ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

1年の総括

2009-12-31 23:56:30 | お知らせ、その他いろいろ
 私ヌルボ、現在カタチの上では日本人の定番となってきた、紅白を見ながら年越し蕎麦を食べて、ミカンを食べて、という大晦日にはなっていますが、大晦日だ、新年だといっても、私ヌルボはこのところとりたてて感懐といったものはありません。
 <ハレ>と<ケ>の境がだんだんいいかげんになってきているようですね。とくにヌルボの場合いいかげんの典型です。

 しかし、一応2009年の自分自身と韓国のかかわりについて総括するという意味で、<ヌルボと韓国 2009年5つの収穫>というのを数え上げてみました。

①8月にこのブログを開設した。
②初めて韓国語の小説(申京淑「オンマのために」)を読んだ。
③初めてKTXに乗った。
④初めて韓国の温泉地(儒城温泉)に行った。大田の国立中央科学館とか教育博物館とかも・・・。他にも、9月と12月の2度の韓国旅行で、いろんな所に行った。
⑤久しぶりに受けた韓国語能力試験で○級に合格した。

 エライな~、って自画自讃。まあブログ自体自己満足だから。ハハハのハ。
 しかし、裏を返せば上の5つは、

①ブログ作成の技術とか、まだわからないことは多いし、内容的にももっとオリジナリティを高めなければ・・・。
②小説がそんなにスラスラ読めるレベルでもない。まして映画やドラマがスイスイ聴き取れるようになるにはまだ何年かかるか・・・。(アタマがボケる方が早かったりして・・・)
③④韓国内で行っていない所はいっぱいある。とくに地方。
⑤ハングル検定も韓能も、まだ上がある。

 ・・・ということで、それほど自己満足にひたれるレベルではありません。

 ・・・ということで、来年につなげることにしましょう。
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「カン・プジャ、コ・ソヨンの世の中はいやだ!」って、何のこと?

2009-12-31 00:29:06 | 韓国語あれこれ
 昨年の大晦日は、除夜の鐘を突く<打鍾式>が開かれた普信閣周辺でローソクデモ・集会が行われましたが、KBSが除夜の鐘を番組「行く年来る年」で中継する時、デモのようすや音声を入れないような<歪曲操作>をしてオンエアしたとの非難がありました。(<Innolife>の記事参照)

 今年もネット上で<集まろう! 普信閣へ!>というよびかけが載せられています。

 この記事によると、今年のKBSは除夜の鐘の生中継はしないそうです。

 ところで、私ヌルボの目にとまったのは、その記事の中で、よびかけポスターの写真の最上部に、<밥졸 끊기기 싫다!(飯の手づるを切るのはいやだ!)>に続けて記されている<강부자,고소영 세상이 싫다!(カン・プジャ、コ・ソヨンの世の中はいやだ!)>という文言。

 カン・プジャ(姜富子)は国会議員にもなった女優・タレント。コ・ソヨン(高素榮)は チャン・ドンゴンと熱愛中という人気スター。それがなんで? ・・・と疑問に思って調べてみたら、最近流行の新語だったんですね。

 じつは강부자(カン・プジャ)は高級住宅地の江南(カンナム.강남)に不動産(부동산)を持っている金持ち(プジャ.富子.부자)という意味でよく使われる言葉になっているということです。

 またコ・ソヨンは、高麗大(고려대)出身、ソマン(所望)教会(소망교회)の信徒、嶺南(ヨンナム.영남.慶尚道のこと)出身という李明博大統領の人脈をさす新語です。

 しかし、自分の名前が良くない意味で用いられる、その当人の気持ちはどんなもんでしょうね。カン・プジャさん自身<江南に住んでいる金持ち>だしねー。
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韓国の除夜の鐘 と 突く回数

2009-12-31 00:28:43 | 韓国・朝鮮関係の知識教養(歴史・地理・社会等)
 いよいよ大晦日です。
 大晦日といえば除夜の鐘です。

 除夜の鐘は煩悩の数すなわち108回打つのは日本の常識。

 なぜ108かというと、<四苦八苦>に由来しているという話はどれくらい一般的なんでしょうか?
 つまり、4×9と8×9を足すと108になるというわけです。
 ・・・と聞くと、な~るほど、と深く納得する人も多いようですが、私ヌルボは人柄自体は素直ですが、知識教養面では疑り深いので疑問に思っていました。

 韓国にも大晦日に除夜の鐘(제야의종)を突く習慣があって、ソウルでは普信閣の除夜の鐘が1953年以来恒例の行事になっています。
 <コネスト>の記事によると、「2005年からは市民のインターネット推薦によって選ばれた11名の各界の著名人が参加することでも毎年の話題となっています」とのことです。

 さて、その記事にもあるように突く回数は33回
 その理由は、植民地時代に独立運動に立ち上がった人の数だとか、観世音菩薩が衆生済度のために33に分身したことに由来するという説とか、33という数字は仏教で万物の根源とされることに由来するという説とか、時報として昔から33回打たれていたという説、国泰民安の考えに由来するという説等々、諸説紛々。

 ただ、韓国版のウィキでは、「元来は寺で鐘を108回鳴らす」とあります。ということは、日本だけではないのか~。

 またあるブログでは、次のような記事がありました。
 「人間には、六感(見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触る、思う)があり、(好む、嫌う、好きでも嫌いでもない)と(求める、避ける、どちらでもない)の6つの対処があって、これが過去、現在、未来の3つの時世で6×6×3=108。」

 ・・・う~む、なんなんだ~。結論はまだ不明。年を越えての宿題とします。
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韓国芸能界 2009年の10大ニュースをみる

2009-12-30 18:36:44 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 このプログ、いつも字数が多い(多すぎ?)ですが、今回は一段と長いです。カクゴして下さい。

 韓国芸能界 2009年10大ニュースをいくつかのサイトで見てみて、私ヌルボは気がつきましたよ。
 それは、芸能界ニュースの選び方、書き方は、<男性週刊誌型><女性週刊誌型>の2つに大別されるということ。
 <男性週刊誌型>は、芸能界のスキャンダル、犯罪・事件、金や商売がらみ等々、ダークなネタに重点をおくもので、<女性週刊誌型>はスターの動向、恋愛や結婚等の話題、ドラマや映画関係情報等々、ファンの興味・関心に応える内容が中心となります。

 主に見たのは次の3つの芸能界10大ニュースです。

・韓国の経済紙「Eトゥデイ」
・エンターテインメントに重点を置くインターネットメディア「マイデイリー」
「スポーツ朝鮮」紙

 3つの中で、「スポーツ朝鮮」は明らかに<女性週刊誌型>だと思いましたね。

 さて、3つのすべてにあげられているのが次の5つの出来事です。

★ドラマ「花より男子」出演の女優チャン・ジャヨンの自殺とそのリストの波紋。
 <性上納>とマネージャーの暴力によるストレスが原因。加担した者の名が記された<チャン・ジャヨンリスト>に芸能界緊張。
★人気グループ2PMのリーダージェボム(재범)の脱退騒動。
 アメリカ出身の彼が4年前「Korea is gay. I hate koreans」等と韓国の悪口をブログに書いたことが1ネチズンを通じて急速に拡散、公式謝罪にもかかわらず非難の世論が高まり、結局彼は2PMを脱退してアメリカに帰国した。思いとどまって、というファンの声や、非難に対する批判もあったが・・・。
★女優チャン・ジニョン(장진영)、映画のような生と死。
 1年あまりの胃癌との闘病生活の末9月に37歳の若さで世を去り、衝撃を与えた。とくに彼女の出演作「菊花の香り」の主人公のように胃癌との闘病の中でも愛を分かちながら逝った事実が知られると、さらにファンたちの心を打った。
 故人の夫キム・ヨンギュンさんは最近彼女との思い出を綴った本「あなたに送る最後の贈り物」を発刊した。
★東方神起の<奴隷契約(노예계약)>論議。
 メンバー中3人が、所属するSMエンタテインメント社を相手に専属契約効力停止処分を求めた。過去13年間、収益配分等で適正な待遇を受けていないとの主張。3ヵ月間の法廷攻防の末、専属契約は無効とされ、東方神起は<奴隷契約>の抑圧から解放された。
★チャン・ドンゴンとコ・ソヨン、最強のトップスターカップルが誕生。
 11月、<元祖花美男.원조 꽃미남>俳優チャン・ドンゴンと90年代最高の人気スターコ・ソヨンの熱愛のうわさが伝えられた。1999年映画「恋風恋歌(연풍연가)」での出会いが契機に。ネチズンたちも「お祝いの気持ちを惜しみません」との反応。

