ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

★2016年 ヌルボの個人的映画ベスト10

2016-12-29 17:09:09 | 韓国映画(&その他の映画)
 12月19日に観た「私の少女時代-Our Times-」が今年の映画の観納め。例年だと20日以降も何本も観ているのに、今年は都合がつかず残念。
 で、今年観た映画は全部で84本 (2回観たもの3作品=「暗殺」「ドンジュ(東柱)」「王の運命-歴史を変えた八日間-」は各1回として)。
 昨年は<1960・70年代日韓名作映画祭>(at韓国文化院)と<韓国映画1934-1959創造と開花>(atフィルムセンター)、そして毎年恒例の<コリアン・シネマ・ウィーク>(at韓国文化院)と合わせて33作品観たのが大きく計100本に達しましたが、今年はそんな集中的に観たことがなかったわりには多かったと思います。
 ただ、少し悔いが残るのは、例年だとたぶん観ただろうという内容&評判の日本映画が多数観ずじまいだったこと。たとえば(後悔度の高い順で)「怒り」「溺れるナイフ」「クリーピー 偽りの隣人」「64-ロクヨン-」「葛城事件」「湯を沸かすほどの熱い愛」「永い言い訳」「お父さんと伊藤さん」等は観てません。

 例年の通り、この記事を書くにあたり一応新聞等の映画評やネット内の記事にざっと目を通してみると、これまた例年通り書き手によってマチマチ。
 12月16日の「毎日新聞」(夕)の<シネマの週末>欄(→コチラ)では11人の執筆者が邦画・洋画を合わせて今年の5作を選定していますが、のべ55作品中重複分を引くと45作品。つまりベスト5のうち1つ重なっているのが標準ということです。そして重なっている作品が次の10本。( )の数字は重なっている数です。
 「この世界の片隅に」(5)「マジカル・ガール」(3)「淵に立つ」(3)「ルーム」(2)「グランドフィナーレ」(2)「手紙は憶えている」(2)「ブルックリン」(2)「ディストラクション・ベイビーズ」(2)「ニュースの真相」(2)「シン・ゴジラ」(2)
 ちなみに、上の10作品中私ヌルボが観たのはちょうど半分。しかし後掲のベスト10には1つ、それもかろうじて入れただけです。では、どういうことになったかというと・・・。

[2016年]
①キャロル
②トランボ ハリウッドに最も嫌われた男
③この世界の片隅に
④ブリッジ・オブ・スパイ
⑤ソング・オブ・ザ・シー 海のうた
⑥ズートピア
インサイダーズ/内部者たち
そばの花、運のいい日、そして青春
⑨私の少女時代-Our Times-
⑩牡蠣工場
 [次点] シアター・プノンペン・ハドソン川の奇跡・危路工団
 [別格(初見の旧作)] チリの闘い・アルジェの戦い(デジタル・リマスター版)

赤色は韓国映画または韓国・北朝鮮に関係する映画です。

 以下、今回のベスト10について若干コメント。
 1位「キャロル」は、女性同士の恋愛という私ヌルボとしてはこれまでなんとなく敬遠してきたジャンルですが、全然抵抗感がないか、作品に没入できた度合いでいえば今年最高。とくにラストのあたりの2人のセリフのない、目だけの演技にはホントにドキドキしました。考えてみれば、LGBTに対する偏見がむしろ当然のようにあった頃の物語で、今こうした作品がつくられるになったこと自体が時代の変化の現れなんだな、と歴史的・社会的なことも後になって思った次第です。(ある問題が本当にその社会の真只中にある時は、それを題材とした「娯楽」映画がつくられることはまずありえない。)
 2位「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」は、私ヌルボ個人としては「ジョニーは戦場に行った」(1971)を観た後、角川文庫でも読んで脚本家の彼の名を知って以来気にはなっていましたが、「ローマの休日」、「スパルタカス」、「栄光への脱出」等の作品の背後にこのようなレッドパージと直結する物語があったとは・・・。
 ・・・この2作品のどちらを1位にするか、最後まで迷いましたが、結局ドキドキ度、ゾクゾク度を優先して決めました。
 3位「この世界の片隅に」ですが、実は3位候補はなかなか思い浮かばず。そのまま「判断保留」で番外にするつもりだったこの作品を入れることにしました。多くの人が「感動した」との声を寄せ、高い評価を得ていますが、ヌルボとしては感想を求められてもなかなか言葉が出てきません。それはたぶん「日本人というワクを超えてどれくらい普遍性を持ち得るか?(どれくらい理解されるか?)」ということ等がよくわからないということもあるし、(うーむ、むずかしいな) 庶民を戦争の被害者とだけ描くのでなく、では何らかの責任があるのか、とか・・・、つまるところ戦争が台風や地震のような自然現象ではないとしたらなぜ起こるのかとか、いろんなことを考え始めると何も語れなくなるということ。あるいは、(昨年の「この国の空」のように)戦時にも「変わらぬ日常生活があった」にしても、その中で「異常」「非常」がどのように認識されていたか(orいなかったか)ということは、まさに現在にも通じる問題だと思うのですが、この映画を観た観客ははたして自分自身の「戦争観」と照らし合わせて「ナットクした」のか、それとも新しい認識を得たのか、そこらへんがよくわからないのです。(うーむ、やっぱりむずかしいな。)
 以下は極力簡潔にコメント。
 4位「ブリッジ・オブ・スパイ」は、<ブリッジ>が境界に架けられた現実の橋のことにとどまらず、ひとつの隠喩になっているということ。
 5位「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」は、絵柄も物語も日本やアメリカのアニメとは違う新鮮な魅力が感じられました。
 6位「ズートピア」は、アメリカのアニメの定番の「正義vs悪」の対立という陳腐な図式から1歩、いや2歩程度先に進んだ感じ。それでもまだ「正義」と「悪」は歴然としちゃってますが、キャラクターがカワイイしストーリーもおもしろいのでちょっと甘めに評価。
 7位「インサイダーズ/内部者たち」。昨年は韓国映画ゼロのベスト10でしたが、この作品はなかなか見応えがありました。ドラマ「未生」の原作者でもあるユン・テホが進歩系新聞「ハンギョレ」に連載した漫画(右画像)が原作で、政治家・財界人と保守紙論説主幹の「悪のトライアングル」にイ・ビョンホンが演じる政治ヤクザが挑むというこの作品は、やはり巨悪相手に一匹狼のファン・ジョンミンが闘う「ベテラン」よりも重厚感があり、青龍映画賞の作品賞と主演男優賞受賞もナットク。一方、以前にも紹介しましたが、「祖国日報」のモデルの「朝鮮日報」のパク・ウンジュ記者(女性)の「左派が右派に勝てない理由」と題した挑発的な(?)記事。(→コチラ.韓国語。) 「右派=腐敗と決めてかかって罵倒するだけだと百戦百敗だぞ」と忠告(?)している記事はなかなか説得力のある記事だと思いました。
 8位「そばの花、運のいい日、そして青春」<花開くコリア・アニメーション2016>での上映作品。「朝鮮短篇小説選(上・下)」(岩波文庫)所収の日本統治期の短編小説3編が原作のオムニバスのアニメ。落ち着いた色調で当時の雰囲気を描き出しています。中でもパンソリの節に乗せた語りで物語が進められる金裕貞原作の「そして春春」がおもしろかったです。
 9位「私の少女時代-Our Times-」は台湾の青春恋愛物。台湾での大ヒットがうなずける気持ちいい感動作。個人的には「あの頃、君を追いかけた」(2013年6位)の方が上だったのでこの順位に。
 10位「牡蠣工場」は、想田監督による「観察映画」。ドキュメンタリーといっても、岡山県牛窓の牡蠣工場で中国人労働者等の働いている人たちナレーションやBGMもなくただ撮っているだけなんですけど、なぜか印象に残っています。(なぜなんだろう?)
 [次点]の「シアター・プノンペン」は、あのポル・ポト政権の時代がこのような形で記憶に残されている・残そうとしていることに共感を覚えました。「ハドソン川の奇跡」はやはりクリント・イーストウッド監督作品に外れナシ。ただちょっと地味過ぎかな? 「危路工団」は朴正熙政権時代の1970年代頃、ソウル市九老区の工業団地(九老工団)の労働者たちの労働実態と闘争に始まり、現代に至るまでの約40年間の女性労働者の歴史をたどったドキュメンタリー。多くの人たちの証言といった微視的な視点と、時代状況を鳥瞰する視点を持ち、政治的・思想的主張を前面に出すような押しつけがましさがない点が良かったですね。
 [別格]の「チリの闘い」は、優れたドキュメンタリーが多かったこの1年でも抜群の作品。アジェンデ政権下の庶民の姿と声を記録した非常に貴重なもので、このフィルムが混乱した状況下によく国外に持ち出され、今に残されたものだと思います。別格でなければ1位です。「アルジェの戦い(デジタル・リマスター版)」は、「キネマ旬報」等の歴代ベスト100の中で観てなかった作品(2割弱)中の1つ。こういうのを観ると、政治闘争等を扱った娯楽作品が顔色を失ってしまうように思われます。※韓国の独立運動関係の娯楽映画「暗殺」はなかなか楽しかったなー(笑) ベンキョーにもなったし・・・。→<多角的に見る韓国映画「暗殺」(ネタバレほとんどナシ)>初回から6回シリーズ。

 昨年のベスト10(→コチラ)の中で、映画を評価するモノサシの成分を、[A]娯楽性重視(ストーリー性、視覚効果、アクションのすごさ等に重点) [B]社会性重視(実社会の問題を扱い、メッセージ性がある) [C]芸術性重視(象徴的・抽象的な映像表現やストーリー展開による思弁の深化に重点) の3つに仮に分けてみると、「私ヌルボ自身は、[A]娯楽性=20%、[B]社会性=50%、[C]芸術性=30% といったところかなと思っています」と書きましたが、今回も結果を見るとそうなってるみたいですね。

 次に、今年とくに記憶に残った俳優について。
 女優では、「キャロル」のケイト・ブランシェットルーニー・マーラの2人。韓国映画では「荊棘〈ばら〉の秘密」のソン・イェジンと「私たち」の子役チェ・スイン。日本映画では「淵に立つ」の筒井真理子。男優は「ブリッジ・オブ・スパイ」と「ハドソン川の奇跡」のトム・ハンクス。(←なんとフツーなんだろ(笑)。)

[参考]過去9年のベスト10
[2015年]①ボーダレス ぼくの船の国境線②顔のないヒトラーたち③セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター④雪の轍⑤マッドマックス/怒りのデスロード⑥神々のたそがれ⑦幕が上がる⑧海街diary⑨ストレイト・アウタ・コンプトン⑩KANO~1931海の向こうの甲子園~
 [次点] バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)・人生スイッチ・恋人たち・傷だらけのふたり許三観
 [別格(初見の旧作)] ショア・裸の島

[2014年]①イーダ②グランド・ブダペスト・ホテル③ジャージー・ボーイズ④罪の手ざわり⑤ソウォン/願い新しき世界ソニはご機嫌ななめ怪しい彼女テロ,ライブ⑩ある精肉店のはなし
 [次点] 60万回のトライ
     私の少女(扉の少女・ドヒや)・祖谷物語 おくのひと

[2013年]①セデック・バレ②少女は自転車にのって③きっと、うまくいく④もうひとりの息子⑤嘆きのピエタ⑥あの頃、君を追いかけた⑦シュガーマン 奇跡に愛された男⑧ハンナ・アーレント⑨王になった男建築学概論
 [次点] 殺人の告白 ・凶悪
 [別格] 阿賀に生きる
 [多くの人に観てほしい作品] ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして

[2012年]①ニーチェの馬②ヒューゴの不思議な発明③プンサンケ(豊山犬)ワンドゥギ拝啓、愛しています⑥ロボット 完全版⑦桐島、部活やめるってよ⑧三池 終わらない炭鉱(やま)の物語⑨かぞくのくに⑩ピアノマニア 別格:春夏秋冬そして春

[2011年]①サラの鍵②テザ 慟哭の大地③愛する人④彼とわたしの漂流日記⑤アリス・クリードの失踪⑥阪急電車 片道15分の奇跡⑦牛と一緒に7泊8日⑧未来を生きる君たちへ⑨ゴーストライター⑩エンディングノート

[2010年]息もできない過速スキャンダル冬の小鳥④ゲキシネ蛮幽鬼(日)⑤実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(日)⑥告白(日)⑦瞳の奥の秘密⑧飛べ!ペンギン⑨川の底からこんにちは(日)⑩ONE SHOT ONE KILL

[2009年]①グラン・トリノ②ディア・ピョンヤン(日)③妻が結婚した母なる証明チェイサー⑥チェンジリング⑦劔岳 点の記(日)⑧チョコレート・ファイター⑨戦場のワルツ⑩牛の鈴音

[2008年]①ダークナイト②パコと魔法の絵本(日)③ウリハッキョ(日)④休暇(日)⑤シークレット・サンシャイン⑥ラスト・コーション⑦接吻(日)⑧おくりびと(日)⑨闇の子供たち(日)⑩火垂るの墓・実写版(日)

[2007年]①世界最速のインディアン②パンズ・ラビリンス③キサラギ(日)④ドリームガールズ⑤それでも僕はやっていない(日)⑥夕凪の街 桜の国(日)⑦幸福(しあわせ)のスイッチ(日)⑧檸檬の頃(日)⑨幸福(こうふく)の食卓(日)⑩私たちの幸せな時間
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [12月23日(金)~12月25日(日)]

2016-12-28 18:53:39 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 結局先週19日に観た「私の少女時代-Our Times-」を観たのが今年最後の映画鑑賞になってしまいました。ということで今年の私ヌルボのベスト10をあれこれ考え、その記事を書き始めたものの未完成。その分この記事が遅くなってしまいました。

 さて、今年韓国で公開された韓国映画は、とくに夏頃いくつもの作品が続けて大ヒットして話題になりました。その興行成績トップ10は次の通りです。
 ①釜山行き 1156万人 ②華麗なるリベンジ(検事外伝) 975万人 ③密偵 750万人 ④トンネル 712万人 ⑤仁川上陸作戦 704万人 ⑥ラッキー 697万人 ⑦哭声 687万人 ⑧徳恵翁主 559万人 ⑨お嬢さん(アガシ) 428万人 ⑩鬼郷 358万人
 この中で、日本公開が決まっているのは以下の作品。
 「哭声/コクソン」(3月11日~)・「お嬢さん」(3月)・「釜山行き(邦題: 新感染 ファイナル・エクスプレス)」・「密偵」(2017年)
 ・・・しかし、「新感染」とはねー(笑)。
 その他の注目作では「The NET 網に囚われた男」(1月7日~)・「解語花(邦題: 愛を歌う花)」(1月7日~)・「アシュラ」(3月4日~)。「私たち」「ドンジュ(東柱)」はどういう形で公開されるのかな?

