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デューラーと知的所有権

2009-08-30 | ヨーロッパの歴史
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2009年 8月30日(日)16時24分52秒

先に引用した部分に続く記述も興味深いですね。

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 付け加えるならば、デューラーは一方では職人・技術者の根強い秘密主義に抗して知の公開を実践したが、それと同時に、今日言うところの「知的所有権」については、これを早くから認めていた。『人体均衡論』に触れて「〔本均衡論』に触れて「〔本書には〕他の書物から盗作されたものは何もない」と明言している。そして彼の死後に寡婦の手で出版された『人体均衡論』の末尾には、神聖ローマ帝国官房長官代理の名で、デューラー未亡人にたいして本書の著作権を一〇年間保証すること、さらには違反者は罰金を科せられる旨が記されている。『測定術教則』の一五三八年の第二版にも同趣旨の記載がある。どの程度実効性があったかは不明であるが、著作権の公的な保障が明記されたきわめて初期の事例である。(p79)
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ウィキペディアで著作権の歴史を見ると、

The earliest German privilege of which there is trustworthy record was issued in 1501 by the Aulic Council to an association entitled the Sodalitas Rhenana Celtica, for the publication of an edition of the dramas of Hroswitha of Gandersheim, which had been prepared for the press by Konrad Keltes.

とあるので、確かにデューラーのも早い事例のようです。
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