ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 週末の興行成績 [11月22日(金)~11月24日(日)]と、人気順位 ►韓国での大ヒットの理由がわかった 「EXIT イグジット」は絶対オススメ!

2019-11-26 23:46:04 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸昨日11月25日、桜木町のブルク13で「EXIT イグジット」を観てきました。今年公開の韓国映画で、観客動員数の多い作品は1位「エクストリーム・ジョブ(極限職業)」=1626万人、2位「パラサイト 半地下の家族(寄生虫)」=1,008万人、3位「EXIT イグジット」=941万人で、つまり大ヒットと言っていい作品です。「都心で発生した有毒ガスから逃れるため、無職青年のヨンナム(チョ・ジョンソク)と大学サークルの後輩ウィジュ(少女時代ユナ)が超高層ビル群を登ったりロープにすがったり、走り抜けたりするパニックアクションで、基本的にヌルボが好き好んで観ることのあまりないエンタメ系の映画なのですが、韓国での評判がよさそうだし、評論家等の評価も高いようなので一応観ておくか、と思って行きましたが・・・。いやあ、これは観に行って大正解! 結果はほぼわかっていても「手に汗握る」シーンの連続でずっとキンチョーしっぱなし。展開はよけいなひねりがなくてわかりやすく、その中に韓国ならではの濃ゆ~い家族愛もあり、笑える部分もあり、それに感動的なエピソードもあったりとサービス満点。一方韓国社会の厳しい現実を反映して・・・というのは部分どころか主軸かも。さらにはあのセウォル号沈没事故にも関わってるのかな? また男性が主人公で女性は保護される側という描き方をしていない点にも注目。ユナは本作の演技で<釜日映画賞>の人気スター賞受賞とか。これはナットク。
 ・・・と、私ヌルボ、これは絶対オススメ!なんですけど、17:45~の回で98席のスクリーン2に観客数が20人に達していなかったとは・・・。日韓共に後述の「アナ雪2」がスクリーンを席捲してるんですかねー?

《韓国映画評論家協会賞2019》10月21日。(→コチラ参照。)
 ◆最優秀作品賞:パラサイト 半地下の家族 ◆監督賞:ポン・ジュノ(パラサイト 半地下の家族) ◆主演男優賞:シン・ハギュン(私の特別な兄弟) ◆主演女優賞:キム・ヒャンギ(無垢なる証人) ◆助演男優賞:チン・ソンギュ(エクストリーム・ジョブ) ◆助演女優賞:キム・セビョク(ハチドリ) ◆新人男優賞:パク・ヒョンシク(8番目の男) ◆新人女優賞:パク・ジフ(ハチドリ)

 《青龍映画賞2019》11月21日。(→コチラ参照。)
 ◆最優秀作品賞:パラサイト 半地下の家族 ◆監督賞:ポン・ジュノ(パラサイト 半地下の家族) ◆主演男優賞:チョン・ウソン(無垢なる証人) ◆主演女優賞:チョ・ヨジョン(パラサイト 半地下の家族) ◆助演男優賞:チョ・ウジン(国家が破産する日) ◆助演女優賞:イ・ジョンウン(パラサイト 半地下の家族) ◆新人男優賞:パク・ヘス(量子物理学) ◆新人女優賞:キム・ヒェジュン(未成年)


▸今年は、多くの在日朝鮮人(日本人家族も含む)が北朝鮮に渡った北朝鮮帰国事業が始まってから60年。日本人6,730人を含む93,340人の「帰国者」の多くは<地上の楽園>とのフレコミとは対極的な社会の中で困難な生活を強いられました。しかし<拉致被害者>の皆さんほど関心が向けられていないのはなぜでしょうか? ・・・といったことと関連して、12月14日(土)・15日(日)拓殖大学文京キャンパスで<北朝鮮に自由を!人権映画祭>が開かれ、「キューポラのある町」「クロッシング」等8本の映画が上映されます。詳細は→コチラ

▸映画とは関係ありませんが、江戸東京博物館では12月1日(日)まで<18世紀ソウルの日常-ユマンジュ日記の世界>と題した企画展をやっています。兪晩柱(ユ・マンジュ)という人物の遺した日記中の1784年の記述から彼の暮らしや漢陽の風景等を紹介した展示です。

         ★★★ NAVERの人気順位(11月26日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(2) 卒業(韓国)  9.69(13)
②(-) ヘロニモ(韓・米)  9.64(121)
③(3) グリーンブック  9.61(6,100)
④(4) 氷点下の風(韓国)  9.50(22)
⑤(-) きのうのことはみんな大丈夫(韓国)  9.43(157)
⑥(8) RBG 最強の85才  9.38(172)
⑦(10) 教会のお兄さん(韓国)  9.27(1,557)
⑧(-) This Changes Everything/これはすべてを変える  9.23(105)
⑨(-) ユニへ(韓国)  9.18(699)
⑩(-) 今日、私たち(韓国)  9.14(37)

 ②と⑤の2作品が新登場です。
 ②「ヘロニモ」は、韓国・アメリカ合作のドキュメンタリー。原題の人名「Jeronimo」は英語だとジェロニモですが、スペイン語だとヘロニモなんですね。2015年12月、在米韓国人の弁護士チョン・フソクが見知らぬ土地キューバに一人旅に出た時、現地の女性ガイドのお父さんが2006年に亡くなったヘロニモさんというコレアーノ(Coreano.韓国人)だったことがこの作品制作のキッカケでした。ヘロニモはチェ・ゲバラ、フィデル・カストロと肩を並べたキューバ革命の主役であり、キューバの韓国人たちの精神的支柱でもありました。また、彼の父イム・チョンテクは、在キューバの韓国人たちと食事ごとに米を1匙ずつ集めて大韓民国臨時政府に独立資金として送ったという独立運動家でした。祖国の地を踏んだことのない彼らが100年以上続けてきたコレアーノの歴史と精神を、今チョン・フソクがドキュメンタリー監督として伝えます・・・。韓国題は「헤로니모」。本作についての詳しい記事は→コチラです。
 ⑤「きのうのことはみんな大丈夫」は、韓国のドラマ。学校や家庭で疎外されている男子のチグンとヨンス、女子のヒョンジョンとスヨンの4人は綱渡りをするように危険な日々を送っています。彼らのそばで、昼間は生徒を教え、夜は街で子供たちと共に過ごす教師ミンジェは、実際には守ってあげられなかった子供に対するつらい過去のため、今一緒にいる生徒たちに必死にがんばっています。そんなある日、スヨンがが危機に陥り、彼を救おうとしたチグンとヨンジュの連絡が途絶えて、各々の運命は渦に巻き込まれたようになっていきます・・・。原題は「어제 일은 모두 괜찮아」です。「氷点下(零下)の風」等、このところ親に見捨てられた子供を扱った作品が多いようです。日本でもそうか。

     【記者・評論家による順位】

①(-) アイリッシュマン  9.11(9)
②(1) 寄生虫[パラサイト](韓国)  9.06(16)
③(2) ハチドリ(韓国)  8.38(13)
④(3) モーリス 4K  8.00(5)
⑤(4) ブラッド・シンプル  7.75(4)
⑥(5) ストライキ前夜(韓国)  7.71(7)
⑦(-) 象は静かに座っている  7.67(3)
⑧(6) ジョーカー  7.64(11)
⑨(7) ドクター・スリープ  7.50(2)
⑩(8) 台北ストーリー  7.40(5)

 ①と⑦の2作品が新登場です。
 ①「アイリッシュマン」は、日本でも5日早い15日から公開されています。韓国題は「아이리시맨」です。
 ⑦「象は静かに座っている」も、日本では11月2日から公開されています。韓国題は「코끼리는 그곳에 있어(象はそこにいる)」です。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月22日(金)~11月24日(日) ★★★
           日本より1日早く公開の「アナと雪の女王2」が初登場で440万人超え!

