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「毎日新聞」の<朴奉珠元首相の復権>報道を考える

2010-08-15 13:44:34 | 北朝鮮のもろもろ
 今日(8月15日)の「毎日新聞」は1面トップで北朝鮮の中枢人事についての記事を掲載しています。
 記事の要点は、2007年に首相を解任された朴奉珠(パク・ポンジュ)の復権。朝鮮労働党の要職である軽工業部第1副部長のポストに就いた、というものです。

 「毎日新聞」は今年4月、別人と思われる写真を「金正雲の写真」として1面トップで報じてしまったことは記憶に新しいところです。※本ブログ4月20日の記事参照。
 ニュース・ソースは「平壌中枢に詳しい複数の関係者」とありますが、今回は大丈夫なんでしょうか?

 朴奉珠前首相が解任されたのは2007年4月。韓国ウィキペディアによると、解任理由は「‘先軍政治’時代に軍需経済に非協調的だったため」とあります。そして左遷された先が平安南道順川(スンチョン)市のビナロン連合企業所の支配人という地位。

 順川のビナロン連合企業所といえば、今年2月の「朝鮮新報」の記事に最近の状況が伝えられました。
 工場では長く生産がストップしていましたたが、朴奉珠の左遷から間もない2007年8月に<金正日総書記の現地指導>で再生計画が始動し、この2月6日には再稼働にこぎつけて、祝賀の咸興市群衆大会には10万人あまりが集まり、そこに金正日総書記も出席したとのことです。
 ※ワウコリアの記事を参照しました。

 このビナロン工場の生産再開と今回の朴奉珠前首相の復権と、何らかの関係があるのかないのか・・・はよくわかりません。

 2007年の首相更迭の分析については、<河信基の深読み>というブログ内の<朴奉珠総理更迭と北朝鮮経済改革の展望(上)(下)>という記事が参考になりました。

 他のサイトの記事でも、中国式の改革開放を主張する穏健・交渉派と、軍部に色濃い従来の思想重視・強硬派との路線争いの中で、前者に属する朴奉珠は「守旧派の目の敵」とされていて、彼の更迭は後者が優位に立ったことを示す、という意味だとのことでした。

 ・・・ということは、今回の彼の復権は、今後北朝鮮が改革開放路線をとる、ということなのでしょうか?
 最初の「毎日」の情報信頼度からして不確定要素もあるので、もちろん憶測レベル、そう考えてみました、という程度のものですが・・・。

※韓国メディアの反応は、サイトで見るかぎり「毎日」の記事をそのまま紹介しているだけで、とくにコメントを付けたものはないようです。

※「毎日」は、金正日の妹で張成沢の夫人キム・キョンヒ(김경희)の漢字表記を金慶喜としています。他の多くのメディアではこれまで金敬姬と表記しています。どちらが正しいかを気にするのは日本人的発想なのかも・・・。しかし「毎日」が慶喜としたのは何か根拠があるのか、疑問です。
コメント
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