ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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雑誌立ち読み・韓国&北朝鮮情報

2010-08-25 23:50:49 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 ほとんどの雑誌は発行部数が長期低落傾向にあるとか。
 日本のオジサンでありながらも、代表的オジサン雑誌「文藝春秋」を読んでいる人は減ってきているようです。
 ましてや「世界」となると<左翼>一般の長期低落傾向と相俟って、大きな書店でないと置いてなかったりします。
 私ヌルボ、その「文藝春秋」と「世界」の両方とも購読しています。めずらしい部類かも・・・。前は「論座」を読んでいたのですが、廃刊してしまったのでしかたなく(?)「世界」にしました。

 上記の月刊誌、どちらも分厚いので毎号なんらかの韓国や北朝鮮関係の記事が載っています。
 読んでいない人のために&自分自身のためのメモという感じで、簡単に紹介します。興味を持った方は立ち読みして下さい。もちろん購入して下さってもいいですよ。

A.「文藝春秋」9月号
①西川美和(映画監督)「ソウルの狂犬」
 巻頭エッセイで、最近ヌルボも注目の日本人監督中の1人西川監督が、ヌルボ(だけじゃないけど)絶賛の韓国映画「息もできない」と、その監督ヤン・イクチュンについて実に熱っぽく記しています。この4月末、西川監督の作品(「ディア・ドクター」(韓国題は「우리 의사 선생님(われわれのお医者さん)」)の韓国公開キャンペーンの折、ヤン監督が試写を観に来てくれたとのこと。彼自身が演じた映画の主人公はさながら「ソウルの狂犬」だったが、試写会後のロビーで西川監督を迎えたヤン監督は「愛嬌の塊」で「狂犬どころかのらくろだ」。翌日の鍋を囲んでの話がまた興味深い・・・。

②大城俊道(ジャーナリスト)「オフレコ公開 李明博が「普天間韓国移設」を極秘提案」
 「文藝春秋」にはたまに「ギョッ!」(←チョー古い!!)とさせる記事が載ります。なかにはチョンボもあったりしますが、これはどうか? 記事の骨子は次の通り。
 「6月26日にカナダ・トロントでの米韓首脳会談で、李大統領が『普天間基地の問題について、日米同盟が最悪のシナリオに陥った場合、韓国国内の軍施設を基地移転地として提供したい』とバラク・オバマ米大統領に提案した」。
 この記事は当然韓国政界でも問題視されているようです。
 <サーチナ>の記事「李大統領が普天間の韓国移設を提案か、事実関係めぐり韓国紛糾」によると、「大統領府は報道について「完全な作り話」と否定しているが、韓国の民主党議員は「事実の可能性が高い」と述べるなど発言をめぐり紛糾している」とのことです。

[付記]韓国・北朝鮮とは関係ないですが、9月号は芥川賞受賞の赤染晶子「乙女の密告」が掲載されていて、単行本のことを考えると「文春」買う方がお買得。もっとも受賞作よりも9人の選考委員の選評の方がずうーっとオモシロイ! 特に今回はオモシロイ。高評価あり、批判あり、それぞれナルホド、と思ってしまいました。石原慎太郎は今回も案の定「現代文学の衰弱」と題した評を寄せていますが、自らの衰弱をまず自覚してほしい、と言ってもムリでしょうねー・・・。

B.「世界」9月号
①「ベストセラー作家と語る中国 北朝鮮を怒らせた中国人作家 葉永烈」
 中国で、人気作家の書いた北朝鮮旅行記が北朝鮮の抗議を受けた中国政府によって発禁書扱いにされ、またこの旅行記に基づいたテレビ番組がやはり北朝鮮の抗議を受けた、とのことです。
 作家葉永烈氏は北朝鮮に取材旅行を申請してもなしのつぶて。2006年ツアー客としての訪問に基づいて、08年「真実的朝鮮」を出版したところ、朝鮮大使館の抗議により回収処分になった。
 ・・・北朝鮮当局を正面から批判するような記述は見あたらないそうですが・・・。
 また北朝鮮を訪れる中国人旅行者は今年の見通しは3万~4万人にもなるとのことですが、<友好国>の人々に対してもいろいろと制限は厳しいようです。
 しかし、この騒動のおかげで、この本の完全版の「解密朝鮮(朝鮮の秘密を解く)」が09年香港で出版され、「さらに韓国語版と英語版も出る予定です」。
 ・・・ここらへんが現代中国の摩訶不思議なとこですね。また、この記事によると、中国では北朝鮮に対し批判的、乃至は冷笑的な見方をする人が増えているようです。

②佐藤大介(共同通信ソウル特派員)「「民主化」の記憶と現在 光州事件から三〇年目の韓国」
 光州事件で鎮圧部隊の一員として現地に投入された金東寛さん。軍の同僚たちの発砲で市民が倒されてゆく凄惨な光景の記憶が彼の心を蝕み、統合失調症と診断される。06年に政府を相手に「上官からの精神的圧力による」として恩給の対象となる<国家有功者>の登録を申請するが認められず、訴訟を起こした結果昨年勝訴が確定。
 ・・・記事にもあるように99年の映画「ペパーミント・キャンディ」を思い起こされる話。他にもいろいろあるんでしょうね。
 この記事では、さらに、今年の光州事件犠牲者追悼の式典が、政府と市民団体との対立で、97年式典が政府行事となって以来初めて分列開催となった事情、李明博大統領の冷淡と見える言動等を伝えています。

③大石進(ヒューマンライツ・ナウ理事)「いま甦る弁護士・布施辰治」
 布施辰治(1880~1953)については、昨年高麗博物館で展示が行われたり、ことしドキュメンタリー映画が作られたり、「布施辰治と朝鮮」という本が刊行されたりと、このところ名前をよく見かけるようになりました。韓国でも注目度が高まっているとのことです。
 この記事によれば、布施は敗戦後突然異国の民として放り出された朝鮮人のために、国民主権・人権の保障・大統領制・平和主義を基本とした「朝鮮建国憲法草案」も作成しているとか・・・。知りませんでした。

 ・・・①~③の合計22ページ、全部立ち読みだと時間かかり過ぎるかも。

④「ドキュメント 激動の南北朝鮮」
 連載の南北朝鮮諸情報。
 この中では、北朝鮮の食糧事情に注目です。「このままでは90年代半ば以来の深刻な食糧危機に直面する危険性がある」と世界食糧計画(WFP)は警告しています。

 ちなみに週刊誌は「週刊文春」と「週刊金曜日」は毎週読んでいます。コチラにも興味深いネタがあるのですが、もう十分以上に書きすぎたので、オシマイにしておきます。

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