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・上映館数
1(新)・・アナと雪の女王2 ・・・・・・・・・・11/21 ・・・・・・・3,829,961・・・・・・4,437,807 ・・・・・・・38,025 ・・・・・2,648
2(1)・・ブラックマネー(韓国)・・・・・・・・11/13・・・・・・・・・781,134・・・・・・1,050,336 ・・・・・・・・9,087 ・・・・・1,117
3(2)・・神の一手:鬼手編(韓国)・・・・・・11/07・・・・・・・・・・94,598・・・・・・2,085,194 ・・・・・・・17,919・・・・・・・650
4(3)・・82年生まれ、キム・ジヨン(韓国)・・10/23・・・・・・・・47,845・・・・・・3,619,376 ・・・・・・・29,845・・・・・・・464
5(4)・・ターミネーター・・・・・・・・・・・・・10/30 ・・・・・・・・・・23,110・・・・・・2,383,138 ・・・・・・・19,946・・・・・・・193
       :ニュー・フェイト
6(9)・・ユニへ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・11/14・・・・・・・・・・10,922 ・・・・・・・・63,686・・・・・・・・・・507 ・・・・・・・・73
7(新)・・アイリッシュマン・・・・・・・・・・11/20 ・・・・・・・・・・10,097 ・・・・・・・・15,127・・・・・・・・・・135 ・・・・・・・・63
8(61)・・顔のないボス(韓国) ・・・・・・・・11/21 ・・・・・・・・・・・9,951 ・・・・・・・・16,355・・・・・・・・・・138 ・・・・・・・277
9(8)・・天気の子(日本) ・・・・・・・・・・・・・10/30 ・・・・・・・・・・・9,555 ・・・・・・・642,433 ・・・・・・・・5,305 ・・・・・・・・84
10(6)・・エンド・オブ・ステイツ・・・・・・11/13 ・・・・・・・・・・・8,978 ・・・・・・・175,000 ・・・・・・・・1,434 ・・・・・・・155
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・7・8位の3作品です。
 1位「アナと雪の女王2」は、今日中に500万人に届くという大変な勢い。私ヌルボ、昨晩は映画館でポスターを見て、あの強いマナザシに少なからずビビりましたが(笑)、皆さんはどうなんでしょうか? 韓国題は「겨울왕국2(雪の王国2)」です。
 7位「アイリッシュマン」は、上述のように11月15日から日本で公開されています。
 8位「顔のないボス」は、韓国のノワール&ドラマ。ヤクザになったらカッコいい男としていい人生を生きられるだろうという一念でサンゴン(チョン・ジョンミョン)は裏切者の先輩を退かせ、最終的にはボスの座までのし上がります。しかし、その1件で、先輩を差し置いてボスになった後輩という汚名を着ることになりました。兄弟より愛する舎弟たちと義理を誓い、命より愛する彼女と幸せまで夢見ますが、日々血の風が吹き寄せる地獄のようなこの場所にはヤクザたちのロマンなどはぜいたくのように見えるのです。ヤクザたちが介入した陰謀にからむ裏切りの中、サンゴンは家族や弟たちまで、だんだんと、そしてすべてを失う危機に直面することに・・・。彼が最後まで守ろうとしていたことは何だったのでしょうか・・・。原題は「얼굴없는 보스」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・ユニへ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・11/14 ・・・・・・・・10,922・・・・・・・・・63,686 ・・・・・・・・・507 ・・・・・・・・・・73
2(12)・・きのうのことはみんな大丈夫(韓国)・・11/21・・・・3,012・・・・・・・・・・6,695 ・・・・・・・・・・61 ・・・・・・・・・・87
3(23)・・ヘロニモ(韓・米) ・・・・・・・・・・・・・11/21 ・・・・・・・・・2,458・・・・・・・・・・4,054 ・・・・・・・・・・36 ・・・・・・・・・・63
4(2)・・鍬入れ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・11/14 ・・・・・・・・・1,885・・・・・・・・・11,062 ・・・・・・・・・・90 ・・・・・・・・・・28
5(3)・・レディ・マエストロ・・・・・・・・・・・・11/14 ・・・・・・・・・1,697・・・・・・・・・・8,773 ・・・・・・・・・・74 ・・・・・・・・・・32

 2位「きのうのことはみんな大丈夫」と3位「ヘロニモ」が新登場ですが、いずれも上述しました。
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韓国内の映画 週末の興行成績 [11月15日(金)~11月17日(日)]と、人気順位 ►仏=デンマーク合作アニメ「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」は期待以上だった!

2019-11-19 23:52:09 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸この1週間は、松元ヒロさんの公演(やっぱりオモシロイ!)を観に行ったり大阪に行ったり等々いろいろあって、映画は昨18日シネマ・ジャック&ベティに先週書いた通り「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」を観に行っただけ。これは期待通りというか、それ以上かも。「ディリリとパリの時間旅行」よりずっと物語に引き込まれ、また画面の美しさに感じ入りました。(氷山の浮かぶ海の夕焼けの景色が美しい!) 物語の骨子は、サンクトペテルブルグの貴族の令嬢サーシャ(14歳)が、1年前に北極航路の探検に出たまま未だ行方がわからない祖父を探しに北極圏へと旅に出るというもの。物語も、輪郭を描かない絵柄もシンプルなのですが、いろんな記事に記されているように「黎明期の日本アニメを彷彿とさせる魅力」が感じられます。<東京アニメアワードフェスティバル2016>のコンペティション部門(長編アニメーション)でグランプリを受賞した作品なのになんで今まで一般劇場公開されなかったのか・・・。配給がつかなかったって!? 高畑勲監督も推奨されていたのに・・・。
 なお、物語の時代設定は1882年ということで、私ヌルボ、つい探索癖が働いたのは、ピアリーが北極点に到達したのはずっと後のはず(ググったら1909年で厳密には少し手前まで)なのに、その何十年も前に北極点を目指した人がいたのかということ。で、ウィキペディアによるとイギリスの海軍少将ウィリアム・エドワード・パリーの1827年の探検が最初なんですと。
 というわけで、にわかにフランスアニメおたくになりつつある私ヌルボ、次は予告編で観た11月22日公開の「失くした体」ですね。カンヌ映画祭批評家週間でグランプリ、アヌシー国際アニメーション映画祭で最高賞を獲得した作品とのことですが、先の2作品とは全然違うブキミな雰囲気のアニメ、かな?