 話題が続いている「君の名は。」ですが、タイ(11月10日~)、中国(12月2日~)、フランス(12月28日)に続いて韓国では1月4日から公開。<NAVER映画>の上映予定作の中でも抜群の注目度です。(→コチラ) ※韓国題は「너의 이름은.」

 先週は「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」も、「映画200字評」も掲載されませんでした。

         ★★★ NAVERの人気順位(12月27日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) オー・マイ・パパ(韓国)  9.82(205)
②(2) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.67(151)
③(3) シーソー(韓国)  9.66(68)
④(-) ウィークエンド(韓国)  9.56(54)
⑤(6) 自白(韓国)  9.37(2,847)
⑥(7) オアシス:スーパーソニック  9.36(40)
⑦(-) ドンジュ[東柱](韓国)  9.35(10,218)
⑧(9) わたしは、ダニエル・ブレイク  9.31(538)
⑨(8) KING OF PRISM by PrettyRhythm(日本)  9.27(1,315)
⑩(10) ONE PIECE FILM GOLD(日本)  9,21(1,045)

 今回の新登場は④「ウィークエンド」だけです。韓国の初のゲイの合唱団G Voiceについてのドキュメンタリーで、韓国でゲイとして生きることの困難さをテーマにした作品のようです。創立10周年を迎えた合唱団のメンバーは、20歳の新入団員から中年になった創立以来のメンバーまで。それぞれに違いがある彼らの共通点はゲイであることと歌が好きなこと。そして週末ごとに会って楽しく過ごしています。しかし10周年記念公演を前にして、彼らに危機が訪れます・・・。原題は「위켄즈」です。

     【記者・評論家による順位】a
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) キャロル  8.96(13)
②(2) わたしは、ダニエル・ブレイク  8.40(15)
③(3) ラ・ラ・ランド  8.37(13)
④(-) ラヴニール  8.00(6)
⑤(4) ベルヴィル・ランデブー  7.83(8)
⑥(5) 自白(韓国)  7.67(10)
⑦(6) 私たち韓国)  7.66(14)
⑧(8) ルーム  7.53(9)
⑨(-) 東柱[ドンジュ]  7.50(10)
⑩(9) はじまりへの旅  7.50(9)

 今回の新登場はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月23日(金)~12月25日(日) ★★★

         イ・ビョンホンとカン・ドンウォンの共演!「マスター」がもう300万人を超えてトップに
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(12)・・マスター(韓国)・・・・・・・・・・・・・12/21・・・・・・・・・2,238,607 ・・・・・・・・・・3,002,243・・・・・・・・24,830 ・・・・・・・・1,501
2(新)・・SING/シング ・・・・・・・・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・497,609 ・・・・・・・・・・・・567,023・・・・・・・・・4,533・・・・・・・・・・795
3(1)・・パンドラ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・429,118 ・・・・・・・・・・3,935,732・・・・・・・・31,160 ・・・・・・・・・・701
4(2)・・ラ・ラ・ランド・・・・・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・378,900・・・・・・・・・・・1,944,024・・・・・・・・16,536・・・・・・・・・・680
5(3)・・あなた、そこにいてくれますか(韓国)・・12/14・・・181,209・・・・・・・・・・・・・995,163・・・・・・・・・8,019・・・・・・・・・・647
6(39)・・ポケモン・ザ・ムービーXY&Z・・12/22・・・・・・・・133,815・・・・・・・・・・・・・144,201・・・・・・・・・1,114・・・・・・・・・・480
       「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」(日本)
7(新)・・映画ドラえもん ・・・・・・・・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・・38,401・・・・・・・・・・・・・・43,229・・・・・・・・・・・337・・・・・・・・・・282
       新・のび太の日本誕生 (日本)
8(5)・・コウノトリ大作戦!・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・・17,434・・・・・・・・・・・・・319,485・・・・・・・・・2,417・・・・・・・・・・136
9(6)・・ファンタスティック・ビーストと・・11/16 ・・・・・・・・・・・14,530 ・・・・・・・・・・・4,652,887 ・・・・・・・39,227・・・・・・・・・・・62
10(84)・・エゴン・シーレ 死と乙女 ・・・・12/22・・・・・・・・・・・・7,804 ・・・・・・・・・・・・・・11,730 ・・・・・・・・・・・96・・・・・・・・・・・49
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・2・6・7・10位の5作品です。
 1位「マスター」は2大スター共演の韓国の犯罪アクション。巧みな弁舌と人を幻惑する才能、そして政官界とも結ぶ人脈でワン・ネットワークのチン会長(イ・ビョンホン)は数万人の会員に詐欺を働きつつ勢いに乗っています。その彼を追跡してきた知能犯罪捜査チーム長キム・ジェミョン(カン・ドンウォン)は、「帳簿を渡せ」等々チン会長の最側近のパク将軍(キム・ウビン)に圧力をかけるとともに、チン会長の背後の勢力にまで探っていきます。そのパク将軍は知恵をめぐらし、むしろこの機会に乗じて金も着服して警察の圧迫からも免れる計画を立てます。一方チン会長は幹部の中に裏切り者がいることに気づいて、新しい計画を稼動しますが・・・。知能犯罪捜査チームと詐欺犯との騙し騙される追撃戦の結末ははたして? 原題は「마스터」です。
 2位「SING/シング」は、個性豊かな動物たちが登場するアメリカのミュージカル・アニメ。経営破綻寸前の名門劇場の復活を目指して歌唱コンテストを企画したコアラのバスター・ムーンや、ステージに立つ動物たちの奮闘が描かれます。主役のバスター・ムーンの声をマシュー・マコノヒーが担当し、彼以外にもリース・ウィザースプーン、スカーレット・ヨハンソン等の人気俳優が多数声優を務めています。韓国題は「씽」。日本公開は来年3月17日です。
 6位「ポケモン・ザ・ムービーXY&Z「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」」は「ポケットモンスター」劇場版の通算19作目で2015年からスタートしたテレビアニメシリーズ「ポケットモンスターXY&Z」初の劇場版。内容的には例によって私ヌルボに語る資格ナシ。韓国題は「볼케니온 : 기계왕국의 비밀」です。
 7位「映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生」には韓国のネチズンも高評点(9.14)。「大人が観ても満足」というのはよくわかります。(これは観てないけど。) 韓国題は「극장판 도라에몽:신 진구의 버스 오브 재팬」です。
 10位「エゴン・シーレ 死と乙女」は、オーストリア・ルクセンブルグ合作のドラマ。20世紀初頭に数多くの名画を残し、28歳の若さでこの世を去ったエゴン・シーレを主人公に、その最高傑作とされる「死と乙女」に秘められた物語を描いた作品です。1910年美術学校を退学して仲間と“新芸術集団“を結成したシーレ(ノア・サーベドラ)は、妹ゲルティ(マレシ・リーグナー)の裸体画で頭角を現します。さらにクリムトからモデルのヴァリ(ファレリエ・ペヒナー)を紹介されたシーレは時代の寵児となりますが、その後第1次世界大戦の勃発により思いがけない運命をたどることに・・・。 韓国題は「에곤 쉴레: 욕망이 그린 그림」。日本公開は来年1月28日です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(38)・・エゴン・シーレ 死と乙女 ・・・・・・・12/22 ・・・・・・・・・・・・7,804 ・・・・・・・・・・・・11,730・・・・・・・・・・・・・・96・・・・・・・・・49
2(2)・・わたしは、ダニエル・ブレイク ・・・・12/08 ・・・・・・・・・・・・7,542 ・・・・・・・・・・・・43,538 ・・・・・・・・・・・・347 ・・・・・・・・・41
3(14)・・アップ・フォー・ラブ ・・・・・・・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・・・4,207 ・・・・・・・・・・・・・6,204・・・・・・・・・・・・・・50・・・・・・・・・64
4(新)・・あの頃、君を追いかけた・・・2012/8/22 ・・・・・・・・・・・・7,134 ・・・・・・・・・・・・42,027 ・・・・・・・・・・・・304 ・・・・・・・・・56
3(18)・・恋人たちの予感 ・・・・・・・・・1989/11/18 ・・・・・・・・・・・・2,591 ・・・・・・・・・・・・・3,023 ・・・・・・・・・・・・・21 ・・・・・・・・・35

 2位以外の4作品がすべて新登場です。
 1位「エゴン・シーレ 死と乙女」については上述しました。
 3位「アップ・フォー・ラブ」(仮)はフランスのラブコメ。2013年のブラジル・アルゼンチン共作作品のリメイクとのことです。能力と美貌を兼ね備えた女性弁護士ディアン(ヴァージニア・エフィラ)は、不幸な結婚生活を整理した後、運命のような新しい縁が訪れます。彼女が落とした携帯電話を拾ったと電話をかけてきた魅力的な声の男性ははジェントルでユーモアのセンスもあり、そのままデートを約束。ところが待ち合わせ場所に行ってみると、その彼アレクサンドル(ジャン・デュジャルダン)はわかるハンディを負った男性で・・・。つまり俳優デュジャルダンは身長182cmなんですけど、ポスターを見るとアレクサンドルは「!?」。韓国題は「업 포 러브」です。
 4位「あの頃、君を追いかけた」は、2011年の台湾の映画の再上映。韓国で同時期に公開された「建築学概論」と比較されたりもした初恋映画の佳作。韓国題は「그 시절, 우리가 좋아했던 소녀」です。
 5位「恋人たちの予感」は、メグ・ライアンとビリー・クリスタル共演の1989年のラブコメの再上映。韓国題は「해리가 샐리를 만났을 때」です。
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[2016年韓国の流行語 総まとめ] 朴槿恵&崔順実ネタにはパロディも・・・

2016-12-24 18:58:59 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 ほとんどTVを観てないので日本の流行語には疎い私ヌルボ。それよりも韓国語のベンキョーも兼ねて韓国の流行語にはそれなりに注目してきました。
 韓国には流行語大賞といったものはありませんが、この時期いろんなメディアが<2016年の流行語>の総まとめといった記事を発表しています。
 それらを参考に、ヌルボなりに整理してみました。

◇秘線実勢(비선실세.ピソンシルセ)
 「秘線」とは、公に公開された公式の関係ではなく、背後に隠された関係。つまり権力者がこっそりと関係を結んでいる人物(組織)のこと。そして「実勢」とは実際に影響力を持っている人者(組織)。合わせると<陰の権力者>といったところ。もちろん、直接的にはあの崔順実を指しています。 「하야(下野)」「탄핵(弾劾)」等もすっかりおなじみの言葉になりました。

◇私がこうありたいと思って~をやったのか?と、自ら恥じる気持ちでつらい(내가 이러려고 ~을 했나 자괴감 들고 괴로워)
 崔順実をめぐって紛糾が続く中、11月4日に朴槿恵大統領が2回目の国民向け談話を発表しました。その中にあったのが次の言葉です。
 "내가 이러려고 대통령을 했나 자괴감이 들 정도로 괴롭다"
 (私がこうありたいと思って大統領をやったのかと、自ら恥じる気持ちでつらい)

 前半は反語ですね。 「자괴감」「自愧感」。自ら愧(は)じる気持ちです。「こんなことをするために大統領になったわけではないと、慚愧の念に堪えません」と訳した方が日本語としては自然でしょう。いや、もっと単純に「こんなつもりで~になったわけじゃないのに・・・自責の念にかられます」とすればわかりやすいですね。
 この発言はその後パロディがいろいろ作られたりもして、今年最高の流行語になりました。
    
 上左はもちろんピカチュウ。ポケモンGOでの相次ぐ事故報道を見ると「そんなつもりでポケモンになったわけじゃないのに・・・」と言いたくもなるでしょう。上右は崔順実の娘チョン・ユラを乗せた馬。「そんなつもりで乗せたわけじゃないのに・・・」。
 ※その他のパロディの例は→コチラコチラ参照。

◇何が大事なのけ!?(무엇이 중헌디.ムォシ チュンホンディ)
 2016年韓国映画最大の問題作とも言われ、687万人の観客を記録したスリラー映画「哭声(곡성.コクソン)」の中のセリフ。國村隼が出演していて、青龍映画賞で男優助演賞と人気スター賞の2冠を獲得しましたね。韓国の巫俗信仰をベースにした作品のようで、近年大ヒットを連発しているファン・ジョンミンが霊媒師イルグァンを熱演しています。で、このセリフは警官ジョングの娘ヒョジン(キム・ファニ)のセリフ。標準語だと「무엇이 중요한데(何が重要か)」ですが、物語の舞台は全羅南道の谷城(「哭声」と同じスペル)なので全羅道方言。(大阪弁だと釜山語っぽくなりそう(?)なので一応茨城弁?風に訳してみました(笑)。この言葉は映画の人気を牽引したばかりでなく、韓国社会で本当に重要なことは何かという問いも投げかけた、という記事もありました。
 ※「哭声/コクソン」の日本公開は3月11日です。

◇花道だけ歩こう(꽃길만 걷자.コッキルマン コッチャ)
 「良いことだけが起こる人生を歩もう」という意味。今年2月Mnetのオーディション番組「プロデュース101」でキム・セジョン(김세정)が中間投票で1位になった時、お母さんに「これからは花道だけ歩けるようにしてあげますよ(이제부터 꽃길만 걷게 해 드릴게요"라고 한 뒤부터다)」と言ったのが最初。その後この番組を通過した11人の少女で構成されたグループI.O.I(アイ・オー・アイ)を応援するファンたちがこの言葉を掲示板等に書き込んで流行語になりました。
 ※キム・セジョンの画像(右)を見ると、ある韓国記事にもありましたが、中森明菜に似てますね。
 <꽃길>(花道)という言葉は「朝鮮語辞典」等にはありませんが、前からファンたちの間で使われていたとも・・・。反対語は<가시밭길>(いばらの道)で、元は「가시밭길을 걷지 말고(いばらの道を歩かずに)というフレーズが前に付いていたそうです。
 流行語に付き物のパロディがこれにもあって、これにも「いばらの道だけを歩こう」とか「圧制の道(압정길)だけを歩こう」といった逆の意味で用いられたりもしているとか。
 さて、このキム・セジョンですが、その後ちょうど1ヵ月前にソロ曲「꽃길」を公開。<Kstyle>の記事(→コチラ)によると「8つのチャートで1位を獲得・・・“次世代音源クイーン”の誕生!」という見出しがついてますよ。この歌は→You Tubeで聴けます。おっ、アクセスが500万を超えてますね。
 なお、政治関連では6月の国会開会に際し、朴槿恵大統領の入場をセヌリ党議員たちが両側に並んで拍手で迎えたことを(東亜日報系の)<チャネルA>は<セヌリ花道(새누리 꽃길>と表現して進歩系メディア<オーマイニュース>で批判されたりもしています。(→コチラ。)

