幾多の同志を失った 幸いにして一命を得て故郷に帰ったもの相語らい空しく逝った同志の上を思い三十余年を経て今ここに満蒙開拓青少年義勇軍の碑を建つ
 1980年9月 義勇軍之碑建立委員会


 これらの慰霊碑や銅像を見たり、その碑文を読んだりすると、その背後に実に膨大な物語があることが実感されます。南や北の遠い戦地で亡くなった人とその遺族、あるいは敵として戦った相手、あるいは現地で暮らしていた人たちのこと等々。そしておびただしい悲劇。そしてそれらのことと今の人たちとの関わり・・・。護国神社はそんなことを考えさせてくれる場所です。靖国神社も(以前行った)ソウルの国立墓地も。

   
 左は護国神社の拝殿等。この手前の第二鳥居を入ったすぐ右手に宝物遺品館がありましたが、10時の開館前だったのが残念。→上記のページを見たら「閉まっていたが、お願いすると気持ち良く開けてくれた」とのことで、中の写真もいろいろ。そうだったのか。右は「岡山県全海軍戦歿者慰霊碑」。写真を照らし合わせてみると、案の定海軍旗(旭日旗)は近年(最近?)取り付けられたことがわかります。

 いかんな、全然旅行記録になってないゾ・・・。
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韓国内の映画 週末の興行成績 [9月27日(金)~9月29日(日)]と、人気順位 ►エンドロール、韓国では観たい人でも観られない!

2019-10-01 20:47:08 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸2016年9月の記事を見ると「今日(27日)は久しぶりの青空。家を出ると今シーズン初めてのキンモクセイの香りが漂ってきました。」などと書いています。しかし、今年は9月はホントに蒸し暑い日々が続きました。「<天気の子>、湿度の方もちょっとなんとかならんかね!?」と何度思ったことか・・・。古来、日本家屋が紙と木で造られてきたことがよくわかります。

▸この10日間は映画館に行ってないので、この機会にエンドロール(エンドクレジット)をめぐる日韓の違い等について知るところを書くことにします。
 どうもこの頃、ウェブ上でエンドロールについての議論をけっこう見かけるような気がします。たとえば→コチラは<観る派?観ない派??”映画館でのエンドロール”にまつわる微妙なこだわりとは?>と題したまとめ記事。両派の意見を紹介しています。またアンケート結果も載せていますが、その元の<ガジェット通信>のサイト(→コチラ)にもあるように「最後まで観る事が多い=72.5% 最後まで観ない事が多い=27.5%」で、「7割以上が最後まで観る」だそうです。ほぼ同趣旨の→コチラの記事は<at home VOX 調べ>のアンケートを紹介していて、こちらは<男女別>&<年代別>に分けて集計しています。そして全体的には次のようにまとめています。「A.我慢して最後まで観る」という人の方が多数派。「B.すぐに映画館を出る」の数値で目立ったのが40代男性(13.7%)と50代男性(15.3%)。
 「なるほど、やっぱりね」です。私ヌルボの場合は次の3つの場合に分かれます。①本編が終わったら直ちにトイレに駆け込む。 ②トイレを我慢して最後まで観る。 ③我慢どころか最後まで熱心に観る。
 ②と③の場合、なぜ最後まで観るかというと、[1]印象に残った(or曲名等が思い出せない)楽曲の曲名や演奏者を確認する。 [2]撮影場所を確認する。 というのが主目的。しかし、どちらも文字情報が流れて行く時間と自分の読解力との勝負。かろうじて見つかった時、暗がりの中でノートにメモをとる・・・、ということをやったりしてると本編を観てる時より真剣度は高いかも・・・(^^;)
 それでわかることもあり、わからずじまいのこともあり、です。
 上記のアンケートで比較的上の世代の男性がエンドロールを観ないで席を立つ比率が高いというのもわかります。今の大方の映画ファンの皆さんはご存知ないかも知れませんが、約半世紀前までは長いエンドロールはありませんでした。それが変わったのはジョージ・ルーカス監督の「アメリカン・グラフィティ」(1973)からだそうです。製作費が少なく、俳優やスタッフに十分な報酬を払えなかった代わりに、ということで。(要確認) ということもあって、60年代まではエンドマークが出たら即終わり、で皆席を立つ。いや昔(50年代?)は入れ替えナシだから途中から入った客はまた最初から観てアタマの中でつなぎ合わせるという人もいたなー。あ、それからエンドマークが出るちょっと前にサッと席を立つのが<映画通>ぽいカッコのつけ方だったそうな(笑)。
 つまりは、時代相も反映しているようだし、(とくにシネコン出現以降の)映画館の形態も関係ありそうだし、鑑賞マナーの常識もたしかに変化してきてるし・・・ということを考えると、エンドロールを観ないで出て行く人を非難するのも(その逆も)いかがなものかと思います。