         ★★★ NAVERの人気順位(11月19日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(2) 私の歌は遠く遠く(韓国)  9.65(127)
②(1) 卒業(韓国)  9.64(11)
③(-) グリーンブック  9.61(6,085)
④(-) 氷点下の風(韓国)  9.53(19)
⑤(4) 主戦場  9.49(987)
⑥(5) シークレット・スーパースター  9.40(104)
⑦(-) アラジン  9.38(26,846)
⑧(-) RBG 最強の85才  9.38(172)
⑨(-) レディ・マエストロ  9.28(25)
⑩(8) 教会のお兄さん(韓国)  9.27(1,556)

 ④と⑨の2作品が新登場です。
 ④「氷点下の風」は、韓国のドラマ。最近の注目作「ハチドリ」等、韓国映画の重要なテーマとなっている女性の成長期を扱った映画ですが、その中でもとくに苛酷な内容のドラマ。ヨンハやミジンたちの12歳、15歳、19歳の3つの時期に焦点を当てて彼らの育った家庭のようす等をたどりますが、たとえばヨンハは母親が抑圧的だったり父親が無能だったり・・・。家庭が安らぎの場ではなく、逆に悩みの根本原因として立ちはだかるのです。そんな中で友人のミジンはヨンハの慰めとなり彼女を支えてくれるのですが、結局彼らに対して親や家族による、そして世界による試練はなおも続き、彼らを成長させるどころか最終的には家のない、独りだけの存在にしてしまいます・・・。原題は「영하의 바람」ですが、ヨンハという名前は氷点下(零下.영하)と同じ綴り。もちろん、意識的に両義的なタイトルにしているのですね。
 ⑨「レディ・マエストロ」は、女性指揮者アントニア・ブリコ(1902~89)の半生をたどったオランダの音楽ドラマ。日本では9月20日公開され現在も上映中です。韓国題は英題と同じ「더 컨덕터(The Conductor)」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国)  9.06(16)
②(2) ハチドリ(韓国)  8.38(13)
③(3) モーリス 4K  8.00(5)
④(5) ブラッド・シンプル  7.75(4)
⑤(6) ストライキ前夜(韓国)  7.71(7)
⑥(7) ジョーカー  7.64(11)
⑦(9) ドクター・スリープ  7.50(2)
⑧(10) 台北ストーリー  7.40(5)
⑨(-) 主戦場  7.33(6)
⑩(-) グリーンブック  7.29(7)
⑩(-) ボーダー 二つの世界  7.29(7)

 今回の新登場はありません。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月15日(金)~11月17日(日) ★★★
           米国ファンドによる韓国外換銀行売却事件を素材にした「ブラックマネー」が1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・上映館数
1(10)・・ブラックマネー(韓国)・・・・・・・11/13・・・・・・・・・781,134・・・・・・1,050,336 ・・・・・・・・9,087 ・・・・・1,117
2(1)・・神の一手:鬼手編(韓国)・・・・・・11/07・・・・・・・・・364,766・・・・・・1,838,587 ・・・・・・・15,867 ・・・・・1,026
3(3)・・82年生まれ、キム・ジヨン(韓国)・・10/23・・・・・・・152,508・・・・・・3,491,864 ・・・・・・・28,807・・・・・・・701
4(2)・・ターミネーター・・・・・・・・・・・・・10/30 ・・・・・・・・・135,582・・・・・・2,310,267 ・・・・・・・19,352 ・・・・・・609
       :ニュー・フェイト
5(4)・・アダムス・ファミリー・・・・・・・・11/07・・・・・・・・・・88,566 ・・・・・・・319,310 ・・・・・・・・2,558 ・・・・・・・591
6(61)・・エンド・オブ・ステイツ・・・・・・11/13・・・・・・・・・・88,377 ・・・・・・・126,377 ・・・・・・・・1,059 ・・・・・・・601
7(新)・・ゾンビランド:ダブルタップ・・11/13・・・・・・・・65,737 ・・・・・・・104,508 ・・・・・・・・・・910 ・・・・・・・548
8(5)・・天気の子(日本) ・・・・・・・・・・・・・10/30 ・・・・・・・・・・45,452 ・・・・・・・612,016 ・・・・・・・・5,052 ・・・・・・・308
9(80)・・ユニへ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・11/14・・・・・・・・・・24,421 ・・・・・・・・36,408・・・・・・・・・・274 ・・・・・・・310
10(新)・・大統領の7時間(韓国)・・・・・・11/14・・・・・・・・・・10,980 ・・・・・・・・13,548・・・・・・・・・・121 ・・・・・・・・84
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は6・7・9・10位の4作品です。
 6位「エンド・オブ・ステイツ」は、日本でも2日遅れで11月15日から公開されています。韓国題は原題のままで「엔젤 해즈 폴른(Angel Has Fallen)」です。
 7位「ゾンビランド:ダブルタップ」も、11月22日から日本公開ということで、すでに諸情報が流されているので内容等の説明は省略します。韓国題は「좀비랜드: 더블 탭」です。
 9位「ユニへ」は、韓国のロマンス&ドラマ。「ユニへ。お元気ですか?」。平凡な毎日を過ごしていたユニ(キム・ヒエ)にある日1通の手紙が届きます。ところがその手紙をユニの娘セボム(キム・ソヘ)が先に読んでしまいます。そしてユニに手紙の内容を伝えないまま、手紙の送り主がいる場所に行こうとユニに提案します。ユニは秘密にしていた初恋の記憶に胸が弾みます。セボムと一緒に旅行に出たユニは絶え間なく雪が降るその地で初恋に出会うかもしれないという期待を抱きますが・・・。原題は「윤희에게」です。
 10位「大統領の7時間」は、韓国のドキュメンタリー。イ・サンホ監督はこれまでも2014年の釜山国際映画祭で上映をめぐり問題となった「ダイビング・ベル」でセウォル号沈没事件の際の政府の対応に疑問を提起しましたが、この作品はその時の朴槿恵大統領の<空白の7時間>を宗教の観点から追及したものです。原題は「대통령의 7시간」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(29)・・ユニへ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・11/14 ・・・・・・・・24,421・・・・・・・・・36,408 ・・・・・・・・・274 ・・・・・・・・・310
2(11)・・鍬入れ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・11/14 ・・・・・・・・・3,453・・・・・・・・・・6,072 ・・・・・・・・・・51 ・・・・・・・・・171
3(15)・・レディ・マエストロ・・・・・・・・・・・11/14 ・・・・・・・・・2,443・・・・・・・・・・4,840 ・・・・・・・・・・42 ・・・・・・・・・・30
4(1)・・モーリス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/07 ・・・・・・・・・2,165・・・・・・・・・11,723 ・・・・・・・・・・99 ・・・・・・・・・・39
5(10)・・北間道[プッカンド]の十字架(韓国)・・10/17 ・・・・2,060・・・・・・・・・・8,843 ・・・・・・・・・・66・・・・・・・・・・・11

 1~3位の3作品が初登場です。
 1位「ユニへ」については上述しました。
 2位「鍬入れ」は、李明博元大統領の朝鮮半島大運河構想と4大河川再生事業問題を取り扱った韓国のドキュメンタリー。「よりよく暮らせる」という触れ込みは真っ赤な嘘だった! 李明博政権が企画し、メディアが後押しして、建設業者が現場で展開した22兆2千億ウォンの賭博。そんな大金が飛び交う中、4大河川の錦江、栄山江、漢江、洛東江では60万尾もの魚の大量死等が発生し、川は死んでいったのです・・・。原題は「삽질」です。
 3位「レディ・マエストロ」については上述しました。
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韓国内の映画 週末の興行成績 [11月8日(金)~11月10日(日)]と、人気順位 ►ナルホド“超問題作”だった「解放区」、ベンキョーになったフランスアニメ「ディリリとパリの時間旅行」のこと等