◇ヒットだヒット(히트다 히트.ヒトゥダ ヒトゥ)
 発音も意味も日本語と同じ。あ、野球の安打じゃなくて歌とか映画とかの・・・。いや、もっと広くて「やったー、今日の大ヒットだぜ!」という時のヒットか。この流行語の最初はMBCの人気バラエティ番組「無限に挑戦(무한도전)」。パク・ミョンス、ハハ、チョン・ジュナたちの会話の中で出てきたこの言葉は、その後番組内でちょっとしたことでも雰囲気を盛り上げるためにこの言葉を使い、世間にも広まったということ。
 右画像のように両手の親指を上に向けるポーズ(엄지 척)とともに言うのがポイントです。

◇~であります(~지 말입니다.~ジ マリムニダ)
 2016年上半期KBS2で放映されたドラマ「太陽の末裔(태양의 후예)」は、<国際貢献>ということで海外派遣された韓国軍の話。もし日本でこういう内容のドラマが放映されたら大騒ぎになるでしょう。それはそれとしてソン・ジュンギソン・ヘギョの共演も話題になったりして大ヒットし、それとともに流行語になったのがこの軍隊式の話し方
 昔の日本軍でも、上官に名を問われた新兵が「ヌルボ二等兵です」などと言おうものなら「そんな<地方の言葉>(=ふつうの民間での言葉)を使うな!」とビンタが飛びそうです。ここは「ヌルボ二等兵であります」と軍隊用語で答えるべきものなのであります。韓国の軍隊もそうとういろんなことが旧日本軍から受け継がれているわけで、軍隊用語もたぶんそうなのでしょう。→コチラの記事によると「動詞や形容詞の原型から다を取った語幹に「~지 말입니다」だけを付ければよいので、不規則活用とも関係なく使えるため、むしろ簡単かもしれません」とのことです。たとえば「그렇습니다(そうです)」の場合は「그렇지 말입니다(そうであります)」となるのであります。(癖になりそう。いかんなー。)
 以前何かでこの「~であります」という軍隊用語は長州の方言に由来するという記事を読んだ記憶がありますが、事実なのかな? そして「何をしちょるか?」という昔の警官用語は薩摩弁なのだとも・・・。(薩長藩閥全盛時代の名残り)

◇白く焼こうよ ホットだぜ(하태핫태.ハテハッテ)
 「하얗게 태우자 핫하게 태워」の縮約語とのことですが・・・。「핫」は英語のhot。しかし、なんでこんなに短くなるのかな? そして、こんな訳でいいのかな? 韓国のQ&Aサイトにも「どんな意味?」なんて質問があるのもむしろ当然でしょう。元はOcean WorldのCMソングから。Block BのメンバーでラッパーのZico(지코)による自作自演の曲で、中毒性が強いため(?)広まっていったとか・・・。
 YouTubeは→コチラ
 たしかに、ハテハテだけだと韓国人が聴いても意味不明かもなー。 

◇知らないのに、なんで行くんですか(모르는데 어떻게 가요)
 ことの発端は昨年(2015年)6月のMBCのバラエティ番組「セバキ(세바퀴)」。俳優でタレントのキム・フングクにいきなりアン・ジェウクの結婚式になぜ来なかったの?」と訊かれたお笑いタレントのチョ・セホがあわてた表情で答えたのがこの言葉。「セバキ」は昨年11月に終了したのに、なぜかこのネタはSNSで発掘されて1年近く経った今春になって盛り上がったとのこと。「知らない人なのに・・・」ということですかね? 日韓では結婚式の招待の仕方が違うのかな? どうもわかりにくいですが、さいわい→コチラの記事でていねいに説明してくれてます。(それでもおかしさが今ひとつ飲み込めませんが・・・。) この流行語によってチョ・セホは「プロ欠席者(프로불참러)」というニックネームまでつけられてしまいました。しかしその後知らない人からも「なぜ来ないんだ?」との連絡が連日100件以上来るようになって実際に出席したり、1日にできるだけ多くのイベントに出席するギネス記録に挑戦したり、加害者(?)のキム・フングクとの広告まで撮ったりして人気が高まったそうです。

◇~ is 何でもステキ(~ is 뭔들.is ムォンドゥル)
 「~は何をしてもステキ、最高!」という意味で使われるインターネット新語。ガールズグループMAMAMOOの歌「넌 is 뭔들(ノン イジュ ムォンドゥル.キミは最高)」でも使われて拡散しました。→YouTube。英題は「You're the best」になってますね。

◇おまえのために座がすっかりしらけてしまったから責任を取れ(너 때문에 흥이 다 깨져버렸으니 책임져)
 元はと言えば、2004年放映の韓国アニメ「オリンポスガーディアン」(SBS)の一場面で、遅く登場したオルフェウスに対してディオニュソスが言った言葉。するとオルフェウスはリラ(竪琴)を演奏しながら踊って場を盛り上げ、称賛まで受けるのです。最近この言葉が知られてパロディもいろいろ作られています。
 オリジナルは→YouTubeで見られます。そこからパロディもたどっていけます。
◇あーん、気持ちいい(앙 기모띠.アン キモッティ)
 もちろん日本語。発音はちょっと違いますが・・・。アフリカTVのBJ(番組進行者)チョルグ(철구)が放送中にしばしば言って広まりました。
 「띠」は「帯」等の意味があり、それを生かして「앙 ○○띠」と別の言葉に変えたパロディも作られています。下の画像は金浦の高速道路料金所の電光掲示板に「앙 안전띠」(あーん 安全ベルト)という表示が出現したというものですが、関係者は否定していて、どうもこれは偽の画像のようです。

 最初の2つだけが政治ネタであとはTV・芸能関係。日常的に韓国の娯楽番組やドラマを観てないので、今初めて知りましたというものばかり。
 世相・社会関係では、昨年の暮れに<ヘル朝鮮>(→コチラ)とか、<金(or土)のスプーン>(→コチラ)といった新語の紹介をしました。これらは今も使われているようですね。今年できた新語も探せばもっとありそうな気もします。
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中高生の校外学習のような(?)3泊4日のソウル旅行⑤ 2日目(後半)=清渓川文化館と板子家見学後、例の大デモ。直に見たら緊迫感ナシのお祭りムード!

2016-12-21 17:25:29 | 韓国旅行の記録
 →<中高生の校外学習のような(?)3泊4日のソウル旅行① 1日目(前半)=閑散としていた朴正熙記念図書館>
 →<中高生の校外学習のような(?)3泊4日のソウル旅行② 1日目(後半)=安倍首相とのかすかな接点(??)>
 →<中高生の校外学習のような(?)3泊4日のソウル旅行③ 2日目(前半)=市庁の地下にある遺跡→九老工団生活体験館>
 →<中高生の校外学習のような(?)3泊4日のソウル旅行④ 2日目(前半のつづき)=大林洞の中華街は、中華料理というより中国朝鮮族料理の街>

○11月26日(土) 後半

 しばし教大駅近くのピジュンで餅菓子を食べながら午後3時頃までマッタリ。雪の降りは積もるほどではないものの、ふつうの革靴ではぬかるんでいる坂道は危険があぶないし・・・、本日のメーンイベント(?)の大デモまでは時間があるし、じゃあどこ行くか?ということでふと思いついたのが清渓川文化館。ここもまた、行くにしても1人で行くしかないな、と思っていた観光ポイントでもない諸施設を口にすると全然難色を示すことなく「そこ、行こう」となるのが畏友Y氏です。

 地下鉄2号線龍頭(ヨンドゥ)を出るとすぐ清渓川の橋(古山子橋というのか)。
 ここまでくると、起点の世宗大路近くの「都心のオアシス」といった雰囲気とは全然違った相貌です。
 ※右画像は、古山子橋から西の方の眺望。

 雪はもうほとんど止んでいます。川沿いの道を少し歩いて文化館に到着(下左)。道路を挟んで向かいに付属施設の復元した清渓川板子家(パンジャッチプ)体験館があります(下右)。
 ※板子家(반잣집)とは、かつて川沿いに密集していたバラックのこと。→関係過去記事

     

 館内の展示物は清渓川復元工事関係のものが比較的多い感じ。概容は→ソウルナビの記事を参照されたし。
 で、私ヌルボの関心はというと、清渓川自体よりも、近代以降現代に至るまでこの川辺で暮らしていた人々の生活史です。
 展示物の中に、かつての川辺の家々のとても精緻な模型がありました。
       
 よく見ると、川辺で洗濯をしている女性、屋根の補修をしている(?)人、遊んでいる子供たち等々いろんな人たちがいて、また唐辛子が干してあったり甕が置いてあったりと、実に手が込んでいます。

 そして、各時期の多くの写真が展示されています。(左の写真は1903年のもの。)
  その中にあったのが野村基之さんという人の撮った写真(右)。私ヌルボ、この人の名前を知りませんでした。→コチラの記事によると職業はカメラマンではなく牧師で、1970~80年代に清渓川等で貧民救済活動を行い、「清渓川貧民の聖者」と呼ばれている人で、2013年にソウル市の名誉市民証を受賞したとのことです。また→コチラの記事には、写真10数枚とともに彼自身の証言等が掲載されています。



 なお、日本の統治時代この清渓川の川辺に生きる庶民の哀歓を綴った小説が戦後越北した作家・朴泰遠(パク・テウォン)「川辺の風景」(作品社)です。(これはざっと流し読みした程度なので読み直さなければ・・・。) ※ついでながら、映画監督のポン・ジュノは南側に残った朴泰遠の次女の息子。




 約30分駆け足で館内を観て回った後、向かいの清渓川板子家体験館へ。右画像のように川の方に張り出した、かなり危なっかしい建物です。が、昔の板子家と比べるとはるかに頑丈そうなつっかい棒です。(昔は崩壊事故はなかったのかな?)

 中に入ると、意外なほど大勢の人が来ていました。
 70年代頃の日用品や教科書、漫画本等々が展示されています。
 愛想の好さそうな案内のアジュマがいて、ちょこっと昔の話を聞いたりしました。

         
 漫画本がたくさん!(ピンボケですみません。) 時間があれば読んでみたかったな。その本棚の前には昔の教科書。
            
 思い出の教室。横には時間割。算数が週5回で最多、次が国語の4回。道徳が3回というのは多いですね。日本の理科に相当する科目は韓国では「自然」です。その右の画像は朴正熙記念館にもあった「国民教育憲章」(1968)です。
 ※この清渓川板子家体験館の展示品の写真は→コチラの韓国記事に多数載っています。
 
 午後5時過ぎに出て、西側の橋を渡って対岸の道から龍頭駅に戻りました。

 さあ、次はいよいよ大デモだぞっ、と私ヌルボがとくに入れ込むこともないのですが・・・(笑)。
新設洞で1号線に乗り換えたのは5時半頃。案の定の混みようで東大門からはすし詰め状態。出で立ちで一目瞭然の人もそうじゃない人も、乗客ほとんどはデモ参加者。鐘閣で降りた人も大勢、またヌルボたちのように市庁で降りた人も大勢。改札を出ると人の波。
 地上に出るとやっぱり人、人、人。
     
 ソウル広場で座り込んでいる人たち(上左)。演説よりもまず耳に飛び込んできたのは歌声。いろんな方向から聞こえてきます。
 人の流れにしたがって景福宮方向に歩いて行くと、目についたのは子連れの家族の多さ。手をつないだり(上右)、中には肩車をしているお父さんもいます。
      
 私ヌルボ、来る前から気になっていたり、知人から「現地で確かめてよ」と言われていたこと等がいくつかありました。その1はニュースでもよく見るあの人たつが手に持っている主張・要求が記された紙。昨年の安保関連法案反対デモの時の「アベ政治を許さない」は金子兜太さんの書いたものを各自がプリントアウト(&コピー)したりして持参したのですが、今回の韓国の大デモはやっぱり野党側が大量に用意して現地で配布していました。
 上左は第1野党の共に民主党のビラ配布所。赤色と青色がありますが、同じ紙の裏表です。
 それから、あの大量のローソクはどこで買うかというと、ここかしこで売っていました(上右)。1本千ウォン(約100円)。団体によってはまとめてメンバーに配ったりもしているのかな? また火を点けるローソクではなく、ローソクのような形のペンライト(?)も売られていました。(2千ウォン。)
 ※ローソクデモは2008年の狂牛病関連の米国産牛肉輸入再開反対デモが最初と思っていましたが、→コチラ
の記事によると2002年楊州で起こった米軍装甲車により女子中学生2人がひき殺された事件に対する非難・抗議デモが最初とのことです。

 また、「こんなに大勢の人たちのトイレ事情はどうなってるの?」という調査依頼(?)がありましたが、これは直接には未確認のまま。ただ、→コチラの記事(韓国語)によるとスマホでいろんな便利情報が出回っているようですね。集会場所の他、トイレ、コンビニ、緊急施設等々。とくにスマホがキャンドルになるというアプリはすごく利用されているようですよ。左画像はソウル広場周辺のトイレ地図。右のリストには各トイレの開放時間帯も記されています。常時使用可能のトイレは5ヵ所。これは旅行者も活用できますね。※この地図の出所は→コチラです。
 要するに、大勢の人たちの心配事や要望があれば、ちゃんとそれに応えるようになっているということです。
 それにしても、緊迫感ナシのデモで雰囲気はむしろお祭り。韓国メディアは保守紙も含めて自讃していて、それはわからないでもありませんが、何か別の問題もありそうな・・・。

 タラタラと歩いて、やっと前方に李舜臣像が見えてくるあたり(右)まで来て、これ以上やじ馬的に歩いてもなんだかなー、腹も減ったし・・・ということで集団から離れます。といっても道路脇も、少し離れた道も人が多いのは同じ。どこまでがデモ参加者に算定されるのか本人でさえわかってないという人も多かったと思います。