 なお、「スポーツ朝鮮」はチャン・ドンゴンとコ・ソヨンだけでなく、他の2カップルもあげています。

★チェ・ジウとイ・ジヌク、ヒョン・ビンとソン・ヘギョ、チャン・ドンゴンとコ・ソヨンの熱愛。
 チェ・ジウと軍服務中のイ・ジヌクは仁寺洞で手をつないで歩いている場面がキャッチされた。ヒョン・ビンとソン・ヘギョは昨年のKBS2ミニシリーズ「彼らが生きる世界」の共演がきっかけ。

 以下の項目は2つの10大ニュースでランクイン

★チェ・ジンシル遺骨盗難事件。
 窃盗犯は10日後検挙。遺骨箱は56日ぶりに再安置された。
★タレント、イ・クァンギの息子、新型インフルで死亡。
 7歳とのことです。詳細は<中央日報>の記事参照。
★チョン・ジヒョン携帯電話複製事件。
 人気女優チョン・ジヒョンの所属会社役員が私生活を監視するために携帯電話を複製、メールを盗んで見た事件。2人に執行猶予2年に社会奉仕80時間が命じられた。

 以下は1つの10大ニュースにだけ入っているものです。

 まず「Eトゥデイ」にだけ入っている項目。
★男性俳優が注目される。
 最高視聴率34.8%を記録したドラマ「花より男子」は10~20代の支持を得て、<花男シンドローム꽃남신드롬>を起こした。出演したイ・ミンホ(이민호)、キム・ヒョンジュン(김현중)、キム・ボム(김범)、キム・ジュン(김준)等はその後も映画・ドラマ・CM等で活躍している。
 MBCのドラマ「僕の妻はスーパーウーマン(原題:内助の女王.내조의 여왕)」に出演したユン・サンヒョン(윤상현)は30~40代のアジュマたちの人気を集め、<美中年熱風>の主人公となった。
 SBSのドラマ「華麗なる遺産(原題:燦爛たる遺産.찬란한 유산)で気ままな放浪児を演じたイ・スンギは多様な年齢層にアピールし、43.4%という高視聴率を記録して<国民歌手>から<国民俳優>へ。
★映画「海雲台(ヘウンデ.해운대)が観客1千万人を突破。
 超巨大津波の恐怖を描いた映画「海雲台」が「グエムル 漢江の怪物」以来3年ぶりに観客1千万人を突破。
※「グエムル 漢江の怪物」(1,301万人)、「王の男」(1,230万人)「ブラザー・フッド」(1,174万人)「シルミド」(1,108万人)に続く5本目の大台突破です。
★人気グループスーパージュニアのカンイン、1ヵ月の間に暴行と飲酒運転の衝撃。
 9月16日に江南の酒店で他の客とのイザコザで暴力行為に処されたカンイン、1ヵ月後には飲酒運転中タクシーと衝突、警察に自首した。
★歌手ピ、ハリウッド映画「忍者アサシン」で主演し話題に。
 封切初日にアメリカで4位、韓国で1位を記録したこの映画は、興行的にも成功裏にスタート。ピは次作品もハリウッドでと明らかにし、関心を集めている。
★<ガールグループ>が占領した歌謡界。
 少女時代、ワンダーガールズをはじめとしてガールグループが爆発的人気を集めた。少女時代が「ジー(Gee)」と「望みを言って(소원을 말해봐)」の連続ヒットでブームをリード。
 「プリティガール」でハツラツとした姿をみせたカラは、「ミスター」では<お尻踊り>で多くの男性を夢中にさせた。2NE1(トゥ エニーワン)は「ファイア」、「ドント・アイ・ケア」で連続チャート1位。
 ブラウンアイド・ガールズは「アブラカダブラ」がヒット。<ナマイキ踊り(?시건방춤)>も注目された。

 次に「マイデイリー」だけに入っている項目。
★独立映画「牛の鈴音(ウォナンソリ)」症候群。
 現在日本で上映中で、ネット上でも諸情報が載っています。
★美女たちのおしゃべり<ルーザー>発言波紋。
 ある番組である女子大生が「180センチ以下の男性はルーザー(loser)」と言って「韓国のほとんどの男性を敵に回した」というもの。彼女と番組側は謝罪したが、「精神的な被害を蒙った」としてKBSと彼女に対し賠償金を請求する人まで出た。
 詳細は私ヌルボが愛読している<アン・ヨンヒの韓国レポート>を参照されたし。

 次に「スポーツ朝鮮」だけに載っている項目。
★トップスターの結婚=ソル・ギョングとソン・ユナ、そしてイ・ヨンエ。
 ソル・ギョングとソン・ユナは2002年映画「光復節特使」で出会い、今年5月28日結婚した。
★イ・ビョンホン、前の彼女と真実をめぐる争い。
 目下いろいろつたえられていますが・・・。これについても先に紹介した<アン・ヨンヒの韓国レポート>で取り上げていました。

 皆さんは、これまで出てきた固有名詞をどれくらいご存知でしょうか?
 ヌルボは、映画◎、歌○、ドラマ×というのが自己評価。来年はドラマに強くならなくっちゃ・・・(しかし、ドラマは時間を食うからなあ。・・・って、もう言い訳が始まっている・・・。)
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2009年 韓国の10大ニュースをみる

2009-12-29 22:26:58 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 すでに各新聞やサイト等で発表されている2009年韓国の10大ニュースをいくつか見てみました。

 まず、それらに共通してリストアップされているのは次の4項目。

★盧武鉉前大統領の投身自殺。
★金大中元大統領の逝去。
★世宗市建設計画の修正をめぐり論戦。国論分裂の様相。
★龍山の再開発地域の立ち退きめぐる住民と警察の衝突で6人が死亡。原因をめぐる争いが続き、補償問題難航。


 衝撃的な死亡報道では、2人の大統領経験者の他に、金寿煥(キム・スファン)枢機卿の逝去も韓国の人々にとって大きな悲しみでした。
 世宗市建設計画の修正には与党ハンナラ党の朴槿恵元代表は反対。4大河川事業問題とともにしばらく紛糾は続きそう。

※12月31日午前2時の追記。昨日の連合ニュースによると、「龍山惨事、345日ぶりに解決…1月9日に葬儀」とのことです。「鄭総理が<遺憾の意>を表し、再開発組合が費用を負担して葬儀を行い」、また「ともに民事・刑事上の責任を問わず、葬儀とともに事業進行に協調する」等の内容で「劇的に妥結した」ということです。

