ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

在日コリアンの8割は韓国語(朝鮮語)ができない。民族意識が強くない人も多数(推定)

2017-02-25 17:16:17 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 最初に蛇足から書く記事もめずらしいかも。
 その蛇足です。(笑) この記事は在日コリアンの擁護とか、あるいは非難とかを意図して書いたものではありません。早トチリしないようお願いします。

 日本の統治時代に日本にやってきた在日朝鮮人の生年を1895~1925年とすると現在存命の人でも90歳以上で、家族の中ではおそらくひいおじいさんとひいおばあさん。すると現在の一般的な在日の3世代家族の場合は2~4世か、あるいはすでに3~5世に移行しつつあるといったところでしょうか。
 1945年の大戦終結からもすでに70年。1世・2世が主体だった在日社会も大きく変わってきたのも、そのことの良し悪しは別にして当然といえば至極当然のことです。
 そして在日朝鮮人の家族のあり方も個々人の生き方・考え方もずいぶん多様化してきました。
 ところが、ヘイトスピーチ関係の人たちの言説をはじめとして、そんな多様化している在日韓国・朝鮮人を一くくりにして「在日は日本から出ていけ」等々と呼ばわるとはなんとも大雑把な物言いであることか。彼らのアタマの中で在日韓国・朝鮮人はどういうふうに認識されているのでしょうか? (彼らだけでなく、世間一般の「在日のイメージ」もどれだけ現実にあっているか疑問ですが・・・。)
 「在日特権」をとくに問題にしているということがいわゆる<オールドカマー>の特別永住権であれば、彼らが日本国籍をとれば問題解決? いや、日本国籍を取得しても韓国や北朝鮮を利するような投票行動をする(??)からダメ?
 しかし、今の多くの在日コリアンはそんなにまで<祖国>に対する忠誠心、いや民族的アイデンティティつまり<祖国>という認識ももってないでしょ。
 たとえば日系アメリカ人3世に「日本人の血を引いているのに日本語がしゃべれないのか!?」などと咎めだてするのがトンチンカンなのに、まだ在日韓国人に同様に非難する本国の韓国人はいるのでしょうか?(これは、いるでしょうね。)
 また、日系アメリカ人3世が日本語がしゃべれないということを「まあそんなものだろう」とたいていの日本人は受けとめるでしょうが、在日韓国人3世が韓国語をしゃべれないと聞くと、相当多くの日本人は意外に思うとしたら、それもちょっとヘンなのでは?

 私ヌルボとしては、議論しあう前に、いや考える前に、まず在日コリアンたちの韓国・朝鮮及び日本との文化的・精神的・政治的距離(親近感、拒否感等)についての現状況をまず知る必要がある、と思い図書館でちょっと資料を探してみました。
 ところが、最近の手頃な資料は見つからず。
 一応目を通したのは、福岡安則「在日韓国朝鮮人」(中公新書.1993)と、福岡安則・金明秀「在日韓国人青年の生活と意識」(東京大学出版会.1997)の2冊。ただ、1993年の調査に基づく本で、20年以上も経った現在は相当状況も変わっているはずですが、その点を差し引いても意味のある内容だと思うので、以下ピックアップして紹介します。
 ※紫色部分が上記の本の内容。黒色部分は私ヌルボの補足や感想等です。
 ※被調査者の母集団は「日本生まれで韓国籍の18~30歳」の人たち。「父親は、1世が21%、2世が75%。母親は1世が11%、2世が81%」です。

○アイデンティティを分類すると・・・ ※数字は%。( )の数字は複数回答可の場合。
 ・葛藤回避型23.1(46.1)・・・民族や国籍等のことは考えない。考えたくない。 
 ・個人志向型22.8(44.5)・・・民族や国籍等よりも、個人としての能力や仕事、社会的地位等に価値を見出す。
 ・共生志向型19.1(51.5)・・・日本人や、他の在留外国人と共に助け合いつつ、よりよい社会をめざす。
 ・同胞志向型13.4(37.4)・・・在日同士の同志的人間関係を重視する。「祖国」の人たちとの違いを認識しているが、コリアンとしての意識は強く、帰化は考えない。
 ・帰化志向型13.4(25.6)・・・日本国籍を取得し、「日本人」となることを志向する。
 ・祖国志向型2.0(6.3)・・・北朝鮮、または韓国、または統一朝鮮を「祖国」と考える。
 ・葛藤型2.6(4.9)・・・上記中の複数の価値観の間で悩む。

 嫌韓派の人たちのイメージに合う在日像は「祖国志向型」ですよね。
 その特性は次のように説明されています。
 祖国志向にとってシンボルとなる言葉は在外公民。中心課題は祖国の発展・祖国の統一に寄与すること。地方参政権等諸権利の要求は「内政干渉になる」、「同化を促進する」という理由で批判的。差別に対しても裁判に訴えるよりも同胞間で助け合う。祖国も自分の国も「一つの朝鮮」。生まれ育った日本への愛着心は薄い。権威主義的伝統主義をきわめて強く内面化していて、儒教的態度も自己確信性ももっとも強い。
 しかし、この「祖国志向型」は90年代でもごくわずかになっています。漫画「嫌韓流」に登場するような「過激な」在日像は相当に例外的な在日像といえそうです。

○在日コリアンの韓国語(朝鮮語)能力は?
[A]読解
 ・まったく理解できない68.8
 ・ハングルも少ししかできない11.1
 ・ハングルは読めるが、理解はできない4.2
 ・辞書を使っても少ししか理解できない4.2
 ・・・上記の合計は88.3。ということは、「ふつうに読める」というレベルの人は約1割ということか?
[B]会話
 ・まったくできない40.4
 ・いくつかの単語しか知らない30.4
 ・いくつかのあいさつの言葉しか知らない14.6
 ・会話が母国語でなされることがあった9.2

 ・・・1990年代、家族内で母国語で会話している在日はすでに1割を切っていたということです。こういう数字を見ると、センター試験の外国語に「韓国語」を入れていることを「在日特権」というのはトンチンカンだと思います。「フランス語」「ドイツ語」「中国語」等とともに、英語と同等の外国語科目として設定すること自体の問題はあると思いますが・・・。
 なお、・母国語はまったく耳にしたことがない21.8という数字もあります。