 というわけで、教保ビルの手前から東、つまり鍾路の通りに出てみると・・・。
        
 おおっ、車が通ってない! ・・・考えてみれば世宗大路は横切れないから当然ではあるんですけどね。鐘閣方面、YMCAの前あたりも車道に人が大勢。デモ参加の集団もいます。
 
 別に戦をするわけじゃなくても腹が減っては何もできません。何か食べよう、・・・とサムギョプサルの食堂を物色するもどこも客がいっぱい。
何とかムハンリプル(무한리필)という店に入ったところ、9900ウォンで肉だのキムチだの野菜だのが2時間内で무한리필=おかわり自由とあって若い人たちが大半の店でした。
 この2階の店に上がる階段の踊り場に昔の写真が満載されているパネルがありました(右)。説明等はナシ。ちょっと気になって撮ったものをそのまま貼っておきます。

 さあ、これであとはホテルに帰って寝るだけだ~! この日も長い1日だったなー・・・。



             
左から、共に民主党「朴槿恵大統領 退陣せよ!」、同「朴槿恵大統領 厳重捜査!」、国民の党「朴槿恵 退陣」、同「朴槿恵 弾劾」


           
 上はソウルの声(서울의 소리)という進歩系メディアのチラシ。「親日反逆者清算は歴史的義務」という言葉があったり、裏面には「高木正雄(朴正熙の日本名)の実体」という大きな見出しに、昔の日本軍によるおぞましい写真が・・・。(今回の事態とどんな関係があると?)
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [12月16日(金)~12月18日(日)]

2016-12-20 23:53:07 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 昨日(19日)は新宿で映画鑑賞のハシゴ。1つ目はシネマカリテで「JACO」。平日の昼頃なのに意外なほどの込みよう。暗くなってから入ってきた客は法則通り私ヌルボの隣の空席に座りました(笑)。やはり70年代後半頃に初めて聴いた時の衝撃がずっと尾を引いてる人が多いのかな? しかしジャコ・パストリアスにしろパコ・デ・ルシアにしろ若い頃に聴いたミュージシャンがこうした形で伝説になっている現実は、自分にとって現実感がありませんなー。
 いや、40歳前後の人たちにとってはすでに90年代でさえ懐かしさを覚える時代なんだな、と思ったのが次に武蔵野館で観た「私の少女時代-Our Times-」。最初の方はヘンに漫画チックで「なんじゃ、これは?」と思ったのがだんだん引き込まれ、最後はハッピーな気分で一杯という期待を裏切らない作品で、<ぴあ映画生活>の高ポイント(90点)もナットク。ところが「JACO」とは比較にならないほど空席が多かったのはなぜ? ヌルボとしてはぜひたくさんの人に観てほしいのに、武蔵野館での上映は23日(金)限り。もし観ようにも都合がつかない方は横浜のシネマ・ジャック&ベティで1月7日からの上映がありますよ。
 ※「JACO」に登場したミュージシャンの中で、キューパのコンガの巨匠タタ・グィネスの演奏が少しだけ聴けましたが、それだけでもスゴイと思いました。(←貧弱な表現力だな。) →YouTubeでちょっと聴いてみてください。

 ヒマがあれば京橋に東ドイツ映画を観に行きたいところですがとてもムリ。とほほ。昨年は年間ちょうど100本観ましたが、今年は今のところ87本かな? 後1、2本観られるかどうかといったところ。

 先週は「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は掲載されませんでした。かわりに、同紙12月14日掲載の「映画200字評」(→コチラ
)で挙げられている9作品について小見出しと★の数だけ紹介します。
 ◇無難で、ありふれている・・・・「あなた、そこにいてくれますか」 ★★
 ◇恍惚としたダンス・・・・「ラ・ラ・ランドK」 ★★★★★
 ◇人間の品位・・・・「わたしは、ダニエル・ブレイク」 ★★★★
 ◇どんな言葉かはわかるが・・・・
「パンドラ」 ★★


         ★★★ NAVERの人気順位(12月20日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) オー・マイ・パパ(韓国)  9.82(203)
②(2) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.68(144)
③(3) シーソー(韓国)  9.65(66)
④(-) シルバー・ベルズ  9.50(14)
⑤(5) おばあちゃんの遠い家(韓国)  9.49(138)
⑥(7) 自白(韓国)  9.38(2,813)
⑦(6) オアシス:スーパーソニック  9.36(376)
⑧(-) KING OF PRISM by PrettyRhythm(日本)  9.27(1,309)
⑨(8) わたしは、ダニエル・ブレイク  9.27(359)
⑩(-) ONE PIECE FILM GOLD(日本)  9,23(943)

 今回の新登場は④「シルバー・ベルズ」だけです。2013年のアメリカのコメディ。勝つことに強くこだわるスポーツ記者のブルースは、ある日息子のバスケットボールの試合で誤審に抗議し、審判にケガを負わせてしまいます。その代償として救世軍の社会奉仕命令を受けますが、ここでも彼の勝負欲が発揮されて通行人に半強制的に募金を強要してしまいます。ついにはニュースアンカーの仕事も切られた彼は復職への唯一の機会を控えてまた事故に遭い、彼の蛮行が撮られた動画はオンラインで広がって仕事と家庭共に大きな打撃を受け、とまさに踏んだり蹴ったり。はたしてブルースはこの危機を乗り越えて無事にクリスマスを迎えられるか?・・・というクリスマス映画。韓国題は「실버벨」。日本公開はないようです。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) キャロル  8.96(13)
②(2) わたしは、ダニエル・ブレイク  8.40(15)
③(3) ラ・ラ・ランド  8.37(13)
④(5) ベルヴィル・ランデブー  7.83(8)
⑤(6) 自白(韓国)  7.67(10)
⑥(7) 私たち韓国)  7.66(14)
⑦(-) トランボ ハリウッドに最も嫌われた男  7.60(12)
⑧(-) ルーム  7.53(9)
⑨(8) はじまりへの旅  7.50(9)
⑩(-) 密偵(韓国)  7.50(12)

 今回の新登場はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月16日(金)~12月18日(日) ★★★

         「パンドラ」が300万人を超え2週連続1位
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・パンドラ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・1,006,592 ・・・・・・・・・・3,113,945・・・・・・・・24,803 ・・・・・・・・1,184
2(2)・・ラ・ラ・ランド・・・・・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・426,833・・・・・・・・・・・1,297,594・・・・・・・・11,116・・・・・・・・・・710
3(23)・・あなた、そこにいてくれますか(韓国)・・12/14・・408,355 ・・・・・・・・・・・・611,923・・・・・・・・・4,939・・・・・・・・・・767
4(3)・・兄貴(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・11/23 ・・・・・・・・・・121,699・・・・・・・・・・・2,929,564・・・・・・・・22,752・・・・・・・・・・475
5(4)・・コウノトリ大作戦! ・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・・92,364・・・・・・・・・・・・・288,157・・・・・・・・・2,198・・・・・・・・・・475
6(5)・・ファンタスティック・ビーストと・・11/16・・・・・・・・・・・79,779 ・・・・・・・・・・・4,611,536・・・・・・・・38,902・・・・・・・・・・346
       魔法使いの旅
7(7)・・ONE PIECE FILM GOLD (日本)・・12/08・・・・・・・41,669 ・・・・・・・・・・・・・205,900 ・・・・・・・・1,630・・・・・・・・・・281
8(6)・・ミッシング:消えた女(韓国)・・・11/30・・・・・・・・・・・・30,713 ・・・・・・・・・・・1,139,543・・・・・・・・・8,783・・・・・・・・・・281
9(新)・・命がけの恋愛(韓国) ・・・・・・・12/14・・・・・・・・・・・・19,350 ・・・・・・・・・・・・・・37,650 ・・・・・・・・・・284・・・・・・・・・・382
10(33)・・スノータイム ・・・・・・・・・・・・・・12/15・・・・・・・・・・・・17,380 ・・・・・・・・・・・・・・21,676 ・・・・・・・・・・164・・・・・・・・・・259
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は2・9・10位の3作品です。
 2位「あなた、そこにいてくれますか」は韓国のファンタジー&ドラマ。現在のスヒョン(キム・ユンソク)は医療ボランティア活動の中で1人の少女の命を救い、彼女の祖父から神秘的な錠剤10個をお礼としてもらいます。好奇心で錠剤を飲んだスヒョンは瞬時に眠りに落ち、再び目を覚ました時なんと30年前の自分と向き合うことになります。スヒョンには後悔し続けてきた30年前の事件があり、それを偶然得た10回のチャンスを通して変えてしまおうとします。・・・1985年、恋人ヨナ(チェ・ソジン)と幸せな日々を送っていた過去のスヒョン(ピョン・ヨハネ)は、たまたま道に倒れていた男を助けます。男は「俺は30年後のおまえだと」主張して証拠を見せると、過去のスヒョンは混乱に陥ります。愛していたヨナとぜひ一度会いたかったという現在のスヒョンの言葉に、過去のスヒョンは、未知の不安を感じ、そして信じられない未来を知ることに・・・。その過去に戻っていけば今の自分の人生も変わるのだろうか? 原題は「당신, 거기 있어줄래요」です。
 9位「命がけの恋愛」は、韓国のコメディ、スリラー、ロマンス。近所の人たち皆を殺人犯と疑って、警察や近所の人たちの間はイテウォンの迷惑女で通っている推理小説作家のハン・ジェイン(ハ・ジウォン)。次回作は構想だけで5年目、出版社でもあきらめる寸前の彼女は連続殺人事件をモチーフに新作を書くことを決心します。そんなある日、上の階での殺人事件の状況をキャッチしたものの、警察は彼女の言葉を信じてくれません。この機会に直接犯人を捕まえ、イテウォンの迷惑女からベストセラー作家への名誉回復を決心した彼女は、幼なじみの警察官ソル・ロックァン(チョン・ジョンミョン)の支援と、ジェインのファンで鋭い推理力を備えた正体不明の男ジェイソン(チン・ペンニム)の助けを得て本格的な捜索に乗り出しますが、はたして彼女の奇想天外な捜査の行方はどうなるのか? 原題は「목숨 건 연애」です。
 10位「スノータイム」はカナダのアニメ、といってもケベックなので言葉はフランス語です。第89回(2016年度)アカデミー賞長編アニメーション賞候補になっています。
1980年代のカナダ映画を脚色リメイクした作品で、村の子供たちが待ちに待った冬休み、大がかりな雪合戦を始めます。ルークチームとソフィーチームに分かれ、雪玉が無限大に作れる氷要塞の獲得をめざします。より強力な雪合戦の装備で攻撃しあう中、とうとう禁じ手(?)の危険なワナまで作ってしまいますが・・・。そんな雪合戦を通じて子供たちは成長していきます。韓国題は「스노우타임」。日本公開は未定のようです。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(13)・・スノータイム・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/15・・・・・・・・・・・・17,380 ・・・・・・・・・・・・21,676 ・・・・・・・・・・・・164・・・・・・・・259
2(1)・・わたしは、ダニエル・ブレイク ・・・・12/08・・・・・・・・・・・・・7,875 ・・・・・・・・・・・・28,936 ・・・・・・・・・・・・231・・・・・・・・・52
3(18)・・シカゴ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2003/3/28 ・・・・・・・・・・・・7,134 ・・・・・・・・・・・・11,709 ・・・・・・・・・・・・・90 ・・・・・・・・・70
4(22)・・くるみ割り人形 ・・・・・・・・・・・・・・・12/15・・・・・・・・・・・・・7,035 ・・・・・・・・・・・・・8,413・・・・・・・・・・・・・・64 ・・・・・・・・・96
5(16)・・セザンヌと私 ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/15・・・・・・・・・・・・・3,609 ・・・・・・・・・・・・・7,023・・・・・・・・・・・・・・53 ・・・・・・・・・46

 2位以外の4作品がすべて新登場です。
 1位「スノータイム」については上述しました。
 3位「シカゴ」はアカデミー賞を受賞した2002年のアメリカのミュージカルの再上映。韓国題は「시카고」です。
 4位「くるみ割り人形」はペルーのアニメ。雪が降り積もるクリスマス・イヴ。マリーとフリッツの姉弟がおもちゃ職人のドロッセルマイヤーおじさんからもらったプレゼントは木製のくるみ割り人形1つ。姉弟は人形を取り合ってケンカしてしまいます。そして真夜中にマリーが物音で目を覚ますと、おもちゃが動き出して、どこかへ歩いて行きます。マリーがその後を追いかけると、なんと家の大広間ではくるみ割り人形が率いるおもちゃの軍団と、ネズミの王が率いるネズミ軍団との戦いが繰り広げられてます・・・。韓国題は「호두까기 인형: 장난감 왕국 대모험」。日本ではDVDのみで劇場公開はないようです。
 5位「セザンヌと私」(仮)は、ゾラとセザンヌの40年にわたる友情が描かれたフランスの作品。南フランスの田舎の村で出会った2人の少年・画家を夢見るポールと文を書くエミールは、その後も希望や愛、そして挫折、すべてを共有してきました。互いに憧れながらも、厳しい評価もはばからず一緒に成長していった2人は青年になった後パリで他の芸術家たちと交流し、画家と作家の道に入ります。「テレーズラケン」「居酒屋」等を発表して名声を得たエミールと、天才的な才能がありながら認められないポール。かつてすべてを共にした2人の運命すれ違う中、エミールはこの悲惨な画家を主人公にした小説を発表すると、ポールはエミールを訪ねて行くのですが・・・。韓国題は「나의 위대한 친구, 세잔」。日本公開は来年です。
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中高生の校外学習のような(?)3泊4日のソウル旅行④ 2日目(前半のつづき)=大林洞の中華街は、中華料理というより中国朝鮮族料理の街

2016-12-15 16:00:02 | 韓国旅行の記録
 →<中高生の校外学習のような(?)3泊4日のソウル旅行① 1日目(前半)=閑散としていた朴正熙記念図書館>
 →<中高生の校外学習のような(?)3泊4日のソウル旅行② 1日目(後半)=安倍首相とのかすかな接点(??)>
 →<中高生の校外学習のような(?)3泊4日のソウル旅行③ 2日目(前半)=市庁の地下にある遺跡→九老工団生活体験館>