▸ここから本論、かな?
 韓国ではエンドロールのことを<엔딩 크레딧(ending credit)>と言います。これは韓国風英語で、実際の英語圏では<closing credits>と言うそうです。
 ところが、韓国の映画館ではエンドロールを最後まで全部観るゾッ!と思っても観ることはまずできません。ほとんどの観客は本編が終わるとゾロゾロと出て行き、館内の明かりが点き、その中でまだうっすらとエンドロールが映っていてもおかまいなく掃除のおばさんが入ってくるからです。
 理由は、観客の立場では、かなり退屈で、時間の無駄だから。
 なぜすぐ場内の照明を点けるかというと、大勢で出て行くのに暗いままだと危険だから。
 劇場の立場だと、エンドロールが長いと上映の回転率が落ちる。客が早く出ることを前提に上映時間を組む。
・・・といったように、「エンドロールをきっちり観る客はいない」ということが当然視されているわけです。
 しかし、映画製作者の側はそれでもエンドロールを観てもらおうと苦心しているとか。たとえばエンドロールに中に番外映像、続編ネタ等の特別映像(韓国ではクッキー映像という)を入れたりするのもそのひとつで、それなりには興味を持つ観客も出始めている(?)そうです。
 なお、少数の独立映画上映館ではエンドロールが終わるまで照明を消したままというところもあります。もちろん映画祭の場合はエンドロールを最後まで観た後拍手をするのがふつうです。
 上に書いたことの多くは→ナムウィキの<엔딩 크레딧>の項目に拠っています。私ヌルボ自身は過去10数回韓国で映画を観ましたが、その印象を再確認しました。
 エンドロール以外にも館内でのおしゃべりとか、上映開始後に入ってくる人が多いとか日本の映画ファンの尺度では「気にさわる」ことはいろいろありそうですけどね。(たぶんアチラさんからも。)

         ★★★ NAVERの人気順位(10月1日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(2) 痛いほど愛する(韓国)  9.72(152)
②(5) 主戦場  9.54(962)
③(-) 星の庭園(韓国)  9.54(187)
④(-) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏)  9.47(103)
⑤(6) 僕のワンダフル・ジャーニー  9.46(537)
⑥(-) アラジン  9.39(26,533)
⑦(7) ディーター・ラムス  9.36(78)
⑧(-) ポーランドに行った子供たち(韓国)  9.33(536)
⑨(1) 明かりの下で(韓国)  9.30(20)
⑩(9) 教会のお兄さん(韓国)  9.27(1,541)

 かなり入れ替わりましたが、新登場の作品はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国)  9.06(16)
②(2) ハチドリ(韓国)  8.38(13)
③(-) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド  7.90(10)
④(-) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏)  7.60(5)
⑤(4) アド・アストラ  7.38(8)
⑥(5) 主戦場  7.33(6)
⑦(7) EXIT(韓国)  7.23(13)
⑧(8) 動物、園(韓国)  7.20(5)
⑨(9) ユヨルの音楽アルバム(韓国)  7.13(8)
⑩(10) 私の家(韓国)  6.90(10)