○「金海金氏」、「密陽朴氏」といった韓国(朝鮮)独自の一族の「本貫」を知っているか?
 ・知っている35.3% 知らない64.7%
 ・・・祭祀(チェサ)つまり日本でいうところの先祖に対する法事はわりと行われているようですけどね。

○「差別」された経験と、意識
[A]被差別体験の有無
 ・とてもよくある2.5
 ・よくある 6.5
 ・少しはある32.5
 ・ほとんどない28.0
 ・まったくない30.5
[B]偏見・差別の認知の程度
 ・とてもよくある4.4
 ・よくある15.3
 ・少しはある45.0
 ・ほとんどない24.1
 ・まったくない11.2
[C]現在の民族的劣等感
 ・とてもよくある3.9
 ・よくある7.5
 ・ときどきある23.6
 ・ほとんどない32.2
 ・まったくない32.7

 ・・・いわゆる「反日」派が言うほどの「深刻な差別」は昔のことかも。しかし決して「差別はなくなった」とは言えない、というのがふつうの見方では? 一方、北朝鮮の教科書には「倭奴(ウェノム)」という差別語がふつうに載っていますが、これについても左右の政治的立場を超えて批判しなければ、というのがヌルボの主張。
 なお「一番心に残る被差別体験の時期」については、9~12歳(小学校高学年)30.1と、19歳以上21.6が多いのは、「マイノリティが仲間はずれにされやすい時期」と、「就職をはじめ、実社会での現実的な差別の壁に直面する時期」ということでしょうか。

○土地・国等に対する愛着度[複数回答可] ※「非常に感じる+どちらかといえば感じる」の%。右の[ ]は、「どちらかといえば感じない+まったく感じない」の%。
 ・生育地 77.4 [8.0]
 ・日本 63.2 [6.7]
 ・在日韓国・朝鮮人 51.8 [16.8]
 ・韓国38.2 [24.3]
 ・朝鮮9.2 [56.5]
 ・統一祖国25.9 [34.8]

 ・・・端的に、「韓国(朝鮮)」よりも「日本」や「在日」であることに愛着を感じている人の方がずっと多いのです。やっぱり「生まれたら、そこがふるさと」(→関連過去記事)なのでしょうか? 

○本名と通名(日本名)について
[A]どちらを用いているか? ※[ ]は両親の場合
 ・まったく通名だけ35.3[21.5]
 ・ほとんど通名 30.3[35.4]
 ・通名の方が本名より多い 12.6[19.8]
 ・同じくらいに使い分けている 5.7[14.3]
 ・本名の方が通名より多い 3.8[2.3]
 ・ほとんど本名 6.0[3.6]
 ・まったく本名だけ6.4[3.1]
 ・・・8割ほどは日本名をふつう用いている。両親の世代で「使い分けている」という人が多いのは、「日本社会での民族差別が激しかった」ことと、「民族意識が強かった」という背景があったから、と思います。一方、「ほとんど本名」「まったく本名だけ」という人が増えたのは、学校名での本名宣言運動で自身の民族アイデンティティを回復した人が相当数いたことと、「本名だけ」でも生活を続けられる程度に昔に比べると差別が減ったということか。
[B]「<本名を名乗ること>は<本当の自分らしく生きること>」論に対する賛否は?
 ・そう思う 10.4
 ・どちらかといえばそう思う 10.2
 ・どちらともいえない 33.2
 ・どちらかといえばそう思わない 15.5
 ・そう思わない 30.7
[C]「差別回避のための通名使用」論(=「差別されないためには、通名を使わざるをえない」)に対する賛否は?
 ・そう思う 10.2
 ・どちらかといえばそう思う 16.0 ・どちらともいえない 30.6
 ・どちらかといえばそう思わない 12.3
 ・そう思わない 30.9

 ・・・「通名使用はもはや「差別回避」のためではないと言えそう。
 日本社会で生きるための便宜上日本名を使うのでなく、生まれた時からの名前が日本名なので、本人にとっても本名よりはるかに身近なのが通名、という在日コリアンがごくふつうになっているように思われます。

 冒頭に書いた2つの本の一部を紹介しましたが、これだけでも「思っていた在日像と違う」と意外に思った人も多いのではないでしょうか? 20年前でこうした数字が出ていたわけですから、現在はさらに生活面でも意識の面でも在日コリアンの日本への同化の趨勢は進んでいるでしょう。
 私ヌルボとしては、こうした「同化」を肯定的に見るか否定的に見るか以前に、生活者としては「自然なこと」と考えます。本人の意思の有無にかかわらず、です。歴史の長いスパンでみれば、日本人もほとんど皆が「よそ者」です。列島の外からその昔大勢が移住してきました。以後も列島内をあちこち移動して現在に至ります。民族にどれほどの長い歴史性があるのか? まして国籍といった近代国家の属性にしかすぎないものに・・・。
 最近読んだ徐勝「だれにも故郷(コヒャン)はあるものだ」(社会評論社.2008)ではこうした在日の現状を強く批判していました。「在日朝鮮人」「在日韓国人」を「在日」とだけ呼ぶことも「「朝鮮人」等という言葉を回避した言葉だ」と否定しています。しかし、こうした徐勝氏の主張も時代の流れに抗する「ムダな抵抗」に見えるし、あるいは敬愛する作家・金石範さんの「統一朝鮮を志向する」という姿勢には共感も覚えますが、少なくとも現実的な力になるとは思えません。

 日本人が、近所に住むことになった人のために親切心から声をかけたり面倒を見たりすることも見方によっては「同化圧力」になります。またよそから来た人の意識も「郷に入れば郷に従え」という姿勢もあればその逆もあります。ごく表面的な、それも「民族」「国籍」といった限られた尺度だけで物事の当否を判断するのはとても非現実的で、トンチンカンな主張に直結する危険性があるので要注意、ということです。
 一口に在日と言っても人によりさまざま。多くは上記のように「フツーの日本人」と変わらない意識を持ち、ほぼ同じような生活をしています。一部の著名な在日コリアンが時にはさも自分が「在日の代表」といったような言い方で意見を言ったり、本に書いたりしている場合もありますが、そのような言説をそのまま受け止めて賛成したり反対するのも早トチリ。それが民団や総聯の代表者であっても、です。またメディアによく登場する在日コリアンの場合、明確な主義・主張を持っている人が多いのは、とくにそういう人をメディア側が選んでいるからそうなので、在日の多くが同様の考え方をしているわけではありません。(←ふつうのメディア・リテラシー。)
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [2月17日(金)~2月19日(日)]