○11月26日(土) 後半

 12時過ぎに九老工団生活体験館を出ると、少し雪がちらついていましたが、次の目的地大林洞(テリムドン)方面はそんなに遠くはなさそうなので歩いて行くことにしました。
 その大林洞一帯は、近年増えている中国朝鮮族の集住地域です。
 今年(2016年)の日本と韓国のメディアでは、両国とも外国人労働者が年内に100万人に達する見通しとなったと報じられました。コチラの中央日報の記事によると、うち中国朝鮮族が約45%と圧倒的多数を占めています。彼らがとくに多く従事するのは、日本の3K(きつい・汚い・危険)と同義の3D(difficult・dirty・dangerous)の職種。その場所の多くは(日本同様)以前から中小工場の密集地だったところで、それがすなわちこの加山洞・加里峰洞・大林洞一帯、あるいはソウル近郊の安山市というわけです。

 右画像は加山デジタル団地からあまり離れていない加里峰洞の表通り。もうこの辺りから中国語の看板が目につきます。

 地図ではわからなかったのですが緩い上り坂で、雪も降り続けていたので途中の南九老駅から大林駅まで1駅ですが地下鉄で行くことに。

 チャイナタウンは大林駅の南東方向。歩き始めてすぐ目にとまったのは(朝鮮族とは関係なさそうですが)2つ前の記事で書いたコムジャンオ(ヌタウナギ)の店。水槽にそのオゾマシイ魚(魚じゃないって?)がたくさん。
    
 「今度きっと食べにくるからね」と自分から言ったのがコレか、うーむ・・・。店の名は機張(キジャン)コムジャンオでした。(※機張は釜山市内で、コムジャンオの店がたくさんある所として知られる。)
 
 勘を頼りに歩いて、遠回りながら中華街に入り込みました。
    
 赤い色が目立ちます。意外に長い通り(500m近く?)の両側に食堂がたくさん並んでいます。両替店、旅行会社等もあります。食堂のメニューは火鍋や餃子等の他、とくにこの街らしいのはヤンコチ(양꼬치)。羊肉の串焼きで、コチュカル(唐辛子粉)等につけて食べます。<羊肉串>と中国語で書かれた看板がここかしこに見られます。・・・が、腹ペコというほどでもない畏友Y氏&ヌルボは結局パス。実際ここの店に入って食べた方のブログ記事(→コチラ)を見ると、串1本でもけっこうボリュームがありそうで、日本人の中でも胃袋が小さめなヌルボは食べきれない感じ。(※リンク先の記事が消えていたので20年4月差し替えました。なお→コチラも参照されたし。)
 そしてもうひとつ目についた店がコレ。
      
 狗肉、つまり犬肉料理店がホントにたくさんあります。上右は、抵抗感がある方もいらっしゃると思ってあえてボンヤリとした画像にしました。
 中華街といっても、横浜のそれとは全然違って観光的要素はなく、中国朝鮮族の生活圏の中の通りで、料理も中華料理というより朝鮮族料理と言った方がいいですね。そうした街の雰囲気や食文化に触れてみたいという人はぜひ行ってみてください。

 予定では2号線で宣陵駅まで行って繁華街の中のオアシス三陵公園を散策するつもりでしたが、この天気ではしょうがなく断念。(大林駅→)教大駅で降りて餅菓子チェーン店ピジュン(빚은)で一休み。

 おっと、このペースだととてもこの日の終わりまで書ききれないよ。ということでここで一区切り。
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中高生の校外学習のような(?)3泊4日のソウル旅行③ 2日目(前半)=市庁の地下にある遺跡→九老工団生活体験館

2016-12-14 23:41:11 | 韓国旅行の記録
 →<中高生の校外学習のような(?)3泊4日のソウル旅行① 1日目(前半)=閑散としていた朴正熙記念図書館>
 →<中高生の校外学習のような(?)3泊4日のソウル旅行② 1日目(後半)=安倍首相とのかすかな接点(??)>

○11月26日(土) 前半

 ベッドで寝たままボケッと眺めるTV画面。ニュースで注目は、今夕の朴槿恵退陣要求集会に参加するため地方の農協組織がトラクターを大挙動員してソウルに向かってるというもの。映像を見ると取り締まりの警察も難儀しているようす。どうなるのかな?

 天気は重たい曇り空で、予報では雪が降りそう。・・・と伝えるKBSニュース広場(6:00~7:50)のお天気おねーさんカン・アランさん。(右画像) もしかしてと検索すると、やっぱり。イ・ジュンギとの仲良しショットが今春報じられてましたね。(→コチラ。) 2014の<全国春香選抜大会>でミス春香に選ばれて注目された彼女、今は<お天気女神(날씨여신)>とか<骨盤美女(골반미녀)>とか言われて国営放送の気象キャスターとしては異例の人気、・・・のようですね。ついでに彼女のFACEBOOKは→コチラ。イ・ジュンギとのその後の展開はわからず。

 カン・アランについ深入りしちゃいましたが(笑)、土曜朝のKBS1の番組といえばニュース広場に続く「南北の窓(남북의 창)」(7:50~8:20)を見なくては! 1989年から続く北朝鮮情報いろいろの番組です。
今回のクローズアップは、今年8月29日~9月2日咸鏡北道地域を襲った台風10号による洪水被害とその復興のようす。
    
 右は11月16日の北朝鮮・朝鮮中央TVの「水害復旧祝賀放送」の画面。アナウンサー2人の笑顔がいかにも北朝鮮的ですね(笑)。
    
 多数の家屋が損壊しましたが(左)、その後復旧が進みます(中)。右の映像のバックには北朝鮮の歌「조선은 결심하면 한다(朝鮮は決心すればやる)」(→YouTube)が流されています。
     
 そして新しく造られた住宅を背に、インタビューに答える女性は「うれし涙で目も見えないわ。・・・朝鮮労働党万歳! 社会主義万歳!」と喜び一杯。人々は皆笑顔で踊りを踊っています(左)。一方、本番組の単独入手映像(右)は入居できなかった人たち。「戻って暮らせと言われてもどうすりゃ暮らせるんだ? 腹ペコで死にそうなのに食い物もないし・・・」と訴えています(右)。
 ※日韓の報道によると、川の堤防が決壊等のため約30万人(?)が被災し、死者・行方不明者は計約540人、住居を失った人は約7万人とされています。
 ※脱北者で北朝鮮の食文化研究者李愛蘭(イ・エラン)さんは<北朝鮮大洪水に隠れた真実>と題された記事(→コチラ)の中で「今回の洪水は、金正恩政権が招いた人災中の人災である」という中見出しに続けて「洪水の原因も核実験の揺れで弱くなったダムの決壊を避けるために予告もなく水門を開けて放水したため」と理由づけています。
 ・・・うーむ、このネタだけでも独立した記事になりそうだな。「南北の窓」ではこの水害関係以外にもハナ院での健康管理や北朝鮮でのビタミンブーム等について伝えていましたが委細は省略。

 9時過ぎにホテルを出て乙支路4街→乙支路入口の2駅だけ地下鉄で移動し、朝食はほぼ定番の武橋洞プゴククチプへ。2001年以来(?)6、7回目くらいか? しかし客が満杯で数人が並んでいるというのは初めて。以前はガイドブック・韓国グルメ本等には載ってませんでしたが、辛くも赤くもないのがヌルボのような日本人の好みにあってクチコミで人気店になっていったということかな?
     
 畏友Y氏の口にも合ったようで、ごちそうさまと店を出て、そのまま歩いてソウル市庁へ。

 市庁のお目当ては、地下にあるという遺跡展示室。ところが庁舎内はガラ~ンとしたいかにも休日っぽい雰囲気。そこの人に用件を問われたので話すと、「ああ、それならいったん外に出て、階段(下左)を下って市民廰へ」とのこと。
    
 上右がその軍器寺遺跡展示室(군기시 유적 전시실)の入口。朝鮮王朝時代武器の製造を行っていた部署ですが、私ヌルボが疑問に思ったのはなんで「司」でなく「寺」の字を用いているのか?ということ。寺でもないのに。また読みが「사(サ)」でなく「시(シ)」になっているのも疑問。後で朝鮮王朝の行政機関の表(→コチラ)を見ると「司」と「寺」がごちゃまぜになっていて、どう区別されているのか全然わからず。検索すると韓国サイトでも「軍器司(군기사)」と表記している記事があるし(→コチラ等)、私ヌルボ、確実な資料見るまで信じないからねっ!(とムキになることもでもないか。)
    
 けっこう広い展示室。透明な床越しに見られるようにもなっています。600年以上続いている都の中心地だから掘れば何かしら出てくるのでしょうね。

 次の目的地に向かうべく市庁駅へ。
 すると、地下道に<군기시 유적 전시실(軍器寺遺跡展示室)>と記されたけっこう大きな案内板があるではないですか(左)。このあたりは何度も来ているはずなのに初めて見ました。最近貼られたのか、それても単にヌルボが鈍感なだけなのか?

 市庁駅から加山デジタル団地駅へ。次の目的地というのは九老工団労働者生活体験館です。このいかにもマイナーそうな施設を何で知ったのかというと・・・忘れました。あ、「コンスニ」(女性労働者)等について→コチラの記事を書いた時か。

 駅の表通り(東)を北に少し歩くと案内板が見えました(下左)。
  

 迷うことなく到着(上中)。今ここから出てきたとおぼしき子供たちの団体が目に入りました。

 建物に隣接して再現された昔の商店があります(上右)。と、ここで気になったのがその商店に貼られていた昔の映画のポスター(右)。

 下の段の「馬鹿たちの行進(바보들의 행진)」(1975)は3回ばかり観たな。
 上左の「離れの客とお母さん(사란방 선님과 어머니)」もおなじみ、と思ったらレレレのレ、申相玉監督作品(1961)と違うではないの。これは1978年の趙文真(チョ・ムンジン)監督作品・・・って知らなかったワー。
 右上の李星究(イ・ソング)監督の「春香伝(춘향전)」(1971)も、上中の「夢の木(꿈나무)」(1978)も同様。どれもこの地域がカツラや衣料品関係等の工場地帯生活だった70年代の映画で、当時青年だった人たちにとっては懐かしい作品だったのかも。(・・・って映画を観るような時間とお金があった??)

 生活体験館の中に入ると、往時の写真がいろいろ展示されています(左)。
 館員の若い女性に日本から来たことを告げると、提示室を暗くして日本語字幕付きの映画を映写してくれました。

    
 1日前、朴正熙大統領記念館で見た60~70年代の産業の発展・輸出の大幅な伸びの「偉業」称揚と、同じ時代の表と裏というか光と影というか、まさに両面といったところですね。
    
 女性労働者の内緒話(左)。青い管に耳を近づけると、その声が聞こえるということは後になって知りました。右は「蜂の巣(벌집)」とよばれた2、3坪ほどの狭い部屋。
 生活体験館の地下には、そんな部屋が並んでいます。
  
 貼ってあるポスター、置かれている本やギター等々によってその部屋の住人の人となりがうかがわれます。
 この生活体験館を出る時、ポラロイド写真を撮ってくれました。我々に1枚ずつくれて、1枚は館内に貼られます。
 またハンディな本を1冊無料でいただきました(左)。衿川(クムチョン)区が発行した「G밸리시간사전99(Gバレー時間事典99)」で、目を通してみると九老工団やこの地域に関する99のキーワードを説明したなかなか良い内容です。Gバレーとは九老(Guro)のGとシリコンバレーのバレーを合成したもので、近年のゲーム産業等デジタル団地化推進を象徴する言葉になっているようです。九老デジタル団地近くに九老Gバレーモールもあるし・・・。また九老工団駅が2004年九老デジタル団地駅となり、その翌年には加里峰駅が加山デジタル団地駅に改称されたのもこのような変化を物語っていますね。

 ・・・というわけで、現地でいろんなことを知り、また新たな興味をかきたてられた1日でした。・・・じゃない! まだ半日残ってるよ~!
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [12月9日(金)~12月11日(日)]

2016-12-13 22:54:56 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 「海へ 朴さんの手紙」というドキュメンタリーを観て、終戦後ソ連軍によりシベリアに抑留された朝鮮人が多数いたことを知りました。パンフに韓国政府発行の「シベリアに抑留された朝鮮人捕虜の問題に関する真相調査」に記されている数字が載っています。「1万人余りの朝鮮人が最初捕虜として抑留」され、うち「約3千人がシベリアの捕虜収容所に収監」され、「死亡犠牲者はおよそ70人」、そして「約2千数百人が1948年12月北朝鮮の興南港に帰還」したとのことです。
 このドキュメンタリーは韓国・北朝鮮の人たちにも観てほしいと思いますが、北朝鮮はもちろん韓国でもむずかしいかも。日本軍兵士の朝鮮人がこんなに大勢いて、朴さんは「差別されることもなくて楽しかった」とまで語っているし・・・。

 10日(土)コリアキネマ倶楽部で北朝鮮映画「銀のかんざし」を観に行ったら、上映の前に聞こえてきたケータイの着メロのメロディがなんと1991年北朝鮮に行った時に元山港で聴いた歓迎の曲。後でそのケータイの持ち主Kさんに聴くとあるサイトからダウンロードしたとのこと。その曲は→コチラの動画で聴ける「4号歓迎曲」ということを25年経った今知りました。

 年内に観たい映画、読みたい本、行きたい所がたくさん。韓国映画ではさしあたり「フィッシュマンの涙」。B級臭さとパク・ボヨンの吸引力。その特殊メイキング映像(→コチラ)というのがオモシロイです。韓国映画以外では「私の少女時代-Our Times-」「JACO」そしてまだ観てなかった「PK」等。あ、藤脇邦夫「定年後の韓国ドラマ」(幻冬舎新書)「砂時計」(←これは観た)とともに大激賞の「ジャイアント」も観なくちゃ、・・・て全60話!? 正月休み全部潰しても無理じゃん。
 しかし、それ以前に「~したい」ことだけでなく「~しなければならない」ことが山積。当然後者を優先せざるをえないのが人生のつらいところです。あーあ・・・。
    
「朝鮮日報」11月11日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ラ・ラ・ランド」
  幸福でホント泣きそう ★★★★☆
 「ハンズ・オブ・ストーン(石の拳)」
  ボクシングが輝いてた頃 ★★★
 「パンドラ」
  ぴたり、災難と恐怖まで ★★☆
 「わたしは、ダニエル・ブレイク」
  泣いたり、また憤ったり ★★★★
 「カーテンコール」
  演劇ならより楽しめた? ★★☆
 「わが孫、ベスト」
  荒っぽく無恰好で粗雑 ★★
 「ハンズ・オブ・ストーン(石の拳)」(仮)は、「石の拳」とよばれた実在のボクサーのロベルト・デュランをエドガー・ラミレスが演じ、そのトレーナー役をロバート・デ・ニーロが演じたボクシング映画。日本公開は未定。他の5作品はすべて下の記事中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(12月6日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) オー・マイ・パパ(韓国)  9.82(202)
②(2) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.66(133)
③(3) シーソー(韓国)  9.65(65)
④(4) スンジョン(従順)(韓国)  9.60(90)
⑤(6) おばあちゃんの遠い家(韓国)  9.47(134)
⑥(5) オアシス:スーパーソニック  9.43(314)
⑦(8) 自白(韓国)  9.39(2,733) ⑧
⑧(-) わたしは、ダニエル・ブレイク  9.39(173)
⑨(7) 次兄(韓国)  9.37(84)
⑩(10) 学校に行く日  9.30(64)

