ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

最近の「朝鮮日報」の記事の中から

2010-08-19 23:52:31 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 図書館で8月14~18日の「朝鮮日報」をまとめ読み。
 光復節前後ということもあり、日本関連の記事も多く、また李明博大統領の<統一税>発言のように日本でも報道された政治関連記事もあれば、韓国プロ野球ロッテジャイアンツ李大浩選手の9試合連続本塁打を祝うロッテの全面広告もあります。
 ※韓国では9試合(9 시합)といわず9競技(9 경기)といいます。

 とくに、大きく紙面を割いているのは、15日に一般公開が始まった新しい光化門関係。これについてこのブログで書くとしたら、少なくとも記事5本分くらいにはなりそう・・・。

 ・・・ということで、今回は日本の新聞には載らない記事3つをかるく紹介してお茶を濁しておく(?)ことにします。

(1) 東京特派員氏が書いたコラム「日本列島10万㎞」 →韓国語 →日本語()

 5年前に来日したソン・ウジョン特派員。その時日本で買った車の走行距離が先週10万キロを超したとのことです。全国47都道府県を走破というのは、私ヌルボも遠く及ぶところではありません。
 彼が全国旅行を思い立ったのは、2006年島根県の<竹島の日>取材がきっかけ。松江市で早朝ジョギングをした時住宅街に迷い込んだ彼は整然とした街や「80歳を超えているであろうおばあさんが花壇に水をやり、おじいさんが路地の掃除をしていた」のを見て、「<竹島の日>を記念する少数よりも、心底まで誠実な多数の人々が目に迫った。しかし、そんな姿を伝えることはできなかった。整頓された路地、勤勉な高齢者など、「竹島」に興奮した韓国には何の意味があろうか」と自問します。
 その後旅行した各地では、「どこに行っても「素晴らしい日本」と「悪い日本」が交錯した」といいます。
 そして最後を次のような感想で結んでいます。
 「日本列島をめぐりながら、過去ではなく未来を見詰め、短所より長所を取り入れることが、韓国にとってよいのではないかと感じた。過去に対する怒りの矛を収めれば、数多くの長所がある国が日本だ。日本の長所を学べば学ぶだけ、われわれ韓国が強くなれば、それでいいのだ。島国日本はゆがんだ歴史観を持っていても成り立つが、文明と勢力が交錯する半島韓国は、過去に執着し、隣国と反目するほど、国家の基盤が崩れてしまう。100年前もそうだったし、100年後もそうであるはずだ」。

 先入観を排して、自分自身で見て考えたことを自然な筆致が書いている点に共感を持ちました。
 韓国語の記事の方には<100字評>が付いていて、この記事がどう受けとめられたかがわかります。

(2) シリーズ - 帝国の黄昏 <100年前のわれわれは> 235 -「英国外交官の目に映った高宗と伊藤博文」  →韓国語  →日本語

 日韓併合(1910年)の3年前、駐韓イギリス総領事ヘンリー・コックバーンが英国外相グレーあてに送った報告書の中で、当時の韓国皇帝高宗と、伊藤博文についての印象を次のように記していると紹介しています。

 「皇帝に対する謎は、そんなに知的な人がどのようにそれほど愚かに行動をしたのかを理解しようとする問題だ。彼を良く知っている多くの人々の証言によれば彼の心で沸き出る真の飾らない丁重さ、そして礼儀正しい態度などは疑うところがない。」 
 「高宗が信頼して仕事を任せるのに値する人を選び出す能力が不足しているから失政を犯すことになる。」
 「・・・虚偽情報を簡単に信じるだけでなく、海外政治状況に関する全体的な考えは、数年間彼に偽って提出された情報を基礎にしている。事実上彼は・・・どんな人も完全に覚ましてやれない政治的な錯覚の世界に住んでいる。」


 一方、伊藤博文については、高宗と相反する評価。
 伊藤の政治・外交的能力を高く評価しただけでなく人柄面でも絶賛している。「伊藤の参謀らは韓国で仕事をするのは良く思っていなかったが、伊藤が当所で仕事をするように要請したので満足している」とコックバーンは書いている。

 ・・・ということで、嫌韓派の人たちが喜びそうな内容。
 記事は、続けて次のようにコメントをつけています。

 「他の国外交官の観察を額面のとおり受け入れる必要はない。・・・だが第三者の目に当時の韓国と日本がどのように映ったのかは注目する必要がある。・・・外国人の目に映った大韓帝国は列強の侵略に対抗する軍事力もなくて、外交政策を推進する能力を持った人材も不足した。国家財政は貧弱だった。総体的な国力が日本と比較できないほど傾いた。累積した悪政と国際情勢に対する無知の結果であった。反面日本は・・・」

 ・・・と冷静な見方をしています。「朝鮮日報」だからか、韓国全体の雰囲気が変わってきているということなのか?

 (3)は韓国語関係ですが、別記事にします。
コメント
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