 さらに、次の3項目も多く入れられています。

★北朝鮮によるミサイル(長距離ロケット??)発射と、2回目の核実験。
★女性10人を犠牲にした連続殺人犯カン・ホスンを逮捕。1審と2審で死刑を言い渡されると、上告を断念。
 また2008年12月女児に暴行したチョ・ドゥスンに大法院(最高裁)は懲役12年の判決を下したが、これ対し軽すぎると非難、重罰を求める世論が形成された。
★G20金融サミット(頂上会議.정상회의)が2010年に韓国で開催。


 G20の開催地となったことは、たとえば「ソウル新聞」では<国格ぐぐっと.국격 우뚝>というように形容され、記者自身の誇らしい気分が伝わってきます。

 上記以外で、以下の項目もメディアによりリストアップされていました。

[政治関係]
★メディア法国会通過。
★北朝鮮が次期後継者にキム・ジョンウン(金正銀?)氏内定。
★北朝鮮、NLL侵犯衝突…南<大青海戦>勝利。


 李明博大統領は、敵対するメディア(放送とかネット関係)の規制や、集会等の規制をロコツに進めているようです。

[スポーツ・芸能関係]
★フィギュアの金姸兒(キム・ヨナ)が連続優勝と新記録。
★南ア共和国(ナマコン.남아공)ワールドカップ、史上初南北同伴進出。
★芸能界(연예계)<性上納>波紋、相次いだ自殺の衝撃。


 キム・ヨナの韓国での人気はすごいですね。浅田真央が勝った時の日本国民の喜びようとはケタが全然違います。

[その他]
★新型インフルエンザ感染が拡大。
★ナロ号軌道進入失敗。<半分は成功>と言ってますが・・・。


 「韓国語ジャーナル」の最新号(31号)では、上記の項目とダブるもの以外に次の項目をあげていました。

★地下鉄9号線開通。
★許浚「東医宝鑑」世界記録遺産に登載。
★韓国とEU、FTAを事実上妥結。
★6省庁を内閣改造。ソウル大学総長鄭雲燦が総理に。
★キム☆ヨナをモデルに起用したサムスン電子の携帯「ヨナのハップティック(햅틱)」が最短期間☆最多販売の新記録。2ヵ月で45万台。
★WBCで準優勝、プロ野球人気爆発。
★梁容銀(ヤン・ヨンウン)、メジャーゴルフ大会でタイガー・ウッズを破り韓国人で初めて優勝。
★北朝鮮、通報なしに臨津江のダム放流、6人死亡。
★北朝鮮に初のファストフード店オープン。

  ※北朝鮮ではファーストフード店を<速成飲食センター>、ハンバーガーを<牛挽肉とパン.다진 쇠고기와 빵>というそうです。

 日本の韓国ファンの関心も高い韓国芸能界2009年の10大ニュースについては明日記事にします。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[12月25日(金)~27日(日)]

2009-12-29 21:35:35 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 日本アカデミー賞の優秀主演女優賞に、「空気人形」のペ・ドゥナが外国人俳優として初めて選ばれました。他に受賞した綾瀬はるか、広末涼子、松たか子、宮崎あおいと最優秀主演女優賞を争うことになります。
 なかなか俳優の顔とか、韓国人の場合は名前もなかなか覚えられない私ヌルボですが、ペ・ドゥナは最初に観た「ほえる犬は噛まない」で強く印象づけられ、以後も5作ばかり観てきました。「空気人形」は未見ですが、最優秀の可能性も高いのではないかと思われます。
 そういえば、カクチョー高い文芸誌「ユリイカ」が、10月臨時増刊号でペ・ドゥナを総特集してましたね。買ってないけど・・・。

   ★★★ Daumの人気順位(12月29日現在上映中映画)★★★ 
                   (順位:映画名:評点:投票者数)


【ネチズンによる順位】

①The Cove 悲しいイルカの真実  9.6(54)
②劇場版・ポケットモンスター DP 超克の時空へ(日本) 9.5(23)
③アバター  9.4 (2361)
④旅人(韓・仏)  9.3(45)
⑤パラム(韓国)  9.3(236)
⑥エヴァンゲリオン:破(日本)  9.2(104)
⑦愛のあとに残されたもの  9.2 (37)
⑧ジュリーとジュリア  8.8(33)
⑨耳のないウサギ  8.6(64)
⑩ホンギルドンの後裔  8.5(518)

 ①は再登場。ちょっと前の「週刊金曜日」で「日本でも上映すべきだ」という記事がありました。私ヌルボも理論的には上映には賛成ですがねー・・・。韓国には蔚山に鯨博物館があって、開館4年で入場者100万人突破だそうですが、映画の感想はどうなんでしょうね。今度見ておきます。
 ②、「ポケモン」は韓国でも人気ですねー。しかし<超克>なんて言葉、知らない高校生はザラですよ。

【専門家による順位】

①アバター  9.2 (7)
②エヴァンゲリオン:破  8.5(2)
③アルジェの戦い  8.1 (5)
④ファンタスティックMr.フォックス  7.6 (6)
⑤私は幸せです(韓国)  7.5 (4)
⑥大いなる静寂(スイス・独・仏)  7.5 (2)
⑦愛のあとに残されたもの  7.4 (5)
⑧パジュ(韓国)  7.2 (7)
⑨告発のとき  7.1(6)
⑩ムーン  7.0(5)

 唯一の初登場④は、私ヌルボも好きなロアルド・ダールの児童小説「すばらしき父さん狐」の映画化。ストップモーションアニメなのに、ジョージ・クルーニーとかメリル・ストリープが声の出演とか。これは観なくっちゃ! 日本公開はいつ? 来年何月かも未定ですか? 映画甘口案内>というサイトにトレーラーがありました。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[12月25日(金)~27日(日)] ★★★
        カン・ドンウォン主演の「チョン・ウチ(田禹治)伝」が出足快調

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数・・・・・・累計観客動員数・・・・上映館数
1・・アバター ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/17・・・・・・1,579,090・・・・・・・・・・・・・・・4,201,791・・・・・・・・831
2・・チョン・ウチ(田禹治)伝(韓)・・12/23・・・・・・1,277,571・・・・・・・・・・・・・・・1,780,786・・・・・・・・683
3・・シャーロック・ホームズ・・・・・12/23・・・・・・・・588,506・・・・・・・・・・・・・・・・・799,141・・・・・・・・409
4・・Dr.パルナサスの鏡・・・・・・・・12/23・・・・・・・・230,151・・・・・・・・・・・・・・・・・332,849・・・・・・・・345
5・・劇場版・ポケットモンスター・・12/24・・・・・・・・124,905・・・・・・・・・・・・・・・・151,031・・・・・・・・・85
     DP超克の時空へ(日)
6・・模範市民・・・・・・・・・・・・・・・・・12/10・・・・・・・・・・36,945・・・・・・・・・・・・・・・・787,277・・・・・・・・206
7・・ニュームーン/トワイライト・サーガ・・12/02・・・・25,284・・・・・・・・・・・・・・1,923,315・・・・・・・・113
8・・アルビン 歌うシマリス3兄弟・・12/30・・・・・・・25,122・・・・・・・・・・・・・・・・・25,122・・・・・・・・360
9・・2012・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/12・・・・・・・・・18,374・・・・・・・・・・・・・・5,374,458・・・・・・・・・49
10・・劇場版・炎神戦隊・・・・・・・・・・01/07・・・・・・・・15,421・・・・・・・・・・・・・・・・・15,421・・・・・・・・・74
     ゴーオンジャーVSゲキレンジャー(日)