 今回の新登場は⑧「わたしは、ダニエル・ブレイク」だけです。この作品については後述します。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) キャロル  8.96(13)
②(-) わたしは、ダニエル・ブレイク  8.43(14)
③(-) ラ・ラ・ランド  8.37(13)
④(3) ラヴニール  8.00(6)
⑤(4) ベルヴィル・ランデブー  7.83(8)
⑥(5) 自白(韓国)  7.67(10)
⑦(6) 私たち韓国)  7.66(14)
⑧(7) はじまりへの旅  7.50(9)
⑨(9) あなた自身とあなたのもの(韓国)  7.31(9)
⑩(-) わが孫、ベスト(韓国)  7.25(9)

 今回の新登場は②③⑩の3作品です。
 ②「わたしは、ダニエル・ブレイク」と、③「ラ・ラ・ランド」については後述します。
 ⑩「わが孫、ベスト」は韓国のコメディ。就職、恋、人間関係、勉強、何一つまともにできない<ヘル朝鮮>こと韓国で暮らす無職のキョファン(ク・キョファン)ですが、唯一楽しめる場所がキーボード戦士たちの巣窟ノナナナベスト(おまえも俺もベスト. PCバンかな?)です。一方、いつも国の心配ばかりしている70代の熱烈な愛国老人ジョンス(トン・バンウ)。彼はタプコル公園、鍾路の裏通りを散策しつつ左派清算、国家復興を叫び、オボイ別働隊隊長として忙しく活動しています。ある日タプコル公園で売国奴たちと争っている中で、彼は偶然平凡で明朗な青年キョファンに出会います。ノナナナベストの熱血会員とオボイ別動隊隊長という<ヘル朝鮮>を揺るがし始めた(?)彼らの特別な愛国が始まる、のかな? 原題は「우리 손자 베스트」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月9日(金)~12月11日(日) ★★★

         地震と原発事故で大パニック! 1位の韓国映画「パンドラ」は韓国にとってもリアル?
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・・累積収入・・・・上映館数
1(12)・・パンドラ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・12/07・・・・・・・・1,121,315 ・・・・・・・・・・・1,459,272・・・・・・・・11,799・・・・・・・・1,166
2(新)・・ラ・ラ・ランド・・・・・・・・・・・・・・・・12/07・・・・・・・・・・427,134・・・・・・・・・・・・・563,436・・・・・・・・・4,916・・・・・・・・・・727
3(1)・・兄貴(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・11/23・・・・・・・・・・264,327 ・・・・・・・・・・・2,685,766・・・・・・・・20,910・・・・・・・・・・603
4(39)・・コウノトリ大作戦!・・・・・・・・・12/07・・・・・・・・・・147,187 ・・・・・・・・・・・・・166,633・・・・・・・・・1,287・・・・・・・・・・538
5(3)・・ファンタスティック・ビーストと・・11/16 ・・・・・・・・・146,180 ・・・・・・・・・・・4,473,975・・・・・・・・37,813・・・・・・・・・・482
       魔法使いの旅
6(2)・・ミッシング:消えた女(韓国)・・ 11/30 ・・・・・・・・・・132,871 ・・・・・・・・・・・1,049,296・・・・・・・・・8,107・・・・・・・・・・545
7(新)・・ONE PIECE FILM GOLD (日本)・・12/08・・・・114,505 ・・・・・・・・・・・・・140,401 ・・・・・・・・1,121・・・・・・・・・・445
8(4)・・ジャック・リーチャー・・・・・・・・・・11/30 ・・・・・・・・・・39,484 ・・・・・・・・・・・・・591,891・・・・・・・・・4,497・・・・・・・・・・354
       NEVER GO BACK
9(40)・・わたしは、ダニエル・ブレイク・・12/08 ・・・・・・・・・・8,872 ・・・・・・・・・・・・・・12,525 ・・・・・・・・・・101・・・・・・・・・・・62
10(新)・・しまじろうと えほんのくに(日本)・・12/08・・・・・・7,636・・・・・・・・・・・・・・・・9,179・・・・・・・・・・・・65・・・・・・・・・・・81
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・2・4・7・9・10位の6作品です。
 1位「パンドラ」は韓国の大作パニック映画。突然朝鮮半島を襲った歴代最大規模の大地震に続いて原子力爆発事故まで起こるとは! 放射能流出の恐怖が高まる中、2次爆発という最悪の事態を食い止めようとする<ふつうの人たち>の死闘が描かれます。その主役は発電所の従業員のジェヒョク(キム・ナムギル)。発電所所長ピョンソプ(チョン・ジニョン)も奮闘します。また同僚たちを救うために危険な災害現場に飛び込むジェヒョクの友人キルソプを演じるのはドラマ「未生」で注目されているキム・デミョン。その他ジェヒョクの母ソク女史はキム・ヨンエ、若い大統領を思うままにしようとする首相はイ・ギョンヨンと、いかにもの配役。あ、その災難の前で混乱を経験する若い大統領役は特別出演のキム・ミョンミンと、なかなか豪華な俳優陣。原題は「판도라」です。
 2位「ラ・ラ・ランド」は、アカデミー賞作品賞の本命と目されているアメリカのミュージカル。その前哨戦とされる放送映画批評家協会賞では8冠獲得しました。(→コチラ参照。) 舞台はロサンゼルス。オーディションに落ちて意気消沈していた女優志望のミア(エマ・ストーン)はピアノの音色に誘われてジャズバーに入り、そこでピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴスリング)と最悪な出会いをします。その後あるパーティ会場で再会したの時もぶつかりあってしまいますが、やがて2人は互いの才能と夢に惹かれ合い、恋に落ちていきます。韓国題は「라라랜드」。日本公開は来年2月24日です。
 4位「コウノトリ大作戦!」はアメリカのアニメ。日本ではすでに11月3日に公開されています。韓国題は「아기배달부 스토크」です。
 7位「ONE PIECE FILM GOLD」は日本では今年7月公開された作品ですが、礼によって私ヌルボに語る資格ナシ。韓国題は「원피스 필름 골드」です。
 9位「わたしは、ダニエル・ブレイク」は、ケン・ローチがカンヌ映画祭で2度目のパルムドール(最高賞)を受賞した作品。
心臓病のため職を失った59歳のダニエル(デイヴ・ジョーンズ)は国の援助を受けようとしますが、制度の複雑さに翻弄されます。そんなある日、シングルマザーのケイティ(ヘイリー・スクワイアーズ)とその2人の子供と出会ったダニエルは彼女等との交流に温もりを感じますが、過酷な現実に追いつめられていきます・・・。韓国題は「나, 다니엘 블레이크」。日本公開は来年3月18日です。
 10位「しまじろうと えほんのくに」は、20年以上前からの人気キャラクターなのによく知らなくて、長いことシマリスかと思ってました(笑)。トラだと韓国でも親近感があるかもね。韓国題は「호비와 동화나라 대모험」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(3)・・スンジョン(従順))(韓国)・・・・・・・・・・11/17・・・・・・・・・・・・・2,681 ・・・・・・・・・・・・45,236 ・・・・・・・・・・・・320 ・・・・・・・・・25
2(1)・・はじまりへの旅 ・・・・・・・・・・・・・・・・・11/30・・・・・・・・・・・・・1,523 ・・・・・・・・・・・・13,058・・・・・・・・・・・・・・99 ・・・・・・・・・31
3(4)・・五日物語-3つの王国と3人の女・・11/24・・・・・・・・・・・・1,404 ・・・・・・・・・・・・27,723 ・・・・・・・・・・・・217 ・・・・・・・・・34
4(21)・・カーテンコール(韓国)・・・・・・・・・・・12/08・・・・・・・・・・・・・1,097 ・・・・・・・・・・・・・4,251・・・・・・・・・・・・・・31 ・・・・・・・・・78
5(40)・・わが孫、ベスト(韓国) ・・・・・・・・・・・12/08・・・・・・・・・・・・・・・943 ・・・・・・・・・・・・・1,599・・・・・・・・・・・・・・・8 ・・・・・・・・・・8

 1・5位の2作品が新登場です。
 4位「カーテンコール」は韓国のコメディ。経営不振で閉業一歩手前の危機に面している三流エロ劇団ミンギの最後の舞台を控えて、演出のミンギ(チャン・ヒョンソン)は、いつも夢に描いていた演劇「ハムレット」の上演をすることを決心し、プロデューサーのチョルグ(パク・チョルミン)を説得します。紆余曲折の末に舞台の幕が上がりますが、思わぬミスやアドリブが連発する中、舞台の熱気は熱くなっていきますが、はたしてこの劇団、無事にカーテンコールにたどりつけるの? 原題は「커튼콜」です。
 5位「わが孫、ベスト」については上述しました。
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中高生の校外学習のような(?)3泊4日のソウル旅行② 1日目(後半)=安倍首相とのかすかな接点(??)

2016-12-09 23:14:46 | 韓国旅行の記録

 私ヌルボのこれまでの韓国旅行と比べると、今回の旅は泊まった所といい食べたモノといい、ちょいと、いや、かなりゼイタクでしたねー。時にはこういうこともあっていいでしょう。いつもだとそれが当たり前になって感動が薄れるし、何よりも先立つものの問題もあるので・・・。今回のタイトルの「安倍首相云々」は、こう書くと少し訪問者が増えるかな?という魂胆でつけたもので、さほど大した意味はありません。乞御期待の反対。

○11月25日(金) 後半

 昼食も食べず午後3時近くまでデジタルメディアシティ辺りを歩き回った私ヌルボと畏友Y氏の2人。あまり腹が減っていないということで機内食がブランチだったと後付けで解釈し、そのままホテルへ。
        

 今回3連泊したホテルは乙支路4街(ウルチロサガ)のベストウェスタンプレミアホテル国都(ククト)という長い名前。しかし行ってみると表示はホテル国都だけでした。(上左) ここは以前は国都劇場という映画館(1999年閉館.上中)で、建物の横(南側)にある碑石(上右)には「1936年黄金座として開館した」とありました。  チェックインの時、「国都劇場の頃のものが何か残ってませんか?」と尋ねたら「残ってません」とのこと。ちょっと何か残しておいてほしかったなー。

 ・・・と、ここまで書いてボンヤリと思い出したのが初めての韓国旅行の時のこと。1992年8月です。
 で、その時持って行ったのが左の本。中野茂樹「植民地朝鮮の残影を撮る」(岩波ブックレット.1990)でした。この本に昔からの映画館の写真(右)があり、それを頼りに現地まで歩いて行って正面から写真を撮りました。映画館の人(?)だかに「何をしてるのか?」と問われましたが、そのページを見せてわけを話すと穏やかな表情になって何やら説明してくれました。今図書館でその本を確認すると「旧・黄金座 現・国都劇場」とあり、まさにここ。つまり24年前にも来ていたというわけです。しかし、その時の写真ははたしてわが家のどこに埋もれているのか?(笑)



 閑話休題。部屋で少し休んで午後4時30分頃再び外出。小さな電飾関係の店が集まっている大林商街を抜けて清渓川まで北に約5分。そして川に沿って西にどんどん歩いて行きます。


      
 振り返ると、何やら高く尖ったモノが見えます(上左)。→コチラの記事(韓国語)によると、2008年(?)に世運橋の上に建てられた<ソッテ>というモニュメントなのだそうですが、私ヌルボは今回初めて気づきました。三一橋近辺はこの頃何度も来た所。上右はベルリンの壁です。(→コチラの過去記事参照。この写真もその時(2015年4月)撮影。)

 当面の目的地は清渓川の起点のすぐ横、世宗大路に面した新聞博物Presseum
 私ヌルボ、10年以上前に1度来た時には東亜日報の社屋内にありましたが、今見るとビル自体が立て替えられていて全然様変わり。上右はいい写真が撮れなかったのでNAVER地図をチャッカリ加工したもの。中央の大きな東亜日報のビルの左の方に系列のTV局チャネルAがあり、その左手の古い建物が以前の東亜日報社屋=現イルミン美術館で、その5・6Fが新聞博物館になっています。(後で→ソウルナビの記事を見ると2012年にイルミン美術館に移転したとのこと。) なんとか入口は見つけ、何やら催し物があって若い人たちが群れている中、博物館があるフロアへ。ソウルナビには午後6時までとなっているのに、受付のおねーさんに確認すると5時30分。ということはあと10分! アララ、ということで早足で回りながら写真撮りまくり。まあたぶんこれからも何度も来そうな所なので、いずれゆっくり見ることにしませう。とりあえず展示のごく一部を紹介しておきます。
     
 韓国の近代的新聞の歴史(上左)の展示。1883年10月30日の「漢城旬報」から始まっています。そのちょっと後に10月の修学能力試験の「韓国史」の出題ミスでニュースのネタになった「皇城新聞」「大韓毎日申報」(上右)も展示されていました。時間があったら記事も読めたのに・・・。
          
 新聞に載った第事件あるいは新聞自体の事件。上左は1936年ベルリン五輪のマラソン優勝者・孫基禎選手の胸の日章旗抹消事件「東亜日報」が無期停刊を受けたことは(一部の?)日本の高校教科書にも載っていますが、「朝鮮中央日報」も日章旗を抹消した写真を掲載したのですね。(→参考記事。) 上左は1979年の朴正熙大統領逝去を伝える記事。逝去だけでなく、映画のタイトルにも使われた「有故(ユゴ)」という言葉が見出しに用いられています。上右は1986年の「金日成死亡」という大誤報事件。画像は11月17日付の「ソウル新聞」ですが、→コチラの「ハンギョレ」の記事によると16日付の「朝鮮日報」をはじめ各紙が国防部報道官の発表のままに一斉に報じたとのことです。日本でも17日夕刊で「金日成主席 死亡説流れる」から18日夕刊の「金日成主席 姿見せる」まで大きく報道されましたが、事実として報道された韓国紙とは違って距離を置いた書き方でした。(・・・が、どれだけ今の日本人の記憶に残っているのかな?) 誤報の原因とその背景等、今も興味深いネタですが、私ヌルボはそこまで深入りしてません。