  ③「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が新登場ですが、日本では8月30日から公開されています。韓国題は「원스 어폰 어 타임... 인 할리우드」です。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績9月27日(金)~9月29日(日) ★★★
           朝鮮戦争の中の知られざる物語「長沙里:忘れられた英雄」が1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(25)・・長沙里:忘れられた英雄(韓国)・・9/25・・・・・・・485,168・・・・・・・・689,715 ・・・・・・・・5,499・・・・・・1,090
2(40)・・量子物理学(韓国)・・・・・・・・・・・・9/25・・・・・・・・・275,667・・・・・・・・387,603 ・・・・・・・・3,185 ・・・・・・・799
3(1)・・悪い奴ら:ザ・ムービー(韓国)・・9/11・・・・・・・・・258,626 ・・・・・・4,442,353 ・・・・・・・38,529・・・・・・1,000
4(新)・・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド・・9/25・・123,367・・197,007 ・・・・・・・1,596 ・・・・・・・678
5(2)・・アド・アストラ・・・・・・・・・・・・・・・9/19・・・・・・・・・・49,013・・・・・・・・487,517 ・・・・・・・・4,310 ・・・・・・・493
6(16)・・パーフェクトマン(韓国)・・・・・10/02 ・・・・・・・・・33,377・・・・・・・・・90,086 ・・・・・・・・・・675 ・・・・・・・481
7(3)・・タチャ:ワン・アイド・ジャック(韓国)・・9/11 ・・30,412・・・・・・・2,212,825 ・・・・・・・19,554 ・・・・・・・429
8(38)・・ザ・ルーム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/25 ・・・・・・・・・24,691・・・・・・・・・44,685 ・・・・・・・・・・361 ・・・・・・・163
9(4)・・イエスタディ ・・・・・・・・・・・・・・・・9/18 ・・・・・・・・・20,545・・・・・・・・292,246・・・・・・・・・2,475 ・・・・・・・337
10(新)・・レプリカズ ・・・・・・・・・・・・・・・・9/25 ・・・・・・・・・17,641・・・・・・・・・31,206 ・・・・・・・・・・245 ・・・・・・・339
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・2・4・6・8・10位の6作品です。
 1位「長沙里:忘れられた英雄」は、韓国の戦争物。長沙(チャンサ)とは朝鮮半島東海岸の日本海に面した集落です。1950年6月25日に38度線を越えて侵攻してきた北朝鮮軍は8月8日には長沙の北の盈徳を陥れ、11日には南の浦項を占領しました。その間、韓国軍第3師団は司令部を長沙に移しましたが、結局アメリカの第8軍司令官は第3師団に海上撤退を指示します。ところがこのことが北朝鮮軍に知れると攻勢が強まるばかりなので、民間人はもちろん軍隊でも中隊長以下には伝えず、あの手この手で北朝鮮軍を防ぎつつ秘密裏に撤収準備を進めます。そして結局はわずかの間に将兵9千人、警察隊や公務員・労務者・避難民等2千余人の計1万人を超える人々がLSTに乗り込み、撤収に成功しました。これが<長沙洞撤収作戦>で、現在長沙の海水浴場の近くには長沙上陸作戦戦跡地が公園として整備され、モニュメント等も造られています。この映画の主人公はイ・ミョンジュン大尉(キム・ミョンミン)。彼が率いる遊撃隊と訓練をたった2週間だけ受けた戦闘経験のない平均17歳の学徒兵772名を乗せたムンサン号は、上記の作戦のために長沙に向かいます。悪天候の中、雨のように降りかかる銃弾を受けながら上陸を試みるのですが・・・。長沙でなんとか持ちこたえようとする部隊に対して、彼らの撤収のため長沙に向かう部隊の側に焦点をあてた作品です。原題は「장사리 : 잊혀진 영웅들(長沙里 : 忘れられた英雄たち)」です。
 2位「量子物理学」は、韓国の犯罪ドラマ。「思いが現実を作る」という量子物理学的信念を人生のモットーとしている風俗界のイ・チャヌ(パク・ヘス)は、ある日有名芸能人が関わる麻薬パーティー事件を知ります。ジャヌは長いつき合いの犯罪情報課係長パク・ギホン(キム・サンホ)にその情報を流します。単純な事件だと思っていた麻薬パーティーが、芸能界はもちろん、検察や政界まで関わる大きな麻薬スキャンダル事件であることを知ったチャヌは、生きるために巨大な権力と対峙する状況となり、ギホンや業界のクィーンであるソン・ウニョン(ソ・イェジ)たちと共に事件を探りに乗り出しますが・・・。原題は「양자물리학」です。
 4位「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」は、上述のように日本ではすでに公開されています。
 6位「パーフェクトマン」は、韓国のコメディ&ドラマ。パーフェクトな人生を夢見て一発当てたいチンピラのヨンギ(チョ・ジヌン)は、ボスの金7億ウォンをこっそり使い込んで投資しますが詐欺師にだまされ、株券は紙屑になってしまいます。どうしても7億ウォンを作らなければならないヨンギの前にローファーム代表のジャンス(ソル・ギョング)が現れます。2ヵ月という余命宣告を受けているジャンスは、死ぬ前に自分がしたいことをヨンギが手伝ってくれれば自分の生命保険金をヨンギにやるという提案をするのですが・・・。原題は「퍼펙트맨」です。
 8位「ザ・ルーム」(仮)は、フランス・ルクセンブルク・ベルギー合作のミステリー&スリラー。今年の富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭で最優秀作品賞にあたるベスト・オブ・プチョンを受賞した作品です。言った通り、願った通りに聞いてくれる<秘密の部屋>があります。お金、ダイヤモンド、最高級シャンパン、ゴッホの傑作、そして必要なら赤ちゃんさえも。ただし、願いは慎重に祈ること! そして規則は必ず守ること! そうしないと・・・。韓国題は「더 룸」です。
 10位「レプリカズ」は、キアヌ・リーヴス主演のアメリカのSF。日本ではすでに5月公開されています。韓国題は「레플리카」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・魔王の娘イリシャ(韓国) ・・・・・・・9/26・・・・・・・・・9,179・・・・・・・・・11,118 ・・・・・・・・・・84 ・・・・・・・・・313
2(1)・・ハチドリ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・6,234・・・・・・・・106,148 ・・・・・・・・・871 ・・・・・・・・・・56
3(23)・・ミッド・ナインティーズ・・・・・・・・9/25・・・・・・・・・5,630・・・・・・・・・11,238 ・・・・・・・・・・93 ・・・・・・・・・101
4(新)・・ベル・カント とらわれのアリア・・9/19 ・・・・・・・・2,850・・・・・・・・・・4,280 ・・・・・・・・・・21 ・・・・・・・・・・47
5(3)・・100日で100の物事 ・・・・・・・・・・・・・9/12 ・・・・・・・・・2,611・・・・・・・・・23,941 ・・・・・・・・・190 ・・・・・・・・・・33