2017-02-22 15:47:08 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 第89回アカデミー賞授賞式は2月26日。全部門ノミネート作品等の情報は→コチラ参照。

 先週はやっと「フィッシュマンの涙」を観てきました。こんな奇想天外な設定の映画にも韓国のとくに若者の深刻な就職事情といった問題が反映されています。が、何と言っても注目はあの特殊メイク。(→右画像)  →コチラにその<“魚人間”の中身はこんな顔だった!>というその特殊メイキングの動画がありますが、いやあ、さすがに凝った作り方をしています。

 3月に入ると、「お嬢さん(アガシ)」(3月3日~)、「哭声/コクソン」(3月11日~)、「アシュラ」(3月14日~)と昨年のヒット作の日本公開が続きます。

 韓国では、3月1日の三一節に慰安婦映画「雪道(눈길)」が公開、と先週書きましたが、→コチラの記事によると3月16日には韓・中・フィリピンの被害者の6年を扱う「The Apology」と題したドキュメンタリーも公開されるとのことです。

         ★★★ NAVERの人気順位(2月21日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(2) Le Tour:私の生涯最高の49日(韓国)  9.53(287)
②(4) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.45(203)
③(-) 自白(韓国)  9.35(2,935)
④(6) ウィークエンド(韓国)  9.33(153)
⑤(-) 降る雪にもかかわらず  9.33(12)
⑥(5) わたしは、ダニエル・ブレイク  9.25(1,277)
⑦(-) そう、家族(韓国)  9.24(544)
⑧(8) LION/ライオン ~25年目のただいま~  9.20(443)
⑨(-) モアナと伝説の海  9.14(9,558)
⑩(-) 幸せなひとりぼっち[オーヴェという男]

 今回の新登場は⑤と⑦の2作品です。
 ⑤「降る雪にもかかわらず」(仮)は冷戦時代が主舞台のイギリスのドラマ。1959年モスクワ。祖国のために生きてきたソ連政府官僚サーシャ(サム・リード)は、スパイである友人のミーシャの意図により女スパイ(レベッカ・ファーガソン)と知り合い、やがて愛に陥ります。ところが、その後カチヤのために祖国を捨ててアメリカへの逃避亡命を準備する過程で、ある日カチヤが突然姿を消します。誰も信じられなくなったサーシャの永遠の待機が始まります。が、1992年のニューヨークで、その愛の真実が明らかになります・・・。韓国題は「폴링 스노우(フォーリング・スノウ)」ですが、原題「Despite the Falling Snow」を訳して仮題としました。日本公開は未定のようです。
 ⑦「そう、家族」は、韓国のコメディ。まともな仕事のない世間知らずの長男ソンホ(チョン・マンシク)、偉そうに振舞ってもしょせんは並み以下の生まれの長女スギョン(イ・ヨウォン)、才能もなくムダにかわいい次女のジュミ(イ・ソム) は似ているどころか違いすぎる呉(オ)氏3兄妹。そして彼らの前に突然末っ子のナク(チョン・ジュノン)が現れます。ソンホの計略でナクを引き取ることになったスギョンは、お荷物と思っていたナクが史上最大の特ダネ事件の唯一の解決の鍵であることに気づき、ナクと共に取材作戦を繰り広げるのですが・・・。ポスターを見て、チョン・マンシクは父親かと思ったら長兄とは・・・。ナクと何歳違いだ? 原題は「그래, 가족」です。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) わたしは、ダニエル・ブレイク  8.40(15)
②(2) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
③(-) 最後の追跡[ヘル・オア・ハイ・ウォーター]  8.10(10)
④(-) マンチェスター・バイ・ザ・シー  7.75(8)
⑤(-) 自白(韓国)  7.67(10)
⑥(3) はじまりへの旅  7.50(9)
⑦(4) メッセージ  7.29(7)
⑧(5) 君の名は。(日本)  7.17(6)
⑨(-) ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー  7.16(8)
⑩(-) 永い言い訳(日本)  7.00(7)

 今回の新登場は④と⑩の2作品です。
 ④「マンチェスター・バイ・ザ・シー」は、アカデミー賞で作品賞をはじめ主要6部門にノミネートされたというアメリカのヒューマンドラマ。ボストン郊外で便利屋をしている一人暮らしのリー(ケイシー・アフレック)は、ある日兄のジョー(カイル・チャンドラー)が危篤だという知らせを聞いて故郷マンチェスターへと向かいます。しかし兄の最期を看取ることができず、すぐそこから立ち去るつもりのリーだったが、兄の遺言によって16歳の甥っ子パトリック(ルーカス・ヘッジス)の法定後見人となった彼は、パトリックの強い希望でやむなくマンチェスターに町に留まりことに・・・。一方、元妻のランディ(ミシェル・ウィリアムズ)から連絡が来て、忘れていた悲劇的な過去と向き合うはめになります・・・。韓国題は「맨체스터 바이 더 씨」。日本公開は5月13日です。
 ⑩「永い言い訳」は、私ヌルボがみないちに早々に韓国で公開されましたね。韓国題は「아주 긴 변명(とても長い弁明)」です。
なお、③「ヘル・オア・ハイ・ウォーター」は、以前私ヌルボが「これは観たい!」と思った作品ですが、日本での劇場公開はないまま。ところがその後「最後の追跡」という邦題になってNetflixに出ているとは! この作品もアカデミー賞作品賞ノミネートという話題作なのですが、このまま劇場公開はないのでしょうか?