 新登場が6作品もあります。
 1位「アバター」、依然好調で、もう400万人突破。
 2位、カン・ドンウォン主演のファンタジー・アクション。汚名を着せられ掛け軸に閉じ込められた朝鮮時代のチョン・ウチが、500年後の現在、封印から解き放たれ、妖怪と戦う活躍ぶりを描いた映画。古典英雄小説「チョン・ウチ伝」をモチーフに現代を背景にリメーク。出足快調の報道
 3位、アメリカの公開(12月25日)より早いの!? 日本じゃ3月らしいのに。ま、よくあること。
 4位は「12モンキーズ」等のテリー・ギリアム監督によるファンタジー。撮影中に主役のヒース・レジャー(「ダークナイト」は凄かった!)が急逝したが、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人がその後を受け継ぎ、撮影が再開された。日本公開は1月23日。
 5位と10位、日本映画の売れ筋はこのセンですか?
 8位は往年の人気アニメの実写版コメディ。
 8位、10位、公開前なのにもう数字が出ているのはなぜ? 一部先行上映?
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2009年の映画 ヌルボのベストテン

2009-12-28 17:29:01 | 韓国映画(&その他の映画)
 26日に見逃していた「沈まぬ太陽」を観て、私ヌルボの今年の映画鑑賞は打ち止め。
 1年間で52本観ました。2007年は60本(うち韓国映画14本)、2008年は50本(韓国映画7本)、今年は52本中韓国映画11本、北朝鮮映画7本(7月シネマ・ジャックで集中的に観た)。

 一応、まったく個人的な今年のベストテンを並べてみました。参考に、昨年と一昨年のリストもあげておきます。
 3年とも、1位は動きませんが、2~5位あたりはビミョー。
 今年は韓国映画が5本もランクイン。しかし、これは他の話題作をあまり観ていないということもあるかも・・・。

※観てない主な映画は次のとおり。「愛のむきだし」「ヴィヨンの妻」「空気人形」「サマーウォーズ」「アニエスの浜辺」「バーダー・マインホフ 理想の果てに」「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」「愛を読むひと」「イングロリアス・バスターズ」等。
 とくに今年は「時間がある時には観たい映画をやっていない」という<マーフィーの法則>を何度も痛感しました。


 韓国映画について。「ディア・ピョンヤン」「妻が結婚した」「木浦は港だ」についてはこのブログでコメントしました。

 ポン・ジュノ監督の話題作「母なる証明」はずっしり重たい映画です。キネマ旬報社が今月22日発行した「オールタイム・ベスト 世界遺産200 外国映画篇」でも、何人かがこの作品を<オールタイム・ベスト>の10本中にあげていました。
 ・・・が、私ヌルボの感想は、「何とも言いがたい」です。サスペンスとして見ると「殺人の追憶」の方が軸が明確だし、娯楽(+α)という観点からはもちろん「グエムル 漢江の怪物」だし、共感性なら「ほえる犬は噛まない」だし・・・、その点この作品の基軸は<母のこわさ>ということなんでしょうが、そのこと自体に個人的についていけなかった、ということかもしれません。
 とはいうものの、ポン・ジュノ監督はクリント・イーストウッド同様<はずれのない監督>という評価は変わりません。
 「妻が結婚した」の方を上にしましたが、これは原作の力が大きく(あ、ソン・イェジンの力も・・・)、映画自体のパワーでいえば「母なる証明」が上でしょう。

赤色は韓国映画または韓国・北朝鮮に関係する映画です。

[2009年]
①グラン・トリノ
ディア・ピョンヤン(日)
妻が結婚した
母なる証明
チェイサー
⑥チェンジリング
⑦劔岳 点の記(日)
⑧チョコレート・ファイター
⑨戦場のワルツ
牛の鈴音
次点:ディア・ドクター(日)、木浦は港だ

[2008年]①ダークナイト②パコと魔法の絵本(日)③ウリハッキョ(日)④休暇(日)⑤シークレット・サンシャイン⑥ラスト・コーション⑦接吻(日)⑧おくりびと(日)⑨闇の子供たち(日)⑩火垂るの墓・実写版(日)

[2007年]①世界最速のインディアン②パンズ・ラビリンス③キサラギ(日)④ドリームガールズ⑤それでも僕はやっていない(日)⑥夕凪の街 桜の国(日)⑦幸福(しあわせ)のスイッチ(日)⑧檸檬の頃(日)⑨幸福(こうふく)の食卓(日)⑩私たちの幸せな時間
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古書市で、韓国関係の本をあさる

2009-12-27 15:27:15 | 韓国・朝鮮に関係のある本
 新宿の京王百貨店で開かれている歳末古書市に行ってきました。
 今までにも何度か行ったことはありましたが、初日(26日)は初めて。やっぱり込んでましたねー。

 古書展の目録を見る度に、世の中にはいろんな本があるものだなあとつくづく思います。「正信念仏偈の教相」(4,500円)とか「志斐語附録」(21,000円)とか「腹證奇覽翼」(5,250円)とか・・・。

 また古書展に行くと、世の中にはそんなワケもわからない本を買おうという人が予想外に多いことに驚きます。
 まあ、考えてみれば自分もその一人になってるんですがね。

 目録中の朝鮮韓国関係の本をピック・アップすると、高価なものでは保高正記・村松祐之「群山開港史」(1925.50,000円)、東大東洋文化研究所「朝鮮研究文献目録」(1970.50,000円)、朝鮮総督府鉄道局「朝鮮鉄道史第1巻」(1937.40,000円)。
 う~む、「群山開港史」なんてどういう人が購入するんでしょうね。中身だけちょいと見てみたいです。
 見てみたいといえば、高くはないけど咸興府「咸興府勢一班」(1937.1,575円)というのもあります。しかし古書の値段なんてどういうふうにつけられるのか・・・。

 金奉鉉「朝鮮民謡史」(1990.8,000円)は1200円だったら見ないで買うんだけど・・・。

 目録を見て注文したのが朝鮮モノ以外も含めて4冊。
 その中で、迷いぬいて結局は年末ジャンボにあたることを念じて注文したのが薬師寺知「韓語研究法」(1909.5,000円)。日韓併合の前年に、朝鮮語の研究とかがどんなものだったか、(ホントはそれ以上に半島に渡った日本人の言語状況がどんなものだったか)興味があったもので・・・。
 ま、結果は抽選に外れてある意味ホッとしたんですけどね。

     

 抽選で当たった本が金素雲「朝鮮史譚」(1943.上の写真)。岩波文庫「朝鮮詩集」等の訳者。(というより独自の金素雲節の作品になってる。) 私生活面でもいろんなエピソードのある人。戦時中にどんな本を書いてたのかな、という興味から。
 内容を見ると、高麗の建国から李朝末期の大院君の時代までを、テーマごとに読みやすい物語にまとめてあります。
 最後の一文は以下の通り。

 「大院君去り、李太王の親政となるに及んで、再び李朝は閔妃一族による外戚専権時代を現出したが、これより歴史は急速に進展して、「日韓合体」の新たなる歴史の朝を迎へるために半島は数々の貴い陣痛の(ママ)経験したのである。」

 当日の会場で入手した村松武司「朝鮮植民者」(1972.三省堂.絶版)はこの日一番の収穫でした。著者は1924年ソウル生まれ。母方の祖父を主人公に朝鮮への植民者の姿と明治期からの朝鮮の姿を描くとともに、自身の朝鮮からの引き揚げや、金石範・小林勝等の小説にまで筆が及んでいます。読了したら記事にします。