 外に出るともう夕闇というかほとんど夜。次の目的地は畏友Y氏が見てみたいという日本大使館前の慰安婦少女像
      
 少女像はニットの帽子にマフラーとすっかり冬の装い。横のビニールテントは、昨年12月28日の日韓慰安婦合意の2日後(30日)から「合意廃棄、少女像撤去反対」を叫んで籠城を続けている学生たちのテント。暗くて適当な写真が撮れなかったので、その学生組織のFACEBOOK(→コチラ)から1週間ほど前の画像を拝借しました。掲示物(右画像)を見るとこの日で籠城332日目。彼らに話しかけたい気持ちを抑えて(??)そのまま次へ。

 ・・・と鍾閣駅の方向に向かいます。目指すは中央地図。各種地図の販売と、制作もしている地図の専門店です。3月に一緒に旅行した歴史研究者N氏に教わった店ですが、その時は入らずじまいで気になっていました。すでに6時を過ぎていましたが開いていました。
      
 上左の画像はDAUM地図から加工。パンのチェーン店トゥレジュールの横の階段を上って2F。階段の両側に大きな地図が何枚も貼ってあります。入ってみると、オフィスの一角に店があるという感じ。なるほど、山岳地図その他いろんな地図があります。歴史的なものでは金正浩(キム・ジョンホ)作と伝えられる朝鮮時代の漢城地図「首善全図」、これは中央地図刊行で1万5千ウォン(だったかな?)。この店の紹介記事(→コチラ)には午後6時30分までとありましたが、訊いてみると午後9時までとのことでした。
 中央地図から出て、20mほど東に行くと、交差点の角に人だかり。信号待ちの人だけでなく、行列のできる店があるのです。
      
 看板に「공평동꼼장어(公平洞コムジャンオ)」とあります。コムジャンオとはヌタウナギのこと。日本ではあまりなじみがありませんが、ふつうのウナギとはかなり違っていて→ウィキペディアには「厳密な意味での魚類ではない」と書かれています。目もないみたいだし(皮膚に埋もれている)、ちょっと以上にオゾマシイ姿。しかし→ソウルナビコチラの記事でも→コネストの記事でも口コミは至極好評。店の前で下焼きしていた店員さんに「今日は時間がないけど今度きっと来るから」と言って写真を撮らせてもらいました。(上右) ホントに今度行ってみようと思います。あ、コムジャンオのオゾマシイ画像は次の次くらいの記事で載せます。

 さあ、いよいよこの日のメインイベントだぞっ!・・・と向かったのはコムジャンオの店から近いセンターマークホテル地下の高級焼肉店・景福宮 寛勲店
 あ、気が急いて外観の写真を撮り忘れちゃった!(笑) 畏友Y氏の職場の後輩(ソウル勤務)という方との会食です。
      

 まず刺身が出てきて、次に焼肉。サルチサル(살치살)というのかな? つまり霜降りロース。気がついたら大方食べてしまった後で、写真(上右)は撮ったもののこれじゃよくわかりませんね。なお、ここでKloudビールというビールを初めて飲みました。最近人気とのことですが、たしかにこれまでの韓国ビールにはないコクがあります。後で→コチラの記事を見ると2014年4月ロッテ酒類から発売されて以来人気沸騰でその年のヒット商品にランクインしたとか。なんで今まで知らなかったんだろ? 盲点は数限りなくあるということです。
 このいつになくゴーセイなディナーをいただいた(ワリカン)のはけっこうなことでしたが、反省点としてはちょっと話にのめり込みすぎて料理をゆったりと味わう余裕を欠いていたことです。

 あ、ここで本記事の見出し「安倍首相云々」を思い出しました。つまり、1年前の11月2日安倍首相が来韓した折にここで別所大使等と昼食を共にしたということ。帰り際に店の人にそのことを話すと、その席に案内してくれました。
     
 日本語で「安倍首相の部屋」とあるのは、(ヌルボみたいな)日本人客を見込んでのこと? 上のリンク先の記事を見ると座椅子の背もたれにも「安倍首相の椅子」という金色のプレートが貼られているんですね。(笑)
 午後10時前に店を出て、長かった1日もあとはホテルに戻って寝るだけ。酔い覚ましに歩いて帰る途中、屋台の玉子パンに関心を示した畏友Y氏、1個買って食べ、発した「美味いよ!」の声に触発されてヌルボも1個購入。たしかに! 高級焼肉のお値段の数十分の1の1000ウォンの玉子パン1個でも十分シアワセになれるという真実を実感した次第であります。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [12月2日(金)~12月4日(日)]

2016-12-07 16:11:58 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 ソウルの土曜夜ごとの大デモ。ローソク1本が1000ウォン、ペンライト型の物だと2000ウォン。誰が思いついたのか、ローソク業界としてはホクホク。一方映画館の客がデモのため減っているとの報道も。週末の興行成績の数字を見ると5位以下はちょっと落ち込んでいるようで、そう言えなくもないといったところかな?

 <東京フィルメックス2016>の受賞結果・総括の記事(→コチラや→コチラ)を見ると、ユン・ガウン監督の「私たち」がとても高い評価を受けています。

 シネマ・ジャック&ベティで観た「弁護人」はほぼ期待通り。「ほぼ」というのは、描き方が良くも悪くもまさに「正攻法の正義」だから。主人公もそうだし、作品自体も。弁護士時代の盧武鉉元大統領がモデルとのことですが、どこまでが事実なのかは未確認。もし、事実だとすると、あの「勇気ある証言」をした人はその後どうなったか気になるところです。

 12月4日は立教大学異文化コミュニケーション学部主催 のシンポジウム「70年の時を経て出会った尹東柱と立教生」に行って来ました。目当ては午後からの映画上映だったのですが、午前の学生さんたちの活動報告は内容も興味深く発表の仕方も好感の持てるものでした。
 その映画「ドンジュ(東柱)」は今年3月ソウルで観ましたが、当然のことながら日本語字幕のチカラは大きく、いろんなことがわかりました。また、ドンジュの従兄ソン・モンギュを演じたパク・ジョンミンが先月発表の青龍映画賞で新人男優賞を受賞したことにあらためてナットクしました。
 上映後、脚本・制作の申淵植(シン・ヨンシク)さんと評論家全燦一(チョン・チャニル)さんが登壇してトーク。あ、申淵植さんも青龍映画賞で脚本賞を受賞しましたね。そして全燦一さんが<第三の主役>として特高刑事を演じた金仁友(キム・イヌ)さんの話を始めたところサプライズでそのご本人が登場! 金仁友さん、「暗殺」では日本人バーテンダー役だったですね。次作は関東大震災の映画で、特高刑事よりももっと悪辣な役なのだそうです。
 この「東柱」ですが、購入した配給会社がスプリングハズカムとのこと。「弁護人」とか「私たち」とかにも関わっている会社。はたして来年どういう形で公開されるのかな? 

 先週は「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は掲載されませんでした。かわりに、同紙11月30日掲載の「映画200字評」(→コチラ)で挙げられている9作品について小見出しと★の数だけ紹介します。
◇2人の女優が甦った・・・・「ミッシング:消えた女」 ★★★
◇観客の目はだんだん高くなるのだが・・・・「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」 ★★☆
◇軋みながらも前進する・・・・「二人の男」 ★★★☆
◇ヒーロー物でもコメディ物でもない・・・・「はじまりへの旅」 ★★★☆
◇オム・テファ、韓国映画の新しい才能・・・・「隠された時間」 ★★★☆
◇あの、ホン・サンスじゃないんですか?・・・・「あなた自身とあなたのもの」 ★★★★
◇あまりにも見慣れている・・・・「スプリット」 ★★
◇時代の荒涼とした中で追われ続ける彼らの一息・・・・「ヘル・オア・ハイ・ウォーター」 ★★★★☆
◇マーベル帝国は健在だ・・・・「ドクター・ストレンジ」 ★★★☆

         ★★★ NAVERの人気順位(12月6日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) オー・マイ・パパ(韓国)  9.83(198)
②(2) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.74(117)
③(3) シーソー(韓国)  9.63(64)
④(4) スンジョン(従順)(韓国)  9.57(74)
⑤(5) オアシス:スーパーソニック  9.51(264)
⑥(6) おばあちゃんの遠い家(韓国)  9.47(133)
⑦(-) 次兄(韓国)  9.39(74)
⑧(7) 自白(韓国)  9.38(2,652)
⑨(-) はじまりへの旅  9.29(89)
⑩(8) 学校に行く日  9.29(63)

 今回の新登場は⑦⑨の2作品です。
 ⑦「次兄」は韓国のドラマ。不動産詐欺の刑期を終えて刑務所から帰ってきたドンヒョン(チョン・ソッコ)を待っていたのは厄落としの豆腐ではなく脅迫でした。心底まで動揺した彼はIQ48の純真無垢な次兄のドングン(ジン・ヨンウク)に金をせびります。「兄さん、お金いくらある?」「たくさん・・・、いや、ないない」。1億ウォン(?)の通帳をめぐるスキャンダルが始まります・・・。原題は「작은 형」で、<ソウルナビ映画>では「小さい兄」と直訳していますが、これは「長兄以外の兄のことでしょ。
 ⑨「はじまりへの旅」は、父親キャッシュ(ヴィゴ・モーテンセン)の独特の教育方針により、世間から切り離されたアメリカの森で生きる7人の大家族の物語。彼らは狩った動物を自分たちで捌いて食べ、食事の時以外は裸で生活をしています。また6ヵ国語に通じ、チョムスキーは知っていても、コーラやホットドッグは知らないという世間知らず。そんな彼らが亡くなった母の最後の“願い”を叶えるためニューメキシコまで2400キロの旅に出るのですが・・・。韓国題は「캡틴 판타스틱」。日本公開は来年4月1日です。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) キャロル  8.96(13)
②(2) ヘル・オア・ハイ・ウォーター  8.10(10)
③(3) ラヴニール  8.00(6)
④(4) ベルヴィル・ランデブー  7.83(8)
⑤(5) 自白(韓国)  7.67(10)
⑥(-) 私たち韓国)  7.66(14)
⑦(-) はじまりへの旅  7.50(9)
⑧(6) ひつじ村の兄弟  7.39(9)
⑨(7) あなた自身とあなたのもの(韓国)  7.31(9)
⑩(8) 恋物語(韓国)  7.17(6)

 今回の新登場は⑦「はじまりへの旅」だけです。この作品については上述しました。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月2日(金)~12月4日(日) ★★★

         久しぶりに韓国映画が1・2位を占める
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・・累積収入・・・・上映館数
1(2)・・兄貴(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・11/24・・・・・・・・・598,264 ・・・・・・・・・・・2,160,347・・・・・・・・16,852・・・・・・・・・・832
2(20)・・ミッシング:消えた女(韓国)・・11/30・・・・・・・・・470,472・・・・・・・・・・・・・706,289・・・・・・・・・5,469・・・・・・・・・・790
3(1)・・ファンタスティック・ビーストと・・11/16・・・・・・・・・432,822・・・・・・・・・・・4,197,199・・・・・・・・35,603・・・・・・・・・・802
       魔法使いの旅
4(23)・・ジャック・リーチャー・・・・・・・・・11/30・・・・・・・・・283,882・・・・・・・・・・・・・457,967・・・・・・・・・3,489・・・・・・・・・・667
       NEVER GO BACK
5(新)・・アンダーワールド ブラッド・ウォーズ・・11/30・・34,201・・・・・・・・・・・・・・57,863 ・・・・・・・・・・457・・・・・・・・・・183
6(5)・・リトルメディック:体内探検隊・・11/24・・・・・・・・・・25,877・・・・・・・・・・・・・・62,799 ・・・・・・・・・・489・・・・・・・・・・209
7(50)・・二人の男(韓国)・・・・・・・・・・・・11/30 ・・・・・・・・・・24,401・・・・・・・・・・・・・・49,954 ・・・・・・・・・・383・・・・・・・・・・397
8(3)・・ドクター・ストレンジ ・・・・・・・・・・10/26 ・・・・・・・・・・18,168・・・・・・・・・・・5,436,237・・・・・・・・47,403・・・・・・・・・・134
9(8)・・ミス・サイゴン:25周年特集・・・11/24・・・・・・・・・・・・7,328・・・・・・・・・・・・・・33,104 ・・・・・・・・・・639・・・・・・・・・・・62
10(213)・・シンドバッド(日本) ・・・・・・・12/01・・・・・・・・・・・・6,088・・・・・・・・・・・・・・・6,829 ・・・・・・・・・・・50・・・・・・・・・・158
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は2・4・5・7・10位の4作品です。
 2位「ミッシング:消えた女」は韓国のミステリー。離婚後、育児と生計を1人で背負っているワーキングママのチソン(オム・ジウォン)は、献身的に娘の世話をしてくれるベビーシッターのハンメ(コン・ヒョジン)がいてくれていつもよかったと思っています。ところがある日、チソンが仕事から帰ってくるとハンメと娘のダウン(ソ・ハニ)がいなくなっていました。チソンは警察や家族に事実を知らせますが誰も彼女の言葉を信じず、逆に親権訴訟をめぐる自作劇ではと疑います。結局1人でハンメを追跡していたチソンは、家の前をうろつく正体不明の男と周囲の人々の奇妙な証言によりさらに混乱に陥ります。そしてハンメの名前や年齢等すべてが嘘だったという衝撃的な事実を知ります・・・。原題は「미씽: 사라진 여자」です。
 4位「ジャック・リーチャー NEVER GO BAC」は、日本では11月11日から公開されています。原題は「잭 리처: 네버 고 백」です。
 5位「アンダーワールド ブラッド・ウォーズ」はアメリカのアクション。ヴァンパイアと人狼間の種族間抗争を背景に、吸血鬼の女戦士セリーンの死闘を描いた人気シリーズ第5作。来年1月7日日本公開で、すでに諸情報が流されています。韓国題は「언더월드: 블러드 워」です。
 7位「二人の男」は韓国の犯罪&アクション。18歳のジニル(SHINeeのチェ・ミノ)はバイクや携帯電話等の盗み・販売をなりわいとする家出集団のリーダー。ある日彼の恋人のガヨン(ダウン)が不法カラオケ店でその店を運営する悪徳オーナーのヒョンソク(マ・ドンソク)に金のことで捕まってしまいます。彼女を救うための大金を用意できないジニルは、ヒョンソクの娘を拉致します。そして10代と40代の2人の男が、自分の愛する者を守るために壮絶な戦いを始めることになります・・・。原題は「두 남자」です。
 10位「シンドバッド」は日本では今年5月公開のアニメですが、(例によって)私ヌルボは知りませんでした。観た人のコメントを読むとなかなか好評だったようですが・・・。韓国題は「신밧드 더 무비」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(64)・・はじまりへの旅 ・・・・・・・・・・・・・・・11/30・・・・・・・・・・・・・・4,286 ・・・・・・・・・・・・・9,004・・・・・・・・・・・・・・67 ・・・・・・・・・82
2(1)・・GAMBA ガンバと仲間たち(日本)・・11/10 ・・・・・・・・・・・4,008・・・・・・・・・・・115,222 ・・・・・・・・・・・・863 ・・・・・・・・・45
3(3)・・スンジョン(従順))(韓国)・・・・・・・・・11/17・・・・・・・・・・・・・・3,925 ・・・・・・・・・・・・39,777 ・・・・・・・・・・・・284 ・・・・・・・・・45
4(2)・・五日物語-3つの王国と3人の女・・11/24・・・・・・・・・・・・3,229 ・・・・・・・・・・・・23,146 ・・・・・・・・・・・・183 ・・・・・・・・・50
5(新)・・ブック・オブ・ラブ ・・・・・・・・・・・・・・11/30・・・・・・・・・・・・・・2,830 ・・・・・・・・・・・・・5,239・・・・・・・・・・・・・・39 ・・・・・・・・・96