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績2月17日(金)~2月19日(日) ★★★

         「捏造された都市」に変わり「再審」 韓国映画の首位が続く

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・再審(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・2/15・・・・・・・・・・・755,254 ・・・・・・・・・・1,022,803・・・・・・・・・8,385・・・・・・・・・935
2(1)・・捏造された都市(韓国) ・・・・・・・2/09・・・・・・・・・・・463,193 ・・・・・・・・・・1,974,402・・・・・・・・16,003・・・・・・・・・829
3(新)・・グレートウォール ・・・・・・・・・・・2/15・・・・・・・・・・・272,781・・・・・・・・・・・・371,138・・・・・・・・・3,305・・・・・・・・・585
4(2)・・共助(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/18・・・・・・・・・・・193,557 ・・・・・・・・・・7,667,472・・・・・・・・62,635・・・・・・・・・539
5(35)・・トロール ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/16・・・・・・・・・・・184,297 ・・・・・・・・・・・・215,755・・・・・・・・・1,636 ・・・・・・・・622
6(新)・・ザ・キュア・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/15・・・・・・・・・・・・75,792 ・・・・・・・・・・・・126,456・・・・・・・・・1,066・・・・・・・・・419
7(144)・・マイ・ペット・オジー・・・・・・・・・2/16・・・・・・・・・・・・45,863 ・・・・・・・・・・・・・63,703 ・・・・・・・・・・484・・・・・・・・・393
8(7)・・バレリーナ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/09・・・・・・・・・・・・31,961 ・・・・・・・・・・・・157,498・・・・・・・・・1,186・・・・・・・・・242
9(3)・・トリプルX:再起動・・・・・・・・・・・・2/08・・・・・・・・・・・・25,227 ・・・・・・・・・・・・465,274・・・・・・・・・3,892 ・・・・・・・・285
10(5)・・メッセージ・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/02・・・・・・・・・・・・16,787 ・・・・・・・・・・・・611,617・・・・・・・・・5,032・・・・・・・・・・86
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「捏造された都市」は1週限りで首位陥落、「再審」が取って代わりましたが、今年に入って「君の名は。」の3週連続トップ以降はずっと韓国映画の1位が続いています。
 今回の新登場は1・3・5・6・7位の5作品です。
 1位「再審」は韓国のドラマ。韓国を揺るがせたタクシー運転手殺人事件で、唯一の目撃者だあった10代の少年ヒョヌ(カン・ハヌル)は、警察の強圧的な捜査によって犯人の汚名を着せられ、10年間監獄生活を送っています。一方、金もコネもなく借金ばかりが溜まった崖っぷちの弁護士のジュニョン(チョンウ)は、巨大法律事務所の関心を買うため無料弁論奉仕中ヒョヌの関わった事件を知り、名誉と名声を得るチャンスだと直感します。しかし、ヒョヌに出会ったジュニョンは再び正義感を燃えたたせます。ヒョヌも、ジュニョンの助力を得て再び世の中に希望を見出しますが・・・。原題は「재심」です。
 3位「グレートウォール」は監督がチャン・イーモウ、主演がマット・デイモンというアメリカ・中国合作のアクション超大作。タイトルは万里の長城のことなんですね。世界で最も強力な武器を求めて旅立ったウィリアム(マット・デイモン)とフェロー(ペドロ・パスカル)が、60年ごとに姿を現す未知の怪物と壮絶な戦いを繰り広げます・・・。敵の攻撃対象にされた万里の長城に「巨大な武器と大勢の武装した兵士が並ぶ姿は圧巻」とのこと。北京五輪で開・閉会式の総指揮を務めたチャン・イーモウ監督は平昌冬季五輪で2022年北京冬季五輪のプレゼンテーションパフォーマンスを演出することになったとか。私ヌルボとしては「初恋のきた道」のような佳品を作ってほしいのですがねー・・・。韓国題は「그레이트 월」。日本公開は4月14日です。
 5位「トロール」は、アメリカ・ドリームワークス制作のアニメ。トロールとは、あの髪が逆立ってる北欧の妖精。平和に暮らしている彼らの村が、ある日トロールを食べると幸せになれると信じている怪物のバーゲンたちに襲われます。トロール一族の姫ポピーはバーゲンに拉致されたトロールたちを救うために友人のブランチと共にバーゲン・タウンへの危険な冒険に出ますが・・・。韓国題は「트롤」。日本公開は未定のようです。トロールをキモカワイイとみるか単にキモイとみるか・・・。
 6位「ザ・キュア」はアメリカ・ドイツ合作のサイコホラー。野心満々の若い幹部社員ロックハート(デイン・デハーン)は、謎の手紙を残したまま去ってしまったCEOを探して向かった先はスイスアルプスにあるウェルネスセンター。そこは古風で秘密の力が感じられるその施設では、なにやら不審な温泉療法をやっているような・・・。ところがそこでの治療が必要だという診断を受けたロックハートはそこに残されることに。秘密を暴こうするほど思いもよらないことが繰り広げられていきます・・・。韓国題は「더 큐어」。日本公開は未定のようです。
 7位「マイ・ペット・オジー」は、スペインの子供向きアニメ。ビーグル犬のオジーは幸せに暮らしている飼い犬、だったのがある日家族たちが海外旅行に出かけるということでペット用ホテルに預けられれます。そこは豪華なスパ、マッサージ、手作りおやつ、友だちとの遊び時間、きれいなガールフレンドまで保証されて「サイコー!」と思ったら、あれ?! そこに隠された秘密があった? そしてオジーと仲間たちは家に戻るために冒険と友情一杯のドタバタの旅に・・・。韓国題は「마이펫 오지」。日本公開は未定というかなさそうというか・・・。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(53)・・マイ・ベット・オジー ・・・・・・・・・・・・・2/16 ・・・・・・・・・・・45,863・・・・・・・・・・・・63,703・・・・・・・・・・・・・484 ・・・・・・・・393
2(20)・・マンチェスター・バイ・ザ・シー・・・・2/16 ・・・・・・・・・・・14,305・・・・・・・・・・・・23,718・・・・・・・・・・・・・194 ・・・・・・・・105
3(2)・・LION/ライオン ・・・・・・・・・・・・・・・・2/01 ・・・・・・・・・・・・2,814・・・・・・・・・・・・99,552・・・・・・・・・・・・・743 ・・・・・・・・・35
4(新)・・永い言い訳(日本)・・・・・・・・・・・・・・2/16 ・・・・・・・・・・・・2,323・・・・・・・・・・・・・3,864 ・・・・・・・・・・・・・・30 ・・・・・・・・・47
5(1)・・スノーデン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/09 ・・・・・・・・・・・・1,700・・・・・・・・・・・・38,045 ・・・・・・・・・・・・・309 ・・・・・・・・・16

 1・2・4位の3作品が新登場が、いずれについても上述しました。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [2月10日(金)~2月12日(日)]