 当日、1,500円で安いかなと思い衝動買いしてしまったのは「小學外國地誌」(1900.下の写真)。後でネット古書店で見たら800円だって? とほほ・・・。
 国定教科書制になる直前の小学校の教科書です。(日韓併合の10年前。)

     

 各国地誌の最初が<亜細亜洲>で、その最初が<韓帝國>。
 「韓即チ元ノ朝鮮ハ古ヘノ三韓ノ地ニテ對馬ト僅カニ二十里ヲ隔テタリ。・・・」から始まり、なかなか簡明で要を得た説明文になっています。
 「京城ハ漢江ニ臨ミ、人口二十萬、大凡我ガ名古屋程ノ處ナレド市街ハ不潔ナリ。大抵韓人ハ不潔ナル土屋ニ住ミ、緩キ上衣ヲ著シ、性質懶惰ニシテ愛國心薄シ」とはなんともひどい書きよう・・・。(イザベラ・バードも少し前に同じように書いてはいるが・・・。)
 (京城方面から)「忠清南道ニ入レバ成歎驛アリ、日清ノ役最初ノ交戦地ナリ」とか(京城の北方)「昔小早川隆景ガ勇戦セシ碧蹄館等ヲ過ギテ黄海道ニ入ル」とか、日本軍の<輝かしい>戦跡はきっちり小学生にも教えるんですねー。私ヌルボは知りませなんだ。
 「韓國ハ農業國ナリ。・・・餘リ漁業ヲ榮マザレド、吾ガ國人ハ韓國政府ニ納税シ、盛ニ其ノ海岸ニテ漁猟セリ」等々、他にもいろいろ興味深く書かれています。
※成歎(ソンファン)驛は天安市にある京畿線の駅。

 この教科書で<感心した>のは、大きなまとまりごとに<摘要>として要点を七五調(!)の歌(?)にまとめていること。
この韓国の場合は次のとおりです。

 「韓國即ち朝鮮は 對馬のあなた二十里程。
 白頭山脈貫きて、區分はすべて八道なり。
 京畿道なる京城の 南の方の鐡道は
 牙山成歎地方より 釜山に至る豫定線。
 北には京畿の豫定線、平壌包圍攻撃の
 戦地を過ぎて満洲の 界に鴨緑、豆満江。
 其の三港は仁川と、釜山、元山、産物は
 米と大豆と牛皮なり。」

 明治初期、教科書として広く用いられた福沢諭吉の「世界國盡(くにづくし)」も七五調でしたが、それが当時の音読重視の授業と連動していたわけですね。しかし、レベルが高いなー。
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朝鮮半島 西海岸の日の出の名所

2009-12-26 23:41:50 | 韓国の街ネタ、観光ポイント、店・施設等
 昨日につづき、韓国の新聞に載っていた韓国観光公社の旅行広告にあった日の出の名所の紹介。
 今回は、西海岸で日の出が見られるのを売りにしている観光地です。

 広告にあるのは、「全羅南道・務安(ムアン.무안)の導里浦(トリポ.도리포)の日の出と全羅北道・辺山(ピョンサン)半島の来蘇寺(ネソサ.내소사)」というもの。

 ただ、その説明をみると、「忠清南道・唐津(タンジン.당진)のウェモク(왜목)村(マウル)は有名な西海岸の日の出の名所ですが、全羅南道の西海岸の小さな村で日の出が見られるという事実を知っている人は多くはありません」とあります。

 この広告には唐津への旅行コースはありませんが、忠清南道でソウルからそんなに時間がかからないし、地図(←この①と②のポイント)で見ても東にかなり広い牙山湾があって、ナルホドとうなずけます。

 ソウルナビ>の中に、行った人のくわしい旅行記が載っていました。これによると、カウントダウンイベントということで午前0時の新年幕開けに花火を打ち上げたりしているんですね。で日の出時刻は7時40分。日本みたいに早起きすることはないですが・・・。

 上記の唐津に対して、務安の導里浦の方は最近になって注目されてきたということです。2001年から初日祭が始まりました。名物のボラの刺身もお薦めだそうです。
 地図で見ると、東側の咸平(ハムピョン.함평)湾の彼方に水平線じゃなくて対岸が見えるようですが・・・。

 さてさて、西海岸からの日の出について韓国のサイトをいくつか見てみたら、上記の2ヵ所以外にもう1ヵ所あるのを見つけました。
 それは忠清南道・舒川(ソチョン.서천)の馬梁浦口(マリャンポグ.마량포구)。同じ忠清南道でも最北の唐津に対し、舒川は最南部で、錦江を挟んで南が全羅北道の群山です。
 地図で見てみると、舒川の北の方、大川海水浴場のある保寧との境近くに、かぎ針のように小さく湾曲した岬があって、そこが馬梁なんですね。

※この3つのポイントをまとめて紹介しているある韓国のサイトをみつけました。

※韓国の地図を見るたびに思うのですが、忠清南道・北道はどう見ても西道・東道でしょう。南道・北道にした理由が何かあるのでしょうか?


 日本で、日本海側から日の出が見られる所は、と考えたら、能登半島の他にもいろいろありそうですね。

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☆韓国の初日の出の名所 やっぱり正東津でしょ

2009-12-25 23:04:22 | 韓国の街ネタ、観光ポイント、店・施設等
 1週間後は元日です。
 初日の出を拝みに行く日本人は何人くらいいるのでしょうか?

 私ヌルボは数十年前の中学生時代(?)、友人と近所の山(約200m)の上の神社まで登って初日を見に行ったことがあります。他にも10人以上(?)いた人たちの中で、一人のお年寄りが初日の出とともに「バンザーイ!」と叫んだことを覚えています。さらに彼は「天皇陛下バンザーイ!」と続けたのでしたが・・・。ある意味、歴史的な体験といえるかも・・・。

 元日に初日の出を拝む習慣は韓国にもあります。

 今月韓国に行った時に、「ノコッニュース(너컷뉴스.nocutnews)」というフリーペーパー(新聞型)をみたら正月を中心にした韓国観光公社の国内旅行の広告が載っていました。

 その中で日の出がらみのものを紹介します。

 東海岸の江陵市・正東津(チョンドンジン.정동진)は<定番>!

 正東津は、ソウルから真東に位置するということでこの名があるそうです。
 正東津駅は<世界で最も海に近い駅>ということでキネスブックにも登録されたとか。(ホントに韓国人はキネスブックが好きですね。日本人以上でしょう。) 
 この辺りから南の三陟(サムチョク.삼척)にかけての海岸は、「砂時計」等々のドラマのロケ地もいろいろある風光明媚な観光地で、座席が海向きになっている海列車も有名です。
 この海岸列車で、夜に出て正東津に早朝着き、日の出を見るという<日の出ツアー>が人気です。

 鉄道の旅、行ってみようかなあと思った方は正東津のサイトに載っている時刻表を参考にしてください。

※そういえば、12月20日に紹介した漫画「無限動力」の中で主人公の青年の彼女が彼に「正月に車で旅行に行こうよ」と提案した場所も正東津でした。彼は「東海岸に向かう道は込むから、高速道路途中の途中で日の出を迎えることになるよ」といって拒否します。

 で、韓国観光公社の広告では、12の観光コースが用意されていましたが、そのうち正東津に行くのが2つ。

 1つ目は列車で行くコースで、正東津で日の出の後は、龍平(ヨンピョン)リゾートに行くというもの。
 発旺山の<幻想的な雪花>を見たり<童心に返って>そり滑りを楽しんだり、また<異国的な風景を誇る>大関嶺の羊牧場をめぐる・・・。