2019-11-13 23:51:41 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸この1週間は、6・9・10・11日と地元で続けざまに映画を観てしまいました。順に「変態家族 兄貴の嫁さん」「ディリリとパリの時間旅行」「解放区」「アートのお値段」の4本で、「解放区」だけがシネマ・ジャック&ベティ、他の3本は横浜シネマリンです。
 「解放区」は、例の<あいちトリエンナーレ>以来一連の助成金問題で少し話題になった作品。「大阪市の助成金を受けながら制作したものの、上映する段階になって修正指示が来て、最終的には助成金を返還することを選択した」というものです。→コチラの「あらゆる意味での“超問題作”」というタイトルの(ややネタバレの)記事を読むまでもなく、たしかに“超問題作”で、「公序良俗に反する」と怒る人もいそうだし、「未熟なドキュメンタリー作家のナサケナイ自撮り映画のどこに公共性があるのか?」という人もいそうだし、問題にされるのもむべなるかな・・・、って私ヌルボはこんな映画に金を出すな!と主張しているわけではありません。要は助成の趣旨がまず問題。①公序良俗や政治的立場等とは関係なく映画制作等の文化活動の底辺を広げるべく支援する ②県や市町村のなんらかの施策に沿った文化活動の支援 と2つに分けて考えると、②の分野への助成だけでは国全体の文化の幅が先細りしてしまうし、全体的に「お上の顔色をうかがう」ようになりそうではなはだよろしくない。まあ最初から県等のPRにもなるような作品も必要でしょうから、そこらへんは事前に助成の趣旨を双方が確認し了解していれば問題はないと思うのですが・・・。
 さて、この「解放区」ですが、事前に情報を仕入れていなければふつうにドキュメンタリーと思って観る人が大半でしょう。途中で「あれ? これ誰が撮ってるんだ?」とかだんだん疑問がわいてきて、という感じか。釜ヶ崎を撮った映画(とくにドキュメンタリー)というと、どこかに<温かいまなざし>とかを期待してしまう人が市の福祉や広報担当者ならずともけっこういるのではと思いますが、この作品はそれをみごとに(!)裏切っている点でも注目した次第です。

「変態家族 兄貴の嫁さん」(1984年)は周防正行監督の映画初監督作品ということで。まだ32、3歳だった大杉漣がお父さん役で出演してたとは知りませんでした。(あ、今ウィキペディア見たら、同じ時期に同じ小学校に通ってたのか!) で、この映画、基本にっかつロマンポルノなのに、周防は大好きな小津安二郎のカメラワークを再現して名を轟かせたとか蓮見重彦センセイが高く評価したとか。なるほどねー(笑)。言われて見ればたしかに・・・。

「ディリリとパリの時間旅行」は、ベル・エポックの頃のパリが舞台のアニメで、画家や作曲家、小説家等々の有名人がわんさか登場。観る者のキョーヨーが験される感じ。もしかして小中学生の教材としてつくられたのでは?と思えるほど。人名を漏れなく列挙するは無理のようですが、たとえば以下の人たち。ミュシャ、アンリ・ルソー、パストゥール、エマ・カルヴェ(オペラ歌手)、ドビュッシー、モネ、ルノワール、ドガ、ロートレック、ベルクソン、サティ、サラ・ベルナール、プルースト、レイナルド・アーン(作曲家)、カミーユ・クローデル、ロダン、マリー・キュリー等々。ただ、細かく考えてみれば(&調べてみれば)年齢とか有名になった頃とか無理がありそうな人も混じっているような・・・。ピカソは早すぎるんじゃないの? マティスもたぶん。マリー・キュリーも? 「青い麦」で知られる(?)コレット夫人なんて世に出のは明らかに10年以上は後だぞ。しかし、考えてみれば実に多士済済。やっぱりベル・エポック(良き時代)です。
 上記の有名人以上に注目は主人公の女の子ディリリ。架空の人物ですが、冒頭、万国博の1つのパビリオンでカナック族の見世物に出演しているのです。(ウィキペディアの<人間動物園>の項目を見てみてください。) とするとたぶん1898年のパリ万国博か。なんなとくアフリカのどこかの部族かなと思った人も多いのでは?と思いましたが、南太平洋のニューカレドニア今もフランスの海外領土です。カナック族はそこのメラネシア系先住民です。2018年11月には独立を問う住民投票が実施されたが反対が過半数で否決されたとのこと。もしかして、このアニメもそのことと何か関係あるかな?ということをチラと考えました。まあ女性が活躍したり差別反対のメッセージが随所に折り込まれたりというちょっと啓発的なフンイキも漂うアニメではあります。
 フランスアニメの次はデンマークアニメだ!という気になってきたので、来週はシネマ・ジャック&ベティで「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」だな。

         ★★★ NAVERの人気順位(11月12日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 卒業(韓国)  9.70(10)
②(-) 私の歌は遠く遠く(韓国)  9.65(127)
③(-) ディア・ファミリー 〜あなたを忘れない〜  9.50(12)
④(3) 主戦場  9.49(986)
⑤(2) シークレット・スーパースター  9.39(101)
⑥(6) ハンター・キラー  9.37(3,445)
⑦(8) ディーター・ラムス  9.32(93)
⑧(-) 教会のお兄さん(韓国)  9.27(1,552)
⑨(7) This Changes Everything/これはすべてを変える  9.18(79)
⑩(5) おまえも俺も(韓国)  9.09(54)

 ①③の2作品が新登場です。
 ①「卒業」は、2018年11月の第44回ソウル独立映画祭で最優秀長編賞を受けた韓国のドキュメンタリー。原州(ウォンジュ)にある尚志(サンジ)大学校では、原州大学校を引き継いで創設された1974年以来長く学生たちによる学園民主化闘争が展開されてきました。この作品は、2009年当時当大学の学生として闘争に関わったパク・ジュフアン監督が闘争現場を撮り始めて以来、卒業していく先輩から後輩へと受け継がれていった10年間の闘争の記録をまとめたものです。とくに、異なる時期に理事長や教職員等を相手に闘った4人の若者を主軸に、韓国社会の10年を振り返りつつ、また多くの人々の知らなかったことも盛り込みんで、ラストは卒業式用の服を着て記念写真を撮ることになります・・・。原題は「졸업」です。
 ③「ディア・ファミリー 〜あなたを忘れない〜」は、アメリカのドラマ。ブリジット(ヒラリー・スワンク)に、シカゴの実家から認知症の母(ブライス・ダナー)が徘徊のため一時行方不明になったとの知らせを受けました。母はすぐ発見されましたが、ブリジットは娘を連れて実家に戻ってきます。そこには母に献身的に尽くしてきた父(ロバート・フォスター)と、自分の夢を諦めて両親の面倒をみてきた兄(マイケル・シャノン)がいて、母を老人ホームに入れるべきかをめぐって意見を異にしています。久々に集まった家族たちは、そんな深刻な問題を乗り越えて新しい関係を築いていこうとします・・・。韓国題は原題のままで「왓 데이 해드(What They Had)」。日本では一般公開はなく、ネット配信されているようです。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国)  9.06(16)
②(2) ハチドリ(韓国)  8.38(13)
③(-) モーリス 4K  8.00(5)
④(3) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド  7.90(10)
⑤(4) ブラッド・シンプル  7.75(4)
⑥(5) ストライキ前夜(韓国)  7.71(7)
⑦(6) ジョーカー  7.64(11)
⑧(7) キム君(韓国)  7.57(7)
⑨(-) ドクター・スリープ  7.50(2)
⑩(-) 台北ストーリー  7.40(5)