2017-02-14 23:43:40 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 先週は「海峡を越えた野球少年(原題:グラウンドの異邦人)」は思った以上に内容豊富なドキュメンタリーでした。30年以上、あるいは半世紀以上も前、「在日同胞」代表として韓国に行き、歓迎された彼ら。今連絡が取れなかったり、コンタクトを拒む人が相当数いるのは、当時韓国人であることを隠して生活していた人も多かったことや、その後日本国籍を取得したりして「韓国人としての過去」と決別して暮らしている人も多いということなのでしょう。そんな中、1982年の訪問チームのメンバーがこの映画を通じて再会し、再び韓国を訪れたりしたのはけっこうなことでした。民族学校に通ったという朝鮮総聯系の人もいたのですね。その前の世代で、50~60年代頃に韓国に行って外野手として活躍し、後に野球の指導にあたったという裵寿讃(ペ・スチャン)さんのことも触れられていました。彼も総聯系で両親が北朝鮮に渡りましたが、その関係で80年代全斗煥の軍事独裁政権時代に安企部による厳しい取り調べ(拷問?)を受けたりもしたような・・・。(具体的には語られていませんでしたが・・・。) その裵寿讃さんの息子さんが私ヌルボがたまに楽しく読んでいるサイトの主のマッコリマンさんだとは知りませんでした。なるほど、そのサイト中の一家の歴史の中に裵寿讃さんのことも書かれていました。(→コチラ。) 今度弘大(or上水)方面に行く機会があったらマッコリマンさんの店に行ってみようかな。(ツイッターは→コチラ。) なお、この映画については大島裕史さんの→コチラの記事に詳しく書かれています。

 「キネマ旬報 2月下旬号」の2017年の外国映画の上映予定作のリストから韓国映画をピックアップしてみました。※その後の情報も入れてます。青色は邦題・茶色は原題です。
 「お嬢さん(アガシ)=3月3日・「少女は悪魔を待ちわびて(おまえを待ちながら)=3月7日・「密偵」(仮)=2017年・「シチリアの恋(シチリアの陽の下で)=GW・「新感染 ファイナル・エクスプレス(釜山行き)=夏・「第3の愛」=4月1日・「あの日、兄貴が灯した光(兄貴)=5月・「アシュラ」=3月14日・「哭声/コクソン」=3月11日・「徳恵翁主」(仮)=2017年・「ある日」(仮)=夏・「隠された時間」(仮)=2017年・「フェイク(仮)(似而非[サイビ])=秋・「ソウル駅」(仮)=秋・「空と風と星の詩人 〜尹東柱の生涯〜(ドンジュ)=夏・「バッカス・レディ(殺してくれる女)=夏・「あの人に逢えるまで(ミヌさんが帰るまで)=夏

 韓国では、昨年の「鬼郷」に続いてこの3月1日の三一節に新たな慰安婦映画「雪道(눈길)」が公開されます。新たなといっても、2015年KBS1の光復70周年特集として作られたドラマで内容は→コチラ参照。→予告編(YouTube)を見ると軍人による<強制連行>の場面があったりして「うーむ・・・」といった感じではありますが、「鬼郷」ほどヒットするかどうか?

         ★★★ NAVERの人気順位(2月14日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(-) オー・マイ・パパ(韓国)  9.78(214)
②(1) Le Tour:私の生涯最高の49日(韓国)  9.53(264)
③(3) 将棋王:可樂市場レボリューション(韓国)  9.50(56)
④(2) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.46(199)
⑤(5) わたしは、ダニエル・ブレイク  9.26(1,235)
⑥(4) ウィークエンド(韓国)  9.26(149)
⑦(6) ボブという名のストリート・キャット  9.23(354)
⑧(7) LION/ライオン ~25年目のただいま~  9.23(318)
⑨(-) 影たちの島(韓国)  9.23(99)
⑩(-) 私たち(韓国)  9.19(1,184)

 今回の新登場はありません。「私たち」「影たちの島」等、公開後まだ1年たっていないので新作扱いにしました。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) わたしは、ダニエル・ブレイク  8.40(15)
②(2) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
③(3) はじまりへの旅  7.50(9)
④(4) メッセージ  7.29(7)
⑤(5) 君の名は。(日本)  7.17(6)
⑥(7) 恋物語(韓国)  7.00(7)
⑦(8) 女教師(韓国)  7.00(5)
⑧(9) たかが世界の終わり  6.86(7)
⑧(-) 幸せなひとりぼっち(オーヴェという男)  6.86(7)
⑧(-) パーソナル・ショッパー  6.86(7)

 今回の新登場は⑧「パーソナル・ショッパー」だけです。2016年カンヌ映画祭で監督賞を受賞したフランスの心理ミステリー。パリで忙しいセレブに代わって洋服や装飾品をそろえる“パーソナル・ショッパー“として働くアメリカ人女性モウリーン(クリステン・スチュワート)は最近最愛の双子の兄を亡くし、悲しみから立ち直れずにいます。そんなある日、正体不明の人物から携帯に奇妙なメッセージが届きます。やがて不可解な出来事が次々と起こり始めます・・・。韓国題は「퍼스널 쇼퍼」。日本公開は5月です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績2月10日(金)~2月12日(日) ★★★