 1・3・4位の3作品が新登場です。
 1位「魔王の娘イリシャ」は、韓国のアニメ。魔法により記憶を失ったまま平凡な高校生として暮らしていたイリーシャは友だちのジンソクの奪われた魂を取り戻すために偶然妖精の世界に旅立つことに。そこで秘密のカエル、その他妖精のロビーと出会って、ニセの魔王によって妖精の世界が危機に陥っている事実を知りますが・・・。原題は「마왕의 딸 이리샤」です。
 3位「ミッド・ナインティーズ」(仮)は、アメリカのドラマ。舞台は1990年半ばのロサンゼルス。13歳の少年スティーヴィー(サニー・サジック)は、厳しい母親のダブニー(キャサリン・ウォーターストン)とたびたび暴力を振るうゲイの兄イアン(ルーカス・ヘッジズ)に囲まれて過ごす日々に孤独を感じています。そんなある日、街でスケートボードをしていた不良グループに憧れを抱き、やがてその不良グループに入ります。そして彼は少しずつ大人の世界に足を踏み入れていきます。そこは酒、タバコ等がはびこるロサンゼルスの闇の世界。そんな中でのスティーヴィーの成長の物語です。韓国題は「미드 90」。日本公開は未定のようです。
 4位「ベル・カント とらわれのアリア」は、アメリカのドラマ&スリラー。1996年にペルーで起きた日本大使公邸占拠事件に着想を得たアン・パチェット原作のベストセラー小説「ベル・カント」(早川書房)の映画化作品です。南米のある小国の副大統領官邸で、工場誘致関連の日本人実業家ホソカワ(渡辺謙)の誕生パーティが開かれていました。ところが突然収監中の同志の解放を求めるテロリストたちに占拠され、邸内は真っ暗になります。各国の要人たちなど出席者は人質となり、その中にはオペラ好きの主賓のために招ばれたソプラノ歌手ロクサーヌ・コス(ジュリアン・ムーア)もいました。幽閉生活が続くうち、人々は奇妙な安らぎを覚えていきます。金と名誉を求めるばかりが人生ではないと気づいたのです。貧しい家に育ったテロリストたちも知的な大人たちと接して初めてこの世には美しい世界があることを知ります。やがてロクサーヌの歌をきっかけに人質とテロリストは心を通わせていきます。しかし、この平穏な日々が永遠に続くはずはありません・・・。韓国題は「벨 칸토」。日本公開は11月15日です。
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