 ③⑨⑩の3作品が今回の新登場です。
 ③「モーリス 4K」は、「君の名前で僕を呼んで」のジェームズ・アイヴォリー監督の1987年の旧作で、日本でも88年に初公開された作品で、イギリスの文豪フォスターの原作による2人の青年の許されない同性愛を描いています。韓国では長く劇場公開されないままでしたが、今回4Kデジタル修復版が最初の公開時には実現しなかった無修正版として昨年日本、そして韓国でも公開に至りました。韓国題は「모리스」です。
 ⑨「ドクター・スリープ」については後述します。
 ⑩「台北ストーリー」は、秀作「牯嶺街少年殺人事件」のエドワード・ヤン監督の1985年の作品ですが、日本では2017年とずいぶん遅れて初公開となり、韓国ではようやく今回が初公開です。韓国題は「타이페이 스토리」です。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月8日(金)~11月10日(日) ★★★
           韓国のバイオレンス囲碁シリーズ第2弾「神の一手:鬼手編」が1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・上映館数
1(新)・・神の一手:鬼手編(韓国)・・・・・11/07・・・・・・・・・876,499 ・・・・・・1,070,975 ・・・・・・・・9,355・・・・・・1,246
2(1)・・ターミネーター・・・・・・・・・・・・・10/30 ・・・・・・・・・379,443・・・・・・2,060,363 ・・・・・・・17,247 ・・・・・・・995
       :ニュー・フェイト
3(2)・・82年生まれ、キム・ジヨン(韓国)・・10/23・・・・・・・342,574・・・・・・3,174,044 ・・・・・・・26,191・・・・・・1,013
4(11)・・アダムス・ファミリー・・・・・・・11/07 ・・・・・・・・・186,634 ・・・・・・・209,769 ・・・・・・・・1,697 ・・・・・・・802
5(3)・・天気の子(日本) ・・・・・・・・・・・・・10/30 ・・・・・・・・・・94,966 ・・・・・・・520,372 ・・・・・・・・4,299 ・・・・・・・479
6(新)・・ドクター・スリープ・・・・・・・・・11/07 ・・・・・・・・・・36,407 ・・・・・・・・46,344・・・・・・・・・・410 ・・・・・・・484
7(4)・・マレフィセント2・・・・・・・・・・・・10/17 ・・・・・・・・・・31,439・・・・・・1,432,025 ・・・・・・・12,087 ・・・・・・・260
8(5)・・ジョーカー・・・・・・・・・・・・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・・22,013・・・・・・5,223,196 ・・・・・・・45,170 ・・・・・・・207
9(6)・・いちばん普通の恋愛(韓国)・・・・10/02・・・・・・・・・・12,315・・・・・・2,918,538 ・・・・・・・24,848 ・・・・・・・176
10(67)・・ブラックマネー(韓国)・・・・・・11/13・・・・・・・・・・・5,517 ・・・・・・・・32,690・・・・・・・・・・284 ・・・・・・・・29
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・4・6・10位の4作品です。
 1位「神の一手:鬼手編」は、チョン・ウソン主演の前作「神の一手」(2014)同様囲碁をめぐる韓国の犯罪&アクション。今回の主演はクォン・サンウです。囲碁で全てを失った少年グィス(クォン・サンウ)は、唯一の頼りだった師匠のホ・イルド(キム・ソンギュン)までも失って、ただ一人生き残り、この世の中に復讐を誓います。そんな彼の運命を決する場は神の遊び場すなわち自分を死地に追いやった冷酷な碁盤。そこに飛び込んだグィスは全国を回って鬼のような碁を打つ者たちとの対決を展開しますが、死活をかけた対決で彼ははたして<神の一手>を打つことができるでしょうか・・・。原題は「신의 한 수: 귀수편」です。
 4位「アダムス・ファミリー」は、元々は1925年から刊行されているザ・ニューヨーカー誌掲載の漫画家チャールズ・アダムスによる漫画が起源というホラー・コメディで、1991年に実写映画化された作品のアニメ版。いつもクールな変わり者の母モティシアからいたずら者の子供たちが自慢のお父さんゴメス、両親が知らないことがたくさんある少女ウェンズデー、爆発物の実験が趣味の末っ子パックスリーまで、フツーじゃないアダムスファミリーが普通の町に現れると、そんな家族たちを町の人々はモンスターとして追い立て始めます・・・。韓国題は「아담스 패밀리」。日本公開は年内とのことだったのですが、いつになるのかな?
 6位「ドクター・スリープ」は、スティーヴン・キングによる同名小説が原作のアメリカのホラー。あの「シャイニング」で描かれた惨劇から生還したダニーの40年後が語られます。日本でも11月29日公開ということで、公式サイトをはじめ諸情報がすでに発信されています。韓国題は「닥터 슬립」です。
 10位「ブラックマネー」は、韓国の犯罪&ドラマ。ソウル地検内で憚ることのない問題の検事として通っているヤン・ミンヒョク(チョ・ジヌン)は、自分が調査を担当した被疑者が自殺する事件が原因でたちまち崖っぷちに追い込まれます。濡れ衣を晴らすため内幕を探っていた彼は、被疑者が大韓銀行安値売却事件の重要証人だったことを知ります。根拠は疑問のファックス5枚。資産価値70兆ウォンの銀行が1兆7千億ウォンにこけていく希代の事件の前でヤン・ミンヒョク検事金融監督院、大手法律事務所、海外ファンド会社が入り組んだ 巨大な金融不正の実体と向き合うことになりますが・・・。原題は「블랙머니」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・ディア・ファミリー・・・・・・・・・・・11/07 ・・・・・・・・・1,533・・・・・・・・・・2,668 ・・・・・・・・・・21 ・・・・・・・・・・42
       〜あなたを忘れない〜
2(新)・・台北ストーリー・・・・・・・・・・・・・・11/07 ・・・・・・・・・1,188・・・・・・・・・・1,944 ・・・・・・・・・・16 ・・・・・・・・・・23
3(3)・・ボーダー 二つの世界 ・・・・・・・・・・10/24 ・・・・・・・・・1,140・・・・・・・・・14,651 ・・・・・・・・・121 ・・・・・・・・・・30
4(4)・・ハチドリ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・・・899・・・・・・・・136,452・・・・・・・・1,113 ・・・・・・・・・・15
5(新)・・ダクラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/07・・・・・・・・・・・414 ・・・・・・・・・・・936 ・・・・・・・・・・・8 ・・・・・・・・・・26

 1位と5位の2作品が初登場です。
 1位「ディア・ファミリー 〜あなたを忘れない〜」については上述しました。
 5位「ダクラ」(仮)は、めずらしいチュニジアのホラー。ジャーナリズムの学生であるヤスミンと彼女のクラスメートの男性ワリドとビラルの計3人は、モンギアという女性が関わっている25年前の未解決事件を調査しています。モンギアは殺害された女性を発見した魔法使いの疑いが持たれて魔女と呼ばれ、現在は投獄されています。事件の秘密を明らかにするために3人は彼女が住んでいた村を訪ねて行きますが、知る人もなく地図にも出ていないその村の名はダクラ。不気味なオーラとひんやりした沈黙だけ立ち込めています。村長は彼らを一晩泊まるように誘いますが、ヤスミンたちはダクラの深い秘密に巻き込まれていきます・・・。え、この人食い村(??)にまつわるおぞましい物語が実話に基づいているんですと? 韓国題は「더 빌리지(ザ・ヴィレッジ)」。評論家2人が「「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を連想させる」と書いていました。日本公開は未定のようですが、ちょっと観てみたいような・・・。
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戦国時代の歌謡集『閑吟集』の魅力