         「捏造された都市」がトップ 韓国映画が続く
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(30)・・捏造された都市(韓国) ・・・・・・2/09 ・・・・・・・・・・896,587 ・・・・・・・・・・1,072,587・・・・・・・・・8,824・・・・・・・・1,019
2(1)・・共助(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/18・・・・・・・・・・・543,395 ・・・・・・・・・・7,262,167・・・・・・・・59,422 ・・・・・・・・811
3(28)・・トリプルX:再起動 ・・・・・・・・・・2/08・・・・・・・・・・・254,916 ・・・・・・・・・・・・368,341・・・・・・・・・3,177 ・・・・・・・・590
4(2)・・ザ・キング(韓国)・・・・・・・・・・・・・1/18・・・・・・・・・・・114,191・・・・・・・・・・・5,271,369 ・・・・・・・43,151・・・・・・・・・482
5(3)・・メッセージ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/02・・・・・・・・・・・・89,953 ・・・・・・・・・・・・563,996・・・・・・・・・4,646・・・・・・・・・422
6(新)・・フィフティ・シェイズ・ダーカー・・2/09・・・・・・・・・・・84,471 ・・・・・・・・・・・・109,368・・・・・・・・・・・938 ・・・・・・・・435
7(35)・・バレリーナ ・・・・・・・・・・・・・・・・・2/09・・・・・・・・・・・・82,076 ・・・・・・・・・・・・・94,689・・・・・・・・・・・730・・・・・・・・・434
8(4)・・モアナと伝説の海・・・・・・・・・・・・1/12・・・・・・・・・・・・74,025 ・・・・・・・・・・2,264,369・・・・・・・・17,710・・・・・・・・・401
9(9)・・レゴバットマン ザ・ムービー・・・2/09・・・・・・・・・・・・69,097 ・・・・・・・・・・・・105,962・・・・・・・・・・・858・・・・・・・・・427
10(新)・・名探偵コナン エピソード"ONE"・・2/08 ・・・・・・・57,019 ・・・・・・・・・・・・・81,714・・・・・・・・・・・641・・・・・・・・・215
小さくなった名探偵(日本)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「共助」は700万人を超えましたが2位で、「捏造された都市」が1位です。このところずっと韓国映画が続いています。あ、「君の名は。」は11位に落ちましたね。
 今回の新登場は1・3・4・6・7・10位の6作品です。
 1位「捏造された都市」は韓国の犯罪・アクション。ゲームの世界では完璧なリーダーだが現実には平凡な失業者クォン・ユ(チ・チャンウク)。PC房で偶然ケータイを探してほしいという見知らぬ女性の電話を受け、その後わけもわからないまま彼女を残酷に殺害した犯人にされてしまいます。すべての証拠は仕組まれたように彼が犯人だということを示しています。誰も無実を信じてくれない中で、彼のゲーム仲間で初心者ハッカーのヨウル(シム・ウンギョン)は、すべてのことがわずか3分16秒の間に誰かによって完全に捏造されたことを知ります。特殊効果が専門のデモリション(アン・ジェホン)をはじめゲーム仲間が皆集まって、自分たちだけのやり方で事件の実体を追って反撃を始めます・・・。原題は「조작된 도시」。「操作された」ではなく「造作」なのですね。意味は「捏造」で間違いなしです。
 3位「トリプルX:再起動」はアメリカのアクションシリーズの第3作。首の後ろの“xXx“のタトゥーがトレードマークの主人公ザンダー・ケイジが今回は政府の極秘エージェントとして“パンドラの箱“と呼ばれる制御不能な(?)軍事兵器を奪還する任務を引き受けます・・・。韓国題は「트리플 엑스 리턴즈」。日本でも2月24日公開で、すでに諸情報が流されています。
 6位「フィフティ・シェイズ・ダーカー」は、2015年のアメリカのラブロマンス「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」の続編。前作では大企業CEOクリスチャン・グレイ(ジェイミー・ドーナン)とインタビューがきっかで知り合い、恋愛模様を繰り広げながらも最後は分かれてしまった女子学生アナスタシア・スティール(ダコタ・ジョンソン)でしたが、今作ではその後大学を卒業して就職してからも彼のことが忘れられず、そして再会・・・。でないとお話が始まりませんよね。韓国題は「50가지 그림자: 심연」。日本公開は年内のようです。
 7位「バレリーナ」はフランス・カナダ合作のアニメ。小さな田舎の村に住んでいる孤児の少女フェリシーと彼女の幼なじみビクターの夢は、最高のバレリーナと発明者になること。2人は自分の夢を叶えるために、ちょっと荒唐無稽に見える計画を実践します。それは光の都パリに向かって旅に出ること。セーヌ川、エッフェル塔、そして最高の舞台のオペラ座まで。華やかで美しいパリの姿は彼らの夢に向かう情熱を一層かりたてます・・・。韓国題は「발레리나」。日本公開はなさそう?
 10位「名探偵コナン エピソード"ONE" 小さくなった名探偵」は、劇場公開の記憶がないので調べたら、2016年12月9日に「金曜ロードSHOW!」で放送された「名探偵コナン」のスペシャル番組だったのですね。たった2ヵ月前なのにもう韓国で上映とは早いものです。韓国題は「명탐정 코난: 에피소드 원-작아진 명탐정」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・スノーデン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/09 ・・・・・・・・・・・18,991・・・・・・・・・・・・27,518・・・・・・・・・・・・・228 ・・・・・・・・278
2(1)・・LION/ライオン ・・・・・・・・・・・・・・・・2/01 ・・・・・・・・・・・12,806・・・・・・・・・・・・91,112・・・・・・・・・・・・・686 ・・・・・・・・140
        ~25年目のただいま~
3(14)・・パーソナル・ショッパー ・・・・・・・・・2/02・・・・・・・・・・・・・4,232・・・・・・・・・・・・・6,808・・・・・・・・・・・・・・58 ・・・・・・・・・77
4(2)・・マギーズ・プラン ・・・・・・・・・・・・・・・・1/25・・・・・・・・・・・・・2,783・・・・・・・・・・・・41,104・・・・・・・・・・・・・332 ・・・・・・・・・36
        幸せのあとしまつ
5(15)・・誰も知らない(日本) ・・・・・・・2005/4/01・・・・・・・・・・・・・1,455・・・・・・・・・・・・37,241・・・・・・・・・・・・・242 ・・・・・・・・・33

1・3・5位の3作品が新登場です。
 1位「スノーデン」は、(めずらしく)一足早く1月27日に公開されています。韓国題は「스노든」です。
3位「パーソナル・ショッパー」については上述しました。
 5位「誰も知らない」は2004年の是枝裕和監督作品の再上映。静かな是枝ブームがまだ続いているのかな? 韓国題は「아무도 모른다」です。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [2月3日(金)~2月5日(日)]

