学問空間

【お知らせ】teacup掲示板の閉鎖に伴い、リンク切れが大量に生じていますが、順次修正中です。

ダンテ生誕750周年

2015-12-24 | ヨーロッパの歴史
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年12月24日(木)10時02分5秒


昨日は群馬県立土屋文明記念文学館で行われた浦一章氏(東京大学大学院教授、イタリア文学)の「『神曲』に描かれた中世イタリア―ダンテ生誕750周年に寄せて」という講演を聴講してみたのですが、このテーマで人が集まるのかなあと他人事ながら心配していたところ、軽く百人以上来ていて、ちょっとびっくりしました。
やはり年齢層は高いのですが、別にヒマを持て余した人達がテーマに関係なく集まって来たという雰囲気ではなく、浦氏のかなり高度な内容の講演を熱心に聴いている人が多かったですね。
質疑応答の時間では、初心者が読むのは誰の翻訳がよいか、という質問に対し、浦氏は、多くの翻訳があるけれども読みやすいのはやはり平川祐弘氏でしょうか、との穏当な回答をしていました。
また、入門書として何か適当な本は、という質問に、職場の同僚だという松村真理子氏の本が良い、とのことでしたが、肝心の書名は失念したそうで、けっこういい加減な紹介でしたね。
検索してみたら『謎と暗号で読み解く ダンテ「神曲」』(角川書店、2013)という新書版の本のようですが、ちょっと胡散臭い感じがしないでもないタイトルですね。


掲示板投稿の保管庫にしているブログ「学問空間」で、昨日の閲覧者が多かった記事ベストテンの中に7年前に書いた「中世京都首都論」(大村拓生氏の同名の著書の感想を書いたもの)が入っていたので、何でかな、と思いましたが、大村拓生氏のブログを見たところ、700冊印刷した同書が200冊ほど売れ残って近く断裁予定なのだそうですね。


それを伝え聞いた人が内容確認のために検索をかけて私のブログにも来られた、ということでしょうか。
『中世京都首都論』は非常に良い本で、私はもちろん購入済みですが、今は歴史の専門書はせいぜい500部という時代になってしまったようですね。

『中世京都首都論』

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「メトード・ローズでもいい... | トップ | 原因 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ヨーロッパの歴史」カテゴリの最新記事