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直江君の思い出

2009-09-04 | 佐藤優『国家の罠』&モロゾフ・野坂参三
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2009年 9月 4日(金)18時45分7秒

私はもともとNHK大河ドラマにそれほど興味がないのですが、今年の『天地人』の場合、ちょっと特別な理由があって、全く見ていません。
というのは、私の大学時代の登山仲間に直江君という人がいて、「ナオエ」と聞くとどうしても彼の顔を連想してしまうからです。
彼は非常に頭が良く、特に記憶力が優れていました。
高山植物に関して該博な知識を持ち、彼と一緒の山行では珍しい植物に出会うと彼がたちどころに詳細に解説してくれて、大変便利でした。
彼はよく笑う人でしたが、妻夫木聡のような爽やかな笑顔の持ち主ではなく、どちらかというとへらへらした笑顔でした。
風貌にも妻夫木聡のような爽やかさは全くなく、本当は清潔好きで潔癖な人でしたが、どことなく『ゲゲゲの鬼太郎』に出てくるネズミ男を連想させるところがありました。
また、彼は思想的な面で若干変わった人で、難解な左翼的言辞を好み、普通の話題を変に政治的な方向に曲げて、周囲を困惑させることが得意でした。
ところで今年初め、この掲示板で佐藤優氏の『国家の罠-外務省のラスプーチンと呼ばれて』が話題になりましたが、私が佐藤氏の本をいくつか読んで非常に奇妙に思ったのは、佐藤氏が浦和高校、同志社大学神学部、同大学院神学研究科時代に学生運動にかかわっていたことを自慢そうに書いていたことでした。
そして、浦和高校時代、佐藤氏が所属していた新聞部の部室には赤や青や黒のいろんなセクトのヘルメットが転がっていた、という記述を読んだとき、私の頭の中には直江君のへらへらした笑顔が浮かんできました。
直江君も浦和高校出身なのですが、彼に関する断片的な記憶をつなぎ合わせると、どうも直江君は浦和高校新聞部で佐藤氏の後輩だったようです。
浦和高校の一角には既に10年以上前に終息していた全共闘運動の残り火がチラチラと燃えていて、佐藤氏も直江君もその火種を守って生きてきた変人たちの仲間だったのだろうなあ、などと勝手に想像してしまいます。
直江君は今は大学の先生となって、相変わらず難解な文章を書いているようです。
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