2017-02-08 13:51:06 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 先週は「太陽の下で-真実の北朝鮮-」「The Net 網に囚われた男」という北朝鮮関係の映画を続けて観ました。
 前者のキモは隠し撮りで撮った「ドキュメンタリーなのにここまで当局のヤラセが!」ということですが、私ヌルボとしては背景の街のようす等々ピョンヤンの素顔が垣間見られて興味深かったです。徒歩通勤者が多いこととか、<人民保健体操>(→ウィキペディアによると今は<律動体操>)を広場(?)でやってる場面とか。(→YouTube) また学校で先生が教科書の金日成首領様の話を子供たちに読み聞かせていますが、「(首領様は)日本人や地主たちが皆悪い奴だと悟らせて下さいました」という字幕の内容もさることながら、モトの朝鮮語では「왜놈(倭奴.ウェノム)」「지주놈(地主奴.チジュノム)」「나쁜 놈(ナップンノム)」という言葉を先生も生徒もふつうに使用しているという北朝鮮教育の現状は、日本国内のヘイトスピーチをめぐる論議から70年くらい前の時代の問題だと思いました。たぶん彼らはなぜそれが特定の民族や国民に対する差別なのか理解できないのでは?(「事実なのに」) 韓国紙サイトの読者のコメント中にも「倭奴」という言葉はよく見るし・・・。(蛇足ですが、私ヌルボは日本人によるヘイトスピーチもよくないし、北朝鮮や韓国の「倭奴」もよくないという、ごく常識的なことを言ってるだけです。)
 「The Net 網に囚われた男」は、なかなかおもしろかった(?)ですが、北朝鮮の漁師の船が故障して南北の分界線を越えて南へ、という設定がどこまで現実味があるかよくわかりません。「ケンチャナヨ」(南)→「イロプスムネダ」(北)、「ウェ?(何で?)」(南)→「ワ?」(北)といった言葉の違いもどこまで正確なのか? とはいえ、現在興行成績トップを走る「共助(コンジョ)」の韓国と北朝鮮との合同捜査などという基本設定よりはずっと現実味はあるでしょう。もっとも、「太陽の下に」の舞台のピョンヤン自体がショーウインドー都市なので、それをもって北朝鮮の実態と受け止めるのも問題なんですけどね。

 北朝鮮関係で思い出しました。1月27日毎日新聞(東京・夕)の(例によって)鈴木琢磨記者の記事です。(→コチラ。まだ繋がる?) ピョンヤンで2008年に出た「光明百科事典」の映画解説の箇所で「遠い後の日の私の姿」(1997)、「幹は根から育つ」(1998)、「ある女学生の日記」(2006)の3作品の映画シーンの写真に白い紙が貼られ、それらに出演していた女優のキム・ヘギョンさんとパク・ミヒャンさんが消されていたとのこと。事情通の某在日ビジネスマン氏によると「張成沢粛清の余波」だそうです。(※→Youtubeの「ある女学生の日記」は配役の部分も含めふつうに観られますけどね。)

 この号だけは買っている「キネマ旬報」2月下旬ベスト・テン発表特別号。今年のベスト・テンはヌルボ自身の見方とけっこう重なっていましたが、「ハドソン川の奇跡」の得点が2位「キャロル」(152点)に大差をつけて271点とはオドロキ。韓国映画は「暗殺」(19点)の54位が最高。なんと5人も入れてますがな。「弁護人」(14点)が70位。谷岡雅樹氏が1位に選定! 以下「花 香る歌」(10点・82位)、「王の運命-歴史を変えた八日間-」(9点・92位)、「コインロッカーの女」(8点・104位)、「殺されたミンジュ」(7点・119位)。感想は、「まあこんなもんでしょ」。
 次に今年2017年の外国映画の上映予定作のリストから韓国映画をピックアップ・・・と思いましたが、もうけっこう長く書いたので来週に持ち越すことにします。

         ★★★ NAVERの人気順位(2月7日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(-) Le Tour:私の生涯最高の49日(韓国)  9.62(201)
②(1) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.50(197)
③(-) 将棋王:可樂市場レボリューション(韓国)  9.45(29)
④(2) ウィークエンド(韓国)  9.31(145)
⑤(4) わたしは、ダニエル・ブレイク  9.27(1,171)
⑥(5) ボブという名のストリート・キャット  9.23(337)
⑦(-) LION/ライオン ~25年目のただいま~  9.23(231)
⑧(6) モアナと伝説の海  9.13(8,399)
⑨(9) 従順(韓国)  9.11(142)
⑩(7) ヨーヨー・マと旅するシルクロード  9.06(36)

 今回の新登場は①③⑦位の3作品です。
 ①位「Le Tour:私の生涯最高の49日」は韓国のドキュメンタリー。「Le Tour」とは有名なフランスの自転車レースのツール・ド・フランスのこと。2009年それに挑んだ韓国人の話なのですが、その人物イ・ユニョクさんという人は世界で200人あまりしかかからないというがん(線維形成性小細胞腫瘍)の末期判定を受けた青年でした。当時26歳という若さでアマチュアのボディビルダーであり、体育教師志望だったという健康には自信があった彼ががんと診断され余命3ヵ月の宣告を受けるとは・・・。その後抗癌治療を受けいた彼はある日治療を中断し、医者や家族、友人たちの反対する中、ツール・ド・フランスへの参加を決めてフランスに向かったのです・・・。原題は「뚜르: 내 생애 최고의 49일」です。
 ③位「将棋王:可樂市場レボリューション」は韓国のドラマ。トゥス(チョン・ドゥウォン)は真面目な仕事よりも実利と温かい懐を望んであえて正業に就かず可楽市場で働いています。日々のつらい労働と社長の専横にも屈しない彼の隠れた才能というのが韓国将棋。可楽市場でその実力を発揮して痛快に悪人を膺懲したりもしましたが、ある日将棋の実力者が集まるというタプコル公園の噂を聞いてそこを訪れます。そこで偶然出会ったのが高校時代の片思いの相手ミンジュ(チェ・シオン)。彼女はホームレスたちのねぐらであるタシソギ(立ち直り)センター撤去反対の署名運動をしていて、トゥスも一緒にホームレスの支援を始めてやりがいを感じるようになります。ところがその後センターを撤去しようとしている家主の朴ヨンガム(イ・ジャンユ)が賭博将棋の帝王であることを知り、センターを守るために一世一代の将棋対決に挑戦することになります・・・。原題は「장기왕: 가락시장 레볼루션」です。
 ⑦位「LION/ライオン ~25年目のただいま~」については後述します。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) わたしは、ダニエル・ブレイク  8.40(15)
②(2) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
③(3) はじまりへの旅  7.50(9)
④(-) メッセージ  7.29(7)
⑤(4) 君の名は。(日本)  7.17(6)
⑥(5) ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー  7.16(8)
⑦(7) 恋物語(韓国)  7.00(7)
⑧(8) 女教師(韓国)  7.00(5)
⑨(9) たかが世界の終わり  6.86(7)
⑩(10) マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ  6.83(6)

 今回の新登場は④「メッセージ」だけです。この作品については後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績2月3日(金)~2月5日(日) ★★★