 龍平リゾートといえば「冬のソナタ」の主人公二人が仕事をしていた所で、発旺山(1458m)の頂上ではキスする雪ダルマを作ったんですって? あーそーですか。

 大関嶺の牧場といえば「秋の童話」「ラブストーリー」「ブラザーフッド」などの舞台になった三養大関嶺牧場という牧場もロケ地観光のコースになっているようですね。
 
 <龍平リゾート>とか<大関嶺>でググると、旅行プランとか、行った人の記録とかがそれなりにヒットします。

※龍平スキー場は韓国では最大規模のスキー場。当地平昌(ピョンチャン)郡は冬季オリンピック開催地に名のりをあげたが、2010年・14年と続けて惜敗。3度目の正直をねらって2018年の冬季オリンピックに立候補予定とのことです。

 正東津へ行く2つ目のコースは、正東津、大関嶺の羊牧場を巡った後、これも「冬ソナ」の名所・南怡島(ナミソム.남이섬)に行くというもの。宣伝文句には<恋人の島としてより広く知られるようになった南怡島でドラマの中の主人公になってみましょう!>とありますよ、ハハハ。

 あらまっ、もうこれだけでかなりの字数になってしまいました。
 では続きはまた今度にします。あ、この今度はすぐですよ。

 次は西海岸で日の出を見るツアーの紹介です。
 朝鮮半島の地図を思い浮かべて、「えっっ、そんな所があるの?」と疑問を持たれる方もいるでしょうが、あるんですよ、それが・・・・。

☆今回の記事に関係するサイトの紹介

A HAPPY NEW YEAR 2003>・・・正東津で初日の出を拝む。明け方5時45分に正東津に到着し、7時39分の日の出(遅い!)まで待ったとか・・・。

旅の車窓から>・・・海岸列車の日の出ツアー報告。電車や駅の写真豊富。

<ニッコリア>のサイト中の韓国写真レポート・・・大関嶺の雪の花祭のようす。

s大学の短期コース>・・・暮れ~正月の1週間、龍平リゾートで韓国語を勉強して、スキーも楽しむって、まあいろんな企画を考えつくもんだなあ・・・。
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悪質派遣会社になっている北朝鮮政府  ロシアで出稼ぎ労働者12人亡命

2009-12-24 21:51:46 | 北朝鮮のもろもろ


 12月21日の「毎日新聞」に、タイで大量の北朝鮮製武器が押収されたという記事がありました。

 今日24日の同紙の北朝鮮関係の記事も気が重くなります。
 内容は、「ロシアのアムール州に出稼ぎ労働などで滞在していた北朝鮮の男性計12人が今年9月、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の支援で韓国に亡命していたことが23日分かった」というもので、「北朝鮮労働者らの集団亡命が起きたのは初めて」とのことです。

 しかし、シベリアの森林伐採所への北朝鮮労働者の派遣は30年も前からで、日本でも「北朝鮮労働者のシベリア脱出記」(三一書房.1994)という本も刊行されています。その内容紹介には「本当にこんなことがあるのか。この地球で最も悲惨な人々―それは、シベリアの北朝鮮労働者であり、かつそこから脱出し、シベリアの大地を這いまわる人々だ」とあります。

 また、<北朝鮮を分析してみよう>というブログの9月1日の記事では、イギリスのBBC放送がシベリアの伐採所で働く北朝鮮労働者たちについて取材・報道した内容を紹介しています。

 それによると、北朝鮮の伐採労働者は過酷な自然環境の中で「獣のように働く。彼らの休日は1年に僅か2日、金日成と金正日の誕生日だけである」。また「零下30度まで下がるシベリアの酷寒の中で、数え切れないくらい怪我をしたり死んで行く」としながら、「これに耐え切れなくて、過去20数年間に数千人が伐採所から脱出して、ロシアに隠れて住んでいる」とのことです。

 また今年、チェコの縫製工場で働く北朝鮮の女性労働者についてのニュースが流されました。
 90人の労働者には北朝鮮の監視員がついて回り、稼いだ金のほとんどは北朝鮮に送金しなければならないことから、欧州のマスコミは彼女たちを<21世紀の奴隷>と報じ、チェコ政府は結局ビザ発給を中断して帰国させたとのことでした。

 これも同様の報道はすでに2006年にもありました。あるブログによると、「労働者たちの生活は、宿舎と工場の行き来のみで、外部との接触はほとんどなく、給料はチェコの労働者の半分ほどの月400ドル程度だという。しかし、最近になってチェコ政府は、労働者の給料の大部分が北朝鮮政府に入金されていることを確認し、北朝鮮労働者に対する新規ビザの発給を全面的に中断しているという」ということでした。

 同じく2006年、別のブログでは「毎日新聞」の記事を紹介していて、それによると、「欧州議会によると、北朝鮮からの派遣労働者はチェコ、ポーランドで確認されているほか、中東やアフリカ、ロシアも含めると全世界で1万~1万5千人に上ると推定されている。・・・ポーランドの造船所で働く男性労働者の場合、給与は北朝鮮の国営会社に直接振り込まれ、労働者の手取りは全額の3~4割である」とあります。
 
 ウィキペディアによると、この他にモンゴル、リビア、サウジアラビアなどに労働者を派遣しているとか・・・。やはり「労働者の給料の大半は北朝鮮当局に支払われており、労働者は北朝鮮の監視を受け生活圏外への移動の自由もない」とあります。

 以前12月5日の記事で少し記した冷麺レストランの従業員、あるいは私ヌルボが長白山(白頭山)に行った時に泊ったホテル内の北朝鮮レストランの従業員たちもおおよそ同じ状況にあるとみて間違いはなさそう・・・。

 資本家・地主の搾取からの解放を旗印にしていたはずの社会主義の理念は、建前さえもとっくに失われてしまっている・・・そればかりか、特権階級が党と国家の名で搾取している、という悲惨な構図になっているようです。

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ソウルの街のイルミネーション

2009-12-24 19:03:22 | 韓国旅行の記録
 今月韓国に旅行したこともあって、このプログに載せたいネタはいろいろあるのですが、いかんせん、時間がありません。
 これまで「いずれまた・・・」という言葉で終わらせた記事もたくさんあるし・・・。

 とりあえず、今日はクリスマスイブということで、12月12日にソウルに行った時の写真を並べましょう。夜の市街はもう至るところイルミネーションで飾られていました。

   
     【いうまでもない清渓川。西端、つまり世宗路の辺り。】

   
     【清渓川の観光馬車は12月17日の記事でも紹介しました。】

    
       【市庁前広場の前方ステージ部分は来年の干支のトラ模様。】

      
 【広場の南端には巨大なツリー。これを背景に人々が写真を撮っていました。】

   
 【広場の南にあるプラザホテル。私ヌルボが泊った所はこのホテル・・・・じゃなくて、その裏の方の旅館です。】

 
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ソウルの街の小変化 10月から歩行者も右側通行

2009-12-23 18:40:25 | 韓国旅行の記録
 1年の間に、ソウルの街はずいぶんいろんな所が変わっています。韓国全体でも当然そうでしょう。
それどころか、この9月から12月のわずか3ヵ月でもいろいろ変った所があります。
 大がかりな工事で街の外貌が変わるような大変化から、気づかない人もいるような小変化まで。
 10月2日の記事<ソウルの街 あっちでもこっちでも工事中>でも紹介したように、今のソウルはどんどん変わっていますから、それですごく驚くというほどのことでもないんですけどね。