2019-11-11 23:48:10 | エッセイ・雑文(韓国・朝鮮関係以外)
戦国時代の歌謡集『閑吟集』の魅力
     = 自分本位の仮想授業記録 =

 さあ、授業を始めるよー、席についてね。
 えーと、今日のテーマは戦国時代の歌謡ということで、『閑吟集』という歌謡集の中から作品をピックアップして見てみます。あ、〇〇君、「えーと」の数を数えるの、やめようね。
 さてと。作品といっても、今で言えば歌謡曲ね。だけど皆さん、音楽の授業で歌謡曲やったことある? そう、ないでしょ。なんでかというと、低俗な文化と見られているから。そういうものは学問・教育の対象としてふさわしくない、ということですよ、たぶん。歌謡曲にもじんとくる歌詞が一杯あるのにねー。「♪夜が冷たい 心が寒い」とか、って知らないか・・・。君たちのお父さんお母さんだったら『神田川』とか『天城越え』とかカラオケで歌ったりしてない? 他にもいろいろ・・・なんて言ってたらキリがないか。
 国語の教科書も大体音楽と一緒で通俗的なものはほとんど載ってません。たとえば落語とか、笑い話とかなぞなぞとか・・・。それに言葉あそび。地口って知ってる? 「その手は桑名の焼きはまぐり」とか言わない?・・・か。そうかそうか草加せんべい。
 で、国語で教わる歌集の系譜は『万葉集』『古今集』『新古今集』だよね。万葉以前にも『古事記』や『日本書紀』に俗謡っぽい歌がありますがね、「記紀歌謡」と言って・・・。
 『万葉集』には東歌・防人歌といった民衆の歌もあったというのは習ったね。それが平安時代以降になると和歌は貴族の文芸として、それも個人に属する表現様式として文学的に洗練されていきます。前に授業でやった藤原定家なんてホントにたいしたものですねー。
 では、その平安以降貴族じゃないフツーの人たちは歌と無縁だったかというと全然そうじゃないです。お百姓さんは田植え歌を歌ったり、祭の時にも歌は当然歌われたり・・・。そして旅回りの芸人なんかもいました。大体、洋の東西を問わず同じようなものじゃないですかねー。

 さて、やっと本題。『閑吟集』ですが、読みは「かんぎんしゅう」ね。「忙中閑あり」の「かん」。ヒマな時に歌う、といった意味かな。一五一八年成立っていうから、今から五百年くらい前ですね。応仁の乱が終わってからちょうど四十年後。秀吉の天下統一まで約五十年だから、戦国時代の真っただ中ですよ。これ、肝心!
 じゃ、最初の歌から。

 あまり言葉のかけたさに、あれ見さいなう、空行く雲の速さよ

 若い女性が、心ひそかに好意を持っている彼氏と一緒に歩いていると思ってください。二人きりか、もしかしたら何人か連れ立ってるかもしれません。
 彼女は、何か彼に話しかけたい。ところが話題が思いつかないんです。その時ふと目に留まったのが空の雲。それも、すごく速く風に流されて行くんですね。そこで思わず口をついて出た言葉が「あれごらんなさいよ、空を行く雲の早いこと!」。
 なんか微笑ましいですねー。恋愛初期の症状(?)をよく表してますね。僕が一番好きな小歌ですよ。あと紹介するのも全部自分好みね。それから、意味がわかりやすいこと。

 世間(よのなか)は霰(あられ)よなう 笹の葉の上の さらさらさつと 降るよなう

 この世はあられのようなものだ。笹の葉の上にさらさらさっと降っては過ぎてゆくなあ・・・。
 『閑吟集』の特色は、刹那的。そして感覚的。この小歌などはその典型ですね。あられも瞬時に消えて行くし・・・。「さらさらさっと」という擬態語が印象的ですね。なんだか、とても哀しい感じがしませんか?
 刹那的といえば「世間(よのなか)はちろりに過ぐる ちろりちろり」というのもありますよ。「ちろり」は、ほんの短い間。チラッと、という感じかな。こちらはなんとなくユーモラスですね。

 人は嘘にて暮らす世に なんぞよ 燕子(えんし)が実相を談じ顔なる

 なんせ戦国時代。下剋上の時代ですからねー。嘘がはびこる人間世界ですよ。そんな中で、梁だかに留まっている燕子(えんし)つまりツバメだけは真実を語り合っているようだ、というわけ。「嘘」の小歌は他にもありますよ。「梅花は雨に 柳絮(りゅうじょ)は風に 世はただ嘘に揉(も)まるる」。「柳絮(りゅうじょ)」は綿毛のついた柳の種。春に飛んでるのを見たことない?
 嘘もいろいろあって、政治家の嘘、商人の嘘、そして歌のネタでなんと言っても多いのが恋愛関係の嘘。だから今の歌謡曲にもずいぶん多いよね。「♪嘘と泪(なみだ)の しみついた どうせ私は 噂の女」なんて前川清も歌ってたねー。え、知らない? あ、そう。

 後影(うしろかげ)を見んとすれば 霧がなう 朝霧が

 これはもちろん後朝(きぬぎぬ)の歌ですね。なかにし礼作詞の「♪別れの朝~ふたりは~」という歌がありましたね。70年代初めか。その数年前に同じなかにし礼作詞で黛ジュンが歌ってヒットした「霧の彼方に」という歌がありましたが、そっちの方が合ってるかもね。「♪愛しながら別れた 二度と逢えぬ人よ 後姿さみしく 霧のかなたへ」というんですけどね。

 くすむ人は見られぬ 夢の夢の夢の世を 現顔(うつつがほ)して

 まじめくさった人なんて、見られたもんじゃない。夢の夢の夢のこの世の中を、さも冷めたような顔つきをして。
 「夢の」を三つも重ねちゃっていますよ。少なくとも、世の中をそう見る人にとってはまじめで分別くさい人は「見られたもんじゃない」となるわけです。うーむ、僕もそう言われそうだな、まじめだし・・・。あ、君なんで笑ってんの?
 では、どう生きればよいのかというと・・・。

 何せうぞ くすんで 一期(いちご)は夢よ ただ狂へ

 何になるのさ、まじめくさってみたところで。人の一生は夢さ。ただひたすら狂うことだよ。
 世の中をすごく否定的に捉えても、決して無常観に浸ったりしていませんね。逆に今という瞬間を懸命に生きようとしています。
 この「狂え」というのは必ずしも飲んで騒いでとかに限定しないで「風狂」と言った方がいいのかな。つまり「何か(風雅とか??)に徹する」といった意味が含まれていそう。
 この小歌は、『閑吟集』を代表する、いや、そればかりか、その当時の人々の感覚を象徴しているもののように思いますがどうでしょうかねー。

 むらあやでこもひよこたま

 なんかチンプンカンプンでしょ。これは逆から読むんです。「また今宵も来でやあらむ」。「彼氏はまた今夜も来ないのでしょうか?」です。これを逆にすることが彼氏が来るためのおまじないになるというわけ。そういう女性の俗信は昔からいろいろあったんですよ。小野小町の「いとせめて恋しきときはむばたまの夜の衣を返してぞ着る」という和歌は知ってるかな? 寝巻を裏返しに着ると恋しい彼の夢が見られるんですと。皆さん試してみたら? お母さんに見られたら「アンタ、どうしたの!?」ってなるから気をつけて。
 ひとつ前も夢の歌でしたが、皆さん、「はかない」って漢字書ける? にんべんに夢で儚い。漢字って深いなーってつくづく思うよ。
 夢の歌謡曲もいっぱいあるね。大瀧詠一の「夢で逢えたら」なんか名曲だよね。あれも歌謡曲って言っていいのかな?