         「共助」が600万人を超え2週連続トップ
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・共助(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/18 ・・・・・・・・・1,048,382 ・・・・・・・・・・6,272,480・・・・・・・・51,451 ・・・・・・・1,100
2(2)・・ザ・キング(韓国)・・・・・・・・・・・・・1/18・・・・・・・・・・・409,655・・・・・・・・・・・4,991,110・・・・・・・409,655・・・・・・・・・837
3(新)・・メッセージ・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/02・・・・・・・・・・・298,929 ・・・・・・・・・・・・358,343・・・・・・・・・2,984・・・・・・・・・606
4(3)・・モアナと伝説の海・・・・・・・・・・・・1/12・・・・・・・・・・・171,477 ・・・・・・・・・・2,146,068・・・・・・・・16,807・・・・・・・・・583
5(4)・・バイオハザード:ザ・ファイナル・・1/25・・・・・・・・・110,262 ・・・・・・・・・・・・708,004・・・・・・・・・5,969・・・・・・・・・486
6(5)・・君の名は。(日本)・・・・・・・・・・・・・1/04・・・・・・・・・・・・69,058 ・・・・・・・・・・3,554,668・・・・・・・・28,628・・・・・・・・・384
7(6)・・ラ・ラ・ランド・・・・・・・・・・・・・・・・・12/07・・・・・・・・・・・・35,879 ・・・・・・・・・・3,210,482・・・・・・・・26,873・・・・・・・・・201
8(24)・・LION/ライオン ・・・・・・・・・・・・2/01・・・・・・・・・・・・35,387 ・・・・・・・・・・・・・59,439・・・・・・・・・・・476・・・・・・・・・205
        ~25年目のただいま~
9(新)・・レゴバットマン ザ・ムービー・・2/09・・・・・・・・・・・・28,740 ・・・・・・・・・・・・・29,580・・・・・・・・・・・243・・・・・・・・・276
10(7)・・ターニング メカードW・・・・・・・・1/18・・・・・・・・・・・・18,733・・・・・・・・・・・・422,857 ・・・・・・・・・3,164・・・・・・・・・196
        ブラックミラーの復活(韓国)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「共助」が「ザ・キング」を引き離して600万人を超えました2位「ザ・キング」も500万人に到達。
 今回の新登場は3・8・9位の3作品です。
 3位「メッセージ」はアメリカのSF。グレッグ・イーガン等とともに今世紀のSF作家として高く評価されているテッド・チャン短編「あなたの人生の物語」(早川文庫)の映画化作品。ある日突然巨大飛行体が地球に現れます。やってきた謎の知的生命体の意図は何か? 言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は軍から依頼を受けて彼らとの接触をはかります。物理学者のイアン(ジェレミー・レナー)とチームを組んで人間のものとは全く異質な言語を理解するにつれ、彼女は驚くべき運命にまきこまれていきます・・・。韓国題が「컨택트(コンテンツ)」で原題が「Arrival」と三者三様。日本公開は5月です。
 8位「LION/ライオン ~25年目のただいま~」は、オーストラリア・イギリス・アメリカ合作の実話に基づいたドラマ。オーストラリアで暮らす青年サルー(デーヴ・パテル)は実はインド生まれ。ところが5歳の時迷子になり、家族と生き別れたまま養子としてオーストラリアへ来たのです。成人して幸せに暮らしながらもインドの母と兄への想いは募ります。そしてサルーはおぼろげな記憶とGoogle Earthを手がかりに、幼い頃の家を探し出すことを決意します・・・。韓国題は「라이언」。日本公開は4月7日です。
 9位「レゴバットマン ザ・ムービー」は、アメリカ・デンマーク合作のスーパーヒーロー物のアニメ。レゴブロックで構築されたゴッサムシティを舞台に、ジョーカーのゴッサム乗っ取り計画を阻止すべく、一匹オオカミだったバットマンが他のヒーローたちと協力して戦いに臨みます・・・。韓国題は「레고 배트맨 무비」。日本公開は4月1日です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(7)・・LION/ライオン ・・・・・・・・・・・・・・・・2/01 ・・・・・・・・・・・35,387・・・・・・・・・・・・59,439・・・・・・・・・・・・・476 ・・・・・・・・205
        ~25年目のただいま~
2(1)・・マギーズ・プラン ・・・・・・・・・・・・・・・・1/25・・・・・・・・・・・・・6,524・・・・・・・・・・・・34,138・・・・・・・・・・・・・277 ・・・・・・・・・64
        幸せのあとしまつ
3(20)・・Le Tour:私の生涯最高の49日・・2/01・・・・・・・・・・・・・6,116・・・・・・・・・・・・20,203・・・・・・・・・・・・・156 ・・・・・・・・223
4(26)・・サウンド・オブ・ミュージック・・1978/2/04 ・・・・・・・・・・・4,060・・・・・・・・・・・・18,872・・・・・・・・・・・・・・76 ・・・・・・・・・70
5(新)・・ザ・コミューン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/02・・・・・・・・・・・・・1,424・・・・・・・・・・・・・2,442・・・・・・・・・・・・・・18 ・・・・・・・・・22

 2位以外の4作品が新登場です。
 1位「LION/ライオン ~25年目のただいま~」、3位「Le Tour:私の生涯最高の49日」については上述しました。
 4位「サウンド・オブ・ミュージック」は言うまでもなく名作ミュージカルの再上映。韓国題は「사운드 오브 뮤직」です。
 5位「ザ・コミューン」(仮)は、デンマーク・スウェーデン・オランダ合作のドラマで、ベルリン国際映画祭2016 コンペティション部門で上映され女優賞受賞。その他数多くの映画賞を受賞しています。 築学の講師エリック(ウルリク・トムセン)は、コペンハーゲンの北のヘレラップにある古くて大きな家を父から相続します。有名なニュースキャスターである妻のアンナ(トリーヌ・ディルホム)は、友人たちを招いて一緒に暮らそうと提案します。彼女の意図はマンネリ化した結婚生活の打開でした。10数人の男女や子供たちがカントリーハウスにやってきます。彼らは集団的な決まりを作り、ディスカッションをし、近くの海に泳ぎに行ったりします。しかし彼らのもろい人間関係は、エリックkが若い教え子に恋をして彼女を家に招いたことから崩れていきます。そんな中で、エリックとアンナの14歳の娘フレアは超然と大人たちを観察し、自分の選ぶべき道を探ります・・・。韓国題は「사랑의 시대(愛の時代)」ですが、英題を仮題としておきました。日本公開は未定のようです。
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