 光化門広場のオープンは8月1日でしたが、これはもちろん大変化。
 10月9日ハングルの日に除幕式があった光化門広場の世宗大王像の設立は中変化でしょうか。

 9月行った時アレッ?と思ったは仁寺洞に立っていた石のチャンスンがなくなっていたこと。
 ネットで調べたら、少し前に石灰だかをかけられたということで、一時的な撤去かなと思って今回現地へ行ったら、チャンスンはないまま、どころか、大きく辺り一帯が様変わりしていました。

 光化門広場、仁寺洞入口等の大~中変化についての詳細についてはまたいずれ、ということにして、今回はとりあえず小変化を一つ紹介します。

 それは10月初めから歩行者が右側通行になったこと。
 9月に行った時すでに下の写真のようにポスターが貼られていました。<便利で安全な右側歩行!>、<世界そして私たちの歩行文化です>と記されています。

      

 9月30日の聯合ニュースには次のような記事がありました。

「10月1日から地下鉄、鉄道、空港など公共交通施設や公共機関内で、歩行者右側通行が実施される。
 韓国は1905年に初の近代的規定「大韓帝国規定」で右側通行を定めたが、朝鮮総督府の道路規則改正で1921年から日本と同様、左側通行とした。米軍政が1946年に車両の通行を右側に変更したが、歩行者の通行は左側のままとなった。1961年に制定された道路交通法は、「歩行者は歩道と車道の区分のない道路では左側を通行しなければならない」と明示している。
 しかし、政府はことし4月、歩行者の安全を考慮し世界的な歩行文化の流れに合わせるため、右側通行を根幹とする歩行文化改善計画を確定した。
 研究機関などの分析によると、右側歩行原則が定着すれば、歩行速度が1.2~1.7倍になり、衝突回数も7~24%減少するという。
 右側通行のパイロット地域は、地下鉄、鉄道、空港のエスカレーターや動く歩道など歩行関連施設で、9月末現在、476鉄道駅(100%)、15空港(100%)、627地下鉄駅(93.6%)の施設が右側歩行に合わせ改善された。
 国土海洋部は、歩行文化を変更するにあたり、国民の不便と混乱を最小化するため、パイロット期間中に右側通行広報を強化するとともに、病院や百貨店など民間施設にも、早期の変更を誘導する方針だ。
 右側歩行制度は、パイロット運用期間を経て来年7月から本格的に施行される。」


 ふーむ、ということは、世界では人も車も右側通行がふつうなんですかねー。しかし、これで実際に事故もそんなに減るのでしょうか?
 で、12月にソウルに行った時は、下の写真のように地下街等にいっぱい<右側歩行>と書かれた貼り紙が貼られていました。

     

 直接関係ありませんが、エスカレーターの歩いて昇る人は左、立ったままの人は右という<関西方式>には変化はありません。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[12月18日(金)~20日(日)]

2009-12-22 19:20:57 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 19日(土)、封切の日に例の「牛の鈴音」を観てきましたよ。銀座シネパトスは昔ながらの映画館の雰囲気があって、いいですね~。あ、昔ながらの映画館そのものか。入場も今はふつうの番号順じゃなくて、テキトーですからねー。

 で、映画の感想ですが、第3者的にいえば、こういう映画がこれだけヒットしたのは、本その他の<オンマ・シンドローム>と通じるものがあると思います。失われつつあるものへの惜別の念とか郷愁とかいったものですね。
 内容とは直接関係ないですが、映画の舞台は慶尚北道の奉化郡というところで、北は江原道と接しています。コテコテの慶北道方言で、私ヌルボの聴き取り能力レベルではほとんど対応できず。ただ、「クロニッカ~(그러니까.だから)」の<ニ>がはっきりと強く発音される等々、この方言の特徴をいくつか確認しました。
 さらに直接関係ないですが、あの題字は菅原文太さんが書いたということを当日初めて知りました。とても味のある字だなあと思っていたのですが、そうだったんですねー。
 そういえば、ヌルボも小学校の頃、田畑で役牛を使って耕作しているのをふつうに通学の道で目にしたものですが、考えてみればあれはもう日本では十分に<歴史的光景>の範疇といえるようですね。(パンフレットによれば、牛は1日に生の牧草だと50~60キロ、乾草だと15キロも食べるそうな・・・。知りませんでした。)

   ★★★ Daumの人気順位(12月22日現在上映中映画) ★★★
                   (順位:映画名:評点:投票者数)

【ネチズンによる順位】

①国家代表(韓国)  9.6 (7994)
②アバター  9.4 (1227)
③愛のあとに残されたもの  9.3 (33)
④パラム(韓国)  9.3(228)
⑤旅人(韓・仏)  9.2(45)
⑥エヴァンゲリオン:破  9.2(101)
⑦ブラック  9.0(952)
⑧ジュリーとジュリア  8.7(23)
⑨耳のないウサギ  8.6(64)
⑩ホンギルドンの後裔  8.5(512)

 ②、③、⑧が初登場。②と⑧は日本でも公開中(②は23日から)なので説明省略。
 ③は2008年ベルリン映画祭出品のドイツ映画。日本でもドイツ映画祭で上映されたということですが、知りませんでした。原題は「Kirschblüten-HANAMI」。
 <Kirschbl&uuml;ten>は<桜>で、<HANAMI>はもちろん<花見>。妻を亡くしたドイツ人の男性が日本を訪れて亡き妻の心を理解していくさまを描いた、泣ける映画だそうですよ。日本ファンのドリス・ドゥリー監督が日本を撮ったのは3度目とか。日本では一般公開しないのかなあ?

【専門家による順位】

①アバター  9.2 (7)
②イングロリアス・バスターズ  8. 6 (3)
③エヴァンゲリオン:破  8.5(2)
④アルジェの戦い  8.1 (5)
⑤私は幸せです(韓国)  7.5 (4)
⑥大いなる静寂(スイス・独・仏)  7.5 (2)
⑦愛のあとに残されたもの  7.4 (5)
⑧レイン  7.3(3)
⑨パジュ(韓国)  7.2 (7)
⑩告発のとき  7.1(6)

 初登場は①、⑦、⑧です。⑦は上述。①は専門家も高評価なんですねー。
 ⑧はフランスの女性監督アニエス・ジャウィの新作(2008年)で、原題はParlez-moi de la pluie(雨の話をして)>。内容は・・・、興味のある人はとりあえずリンク先を見て・・・。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[12月18日(金)~20日(日)] ★★★
            初登場「アバター」の一人勝ち

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数・・・・・・累計観客動員数・・・・上映館数
1・・アバター・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/17・・・・・・1,388,681・・・・・・・・・・・・・・・1,665,542・・・・・・・・545
2・・模範市民・・・・・・・・・・・・・・・・・12/10・・・・・・・・161,921・・・・・・・・・・・・・・・・692,405・・・・・・・・392
3・・ニュームーン/トワイライト・サーガ・・12/02・・143,236・・・・・・・・・・・・・・・1,857,525・・・・・・・・393
4・・シークレット(韓)・・・・・・・・・・・・12/03・・・・・・・・・95,474・・・・・・・・・・・・・・・1,003,126・・・・・・・・360
5・・2012・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/12・・・・・・・・・87,295・・・・・・・・・・・・・・・5,329,409・・・・・・・329
6・・女優たち(韓)・・・・・・・・・・・・・・・12/10・・・・・・・・・83,730・・・・・・・・・・・・・・・・・462,364・・・・・・・350
7・・ガールフレンズ(韓)・・・・・・・・・・12/17・・・・・・・・・57,786・・・・・・・・・・・・・・・・・・75,754・・・・・・・300
8・・忍者アサシン・・・・・・・・・・・・・・・11/26・・・・・・・・・35,301・・・・・・・・・・・・・・・1,302,529・・・・・・・241
9・・DISNEY'S クリスマス・キャロル・・11/26・・・・・・・12,856・・・・・・・・・・・・・・・・333,828・・・・・・・・・95
10・・ホン・ギルドンの後裔(韓)・・・・11/26・・・・・・・・・・8,986・・・・・・・・・・・・・・・・608,904・・・・・・・・・79