 人買ひ舟は沖を漕ぐ とても売らるる身を ただ静かに漕げよ 船頭殿

 これはすごく気になっている小歌です。「どうせ売られてゆくこの身だから、せめて静かに漕いでください」という悲しい歌。人身売買で売られて行くこの女性が、これらの小歌を歌っている女性たちと重なるのですよ。人身売買というと、森鷗外の『山椒大夫』は読みましたか? あれも元は中世の話ですね。あの安寿と厨子王は地方の領主の荘園に奴隷として売られますが、芸人の女性もそういう人がけっこういたのでは、と思います。芸能人に対する差別はずっと昔からありました。歴史的に根の深い問題ですが、今はすっかりなくなったと皆さんは思いますか? この話は例の「慰安婦問題」にも絡んできそうですが、これ以上は今は措いておきます。少なくとも、いろんな事情で悲惨な境遇に生きてきた人を決して差別しないことです。

 えーと、今日は五百年という時代を超えて、もしかして現代の君たちにも直接通じるものがあるんじゃないかと思って戦国時代の小歌を紹介しましたが、どうだったかな?
 僕が残念なのは、どんなメロディで歌われたかよくわからないこと。伴奏楽器は尺八と、それから三味線は16世紀の後半頃からかなあ・・・。
 「歌は世につれ世は歌につれ」というけど、歌を中心にして歴史を見るのも楽しいよね、・・・と言いつつ、今回は個人的趣味に走って皆さんの知らない歌を歌ったりして悪かったですね。じゃ、おしまい。
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韓国内の映画 週末の興行成績 [11月1日(金)~11月3日(日)]と、人気順位 ►「宮本から君へ」の★1つは自分の老化現象に基因するかも?(笑)

2019-11-06 12:43:07 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸今年の<コリアン・シネマ・ウィーク>は、「ゴールデンスランバー」「また、春」「ロマン」の3作品鑑賞。今回は最初からこれはぜひ!という期待感がなく、結果的にもまあ一応観てみましたといったところ。周りの反応を見ると、韓国のネチズンの評価が高かった「ロマン」には「感動したわー」等の声も聞かれましたが、それはそれで納得。主人公のおじいさんが若かった頃に「自分のロマン=夢は仕事してお金を稼いで妻子を幸せにすること」と語ったことについて、「そんなの、人としてあたりまえのことじゃないの」との声も聞かれましたが、今の韓国のお年寄りが若かった頃の韓国の庶民の多くは高等教育も受けられず、女性は(おばあさんのように)読み書きができない人もふつうにいて、そんな人たちにとってはおじいさんのように長年誠実にタクシー運転手として働いて一家を養ってきたこと自体ロマンの実現だったと言い得るのでは、と私ヌルボは思いました。
 <東京国際映画祭>は今回はパス。しかし韓国映画「エウォン」は観ておくべきだったか、と少し後悔。

▸年を取ると耳が遠くなるのは当然として、大声も声が割れて聞こえるような感じで聞き取りにくくなっているのでは?とふと思ってググってみたら、①高い周波数が聞えない-高い音から聞こえなくなる の他に、②リクルートメント現象-小さい音は聞こえにくく、大きい音はうるさく感じる ③周波数分解能が落ちる-ぼやけた、割れた、歪んだ音に聞こえる ④時間分解能が落ちる-早口の声は、分かりにくくなる というのが<加齢性難聴の4つの特徴>として挙げられていました。皆当てはまることばかりです。とほほ。
 とくにそのように感じた作品が2日(土)初めての新宿バルト9で観た「宮本から君へ」。しかし、映画やドラマでは感情むき出しで怒鳴ったりする人がよく登場しますが、実際そんなにいるものでしょうか? 少なくとも私ヌルボの周りではそんな場面はめったにありません。この10年間で何かあったっけなー? 血をみるようなケンカはこの数十年(!)の間であったかどうか・・・。そんなわけで、ヌルボ思うに「怒鳴り声」と「流血沙汰」だけで相当な拒否感・嫌悪感があるようです。この作品は近所(横浜)での上映は行きませんでしたが、ネットでの評価が高いようなのでやっぱり観てみるかと足を運んだわけです。で、個人的な感想はやっぱり「自分には合わない」、評価は★1つでした。しかし8割以上の人が★5つか4つなんですよねー。憎い敵をボコボコにやっつけて「スッキリする」「スッキリしたい」人がそんなに多いのでしょうかねー・・・。

▸今年観た映画はすでに101本。すでに昨年の98本を上回り、過去最多の104本を超えるのも時間の問題。といっても、「天気の子」「事件記者」「主戦場」等々の話題作は未見。理由は単に「気が進まない」ということなんですけどねー・・・。
 ちなみに今後の鑑賞予定は、横浜シネマリンの「変態家族 兄貴の嫁さん」(今日午後だけ!)、「アートのお値段」、「春画と日本人」。シネマ・ジャック&ベティの「解放区」、「第三夫人と髪飾り」、「象は静かに座っている」はどうするかなー、「ブルーアワーにぶっ飛ばす」はシム・ウンギョンが出ているので。「家族を想うとき」はケン・ローチ監督にハズレなし。・・・と、ここらへんが年内の上映。
 韓国映画では、シネマヴェーラ渋谷の<生誕100年記念 異端の天才 キム・ギヨン>(→コチラ)特集の13作品中の10作品をまとめて観る予定。
 ということで、今年は合計130本程度になりそう?

         ★★★ NAVERの人気順位(11月5日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 私の歌は遠く遠く(韓国)  9.73(124)
②(6) シークレット・スーパースター  9.54(92)
③(4) 主戦場  9.50(982)
④(3) 今日も上、上(韓国)  9.47(152)
⑤(-) おまえも俺も(韓国)  9.45(44)
⑥(-) ハンター・キラー  9.37(3,439)
⑦(-) This Changes Everything/これはすべてを変える  9.35(31)
⑧(7) ディーター・ラムス  9.32(93)
⑨(9) ポロロ劇場版 宝島大冒険  9.28(2,466)
⑩(-) 今日、私たち(韓国)  9.28(18)

 ⑤⑦⑩の3作品が新登場です。⑥「ハンターキラー 潜航せよ」は韓国では昨年12月、日本では今年4月に公開されいます。
 ⑤「おまえも俺も」は、韓国のドラマ。晋州に暮らすミジョン(チャン・ヘジン)、キョンファン(テ・イノ)、ジェユン(イ・ガソプ)の3姉弟にある日1枚の手紙が届きます。送り主は17年前に家族を残して家を出て行ったお母さん。手紙には「会いたい」という一文だけぽつんと記されていました。お母さんが家を出て、兄だったスワンまで不意の事故でこの世を去った後、表には出さなかったものの各自が心の傷を抱えて生きてきた3姉弟。家族思いの長姉ミジョンは家を出た母を憎み、自分が弟たちの母親がわりとして生きてきました。写真師のキョンファンは慎重な性格で、姉と家族に疎遠な末っ子ジェユン、認知症を患う父まで取りまとめて自分が父親役を務めるという負担を抱えて暮らしています。作家のジェユンは家族と離れて暮らすと言えないこと悩みつつ、彼らと距離を置いて暮らしています。そんな3人が、突然舞い込んできた手紙に当惑しながらも、結局お母さんに会うため韓国の南の端晋州から手紙の発信地である北の端の坡州(パジュ)まで車に乗って向かうことになりますが・・・。原題は「니나 내나」です。
 ⑦「This Changes Everything/これはすべてを変える」(仮)は、ハリウッドのテレビ界・映画界での男女の格差を描いたアメリカのドキュメンタリー。これまでもしばしば大きな問題として捉えられていたさまざまな格差について、本作ではハリウッドで活躍するリース・ウィザースプーン、ナタリー・ポートマン、メリル・ストリープ等々の女優や、パティ・ジェンキンス等の監督等96人に取材し、また統計等を用いて、格差の現実を探りつつ、その原因を考察し、解決策を追求するというもの。韓国題は「우먼 인 할리우드」です。「82年生まれ、キム・ジヨン」の小説や映画が女性層の強い支持を得てヒットしている韓国での公開は当然として、日本での公開は今のところ未定なのかな? ぜひとも公開してほしいと思います。
 ⑩「今日、私たち」は、韓国のドラマ。愛も別れも難しいジウン(チョン・スジ)、自分のための1日を願うミンジョン(イ・サンヒ)、平凡な生活のために孤軍奮闘するスジン(チョ・ミンギョン)、理解しがたい状況に置かれたヘリ(ユン・ヘリ)とミニョン(イ・ミニョン)まで、昨日と今日、そして明日を生きている5人の女性たちを描いた4つの作品のオムニバス映画です。原題は「오늘, 우리」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国)  9.06(16)
②(2) ハチドリ(韓国)  8.38(13)
③(3) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド  7.90(10)
④(4) ブラッド・シンプル  7.75(4)
⑤(5) ストライキ前夜(韓国)  7.71(7)
⑥(6) ジョーカー  7.64(11)
⑦(8) キム君(韓国)  7.57(7)
⑧(9) 主戦場  7.33(6)
⑨(10) ボーダー 二つの世界  7.29(7)
⑩(-) EXIT(韓国)  7.23(13)