 1・5位の2作品が新登場です。
 1位「はじまりへの旅」については上述しました。
 5位「ブック・オブ・ラブ」(仮)は中国のラブコメ。2013年の「北京ロマンinシアトル」 の続編ともされていますが、キャストは同じでも内容は全然別。マカオに住む女性焦姣(タン・ウェイ)は、金銭的な悩みを「チャリング・クロス街84番地」という本(日本語訳あり)のせいにして憤懣に満ちた手紙を添えてほんのタイトルの住所に送り付けます。一方ラスベガスの男性ダニエル(ウー・ショウ・ポー.呉秀波)は愛に恵まれない原因がやはりこの本にあると思い込み、同様に手紙と共に本をロンドンのその住所に送ります。ところが、どうゆうわけかそれぞれの本&手紙が見知らぬ同士の2人のところに届くのです。それを契機に2人の間に相手の名前や住所を知らないまま文通が始まり、内容も深まっていきます。が、ある時それが届かなくなり・・・というところから舞台はロンドンへ・・・。韓国題は「북 오브 러브」。ちょっと心惹かれるような展開ですが、日本公開はなさそう?(前作もなかったし・・・。)
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中高生の校外学習のような(?)3泊4日のソウル旅行① 1日目(前半)=閑散としていた朴正熙記念図書館

2016-12-06 18:08:35 | 韓国旅行の記録
 11月25日(金)~28日(月)、今年3度目の韓国旅行。
 最初の3月25日~4月1日(7泊8日)は元同僚の韓国史研究者氏等の3人組で初めて蔚山へ。それもクジラ博物館等観光ポイントも行きましたが、メインは研究者氏の現地調査・史跡踏査のお供。(旅行の記録記事(→1回目)は蔚山の前で止まったまま・・・。)
 次は6月14~18日(4泊5日)でいつものサークル仲間5人組で全州方面へ。以前から行きたかった馬耳山(マイサン)に行ったり、ソウルでは初めてドラゴンヒルスパに行ったりカルメギ肉を食べたり。酒浸りはいつも通り。(旅行記録は全然書いてないです・・・。)

 そして今回の旅は、ガラッと趣きを変えて・・・。なんというか、韓国の中高生の社会見学か、日本の大学ゼミのフィールドワークといったところかな? ともかくマイナーな資料館をいろいろ回ってきました。

 コトの初めは半年ばかり前に学生時代のクラスメート、畏友Y氏からの電話。(※「畏友」は枕詞のようなもの。1度こういう言葉を使ってみたかったので・・・。) つまり「一緒に韓国に行こうよ」との誘いだったのですが、どうもアルコールが入っているようにも聞こえた(?)のでホンキ度にやや疑念もなきにしもあらず。いや、年賀状にも韓国に行こうと書かれてたな。その後日程や行先等を詰める段になって、むしろ彼のホンキに私ヌルボが背中を押されることになり、おかげで3泊4日ソウル限定の旅でしたが、この数年行きたいと思ってきた懸案の所を何ヵ所も回ることができました。
 なお、施設見学以外にも、たまたまあの26日(土)夜の大規模デモも真っ只中で体験(観察?取材? 体感?)することができ、また美味しいものもいろいろ食べたりもしてきました。

 以下、4日間を各日前・後半に分けて全8回の記事にまとめる予定です。

○11月25日(金) 前半

 「アシアナ機はマッコリが飲めるよ」との情報提供をしっかり覚えていた畏友Y氏。さっそくククスンダンの缶マッコリを注文。私ヌルボは前夜ほとんど寝てないのでボーっとしたまま金浦に到着。
 まだ滑走中の機内から外を見ると、(西方)はるか向こうに小高い山が・・・。あの上からの景色は良さそうだなと思い、あとで調べると桂陽山(ケヤンサン)という山。高さ394mで、仁川市の最高峰とか。→コチラのブログ記事は日本人オンマと息子さん&娘さんのほほえましい登山記録。写真を見るとたしかに良い眺め。私ヌルボも登ってみたくなりました。(これも思うだけで終わりか・・・?)
 ※→コチラの記事によると、初期百済山城で石塁が残っているとか。
 金浦空港から空港鉄道に乗り、最初の停車駅デジタルメディアシティで下車。タクシーで、ちょっとソウル日本人学校に寄って・・・、あれ? 今回も人気無し。受付にいた警備員氏に何かパンフのようなものはと訊くと何もないとのこと。訪問者は事前予約制とも。まあそうでしょう。移転前の2004年には暴漢の襲撃事件(→コチラ参照)も起こっているしなー。

 そしてこの日午前の第一目的地・朴正熙大統領記念図書館到着。大きくキレイで、リッパな建物です。

 展示館の入口まで階段を上っていきますが、その前に置かれている車2台。 
    
 各地に視察等で出かける時に乗ったジープと、1968~79年平素または行事の際に用いていたメルセデス・ベンツ600。

 展示館の中に入ると、1961~79年の年譜に始まり、写真や映像資料、模型等々が一杯。
     

 展示の基本的なコンセプトは、朴正熙時代の産業の発展、国民生活の向上を称揚するというもの。
      
 カツラの製造(左)や縫製工場(右)で働く女性労働者たち。奥の壁には「輸出だけが生きる道だ」とか「世界1等になろう」といったスローガンが掲げられています。

     
 京釜高速道路が開通し(左)、蟾津江(ソムジンガン)ダム昭陽江(ソヤンガン)ダム等々多くのダムが造られ(右)、インフラも整備されていきました。
 壁面に大きく、100億ドル輸出(1977)、1人当たりGNP1000ドル(1978)、平均経済成長率8.9%等といった数字で当時の韓国の発展を示しています。53.0%という大きな数字は中産層の比率(1977)です。

 さて、ここでこの朴正熙大統領記念図書館の開設の経緯と現況について。
 私ヌルボがちょっと知っていたのは、進歩系の朴元淳(パク・ウォンスン)市長が就任してほどなくこの施設をめぐって論議が起こっていたこと。で、それ以前のことからちょっと調べてみました。
 元はと言えば、この施設の発端は1999年にさかのぼります。金大中大統領が「歴史和解」を掲げて朴正煕記念館建設支援の意思を明らかにした中、朴正煕大統領記念事業会(朴正煕記念財団の前身)がソウル市に敷地サポートを求め、当時の高建(コ・ゴン)市長がこれに応えて開発計画が進められていた上岩洞の敷地提供を決定しました。しかし建設に反対する進歩系の民間団体や市民も多く、「朴正煕記念館反対国民連帯」を結成して反対運動が展開され、結局朴正煕記念財団がソウル市から無償で提供された市有地にこの記念図書館を開設したのが2011年11月。しかし、ソウル市と財団間の協約では展示館だけでなく公共図書館も併設するとなっていたのに財団側は市側が図書館運営費をサポートしていないという理由で図書館のスペースを閉鎖したままで展示館だけ開館しました。
 ちょうどその頃朴元淳氏が進歩勢力の期待を受けて市長になったこともあってこの施設の運営等について論議が起こり、とくに「独裁者の記念館より公共図書館を優先すべきだ」との声が高まりました。ところが、そこでソウル市が取った措置は、無償で提供してきた市有地の財団への売却というもの。まあ市としては独裁者賛美施設の支援はしないということでしょうが、公共図書館開設を要求していた進歩陣営からは批判の声も上がったようです。
 私ヌルボ、この2日後に聞いた話では、記念館側は宣伝はしないとか、学校は校外学習等の団体見学はしないとかの取り決め(?)はあるそうですが・・・。

 一方、「自分たち国民の生活を向上させてくれた」と感謝している人たちも大勢いるわけです。元毎日新聞記者の下川正晴さんも1975年慶州の仏国寺で日本語のできるおじいさんから「この大統領のおかげで大韓民国は飯が食えるようになったんだ」という話を聞いた思い出を「私のコリア報道」で記しています。あ、ヌルボたち2人が来る時に乗ったタクシーの運転手さんもそんなことを言ってたなー。

 ・・・ということで、ここで70年代に入って展開されたセマウル運動関係の展示を見てみると・・・。
 

 セマウル運動によって大きく変わった農家のようすを5項目取り上げて、セマウル運動の前後を比較しています。
 
 左はセマウル以前、右が以後です。
 
 一番上は<電気>


 次は<住宅>
 藁葺きから瓦葺きに代わりました。

 3番目は<台所>
 水道があります。朴婉緒の自伝小説「あのスイバは誰が食べつくしたのか」(翻訳書「新女性を生きる」)には、1930年代京城の峴底洞(ヒョンジョドン.西大門方面)には水道がなく、天秤棒で水桶を担いだ水売りから買うか、下の平地まで階段を下って共同水道の水を汲んでくるがしたとあります。社稷洞(サジクドン)の親戚の家には水道があったので、京城市内でも所によるということでしょうか。

 その下は<食卓>
 おかずが多彩になってきて、魚や肉を食べる回数も増えてきました。

 一番下はトイレ。屋外の、地面に穴を掘ってむしろで囲っただけのおよそ前近代的だったものが、見た目にも清潔な個室になりました。


 セマウル運動は、その後都市や工場にも拡大されましたが、それらについては省略。
 ※セマウル運動が北朝鮮の千里馬運動を意識したものであろうことは推定されるところです。また、→ウィキペディアによると源流は1930年代に朝鮮総督府の宇垣一成総督が進めた農村振興運動とのことです。

 右はベトナムに派兵された白馬部隊の歓送式の光景ですが、これらベトナム派兵や、映画「国際市場で逢いましょう」等で描かれたドイツへの鉱山労働者・看護婦の派遣の展示については省略。
 
 教育についても興味が持たれるところですが、展示室内ではなく、出口に近いあたりに掲げられていた国民教育憲章の写真だけ貼っておきます。これをテーマに記事を書こうと以前から思いつつ、書かないまま今に至っています。この日本語訳は→コチラのブログ記事参照。


 最後に、朴正熙大統領の遺品、そして家族写真が展示されていました。
         
 ユンノリ(韓国の双六)を楽しんだりしてます(左)。アラ、朴正熙はピアノを弾けたのか?

 以上、12時30分から1時間あまりかけて見て回り、別棟の記念品売り場へ。それにしても、なかなかリッパな施設にしては客が少なかったなー。10人も見かけなかったような気がします。
 そこで買ったのがこのストラップ(2000ウォン)。あ、これ2つではなくて同じものの裏表で、片面が朴正熙、反対側が朴槿恵の肖像になってます。
 ※このストラップのことは11月10日の毎日新聞夕刊掲載・鈴木琢磨記者の「拝啓 朴槿恵大統領 韓国よ、どこへ」という記事(→コチラ)で知りました。朴正煕大統領記念図書館については「立派な施設で、父上の栄光の足跡をたどるテーマパークのようです」と書かれています。
 ※朴正熙記念図書館の公式サイト(韓国語)は→コチラ。ソウルナビにも紹介記事があります。→コチラ

 記念品売り場でナツメ茶を飲んで、外に出たのが午後2時過ぎ。
 ここの前の道の西の方、つまり漢江の方角の少し離れた所に平べったい形の小高い丘が見えます(右画像)。
 以前この近くのワールドカップ競技場に来たことがあるという畏友Y氏の話では「あれはゴミの山」とのこと。競技場の地はそもそも蘭芝島(ナンジド)ゴミ埋立地があった所で、1970年代からソウル中のゴミが集積され埋め立てられた所ですから、あれだけの高い山ができたというのもうなずける話です。

 記念品売り場のアジュマの「駅まで歩いて10分くらい」という言葉は間違いだったことが後でわかりましたが、歩いたことでまた新たな発見があったのは収穫でした。
 
         
 上左はCJ E&Mセンター(→ソウルナビ)。韓国映画ファンにはおなじみの大手配給会社CJエンターテインメントの施設で、Mnetの音楽番組「☆M countdown」の収録スタジオがあるそうです。同じく歩いていて目に留まったのがプレスセンターの新築工事現場。これについての情報は未確認。上左は、過去2回行ったことがある韓国映像資料院。現在の特別展は「追憶の洋画チャップリン、ジョーズ、タイタニック」。そして映画館(シネマテクKOFA)では11月23日朝日ホールで観たばかりの「私たち」が上映されていました(上右)。

 もうひとつ初めて知ったのがMBCの新社屋とMBCホールの間の道(下左)。
          
 ここの舗道に、韓流スターたちの手形が押されたプレートが10枚以上はめ込められています。上中の画像はチェ・ジウ、右はスジですが、その他イ・ホンギ(FTISLAND)・エリック(神話)・等々。
 私ヌルボ、帰国後知ったのですが、MBCの社屋内には2015年9月オープンしたMBC WORLDという韓流テーマパークがあって、コネストの紹介記事(→コチラ)によると「韓流ファン必見のポイント」なのだそうです。元々韓国ドラマにはあまり詳しくなく、このところKPOPからも遠ざかっていることもあって全然知りませんでしたねー。

 というわけでデジタルメディアシティ駅に戻り、ホテルに直行。以下は②に続きます。
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