 「アバター」、日本公開は韓国から1日遅れの18日、のはずが日本だけ23日に延期だって? 何があったのかなあ? 韓国ではもうダントツの1位。概して、韓国の映画ファンはハリウッドの話題作への食いつきが日本よりもよさそうな気がします。
 「アバター」のあおりを受けてか、2位以下の数字はパッとしません。データソースのKOFICのリストの下方を見ると、たとえば前述の「愛のあとに残されたもの」など3日間で4人、「アルジェの戦い」は6人等、1ケタ台が10作品もあるし、最少はあるタイ映画でわずか1人ですからねー・・・。
 その他の新登場は7位だけ。今日の作家賞を受賞したイ・ホンの同名小説が原作で、3人の女性が1人の男性を平和に共有する物語を描いたロマンティックコメディ。主演はこの10月タブロとできちゃった結婚したカン・ヘジョンです。
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2009年の韓国出版界をふり返る(2)  ★村上春樹の高額版権料など

2009-12-21 21:10:35 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 前回は、韓国誌「出版ジャーナル」の特集記事の紹介で、本自体について5つのキーワードから2009年をふり返るという内容でしたが、その記事の後半ではさらに5つのキーワードをあげ、韓国の出版界をめぐるこの1年の話題をとりあげています。

⑥中小書店の危機
 韓国でも何年も前から中小書店の危機的状況が指摘されていましたが、今年はさらに強く実感されました。
 端的な例として、大田では52年間の伝統を持つテフン書籍が不渡を出したことは、多くの関係者と市民が残念がらせました。無理な経営拡張等が大きな原因だったと指摘されています。
 テフン書籍だけでなく、インターネット書店、大型書店を利用する市民が増え、中小書店の販路が狭まりました。2007年に全国で2042店あった中小書店は、2008年1916店に減少しました。また<企業型スーパー>の広がりも中小書店との葛藤を生じています。
  ※<企業型スーパー(ssm)>は、日本では大企業系列の小型スーパーにあたる。
 危機に対して、中小書店の側も内部をリモデリングしたり、作家の講演会等多様な企画によって市民との結びつきを強める等の努力をしています。

⑦金融危機以後
 2008年アメリカのサブプライム問題に端を発した金融危機で全世界の経済が大きな打撃を被った。この危機に直面して、韓国経済の活路を模索する書籍が刊行されました。
 「アメリカ発グローバル金融危機の診断と処方」「JPモーガン ジェイミー・ダイモン 金融危機最後の勝者」「グローバル金融危機と経済成長の終末:最悪のシナリオと生存戦略」「大韓民国の経済学に道を尋ねる」「サブプライム危機:グローバル金融危機の過去・現在・未来」「世界金融危機と出口戦略」などです。
 また経済危機以後、合理的な選択へ導く「ノッジ(Nudge.説得)」等が人気をよび、一般人がたやすく貯蓄を通じた財テクができるように紹介した本「4つの通帳」「私の通帳使用説明書」等が人気を集めました。また鋭い経済展望で話題となった<ミネルバ>ことパク・テソンが「ミネルバの生存経済学」を発刊したりもしました。

⑧電子ブック
 紙ではない携帯用端末機で本を読める電子ブックが今年大きな話題となりました。アメリカのネット書店アマゾンが出した端末機<キンドル(Amazon Kindle)>がアメリカで大人気となり、韓国でも電子ブック市場が活気を呈しました。
 9月に販売を始めたアイリバーの<ストーリー>の場合、教保文庫をはじめ、清潭語学院、斗山東亜、能率教育等のコンテンツ業体との提携を通じて、本だけではなくデジタル学習教材を活用できるようにしました。またMP3ファイルによってオーディオブックを聴取できるようにしました。
 来年にはインターパークINTとLGテレコムが手を握って、YES24、ハンギル社、アラディン等が共同出資したePubが電子ブック市場に進出する予定で、電子ブック市場の金のタマゴを産むガチョウになるか注目されています。
  ※<キンドル>は、まだ日本語には対応していません。

       

⑨高額の版権料をめぐる論争
 版権料、つまり版権を得るため出すお金にあたる用語を、韓国では<先印税.ソンインセ.선인세)といいます。
 村上春樹の新作「1Q84」の韓国内翻訳・出版をめぐって、多くの出版社が競争入札に参加し争奪戦を展開した結果、文学トンネ社が10億余ウォンもの<先印税>を出して版権を獲得したことが伝えられると、国内で論争となりました。
 韓国出版研究所のパク・ウォングン責任研究員は、「<先印税>は、基本的には市場論理です。販売可能性が高い作品に事前に投資をするのは当然です。財力があれば誰でも投資をしたくなるでしょう。それを以て国富流出論を云々することは正しくないです」と語っています。
 ただ、韓国が<先印税>をたくさん支払う国という認識を与え、今後平均<先印税>を高める事例が起こるため、過度の競争を自制する必要があると語っています。
また。「ペ・ヨンジュンの本が日本で<先印税>8億ウォンもらったことと、申京淑の場合10余ヵ国ですが4億ウォンを受け取ったという点も同じ論理」とのことです。
 このような論争をよそに、「1Q84」は刊行された直後から大きな話題となり、ベストセラーとなって、国内に丸1年春樹熱風を吹き起こしました。

⑩<ひざ打ち道士>
 <ひざ打ち道士>というのは、MBCテレビで毎週水曜午後11時15分からやっている「黄金漁場」という番組の中の、シルム(韓国相撲)出身ギャグマンのカン・ホドンがタレントやいろんな著名人をゲストに招き、悩みなどを聞いて解決していこうという設定のコーナーです。
  ※私ヌルボも何回も韓国で、あるいは買ったDVDで視ましたが、けっこう本音の、それも楽しいトークで、(聴き取りに大きな不安はありますが)人気の理由がわかります。

 年になって、本を出した人たちがこの番組に大勢出演しました。
 ハン・ビヤ、タブロ、黄暎(ファン・ソギョン)、パク・キョンチョル等で、以前はタレント中心だったのが、最近は作家または本を出した有名人の出演が多くなったとのことです。また、彼らの放送出演後、作品がベストセラー上位に上がる現象が見られました。

 女性探検家ハン・ビヤの放送出演後、彼女のエッセイ集「それは愛だったね(그건 사랑이었네)がベストセラー上位になりました。
  ※この時は私ヌルボもDVDで見て、9月2日<えっ、ハン・ビヤさんが<キルチですって!?>という記事にしました。

 また<田舎医師>パク・キョンチョルさんが出演して家族の話等、飾り気のない姿を見せた後、彼が書いた「田舎医師の美しい同行」だけではなく、以前の作品「田舎医師の金持ち経済学」「田舎医師の株式投資とは何か」等もベストセラー上位に上がりました。

 これらはすでに番組出演前にベストセラーに入る有名作家である場合が多いとはいえ、番組出演後さらに上位に上がる宣伝効果を十分みてとれます。
 しかし、ある評論家は「放送に出るとよく売れる社会現象に対して、反省し、恥じる必要もある」と述べています。

  ※明後日23日の<ひざ打ち道士>にはリュ・シウォンが出るそうですよ。
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