 今回の新登場はありません。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月1日(金)~11月3日(日) ★★★
           日本より9日早い公開 「ターミネーター:ニュー・フェイト」が1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・上映館数
1(45)・・ターミネーター・・・・・・・・・・・・10/30 ・・・・・・・・・937,689・・・・・・1,366,833 ・・・・・・・11,344・・・・・・1,315
       :ニュー・フェイト
2(1)・・82年生まれ、キム・ジヨン(韓国)・・10/23・・・・・・・682,361・・・・・・2,498,988 ・・・・・・・20,556・・・・・・1,272
3(42)・・天気の子(日本) ・・・・・・・・・・・・10/30 ・・・・・・・・・205,638 ・・・・・・・337,152 ・・・・・・・・2,734 ・・・・・・・621
4(2)・・マレフィセント2・・・・・・・・・・・・10/17 ・・・・・・・・・124,058・・・・・・1,364,891 ・・・・・・・11,537 ・・・・・・・578
5(3)・・ジョーカー・・・・・・・・・・・・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・・90,566・・・・・・5,164,445 ・・・・・・・44,673 ・・・・・・・529
6(4)・・いちばん普通の恋愛(韓国)・・・・10/02・・・・・・・・・・33,682・・・・・・2,885,662 ・・・・・・・24,637 ・・・・・・・320
7(新)・・死者の日 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/30・・・・・・・・・・25,757 ・・・・・・・・28,884・・・・・・・・・・225 ・・・・・・・336
8(新)・・北のノーム:王国への鍵 ・・・・10/30・・・・・・・・・・・9,587 ・・・・・・・・11,152・・・・・・・・・・・86 ・・・・・・・257
9(6)・・ビッグ・トリップ ・・・・・・・・・・・・10/23・・・・・・・・・・・4,780 ・・・・・・・・40,870・・・・・・・・・・317 ・・・・・・・・93
       :赤ちゃんパンダ配達大冒険
10(47)・・フレンドゾーン ・・・・・・・・・・・10/30・・・・・・・・・・・3,918 ・・・・・・・・12,184・・・・・・・・・・・94 ・・・・・・・・99
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・3・7・8・10位の5作品です。
 1位「ターミネーター:ニュー・フェイト」は、日本でも11月8日公開ということで諸情報が流されているので内容等の紹介は略します。韓国題は「터미네이터: 다크 페이트(ターミネーター:ダーク・フェイト)」で邦題とは少し違いますが、これは韓国の方が原題のままです。
 3位「天気の子」は、<NAVER映画>では日本製ということで15人に1人は最低の1点(10点満点)を付けている中で平均7.76点というのは健闘しているというべきか? 一方10点満点を付けた人は約半数です。この作品の韓国上映については、中央日報日本語版に「映画『天気の子』側「日本のコンテンツだから無視された…偏見は控えてほしい」」と題した興味深い記事があります。(→コチラ。) 韓国題は「날씨의 아이」です。
 7位「死者の日」(仮)は、メキシコのアニメ。原題の「Dia de Muertos」は<死者の日>のこと。年に一度だけ生きている人たちが亡くなった懐かしい人たちに会える日です。11月1・2日の両日ですが、10月31日の晩も前夜祭として祝われます。主人公の女の子ココは両親を探したくて祭壇を作りますが、おばあさんはなぜかココが両親を見つけられないようにします。おばあさんの意図がわからないココは両親を探すために禁止されている秘密の城に行って両親の秘密を知っている邪悪なモーレット教授と会いますが、そこは驚くべき神秘的な冒険が待っている死者の世界でした。はたしてココは懐かしい両親と出会えるでしょうか? 韓国題は「빅 위시(ビッグ・ウィッシュ)」です。「リメンバー・ミー」(2017)同様、ハロウィンに合わせて公開された・・・と思ったら、アチラは3月公開でしたね。
 8位「北のノーム:王国への鍵」(仮)は、2016年7月「빅(ビッグ)」というタイトルで韓国でも公開されたアメリカのアニメシリーズ「Norm of the North」の第2作で、原題「Norm of the North: Keys to the Kingdom」をそのまま訳して仮題としました。今作はインドとの合作です。北極を守り、新しい王になったホッキョクグマのビッグに、ニューヨーク市は万能の金の鍵を贈ります。
一方、その日の夕方、銀行の金庫が破られる事件が発生し、なんとビッグがその容疑者だという濡れ衣を着せられます。一瞬にしてビッグはヒーローから悪役になる危機に追い込まれてしまいます。しかしビッグはかわいい北極三銃士のレミングスと自分を信じてくれるニューヨーク市の友人がついています。はたしてビッグは濡れ衣を晴らして真犯人を見つけることができるでしょうか・・・。韓国題は「빅 2: 황금열쇠 대소동(ビッグ2:黄金の鍵 大騒動」です。
 10位「フレンドゾーン」は、タイのロマンティック・コメディ。高校生男子のパーム(ナパット・シアンソムブン)と女子のギン(ピムチャノック・ルーウィセートパイプーン)は同じ高校に通っています。ある日父に車で送られて登校したギンは授業を受けず、待っていたパームの車に乗って父の車を尾行し、ギンの父が空港からチャンマイまで飛び立つと2人も後を追ってチェンマイへ。そしてパームはギンの父が浮気していることを知ってしまいます。ギンもまたパームの気遣いからそのことに気がついてしまいます。帰りの飛行機の中で、パームはギンを慰めますが、さらにギンに愛していると言うと、ギンが「どんな愛なの?」と問うと、パームは成り行きで(笑)「恋人同士の愛には終わりが来るが友人同士の愛には終わりがない」と言ってしまい、その時点からパームは本心とは裏腹に<フレンドゾーン>にはまってしまいます。以後、彼も彼女もそれなりの恋愛っぽいエピソードを経ながらも、友人という立場を越えてギンの恋人になりたいというパームの思いは変わらず、そして10年も経ってしまいます・・・。韓国題は「프렌드 존」。この映画、今年2月にタイで公開されて以来アジア諸国でもヒットしているようですね。日本でも公開されるといいのですが、今のところ未定のようです。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(11)・・フレンドゾーン・・・・・・・・・・・・・・10/30 ・・・・・・・・・3,918・・・・・・・・・12,184 ・・・・・・・・・・94 ・・・・・・・・・・99
2(3)・・ボーダー 二つの世界 ・・・・・・・・・・10/24 ・・・・・・・・・2,288・・・・・・・・・11,623 ・・・・・・・・・・96 ・・・・・・・・・・37
3(4)・・ハチドリ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・・・937・・・・・・・・134,846・・・・・・・・1,100 ・・・・・・・・・・17
4(8)・・ナマズ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/26・・・・・・・・・・・839・・・・・・・・・36,847 ・・・・・・・・・311 ・・・・・・・・・・16
5(新)・・おまえも俺も(韓国) ・・・・・・・・・・10/24・・・・・・・・・・・717・・・・・・・・・・1,990 ・・・・・・・・・・15 ・・・・・・・・・・51

 1位「フレンドゾーン」と、5位「おまえも俺も」の2作品が新登場ですが、いずれについても上述しました。
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